JP7444339B1 - 大入熱溶接用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

大入熱溶接用鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

大入熱溶接された溶融線の近傍のHAZで優れた靭性が得られる鋼材を提供することを目的とする。特定の組成を有し、かつ、Ca、O、Sが所定の関係式を満たしており、かつ、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vが所定の関係式を満たしており、かつ、Ti、Nが所定の関係式を満たしており、残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有し、鋼板の板厚の1/4位置におけるフェライトが体積分率で60%以上であり、前記フェライトのうち、加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上95%以下で、かつフェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上である大入熱溶接用鋼板。

Description

本発明は、造船、建築、土木等の各種構造物で使用される大入熱溶接に適した溶接熱影響部の靭性に優れた鋼板およびその製造方法に関するものである。
造船、建築、土木等の分野で使用される鋼材は、一般に溶接接合によって意図した形状部材を作り上げ、構造物を構築する。これらの構造物は、使用する人間および周囲環境に対する安全性が重要であり、使用される鋼材の靭性はもちろん、溶接部も靭性に優れることが求められる。
近年、これら構造物や船舶は大型化の傾向にあり、使用される鋼材も高強度化・厚肉化している。加えて、国内外での労働人口推移を背景に、構造物の施工効率向上および施工コストの低減も重要視され、サブマージアーク溶接、エレクトロガス溶接及びエレクトロスラグ溶接等の高能率な大入熱溶接の適用が推進されている。一般に溶接入熱量が増加すると、溶接熱影響部(Heat AffectedZoneのこと、以降HAZという)の組織が粗大化するために、HAZの靭性を低下させることが知られている。
このような大入熱溶接による靭性の低下に対して、これまで多くの対策が提案されてきた。例えば、特許文献1には、TiNの分散による、HAZにおけるオーステナイト粒の粗大化抑制やフェライト変態核としての作用を利用する技術(ピンニング効果)が開示されている。また、特許文献2では、Tiの酸化物を分散させる技術が、特許文献3では、BNのフェライト核生成能を組合せる技術が開示されている。さらに、特許文献4ではCaの適正含有によって、硫化物の晶出を制御することにより大入熱溶接の高靭性を得る技術も知られている。
国際公開第2011/148754号 特開昭57-51243号公報 特開昭62-170459号公報 特許第3546308号公報
特許文献1、2はHAZ高温領域のオーステナイト粗大化を抑制し、かつ冷却過程におけるフェライト変態を促進させることで、脆化組織である上部ベイナイトの粗大化抑制、あるいは生成させないよう制御し、HAZの靭性向上を狙っている。しかし、大入熱溶接が行われた際に、溶融線の近傍ではTiNの溶解温度まで加熱されるため、TiNが分解し、生成した固溶Tiおよび固溶Nによって、変態したフェライト粒が硬化及び脆化する。また、前記先行技術によると溶接金属とHAZの境界にフェライトが生成しやすく、フェライト結晶粒として粗大化しやすくなる。これらが重畳することで粗大なフェライト粒もまた脆性亀裂の起点となりやすい組織となり、HAZ靭性が低下するという問題があった。また、特許文献3、4はTiNに加え、BNおよび硫化物晶出を大入熱溶接の熱影響部におけるフェライトの核生成サイトとすることを狙っている。大入熱溶接において、板厚の中心やサブマージアーク溶接においてフラックスと接触する鋼板の表裏層では投入された入熱の拡散が悪く、高温で保持される時間が長くなる傾向にある。この領域ではフェライト結晶粒が粗大化しやすく、脆性亀裂の起点となることでHAZ靭性を低下させる問題点があった。
加えて、鋼板の高強度化にはCをはじめとする合金元素の添加や、鋼板の圧延における圧下率を増やすことが一般に行われる。しかし、合金元素の添加はHAZに限らず鋼板自体の靭性低下やコストの増加が懸念される。さらに、鋼板の圧延による高度化は製造負荷の増加に伴う製造コストの増加につながる。
そこで、本発明では、従来技術が抱えていた上記問題点を解決し、大入熱溶接された溶融線の近傍のHAZで優れた靭性が得られる高強度鋼板を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、「大入熱溶接」は入熱量80kJ/cm以上の溶接を指し、具体的にはサブマージアーク溶接が例に挙げられる。また、「溶融線の近傍」は、溶接入熱によって最高温度が1450℃以上となる熱影響部を指す。
また、本明細書において鋼板の「高強度」は降伏点または0.2%耐力が235MPa以上、引張強さが400MPa以上であることを指し、「靭性に優れる」ことは、母材やHAZ部の2mmVノッチシャルピー衝撃試験において、延性脆性遷移温度(vTrs)がそれぞれ-100℃以下、-55℃以下であることを指す。
発明者らは、種々の検討を重ねた結果、大入熱溶接されたHAZ靭性は、これまで知られていた脆化組織である上部ベイナイト、島状マルテンサイトおよびセメンタイトに加え、上部ベイナイトなどの脆化組織の粒界に生成したフェライト結晶粒も脆性破壊の起点となることを知見した。そして、HAZのミクロ組織形態が母材の焼入れ性と関係することも見出した。母材の焼入れ性が低い場合、溶融線近傍のHAZには粗大な粒界フェライトとアシキュラーフェライトからなるミクロ組織が生成される。特に、この時の粒界フェライトは最大200μmの粒径となり、母材の組織に比べ粗大化が顕著となる。この組織が低温で外力を受けると、粗大な粒界フェライトは周囲の比較的硬度の高いアシキュラーフェライトによって変形を阻害されたままに作用する応力が増加し、へき開亀裂の発生条件を満足して脆性破壊の起点となる。一方、母材の焼入れ性が顕著に高い場合は、溶融線近傍のHAZには上部ベイナイトとフェライトサイドプレートからなるミクロ組織が生成される。この組織が低温で外力を受けると、上部ベイナイト内部の島状マルテンサイトやセメンタイトといった硬質析出物の近傍で局所的な応力集中をもたらし、脆性破壊の起点となる。したがって、溶融線近傍のHAZで細粒である粒界フェライトとアシキュラーフェライトからなるミクロ組織が形成されるよう、母材の焼入れ性を適正に制御することが重要である。
大入熱溶接された鋼板の溶融線近傍のHAZ靭性を向上させるため、HAZ高温領域でのTiN安定させるようにTiとNを適正な比率で含有させ、かつTiNのピンニング効果を発現させるために鋼板の焼入れ性を適正化することが重要であることを知見した。
また、母材のミクロ組織分率を適正化し、軟質相となるフェライト結晶粒の単体としての硬度を確保することで鋼板の靭性と強度特性の確保できることを知見した。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
[1] 質量%で、
C:0.03%以上0.15%以下、
Si:0.05%以上0.25%以下、
Mn:1.00%以上2.00%以下、
Al:0.005%以上0.10%以下、
Ti:0.004%以上0.030%以下、
N:0.0036%以上0.0100%以下、
P:0.030%以下、
S:0.0005%以上0.0030%以下、
Ca:0.0005%以上0.0030%以下、
O:0.0040%以下、を含有し、
かつ、Ca、O、Sが下記(1)式を満たしており、
かつ、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vが下記(2)式を満たしており、
かつ、Ti、Nが下記(3)式を満たしており、
残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有し、
鋼板の板厚の1/4位置におけるフェライトが体積分率で60%以上であり、前記フェライトのうち、加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上95%以下で、かつフェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上である大入熱溶接用鋼板。

0.2≦(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8 ・・・(1)
ただし、Ca、O、Sは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
0.30≦C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5≦0.36 ・・・(2)
ただし、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
1.5≦Ti/N≦3.5 ・・・(3)
ただし、Ti、Nは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
[2] さらに、成分組成が、質量%で、
Cu:0.01%以上2.00%以下、
Ni:0.01%以上2.00%以下、
Cr:0.01%以上1.00%以下、
Mo:0.01%以上1.00%以下、
V:0.01%以上1.00%以下、
W:0.01%以上1.00%以下、
Co:0.01%以上1.00%以下、
Nb:0.005%以上0.100%以下および
B:0.0001%以上0.0100%以下
のうちから選ばれる1種以上を含有する、[1]に記載の大入熱溶接用鋼板。
[3] 質量%で、
C:0.03%以上0.15%以下、
Si:0.05%以上0.25%以下、
Mn:1.00%以上2.00%以下、
Al:0.005%以上0.10%以下、
Ti:0.004%以上0.030%以下、
N:0.0036%以上0.0100%以下、
P:0.030%以下、
S:0.0005%以上0.0030%以下、
Ca:0.0005%以上0.0030%以下、
O:0.0040%以下、を含有し、
かつ、Ca、O、Sが(1)式を満たしており、
かつ、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vが(2)式を満たしており、
かつ、Ti、Nが(3)式を満たしており、
残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有する鋼素材を、
900℃以上1250℃以下の温度に加熱した後、鋼板の板厚の1/4位置において850℃以下で、1パス当たりの圧下率10%以上の圧下を1パス以上付与する熱間圧延を行い、鋼板の板厚の1/4位置において前記熱間圧延の圧延終了温度を650℃以上とし、鋼板の板厚の1/4位置において前記熱間圧延後の平均冷却速度が10℃/s以上100℃/s以下であって、鋼板の板厚の1/4位置の温度が400℃以上600℃以下になるように冷却を行う、大入熱溶接用鋼板の製造方法。
[4] 前記鋼素材は、さらに、質量%で、
Cu:0.01%以上2.00%以下、
Ni:0.01%以上2.00%以下、
Cr:0.01%以上1.00%以下、
Mo:0.01%以上1.00%以下、
V:0.01%以上1.00%以下、
W:0.01%以上1.00%以下、
Co:0.01%以上1.00%以下、
Nb:0.005%以上0.100%以下および
B:0.0001%以上0.0100%以下
のうちから選ばれる1種以上を含有する、[3]に記載の大入熱溶接用鋼板の製造方法。
本発明によれば、溶接熱影響部の靭性に優れた高強度鋼板を安価に提供することが出来、かつ大入熱溶接を適用可能であり鋼構造物の建造コストの低減も可能であるため、産業上格段の効果を奏する。
本発明の大入熱溶接用鋼板(鋼板)について具体的に説明する。本発明において、鋼板およびその製造に供する素材は、上記成分組成を有することが重要である。そこで、まず本発明において鋼の成分組成を上記のとおりに限定する理由を説明する。なお、成分組成に関する「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味するものとする。
[成分組成]
C:0.03%以上0.15%以下
Cは、鋼の焼入れ性を増加させる作用を有する元素であり、高強度を達成するためには添加が必要になる、重要な元素の1つである。前記効果を得るためには、C含有量を0.03%以上とする。さらに、他の合金元素の含有量を少なくし、より低コストで製造するという観点からは、C含有量は0.05%以上とすることが好ましい。C含有量は0.06%以上とすることがより好ましい。一方、C含有量が0.15%を超えると、強度が過剰に高くなることに加えて、母材およびHAZの靭性や溶接性が低下する。そのため、C含有量は0.15%以下とする。C含有量は0.13%以下とすることが好ましい。さらに、靭性や溶接性の低下を抑制する観点からは、C含有量を0.10%以下とすることがより好ましく、0.08%以下とすることがさらに好ましい。
Si:0.05%以上0.25%以下
Siは、脱酸剤として作用する元素であるため、Si含有量は0.05%以上とする。Si含有量は0.10%以上とすることが好ましい。一方で靭性や溶接性の低下を招く元素であるため、できる限り含有量を低くすることが望ましいことから、0.25%以下であれば許容できる。なお、Si含有量が0.25%を超えると大入熱溶接のHAZに島状マルテンサイトを生成して靭性を劣化させることから、Si含有量は0.25%以下とする。Si含有量は0.20%以下とすることが好ましく、0.18%以下とすることがより好ましい。
Mn:1.00%以上2.00%以下
Mnは、鋼の焼入れ性を増加させる作用を有する元素であり、高強度を満足するためには含有させることが必要になる、重要な元素の1つである。前記効果を得るためには、Mn含有量を1.00%以上とする。Mn含有量を1.10%以上とすることが好ましい。さらに、大入熱溶接のHAZの固溶N生成を抑制という観点からは、Mn含有量は1.20%以上とすることがより好ましい。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、HAZの靭性を著しく低下させる。そのため、Mn含有量は2.00%以下とする。さらに、靭性および溶接性の低下を抑制する観点からは、Mn含有量を1.80%以下とすることが好ましく、Mn含有量を1.60%以下とすることがより好ましく、Mn含有量を1.50%以下とすることがさらに好ましい。
Al:0.005%以上0.10%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒を微細化する作用を有し、母材、HAZにおいて高い靭性を確保できる元素である。これらの効果を得るためには、Al含有量を0.005%以上とする。Al含有量を0.030%以上とすることが好ましく、Al含有量を0.035%以上とすることがより好ましい。一方、Al含有量が0.10%を超えると、酸化物系介在物が増加して清浄度が低下することで母材の靭性が低下する。そのため、Al含有量は0.10%以下とする。なお、Al含有量は0.08%以下とすることが好ましく、0.06%以下とすることがより好ましく、0.05%以下とすることがさらに好ましい。
Ti:0.004%以上0.030%以下
Tiは、窒化物の形成傾向が強く、凝固時にTiNとなって析出し、HAZでのオーステナイトの粗大化抑制やフェライト変態核となってHAZの高靭性化に寄与する元素である。この効果を得るために、Ti含有量を0.004%以上とする。また、Ti含有量は0.010%以上とすることが好ましく、0.013%以上とすることがより好ましく、0.015%以上とすることがさらに好ましい。一方、Ti含有量が0.030%を超えるとTiN粒子が粗大化し、期待する効果が得られなくなるため、Ti含有量は0.030%以下とする。なお、Ti含有量は0.025%以下とすることが好ましく、0.020%以下とすることがより好ましい。
N:0.0036%以上0.0100%以下
Nは、Tiと結合してTiNとなって析出し、HAZの組織微細化に寄与し、靭性を向上させる。この効果を得るために、N含有量を0.0036%以上とする。好ましくは、0.0045%以上であり、より好ましくは0.0050%以上である。一方、N含有量が0.0100%を超えると、溶接の入熱によってTiNが溶解し、固溶N量が増加して、かえってHAZの靭性の低下を招く。したがって、靭性や溶接性の低下を抑制する観点からは、0.0100%以下とする。N含有量は、0.0070%以下とすることが好ましく、0.0060%以下とすることがより好ましい。
P:0.030%以下
Pは、不可避的不純物として含有される元素であり、粒界に偏析することによって母材およびHAZの靱性や溶接性を低下させるなど、悪影響を及ぼす。そのため、できる限りP含有量を低くすることが望ましいが、0.030%以下であれば許容できる。そのため、P含有量は0.030%以下とする。P含有量は0.020%以下が好ましく、0.015%以下がより好ましい。なお、P含有量の下限は特に限定されず、0%であってよいが、通常、Pは不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であるため、工業的には0%超であってよい。また、過剰の低減は精錬コストの高騰を招くため、P含有量は0.0005%以上とすることが好ましい。
S:0.0005%以上0.0030%以下
Sは、CaSおよびMnSの硫化物の晶出を生成し、HAZの靭性を良好に確保するために必要な元素で、S含有量は0.0005%以上とする。大入熱溶接のHAZ靭性を確保するために、S含有量は0.0010%以上とすることが好ましい。一方、S含有量が0.0030%を超えると硫化物が粗大化し、脆性破壊起点になり母材の靱性を低下させる。したがって、S含有量は0.0030%以下とする。S含有量は0.0025%以下とすることが好ましい。大入熱溶接のHAZ靭性を確保するために、S含有量は0.0020%以下とすることがより好ましく、0.0015%以下とすることがさらに好ましい。
Ca:0.0005%以上0.0030%以下
Caは、Sの固定によるHAZの靭性改善効果を有する元素である。この効果を得るために、Ca含有量は0.0005%以上とする。大入熱溶接のHAZ靭性を確保するために、Ca含有量は0.0010%以上とすることが好ましく、0.0015%以上とすることがより好ましい。一方、0.0030%を超えて含有しても効果が飽和する。したがって、Ca含有量は0.0030%以下とする。大入熱溶接のHAZ靭性を確保するために、Ca含有量は0.0025%以下とすることが好ましい。0.0020%以下とすることがより好ましい。
O:0.0040%以下
Oは、不可避的不純物として含有される元素であり、酸化物を形成し、前記の硫化物生成を阻害することから、0.0040%以下に制限する。O含有量は、0.0035%以下とすることが好ましく、0.0030%以下とすることがより好ましい。一方、O含有量の下限は特に限定されず、0%であってよいが、通常、Oは不純物として鋼中に不可避的に含有される元素であるため、工業的には0%超であってよい。すなわち、過剰の低減は精錬コストの高騰を招くため、コストの観点からはO含有量を0.0020%以上とすることが好ましい。
0.2≦(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8(各元素は当該元素の含有量を示す)・・・(1)式
鋼板中でCaSの上にMnSが析出した複合硫化物を形成させるために、Ca、SおよびOは0.2≦(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8の関係を満足するように含有させる必要がある。(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sの値が0.2に満たない場合、CaSが晶出しないために硫化物はMnS単独の形態で析出する。このMnSは鋼板製造時の圧延で伸長されて母材の靭性低下を引き起こすとともに、HAZではMnSが溶融するため、靭性向上に寄与しない。そのため、(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sの値は0.2以上とする。好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.3以上である。さらに好ましくは0.45以上である。一方、(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sの値が0.8を超える場合、SがCaによって固定されてフェライト生成核として働くMnSがCaS上に析出しないため、HAZの靭性向上に対して十分な機能が発揮されない。そのため、(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/Sの値は0.8以下とする。好ましくは0.7以下であり、より好ましくは0.65以下であり、さらに好ましくは0.6以下である。もっとも好ましくは0.55以下である。
また、前記の関係を満足する場合、円相当径で1.0~5.0μmの複合硫化物が、1平方mmあたり10個以上の密度で鋼中に分布することが好ましい。過剰に複合硫化物が含まれるとHAZでラスフェライトが生成し、硬度が上昇し、HAZの靭性が低下するため、1.0~5.0μmの複合硫化物が1平方mmあたり100個以下の密度で鋼中に分布することが好ましい。複合硫化物とは、例えば、CaSにMnSが析出したものや、更にそれにTiNやBN、Alが結合したものが挙げられる。
0.30≦C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5≦0.36(各元素は当該元素の含有量を示す)・・・(2)式
大入熱溶接された溶融線近傍のHAZの靭性低下を抑制するために、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vは、0.30≦C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5≦0.36の関係を満足するように含有させる必要がある。C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5の値が0.30に満たない場合、溶融線近傍のHAZには粗大な粒界フェライトとアシキュラーフェライトからなるミクロ組織が生成される。特に、この時の粒界フェライトは最大200μmの粒径となり、母材の組織に比べ粗大化が顕著となる。この組織が低温で外力を受けると、粗大な粒界フェライトは周囲の比較的硬度の高いアシキュラーフェライトによって変形を阻害されたままに作用する応力が増加し、へき開破壊の発生条件を満足して脆性破壊の起点となる。そのため、C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5の値が0.30以上とする。好ましくは0.31以上であり、より好ましくは0.32以上であり、さらに好ましくは0.33以上である。なお、粒界フェライトの最大粒径は120μm以下とすることが好ましい。一方、C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5の値が0.36を超える場合、溶融線近傍のHAZには上部ベイナイトとフェライトサイドプレートからなるミクロ組織が生成される。この組織が低温で外力を受けると、上部ベイナイト内部の島状マルテンサイトやセメンタイトといった硬質析出物の近傍で局所的な応力集中をもたらし、脆性破壊の起点となる。そのため、C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5の値が0.36以下とする。好ましくは0.35以下である。より好ましくは0.34以下である。
1.5≦Ti/N≦3.5(各元素は当該元素の含有量を示す)・・・(3)式
大入熱溶接された溶融線近傍のHAZでTiNのピンニング効果を発現するために、Ti、Nは、1.5≦Ti/N≦3.5の関係を満足するように含有させる必要がある。Ti/Nが1.5に満たない場合、TiNの固溶温度が1500℃以下であるため、溶接の入熱によってTiNが溶解し、固溶N量が増加して、かえってHAZの靭性の低下を招く。そのため、Ti/Nは1.5以上とする。好ましくは2.0以上であり、より好ましくは2.2以上である。さらに好ましくは2.5以上である。もっとも好ましくは2.7以上である。一方、Ti/Nが3.5を超える場合、TiNが粗粒となりピンニング効果が低下することと、Ti量が過多となって一部固溶TiとなりHAZの靭性低下を招く。そのため、Ti/Nは3.5以下とする。好ましくは3.4以下である。より好ましくは3.2以下であり、さらに好ましくは3.0以下である。
前記の関係を満足する場合、円相当径で粒径100nm以下の角柱状なTiNが、1平方mmあたり1.0×10個以上の密度で鋼中に分布することが、多数のTiNがピンとして機能し、HAZでのオーステナイトの粗大化を抑制するといった理由から好ましい。上限は特に限定されるわけではないが、1平方mmあたり2.0×10個以下の密度で鋼中に分布することが好ましい。
また、より好ましい条件では、円相当径で粒径5~50nmのTiNが、1平方mmあたり3.0×10個以上の密度で鋼中に分布する。上限は特に限定されるわけではないが、1平方mmあたり1.0×10個以下の密度で鋼中に分布することが好ましい。
以上の成分を含み、残部Feおよび不可避的不純物の成分組成が本発明における基本の成分組成である。この基本成分組成は、さらに強度特性あるいは靭性の向上を目的として任意に、Cu:0.01%以上2.00%以下、Ni:0.01%以上2.00%以下、Cr:0.01%以上1.00%以下、Mo:0.01%以上1.00%以下、V:0.01%以上1.00%以下、W:0.01%以上1.00%以下、Co:0.01%以上1.00%以下、Nb:0.005%以上0.100%以下、B:0.0001%以上0.0100%以下からなる群より選択される1種以上をさらに含有することができる。
Cu:0.01%以上2.00%以下
Cuは、鋼の焼入れ性を増加させて鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に添加することができる。Cuを含有する場合、前記効果を得るためにCu含有量を0.01%以上とする。Cu含有量は、好ましくは0.10%以上であり、より好ましくは0.15%以上である。Cu含有量は、さらに好ましくは0.20%以上である。一方、Cu含有量が2.00%を超えると、靭性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Cuを含有する場合、Cu含有量を2.00%以下とする。Cu含有量は、好ましくは1.50%以下であり、より好ましくは1.20%以下である。Cu含有量は、さらに好ましくは、1.00%以下である。もっとも好ましくは0.50%以下である。
Ni:0.01%以上2.00%以下
Niは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。Niを含有する場合、前記効果を得るためにNi含有量を0.01%以上とする。Ni含有量は、好ましくは0.10%以上であり、より好ましくは0.15%以上である。Ni含有量は、さらに好ましくは0.20%以上である。一方、Ni含有量が2.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Niを含有する場合、Ni含有量を2.00%以下とする。Ni含有量は、好ましくは1.50%以下であり、より好ましくは1.20%以下である。Ni含有量はさらに好ましくは1.00%以下である。もっとも好ましくは0.50%以下である。
Cr:0.01%以上1.00%以下
Crは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。前記効果を得るためにCr含有量を0.01%以上とする。Cr含有量は、好ましくは0.05%以上である。一方、Cr含有量が1.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Crを含有する場合、Cr含有量を1.00%以下とする。Cr含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。Cr含有量は、さらに好ましくは、0.50%以下である。もっとも好ましくは0.30%以下である。
Mo:0.01%以上1.00%以下
Moは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。前記効果を得るためにMo含有量を0.01%以上とする。Mo含有量は、好ましくは0.05%以上である。一方、Mo含有量が1.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Moを含有する場合、Mo含有量を1.00%以下とする。Mo含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。Mo含有量は、さらに好ましくは、0.50%以下である。もっとも好ましくは0.30%以下である。
V:0.01%以上1.00%以下
Vは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。前記効果を得るためにV含有量を0.01%以上とする。V含有量は、好ましくは0.05%以上である。一方、V含有量が1.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Vを含有する場合、V含有量を1.00%以下とする。V含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。V含有量は、さらに好ましくは、0.50%以下である。
W:0.01%以上1.00%以下
Wは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。前記効果を得るためにW含有量を0.01%以上とする。W含有量は、0.05%以上である。一方、W含有量が1.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Wを含有する場合、W含有量を1.00%以下とする。W含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。W含有量は、さらに好ましくは、0.50%以下である。もっとも好ましくは0.30%以下である。
Co:0.01%以上1.00%以下
Coは、Cuと同様に鋼板の強度を向上させる作用を有する元素であり、任意に含有することができる。前記効果を得るためにCo含有量を0.01%以上とする。Co含有量は、好ましくは0.05%以上である。一方、Co含有量が1.00%を超えると、溶接性の劣化や合金コストの上昇を招く。そのため、Coを含有する場合、Co含有量を1.00%以下とする。Co含有量は、好ましくは0.80%以下であり、より好ましくは0.60%以下である。Co含有量はさらに好ましくは、0.50%以下である。もっとも好ましくは0.30%以下である。
Nb:0.005%以上0.100%以下
Nbは、炭窒化物として析出することで旧オーステナイト粒径を小さくし、靭性を向上させる効果を有する元素である。Nbを含有する場合、前記効果を得るためにNb含有量を0.005%以上とする。さらに、Nb含有量は0.007%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.100%を超えるとNbCが多量に析出し、靭性が低下する。そのため、Nbを含有する場合、Nb含有量を0.100%以下とする。Nb含有量は、0.080%以下とすることが好ましく、0.070%以下とするのがより好ましく、0.060%以下とするのがさらに好ましく、0.045%以下とするのがもっとも好ましい。
B:0.0001%以上0.0100%以下
Bは、BNとなって析出し、HAZでのオーステナイトの粗大化抑制やフェライト変態核となってHAZの高靭性化に寄与する元素である。この効果を得るために、B含有量を0.0001%以上とする。また、B含有量は0.0005%以上とすることが好ましく、0.0010%以上とすることがより好ましい。一方、Bは鋼板の焼入れ性を著しく向上させる作用を有する元素であり、B含有量が0.0100%を超えると溶接部の靭性が低下する。そのため、Bを含有する場合、B含有量を0.0100%以下とする。B含有量は0.0080%以下とすることが好ましく、0.0050%以下とすることがより好ましく、0.0030%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の鋼板は、上記成分組成を有することに加えて、鋼板の板厚の1/4位置におけるフェライトの体積分率が60%以上であり、かつフェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上である、ミクロ組織を有する。鋼のミクロ組織を上記のように限定する理由を、以下に説明する。
[ミクロ組織]
本発明の鋼板のミクロ組織について説明する。
[鋼板の板厚の1/4位置におけるフェライトの体積分率が60%以上]
鋼板の板厚の1/4位置における組織は、フェライトの体積分率が60%以上とする。フェライトの体積分率が60%未満であると、これ以外のマルテンサイト、パーライト、ベイナイト、オーステナイト、島状マルテンサイトの体積分率が増加することとなり、母材およびHAZの低温における靭性が低下し、機械的な特性を満足することが出来ない。好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。一方、上限は特に限定されるわけではないが、不可避的に硬質第二相が形成されるという理由から、フェライトの体積分率は90%以下であることが好ましい。
ここで、前記フェライトは、焼戻し等を受けていない熱間圧延後の冷却過程で生成したフェライト、また、圧延過程の前および圧延中に生成し、圧延による加工を受けたフェライトを包含して指す。なお、加工を受けたフェライトとは、EBSD法により取得したGAM(Grain Average Misorientation)値が0.5以上となるフェライトのことをいう。
前記フェライト以外の残部は、ベイナイト、パーライトおよびオーステナイトの他、マルテンサイトが含まれていてもよい。残部組織における各組織の分率はとくに限定する必要はないが、残部組織はベイナイトまたはパーライトであることが好ましい。残部組織に島状マルテンサイトが10%を超えて含まれる場合は大きく靭性が低下するため、島状マルテンサイトの体積分率は少ない方がよい。好ましくは、5%以下であり、0%でよいのは勿論である。
各種ミクロ組織の体積分率は、以下の方法で測定する。鋼板の板厚の1/4位置から板幅方向に垂直な断面を観察するサンプルを採取し、サンプル表面を鏡面研磨してからナイタール溶液で腐食した後、光学顕微鏡を用いて10mm×10mmの範囲を5視野撮影した。撮影された像について画像解析装置を用いて解析することによってミクロ組織の面積率の平均を求めた。ミクロ組織の異方性が小さい場合、面積分率が体積分率に相当するため、本特許では面積分率の平均を体積分率とした。
析出物の分布は、以下の方法で測定する。鋼板の板厚の1/4位置から板幅方向に垂直な断面を観察するサンプルの薄膜を採取し、透過型電子顕微鏡を用いて0.8μm×0.7μmの範囲を、倍率を100、000倍として10視野撮影した。撮影された像について画像解析を行って複合硫化物及びTiNの各々の面積を求め、円相当径を算出した。また、観察された各析出物の個数を観察視野面積で割って、個数密度を算出した。
[フェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上]
板厚の1/4位置におけるフェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上であることとした。前記フェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120未満の場合、母材の強度が不足して機械的な特性を満足することが出来ない。また、溶接熱影響部、特にICHAZ(IntercriticallyReheated Heat Affected Zoneのことを指しており、溶接入熱によって部分的に組織がオーステナイト化し、冷却されて硬化相を生成する領域である)の特性も低下する。好ましくはビッカース硬度で130以上であり、より好ましくは140以上である。一方、上限は特に限定されるわけではないが、鋼板の伸びが低下するという理由から、フェライト結晶粒単体の硬さはビッカース硬度で160以下であることが好ましい。
フェライト結晶粒単体の硬さは微小圧子を用いた硬度測定により測定する。鋼板の板厚の1/4位置からサンプルを採取し、表面を研磨してからナイタール溶液で腐食した後、光学顕微鏡で狙うとするフェライトを決定し、四角錘型の圧子を10gの荷重で押込み、圧痕寸法から硬さを測定した。20個のフェライトの硬さを測定し、平均の値をフェライトの硬さとした。
上記で説明したフェライト結晶粒単体の硬さは、加工を受けたフェライト、加工を受けていないフェライトを少なくとも一つ以上を含んだ結晶粒単体の硬さを指している。
また、加工を受けたフェライトの体積分率は靭性と高強度を両立する点から下記範囲とする。
[板厚の1/4位置における総フェライトの中で、加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上95%以下]
フェライト結晶粒単体の硬さを制御する方法として、圧延過程の前または過程中に生成したフェライトに圧延による加工量を変えることが挙げられる。本特許では、総フェライトの体積分率に対し、加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上95%以下とする。加工を受けたフェライトの体積分率が95%を超えると、母材およびHAZの靱性が低下するため、加工を受けたフェライトの体積分率を95%以下とする必要がある。加工を受けたフェライトの体積分率は90%以下とすることが好ましい。75%以下とすることがより好ましく、60%以下とすることがさらに好ましい。一方、加工を受けたフェライトの体積分率が30%未満の場合、前記フェライトの硬さが不足し、強度が低下する。そのため、加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上とする。加工を受けたフェライトの体積分率は好ましくは35%以上とし、より好ましくは40%以上とし、さらに好ましくは45%以上とする。加工を受けたフェライトの体積分率はもっとも好ましくは50%以上とする。
加工を受けたフェライトの体積分率は、以下の方法で測定する。鋼板の板厚の1/4位置からサンプルを採取し、表面を鏡面研磨の上、コロイダルシリカで仕上げ研磨をした後、SEM(走査型電子顕微鏡)によるEBSD(電子線後方散乱回折)法を用いた。得られたデータから結晶粒内の結晶方位差の平均値を表すGAM値を計算する。この時、GAM値が0.5以上となるフェライト領域を、加工を受けたフェライトとして、体積分率を算出する。なお、撮影は5視野で行い、各視野の面積率の平均を体積分率とした。
次に、本発明の鋼板の製造方法について説明する。
上記した成分組成を有する鋼素材を加熱し、熱間圧延を施して熱延鋼板とし、開始温度がAr3変態点以上である冷却を行って鋼板とする。以下、製造条件毎に詳しく説明する。
まず、鋼素材の製造条件は、とくに限定する必要はないが、上記した成分組成を有する溶鋼を、転炉等の公知の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の公知の鋳造方法にて、所定寸法のスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。なお、造塊-分解圧延法により、所定寸法のスラブ等の鋼素材としても何ら問題はない。
得られた鋼素材は、冷却することなく直接熱間圧延するか、あるいは一旦加熱してから熱間圧延する。熱間圧延は、圧延終了温度が鋼板の板厚の1/4位置において650℃以上とし、鋼板の板厚の1/4位置での冷却速度が10℃/s以上100℃/s以下で、鋼板の板厚の1/4位置の最高温度が400℃以上600℃以下になるように冷却を行う。
(a)鋼素材の加熱温度:900℃以上1250℃以下
鋼素材の加熱温度は特に限定されないが、加熱温度が900℃未満では、加熱温度が低すぎて変形抵抗が高くなり、熱間圧延機への負荷が増大し、熱間圧延が困難になるおそれがある。そのため、加熱温度は900℃以上とする。好ましくは950℃以上であり、より好ましくは1000℃以上である。さらに好ましくは1050℃以上である。一方、1250℃を超える高温になると、酸化が著しくなり、素材の酸化ロスが増大して歩留りが低下するおそれがある。このようなことから、加熱温度は1250℃以下にする。なお、好ましくは1200℃以下であり、より好ましくは1150℃以下である。もっとも好ましくは1100℃以下である。
(b)鋼板の板厚の1/4位置において850℃以下で、圧下率10%以上の圧下を1パス以上付与する熱間圧延
鋼素材を前記温度に加熱後、鋼板の板厚の1/4位置において850℃以下となる条件で、1パス当たりの圧下率10%以上の圧下を1パス以上含む熱間圧延を行う。オーステナイト粒径の微細化及び生成したフェライト結晶粒に加工ひずみを導入して、フェライト結晶粒の硬度を向上させるため850℃以下の圧下、好ましくは770℃以下での圧下を1パス以上行う。850℃以下での圧下を行わない場合、すなわち圧延終了温度が850℃を超える場合、オーステナイト粒径が粗大となり、母材強度及び母材靭性が低下する。850℃以下での1パス当たりの圧下率が10%未満の場合、フェライト結晶粒への加工ひずみ導入が不足し、加工フェライト分率が低下し、母材強度が低下する。そのため、1パス当たりの圧下率が10%以上とする。好ましくは1パス当たりの圧下率が13%以上である。なお、圧下率に上限は限定しないが、過剰な圧下は圧延機の損傷をもたらす可能性があるため、1パス当たりの圧下率は25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。
(c)圧延終了温度:鋼板の板厚の1/4位置において650℃以上
鋼素材を前記温度に加熱後、熱間圧延を開始して650℃以上の温度で圧延を終了する。650℃未満で圧延を終了すると、圧延過程の前または過程中に生成したフェライトが加工を強く受け、母材およびHAZの靭性が低下する。さらには、熱間圧延機への負荷が増大する。したがって、熱間圧延終了温度は650℃以上とする。熱間圧延終了温度は好ましくは700℃以上であり、より好ましくは730℃以上である。なお、上限については特に限定しないが、オーステナイト粒径を微細にして母材強度および靭性を確保する点から850℃以下とすることが好ましい。800℃以下とすることがより好ましい。
(d)平均冷却速度:鋼板の板厚の1/4位置において10℃/s以上100℃/s以下
平均冷却速度は鋼板の板厚の1/4位置において10℃/s以上100℃/s以下とする。平均冷却速度が10℃/s未満の場合、冷却が遅いためフェライト結晶粒が成長、粗大化し、かつ圧延で導入された転位が抜けることにより軟化するため強度が低下する。そのため、平均冷却速度は鋼板の板厚の1/4位置において10℃/s以上とする。好ましくは20℃/s以上である。より好ましくは30℃/s以上である。一方、平均冷却速度が100℃/sを超える場合、特にベイナイト、マルテンサイトの体積分率が増加し、母材およびHAZの靭性が低下する。したがって、平均冷却速度は鋼板の板厚の1/4位置において100℃/s以下とする。好ましくは90℃/s以下である。より好ましくは80℃/s以下である。さらに好ましくは70℃/s以下である。
(e)冷却方法:鋼板の板厚の1/4位置の温度が400℃以上600℃以下となるように冷却を行う(冷却終了温度)
フェライトを所定の体積分率得るために、冷却終了後の鋼板の板厚の1/4位置の温度を400℃以上600℃以下とする。冷却終了温度が600℃超では、板厚の1/4位置のフェライト結晶粒が成長、粗大化し、かつ軟化するため強度が低下する。そのため、冷却終了温度は600℃以下とする。好ましくは580℃以下であり、より好ましくは550℃以下であり、さらに好ましくは、500℃以下である。一方、冷却終了温度が400℃未満の温度では、ベイナイト、マルテンサイトの体積分率が多くなりすぎてしまい、母材およびHAZの靭性が低下する。そのため、冷却終了温度は400℃以上とする。冷却終了温度は好ましくは420℃以上、より好ましくは450℃以上とする。
上記した成分組成を有する鋼素材を、上記した製造条件に従って製造することによって、上記した組織を有する鋼板を得ることができる。かくして得られる鋼板は優れた鋼板の靭性と強度特性をそなえ、大入熱溶接のHAZ靭性に優れることになる。
なお、圧延開始温度については特に限定されるものでないが、オーステナイト粒径を微細にして母材強度及び靭性を確保する観点から750℃以上とすることが好ましい。より好ましくは800℃以上である。また、1050℃以下とすることが好ましい。1000℃以下とすることがより好ましい。
表1に示す成分組成の溶鋼を溶製し、鋼素材(スラブ)とした。これら鋼素材(スラブ)に、表2に示す条件での熱間圧延および冷却を施した。
得られた鋼板について、鋼板の板厚の1/4位置のミクロ組織の体積分率、析出硫化物とTiNの分布状態、引張特性および靭性の評価を実施した。ミクロ組織の体積分率測定およびフェライト結晶粒単体の硬さ測定は前記の通り実施した。他の試験方法は後述の通りである。また、各鋼板の溶融線近傍HAZの靭性を評価するために、幅80mm×長さ80mm×厚み15mmの試験片を採取し、1450℃に加熱後1秒以上保持し、800~500℃の冷却速度を2℃/sとした再現熱サイクルを付与し、2mmVノッチシャルピー衝撃試験を実施した。
[引張特性]
各鋼板の全厚から、圧延方向に直角の方向にJIS Z 2201の1B号試験片を採取して、JIS Z 2241の要領で引張試験を行い、降伏強さYS(降伏点がある場合は降伏点YP、ない場合は0.2%耐力σ0.2)および引張強さ(TS)を測定した。降伏点または耐力が235MPa以上、引張強さが400MPa以上のものを高強度化を満足した鋼板と判定した。
[靭性]
各鋼板の表面側から1mm削った部位から、圧延方向にJIS Z 2202のVノッチ試験片を採取して、JIS Z 2242の要領でシャルピー衝撃試験を行い、vTrsを測定した。そして、母材のvTrsが―100℃以下、HAZのvTrsが-55℃以下のものを靭性に優れた鋼板と評価した。
かくして得られた評価結果を表2-1、表2-2に記する。
Figure 0007444339000001
Figure 0007444339000002
Figure 0007444339000003
表2-1、表2-2から、発明例ではいずれも良好な母材強度、靭性および溶接熱影響部靭性が得られた。一方、比較例に相当する鋼板No.4~9、22~41、48は溶接熱影響部の靱性が劣り、母材の強度または靭性も劣るものがあった。No.4~9は、組織が本発明の範囲から外れるものであり、No.22~41、48は、(1)~(3)式の値及びC、Si、Mn、Al、Ti、N、P、S、Ca、Oなどの各成分含有量のいずれかが本発明の範囲から外れるものであった。

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C:0.03%以上0.15%以下、
    Si:0.05%以上0.25%以下、
    Mn:1.00%以上2.00%以下、
    Al:0.005%以上0.10%以下、
    Ti:0.004%以上0.030%以下、
    N:0.0036%以上0.0100%以下、
    P:0.030%以下、
    S:0.0005%以上0.0030%以下、
    Ca:0.0005%以上0.0030%以下、
    O:0.0040%以下、を含有し、
    かつ、Ca、O、Sが下記(1)式を満たしており、
    かつ、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vが下記(2)式を満たしており、
    かつ、Ti、Nが下記(3)式を満たしており、
    残部がFeおよび不可避的不純物の成分組成を有し、
    鋼板の板厚の1/4位置におけるフェライトが体積分率で60%以上であり、前記フェライトのうち、EBSD法により取得したGAM(Grain Average Misorientation)値が0.5以上である加工を受けたフェライトの体積分率が30%以上95%以下で、島状マルテンサイトが10%以下で、かつフェライト結晶粒単体の硬さがビッカース硬度で120以上である大入熱溶接用鋼板。

    0.2≦(Ca-(0.18+130×Ca)×O)/1.25/S≦0.8 ・・・(1)
    ただし、Ca、O、Sは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
    0.30≦C+Mn/6+(Ni+Cu)/15+(Cr+Mo+V)/5≦0.36 ・・・(2)
    ただし、C、Mn、Ni、Cu、Cr、Mo、Vは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
    1.5≦Ti/N≦3.5 ・・・(3)
    ただし、Ti、Nは各元素の含有量(質量%)を表す。含有しない元素は0とする。
  2. さらに、成分組成が、質量%で、
    Cu:0.01%以上2.00%以下、
    Ni:0.01%以上2.00%以下、
    Cr:0.01%以上1.00%以下、
    Mo:0.01%以上1.00%以下、
    V:0.01%以上1.00%以下、
    W:0.01%以上1.00%以下、
    Co:0.01%以上1.00%以下、
    Nb:0.005%以上0.100%以下および
    B:0.0001%以上0.0100%以下
    のうちから選ばれる1種以上を含有する、請求項1に記載の大入熱溶接用鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の大入熱溶接用鋼板の製造方法であって、
    鋼素材を、900℃以上1250℃以下の温度に加熱した後、鋼板の板厚の1/4位置において850℃以下で、1パス当たりの圧下率10%以上の圧下を1パス以上付与する熱間圧延を行い、鋼板の板厚の1/4位置において前記熱間圧延の圧延終了温度を650℃以上とし、鋼板の板厚の1/4位置において前記熱間圧延後の平均冷却速度が10℃/s以上100℃/s以下であって、鋼板の板厚の1/4位置の温度が400℃以上600℃以下になるように冷却を行う、大入熱溶接用鋼板の製造方法。
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