JP7453457B1 - 錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示の目的は、イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又はメントールを含みながらも、打錠成型時にスティッキングの発生を抑制できる錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤を提供することである。【解決手段】本開示の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤は、(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本開示は、打錠成型時にスティッキングの発生を抑制できる錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤に関する。
義歯等の口腔内装着器具に付着する汚れとしては、食物残渣、デンチャーバイオフィルム、歯石様沈着物、色素などが挙げられる。ここで、デンチャーバイオフィルムとは、口腔内微生物が口腔内装着器具表面に定着し、粘着性多糖類等の産生物、唾液や血清成分等と共に凝集したバイオフィルムである。デンチャーバイオフィルムには様々な微生物が存在するために、義歯性口内炎、口臭・義歯臭の発生が起こる、あるいは部分義歯については残存歯の虫歯や歯周病が発症し易くなる。
デンチャーバイオフィルムは、歯周病、義歯性口内炎、カンジダ症、誤嚥性肺炎等を助長又は誘発することが指摘されており、口腔内装着器具に付着したデンチャーバイオフィルムを除去して口腔内装着器具を清潔に保つことが口腔内装着器具使用者の健康維持の上で重要になっている。
口腔内装着器具に付着したデンチャーバイオフィルムは、ブラシによる清掃では十分に除去できないため、除菌効果を有する口腔内装着器具洗浄剤を用いた洗浄が重要になる。従来、除菌又は殺菌効果を有する口腔内装着器具洗浄剤について、種々検討されている。
例えば、特許文献1には、(A)HLB値12~17のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)プロテアーゼ、(C)カチオン性殺菌剤、及び(D)水を含有する義歯洗浄用液体組成物に、さらに(E)イソプロピルメチルフェノール及び/又はチモールを配合することにより、デンチャーバイオフィルムに対する殺菌力をより増強させることができることが記載されている。
また、口腔内装着器具の臭いを緩和し、洗浄後の口腔内装着器具を再装着した際に装着者が爽快感を感じるようにするために、口腔内装着器具洗浄剤にメントール等の香料が配合される場合がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2010-6720号公報 特開2011-241167号公報
しかし、口腔内装着器具洗浄剤に、除菌又は殺菌効果を付与するためにイソプロピルメチルフェノール又はチモールを配合したり、あるいは香料としてメントールを配合すると、口腔内装着器具洗浄剤の打錠成型において、錠剤中の成分同士の結合力が低下して、スティッキング(杵や臼に原料の一部が付着し、錠剤の一部が剥がれる事象)が生じ易くなるという問題が生じることがわかった。
本開示の目的は、イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又はメントールを含みながらも、打錠成型時にスティッキングの発生を抑制できる錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又はメントールを含む口腔内装着器具洗浄剤に、さらにリンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を配合することにより、意外にも、打錠成型時にスティッキングの発生を抑制できることを見出した。本開示は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本開示は、以下に掲げる態様の発明を提供する。
項1.(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含む、錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
項2.前記構造異性体が、チモールである、項1に記載の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
項3.口腔内装着器具洗浄剤が、義歯洗浄剤である、項1又は2に記載の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
項4.(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含む原料混合物を打錠工程に供する、錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤の製造方法。
項5.(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含む組成物の、口腔内装着器具洗浄のための使用。
項6.(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含む組成物の、錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤としての使用。
項7.(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又は(B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種とを含む錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を投入した水に、口腔内装着器具を浸漬させる、口腔内装着器具洗浄方法。
本開示の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤は、イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種、又はメントールを含んでいながらも、さらにリンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含むため、打錠成型時にスティッキングを抑制することができ、打錠成型工程における製造ロスを抑制できるため、工業的製造において高い製造効率を実現できる。
本明細書において、数値範囲に関する表記X~Yは、X以上Y以下であることを指す。
本明細書において「口腔内装着器具」とは、総義歯(総入れ歯)、部分床義歯(部分入れ歯)、歯列矯正器具、リテーナー、及びマウスピース等の口腔内にて着脱を要する歯科用装着器具を意味する。
1.錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤
本開示の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤(以下、単に「口腔内装着器具洗浄剤」ともいう。)は、(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体からなる群より選択される少なくとも1種(以下、(A)成分と表記することがある)、又は(B)メントール(以下、(B)成分と表記することがある)と、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種(以下、(C)成分と表記することがある)とを含むことを特徴とする。以下、本開示の口腔内装着器具洗浄剤について詳述する。
[(A)イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体]
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(A)成分は、口腔内装着器具洗浄剤に除菌又は殺菌効果を付与するための成分である。本明細書において「イソプロピルメチルフェノール」とは、「4-イソプロピル-3-メチルフェノール」を意味する。イソプロピルメチルフェノールの構造異性体としては、薬学的に許容できることを限度として特に制限されないが、例えば、チモール及びカルバクロールなどが挙げられ、口腔内装着器具洗浄剤に優れた除菌又は殺菌効果を付与する観点から、好ましくはチモールである。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(A)成分を含有する場合、(A)成分の含有量については、所望の除菌又は殺菌効果が得られる範囲で適宜設定すればよいが、例えば0.001~10重量%であり、口腔内装着器具洗浄剤の除菌又は殺菌効果を向上させる観点から、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.03~1重量%、さらに好ましくは0.05~0.5重量%が挙げられる。
[(B)メントール]
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(B)成分は、洗浄後の口腔内装着器具に香りを付与する成分である。口腔内装着器具洗浄剤にメントールを含有させることにより、洗浄した口腔内装着器具を装着した際に装着者の口内に爽快感を与えることができ、洗浄効果を実感させることができる。
メントールとしては、d体、l体、dl体のいずれを用いてもよいが、好ましくはl-メントールである。また、メントールは精油の形態で使用することもできる。メントールを含む精油としては、特に制限されないが、例えば、スペアミント油、ペパーミント油、ハッカ油、及びハッカ白油等が挙げられる。前記例示のメントール及び精油は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(B)成分の含有量(精油を使用する場合にはメントール量に換算した含有量)については、洗浄後の口腔内装着器具に所望の香りを付与できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば0.001~10重量%であり、洗浄後の口腔内装着器具に十分な香りを付与する観点から、好ましくは0.01~5重量%、より好ましくは0.03~1重量%、さらに好ましくは0.05~0.5重量%が挙げられる。
[(C)リンゴ酸及びその塩]
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、(C)成分として、リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。前記塩としては、例えば、ナトリウム塩、及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、及びアンモニウム塩などが挙げられる。(A)成分又は(B)成分を含む口腔内装着器具洗浄剤は、打錠成型時にスティッキングが生じ易いという欠点があるが、本開示の口腔内装着器具洗浄剤では、(C)成分を含有させることによって前記欠点を克服し、打錠成型時のスティッキングの発生を抑制することができる。また、(C)成分は、本開示の口腔内装着器具洗浄剤が後述する炭酸化合物を含む場合には、発泡剤の構成成分となり、口腔内装着器具の洗浄時に当該炭酸化合物と反応して炭酸ガスを発生させる役割を果たす。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(C)成分の含有量については、打錠成型時のスティッキングの発生を抑制できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば0.01~10重量%であり、打錠成型時のスティッキングの発生をより効果的に抑制する観点から、好ましくは0.05~5重量%、より好ましくは0.1~3重量%、さらに好ましくは0.5~2重量%が挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(A)成分に対する(C)成分の含有比率については、特に制限されず、(A)成分1重量部当たり、(C)成分の含有量は、例えば、0.1~50重量部であり、打錠成型時のスティッキングの発生をより効果的に抑制する観点から、好ましくは1~40重量部、より好ましくは2~30重量部、さらに好ましくは3~20重量部が挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、(B)成分に対する(C)成分の含有比率については、特に制限されず、(B)成分1重量部当たり、(C)成分の含有量は、例えば、0.1~50重量部であり、打錠成型時のスティッキングの発生をより効果的に抑制する観点から、好ましくは1~40重量部、より好ましくは2~30重量部、さらに好ましくは3~20重量部が挙げられる。
[その他の成分]
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、前述する成分に加えて、本開示の効果を妨げないことを限度として、必要に応じて他の成分を含んでよい。
(発泡剤)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、発泡剤を含有することが好ましい。本開示の口腔内装着器具洗浄剤が発泡剤を含有する場合、洗浄水中に二酸化炭素の気泡を発生させることができ、発泡作用による物理的洗浄力を発揮させることにより口腔内装着器具の汚れを効果的に除去することができる。
発泡剤の種類については、無毒性で生理学上許容されるものであれば特に制限はされず、口腔内装着器具洗浄剤で通常使用されるもの(即ち、水中で二酸化炭素を発生できるもの)を広く用いることができる。
発泡剤としては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、及び炭酸水素塩と炭酸塩の複塩の少なくとも1種(以下、炭酸化合物と表記することもある)と、酸との組み合わせが例示される。炭酸塩としては、特に制限されないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸のアルカリ金属塩が挙げられる。炭酸水素塩としては、特に制限されないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素のアルカリ金属塩が挙げられる。炭酸塩と炭酸水素塩の複塩としては、特に制限されないが、例えば、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。前記炭酸化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、リンゴ酸以外の酸としては、特に制限されないが、例えば、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、コハク酸、サリチル酸等の有機酸;リン酸、スルファミン酸等の無機酸等が挙げられる。酸は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡剤を構成する炭酸化合物として、好ましくは炭酸水素のアルカリ金属塩及び炭酸のアルカリ金属塩、より好ましくは炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。また、発泡剤を構成する酸として、好ましくは有機酸、より好ましくはクエン酸が挙げられる。
発泡剤において、炭酸化合物と酸の比率については、水中で両者が反応して二酸化炭素を発生できることを限度として特に制限されないが、炭酸化合物100重量部当たり、酸(リンゴ酸を含む)の含有量は、例えば10~200重量部、好ましくは15~150重量部、更に好ましくは20~100重量部が挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤が発泡剤を含有する場合、、発泡剤の含有量(炭酸化合物と酸(リンゴ酸を含む)の合計量)については、口腔内装着器具の洗浄時に十分な二酸化炭素の気泡を発生させ得る限り特に制限されないが、例えば10~75重量%、好ましくは20~70重量%、より好ましくは30~65重量%が挙げられる。
(漂白剤)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、漂白剤を含有することが好ましい。漂白剤を含むことにより、洗浄力を向上させることができる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤に使用される漂白剤の種類については、無毒性で生理学上許容されるものであれば特に制限されず、口腔内装着器具洗浄剤で通常使用されるものを広く用いることができる。
漂白剤としては、例えば、モノ過硫酸水素塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、及び過硫酸塩等の酸素系漂白剤が挙げられる。
モノ過硫酸水素塩としては、具体的には、モノ過硫酸水素ナトリウム、モノ過硫酸水素カリウム(ビス(ペルオキシ一硫酸)・ビス(硫酸)・五カリウム等)等のモノ過硫酸水素のアルカリ金属塩、モノ過硫酸水素アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。過ホウ酸塩としては、具体的には、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸のアルカリ金属塩、過ホウ酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。過炭酸塩としては、具体的には、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム等の過炭酸のアルカリ金属塩、過炭酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。過硫酸塩としては、具体的には、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸のアルカリ金属塩、過硫酸アンモニウム、これらの水和物等が挙げられる。前記例示の漂白剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記例示の漂白剤の中でも、好ましくはモノ過硫酸水素塩、過ホウ酸塩、及び過炭酸塩、より好ましくはモノ過硫酸水素のアルカリ金属塩、過ホウ酸のアルカリ金属塩、及び過炭酸のアルカリ金属塩、更に好ましくはモノ過硫酸水素カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムが挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、漂白剤の含有量については、所望の漂白作用を発揮できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、1~40重量%、好ましくは5~35重量%、より好ましくは10~30重量%が挙げられる。
(漂白活性化剤)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、酸素系漂白剤を含有する場合、漂白活性化剤を含有してもよい。漂白活性化剤は、水中で酸素系漂白剤から発生したHO2 -と反応し、より漂白効果の高い有機過酸を発生させる成分である。
漂白活性化剤としては、公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン;炭素数1~18、好ましくは炭素数8~12のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩;炭素数1~18、好ましくは炭素数8~12のアルカノイル基を有するアルカノイルオキシ安息香酸又はその塩などが挙げられる。前記塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。前記例示の漂白活性化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記例示の漂白活性化剤のうち、有機過酸を生成する効率に優れる観点から、好ましくはテトラアセチルエチレンジアミンである。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、漂白活性化剤の含有量については、酸素系漂白剤の含有量に応じて適宜調整すればよく、例えば、0.01~5重量%、好ましくは0.1~3重量%、より好ましくは0.5~2重量%が挙げられる。
(界面活性剤)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、化学的洗浄作用を発揮させる成分等としての役割を果たす。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤に配合される界面活性剤の種類については、洗浄剤の成分として使用可能なものであることを限度として特に制限されず、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれを使用してもよい。これらの界面活性剤の中でも、好ましくは陰イオン性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルカンスルホン酸塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、及び塩酸塩等の酸付加塩等が挙げられる。陰イオン性界面活性剤の中でも、好ましくはα-オレフィンスルホン酸塩、及びアルキル硫酸塩、より好ましくはα-オレフィンスルホン酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、1種の界面活性剤を単独で配合してもよく、また2種以上の界面活性剤を組み合わせて配合してもよい。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、界面活性剤の含有量については、口腔内装着器具の洗浄時に発泡作用を発揮させ得ることを限度として特に制限されず、使用する界面活性剤の種類、備えさせるべき洗浄力等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、界面活性剤の総量で0.1~10重量%、好ましくは0.5~7重量%、より好ましくは1~5重量%が挙げられる。
(糖アルコール)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、糖アルコールを含有してもよい。糖アルコールは、結合剤としての役割を果たす成分である。
糖アルコールの種類については、特に制限されないが、例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール等が挙げられる。前記例示の糖アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記例示の糖アルコールの中でも、好ましくはソルビトールが挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、糖アルコールの含有量としては、例えば、糖アルコールの総量で、1~30重量%、好ましくは3~20重量%、より好ましくは4~15重量%が挙げられる。
(ポリアルキレングリコール)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、ポリアルキレングリコールを含有してもよい。ポリアルキレングリコールは、結合剤としての役割を果たす成分である。
ポリアルキレングリコールとして、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。前記例示のポリアルキレングリコールの中でも、好ましくはポリエチレングリコールが挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、ポリアルキレングリコールの含有量としては、例えば、0.1~5重量%、好ましくは0.5~2重量%、より好ましくは0.5~1.5重量%が挙げられる。
(滑沢剤)
本開示の口腔内装着器具洗浄剤は、錠剤状への成型工程を容易に行うために、滑沢剤が含まれていてもよい。
滑沢剤の種類については、特に制限されないが、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素等が挙げられる。
滑沢剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を与わせて使用してもよい。前記例示の滑沢剤の中でも、好ましくはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
本開示の口腔内装着器具洗浄剤において、滑沢剤の含有量としては、例えば、0.01~1重量%、好ましくは0.015~0.5重量%、より好ましくは0.02~0.3重量%が挙げられる。
また、本開示の口腔内装着器具洗浄剤に配合可能な他の添加剤としては、例えば、基材(硫酸ナトリウム等)、香料(メントール以外)、香料含浸剤、酵素(プロテアーゼ等)、色素、酸化マグネシウム、消臭剤、歯石防止剤、防錆剤、キレート剤、pH調整剤、甘味料、清涼剤(メントール以外)、発泡安定化剤、保存剤、抗菌剤(イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体以外)、殺菌剤(イソプロピルメチルフェノール及びその構造異性体以外)、防腐剤、増量剤、賦形剤、崩壊剤、及び流動化剤等が挙げられる。前記例示の他の成分は、1種単独で配合してもよく、2種以上を任意に組み合わせて配合してもよい。
2.口腔内装着器具洗浄剤の製剤形態及び製造方法
本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤は、本開示の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤を用いて打錠成型して得られる。錠剤状への製剤化は、一般的に採用されている打錠成型法によって行うことができる。例えば、(A)成分又は(B)成分と、(C)成分と、及び必要に応じて配合される他の添加剤を混合した原料混合物を、打錠工程に供すればよい。本開示の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤は、(A)成分又は(B)成分と共に、(C)成分を含むため、打錠成型時にスティッキングを抑制することができ、打錠成型工程における製造ロスを抑制できるため、工業的製造において高い製造効率を実現できる。また、打錠工程に先立って、前記混合物を必要に応じて顆粒状に造粒しておいてもよい。
また、本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤において、1錠当たりの重量については、特に制限されず、使用簡便性を踏まえて適宜設定すればよいが、錠剤1個当たりの重量を1回の口腔内装着器具洗浄に必要な量に設定しておくことが望ましい。具体的には、本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤の1錠当たりの重量として、1~4g、好ましくは2~3gが挙げられる。
3.口腔内装着器具洗浄剤の用途
本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤は、各種の口腔内装着器具の洗浄剤として用いられるが、特に義歯洗浄剤として好適に用いられる。
4.口腔内装着器具洗浄剤の使用方法
本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を水に投入し、必要により加熱し、そして水中に洗浄対象となる口腔内装着器具(好ましくは義歯)を入れると、本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤が溶解して口腔内装着器具が洗浄される。
本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を用いて口腔内装着器具を洗浄する際に使用される水としては、特に制限されないが、水道水、精製水、蒸留水、生理食塩水等が挙げられる。
本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を用いて口腔内装着器具を洗浄する際には、水に口腔内装着器具を浸漬した後に本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を加えてもよく、また水に本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を加えた後に口腔内装着器具を浸漬させてもよい。
また、口腔内装着器具の洗浄において、本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤と水との比率は、本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤の組成等に応じて適宜設定されるが、例えば、水100重量部に対して、錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を通常1~10重量部程度、好ましくは1~5重量部程度とすればよい。より具体的には、1回の口腔内装着器具の洗浄において、水100~200mLを準備し、これに本開示の錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤1~20g、好ましくは1~10g、より好ましくは1~5gを加えればよい。
口腔内装着器具洗浄時の温度は、室温程度とすればよい。また、前記口腔内装着器具洗浄液に口腔内装着器具を浸積する時間は、通常5分~24時間、好ましくは10分~12時間、より好ましくは30分~8時間である。
また、口腔内装着器具の洗浄中に、口腔内装着器具洗浄剤を添加した水を攪拌等する必要はないが、口腔内装着器具の汚れ等をより効果的に除去するために、必要に応じて攪拌してもよく、またブラシ等の洗浄具で口腔内装着器具を擦り洗いしてもよい。
以下に実施例を示して本開示の発明をより具体的に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。
試験例(スティッキングの評価)
表1及び2に示す各成分をレディゲミキサー(株式会社マツボー、型番:M20)を用いて混合した組成物を、径20φの金型と打錠装置(菊水製作所株式会社製、回転式粉末成形機 、型番:CLEC1518SS7JZ)を用いて打圧5tで打錠成型することにより、1錠当たり2gの錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を調製した。前記打錠装置の回転盤には、均等に臼杵が3セット設置されており、口腔内装着器具洗浄剤を連続して100錠打錠した後、臼杵を観察し、臼か杵のどちらかにスティッキングが発生している臼杵のセット数をカウントした。結果を表1及び2に示す。
Figure 0007453457000001
Figure 0007453457000002
表1及び2に示すように、イソプロピルメチルフェノール、チモール、又はl-メントールを含む口腔内装着器具洗浄剤において、リンゴ酸を配合した場合には、スティッキングの発生を効果的に抑制できた(実施例1~6)。一方、イソプロピルメチルフェノール、チモール、又はl-メントールを含む口腔内装着器具洗浄剤において、リンゴ酸を配合しない場合には、スティッキングの発生が認められた(比較例1~15)。また、イソプロピルメチルフェノール、チモール、及びl-メントールのいずれも含まない口腔内装着器具洗浄剤は、スティッキングが発生しなかった(参考例1)。
処方例
表3及び4に示す組成からなる錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤を前記試験例と同様の方法で調製し、スティッキングの評価を行った。結果を表3及び4に示す。表3及び4の結果から、イソプロピルメチルフェノール、チモール、又はl-メントールを含む口腔内装着器具洗浄剤において、リンゴ酸を配合した場合には、スティッキングの発生を効果的に抑制できることが確認された。
Figure 0007453457000003
Figure 0007453457000004

Claims (5)

  1. (A)イソプロピルメチルフェノール及びチモールからなる群より選択される少なくとも1種と、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、酸素系漂白剤と、漂白活性化剤とを含み、前記(C)成分の含有量が0.1~3重量%である、水に投入して溶解させて用いられる錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
  2. (B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、酸素系漂白剤と、漂白活性化剤とを含み、前記(C)成分の含有量が0.1~2重量%であり、前記(B)成分1重量部当たり、前記(C)成分の含有量が1~20重量部である、水に投入して溶解させて用いられる錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
  3. 口腔内装着器具洗浄剤が、義歯洗浄剤である、請求項1又は2に記載の錠剤用の口腔内装着器具洗浄剤。
  4. (A)イソプロピルメチルフェノール及びチモールからなる群より選択される少なくとも1種と、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、酸素系漂白剤と、漂白活性化剤とを含み、前記(C)成分の含有量が0.1~3重量%である原料混合物を打錠工程に供する、水に投入して溶解させて用いられる、錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤の製造方法。
  5. (B)メントールと、(C)リンゴ酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種と、酸素系漂白剤と、漂白活性化剤とを含み、前記(C)成分の含有量が0.1~2重量%であり、前記(B)成分1重量部当たり、前記(C)成分の含有量が1~20重量部である原料混合物を打錠工程に供する、水に投入して溶解させて用いられる、錠剤状の口腔内装着器具洗浄剤の製造方法。
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