JP7458944B2 - 限界電流式ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、限界電流式ガスセンサ及びその製造方法に関する。
特開昭59-166854号公報(特許文献1)の第6図は、限界電流式酸素センサを開示している。この限界電流式ガスセンサは、絶縁基板と、ガス透過性を有する第1電極と、薄膜固体電解質と、ガス透過性を有する第2電極とを備えている。絶縁基板上に、第1電極と、薄膜固体電解質と、第2電極とが順次積層されている。第1電極及び第2電極は、各々、白金またはパラジウムで形成されている。酸素ガスは、第1電極を通って酸素イオンになる。酸素イオンは薄膜固体電解質を伝導して、第2電極に移動する。
特開昭59-166854号公報
特許文献1の限界電流式酸素センサでは、限界電流式酸素センサから出力される限界電流値に基づいて、正確な被測定ガスの濃度を得ることができないことがあった。本開示は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる限界電流式ガスセンサを提供することである。
本開示の限界電流式ガスセンサは、第1多孔質電極と、複数の固体電解質島と、第2多孔質電極とを備える。第1多孔質電極は、主面を含む。複数の固体電解質島は、第1多孔質電極の主面上に設けられており、かつ、互いに分離されている。第2多孔質電極は、複数の固体電解質島上に設けられている。第1多孔質電極は、複数の固体電解質島にわたって設けられている。第2多孔質電極は、複数の固体電解質島にわたって設けられている。第1多孔質電極の主面の平面視における複数の固体電解質島の各々の最大サイズは、50√2μm以下である。
本開示の限界電流式ガスセンサの製造方法は、主面を含む第1多孔質電極を形成することと、第1多孔質電極の主面上に、互いに分離されている複数の固体電解質島を形成することと、複数の固体電解質島上に、第2多孔質電極を形成することとを備える。第1多孔質電極は、複数の固体電解質島にわたって形成されている。第2多孔質電極は、複数の固体電解質島にわたって形成されている。第1多孔質電極の主面の平面視における複数の固体電解質島の各々の最大サイズは、50√2μm以下である。
本開示の限界電流式ガスセンサ及びその製造方法によれば、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
実施の形態の限界電流式ガスセンサの概略部分断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの概略部分平面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図3に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図4に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図5に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図6に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図7に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図8に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図9に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図10に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図11に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態の限界電流式ガスセンサの製造方法における、図12に示す工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態1の限界電流式ガスセンサの回路図である。 700℃の温度でアニールされた第1比較例の固体電解質層の表面のSEM写真を示す図である。 700℃の温度でアニールされた第2比較例の複数の固体固体電解質島の一つの表面のSEM写真を示す図である。 700℃の温度でアニールされた実施例の複数の固体固体電解質島の一つの表面のSEM写真を示す図である。 実施の形態の変形例の限界電流式ガスセンサの概略部分平面図である。
以下、実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態)
図1及び図2を参照して、実施の形態の限界電流式ガスセンサ1を説明する。限界電流式ガスセンサ1は、例えば、自動車の排ガスのような被測定ガスに含まれる、窒素酸化物(NO)の濃度を測定することができる。限界電流式ガスセンサ1は、例えば、被測定ガスに含まれる酸素(O2)の濃度、または、被測定ガスに含まれる水蒸気(H2O)濃度を測定することができる。
限界電流式ガスセンサ1は、第1多孔質電極16と、複数の固体電解質島21と、第2多孔質電極25とを主に備える。限界電流式ガスセンサ1は、ガス導入路15と、ガス排出路27とをさらに備えてもよい。限界電流式ガスセンサ1は、基板4と、ヒータ9と、温度センサ13と、絶縁層5,7,10,14,23,24,28と、窒化物層6,11と、密着層8a,8b,12と、温度センサ13とをさらに備えてもよい。
基板4は、特に限定されないが、シリコン基板である。基板4の厚さは、例えば、2μm以下である。そのため、基板4の熱容量が小さくなって、ヒータ9の消費電力を低減させることができる。基板4は、主面4mを含む。基板4に開口4aが設けられている。基板4の開口4aは、基板4の主面4mまで延在しており、基板4と絶縁層5との間の接触面積を減少させる。
ヒータ9は、複数の固体電解質島21におけるイオン伝導を可能にするために、複数の固体電解質島21を加熱する。ヒータ9は、基板4の主面4m上に設けられている。基板4の主面4mの平面視において、ヒータ9は、蛇行してもよく、蛇行ヒータ配線であってもよい。基板4の主面4mの平面視において、ヒータ9は開口4aの縁によって囲まれている。そのため、ヒータ9で発生した熱は、基板4に散逸し難くなって、複数の固体電解質島21を効率的に印加され得る。
具体的には、基板4の主面4m上に絶縁層5が設けられている。絶縁層5は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。絶縁層5上に窒化物層6が設けられている。窒化物層6は、例えば、窒化シリコン(Si34)で形成されている。窒化物層6上に絶縁層7が設けられている。絶縁層7は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。絶縁層5,7及び窒化物層6は、ヒータ9を基板4から電気的に絶縁している。
ヒータ9は、絶縁層7上に形成されている。ヒータ9は、例えば、白金で形成されている薄膜ヒータである。絶縁層7及びヒータ9上に絶縁層10が設けられている。ヒータ9は、絶縁層10に埋め込まれている。絶縁層10は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。ヒータ9の長手方向に垂直な断面において、ヒータ9は密着層8a,8bに覆われていてもよい。密着層8aは、絶縁層7とヒータ9との間に設けられている。密着層8aは、絶縁層7に対するヒータ9の密着性を向上させる。密着層8bは、ヒータ9と絶縁層10との間に設けられている。密着層8bは、絶縁層10に対するヒータ9の密着性を向上させる。
密着層8a,8bは、金属酸化物で形成されている。密着層8a,8bは、例えば、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化モリブデンまたは酸化タンタルのような遷移金属酸化物で形成されている。密着層8a,8bは、各々、金属と酸素との化学量論比において酸素が欠乏している酸素欠乏領域を含む。酸素欠乏領域は、ヒータ9と密着層8a,8bとの間の界面近傍の密着層8a,8bの部分に存在する。そのため、ヒータ9に対する密着層8a,8bの密着性が向上する。酸素欠乏領域における酸素の量は、密着層8a,8bを形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の30%以上80%以下であってもよく、密着層8a,8bを形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の40%以上75%以下であってもよく、密着層8a,8bを形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の45%以上70%以下であってもよい。
密着層8a,8bを形成する金属酸化物における金属と酸素との間の化学量論比は、1.0:0.5より大きくかつ1.0:1.5以下であってもよく、1.0:0.6以上かつ1.0:1.5以下であってもよく、1.0:0.9以上かつ1.0:1.4以下であってもよい。
絶縁層10上に窒化物層11が設けられている。窒化物層11は、例えば、窒化シリコン(Si34)で形成されている。温度センサ13は、窒化物層11上に形成されている。温度センサ13は、例えば、白金で形成されている薄膜温度センサである。絶縁層10及び窒化物層11は、温度センサ13を基板4及びヒータ9から電気的に絶縁している。窒化物層11及び温度センサ13上に絶縁層14が設けられている。温度センサ13は、絶縁層14に埋め込まれている。絶縁層14は、温度センサ13を保護している。絶縁層14は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。密着層12は、窒化物層11と温度センサ13との間に設けられている。密着層12は、窒化物層11に対する温度センサ13の密着性を向上させる。
密着層12は、金属酸化物で形成されている。密着層12は、例えば、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化モリブデンまたは酸化タンタルのような遷移金属酸化物で形成されている。密着層12は、金属と酸素との化学量論比において酸素が欠乏している酸素欠乏領域を含む。酸素欠乏領域は、温度センサ13と密着層12との間の界面近傍の密着層12の部分に存在する。そのため、温度センサ13に対する密着層12の密着性が向上する。酸素欠乏領域における酸素の量は、密着層12を形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の30%以上80%以下であってもよく、密着層12を形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の40%以上75%以下であってもよく、密着層12を形成する金属酸化物の化学量論的組成の酸素の量の45%以上70%以下であってもよい。
密着層12を形成する金属酸化物における金属と酸素との間の化学量論比は、1.0:0.5より大きくかつ1.0:1.5以下であってもよく、1.0:0.6以上かつ1.0:1.5以下であってもよく、1.0:0.9以上かつ1.0:1.4以下であってもよい。
絶縁層14上に、ガス導入路15が設けられている。ガス導入路15は、被測定ガスの入口(図示せず)から第1多孔質電極16のうち複数の固体電解質島21に対向している部分まで延在している。ガス導入路15は、第1多孔質電極16の第1融点より高い第2融点を有する第1多孔質遷移金属酸化物で形成されてもよい。ガス導入路15は、第2多孔質電極25の第3融点より高い第2融点を有する第1多孔質遷移金属酸化物で形成されてもよい。本明細書では、遷移金属は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)の元素の長周期表における3族から11族までの元素を意味する。第1多孔質遷移金属酸化物は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)、二酸化チタン(TiO2)または酸化クロム(III)(Cr23)である。
第1多孔質電極16は、ガス導入路15上に設けられている。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21とガス導入路15との間に設けられている。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21にわたって設けられている。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21の各々に接触している。特定的には、第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21の各々の下面に接触している。複数の固体電解質島21の各々の下面は、第1多孔質電極16に近位するまたは第2多孔質電極25から遠位する複数の固体電解質島21の各々の表面である。第1多孔質電極16は、主面16aを含む。第1多孔質電極16の主面16aは、複数の固体電解質島21に近位する第1多孔質電極16の上面である。第1多孔質電極16は、被測定ガスを複数の固体電解質島21に向けて通しやすい。第1多孔質電極16は、例えば、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)で形成されている。
複数の固体電解質島21は、第1多孔質電極16の主面16a上に設けられている。複数の固体電解質島21は、ZrO2、HfO2、ThO2またはBi23等の母材に、CaO、MgO、Y23またはYb23等が安定剤として添加されている酸素イオン伝導体のようなイオン伝導体で形成されている。複数の固体電解質島21は、例えば、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、または、(La,Sr,Ga,Mg,Co)O3で形成されている。複数の固体電解質島21は、ヒータ9によって加熱されることによって、イオン伝導性を有する。限界電流式ガスセンサ1の動作時に、複数の固体電解質島21は、例えば、400℃以上750℃以下の温度で加熱される。
複数の固体電解質島21の各々は、例えば、2.0μm以下の厚さを有している。複数の固体電解質島21の各々は、例えば、0.8μm以上の厚さを有している。複数の固体電解質島21は、互いに分離されている。第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21の各々は、例えば、正方形または長方形のような四角形の形状(図2を参照)を有してもよいし、円形の形状(図18を参照)を有してもよい。第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21は、二次元的に周期的に配列されてもよい。第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21は、例えば、格子状または千鳥状に配列されてもよい。
第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは、50√2μm以下である。第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは、50μm以下であってもよく、30μm以下であってもよい。本明細書において、第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21の各々の任意の二点を結ぶ複数の直線の長さのうち最大の長さとして定義される。
例えば、図2に示されるように、複数の固体電解質島21の各々が正方形の形状を有する場合、複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは、複数の固体電解質島21の各々の対角線の長さである。図18に示されるように、複数の固体電解質島21の各々が円形の形状を有する場合、複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは、複数の固体電解質島21の各々の直径である。
互いに隣り合う二つの固体電解質島21の間の間隔は、複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxより小さくてもよい。そのため、複数の固体電解質島21を高い密度で配置することができる。
絶縁層23は、絶縁層14と、ガス導入路15の側面上と、第1多孔質電極16上と、複数の固体電解質島21の各々上とに設けられている。絶縁層23は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)層と二酸化シリコン(SiO2)層とのスタック層である。絶縁層23上に、絶縁層24が設けられている。絶縁層24は、例えば、二酸化チタン(TiO2)層である。絶縁層23及び絶縁層24には、開口が設けられている。複数の固体電解質島21の各々の上面は、絶縁層23及び絶縁層24から露出している。複数の固体電解質島21の各々の上面は、第1多孔質電極16から遠位するまたは第2多孔質電極25に近位する複数の固体電解質島21の各々の表面である。
第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21上に設けられている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21にわたって設けられている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21の各々に接触している。特定的には、第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21の各々の上面上に設けられている。第2多孔質電極25は、絶縁層23及び絶縁層24に設けられている開口内に設けられている。第2多孔質電極25は、絶縁層24上にも設けられている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21とガス排出路27との間に設けられている。第2多孔質電極25は、被測定ガスをガス排出路27に向けて通しやすい。第2多孔質電極25は、例えば、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)で形成されている。
ガス排出路27は、第2多孔質電極25上に設けられている。ガス排出路27は、第2多孔質電極25のうち複数の固体電解質島21に対向している部分から被測定ガスの出口(図示せず)までに延在している。ガス排出路27は、第1多孔質電極16の第1融点より高い第4融点を有する第2多孔質遷移金属酸化物で形成されてもよい。ガス排出路27は、第2多孔質電極25の第3融点より高い第4融点を有する第2多孔質遷移金属酸化物で形成されてもよい。第2多孔質遷移金属酸化物は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)、二酸化チタン(TiO2)または酸化クロム(III)(Cr23)である。
絶縁層28は、ガス排出路27と第2多孔質電極25と絶縁層24との上に設けられている。絶縁層28は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)層と二酸化シリコン(SiO2)層とのスタック層である。絶縁層28は、ガス排出路27と第2多孔質電極25とを保護する保護層として機能する。
複数の固体電解質島21と、複数の固体電解質島21に面する第1多孔質電極16の部分と、複数の固体電解質島21に面する第2多孔質電極25の部分とは、限界電流式ガスセンサ1のセンサ部分を構成する。基板4の開口4aのため、限界電流式ガスセンサ1のセンサ部分は、基板4によって両端が支持される梁構造体に形成されている。そのため、センサ部分の熱容量が低減されて、センサ感度が向上され得る。
センサ部分を支持する支持体は、基板4と、ヒータ9と、温度センサ13とに加えて、絶縁層5,7,10,14と窒化物層6,11との多層構造、すなわち、二酸化シリコン(SiO2)層と窒化シリコン(Si34)層との多層構造を含む。この多層構造の熱膨張係数は、二酸化シリコン(SiO2)の熱膨張係数よりも、ヒータ9の熱膨張係数(例えば、白金の熱膨張係数)に近い。そのため、センサ部分をヒータ9によって加熱して限界電流式ガスセンサ1を動作させている間に限界電流式ガスセンサ1に加わる熱応力を減少させることができる。
図1から図13を参照して、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法の一例を説明する。本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法は、支持構造体を形成することと、支持構造体の表面15aに、主面16aを含む第1多孔質電極16を形成することと、第1多孔質電極16の主面16a上に、互いに分離されている複数の固体電解質島21を形成することとを主に備える。本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法は、第2多孔質電極25を形成することと、ガス排出路27を形成することとをさらに備えてもよい。
図3から図7を参照して、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法のうち、支持構造体を形成することを説明する。支持構造体は、基板4と、ヒータ9と、温度センサ13と、絶縁層5,7,10,14と、窒化物層6,11と、密着層8a,8b,12と、ガス導入路材料層15pとを含む。
図3を参照して、化学気相堆積(CVD)法によって、基板4の主面4m上に絶縁層5を形成する。基板4は、例えば、シリコン基板である。絶縁層5は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。CVD法によって、絶縁層5上に窒化物層6を形成する。窒化物層6は、例えば、窒化シリコン(Si34)で形成されている。CVD法によって、窒化物層6上に絶縁層7を形成する。絶縁層7は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。
図4を参照して、ヒータ9を形成する。具体的には、スパッタ法によって、絶縁層7上に、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化モリブデンまたは酸化タンタルのような金属酸化物層(図示せず)を形成する。金属酸化物層上に、フォトレジスト(図示せず)を形成する。フォトリソグラフィー法により、フォトレジストをパターニングする。パターニングされたフォトレジストを用いて金属酸化物層をパターニングする。こうして、密着層8aが得られる。
続いて、スパッタ法によって、密着層8a及び絶縁層7上に、白金層のような金属層(図示せず)を形成する。金属層上に、フォトレジスト(図示せず)を形成する。フォトリソグラフィー法により、フォトレジストをパターニングする。パターニングされたフォトレジストを用いて金属層をパターニングする。こうして、ヒータ9が得られる。基板4の主面4mの平面視において、ヒータ9は、蛇行してもよく、蛇行ヒータ配線であってもよい。
続いて、スパッタ法によって、絶縁層7、密着層8a及びヒータ9上に、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化モリブデンまたは酸化タンタルのような金属酸化物層(図示せず)を形成する。金属酸化物層上に、フォトレジスト(図示せず)を形成する。フォトリソグラフィー法により、フォトレジストをパターニングする。パターニングされたフォトレジストを用いて金属酸化物層をパターニングする。こうして、密着層8bが得られる。ヒータ9の長手方向に垂直な断面において、ヒータ9は密着層8a,8bに覆われている。
図5を参照して、CVD法によって、絶縁層7及び密着層8a,8b上に絶縁層10を形成する。ヒータ9は、絶縁層10に埋め込まれる。絶縁層10は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。CVD法によって、絶縁層10上に窒化物層11を形成する。窒化物層11は、例えば、窒化シリコン(Si34)で形成されている。
図6を参照して、温度センサ13を形成する。具体的には、スパッタ法によって、窒化物層11上に、酸化チタン、酸化クロム、酸化タングステン、酸化モリブデンまたは酸化タンタルのような金属酸化物層(図示せず)を形成する。金属酸化物層上に、フォトレジスト(図示せず)を形成する。フォトリソグラフィー法により、フォトレジストをパターニングする。パターニングされたフォトレジストを用いて金属酸化物層をパターニングする。こうして、密着層12が得られる。
続いて、スパッタ法によって、窒化物層11及び密着層12上に、白金層のような金属層(図示せず)を形成する。金属層上に、フォトレジスト(図示せず)を形成する。フォトリソグラフィー法により、フォトレジストをパターニングする。パターニングされたフォトレジストを用いて金属層をパターニングする。こうして、温度センサ13が得られる。
それから、CVD法によって、窒化物層11、密着層12及び温度センサ13上に絶縁層14を形成する。温度センサ13は、絶縁層14に埋め込まれる。絶縁層14は、例えば、二酸化シリコン(SiO2)で形成されている。
図7を参照して、絶縁層14上に、ガス導入路材料層15pを形成する。ガス導入路材料層15pは、多孔質層である。特定的には、ガス導入路材料層15pは、第1多孔質遷移金属酸化物で形成される。第1多孔質遷移金属酸化物は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)、二酸化チタン(TiO2)または酸化クロム(III)(Cr23)である。一例では、ガス導入路材料層15pは、斜方蒸着法によって形成される。別の例では、ガス導入路材料層15pは、遷移金属酸化物の粉末を焼結することによって形成される。
こうして、基板4と、ヒータ9と、温度センサ13と、絶縁層5,7,10,14と、窒化物層6,11と、密着層8a,8b,12と、ガス導入路材料層15pとを含む支持構造体が形成される。支持構造体は、表面15aを含む。支持構造体の表面15aは、例えば、基板4から遠位するガス導入路材料層15pの表面である。
図8から図10を参照して、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法のうち、主面16aを含む第1多孔質電極16を形成することと、第1多孔質電極16の主面16a上に複数の固体電解質島21を形成することとを説明する。主面16aを含む第1多孔質電極16を形成することは、支持構造体の表面15aの全てに第1多孔質電極材料層16pを形成することと、第1多孔質電極材料層16pをエッチング(パターニング)して、第1多孔質電極16を形成することとを含む。第1多孔質電極16の主面16a上に複数の固体電解質島21を形成することは、第1多孔質電極材料層16p上に固体電解質材料層20を形成することと、固体電解質材料層20をエッチング(パターニング)して複数の固体電解質島21を形成することとを含む。
具体的には、図8を参照して、支持構造体の表面15aに、主面16aを含む第1多孔質電極材料層16pを形成する。第1多孔質電極材料層16pの主面16aは、支持構造体の表面15aから遠位する第1多孔質電極材料層16pの表面である。具体的には、ガス導入路材料層15p上に、第1多孔質電極材料層16pを形成する。特定的には、第1多孔質電極材料層16pは、支持構造体の表面15aの全てに形成される。言い換えると、支持構造体の表面15aの全ては、第1多孔質電極材料層16pで覆われている。第1多孔質電極材料層16pは、多孔質金属層である。第1多孔質電極材料層16pは、例えば、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)で形成されている。第1多孔質電極材料層16pは、例えば、スパッタ法により形成される。
図8を参照して、第1多孔質電極材料層16p上に、固体電解質材料層20を形成する。固体電解質材料層20は、例えば、ZrO2、HfO2、ThO2またはBi23等の母材に、CaO、MgO、Y23またはYb23等が安定剤として添加されている層である。特定的には、固体電解質材料層20は、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)で形成されている。固体電解質材料層20は、例えば、スパッタ法によって形成される。
図9を参照して、固体電解質材料層20をエッチングすることによって、第1多孔質電極材料層16p上に複数の固体電解質島21を形成する。固体電解質材料層20は、例えば、三塩化ホウ素(BCl3)ガスを用いたプラズマエッチングによって、パターニングされる。第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmax(図2及び図18を参照)は、50√2μm以下である。固体電解質材料層20をエッチング(パターニング)する際、第1多孔質電極材料層16pは、エッチストップ層として機能して、支持構造体がエッチングされることを防止する。
図10を参照して、第1多孔質電極材料層16pとガス導入路材料層15pとをエッチングすることによって、第1多孔質電極16と、ガス導入路15とを形成する。第1多孔質電極材料層16pは、例えば、アルゴンと酸素との混合ガスを用いたプラズマエッチングによってパターニングされる。ガス導入路材料層15pは、例えば、塩素ガスを用いたプラズマエッチングによってパターニングされる。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21にわたって形成されている。第1多孔質電極16の主面16aは、第1多孔質電極材料層16pの主面16aである。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21の各々に接触している。
図11から図13を参照して、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法のうち、複数の固体電解質島21上に第2多孔質電極25を形成することと、第2多孔質電極25上にガス排出路27を形成することとを説明する。
具体的には、図11を参照して、絶縁層14上と、ガス導入路15の側面上と、第1多孔質電極16上と、複数の固体電解質島21上とに、絶縁層23を形成する。絶縁層23は、例えば、スパッタ法により形成される。絶縁層23は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)層と二酸化シリコン(SiO2)層とのスタック層である。絶縁層23をエッチングして、開口を形成する。それから、スパッタ法により、絶縁層23上と複数の固体電解質島21上とに、絶縁層24を形成する。絶縁層24は、例えば、二酸化チタン(TiO2)層である。絶縁層24をエッチングして、開口を形成する。複数の固体電解質島21の各々の上面は、絶縁層23,24から露出している。
図12を参照して、複数の固体電解質島21及び絶縁層24上に、第2多孔質電極25を形成する。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21にわたって形成されている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21の各々に接触している。第2多孔質電極25は、例えば、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)で形成されている。第2多孔質電極25は、例えば、スパッタ法により形成される。
図13を参照して、第2多孔質電極25上に、ガス排出路27を形成する。ガス排出路27は、多孔質層である。特定的には、ガス排出路27は、第2多孔質遷移金属酸化物で形成される。第2多孔質遷移金属酸化物は、五酸化タンタル(Ta25)、二酸化チタン(TiO2)または酸化クロム(III)(Cr23)である。一例では、ガス排出路27は、遷移金属酸化物を斜方蒸着法によって形成される。別の例では、ガス排出路27は、遷移金属酸化物の粉末を焼結することによって形成される。
図13を参照して、ガス排出路27と第2多孔質電極25と絶縁層24との上に、絶縁層28を形成する。絶縁層28は、例えば、五酸化タンタル(Ta25)層と二酸化シリコン(SiO2)層とのスタック層である。絶縁層28は、ガス排出路27と第2多孔質電極25とを保護する保護層として機能する。
それから、基板4をエッチングして、基板4に開口4aを形成する。基板4の主面4mの平面視において、ヒータ9は開口4aの縁によって囲まれている。こうして、図1及び図2に示される限界電流式ガスセンサ1が得られる。
図1、図2及び図14を参照して、被測定ガスが自動車の排ガスであり、被測定ガスに含まれる成分ガスが窒素酸化物(NOx)である場合を例に、限界電流式ガスセンサ1の動作を説明する。
被測定ガスが、ガス入口(図示せず)から、ガス導入路15及び第1多孔質電極16を通って、複数の固体電解質島21に流れる。ガス導入路15は、単位時間当たりの複数の固体電解質島21へのガスの流量を制限する。第1多孔質電極16は、被測定ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)の大部分を占める一酸化窒素NOを、窒素(N2)と酸素(O2)とに分解する。
図14に示されるように、第1多孔質電極16は、電圧源2の負極に接続されている。酸素(O2)は、第1多孔質電極16と複数の固体電解質島21との界面で、電圧源2から供給される電子を受け取って、酸素イオン(2O2-)に変換される。複数の固体電解質島21は、ヒータ9を用いて、例えば、400℃以上750℃以下の温度で加熱されている。酸素イオンは、複数の固体電解質島21の下面から複数の固体電解質島21の上面に伝導する。酸素イオンの伝導に起因して、第1多孔質電極16と第2多孔質電極25との間に電流が流れる。
ガス導入路15によって複数の固体電解質島21への被測定ガスの流量が制限されているため、第1多孔質電極16と第2多孔質電極25との間の電圧を増加させても、第1多孔質電極16と第2多孔質電極25との間に流れる電流が一定となる。この一定の電流は、限界電流と呼ばれている。限界電流値は、被測定ガス(例えば、排ガス)に含まれる成分ガス(例えば、窒素酸化物(NOx))の濃度に比例する。限界電流値を電流検出器3で測定する。限界電流値から、被測定ガスに含まれる成分ガスの濃度が得られる。電圧源2は、可変電圧源であってもよい。第1多孔質電極16と第2多孔質電極25との間に印加される電圧の大きさを変化させることにより、被測定ガスに含まれる別の成分ガス(例えば、水蒸気(H2O)または酸素(O2))に対応する別の限界電流値を得ることができる。別の限界電流値から、別の成分ガス(例えば、水蒸気(H2O)または酸素(O2))の濃度を得ることができる。
第2多孔質電極25に到達した酸素イオン(2O2-)は、第2多孔質電極25と複数の固体電解質島21との界面で電子を奪われて、酸素(O2)に変換される。酸素(O2)などのガスは、第2多孔質電極25及びガス排出路27を通って、ガス出口(図示せず)から放出される。
図15から図17を参照して、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の一例である実施例を、第1比較例及び第2比較例と対比しながら、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の作用を説明する。
第1比較例の限界電流式ガスセンサは、実施の形態の限界電流式ガスセンサ1と同様の構成を備えているが、第1比較例の固体電解質層が複数の固体電解質島21に分割されていない点で、実施の形態1の限界電流式ガスセンサ1と異なっている。図15に示されるSEM写真(倍率5000倍)を参照して、第1比較例の限界電流式ガスセンサを、限界電流式ガスセンサの動作温度範囲に含まれる700℃でアニールすると、固体電解質層の表面にクラックが発生する。固体電解質層を通常の向きに(すなわち、固体電解質層の下面から固体電解質層の上面に)流れた被測定ガスの一部が、クラックを通って、固体電解質層を反対向きに(すなわち、固体電解質層の上面から固体電解質層の下面に)流れることがある。
第1比較例の限界電流式ガスセンサは、固体電解質層を通常の向きに流れる被測定ガスと固体電解質層を反対向きに流れる被測定ガスとに基づく限界電流値を出力する。そのため、第1比較例の限界電流式ガスセンサから出力される限界電流値は、被測定ガスの濃度を正確に反映していない。第1比較例の限界電流式ガスセンサから出力される限界電流値に基づいて、正確な被測定ガスの濃度を得ることはできない。
第2比較例の限界電流式ガスセンサは、実施の形態の限界電流式ガスセンサ1と同様の構成を備えているが、第2比較例の複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxが80√2μmである点で、実施の形態1の限界電流式ガスセンサ1と異なっている。図16に示されるSEM写真(倍率5000倍)を参照して、第2比較例の限界電流式ガスセンサを、限界電流式ガスセンサの動作温度範囲に含まれる700℃でアニールすると、複数の固体電解質島21の一つの表面にクラックが発生する。そのため、第1比較例の限界電流式ガスセンサと同様の理由により、第2比較例の限界電流式ガスセンサから出力される限界電流値に基づいて、正確な被測定ガスの濃度を得ることはできない。
これに対し、実施例の限界電流式ガスセンサ1では、複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは50√2μmである。図17に示されるSEM写真(倍率5000倍)を参照して、実施例の限界電流式ガスセンサ1を、限界電流式ガスセンサ1の動作温度範囲に含まれる700℃でアニールしても、複数の固体電解質島21の各々の表面にクラックが発生しない。実施例の限界電流式ガスセンサ1は、固体電解質層を通常の向きに流れる被測定ガスに基づく限界電流値を出力する。そのため、実施例の限界電流式ガスセンサ1から出力される限界電流値は、被測定ガスの濃度を正確に反映している。実施例の限界電流式ガスセンサ1から出力される限界電流値に基づいて、正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
以下の理由により、本実施の形態では複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生しないと考えられる。限界電流式ガスセンサ1の温度を限界電流式ガスセンサ1の動作温度まで上昇させると、複数の固体電解質島21に熱応力が印加される。しかし、本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、複数の固体電解質島21の各々の最大サイズLmaxは50√2μm以下である。本実施の形態では、複数の固体電解質島21の各々に印加される熱応力を減少させることができるため、複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生しない。これに対し、第1比較例の固体電解質層及び第2比較例の複数の固体電解質島21にはより大きな熱応力が印加されるため、第1比較例の固体電解質層及び第2比較例の複数の固体電解質島21にクラックが発生する。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1は、第1多孔質電極16と、複数の固体電解質島21と、第2多孔質電極25とを備える。第1多孔質電極16は、主面16aを含む。複数の固体電解質島21は、第1多孔質電極16の主面16a上に設けられており、かつ、互いに分離されている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21上に設けられている。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21にわたって設けられている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21にわたって設けられている。第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズは、50√2μm以下である。
そのため、限界電流式ガスセンサ1の動作時に、複数の固体電解質島21の各々に印加される熱応力を減少させることができて、複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生することを防止することができる。限界電流式ガスセンサ1によれば、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、複数の固体電解質島21は、各々、2.0μm以下の厚さを有している。
そのため、限界電流式ガスセンサ1の動作時に、複数の固体電解質島21の各々に印加される熱応力を減少させることができて、複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生することを防止することができる。限界電流式ガスセンサ1によれば、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、複数の固体電解質島21は、各々、0.8μm以上の厚さを有している。
そのため、第1多孔質電極16上に、緻密かつ高品質な複数の固体電解質島21を形成することができる。限界電流式ガスセンサ1によれば、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21の各々は、四角形の形状を有している。
そのため、複数の固体電解質島21を第1多孔質電極16上に高い密度で配置することができる。第1多孔質電極16の面積に対する複数の固体電解質島21の面積の割合を増加させることができる。限界電流式ガスセンサ1の感度を向上させることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21の各々は、円形の形状を有している。
複数の固体電解質島21の各々は角部を有していないため、複数の固体電解質島21の各々において熱応力の集中が緩和される。限界電流式ガスセンサ1の動作時に、複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生することを防止することができる。限界電流式ガスセンサ1によれば、より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21は、二次元的に周期的に配列されている。
そのため、複数の固体電解質島21を高い密度で配置することができる。限界電流式ガスセンサ1の感度を向上させることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1では、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において、複数の固体電解質島21は、格子状または千鳥状に配列されている。
そのため、複数の固体電解質島21を高い密度で配置することができる。例えば、第1多孔質電極16の主面16aの平面視において複数の固体電解質島21の各々が正方形の形状を有する場合には、複数の固体電解質島21を格子状に配列することによって、複数の固体電解質島21を高い密度で配置することができる。第1多孔質電極16の主面16aの平面視において複数の固体電解質島21の各々が円形の形状を有する場合には、複数の固体電解質島21を千鳥状に配列することによって、複数の固体電解質島21を高い密度で配置することができる。限界電流式ガスセンサ1の感度を向上させることができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法は、主面16aを含む第1多孔質電極16を形成することと、第1多孔質電極16の主面16a上に、互いに分離されている複数の固体電解質島21を形成することと、複数の固体電解質島21上に第2多孔質電極25を形成することとを備える。第1多孔質電極16は、複数の固体電解質島21にわたって形成されている。第2多孔質電極25は、複数の固体電解質島21にわたって形成されている。第1多孔質電極16の主面16aの平面視における複数の固体電解質島21の各々の最大サイズは、50√2μm以下である。
そのため、限界電流式ガスセンサ1の動作時に、複数の固体電解質島21の各々に印加される熱応力を減少させることができて、複数の固体電解質島21の各々にクラックが発生することを防止することができる。より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる限界電流式ガスセンサ1を製造することができる。
本実施の形態の限界電流式ガスセンサ1の製造方法では、第1多孔質電極16を形成することは、支持構造体の表面15aの全てに第1多孔質電極材料層16pを形成することと、第1多孔質電極材料層16pをエッチングして、第1多孔質電極16を形成することとを含む。第1多孔質電極16の主面16aは、支持構造体の表面15aから遠位する第1多孔質電極16の表面である。第1多孔質電極16の主面16a上に複数の固体電解質島21を形成することは、第1多孔質電極材料層16p上に固体電解質材料層20を形成することと、第1多孔質電極材料層16p上の固体電解質材料層20をエッチングして複数の固体電解質島21を形成することとを含む。
そのため、固体電解質材料層20をエッチングする際、第1多孔質電極材料層16pはエッチストップ層として機能して、支持構造体がエッチングされることを防止する。より正確な被測定ガスの濃度を得ることができる限界電流式ガスセンサ1を製造することができる。
今回開示された実施の形態及びその変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 限界電流式ガスセンサ、2 電圧源、3 電流検出器、4 基板、4a 開口、4m 主面、5,7,10,14,23,24,28 絶縁層、6,11 窒化物層、8a,8b,12 密着層、9 ヒータ、13 温度センサ、15 ガス導入路、15a 表面、15p ガス導入路材料層、16 第1多孔質電極、16a 主面、16p 第1多孔質電極材料層、20 固体電解質材料層、21 固体電解質島、25 第2多孔質電極、27 ガス排出路。

Claims (9)

  1. 主面を含む第1多孔質電極と、
    前記第1多孔質電極の前記主面上に設けられており、かつ、互いに分離されている複数の固体電解質島と、
    前記複数の固体電解質島上に設けられている第2多孔質電極とを備え、
    前記第1多孔質電極は、前記複数の固体電解質島にわたって設けられており、
    前記第2多孔質電極は、前記複数の固体電解質島にわたって設けられており、
    前記主面の平面視における前記複数の固体電解質島の各々の最大サイズは、50√2μm以下である、限界電流式ガスセンサ。
  2. 前記複数の固体電解質島は、各々、2.0μm以下の厚さを有している、請求項1に記載の限界電流式ガスセンサ。
  3. 前記複数の固体電解質島は、各々、0.8μm以上の厚さを有している、請求項1に記載の限界電流式ガスセンサ。
  4. 前記主面の前記平面視において、前記複数の固体電解質島の各々は、四角形の形状を有している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  5. 前記主面の前記平面視において、前記複数の固体電解質島の各々は、円形の形状を有している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  6. 前記主面の前記平面視において、前記複数の固体電解質島は、二次元的に周期的に配列されている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の限界電流式ガスセンサ。
  7. 前記主面の前記平面視において、前記複数の固体電解質島は、格子状または千鳥状に配列されている、請求項6に記載の限界電流式ガスセンサ。
  8. 主面を含む第1多孔質電極を形成することと、
    前記第1多孔質電極の前記主面上に、互いに分離されている複数の固体電解質島を形成することと、
    前記複数の固体電解質島上に、第2多孔質電極を形成することとを備え、
    前記第1多孔質電極は、前記複数の固体電解質島にわたって形成されており、
    前記第2多孔質電極は、前記複数の固体電解質島にわたって形成されており、
    前記主面の平面視における前記複数の固体電解質島の各々の最大サイズは、50√2μm以下である、限界電流式ガスセンサの製造方法。
  9. 前記第1多孔質電極を形成することは、支持構造体の表面の全てに第1多孔質電極材料層を形成することと、前記第1多孔質電極材料層をエッチングして、前記第1多孔質電極を形成することとを含み、
    前記第1多孔質電極の前記主面は、前記支持構造体の前記表面から遠位する前記第1多孔質電極の表面であり、
    前記第1多孔質電極の前記主面上に前記複数の固体電解質島を形成することは、前記第1多孔質電極材料層上に固体電解質材料層を形成することと、前記第1多孔質電極材料層上の前記固体電解質材料層をエッチングして前記複数の固体電解質島を形成することとを含む、請求項8に記載の限界電流式ガスセンサの製造方法。
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