JP7442417B2 - 需給調整支援装置、需給調整装置並びに方法 - Google Patents

需給調整支援装置、需給調整装置並びに方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統の需給調整支援装置、需給調整装置並びに方法に関する。
電力を安定供給するためには、需給バランスを調整して周波数を管理目標値以内に維持する必要がある。系統運用者は、需給の変動周期に応じ、ガバナフリーGF(Governor Free)、負荷周波数制御LFC(Load Frequency Control)、経済負荷配分制御ELD(Economic Load Dispatch)による調整電源の出力調整を組み合わせて、エリア単位で管理目標値以内の周波数を維持している。なお、本明細書では、需給調整における出力配分の配分先を調整電源と言う。調整電源は、発電機、蓄電池、デマンドレスポンスの少なくともいずれか1つから選択することができる。
現在、系統運用者は、需給バランスを調整する目的で、公募により調整力を調達している。また、調整力の取引を行う需給調整市場が創設されると、系統運用者は、この需給調整市場において調整力を調達することになる。
需給調整市場では、需要予測誤差、時間内変動、電源脱落等に対応するため、各一般送配電事業者が、ガバナフリーGF、負荷周波数制御LFC、経済負荷配分制御ELDに活用できる調整力を確保することなる。同市場で扱う調整力は、指令値までの出力変化(応動時間)が速く、出力継続時間が短い順に一次調整力、二次調整力(1)、二次調整力(2)、三次調整力(1)、三次調整力(2)の5種類に分けられる。
そのうえで、一次調整力に相当するガバナフリーGF(数秒~数分程度の負荷変動に対応)では、調速機(ガバナ)により、系統周波数の変化に対応して出力を増減させる。二次調整力(1)に相当する負荷周波数制御LFC(数分~十数分程度の負荷変動に対応)では、負荷変動に起因する周波数変動や連系線潮流変動等を検出し、調整電源の出力を調整する。二次調整力(2)、三次調整力(1)に相当する経済負荷配分制御ELD(十数分程度以上の負荷変動に対応)では、最経済となるよう調整電源へ出力を配分する。なお、三次調整力(2)は低速枠の調整力と位置付けられている。
これら調整力は、供給能力に加え、「中央給電指令所からの指令に応じた出力変化速度等といった反応力」や「発生した需給差に対応するための調整幅」といった能力を求められる。需給調整においては、「反応力」や「調整幅」を有した調整力(ΔkW)を系統運用者が事前に調達した上で、実運用において調整力を運用することになる。調整力の運用に伴っては、可変費用(kWh)が発生する。上記説明の通り、需給調整市場は、「調整力の調達(ΔkW確保の側面)」と、「調達した調整力の運用(実際に運用した調整力に対しkWh価値を支払う側面)」が存在する。「ΔkW」を保有するということは、実需給時点で各時間帯毎に必要な調整能力を持った調整電源等を、出力調整できる状態で予め確保するということである。
系統運用者は、1週間分等の一定期間において、まとめて調整力を調達する。周波数変動を管理目標値以内に維持しつつ、燃料コストや調整力調達コストを可能な限り低減できるだけの調整力を確保しておく必要がある。
また、その運用においては、メリットオーダーに基づいて調整力を発動する仕組みが設けられる可能性がある。メリットオーダーによる出力配分では、コストに基づく優先順位を基に調整電源に出力を配分する。調整力の上げ方向についてはコストの安い順に出力を配分し、調整力の下げ方向についてはコストの高い順に出力を配分する。
図1に、メリットオーダーに応じた出力配分に基づく調整電源ごとの出力配分の一例を示す。このとき、各調整電源GA、GB、GC、GD、GEの調整コストMA、MB.MC、MD、MEは、MA<MB<MC<MD<MEであるものとする。この例は、出力配分可能上限値を30とする各調整電源に対して、上げ側の調整力の合計値70を配分するイメージである。まず、調整コストが最も安い調整電源GAに30を割り当てる。次に、調整コストが2番目に安い調整電源GBに30を割り当てる。最後に、調整コストが2番目に安い調整電源GCに20を割り当てる。
ここで、電力系統において負荷変動(再生可能エネルギーの出力変動を含む)等により需給アンバランスが発生すると、周波数変動が発生する。特に太陽光発電が大量に導入されると、短周期変動が増大することに加えて、昼間の供給過剰や夕方の急峻な残余需要(需要から再生可能エネルギーの出力を差し引いた値)増加等が原因で周波数変動が拡大することが想定される。
電力系統の需給調整に関する方法として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1によると、電力需要調整量とその調整コストに関する実績データから需要調整のためのコストを予測する式を求め、電力供給計画の情報を提示するための計算を行うと記載されている。
特許4574985号
しかしながら、特許文献1では、系統運用者が選択した運用が最適であったかの判断ができず、系統運用者に運用結果をフィードバックできない可能性がある。例えば、揚水発電機を経済運用のための負荷平準化または、短周期変動吸収のどちらを目的として使用するかにおいても運用結果が大きく異なる。
以上のことから本発明においては、周波数変動を規定値以内に抑制した上で、トータルコストを抑える運用を可能とする電力系統の需給調整支援装置、需給調整装置並びに方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明においては、「電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を支援するための需給調整支援装置であって、需給調整を行うために必要な需給データが格納されている需給データデータベースと、需給データデータベースに格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出する変更断面作成部と、需給データデータベースに格納された需給データを用いて、運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施する需給調整解析部と、需給調整解析の結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする需給調整支援装置」としたものである。
また本発明においては、「需給調整支援装置により支援される需給調整装置であって、確保した調整力を用いて、電力系統の複数の調整電源に対する出力指令値を算出する需給調整部と、需給調整部で算出された出力指令値が格納されている出力指令値データベースを備えることを特徴とする需給調整装置」としたものである。
また本発明においては、「電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を支援するための需給調整支援方法であって、需給調整を行うために必要な需給データを格納し、格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出し、需給データを用いて、運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施し、需給調整解析の結果を提示することを特徴とする需給調整支援方法」としたものである。
また本発明においては、「電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を行う需給調整方法であって、需給調整を行うために必要な需給データを格納し、格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出し、需給データを用いて、運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施し、需給調整解析の結果を提示するとともに、確保した調整力を用いて、電力系統の複数の調整電源に対する出力指令値を算出することを特徴とする需給調整方法」としたものである。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、周波数変動を規定値以内に抑制した上で、トータルコストを抑える運用方法を提示できることにある。
メリットオーダーに応じた出力配分の一例を示す図。 電力系統20に接続されてこれを制御する需給調整装置10のハードウェア構成例を示す図。 実施例1に係る需給調整装置の機能的な構成例を示すブロック図。 図3の需給調整支援機能10Bの処理を示すフローチャート。 図3の変更断面作成部において、揚水発電機を負荷平準化を目的として変更した断面のイメージを示す図。 図3の変更断面作成部において、揚水発電機を短周期変動吸収を目的として変更した断面のイメージを示す図。 変更断面作成部において、調整力の大きさを変更した断面のイメージを示す図。 変更断面作成部において、調整力の大きさを変更した断面のイメージを示す図。 図5a、図5bの需給調整解析結果を示す図。 図6a、図6bの需給調整解析結果を示す図。 実施例2に係る需給調整装置の機能的な構成例を示すブロック図。 図9の需給調整支援機能10Bの処理を示すフローチャート。 図9の変更断面感度作成部で作成された変更断面感度のイメージを示す図。 実施例3に係る需給調整装置の機能的な構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図2は、電力系統20に接続されてこれを制御する需給調整装置10のハードウェア構成例を示している。図2において、需給調整装置10は、例えば、計算機システムで構成される。
図2の上部には一般的な電力系統20の構成例が示され、下部には需給調整装置10のハードウェア構成例を示している。このうち電力系統20は、複数の調整電源Gおよび負荷Ldが、ノード、変圧器および送電線L等を介して相互に連系されたシステムである。ノードには、電力系統20の保護、制御および監視のための各種の計測器が設置されている。
これに対し、需給調整装置10は、通信ネットワーク300を介して、電力系統20の計測情報等にアクセスし、これを入手することができる。また需給調整装置10は、その判断結果を電力系統の調整電源に与えてこれを制御する。
需給調整装置10は、一般的にはコンピュータにより構成されており、表示部21、入力部22、通信部23、プロセッサ24、メモリ25および記憶装置DBを備える。表示部21、入力部22、通信部23、プロセッサ24、メモリ25および記憶装置DBは、バス27を介して接続されている。
このうち表示部21は、需給調整装置10で扱われるパラメータおよび需給調整装置10での処理結果等を表示する。表示部21は、ディスプレイ装置であってもよいし、ディスプレイ装置とともにプリンタ装置または音声出力装置等を用いてもよい。
入力部22は、需給調整装置10を動作させるための各種条件等を入力する。入力部22は、キーボードおよびマウス等を使用できる他、タッチパネルまたは音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えるようにしてもよい。
通信部23は、通信ネットワーク300に接続するための回路および通信プロトコルを備える。通信ネットワーク300は、インターネット等のWAN(Wide Area Network)であってもよいし、WiFiまたはイーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)であってもよいし、WANとLANが混在していてもよい。
プロセッサ24は、コンピュータプログラムを実行し、記憶装置26に記憶されている各種データベース内のデータの検索、処理結果の表示指示、電力系統20の需給調整支援に関する処理等を行う。プロセッサ24は、CPU(Central Processing Unit)であってもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ24は、シングルコアロセッサであってもよいし、マルチコアロセッサであってもよい。プロセッサ24は、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))を備えていてもよい。プロセッサ24は、ニューラルネットワークを備えていてもよい。プロセッサ24は、1つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。プログラムの実行は、複数のプロセッサやコンピュータに分担させてもよい。あるいは、プロセッサ24は、通信ネットワーク300を介してクラウドコンピュータ等に需給調整支援プログラムの全部または一部の実行を指示し、その実行結果を受け取るようにしてもよい。
メモリ25は、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、コンピュータプログラムおよび計算結果データを記憶したり、各処理に必要なワークエリアをプロセッサ24に提供したりする。
記憶装置DBは、大容量の記憶容量を有する記憶デバイスであり、例えば、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)である。記憶装置DBは、各種プログラムの実行ファイルやプログラムの実行に用いられるデータを保持することができる。記憶装置26は、出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2を保持することができる。また、記憶装置DBは、需給調整支援プログラムを保持することができる。需給調整プログラムは、需給調整装置10にインストール可能なソフトウェアであってもよいし、需給調整装置10にファームウェアとして組み込まれていてもよい。
出力指令値データベースDB1には、需給調整部で自動または手動によって計算された出力指令値が格納されている。需給データデータベースDB2には、需要、再生可能エネルギーの出力、燃料特性等、需給調整を行うために必要な需給データが格納されている。
なお図2では、需給調整装置10が、出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2を保持する例を示したが、出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2の少なくともいずれか1つをクラウドサーバに保持させるようにしてもよい。
図3は、実施例1に係る需給調整装置10の機能的な構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、“○○部は”と動作主体を記した場合、図2のプロセッサ24がプログラムである○○部を読み出し、DRAM(Dynamic Random Access Memory)にロードした上で○○部の機能を実現するものとする。
図3のように、需給調整装置10における処理機能で表すと、これは出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2、需給調整部11、変更断面作成部12、需給調整解析部13、表示部21を備えるものということができる。このうち出力指令値データベースDB1と、需給調整部11により需給調整装置10における需給調整機能10Aを達成し、需給データデータベースDB2と、変更断面作成部12と、需給調整解析部13と、表示部21により需給調整装置10における需給調整支援機能10Bを達成している。なお需給調整支援機能10Bは、需給調整支援装置ということもできる。
需給調整機能10Aに関して、需給調整部11では、需給データDを入力し、確保した調整力においてメリットオーダー等に基づいて調整力を自動または手動で発動することで出力指令値を算出し、その結果を出力指令値データベースDB1に出力する。またそのうえで、出力指令値データベースDB1に蓄えた出力指令値をそれぞれの調整電源Gに与えてこれを制御せしめる運用を実行する。
これに対して需給調整支援機能10Bでは、調整電源に配分した調整力の各条件で電力系統を運用した場合に電力系統の状態がどのように変化し、初期の目的をどの程度達成したのかについての検証を行うことにより、需給調整部11において調整力を定める場合の判断材料としての基礎資料を入手し、あるいは需給調整処理に反映させることで、需給調整支援を行うものである。
このため需給調整支援機能10Bでは、まず変更断面作成部12において、需給データデータベースDB2に格納された需給データの実績を入力し、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目(揚水時間、調整力の大きさ等)を選択した上で変更したいパラメータを算出し、その結果を需給調整解析部13に出力する。これは需給データデータベースDB2には、過去運用の各実需給断面における電力系統各部の多くのデータが格納されているが、これらの中から特定の項目のみを運用者が選択し、選択した項目の条件を変更した時の電力系統各所に与える影響を把握しようとするものである。
需給調整解析部13では、変更断面作成部12で作成された変更断面を入力し、変更断面以外は過去の実需給断面と同じ需給データを用いて需給調整解析を実施することで、その結果を表示部21に出力する。
表示部21では、需給調整部13で計算された需給調整解析の結果を入力し、全変更断面での結果または、トータルコストの安い変更断面等の結果を表示する。
図4は、図3の需給調整支援機能10Bの処理を示すフローチャートである。まず処理ステップS1の需給データ格納では、過去の実需給断面において、需要、再生可能エネルギーの出力、燃料特性等の需給データを需給データデータベースDB2に格納しておく。
処理ステップS2の変更断面作成では、処理ステップS1で格納された過去の実需給断面に対して、運用を変更したい項目(揚水時間、調整力の大きさ等)を選択した上で変更したいパラメータを算出する。
過去の実需給断面と、運用を変更したい項目の一例について、図5a、図5b、図6a、図6bを用いて説明する。まず図5a、図5bの事例における過去の実需給断面では、電力系統は火力発電による調整電源GA、GB、GCの3台と、揚水発電による調整電源GD、GEの2台による計5台により運用されているものとする。
また図5aでは揚水発電による調整電源GD、GEについて揚水運転を行い、火力発電による調整電源GA、GB、GCの発電量の一部を、揚水発電による調整電源GD、GEに与えてこれを負荷運用する際の揚水発電機の負荷平準化を目的として調整力を変更した断面のイメージである。本例では、残余需要が小さい時間帯に揚水発電機が揚水負荷運転(汲み上げ)を実施する例を示している。
また図5bでは、揚水発電による調整電源GD、GEについて発電運転を行い、火力発電による調整電源GA、GB、GCの発電量と、揚水発電による調整電源GD、GEの発電量の合計による発電を行う揚水発電機の短周期変動吸収を目的として調整力を変更した断面のイメージである。本例では、再生可能エネルギーの短周期変動が大きい時間帯に揚水発電機が調整力を確保した状態で発電運転(可変速揚水の場合は揚水運転も可)を実施する例を示している。
図5a、図5bの事例における過去の実需給断面において、処理ステップS2で運用を変更したい項目は、例えば揚水時間等である。また図5bの事例における過去の実需給断面において、処理ステップS2で運用を変更したい項目は、例えば調整力の大きさ等である。
図6a、図6bの事例における過去の実需給断面では、電力系統は火力発電による調整電源GA、GB、GC、GD、GEの計5台により運用されているものとする。また図6aでは、調整力は調整電源GD、GEの2台であり確保した調整力が小さい場合のイメージであるに対し、図6bでは、調整力は調整電源GB、GC、GD、GEの4台であり確保した調整力が大きい場合のイメージである。図6a、図6bの事例における過去の実需給断面において、処理ステップS2で運用を変更したい項目は、例えば調整力の大きさ等である。
処理ステップS3の需給調整解析では、処理ステップS2で作成された変更断面において、変更断面以外は過去の実需給断面と同じ需給データを用いて需給調整解析を実施する。この場合に変更断面とは、処理ステップS2における運用を変更したい項目(揚水時間、調整力の大きさ等)のことであり、これらを可変に設定して需給調整解析を実施する。さらにこの時、変更断面以外の需給データは過去の実需給断面と同じものを採用する必要があり、適宜需給データデータベースDB2に格納された需給データを入力して需給調整解析を実施する。
処理ステップS4の表示では、処理ステップS3の解析した結果をインターフェースに表示する。なおここで、周波数変動とコストのみでなく、過負荷、電圧逸脱、電圧安定性、同期安定性等の安定性について表示してもよい。過負荷とは潮流が送電線の容量を超過すること、電圧逸脱とは各ノードの電圧が上限値または下限値を逸脱すること、電圧安定性とは負荷の増加、調整電源や変電設備の停止等の擾乱時に電圧を安定に維持する能力のこと、同期安定性とは調整電源の停止等の擾乱時に調整電源間の同期を安定に維持する能力のことである。
図7、図8により解析結果の表示例について説明する。このうち図7は、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目が「揚水発電機の運用」である場合(図5a、図5b)に、需給調整解析した結果を表示部21に出力する時の例である。図7の(a)は、図5aの揚水発電機について変更断面として、負荷平準化を目的とする揚水運転をしたときの各評価項目(周波数変動、コスト、過負荷安定性など)の結果を示しており、図7の(b)は、図5bの揚水発電機について変更断面として、短周期変動吸収を目的とする発電運転をしたときの各評価項目(周波数変動、コスト、過負荷安定性など)の結果を示している。
図8は、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目が「調整力の大きさ」である場合(図6a、図6b)に、需給調整解析した結果を表示部に出力する時の例である。図8は、6a、図6bの電力系統について変更断面として、調整力をしたときの各評価項目(周波数変動、コスト、過負荷や電圧逸脱の安定性など)の結果を示している。
以上説明したように、上述した実施例1によれば、過去の実需給断面に対して、周波数変動を規定値以内に抑制した上で、燃料コストや調整力調達コスト等を抑える運用方法を系統運用者に提示できる。
図9は、実施例2に係る需給調整装置の機能的な構成を示すブロック図である。以降、第1実施形態に係る需給調整装置と異なる箇所について記載する。
図9において、需給調整装置10は、出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2、需給調整部11、変更断面作成部12、需給調整解析部13、表示部21に加えて、変更断面感度データベースDB3、変更断面感度作成部14をさらに備える。この構成によれば、需給調整部10Aの構成は図3と同じであり、需給調整支援部10Bの構成に新に変更断面感度データベースDB3、変更断面感度作成部14を追加したものとなっている。
図9の構成によれば、図3と同様に変更断面作成部12では、需給データデータベースDB2に格納された需給データの実績を入力し、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で、変更断面感度作成部14で作成した感度の優先順位に応じて変更したいパラメータを算出し、その結果を需給調整解析部13に出力する。
そのうえでさらに、変更断面感度作成部14では、需給調整解析部13で算出された周波数やコスト等の結果を入力し、変更したい項目に対して、例えば周波数やコスト等の感度を算出し、その結果を表示部21と変更断面感度データベースDB3に出力する。この結果として、変更断面感度データベースDB3には、変更したい項目(例えば調整力の区分ごと)に対する周波数とコスト等の感度を表す指標である変更断面感度が格納されている。
図10は、図9の需給調整支援機能10Bの処理を示すフローチャートである。図4の実施例1の処理を示すフローチャートに、変更断面感度作成の処理ステップS5を更に備えたものである。また、変更断面作成の処理ステップS2の処理が一部変更されている。
処理ステップS5の変更断面感度作成では、需給調整解析部13で算出された周波数やコスト等の結果を入力し、変更したい項目(例えば調整力の区分ごと)に対して、例えば周波数やコスト等の感度を算出する。
図11は、変更断面感度作成部で作成された変更断面感度のイメージである。この例では、縦軸は周波数変動、横軸はトータルコスト(燃料コストや調整力調達コスト等)であり、調整力の区分ごと(一次調整力、二次調整力(1)、二次調整力(2)、三次調整力(1)、三次調整力(2))の感度を算出するイメージである。
この例では、●が過去実績による断面であり、○が本発明により変更断面を可変とする解析により求めた評価項目(周波数変動とコスト)の間の相関を図示している。この結果では、過去断面●よりも調整力を増加させる方向の場合には調整力の区分によらず、調整力を大きくすれば周波数変動を低く抑えられるという傾向があり、さらに□次調整力のほうが△次調整力よりも周波数変動抑制効果が顕著に表れるということが見て取れる。
またこの例では、過去断面●よりも調整力を低減させる方向の場合には調整力の区分によらず、調整力を小さくすれば周波数変動が大きくなるという傾向があり、さらに□次調整力のほうが△次調整力よりも周波数変動抑制効果が悪いということが見て取れる。
なお、同時に複数の調整力の区分について、大きさを変更した場合の感度として算出してもよい。また、別の感度として、縦軸は調整力の大きさ、横軸は一定の周波数を抑える(許容する)のに増加(減少)するトータルコスト等で表してもよい。
処理ステップS2の変更断面作成では、処理ステップS5で作成した変更断面感度の優先順位に応じて変更したい項目を算出する。すなわち、コスト削減により寄与する項目を優先して、変更断面を作成する。なお、処理ステップS2の変更断面作成で用いる変更断面感度は、過去に作成された変更断面感度を用いる。また、処理ステップS2の変更断面作成で変更断面感度を用いるか、用いないかは適宜選択できるものとする。
以上説明したように、上述した実施例2によれば、過去の実需給断面に対して、周波数変動を規定値以内に抑制した上で、燃料コストや調整力調達コスト等を抑える運用方法を系統運用者に提示できる。
図12は、実施例3に係る需給調整装置の機能的な構成を示すブロック図である。以降、実施例1に係る需給調整装置と異なる箇所について記載する。
図12において、需給調整装置10は、出力指令値データベースDB1、需給データデータベースDB2、需給調整部11、変更断面作成部12、需給調整解析部13、表示部21に加えて、需要・再生可能エネルギー出力予測部15をさらに備える。
需要・再生可能エネルギー出力予測部15では、需給データの中から需要と再生可能エネルギー出力を入力し、予測モデルに当てはめることで予測値を算出し、その結果を需給データデータベースDB2に出力する。
予測モデルは、例えば、線形モデル、ベイズ推定、カルマンフィルタ、ARIMAモデル、決定木(ランダムフォレスト等含む)、ニューラルネットワーク、SVM等の予測モデル等を想定する。
ここで、変更断面作成部12では、需給データデータベースDB2に格納されている需要・再生可能エネルギー出力予測部14で算出した予測値とその他需給データを入力し、予測断面に対して運用を変更したい項目(揚水時間、調整力の大きさ等)を選択した上で変更したいパラメータを算出し、その結果を需給調整解析部13に出力する。
また、需給調整解析部13では、変更断面作成部12で作成された変更断面を入力し、変更断面以外は予測断面の需給データを用いて需給調整解析を実施することで、その結果を表示部21に出力する。この時、結果を需給調整部11に出力しても良く、トータルコストの安い変更断面を運用で用いる。
需給調整部11では、需要・再生可能エネルギー出力予測部14で算出した予測値とその他需給データを入力し、確保した調整力においてメリットオーダー等に基づいて調整力を自動または手動で発動することで出力指令値を算出し、その結果をデータベースDB1に出力する。
以上説明したように、上述した実施例3によれば、需要と再生可能エネルギー出力の予測値を用いることで、予測断面に対して、周波数変動を規定値以内に抑制した上で、燃料コストや調整力調達コスト等を抑える運用方法を系統運用者に提示できる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除または置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能および処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。
DB1:出力配分指令値データベース
DB2:需給データデータベース
DB3:変更断面感度データベース
20:電力系統
10:需給調整装置
10A:需給調整機能
10B:需給調整支援機能
11:需給調整部
12:変更断面作成部
13:需給調整解析部
14:変更断面感度作成部
15:需要・再生可能エネルギー出力予測部
21:表示部
22:入力部
23:通信部
24:プロセッサ
25:メモリ
26:記憶装置
27:バス
300:通信ネットワーク

Claims (9)

  1. 電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を支援するための需給調整支援装置であって、
    需給調整を行うために必要な需給データが格納されている需給データデータベースと、前記需給データデータベースに格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出する変更断面作成部と、前記需給データデータベースに格納された需給データを用いて、前記運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施する需給調整解析部と、前記需給調整解析の結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする需給調整支援装置。
  2. 請求項1に記載の需給調整支援装置であって、
    前記需給データは、需要、再生可能エネルギーの出力、燃料特性を含むことを特徴とする需給調整支援装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の需給調整支援装置であって、
    前記需給調整解析の結果は、評価項目として電力系統の周波数変動並びに電力系統の安定性、及び調整力に関するトータルコストの少なくとも一つを含むことを特徴とする需給調整支援装置。
  4. 請求項3に記載の需給調整支援装置であって、
    前記評価項目について、異なる評価項目間の感度を表す指標である変更断面感度を格納する変更断面感度データベースと、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目ごとに、前記評価項目についての変更断面感度を作成し前記変更断面感度データベースに格納する変更断面感度作成部とを備えることを特徴とする需給調整支援装置。
  5. 請求項4に記載の需給調整支援装置であって、
    前記変更断面感度作成部で作成した変更断面感度の優先順位に応じて変更したいパラメータを算出し、その結果を需給調整解析部の処理に反映することを特徴とする需給調整支援装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の需給調整支援装置であって、
    需要と再生可能エネルギー出力を予測モデルに当てはめることで予測値を算出する需要・再生可能エネルギー出力予測部を備え、前記需要・再生可能エネルギー出力予測部の予測結果を需給データとして、前記需給データデータベースに格納することを特徴とする需給調整支援装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の需給調整支援装置により支援される需給調整装置であって、
    確保した調整力を用いて、電力系統の複数の調整電源に対する出力指令値を算出する需給調整部と、前記需給調整部で算出された前記出力指令値が格納されている出力指令値データベースを備えることを特徴とする需給調整装置。
  8. 電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を支援するための需給調整支援方法であって、
    需給調整を行うために必要な需給データを格納し、格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出し、前記需給データを用いて、前記運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施し、前記需給調整解析の結果を提示することを特徴とする需給調整支援方法。
  9. 電力系統の複数の調整電源に対する調整力を決定する需給調整処理を行う需給調整方法であって、
    需給調整を行うために必要な需給データを格納し、格納された需給データの中から、過去の実需給断面に対して運用を変更したい項目を選択した上で変更したいパラメータを算出し、前記需給データを用いて、前記運用を変更したい項目と変更したいパラメータにおける需給調整解析を実施し、前記需給調整解析の結果を提示するとともに、
    確保した調整力を用いて、電力系統の複数の調整電源に対する出力指令値を算出することを特徴とする需給調整方法。
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