以下、本発明のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除するものではない。また、実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一要素は原則として同一の符号を付し、その説明を省略することもある。
以下の説明では、本発明に係るアイウェアが、電気的制御により光学特性が変化する電気活性領域を含むレンズを有する電子メガネであるとして説明するが、必ずしも電子メガネではなくてもよい。
(第1実施形態)
以下、図1から図3を参照して本発明の第1実施形態のアイウェア1の構成を説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るアイウェア1の平面図である。図2は、図1のII矢視図であり、後述するストッパ30の近傍を拡大して示す図である。図3は、図2のIII-III断面図である。また、本明細書において、ユーザがアイウェア1を装着した時にユーザの額が位置する側をアイウェア1の後側、その反対側をアイウェア1の前側とする。また、アイウェア1を装着したユーザから視て右側および左側を、それぞれ右側および左側とする。
アイウェア1は、フレーム100、一対のレンズ200、200(図2参照)、操作入力部300、配線400(図3参照)、一対の電源500、500、および、制御部(不図示)を備えている。
フレーム100の内部空間S1(図3参照)には、各レンズ200、操作入力部300、電源500、および、制御部と電気的に接続する配線400が配策されている。操作入力部300がタッチ操作を検出するたびに、制御部が、各レンズ200を構成する特性変化部(不図示)に対する電圧のオン/オフを切り替えることで、レンズ200の屈折率または光の透過率を切り替えている。
フレーム100は、フロント10、一対のテンプル20、20、および、一対のストッパ30、30、および、一対の保持筒31、31(図3参照)を備えている。
フロント10は、保持部11、および、一対の延長部15、15を有している。保持部11は、延長部15と別部材である。保持部11は、例えば、金属で形成されており、延長部15は、保持部11よりも弾性率が低い物質、つまり、弾性変形しやすい物質で形成されている。延長部15を形成する物質であり、かつ、弾性変形しやすい物質の例として、チタン、アルミニウム、ステンレス、および、金、若しくは、それらの合金等の金属材料、ポリアミド、アセテート、セルロイド、ポリエーテルイミドおよびポリウレタン等の樹脂、カーボン等の非金属材料が挙げられる。
以下の説明において、一対の延長部15、15同士の間を内側とする。また、一対の延長部15、15の両側、つまり、右側の延長部15よりも右側、又は、左側の延長部15よりも左側を外側とする。
保持部11には、上述した配線400が配策される内部空間S11(図3参照)が形成されている。
保持部11は、一対のリム12、12、ブリッジ13、および、一対のヨロイ部14、14を有している。
右側のリム12は、右側のレンズ200を保持しており(図2参照)、左側のリム12は、左側のレンズ200を保持している。ブリッジ13は、左右方向に延在しており、リム12、12同士を接続している。一対のヨロイ部14、14は、保持部11の両端部である。すなわち、右側のヨロイ部14は、保持部11の右側端部であり、左側のヨロイ部14は、保持部11の左側端部である。ヨロイ部14、14はそれぞれ、被固定部位141、141を有している。被固定部位141、141は、後側に向けて延在している。図3に示されているように、一対の被固定部位141、141は、一対の延長部15、15の保持部11側に位置する端部151、151よりも外側に位置している。
右側および左側の延長部15、15はそれぞれ、保持部11の後面111側に位置しており、保持部11から離れる方向に右側および左側のヨロイ部14、14から延在している。延長部15、15それぞれは、内側から外側に向けて、被固定部位141、141の上壁142および下壁143との間を通過している。
右側および左側の延長部15、15の保持部11側に位置する端部151、151はそれぞれ、右側および左側の被固定部位141、141の内側面144、144に固定されている。固定方法は、溶接であってもよいし、ねじ(不図示)で固定されていてもよい。図3における点Cは、被固定部位141における、右側の延長部15の保持部11側に位置する端部151が取り付けられている位置を示す。また、被固定部位141は、外側面145を有する。
右側および左側の延長部15、15の後側に位置する端部152、152は、操作入力部300よりも前側に位置する。
図2に示されているように、各延長部15には、その前側部分153の上側に切欠き17が形成されている。つまり、延長部15は、前側部分153が後側部分154よりも上下方向の寸法が短く形成されている。このため、延長部15の前側部分153と、被固定部位141の上壁142との間には隙間が形成されている。なお、切欠き17は、延長部15の前側部分153の下側に形成されていてもよい。
各延長部15の後側部分154には、後述する保持筒31が貫通する貫通穴が形成されている。また、図3に示されているように、延長部15は、その内側を向く内側面155に、上下方向に延在する筒部18を有する。筒部18には、ヒンジ70の軸部分71が挿通可能な挿通穴が形成されている。図2には、破線でヒンジ70が示されている。
延長部15の後側部分154の上下方向の寸法は、例えば10mmである。延長部15の厚さ、すなわち、延長部15の外側の面から内側の面までの寸法は、例えば3mmである。
なお、延長部15の厚さを小さくすることで、延長部15の弾性率を低くすることができる。よって、延長部15の厚さが大きいときと比べて、比較的弾性変形しやすくなるので、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減するとともに、ユーザの頭部に対するフィット感が高まる。ユーザの頭部に対するフィット感を高める観点では、延長部15の厚さは、0.8mm以上、かつ、1.0mm以下にすることが望ましい。
一対のテンプル20、20はそれぞれ、一対のヒンジ70、70を介して一対のヒンジ70、70の軸部分71、71に位置する一対の回転軸それぞれを中心として回転可能となるように、一対の筒部18、18に接続されている。なお、図1には、一対のテンプル20、20が保持部11から一対の延長部15、15に向けて最大限に回転された状態にあるアイウェア1が示されている。言い換えると、図1は、装着時のアイウェア1の状態が示されている。
ストッパ30は、外側端部331、つまり、頭部がローレット加工されたねじである。一対の保持筒31、31には、それぞれ外側から内側にかけて貫通するねじ穴が形成されている。一対の保持筒31、31はそれぞれ、一対の延長部15、15の貫通穴を貫通した状態で固定されている。一対のストッパ30、30はそれぞれ、一対の保持筒31、31のねじ穴に螺合されている。
つまり、一対のストッパ30、30は、一対の保持筒31、31を介して、外側から内側に向けて一対の延長部15、15の後側に位置する端部152、152のそれぞれを貫通しており、ストッパ30の外側端部331は、延長部15の外側に向けて突出し、内側端部332は、内側に向けて突出している。ストッパ30は、ストッパ30の軸部分333周りに回転されることで、内側端部332の突出長さが変更可能である。ここで、突出長さは、延長部15から内側端部332の内側端334までの寸法である。
一対のストッパ30、30の一対の内側端部332、332は、アイウェア1が、ユーザに装着される状態にあるとき、一対のテンプル20、20の外側面23に接触しており、一対のテンプル20、20それぞれの回転範囲を規制する。具体的には、ストッパ30の内側端部332、保持部11側から延長部15側に向けてテンプル20が回転可能な角度の最大値を規制しており、突出長さが長いほど、保持部11側から延長部15側に向けてテンプル20が回転可能な角度の最大値が小さくなる。
ここで、ストッパ30の位置について説明する。図3における、点Aは、ヒンジ70、つまり、テンプル20の回転軸の中心を示す点であり、点Bは、ストッパ30がテンプル20に接する点である。点Aから点Bまでの距離が短いほど、ストッパ30の回転数(つまり、突出長さ)に対するテンプル幅の変化が大きく、点Aから点Bまでの距離が長いほど、ストッパ30の回転数(つまり、突出長さ)に対するテンプルの変化が小さい。よって、点Aから点Bまでの距離が長いほど、ユーザにとってテンプル幅をより細かく調整しやすい。テンプル幅の調整における分解能を高めるために、点Aから点Bまでの距離が、極力長めに確保されている。
操作入力部300は、静電容量式の検出パッドを有しており、ユーザの指が検出パッドに接触することで生じる静電容量の変化を検出する。操作入力部300は、検出パッドの表面が外側に露出するように右側のテンプル20に設けられている。なお、操作入力部300は、前後方向において、実験的に求められたユーザがタッチしやすいとされる位置に設けられている。
図3に示されているように、配線400は、一対の延長部15、15の各前側部分153と、一対の被固定部位141、141の各上壁142との間の隙間を通っており、被固定部位141、141それぞれの内部空間S21と、右側および左側のテンプル20それぞれの内部空間S12とに配策されている。
一対の電源500、500は、一対のテンプル20、20の後側に位置する端部にそれぞれ着脱可能に装着された充電式のバッテリであり、操作入力部300、および、制御部に電力を供給する。
次に、テンプル幅を調整する操作について説明する。
まず、図3および図4を参照して、右側のストッパ30に対する操作を説明する。図4は、右側のストッパ30の近傍を拡大して示す図であって、テンプル幅が比較的小さくなった状態にあるアイウェア1を示す図である。
図3には、右側のストッパ30の内側端部332の突出長さが比較的小さく、右側のテンプル20が右側のストッパ30の内側端部332に接した状態のアイウェア1が示されている。図3に示されているアイウェア1の状態における突出長さはX1である。
ユーザが右側のストッパ30の外側端部331をつまみ、ストッパ30の軸部分333周りに一方向に回転させると、右側のストッパ30が内側に移動する。右側のストッパ30が内側に移動することにより、右側のストッパ30の突出長さが増加するとともに右側のテンプル20の外側面23が右側のストッパ30の内側端部332によって内側に向けて押される。その結果、突出長さの増加分に応じた分、右側のテンプル20は、内側に向けて右側の回転軸(つまり、軸部分71)周りに回転する。
ユーザが右側のストッパ30を軸部分333周りに一方向に回転させていくと、図4に示されているように、アイウェア1は、右側のストッパ30の内側端部332の突出長さが比較的大きい状態となる。図4に示されているアイウェア1の状態における突出長さはX2である。突出長さX2は、突出長さX1よりも大きい。図4において、右側のテンプル20は、図3に示されている右側のテンプル20の延在方向に対して、内側に傾いた方向に延在している。
また、ユーザが左側のストッパ30の外側端部331をつまみ、ストッパ30を軸部分333周りに他方向に回転させると、左側のテンプル20は、内側に向けて左側の回転軸周りに回転し、左側のストッパ30を回転させる前に比べて左側のテンプル20の延在方向が内側に傾いた状態になる。
上述したように、ユーザが右側および左側のストッパ30を操作することで、右側のテンプル20および左側のテンプル20の後側の部分が互いに接近するので、テンプル幅が小さくなる。
なお、テンプル幅を大きくするときは、右側のストッパ30を軸部分333周りに他方向に回転させ、左側のストッパ30を軸部分333周りに一方向に回転させればよい。これらの操作を行うと、右側および左側のストッパ30、30がそれぞれ外側に移動するので、右側および左側のストッパ30、30の各内側端部332の突出長さが短くなり、右側および左側のストッパ30の内側端部332は、それぞれ右側および左側のテンプル20、20から離れる。よって、右側のおよび左側のテンプル20それぞれが、外側に向けて回転させることができるようになる。右側のおよび左側のテンプル20それぞれが、右側および左側のストッパ30、30の各内側端部332に接触するまで回転されることで、右側のテンプル20および左側のテンプル20の後側の部分が互いに離れるので、テンプル幅が大きくなる。
以上、説明したように、本実施形態のアイウェア1は、外側端部331、331それぞれが一対の延長部15、15の外側に向けて突出し、内側端部332、332それぞれが一対の延長部15、15同士の間に向けて突出するように一対の延長部15、15を貫通しており、内側端部332、332の突出長さが変更可能に配置されている一対のストッパ30、30と、一対のストッパ30、30の内側端部332、332によって回転範囲が規制される一対のテンプル20、20を備える。よって、ユーザは、ストッパ30、30を操作するだけで、内側端部332の突出長さを変更することができる。よって、一対のテンプル20、20それぞれの回転範囲を変更し、テンプル幅を変更することができる。したがって、ユーザは、容易にテンプル幅を調整することができる。
各延長部15は、保持部11よりも弾性率が低い物質、つまり、弾性変形しやすい物質で形成されているので、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減し、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができる。よって、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。また、延長部15が弾性変形しやすい物質で形成されているので、ユーザにとってアイウェア1を装着しやすくなる。
なお、延長部15において、ヒンジ70(つまり、テンプル20の回転軸)よりも保持部11に近い部位が、ヒンジ70よりも後側の部位を形成する物質よりも、弾性率が低い物質で形成されていてもよい。延長部15において、少なくとも、筒部18、つまり、ヒンジ70よりも保持部11側の部位が比較的弾性率が低い物質であれば、該部位が弾性変形しやすくなるので、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減させ、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができる。よって、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。また、少なくとも、延長部15におけるヒンジ70よりも保持部11側の部位が、弾性率が低い物質で形成されることで、ユーザにとってアイウェア1が装着しやすくなる。
なお、延長部15が、ヒンジ70よりも保持部11に近い部位だけ弾性率が低い物質で形成されている場合よりも、本実施形態のように保持部11側に位置する端部151から後側に位置する端部152にかけて弾性率が低い物質で形成されている場合の方が、アイウェア1の装着時のユーザの頭部に対する圧迫感をより低減させ、ユーザの頭部に対するフィット感をより高め、アイウェア1をより装着しやすくすることができる。
一対のテンプル20、20それぞれは、一対の延長部15、15に取り付けられている。よって、ヒンジ70の軸部分71(つまり、テンプル20の回転軸)から保持部11までの距離を長くすることができる。言い換えると、図3における、点Aから点Cまでの距離を長くすることができる。点Aから点Cまでの距離が長いことは、延長部15における、テンプル20が固定されている筒部18から延長部15における保持部11側に位置する端部151までの距離が長いことを意味する。したがって、点Aから点Cまでの間の延長部15の弾性率を比較的低くすることができる。よって、保持部11とテンプル20との間における延長部15が比較的弾性変形しやすくなるので、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減するとともに、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができる。よって、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。さらに、保持部11とテンプル20との間における延長部15が弾性変形しやすいので、ユーザにとってアイウェア1は装着しやすい。
各延長部15の保持部11側に位置する端部151はそれぞれ、各延長部15よりも外側に位置する各被固定部位141の内側面144に固定されている。したがって、延長部15と被固定部位141との固定部分を前側、右側、および左側から隠すことができる。
延長部15には、前側部分153の上側に切欠き17が形成されているので、延長部15の前側部分153と、被固定部位141の上壁142との間には隙間が形成されている。したがって、本実施形態のアイウェア1のように、各延長部15が、各被固定部位141の内側から各テンプル20の外側に向けて延在している場合でも、各被固定部位141の内部空間S21から各テンプル20の内部空間S12に向けて配線400を配策することができる。さらに、延長部15の前側部分153に切欠き17が形成されているので、前側部分153は、延長部15の後側部分154と比べて回転軸(つまり、ヒンジ70)の延在方向における寸法が短い。よって、延長部15の前側部分153の弾性率は比較的低くなる。このため、延長部15の前側部分153は弾性変形しやすいので、切欠き17を延長部15の前側部分153に形成することによっても、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減し、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができるので、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。さらに、ユーザにとってアイウェア1を装着しやすくすることができる。
ストッパ30は、延長部15の後側に位置する端部152を貫通している。つまり、テンプル20の回転軸からストッパ30がテンプル20に接する点までの長さ、すなわち、図3における点Aから点Bまでの距離は、極力長めに確保されている。よって、点Aから点Bまでの距離が長いほど、ユーザにとってテンプル幅をより細かく調整しやすい。したがって、テンプル幅調整における分解能を高めることができる。
一方、各延長部15の後側に位置する端部152は、操作入力部300よりも前側に位置するので、ストッパ30は、ユーザがタッチしやすい位置に設けられている操作入力部300よりも保持部11側に位置する。つまり、右側のストッパ30は、アイウェア1の装着時におけるユーザによる操作入力部300の操作を妨げない位置に配置されている。
なお、テンプル幅を容易に調整できるようにするという観点から考えると、必ずしも、各延長部15は、各被固定部位141の内側面144に固定されていなくてもよい。例えば、延長部15は、各被固定部位141の外側面145に固定されていてもよい。この場合、延長部15は、被固定部位141およびテンプル20に対してそれらの内側から外側にかけて延在しないので、配線400が各被固定部位141の内部空間S21およびテンプル20の内部空間S12に位置する配線400はいずれも、延長部15の内側に位置する。よって、延長部15には、必ずしも切欠き17が形成されていなくてもよい。さらに、延長部15は、ヒンジ70の延在方向における寸法が、前側部分153よりも後側部分154が短くてもよい。
また、テンプル幅を容易に調整できるようにするという観点から考えると、各延長部15は、必ずしも保持部11よりも弾性率が低い物質で形成されていなくてもよい。例えば、各延長部15は、保持部11と同じ物質で形成されていてもよい。
(延長部の変形例)
次に、図5Aから図5Cを参照して、変形例1から3について説明する。なお、変形例1から3のアイウェア1は、第1実施形態のアイウェア1の延長部15が異なるだけで、その他の構成部は、第1実施形態のアイウェア1と同様である。
図5Aは、本発明の変形例1に係るアイウェア1が備える延長部15の側面図である。変形例1に係る延長部15は、略中央部から保持部11側に位置する端部151までの間の途中の部位の上側に、溝状に切欠き81が形成されている。したがって、変形例1では、延長部15の切欠き81が形成された部分と、被固定部位141の上壁142との間に隙間が形成される。なお、切欠き81は、延長部15の下側に形成されていてもよい。
図5Bは、本発明の変形例2に係るアイウェア1が備える延長部15の側面図である。変形例2の延長部15には、略中央部から保持部11側に位置する端部151にかけて、上側および下側に切欠き82が形成されている。したがって、変形例2では、延長部15の切欠き82が形成された部分と、被固定部位141の上壁142および下壁143との間それぞれに隙間が形成される。
図5Cは、本発明の変形例3に係るアイウェア1が備える延長部15の側面図である。変形例3の延長部15には、略中央部から保持部11側に位置する端部151までの間の途中の部位に、延長部15の外側から内側にかけて貫通している挿通穴83が形成されている。
変形例1又は2の各延長部15によれば、第1実施形態の延長部15と同様、延長部15が被固定部位141の内側からテンプル20の外側に向けて延在している場合でも、延長部15と、被固定部位141との間に隙間が形成される。また、変形例3の各延長部15には、挿通穴83が形成されている。つまり、変形例1から3も、第1実施形態と同様、延長部15に、延長部15の外側から内側へ配線400を通すための溝又は穴が形成されている。したがって、変形例1から3によれば、被固定部位141それぞれの内部空間S21からテンプル20それぞれの内部空間S12に向けて配線400を配策することができる。
さらに、変形例1から3の各延長部15の前側部分153は、各延長部15の後側部分154と比べてヒンジ70の延在方向における寸法が短い部位を有する。つまり、変形例1から3の延長部15の略中央部から保持部11側に位置する端部151までの間に、比較的弾性変形しやすい部位が位置する。したがって、変形例1から3によれば、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減し、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができるので、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。また、ユーザにとってアイウェア1を装着しやすくすることができる。
なお、延長部15は、必ずしも、第1実施形態および変形例1から3に示されている形状でなくてもよい。
延長部15は、配線400を延長部15の外側から内側に挿通させる挿通部位が形成されている形状を有していればよい。延長部15に挿通部位が形成されていれば、被固定部位141、141それぞれの内部空間S21から各テンプル20の内部空間S12に向けて配線400を配策することができる。なお、挿通部位には、切欠き17、81、82や挿通穴83等が含まれる。
なお、被固定部位141又はテンプル20の少なくとも一方と、延長部15との間に、配線400が挿通されていれば、必ずしも、延長部15に、切欠き17、81、82や挿通穴83等の挿通部位が形成されていなくてもよい。例えば、延長部15は、後側に位置する端部152から保持部11側に位置する端部151にかけて、第1実施形態に係る延長部15の前側部分153のヒンジ70の延在方向における寸法と同じ寸法であってもよい。言い換えると、延長部15の上下方向の寸法は、後側に位置する端部152から保持部11側に位置する端部151にかけて比較的短くてもよい。この場合でも、被固定部位141それぞれの内部空間S21から各テンプル20の内部空間S12に向けて配線400を配策することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態において、上述の第1実施形態と異なる点について主に説明する。
以下、図6および図7を参照してアイウェア1の構成について説明する。なお、以下の説明において、アイウェア1の右側部分について説明するが、アイウェア1の左側部分は、右側部分と略同様の構成を有するため、同様の部分については説明を省略することもある。なお、アイウェア1の右側部分と左側部分との相違点は、アイウェア1の右側のテンプル20に操作入力部300が設けられていることである。
図6は、アイウェア1のストッパ30の近傍を拡大して示す図である。図6には、右側のストッパ30の内側端部332の突出長さが比較的小さく、右側のテンプル20が右側のストッパ30の内側端部332に接した状態のアイウェア1が示されている。図7は、図6のVII矢視図である。図7の破線は、ヒンジ70を示している。
フロント10は、保持部11、一対の延長部75、75、および一対の被接続部76、76を有している。保持部11、一対の延長部75、75、および一対の被接続部76、76は、一体成形されており、保持部11、一対の延長部75、75、および一対の被接続部76、76は、金属で形成されている。なお、保持部11は、第1実施形態の保持部11と同様の機能を有する。
一対の延長部75、75それぞれは、保持部11の後面111側に位置しており、保持部11から離れる方向に一対のヨロイ部14、14から延在している。また、図7に示されているように、延長部75には、配線400を挿通させる切欠き17は形成されていない。なお、図6および図7には示されていないが、配線400は、延長部75を介することなく、被接続部76の内部空間からテンプル20の内部空間に配策されている。
一対の被接続部76、76は、保持部11の後面111側であって、一対の延長部75、75同士の間、すなわち、一対の延長部75、75の内側に位置しており、それぞれ一対のテンプル20、20に接続されている。
一対のストッパ30、30はそれぞれ、一対の延長部75、75の後側に位置する端部752に設けられている。延長部75に対するストッパ30の設け方については、第1実施形態における、延長部15に対するストッパ30の設け方と同様である。
第2実施形態に係るアイウェア1のテンプル幅を調整する場合、ストッパ30の外側端部331をつまみ、ストッパ30を軸部分333周りに回転させる。テンプル幅を小さくする場合、右側のストッパ30を右側のストッパ30の軸部分333周りに一方向に回転させ、左側のストッパ30を左側のストッパ30の軸部分333周りに他方向に回転させる。テンプル幅を大きくする場合、右側のストッパ30を右側のストッパ30の軸部分333周りに他方向に回転させ、左側のストッパ30を左側のストッパ30の軸部分333周りに一方向に回転させる。なお、これらの操作は、第1実施形態に係るアイウェア1の一対のストッパ30、30それぞれに対するそれぞれの操作と同様である。このように、ストッパ30を回転させることでテンプル幅を変更することができる。
以上説明したように、第2実施形態のように、延長部75が保持部11と一体形成され、テンプル20が保持部11と一体形成されている被接続部76に接続されている場合でも、ユーザは、ストッパ30を操作するだけで容易にテンプル幅を調整することができる。
また、第2実施形態によれば、保持部11、一対の延長部75、75、および一対の被接続部76、76は、一体成形されているので、例えば、延長部75が保持部11と別部材である場合と比べて、フロント10を製作しやすい。
なお、延長部75は、保持部11と別部材であり、一対のヨロイ部14、14の外側にねじや溶接などで接続されていてもよい。延長部75が保持部11と別部材である場合、延長部75は保持部11を形成する物質よりも、弾性率が低い物質で形成されていてもよい。この場合、延長部75は、第1実施形態の延長部15と同様、チタン、アルミニウム、ステンレス、および、金、若しくは、それらの合金等の弾性変形しやすい金属材料で形成されていてもよい。また、延長部75は、ポリアミド、アセテート、セルロイド、ポリエーテルイミドおよびポリウレタン等の樹脂、カーボン等の弾性変形しやすい非金属材料で形成されていてもよい。延長部75が保持部11よりも弾性率が低い物質で形成されている場合、ユーザがアイウェア1を装着した時の圧迫感を低減し、ユーザの頭部に対するフィット感を高めることができるので、アイウェア1の掛け心地をよくすることができる。また、ユーザにとってアイウェア1が装着しやすくなる。
また、延長部75は、保持部11と同じ物質で一体成形されていることに加えて、保持部11よりも弾性率が低くなるように形成されていてもよい。例えば、延長部15は、上下方向の幅が比較的小さく形成されたり、スリットが形成されるなど、構造的に弾性率が保持部11よりも低くなるように形成されていてもよい。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について説明する。以下に説明する第3実施形態において、上述の第2実施形態と異なる点について主に説明する。
以下、図8および図9を参照してアイウェア1の構成について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係るアイウェア1のストッパ30の近傍を拡大して示す図である。なお、後述する仕切壁22からテンプル20の前側に位置する端部25にかけて、テンプル20の内部空間S12に位置する構成部については、破線で示されている。図8には、右側のストッパ30の内側端部332の突出長さが比較的小さい状態にあるアイウェア1が示されている。図9は、図8のIX矢視図である。
第3実施形態では、一対のストッパ30、30の内側端部332、332に一対のテンプル20、20それぞれが接触した状態において、一対の延長部75、75、一対の被接続部76、76、および、一対のストッパ30、30は、配線400とともに、一対のテンプル20、20の内部に位置している。
図8に示されているように、テンプル20の内部には、内側側壁21および仕切壁22が形成されている。内側側壁21は、テンプル20が保持部11から離れる向きに最大限に回転されたときに、ストッパ30の内側端部332に接触する側壁である。内側側壁21の前側に位置する端部211は、被接続部76の後側に位置する端部762よりも後側に位置する。
仕切壁22は、テンプル20の内部空間S12を、延長部75、被接続部76、およびストッパ30等が位置する空間と、操作入力部300等が位置する空間とに仕切る壁である。なお、仕切壁22には、配線400が挿通する挿通穴(不図示)が形成されている。図9に示されているように、テンプル20の外周部において、仕切壁22の上端および下端のそれぞれから上壁221および下壁222が前側に向けて延在しており、上壁221と下壁222との間には外側側壁は存在しない。
延長部75の後側に位置する端部752の外側面756からテンプル20の外側端24まで、一定の距離が確保されている。この一定の距離は、ストッパ30の内側端部332が保持筒31の内側に位置する端部311に収まるまでストッパ30が外側に移動したときに、ストッパ30の外側端部331がテンプルの外側端24よりも内側に位置する程度の大きさである。
次に、テンプル幅を調整する操作について説明する。
まず、ユーザは、一対のテンプル20、20それぞれを保持部11側に向けて回転させて折りたたむ。テンプル20の外周部において、仕切壁22からテンプル20の前側に位置する端部25にかけて外側側壁が存在しないので、ストッパ30は、テンプル20の上壁221および下壁222の間を通過してテンプル20の外側に位置するようになる。
次に、延長部75に設けられたストッパ30の外側端部331をつまみ、ストッパ30を軸部分333周りに回転させる。テンプル幅を小さくする場合、右側のストッパ30を軸部分333周りに一方向に回転させ、左側のストッパ30を軸部分333周りに他方向に回転させる。テンプル幅を大きくする場合、右側のストッパ30を軸部分333周りに他方向に回転させ、左側のストッパ30を軸部分333周りに一方向に回転させる。なお、これらの操作は、第1実施形態に係るアイウェア1の一対のストッパ30、30それぞれに対するそれぞれの操作と同様である。これにより、一対のテンプル20、20それぞれを一対のストッパ30、30の内側端部332が内側側壁21に接するまで回転させたとき、テンプル幅は、一対のテンプル20、20それぞれを折りたたむ前におけるテンプル幅に対して変更されている。
以上説明したように、第3実施形態のように、アイウェア1が、テンプル20の内側側壁21がストッパ30の内側端部332に接触した状態において、延長部75、被接続部76、および、ストッパ30が、配線400とともに、テンプル20の内部に位置する構成を有している場合であっても、ユーザは、ストッパ30を操作するだけで容易にテンプル幅を調整することができる。
また、テンプル20の内側側壁21がストッパ30の内側端部332に接触した状態において、延長部75、被接続部76、および、ストッパ30は、配線400とともに、テンプル20の内部に位置しているので、ユーザがアイウェア1を装着しているときに、それらを外部から隠すことができる。さらに、延長部15の外側面756からテンプル20の外側端24までの間には、一定の距離が確保されているので、ストッパ30が回転されて外側に向けて移動したとしても、ストッパ30の内側端部332が内側側壁21に接している限りにおいては、ストッパ30の外側端部331がテンプル20の外側にはみ出さない。よって、ストッパ30を外部からより目立ちにくくすることができる。
また、テンプル20の外周部において、仕切壁22からテンプル20の前側に位置する端部25にかけて外側側壁が存在しないので、テンプル20を折りたたむことができる。
なお、第1実施形態のように、一対のテンプル20、20それぞれが一対の延長部15、15に接続している場合であっても、一対のストッパ30、30の内側端部332、332に一対のテンプル20、20それぞれが接触した状態において、一対の延長部15、15それぞれ、一対の被固定部位141、141それぞれ、および、一対のストッパ30、30それぞれが、一対のテンプル20、20の内部に位置していてもよい。
ストッパ30は、必ずしも外側端部331がローレット加工されたねじでなくともよく、プラスねじ又はマイナスねじであってもよい。ストッパ30がプラスねじ又はマイナスねじである場合、ユーザは、ドライバ等の工具を用いてストッパ30を回転させる。また、保持筒31は必ずしも設けられていなくてもよく、延長部15、75にねじ穴が形成されていて、該ねじ穴にストッパ30が螺合されていてもよい。
なお、第1から第3実施形態に係るストッパ30は、ねじであり、回転させることで、内側端部332の突出長さを連続的に変更できるものであるが、必ずしも連続的に突出長さを変更できるものでなくともよい。例えば、保持筒31の貫通穴に数個の溝が所定間隔毎に形成され、ストッパ30の棒状部分の外周部分に、弾性率が低い物質で形成され、かつ、保持筒31の溝にはまり込む突出部が形成されていてもよい。この場合、ストッパ30が内側に押し込まれる、または、外側に引っ張られることで突出部がはまり込む保持筒31の溝が変更され、突出長さが所定間隔毎に変更される。
第1から3実施形態では、ストッパは、ねじ等の棒状の部材であり、かつ、延長部15を貫通する部材であるとして説明したが、必ずしも、棒状かつ延長部15を貫通する部材でなくてもよい。以下、棒状かつ延長部を貫通する部材ではないストッパを備えるアイウェア1について説明する。
(第4実施形態)
以下、図10Aおよび図10Bを参照して第4実施形態について説明する。以下に説明する第4実施形態において、上述の第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図10Aは、本発明の第4実施形態に係るアイウェア1のストッパ90の近傍を拡大して示す平面図である。図10Bは、本発明の第4実施形態に係るアイウェア1のストッパ90を示す図である。
延長部15には、第1実施形態の延長部15のように保持筒31が貫通する貫通穴が形成されていない。図10A中のX3は、延長部15の水平面内における幅である。具体的には、延長部15の後側に位置する端部152の内側面157から外側面158までの寸法である。
ストッパ90は、延長部15の後側に位置する端部152を挟むように端部152に取り付けられる部品である。
ストッパ90は、外側保持部91、内側保持部92、および、接続部93を備えている。外側保持部91は、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられた状態において、端部152よりも外側に位置する部位である。内側保持部92は、ストッパ90が延長部15に取り付けられた状態において、端部152よりも内側に位置する部位である。外側保持部91と内側保持部92とは、延長部15の後側に位置する端部152を外側および内側から挟んでいる。
なお、図10A中の92aは、延長部15の端部152にストッパ90が取り付けられた状態において、内側保持部92のテンプル20側に位置する内側端部である。また、図10A中のX4およびX5は、外側保持部91および内側保持部92の水平面内における厚さをそれぞれ示す。より詳細には、X4は、外側保持部91の内側面91bから外側保持部91の外側面91cまでの寸法である。また、X5は、内側保持部92の内側面92bから内側保持部92の外側面92cまでの寸法である。ここで、本実施形態では、内側保持部92の内側面92bは、ストッパ90の内側端部92aにおける内側端である。よって、延長部15の端部152にストッパ90が取り付けられた状態において、X5は、延長部15の端部152からストッパ90の内側端部92aの内側端までの長さと言える。なお、外側保持部91の厚さX4は、内側保持部92とともに延長部15の端部152を挟み、端部152にストッパ90を固定できる程度の大きさであればよい。
図10Bに示されているように、ストッパ90には、外側保持部91と内側保持部92との間にストッパ90の上面から下面にかけて挿入溝910が形成されている。図10Aに示されているように、挿入溝910には、延長部15の端部152が挿入されている。図10A中のX6は、水平面内における挿入溝910の幅を示す。より詳細には、X6は、内側保持部92の外側面92cから外側保持部91の内側面91bまでの寸法である。なお、挿入溝910の幅X6は、延長部15の端部152の幅X3よりもわずかに短い。
ストッパ90は、延長部15の端部152に取り付けることができればどんな材料で形成されていてもよい。ストッパ90は、第1実施形態の延長部15と同様、チタン、アルミニウム、ステンレス、および、金、若しくは、それらの合金等の弾性変形しやすい金属材料で形成されていてもよい。また、ストッパ90は、ポリアミド、アセテート、セルロイド、ポリエーテルイミドおよびポリウレタン等の樹脂、カーボン等の弾性変形しやすい非金属材料で形成されていてもよい。
延長部15の端部152に対して、外側保持部91が延長部15の端部152の外側、内側保持部92が延長部15の端部152の内側にそれぞれ位置するように、ストッパ90の挿入溝910に延長部15の端部152が挿入されることで、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。上述したように、挿入溝910の幅X6は、延長部15の端部152の幅X3よりもわずかに短いので、延長部15の端部152は、挿入溝910に挿入されるだけで、外側保持部91と内側保持部92とから押圧されるように挟まれた状態になる。よって、ストッパ90は、延長部15の端部152に固定される。
ユーザは、ストッパ90の内側保持部92の厚さX5が互いに異なる複数のストッパ90の中から延長部15の端部152に取り付けるストッパ90を選択し、選択したストッパ90を延長部15の端部152に取り付けることで、アイウェア1のテンプル幅を調整することができる。
例えば、ユーザが内側保持部92の厚さX5がそれぞれX51mm、X52mm、および、X53mmであるストッパ90をそれぞれ2つずつ所持し、X51>X52>X53であり、延長部15、15の端部152、152には、内側保持部92の厚さX5がX52mmであるストッパ90、90がそれぞれ取り付けられているとする。
ユーザは、左右の延長部15、15の端部152、152に取り付けられている内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90を取り外し、内側保持部92の厚さがX51mmであるストッパ90、90を左右の延長部15、15の端部152、152にそれぞれ取り付ける。これにより、テンプル20、20の回転範囲が小さくなる。よって、テンプル20、20が、左右の延長部15、15に向けてストッパ90の内側端部92a、92aに接するまでそれぞれ回転されると、アイウェア1は、延長部15、15の端部152、152に内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90が取り付けられていたときよりも、テンプル20、20の各延在方向が内側を向くようになるので、テンプル20、20の後側の部分同士がより接近した状態になる。つまり、ユーザは、内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90を内側保持部92の厚さがX51mmであるストッパ90、90に交換することで、アイウェア1のテンプル幅を小さくすることができる。
また、ユーザは、左右の延長部15、15の端部152、152に取り付けられている内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90を取り外し、内側保持部92の厚さがX53mmであるストッパ90、90を左右の延長部15、15の端部152、152にそれぞれ取り付ける。これにより、テンプル20、20の回転範囲が大きくなる。よって、テンプル20、20が、左右の延長部15、15の端部152、152に向けてストッパ90の内側端部92a、92aに接するまでそれぞれ回転されると、アイウェア1は、延長部15、15の端部152、152に内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90が取り付けられていたときよりも、テンプル20、20の各延在方向が外側を向くようになるので、テンプル20、20の後側の部分同士がより離れた状態になる。つまり、ユーザは、内側保持部92の厚さがX52mmであるストッパ90、90を内側保持部92の厚さがX53mmであるストッパ90、90に交換することで、アイウェア1のテンプル幅を大きくすることができる。
このように、第4実施形態に係るアイウェア1は、延長部15の端部152に取り付けられるストッパ90の内側保持部92の厚さX5の大きさに応じてテンプル20、20の回転範囲が変更され、その結果、テンプル幅が変更される。
以上、説明したように、本実施形態のアイウェア1は、延長部を挟む外側保持部91および内側保持部92を備え、挿入溝910が形成されたストッパ90を備えている。よって、ユーザは内側保持部92の幅X5の大きさが異なる複数のストッパ90を所持し、延長部15に取り付けられているストッパ90をつけ替えることで容易にテンプル幅を調整することができる。また、本実施形態のアイウェア1によれば、第1実施形態に係るアイウェア1と同様の効果が得られる。
第2実施形態のように、延長部75が保持部11と一体形成され、テンプル20が保持部11と一体形成されている被接続部76に接続されているアイウェア1が、本実施形態のストッパ90を備えていてもよく、さらに、該アイウェア1の延長部75に保持筒31が貫通する貫通穴が形成されていなくてもよい。このように構成されているアイウェア1によれば、第2実施形態に係るアイウェア1と同様の効果が得られる。
同様に、第3実施形態のように、テンプル20が、延長部75、および、被接続部76を、配線400とともに、内部に収容可能な構成を有するアイウェア1が、本実施形態のストッパ90を備えていてもよく、さらに、該アイウェア1の延長部75に保持筒31が貫通する貫通穴が形成されていなくてもよい。このように構成されているアイウェア1によれば、第3実施形態に係るアイウェア1と同様の効果が得られる。
(ストッパの変形例)
次に、図11A、図11B、図12A、図12B、および、図13を参照して、変形例4から8について説明する。以下の説明において、上述した第4実施形態と異なる点について主に説明する。なお、図11A、図11B、図12A、図12B、および、図13において、テンプル20の図示が省略されている。
図11Aは、本発明の変形例4に係るアイウェア1の平面図であり、ストッパ90が延長部15に取り付けられている状態にあるアイウェア1を示す図である。
変形例4に係るアイウェア1の延長部15における後側の端部152の内側面157および外側面158に凸部95、95がそれぞれ形成されている。また、変形例4に係るアイウェア1のストッパ90における外側保持部91の内側面91b側の部位および内側保持部92の外側面92c側の部位に凹部912、912がそれぞれ形成されている。凹部912は、凸部95が嵌る凹みである。端部152の外側面158および内側面157の凸部95、95は、それぞれ、外側保持部91の凹部912、および、内側保持部92の凹部912に嵌まっている。
なお、ユーザが延長部15の端部152を挿入溝910に挿入可能であれば、挿入溝910の幅X6と延長部15の幅X3との長さは相対的にどのような関係であってもよい。
延長部15の端部152に対して、外側保持部91が外側、および、内側保持部92が内側にそれぞれ位置し、かつ、端部152の外側面158および内側面157の凸部95、95が外側保持部91の凹部912、および、内側保持部92の凹部912に嵌まるように、挿入溝910に延長部15の端部152が挿入されることで、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。端部152の外側面158および内側面157の凸部95、95それぞれが、外側保持部91の凹部912、および、内側保持部92の凹部912に嵌まることで、延長部15の端部152に対してストッパ90が固定される。
図11Bは、本発明の変形例5に係るアイウェア1の平面図であり、ストッパ90が延長部15に取り付けられている状態にあるアイウェア1を示す図である。
変形例5に係るアイウェア1の延長部15の後側の端部152の内側面157側の部位および外側面158側の部位に凹部96、96がそれぞれ形成されている。また、変形例5に係るアイウェア1のストッパ90における、外側保持部91の内側面91bおよび内側保持部92の外側面92cに凸部913、913がそれぞれ形成されている。凹部96、96は、凸部913、913が嵌まる凹みである。端部152の外側面158および内側面157の凹部96、96には、それぞれ、外側保持部91の凸部913、および、内側保持部92の凸部913が嵌め込まれている。
なお、ユーザがストッパ90を挿入溝910に挿入可能であれば、挿入溝910の幅X6と延長部15の端部152の幅X3との長さは相対的にどのような関係であってもよい。
延長部15の端部152に対して、外側保持部91が外側、および、内側保持部92が内側にそれぞれ位置し、かつ、外側保持部91の凸部913、および、内側保持部92の凸部913がそれぞれ、端部152の外側面158側の凹部96および内側面157側の凹部96に嵌まるように、挿入溝910に延長部15の端部152が挿入されることで、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。外側保持部91の凸部913、および、内側保持部92の凸部913が、それぞれ延長部15の端部152の外側面158側の凹部96および内側面157側の凹部96に嵌まることで、延長部15の端部152に対してストッパ90が固定される。
図12Aは、本発明の変形例6に係るアイウェア1の平面図であり、ストッパ90が延長部15に取り付けられている状態にあるアイウェア1を示す図である。
変形例6に係るアイウェア1の延長部15の端部152には、外側面158から内側面157にかけて貫通するねじ穴97が形成されている。また、ストッパ90の外側保持部91には、外側保持部91の外側面91cから内側面91bにかけて貫通するねじ穴97が形成されている。さらに、内側保持部92の外側面92c側の部位には、ねじ穴915が形成されている。図12Aにおいて、ねじ穴915は、貫通穴ではないものとして示されているが、内側保持部92の外側面92cから内側面92bまで貫通する穴であってもよい。
ねじNは、ねじ穴914、97、915に螺合されている。
なお、ねじNが、少なくともねじ穴97、914、915に螺合されている限り、挿入溝の幅X6と延長部15の幅X3との長さは相対的にどのような関係であってもよい。
延長部15の端部152に対して、外側保持部91が外側、および、内側保持部92が内側にそれぞれ位置し、かつ、ねじ穴97、914、915が一直線に並ぶように、挿入溝910に延長部15の端部152が挿入され、ねじNがねじ穴97、914、915に螺合されることで、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。また、ねじNにより、延長部15の端部152に対してストッパ90が固定される。
図12Bは、本発明の変形例7に係るアイウェア1の平面図であり、ストッパ90が延長部15に取り付けられている状態にあるアイウェア1を示す図である。なお、以下に説明する変形例7において、上述の変形例6と異なる点について主に説明する。
本変形例に係る延長部15のねじ穴98は、延長部15を貫通していない。詳しく説明すると、ねじ穴98は、延長部15の端部152の外側面158側の部位に形成されている。ストッパ90の外側保持部91には、変形例6と同様、外側保持部91の外側面91cから内側面91bにかけて貫通するねじ穴97が形成されている。内側保持部92には、ねじ穴が形成されていない。このため、変形例7に係るアイウェア1では、ねじNにより、外側保持部91と延長部15とが固定されている。
延長部15の端部152に対して、外側保持部91が外側、および、内側保持部92が内側にそれぞれ位置し、かつ、ねじ穴98、914が一直線に並ぶように、挿入溝910に延長部15の端部152が挿入され、ねじNがねじ穴98、914に螺合されることで、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。また、ねじNにより、延長部15の端部152に対してストッパ90が固定される。
図13は、本発明の変形例8に係るアイウェア1の平面図であり、ストッパ90が延長部15に取り付けられる過程を説明する図である。
本変形例8に係るストッパ90は、外側部品90Aと内側部品90Bとを備えており、外側部品90Aと内側部品90Bとは互いに分離可能である。
外側部品90Aは、外側保持部91および接続部91Aを備えている。接続部91Aの内側端部には、凸部92Aが形成されている。内側部品90Bの外側面92c側、かつ、後側の部位には、外側部品90Aの凸部92Aが嵌まる凹部91Bが形成されている。
ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられている状態において(図13の右側を参照)、延長部15の端部152は、外側部品90Aの外側保持部91と内側部品90Bとによって挟まれており、外側部品90Aの凸部92Aが内側部品90Bの凹部91Bに嵌まっている。
なお、外側部品90Aと内側部品90Bとが接続している状態における外側部品90Aと内側部品90Bとの間の隙間の寸法X7と、延長部15の端部152の幅X3との長さとの関係は、第4実施形態における挿入溝910の幅X6と延長部15の幅X3との関係と同様である。
延長部15の端部152に対して、凹部91Bが延長部15側を向くように、かつ、内側部品90Bが延長部15の内側面157に接するように配置され(図13の左側を参照)、外側部品90Aの接続部91Aに形成された凸部92Aが凹部91Bに嵌め込まれる。これにより、ストッパ90が延長部15の端部152に取り付けられる。外側部品90Aと内側部品90Bとの間の隙間の寸法X7は、延長部15の幅X3よりもわずかに短いので、凸部92Aが凹部91Bに嵌め込まれるだけで、延長部15の端部152が、外側保持部91と内側部品90Bとから押圧されるように挟み込まれた状態になる。よって、ストッパ90は、延長部15の端部152に固定される。
なお、必ずしも外側部品90Aが接続部91Aを備えていなくてもよく、内側部品90Bが接続部91Aに相当する部位を備えていてもよい。また、外側部品90Aに凹部が形成され、内側部品90Bに凸部が形成されていてもよい。
変形例4から8に係るアイウェア1が備えるストッパ90の材料は、第4実施形態に係るアイウェア1が備えるストッパ90と同様である。さらに、変形例4から8に係るアイウェア1のテンプル幅の調整方法も第4実施形態に係るアイウェア1におけるテンプル幅の調整方法と同様である。また、変形例4から8に係るアイウェア1によれば、第4実施形態に係るアイウェア1と同様の効果が得られる。
なお、上述した実施形態4、変形例4から8のアイウェア1が備えるストッパ90には、ストッパ90の上面から下面にかけて挿入溝910が形成されているが、挿入溝910に替えて、ストッパ90の前側面に延長部15の後側の端部152が挿入可能な挿入穴が形成されていてもよい。この場合、該挿入穴の水平面内における幅および上下方向の幅は、延長部15の端部152の幅X3および端部152の上下方向の幅よりもわずかに短い。
上述した各実施形態および各変形例のアイウェアは、ストッパが、ストッパの内側端部が延長部の内側に位置するように延長部に取り付けられており、延長部からストッパの内側端部の内側端までの長さに応じてテンプルの回転範囲が変更されるので、ユーザが容易にテンプル幅を調整することができる。
なお、上述した第1、2、および4実施形態、並びに、変形例1から8は、いずれもストッパがテンプルの外側に位置しているが、ストッパはテンプルの内側に位置していてもよい。ストッパがテンプルの内側に位置するアイウェアにおいて、少なくとも延長部のストッパが取り付けられる部位は、テンプルの内側に位置する。この場合、アイウェアは、装着時においてストッパの外側端がテンプルの内側面に接する。アイウェアは、延長部からストッパの外側端(つまり、テンプルの内側面)までの寸法の長さに応じて、テンプル幅が変更される。このような構成は、上述した第1、2、および4実施形態、並びに、変形例1から8に適用可能である。また、第3実施形態のように、ストッパおよび延長部がテンプルの内部に位置するアイウェアにおいて、アイウェアが装着時の状態にあるとき、ストッパの外側端がテンプル内部の外側壁に接する構成であってもよい。このように構成されたアイウェアは、延長部からストッパの外側端(つまり、テンプルの内部の外側壁)までの寸法の長さに応じて、テンプル幅が変更される。