JP7446637B2 - 吸水性ボードの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス発泡材を含有する、吸水性ボードおよびその製造方法に関するものである。
家庭用のお風呂の出入口前の床には、湯上がり時に体から足下に滴下する水分を吸い取るためのバスマット(足拭きマット)が置かれている。従来、バスマットとして、綿繊維のような天然繊維の吸水性に富んだ素材でマット全体を形成したものがある。しかしながら、繊維に吸い込まれた水は乾き難く、菌やカビが繁殖して不衛生になるという問題があった。
一方、近年では高い吸水性と速乾性を備えた珪藻土を主原料とするバスマットが市販されている。ただし、珪藻土は天然資源であって、将来的には枯渇する可能性がある。持続可能な社会実現のために新たな素材が必要となっている。
ところで、吸水性を有する新たな素材として、土壌の通気性、排水性の改善を用途とした土壌改良資材として使用されるガラス発泡材が開発されている。例えば、特開平11-236232号公報では、ガラス質廃材を粉砕して得られる0.21mm以上2.38mm以下の粒度分布を有する粗粉砕ガラス粉96重量%以下と、0.21mm未満の粒度分布を有する微粉砕ガラス粉4重量%以上とを配合して成るガラス質配合粉に、前記ガラス質配合粉に対して0.1~3重量%の炭化珪素を添加、混合して成る混合粉をガラスの軟化点以上に加熱焼成し、次で冷却する製造方法が開示されている(特許文献1)。この特許文献1によれば、かさ密度1.2g/cm以下、吸水率20%以下の軽量で且つ作業性の良い土木、建築用資材として用いることができるガラス質発泡体を安価に且つ確実に得られるとされている。
また、これまでにコースター等の吸水性を要する小物の製造に、ガラス発泡材を粉状にし、それを型枠に入れて圧縮した後に焼き固める(焼成)方法を用いたものがある。
特開平11-236232号公報
しかしながら、粉末状にしたガラス発泡材を焼成して製造されるものは、表面に不揃いな凹凸ができて不良品が発生しやすく、歩留まりが悪いという問題がある。特に、バスマットのように、コースター等に比べて表面積の大きいものはより凹凸ができやすく、製造するのが困難である。また、強度が低く脆いため、切削加工などが難しいという問題もある。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであって、強度の向上や脆性の改善を図ることで切削などの加工を行うことができ、かつ歩留まりを良くすることのできる、吸水性ボードおよびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る吸水性ボードは、ガラス発泡材を含有する吸水性ボードの強度を高めるという課題を解決するために、前記ガラス発泡材とともに、珪砂、消石灰およびパルプを含むことを特徴としている。
また、本発明の一態様として、製造過程における原材料の成分として、前記ガラス発泡材30wt%~50wt%と、珪砂5wt%~15wtと、消石灰15wt%~35wt%と、パルプ20wt%~35wt%とを含むように構成してもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記吸水性ボードは、バスマット、コースター、石けん受け、鉢皿および洗浄後の食器を載せる水切りマットのいずれかの用途に用いられることが好ましい。
本発明に係る吸水性ボードの製造方法は、ガラス発泡材を含有する吸水性ボードの強度を高めるとともに、表面の凹凸の発生を防ぐという課題を解決するために、粉末状にしたガラス発泡材、珪砂、消石灰およびパルプを水に混ぜてスラリー状の生地を作成する生地作成工程と、スラリー状の前記生地を所定の厚さの板状に形成する板状生地形成工程と、板状に形成された前記生地を加熱しながら含水量が40%以下になるまで乾燥させる第1乾燥工程と、含水量を40%以下まで乾燥させた前記生地を大気圧以上に加圧しながら加熱して固化させる固化工程と、固化させた板状の前記生地を第1乾燥工程より高温で加熱しながら含水量を15%以下に乾燥させる第2乾燥工程とを有する。
また、本発明の一態様として、前記第1乾燥工程では、前記生地を30℃~50℃の温度範囲内で加熱し、前記第2乾燥工程では、前記生地を90℃~100℃の温度範囲内で加熱するようにしてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記固化工程では、最大圧力1Mpa以下の環境下において温度180℃で24時間~48時間加熱するようにしてもよい。
また、本発明の一態様として、生地の固化を効率よく行うという課題を解決するために、前記第1乾燥工程と前記固化工程との間に、前記第1乾燥工程により乾燥した複数枚の前記生地を上下方向に重ね合わせるとともに、所定枚数毎に、上下方向に貫通した通気孔を有する金属製パットを配置するスタッキング工程を有するようにしてもよい。
本発明によれば、強度の向上や脆性の改善を図ることで切削などの加工を行うことができ、かつ歩留まりを良くすることができる。
本発明に係る吸水性ボードの製造方法の実施形態を示す模式図である。 本実施形態の各製造工程の流れを示すフロー図である。 本実施形態におけるスタッキング工程で用いる金属製パットを示す斜視図である。 本発明に係る吸水性ボードをバスマットに加工した状態を示す写真画像である。
以下、本発明に係る吸水性ボードおよびその製造方法の一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の吸水性ボードの製造方法は、図1および図2に示すように、原材料Pを水Wに混ぜてスラリー状の生地Mを作成する生地作成工程と、スラリー状の生地Mを所定の厚さの板状に形成する板状生地形成工程S2と、板状に形成された生地Mを乾燥させる第1乾燥工程S3と、乾燥させた生地Mを金属製パット8とともに重ね合わせるスタッキング工程S4と、スタッキングした生地Mを加圧しながら加熱して固化させる固化工程S5と、固化させた板状の生地Mを乾燥させる第2乾燥工程S6と、第2乾燥工程S6により形成された吸水性ボード1を、切削加工や研磨加工などにより所定の製品に加工する製品加工工程S7とを有する。以下、各工程について詳細に説明する。
生地作成工程S1は、原材料Pと水Wとを混ぜて、吸水性ボード1の素となる生地Mを作成する工程である。本実施形態では、原材料Pの成分として、吸水性を有するガラス発泡材とともに、珪砂、消石灰およびパルプを含ませている。珪砂は吸水性ボード1の強度や硬度を高めるため、消石灰は生地Mの固形化のため、パルプは吸水性ボード1の靱性を高めてひび割れなどを防止するためにそれぞれ含有される。
また、ガラス発泡材は粉末状にして、予め珪砂と混ぜ合わせている。本実施形態では、ガラス発泡材の平均粒径を約60~320メッシュ、珪砂の平均粒径を60~260メッシュ、消石灰の平均粒径を200~320メッシュにしている。パルプは均等に溶かすために予め水Wに浸しておく。また、吸水性ボード1に着色する場合には、色粉を消石灰に混ぜ合わせるとよい。そして、各成分を水に混ぜ、ミキサー2によって攪拌することによりスラリー状の生地Mを作成する。
このとき、各原材料Pの配合割合(成分比率)は、ガラス発泡材を30wt%~50wt%とするのが好ましく、45wt%とするのがより好ましい。一方、ガラス発泡材の配合割合が当該範囲より多い場合には、板状生地形成工程S2において生地を板状に形成する際に生地がまとまらず、板状に形成できなくなる。また、ガラス発泡材の配合割合が当該範囲より少ない場合には、後述する実施例2に示すように、製造した吸水性ボードの吸水率が低くなるとともに、吸水速度が遅くなり、吸水性能が低下してしまい好ましくない。
また、珪砂の配合割合は5wt%~15wtが好ましく、10wt%とするのがより好ましい。一方、珪砂は、後述する実施例2に示すように、配合割合にほぼ比例して密度が高くなり、当該範囲より少ない場合には強度が低くなって一般的な珪藻土のバスマットに比べて壊れやすくなり好ましくない。
さらに、消石灰の配合割合は15wt%~35wt%が好ましく、25wt%とするのがより好ましい。一方、消石灰は、後述する実施例2に示すように、配合割合にほぼ反比例して吸水率が低くなることから、消石灰の配合割合が当該範囲より多い場合には、吸水率および吸水速度が大きく低下してしまう。また、消石灰の配合割合が当該範囲より少ない場合には、生地のまとまりが悪くなり、ガラス発泡材の配合割合が多い場合と同様に、板状生地形成工程S2において生地を板状に形成する際に生地がまとまらず、板状に形成できなくなり好ましくない。
また、パルプの配合割合は20wt%~35wt%が好ましく、20wt%とするのがより好ましい。一方、パルプの配合割合が当該範囲より多い場合には、固化工程S5においてオートクレープ養生がしきれなくなる。また、パルプは、後述する実施例2に示すように、配合割合にほぼ比例して吸水率および吸水速度が低くなることから、配合割合が当該範囲より多い場合には、吸水率および吸水速度が大きく低下してしまい好ましくない。
よって、本実施形態では、各原材料Pおよび水は、吸水性能や強度とともに、製造工程における生地の状態やオートクレープ養生の状態を考慮して、各配合割合がこれらの規定値になるように計量した上でミキサー2に投入される。
板状生地形成工程S2は、前記生地作成工程S1において作成したスラリー状の生地Mを板状にする工程である。本実施形態では、所定の厚さを有する板状の生地Mを連続的に形成するため、ベルトコンベア3と、このベルトコンベア3で運ばれた生地Mを巻き取るローラー4とを有している。
具体的には、稼働するベルトコンベア3の上に、スラリー状の生地Mを流し置く。ベルトコンベア3のベルトは透水性を有するフェルトなどの不織布からできており、スラリー状の生地Mは運ばれる間に水分が抜けた粘土状になる。
ローラー4はベルトコンベア3の終端部に設置されており、生地Mを巻き取る回数が所定の回数となったところで生地Mをローラー4から剥がし取ることができるようになっている。つまり剥がし取るまでの巻き取り回数によって板状の生地Mの厚さを調整することができる。本実施形態では、巻き取る前の生地Mの厚さは約1.1mm~1.7mm程度であるところ、ローラー4が4回~12回転した後に巻き取った生地Mを剥がし取ることで、生地Mの厚さを約4.4mm~20.4mmに調整することができる。この板状生地形成工程S2により形成する板状の生地Mの厚さは、その後の乾燥工程などによって水分が抜けることによる縮みなどを考慮して、製品となる吸水性ボード1の設計上の厚さよりも若干(0.5mm~2.0mm程度)厚くしている。
そして、所定の厚さに形成された生地Mは、幅1220mm、長さ2440mmの大きさに裁断され、スタッキングマシン(図示しない)によって台車6に10枚程度重ねて載せられる。
なお、板状生地形成工程S2は、上述したようなベルトコンベア3とローラー4によって形成する工程に限定されるものではなく、型枠などにスラリー状の生地Mを流し入れて作成してもよい。
第1乾燥工程S3は、生地Mの含水量を低下させることが主な目的であり、具体的には、板状に形成された生地Mを加熱しながら、生地Mの含水量が40%以下になるまで乾燥させる工程である。本実施形態における第1乾燥工程S3では、トンネル式の乾燥機5を用いている。
第1乾燥工程S3のトンネル式の乾燥機5は、長さが約48m、高さおよび幅が約2.5mのトンネル状に形成された乾燥用搬送路51と、この乾燥用搬送路51の内部に配置された熱交換器(図示しない)とを有しており、床面には前記生地Mを載せた台車6が走行可能なレールが敷設されている。また前記乾燥用搬送路51には、水蒸気を外部に排気するための排気口53が2m間隔で設けられている。また、前記乾燥用搬送路の入口と出口には、上部および下部に熱風を吹き出す熱風吹出部(図示しない)が設けられており、上下方向から熱風をカーテンのように吹き出すことで、前記入口および前記出口から内部に温度の低い空気が流れ込まないように構成されている。
板状に形成された生地Mは、台車6に載せられた状態でトンネル内に搬入される。本実施形態では、複数台の台車6を乾燥用搬送路51の内部に並べて乾燥させる。
生地Mは、乾燥用搬送路51の内部で熱交換器による熱で加熱され、水分が徐々に蒸発する。蒸発して出た水蒸気は排気口53を介してトンネルの外部に排出される。よって、トンネル内部の空気は飽和水蒸気量に達することなく、生地Mは乾燥が進み含水量を40%以下にすることができる。本実施形態における含水量とは、水分率とも呼ばれるものであり、生地Mが含有している水分の割合を質量の百分率で表示したものである。測定方法は、乾燥減量法による方法のほか、市販の水分計等を用いて計測してもよい。本実施形態では、トンネル内部の温度を30℃~50℃の温度範囲に保ち、内部で約10時間~24時間加熱することで、含水量を40%以下にしている。このように第1乾燥工程S3において生地Mの含水量が40%以下にすることで、後述する固化工程S5における固化時間や第2乾燥工程S6による乾燥時間を短縮できる。一方、乾燥温度が当該範囲より高い場合には乾燥時間は短縮されるがひび割れが生じてしまう。また、乾燥温度が当該範囲より低い場合には含水量を40%以下にするまでに多くの時間を要してしまう。
スタッキング工程S4は、生地Mの固化を効率よく行うために、第1乾燥工程S3と固化工程S5との間に行う工程である。つまり、本実施形態における固化工程S5は、生地Mを加圧しながら加熱することのできるオートクレープ8を用いるが、このオートクレープ8に一度に入れられるボード枚数を増やすことで固化に関わる生産効率を上げるために行う工程である。
具体的には、第1乾燥工程S3により乾燥した複数枚の生地Mをスタッキングマシン(図示しない)によって上下方向に重ね合わせる。また、生地Mを重ね合わせると、上下端の生地Mと中央の生地Mとで加熱むらが生じるため、熱が内部まで伝わるように、所定枚数毎に金属製パット7を配置する。金属製パット7は、図3に示すように、上下方向に貫通した通気口71が形成されており、本実施形態では、伝熱性と耐腐食性を考慮してステンレスによって形成されている。本実施形態では、台車6の上に板状の生地Mを10枚重ねる毎に金属製パット7を1枚配置する。
固化工程S5は、第1乾燥工程S3によって含水量が40%以下まで乾燥させた生地Mを大気圧以上に加圧しながら加熱して固化させる工程である。本実施形態では、スタッキング工程S4において台車6に載せられた生地Mをオートクレープ8内に入れ、最大圧力1Mpa以下で、一般的なガラスが軟化する温度(約730℃前後)よりも低い温度180℃で約24時間~48時間加熱する。これにより、ガラス発泡材が備える多数の孔の形状を維持しながら生地Mを固化させることができる。また、温度180℃で加熱することにより生地Mを殺菌することもできる。
このとき金属製パット7が熱を生地Mの中心側に伝えるため、加熱むらを少なくすることができる。また、金属製パット7の通気口71を介して蒸発した水蒸気を生地の外側に逃がすことができる。
なお、最大圧力が1Mpaより高い場合または加熱温度が180℃を超える場合には、水和反応によって製品が硬くなり切削などの加工が難しくなる。特に、最大圧力が3Mpaまたは加熱温度が300℃を超えると成分変化も起こり好ましくない。
また、加熱時間が当該範囲より短い場合には水和反応が不十分になり固化しない。また、加熱時間が当該範囲より長い場合には、十分な水和反応を得られるものの、加熱に要する燃料コストが高額になり好ましくない。
第2乾燥工程S6では、固化させた板状の生地Mを第1乾燥工程S3より高温で加熱して、生地Mの含水量を15%以下になるように乾燥させる工程である。本実施形態における第2乾燥工程S6では、第1乾燥工程S3と同様にトンネル式の乾燥機5を用い、生地Mを立てた状態でコンベア52に載せて搬入し、乾燥させる。ここで第2乾燥工程S6における乾燥温度は、十分に乾燥させるため、第1乾燥工程S3の乾燥温度より高温の90℃~100℃の温度範囲内で加熱する。本実施形態では、ひび割れを防止するため、トンネル式乾燥機5内で4時間~72時間加熱し、含水量を15%以下にしている。これにより、表面に凹凸の少ない吸水性ボード1が完成する。
製品加工工程S7は、吸水性ボード1を必要に応じて加工する工程である。本実施形態では、吸水性ボード1をフライス盤等の切削加工機9やサンドマシーン等の研磨加工機(図示しない)などにより、バスマット、コースター、石けん受け、鉢皿および洗浄後の食器を載せる水切りマットなどに加工する。
以上のような本実施形態の吸水性ボードおよびその製造方法によれば、以下の効果を奏することができる。
1.乾燥や固化を低温で時間をかけて行うことで表面に凹凸の少ない吸水性ボード1を製造することができ、不良品の発生を低減させることによりに歩留まりを抑制することができる。
2.吸水性ボード1は、含まれるパルプなどによって強度が増しているため、切削加工などで様々な製品を作り出すことができる。
3.吸水性ボード1は、ガラスの軟化温度より低い温度で製造されるためガラス発泡材の備えている多孔を残したまま固化できるため、高い吸水性を発揮することができる。
4.複数枚重ねた生地Mの途中に金属製パット7を配置することにより、加熱むらを抑制しながら多数のボードを固化させることができる。
5.主原料であるガラス発泡材は空き瓶などのガラス製品をリサイクルして製造されるため、持続可能な社会の実現に寄与することができる。
次に、本発明に係る吸水性ボードの製造方法により製造した吸水性ボードの実施例について説明する。
本実施例1では、本発明に係る吸水性ボードの製造方法により、ガラス発泡材45wt%、珪砂10wt%、消石灰25wt%およびパルプ20wt%の吸水性ボードを製造し、その衝撃試験、曲げ強度試験および吸水性能試験を行った。
まず、衝撃試験について説明する。衝撃試験は、中国の国家標準(標準名: JC/T 564.1-2008 ケイ酸カルシウムボード加工業界標準)に規定された方法に基づき行った。試験結果を表1にまとめる。
ここで、表1における方向は、製造ライン動線方向(つまりベルトコンベアが流れる方向)を「縦方向」、この縦方向と直交する方向を「横方向」とし、横方向に沿って荷重を加えた場合を「横方向」、縦方向に沿って荷重を加えた場合を「縦方向」として定義したものである。
表1に示すように、横方向における衝撃強度の平均値は3.22(KJ/m)であり、縦方向の平均値1.90(KJ/m)に比べて強かった。縦横の平均値は2.56(KJ/m)であった。
次に、曲げ強度試験は、試料の両端を支えて中央に荷重を加える3点曲げ法で行った。曲げ強度RはR=3PL/2beの式により算出した。ここで、Pは吸水性ボードが破壊されたときの最大荷重(N)、Lは支点間間隔(mm)、bは正方形試料の辺長(mm)、eは正方形試料の厚み(mm)である。
試験結果を表2にまとめる。ここで横方向は試料において製造ライン動線方向に沿った方向の両端を支持して試験を行った結果であり、縦方向は試料において製造ライン動線方向に直交する方向の両端を支持して試験を行った結果である。
表2に示すように、横方向における曲げ強度の平均値は13.47(N/mm)であり、縦方向の平均値10.53(N/mm)に比べて強かった。縦横の平均値は12.00(N/mm)であった。
また、各原材料Pの成分の配合割合をガラス発泡材30wt%~50wt%、珪砂5wt%~15wt、消石灰15wt%~35wt%およびパルプ20wt%~35wt%となるように組み合わせた吸水性ボードの曲げ強度も計測したところ、曲げ強度Rは9~12(N/mm)の範囲であった。一般的な珪藻土を用いたバスマットの曲げ強度Rが8~10(N/mm)程度であることを考慮すると、荷重として人間の体重をかけても耐えうる曲げ強度を有することが確認できた。また、ガラス発泡材と珪砂の合計が70wt%以上になると強度が低下することもわかった。
次に、吸水性ボードの吸水性能試験を行った。本試験では試料を水を溜めたタンクに入れて完全に沈むまで浸した状態で気泡が出なくなる(吸水しなくなる飽和状態)まで放置した後、浸す前の重量と浸した後の重量の差から吸水率を算出した。試験結果を表3に示す。
表3に示すように、本実施例1における吸水性ボードの吸水率は約50%であり、原材料となるガラス発泡材の吸水率が20%程度であることを考慮すると、そのままボードとして使用するよりも高い吸水性能を得ることができた。
次に、本実施例1では、本発明に係る吸水性ボードをバスマットの大きさに電動ノコギリを用いて切断し、サンドマシーンによって表面を研磨してバスマットに加工した。図4は、バスマットに加工された吸水性ボードを撮影した写真画像である。この図4に示すように、切削加工によってボード角部が欠けることなく吸水ボードから所定の大きさに切断することができた。また、表面を研磨することで、ざらざら感を無くし、つるっとした表面に仕上げることができた。
次に、実施例2では、ガラス発泡材、珪砂、消石灰およびパルプの配合割合を変えて、本発明に係る吸水性ボードの製造方法により吸水性ボードを製造し、各試料(吸水性ボード)の密度、吸水率、吸水速度および曲げ強度について追加試験を行った。密度は、試料の重さ(質量)を計測し、試料の容積で割ることで算出した。このときの試料は、一辺10cmの正方形でかつ厚さ0.9cmの立方形状とした。また、吸水速度は、試料に水滴を滴下し完全に吸収されるまでの時間とした。吸水速度の計測は、目視とストップウォッチにより行った。吸水率および曲げ強度については、実施例1と同じ試験方法を用いた。
各原材料の配合割合および試験結果について表4にまとめる。
表4に示すように、本実施例2における吸水性ボードを製造する際の各原材料の配合割合(成分比率)は、配合割合1~配合割合5の5通りである。ガラス発泡材については、配合割合1~配合割合5の順に配合割合を増加させた。これに対し、珪砂、消石灰およびパルプについては、配合割合1~配合割合5の順に配合割合を減少させた。
また、それぞれの配合割合毎に試料を5枚ずつ(N1~N5)製造し、各試料の密度、吸水率、吸水速度および曲げ強度を計測した。また、各計測値の平均値を算出した。
その結果、密度および曲げ強度は、ガラス発泡材の配合割合が増加するに従い(または珪砂の配合割合が減少するに従い)各平均値が低下した。一般的な珪藻土を用いたバスマットの曲げ強度Rが8~10(MPa(N/mm))程度であることを考慮すると、配合割合が50wt%を超えたり、珪砂の配合割合が5wt%未満になると一般的な珪藻土のバスマットよりも強度が低下してしまい、好ましくないことがわかった。
一方、ガラス発泡材の配合割合が減少させ、珪砂、消石灰およびパルプの割合を増加させると、曲げ強度は高くなるものの、吸水率および吸水速度が低下することがわかった。特に、ガラス発泡材の配合割合を30wt%未満とした配合割合1および配合割合2では、吸水率が約30%以下と大きく低下した。これに対し、ガラス発泡材の配合割合を30wt%以上とした配合割合3~配合割合5については吸水率が40%以上となった。つまり、消石灰およびパルプの配合割合を増加させると、曲り強度は高まるものの、配合割合1の35wt%よりも増加させる場合には、吸水率が26%以下となって好ましくないことがわかった。
以上より、ガラス発泡材の配合割合は、吸水率や曲げ強度などを考慮すると、30wt%~50wt%の範囲にすることが好ましく、それに合わせて吸水率や曲げ強度および製造工程などの効率を考慮して珪砂、消石灰およびパルプの配合割合を規定するのが好ましいことがわかった。
なお、本発明に係る吸水性ボードおよびその製造方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、製品加工工程S7において加工されてできる製品は、ボード状のものに限定されるものではなく、吸水性を要する様々な製品に用いてもよい。また、本発明に係る吸水性ボードの製造方法におけるスタッキング工程S4は、上述の通り、固化工程S5のオートクレープ8に一度に入れられるボード枚数を増やすことで固化に関わる生産効率を上げるために行う工程であって、当該工程を有していなくても、他の工程(S1~S3、S5)によって歩留の抑制や強度増、高い吸水性の確保や持続可能な社会の実現に寄与などの効果を得ることができる。
1 吸水性ボード
2 ミキサー
3 ベルトコンベア
4 ローラー
5 乾燥機
51 乾燥用搬送路
52 コンベア
53 排気口
6 台車
7 金属製パット
71 通気口
8 オートクレープ
9 切削加工機
P 原材料
W 水
M 生地

Claims (4)

  1. ガラス質廃材を粉砕して得られるガラス質配合粉に炭化珪素を添加した混合粉をガラスの軟化点以上に加熱焼成して得られた吸水性を有するガラス発泡材を含有する吸水性ボードの製造方法であって、前記ガラス発泡材とともに、珪砂、消石灰およびパルプを含み、製造過程における原材料の成分の配合割合として、前記ガラス発泡材30wt%~50wt%と、前記珪砂5wt%~15wtと、前記消石灰15wt%~35wt%と、前記パルプ20wt%~35wt%とする工程を含む前記吸水性ボードの製造方法
  2. ガラス質廃材を粉砕して得られるガラス質配合粉に炭化珪素を添加した混合粉をガラスの軟化点以上に加熱焼成して得られた吸水性を有するガラス発泡材を含有する吸水性ボードを製造する方法であって、
    粉末状にした前記ガラス発泡材、珪砂、消石灰およびパルプの配合割合前記ガラス発泡材30wt%~50wt%と、前記珪砂5wt%~15wtと、前記消石灰15wt%~35wt%と、前記パルプ20wt%~35wt%として、水に混ぜてスラリー状の生地を作成する生地作成工程と、
    スラリー状の前記生地を所定の厚さの板状に形成する板状生地形成工程と、
    板状に形成された前記生地を加熱しながら含水量が40%以下になるまで乾燥させる第1乾燥工程と、
    含水量を40%以下まで乾燥させた前記生地を大気圧以上でかつ最大圧力1Mpa以下の環境下において温度180℃で24時間~48時間加熱して固化させる固化工程と、
    固化させた板状の前記生地を第1乾燥工程より高温で加熱しながら含水量を15%以下に乾燥させる第2乾燥工程と
    を有する、吸水性ボードの製造方法。
  3. 前記第1乾燥工程では、前記生地を30℃~50℃の温度範囲内で加熱し、前記第2乾燥工程では、前記生地を90℃~100℃の温度範囲内で加熱する、請求項2に記載の吸水性ボードの製造方法。
  4. 前記第1乾燥工程と前記固化工程との間に、前記第1乾燥工程により乾燥した複数枚の前記生地を上下方向に重ね合わせるとともに、所定枚数毎に、上下方向に貫通した通気孔を有する金属製パットを配置するスタッキング工程を有する、請求項2または請求項3に記載の吸水性ボードの製造方法。
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