JP7444676B2 - 車両用外装パネル - Google Patents

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Description

本開示は、車両用外装パネルに関する。
従来から、インナパネルとアウタパネルとが接合されてなる車両用外装パネルが知られている。このような外装パネルは、インナパネルとアウタパネルとの間に内部空間を有している。外装パネルの内部空間には、ワイヤーハーネスなどの線状部品が外部から挿通され、車両に装備されたランプなどの電気部品に接続される(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-142230号公報
上述した外装パネルにおいては、インナパネルまたはアウタパネルに線状部品を外部から内部空間に挿通させるための挿通孔を設ける必要がある。そのため、車外の音が挿通孔を通じて外装パネルの内部空間に入り、内部空間の奥側に抜けて車室内へと伝搬することがある。これに起因して、車室内に車外の騒音が及ぶと、車室内にいる人の快適性が損なわれるおそれがある。
本開示の技術は、車外から外装パネルの内部空間を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減することを目的とする。
本開示の技術は、車両用外装パネルを対象とする。この車両用外装パネルは、インナパネルと、インナパネルに接合されたアウタパネルとを備える。インナパネルとアウタパネルとの間には、内部空間が形成される。その内部空間には、外部から線状部品が挿通される。
本開示の第1態様は、インナパネルとアウタパネルとの間の内部空間に、インナパネルとアウタパネルとの接合体のうち外部から線状部品が挿通される部位を通して当該内部空間の奥側に抜ける音を低減する減音室が設けられている、車両用外装パネルである。
本開示の第2態様は、第1態様の車両用外装パネルにおいて、インナパネルとアウタパネルとの接合体に、線状部品を外部から減音室に挿通させるための第1挿通路と、線状部品を減音室から内部空間における他の空間に挿通させるための第2挿通路とが形成された、車両用外装パネルである。そして、第2挿通路の内面と線状部品との間には、両者の間を密閉するシール部材が設けられている。
本開示の第3態様は、第2態様の車両用外装パネルにおいて、第1挿通路の内面と線状部品との間にも、両者の間を密閉するシール部材が設けられている、車両用外装パネルである。
本開示の第4態様は、第1~第3態様のいずれか1つの車両用外装パネルにおいて、減音室が、インナパネルおよびアウタパネルの少なくとも一方に設けられた隔壁によって内部空間における他の空間と仕切られている、車両用外装パネルである。
上記第1態様の車両用外装パネルによれば、インナパネルとアウタパネルとの間の内部空間に減音室が設けられ、それら両パネルの接合体のうち外部から線状部品が挿通される部位を通して当該内部空間の奥側に抜ける音が減音室で低減される。それにより、車外から外装パネルの内部空間を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減できる。
上記第2態様の車両用外装パネルによれば、線状部品を減音室から内部空間における他の空間に挿通させるための第2挿通路の内面と線状部品との間に、両者の間を密閉するシール部材が設けられているので、減音室からその外側の内部空間に第2挿通路を通じて漏れる音を低減できる。このことは、車外から外装パネルの内部空間を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減するのに有利である。
上記第3態様の車両用外装パネルによれば、外部から減音室に線状部品を挿通させるための第1挿通路の内面と線状部品との間にも、両者の間を密閉するシール部材が設けられているので、車外から減音室に入る音を低減できる。このことは、車外から外装パネルの内部空間を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減するのに有利である。
上記第4態様の車両用外装パネルによれば、減音室がインナパネルおよびアウタパネルの少なくとも一方に設けられた隔壁によって内部空間における他の空間と仕切られているので、インナパネルおよびアウタパネルとは別個の部品を用いて減音室を設ける場合に比べて、車両用外装パネルの部品点数を削減できる。
図1は、第1実施形態の車両用バックドアの斜視図である。 図2は、図1のII-II線におけるバックドアの断面図である。 図3は、図2のIIIで囲んだバックドアの要部を示す断面図である。 図4は、図3のIV-IV線におけるバックドアの要部を示す断面図である。 図5は、第1実施形態の車両用バックドアの要部を示す分解斜視図である。 図6は、第2実施形態の車両用バックドアの図3相当図である。 図7は、第2実施形態の車両用バックドアの図4相当図である。 図8は、第2実施形態の車両用バックドアを製造する過程で減音室に発泡樹脂を充填するときの作業を示す断面図である。
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、本開示の技術に係る車両用外装パネルとして、バックドアを例に挙げて説明する。
なお、以下の実施形態においては、説明の便宜上、車両前後方向における前側を「前」、後側を「後」と称し、車両前方を向いて車幅方向における左側を「左」、右側を「右」と称し、車高方向における上側を「上」、下側を「下」と称する。また、この実施形態のバックドアについて、車両後部のバックドア開口を閉じた状態での姿勢を前提に説明する。
《第1実施形態》
図1は、この第1実施形態の車両用バックドア1の斜視図である。図2は、図1のII-II線におけるバックドア1の断面図である。図3は、図2のIIIで囲んだバックドア1の要部を示す断面図である。図4は、図3のIV-IV線におけるバックドア1の要部を示す断面図である。図5は、この第1実施形態の車両用バックドア1の要部を示す分解斜視図である。
図1に示すバックドア1は、ハッチバック車の車体本体101の後部に設けられたバックドア開口103を開閉する上下開閉式のバックドアである。図2に示すように、このバックドア1は、車内側に位置するインナパネル3と、車外側(後側)に位置するアウタパネル5と、窓パネル7とを主たる構成として備える。インナパネル3、アウタパネル5および窓パネル7は、接合体としてのバックドア本体2を構成している。
インナパネル3は、一枚物の樹脂製パネルであって、射出成形などにより成形される樹脂成形品である。インナパネル3は、繊維補強材を含有する熱可塑性樹脂からなる。例えば、インナパネル3の材料には、ガラス繊維入りのポリプロピレン(PP-GF:Polypropylene Glass Fiber)や、炭素繊維入りのポリプロピレン(PP-CF:Polypropylene Carbon Fiber)、セルロースナノファイバー入りのポリプロピレン(PP-CNF:Polypropylene Cellulose Nanofiber)が用いられる。
インナパネル3の上半部分には、車幅方向に延びる略台形状の窓用開口9が形成されている。インナパネル3の窓用開口9の周縁部分には、アウタパネル5側に向けて後方に立ち上がった内側立ち壁11と、内側立ち壁11の後端から窓用開口9の内方へ突出した内側接合片13とが設けられている。また、インナパネル3の外周縁部には、アウタパネル5側に向けて後方に立ち上がった外側立ち壁15と、外側立ち壁15の後端から外周側へ突出した外側接合片17とが設けられている。
図3にも示すように、インナパネル3のうち窓用開口9よりも上側の部分であるインナパネル上部3aは、アウタパネル5側の面が上側に臨み、前後方向に延びる形状とされている。インナパネル上部3aの下側には、ハイマウントストップランプ19が装備されている。ハイマウントストップランプ19は、窓パネル7を介して後方に向けて点灯する。インナパネル上部3aには、後述するハーネス47の一部を挿通するための挿通孔21が形成されている。ハーネス47の一部は、その挿通孔21に挿通されてハイマウントストップランプ19に接続される。また、インナパネル上部3aには、ハイマウントストップランプ19をカバーするランプカバー23が車内側から取り付けられている。
図示しないが、インナパネル3の下縁部を構成する外側立ち壁15に設けられたラッチ取付部には、ラッチが取り付けられている。ラッチは、車体本体101のうちバックドア開口103の下縁部に設けられたストライカに着脱自在に係合する装置である。ラッチとストライカとは、互いに協働してバックドア1を閉じた状態で車体本体101にロックする。また、インナパネル3のうち窓用開口9の直ぐ下側に設けられた装置取付部25には、窓パネル7を払拭するワイパー装置が取り付けられる。
インナパネル3のうち窓用開口9よりも下側の部分であるインナパネル下部3bには、車内側からアウタパネル5側に向けて後方に凹んだ凹状部27が設けられている。図示しないが、凹状部27には、ラッチ取付部にラッチを取り付けたり、ワイパー装置やラッチにハーネスを配線したりするための取付用ないしメンテナンス用の開口が形成されている。インナパネル下部3bには、凹状部27の開口と装置取付部25とを覆うようにドアトリム29が前方から取り付けられる。
アウタパネル5は、上下に二分割されている。アウタパネル5は、下側に位置するロアアウタパネル31と、上側に位置するアッパアウタパネル33とを備える。ロアアウタパネル31およびアッパアウタパネル33はいずれも、射出成形などによって成形される樹脂成形品である。例えば、ロアアウタパネル31およびアッパアウタパネル33はそれぞれ、タルク入りポリプロピレン(PP-T:Polypropylene Talc)やそれにエチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM:Ethylene Propylene Diene Monomer)を混合した合成樹脂からなる。
ロアアウタパネル31は、インナパネル下部3bに対応した形状のパネルである。ロアアウタパネル31は、インナパネル下部3bと前後方向において対向している。ロアアウタパネルの周縁部は、インナパネル下部3bの外側接合片17に接着剤で接合されている。インナパネル3とロアアウタパネル31との間には、内部空間35が形成されている。ロアアウタパネル31の左右両側にはそれぞれ、テールランプ37が設けられている。
ロアアウタパネル31に設けられたプレート取付部39には、ライセンスプレート(不図示)が取り付けられる。プレート取付部39の上側には、ライセンスプレートを照明するプレートランプ(不図示)が設けられている。ロアアウタパネル31の上端縁には、リップ形状のシール部材41が設けられている。このシール部材41は、窓パネル7の表面に密着し、内部空間35への水分などの侵入を阻害すると共に、ロアアウタパネル31と窓パネル7との間に見える隙間をなくして、バックドア1の見栄えを良くする。
アッパアウタパネル33は、インナパネル上部3aに対応した形状で左右方向に延びる横長のパネルである。アッパアウタパネル33は、インナパネル上部3aに上方から被さるように対向している。アッパアウタパネル33の周縁部は、インナパネル上部3aの内側接合片13および外側接合片17に後方から接着剤で接合されている。アッパアウタパネル33は、後方に向かって延びるリヤスポイラ43を構成している。リヤスポイラ43は、側面視で略三角形状をなすように形成され、前方に開放された中空部を有する。インナパネル上部3aとアッパアウタパネル33との間には、内部空間45が形成されている。
窓パネル7は、バックドア本体2の左右両端に亘って車幅方向に延びる横長のパネルである。窓パネル7は、ロアアウタパネル31とアッパアウタパネル33との間に配置されている。窓パネル7は、インナパネル3の内側接合片13のうち左右両側を上下方向に延びる各部分および下側を左右方向に延びる部分と、アッパアウタパネル33の下縁部分とに接着剤で接合されている。窓パネル7は、インナパネル3の窓用開口9を後側で閉塞している。図示しないが、窓パネル7は、窓用開口9に対応する透明な窓領域と、窓領域の外側に位置する黒色の隠蔽層が設けられた隠蔽領域とを有している。
バックドア本体2のうちインナパネル上部3aとアッパアウタパネル33との間の内部空間45には、ハーネス47がバックドア本体2の外部から挿通される。ハーネス47は、ハイマウントストップランプ19、テールランプ37、プレートランプ、ワイパー装置およびラッチなどに接続される配線類を束ねたアセンブリである。ハーネス47は、線状部品の一例である。インナパネル上部3aの前端部に設けられた外側立ち壁15には、ハーネス47を挿通するための第1挿通孔51が形成されている。第1挿通孔51は、第1挿通路53を構成している。
ハーネス47は、車体本体101の内部からその後端部に形成された挿通孔105を通してバックドア本体2の第1挿通孔51に挿入される。車体本体101とバックドア本体2との間には、ハーネス47が挿通された配線管55が設けられている。配線管55は、ゴム製の管体である。配線管55は、シール部材の一例である。配線管55の少なくとも一部は、蛇腹形状に形成されており、バックドア1の開閉動作に対応し得る可撓性を有している。配線管55は、車体本体101とバックドア本体2とを連結し、車体本体101およびバックドア本体2の内部空間同士を連通させる。
配線管55の一方の開口端部55aは、車体本体101の挿通孔105の周縁と嵌合する。当該一方の開口端部55aは、車体本体101の挿通孔105の内面とハーネス47との間に設けられ、それら挿通孔105の内面とハーネス47との間を密閉する。配線管55の他方の開口端部55bは、バックドア本体2の第1挿通孔51の周縁と嵌合する。当該他方の開口端部55bは、第1挿通孔51の内面とハーネス47との間に設けられ、それら第1挿通孔51の内面とハーネス47との間を密閉する。
車外の音は、バックドア本体2のうち外部からハーネス47が挿通される部位、つまりインナパネル上部3aの第1挿通孔51が形成された部位を通して内部空間45に入る。内部空間45に入った音がその奥側(第1挿通孔51の位置を基準としたときの内部空間45の奥側、つまり後側)に抜けると、インナパネル上部3aに形成された挿通孔21、バックドア本体2とランプカバー23との間の隙間などを経て車室内へと伝搬する。
そこで、図3~図5に示すように、本実施形態のバックドア1において、インナパネル上部3aとアッパアウタパネル33との間の内部空間45には、減音室61が設けられている。減音室61は、インナパネル上部3aに設けられた隔壁63によって内部空間45における他の一般空間65と仕切られている。隔壁63は、第1挿通孔51の直ぐ後側の空間を減音室61として囲うように設けられている。すなわち、隔壁63は、内部空間45を、相対的に小さな空間である減音室61と、相対的に大きな空間である一般空間65とに仕切っている。
減音室61は、第1挿通孔51が形成された外側立ち壁15の一部と隔壁63とにより区画されている。隔壁63とアッパアウタパネル33との間には、隙間(クリアランス)が設けられている。隔壁63には、ハーネス47を挿通するための第2挿通孔67が形成されている。第2挿通孔67は、隔壁63のうち第1挿通孔51の後側に対応する部分に位置している。第2挿通孔67は、上方を開放させた切欠き状に形成されている。第2挿通孔67とアッパアウタパネル33との間に形成される通路は、第2挿通路69を構成している。
隔壁63のアッパアウタパネル33側の端部には、減音室61の内外に跨るように第1シール部材71が設けられている。第1シール部材71は、隔壁63の周方向における略全周に亘って設けられている。第1シール部材71は、隔壁63における第2挿通孔67の内面を含む端部にも、第2挿通孔67の内面に沿わせて設けられている。第1シール部材71は、隔壁63とアッパアウタパネル33との間の隙間を塞いで、これら隔壁63とアッパアウタパネル33との間を密閉する。
ハーネス47は、第1シール部材71が設けられた第1挿通孔51の内側を挿通させた状態で内部空間45に配置される。ハーネス47には、Oリング状の第2シール部材73が装着されている。第2シール部材73は、ハーネス47のうち第2挿通路69(第2挿通孔67)の内側に位置する部分に配置されている。第2シール部材73は、第2挿通路69の内面とハーネス47との間を第1シール部材71と共に密閉する。第2挿通路69の内面は、第2挿通孔67の内面と、その内面に対向するアッパアウタパネル33の内部空間45側の面とである。すなわち、第2シール部材73は、ハーネス47と第2挿通孔67の内面との間の隙間を第1シール部材71と共に塞いで密閉し、且つハーネス47とアッパアウタパネル33との間の隙間を塞いで密閉する。
第1シール部材71および第2シール部材73は、柔軟性と弾力性を併せ持つゴム材料やエラストマー、樹脂材料からなる。例えば、第1シール部材71および第2シール部材73はそれぞれ、EPDMゴムなどを主成分とする発泡ゴム(ゴムスポンジ)からなる。発泡ゴムは、低密度で柔軟性にも弾力性にも優れ、吸音機能を有するため、第1シール部材71および第2シール部材73の材料に適している。発泡ゴムは、連続気泡の発泡ゴムである。発泡ゴムは、独立気泡の発泡ゴムであってもよい。
減音室61は、第1シール部材71および第2シール部材73によって密閉された空間となっている。車外の音は、配線管55を透過した後、インナパネル上部3aの第1挿通孔51が形成された部位を通過して内部空間45のうち減音室61に入る。減音室61に入った音は、隔壁63により遮音されると共に、第1シール部材71および第2シール部材73により吸音される。そのため、減音室61から一般空間65への音の伝搬が阻害される。これにより、減音室61は、インナパネル上部3aの第1挿通孔51が形成された部位を通して内部空間45の奥側に抜ける音を低減する。
-第1実施形態の特徴-
この第1実施形態のバックドア1によると、インナパネル上部3aとアッパアウタパネル33との間の内部空間45に減音室61が設けられ、バックドア本体2のうち外部からハーネス47が挿通される部位を通過して当該内部空間45の奥側に抜ける音が減音室61で低減される。それにより、車外からバックドア本体2の内部空間45を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減できる。
この第1実施形態のバックドア1によると、ハーネス47を減音室61から内部空間45における他の一般空間65に挿通させるための第2挿通路69の内面とハーネス47との間に、両者の間を密閉する第1シール部材71および第2シール部材73が設けられているので、減音室61からその外側の一般空間65に第2挿通路69を通じて漏れる音を低減できる。このことは、車外からバックドア本体2の内部空間45を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減するのに有利である。
この第1実施形態のバックドア1によると、バックドア本体2の外部から減音室61にハーネス47を挿通させるための第1挿通路53の内面とハーネス47との間にも、両者の間を密閉するシール部材としての配線管55の開口端部55bが設けられているので、車外から減音室61に入る音を低減できる。このことは、車外からバックドア本体2の内部空間45を抜けて車室内に及ぶ騒音を低減するのに有利である。
この第1実施形態のバックドア1によると、減音室61がインナパネル上部3aに設けられた隔壁63によって内部空間45における他の一般空間65と仕切られているので、インナパネル3およびアウタパネル5とは別個の部品を用いて減音室61を設ける場合に比べて、バックドア1の部品点数を削減できる。
《第2実施形態》
この第2実施形態の車両用バックドア1は、減音室61の構成が第1実施形態と異なる。なお、本実施形態では、減音室61の構成が第1実施形態と異なる他は、バックドア1について第1実施形態と同様に構成されている。図6は、この第2実施形態のバックドア1の図3相当図である。図7は、この第2実施形態のバックドア1の図4相当図である。図8は、この第2実施形態のバックドア1を製造する過程で減音室61に発泡樹脂81を充填するときの作業を示す断面図である。
図6および図7に示すように、この第2実施形態の車両用バックドア1において、減音室は、第1挿通孔51が形成された外側立ち壁15の一部と第1実施形態と同様な隔壁63とにより区画されている。そして、この減音室61には、発泡樹脂81が充填されている。発泡樹脂81は、例えば発泡ウレタンである。発泡樹脂81は、隔壁63とアッパアウタパネル33との間の隙間から一般空間65にはみ出る程度に設けられる。ハーネス47は、減音室61において発泡樹脂81に埋設されている。
インナパネル上部3aのうち減音室61の底面を構成する部分には、注入孔83が形成されている。注入孔83は、バックドア本体2の外部から取り付けられたキャップ部材85により塞がれる。インナパネル上部3aの第1挿通孔51が形成された部位を通して内部空間45のうち減音室61に入った音は、発泡樹脂81により吸音されると共に、隔壁63により遮音される。そのため、減音室61から一般空間65への音の伝搬が阻害される。これにより、減音室61は、インナパネル上部3aの第1挿通孔51が形成された部位を通して内部空間45の奥側に抜ける音を低減する。
注入孔83は、減音室61に発泡樹脂81を注入する際に利用される。図8に示すように、バックドア1を製造するときには、インナパネル3とアッパアウタパネル33とを接合してハーネス47を内部空間45における所定の位置に設け、その状態で、注入ノズル201を注入孔83から減音室61に挿入し、注入ノズル201により発泡樹脂81を減音室61に注入することで、減音室61に発泡樹脂81を充填すればよい。
-第2実施形態の特徴-
この第2実施形態のバックドア1によると、減音室61には発泡樹脂81が充填されているので、バックドア本体2のうち外部からハーネス47が挿通される部位を通して当該内部空間45の奥側に抜ける音が減音室61で好適に低減される。それにより、車外からバックドア本体2の内部空間45を抜けて車室内に及ぶ騒音をよりいっそう低減できる。その他、この第2実施形態のバックドア1によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
《その他の実施形態》
上記第1実施形態においては、隔壁63とアッパアウタパネル33との間が第1シール部材71により塞がれ、第2挿通路69の内面とハーネス47との間が第1シール部材71および第2シール部材73によって塞がれているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。第1シール部材71および第2シール部材73のうち一方のシール部材は設けられているが、他方のシール部材は設けられていなくてもよい。また、第1シール部材71および第2シール部材73の両方が設けられていなくても構わない。この場合においても、減音室61に入った音は、隔壁63により遮音されるため、減音室61から一般空間65への音の伝搬を阻害できる。
上記第1実施形態においては、第2挿通路69の内面とハーネス47との間を密閉するシール部材として、発泡ゴムからなる第1シール部材71および第2シール部材73が設けられているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。当該シール部材としては、インナパネル3とアウタパネル5とを接着する接着剤が用いられてもよい。
上記各実施形態においては、隔壁63がインナパネル上部3aに設けられているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。隔壁63は、インナパネル上部3aに代えて、アッパアウタパネル33に設けられていてもよく、インナパネル上部3aおよびアッパアウタパネル33の両方に設けられていてもよい。
上記各実施形態においては、減音室61が隔壁63によって内部空間45における他の一般空間65と仕切られているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。減音室は、インナパネルおよびアウタパネルとは別個の部品を用いて設けられてもよい。例えば、一方側が開口すると共にその開口と対応する壁部に第2挿通孔が形成されたボックス体を、外側立ち壁15における第1挿通孔51の周辺部分を覆うように内部空間45に設置することで、外側立ち壁15とボックス体とによって区画された減音室61を設けてもよい。
上記各実施形態においては、第1挿通孔51の内面とハーネス47との間を密閉するシール部材として配線管55が用いられている例を説明したが、本開示の技術はこれに限らない。当該シール部材は、第1挿通孔51の周縁に取り付けられるグロメットであってもよく、第1挿通孔51の内面とハーネス47との間を密閉するものであれば、任意のシール部材を採用できる。
上記各実施形態においては、線状部品としてハーネス47を例に挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限らない。ハーネス47は、線状部品の一例に過ぎず、バックドア本体2の外部から内部空間47に挿通される線状のものであれば、ワイパー装置に洗浄液を送るためのホースなど、任意の部品を線状部品として採用できる。
上記各実施形態においては、アウタパネル5がロアアウタパネル31とアッパアウタパネル33との2つの分割体で構成されているとしたが、本開示の技術はこれに限らない。アウタパネル5は、一枚物のパネルで構成されていてもよい。この場合、アウタパネル5は、ロアアウタパネル31に相当するロアパネル部と、アッパアウタパネル33に相当するアッパパネル部と、それら両パネル部の間に窓用開口9と対応する開口が形成されたミドルパネル部とを一体成形することで製造される。
上記各実施形態では、車両用外装パネルとしてバックドア1を例示したが、本開示の技術はこれに限らない。本開示の技術は、サイドドアやルーフパネルなど、その他の車両用外装パネルにも適用することが可能である。
以上のように、本開示の技術の例示として、好ましい実施形態について説明した。しかし、本開示の技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須でない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることを以て、直ちにそれらの必須でない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
本開示の技術は、車両用外装パネルに有用である。
1 バックドア(車両用外装パネル)
2 バックドア本体(接合体)
3 インナパネル
5 アウタパネル
7 窓パネル
9 窓用開口
11 内側立ち壁
13 内側接合片
15 外側立ち壁
17 外側接合片
19 ハイマウントストップランプ
21 挿通孔
23 ランプカバー
25 装置取付部
27 凹状部
29 ドアトリム
31 ロアアウタパネル
33 アッパアウタパネル
35 内部空間
37 テールランプ
39 プレート取付部
41 シール部材
43 リヤスポイラ
45 内部空間
47 ハーネス(線状部品)
51 第1挿通孔
53 第1挿通路
55 配線管(シール部材)
61 減音室
63 隔壁
65 一般空間(他の空間)
67 第2挿通孔
69 第2挿通路
71 第1シール部材(シール部材)
73 第2シール部材(シール部材)
81 発泡樹脂
83 注入孔
85 キャップ部材
101 車体本体
103 バックドア開口
105 挿通孔
201 注入ノズル

Claims (4)

  1. インナパネル(3)と、該インナパネル(3)に接合されたアウタパネル(5)とを備え、
    前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との間には内部空間(45)が形成され、
    前記内部空間(45)に外部から線状部品(47)が挿通される車両用外装パネルであって、
    前記内部空間(45)には、前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との接合体(2)のうち外部から前記線状部品(47)が挿通される部位を通して当該内部空間(45)の奥側に抜ける音を低減する減音室(61)が設けられ、
    前記減音室(61)は、前記インナパネル(3)および前記アウタパネル(5)の少なくとも一方に一体に設けられた隔壁(63)によって前記内部空間(45)における他の空間(65)と仕切られ、前記内部空間(45)のうち前記線状部品(37)が挿通される部位側に位置し、
    前記線状部品(37)は、前記減音室(61)に挿通される
    ことを特徴とする車両用外装パネル。
  2. インナパネル(3)と、該インナパネル(3)に接合されたアウタパネル(5)とを備え、
    前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との間には内部空間(45)が形成され、
    前記内部空間(45)に外部から線状部品(47)が挿通される車両用外装パネルであって、
    前記内部空間(45)には、前記インナパネル(3)と前記アウタパネル(5)との接合体(2)のうち外部から前記線状部品(47)が挿通される部位を通して当該内部空間(45)の奥側に抜ける音を低減する減音室(61)が設けられ、
    前記減音室(61)は、前記インナパネル(3)および前記アウタパネル(5)の少なくとも一方に一体に設けられた隔壁(63)によって前記内部空間(45)における他の空間(65)と仕切られ、
    前記接合体(2)には、前記線状部品(47)を外部から前記減音室(61)に挿通させるための第1挿通路(53)と、前記線状部品(47)を前記減音室(61)から前記内部空間(45)における他の空間(65)に挿通させるための第2挿通路(69)とが形成され、
    前記第2挿通路(69)の内面と前記線状部品(47)との間には、両者の間を密閉するシール部材(71,73)が設けられている
    ことを特徴とする車両用外装パネル。
  3. 請求項2に記載された車両用外装パネルにおいて、
    前記第2挿通路(69)の内面と前記線状部品(47)との間に設けられた前記シール部材(71,73)は、吸音機能を有する
    ことを特徴とする車両用外装パネル。
  4. 請求項2または3に記載された車両用外装パネルにおいて、
    前記第1挿通路(53)の内面と前記線状部品(47)との間にも、両者の間を密閉するシール部材(55)が設けられている
    ことを特徴とする車両用外装パネル。
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