JP7449862B2 - エオシン染色技術 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、ここで参照したことによりその開示全体が本明細書に組み込まれる2017年12月24日に出願された米国仮特許出願第62/610,211号の出願日の利益を主張するものである。
本開示の背景
多くの組織はプロセシング後その成分を明視野顕微鏡下で目に見えるようにするのに十分な色を保持しない。したがって、組織を染色することにより色または染料を組織に加えることが一般的な方法である。ヘマトキシリンおよびエオシン(「H&E」)染色がおそらく最も広く使用されている組織学的染色である。その人気は、そのかなりの簡単さおよび膨大な数の異なる組織構造を明確に示す能力に基づいている。ヘマトキシリンは多くの方法で調製することができ、いろいろな部位に由来する組織に対して広範囲に及ぶ適用可能性を有する。本質的に、ヘマトキシリン成分は良好な核内の細部と共に細胞核を青色/黒色に染色し、一方エオシンは細胞質およびほとんどの結合組織繊維を様々な色調および強度のピンク、オレンジおよび赤色に染色する。
正確な診断は染色された顕微鏡スライド、通常H&Eパラフィン切片を検査する病理学者または細胞学者に依存し、H&E染色は自動染色機によって大量に行われている。一貫性の必要性は難しい組織学的解釈を避けるために不可欠である。一般に、自動染色機では、各工程の時間を調節することにより、正確かつ一貫した染色、識別および脱水が可能である。
ある種の標準的な手法がスライド上の組織の染色に通常適用される。ほとんどの染色剤は水性またはアルコール性の溶液に適用され、パラフィンが染み込んだ組織に浸透しないので、パラフィン切片は最初に脱パラフィンしなければならない。スライドを脱パラフィンした後、スライドを通例オーブンまたはその他の加熱室でベーキングして、脱パラフィン溶媒を追い払い、組織をスライドに付着させる。次いで、例えばヘマトキシリンおよびエオシンのような標準的な染色剤を用いて組織を染色することができる。最後に、染色された組織切片に薄いガラスカバースリップを付着させることによってカバースリップで覆い、次いでそれを封入剤で密封することにより、保管に適した密閉された環境を作り出す。
出願人は、自動検体処理装置を用いた対比染色剤による染色の一貫性を改良するシステムおよび方法を開発した。出願人は、本明細書に記載されているシステムおよび方法により、組織の端および/または組織の脂肪質部分内の改良された対比染色が可能になると確信する。実際、出願人は、驚くべきことに、ある種の自動流体分配工程を移動および/または変更すると、組織内の染色の改良された一貫性、改良された対比染色強度、ならびに試料間の染色一貫性および/または強度の再現性が可能になることを発見した。改良された対比染色技術により、エオシン染色剤の自動適用で時折見られる矛盾の低減が可能になる。
上記に鑑み、本開示の1つの局面は、自動検体処理装置により基材上に配置された検体を染色する方法であって、自動染色装置は一次染色剤および対比染色剤で検体を染色するように構成されており、自動染色装置は、(i)対比染色剤による染色の直後に酸溶液を検体に適用し、一次染色剤による染色と対比染色との間には酸溶液を検体に適用しない、(ii)一次染色と対比染色との間に酸溶液を検体に適用し、対比染色の直後にも酸溶液を検体に適用する、または、(iii)対比染色の直後であるが有機流体溶液の適用もしくはカバースリップの添加の前に2つ以下のアリコートの洗浄溶液を適用し、また対比染色と有機流体溶液もしくはカバースリップの適用との間に少なくとも2つのアリコートの移送溶液を適用するように構成されている。いくつかの実施形態において、移送溶液は、染色または対比染色に対して中立的効果を有するあらゆる溶液である。染色に対するその完全に中立的な効果のために移送溶液が使用されるこれらの非限定的な実施形態において、移送溶液はもっぱら、染色を区別しないように、またはいかなる識別できる程度にも染色を区別しないように、残留する染色溶液をスライドから少なくとも部分的に除去するために使用されている。これらの状況において、染色は、移送溶液により引き起こされる最小の識別のため、完全に進行性にされている。
本開示の別の局面において、自動染色システム内で検体を処理する方法であって、方法が、検体を染色試薬と接触させること;検体を洗浄溶液と接触させて染色試薬を検体から少なくとも部分的に除去すること;検体を洗浄溶液と接触させた後、検体を対比染色試薬と接触させること;および、検体を酸溶液と接触させることを含んでおり、ここで検体は、検体と対比染色剤との接触前には酸溶液と接触させない、方法である。いくつかの実施形態において、方法は、検体を染色試薬と接触させた後、しかし検体を対比染色試薬と接触させる前に、検体をアルカリ性溶液と接触させることをさらに含む。
本開示の別の局面において、自動染色システム内で検体を処理する方法であって、方法が、検体を染色試薬と接触させること;検体を洗浄溶液と接触させて染色試薬を検体から少なくとも部分的に除去すること;検体を洗浄溶液と接触させた後、検体を対比染色試薬と接触させること;および、検体を移送溶液と繰り返し接触させることを含んでおり、ここで検体は、検体と対比染色剤の接触後には洗浄溶液と接触させない、方法である。いくつかの実施形態において、方法は、検体を染色試薬と接触させた後、しかし検体を対比染色試薬と接触させる前に、検体をアルカリ性溶液と接触させることをさらに含む。
本開示の別の局面において、自動検体処理装置で基材上に配置された検体を染色する方法は、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配すること;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(f)所定量の対比染色溶液を検体に分配すること;(g)対比染色溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(h)所定量の酸溶液を検体に分配することを含む。いくつかの実施形態において、対比染色溶液はエオシンを含む。
本開示の別の局面において、自動検体処理装置で検体を染色する方法は、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配すること;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(f)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;(g)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(h)所定量の酸溶液を検体に分配することを含む。いくつかの実施形態において、酸溶液はエオシン染色の前に分配されない。いくつかの実施形態において、方法は、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の溶液は洗浄溶液、移送溶液、または酸溶液からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の溶液は洗浄溶液である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配することは、(i)洗浄溶液を分配すること;(ii)洗浄溶液を少なくとも部分的に除去すること;(iii)酸溶液を分配すること;および(iv)酸溶液を少なくとも部分的に除去することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、検体からのヘマトキシリン溶液の少なくとも部分的な除去の後でアルカリ性溶液の分配前に洗浄溶液を分配することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、方法は、(i)検体からのヘマトキシリン溶液の少なくとも部分的な除去の後でアルカリ性溶液の分配前に酸溶液を分配すること;(ii)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(iii)アルカリ性溶液を分配する前に洗浄溶液を検体に分配することをさらに含む。
本開示の別の局面において、自動検体処理システムで染色された生物学的検体であり、ここで試料は、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を生物学的検体に分配すること;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(f)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;(g)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(h)所定量の酸溶液を検体に分配することにより染色される。
本開示の別の局面において、自動検体処理装置で検体を染色する方法は、所定量の洗浄溶液を検体に分配すること;洗浄溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量の酸溶液を検体に分配すること;酸溶液を少なくとも部分的に除去すること;および、洗浄溶液を検体に分配することから本質的になる。
本開示の別の局面において、自動検体処理装置で検体を染色する方法は、所定量の洗浄溶液を検体に分配すること;洗浄溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量の酸溶液を検体に分配すること;酸溶液を少なくとも部分的に除去すること;および、洗浄溶液を検体に分配することからなる。
本開示の別の局面において、自動検体処理装置で検体を染色する方法は、所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および、4つの追加の溶液を順次検体に分配し検体から除去することを含んでおり、ここで4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。
いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の少なくとも3つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の4つすべてが移送溶液である。いくつかの実施形態において、検体はヘマトキシリンで染色された検体である。いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも4つの追加の溶液の最後のものが除去された後、有機流体溶液を検体に分配することをさらに含む。
本開示の別の局面において、自動組織学的染色システムは、ステイナー(stainer);生物学的検体が上に配置されているスライドを担持するステイナー内のスライドキャリヤー;および、複数の流体をスライドに送達するように構成されたステイナー内のディスペンサーを含んでおり、ここでシステムは生物学的検体が一次染色剤および対比染色剤で染色され得るように構成されており、システムは一次染色剤による染色と対比染色剤による染色との間に洗浄溶液、移送溶液、および/またはアルカリ性溶液のみを分配するように構成されている。いくつかの実施形態において、システムは対比染色剤による染色後に酸溶液を送達するように構成されている。いくつかの実施形態において、システムは対比染色剤による染色後に酸溶液、移送溶液、および有機流体溶液のみを分配するように構成されている。いくつかの実施形態において、システムは、対比染色剤による染色後に4つのアリコートの移送溶液を順次検体に分配し検体から除去する。いくつかの実施形態において、自動組織学的染色システムは、流体をスライドから除去するためのデバイスを含む。いくつかの実施形態において、システムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイを含む。いくつかの実施形態において、開示されているシステムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。いくつかの実施形態において、ワークステーションは、試薬(および除去された細胞のような試薬媒介汚染物質)の1つのスライドから別のスライドへの実質的な移送を伴うことなく試薬をスライド表面に送達する。いくつかの実施形態において、スライドは長方形のスライドトレイ内で2列に保持されて、それらのスライドの長寸がトレイの中央の長軸から外側へトレイの長端に向かって配置されている。いくつかの実施形態において、ワークステーション内のディスペンサーは向かい合った列の1対以上のスライドの上方に配置され、2列のどちらか一方の1以上のスライドに、例えば2列内で互いに向かい合っている1対のスライドに流体、試薬、溶液等を送達する。いくつかの実施形態において、ディスペンサーがトレイ内に保持されているスライドの総数より少ないスライドの上方に配置されていれば、ディスペンサーを移動させて各々の列内のスライドの他のスライドに流体、試薬、溶液等を分配することができ、および/またはスライドトレイを移動させて追加のスライドを分配位置に動かすことができる。いくつかの実施形態において、2以上の固定されたまたは移動する試薬ディスペンサーをワークステーション内に含ませることができるか、または分配ノズルの1以上のマニホルドを2列のスライドの上方に、例えばトレイの中央の長軸に沿って配置することができる。いくつかの実施形態において、ディスペンサーのノズルは試薬をスライドの表面に向かって下方および/または上方へ向かわせることができる。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、1以上のプロセッサーに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に分配させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含む。いくつかの実施形態において、システムは、エオシン染色の前に酸溶液を分配させない命令を含む。いくつかの実施形態において、システムはさらに、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配させる命令を含む。いくつかの実施形態において、システムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイを含み、スライドトレイを受容するワークステーションをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、システムはコントローラーを含む。いくつかの実施形態において、コントローラーはプロセッサーおよびメモリーを含み;溶液を分配および/または除去させる命令をさらに含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に分配させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含む。いくつかの実施形態において、システムは、エオシン染色の前に酸溶液を分配させる命令を含む。いくつかの実施形態において、システムは、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配させる命令をさらに含む。いくつかの実施形態において、システムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイを含み、スライドトレイを受容するワークステーションをさらに含み得る。いくつかの実施形態において、システムはコントローラーを含む。いくつかの実施形態において、コントローラーはプロセッサーおよびメモリーを含み;溶液を分配および/または除去させる命令をさらに含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、1以上のプロセッサーに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に分配させ検体から除去させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含んでおり、ここで順次分配され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の少なくとも3つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の4つすべてが移送溶液である。いくつかの実施形態において、検体はヘマトキシリン染色を含む。いくつかの実施形態において、システムは複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。いくつかの実施形態において、システムはコントローラーを含む。いくつかの実施形態において、コントローラーはプロセッサーおよびメモリーを含み;溶液を分配および/または除去させる命令をさらに含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に分配させ検体から除去させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含み、ここで順次分配され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の少なくとも3つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の4つすべてが移送溶液である。いくつかの実施形態において、検体はヘマトキシリン染色を含む。いくつかの実施形態において、システムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。いくつかの実施形態において、システムはコントローラーを含む。いくつかの実施形態において、コントローラーはプロセッサーおよびメモリーを含み、溶液を分配および/または除去させる命令をさらに含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、1以上のプロセッサーに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に導入させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に導入させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に導入させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に導入させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に導入させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含む。いくつかの実施形態において、システムは、エオシン染色の前に酸溶液を導入しない命令を含む。いくつかの実施形態において、システムは、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に導入する命令をさらに含む。いくつかの実施形態において、システムは複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に導入させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に導入させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に導入させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に導入させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に導入させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含む。いくつかの実施形態において、システムは、エオシン染色の前に酸溶液を導入しない命令を含む。いくつかの実施形態において、システムは、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に導入する命令をさらに含む。いくつかの実施形態において、システムは複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、1以上のプロセッサーに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に導入させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に導入させ検体から除去させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含み、ここで順次導入され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の少なくとも3つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の4つすべてが移送溶液である。いくつかの実施形態において、検体はヘマトキシリン染色を含む。いくつかの実施形態において、システムは複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。
本開示の別の局面において、システムは、1以上のプロセッサー;および、1以上のプロセッサーにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に導入させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に導入させ検体から除去させる命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリーを含み、ここで順次導入され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の少なくとも3つは移送溶液である。いくつかの実施形態において、4つの追加の溶液の4つすべてが移送溶液である。いくつかの実施形態において、検体はヘマトキシリン染色を含む。いくつかの実施形態において、システムは複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイおよびスライドトレイを受容するワークステーションを含む。
本開示の別の局面において、計算システムの処理リソースにより、計算システムに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に分配させるように実行可能な命令によりエンコードされた非一過性コンピューター可読記憶媒体である。
本開示の別の局面において、計算システムの処理リソースにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(i)所定量の酸溶液を検体に分配させる命令によりエンコードされた非一過性コンピューター可読記憶媒体である。
本開示の別の局面において、計算システムの処理リソースにより、計算システムに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に分配させ検体から除去させるように実行可能な命令によりエンコードされた非一過性コンピューター可読記憶媒体であり、ここで順次分配され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。
本開示の別の局面において、計算システムの処理リソースにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに、(a)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;(c)4つの追加の溶液を順次検体に分配させ検体から除去させる命令によりエンコードされた非一過性コンピューター可読記憶媒体であり、ここで順次分配され除去される4つの追加の溶液は洗浄溶液および移送溶液からなる群から選択され、4つの追加の溶液の少なくとも2つは移送溶液である。
本開示の別の局面において、検体を染色する方法は、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体と接触させること;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体と接触させること;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体と接触させること;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体と接触させること;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(i)所定量の酸溶液を検体と接触させることを含む。いくつかの実施形態において、酸溶液はエオシン染色の前に分配しない。いくつかの実施形態において、方法は、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配することをさらに含む。いくつかの実施形態において、検体は自動検体処理装置を用いて染色される。いくつかの実施形態において、検体は手動で染色される。
本開示の別の局面において、検体を染色する方法は、(a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に導入すること;(b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量のアルカリ性溶液を検体に導入すること;(d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に導入すること;(f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(g)所定量のエオシン染色溶液を検体に導入すること;(h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および(i)所定量の酸溶液を検体に導入することを含む。いくつかの実施形態において、酸溶液はエオシン染色前に分配しない。いくつかの実施形態において、方法は、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配することをさらに含む。いくつかの実施形態において、検体は自動検体処理装置を用いて染色される。いくつかの実施形態において、検体はディップアンドダンク(dip-and-dunk)技術を用いて染色される。いくつかの実施形態において、検体は手動で染色される。
本開示の別の局面において、検体を染色する方法は、(a)所定量の対比染色溶液を検体に適用すること;(b)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量の酸溶液を検体に適用すること;(d)酸溶液を少なくとも部分的に除去すること;および(e)追加の溶液を検体に適用することからなり、ここで酸溶液は一次染色溶液の検体への適用と対比染色溶液の検体への適用との間に適用されない。いくつかの実施形態において、適用する工程は各々手動で行われる。
本開示の別の局面において、検体を染色する方法は、(a)所定量の一次染色溶液を検体に適用すること;(b)染色溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(c)所定量の対比染色溶液を検体に適用すること;(d)対比染色溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(e)所定量の酸溶液を検体に適用すること;(f)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;(g)追加の溶液を検体に適用することからなり、ここで酸溶液は一次染色溶液の検体への適用と対比染色溶液の検体への適用との間に適用されない。いくつかの実施形態において、適用する工程は各々手動で行われる。
本開示の別の局面において、生物学的組織試料を担持する複数のスライドを処理する方法は、1以上のワークステーション内の複数のスライド上でスライド処理操作のセットを行い、一方、複数のスライドをスライドトレイ内で空間的に同一平面内の実質的に水平の位置に保持すること、ここでスライド処理操作のセットは、1以上の染色剤を少なくとも1つの試薬容器から、流体モジュールを介して、スライドトレイの上方に位置する少なくとも1つの分配ノズルから外へ流し、溶媒交換することにより、空間的に同一平面内の実質的に水平の位置にあるスライド上で試料を染色することを含む;少なくとも染色および溶媒交換を含むスライド処理操作のセットを行った後、複数のスライドを保持するスライドトレイを自動カバースリッパー(coverslipper)ワークステーションに輸送すること;自動カバースリッパーワークステーションを用いて、スライド上のカバースリップが互いに離隔するように、複数のスライドをスライドトレイ内で空間的に同一平面内の実質的に水平の位置に保持したまま、スライドトレイ内に保持された複数のスライドを別々のそれぞれのカバースリップで被覆すること;カバースリップで覆われたスライドを保持するスライドトレイを自動カバースリッパーワークステーションから取り出すことを含み;ここでスライド処理操作は、所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配すること;ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および、所定量の酸溶液を検体に分配することを含む。いくつかの実施形態において、方法は自動化された方法である。いくつかの実施形態において、酸溶液はエオシン染色前に分配されない。いくつかの実施形態において、方法は、ヘマトキシリン染色後であるがエオシン染色前に酸溶液を検体に分配することをさらに含む。
本開示の別の局面において、生物学的検体を自動的に処理する装置は、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持する少なくとも1つのスライドトレイであって、前記生物学的検体は前記スライド上に位置している、少なくとも1つのスライドトレイ;前記スライドトレイを受容し、前記スライドトレイ内に保持された前記複数のスライドに1以上のスライド処理操作を行う1以上のワークステーション;前記スライドトレイを前記1以上のワークステーション内に移動させるおよびそこから外に移動させるトランスポーター;前記1以上のワークステーションと流体連通していて前記1以上のワークステーションに試薬を供給する流体モジュール;前記1以上のワークステーションおよび前記流体モジュールと流体連通している空気圧モジュール、ここで前記空気圧モジュールは前記1以上のワークステーションおよび前記流体モジュールに真空および/または加圧ガスを供給し;ならびに、前記トランスポーター、前記1以上のワークステーション、前記流体モジュールおよび前記空気圧モジュールと電気的に連通している制御モジュールであって、前記制御モジュールは前記生物学的検体の処理中装置の構成要素の機能を調整する、制御モジュール;を含んでおり、ここでシステムは酸溶液が染色剤の適用と対比染色剤の適用との間に分配されないように構成されている。いくつかの実施形態において、システムは、所定量の一次染色溶液を検体に分配し;一次染色溶液を検体から少なくとも部分的に除去し;所定量のアルカリ性溶液を検体に分配し;アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去し;所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配し;少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去し;所定量の対比染色溶液を検体に分配し;対比染色溶液を検体から少なくとも部分的に除去し;所定量の酸溶液を検体に分配するのに適合している。いくつかの実施形態において、一次染色溶液はヘマトキシリンを含む。いくつかの実施形態において、対比染色溶液はエオシンを含む。いくつかの実施形態において、一次染色溶液はヘマトキシリンを含み、対比染色溶液はエオシンを含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている技術はエオシン以外の染色剤にも適用し得る。酸性染料で染色した後、組織の酸性の後処理は組織の荷電状態を改良し、酸性染料を保持するその傾向を高めることによって染色剤の付着を改良すると考えられる。したがって、組織の酸性の後処理はあらゆる酸染料染色に適用することができよう。染色プロセスの進行性および退行性部分を制御するためのより不活性な分化剤(例えば、移送溶液)の使用は、退行性および進行性の両方であることができるいかなる染色剤にも使用し得る。
本開示の特徴の全般的な理解のために図面を参照する。図面を通じて同じ要素を識別するために類似の参照番号が使用されている。
図1は、一次染色剤および対比染色剤で組織試料を染色する一般的方法の概略を示す。 図2は、標準的な染色プロトコールを用いた(上)、エオシン染色後の洗浄工程を除いた染色プロトコールを用いた(中)、そしてエオシン染色前に酸溶液を適用しなかったが、代わりにエオシン染色後に酸洗浄を適用した染色プロトコールを用いた(下)エオシン染色を比較して示す二組の3つの画像を示す。図2Aは、***組織に適用されたこれらのプロトコールを示す。 図2は、標準的な染色プロトコールを用いた(上)、エオシン染色後の洗浄工程を除いた染色プロトコールを用いた(中)、そしてエオシン染色前に酸溶液を適用しなかったが、代わりにエオシン染色後に酸洗浄を適用した染色プロトコールを用いた(下)エオシン染色を比較して示す二組の3つの画像を示す。図2Bは、皮膚に適用されたこれらのプロトコールを示す。 図3は、標準的なH&E染色プロトコールにおける分配工程(上);洗浄溶液の分配がスリーフォーツー基準(three-for-two basis)で移送溶液と置き換えられる改変プロトコールにおける分配工程(中、「緩和#1」);および酸溶液の分配がヘマトキシリン染色溶液分配の直後からエオシン染色溶液分配の直後に移動される改変プロトコールにおける分配工程(下、「緩和#2」)を比較して示す。ここで、Hはヘマトキシリン染色溶液の分配を表し;Aは酸溶液の分配を表し;Bはアルカリ性溶液の分配を表し;Eはエオシン染色溶液の分配を表し;Wは洗浄溶液の分配を表し;Tは移送溶液の分配を表し;Oは有機流体溶液を表す。 図4Aは、***組織のコントロールおよび試験画像を示し、ここでコントロールスライドは標準的な染色プロトコールを用いて染色し、試験画像は洗浄溶液分配工程を移送溶液分配工程に置き換えたプロトコール(「緩和#1」)を用いて染色した。 図4Bは、皮膚組織のコントロールおよび試験画像を示し、ここでコントロールスライドは標準的な染色プロトコールを用いて染色し、試験画像は洗浄溶液分配工程を移送溶液分配工程に置き換えたプロトコール(「緩和#1」)を用いて染色した。 図4Cは、結腸組織のコントロールおよび試験画像を示し、ここでコントロールスライドは標準的な染色プロトコールを用いて染色し、試験画像は洗浄溶液分配工程を移送溶液分配工程に置き換えたプロトコール(「緩和#1」)を用いて染色した。 図5Aは、病理学者により検査された各組織型に対する診断明瞭スコアを示す。 図5Bは、病理学者により検査された各組織型に対する診断明瞭スコアを示す。 図6は、2つの異なる染色プロトコールで染色された皮膚試料を示す。画像の右側にある画像は、洗浄溶液分配工程を移送溶液分配工程に置き換えたプロトコール(「緩和#1」)を試料が用いている緩和技術で染色した。緩和技術で染色されたH1A0E5はコントロールと比較したとき2のスコアを受けた。緩和技術で染色されたH5A3E1はコントロールと比較したとき0のスコアを受けた。緩和なしのH1A0E5画像でヘマトキシリン沈殿が観察されるが、本研究とは関係がないように見えた。 図7Aは、(1)1回目の酸溶液をヘマトキシリン染色とエオシン染色との間に分配し、同一の酸溶液をエオシン染色の直後に2回目を分配した(左欄の画像);および(2)酸溶液をヘマトキシリン染色とエオシン染色との間に分配しなかったが、酸溶液をエオシン染色の直後に分配した(エオシン染色後の直後の洗浄工程はなし)(右欄の画像)という2つの染色プロトコールの代表的な例を提供する。この図は、エオシン染色前後の酸洗浄(HABEAWWWTTL分配工程)およびすべてのエオシン後洗浄工程と酸溶液の置き換え(HABEAAATTL分配工程)の特徴付けである。ここで、H=ヘマトキシリン染色;A=酸溶液の適用;B=アルカリ性溶液の適用;E=エオシン染色剤の適用;T=移送溶液の適用;W=洗浄溶液の適用、およびL=別の流体の適用である。 図7Bは、図7Aに示した染色プロトコール例の各々に対する吸光度値を提供する棒グラフを示す。 図8Aは、本明細書でさらに記載されるヘマトキシリン溶液、酸溶液、およびエオシン溶液設定でプールされたムチン強度を示す。 図8Bは、様々な試験技術でヘマトキシリン溶液、酸溶液、およびエオシン溶液設定によるムチン強度を示す。 図9Aは、等価な基準染色剤と(同一の「HAE設定」を用いて)比較したときの各々の緩和のスコアを示す。より高いスコアがより良好であり、スコア付けカテゴリーは、診断明瞭さ、すなわち、診断のためにスライドの読み取りがどの程度容易か、スライドの優先度、すなわち、病理学者としてこの染色剤を診断用として好むか、およびエオシン一貫性、すなわち、対比染色剤が組織にわたって適当にかつ一様に染色するか、である。 図9Bは、9Aからのエオシン一貫性スコアを緩和および組織により分析し、すべての両方の緩和に対してすべての組織にわたって改良を示す。 図9Cは、診断明瞭スコアを緩和およびプロトコールにより分析し、プロトコールにわたって改良を示す。 図10Aは、緩和再現性または染色毎の類似性の比較である。すべてのスコアは同一のプロセスおよびプロトコールで染色された近隣でカットされた同一組織の2つのスライドの比較である。スコアは、対が同一に見える0から対が完全に異なって見える4までの範囲である。ここで、4T緩和では、基準染色剤(NSNまたはOSN)と比較して再現性が強く上昇することが分かる。 図10Bは、10Aで見たのと同じデータを可視化する異なる方法であり、各々の染色プロセスに対するデータの分布のヒストグラムを示す。
詳細な説明
明らかに反対に示されない限り、本明細書で特許請求されている1つより多くの工程または行為を含むあらゆる方法において、方法の工程または行為の順序はその方法の工程または行為が列挙されている順序に必ずしも限られないことも理解される。
本明細書で使用されるとき、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は状況が明らかに他を示さない限り複数の指示対象を含む。同様に、単語「または・もしくは」は状況が明らかに他を示さない限り「および・ならびに」を含むことが意図されている。用語「含む」は「AまたはBを含む」がA、B、またはAおよびBを含むことを意味するように包括的に定義される。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、「または・もしくは」は上で定義されている「および/または」と同一の意味を有するものと理解されたい。例えば、リスト中の項目を隔てるとき、「または・もしくは」または「および/または」は包括的であると、すなわち、要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが、1つより多くも含み、場合によってはリストにない追加の項目を含んでいてもよいと解釈される。明らかに反対に示されている用語のみ、例えば「1つのみ」もしくは「正確に1つ」、または、特許請求の範囲で使用されるとき「からなる」が、要素の数またはリストの正確に1つの要素を含むことを意味する。一般に、用語「または・もしくは」は、本明細書で使用されるとき、「いずれか一方」、「のうちの1つ」、「1つのみ」または「正確に1つ」のような排他性の用語に先行されているときのみ、排他的な選択肢を示す(すなわち「どちらか一方だが両方ではない」)と解釈するべきである。特許請求の範囲で使用されるとき「から本質的になる」は、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有する。
用語「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「有する(having)」などは互いに交換可能に使用されており、同じ意味を有する。同様に、「含む(comprises)」、「包含する(includes)」、「有する(has)」などは互いに交換可能に使用されており、同じ意味を有する。具体的に、各々の用語は一般的な米国特許法の「comprising」の定義と一致して定義されており、したがって「少なくとも以下」を意味するオープン用語であると解釈され、また追加の特徴、限定、局面等を排除しないと解釈される。したがって、例えば、「構成要素a、b、およびcを有するデバイス」は、デバイスが少なくとも構成要素a、bおよびcを含むことを意味する。同様に、語句「工程a、b、およびcを含む方法」は、その方法が少なくとも工程a、b、およびcを含むことを意味する。さらに、工程および方法は本明細書中で特定の順序で概要を示されているが、当業者には認識されるように、工程および方法の順序は変化し得る。
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、1以上の要素のリストに関して語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト内の要素の任意の1以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内に具体的にリストされている各々およびすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含まなくてもよく、要素のリスト内の要素の任意の組合せを排除しないと理解されたい。この定義はまた、場合により、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内に具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されている要素と関係があろうが、なかろうが存在してもよいことも許容する。したがって、非限定例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等であるが「AまたはBの少なくとも1つ」、または、同等であるが「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの実施形態において、少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのAであって、Bは存在しない(また、場合によってはB以外の要素を含んでもよい);別の実施形態において、少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのBであって、Aは存在しない(また、場合によってはA以外の要素を含んでもよい);さらに別の実施形態において、少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのA、および少なくとも1つの、場合によっては1つより多くのB(また、場合によってはその他の要素を含んでもよい)等を指すことができる。
本明細書で使用されるとき、用語「生物学的試料」、「生物学的検体」、「組織試料」などは、ウイルスを含めてあらゆる有機体から得られる生体分子(例えば、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、またはこれらの組合せ)を含むあらゆる試料を指す。有機体のその他の例として、哺乳類(例えば、ヒト;ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、およびブタのような獣医学動物;ならびにマウス、ラットおよび霊長類のような実験動物)、昆虫、環形動物、クモ形類、有袋類、爬虫類、両生類、細菌、および真菌が挙げられる。生物学的試料は、組織試料(例えば、組織切片および組織の針生検)、細胞試料(例えば、細胞学的スメア塗抹標本、例えばPapスメアまたは血液塗抹標本または顕微解剖により得られる細胞の試料)、または細胞分画、断片もしくは細胞小器官(例えば、細胞を溶解させ、その成分を遠心分離などで分離することによって得られる)が挙げられる。生物学的試料のその他の例として、血液、血清、尿、***、糞便物質、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、外科生検または針生検で得られる)、乳頭吸引液、耳垢、乳、膣液、唾液、スワブ(例えば頬のスワブ)、または最初の生物学的試料に由来する生体分子を含有するあらゆる材料が挙げられる。ある種の実施形態において、用語「生物学的試料」は、本明細書で使用されるとき、対象から得られた腫瘍またはその一部分から調製された試料(例えば、ホモジナイズまたは液化した試料)を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「流体」は、水、溶媒、溶液(例えば緩衝液)等を含めてあらゆる液体を指す。用語「流体」はまた、あらゆる混合物、コロイド、懸濁液等も指す。また、用語「流体」は、顕微鏡スライドおよび/または検体に適用され得る試薬、染色剤、およびその他の検体処理剤(例えば接着剤、固定剤等)も含む。流体は水性でも非水性でもよい。さらなる例には、抗体の溶液または懸濁液、核酸プローブの溶液または懸濁液、および染料または染色剤分子の溶液または懸濁液(例えば、H&E染色溶液、Pap染色溶液等)が挙げられる。流体のなおさらなる例には、パラフィン包埋した生物学的検体を脱パラフィンするための溶媒および/または溶液、水性洗浄剤溶液、ならびに炭化水素(例えば、アルカン、イソアルカンおよび芳香族化合物、例えばキシレン)が挙げられる。流体のなおさらなる例として、生物学的検体を脱水または再水和するのに使用される溶媒(およびその混合物)が挙げられる。
用語「HAE設定」は、本明細書で使用されるとき、HAE染色プロトコールを作り出すときに利用可能な染色パラメーター設定を指す。Hはヘマトキシリンインキュベーション時間であり、Aは酸洗浄インキュベーション時間であり、Eはエオシンインキュベーション時間であり、設定はインキュベーションの正確な時間ではないが、公知の方法における実際の染色時間に対応する。
本明細書で使用されるとき、用語「スライド」は、分析のために生物学的検体を載せる任意の適切な寸法のあらゆる基材(例えば、全体または一部がガラス、石英、プラスチック、シリコン等で作成された基材)を指し、より特定的には標準的な3インチ×1インチの顕微鏡スライドまたは標準的な75mm×25mmの顕微鏡スライドのような「顕微鏡スライド」を指す。スライドの上に載せることができる生物学的検体の例には、限定することなく、細胞学的スメア塗抹標本、薄い組織切片(例えば、生検由来)、および生物学的検体のアレイ、例えば組織アレイ、細胞アレイ、DNAアレイ、RNAアレイ、タンパク質アレイ、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。したがって、1つの実施形態において、組織切片、DNA試料、RNA試料、および/またはタンパク質がスライドの特定の位置に載せられる。いくつかの実施形態において、用語スライドはSELDIおよびMALDIチップ、ならびにシリコンウエハを指し得る。
本明細書で使用されるとき、本明細書中で一般的に使用されている用語「染色」、「染色する」などは、生物学的検体中の特定の分子(例えば脂質、タンパク質または核酸)または特定の構造体(例えば正常もしくは悪性細胞、細胞質ゾル、核、Golgi装置、または細胞骨格)の存在、位置、および/または量(例えば濃度)を検出および/または識別する生物学的検体のあらゆる処理を指す。例えば、染色は生物学的検体の特定の分子または特定の細胞構造体と取り囲む部分とのコントラストを提供することができ、染色の強度は検体内の特定の分子の量の尺度を提供することができる。染色は、明視野顕微鏡だけでなく、他の観察ツール、例えば位相差顕微鏡、電子顕微鏡、および蛍光顕微鏡で分子、細胞構造体および有機体を観察するのにも役立つことができる。システム2により行われるある染色は細胞の外形を可視化するのに使用することができる。システム2により行われる他の染色は、他の細胞構成要素を全くまたは比較的少ししか染色しないで染色されるある種の細胞成分(例えば分子または構造体)に依拠し得る。システム2により行われる染色方法の種類の例として、限定することなく、組織化学的方法、免疫組織化学的方法、および分子間の反応(非共有結合相互作用を含む)、例えば核酸分子間のハイブリダイゼーション反応に基づくその他の方法がある。特定の染色方法としては、限定されることはないが、一次染色方法(例えば、H&E染色、Pap染色等)、酵素結合免疫組織化学的方法、ならびにインサイチュRNAおよびDNAハイブリダイゼーション法、例えば蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)がある。
用語「実質的に水平」とは、一般に、水平から約+/-2度以内、例えば、水平から約+/-1度以内、例えば水平から約+/-0.8度以内の角度を指す。実質的に水平とは、また、水平から小さい角度の範囲、例えば、水平から約0.1度~1.8度の角度、例えば約0.2度~約1.2度の角度、例えば約0.3度~約0.8度の角度も指す。実質的に水平に保持されたスライドは、スライドの大きい表面が概して上下に向くような配向を有する。特定の実施形態において、実質的に水平に保持された顕微鏡スライドのような長方形のスライドはその短軸に沿って水平に対して約0.0度~約2.0度の角度、およびその長軸に沿って水平に対して約0.0度~2.0度の角度を有し、ここでもスライドの大きい表面は概して上下に向く。通例、スライドの一端にバーコードが貼付されていれば、実質的に水平の位置に保持されたスライドはその長軸に沿ってバーコードから下方へ向かう傾斜を有する。
用語「ワークステーション」は、開示されているシステム内の、少なくとも1つのスライド処理操作が行われる位置または場所、より特定的にはスライドトレイ内に保持された複数のスライド(例えば、スライドトレイ内で実質的に水平の位置に保持された複数のスライド)に対して1以上のスライド処理操作がその内部で行われるモジュラーユニットを指す。ワークステーションはスライドトレイを実質的に単一の位置に受容することができ、その結果ワークステーションの可動要素がスライドトレイ内に個々のスライドを位置決めし、トレイ内の1以上のスライドに対してスライド処理操作を正確に実行する(例えば、流体、溶液、試薬等を特定のスライドまたはその部分に送達する)ことができる。ワークステーションにより実行することができるスライド処理操作の例には、加熱、乾燥、脱パラフィン、染色前準備、濯ぎ、溶媒交換、染色およびカバースリップ被覆、ならびにこれらの組合せが挙げられる。いくつかの実施形態において、ワークステーションは、脱パラフィン、染色および/または溶媒交換のような1以上のスライド処理操作中にスライドを1つのワークステーションから別のワークステーションへ移動させることなく2以上の流体、溶液、試薬等をスライドに分配する。したがって、1つの実施形態において、ワークステーションは、スライドトレイ内に保持されたスライドに流体、溶液、試薬等が送達される際に通るノズルまたはノズルのマニホルドのような送達手段を含んでおり、送達手段はワークステーション内で可動であるか、または適所に固定されることができる。このように、いくつかの実施形態において、ワークステーションは、スライドトレイに一緒に保持されたスライド群に流体(例えば、2以上の流体)を送達する能動機械デバイスを含む。したがって、1つの非限定的な局面において、ワークステーションはスライドが浸漬される試薬浴ではない。他の実施形態において、ワークステーションは加熱要素を含むことができ、さらに熱指向性要素を含むことができる。熱指向性要素はスライドトレイ内に保持されたスライド間により均一に熱を広げるのを助けることができる。ワークステーションはまた、1以上の輻射式ヒーターも含むことができる。ワークステーションはまた、スライドトレイの一端を持ち上げてトレイからの液体の除去を補助するトレイ傾斜器(例えば、チルトパン)も含むことができる。あるいは、ワークステーションはスライドトレイ内の1以上の個々のスライドを水平位置から傾ける機構を含むことができる。ワークステーションは、他のワークステーション要素を動かすか、または制御する様々な構成要素、例えばステッピングモーター、スクリュードライバーおよびマイクロプロセッサーをさらに含むことができる。ワークステーションに含ませることができるその他の構成要素にはホース、ベルト、トラック、流体接続、計量ポンプ、絞り弁、電気接続、センサーなどが挙げられる。別の実施形態において、ワークステーションは、開示されているシステム内で2以上の位置の間で相互に交換され、共通電子バックプレーンおよび共通流体マニホルドを介してそのシステムに電気的かつ流体的に接続されることができるモジュラーユニットである。さらに別の実施形態において、ワークステーションは、カバースリップをスライド上の適所に保持するための接着剤を硬化させるUV光源のような光源を含むことができる。
概観
本開示は、生物学的試料を一次染色剤(例えば、ヘマトキシリン)および対比染色剤(例えば、エオシン)で染色する方法、特に、対比染色剤を用いて染色を増強する方法に関する。いくつかの実施形態において、方法は自動検体処理装置を利用する。出願人は、予想外のことに、ある種の流体を基材に導入または分配する配列、すなわち順序、タイミング等を変更することにより、標準的な染色プロトコールと比較して染色強度および一貫性を増強することができるということを発見した。
いくつかの実施形態において、溶液は手動で適用されるか、またはディップアンドダンク技術を用いて試料に導入されるか、もしくは適用される。いくつかの実施形態において、試料は流体と接触し、その流体がその後除去されてから別の流体を導入する。
他の実施形態において、溶液は、例えば自動染色装置により試料に導入される(例えば分配される)。当業者には分かるように、いずれかの流体の分配とはその流体の試料または基材(例えば、スライド)への適用を指す。当業者には理解されるように、流体が分配された後、流体は少なくとも部分的に除去されて、その後分配される流体が基材上に配置された検体と接触することができなければならない。したがって、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、流体の逐次的、連続的、または反復の適用に言及し得る。他に規定されない限り、分配された第1の流体が少なくとも部分的に除去された後第2の流体が分配されると推測するべきである。
いくつかの実施形態において、本開示の染色システムは基材(例えばスライド)に固定された検体の処理、染色およびカバースリップ被覆の工程のすべてまたはいくつかを実行することができる。いくつかの実施形態において、生物学的検体を担持するスライドはスライドトレイに入れられ、試料スライドを担持するスライドトレイはシステム中にロードされ、そこでスライドはある配列の工程を通って導かれ、すなわちスライドはベーキングされ、脱ろうされ、染色され、最後にカバースリップで被覆される。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている方法は、病理学的分析のための組織試料を顕微鏡スライド(またはその他の基材)上で自動的に調製する方法に関し、この方法は、機器に対して、組織がスライドに付着するのに充分な熱を組織に加えさせることによって組織試料をスライド上でベーキングすること;パラフィンの融点より高い温度で組織試料を脱パラフィン流体と接触させ、続いて液化したパラフィンを濯ぎ流すことによって組織試料を脱パラフィンすること;組織試料を染色試薬と接触させることによって組織試料を染色すること;および、スライド上の染色された組織試料を接着剤塗布前のカバースリップおよび接着剤活性化用流体と接触させることによってスライドをカバースリップで被覆することを含む。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されている方法は上述の工程のいくつかのみを利用する。
いくつかの実施形態において、一次染色剤(例えば、ヘマトキシリン)および対比染色剤(例えば、エオシン)による検体の染色は検体処理システムの使用によって達成される。いくつかの実施形態において、検体処理装置は自動化された装置、例えばVentana Medical Systems, Inc.により販売されているBENCHMARK XT機器、BenchMark Special Stains機器、NexES Special Stainer機器、SYMPHONY機器、またはBENCHMARK ULTRA機器である。Ventana Medical Systems, Inc.は自動分析法を実行するシステムおよび方法を開示している多くの米国特許、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,650,327号、同第5,654,200号、同第6,296,809号、同第6,352,861号、同第6,827,901号および同第6,943,029号、ならびに米国特許出願公開第2003/0211630号および同第2004/0052685号の譲受人である。
ヘマトキシリンおよびエオシン染色組成物が適用され得る他の市販されている検体処理システムの例には、VENTANA SYMPHONY(個別スライドステイナー)およびVENTANA HE 600(個別スライドステイナー)シリーズ;Agilent TechnologiesのDako CoverStainer(バッチステイナー);Leica Biosystems Nussloch GmbHのLeica ST4020 Small Linear Stainer(バッチステイナー)、Leica ST5020 Multistainer(バッチステイナー)、およびLeica ST5010 Autostainer XLシリーズ(バッチステイナー)H&Eステイナーが挙げられる。
いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は、複数の基材、例えば顕微鏡スライドを保持するカルーセルを含み得、ここで各々の基材は染色される生物学的試料を含んでいる。いくつかの実施形態において、自動染色装置はまた、カルーセルを所定のスピードで回転させるデバイスならびにカルーセルの回転中、試薬、例えばヘマトキシリンおよびエオシン染色組成物の基材および試料への適用を指令し制御する機構も含んでいることができる。いくつかの実施形態において、スライドが一旦機器内にロードされたら、試験プロトコールがどの流体を特定の時間に基材に分配するか指示する。いくつかの実施形態において、適当な時点で、ディスペンサーラックが回転して補正した流体を基材の上に整列させ、機器が所定量の流体を基材上に分配する。いくつかの実施形態において、機器は、流体が所定量の時間、生物学的試料と接触したままであることを可能にする。
いくつかの実施形態において、システムは、複数のスライドを実質的に水平の位置に保持するスライドトレイ(例えば、スライドが水平から約0.2度~約1.2度の角度に保持された2列)およびスライドトレイを受容し、スライドトレイ内のスライドに対して1以上のスライド処理操作を実行する1以上のワークステーション(例えば、垂直に重ねて配列される)を含む自動スライド処理システムである。いくつかの実施形態において、ワークステーションは、スライドトレイ内の1以上の個々のスライド、例えばスライドトレイ内の少なくとも2つまたは4つのスライドに対してスライド処理操作を実行することができ、またはスライドトレイ内のスライドのすべてに対して同時にスライド処理操作を実行することができる。いくつかの実施形態において、1以上のワークステーションは、第1のスライドと接触する試薬の実質的な量を第2のスライドと接触させることなくスライドトレイ内のスライドに試薬を分配することにより、スライド間の交差汚染を最少にする。かかるワークステーションは試薬をスライドに分配する1以上の方向性ノズルを含むことができ、例えば、1以上の方向性ノズルはスライドの表面を横切って反対方向に試薬を分配する一対の方向性ノズルを含むことができる。より特定的な実施形態において、1以上の方向性ノズルは、スライドの底面に向けて試薬を分配する方向性ノズルをさらに含むことができる。他の特定の実施形態において、1以上のワークステーションは所与のワークステーション内でスライドトレイ内に保持された少なくとも2つのスライドに試薬(例えば、同一の試薬)を同時に分配することができ、または1以上のワークステーションは所与のワークステーション内でスライドトレイ内に保持されたスライドのすべてに試薬(例えば、同一の試薬)を同時に分配することができる。追加のシステム構成要素およびトレイ形態(ならびに制御システム)は、ここで参照したことによりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,663,991号、同第7,468,161号、および同第9,528,918号に記載されている。
いくつかの実施形態において、検体処理装置は、所定量の各々の流体(例えば、ヘマトキシリンおよびエオシン染色溶液)を検体に分配するように構成されている。いくつかの実施形態において、検体処理装置は少なくとも約200マイクロリットルの流体を生物学的試料に分配するように構成されている。他の実施形態において、少なくとも約350マイクロリットルの流体が生物学的試料に分配される。さらに他の実施形態において、少なくとも約1000マイクロリットルの流体が生物学的試料に分配される。さらなる実施形態において、約200マイクロリットル~約2000マイクロリットルの流体が生物学的試料に分配される。さらにさらなる実施形態において、約200マイクロリットル~約1500マイクロリットルの流体が生物学的試料に分配される。いくつかの実施形態において、約400マイクロリットルの流体が分配される。いくつかの実施形態において、約800マイクロリットルの流体が分配される。いくつかの実施形態において、約1400マイクロリットルの流体が分配される。当業者には分かるように、異なる流体を異なる量で分配してもよく、例えば一次染色剤が約1400マイクロリットルの量で分配され、洗浄溶液が約400マイクロリットルの量で分配されてもよい。また当業者には認識されるように、同じ流体の任意の2つの分配(すなわち分配工程)間で、いずれか特定の分配における量は同じでも異なっていてもよい。例えば、洗浄溶液の第1の分配が200マイクロリットルの体積を有してもよく、洗浄溶液の第2の分配が400マイクロリットルの体積を有してもよい。
いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は、検体を担持するスライドに一連の流体を連続してまたは繰り返して適用するために使用される。例えば、自動検体処理システムはヘマトキシリンおよびエオシン染色剤を検体に分配するように適合させ得る。いくつかの実施形態において、検体処理装置は、ヘマトキシリンおよびエオシン染色組成物を生物学的試料に分配する前と後の両方で他の流体を適用するように構成されている。例えば、自動検体処理装置は、水、ジオール、および界面活性剤を含む水性洗浄溶液を分配するように装備されてもよい。自動検体処理装置はまた、酸溶液(例えば、水、ジオール、および弱酸を含む)またはアルカリ性溶液(例えば、水、ジオール、および弱塩基を含む)を分配するように装備されてもよい。また、自動検体処理装置はさらに、有機の溶液(例えば、脂肪族炭化水素の混合物)または移送溶液(例えば、エーテルを含む)を分配するように装備されてもよい。
いくつかの実施形態において、移送溶液には、1種以上のグリコールエーテル、例えば1種以上のプロピレンをベースとするグリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールエーテル、ジ(プロピレングリコール)エーテル、およびトリ(プロピレングリコール)エーテル、エチレンをベースとするグリコールエーテル(例えば、エチレングリコールエーテル、ジ(エチレングリコール)エーテル、およびトリ(エチレングリコール)エーテル)、ならびにこれらの機能性アナログが挙げられる。いくつかの実施形態において、移送溶液は少なくとも実質的にジ(プロピレングリコール)メチルエーテルおよびジ(プロピレングリコール)プロピルエーテルの混合物だけを含む。他の実施形態において、移送溶液は少なくとも実質的にジ(プロピレングリコール)プロピルエーテルだけを含む。適切なグリコールエーテルには、例えば、Dow Chemical Company(Midland, Michigan)から入手可能なDOWANOL製品が挙げられる。
いくつかの実施形態において、洗浄溶液は、スライドの検体を担持する表面全体に洗浄液を拡散するのを容易にするために界面活性剤を含む。界面活性剤は、洗浄に続く検体処理操作に対してほとんどまたは全く負の影響をもたないように選択することができる。例えば、界面活性剤は望ましくない緩衝作用を低減または防止するように非イオン性であることができる。少なくともいくつかの場合、界面活性剤はエトキシル化アルコールおよび/またはグリコールエーテルを含む。適切なエトキシル化アルコール界面活性剤には、例えば、Air Products and Chemicals, Inc.(Allentown, Pennsylvania)から入手可能なTOMADOL(登録商標)900 およびStepan Company(Northfield, Illinois)から入手可能なMerpol SH が挙げられる。適切なグリコールエーテル界面活性剤には、例えば、Dow Chemical Company(Midland, Michigan)から入手可能なTERGITOL(登録商標)NP-9が挙げられる。
いくつかの実施形態において、酸溶液は脱イオン水、酸(例えば、酢酸)、および溶媒を含む。洗浄溶液と同様に、溶媒はポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはこれらの組合せであることができる。例えば、染色識別液体は10体積%より多くのポリオールを含むことができる。
いくつかの実施形態において、アルカリ性溶液は脱イオン水、塩基、および溶媒を含む。いくつかの実施形態において、溶媒はポリオール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはこれらの組合せであることができる。例えば、アルカリ性溶液は10体積%より多くのポリオール、例えば体積で10%~60%>のポリオールを含み得る。いくつかの実施形態において、塩基はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「TRIS」)である。
追加の洗浄溶液、移送溶液、酸溶液、およびアルカリ性溶液、ならびにそれらの適用方法、およびそれらを適用する機器は、ここで参照したことによりその開示全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0282374号に記載されている。
自動検体処理装置は、同じ流体を所定の回数繰り返して分配する(また除去する)ように装備されてもよい。いくつかの実施形態において、単一の流体を所定の期間、検体と接触したままにするのとは対照的に特定の流体を繰り返して分配し、除去し、再適用するのが有益である。繰り返される分配および除去工程はより長いインキュベーション時間を伴う単一の分配より優れていると考えられる。例えば、繰り返される分配は、流体または溶液濃度の更新を提供し;停滞する流れを防止し、少なくとも部分的な混合を促進する。染料(染色または識別)を添加または除去する流体の場合、流体の更新は組織に対する流体中の染料の適当な濃度を維持する。例えば、染色中、組織に対して流体中の染料の高い濃度を維持すると、染色を加速し増強する。同様に、洗浄液中の染料の低い濃度を維持すると、染料を除去し、より迅速かつ効果的に識別する。停滞する流れに関して、流体のプールを停滞させると、空間的に不均一な対流の形成が可能になり、染色一貫性に影響する可能性があり、混合に関しては、流体を再適用すると流体の新しい浴が組織に近づくのが容易になる一方、停滞するプールは有効に混合するには拡散を待たなければならない。例えば、洗浄溶液は4回連続して繰返し分配し、除去し、再適用し得るが、かかる繰返しプロセスは単一容量の洗浄溶液を同じ持続時間、生物学的試料と接触したままにするのと比較して利益を提供し得る。いくつかの実施形態において、試料の洗浄は、洗浄溶液をスライドに分配し、分配した洗浄液を適切な期間、検体と接触したままにして、(例えば、洗浄液が少なくとも部分的に表面張力により維持される形状を有するパドルの形態であるうちに)検体を完全にまたは少しずつ洗浄し、その後分配された洗浄液を除去することの数回の繰返し(例えば、2、3、またはその他の適切な回数の繰返し)を含む。分配された洗浄液を検体と接触させる時間は、例えば、5秒~30秒の範囲内であることができる。
H&E染色の状況で、自動検体処理装置は、スライド上に配置された検体にヘマトキシリン染色溶液を分配することができる。ヘマトキシリン染色溶液の分配はスライド上で第1のパドルの生成を容易にし、これは所定の期間、検体と接触したまま残される。その後、この第1のパドルは少なくとも部分的に除去されて検体を少なくとも部分的にあらわにする。次に、エオシンによる染色前に1以上の流体が適用され得、エオシン染色前に適用された1以上の流体の各々は所定の時間、検体と接触したままにされた後除去される。いくつかの実施形態において、水性の洗浄溶液、酸性の溶液、またはアルカリ性溶液の少なくとも1つがエオシン染色前に適用される。
図1を参照し、またH&E染色の状況で、自動処理システムは一般に次の工程を実行し得る:(1)ヘマトキシリン染色前に1以上の流体を適用する(工程10);(2)ヘマトキシリン染色溶液を適用する(工程11);(3)ヘマトキシリン染色とエオシン染色前との間に1以上の流体を適用する(工程12);(4)対比染色溶液を適用する(工程13);および(5)エオシン染色後に1以上の流体を適用する(工程14)。いくつかの実施形態において、対比染色溶液はエオシンを含む。いくつかの実施形態において、各々の流体は所定量分配され、所定の時間、検体と接触したままにされる。他の実施形態において、洗浄溶液、および酸溶液、またはアルカリ性溶液の各々は工程(3)で少なくとも1回適用され、これらの流体は任意の順序で適用され得る。さらに他の実施形態において、洗浄溶液、酸溶液、またはアルカリ性溶液の各々は工程(3)で少なくとも1回適用され、これらの流体は任意の順序で適用され得、これらの流体の少なくとも1つは工程(3)で1回より多く適用される。いくつかの実施形態において、酸溶液は工程(3)で適用されない。他の実施形態において、酸溶液は工程(3)中で適用されないが、アルカリ性溶液および洗浄溶液は各々少なくとも1回適用される。いくつかの実施形態において、酸溶液は工程(3)で適用され、別のアリコートの酸溶液が対比染色溶液の分配および少なくとも部分的な除去の直後に分配される。他の実施形態において、洗浄溶液、アルカリ性溶液、および酸溶液の3つすべてが工程(3)中に適用され、酸溶液が工程(5)中に適用される。
いくつかの実施形態において、水性の洗浄溶液、酸性の溶液、およびアルカリ性溶液の3つすべてが連続して、またエオシン染色前に適用される。例えば、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)酸性の溶液を分配する;(ii)洗浄溶液を分配する;(iii)アルカリ性溶液を分配する;(iv)洗浄溶液を分配する;(v)エオシン染色溶液を分配する;および(vi)エオシン染色後1以上の流体を分配する。あるいは、別の一例として、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)洗浄溶液を分配する;(ii)酸性の溶液を分配する;(iii)洗浄溶液を分配する;(iv)アルカリ性溶液を分配する;(v)洗浄溶液を分配する;(vi)エオシン染色溶液を分配する;および(vii)エオシン染色後1以上の流体を分配する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの洗浄溶液はエオシンによる染色に続いて分配される。いくつかの実施形態において、酸溶液はエオシン染色の直後に分配される。
いくつかの実施形態において、水性の洗浄溶液およびアルカリ性溶液のみがエオシン染色前に適用され、すなわち、エオシン染色前に酸溶液は適用されない。例えば、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)アルカリ性溶液を分配する;(ii)「洗浄」溶液を分配する;(iii)エオシン染色溶液を分配する;および(iv)酸溶液を分配する。この特定の実施形態において、検体はエオシン染色前に酸溶液と接触させない。むしろ、検体はエオシン染色の直後に酸溶液と接触させる。本明細書中でさらに述べるように、出願人は、この順序の流体分配工程に従った染色の結果、コントロール試料と比較して改良されたエオシン染色が得られることを発見した(本明細書中実施例の欄参照)。
別の例として、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)洗浄溶液を分配する;(ii)アルカリ性溶液を分配する;(iii)「洗浄」溶液を分配する;(iv)エオシン染色溶液を分配する;および(v)酸溶液を分配する。いくつかの実施形態において、工程(i)はアルカリ性溶液の分配前に2回行われる。先行の例のように、この特定の例において、検体はエオシン染色前に酸溶液と接触させない。ここでも、検体はエオシン染色の直後に酸溶液と接触させる。
代わりの方法において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)酸溶液を分配する;(ii)「洗浄」溶液を分配する;(iii)アルカリ性溶液を分配する;(iv)洗浄溶液を分配す;(v)エオシン染色溶液を分配する;および(vi)酸溶液を分配する。別の代わりの方法において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)洗浄溶液を分配する;(ii)酸溶液を分配する;(iii)「洗浄」溶液を分配する;(iv)アルカリ性溶液を分配する;(v)洗浄溶液を分配する;(vi)エオシン染色溶液を分配する;および(vii)酸溶液を分配する。
さらに別の代わりの方法において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)アルカリ性溶液を分配する;(ii)「洗浄」溶液を分配する;(iii)酸溶液を分配する;(iv)「洗浄」溶液を分配する;(v)エオシン染色溶液を分配する;および(vi)酸溶液を分配する。なおさらに別の代わりの方法において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)洗浄溶液を分配する;(ii)アルカリ性溶液を分配する;(iii)「洗浄」溶液を分配する;(iv)酸溶液を分配する;(v)「洗浄」溶液を分配する;(vi)エオシン染色溶液を分配する;および(vii)酸溶液を分配する。
上で述べたように、エオシンによる染色に続いて、1以上の流体が連続して検体に適用される。特に、エオシンによる染色に続いて、洗浄溶液および/または移送溶液は各々エオシンによる染色に続いて1回以上検体に分配され得る。例えば、エオシンによる染色の直後に、洗浄溶液が4回連続して分配され除去され得る。この後、追加の溶液が、例えば、最後の洗浄溶液の分配後、移送溶液および/または有機の溶液の少なくとも1つを分配することにより適用され得る。
いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は、エオシン染色後、しかし異なる流体の分配前に、洗浄溶液を1~6回連続して分配し得る。例として、自動検体処理装置は、エオシンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)洗浄溶液を分配する;(ii)洗浄溶液を分配する;(iii)洗浄溶液を分配する;(iv)洗浄溶液を分配する;(v)移送溶液を分配する;(vii)移送溶液を分配する;および(viii)有機の溶液を分配する。この例に従い、いくつかの実施形態において、洗浄溶液を4回分配する代わりに、システムは、エオシン染色に続いて濯ぎ流体を4回未満、例えば3回、2回、またはちょうど1回だけ分配するように適合し得る。
いくつかの実施形態において、エオシン染色の直後の洗浄溶液を分配する工程の1つまたはすべてを、移送溶液を分配する工程と1対1で置き換えることができる。例えば、洗浄溶液が4回引き続いて分配される(すなわち、流体を分配し、所定の時間、検体と接触したままにし、流体を少なくとも部分的に除去する)ならば、システムは、代わりに、そしてさらなる移送溶液分配工程を含めてさらなるその後の流体分配工程前に、4回引き続いて移送溶液を分配するように適合し得る。あるいは、洗浄溶液が4回引き続いて分配されるならば、システムは、洗浄溶液を2回、そして移送溶液を2回、またさらなる移送溶液分配工程を含めてさらなるその後の流体分配工程前に分配するように適合し得る。いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は、エオシンによる染色の直後(そしてエオシンの除去後)洗浄溶液を1回または2回連続して分配し;続いて移送溶液を少なくとも2回連続して分配してもよい。いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は洗浄溶液の分配と移送溶液の分配とを交互に繰り返してもよく、例えば洗浄溶液を分配し、移送溶液を分配し、洗浄溶液を分配し、移送溶液を分配する。
いくつかの実施形態において、エオシン染色後の洗浄溶液分配工程のすべてが除かれ、移送溶液を分配する工程と置き換えられる。別の例として、自動検体処理装置は、エオシンによる染色の直後に以下の操作を実行し得る:(i)移送溶液を分配する;(ii)移送溶液を分配する;(iii)移送溶液を分配する;(iv)移送溶液を分配する;および(v)有機の溶液を分配する。さらに別の例として、自動検体処理装置はエオシンによる染色の直後に以下の操作を実行し得る:(i)移送溶液を分配する;(ii)移送溶液を分配する;(iii)移送溶液を分配する;(iv)移送溶液を分配する;および(v)有機の溶液を分配する。ここで、酸洗浄工程はヘマトキシリン染色とエオシン染色との間に行われない。なおさらに別の例として、自動検体処理装置はエオシンによる染色の直後に以下の操作を実行し得る:(i)酸溶液を分配する;(ii)溶液を分配する;(iii)移送溶液を分配する;(iv)移送溶液を分配する;(v)移送溶液を分配する;および(vi)有機の溶液を分配する。いくつかの実施形態において、移送溶液は、エオシン染色の直後、さらなる処理(さらなる流体分配工程を含む)前に約2回~約12回分配され得る。
1つの実施形態において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)アルカリ性溶液を分配する;(ii)「洗浄」溶液を分配する;(iii)エオシン染色溶液を分配する;(iv)酸溶液を分配する;(v)少なくとも1つの移送溶液を分配する;ここで、洗浄工程はエオシンによる染色後に行われない。別の実施形態において、自動検体処理装置はヘマトキシリンによる染色に続いて以下の操作を実行し得る:(i)アルカリ性溶液を分配する;(ii)「洗浄」溶液を分配する;(iii)エオシン染色溶液を分配する;(iv)酸溶液を分配する;(v)移送溶液を分配する;(vi)移送溶液を分配する;(vii)移送溶液を分配する;および(viii)移送溶液を分配する。もちろん、他の下流の分配工程を組み込んでもよい。
いくつかの実施形態において、自動検体処理装置は、生物学的試料または試料に適用された流体の少なくとも1つが所定の温度に、および/または所定の時間の間加熱されるように加熱または冷却デバイス(例えば伝導ヒーターまたはPeltierデバイス)を含む。いくつかの実施形態において、検体処理装置は伝導および/または輻射加熱を提供するように構成することができる。伝導加熱は抵抗ヒーターを有するプレートにより提供することができる。1以上のランプは輻射加熱を提供することができる。装置は検体の温度を制御可能に上昇または低下することができる。スライド加熱デバイスの適切な例は、ここで参照したことによりその開示内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,425,306号および同第6,582,962号に記載されている。
いくつかの実施形態において、試料または分配された流体の少なくとも1つが、約30℃~約45℃の範囲の温度に加熱される。他の実施形態において、検体処理装置は試料または分配された流体の少なくとも1つを約35℃~約40℃の範囲の温度に加熱する。いくつかの実施形態において、検体処理装置は試料、分配された流体、またはスライドを所定の期間、例えば10分~40分加熱し得る。検体またはスライドに分配された染色試薬および/または流体のいずれも加熱され得る。
いくつかの実施形態において、検体処理装置は、ヘマトキシリンおよびエオシン染色組成物を生物学的試料に分配する前と後の両方でさらに他の流体を適用するように構成されている。実際、検体処理装置は、限定することなく、染色剤、プローブ、試薬、濯ぎ液、および/もしくは調節剤、または本明細書中に列挙されているその他の流体のいずれかを含めて広範囲の物質を検体に適用することができる。プローブは検出可能な標識に結合した単離された核酸または単離された合成オリゴヌクレオチドであることができる。標識は放射性同位体、酵素基質、補因子、リガンド、化学発光または蛍光剤、ハプテン、および酵素を含むことができる。いくつかの実施形態において、検体処理装置は、例えば、特定の標的細菌に特異的であり、標識(例えば抗体上の標識または標識された第2抗体の使用による)を用いて検出される1以上の抗体と共にインキュベーションすることによるイムノアッセイの実施を容易にする。代表的な検出可能な標識として、フルオロフォア、ハプテン、酵素、放射性標識、およびその他当技術分野で公知のものが挙げられる。
いくつかの実施形態において、検体がパラフィンに包埋された試料であれば、その試料は適当な脱パラフィン流体を用いて検体処理装置で脱パラフィンすることができる。いくつかの実施形態において、そして検体処理装置の廃棄物除去デバイスがあらゆる脱パラフィン流体を除去した後、任意の数の物質を引き続き検体に適用することができる。物質は、前処理(例えば、タンパク質架橋、核酸の露出等)、変性、ハイブリダイゼーション、洗浄(例えば、ストリンジェンシー洗浄)、検出(例えば、視覚またはマーカー分子をプローブに結合する)、増幅(例えば、タンパク質、遺伝子等の増幅)、対比染色、カバースリップ被覆などのためであることができる。
本明細書に記載されている手順に従って染色された生物学的検体の分析はコンピューター解析および/または画像解析システムにより自動化され、容易化されることができる。いくつかの実施形態において、光学顕微鏡が画像解析に利用される。ある種の開示されている実施形態はデジタル画像を得ることを含む。これはデジタルカメラを顕微鏡(例えば、明視野顕微鏡)につなぐことによって行うことができる。得られる染色された試料のデジタル画像は画像解析ソフトウェアを用いて分析される。試料はまた定性的および半定量的に評価することもできる。定性的な評価は、染色強度を評価し、強く染色する細胞および染色に関与した細胞内区画を同定し、全体の試料またはスライドの質を評価することを含む。別個の評価を試験試料に行い、この分析は既知の平均値と比較して、試料が異常な状態を示すかどうか決定することを含むことができる。
実施例1
洗浄液分配を2つの移送溶液分配と置き換える-ダイヤル設定可能性の決定
コントロール構成の機器で、および表1に示されている代わりのプロトコールで染色実験を行った。また、洗浄液分配工程を2つの移送溶液工程と置き換えて全部で4つの移送溶液工程とした「緩和」技術(図3)を用いて染色実験を行った。試験構成はスクリプト変更により達成される。以下の染色実験を行い、次いで各々の構成で比較した。
表1:染色プロトコール実験、ここで整数1~10は特定の流体が検体と接触したままである相対持続時間を表し、より小さい整数がより短い時間を示し、より大きい整数がより長い持続時間を示す
Figure 0007449862000001
***、結腸、皮膚、脾臓および扁桃腺を含有する単一の多組織ブロック(MTB)を使用した。各々の染色実験で2つのスライドを染色した。染色実験は最初コントロール構成で行った。各々の染色プロトコールに対する試験およびコントロールスライドを比較し、病理学者が以下のようにスコアを付けた:
-3:コントロールより著しく弱い試験スライドの[属性]
-2:コントロールより実質的に弱い試験スライドの[属性]
-1:コントロールより少し弱い試験スライドの[属性]
0:コントロールとほぼ等しい試験スライドの[属性]
1:コントロールより少し強い試験スライドの[属性]
2:コントロールより実質的に強い試験スライドの[属性]
3:コントロールより著しく強い試験スライドの[属性]
ここで、「少し」=繰返しの検査によってのみ気付く差;「実質的に」=最初の検査で気付く差、および「著しく」=差は最初の検査で明らかである(すなわち、顕微鏡なしで気付く差)。
スライドの(i)エオシン染色一貫性、すなわち、単一のスライド上の組織試料全体にわたるコラーゲンおよび脂肪のような好酸性組織成分の適当で一貫した染色;ならびに(ii)エオシン識別、すなわち、ピンク色の容易に目に見える色調によるコラーゲン、平滑筋および赤血球のような好酸性組織成分の識別を評価した。
表2に挙げた消耗品を実験中利用した:
表2:実験中利用した消耗材料、ここですべての材料はVentana Medical Systems, Tucson, AZ, USAから入手可能である。
各々の組織型の対合組織に対する染色属性の各々に対する平均病理学スコアを表3に示す。
表3:平均病理学スコア、すなわち試験スライドに対する染色属性の平均病理学スコア
Figure 0007449862000003
表3の値は、上にリストされているスコア付け方法に基づくすべてのスライドおよび染色プロトコールにわたる各々の染色属性の平均値である。
ヘマトキシリン染色強度の軽微な増大が適所に緩和を有する各々の組織型に対して観察される。適所に緩和を有するエオシンに対する染色強度の増大は各々の組織型に対して軽微~実質的である。緩和は、この研究で使用した組織のいずれでもエオシン識別に対して効果を有さない。
スライドの優先度は、病理学者が基準染色剤または緩和で染色された組織を優先して選択する主観的なスコアである。緩和組織に対して***および皮膚に対する優先度は実質的である。結腸および脾臓に対する緩和に対して非常に軽微な優先度があり、扁桃腺に対する優先度はない。緩和、すなわち洗浄液分配工程の2つの移送溶液工程への変更は、補正することが設計されたエオシン一貫性に対する実質的な効果をもたない。
エオシン染色強度は、この研究で検査された組織の各々に対して軽微~実質的により強い。緩和はヘマトキシリンを軽微に増大する。エオシン識別は緩和により行われない。エオシン一貫性は緩和を有する***、結腸、および皮膚において実質的に改良された。この研究で組織にスコアを付けた病理学者(1)は適所に緩和を有する***および皮膚を好む。この研究のために組織にスコアを付けた病理学者は結腸、脾臓、および扁桃腺に対して優先度を有していた。画像は、適所に緩和を有するとより少ないダイヤル設定可能性が利用可能であることを示唆している。
この研究全体は、不一致を示す組織における病理学者の優先度の改良と共に、組織にわたるエオシン一貫性の強い改良を立証する一方、他の1つの染色特徴、すなわちエオシン強度にのみ強く影響することを立証した。
実施例2
明るいエオシンは洗浄識別を2つの移送溶液分配と置き換える:診断明瞭さ
この研究は、実施例に記載されている緩和手法が組織を診断する能力において何らかの意図されない結果を引き起こしたかどうかを決定するために開発された。試料は実施例1と同一の手順に従って調製した。
診断明瞭さをスコア付けするとき、以下が含まれた:(i)染色品はHE600染色プロセスにより生じた;(ii)染色問題(例えば、劣った識別、色相、間違った染色);および(iii)染色プロセスにより合理的に生じ得る、診断をするのに必要とされる時間および努力に影響を及ぼす可能性がある他の問題。
診断明瞭さは、実施例1に記載したのと同様なやり方で-3~3の尺度でスコアを付けた。
スライド対は同一の染色プロトコールで染色された試験およびコントロールスライドからなっていた。対の中の各々のスライドはAまたはBにランダムに標識され;スライドBをスライドAと比較してスライドにスコアを付けた。2人の病理学者によりスライドに診断明瞭さのスコアを付けた。試験スライドをスライドBとして示した図5Aおよび5Bに結果を示す。2のスコアは、試験に対する診断明瞭さがコントロールより診断するのが実質的により容易であることを示す。すなわち、-2のスコアは、試験に対する診断明瞭さがコントロールより診断するのが実質的により難しいことを示す。
図5Aで、12の試験スライドが-2のスコアを受け、すなわち初期検査でコントロールスライドより診断するのが実質的により難しかった。これらのスライドのうち10/12は皮膚で、「日光弾力線維症とみなすのが困難」とのコメントがついていた。日光弾力線維症に対するヘマトキシリン染色はHE600で明るいことが知られている。適所に緩和があると、エオシン強度の増大が[明るく染色された]日光弾力線維症を診断の関心である程度に覆い隠す。
図5Bで見られるように、プロトコールH10A0E1、H10A1E1、H10A1E10、H1A0E5、H1A3E1、およびH5A3E5に対して、各々のプロトコールに対する対の一方には0または-1、他方には-2のスコアが付けられた。これはHE600で観察されるスライド間染色変動性に起因するようである。このスライド間染色変動性の根本原因の決定はこの文書における研究の範囲を超えている。プロトコールH5A1E1では、1対が2、他が-2のスコアを受けた。再びこれは、HE600で観察されるスライド間染色変動性に起因するようである。
プロトコールH1A0E5およびH5A3E1で染色された皮膚の画像(右にTTTTとされている画像)および緩和なしの画像を図6に示す。
H1A0E5で染色された緩和スライドは2のスコアを受けたが、コントロールスライド上に青色ドットが広く認められた;日光弾力線維症は隠される。エオシンをダイヤルダウンすることにより、図6の下の2つの画像に見られるように日光弾力線維症とみなすことが可能である。
10のスライドが2のスコアを受け、主として***および結腸であった。これらのスライドは、明るいエオシン染色が理解するのにより容易であるという事実に起因して、一般に2のスコアを受けた。20の扁桃腺スライドが-1のスコアを受け、多くは細胞核の細部を理解するのは「より困難」というコメントがついていたことに留意すべきである。
図5Aで2つの試験スライドのみが2のスコアを受けた。病理学者2が観察し、「青色スポットが組織の上にある」とコメントし、診断明瞭さのスコア付けをした。これらの青色スポットはすべての組織型にランダムに現れた。病理学者2は皮膚対のいくつかに「日光弾力線維症を見るのがはるかに容易」とコメントしたが、この病理学者の診断明瞭さに影響を及ぼすことはなかったことに留意すべきである。各々のプロトコールに対して図5B(病理学者2)より図5A(病理学者1)でより広い普及が観察されることが興味深い。
図6に見られるように、エオシンがより低い設定にダイヤルされたとき緩和で染色されたスライドで日光弾力線維症とみなすのがより容易になった。
この研究は、洗浄液を移送溶液と取り替えることにより改良されたエオシン染色が診断に及ぼす影響を検査するためであった。結果から分かるように、ほとんどの組織型で効果は非常に肯定的であるが、少数の皮膚病変ではより明るいエオシンがヘマトキシリン染色を圧倒し得、診断を妨げる。
実施例3
ムチンのダイヤル設定可能性
このムチン染色研究はムチン染色を除去するHE600の能力に対する染色プロトコール緩和の影響を決定するために導出された。ムチン染色に関するいくつかの結腸事例をスクリーニングした後、我々は4つの事例を選択し、全部で100のスライドに様々なヘマトキシリン溶液、酸溶液、およびエオシン溶液設定(HAE設定)(実施例1参照)で高Aおよび低Aスライドを対にしてムチン染色がダイヤル設定であるかどうか見るためにHおよびEを調和させて染色した(表4参照)。
表4:ムチン研究に使用したプロトコールおよび緩和
Figure 0007449862000004
6つのプロトコールによるスライド実験を対にし、H1A1E1-H1A5E1、H4A1E5-H4A3E5、およびH10A1E10-H10A3E10間の比較でスコアを付けた。結果は、移送溶液緩和が基準染色剤と比較して、ムチン染色変動性のわずかな上昇を伴ってムチンのダイヤル設定可能性に対して最小の影響を有することを示している。しかし、酸洗浄移動緩和は有意な影響を有し、より劣ったムチンのダイヤル設定可能性およびムチン染色レベルのずっと大きい変動性を招く。これは、HAE設定にわたってプールされたムチン強度のボックスプロットが図8Aに見られるように酸洗浄移動緩和に対してずっと大きいという事実により理解することができる。加えて、図8Bで、個々のHAE設定に対して、酸洗浄移動が基準または移送溶液緩和より高および低酸洗浄設定間のムチン強度のずっと多くのオーバーラップを示すことが分かる。
ムチン染色のダイヤル設定可能性に関して、両方の緩和が負の効果を示し、ムチンを除去する能力を低下させる。移送溶液緩和は、ヘマトキシリン染色に対する影響を有すると期待していなかったので非常に小さい効果を示す。しかし、酸洗浄移動緩和はムチン除去に対して大きい影響を示し、これは酸洗浄をエオシン後に移動するとヘマトキシリンを除去するその能力に著しく影響するので期待される。青味付け処理はそれまでに既に起こっており、ヘマトキシリンが不溶性になっており、除去するのがかなり困難になっていた。
ムチン染色の「ダイヤル設定可能性」は移送溶液緩和により影響されないが、酸洗浄緩和により強く低減される。
実施例4
緩和対基準染色剤の非劣性
図3に示した両方の緩和は使用した組織全体にわたって全般的な非劣性を立証しており、両方の緩和#1および緩和#2が使用した組織に関して診断明瞭さ、エオシン染色一貫性、および優先度スコアを現行の基準染色剤より改良している(ここですべてのスコアは緩和スライドと現行の染色基準スライドとの比較に基づく)。平均が(95%の信頼区間により)あらゆる測定でゼロとかなり異なっていた図9Aに見られるように、緩和#1と緩和#2の両方が基準染色剤より有意な改良を示した。緩和#1は一貫性(p<.001、2つの試料t-検定Minitab)および全体の優先度(p=.009、2つの試料t-検定Minitab)において緩和#2より大きな改良を示し、診断明瞭さは緩和#2と緩和#1で類似の結果(p<.058、識別試験、2つの試料t-検定Minitab)を示した。加えて、-2または-3のスコアを落第と考えるならば、両方の緩和の100%が診断明瞭さに合格し、両方の緩和の<1%が全体優先度に落第であり、緩和#2の1.25%および緩和#1の<.5%がエオシン一貫性に落第であった。
図9Bに見られるように組織型により非劣性スコアを分けると、***組織、続いて結腸および皮膚で基準と比べて最大の改良が見られるが、これらの3つの組織型は明るいエオシン染色における主要な疾患領域であるので驚くには当たらない。しかし扁桃腺および腎臓も改良を示す。
図9Cに見られるように両方の緩和をプロトコール実験により分けると、唯一の明白な傾向は、H1A5E1(ヘマトキシリン、酸洗浄、およびエオシン設定)プロトコールがより良好に行われ、H7A0E3がより悪く行われる傾向があったことである。A0以外でなぜこうなるかは不明であるが、緩和#2は基準と比べて改良されてないはずである(A0は酸洗浄が適用されないことを意味し、したがって基準および緩和#2染色は同じであるはずである)。これがなぜ緩和#1に影響するのかは不明である。なぜH1A5E1がより良好に行われるかについては、おそらくより長い酸洗浄が緩和#2を改良する(より長いエオシン後酸洗浄インキュベーションはエオシン保持を改良するか、またはおそらくエオシン識別を改良する)。緩和#1の場合は、より明るいエオシン設定が緩和により引き起こされたエオシン強度の増大を相殺しない限り不明である。これらの差は単にノイズである可能性が高い。
この研究は、様々な組織型での両方の緩和に対する全体染色改良を示した。また、組織およびプロトコールの種類全体にわたる傾向も明らかにされ、それらのいくつかは予期され、他は予期されなかったが、これらの傾向とは無関係に、ここで試験したすべてのプロトコールおよび組織で、緩和は現行の基準染色剤より優れている。
実施例5
再現性
この研究で4つの型の再現性を検討した:新しい染色プロセス内の再現性(緩和#1-緩和#1、緩和#2-緩和#2、および新しいスクリプト基準-新しいスクリプト基準)ならびに新しいスクリプト基準(NSN)と古いスクリプト基準(OSN)との間の再現性。これは、新しい染色プロセスが現行の基準染色プロセス(OSN)と同じように再現性があること、ならびにNSNおよびOSN染色が同じであることを確保するためであった。緩和#1および緩和#2は図3に示されている。
ここで染色再現性は染色環境で可能な変動性を最大にするようにして測定した。スライド比較は常に異なる機器、異なるトレイ、およびトレイ内の異なるスライド位置で染色されたスライド間で行った。組織の変動の効果を低減するために、互いの10のカット内の近隣の組織切片を使用した。染色類似性に0から3のスケールでスコアを付ける。より大きい数がより少ない類似性を意味する。0および1を合格スコアとすると、各々の緩和に対する一致レベルは表5に見られるように:緩和#1が62%、緩和#2が50%、NSNが46%、およびNSN対OSNが55%であった。
表5:再現性一致率、限界、およびカウント
Figure 0007449862000005
図10Aおよび10Bの分布をみると、緩和#1は、3(著しく異なる)と判定される染色比較の数を大きく低減し、0(同一)と格付けされる数を増大することにより再現性を改良する。MinitabにおけるTukey Method比較の実験により、緩和#1染色が他の染色より顕著に再現性があることが明らかにされ、再現性レベルは緩和#1と他のすべての染色プロセスとでかなり異なる。他の染色プロセスは染色類似性においていかなる有意な差も示さなかった。Tukey Method比較は本質的に、多くの比較について補正されて、多くの比較の組に対して個々のt-検定より適切にされた(第一種の過誤率を低める)t-検定である。
再現性に関して、緩和#1は、スライド間のエオシン染色再現性における改良によりスライド間の再現性を顕著に改良する。緩和#2は同様にスライド間のエオシン染色再現性を改良するが、この改良はヘマトキシリンのスライド間再現性の低下により相殺される。
この研究は緩和が染色再現性に影響しなかったことを示すためであったが、これはここで立証された。実際、分析の結果、洗浄液の移送溶液交換は再現性(特に、エオシン染色再現性)を実質的に改良するが、酸洗浄移動は全体的に中立の影響を有する(エオシン再現性を増大するが、ヘマトキシリン再現性を低減する)。
追加の実施形態
いくつかの実施形態において、染色システムは本明細書に記載されているものに加えて構成要素を含む。本システムおよび方法に組み込まれ得る追加の実施形態、特徴、システム、デバイス、材料、方法、および技術は、開示内容が全体としてここで参照したことにより本明細書に組み込まれる米国特許第8,911,815号;同第9,498,791号;同第9,618,430号;同第7,468,161号;および同第6,352,861号に記載されている。染色システムのさらに追加の構成要素が、開示内容が全体としてここで参照したことにより組み込まれる米国特許第7,303,725号、同第8,048,373号、同第9,528,918号、および同第9,192,935号に記載されている。
いくつかの実施形態において、染色システムはバルク流体容器を(例えば、本明細書に記載されている溶液のいずれかを試料に分配または適用する前に保持するために)含んでいる。いくつかの実施形態において、スライド処理装置はさらに、複数の追加の染色モジュールおよび染色モジュールの各々を独立して制御するように構成されたコントローラーを含む。
いくつかの実施形態において、染色システムは、例えば、塔内に配置された1以上の乾燥またはベーキングステーションまたはモジュール、脱ろうまたは脱パラフィンステーションまたはモジュール、1以上の染色ステーションまたはモジュールおよびカバースリップ被覆ステーションまたはモジュールを含むワークステーションの積み重ねを支持するフレームを含み得る。いくつかの実施形態において、塔に隣接して、複数の個々の検体を担持するスライドを担持するように設計されたトレイ保管ステーションからスライドトレイを乾燥/ベーキング、脱ろう、染色およびカバースリップ被覆操作によって輸送するための輸送およびエレベーター機構が備えられている。
いくつかの実施形態において、トレイ保管ガレージまたはステーションは、スライドトレイを収容するための複数の垂直に間隔をあけて配置された棚またはスキッドを担持する一対の支柱を含む。いくつかの実施形態において、保管ステーションまたはガレージは第1の棚の位置へのアクセスを提供するピボット旋回可能に取り付けられたドアを含む(明確にするために、ガレージへの外側の皮膚またはカバーは省かれている)。ドライブモーターおよびトランスミッションにより駆動される一対の回転自在に取り付けられたドライブホイールに含ませて一般に示されているトレイドライブアセンブリが、入口を出入りしてトレイを移動するための第1の棚の位置の下に配置されている。
いくつかの実施形態において、スライドトレイは、ほぼ長方形の平面を有し、底壁、向かい合った側壁および向かい合った端壁を含むパンまたはスライドトレイを含む。スライドトレイは通例、かかる用途が意図される当技術分野で周知の合成ポリマーを用いて慣用の射出成形により形成される。
いくつかの実施形態において、トレイは、検体スライドを同一平面内で実質的に水平の位置に保持するためのラックを支持する検体スライドを含む。すべてのスライドを同一平面内に保持すると、以下に記載されるようにベーキングおよび乾燥が容易になり、また以下に記載されるように脱パラフィンおよび染色中スライドの交差汚染も防止される。いくつかの実施形態において、ラックは、一旦スライドトレイに配置されたら検体スライドの軸方向、横方向および垂直方向の動きを制限する複数のスライドスプリングサポートを含む。いくつかの実施形態において、ラックは、検体スライドの底とトレイの底との間に生成する膜または泡の生成を阻止または防止するのに充分な高さでトレイ底の上方に支持される。いくつかの実施形態において、スライドスプリングサポートは、検体スライドの対立する端に力を加えることにより個々の検体スライドを適所に保持する。スライドトレイの床は中央に向かって傾斜していて、以下に詳細に記載するように脱ろう流体および染色剤の排出のための中央位置への排出を促進する。いくつかの実施形態において、トレイは乾燥/ベーキング、脱パラフィン、染色およびカバースリップ被覆の工程によって複数の検体スライドを自動で取扱うことを可能にしている。いくつかの実施形態において、トレイは散布レールを含み、2つのスライドの広さで8つのスライドの高さのほぼ水平の格子状に配置された16の検体スライドを収容するように配置されている。
染色モジュールは、第1の側壁、第2の側壁、または両方を伝導加熱するように配置された少なくとも1つの加熱要素を含むことができる。スライドホルダーを使用してスライド、検体、および/または液体を加熱することができ、一方液体のバンドは検体を横切って操作される。
コントローラーは、いくつかの実施形態において、1以上のメモリーおよびプログラム可能なプロセッサーを含む。メモリーは、第1のシーケンスのプログラム命令および第2のシーケンスのプログラム命令を格納する。プログラム可能なプロセッサーはスライド上の検体を第1の液体で処理するために第1のシーケンスのプログラム命令を実行するように構成され、第1の液体と異なる第2の液体で検体を処理するために第2のシーケンスのプログラム命令を実行するように構成されている。いくつかの実施形態において、プログラム可能なプロセッサーはスライドを加熱するために第1のシーケンスのプログラム命令を実行するように構成され、コントローラーはスライドを第1の温度と異なる第2の温度に加熱するために第2のシーケンスのプログラム命令を実行するように構成されている。
コントローラーは、いくつかの実施形態において、第1のシーケンスのプログラム命令を実行して、分配デバイスに、第1の液体を第1の速度でスライドに送達することを命令するように構成されている。コントローラーはさらに、第2のシーケンスのプログラム命令を実行して、分配デバイスに、第1の速度と異なる第2の速度で第2の液体をスライドに送達することを命令するように構成されている。
本開示の実施形態の少なくともいくつかはシステムのコントローラーまたはコントロールシステムに統合されたコンピューターシステムまたはコンピューターに関する。デジタルの病理学システムは画像装置(例えば検体を担持する顕微鏡スライドを走査するための手段を有する装置)およびコンピューターを含み得、これにより画像装置およびコンピューターは通信により互いに(例えば直接に、またはネットワークを介して間接に)連結され得る。コンピューターシステムとしては、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、タブレット、など、デジタル電子回路、ファームウェア、ハードウェア、メモリー、コンピューター記憶媒体、コンピュータープログラムまたは命令の集合(例えば、プログラムがメモリーまたは記憶媒体内に格納されているもの)、1以上のプロセッサー(例えばプログラムされたプロセッサー)、およびその他のあらゆるハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアモジュールまたはこれらの組合せ(例えば本明細書中でさらに記載されるもの)を挙げることができる。例えば、計算システムはディスプレイデバイスおよびエンクロージャ付きのコンピューターを含み得る。
本明細書に記載されている主題および操作の実施形態はデジタル電子回路で、または本明細書に開示されている構造およびそれらの構造等価物を含むコンピューターソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア、またはこれらの1以上の組合せで実施することができる。本明細書に記載されている主題の実施形態はデータ処理装置による実行のために、またはその操作を制御するためにコンピューター記憶媒体にエンコードされた1以上のコンピュータープログラム、すなわち、コンピュータープログラム命令の1以上のモジュールとして実施することができる。本明細書に記載されているモジュールのいずれも、プロセッサーにより実行される論理を含み得る。「論理」は、本明細書で使用されるとき、プロセッサーの操作に影響を及ぼすための適用され得る命令信号および/またはデータの形態を有するあらゆる情報をいう。ソフトウェアは論理の一例である。
コンピューター記憶媒体はコンピューター可読記憶デバイス、コンピューター可読記憶基板、ランダムもしくは連続アクセスメモリーアレイもしくはデバイス、またはそれらの1以上の組合せであるか、またはそれに含まれることができる。また、コンピューター記憶媒体は伝播される信号ではないが、コンピューター記憶媒体は人工的に生成した伝播信号にエンコードされたコンピュータープログラム命令のソースまたは目的であることができる。コンピューター記憶媒体はまた、1以上の別個の物理的な要素または媒体(例えば、多くのCD、ディスク、またはその他の記憶デバイス)でもあるか、またはそれに含まれることができる。本明細書に記載されている操作は1以上のコンピューター可読記憶デバイスに格納されているかまたは他のソースから受容したデータに対してデータ処理装置により実行される操作として実施することができる。
用語「プログラムされたプロセッサー」はデータを処理するためのあらゆる種類の装置、デバイス、および機械、例えば例としてプログラム可能なマイクロプロセッサー、コンピューター、システムオンチップ、または上述の多くのもの、もしくはその組合せを含む。装置は専用の論理回路、例えばFPGA(現場でプログラム可能なゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、問題になっているコンピュータープログラムのための実行環境を作り出すコード、例えば、プロセッサーファームウェア、プロトコールスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、バーチャルマシン、またはこれらの1以上の組合せを構成するコードも含むことができる。装置および実行環境は様々な異なる計算モデルインフラストラクチャー、例えばウェブサービス、分散コンピューティングおよびグリッドコンピューティングインフラストラクチャーを実現することができる。
コンピュータープログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードともいわれる)はプログラム言語、例えばコンパイラ型またはインタープリタ型言語、宣言型または手続型言語の形態で書き出すことができ、任意の形態で、例えばスタンドアロンプログラムまたはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピューター環境で使用するのに適した他のユニットとして配備することができる。コンピュータープログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応し得るが必要なわけではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分に、問題になっているプログラムに捧げられた単一のファイルに、または多くの調整されたファイル(例えば、1以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部分を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータープログラムは1つのコンピューターで、または1つの部位に設置されるかまたは多くの部位に分配され通信ネットワークにより相互に接続された多くのコンピューターで実行されるように配置することができる。
本明細書に記載されているプロセスおよびロジックフローは、1以上のコンピュータープログラムを実行して、入力データに作用し出力を生成する行為を行う1以上のプログラム可能なプロセッサーにより実施することができる。プロセスおよびロジックフローはまた専用の論理回路、例えば、FPGA(現場でプログラム可能なゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)により実施することもでき、また装置もまた専用の論理回路、例えば、FPGA(現場でプログラム可能なゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)として実施することもできる。
コンピュータープログラムの実行に適したプロセッサーとしては、例として、汎用および専用の両方のマイクロプロセッサー、ならびにあらゆる種類のデジタルコンピューターの任意の1以上のプロセッサーが挙げられる。一般に、プロセッサーは命令およびデータを読出し専用メモリーもしくはランダムアクセスメモリーまたは両方から受け取る。コンピューターの必須の要素は命令に従って行為を実行するためのプロセッサーならびに命令およびデータを格納するための1以上のメモリーデバイスである。一般に、コンピューターはまた、データを格納するための1以上の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクも含むか、またはそのような大容量記憶装置からデータを受け取り、またはそこにデータを移送し、または両方のために動作可能なように連結する。しかしながら、コンピューターはかかるデバイスを有する必要はない。また、コンピューターは、別のデバイス、例えば、ほんの数例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯型オーディオまたはビデオプレイヤー、家庭用ゲーム機、Global Positioning System(GPS)受信機、または携帯用の記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に埋め込むことができる。コンピュータープログラム命令およびデータを格納するのに適したデバイスとしては、すべての形態の不揮発性メモリー、媒およびメモリーデバイス、例えば、例として、半導体記憶デバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリーデバイス、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク;光磁気-光ディスク;ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクがある。プロセッサーおよびメモリーは専用の論理回路により補完されたり、かかる回路内に組み込まれたりすることができる。
ユーザーとの対話を提供するために、本明細書に記載されている主題の実施形態は、ユーザーに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイならびにユーザーがコンピューターへの入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウスまたはトラックボールを有するコンピューターで実施することができる。いくつかの実施において、タッチスクリーンを使用して、情報を表示し、ユーザーからの入力を受け取ることができる。他の種類のデバイスを使用してユーザーとの対話を提供することもでき;例えば、ユーザーに提供されるフィードバックは感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックのあらゆる形態であることができ;ユーザーからの入力はあらゆる形態、例えば音響、音声、または触覚入力で受け取ることができる。加えて、コンピューターは、ユーザーより使用されるデバイスに文書を送りそのデバイスから文書を受け取ることにより、例えば、ユーザーのクライアントデバイスのウェブブラウザーから受け取った要求に応えてそのウェブブラウザーにウェブページを送ることにより、ユーザーとインタラクトすることができる。
本明細書に記載されている主題の実施形態は、バックエンド構成要素を、例えば、データサーバーとして含む、またはミドルウェア構成要素、例えば、アプリケーションサーバーを含む、またはフロントエンド構成要素、例えば、グラフのユーザーインターフェースまたはユーザーが本明細書に記載されている主題の実施とインタラクトすることができるウェブブラウザー、または1以上のかかるバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組合せを有するクライアントコンピューターを含む、計算システムで実施することができる。システムの構成要素はあらゆる形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークにより相互に接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、Internet)、ならびにピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)がある。例えば、図1のネットワーク20は1以上のローカルエリアネットワークを含むことができる。
計算システムは任意の数のクライアントおよびサーバーを含むことができる。クライアントおよびサーバーは一般に互いに離れており、通例通信ネットワークを介してインタラクトする。クライアントとサーバーの関係はそれぞれのコンピューターで実行され、お互いにクライアント-サーバー関係を有するコンピュータープログラムにより生じる。いくつかの実施形態において、サーバーはデータ(例えば、HTMLページ)をクライアントデバイスに送る(例えば、クライアントデバイスとインタラクトするユーザーにデータを表示し、ユーザー入力をユーザーから受け取る目的で)。クライアントデバイスで生成したデータ(例えば、ユーザー相互作用の結果)はクライアントデバイスからサーバーで受け取ることができる。
撮像システムまたは装置はマルチスペクトル画像(MSI)システムまたは蛍光顕微鏡システムであり得る。ここで使用される撮像システムはMSIである。MSIは、一般に、画素レベルで画像のスペクトル分布へのアクセスを提供することにより、病理学検体の分析に、コンピューター化された顕微鏡をベースとする撮像システムを備えている。多様なマルチスペクトル画像システムが存在するが、これらのシステムのすべてに一般的な操作状況はマルチスペクトル画像を形成する能力である。マルチスペクトル画像は、個々の波長または電磁スペクトルにわたる特定のスペクトルバンド幅で画像データを捕獲するものである。これらの波長は、光学フィルターにより、または可視光範囲の範囲を超える波長の電磁放射線、例えば赤外(IR)を含めた所定のスペクトル成分を選択することができる他の機器を使用することにより選び出し得る。
MSIシステムは光学撮像システムを含み得、その一部分は別々の光学バンドの所定数Nを規定するために調節可能なスペクトル選択的システムを含有する。光学システムは光学検出器上の広帯域光源と伝導して光を当てられた組織試料を撮像するのに適合し得る。1つの実施形態において例えば顕微鏡のような拡大システムを含み得る光学撮像システムは、光学システムの単一の光出力と概して空間的に整列させた単一の光学軸を有する。システムは、スペクトル選択的システムが、例えば異なる別々のスペクトルバンドで画像が確実に得られるように(例えばコンピュータープロセッサーにより)調節または調整されるときに組織の画像の配列を形成する。装置はさらに、得られた画像の配列から組織の少なくとも1つの視覚的に知覚できる画像が現れるディスプレイを含有し得る。スペクトル選択的なシステムは、光学的に分散的な要素、例えば回折格子、光学フィルターの集積、例えば薄膜干渉フィルターまたはユーザー入力もしくは予めプログラムされたプロセッサーの命令に応答して光源から試料を通って検出器に向かって伝送された光のスペクトルから特定の通過帯域を選択するのに適合した他のあらゆるシステムを含み得る。
代わりの実施において、スペクトル選択的システムは、Nの別々のスペクトルバンドに対応するいくつかの光出力を規定する。この種のシステムは、光学システムから伝送された光出力を吸入し、この光出力の少なくとも一部分をNの空間的に異なる光学経路に沿って空間的に再度指向させて、特定のスペクトルバンドに対応する光学経路に沿って試料をこの特定のスペクトルバンドで検出器システム上に撮像するようにする。
本明細書で言及された、および/またはAapplication Data Sheetにリストされている米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物はすべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の局面は、必要ならば様々な特許出願および刊行物の概念を使用するために修正してさらなる実施形態を提供することができる。
本開示をいくつかの例示の実施形態を参照して記載して来たが、当業者は本開示の原理の思想および範囲内に入る数多くの他の修正および実施形態を考案することができると理解されたい。より特定的には、上述の開示、図面、および添付の特許請求の範囲の範囲内で本開示の思想から逸脱することなく対象の組合せ配列の構成要素部分および/または配列に妥当な変化および修正が可能である。構成要素部分および/または配列の変化および修正に加えて、代わりの使用もまた当業者には明らかであろう。

Claims (13)

  1. 基材上に配置された検体を自動検体処理装置で染色する方法であって、方法が、
    (a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配すること;
    (b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;
    (d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;
    (f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;
    (h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (i)所定量の酸溶液を検体に分配すること;
    (j)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および
    (k)追加の溶液を検体に分配すること、を含み、ここで、酸溶液はヘマトキシリン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体からの少なくとも部分的な除去との間に分配され少なくとも1つの追加の溶液が、洗浄溶液または移送溶液からなる群から選択される、方法。
  2. 少なくとも1つの追加の溶液が洗浄溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つの追加の溶液が移送溶液である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配することが、(i)洗浄溶液を分配すること;および(ii)洗浄溶液を少なくとも部分的に除去することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 検体からのヘマトキシリン溶液の少なくとも部分的な除去の後で且つアルカリ性溶液の分配前に洗浄溶液を分配することをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. アルカリ性溶液の分配前に洗浄溶液を検体に分配することをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の方法に従って染色された生物学的試料。
  8. 1以上のプロセッサー;および
    1以上のプロセッサーにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに:
    (a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;
    (b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;
    (d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;
    (f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;
    (h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (i)所定量の酸溶液を検体に分配させ;
    (j)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;および
    (k)追加の溶液を検体に分配させる;ここで、酸溶液はヘマトキシリン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体からの少なくとも部分的な除去との間に分配させ少なくとも1つの追加の溶液を、洗浄溶液または移送溶液からなる群から選択させる、
    命令を格納する、非一過性コンピューター可読メモリー
    を含む、システム。
  9. システムが、エオシン染色前に酸溶液を分配させない命令を含む、請求項8に記載のシステム。
  10. 計算システムの処理リソースにより実行されたとき、自動組織学的染色システムに:
    (a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配させ;
    (b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (c)所定量のアルカリ性溶液を検体に分配させ;
    (d)アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (e)所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配させ;
    (f)少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (g)所定量のエオシン染色溶液を検体に分配させ;
    (h)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;
    (i)所定量の酸溶液を検体に分配させ;
    (j)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去させ;および
    (k)追加の溶液を検体に分配させる;ここで、酸溶液はヘマトキシリン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体からの少なくとも部分的な除去との間に分配させ少なくとも1つの追加の溶液を、洗浄溶液または移送溶液からなる群から選択させる、
    命令によりエンコードされた非一過性コンピューター可読記憶媒体。
  11. (a)所定量のヘマトキシリン溶液を検体に適用すること;
    (b)ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (c)所定量のエオシン溶液を検体に適用すること;
    (d)エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;
    (e)所定量の酸溶液を検体に適用すること;
    (f)酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および
    (g)追加の溶液を検体に適用すること
    からなり、酸溶液はヘマトキシリン溶液の検体への適用とエオシン溶液の検体への適用とエオシン溶液の検体からの少なくとも部分的な除去との間に適用され少なくとも1つの追加の溶液が、洗浄溶液または移送溶液からなる群から選択される、検体を染色する方法。
  12. 適用する工程を各々手動で行う、請求項11に記載の方法。
  13. 生物学的組織試料を担持する複数のスライドを処理する自動化方法であって、
    1以上のワークステーション内の複数のスライド上でスライド処理操作のセットを行い、一方複数のスライドをスライドトレイ内で空間的に同一平面内の実質的に水平の位置に保持すること、ここでスライド処理操作のセットは、1以上の染色剤を少なくとも1つの試薬容器から流体モジュールを介してスライドトレイ上方に位置する少なくとも1つの分配ノズルから外へ流し、溶媒交換することにより、空間的に同一平面内の実質的に水平の位置のスライド上で試料を染色することを含む;
    少なくとも染色および溶媒交換を含むスライド処理操作のセットを行った後、複数のスライドを保持するスライドトレイを自動カバースリッパーワークステーションに輸送すること;
    自動カバースリッパーワークステーションを用いて、スライド上のカバースリップが互いに離隔するように、複数のスライドをスライドトレイ内で空間的に同一平面内の実質的に水平の位置に保持したまま、スライドトレイ内に保持された複数のスライドを別々のそれぞれのカバースリップで被覆すること;
    カバースリップで覆われたスライドを保持するスライドトレイを自動カバースリッパーワークステーションから取り出すこと
    を含み;
    スライド処理操作が、所定量のヘマトキシリン溶液を検体に分配すること;ヘマトキシリン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のアルカリ性溶液を検体に分配すること;アルカリ性溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量の少なくとも1つの追加の溶液を検体に分配すること;少なくとも1つの追加の溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量のエオシン染色溶液を検体に分配すること;エオシン溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;所定量の酸溶液を検体に分配すること;酸溶液を検体から少なくとも部分的に除去すること;および追加の溶液を検体に分配すること、を含み、ここで、酸溶液はヘマトキシリン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体への分配とエオシン溶液の検体からの少なくとも部分的な除去との間に分配され少なくとも1つの追加の溶液が、洗浄溶液または移送溶液からなる群から選択される、方法。
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