JP7455477B2 - チェーン集材システム用滑車装置およびチェーン集材システム - Google Patents

チェーン集材システム用滑車装置およびチェーン集材システム Download PDF

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Description

本発明は、山林で伐採した伐採木を地上を牽引搬送して集めるチェーン式集材システムにおいて、そのチェーンラインを部分的に変更可能にする滑車装置、およびこれを用いたチェーン集材システムに関する。
伐採木を索条を用いて牽引搬送して集材する方法の一つとして、従来広く行われている中空に張られた架線を利用する方法に代えて、索条としてエンドレスチェーンを用いて、基本的に地表上を走行するそのチェーンラインの任意の位置に伐採木の一端付近を専用のフックを用いて係合保持して地表上を牽引搬送して行うチェーン集材方法が最近開発されている。
特許文献1において記述されているように、このようなチェーン集材方法においては、地表面を往路復路が一定の間隔をもって、先山と集材場(土場)との間に直線状に形成される。
また間伐の状況によっては、先山と集材場(土場)との間で往路と復路で大きく離れたチェーンラインのルートを設定することもある。しかしいずれにしても伐採木を牽引する先山と集材場(土場)の間のチェーンラインは、上方から見た場合、山林の地表を這う直線状のラインである。
そのため、牽引されるルートとなる直線状のチェーンラインの近傍に、岩石、切株、地面の起伏凹凸、尾根地形等、地上走行して牽引する際の避けがたい障害物が存在することは多々ある。先山から土場までどのように直線状のルートを選定したとしても、ルート全長において、上述のような障害物をすべて回避するルートを選定することはできないことが多い。
このような場合の対応として、伐採木の先端に進行方向の障害物と接触しつつも回避して乗り越えるための略砲弾状の形状を有する硬質プラスティック製のキャップを被せたり、搬送される伐採木の先端部を人力による作業等によって障害物位置からずらしたり、場合によっては、基本的に索状(チェーン)ラインのルートそのものを改めて変更設定し直す等して、地表部を牽引摺動して搬送される伐採木の先端が上記した種々の地上障害物を回避して牽引されるようにする事が行われる。牽引される伐採木の先端さえ障害物を回避してチェーンラインに沿って移動搬送されれば、伐採木のその他の部分は通常問題なく追従して摺動移動されるからである。
しかしながら、急斜面等足場の悪い林地におけるこのような作業対応は、労力も時間も多大にかかり、チェーン集材における生産性を大きく損なうことになる。また先山と集材場所である土場との間に尾根状地形が存在するような場合、回避することは更に困難となり、チェーン集材そのものの適用がかなり困難になる。
従って、このような地表面の状況が、集材するチェーンラインを設定する場合に避けがたい場合、そのような地表面の状況を回避できる程度に、台付けワイヤー等によって牽引される伐採木の一端部分が、地表を這って走行しているチェーンラインから空中にリフトされるように、チェーンラインの一部分が中空に偏位保持されることが一つの有効な対策として望まれる。搬送される伐採木の少なくとも先端部が浮いて保持搬送されさえすれば、他の部分は問題なく追随して搬送される。
このような伐採木を集材搬送している索条ラインを空中に保持する装置として、通常のワイヤーロープを牽引用索条として用いて、吊り下げ部材による吊下げ物(伐採木)が固定保持されたまま搬送通過できるようにした、滑車装置が知られている。例えば、特許文献3に記載の滑車機構や、特許文献2に記載のローラーユニットのような、一定の間隙を隔てて対向している一対の片持ち滑車構造の滑車(特許文献2の図5、図6における分割鼓型ローラー23a、23b)が知られている。
特開2020-083485号公報 特開2010-100150号公報 特開2015-78064号公報
しかしながら、これら構造の滑車をチェーンを用いる索条ラインに対して使用すると、ほとんど常に滑車の上流側において、チェーンラインの回転捻じれの蓄積が顕著になり、ついにはチェーンラインに固定した伐採木牽引用のフックが、その捻じれに引き込まれてチェーンラインと共に捻じれ回転し、伐採木牽引用の台付けワイヤー部もチェーンラインにつる草のごとく巻き付き、結果として一対の片持ち滑車間のスリットを台付けワイヤーが通過することが不可能となる。
つまり、従来のワイヤーロープ等を用いる架線方式集材において用いられる一対の片持ち滑車タイプの装置は、チェーンラインによる集材には不適である。
本発明の目的は、走行するチェーンラインを用いて伐採木を地表面上を牽引搬送するシステムにおいて、その走行するチェーンラインの一部を地上より離して空中に維持し、およびまたは左右方向に偏位させ、なおかつ伐採木を保持している適当な長さの台付け用索条と、その台付け索条をチェーンラインの任意の位置に結び付けているフックが共にチェーンラインに絡みつくことなく、通過可能とする滑車装置、およびこれを用いたチェーン集材システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る滑車装置は、所定の間隙を有して対向面が対向するそれぞれ片持ち支持された一対の円盤状回転体を有するチェーン集材システム用滑車装置であって、一方の円盤状回転体はその外周面の一部が延在する形で前記間隙を超えて他方の円盤状回転体に向かって延びる突出部を有し、前記他方の円盤状回転体は前記突出部を所定の間隙を隔てて収容するための切欠き部を有することを特徴とする。
また、本発明に係るチェーン式集材システムは、上記滑車装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、伐採木を基本的に地上を摺動して牽引するエンドレスチェーンラインを用いた集材方法において、その実施を著しく困難にする地上障害物の存在や特異な地形などの問題を回避するため、チェーンラインの任意の位置における部分的偏位変更を容易に可能にし、チェーン式集材方法の欠点を解決できる。
チェーン式集材システムを模式的に示す全体構成図である。 チェーン式集材システムにおけるチェーンラインの一部に使う本発明の実施形態に係る滑車装置の使用態様を示す図である。 本発明の実施形態に係る滑車装置の一例の正面図である。 (b)は本発明の実施形態に係る滑車装置における一対の円盤状回転体からなる滑車機構のうち、突出部を有する円盤状回転体の平面図であり、(a)は(b)のA-A断面図、(c)は本発明の実施形態に係る滑車装置における一対の円盤状回転体からなる滑車機構のうち、切欠き部を有する円盤状回転体の平面図であり、(d)は(c)のB-B断面図である。 本発明の実施形態に係る滑車装置における走行しているチェーンと滑車の円盤状回転体との接触関係を示す図で、(a)は一対の円盤状回転体の間の間隙(溝)58にチェーンの縦リンク75Aが挟まれている状態を示し、(b)は円盤状回転体の間隙(溝)の無い外周面の一部を形成する突出部上におけるチェーンの接触状況を示す。 本発明の実施形態における伐採木牽引用の台付けワイヤー構成と台付けワイヤーをチェーンラインに係合保持する牽引用フックの概要を示す図である。 図6における牽引用フックおよび係合しているチェーンラインの状況を示す説明図である。 実施例における滑車の具体的寸法を示す図である。 実施例におけるチェーンラインを構成するチェーンとして多数連ねる縦横一対のリンク(縦リンクと横リンク)に関する具体的寸法を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
(チェーン集材システム)
図1に示されるのが、特許文献1に示される従来のチェーン集材ラインの概要を示すと共に本実施形態に関する模式図であり、14はループ状のチェーンラインであり、土場に置かれたチェーン駆動装置21(立ち木に固定された滑車13Aおよび13Bを介在)と先山(チェーンライン折り返し点)の立ち木に固定された滑車12Aおよび12Bを介してエンドレス駆動されている。
矢印Aは伐採木3をチェーンラインへの牽引用フック30および台付けワイヤー31を介して地表面をチェーンラインに沿って牽引搬送するチェーンラインである(必要に応じてチェーン駆動装置を逆転して使用することもある)。
この伐採木3の牽引搬送される通路に、岩石、切株、地面の起伏、尾根地形等、地上走行して牽引する際の障害物が避けがたく存在する場合、その近傍で本実施形態の滑車装置を使用して、チェーンラインを少なくとも部分的に空中にリフト保持している様子を示すのが図2である。
本実施形態の滑車装置40は立ち木2を利用して、スリング等用いて、少なくとも牽引する伐採木3の先端部が地表の障害物を回避できる程度に、元のチェーンラインを地表よりリフト偏位して新たなチェーンライン14Aを構成するように保持される。
この場合、利用できる立ち木2の位置、使用スリングの長さ等によって、新たなチェーンライン14Aは元のチェーンラインに対して上下方向のみでなく、左右方向にも部分的に偏位することになるし、また必要に応じて意図的に適当な方向の偏位をある程度選択することもできる。
なおスリングを使う滑車装置の固定は、チェーンラインから受ける張力の合力方向に合わせて滑車の向きを自動的に追随させる点でも好ましい方法である。
図3は本発明の滑車装置の一例であり、滑車装置40は立ち木等からスリング等による吊下げ用の孔59を有するフレーム41にそれぞれ片持ち支持された一対の円盤状回転体42および43を備える。
一方の円盤状回転体42と他方の円盤状回転体43において、対向面53、54は所定の間隙を空けて互いに相対しており、一方の円盤状回転体42はその外周面52の一部52Aが延在する形で前記間隙を超えて他方の円盤状回転体43に向かって延びる断面が嘴状の突出部44を有し、他方の円盤状回転体43はその突出部44を所定の間隙を隔てて収容するための切欠き部48を有する。これらの間隙は、チェーンラインに一端を締結されて他端で伐採木等を牽引している台付けワイヤー31のワイヤー部分が通過するための通路を形成している。
この図3における例では、突出部44は、円盤状回転体42の特定位置部分の外周面52Aの延長部にあたる突出部外周面45と、他方の円盤状回転体43に近接する突出部先端平面部(回転軸に垂直な面)47と、対向面53に接続する突出部下面(突出部外周面と反対側の面)の斜面部46から成っている。図で分かるように斜面部46は対向面53に鈍角を成すように形成されている。切欠き部48は突出部44を収容する様に、突出部下面の斜面部46に対応する切欠き部の斜面部49と、突出部先端平面部47に対応する回転軸に垂直な面(切欠き部垂直面)50と、外周面残部51からなる。
なお、この突出部と切欠き部のそれぞれの斜面部46と49の間隙およびそれぞれの垂直面部47と50の間隙は、前述の一方の円盤状回転体42と他方の円盤状回転体43における、対向面53、54の成す所定の間隔とは通常同じであるが、必要に応じて異なる値とすることもある。
一対の円盤状回転体42,43の、嘴状の突出部44および対応する切欠き部48以外の場所におけるそれぞれの外周部52,51は、その径を両円盤状回転体の相対している位置(回転軸方向での中央部(間隙位置))に向かって減少し、同様に、前記突出部に連続する部分の外周面52Aおよび突出部の外周面45からなる外周面も、両円盤状回転体の回転軸方向中央部に向かってその径が減少していく。
つまり、図3あるいは後述の図4でも示されているように、一対の円盤状回転体の外周部の軸方向の断面形状は、嘴状の突出部44に連続する部分においても及びそれ以外の42,43の場所においても間隙部分を含めて、全体としてU字状あるいは鼓型の断面を有し、滑車上を走行する索状が自然にセンターリングする様な構造を有している。
これらの円盤状回転体のそれぞれの形状を図4(a)、(b)、(c)、(d)を用いて更に説明する。
図4(b)は本実施形態の滑車装置における一対の円盤状回転体からなる滑車機構のうち、突出部を有する円盤状回転体の平面図であり、図4(a)は図4(b)のA-A断面図である。図4(a)、(b)において46で表示される略台形の領域は嘴状の突出部44の下面の平面状の斜面部を表し、47で表示される半月状領域は嘴状の突出部の回転軸に垂直な先端平面部である。
図4(c)は本実施形態の滑車装置における一対の円盤状回転体からなる滑車機構のうち、切欠き部を有する円盤状回転体の平面図であり、図4(d)は図4(c)のB-B断面図である。図4(c)、(d)において49で表示される略台形の領域は切欠き部の平面状斜面部を表し、50で表示される半月状領域は切欠き部の回転軸に垂直な面(切欠き部垂直面)である。
この突出部下面斜面部46と切欠き部斜面49とは、両方の円盤状回転体の突出部とそれを受け入れる切欠き部が互いに円周方向にずれなく正対しているときに、所定の間隙をもって対向するように設計されている。
実際の使用時においては両方の円盤状回転体は左右個別に回転しうるため、この間隙は常に一定ということにはならないが、逆にこの突出部下面斜面部46の一部と切欠き部斜面49は、両者の相対的回転位置角度によって突出部は切り欠き部により回転が拘束され、逆に切り欠き部は突出部により回転が拘束されるため、突出部側と切欠き部側は相互に独立して自由に回転はできない。結局、斜面同志すなわち突出部と切欠き部は大きくずれることなくほぼ向き合ったまま同位相で回転する。且つ、台付けワイヤーのワイヤー部分が通過する際には、相互にずれて回転することによって、ワイヤーが通過するのに必要な間隙を提供できる。
伐採木は、台付けワイヤー31とその一端に取り付けられた牽引用フック30によりチェーンラインの任意の位置に係合固定されて牽引搬送される。
図6は、牽引用フックの付いた台付けワイヤーの構成を示す。30は牽引用フック、31は台付けワイヤーの直線状ワイヤー部、32はアイ部、33はワイヤー圧着スリーブ 図7は任意のチェーンライン位置に係合固定できる上記の牽引用フック30の構造とチェーンとの係合状態を示す。71は台付けワイヤー31を牽引用フック30へ繋ぐための牽引用孔、72はチェーンを貫通溝73において係合するためチェーンを通す開口部、75は牽引用フックに係合している状態のチェーンの一対のリンク(図9に示す縦リンク75Aと横リンク75B)を示す。縦リンク75Aと横リンク75Bは一つの組となり、この組が複数連なることでチェーンラインのチェーンが形成されている。
既述したように、上述の台付けワイヤー31とそれを結んだ牽引用フック30を用いて、伐採木を牽引し、特許文献2や特許文献3に示されるような一定の間隙を隔てて対向している一対の片持ち滑車構造の滑車をチェーンラインをリフトするために用いると、滑車の直前上流部においてチェーンの捻じれが蓄積してゆき、ついには捻じれの力に負けて、チェーンラインに係合固定していた牽引用フック30が台付けワイヤー31と共にチェーンラインに絡みついてしまう現象が生ずる。
本発明者は、このような従来の一対の片持ち滑車タイプをエンドレスチェーンラインの一部のリフトその他の部分的偏位用に用いる場合の滑車部挙動の詳細な観察をした結果、以下に示す知見を得た。すなわち、エンドレスチェーンループでは、通常、両端部の滑車を通過するたびにチェーンラインにおける捻じれが発生し蓄積してくる傾向にあることが観察される。
このような捻じれを有するチェーンラインが、従来の一定間隙を隔てて回転する一対の片持ち滑車を通過するとき、図5(a)に示すように縦横一対のリンク75(縦リンク75Aと横リンク75B)の連なりであるチェーンラインにおける一方のリンク75A(例えば縦リンク)のみが連続して間隙部(溝)58に落ち込んで(係合して)進行する。そのためチェーンラインのチェーン進行方向を軸とする回転は溝の壁によって束縛される。
結果、この滑車に入り込んでくるチェーンの捻じれは、この溝部によって言わば強制的にしごかれる形となり、捻じれは滑車上流側にどんどん蓄積されていく。
一方、滑車上流側の伐採木を牽引する台付けワイヤー31が牽引用フック30を介してチェーンに固定されている点位置では、伐採木(重量物)を牽引するための張力が掛かっている状態の牽引用フック30があるために、フック下流側(滑車上流側)において蓄積して来た捻じれは固定された牽引用フック30を越えて自由に上流側に緩和開放されることができない。
結果として牽引用固定フック30が滑車に近づいてくると捻じれはより強く圧縮蓄積されてきて、ついには前述したように、このチェーン捻じれの程度が一定限度を超えるときその捻じれは一気に戻ろうとして回転し、牽引用固定フックと台付けワイヤー部はそのチェーンラインの回転に引きずり込まれてチェーンに巻き付いてしまう。
この捻じれの強い圧縮蓄積が生ずるのを防ぐためには、図5(b)に示すように、滑車の一対の円盤状回転体間の(間隙)溝が無くなれば、溝による捻じれたチェーンラインの強制的なしごきは無くなり、上述のような上流側へのチェーンラインの強い捻じれの蓄積圧縮に至ることが防げる。
つまり溝により強制的に束縛され、捻じれが蓄積されたチェーンは、突出部44で一時的に解放されれば、限界を超えるまでに強く蓄積圧縮されるようなことは防がれる。
即ち、本実施形態では、山林で伐採した伐採木を地上を牽引搬送して集めるチェーン式集材システムに用いられ、チェーンラインを部分的に変更可能にする滑車装置であって、チェーンとリンクするリンク部材(縦リンク75Aおよび横リンク75B)のうち、その一部(縦リンク75A)が間隙に係合する第1の状態と、縦リンク75Aおよび横リンク75Bが間隙に係合しない第2の状態が、一対の円盤状回転体の回転によって周期的に形成される(第1の状態である第1の時間帯と、第2の状態である第2の時間帯が交互に発生する)。
以上述べてきたように、本実施形態の滑車装置においては、一方の円盤状回転体に設けた突出部は、その回転に応じて走行するチェーンに対して周期的に間隙(溝)のない構造を形成するので、図5(b)に示されるように、その都度チェーンのリンクは溝の束縛から自由となり、捻じれは開放して戻され、牽引用フック30やそれに従う台付けワイヤー31がチェーンライン14Aに巻き付いてしまうような強い捻じれの蓄積が生ずることが無くなる。
実際に、本実施形態の滑車装置を用いて、チェーンラインを図2に示すようにリフトして、図6に示すような構成の台付けワイヤー、図7に示すような牽引用フックを用いて伐採木をそのチェーンライン14Aにより牽引搬送を行った。すると、伐採木を牽引している台付けワイヤーの部分がチェーンに巻き付くような強い捻じれが滑車直前の上流側において蓄積することはなくなり、チェーンライン14Aは滑車装置の円盤状回転体外周上を牽引用フック30と共に走行通過し、続いて伐採木先端部を引上げて牽引している台付けワイヤー31の直線状ワイヤー部分が、一対の円盤状回転体の対向面53,54間の間隙、ついで突出部44と切欠き部48の間の斜面46,49における間隙をすり抜けて行き、伐採木は先端部を地表より浮かせた状態で滑車装置40の設置位置を通過、すなわち地表における種々の障害物を回避して牽引搬送されて集材された。
上述の観察事実より、円盤状回転体間の間隙を横切って一方から他方へ延在している突出部は、チェーンの縦リンクの溝による拘束を周期的に解放し、チェーンの強い捻じれを拘束しないで自然にもどることを許容する機能を与えていると考えられる。
この突出部44および対応する切欠き部48のその他の構造や大きさは、チェーンから受ける負荷に耐えることや台付けワイヤー31の通り抜けがスムーズに行われる限り特別な制限はない。このワイヤー通り抜けのための一対の円盤状回転体間の間隙は、当然ながらチェーンライン14Aやフック30は通過できず、かつ台付けワイヤー31が通過できる大きさである。
なお、図5(b)に示されるように、チェーンがその捻じれをより開放し易いように、突出部上辺においてチェーンを受ける外周面はU字型あるいは鼓型の底部として平面に近いことが望ましい。
(実施例1)
本実施形態の滑車装置を用いて伐採木の牽引搬送をした実施例について、以下説明する。山林傾斜地に配置された直線状チェーンラインの一部に、図2で示すような態様で滑車装置40を設置した。滑車装置40にチェーンを通すのは、フレーム上部の締結ナットをゆるめて左右に開いておいて通した。
勿論、場合によってはチェーンの一部を切り離して滑車部を通してからチェーンを再結合することも可能である。この実施例で使用した滑車装置40の具体的寸法(図8参照)およびその他の諸条件は、以下の通りである。
滑車装置40の諸寸法:
円盤状回転体の径:最大外周の直径は163mm、突出部44、切欠き部48を除いての最小直径は108mm、
円盤状回転体の厚み:34mm。
両回転体の対向面間の間隙:12mm、突出部44と切欠き部48間の間隙も同じ(斜面部間、垂直面部間も共に12mm)
突出部44の外周部に占める割合:両回転体の間隙中央部に該当する角度にしておよそ60°である。
立木にスリングで固定保持された滑車装置40の地表からの高さ:1~2m
使用した台付けワイヤー31:ワイヤー径8-10mm、ワイヤー長2m、
台付けワイヤー31の一端に結ばれた牽引用フック30の外形大きさ:140mm(長さ)、50mm(幅)、16mm(厚み)
使用したチェーンライン14Aの諸条件:
チェーンの種類:リンクチェーン
諸寸法(図9参照)
線径d=7.1mm 幅b=23.2mm以下
ピッチp=20.2mm
先山―土場間のチェーンライン長さ:約60m(この途中に本実施例の滑車装置40を設置)
チェーン走行速度:35-40m/min
チェーン牽引力:2トン
牽引された伐採木:重量約1トン 長さ約30m
チェーン牽引の行われる山林地は約30°の上り斜面
以上のような条件で、伐採木を牽引搬送している牽引用フック30および台付けワイヤー31の滑車装置40の通過を試みた。その結果、滑車装置40の直前部での牽引用フック30並びにそれに続く台付けワイヤー31のチェーンライン14Aへの絡みつきも生ぜず、チェーンライン14Aは滑車装置40の回転体外周上を牽引用フック30と共に走行通過し、続いて伐採木先端部を引上げて牽引している台付けワイヤー31の直線状ワイヤー部分が、一対の円盤状回転体の対向面53,54の間の間隙、および突出部44と切欠き部48の間の斜面46、49の間の間隙、更に突出部先端平面部47,切欠き部垂直面50の間の間隙をすり抜けて行き、伐採木は先端部を地表より浮かせた状態で滑車装置40の設置位置を通過、すなわち地表における種々の障害物を回避して牽引搬送されて集材された。
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、単一の本件滑車装置を用いてチェーンラインをリフトして中空に維持する例を示したが、上下方向のみでなく必要に応じてより左右水平方向にシフトするために利用できることは明らかである。
また、先山と集材場所である土場との間に大きな尾根が存在するような地形の場合、地表は上り斜面から下り斜面に変わるため、地表を摺動牽引する単純なチェーンラインによる集材は、チェーンラインそのものの地表へ押しつけ走行が生じ、基本的に不可能である。この場合、本発明に係る滑車装置を適当に複数の位置に設置して使用することで、チェーンラインを尾根筋から全体に浮かして維持することが可能と成り、このような地形でのチェーン集材を容易に可能にすることができる。
2 立木
3 伐採木
14 チェーンライン
14A リフトされたチェーンライン
21 チェーン駆動装置
30 牽引用フック
31 台付けワイヤー
32 台付けワイヤーのアイ
33 ワイヤー圧着スリーブ
40 滑車装置
41 滑車装置のフレーム
42 突出部を有する円盤状回転体
43 切欠き部を有する円盤状回転体
44 突出部
45 突出部外周面
46 突出部下面の斜面部
47 突出部先端平面部
48 切欠き部
49 切欠き部の斜面部
50 切欠き部垂直面
51 切欠き部有する円盤状回転体の外周面
51A 切欠き部外周面残部
52 突出部有する円盤状回転体の外周面
52A 突出部に連続する部分の外周面
53 突出部有する円盤状回転体の対向面
54 切欠き部有する円盤状回転体の対向面
58 一対の円盤状回転体の間の間隙(溝)
59 吊下げ用孔
71 牽引用孔
72 開口部
73 貫通孔
75 縦横一対のリンク
75A チェーンの縦リンク
75B チェーンの横リンク

Claims (5)

  1. 所定の間隙を有して対向面が対向するそれぞれ片持ち支持された一対の円盤状回転体を有するチェーン集材システム用滑車装置であって、一方の円盤状回転体はその外周面の一部が延在する形で前記間隙を超えて他方の円盤状回転体に向かって延びる突出部を有し、前記他方の円盤状回転体は前記突出部を所定の間隙を隔てて収容するための切欠き部を有することを特徴とする滑車装置。
  2. 前記一方の円盤状回転体の前記突出部の下面は、その突出部先端から前記対向面の回転軸近傍位置に向かう断面が平面の斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の滑車装置。
  3. 前記一方の円盤状回転体において、前記突出部の在る場所における外周部の径、および前記突出部の在る場所以外の場所における外周部の径は、両円盤状回転体の回転軸方向中央部に向かって減少し、
    前記他方の円盤状回転体において、前記切欠き部以外の場所における外周部の径は、両円盤状回転体の回転軸方向中央部に向かって減少していくことを特徴とする請求項1または2に記載の滑車装置。
  4. 山林で伐採した伐採木を地上を牽引搬送して集めるチェーン式集材システムに用いられ、チェーンラインを部分的に変更可能にする滑車装置であって、
    縦横一対のリンクの連なりである前記チェーンラインにおいて、前記縦横一対のリンクを構成する縦リンクおよび横リンクのうち、前記縦リンクが前記間隙に係合する第1の状態と、前記縦リンクおよび前記横リンクが前記間隙に係合しない第2の状態が、前記一対の円盤状回転体の回転によって周期的に形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の滑車装置。
  5. 山林で伐採した伐採木を地上を牽引搬送して集めるチェーン式集材システムにおいて、チェーンラインを部分的に変更可能にする滑車装置であって、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の滑車装置を有することを特徴とするチェーン式集材システム。
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