JP7437210B2 - セメント系固化材及びセメント系固化材の製造方法 - Google Patents

セメント系固化材及びセメント系固化材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント系固化材及びセメント系固化材の製造方法に関する。
産業廃棄物をセメント焼成プラントに投入することにより、産業廃棄物を、セメント焼成用の熱エネルギー源やセメント原料の一部として利用し、さらに無害化処理する技術が知られている。セメント焼成プラントにおいて処理される産業廃棄物等としては、例えば、廃プラスチック、廃タイヤ等の各種産業廃棄物、及び、産業副産物、土壌、建設廃材等の廃棄物があり、廃棄物の量は増加傾向にある。このような廃棄物が増加すると、セメント焼成プラント内で、塩素、硫化物、アルカリ、水銀等の重金属を含む有害物質が循環したり蓄積したりすることによって、セメント焼成炉の操業、及び、製品の品質等に影響を与えるおそれがある。そこで、セメント原料焼成用のセメントキルンから排出された排ガスの一部を抜き出して、塩素やアルカリ等を除去する、バイパス装置等と呼ばれるシステムが使用されている。
特許文献1ないし特許文献4には、セメント製造プラントにおいて、バイパス装置等を使用して回収されるダスト(以下、バイパスダストと表記)を有効利用した固化材組成物に関する技術が開示されている。
また、バイパスダストを利用することによって、固化処理土等から有害物質が溶出しやすくなるおそれがある。特許文献5には、セメントクリンカー中のセレン含有量を低減することによって、セメント硬化体や固化処理土からのセレン溶出量を低減する技術が開示されている。
特開2006-219312号公報 特開平10-218657号公報 特開2006-89298号公報 特開2007-130565号公報 特開2012-254935号公報
セメントの製造に使用する原燃料に起因するヒ素が固化材に含まれる場合、固化処理土からのヒ素の溶出量を抑制することが望まれる。ヒ素の溶出量を低減するために、原燃料の種類または原燃料原単位を制限する方法が知られているが、この方法では原燃料の確保が困難になったり、または製造コストが増大したりするおそれがある。そこで、原燃料の種類または原燃料単位を制限せずに、地盤改良後の土壌からのヒ素の溶出量を抑制することが望まれる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原燃料の種類または原燃料単位を制限せずに、地盤改良後の土壌からのヒ素の溶出量を抑制する、セメント系固化材及びセメント系固化材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のセメント系固化材は、セメントクリンカーと、石膏と、バイパスダストとを含むセメント系固化材であって、前記セメント系固化材のブレーン比表面積が、3000cm/g以上であり、前記セメント系固化材への前記バイパスダストの添加割合が、0.4質量%以上7.5質量%以下であり、前記セメント系固化材における、前記バイパスダストに由来するヒ素含有量が、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である。
本発明にかかるセメント系固化材及びセメント系固化材の製造方法は、原燃料の種類または原燃原単位を制限せずに、地盤改良後の土壌からのヒ素の溶出量を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係るセメント焼成プラントにおけるロータリーキルンを含む製造装置の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係るセメント焼成プラントにおけるバイパスダストを回収するシステムの一例を示す模式図である。 図3は、本実施形態に係るセメント系固化材の製造工程を示すフローチャートである。 図4は、固化処理土の一軸圧縮強さとヒ素溶出量との関係を示す図である。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[セメント焼成プラント]
図1は、本実施形態に係るセメント焼成プラントにおけるロータリーキルンを含む製造装置の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係るセメント焼成プラントにおけるバイパスダストを回収するシステムの一例を示す模式図である。セメント焼成プラントの構成は、これに限定されない。ロータリーキルン1は、中心軸回りに回転可能に設けられている。ロータリーキルン1の上流側であるキルン後部(窯尻)2には、セメント原料を予熱するためのプレヒータ3が設けられている。ロータリーキルン1の下流側のキルン前部には、内部を加熱するための主バーナ4が設けられている。キルン前部には、焼成後のセメントクリンカーを冷却するためのクリンカークーラ5が設けられている。
プレヒータ3は、上下方向に直列的に配置された複数段のサイクロンを有する。本実施形態では、5段のサイクロン3a、サイクロン3b、サイクロン3c、サイクロン3d及びサイクロン3eを有する。最上段のサイクロン3aには、供給管6を介してセメント原料が供給されている。サイクロン3aの底部には、下段のサイクロン3bへセメント原料を送るための移送管7aが接続されている。サイクロン3bの底部には、下段のサイクロン3cへセメント原料を送るための移送管7bが接続されている。サイクロン3cの底部には、下段のサイクロン3dへセメント原料を送るための移送管7cが接続されている。サイクロン3dの底部には、下段のサイクロン3eへセメント原料を送るための移送管7dが接続されている。最下段のサイクロン3eの底部には、セメント原料をロータリーキルン1のキルン後部2へ送る移送管7eが接続されている。
キルン後部2には、ロータリーキルン1から排出された燃焼排ガス(以下、「排ガス」という。)を、最下段のサイクロン3eへ供給する排ガス管8eが設けられている。排ガス管8eの上端部は、サイクロン3eの側壁に接続され、サイクロン3eの内部に旋回流を生じるように配管されている。サイクロン3eとサイクロン3dとの間には、下段のサイクロン3eの上部から排出された排ガスを、上段のサイクロン3dの側壁に導入する排ガス管8dが接続されている。サイクロン3dとサイクロン3cとの間には、下段のサイクロン3dの上部から排出された排ガスを、上段のサイクロン3cの側壁に導入する排ガス管8cが接続されている。サイクロン3cとサイクロン3bとの間には、下段のサイクロン3cの上部から排出された排ガスを、上段のサイクロン3bの側壁に導入する排ガス管8bが接続されている。サイクロン3bとサイクロンaとの間には、下段のサイクロン3bの上部から排出された排ガスを、上段のサイクロン3aの側壁に導入する排ガス管8aが接続されている。最上段のサイクロン3aの上部から排出された排ガスは、図示しない排気ファンによって排気ライン9を介して排気される。
本実施形態では、下から2段目のサイクロン3dからの排ガス管8cに、内部の排ガスの一部を抜き出す抽気管10の一方の端部が接続されている。抽気管10の一方の端部の接続先は、これに限定されない。抽気管10の他方の端部は、ミキシングチャンバ11の底部に接続されている。
ミキシングチャンバ11の底部には、抽気管10から送られてくる排ガスに、冷却ファン12を介して空気を導入するための送風管13が接続されている。ミキシングチャンバ11の上部には、空気によって冷却されるとともに、セメント原料を主体とする固形分の分散性が高められた排ガスをサイクロン14へ供給する送気ライン15が接続されている。
サイクロン14は、排ガス中に含まれるセメント原料等の固形分を分離する。サイクロン14は、上側部に送気ライン15が接続され、底部に固形分の排出管16が接続されている。サイクロン14の上部には、固形分が分離された排ガスを排出する移送ライン18の一方の端部が接続されている。移送ライン18の他方の端部は、冷却塔17の上側部に接続されている。
冷却塔17は、頂部に設けられた図示されない注水器によって内部に送られてくる排ガスに水を噴霧する。これにより、排ガスをバグフィルタ19へ導入可能温度以下まで冷却する。水を噴霧して排ガスを洗浄することによって、排ガス中に残存する固形分、及び排ガス中に揮発ガスとして含まれている、ヒ素を含む有価元素を水中に移行させる。冷却塔17の上部には、冷却された排ガスをバグフィルタ19へ送る移送ライン20が接続されている。
バグフィルタ19は、冷却塔17における洗浄後に、排ガス中に残存する微粉状の固形分を捕集する。バグフィルタ19において微粉状の固形物が捕集された排ガスは、吸引ファン21によって排ガスライン22を介して、プレヒータ3からの排気ライン9へ送られる。
冷却塔17の底部には、洗浄後の液体を排出する排水ライン23が設けられている。バグフィルタ19の底部には、排ガスからの捕集物を排出する排出ライン24が設けられている。排水ライン23及び排出ライン24から、バイパスダストが回収される。回収したバイパスダストは、セメント固化材の製造原価の低減、及び、セメント固化材スラリーの流動性の向上のため、セメント固化材の製造時に、品質に問題ない範囲で、セメントクリンカー及び石膏と混合される。
サイクロン14から排出されたセメント原料を主体とする固形分は、排出管16から、ロータリーキルン1またはキルン後部2へ戻される。
このように構成されたセメント焼成プラントにおける、セメントクリンカーの焼成方法について説明する。
供給管6からプレヒータ3の1段目のサイクロン3aに投入されたセメント原料は、順次、移送管7a、移送管7b、移送管7c及び移送管7dを通じて、下段のサイクロン3b、サイクロン3c、サイクロン3d及びサイクロン3eへ落下する。セメント原料は、落下するにつれて、下段から上昇するロータリーキルン1からの高温の排ガスによって予熱される。セメント原料は、最下段のサイクロン3eから移送管7eを介して、ロータリーキルン1のキルン後部2に導入される。
ロータリーキルン1において、セメント原料は、キルン後部2側から窯前側へ送られる過程において、主バーナ4からの燃焼排ガスによって加熱され、焼成されてセメントクリンカーとなる。キルン前部に到達したセメントクリンカーは、クリンカークーラ5に落下して、クリンカークーラ5の出口側に送られる。クリンカークーラ5に供給された空気によって所定温度まで冷却されたセメントクリンカーは、クリンカークーラ5から取り出される。
焼成時、廃プラスチックや廃タイヤ等の可燃性の産業廃棄物、及び、下水汚泥、土壌等の廃棄物が、ロータリーキルン1のキルン後部2から投入されて、焼却処理される。これにより、産業廃棄物等に含まれる可燃物が、セメント原料の予熱用または焼成用の燃料の一部として利用される。産業廃棄物等に含まれる鉄分や灰分が、セメント原料の一部として利用される。焼却処理が行われる際に、ヒ素を含む有価元素が揮発ガスとして排ガスに移行するとともに、その一部がセメント原料に付着した状態で排ガスに同伴する。
本実施形態では、下から2段目のサイクロン3dからの排ガス管8cに設けた抽気管10から、排ガス管8cを通過する排ガスを抜き出し、ミキシングチャンバ11へ送る。ミキシングチャンバ11において、排ガスに、冷却ファン12によって送風管13から送られてくる空気が混入し、排ガスの温度が低下して、排ガス中に含まれるセメント原料等の固形分の分散性が高められる。
ミキシングチャンバ11から排出された排ガスは、送気ライン15からサイクロン14に送られ、固形分の大部分が固気分離されて、排出管16からロータリーキルン1またはキルン後部2へ戻される。
サイクロン14を経た排ガスは、移送ライン18から冷却塔17へ送られ、冷却塔17の頂部から噴射される水によって後段のバグフィルタ19へ送気可能な温度以下まで降温される。さらに、排ガスは、水によって洗浄されることにより、当該排ガス中に気体として存在する、ヒ素を含む有価元素が冷却されて、水とともに底部の排水ライン23から取り出される。
冷却塔17において冷却及び洗浄が行われた排ガスは、移送ライン20からバグフィルタ19に送られて、排ガス中に残存した微粉状の固形分が捕集される。排水ライン23の後段に設けられた固液分離手段(図示せず)及び排出ライン24から、バイパスダストが回収される。
サイクロン14の排出管16からロータリーキルン1またはキルン後部2へ戻された、セメント原料を主体とする固形分は、付着していた、ヒ素を含む有価元素が気化して、再び排ガス中に気体として移行する。
[セメント系固化材]
セメント系固化材は、セメントクリンカーと、石膏と、バイパスダストとを含む。セメント系固化材のブレーン比表面積は、3000cm/g以上であり、セメント系固化材へのバイパスダストの添加割合は、0.4質量%以上7.5質量%以下である。セメント系固化材における、バイパスダストに由来するヒ素含有量は、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である。セメント系固化材のブレーン比表面積が3000cm/g未満となると、固化処理土の一軸圧縮強さが低下することになり、好ましくない。また、セメント系固化材へのバイパスダストの添加割合が10.0%以上となると、固化処理土の一軸圧縮強さが低下することになり、好ましくない。
バイパスダストは、セメント焼成プラントのプレヒータ3から窯前までにおけるロータリーキルン1からのヒ素含有排ガスの一部を抽気したものである。バイパスダストは、抽気したヒ素含有排ガスから回収したヒ素を含有する。
セメント系固化材のブレーン比表面積が、より好ましくは4900cm/g以下とする。
セメント系固化材のヒ素含有量は、5mg/kg以上30mg/kg以下としてもよい。
セメント系固化材は、さらに、石灰石粉、フライアッシュ、高炉スラグ粉、及び、シリカ質混合成分のうち1つ以上を含んでもよい。
セメントクリンカーの鉱物組成は、ボーグ式算定のCS量が、50.0質量%以上80.0質量%以下、好ましくは55.0質量%以上77.0質量%以下、より好ましくは65.0質量%以上75.0質量%以下、である。CS量が、3.0質量%以上20.0質量%以下、好ましくは3.5質量%以上15.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以上8.0質量%以下、である。CA量が、6.0質量%以上11.5質量%以下、好ましくは7.0質量%以上11.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以上10.0質量%以下、である。CAF量が、6.0質量%以上10.0質量%以下、好ましくは6.5質量%以上9.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以上8.0質量%以下、である。
ボーグ式は、以下の通りである。
S量(質量%)=4.07×CaO(質量%)-7.60×SiO(質量%)-6.72×Al(質量%)-1.43×Fe(質量%)-2.85×SO(質量%) (1)
S量(質量%)=2.87×SiO(質量%)-0.754×CS(質量%) (2)
A量(質量%)=2.65×Al(質量%)-1.69×Fe(質量%) (3)
AF量(質量%)=3.04×Fe(質量%) (4)
[セメント系固化材の製造方法]
図3を用いて、セメントクリンカーと、石膏と、バイパスダストとを含むセメント系固化材の製造方法について、説明する。図3は、本実施形態に係るセメント系固化材の製造工程を示すフローチャートである。
セメント系固化材の製造工程は、セメント焼成プラントによって焼成されたセメントクリンカーのヒ素含有量を検出する工程(SP1)と、検出したセメントクリンカーのヒ素含有量に基づいて、セメントクリンカーとバイパスダストとの配合を算出する工程(SP2)と、算出した配合のバイパスダストを、セメントクリンカーと石膏と混合する工程(SP3)とを含む。このようにして得られるセメント系固化材は、ブレーン比表面積が、3000cm/g以上であり、セメント系固化材へのバイパスダストの質量の添加割合が、0.4質量%以上7.5質量%以下であり、セメント系固化材における、バイパスダストに由来するヒ素含有量が、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、ブレーン比表面積が、3000cm/g以上であり、セメント系固化材へのバイパスダストの添加割合が、0.4質量%以上7.5質量%以下であり、セメント系固化材における、前記バイパスダストに由来するヒ素含有量が、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である。本実施形態は、セメント固化材全体中のバイパスダスト由来のヒ素含有量を低くし、セメントクリンカー由来のヒ素の含有量の割合を高める。本実施形態によれば、原燃料の種類あるいは原燃料原単位を制限するなどして、固化材中のヒ素含有量を低減しなくても、固化処理土からのヒ素溶出量が少ない固化材を製造できる。本実施形態によれば、原燃料の種類または原燃料単位を制限せずに、地盤改良後の土壌からのヒ素の溶出量を抑制できる。
本実施形態では、セメント系固化材は、セメント焼成工程でのヒ素含有排ガスの一部を抽気、分離除去する際に、ヒ素量を低減したバイパスダストを製造して、セメント系固化材に使用する。本実施形態によれば、ヒ素含有量が従来と同等でも、固化処理土からのヒ素の溶出量を著しく低減できる。
本実施形態では、ブレーン比表面積が、4900cm/g以下である。本実施形態では、ブレーン比表面積をこの範囲にすることによって、固化処理土の適切な一軸圧縮強さを得ることができる。
本実施形態では、セメント系固化材のヒ素含有量が、5mg/kg以上30mg/kg以下である。本実施形態は、セメント系固化材のヒ素含有量をこの範囲にすることによって、地盤改良後の土壌からのヒ素の溶出量を抑制できる。
本実施形態では、石灰石粉、フライアッシュ、高炉スラグ粉、及び、シリカ質混合成分のうち1つ以上を含むことができる。本実施形態によれば、セメント系固化材の用途や性能に応じて、添加物を適切に添加できる。
[実施例]
次に、具体的な実施例を用いて、セメント系固化材について説明する。
本実施形態では、試料土は、表1に示す標準的な関東ロームを使用した。なお、試料土は一例であり、これに限定されるものではない。
Figure 0007437210000001
固化材添加量は、試料土の十分に強度が得られる標準的な添加量300kg/m以上500kg/m以下とした。また、固化材の添加方法は、セメント系固化材の質量Cに対する水の質量Wの比(W/C)が60%となるように、セメント系固化材と水とを混合して得られたスラリー添加とした。本実施形態では、表2に示すように、配合No.1、配合No.2、配合No.3の3通りの固化材添加量で用意した。
Figure 0007437210000002
本実施形態では、表3に示す、ヒ素含有量が異なる、記号Du-1、Du-2、Du-3、Du-4、Du-5で示す5種類のバイパスダストを使用した。
Figure 0007437210000003
固化処理土は、JGS 0821-2009に規定された「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」で作製した。
固化処理土からのヒ素の溶出量測定は、環境庁告示46号で実施した。固化処理土からのヒ素の溶出量0.01mg/L以下を合格とした。
(実施例1)
固体材のブレーン値が4890cm/g、バイパスダストは表3のDu-1を使用し、バイパスダストの添加割合が2.8%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が4.69mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1、配合No.2、配合No.3ともに、0.001mg/Lであった。
(実施例2)
固体材のブレーン値が4010cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が1.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.04mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1、配合No.2、配合No.3ともに、0.001mg/Lであった。
(実施例3)
固体材のブレーン値が4880cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が0.8%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.06mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例4)
固体材のブレーン値が3030cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が0.6%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.07mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例5)
固体材のブレーン値が4500cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が0.4%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.08mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例6)
固体材のブレーン値が4240cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が7.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.24mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(実施例7)
固体材のブレーン値が4410cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が4.9%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.36mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例8)
固体材のブレーン値が4530cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が3.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.61mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.43mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例9)
固体材のブレーン値が3760cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が2.3%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.48mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(実施例10)
固体材のブレーン値が4550cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が7.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が5.92mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例11)
固体材のブレーン値が3520cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が5.0%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が6.04mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例12)
固体材のブレーン値が4320cm/g、バイパスダストは表3のDu-1を使用し、バイパスダストの添加割合が3.7%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が14.7mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例13)
固体材のブレーン値が3560cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が1.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が14.9mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例14)
固体材のブレーン値が4000cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が0.8%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例15)
固体材のブレーン値が4270cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が0.6%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(実施例16)
固体材のブレーン値が3850cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が0.4%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例17)
固体材のブレーン値が3640cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が7.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が14.5mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例18)
固体材のブレーン値が3950cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が4.9%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が14.9mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例19)
固体材のブレーン値が4210cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が3.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.61mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.1mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例20)
固体材のブレーン値が4440cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が2.3%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.3mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例21)
固体材のブレーン値が4580cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が7.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.2mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例22)
固体材のブレーン値が4390cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が5.0%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が15.5mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(実施例23)
固体材のブレーン値が4090cm/g、バイパスダストは表3のDu-1を使用し、バイパスダストの添加割合が2.8%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.2mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例24)
固体材のブレーン値が4120cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が1.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.6mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.001mg/L、配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例25)
固体材のブレーン値が3960cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が0.8%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.8mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例26)
固体材のブレーン値が4150cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が0.6%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.9mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例27)
固体材のブレーン値が4420cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が0.4%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.10mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.9mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例28)
固体材のブレーン値が4140cm/g、バイパスダストは表3のDu-2を使用し、バイパスダストの添加割合が7.2%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が28.4mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例29)
固体材のブレーン値が4850cm/g、バイパスダストは表3のDu-3を使用し、バイパスダストの添加割合が4.9%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が28.5mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例30)
固体材のブレーン値が3530cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が3.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.61mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が30.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(実施例31)
固体材のブレーン値が4760cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が2.3%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が0.60mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.9mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例32)
固体材のブレーン値が3580cm/g、バイパスダストは表3のDu-4を使用し、バイパスダストの添加割合が7.5%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が29.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が、0.001mg/L、配合No.2及び配合No.3が、0.002mg/Lであった。
(実施例33)
固体材のブレーン値が3990cm/g、バイパスダストは表3のDu-5を使用し、バイパスダストの添加割合が5.0%、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.30mg/kg、固化材全体のヒ素含有量が30.0mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が、0.002mg/L、配合No.3が、0.003mg/Lであった。
(比較例1)
バイパスダストの添加割合が10.0%である。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.018mg/L、配合No.2が0.020mg/L、配合No.3が0.028mg/Lであった。
(比較例2)
バイパスダストの添加割合が10.0%である。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が0.018mg/L、配合No.3が0.028mg/Lであった。
(比較例3)
バイパスダストの添加割合が10.0%である。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.019mg/L、配合No.2が0.020mg/L、配合No.3が0.032mg/Lであった。
(比較例4)
バイパスダストの添加割合が12.0%である。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.020mg/L、配合No.2が0.021mg/L、配合No.3が0.023mg/Lであった。
(比較例5)
バイパスダストの添加割合が15.0%である。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.019mg/L、配合No.2が0.020mg/L、配合No.3が0.019mg/Lであった。
(比較例6)
固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.73mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.045mg/L、配合No.2が0.052mg/L、配合No.3が0.055mg/Lであった。
(比較例7)
固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が2.59mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.050mg/L、配合No.2が0.058mg/L、配合No.3が0.061mg/Lであった。
(比較例8)
固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.38mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.020mg/L、配合No.2が0.021mg/L、配合No.3が0.020mg/Lであった。
(比較例9)
固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.55mg/kgである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.020mg/L、配合No.2が0.022mg/L、配合No.3が0.022mg/Lであった。
(比較例10)
固体材のブレーン値が2930cm/gである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が0.015mg/L、配合No.3が0.017mg/Lであった。
(比較例11)
固体材のブレーン値が2960cm/gである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.020mg/L、配合No.2が0.016mg/L、配合No.3が0.018mg/Lであった。
(比較例12)
固体材のブレーン値が2980cm/gである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1、配合No.2及び配合No.3が0.018mg/Lであった。
(比較例13)
固体材のブレーン値が2890cm/gである。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1が0.011mg/L、配合No.2が0.017mg/L、配合No.3が0.018mg/Lであった。
(参考例1)
バイパスダストを添加していない。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が0.002mg/L、配合No.3が0.003mg/Lであった。
(参考例2)
バイパスダストを添加していない。固化処理土からのヒ素溶出量は、配合No.1及び配合No.2が0.001mg/L、配合No.3が0.003mg/Lであった。
上記実施例1ないし実施例33、比較例1ないし比較例13、及び、参考例1、参考例2の測定結果を下記表4及び表5に示す。
Figure 0007437210000004
Figure 0007437210000005
上記実施例1ないし実施例33、比較例1ないし比較例13、及び、参考例1、参考例2の一軸圧縮強さ(kN/m)を下記表6に示す。また、固化処理土の一軸圧縮強さとヒ素溶出量との関係を図4に示す。図4は、固化処理土の一軸圧縮強さとヒ素溶出量との関係を示す図である。
Figure 0007437210000006
以上より、固化材のブレーン比表面積は、3000cm/g以上4900cm/g以下が好ましく、より好ましいのは、3500cm/g以上4500cm/g以下である。比較例10ないし比較例13のように、ブレーン比表面積が3000cm/g未満の場合、固化処理土の一軸圧縮強さが、実施例1ないし実施例33に比べて低下する傾向にあるので、好ましくない。
バイパスダストの添加割合は、7.5%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましい。比較例1ないし比較例5のように、添加割合が10.0%以上の場合、固化処理土の一軸圧縮強さが、実施例1ないし実施例33に比べて低下する傾向にあるので、好ましくない。
固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量は、0.1mg/kg以上1.3mg/kgが好ましい。比較例6ないし比較例9のように、固化材中のバイパスダスト由来のヒ素含有量が1.3mg/kgを超える場合、固化処理土からのヒ素溶出量が、実施例1ないし実施例33に比べて増加し、0.01mg/L以上となるので、好ましくない。
図4に示すように、配合によらず、言い換えると、固化材添加量によらず、固化処理土からのヒ素溶出量を適切な範囲にできることがわかる。
1 ロータリーキルン
2 キルン後部
3 プレヒータ
3a、3b、3c、3d、3e サイクロン
6 セメント原料の供給管
7a、7b、7c、7d、7e 移送管
8a、8b、8c、8d、8e 排ガス管
10 抽気管
11 ミキシングチャンバ
14 サイクロン
17 冷却塔
19 バグフィルタ

Claims (5)

  1. セメントクリンカーと、石膏と、バイパスダストとを含むセメント系固化材であって、
    前記セメント系固化材のブレーン比表面積が、3000cm/g以上であり、
    前記セメント系固化材への前記バイパスダストの添加割合が、0.4質量%以上7.5質量%以下であり、
    前記セメント系固化材への前記バイパスダストの添加割合をA(質量%)、前記バイパスダストのヒ素含有量をB(mg/kg)としたとき、B×A÷100が、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である、
    セメント系固化材。
  2. 前記セメント系固化材のブレーン比表面積が、4900cm/g以下である、
    請求項1に記載のセメント系固化材。
  3. 前記セメント系固化材のヒ素含有量が、5mg/kg以上30mg/kg以下である、
    請求項1または請求項2に記載のセメント系固化材。
  4. さらに、石灰石粉、フライアッシュ、高炉スラグ粉、及び、シリカ質混合成分のうち1つ以上を含む、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセメント系固化材。
  5. セメントクリンカーと、石膏と、バイパスダストとを含むセメント系固化材の製造方法であって、
    前記セメントクリンカーのヒ素含有量を検出して、
    検出した前記セメントクリンカーのヒ素含有量に基づいて、前記セメントクリンカーと前記バイパスダストとの配合を算出して、
    算出した配合に応じて、前記セメントクリンカーと前記石膏と前記バイパスダストとを混合して、
    前記セメント系固化材のブレーン比表面積が、3000cm/g以上であり、
    前記セメント系固化材への前記バイパスダストの添加割合が、0.4質量%以上7.5質量%以下であり、
    前記セメント系固化材における、前記バイパスダストに由来するヒ素含有量が、0.1mg/kg以上1.3mg/kg以下である、
    セメント系固化材の製造方法。
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