JP7452096B2 - ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物 - Google Patents

ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7452096B2
JP7452096B2 JP2020033080A JP2020033080A JP7452096B2 JP 7452096 B2 JP7452096 B2 JP 7452096B2 JP 2020033080 A JP2020033080 A JP 2020033080A JP 2020033080 A JP2020033080 A JP 2020033080A JP 7452096 B2 JP7452096 B2 JP 7452096B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
polyol
adhesive composition
isocyanate compound
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020033080A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021134311A (ja
Inventor
裕行 戒田
健史 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Corp filed Critical Ube Corp
Priority to JP2020033080A priority Critical patent/JP7452096B2/ja
Publication of JP2021134311A publication Critical patent/JP2021134311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7452096B2 publication Critical patent/JP7452096B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物に関し、より詳細には、2種以上のポリウレタン樹脂を含む接着剤組成物に関する。
ポリウレタン樹脂接着剤は、幅広い範囲の被着物質に対し優れた接着性を持つため広く利用されている。従来は溶剤系ポリウレタンが使用されてきたが、環境保全、安全性、省資源等の観点から、近年ではポリウレタン樹脂水性分散体が注目されている。例えば、特許文献1では、ポリウレタン樹脂水性分散体にカルボジイミド系架橋剤を添加することで優れた接着強度を付与する手法が開示されている。
ポリウレタン樹脂水性分散体の中でも特に、ポリオール成分としてポリエステルポリオールを使用したポリエステルポリウレタン樹脂水性分散体は、極性基であるエステル基を有することで、各種被着物質への密着性に優れるため広く用いられる(例えば特許文献2~4)。
一方、ポリオール成分としてポリカーボネートポリオールを使用したポリカーボネートポリウレタン樹脂水性分散体は、耐久性及び耐候性に優れており、コーティング等の用途に広く用いられる(例えば特許文献5)。
国際公開第2019/181476号公報 特開平8-225780号公報 特開2005-89511号公報 特開2009-91478号公報 特開2016-121337号公報
ポリエステルポリウレタン樹脂水性分散体を接着剤用途に使用した場合には、耐湿熱性が低いため、加水分解による接着強度の低下が起き、長期間接着性能を得ることが困難といった問題が発生する。
一方、ポリカーボネートポリウレタン樹脂水性分散体は接着性に劣るため、長期間安定な接着性能を有する接着剤への適用は知られていない。
そこで、本発明の課題は、初期接着力が優れるポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、種々の検討を行った結果、ポリエステルポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(A)及びポリカーボネートポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(B)を含有するポリウレタン樹脂水性分散体であって、前記ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂環構造を有する接着剤組成物の初期接着力が優れるとともに、ポリエステルポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(A)を単独で含有する接着剤組成物に比べて良好な耐湿熱性を有するとの知見を得て、本発明に至った。
本発明は、例えば以下のとおりである。
[1]ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)及びポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)を含有するポリウレタン樹脂水性分散体を含むことを特徴とする接着剤組成物であって、
前記ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂環構造を有する接着剤組成物。
[2]脂環構造が、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]の接着剤組成物。
[3]ポリウレタン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の割合が(A)/(B)=95/5~15/85(固形分質量比)である[1]又は[2]の接着剤組成物。
[4]ポリカーボネートポリオール(Ba)を構成する全ポリオールに対し、脂環構造を有するポリオールの割合が10モル%以上である、[1]~[3]いずれかの接着剤組成物。
[5]ポリウレタン樹脂(A)が、少なくともポリエステルポリオール(Aa)及びイソシアネート化合物(Ab)由来の構成単位を有し、
ポリウレタン樹脂(B)が、少なくともポリカーボネートポリオール(Ba)、イソシアネート化合物(Bb)、酸性基含有ポリオール(Bc)、中和剤(Bd)及び鎖延長剤(Be)由来の構成単位を有する[1]~[4]のいずれかの接着剤組成物。
[6]イソシアネート化合物(Ab)が脂肪族イソシアネート化合物及び/又は脂環式イソシアネート化合物である、[5]の接着剤組成物。
[7]イソシアネート化合物(Bb)が脂環式イソシアネート化合物である、[5]又は[6]の接着剤組成物。
[8]ポリエステルポリオール(Aa)が脂肪族ポリカルボン酸及び脂肪族ポリオール由来の構成単位を含むポリエステルポリオールである、[1]~[7]のいずれかの接着剤組成物。
[9]ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂肪族ポリオール由来の構成単位を有する、[1]~[8]のいずれかの接着剤組成物。
[10]ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)を含む接着剤用の添加剤であって、脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)。
[11]プラスチック、皮革、ゴム、発泡体繊維製品、金属及び無機酸化物材料からなる群から選択される被着体の接着に用いられる[1]~[9]のいずれかの接着剤組成物。
本発明によれば、初期接着力が優れる接着剤組成物が提供される。
本発明の接着剤組成物は、ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)及びポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)を含有するポリウレタン樹脂水性分散体を含むことを特徴とする接着剤組成物であって、
前記ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂環構造を有する接着剤組成物である。
<ポリカーボネートポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(B)>
本発明で使用するポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)(以下、「ポリウレタン樹脂(B)」、「(B)」又は「ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂」ということもある。)は、ポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有し、さらにイソシアネート化合物(Bb)、酸性基含有ポリオール(Bc)、中和剤(Bd)、及び鎖延長剤(Be)のそれぞれを由来とする構成単位を有することが好ましいポリウレタン樹脂であって、公知のものを使用することができ、その製造方法も限定されない。
上記ポリウレタン樹脂(B)は,上記以外に、(Ba)及び(Bc)以外のその他のポリオール(Bh)由来の構成単位を有していてもよい。
上記ポリウレタン樹脂(B)は前記ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂環構造を有する。また、さらにイソシアネート化合物(Bb)、酸性基含有ポリオール(Bc)、中和剤(Bd)、及び鎖延長剤(Be)からなる群から選択される少なくとも1種が脂環構造を有することが好ましく、少なくともイソシアネート化合物(Bb)が脂環構造を有することがより好ましい。
脂環構造としては、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
脂環構造を有するポリウレタン樹脂(B)を用いることで、ウレタン樹脂全体の疎水性が向上するため、水中では加水分解を受けにくくなる。したがって、加水分解を受けるウレタン結合に距離が近い、ポリカーボネートポリオール(Ba)やイソシアネート化合物(Bb)が脂環構造を有することで、より加水分解による接着強度の低下を抑制することができる。そのため、本発明の接着剤組成物は、ポリエステルポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(A)を単独で含有する接着剤組成物に比べて優れた耐湿熱性を有する。
ポリカーボネートポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(B)は、該ポリウレタン樹脂に含まれるポリオールを由来とする全構成単位の中で、ポリカーボネートポリオール(Ba)を由来とする構成単位を60%以上、好ましくは80%以上含む。
(ポリカーボネートポリオール(Ba))
ポリウレタン樹脂(B)は、ポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有する。
ポリカーボネートポリオール(Ba)は、1種以上のポリオール成分と、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得られる。安全性や試薬の取扱等の観点から製造が容易であること末端塩素化物の副生成がない点から、1種以上のポリオールモノマーと、炭酸エステルとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが好ましい。
前記ポリカーボネートポリオール(Ba)を構成するポリオールの少なくとも一部は脂環構造を有する。ポリカーボネートポリオール(Ba)を構成する全ポリオールに対し、脂環構造を有するポリオールの割合が10モル%以上であり、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは20~80モル%である。脂環構造を有するポリオールの割合が前記範囲にあると、優れた初期接着力及び耐湿熱性が両立可能な点で好ましい。
脂環構造を有するポリオールは、特に制限されず、例えば、炭素原子5~12の脂環式基を有するポリオール等が挙げられ、好ましくはシクロペンチル環及びシクロヘキシル環からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するポリオールが挙げられる。具体的には、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘプタンジオール、2,5-ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン、2,7-ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等が挙げられ、なかでも入手の容易さや初期接着力の向上の観点から1,4-シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
ポリカーボネートポリオールを構成するポリオールとしては、脂環構造を有さないポリオールを含むことができる。脂環構造を有さないポリオールは、特に制限されず、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐鎖状脂肪族ジオールといった脂肪族ポリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール;1,4-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,2-ベンゼンジメタノール、4,4’-ナフタレンジメタノール、3,4’-ナフタレンジメタノール等の芳香族ジオール;6-ヒドロキシカプロン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のヒドロキシカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール;アジピン酸とヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等のジカルボン酸とジオールとのポリエステルポリオール;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられ、脂肪族ポリオールが好ましく、直鎖状脂肪族ジオールがより好ましく、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールがさらに好ましい。
また、ポリカーボネートポリオール(Ba)のポリオール成分としては、ノニオン性基含有化合物(Bf)、すなわちノニオン性基を有するポリオールも挙げられる。ノニオン性基を有するポリオールにおけるノニオン性基としては、後述のものが挙げられる。ノニオン性基は、ポリオールの側鎖にあることが好ましい。
ポリカーボネートポリオール(Ba)のポリオール成分は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。ただし、少なくとも脂環構造を有するポリオールは含む。
炭酸エステルとしては、特に制限されないが、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル;ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル;エチレンカーボネート等の環状炭酸エステル等が挙げられる。その他に、ポリカーボネートポリオールを生成することができるホスゲン等も使用できる。中でも、ポリカーボネートポリオール(Ba)の製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオール(Ba)は、その分子中に、ポリカーボネートポリオールの特性を損なわない範囲で、1分子中の平均のカーボネート結合の数未満の数のエーテル結合やエステル結合を含有していてもよい。
ポリカーボネートポリオール(Ba)は、数平均分子量(Mn)が400~5,000であることが好ましい。Mnが400以上であると、ソフトセグメントとしての性能が良好で、塗膜を形成した場合に割れが発生し難い。Mnが5,000以下であると、ポリカーボネートポリオール(Ba)とイソシアネート化合物(Bb)との反応性が低下することなく、ウレタンプレポリマーの製造工程に時間がかかったり、反応が充分に進行しなかったりするという問題や、ポリカーボネートポリオールの粘度が高くなり、取り扱いが困難になるという問題が生じない。ポリカーボネートポリオール(Ba)のより好ましいMnは、500~3,500であり、特に好ましくは600~2,500である。なお、本発明において、Mnは、水酸基価及びH-NMR若しくはアルカリ加水分解後のガスクロマトグラフィーによる組成物の定量値から算出した値である。
ポリカーボネートポリオール(Ba)の水酸基価は接着性の観点から、10~800mgKOH/gであることが好ましい。
ポリオール成分及び炭酸エステルからポリカーボネートポリオール(Ba)を製造する方法としては、例えば、反応器中に炭酸エステルと、この炭酸エステルのモル数に対して過剰のモル数のポリオールとを加え、温度160~200℃、圧力50mmHg程度で5~6時間反応させた後、更に数mmHg以下の圧力において200~220℃で数時間反応させる方法が挙げられる。上記反応においては副生するアルコールを系外に抜き出しながら反応させることが好ましい。その際、炭酸エステルが副生するアルコールと共沸することにより系外へ抜け出る場合には、過剰量の炭酸エステルを加えてもよい。また、上記反応において、チタニウムテトラブトキシド等の触媒を使用してもよい。
(イソシアネート化合物(Bb))
ポリウレタン樹脂(B)は、イソシアネート化合物(Bb)由来の構成単位を有することが好ましい。
イソシアネート化合物(Bb)としては、公知のものを使用することができる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’-トリフェニルメタントリイソシアネート、m-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族イソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-ジクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式イソシアネート化合物が挙げられる。イソシアネート化合物(Bb)は、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていても良い。
イソシアネート化合物(Bb)は、ノニオン性基を有するイソシアネート化合物も挙げられる。ノニオン性基を有するイソシアネート化合物におけるノニオン性基としては、後述のものが挙げられる。ノニオン性基は、イソシアネート化合物の側鎖にあることが好ましい。
上記のイソシアネート化合物(Bb)の中でも、反応性の制御等の観点から、芳香族イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物が好ましく、初期接着力の観点から、脂環式イソシアネート化合物がより好ましく、初期接着の観点から、イソホロンジイソシアネート(IPDI)がさらに好ましく、耐水性の観点から、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)がさらに好ましい。また、前記芳香族イソシアネート化合物としては、反応性の制御等の観点から4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が好ましい。
イソシアネート化合物(Bb)は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
イソシアネート化合物(Bb)の使用量は、イソシアネート化合物(Bb)のイソシアネート基と全ポリオール(ポリカーボネートポリオール(Ba)と、酸性基含有ポリオール(Bc)と、後述するその他のポリオール(Bh)との合計)の水酸基との比(イソシアネート基/水酸基(モル比))が、0.5~3.0であることが好ましく、1.2~2.0であることが特に好ましい。
(酸性基含有ポリオール(Bc))
ポリウレタン樹脂(B)は、水への分散性を向上させるために酸性基含有ポリオール(Bc)由来の構成単位を有することが好ましい。酸性基含有ポリオール(Bc)とは、一分子中に2個以上の水酸基と、1個以上の酸性基を含有するものである。酸性基含有ポリオール(Bc)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
酸性基含有ポリオール(Bc)としては、公知のものを使用することができる。例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸等のジメチロールアルカン酸;N,N-ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N-ビスヒドロキシエチルアラニン、3,4-ジヒドロキシブタンスルホン酸、3,6-ジヒドロキシ-2-トルエンスルホン酸等が挙げられる。中でも入手の容易さの観点から、2個のメチロール基を含む炭素数4~12のジメチルロールアルカン酸が好ましく、ジメチロールアルカン酸の中でも、2,2-ジメチロールプロピオン酸がより好ましい。
ポリウレタン樹脂(B)おいて、ポリカーボネートポリオール(Ba)と、酸性基含有ポリオール(Bc)と、後述するその他のポリオール(Bh)との合計の水酸基当量数は、50~4000であることが好ましい。水酸基当量数がこの範囲であれば、得られたポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂水性分散体の製造が容易である。得られるポリウレタン樹脂水性分散体の貯蔵安定性の観点から、水酸基当量数は、好ましくは100~3500、より好ましくは120~3000、特に好ましくは130~2500である。
水酸基当量数は、以下の式(1)及び(2)で算出することができる。
各ポリオール成分の水酸基当量数=各ポリオール成分の分子量/各ポリオール成分の水酸基の数・・・(1)
ポリオール成分の合計の水酸基当量数=M/ポリオール成分の合計モル数・・・(2)
式(2)において、Mは、[〔ポリカーボネートポリオール成分の水酸基当量数×ポリカーボネートポリオール成分のモル数〕+〔酸性基含有ポリオールの水酸基当量数×酸性基含有ポリオールのモル数〕+〔その他のポリオールの水酸基当量数×その他のポリオールのモル数〕]を示す。
(中和剤(Bd))
ポリウレタン樹脂(B)は、上記酸性基を中和させるために中和剤(Bd)由来の構成単位を有することが好ましい。中和剤(Bd)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
中和剤(Bd)としては、公知のものを使用することができる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン化合物;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等の二級アミン化合物;エチレンジアミン、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン等の一級アミン化合物;アンモニア等を用いることができる。
上記中和剤(Bd)としては、接着剤組成物中の水系媒体を乾燥する際の温度(通常は50~180℃)で揮発してポリウレタン皮膜から消失し、より一層優れた接着強度が得られる点から、その沸点が200℃以下であることが好ましく、-50~180℃の範囲であることがより好ましい。
上記中和剤(Bd)を用いる場合の使用量としては、上記ポリウレタン樹脂(B)に含まれる上記酸性基のモル数に対して0.8~1.2倍の範囲であることが好ましい。
(鎖延長剤(Be))
ポリウレタン樹脂(B)は、分子量を増加させるために鎖延長剤(Be)由来の構成単位を有することが好ましい。鎖延長剤(Be)は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応性を有する。鎖延長剤(Be)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
鎖延長剤(Be)としては、公知のものを使用することができる。例えば、エチレンジアミン、1,4-テトラメチレンジアミン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-ヘキサメチレンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアミン化合物;水等が挙げられ、アミン化合物が好ましい。
上記鎖延長剤(Be)のうち、数平均分子量(Mn)が300以下のポリアミンが好ましい。Mnが300以下であることは、ポリウレタン樹脂の凝集力を高くするために必要であり、1分子内の官能基数が2以上のポリアミンを使用することはポリウレタン樹脂のMnを高くし、耐久性を向上させるために必要である。
上記鎖延長剤(Be)の添加量は、得られるウレタンポリマー中の鎖延長起点となるイソシアナト基の当量以下であることが好ましい。イソシアナト基の当量を超えて鎖延長剤(Be)を添加した場合には、鎖延長されたウレタンポリマーの分子量が低下して凝集力が低下する。
(その他のポリオール(Bh))
ポリウレタン樹脂(B)は上記ポリカーボネートポリオール(Ba)及び酸性基含有ポリオール(Bc)以外のその他のポリオール(Bh)由来の構成単位を有していてもよい。
その他のポリオール(Bh)としては、公知のものを使用することができる。例えば、後述するポリエステルポリオール(Aa)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等のポリエーテルポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等の短鎖脂肪族ジオール;1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体等のジオール等が挙げられる。
その他のポリオール(Bh)としては、ノニオン性基を有するポリオールも挙げられる。
ノニオン性基を有するポリオールにおけるノニオン性基としては、後述のものが挙げられる。ノニオン性基は、ポリオールの側鎖にあることが好ましい。
ノニオン性基を有するポリオールは、ポリアルキレンオキシド鎖(ポリオキシアルキレン鎖ともいい、例えば、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリブチレンオキシド鎖、並びに、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド及びポリブチレンオキシドからなる群から選択される2種以上の共重合体の鎖)の片末端に水酸基を2個有する基を有するポリオールが好ましく、トリメチロールプロパンの1つの水酸基がメトキシ(ポリ)エチレンオキシ基又はエトキシ(ポリ)エチレンオキシ基に置き換わったポリオールであることがより好ましく、下記式(1a)で示される構造を有するポリオールであることが特に好ましい。ノニオン性基を有するポリオールの市販品としては、Ymer N120(パーストープ製)、Tegomer D-3403(エヴォニック製)等が挙げられる。
Figure 0007452096000001

(式(1a)中、n2は、19から21までの数字を示す。)
ポリオール(Bh)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
(ブロックイソシアネート構造)
ポリウレタン樹脂(B)はブロックイソシアネート構造を有していてもよい。
ブロックイソシアネート構造とは、イソシアナト基にブロック化剤(Bg)を付加した構造をいう。ポリウレタン樹脂(B)におけるブロックイソシアネート構造は、一部のイソシアネート化合物(Bb)由来の構成単位のイソシアナト基にブロック化剤(Bg)が付加したものであり、通常は、ポリウレタン樹脂(B)の末端に存在する。
ブロック化剤(Bg)としては、フェノール、クレゾール等のフェノール系、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール系;マロン酸ジメチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等のメルカプタン系;アセトアニリド、酢酸アミド等の酸アミド系;ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム等のラクタム系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系;アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム系;ジフェニルアニリン、アニリン、エチレンイミン、ジメチルピラゾール等のアミン系等のブロック化剤が挙げられる。ブロック化剤(Bg)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
なお、「ブロック化剤」とは、イソシアナト基と反応してイソシアナト基を別の基に変換可能な化合物であって、熱処理により別の基からイソシアナト基に可逆的に変換可能な化合物を意味する。熱処理温度としては、特に制限されないが、80~180℃が好ましい。
これらのブロック化剤(Bg)の中でも、接着剤組成物の接着力の観点から、メチルエチルケトオキシム、ジメチルピラゾールが好ましく、ジメチルピラゾールが特に好ましい。
ブロックイソシアネート構造を有することにより、ポリウレタンの分子量が低下し、モビリティが向上する。これによって、より高い接着力を発現し、且つ加水分解による接着強度の低下をより抑制することができる。
(ノニオン性基)
上記ポリウレタン樹脂(B)は耐湿熱性向上の観点から、ノニオン性基を有することが好ましい。
ノニオン性基は、水に対して親和性がある基ならば特に限定されない。例えば、ポリオキシアルキレン基等のエーテル型、アルキルグリコシド等の多価アルコールエーテル型、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のエステル型、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル型、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。それらの中でも、エーテル型の一例であるポリオキシアルキレン基が好ましい。
ポリオキシアルキレン基における、アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素原子数2~6のアルキレン基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の数は、1以上であり、10~30が好ましい。
ポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレン構造とポリプロピレン構造を有するポリオキシレン基、ポリオキシエチレン構造とポリテトラメチレン構造を有するポリオキシレン基が挙げられ、中でもポリオキシエチレン基が好ましい。
ノニオン性基は1種単独であっても、2種以上であってもよい。
ノニオン性基は、イソシアネート化合物(Bb)の全部又は一部が有していてもよく、また、ポリカーボネートポリオール(Ba)のみが有していてもよく、さらには、イソシアネート化合物(Bb)およびポリカーボネートポリオール(Ba)の両方が有していてもよく、その他のポリオール(Bh)が有していてもよい。例えば、ノニオン性基をその他のポリオール(Bh)が有している場合、ノニオン性基を有するその他のポリオール(Bh)とポリカーボネートポリオール(Ba)を混合し、さらにイソシアネート化合物(Bb)等と反応させることにより、ポリウレタン樹脂(B)にノニオン性基を導入することができる。
ポリウレタン樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、組成物の接着力の観点から、5,000~2,000,000であることが好ましく、10,000~1,000,000であることがより好ましい。この範囲とすることで、組成物がより優れた接着力を示す。
水性分散体中におけるポリウレタン樹脂(B)の割合は、5~60質量%、好ましくは20~50質量%である。
ポリウレタン樹脂(B)中に含まれる脂環構造の含有割合は、ポリウレタン樹脂(B)全量に対して、固形分基準で26~60質量%であることが好ましく、27~55 質量%がより好ましく、28~52%がさらに好ましく、28~43%であることがさらにより好ましい。脂環構造の含有割合が前記範囲にあると、水性ポリウレタン樹脂分散体の分散性の低下、粒子のメジアン径の増大、ゲル化、及び加水分解等を抑制することができる点で好ましい。
脂環構造の含有割合とは、例えば、構造中にシクロヘキサン環を有する場合は、シクロヘキサン残基の含有割合を示し、ジシクロヘキシルメタンの場合も、シクロヘキサン残基の含有割合を示す。シクロヘキサン残基とは、シクロヘキサン環に置換基が結合している場合、置換基を除いたシクロヘキサン環の構造を示す。
<ポリエステルポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(A)>
本発明で使用するポリエステルポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)(以下、「ポリウレタン樹脂(A)」、「(A)」又は「ポリエステル系ポリウレタン樹脂」ということもある。)は、例えば、ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有し、好ましくは、さらにイソシアネート化合物(Ab)を由来とする構成単位を有するポリウレタン樹脂であって、公知のものを使用することができ、その製造方法も限定されない。
上記ポリウレタン樹脂(A)は酸性基含有ポリオール(Ac)、中和剤(Ad)、鎖延長剤(Ae)、並びに(Aa)及び(Ac)以外のその他のポリオール(Af)由来の構成単位を有していてもよい。
ポリエステルポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(A)は、該ポリウレタン樹脂に含まれるポリオールを由来とする全構成単位の中で、ポリエステルポリオール(Aa)を由来とする構成単位を60%以上、好ましくは80%以上含む。
(ポリエステルポリオール(Aa))
ポリウレタン樹脂(A)は、ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有する。
ポリエステルポリオール(Aa)としては、公知のものを使用することができる。ポリエステルポリオール(Aa)は、1種以上のポリカルボン酸成分と、1種以上のポリオール成分とを反応させることにより得られる。
ポリエステルポリオール(Aa)のポリカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5-ナフタル酸、2,6-ナフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,2’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’- ジフェニルエーテルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ジカルボン酸又は芳香族トリカルボン酸;アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸又は脂肪族トリカルボン酸などが挙げられ、好ましくは、脂肪族ポリカルボンであり、より好ましくは、脂肪族ジカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸である。
ポリエステルポリオール(Aa)のポリカルボン酸成分は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(Aa)のポリオール成分としては、公知のものを使用することができる。例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール等の直鎖状脂肪族ジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐鎖状脂肪族ジオールといった脂肪族ポリオール;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、1,4-シクロヘプタンジオール、2,5‐ビス(ヒドロキシメチル)-1,4-ジオキサン、2,7-ノルボルナンジオール、テトラヒドロフランジメタノール、1,4‐ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン等の主鎖に脂環式構造を有するジオール;1,4-ベンゼンジメタノール、1,3-ベンゼンジメタノール、1,2-ベンゼンジメタノール、4,4’-ナフタレンジメタノール、3,4’-ナフタレンジメタノール等の芳香族ジオール;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられ、好ましくは脂肪族ポリオール、ポリエーテルポリオールであり、より好ましくは、脂肪族ポリオールであり、さらに好ましくは、直鎖状脂肪族ジオールであり、さらにより好ましくは、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールであり、特に好ましくは1,4-ブタンジオールである。
ポリエステルポリオール(Aa)のポリオール成分は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(Aa)は、その分子中に、ポリエステルポリオールの特性を損なわない範囲で、1分子中の平均のエステル結合の数未満の数のエーテル結合やカーボネート結合を含有していてもよい。
ポリエステルポリオール(Aa)は、数平均分子量(Mn)が5,000~200,000であることが好ましい。
ポリエステルポリオール(Aa)の水酸基価は接着性の観点から、10~800mgKOH/gであることが好ましい。
ポリエステルポリオール(Aa)は前記ポリカルボン酸成分及びポリオール成分を反応させることによって得られる。ポリエステルポリオール(Aa)の製造方法としては、公知の方法を採用できる。例えば、上記のポリカルボン酸成分及びポリオール成分を150~250℃でエステル化反応させた後、減圧しながら230~300℃で重縮合する方法が挙げられる。
ポリエステルポリオール(Aa)として、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリブチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレートが好ましい。
このポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を含むポリウレタン樹脂(A)を、ポリカーボネートポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂(B)と共に使用することで、本発明の課題解決に好適な接着剤組成物を得ることができる。また、工業的に好適な接着剤組成物を得ることができる。
ポリエステルポリオール(Aa)1種単独であっても、2種以上で用いてもよい。
(イソシアネート化合物(Ab))
ポリウレタン樹脂(A)は、イソシアネート化合物(Ab)由来の構成単位を有することが好ましい。
イソシアネート化合物(Ab)としては、公知のものを使用することができる。例えば、イソシアネート化合物(Bb)の例として前述したものが挙げられる。ポリイソシアネート(Ab)は、その構造の一部又は全部がイソシアヌレート化、カルボジイミド化、又はビウレット化など誘導化されていても良い。
これらのイソシアネート化合物(Ab)のうちでも、とりわけ機械強度等の観点からは、芳香族ジイソシアネート化合物の使用が好ましく、又はとりわけ耐久性の観点から、脂肪族及び/又は脂環式イソシアネート化合物の使用がより好ましく、具体的にはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及び、イソホロンジイソシアネート(IPDI)がさらに好ましい。
イソシアネート化合物(Ab)は、単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
イソシアネート化合物(Ab)の使用量は、イソシアネート化合物(Ab)のイソシアネート基とポリオール(ポリエステルポリオール(Aa)と、酸性基含有ポリオール化合物(Ac)と、後述するその他のポリオール(Ah)との合計)の水酸基との比(イソシアネート基/水酸基(モル比))が、0.3~5.0であることが好ましく、0.5~3.0であることが特に好ましい。
(酸性基含有ポリオール(Ac))
ポリウレタン樹脂(A)は、水への分散性を向上させるために酸性基含有ポリオール(Ac)由来の構成単位を有してもよい。酸性基含有ポリオール(Ac)とは、一分子中に2個以上の水酸基と、1個以上の酸性基を含有するものである。酸性基含有ポリオール(Ac)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
酸性基含有ポリオール(Ac)としては、公知のものを使用することができる。例えば、酸性基含有ポリオール(Bc)として前述したものが挙げられる。中でも入手の容易さの観点から、2個のメチロール基を含む炭素数4~12のジメチルロールアルカン酸が好ましく、ジメチロールアルカン酸の中でも、2,2-ジメチロールプロピオン酸がより好ましい。
ウレタン樹脂(A)おいて、ポリエステルポリオール(Aa)のポリオール成分と、酸性基含有ポリオール(Ac)と、後述するその他のポリオール(Ah)との合計の水酸基当量数は、100~3000であることが好ましい。水酸基当量数がこの範囲であれば、得られたポリウレタン樹脂を含むポリウレタン樹脂水性分散体の製造が容易である。得られるポリウレタン樹脂水性分散体の貯蔵安定性の観点から、水酸基当量数は、好ましくは150~2000、より好ましくは200~1000、特に好ましくは300~800である。
水酸基当量数は、前述の方法で計算することができる。
(中和剤(Ad))
ポリウレタン樹脂(A)は、上記酸性基を中和させるために中和剤(Ad)由来の構成単位を有してもよい。中和剤(Ad)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
中和剤(Ad)としては、公知のものを使用することができる。例えば、中和剤(Bd)の例として前述したものを用いることができるが、特に、三級アミン化合物が好ましい。
(鎖延長剤(Ae))
ポリウレタン樹脂(A)は、分子量を増加させるために鎖延長剤(Ae)を由来の構成単位を有してもよい。鎖延長剤(Ae)は、ポリウレタンプレポリマーのイソシアナト基と反応性を有する。鎖延長剤(Ae)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
鎖延長剤(Ae)としては、公知のものを使用することができる。例えば、鎖延長剤(Be)の例として前述したものが挙げられ、ポリアミンが好ましい。
上記鎖延長剤(Ae)のうち、数平均分子量(Mn)が300以下のポリアミンが好ましい。Mnが300以下であることは、ポリウレタン樹脂の凝集力を高くするために必要であり、1分子内の官能基数が2以上のポリアミンを使用することはポリウレタン樹脂のMnを高くし、耐久性を向上させるために必要である。
(その他のポリオール(Af))
ポリウレタン樹脂(A)は上記ポリエステルポリオール(Aa)及び酸性基含有ポリオール(Ac)以外のその他のポリオール(Af)由来の構成単位を有していてもよい。
その他のポリオール(Af)としては、公知のものを使用することができる。例えば、上記ポリカーボネートポリオール(Ba)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等のポリエーテルポリオール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール等の短鎖脂肪族ジオール;1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体等のジオール等が挙げられる。ポリオール(Af)は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、接着性の観点から、2,000~500,000であることが好ましく、4,000~350,000であることがより好ましい。Mwが2,000未満であると接着剤としての凝集力を発現し難い場合がある。一方、Mwが500,000を超えると溶解性が低下し、加工性が低下する場合がある。
水性分散体中におけるポリウレタン樹脂(A)の割合は、5~60質量%、好ましくは20~50質量%である。
<ポリウレタン樹脂水性分散体>
ポリウレタン樹脂水性分散体は、ポリウレタン樹脂(A)、ポリウレタン樹脂(B)及び水系媒体を含み、ポリウレタン樹脂(A)及びポリウレタン樹脂(B)が水系媒体中に分散している。
水系媒体としては、例えば、上水、イオン交換水、蒸留水、超純水などの水や、水と親水性有機溶媒との混合媒体などが挙げられる。
親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類;N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドンなどのピロリドン類;ジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;KJケミカル社製「KJCMPA(R)-100」に代表されるβ-アルコキシプロピオンアミドなどのアミド類;2-(ジメチルアミノ)-2-メチル-1-プロパノール(DMAP)などの水酸基含有三級アミンが挙げられる。
水系媒体中の親水性有機溶媒の量は、0~20質量%であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂水性分散体のpHは、5.0~9.0が好ましい。
ポリウレタン樹脂水性分散体は、通常、ポリウレタン樹脂(A)を含むポリウレタン樹脂(A)水性分散体と、ポリウレタン樹脂(B)を含むポリウレタン樹脂(B)水性分散体とを混合して得られる。ポリウレタン樹脂(A)水性分散体、ポリウレタン樹脂(B)水性分散体それぞれの製造方法は、以下の通りである。
(ポリウレタン樹脂水性分散体の製造方法)
国際公開第2016/039396号公報等に記載の公知の方法により、ポリウレタン樹脂水性分散体を製造することができる。例えば、以下のような製造方法が挙げられる。
第1の製造方法は、原料を全て混合し、反応させて、水系媒体中に分散させることにより水性ポリウレタン樹脂分散体を得る方法である。
第2の製造方法は、全ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とを反応させて、プレポリマーを製造し、前記プレポリマーの酸性基を中和した後、水系媒体中に分散させ、鎖延長剤を反応させることにより水性ポリウレタン樹脂分散体を得る方法である。
水性ポリウレタン樹脂分散体の製造方法としては、分子量の制御が行いやすいため、上記の第2の製造方法が好ましい。
また、ブロックイソシアネート構造は例えば、以下のような製造方法により導入することができる。
第1の製造方法は、ウレタン化触媒存在下又は不存在下で、ブロック化剤(Bg)以外の原料を全て混合し、反応させて、ウレタン化反応を行い、最後にブロック化触媒存在下又は不存在下でブロック化剤(Bg)を反応させてブロック化反応を行い、末端イソシアナト基の少なくとも一部がブロック化されたポリウレタンプレポリマーを合成する方法である。
第2の製造方法は、ブロック化触媒存在下又は不存在下で、イソシアネート化合物(Bb)と、ブロック化剤(Bg)とを反応させてブロック化反応を行い、イソシアナト基の一部をブロック化したポリイソシアネート化合物を合成し、ウレタン化触媒存在下又は不存在下で、得られたブロック化したポリイソシアネート化合物と、(Bb)及び(Bg)以外の原料とを反応させてウレタン化反応を行って、ポリウレタンプレポリマーを合成する方法である。
これらの製造方法における水性分散体の製造方法は、上述の通りである。
<接着剤組成物の製造>
化学便覧応用化学編第7版によると、接着とは、接着剤を媒介として、物理的または化学的な力またはその両者によって2つの面が結合した状態と定義される。
したがって、接着剤とは、2つの面を結合させるための媒体である。また、接着剤として機能有する組成物を接着剤組成物という。
本発明の接着剤組成物は、前記ポリウレタン樹脂(A)及び前記ポリウレタン樹脂(B)を含むポリウレタン樹脂水性分散体を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の樹脂及び/又はその他の添加剤を含有してもよい。
前記その他の樹脂としては、エマルジョンの状態のアクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂が挙げられる。
前記その他の添加剤としては、例えば、硬化剤、架橋剤、表面調整剤、乳化剤、増粘剤、ウレタン化触媒、充填剤、発泡剤、顔料、染料、撥油剤、中空発泡体、難燃剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
表面調整剤としては、一般に高分子量化に伴う粘性の変化、表面張力の変化、泡の発生に起因して生じる塗膜の欠陥を解消し得る性能を有する、表面調整剤、レベリング剤、濡れ剤、消泡剤等と称されるものであれば、特に制限なく使用することができ、例えば、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系、セルロース系、天然ワックス系、水溶性有機溶媒等の各種表面調整剤、レベリング剤、濡れ剤、消泡剤等の他、界面活性剤も好ましく挙げられ、中でも濡れ剤が好ましい。
本発明の接着剤組成物の製造方法は、特に制限されないが、公知の製造方法を用いることができる。例えば、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)を含むポリウレタン樹脂水性分散体、及び上述した各種添加剤を攪拌混合することにより製造される。
本発明の接着剤組成物において、前記ポリウレタン樹脂(A)と前記ポリウレタン樹脂(B)との混合割合は、接着力及び耐湿熱性の観点から、固形分比で(A)/(B)=95/5~15/85が好ましく、93/7~40/60がより好ましく、90/10~60/40が更に好ましい。
<接着剤組成物の物性>
本発明の接着剤組成物の実施例記載の方法で測定した接着の強さは1N/cm~30N/cmが好ましく、3N/cm~25N/cmがさらに好ましい。
本発明の接着剤組成物の実施例記載の方法で測定した接着の強さの熱水浸漬前後における接着力の比(熱水浸漬後の接着力/熱水浸漬前の接着力)は0.15以上が好ましく、0.20以上がさらに好ましい。
本発明の接着剤組成物の実施例記載の方法で測定した粘度は、20~1500mPa・s(20℃)あることが好ましく、30~1000mPa・s(20℃)であることがさらに好ましい。
<接着剤組成物の用途>
本発明の接着剤組成物は、接着強度、低温での加工条件(乾燥温度) 、幅広い基材への接着性、耐熱性に優れ、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、ポリ塩化ビニル( P V C )、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチック;皮革;ゴム;発泡体繊維製品;アルミニウム、ステンレス、銅、亜鉛鋼板等の金属;セラミック、ガラス等の無機酸化物材料等の被接着体の接着に広範囲に用いられ有用であり、好ましくはプラスチック、皮革、ゴム、発泡体繊維製品、金属及び無機酸化物材料からなる群から選択される被着体の接着に用いられることが好ましい。
<ポリカーボネートポリオールを構成単位に有するポリウレタン樹脂の用途>
脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)は、前述の通り、ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)を含む接着剤用の添加剤として使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[接着剤組成物の製造]
ポリエステルポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(W2)
以下のポリエステル系ポリウレタン樹脂水性分散体を用いた。
カルボン酸としてアジピン酸、ジオールとして1,4-ブタンジオールおよびポリテトラメチレングリコール、イソシアネートとしてイソホロンジイソシアネート(IPDI)およびヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を有する。
固形分は50質量%、粘度は450mPa/s(20℃)、pHは6.8、数平均分子量は45,000、重量平均分子量は160,000、分散された樹脂の粒子径は0.098μmである。
[合成例1]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(U1)
ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価56mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、301g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(16.3g)と、イソホロンジイソシアネート(90.0g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、132g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80~95℃で5時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(12.0g)を添加・混合したもののうち、506gを、強撹拌のもと水(816g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(31.3g)を加えて、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U1を得た。
[合成例2]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(U2)
ポリオールとしてETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価56mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール301gと、2,2-ジメチロールプロピオン酸14.2gと、トリメチロールプロパンのポリエチレングリコールモノメチルエーテル付加体7.8gを用いた以外は、合成例1と同様にポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U2を得た。
[合成例3]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(U4)
ETERNACOLL UM90(3/1)(宇部興産製;数平均分子量916;水酸基価123mgKOH/g;ポリオール成分が1,4-シクロヘキサンジメタノール:1,6-ヘキサンジオール=3:1のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、1500g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(220g)と、水素添加MDI(1450g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(1350g)中、ジブチルスズジラウリレート(2.6g)存在下、窒素雰囲気下で、80-90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(149g)を添加・混合した。反応混合物の中から4360gを抜き出して、強攪拌下のもと水(6900g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(626g)を加えて、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4を得た。
[合成例4]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(U5)
ETERNACOLL UM90(1/3)(宇部興産製;数平均分子量916;水酸基価123mgKOH/g;ポリオール成分が1,4-シクロヘキサンジメタノール:1,6-ヘキサンジオール=1:3のモル比のポリオール混合物と炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、150g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(22.0g)と、水素添加MDI(145g)とを、ジプロピレングリコールジメチル(135g)中、ジブチルスズジラウリレート(0.3g)存在下、窒素雰囲気下で、80-90℃で、6時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(14.9g)を添加・混合した。反応混合物の中から436gを抜き出して、強攪拌下のもと水(690g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(62.6g)を加えて、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U5を得た。
[合成例5]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体(U6)
ETERNACOLL(登録商標) UH200(宇部興産製;数平均分子量2,000;水酸基価57mgKOH/g;1,6-ヘキサンジオールと炭酸エステルとを反応させて得られたポリカーボネートジオール、42.4g)と、2,2-ジメチロールプロピオン酸(2.79g)と、水素添加MDI(16.52g)とを、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DMM、20.57g)中、ジブチル錫ジラウリレート(0.05g)存在下、窒素雰囲気下で、80~90℃で3時間加熱した。反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン(2.1g)を添加・混合し、この混合物のうち、79.1gを抜き出し、強撹拌のもと水(114.8g)の中に加えた。ついで、35質量%の2-メチル-1,5-ペンタンジアミン水溶液(6.20g)を加えて、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するウレタン樹脂水性分散体U6を得た。
[実施例1]
ポリエステルポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体W2及びポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4の混合物(W2/U4=85/15(水性分散体の質量比))100質量部に、表面調整剤(BYK-Chemie製;BYK―345)を0.6質量部配合し、接着剤組成物を製造した。
[実施例2]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4の代わりにポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U5を用いた以外、実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。
[比較例1]
100質量部のポリエステルポリウレタン樹脂水性分散体W2に、表面調整剤(BYK-Chemie製;BYK―345)を0.6質量部配合し、接着剤組成物を製造した。
[比較例2]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4の代わりにポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U1を用いた以外、実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。
[比較例3]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4の代わりにポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U2を用いた以外、実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。
[比較例4]
ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U4の代わりにポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂水性分散体U6を用いた以外、実施例1と同様にして接着剤組成物を製造した。
[試験片の製造方法]
幅2.5cm×長さ10cmに形成した2枚の基材上に、上記接着剤組成物を、幅2.5cm×長さ7.5cmの面積且つ固形分量が5mg/cmとなるよう、プラスチック製のへらにて塗布し、90℃にて15分間乾燥させた。接着剤組成物の乾燥後に得られた、ポリエステルポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂固形物及びポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂固形物の質量比を表1に示す。
乾燥させた接着基材の接着面同士を接当させ、プレス機にて2MPaで10秒間圧着させた後、90℃にて15分間エージングを行った。貼り合わせた2枚の基材は同種のものを用いた。
試験片の基材としては、以下の基材を用いた。表1中の略称は以下の通りである。
基材1:日本マタイ株式会社製 ポリウレタン系熱可塑性エラストマーフィルム
ESMER 2mm厚
[接着強さの評価]
接着強さは、上記試験片のT型剥離試験を引張試験機(INSTRON製5982型試験機)にて行うことで評価した。試験条件は23℃で引張速度5cm/分とした。
表1においては、試験片作成直後に、試験片にさらなる処理をすることなく測定した接着強さを「浸漬前の接着強さ」とした。また、試験片作成後、試験片に下記熱水浸漬処理をしてから測定した接着強さを「浸漬後の接着強さ」とした。
熱水浸漬後の接着強さを比較することにより、接着剤の耐湿熱性を評価した。
表1に、熱水浸漬前後それぞれの接着強さを示す。
本発明において、初期接着力とはエージング後30分以内に測定した接着力を示す。上記「浸漬前の接着強さ」が初期接着力に相当する。
合わせて評価後の基材の状態も観察した。全ての実施例及び比較例において、評価後の基材の状態は、界面剥離であった。
なお、界面剥離とは、接着性の不足により接着界面から剥離した状態である。
(熱水浸漬処理)
試験片を110ccスクリュー管瓶に入れ、試験片全体が浸かるまで純水を加えた後、90℃の乾燥機で16時間加熱した。加熱終了後、試験片を取り出し、温度25℃、湿度35%で6時間乾燥させた。
一般的に、耐湿熱性の評価は、試験片を60~90℃、湿度85~95%の条件で処理するが、評価に長時間(200~2000時間)を要する。本熱水浸漬処理の評価方法では短時間で評価を終えることができる。また、90℃、湿度95%における200時間の耐湿熱性の評価と、90℃、16時間の耐熱水性の評価とで評価結果に相違はない。したがって、本熱水浸漬処理の評価によって、接着剤組成物の長期間における耐湿熱性を評価することができる。
Figure 0007452096000002
表1の結果から、実施例1及び2において、接着剤組成物が、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂において、ポリカーボネートポリオールを由来とする構成単位が脂環構造を有すると、初期接着力が高いことがわかる。実施例1及び2と比較例1から、接着剤組成物が、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂を含み、ポリカーボネートポリオールを由来とする構成単位が脂環構造を有すると、ポリエステルポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂のみを含む場合に比べて、初期接着力及び耐湿熱性が共に向上することがわかる。実施例1及び2と比較例2~4から、接着剤組成物が、ポリカーボネートポリオール由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂において、ポリカーボネートポリオールを由来とする構成単位が脂環構造を有すると、初期接着力が向上することがわかる。
本発明のポリウレタン樹脂水性分散体は、初期接着力に優れるため、接着剤の原料として広く利用できる。また、より温和な耐湿熱性にも優れることが期待される。

Claims (10)

  1. ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)及びポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)を含有するポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物であって、
    前記ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂環構造を有し、
    ポリウレタン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)の割合が(A)/(B)=95/5~15/85(固形分質量比)である接着剤組成物。
  2. 脂環構造が、シクロペンタン環及びシクロヘキサン環からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の接着剤組成物。
  3. ポリカーボネートポリオール(Ba)を構成する全ポリオールに対し、脂環構造を有するポリオールの割合が10モル%以上である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. ポリウレタン樹脂(A)が、少なくともポリエステルポリオール(Aa)及びイソシアネート化合物(Ab)由来の構成単位を有し、
    ポリウレタン樹脂(B)が、少なくともポリカーボネートポリオール(Ba)、イソシアネート化合物(Bb)、酸性基含有ポリオール(Bc)、中和剤(Bd)及び鎖延長剤(Be)由来の構成単位を有する請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. イソシアネート化合物(Ab)が脂肪族イソシアネート化合物及び/又は脂環式イソシアネート化合物である、請求項に記載の接着剤組成物。
  6. イソシアネート化合物(Bb)が脂環式イソシアネート化合物である、請求項又はに記載の接着剤組成物。
  7. ポリエステルポリオール(Aa)が脂肪族ポリカルボン酸及び脂肪族ポリオール由来の構成単位を含むポリエステルポリオールである、請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. ポリカーボネートポリオール(Ba)が脂肪族ポリオール由来の構成単位を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  9. ポリエステルポリオール(Aa)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(A)を含む接着剤用の添加剤であって、脂環構造を有するポリカーボネートポリオール(Ba)由来の構成単位を有するポリウレタン樹脂(B)。
  10. プラスチック、皮革、ゴム、発泡体繊維製品、金属及び無機酸化物材料からなる群から選択される被着体の接着に用いられる請求項1~のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
JP2020033080A 2020-02-28 2020-02-28 ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物 Active JP7452096B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020033080A JP7452096B2 (ja) 2020-02-28 2020-02-28 ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020033080A JP7452096B2 (ja) 2020-02-28 2020-02-28 ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021134311A JP2021134311A (ja) 2021-09-13
JP7452096B2 true JP7452096B2 (ja) 2024-03-19

Family

ID=77660302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020033080A Active JP7452096B2 (ja) 2020-02-28 2020-02-28 ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7452096B2 (ja)

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156573A (ja) 2006-12-26 2008-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 環境安全性および層間密着性の良好な建材用シート
WO2009145242A1 (ja) 2008-05-29 2009-12-03 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体、その製造方法、及びそれを含有する塗料組成物
JP2010229267A (ja) 2009-03-26 2010-10-14 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 合成皮革用二液硬化型水系接着剤
JP2011153204A (ja) 2010-01-27 2011-08-11 Hitachi Chem Co Ltd ウレタン変性アクリル樹脂及びそれを用いたコーティング剤及び接着剤
WO2011102442A1 (ja) 2010-02-19 2011-08-25 宇部興産株式会社 ポリオキシアルキレンアルコール及びポリウレタン樹脂並びにそれを含有するコーティング剤
JP2016121337A (ja) 2010-07-08 2016-07-07 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体組成物及びその製造方法
US20160347978A1 (en) 2015-06-01 2016-12-01 The Sherwin-Williams Company Waterborne Coating Composition
JP2016221955A (ja) 2015-04-30 2016-12-28 インパクト・プロテクション・テクノロジー・アクチェンゲゼルシャフトImpact Protection Technology AG 多層ポリウレタン保護フィルム
JP2017066358A (ja) 2015-10-01 2017-04-06 宇部興産株式会社 ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法
JP2018070878A (ja) 2016-10-26 2018-05-10 三洋化成工業株式会社 ポリウレタン樹脂水性分散体
JP2019131689A (ja) 2018-01-31 2019-08-08 宇部興産株式会社 ポリカーボネートポリオール、及び水性ポリウレタン樹脂分散体
WO2019221126A1 (ja) 2018-05-16 2019-11-21 宇部興産株式会社 光硬化性樹脂組成物及びそれを用いた粘接着剤
JP2020007400A (ja) 2018-07-03 2020-01-16 三菱ケミカル株式会社 ポリカーボネートジオールおよびそれを用いた水系ポリウレタン分散体
WO2021039832A1 (ja) 2019-08-27 2021-03-04 三菱瓦斯化学株式会社 ウレタン樹脂

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6436671A (en) * 1987-07-31 1989-02-07 Sunstar Engineering Inc Polyurethane adhesive
JPH06248046A (ja) * 1993-02-23 1994-09-06 Toagosei Chem Ind Co Ltd 水性ポリウレタン組成物
JPH08225780A (ja) * 1995-02-20 1996-09-03 Sekisui Chem Co Ltd ウレタン系水性接着剤組成物
JP4070256B2 (ja) * 1996-10-21 2008-04-02 日華化学株式会社 ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂組成物

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008156573A (ja) 2006-12-26 2008-07-10 Dainippon Printing Co Ltd 環境安全性および層間密着性の良好な建材用シート
WO2009145242A1 (ja) 2008-05-29 2009-12-03 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体、その製造方法、及びそれを含有する塗料組成物
JP2010229267A (ja) 2009-03-26 2010-10-14 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 合成皮革用二液硬化型水系接着剤
JP2011153204A (ja) 2010-01-27 2011-08-11 Hitachi Chem Co Ltd ウレタン変性アクリル樹脂及びそれを用いたコーティング剤及び接着剤
WO2011102442A1 (ja) 2010-02-19 2011-08-25 宇部興産株式会社 ポリオキシアルキレンアルコール及びポリウレタン樹脂並びにそれを含有するコーティング剤
JP2016121337A (ja) 2010-07-08 2016-07-07 宇部興産株式会社 水性ポリウレタン樹脂分散体組成物及びその製造方法
JP2016221955A (ja) 2015-04-30 2016-12-28 インパクト・プロテクション・テクノロジー・アクチェンゲゼルシャフトImpact Protection Technology AG 多層ポリウレタン保護フィルム
US20160347978A1 (en) 2015-06-01 2016-12-01 The Sherwin-Williams Company Waterborne Coating Composition
JP2017066358A (ja) 2015-10-01 2017-04-06 宇部興産株式会社 ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法
JP2018070878A (ja) 2016-10-26 2018-05-10 三洋化成工業株式会社 ポリウレタン樹脂水性分散体
JP2019131689A (ja) 2018-01-31 2019-08-08 宇部興産株式会社 ポリカーボネートポリオール、及び水性ポリウレタン樹脂分散体
WO2019221126A1 (ja) 2018-05-16 2019-11-21 宇部興産株式会社 光硬化性樹脂組成物及びそれを用いた粘接着剤
JP2020007400A (ja) 2018-07-03 2020-01-16 三菱ケミカル株式会社 ポリカーボネートジオールおよびそれを用いた水系ポリウレタン分散体
WO2021039832A1 (ja) 2019-08-27 2021-03-04 三菱瓦斯化学株式会社 ウレタン樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021134311A (ja) 2021-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101625699B1 (ko) 수성 폴리우레탄 수지 분산체, 그의 제조 방법 및 그것을 함유하는 도료 조성물
US6855764B2 (en) Method for producing self- emulsifiable aqueous polyurethane resins having improved characteristics
JP6168069B2 (ja) 水性ポリウレタン樹脂分散体及びその使用
JP6984838B2 (ja) カルボキシル基含有水性樹脂組成物、成形体、及びポリカルボジイミド化合物の製造方法
EP3263614B1 (en) Waterborne hybrid polyurethane/polysiloxane dispersions
AU2007253855A1 (en) Polyurethane-urea polymers derived from cyclohexane dimethanol
WO2011102442A1 (ja) ポリオキシアルキレンアルコール及びポリウレタン樹脂並びにそれを含有するコーティング剤
CN113825783A (zh) 聚醚聚碳酸酯二醇及其制造方法
KR20140139593A (ko) 수성 폴리우레탄 수지 분산체
EP3253812A1 (en) Aqueous polyurethane dispersions
EP3150648A1 (en) Aqueous functionalized polyurethane dispersions
JP2006274009A (ja) 水分散型ポリウレタン組成物
CN108623779B (zh) 聚氨酯树脂、水性聚氨酯树脂分散体、其制造方法、其使用和其固化物
JP3970955B2 (ja) ポリウレタン水性組成物
CN112442164B (zh) 聚氨酯或聚氨酯脲的水分散体、其制备方法和用途
WO2017137237A1 (en) Method for the preparation of aqueous polyurethane dispersions
JP7500996B2 (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物
JP7452096B2 (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物
WO2005083022A1 (ja) 水性ポリウレタン皮膜剤組成物
WO2001057108A1 (fr) Polyurethanne et resine polyurethanne hydrocompatible
WO2023157807A1 (ja) ポリウレタン樹脂組成物、人工皮革、合成皮革、及び皮革用表面処理剤
JP3944782B2 (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体、それを含有してなる水性接着剤、及び水性プライマーコート剤
JP2019044073A (ja) エマルジョン組成物
JP2021134310A (ja) ポリウレタン樹脂水性分散体を含む接着剤組成物
JP2010229224A (ja) 水性ポリウレタン分散体及びそれを用いた水性塗料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7452096

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150