JP7458384B2 - 電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置 - Google Patents

電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7458384B2
JP7458384B2 JP2021519942A JP2021519942A JP7458384B2 JP 7458384 B2 JP7458384 B2 JP 7458384B2 JP 2021519942 A JP2021519942 A JP 2021519942A JP 2021519942 A JP2021519942 A JP 2021519942A JP 7458384 B2 JP7458384 B2 JP 7458384B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shield
aperture
electron
electron gun
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021519942A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020235003A1 (ja
Inventor
実 金田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Tech Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Tech Corp filed Critical Hitachi High Tech Corp
Publication of JPWO2020235003A1 publication Critical patent/JPWO2020235003A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7458384B2 publication Critical patent/JP7458384B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/09Diaphragms; Shields associated with electron or ion-optical arrangements; Compensation of disturbing fields
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/06Electron sources; Electron guns
    • H01J37/073Electron guns using field emission, photo emission, or secondary emission electron sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/02Details
    • H01J37/04Arrangements of electrodes and associated parts for generating or controlling the discharge, e.g. electron-optical arrangement, ion-optical arrangement
    • H01J37/06Electron sources; Electron guns
    • H01J37/075Electron guns using thermionic emission from cathodes heated by particle bombardment or by irradiation, e.g. by laser
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/28Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes with scanning beams
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/061Construction
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/063Electron sources
    • H01J2237/06308Thermionic sources
    • H01J2237/06316Schottky emission
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/063Electron sources
    • H01J2237/06325Cold-cathode sources
    • H01J2237/06341Field emission

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

本発明は、電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置に関し、特に引出電極に絞りが設けられた電子銃に好適に使用できる。
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)のような荷電粒子線装置において、狭エネルギー幅で高輝度の電流を安定して取り出すために、例えばショットキー型または電界放出型の電子銃が用いられている。一般的に、電子銃には、電子源の先端に電子を引き出すために、強電界を発生させる引出電極が備えられ、引出電極には、引出電極を通過する電子を制限するための絞りが設けられている。
特許文献1には、電子銃の引出電極の表面に窪みを設ける技術が開示されている。
特許文献2には、電子銃の引出電極に二段の絞りを設け、これらの表面を炭素によってコーディングする技術が開示されている。
特許文献3には、電子銃の引出電極に二段の絞りを設けることで、絞りを通過する電子ビームの角度を所定の範囲に抑制する技術が開示されている。
特許文献4には、電子銃の電子加速部に永久磁石を配し、永久磁石からの磁界によって、電子源から放出される電子ビームを収束する技術が開示されている。
米国特許出願公開第2010/0320942号明細書 特開2013-45525号公報 特開2008-117662号公報 国際公開第2008/120412号
電子銃の電子源から放出された電子線は、加速電極によって加速され、集束レンズおよび対物レンズなどの電子レンズを介して検査対象の試料に照射される。ここで、例えば走査型電子顕微鏡では、電子線が試料に衝突した際に発生する二次電子を検出し、試料の構造の観察および分析が行われる。
ここで、観察されるメインスポットの周囲に、フレアと呼ばれる明るい領域が発生する場合がある。そうすると、フレアが起因となり、観察像のS/N比の低下および分解能の低下などの問題が発生する。フレアの発生の一因として、電子源から放出された電子線に、電子銃の内部において発生する二次電子が混入している場合が考えられる。従って、電子銃において、電子線に二次電子が混入することを抑制できる技術が望まれ、荷電粒子線装置において、フレアの発生を出来る限り抑制するための技術が望まれる。
その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態における電子銃は、電子源と、電子源から電子線を引き出すための引出電極と、引き出された電子線を加速させるための加速電極とを有する。ここで、引出電極には、電子線の一部を通過させるための絞り、絞りから離間するように絞りの上方に位置する第1シールド、および、絞りから離間するように絞りの下方に位置する第2シールドが設けられている。また、絞りには、第1口径を有する第1開口部が設けられ、第1シールドには、第1口径よりも大きい第2口径を有する第2開口部が設けられ、第2シールドには、第1口径よりも大きい第3口径を有する第3開口部が設けられている。
一実施の形態によれば、二次電子の混入が抑制された電子銃を提供できる。また、そのような電子銃を備えた荷電粒子線装置によって得られる観察像の精度を向上できる。
実施の形態1における電子銃を示す断面図である。 実施の形態1における引出電極に設けられた絞りの周辺構造を示す斜視図である。 実施の形態1における荷電粒子線装置を示す模式図である。 検討例における電子銃の要部を示す拡大断面図である。 実施の形態1における電子銃の要部を示す拡大断面図である。 実施の形態1における電子銃の要部を示す拡大断面図である。 実施の形態1における電子銃の要部を示す拡大断面図である。 変形例における電子銃の要部を示す拡大断面図である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いられる図面では、図面を見易くするために、断面図であってもハッチングが省略されている場合もある。
(実施の形態1)
以下に図1および図2を用いて、実施の形態1における電子銃EGを説明する。ここで、電子銃EGは、例えばショットキー型の電子銃である。
電子銃EGは、例えばタングステン単結晶からなる電子源1と、電子源1に溶接されたフィラメント7と、電子源1に塗布された酸化ジルコニウム層8と、電子源1の周囲に設けられたサプレッサ電極9とを有する。フィラメント7は、電子源1を加熱するために設けられており、サプレッサ電極9は、フィラメント7から発生する熱電子を抑制するために設けられている。
また、電子銃EGは、電子源1から電子を引き出すために、強電界を発生させる引出電極2と、引き出された電子を所定のエネルギーに加速させるための加速電極3とを有する。
引出電極2には、電子線(一次電子、電子ビーム)E1の入射角を制限し、電子線E1の一部を通過させるための絞り4と、絞り4の上方に位置するシールド(電界遮蔽板)5と、絞り4の下方に位置するシールド(電界遮蔽板)6とが設けられている。絞り4およびシールド5は、互いに十分な間隔で離間され、絞り4およびシールド6は、互いに十分な間隔で離間されている。
また、絞り4、シールド5およびシールド6の各々は、導電性材料からなり、高い耐熱性を有する材料からなる。そのような材料は、金属であり、例えばモリブデン(Mo)、タンタル(Ta)またはタングステン(W)を主体とする。また、上記材料には、上記金属の表面に白金パラジウムまたは炭素などがコーティングされている物も含まれる。
図2は、引出電極2に設けられた絞り4、シールド5およびシールド6の周辺を拡大して示した部分的な斜視図である。
絞り4には、開口部OP4が設けられており、電子源1から放出された電子線E1の一部が、開口部OP4の内部を通過する。シールド5およびシールド6には、それぞれ開口部OP5および開口部OP6が設けられており、開口部OP5および開口部OP6の各々の口径は、開口部OP4の口径よりも大きい。なお、図2において、開口部OP4~OP6の各々は、半円形状として図示されているが、実際には光軸OAを中心とした円形状である。
実施の形態1における電子銃EGの主な特徴は、絞り4の上方にシールド5が設けられ、且つ、絞り4の下方にシールド6が設けられている点と、これらの形状とであるが、このような特徴については、検討例との比較などを通じて、後で詳細に説明する。
以下に、図1における電子銃EGの基本的な動作について説明する。
電子源1の先端は鋭くエッチングされており、電子源1には、接地電位に対して負の電位V0が印加される。サプレッサ電極9に負の電圧Vsを印加した状態でフィラメント7に電流源Ifから電流を流すと、フィラメント7は加熱され、電子源1に塗布されている酸化ジルコニウム層8は、電子源1の先端に向かって拡散する。ここで、引出電極2に正の電圧V1を印加すると、電子源1の先端近傍の電界が強くなり、ショットキー効果によって、電子源1の結晶面から引出電極2に向かって電子線E1が放出される。電子源1から放出された電子線E1のうち、大部分は絞り4、シールド5およびシールド6を含む引出電極2によって遮蔽されるが、一部は絞り4(開口部OP4)を通過する。絞り4を通過した電子線E1は、加速電極3によって加速され、電子銃EGから放出される。
なお、引出電極2に設けられている絞り4、シールド5およびシールド6には、それぞれ同じ電圧が印加され、引出電極2と同様に正の電圧V1が印加される。
図3は、図1および図2において説明した電子銃EGを備えた荷電粒子線装置100を示す模式図である。なお、実施の形態1における荷電粒子線装置100は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)である。
図3に示されるように、荷電粒子線装置100は、電子銃EG、電子レンズ10、偏向コイル11、ステージ12および検出器14を備える。実際には、これらは一つの筐体に内包され、この筐体には各構成を制御する制御回路なども含まれるが、ここではそれらの図示を省略している。
検査対象となる試料13を観察する場合には、試料13はステージ12上に搭載される。電子銃EGから放出された電子線E1は、電子レンズ10によって特定の倍率に縮小され、試料13に電子スポットとして集束される。電子レンズ10は、コイルを有する電磁石であり、電子レンズ10から発生する電磁場が、電子線E1に集束作用を与えるレンズとして機能する。また、電子線E1は、偏向コイル11によって、試料13のうち所望の位置へ走査される。
検出器14は、例えば二次電子検出器であり、電子線E1が試料13に衝突した際に試料13から発生した二次電子E2を検出する。この検出された二次電子E2の量を明るさとして、検出器14に電気的に接続された画像処理機器などに表示することで、SEM像が得られる。
なお、荷電粒子線装置100には、このような検出器14の他に、反射電子を検出するための反射電子検出器、または、試料13から発生するX線のスペクトルを検出し、試料13の元素解析を行うためのX線検出器などが設けられていてもよい。
<検討例における電子銃の引出電極2の構造と、その問題点>
図4は、検討例における電子銃の要部を示す拡大断面図であり、引出電極2の構造を示している。また、図4には、引出電極2の周囲に発生している等電位線および二次電子E3も示されている。
検討例における電子銃および引出電極2は、実施の形態1における電子銃EGおよび引出電極2とほぼ同じ構造を有するが、絞り4の上方および下方にシールド5およびシールド6が設けられていない点で、実施の形態1と相違する。
絞り4の開口部OP4を通過しない電子線E1の大部分は、絞り4に衝突し、絞り4に吸収される。しかしながら、図4に示されるように、そのような電子線E1の一部は、衝突時に二次電子E3を発生させる。なお、このような二次電子E3は、実際には多数発生しているが、ここでは一例として一つの二次電子E3のみが示されている。
絞り4の開口部OP4付近においては、引出電極2と加速電極3との間に形成される電界の一部が、開口部OP4の下方から上方へ向かって若干突出している。この突出した電界によって、開口部OP4付近で発生した二次電子E3は、絞り4を通過する方向(開口部OP4の下方側)に力を受け、加速電極3によって更に加速され、電子線E1に混入し、電子銃EGから放出される。
電子銃EGから放出された二次電子E3は、電子源1から直接放出された一次電子(メインビーム)である電子線E1に比べて低エネルギーであるが、荷電粒子線装置100において、フレアとして観測される。上述のように、フレアは、荷電粒子線装置100において、観察像のS/N比の低下および分解能の低下などの原因となる。
<実施の形態1における電子銃EGの主な特徴>
実施の形態1における電子銃EGは、上記検討例が有する問題を抑制するために考案されたものである。図5は、図4と同様の領域に対応し、実施の形態1における引出電極2の構造を示している。
図5に示されるように、実施の形態1においては、絞り4の上方にシールド5が設けられている。電子線E1がシールド5または引出電極2に衝突すると、二次電子E4が発生し、電子線E1が絞り4に衝突すると、二次電子E5が発生する。また、開口部OP6の口径は、開口部OP4の口径よりも小さいので、電子線E1はシールド6には衝突しない。すなわち、シールド6からは、二次電子が発生しない。
ここで、シールド5の開口部OP5付近では、電子銃EGと引出電極2との間に形成された電界の一部が、開口部OP5の下方へ向かう方向へ若干突出している。また、シールド6の開口部OP6付近では、加速電極3と引出電極2との間に形成された電界の一部が、開口部OP6の上方へ向かう方向へ若干突出している。
しかしながら、絞り4は、シールド5およびシールド6から十分な間隔で離れているので、絞り4および開口部OP4の周囲は、無電界状態となっており、少なくとも開口部OP4の内部は、無電界である。従って、図5に示されるように、エネルギーの低い二次電子E4の大部分は、開口部OP5を通過せず、シールド5または引出電極2の表面に吸収され易くなる。ここで、二次電子E4の一部が、開口部OP5を通過して絞り4へ向かう場合もある。しかし、開口部OP4の口径は、開口部OP5の口径よりも小さいので、二次電子E4は、絞り4に遮られ、絞り4の開口部OP4を通過し難い。
また、絞り4において発生した二次電子E5は、絞り4および開口部OP4の周囲が無電界状態であるので、二次電子E5は、絞り4の表面に吸収され易くなる。なお、エネルギーの高い電子線E1は、図1などに示されるように、加速電極3側へ向かって開口部OP4を通過し、電子銃EGから放出される。
以上のように、シールド5および絞り4において発生した二次電子E4、E5が、メインビームである電子線E1に混入することが抑制されるので、荷電粒子線装置100を用いた観察時におけるフレアの発生が低減される。
以下に、図6および図7を用いて、引出電極2に含まれる絞り4、シールド5およびシールド6の各々の形状の相対関係を説明する。なお、絞り4、シールド5およびシールド6の構造については、上述の図2も参照できる。
また、開口部OP4における絞り4の側面、開口部OP5におけるシールド5の側面、および、開口部OP6におけるシールド6の側面は、それぞれ言い換えれば、断面視における絞り4、シールド5およびシールド6の端部である。従って、以下の説明において、各側面を、絞り4の端部、シールド5の端部およびシールド6の端部として説明することもある。
図6に示されるように、開口部OP5の口径D5は、開口部OP4の口径D4よりも大きい。また、平面視において、開口部OP4は、開口部OP5に重なり、開口部OP5に内包されている。言い換えれば、シールド5の端部は、絞り4の端部よりも引出電極2の近くに位置している。更に言い換えれば、シールド5の端部は、絞り4の端部よりも光軸OAから離れるように位置している。これは、口径D5が口径D4よりも小さい場合、電子線E1が絞り4に到達するより前に、電子線E1がシールド5に遮られてしまうからである。基本的に、実施の形態1における電子線E1の通路は、シールド5の形状ではなく、絞り4の形状によって制御される。
また、シールド5と絞り4との間の距離L45は、開口部OP5の口径D5と同じであるか、口径D5よりも大きい。また、シールド6と絞り4との間の距離L46は、開口部OP6の口径D6と同じであるか、口径D6よりも大きい。距離L45および距離L46を大きくすることで、絞り4の周囲は、シールド5およびシールド6からの電界の影響を受け難くなり、無電界状態になり易くなる。更に、「距離L45/口径D5」で定義されるアスペクト比が高くなるので、シールド5付近で発生した二次電子E4が、絞り4に到達し難くなる。
開口部OP6の口径D6は、開口部OP4の口径D4よりも大きい。また、平面視において、開口部OP4は、開口部OP6に重なり、開口部OP6に内包されている。言い換えれば、シールド6の端部は、絞り4の端部よりも引出電極2の近くに位置している。更に言い換えれば、シールド6の端部は、絞り4の端部よりも光軸OAから離れるように位置している。これは、口径D6が口径D4と同じであるか、口径D4よりも小さい場合、絞り4を通過した電子線E1が、シールド6によって遮られてしまうからである。この点について、図7を用いて更に詳しく説明する。
図7に示される電子線領域EAは、電子源1から放出された電子線E1のうちの一部が絞り4の開口部OP4を通過する領域を表している。図7では、電子線領域EAは、電子源1の先端と開口部OP4における絞り4の側面とを結ぶ線、および、開口部OP4の下方において仮想延長線VELに囲まれた領域である。仮想延長線VELは、電子源1の先端と開口部OP4における絞り4の側面とを結ぶ線を引いた場合、この線をシールド6側へ延長させるように引かれた線であり、破線で示されている。
開口部OP4の下方において、電子線E1は仮想延長線VELの内側(光軸側)へ集束される傾向が強いので、仮想延長線VELの外側を通過する電子線E1は無いか、非常に少ない。
ここで、電子線領域EAを遮らないように、シールド6の開口部OP6の形状を考慮する必要がある。そのため、シールド6の端部は、仮想延長線VELよりも外側に位置していることが望ましく、仮想延長線VELよりも引出電極2の近くに位置していることが望ましい。言い換えれば、仮想延長線VELが、シールド6に接しないように、且つ、開口部OP6の内部を通過するように、開口部OP6の口径D6が調整されている。
また、口径D5および口径D6は、主に、電子線E1と引出電極2との間の電界の強さ、および、加速電極3と引出電極2との間の電界の強さによって、それぞれ個別に決定される。従って、口径D5および口径D6は、同じ長さであってもよいし、互いに異なる長さであってもよい。同様の理由から、距離L45および距離L46は、同じ長さであってもよいし、互いに異なる長さであってもよい。
しかしながら、口径D6には図7で説明した仮想延長線VELに関する制約があるが、口径D5にはその制約は無い。従って、シールド5付近で発生する二次電子E4を低減し、二次電子E4に起因するフレアをより効率的に抑制するために、口径D5を口径D6よりも小さくしてもよい。
以上のように、実施の形態1の電子銃EGを用いれば、電子線E1に二次電子E4、E5が混入することを抑制できる。また、電子銃EGを荷電粒子線装置100に用いた場合、二次電子E4、E5の混入が抑制されているので、フレアの発生が低減し、観察像のS/N比の低下および分解能の低下などの不具合が抑制される。すなわち、荷電粒子線装置100によって得られる観察像の精度を向上させることができる。
(変形例)
以下に図8を用いて、実施の形態1の変形例を説明する。変形例における電子銃EGでは、引出電極2以外の構造は実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、引出電極2に一つのシールド5および一つのシールド6が設けられていたが、変形例では、引出電極2に複数のシールド5および複数のシールド6が設けられている。図8では、複数のシールド5および複数のシールド6の一例として、絞り4の上方に二つのシールド5a、5bが設けられ、絞り4の下方に二つのシールド6a、6bが設けられている場合が示されている。
シールド5bは、絞り4と離間するように絞り4の上方に位置し、シールド5aは、シールド5bと離間するようにシールド5bの上方に位置している。また、シールド6aは、絞り4と離間するように絞り4の下方に位置し、シールド6bは、シールド6aと離間するようにシールド6aの上方に位置している。
シールド5a、5bおよびシールド6a、6bには、それぞれ同じ電圧が印加され、引出電極2および絞り4と同様に、図1に示される正の電圧V1が印加される。また、絞り4に最も近いシールド5bおよびシールド6aと、絞り4との間の各々の距離には、図6において説明した距離L45および距離L46が適用される。
また、シールド5a、5bの開口部OP5a、OP5bの各々の口径には、シールド5の開口部OP5と同様に、口径D5が適用され、シールド6a、6bの開口部OP6a、OP6bの各々の口径には、シールド6の開口部OP6と同様に、口径D6が適用される。
更に、シールド6a、6bの各々の端部は、図7において説明した理由と同様に、仮想延長線VELよりも外側に位置していることが望ましく、仮想延長線VELよりも引出電極2の近くに位置していることが望ましい。すなわち、仮想延長線VELが開口部OP6a、OP6bの各々の内部を通過するように、開口部OP6a、OP6bの口径D6は調整されている。
以上のように、引出電極2に複数のシールド5a、5bおよび複数のシールド6a、6bが設けられた場合でも、電子線E1に二次電子E4、E5が混入することを抑制できる。また、変形例における電子銃EGを荷電粒子線装置100に用いた場合にも、観察像のS/N比の低下および分解能の低下などの不具合が抑制される。
なお、シールド5およびシールド6の各々の数は、シールド5a、5bおよびシールド6a、6bのような二つに限られず、三つ以上であってもよい。また、シールド5の数とシールド6の数とが異なっていてもよい。
以上、本発明を実施するための形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、ショットキー型の電子銃EGについて説明したが、電界放出型の電子銃に上記実施の形態で開示した技術を適用することもできる。
また、上記実施の形態では、電子銃EGが搭載された荷電粒子線装置100の一例として走査型電子顕微鏡(SEM)について説明したが、走査型透過電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)または透過電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)に、上記実施の形態で開示した技術を適用することもできる。
また、上記実施の形態において開示した電子銃EGの思想は、電子線を放出する技術に限られず、例えば集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置のように、イオンビームを放出する技術にも適用できる。すなわち、電子源1をイオン源とし、電子銃EGをイオン銃とし、荷電粒子線装置100をFIB装置として用いることもできる。その場合には、イオンビーム(一次イオン)が絞り4を通過する際に、大部分のイオンビームがシールド5または絞り4に衝突し、二次イオンが発生するが、上記実施の形態と同様の技術思想によって、二次イオンがイオンビームに混入することを抑制できる。そのため、FIB装置において、フレアの発生を抑制できる。
更に、上記実施の形態において開示した電子銃EGは、観察像を得るための検査装置に限られず、単に電子線またはイオンビームを放出するための機構として、幅広い技術分野に適用できる。
1 電子源
2 引出電極
3 加速電極
4 絞り
5、5a、5b シールド(電界遮蔽板)
6、6a、6b シールド(電界遮蔽板)
7 フィラメント
8 酸化ジルコニウム層
9 サプレッサ電極
10 電子レンズ
11 偏向コイル
12 ステージ
13 試料
14 検出器
100 荷電粒子線装置
D4~D6 口径
E1 電子線(一次電子、電子ビーム)
E2~E5 二次電子
EA 電子線領域
EG 電子銃
If 電流源
L45、L46 距離
OA 光軸
OP4 開口部
OP5、OP5a、OP5b 開口部
OP6、OP6a、OP6b 開口部

Claims (11)

  1. 電子源と、
    前記電子源から電子線を引き出すための引出電極と、
    引き出された前記電子線を加速させるための加速電極と、
    を有し、
    前記引出電極には、前記電子線の一部を通過させるための絞り、前記絞りから離間するように前記絞りの上方に位置する第1シールド、および、前記絞りから離間するように前記絞りの下方に位置する第2シールドが設けられ、
    前記絞りには、第1口径を有する第1開口部が設けられ、
    前記第1シールドには、前記第1口径よりも大きい第2口径を有する第2開口部が設けられ、
    前記第2シールドには、前記第1口径よりも大きい第3口径を有する第3開口部が設けられ、
    前記引出電極、前記絞り、前記第1シールドおよび前記第2シールドには、同じ電圧が印加され、
    少なくとも前記引出電極に設けられた前記絞りの前記第1開口部の内部は、無電界であり、
    前記電子線は、無電界状態になっている前記第1開口部の内部を通過する、電子銃。
  2. 請求項1に記載の電子銃において、
    平面視において、前記第1開口部は、前記第2開口部および前記第3開口部に内包されている、電子銃。
  3. 請求項1に記載の電子銃において、
    前記絞りと前記第1シールドとの間の第1距離は、前記第2口径と同じであるか、前記第2口径よりも大きい、電子銃。
  4. 請求項3に記載の電子銃において、
    前記絞りと前記第2シールドとの間の第2距離は、前記第3口径と同じであるか、前記第3口径よりも大きい、電子銃。
  5. 請求項1に記載の電子銃において、
    前記電子源の先端と、前記第1開口部における前記絞りの側面とを結ぶ線を引いた場合、前記線を前記第2シールド側へ延長させた仮想延長線は、前記第3開口部の内部を通過する、電子銃。
  6. 請求項5に記載の電子銃において、
    前記第2口径は、前記第3口径よりも小さい、電子銃。
  7. 請求項1に記載の電子銃において、
    前記引出電極には、前記第1シールドから離間するように前記第1シールドの上方に位置する第3シールド、および、前記第2シールドから離間するように前記第2シールドの下方に位置する第4シールドが設けられ、
    前記第3シールドには、前記第1口径よりも大きい第4口径を有する第4開口部が設けられ、
    前記第4シールドには、前記第1口径よりも大きい第5口径を有する第5開口部が設けられている、電子銃。
  8. 請求項1に記載の電子銃において、
    前記絞り、前記第1シールドおよび前記第2シールドは、それぞれ導電性材料からなる、電子銃。
  9. 請求項8に記載の電子銃において、
    前記導電性材料は、モリブデン、タンタルまたはタングステンを主体とする、電子銃。
  10. 請求項1に記載の電子銃を備えた荷電粒子線装置。
  11. 請求項10に記載の荷電粒子線装置において、
    その上に試料を搭載可能なステージと、
    前記電子銃から放出された前記電子線を集束させるための電子レンズと、
    前記試料が前記ステージ上に搭載された場合、前記電子線を前記試料のうち所望の位置へ走査するための偏向コイルと、
    を更に有する、荷電粒子線装置。
JP2021519942A 2019-05-21 2019-05-21 電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置 Active JP7458384B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/020122 WO2020235003A1 (ja) 2019-05-21 2019-05-21 電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020235003A1 JPWO2020235003A1 (ja) 2020-11-26
JP7458384B2 true JP7458384B2 (ja) 2024-03-29

Family

ID=73458963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021519942A Active JP7458384B2 (ja) 2019-05-21 2019-05-21 電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11978609B2 (ja)
JP (1) JP7458384B2 (ja)
KR (1) KR20210151969A (ja)
WO (1) WO2020235003A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117690773A (zh) * 2023-12-12 2024-03-12 北京北方华创微电子装备有限公司 电子束发生器及离子束刻蚀设备

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5812979B2 (ja) 1976-04-23 1983-03-11 日本電信電話株式会社 荷電ビ−ム径制御装置
US5059859A (en) 1989-04-14 1991-10-22 Hitachi, Ltd. Charged particle beam generating apparatus of multi-stage acceleration type
JPH02273443A (ja) 1989-04-14 1990-11-07 Hitachi Ltd 多段加速型荷電粒子線源
JP4365765B2 (ja) 2004-10-22 2009-11-18 日本電子株式会社 電子銃及び電子ビーム装置
JP4319636B2 (ja) * 2005-03-16 2009-08-26 株式会社日立ハイテクノロジーズ 低真空走査電子顕微鏡
US8314627B2 (en) * 2006-10-13 2012-11-20 Ricoh Company, Limited Latent-image measuring device and latent-image carrier
JP4914178B2 (ja) 2006-11-06 2012-04-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ ショットキー電子銃及びショットキー電子銃を搭載する荷電粒子線装置
WO2008120341A1 (ja) 2007-03-29 2008-10-09 Advantest Corporation 電子銃及び電子ビーム露光装置
WO2010082466A1 (ja) * 2009-01-15 2010-07-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンビーム装置
EP2264738B1 (en) 2009-06-18 2017-12-06 Carl Zeiss NTS Ltd. Electron gun used in a particle beam device
JP5687157B2 (ja) 2011-08-22 2015-03-18 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子銃、電界放出電子銃、荷電粒子線装置および透過型電子顕微鏡
US8859982B2 (en) 2012-09-14 2014-10-14 Kla-Tencor Corporation Dual-lens-gun electron beam apparatus and methods for high-resolution imaging with both high and low beam currents
JP6340165B2 (ja) 2013-04-25 2018-06-06 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子銃、荷電粒子銃およびそれらを用いた荷電粒子線装置
DE102017208005B3 (de) * 2017-05-11 2018-08-16 Carl Zeiss Microscopy Gmbh Teilchenquelle zur Erzeugung eines Teilchenstrahls und teilchenoptische Vorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020235003A1 (ja) 2020-11-26
JPWO2020235003A1 (ja) 2020-11-26
US20220230835A1 (en) 2022-07-21
US11978609B2 (en) 2024-05-07
KR20210151969A (ko) 2021-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1150327B1 (en) Multi beam charged particle device
JP3786875B2 (ja) 帯電粒子ビームデバイスのための対物レンズ
US6825475B2 (en) Deflection method and system for use in a charged particle beam column
JP6404736B2 (ja) 複合荷電粒子線装置
EP1760762B1 (en) Device and method for selecting an emission area of an emission pattern
US6897442B2 (en) Objective lens arrangement for use in a charged particle beam column
WO2018154638A1 (ja) 荷電粒子線装置
JP2018147764A (ja) 走査電子顕微鏡
US6452173B1 (en) Charged particle apparatus
JP7458384B2 (ja) 電子銃および電子銃を備えた荷電粒子線装置
US10658152B1 (en) Method for controlling a particle beam device and particle beam device for carrying out the method
JP6138454B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP5458472B2 (ja) X線管
US20110215242A1 (en) Particle beam device and method for operation of a particle beam device
US8101911B2 (en) Method and device for improved alignment of a high brightness charged particle gun
JP4914178B2 (ja) ショットキー電子銃及びショットキー電子銃を搭載する荷電粒子線装置
CZ2017566A3 (cs) Zařízení s iontovým tubusem a rastrovacím elektronovým mikroskopem
US9673017B1 (en) Housing device for magnetic shielding, housing arrangement for magnetic shielding, charged particle beam device, and method of manufacturing a housing device
JP6914993B2 (ja) モノクロメーターおよび荷電粒子線装置
JP3767443B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP3814968B2 (ja) 検査装置
CN115346850A (zh) 具有偏转单元的粒子束装置
EP2182543B1 (en) Method and device for improved alignment of a high brightness charged particle gun
CN114944316A (zh) 粒子辐射设备及其操作方法和计算机程序产品
JPH04163844A (ja) 分析電子顕微鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221223

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230316

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20230316

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230324

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20230328

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20230414

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20230418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7458384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150