JP7444299B2 - 合紙、該合紙を備える包装体及び該合紙を加工して得られる紙加工品 - Google Patents

合紙、該合紙を備える包装体及び該合紙を加工して得られる紙加工品 Download PDF

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Description

本発明は、複数の紙を貼り合わせてなる合紙に関する。また、当該合紙を備える包装体、及び当該合紙を加工して得られる紙加工品に関する。
合紙は、複数の紙を貼り合わせてなる厚手の紙であり、主に絵本やアルバムなどに用いられている。例えば特許文献1には、反りや傷、汚れが発生せず、壊れにくく耐久性があり、安価に大量生産できる点字合紙製本が開示されている。
一方、食品包装の分野では、食品の鮮度保持及びロングライフ化を実現するスキンパックが使用されており、トレー上に食品を載せ、トレーと食品とをバリアフィルムを用いて真空パックしている。スキンパックは、特に精肉などの包装に用いた場合、ドリップ(保存時に食品から出る水分)を抑制できるため、賞味期限を延長でき、食品ロスを低減できる観点からも使用が進んでいる。
こうしたなか、印刷適性による意匠性や環境負荷の低減等を考慮し、ポリスチレンやポリプロピレンなどの樹脂トレーに替えて、紙基材による台紙上に食品を載せ、フィルムによりパックするスキンパックも開発されている。
例えば、特許文献2には、被包装物を容易に取り出すことができるスキンパック包装体を提供することを目的として、台紙が基材と剥離層と接着層とを有し、スキンパックフィルムが前記接着層を介して基材に接着されているスキンパック包装体、が開示されている。
特開2015-98162号公報 特開2014-181075号公報
紙基材を用いたスキンパック用台紙は、食品と接触したときの劣化防止やスキンパックフィルムとの接着性の観点から、紙基材上に樹脂層を設けた積層構造を有する。しかしながら、紙と樹脂の性質の違いから、特に高温多湿や温度変化の激しい環境等の過酷な条件下では、カールが生じることがある。カールが生じるとスキンパックフィルムによる包装が困難になるという問題があり、また、仮に包装できたとしても、スキンパックフィルムとの接着不良や意匠性の悪化という問題がある。
そこで、本発明は、高温多湿環境等過酷な条件下でもカールの発生が低減される合紙を提供することを課題とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、合紙を構成する原紙のそれぞれが特定の長さ加重平均繊維長及び坪量を有する原紙を用い、それらの原紙を、接着層を介して貼り合わせた合紙により、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<11>に関する。
<1>少なくとも原紙Aと接着層Aと原紙Bとをこの順で含む合紙であって、
前記原紙Aを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.50mm~2.00mmであり、前記原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.60mm~2.40mmで
あり、
前記原紙Aの坪量が160g/m~650g/mであり、前記原紙Bの坪量が50g/m~280g/mであり、且つ前記原紙Aの坪量と前記原紙Bの坪量とが、原紙Aの坪量≧原紙Bの坪量、の関係を満たす、合紙。
<2>前記原紙A及び前記原紙Bを構成するパルプのうち、繊維長が0.2mm以下の極小繊維の量(個数)がそれぞれ7.0%~23.0%である、<1>に記載の合紙。
<3>
前記原紙Aの坪量と前記原紙Bの坪量とが、原紙Aの坪量-原紙Bの坪量≧50g/m、の関係を満たす、<1>又は<2>に記載の合紙。
<4>前記合紙は、おもて面及び裏面を有し、少なくともどちらか一方の面に熱可塑性樹脂層を有する、<1>~<3>のいずれかに記載の合紙。
<5>前記接着層Aが、ポリオレフィン系樹脂を含有する、<1>~<4>のいずれかに記載の合紙。
<6>前記合紙は、前記少なくともどちらか一方の面と前記熱可塑性樹脂層との間に接着層Bを有する、<4>に記載の合紙。
<7>前記接着層Bが、水系接着剤を含有する、<6>に記載の合紙。
<8>前記水系接着剤が、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤及びイソシアネート系接着剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである、<7>に記載の合紙。
<9>スキンパック用の台紙である、<1>~<8>のいずれかに記載の合紙。
<10><9>に記載の合紙と、収容物品と、樹脂フィルムとを備え、
前記収容物品が、前記合紙と前記樹脂フィルムとの間に収容されている、包装体。
<11><1>~<9>のいずれかに記載の合紙を加工して得られる紙加工品。
本発明によれば、高温多湿環境等過酷な条件下でもカールの発生が低減される合紙を提供することができる。
2層の紙基材層(原紙A及び原紙B)を含む場合の合紙の実施形態の一例である。 実施例及び比較例で製造した合紙をカール評価する際、評価した4隅を破線で示す図である。 2層の紙基材層(原紙A及び原紙B)を含む場合の合紙の実施形態の他の一例である。
本明細書において、数値範囲を表す「X以上Y以下」や「X~Y」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
<合紙>
本実施形態に係る合紙は、少なくとも原紙Aと接着層Aと原紙Bとをこの順で含む合紙である。原紙Aと接着層Aと原紙Bのみからなる合紙であってもよく、更に別の原紙を、接着層を介して積層させた合紙であってもよい。また、当該合紙のおもて面及び裏面のうち、いずれか、又は両方に熱可塑性樹脂層を有してもよい。また、熱可塑性樹脂層は、接着層Bを介して、当該合紙のおもて面及び裏面のうち、いずれか、又は両方に積層されていてもよい。
図1には、合紙10のおもて面及び裏面の両方に熱可塑性樹脂層4を有する形態を示す。図1において、原紙1と原紙2は接着層3を介して積層され、原紙1及び原紙2の外表面に熱可塑性樹脂層4を有する。また、合紙10のおもて面及び/又は裏面の熱可塑性樹
脂層4を、バリア機能を有するフィルムとしてもよい。
図3には、合紙10のおもて面及び裏面の両方に、接着層5と、熱可塑性樹脂層4とを有する他の形態を示す。図3において、原紙1と原紙2は、接着層3を介して積層され、原紙1及び原紙2の外表面に、接着層5を介して熱可塑性樹脂層4が積層されている。また、合紙10のおもて面及び/又は裏面の熱可塑性樹脂層4を、バリア機能を有するフィルムとしてもよい。
<原紙A、及び原紙B>
原紙A及び原紙B(以下、「紙基材層」と称することがある。)は、一般的に用いられている紙であれば特に限定されず、植物由来のパルプを主成分とする紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。
具体的には、クラフト紙、上質紙、(白)板紙、紙器用原紙、ミルクカートン原紙、カップ原紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙等が挙げられ、これらのなかでもクラフト紙、上質紙、(白)板紙、紙器用原紙、カップ原紙、片艶紙が好ましく、剛性の面から、(白)板紙の中では高級板紙、特殊板紙、カップ原紙、クラフト紙がより好ましい。クラフト紙は、晒クラフト紙、未晒クラフト紙及び片艶晒クラフト紙が挙げられ、印刷適性や衛生面から、晒クラフト紙及び片艶晒クラフト紙が好ましい。
本実施形態において原紙Aは、原紙Aを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.50mm~2.00mmであり、原紙Bは、原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.60mm~2.40mmである。原紙A及び原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長を上記範囲とすることで、温度変化等により原紙に応力がかかる際に、カールの発生を抑制することができる。
原紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長が上記下限未満である場合、原紙の剛度が弱くなるため、カールが生じ易くなると推測する。一方で、原紙を構成するパルプの長さ加重平均繊維長が上記上限超えである場合、温度変化等により繊維が吸湿し曲がってしまうことから、カールが生じ易くなると推測する。
原紙Aは、原紙Aを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.60mm~1.90mmであることがより好ましく、0.70mm~1.50mmであることがさらに好ましく、0.70mm~1.20mmであることが特に好ましい。また、原紙Bは、原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.80mm~2.20mmであることがより好ましく、0.90mm~1.80mmであることがさらに好ましく、0.90mm~1.50mmであることが特に好ましい。
原紙A及び原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定する。具体的には以下の通りである。
原紙を40cm角に切り出し、それをイオン交換水に浸し、固形分濃度2質量%に調整した上で、24時間浸漬する。24時間浸漬した後、標準型離解機(熊谷理機工業株式会社製)を用いて、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。もし、未離解パルプが存在するようならば、再度、20分間離解処理を行い、パルプを繊維状に離解する。原紙が樹脂層を有する場合には、樹脂層を有した形態にて、上記離解処理を行い、スラリー(パルプ繊維の分散液)を分取する。また、樹脂層を除くことができるならば、除いた形態にて離解処理を行うことが好ましい。なお、離解は、JISP8220-2:2012に準拠して行う。
得られた繊維のサンプルを用いて、繊維長測定機(型式FS-5 UHDベースユニット付、バルメット社製)を使用して、「長さ加重平均繊維長」を測定する。なお、測定は、ISO 16065-2:2007に準拠して行う。
また、同機器は、付属のカメラにより繊維の1本1本を検出し測定可能であり、ISO
16505-2:2007規格に従って、被写界深度0.5mmの測定セル内で撮影される。同機器により、繊維長が0.01mm以上10.00mm以下である繊維長違いの繊維含有割合が算出されるため、繊維長の全含有割合に基づき、繊維長において、任意の範囲の繊維の含有割合を算出することができる。したがって、後述する「極小繊維量」も、同機器により測定される。なお、後述する極小繊維は、本発明においては、繊維長0.2mm以下の繊維を意味する。
原紙A及び原紙Bを構成するパルプのうち、繊維長が0.2mm以下の極小繊維の量(個数)は、それぞれ7.0%~23.0%であることが好ましく、9.0%~20.0%であることがより好ましく、10.0%~16.0%であることがさらに好ましい。
極小繊維量が上記範囲内であることで、繊維の隙間に適度に極小繊維が入り込むため剛度が上昇し、また極小繊維の適度な存在が応力を緩和し、カールの発生を抑制できると推測する。
原紙A及び原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長を上記範囲に調整するためには、パルプの調製において、広葉樹晒クラフトパルプなどの広葉樹クラフトパルプをカッターミルなど公知の粉砕装置で粉砕して得られた極小繊維を加えることが好ましい。また、極小繊維を加えることにより、極小繊維量の割合を制御しやすくなる。
原紙Aの坪量は160g/m~650g/mであり、200g/m~600g/mであることが好ましい。
また、原紙Aの密度は、成形加工性の観点から、0.50g/cm~1.20g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.70g/cm~1.00g/cmである。
また、原紙Aの紙厚は、100μm~1000μmであることが好ましく、より好ましくは200μm~800μmであり、さらに好ましくは240μm~750μmであり、よりさらに好ましくは240μm~700μmであり、特に好ましくは400μm~750μmであり、最も好ましくは500μm~700μmである。
原紙Aは、単層構成であってもよく、複層構成であってもよいが、各層の原料配合や坪量、抄造条件等を任意に調整できる観点から、多層構成であることが好ましい。多層構成からなる紙の場合、原紙Aを構成する層の数は、通常2~10であり、好ましくは3~9であり、より好ましくは4~8であり、さらに好ましくは4~6である。
原紙Bの坪量は50g/m~280g/mであり、60g/m~240g/mであることが好ましく、100g/m~240g/mであることがより好ましく、150g/m~240g/mであることがさらに好ましい。また、原紙Aの坪量と原紙Bの坪量とが、原紙Aの坪量≧原紙Bの坪量、の関係を満たし、原紙Aの坪量>原紙Bの坪量、の関係を満たすことが好ましく、原紙Aの坪量-原紙Bの坪量≧50g/m、の関係を満たすことがより好ましい。上記原紙Aの坪量と原紙Bの坪量との関係を満たすことで、カールを効果的に抑制することができ、打ち抜き加工性も良好となるため、好ましい。
また、原紙Bの密度は、成形加工性の観点から、0.50g/cm~1.20g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.70g/cm~1.00g/cmであり、さらに好ましくは0.75g/cm~1.00g/cmであり、特に好ましくは0.81g/cm~1.00g/cmである。
また、原紙Bの紙厚は、50μm~500μmであることが好ましく、より好ましくは60μm~300μmであり、さらに好ましくは70μm~250μmである。
原紙Bは、単層構成であってもよく、複層構成であってもよいが、本発明では原紙Bの
坪量は低く設定することが好ましく、生産性の観点から、単層構成であることが好ましい。
原紙A及び原紙Bを構成する原料パルプは、前述の通り、木材パルプが好ましく、クラフトパルプが好ましい。クラフトパルプは、原料の違いから、広葉樹クラフトパルプ(LKP)及び針葉樹クラフトパルプ(NKP)が挙げられる。また、処理状態の違いから、晒クラフトパルプ(BKP)、未晒クラフトパルプ(UKP)及び酸素漂白クラフトパルプ(OKP)が挙げられ、印刷適性の観点から、晒クラフトパルプ(BKP)が好ましい。
これらの中でも、原料パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)が好ましく、広葉樹クラフトパルプ(LKP)と針葉樹クラフトパルプ(NKP)とを併用することがより好ましい。広葉樹クラフトパルプ(LKP)と針葉樹クラフトパルプ(NKP)とを併用した場合の質量比(LKP/NKP)は、一般的な紙に用いられる比率であれば特に制限なく、1/99~99/1が好ましく、20/80~99/1がより好ましく、30/70~99/1がさらに好ましく、70/30~99/1がよりさらに好ましく、80/20~95/5がよりさらに好ましい。
また、広葉樹クラフトパルプ(LKP)としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましく、針葉樹クラフトパルプ(NKP)としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が好ましい。
原料パルプの調製の際に、内添剤を添加してもよい。内添剤としては、サイズ剤、填料、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料・顔料等が挙げられる。
原紙A及び原紙Bの抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。抄紙機としては、長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等が挙げられる。
抄紙機によって形成された紙層は、たとえば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上記のようにして得られた原紙に、カレンダーによる表面処理を施して厚さやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
原紙A及び原紙Bは、王研式平滑度(JIS P 8155:2010)が5秒以上であることが好ましく、10秒~1000秒がより好ましい。また、印刷適性の観点から、原紙A及び原紙Bは、75°光沢度が5%以上であることが好ましく、10%~70%がより好ましい。
原紙A及び原紙Bの表裏両面(最外面)の少なくとも片面、好ましくは両面に直接印刷をすることによって、得られる合紙の意匠性を高めることができる。また、原紙A及び原紙Bの表面にさらに印刷層を設けることで、合紙を構成する原紙の質に影響されず、各種印刷方法を選択でき、合紙にさらに意匠性を付与することができる。
<接着層A>
原紙Aと原紙Bとは、接着層Aを介して積層される。接着層Aは、接着性を有する材料からなる層であればよいが、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂を用いることで、少なくとも一方の原紙上に加熱溶融した樹脂をコーティングし、もう一方の原紙を貼合することにより、容易に積層体である合紙を得ることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸、スチレン系樹脂、及びアクリル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましく、ポリオレフィン系樹脂を含むことがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE、LLDPE等)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられ、なかでもポリエチレンが好ましく、押し出しラミネート性が良好であり、原紙への塗工のし易さの観点からLDPE(低密度ポリエチレン)及びMDPE(中密度ポリエチレン)がより好ましい。
接着層Aとして、後述する接着剤を用いて原紙Aと原紙Bとを積層してもよい。接着剤は特に限定されないが、水系、溶剤系、UV系などの種類を用いることができ、その中でも、水系接着剤が好ましい。また、水系接着剤の中でもアクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤及びイソシアネート系接着剤からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、接着力の制御がしやすい点と耐熱性の観点からアクリル系接着剤がより好ましい。
接着剤を用いる場合の、接着層Aの単位面積当たりの量としては、1g/m~50g/mであることが好ましく、より好ましくは1g/m~20g/mであり、接着層Aの形成に際しては、固形分がこの量となるように接着剤を原紙A又は原紙B上に塗工することが好ましい。
接着層Aは、単一の樹脂の単層で形成してもよいし、複数の樹脂を混合して単層で形成してもよいし、同種や異種の樹脂からなる複数の層として形成してもよい。
接着層Aの厚さは、特に限定されないが、成形加工適性の点から、好ましくは5μm~100μmであり、より好ましくは10μm~50μmである。
<熱可塑性樹脂層>
本実施形態に係る合紙は、おもて面及び裏面を有し、少なくともどちらか一方の面に熱可塑性樹脂層を有してもよい。熱可塑性樹脂層は、合紙表面を食品等の収容物品から保護したり、収容物品を酸素などの外部刺激から保護する役割を有する。また、例えば、合紙と樹脂フィルムとの間に収容物品を挟んで収容する際に、熱可塑性樹脂層が該樹脂フィルムと接着する役割を有する。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性樹脂の単層であってもよく、熱可塑性樹脂を含む積層体であってもよいが、バリア層を含む積層体であることが好ましく、特に「熱可塑性樹脂層/バリア層/熱可塑性樹脂層」のように、熱可塑性樹脂層の中間にバリア層を有する積層体であることが好ましい。
バリア層は、酸素や水蒸気をバリア可能な層であればよい。具体的には、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体及びポリ塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましく、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール及びエチレン-ビニルアルコール共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つがより好ましく、2層以上の多層構成であってもよい。また、バリア層は金属箔であってもよい。
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミドが好ましく、ポリアミドMXD6がより好ましい。
熱可塑性樹脂層が熱可塑性樹脂を含む積層体である場合に含まれるバリア層の厚さは、好ましくは3μm~100μmであり、より好ましくは4μm~50μmであり、さらに好ましくは5μm~30μmである。
また、上記の材料の他、樹脂として、バイオマス樹脂や生分解性樹脂を用いてもよい。
これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、熱可塑性樹脂層は、後述するラミネート層であってもよい。
熱可塑性樹脂層全体の厚さは、好ましくは1μm~200μmであり、より好ましくは5μm~100μmであり、さらに好ましくは10μm~80μmであり、特に好ましくは10μm~50μmである。
<接着層B>
熱可塑性樹脂層の表面が接着性を有する場合、熱可塑性樹脂層を紙基材層の表面に直接接着してもよいが、輸送時及び展示時の剥離を抑制するために、紙基材層と熱可塑性樹脂層との間に接着層Bを有することが好ましい。
接着層Bを構成する接着剤には、特に制限はないが、ドライラミネートとウェットラミネートに適する樹脂系の接着剤であることが好ましい。
接着層Bを構成する接着剤には、具体的には、水系、溶剤系、UV系などの種類を用いることができ、その中でも、水系接着剤が好ましい。また、水系接着剤の中でもアクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤及びイソシアネート系接着剤からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、アクリル系接着剤がより好ましい。
接着層Bの単位面積当たりの量としては、1g/m~50g/mであることが好ましく、より好ましくは1g/m~20g/mであり、接着層Bの形成に際しては、固形分がこの量となるように接着剤を紙基材層表面上、あるいは熱可塑性樹脂層表面上に塗工することが好ましい。
塗工には、接着剤を含有する塗工液を用いることが好ましく、接着剤を含有する塗工液に硬化剤を混合した混合塗工液を用いることがより好ましい。
<合紙の製造方法>
本実施形態の合紙を製造する方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。以下の製造方法の一例を示す。
まず、原紙Aと原紙Bとを調製し、原紙Aの片面に上記接着層Aとなる熱可塑性樹脂を溶融押出コーティングし、このコーティング面に原紙Bを貼合させて、合紙を得ることができる。得られた合紙の片面又は両面に、防水性、防汚性を向上させる観点から、熱可塑性樹脂層として、ラミネート層を備えていてもよい。また、熱可塑性樹脂層は、接着層Bを介して備えてもよい。また、フィルムを貼り合わせてフィルム付き合紙としてもよい。
ラミネート層に使用される熱可塑性樹脂としては合紙にラミネートできるものであれば特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂の中から適宜選択すればよい。
具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリブタジエン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリアミド;ポリアクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリレート等が例示される。
これらの熱可塑性樹脂の中では、押し出しラミネート性と、バリア性に優れることから、ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)が好ましい。PEは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のように区分され、押し出しラミネート性と発泡性に優れることから、低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい。
ラミネート層のラミネート方法は特に限定されず、公知の溶融押出法、溶融流延法、カレンダー法等の中から、適宜選択すればよい。
熱可塑性樹脂層は、紙基材層の表面に直接接着してもよく、接着層Bを介して紙基材層の表面に接着してもよい。後者の場合は、紙基材層表面上に接着剤を含有する塗工液を塗工しておき、紙基材層の表面に接着層Bを介して熱可塑性樹脂層を積層することが好ましい。
熱可塑性樹脂層が、「熱可塑性樹脂層/バリア層/熱可塑性樹脂層」のように、熱可塑性樹脂層の中間にバリア層を有する積層体を含む場合には、紙基材層表面上に熱可塑性樹脂を溶融押出コーティングし、その上に熱可塑性樹脂層の中間にバリア層を有する積層フィルムを配置し、溶融押出コーティングされた熱可塑性樹脂の表面と積層フィルムの熱可塑性樹脂層の表面とを加熱融合することで、熱可塑性樹脂層を形成してもよい。本手法により、合紙にフィルムを貼り合わせ、フィルム付き合紙を製造することもできる。
合紙には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層を備えてもよい。例えば、原紙A及び原紙Bの表裏両面の少なくとも片面に、オフセット印刷によりインクからなる印刷層を備えてもよい。印刷層を備える場合は、印刷層表面上に、接着層Bを介して、熱可塑性樹脂層を備えることが好ましい。
合紙は、前述の通り、2層の原紙を含むもの(たとえば、原紙Aと原紙B)であるが、3層以上の原紙を含むものでもよい。合紙が3層以上の原紙を含む場合、それらの原紙どうしを接着する接着層は、前記接着層Aと同様のものを用いることが好ましい。
さらに、得られた合紙を、収容物品の大きさや形状、輸送、展示への適合性を考慮し、適当な寸法に裁断してもよい。裁断は、同一形状の合紙を効率的に得る観点から、打ち抜き加工によることが好ましい。
打ち抜き加工は、高速自動打抜機、平盤打抜機、輪転打抜機を用いて行うことが好ましく、高速自動打抜機によることがより好ましい。高速自動打抜機、平盤打抜機によれば、四角形、角丸四角形、楕円形等の形状の合紙を容易に効率的に得ることができる。
<スキンパック用台紙、及び包装体>
合紙はスキンパック用台紙として、好適に用いられる。スキンパック用台紙を用いた包装体は、収容物品と、スキンパック用台紙と、樹脂フィルムとを備え、収容物品がスキンパック用台紙と樹脂フィルムとの間に収容されるものであり、好ましくは、収容物品が密封収納されるものである。
樹脂フィルムとしては、収容物品の種類や形状等によって、適宜選択することができるが、好ましくは、スキンパック用台紙の熱可塑性樹脂層と接着して、収容物品を収容する必要があるため、その接着性に優れ、また、収容物品を取り出す際には剥離性を有するものである。したがって、樹脂フィルムは、上述の熱可塑性樹脂層に用いられる熱可塑性樹脂から構成されるものであることが好ましく、内容物が食品等である場合、バリア層を有するものであることがより好ましい。バリア層としては、上述の熱可塑性樹脂層に用いられるバリア層が好適に用いられる。
収容物品には制限はなく、食品、日用品等が挙げられるが、好ましくは、収容物品を密封して収容することができるため、野菜、精肉、鮮魚等の生鮮食品、及びそれらの加工食品等の食品を収容することに適している。
<紙加工品>
合紙の用途はスキンパック用台紙に制限されず、適宜加工とすることで、紙加工品として用いられてもよい。紙加工品としては、例えば、カップ、トレイ等の紙容器、紙スプー
ン、紙フォーク、紙ナイフ等の紙製カトラリー;紙ハンガー、紙フック等の衣類掛け用具;が挙げられる。加工方法は特に制限されず、公知の方法を採用しうる。例えば、プレス成形により、所望の形状に加工しうる。
以下、実施例を用いて発明を具体的に説明するが、発明の範囲が実施例の記載により限定されることはない。
<原紙A1の調製>
CSF480mLに叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)85質量部と、CSF520mLに叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)5質量部と、極小繊維10質量部と、を混合叩解し、パルプスラリーを得た。なお、極小繊維はLBKPのドライシートを、カッターミル(社名:株式会社ホーライ製、型番:HA8 2542 30E、スクリーン0.24mm)で機械粉砕し、かつ繊維分級機(社名:相川鉄工株式会社製、型番:MAX-F700)を用いパルプ繊維長0.2mm以下を分取した。得られたパルプスラリー100質量部に対して、硫酸バンド0.35質量部(固形分換算)を添加し、表層用、表下層用、中層用、裏下層用、裏層用の5層分の紙料を調製した。この紙料のカナダ標準濾水度(CSF)は500mLに調整した。この紙料を用いて、5層全ての設定坪量を等量として、五層抄きのツインワイヤー抄紙機を用いて抄紙した。坪量は400g/mとした。その後、カレンダーで平滑化処理を施して、原紙A1を得た。
原紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定した。
また、原紙の紙厚は、JIS P 8118:2014に準拠して測定した。なお、樹脂層を有する場合には、断面の電子顕微鏡(SEM)の観察像から、厚みを測定した。
また、上述した測定方法により得られた紙厚及び坪量から、紙の密度を算出した。
<原紙A2の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)74質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)16質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A2を得た。
<原紙A3の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)56質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)34質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A3を得た。
<原紙A4の調製>
パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)90質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A4を得た。
<原紙A5の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)78質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)14質量部と、極小繊維8質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A5を得た。
<原紙A6の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)66質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)16質量部と、極小繊維18質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A6を得た。
<原紙A7の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)82質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)13質量部と、極小繊維5質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A7を得た。
<原紙A8の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)60質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)17質量部と、極小繊維23質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A8を得た。
<原紙A9の調製>
坪量を200g/mに変更した以外は、原紙A2と同様にして原紙A9を得た。
<原紙A10の調製>
坪量を600g/mに変更した以外は、原紙A2と同様にして原紙A10を得た。
<原紙A11の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)90質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A11を得た。
<原紙A12の調製>
パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80質量部と、麻パルプ10質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A12を得た。
<原紙A13の調製>
坪量を150mに変更し、パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)90質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A13を得た。
<原紙A14の調製>
坪量を150mに変更し、パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)80質量部と、麻パルプ10質量部と、極小繊維10質量部と、に変更した以外は、原紙A1と同様にして原紙A14を得た。
<原紙B1の調製>
CSF520mLに叩解した広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)68質量部と、CSF550mLに叩解した針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)18質量部と、極小繊維14質量部と、を混合叩解し、パルプスラリーを得た。なお、極小繊維はLBKPのドライシートを、カッターミル(社名:株式会社ホーライ製、型番:HA8 2542 30E、スクリーン0.24mm)で機械粉砕し、かつ繊維分級機(社名:相川鉄工株式会社製、型番:MAX-F700)を用いパルプ繊維長0.2mm以下を分取した。得られたパルプスラリー100質量部に対して、カチオン化デンプン(P-3T、PIRAAB STARCH社製)0.80質量部(固形分換算)、ロジンエマルジョン(SPN、荒川化学工業株式会社製)1.20質量部、アニオン変性ポリアクリルアマイド(ポリストロン、荒川化学工業株式会社製)0.40部を添加し、ヤンキードライヤーを備えた長網抄紙機を用いて抄紙し、坪量を120g/mとして、原紙B1を得た。
<原紙B2の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)60質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)26質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は
、原紙B1と同様にして原紙B2を得た。
<原紙B3の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)40質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)46質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B3を得た。
<原紙B4の調製>
パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)76質量部と、麻パルプ10質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B4を得た。
<原紙B5の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)70質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)23質量部と、極小繊維7質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B5を得た。
<原紙B6の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)52質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)28質量部と、極小繊維20質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B6を得た。
<原紙B7の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)74質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)22質量部と、極小繊維4質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B7を得た。
<原紙B8の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)44質量部と、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)30質量部と、極小繊維26質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B8を得た。
<原紙B9の調製>
坪量を60g/mに変更した以外は、原紙B2と同様にして原紙B9を得た。
<原紙B10の調製>
坪量を150g/mに変更した以外は、原紙B2と同様にして原紙B10を得た。
<原紙B11の調製>
坪量を200g/mに変更した以外は、原紙B2と同様にして原紙B11を得た。
<原紙B12の調製>
パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)86質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B12を得た。
<原紙B13の調製>
パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)56質量部と、麻パルプ30質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B13を得た。
<原紙B14の調製>
坪量を40mに変更し、パルプスラリーの原料を、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)86質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B14を得た。
<原紙B15の調製>
坪量を40mに変更し、パルプスラリーの原料を、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)56質量部と、麻パルプ30質量部と、極小繊維14質量部と、に変更した以外は、原紙B1と同様にして原紙B15を得た。
<実施例1>
原紙A1の片面にLDPE(日本ポリエチレン株式会社製、LC522)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B1を貼合させて、2層の合紙を得た。
<実施例2~21>
表1に示す、原紙Aと原紙Bとの組み合わせにより、実施例1と同様に2層の合紙を得た。
<実施例22>
原紙A2の片面にLDPE(日本ポリエチレン株式会社製、LC522)を乾燥膜厚が10μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た。
<実施例23>
原紙A2の片面にMDPE(株式会社NUC製、8010)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た。
<実施例24>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に、LDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、コーティングされた合紙を得た。
<実施例25>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に、LDPEを乾燥膜厚が40μmとなるよう溶融押出コーティングし、コーティングされた合紙を得た。
<実施例26>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、合紙の両最表面に、LDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、コーティングされた合紙を得た。
<実施例27>
原紙A2の片面にPP(日本ポリエチレン株式会社製、PHA03A)を乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて
、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に、PPを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、コーティングされた合紙を得た。
<実施例28>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面にPPを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングした。その直後に、PP/EVOH/PPの3層構成のフィルムA(三菱ケミカル株式会社製、ダイアミロンF001、厚さ40μm)を溶融押出コーティングで得たPP層上に貼り合わせ、フィルムAのPP層表面を加熱融合することにより、フィルム付き合紙を得た。
<実施例29>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に、LDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、その直後に、PE/EVOH/PPの3層構成のフィルムB(三菱ケミカル株式会社、ダイアミロンYF1966、厚さ40μm)を、PE層が溶融押出コーティングで得たLDPE層と対向するよう貼り合わせ、フィルムBのPE層表面とLDPE層表面とを加熱融合することにより、フィルム付き合紙を得た。
<実施例30>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に熱乾燥後の塗工量が10g/mとなるように、水系アクリル接着剤(EA-G34、東洋モートン株式会社製)100質量部に対して、硬化剤(CAT-EP8、東洋モートン株式会社製)3質量部を混合した塗工液(水系接着剤)を塗布して接着層を形成し、PP/EVOH/PPの3層構成のフィルムA(三菱ケミカル株式会社製、ダイアミロンF001、厚さ40μm)を貼り合わせることにより、フィルム付き合紙を得た。
<実施例31>
原紙A2の片面にLDPEを乾燥膜厚が20μmとなるよう溶融押出コーティングし、そのコーティング面に原紙B2を貼合させて、2層の合紙を得た後、原紙A2側の最表面に熱乾燥後の塗工量が10g/mとなるように、水系アクリル接着剤(EA-G34、東洋モートン株式会社製)100質量部に対して、硬化剤(CAT-EP8、東洋モートン株式会社製)3質量部を混合した塗工液(水系接着剤)を塗布して接着層を形成し、PE/EVOH/PPの3層構成のフィルムB(三菱ケミカル株式会社製、ダイアミロンYF1966、厚さ40μm)をPE層を外側にして貼り合わせることにより、フィルム付き合紙を得た。
<比較例1~9>
表2に示す、原紙Aと原紙Bとの組み合わせにより、実施例1と同様に2層の合紙を得た。
<カール評価>
得られた実施例1~31及び比較例1~9の合紙に対し、以下のとおりカール評価を行った。
実施例1~31及び比較例1~9で得られた合紙を、自動平盤打抜機(旭マシナリー株式会社製、カートンマスター AP-1300-TSG-8)を用いて、6000枚/時の条件で打ち抜き加工を行い、縦(MD)200mm×横(CD)100mmの長方形の台紙を得た。
次いで、下記(1)で示した条件に調整した恒温恒湿機に、それぞれ実施例及び比較例で製造した合紙(縦200mm×横100mmの長方形)を24時間投入した。24時間後に恒温恒湿機から取り出し、5分後台紙のカール状態を確認した。台紙を水平な硬質面に平置きにし、図2の破線で示す台紙の4ヵ所それぞれの浮きを測定し、その平均値を採用し、以下の評価基準により評価した。台紙を水平な硬質面に平置きする際は、原紙B側を硬質面に設置するよう平置きし浮きを測定する。浮きが生じなかった場合は、原紙A側を硬質面に設置するよう平置きし浮きを測定し、その結果を採用する。なお、評価3以上を良好な評価とし、2以下を不良な評価とした。
(1)40℃、90%RH(高温多湿条件、恒温恒湿試験器(エスペック株式会社製、PR-3KP))
<評価基準>
4:台紙の浮きが10mm以下だった。
3:台紙の浮きが10mm超え15mm以下だった。
2:台紙の浮きが15mm超え20mm以下だった。
1:台紙の浮きが20mm超えだった。
Figure 0007444299000001
Figure 0007444299000002
1、2 原紙
3、5 接着層
4 熱可塑性樹脂層
10 合紙

Claims (8)

  1. 少なくとも原紙Aと接着層Aと原紙Bとをこの順で含む合紙であって、
    前記原紙Aを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.50mm~0.76mmであり、前記原紙Bを構成するパルプの長さ加重平均繊維長が0.60mm~0.90mmであり、
    前記原紙Aの坪量が160g/m~650g/mであり、前記原紙Bの坪量が50g/m~280g/mであり、且つ前記原紙Aの坪量と前記原紙Bの坪量とが、原紙Aの坪量≧原紙Bの坪量、の関係を満たし、
    前記原紙A及び前記原紙Bを構成するパルプのうち、繊維長が0.2mm以下の極小繊維の量(個数)がそれぞれ7.0%~23.0%であり、
    前記原紙A及び前記原紙Bを構成するパルプが、広葉樹クラフトパルプ70~100質量%と針葉樹クラフトパルプ0~30質量%とからなり、
    前記原紙Aの紙厚が、240μm以上であり、
    スキンパック用の台紙である、合紙。
  2. 前記原紙Aの坪量と前記原紙Bの坪量とが、原紙Aの坪量-原紙Bの坪量≧50g/m、の関係を満たす、請求項1に記載の合紙。
  3. 前記合紙は、おもて面及び裏面を有し、少なくともどちらか一方の面に熱可塑性樹脂層を有する、請求項1に記載の合紙。
  4. 前記接着層Aが、ポリオレフィン系樹脂を含有する、請求項1に記載の合紙。
  5. 前記合紙は、前記少なくともどちらか一方の面と前記熱可塑性樹脂層との間に接着層Bを有する、請求項3に記載の合紙。
  6. 前記接着層Bが、水系接着剤を含有する、請求項5に記載の合紙。
  7. 前記水系接着剤が、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤及びイソシアネート系接着剤からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項6に記載の合紙。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の合紙と、収容物品と、樹脂フィルムとを備え、
    前記収容物品が、前記合紙と前記樹脂フィルムとの間に収容されている、包装体。
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JP2002326332A (ja) 成形加工原紙及びそれを用いた紙製成形容器

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