以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本開示、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る換気装置及び空調機の構成例を示した図である。図1に示される例では、屋内空間の空調を行うために、換気装置1と空調機2とを備えている。
本実施形態においては、屋内空間の一例として、居室空間R11と、天井裏空間R12と、を有する例について説明するが、屋内空間は、居室空間R11及び天井裏空間R12に制限されるものではなく、建築物の内部の空間であればよく、例えば、床下空間を有してもよい。
居室空間R11は、例えば、オフィスや住宅の内部の居室である。天井裏空間R12は、居室空間R11の上方に隣接している空間である。天井裏空間R12は、居室空間R11より上方に存在するため、温かい空気が集まる傾向にある。
空調機2は、室外機70と、2台の空調室内機81、82と、を含む。なお、本実施形態は、空調室内機の台数を、2台に制限するものではなく、1台、又は3台以上であってもよい。
空調機2は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行い、居室空間R11の冷房や暖房を行う装置である。本実施形態に係る空調機2は、居室空間R11の冷房及び暖房の両方が可能な装置である。しかしながら、本実施形態は、冷房及び暖房の両方が可能な空調機に制限するものではなく、例えば冷房のみ可能な装置であってもよい。
室外機70と、2台の空調室内機81、82と、の間は、連絡配管F5によって接続されている。連絡配管F5は、(図示しない)液冷媒連絡配管及びガス冷媒連絡配管を含むものである。これにより、室外機70と、2台の空調室内機81、82と、の間を冷媒が循環する冷媒回路が実現される。当該冷媒回路内を冷媒が循環すると、空調機2において蒸気圧縮式冷凍サイクルが行われる。
室外機70は、屋外に配置される。そして、室外機70は、熱交換器を備え、当該熱交換器を流れる冷媒と熱交換した空気を屋外に排出する。
空調室内機81、82は、熱交換器を備え、当該熱交換器を流れる冷媒と熱交換した空気を居室空間R11に吹き出す。本実施形態では、空調室内機81、82は、居室空間R11の天井に設置される天井設置式である。特に、本実施形態の空調室内機81、82は、天井埋込式の空調室内機であって、換気口93A、93Bから熱交換した空気が吹き出される。本実施形態では、換気口93A、93Bを天井に設ける例について説明するが、換気口93A、93Bを設ける位置を特に制限するものではない。なお、空調室内機81、82は、天井埋込式に限定されるものではなく、天井吊下式であってもよい。また、空調室内機81、82は、壁掛式や床置式等の天井設置式以外であってもよい。
換気装置1は、排気ユニット10と、給気ユニット20と、圧縮機ユニット50と、冷媒回路F1、F2、F3、F4と、給気流路P1と、還気流路P2と、を備える。
換気装置1は、取り込んだ屋外の空気を居室空間R11に給気すると共に、屋内空間(居室空間R11を含む)から取り込んだ空気を屋外に排気する装置である。これにより、換気装置1は、居室空間R11の空気の入れ替えを実現している。
さらに、本実施形態に係る換気装置1は、排気ユニット10と、給気ユニット20との間で熱を交換することで、屋外から取り込まれた空気の温度と、居室空間R11の温度と、の間の温度差を抑制している。
給気流路P1(第1空気流路の一例)は、屋外から取り入れた空気(外気)を、第1熱交換器22を有する給気ユニット20を通した後に、換気口92から居室空間R11に給気するための流路である。本実施形態は換気口92を天井に設けた例について説明するが、換気口92を設ける位置を特に制限するものではない。
還気流路P2(第2空気流路の一例)は、居室空間R11の換気口91から取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するための流路である。本実施形態は換気口91を天井に設けた例について説明するが、換気口91を設ける位置を特に制限するものではない。
冷媒回路F1、F2、F3、F4は、圧縮機ユニット50、給気ユニット20の第1熱交換器22、及び排気ユニット10の第2熱交換器12を、冷媒配管によって接続し、内部に冷媒を流す回路である。
圧縮機ユニット50の制御部52、給気ユニット20の制御部23、及び排気ユニット10の制御部13の間は、図1において点線で示した信号線S1で接続されている。これにより、圧縮機ユニット50の制御部52、給気ユニット20の制御部23、及び排気ユニット10の制御部13の間で、情報の送受信が可能となる。
圧縮機ユニット50は、駆動用モータ51と、制御部52と、を備え、冷媒回路F1、F2、F3、F4のうちいずれか一つの冷媒を圧縮することで、冷媒回路F1、F2、F3、F4内の冷媒を循環させる制御を行う。例えば、排気ユニット10内の第2熱交換器12が蒸発器として機能する場合、圧縮機ユニット50は、冷媒回路F2内の冷媒を圧縮することで、冷媒回路F1、F2、F3、F4内の冷媒を循環させる。
駆動用モータ51は、冷媒を圧縮するための圧縮機を回転(駆動)させるためのモータである。
制御部52は、圧縮機ユニット50内の構成を制御する。例えば、制御部52は、駆動用モータ51に対して、圧縮機を回転(駆動)させるための指令を出力する。
給気ユニット20は、ファン21と、第1熱交換器22と、制御部23と、温度検出部24と、を備え、外気(OA)を取り込み、居室空間R11に給気(SA)する。
ファン21は、取り込んだ外気(OA)を、居室空間R11に給気(SA)するために機能する。
第1熱交換器22は、凝縮器又は蒸発器として機能する。
温度検出部24は、屋外の気温と、第1熱交換器22の表面温度と、第1熱交換器22を流れる冷媒の温度と、を検出する。
制御部23は、給気ユニット20内部の構成を制御する。制御部23は、温度検出部14による検出結果に応じて様々な制御を行う。例えば、制御部23は、温度検出部24の検出結果に応じて、第1熱交換器22の凝縮器又は蒸発器としての機能を調整する。
排気ユニット10は、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部13と、温度検出部14と、を備え、居室空間R11の還気(RA)を取り込み、屋外に排気(EA)する。
ファン11は、居室空間R11から取り込んだ還気(RA)を、屋外に排気(EA)するために機能する。
第2熱交換器12は、凝縮器又は蒸発器として機能する。
温度検出部14は、屋外の気温と、第2熱交換器12の表面温度と、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度と、を検出する。さらに、温度検出部14は、(図示しない)センサ部を介して、居室空間R11内の空気の温度や、天井裏空間R12内に空気の温度を検出してもよい。
制御部13は、排気ユニット10内部の構成を制御する。制御部13は、温度検出部14による検出結果に応じて様々な制御を行う。例えば、制御部13は、温度検出部14の検出結果に応じて、第2熱交換器12の凝縮器又は蒸発器としての機能を調整する。
気温が低い場合に換気装置1が行う処理について説明する。気温が低い場合、換気装置1は、給気ユニット20において屋外から取り込んだ外気(OA)を温めた後、居室空間R11に給気(SA)を行うと共に、排気ユニット10において居室空間R11から取り込んだ還気(RA)を冷やした後、屋外に排気(EA)を行う。つまり、給気ユニット20内の第1熱交換器22が凝縮器として機能すると共に、排気ユニット10内の第2熱交換器12が蒸発器として機能する。第2熱交換器12が蒸発器として機能することで、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度が低くなるので、第2熱交換器12が着霜する可能性が生じる。そこで、本実施形態においては、第2熱交換器12が着霜したと判定した場合に、除霜運転を行う。
具体的には、排気ユニット10の制御部13は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、温度検出部14による検出結果から、第2熱交換器12が着霜している状態を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。第2熱交換器12が着霜している状態を示した所定の基準としては、第2熱交換器12を通る冷媒の温度が所定値(例えば0度)以下の状態が一定時間(例えば10分)継続するなどが考えられる。なお、本実施形態は、着霜している状態を判定するために冷媒の温度を用いる場合に制限するものではなく、冷媒の圧力を用いて検出してもよい。また、着霜状態のさらなる判定手法を用いてもよい。例えば、制御部13は、第2熱交換器12の表面温度が所定値(例えば0度)以下の状態が一定時間(例えば10分)継続したことを検出してもよい。他の例としては、制御部13は、撮像装置が第2熱交換器12の表面を撮像し、撮像した画像データと正常時の画像データととの一致度合いに基づいて判定してもよい。なお、第2熱交換器12が着霜しているか否かを判定可能であれば、上記の手法以外の手法を用いてもよい。
本実施形態に係る排気ユニット10の制御部13は、所定の基準を満たしたと判定した場合に、第2熱交換器12の除霜を行うための制御を行う。制御部13は、除霜を行うための制御として、居室空間R11の空気の流れを第2熱交換器12に導くことで、第2熱交換器12の温度を上げるよう制御する。具体的な制御としては、排気ユニット10のファン11の回転を維持させる。これにより、居室空間R11の暖かい空気を第2熱交換器12に流すことができる。
さらに、排気ユニット10の制御部13は、圧縮機ユニット50の制御部52を介して、圧縮機ユニット50の駆動用モータ51(アクチュエータの一例)に対して、圧縮機ユニット50内の圧縮機を停止させる指令(所定の指令の一例)を出力する。
本実施形態の駆動用モータ51は、当該指令に基づいて、圧縮機を停止させることで、冷媒回路F1、F2、F3、F4内の冷媒の循環が停止する。
本実施形態に係る制御部13は、第2熱交換器12を除霜する制御の一例として、冷媒回路F1、F2、F3、F4内の冷媒の循環を停止させたうえで、居室空間R11の暖かい空気を第2熱交換器12に流すことで、第2熱交換器を流れる冷媒の温度を上昇させて、除霜を行うことができる。
ところで、従来の第2熱交換器の除霜においては、外気の温度が低い場合には、冷媒回路の循環を逆サイクルにしたうえで、除霜運転を実施する傾向にあった。逆サイクルに切り替えた除霜運転では、室内空間への給気は蒸発器側となるため、給気の温度が低くなるので、給気を停止することが一般的であった。この場合換気が不十分な状態となる。また、給気の送風を確保したい場合には、給気送風路に補助ヒータ等による加熱等が必要となっていたが、当該加熱では熱効率が低くなるという問題が生じていた。
そこで、本実施形態では、冷媒回路F1、F2、F3、F4の循環を停止した上で、第2熱交換器12の除霜に居室空間R11の暖かい空気(熱)を用いることで、熱効率の高い除霜を行うことができる。
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、排気ユニットが1台設けられた例について説明した。しかしながら、除霜対象となる排気ユニットは1台に制限するものではなく、複数台設けられてもよい。そこで、第2の実施形態では、排気ユニットが複数設けられ、排気ユニットの各々について除霜可能な構成について説明する。
図2は、第2の実施形態に係る換気装置、空調機及び上位制御装置の構成例を示した図である。本実施形態では、空調機と換気装置との上位に設けられた上位制御装置が制御を行う例とする。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を割り当て、説明を省略する。
図2に示される例では、換気装置1B及び空調機2Bの間の連携を行うために上位制御装置100が設けられている。
空調機2Bは、室外機170と、2台の空調室内機81、82と、を含む。なお、本実施形態は、空調室内機の台数を、2台に制限するものではなく、1台、又は3台以上であってもよい。
室外機170は、(図示しない)熱交換器と共に制御部171を備える。
制御部171は、空調機2B全体の制御を行う。また、制御部171は、上位制御装置100と間で情報を送受信する。そして、制御部171は、上位制御装置100からの制御信号に応じて様々な制御を行う。
換気装置1Bは、第1排気ユニット110Aと、第2排気ユニット110Bと、第1給気ユニット120Aと、第2給気ユニット120Bと、圧縮機ユニット150と、冷媒回路F101、F102、F103、F104と、第1給気流路P101と、第2給気流路P102と、第1排気流路P103と、第2排気流路P104と、を備える。
第1給気流路P101は、屋外から取り入れた空気を、第1熱交換器22を有する第1給気ユニット120Aを通した後に、換気口92Aから居室空間R11に給気する。
第2給気流路P102は、屋外から取り入れた空気を、第1熱交換器22を有する第2給気ユニット120Bを通した後に、換気口92Bから居室空間R11に給気する。
第1排気流路P103は、屋内空間の換気口91Aから取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する第1排気ユニット110Aを通した後に、屋外に排気する。
第2排気流路P104は、屋内空間の換気口91Bから取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する第2排気ユニット110Bを通した後に、屋外に排気する。
冷媒回路F101、F102、F103、F104は、圧縮機ユニット150、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bの第1熱交換器22、及び第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12を、冷媒配管によって接続し、内部に冷媒を流す回路である。
圧縮機ユニット150の制御部152、第1給気ユニット120Aの制御部123、第2給気ユニット120Bの制御部123、第1排気ユニット110Aの制御部113A、及び第2排気ユニット110Bの制御部113Bの間は、点線で示した信号線S101で接続されている。これにより、制御部152、2個の制御部123、制御部113A、及び制御部113Bの間で、情報の送受信が可能となる。
圧縮機ユニット150の制御部152は、2個の制御部123、制御部113A、及び制御部113Bから受信した換気装置1Bの状況を上位制御装置100に送信する。これにより、上位制御装置100は、換気装置1Bの状況に応じた制御を実現できる。
第1給気ユニット120Aは、ファン21と、第1熱交換器22と、制御部123と、温度検出部24と、を備え、外気(OA)を取り込み、換気口92Aから居室空間R11に給気(SA)する。
第2給気ユニット120Bは、ファン21と、第1熱交換器22と、制御部123と、温度検出部24と、を備え、外気(OA)を取り込み、換気口92Bから居室空間R11に給気(SA)する。
制御部123は、それぞれの給気ユニット内の構成を制御する。さらに、制御部123は、それぞれの給気ユニット内の温度検出部24等による検知結果を、圧縮機ユニット150の制御部152に送信する。圧縮機ユニット150の制御部152は、検知結果から現在の状況を認識し、当該認識結果を上位制御装置100に送信する。これにより上位制御装置100は、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bの状況を認識できる。
第1排気ユニット110Aは、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部113Aと、温度検出部14と、を備え、居室空間R11の換気口91Aから還気(RA)を取り込み、屋外に排気(EA)する。
第2排気ユニット110Bは、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部113Bと、温度検出部14と、を備え、居室空間R11の換気口91Bから還気(RA)を取り込み、屋外に排気(EA)する。
制御部113A及び制御部113Bは、それぞれの排気ユニット内の構成を制御する。さらに、制御部113A及び制御部113Bは、それぞれの排気ユニット内の温度検出部14等による検知結果を、圧縮機ユニット150の制御部152に送信する。圧縮機ユニット150の制御部152は、検知結果から現在の状況を認識し、当該認識結果を上位制御装置100に送信する。これにより上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの状況を認識できる。
上位制御装置100は、換気装置1Bの運転と、空調機2Bの運転と、を連携させるために様々な制御を行う。
上位制御装置100は、室外機170の制御部171から空調機2Bの状況を受信し、圧縮機ユニット150の制御部152から換気装置1Bの状況を受信する。そして、上位制御装置100は、空調機2Bの状況及び換気装置1Bの状況に応じて様々な制御を行う。
また、上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bのうちいずれか一方の第2熱交換器12が着霜していることを認識した場合に、着霜した第2熱交換器12に対する冷媒の循環を停止させるための制御を行う。本実施形態では、第2熱交換器12毎に冷媒の循環を停止させることができる。そこで、次に冷媒回路について説明する。
図3は、第2の実施形態に係る冷媒回路を示した図である。図3に示される例では、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合の冷媒の流れを示している。なお、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
図3に示される例では、給気ユニット120A、120Bと、排気ユニット110A、110Bと、圧縮機ユニット150と、が設けられている。
給気ユニット120A、120Bは、ファン21と、第1熱交換器22と、制御部123と、温度検出部24と、駆動用モータ25と、電動弁26と、を備える。
駆動用モータ25は、制御部123による制御によってファン21の風量を制御する。
電動弁26は、冷媒を減圧させるために、当該冷媒が流れる流路の開度を調整する膨張弁として機能し、制御部123による制御に基づいて減圧させるか否かを切り替える。電動弁26は、第1熱交換器22が蒸発器として機能する場合に減圧を行い、第1熱交換器22が凝縮器として機能する場合に減圧を行わないよう機能する。図3に示されるように、電動弁(膨張弁)26は、第1熱交換器毎に、当該第1熱交換器22に接続される流路に設けられている。
排気ユニット110Aは、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部113Aと、温度検出部14と、駆動用モータ15と、電動弁16と、を備える。
排気ユニット110Bは、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部113Bと、温度検出部14と、駆動用モータ15と、電動弁16と、を備える。
駆動用モータ15は、制御部113A又は制御部113Bによる制御によってファン11の風量を制御する。
電動弁16は、冷媒を減圧させるために、当該冷媒が流れる流路の開度を調整する膨張弁として機能し、制御部113A又は制御部113Bによる制御に基づいて減圧させるか否かを切り替える。電動弁16は、第2熱交換器12が蒸発器として機能する場合に減圧を行い、第2熱交換器12が凝縮器として機能する場合に減圧を行わないよう機能する。図3に示されるように、電動弁(膨張弁)16は、第2熱交換器毎に、当該第2熱交換器12に接続される流路に設けられている。
圧縮機ユニット150は、駆動用モータ51と、制御部152と、圧縮機53と、四方弁54と、電動弁55と、バイパス用電動弁56と、が設けられている。
圧縮機53は、冷媒回路を流れる冷媒を圧縮する。
駆動用モータ51は、圧縮機53を駆動させるアクチュエータである。本実施形態に係る駆動用モータ51は、制御部152によって制御された回転数で、圧縮機53を駆動させる。
制御部152は、圧縮機ユニット150内部の構成を制御する。例えば、制御部152は、以下に示す駆動用モータ51及び四方弁54の制御を行う。
四方弁54は、冷媒回路F101及び冷媒回路F104から、圧縮機53で圧縮された冷媒の流出先を切り替える弁として機能する。例えば、制御部152の制御に基づいて、第2熱交換器12を蒸発器として機能させる場合、四方弁54は、圧縮機53で圧縮された冷媒を、冷媒回路F101に流すように切り替えられる。
電動弁55は、制御部152からの制御に従って、冷媒回路の開閉制御を行う弁として機能する。第2熱交換器12が蒸発器として機能する場合、電動弁55は、冷媒を流さない閉状態となる。
制御部113A、113Bは、温度検出部14による検出結果を、圧縮機ユニット150の制御部152に出力する。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152は、入力された検出結果から、第2熱交換器12が着霜していることを示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、第1の実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態に係る排気ユニット110A、110Bの制御部113A、113Bは、所定の基準を満たしたと判定した場合に、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12が着霜した旨を、上位制御装置100に通知する。これにより、上位制御装置100は、第2熱交換器12が着霜を認識できる。
そして、上位制御装置100は、第2熱交換器12を除霜させる制御として、着霜した第2熱交換器12を含む排気ユニット(第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)に対して、第2熱交換器12の上流に存在する電動弁16を閉じさせる制御信号(所定の指令の一例)を出力する。
そして、排気ユニット(第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)の制御部(制御部113A又は制御部113B)は、圧縮機ユニット150を介して、上位制御装置100から、電動弁16を閉じさせる制御信号を受信する。この場合、排気ユニット(第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)の制御部(制御部113A又は制御部113B)は、電動弁16の開度を調整する(図示しない)アクチュエータ(冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータの一例)に、当該電動弁16を閉状態とする信号を出力することで、電動弁16を閉状態にする制御を行う。
電動弁16を閉状態となった場合に、電動弁16の下流に存在する第2熱交換器12への冷媒の流入が抑制される。上述した実施形態と同様にファン11の回転制御は維持される。
つまり、本実施形態では、第2熱交換器12が複数存在する場合に、着霜した第2熱交換器12を除霜する制御の一例として、着霜した第2熱交換器12の上流の電動弁16を閉状態にすることで、第2熱交換器12への冷罵尾の流入を停止させたうえで、居室空間R11の暖かい空気を第2熱交換器12に流すことで、第2熱交換器を流れる冷媒の温度を上昇させて、除霜を行うことができる。
本実施形態では、第2熱交換器12の除霜に居室空間R11の暖かい空気(熱)を用いることで、熱効率の高い除霜を行うことができる。
(第2の実施形態の変形例1)
上述した実施形態では、第2熱交換器12が着霜した場合に、第2熱交換器12に対応する電動弁16の閉状態に制御する例について説明した。ところで、複数の第2熱交換器12が着霜した場合に、複数の電動弁16の閉状態に制御すると、換気装置1Bの空調能力が低下する。そこで、本変形例では、複数の第2熱交換器12が着霜した場合、複数の第2熱交換器12で同時に除霜が行われないよう制御する例について説明する。
図4は、第2の実施形態の変形例1に係る排気ユニット群の各々で着霜した場合に、上位制御装置100、圧縮機ユニット150、及び排気ユニット群110A、110Bの間で行われる処理の流れを示したシーケンス図である。
まず、第1排気ユニット110Aの制御部113Aは、温度検出部14から第2熱交換器12の冷媒の温度を取得する(S1401)。
そして、制御部113Aは、検出した冷媒の温度を、圧縮機ユニット150の制御部152に通知する(1402)。
また、第2排気ユニット110Bの制御部113Bは、温度検出部14から第2熱交換器12の冷媒の温度を取得する(S1411)。
そして、制御部113Bは、検出した冷媒の温度を、圧縮機ユニット150の制御部152に通知する(1412)。
圧縮機ユニット150の制御部152は、第1排気ユニット110Aの制御部113A及び第2排気ユニット110Bの制御部113Bから受け取った、検出した冷媒の温度に基づいて、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12が着霜していることを示す所定の基準を満たしているか否かを判定する(S1421)。図4で示される例では、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12の各々について所定の基準を満たしていると判定する。なお、所定の基準については上述した実施形態と同様として説明を省略する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、着霜していることを示す判定結果を、上位制御装置100に通知する(S1422)。
上位制御装置100は、受信した判定結果に基づいて、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bについて着霜回避の制御を行う順序を決定する(S1431)。当該順序の決定手法は、任意の手法を用いてよい。例えば、着霜する可能性が高い方を先に着霜回避を行うように制御してもよいし、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bに予め割り当てられた優先順位に従って決定してもよい。図4で示される例は、第1排気ユニット110A、第2排気ユニット110Bの順に除霜するように決定された例とする。
上位制御装置100は、圧縮機ユニット150の制御部152に、第1排気ユニット110Aの電動弁16の閉制御を示した信号を送信する(S1432)。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152は、第1排気ユニット110Aの制御部113Aに対して、電動弁16の閉制御の指示を示した信号を送信する(S1423)。
これにより、第1排気ユニット110Aの制御部113Aは、電動弁16を閉状態にする制御を行う(S1403)。これにより第1排気ユニット110Aの第2熱交換器12への冷媒の流入が抑制される。
上位制御装置100は、所定時間(例えば、第1排気ユニット110Aの第2熱交換器12が除霜が完了するために適切な時間)を経過した後、圧縮機ユニット150の制御部152に、第1排気ユニット110Aの電動弁16の開制御を示した信号を送信する(S1433)。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152は、第1排気ユニット110Aの制御部113Aに対して、電動弁16の開制御の指示を示した信号を送信する(S1424)。
これにより、第1排気ユニット110Aの制御部113Aは、電動弁16を開状態にする制御を行う(S1404)。これにより第1排気ユニット110Aの第2熱交換器12への冷媒の流入が再開される。
上位制御装置100は、圧縮機ユニット150の制御部152に、第2排気ユニット110Bの電動弁16の閉制御の指示を示した信号を送信する(S1434)。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152は、第2排気ユニット110Bの制御部113Bに対して、電動弁16の閉制御の指示を示した信号を送信する(S1425)。
これにより、第2排気ユニット110Bの制御部113Bは、電動弁16を閉状態にする制御を行う(S1413)。これにより第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12への冷媒の流入が抑制される。
このように、上位制御装置100は、複数の第2熱交換器12が着霜している状態と判定された場合に、着霜している状態と判定された複数の記第2熱交換器に対応する、複数の電動弁16を、所定の順序に従って閉じさせるよう信号を送信する。
従って、本実施形態に係る圧縮機ユニット150の制御部152及び上位制御装置100は、複数の第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、所定の基準を満たしたと判定した場合に、複数の第2熱交換器12のうちいずれか一つに対する冷媒の流入を抑制した上で、ファン11による居室空間R11からの暖かい空気の流入を維持することで、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
さらに、本実施形態は、複数の排気ユニットの各々について、所定の順序に従って除霜を行うことで、複数の排気ユニットの第2熱交換器12で同時に除霜が行われることを抑制するので、よりいっそうの居室空間R11の室温の低下を抑制できる。
(第3の実施形態)
また、第2熱交換器12の除霜を行う手法として他の手法を用いてもよい。そこで、第3の実施形態では、排気ユニット310内部の電動弁16の開度を調整する別態様について説明する。なお、第3の実施形態に係る上位制御装置100、空調機2B、換気装置1Bの構成は、第2の実施形態と同様として説明を省略する。
図4に示されるように、第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合、電動弁16(第2弁部の一例)は、第1熱交換器22と、第2熱交換器12との間に設けられている。
第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合、電動弁16は、制御部313の制御に従って、第1熱交換器22から流出された高圧の液体の冷媒を、蒸発しやすい状態にするために減圧する弁部として機能する。当該電動弁16の開度が小さくなるほど減圧されるので、冷媒の温度が低下する。換言すれば、電動弁16の開度が大きくなるほど冷媒の温度が上昇する。
そして、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、上位制御装置100は、圧縮機ユニット150の制御部152からの判定結果から、第2熱交換器12が着霜していることを認識する。なお、圧縮機ユニット150の制御部152による判定は、上述した実施形態及び変形例と同様として説明を省略する。
そして、上位制御装置100は、着霜したと判定された第2熱交換器12を含む排気ユニット(例えば、第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)に対して、着霜していることの判定前と比べて、電動弁16の開度を大きくする制御信号を出力する。
そして、第1排気ユニット110Aの制御部113A又は第2排気ユニット110Bの113Bは、当該制御信号を受信した場合、着霜していると判定する前と比べて、電動弁16の開度を調整する(図示しない)アクチュエータ(冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータの一例)に制御信号(所定の指令の一例)を出力して、電動弁16の開度を大きくさせる。
これにより、第2熱交換器12に流れる冷媒の温度が上昇する。また、第2熱交換器12には、ファン11によって居室空間R11から暖かい空気が流入する。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第3の実施形態の変形例1)
上述した実施形態以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。そこで第3の実施形態の変形例1では、排気ユニットの下流に設けた電動弁で冷媒の圧力を調整する例について説明する。
第3の実施形態の変形例1の構成は、冷媒回路以外は、上述した第2の実施形態と同様の構成を備えている。
図5は、第3の実施形態の変形例1に係る冷媒回路を示した図である。図5に示される例では、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合の冷媒の流れを示している。なお、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
図5に示される例では、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合に、排気ユニット110A、110Bの各々の第2熱交換器12より下流に電動弁161、162(第3弁部の一例)が設けられている。
電動弁161、162は、第2熱交換器12を流れる冷媒の下流側に設けられ、冷媒の流量を調整できる機構を有する。
そして、本変形例に係る圧縮機ユニット150の制御部152は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を上位制御装置100に通知する。
本変形例では、上位制御装置100は、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、第2熱交換器12を含む排気ユニット(例えば、第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)の制御部(制御部113A又は制御部113B)に、所定の基準を満たす前と比べて、電動弁(電動弁161又は電動弁162)の開度を小さくさせる制御信号(所定の命令)を出力する。これにより、制御部(制御部113A又は制御部113B)は、電動弁(電動弁161又は電動弁162)の開度を調整するアクチュエータ(冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータの一例)に制御信号(所定の指令の一例)を出力することで、電動弁(電動弁161又は電動弁162)の開度を小さくさせる。
このように、本変形例では、第2熱交換器12の上流側に設けられた電動弁16とは別に、第2熱交換器12の下流側に冷媒の流量を調整する電動弁を設けた。
電動弁(電動弁161又は電動弁162)の開度を小さくすることで、電動弁(電動弁161又は電動弁162)より上流側に存在する第2熱交換器12を流れる冷媒の圧力を上昇させることができる。これにより、第2熱交換器12を流れる冷媒の蒸発温度を上昇させることができる。また、第2熱交換器12には、ファン11によって居室空間R11の温かい空気が流入し続ける。したがって、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第4の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。第4の実施形態では、冷媒回路にバイパス流路(バイパス配管の一例)を設ける例について説明する。第4の実施形態では、第3の実施形態と比べて、排気ユニット110Bが一台減って、2台の給気ユニット120A、120Bと、1台の排気ユニット110Aと、が設けられた例とする。他の構成は、第3の実施形態と同様として説明を省略する。
図6は、第4の実施形態に係る冷媒回路を示した図である。図6に示される例では、排気ユニット110Aの第2熱交換器12が蒸発器として機能している場合の冷媒の流れを示している。なお、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
図6に示される例では、給気ユニット120A、120Bと、排気ユニット110Aと、圧縮機ユニット150と、が設けられている。
給気ユニット120A、120Bは、ファン21と、第1熱交換器22と、制御部23と、温度検出部24と、駆動用モータ25と、電動弁26と、を備える。
排気ユニット110Aは、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部113Aと、温度検出部14と、駆動用モータ15と、電動弁16と、を備える。
本変形例では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット110Aの制御部113Aは、温度検出部14の検知結果(第2熱交換器12を流れる冷媒の温度)を、圧縮機ユニット150の制御部152に出力する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、入力された第2熱交換器12を流れる冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を上位制御装置100に通知する。
本変形例では、上位制御装置100は、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、第2熱交換器12の除霜制御として、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、バイパス流路F106に冷媒を流すための制御信号を出力する。
圧縮機ユニット150は、駆動用モータ51と、制御部152と、圧縮機53と、四方弁54と、電動弁55と、バイパス用電動弁156と、が設けられている。
制御部152は、圧縮機ユニット150内部の構成を制御する。例えば、制御部152は、以下に示す駆動用モータ51及び四方弁54の制御を行う。
本実施形態では、第2熱交換器12が蒸発器として機能する場合、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度を上昇させるために、圧縮機53によって圧縮された冷媒を直接第2熱交換器12に流すためのバイパス流路F106が設けられている。
バイパス流路F106は、圧縮機53と四方弁54との間と、冷媒回路F103と、の間をバイパスする冷媒の流路として設けられている。つまり、バイパス流路F106は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、第1熱交換器22を介さずに、第2熱交換器12に冷媒を流す配管として機能する。
バイパス用電動弁156は、制御部152からの制御に従って、バイパス流路F106に冷媒を流すか否かを切り替えるための弁として機能する。
具体的には、上位制御装置100が、第2熱交換器12が着霜していると判定した場合に、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、バイパス流路F106に冷媒を流すための制御信号を出力する。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152は、上位制御装置100から、バイパス流路F106に冷媒を流す制御信号を受信した場合、バイパス用電動弁156の開度を制御する(図示しない)アクチュエータ(冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータの一例)に制御信号(所定の指令の一例)を出力することで、バイパス用電動弁156を開状態にする制御を行う。
バイパス用電動弁156が開状態となった場合に、圧縮機53によって圧縮されることで高温・高圧のガスとなった冷媒が、バイパス流路F106を介して、冷媒回路F103に流入する。バイパス流路F106を介することで、高温・高圧のガスとなった冷媒の一部は、第1熱交換器22を介さずに、冷媒回路F103を流れる。これにより、冷媒回路F103を流れる冷媒の温度が上昇する。したがって、温度が上昇した冷媒が、第2熱交換器12を流れてくる。
つまり、本変形例では、所定の基準を満たした場合、圧縮機53によって高温・高圧のガスとなった冷媒の一部が、バイパス流路F106を介して第2熱交換器12に流す制御が行われる。当該制御と共に、ファン11によって居室空間R11の暖かい空気が、第2熱交換器12に流れてくる。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第4の実施形態の変形例1)
上述した実施形態及び変形例以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。第4の実施形態の変形例1では、冷媒回路に加熱器を設ける例について説明する。第4の実施形態の変形例1は、第4の実施形態と比べて、バイパス流路F106及びバイパス用電動弁56が削除された代わりに、冷媒回路上(例えば冷媒回路F103)に加熱器が設けられた例とする。なお、他の構成は、第4の実施形態と同様として説明を省略する。
本変形例では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット110Aの制御部113Aが、温度検出部14の検知結果(第2熱交換器12を流れる冷媒の温度)を、圧縮機ユニット150の制御部152に出力する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、入力された第2熱交換器12を流れる冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を上位制御装置100に通知する。
本変形例では、上位制御装置100は、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、第2熱交換器12の除霜制御として、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、加熱器による冷媒回路の加熱開始を指示する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、上位制御装置100から、加熱開始の指示を受信した場合、加熱器の加熱を開始する。
これにより、冷媒回路F103を流れる冷媒の温度が上昇する。したがって、温度が上昇した冷媒が、第2熱交換器12に流れてくる。当該制御と共に、ファン11によって居室空間R11の暖かい空気が、第2熱交換器12に流れてくる。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第4の実施形態の変形例2)
上述した実施形態及び変形例以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。第4の実施形態の変形例2では、冷媒回路を流れる冷媒の圧力を上昇させる例について説明する。第4の実施形態の変形例2は、例えば、第2の実施形態と同様の構成を備えた例とする。なお、他の構成は、第4の実施形態と同様として説明を省略する。
本変形例では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット110Aの制御部113Aが、温度検出部14の検知結果(第2熱交換器12を流れる冷媒の温度)を、圧縮機ユニット150の制御部152に出力する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、入力された第2熱交換器12を流れる冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を上位制御装置100に通知する。
本変形例では、上位制御装置100は、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、第2熱交換器12の除霜制御として、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、圧縮機の圧力を上昇させるよう指示する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、上位制御装置100から、圧力の上昇指示を受信した場合、駆動用モータ51に対して、着霜したと判定される前と比べて、圧力を上昇させるよう制御信号を出力することで、冷媒回路を流れる冷媒の圧力を上昇させる制御を行う。
これにより、冷媒回路F103を流れる冷媒の圧力が上昇するので、当該冷媒の温度も併せて上昇する。温度が上昇した冷媒が、第2熱交換器12に流れてくると共に、ファン11によって居室空間R11の暖かい空気が、第2熱交換器12に流れてくる。したがって、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第5の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。第5の実施形態では、冷媒回路の流れを逆サイクルにする例について説明する。第5の実施形態では、第3の実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット110Aの制御部113Aが、温度検出部14の検知結果(第2熱交換器12を流れる冷媒の温度)を、圧縮機ユニット150の制御部152に出力する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、入力された第2熱交換器12を流れる冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を上位制御装置100に通知する。
本実施形態では、上位制御装置100は、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、第2熱交換器12の除霜制御として、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、冷媒の流れを逆サイクルにさせるよう指示する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、上位制御装置100から、冷媒の流れを逆サイクルにさせる指示を受信した場合、図3に示されるような冷媒回路に設けられた四方弁54を駆動させる(図示しない)アクチュエータ(冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータの一例)に対して、四方弁54の流れを切り替えさせる制御信号(所定の指令の一例)を出力する。これにより、圧縮機から圧縮された冷媒が排気ユニット110A、110Bに流れるように切り替えられる。その際に電動弁16、26の開度も調整される。
そして、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12は、圧縮された冷媒が流れてくると共に、凝縮器として機能する。一方、給気ユニット120A、120Bの第1熱交換器22は蒸発器として機能する。
上述した制御によって冷媒回路を流れる冷媒が逆サイクルとなって、第2熱交換器12が凝縮器として機能することで、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度が上昇する。また、ファン11によって居室空間R11の暖かい空気が、第2熱交換器12に流れてくる。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。
(第5の実施形態の変形例1)
第5の実施形態では、冷媒回路の流れを逆サイクルとしたが空気の流れの切り替えを行わなかった。そこで、第5の実施形態の変形例1では、逆サイクルにするとともに、空気の流れを切り替える例について説明する。第5の実施形態の変形例1は、第5の実施形態と同様の構成を備えている。
本変形例では、上位制御装置100が、第5の実施形態と同様の手順によって、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、冷媒の流れを逆サイクルにさせるよう指示すると共に、給気ユニット120A、120Bの制御部123に対して、居室空間R11から第1給気流路P101及び第2給気流路P102を介して屋外に排気させるように、ファン21による空気の流れを切り替えさせる制御信号を出力する。
本変形例では、上述した空気の流れの切り替え制御によって、蒸発器として機能している第1熱交換器22に暖かい空気を流入させることができるので、冷媒回路を流れる冷媒の温度を上昇させることができる。蒸発器として機能している第1熱交換器22を流れる冷媒の温度を上昇させることで、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度も上昇させることができる。したがって、第2熱交換器12に流れる冷媒の温度をより一層上昇させて、除霜効率の向上を図ることができる。
(第5の実施形態の変形例2)
第5の実施形態の変形例1では、給気ユニット120A、120B側の空気の流れを切り替える例について説明した。しかしながら、第5の実施形態の変形例1では排気ユニット110A、110B側の空気の流れについては着霜される前と同様の制御を維持していた。そこで、第5の実施形態の変形例2では、排気ユニット110A、110B側の空気の流れも切り替える例について説明する。なお、第5の実施形態の変形例2は、第5の実施形態と同様の構成を備えている。
本変形例では、上位制御装置100が、第5の実施形態と同様の手順によって、所定の基準を満たした第2熱交換器12が存在することを認識した場合、圧縮機ユニット150の制御部152に対して、冷媒の流れを逆サイクルにさせるよう指示すると共に、給気ユニット120A、120Bの制御部123に対して、居室空間R11から第1給気流路P101及び第2給気流路P102を介して屋外に排気させるように、ファン21による空気の流れを切り替えさせる制御信号を出力する。そのうえで、上位制御装置100は、排気ユニット110Aの制御部113A、排気ユニット110Bの制御部113Bに対して、屋外から第1排気流路P103及び第2排気流路P104を介して居室空間R11に給気させるように、ファン11による空気の流れを切り替えさせる制御信号を出力する。
本変形例では、上述した空気の流れの切り替え制御によって、蒸発器として機能している第1熱交換器22に暖かい空気を流入させると共に、凝縮器として機能している第2熱交換器12は屋外からの給気が流入する。
つまり本変形例では、冷媒のサイクル、及び給気・排気を全て切り替えるので、熱交換を行いながら換気の継続を実現できるので、第2熱交換器12の除霜を行いながら、居室空間R11の快適性を維持できる。
(第6の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、第2熱交換器12の除霜を行ってもよい。第6の実施形態では、排気ユニットに対する空気の流れを調整する例について説明する。
図7は、第6の実施形態に係る換気装置及び空調機の構成例を示した図である。図7に示される例では、屋内空間の空調を行うために、換気装置1Cと空調機2とを備えている。換気装置1Cは、上述した実施形態と異なる制御を行う排気ユニット210と、給気ユニット20と、を有する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を割り当て、説明を省略する。
還気流路P202(第2空気流路の一例)は、居室空間R11の換気口91から取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するための流路である。
本実施形態に係る還気流路P202は、複数の室から空気の取り入れ可能とするために、空気の取り入れ先が2つに分岐している。それぞれを第1還気分岐路P202A(第2空気流路の一例)と、第2還気分岐路P202B(第3空気流路の一例)と、称する。
第1還気分岐路(第2空気流路の一例)P202Aは、居室空間R11から取り入れた空気を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するために設けられた空気流路である。第1還気分岐路P202Aは、居室空間R11の天井に設けられた換気口91から空気を取り入れる。
第2還気分岐路(第3空気流路の一例)P202Bは、天井裏空間R12から取り入れた空気を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するために設けられた空気流路である。本実施形態に係る第2還気分岐路P202Bは、第1還気分岐路P202Aと異なる空気の取り入れ先となる室として、天井裏空間R12である例について説明する。しかしながら、空気の取り入れ先を、天井裏空間R12に制限するものではなく、床下空間であってもよい。このように、第2還気分岐路P202Bによる空気の取り入れ先は、屋内空間のうち、居室空間R11と異なる室であればよい。
また、第2還気分岐路P202Bの先端部分には、開閉ダンパ240が設けられている。開閉ダンパ240は通常、閉状態となっている。そして、開閉ダンパ240(第1案内機構の一例)は、排気ユニット10に設けられた制御部13から信号線S202を介した制御によって、天井裏空間R12から取り入れる空気量を調整できる。
排気ユニット210は、上述した実施形態と異なる処理を行う制御部213を含む。
制御部213は、排気ユニット210内部の構成を制御する。制御部213は、温度検出部14による検出結果に応じて様々な制御を行う。例えば、制御部213は、温度検出部14の検出結果に応じて、第2熱交換器12の凝縮器又は蒸発器としての機能を調整する。
さらに、本実施形態に係る制御部213は、温度検出部14の検出結果に基づいて、開閉ダンパ240を制御することで、天井裏空間R12から取り入れる空気量を調整できる。
本実施形態では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット210の制御部213が、温度検出部14による検出結果から、第2熱交換器12が着霜した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態に係る排気ユニット210の制御部213は、所定の基準を満たしたと判定した場合に、天井裏空間R12内の空気の温度を検出する。そして、天井裏空間R12内の空気の温度が、居室空間R11の空気の温度より高いと判定した場合、制御部213は、第2熱交換器12の除霜制御として、天井裏空間R12に存在する空気が第2還気分岐路P202Bを通って第2熱交換器12まで案内するよう、開閉ダンパ240を開く制御を行う。つまり、天井裏空間R12は、居室空間R11より上方に存在するために、暖かい空気が集まっている。そこで、第2熱交換器12が着霜していると判定された場合に、開閉ダンパ240を開ける制御を行う。当該制御によって、天井裏空間R12に存在する暖かい空気と、居室空間R11に存在する空気と、を混合させた空気が、第2熱交換器12まで案内される。
本実施形態に係る制御部13は、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度を上昇させる制御の一例として、天井裏空間R12の温かい空気が第2熱交換器12まで流れるよう制御する。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。なお、第2熱交換器12に流入する冷媒の温度を上げるように冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対する指令の出力は、上述した実施形態で説明した手法のうち、任意の手法を用いてよいものとして説明を省略する。
(第6の実施形態の変形例1)
上述した実施形態では、開閉ダンパ240を用いて、天井裏空間R12の温かい空気を、居室空間R11の空気と混合させて、第2熱交換器12まで流れるよう制御する例について説明した。しかしながら、第6の実施形態は、天井裏空間R12の温かい空気を、居室空間R11の空気と混合させる手法に制限するものではない。第6の実施形態の変形例1では、天井裏空間R12の温かい空気のみを第2熱交換器12まで流れるよう制御する例について説明する。
本変形例は、上述した実施形態と同様に、還気流路P202は、第1還気分岐路P202A(第2空気流路の一例)と、第2還気分岐路P202B(第3空気流路の一例)と、に分岐している。
上述した実施形態では、第2還気分岐路P202Bに開閉ダンパ240が設けられた例とするが、本変形例では、第1還気分岐路P202Aにも開閉ダンパ(第2案内機構の一例)が設けられている。それ以外の点では、第6の実施形態と同様とする。
第1還気分岐路P202Aに設けられた開閉ダンパは、通常、開状態となっている。これにより居室空間R11の還気(RA)を取り込むことができる。第1還気分岐路P202Aに設けられた開閉ダンパは、排気ユニット310に設けられた制御部313から(図示しない)信号線を介した制御によって、居室空間R11から取り入れる空気量を調整できる。
そして、本変形例に係る排気ユニット210の制御部213は、第2熱交換器12が着霜している所定の基準を満たしたと判定した場合に、天井裏空間R12内の空気の温度を検出する。そして、天井裏空間R12内の空気の温度が、居室空間R11の空気の温度より高いと判定した場合、制御部213は、開閉ダンパ240を開く制御を行うと共に、第1還気分岐路P202Aに設けられた開閉ダンパを閉じる制御を行う。
これにより、居室空間R11の還気(RA)の取り込みが抑止され、天井裏空間R12に存在する暖かい空気が第2熱交換器12に流入する。したがって、第2熱交換器12の除霜効率の向上を実現できる。
(第7の実施形態)
上述した第6の実施形態以外の手法を用いて、排気ユニットに対する空気の流れを調整してもよい。そこで、第7の実施形態では、排気ユニットに対する空気の流れを調整する別態様について説明する。
図8は、第7の実施形態に係る換気装置及び空調機の構成例を示した図である。図8に示される例では、屋内空間の空調を行うために、換気装置1Dと空調機2とを備えている。換気装置1Dは、上述した実施形態と異なる制御を行う排気ユニット310を有する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を割り当て、説明を省略する。
第1還気流路P301(第2空気流路の一例)は、居室空間R11の換気口91から取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するための流路である。
また、第1還気流路P301の先端部分には、第1開閉ダンパ341(切替機構の一例)が設けられている。第1開閉ダンパ341は通常、開状態となっている。そして、第1開閉ダンパ341は、排気ユニット310に設けられた制御部313から信号線S302を介した制御によって、居室空間R11から取り入れる空気量を調整できる。
第2還気流路P302は、屋外から取り入れた空気(還気)を、第2熱交換器12を有する排気ユニット10を通した後に、屋外に排気するための流路である。
また、第2還気流路P302(第2空気流路の一例)の流路上には、第2開閉ダンパ342(切替機構の一例)が設けられている。第2開閉ダンパ342は通常、閉状態となっている。そして、第2開閉ダンパ342は、排気ユニット310に設けられた制御部313から信号線S202を介した制御によって、屋外から取り入れる空気量を調整できる。
第1開閉ダンパ341及び第2開閉ダンパ342は、第2熱交換器12に流れる空気について居室空間R11から給気するのか、屋外から給気するのかを切り替えるための機構として機能する。
排気ユニット310は、上述した実施形態と異なる処理を行う制御部313を含む。
制御部313は、排気ユニット310内部の構成を制御する。制御部313は、温度検出部14による検出結果に応じて様々な制御を行う。例えば、制御部313は、温度検出部14の検出結果に応じて、第2熱交換器12の凝縮器又は蒸発器としての機能を調整する。
さらに、本実施形態に係る制御部313は、温度検出部14の検出結果に基づいて、第1開閉ダンパ341及び第2開閉ダンパ342を制御することで、第2熱交換器12に流入する空気の取り入れ先を変更する。
本実施形態では、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、排気ユニット310の制御部313が、温度検出部14による検出結果から、第2熱交換器12が着霜した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態に係る排気ユニット310の制御部313は、所定の基準を満たしたと判定した場合に、居室空間R11及び屋外の空気の温度を検出する。居室空間R11の空気の温度が、屋外の空気より高い場合には、第1開閉ダンパ341及び第2開閉ダンパ342に対する制御は行われない。
そして、屋外の空気の温度が、居室空間R11の空気の温度より高いと判定した場合、制御部313は、第2熱交換器12の除霜制御として、屋外に存在する空気が第2還気流路P302を通って第2熱交換器12まで案内するよう、第2開閉ダンパ342を開く制御を行う。さらに、制御部313は、居室空間R11からの空気が第1還気流路P301を通って第2熱交換器12まで流入するのを抑止するために、第1開閉ダンパ341を閉じる制御を行う。
つまり、制御部313は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、当該第2熱交換器12が着霜した場合に、居室空間R11及び屋外から検出された温度のうち高い方から給気するように第1開閉ダンパ341及び第2開閉ダンパ342を制御する。
屋外から暖かい空気を取り込むことが可能な場合には、制御部313は、屋外から空気を取り込むように、第1開閉ダンパ341及び第2開閉ダンパ342を制御する。
本実施形態では、例えば、制御部313が、第1熱交換器22の吸込口周辺の空気の温度TA、居室空間R11内の空気の温度TB、第2熱交換器12の吹出口周辺の空気の温度TCを比較した場合に、空気の温度TC>空気の温度TB>空気の温度TA>になると判断した場合に、上述した処理を行う。
空気の温度TCが、空気の温度TB及び空気の温度TAより高くなる例としては、第2熱交換器12の吹出口がビル南側にあり、太陽光等により周辺空気が暖められている場合、第1熱交換器22の吸込口がビル北側にあり、日陰で周辺空気が冷えている場合、春先に第1熱交換器22の吸込口付近に溶けきれていない雪が残っており、周辺空気が冷えている場合、第2熱交換器12~吹出口間のダクトが天井裏空間R12に長く設置されているため、天井裏空間R12の熱でダクトを通った空気を暖められる場合がある。
このような状況において、制御部313は、屋外の温かい空気が第2熱交換器12まで流れるよう制御する。これにより、第2熱交換器12の除霜を実現できる。なお、第2熱交換器12に流入する冷媒の温度を上げるように冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対する指令の出力は、上述した実施形態で説明した手法のうち、任意の手法を用いてよいものとして説明を省略する。
本実施形態では、居室空間R11及び屋外から検出された温度のうち高い方の空気を第2熱交換器12に流入させることで、第2熱交換器12の温度をより上昇させて除霜効率の向上を図ることができる。
(第8の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、排気ユニットに対する空気の流れを調整してもよい。そこで、第8の実施形態では、給気ユニットと排気ユニットとの間に、直接空気を流すためのバイパス流路を設ける手法について説明する。
図9は、第8の実施形態に係る換気装置及び空調機の構成例を示した図である。図9に示される例では、屋内空間の空調を行うために、換気装置1Eと空調機2とを備えている。なお、第3の実施形態では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
図9に示されるように、給気ユニット20と、排気ユニット410との間にバイパス流路P402が設けられている。バイパス流路P402は、給気流路P401より給気ユニット20側の第1バイパス部分流路P402Aと、還気流路P403より排気ユニット10側の第3バイパス部分流路P402Cと、第1バイパス部分流路P402Aと第3バイパス部分流路P402Cとを接続する第2バイパス部分流路P402Bと、で構成されている。
そして、第2バイパス部分流路P4102B上には、開閉ダンパ440(バイパス案内機構の一例)が設けられている。開閉ダンパ440は通常、閉状態となっている。そして、開閉ダンパ440は、排気ユニット410に設けられた制御部413から信号線S401を介した制御によって、給気ユニット20で温められた空気を直接排気ユニット410まで案内できる。
給気ユニット20は、外気(OA)を取り込んだ後、通常、第1バイパス部分流路P402A及び給気流路P401を介して、居室空間R11に給気(SA)する。
排気ユニット410は、ファン11と、第2熱交換器12と、制御部413と、温度検出部14と、を備え、還気流路P403及び第3バイパス部分流路P402Cを介して、居室空間R11の還気(RA)を取り込み、屋外に排気(EA)する。
本変形例に係る排気ユニット410の制御部413は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを検知する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
制御部13は、所定の基準を満たしていると判定した場合に、さらに第1熱交換器22を通った後の空気の温度が所定の温度(予め設定された基準値でもよいし、居室空間R11の空気の温度でもよい)より高いか判定する。所定の温度は、実施態様に応じて定められる。そして、制御部13は、第1熱交換器22を通った後の空気の温度が所定の温度より高いと判定した場合、開閉ダンパ440を開ける制御を行う。
このように、本変形例に係る制御部413は、第2熱交換器12が着霜している状態と判定された際に、第1熱交換器22によって熱が交換された空気の温度が所定の温度より大きいと判定された場合に、開閉ダンパ440を開ける制御を行う。これにより、排気ユニット410において温められた空気が、バイパス流路P402を通って、直接第2熱交換器12に流すことができるので、第2熱交換器12の除霜効率の向上を実現できる。なお、第2熱交換器12に流入する冷媒の温度を上げるように冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対する指令の出力は、上述した実施形態で説明した手法のうち、任意の手法を用いてよいものとして説明を省略する。
(第9の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、排気ユニットに対する空気の流れを調整してもよい。そこで、第9の実施形態では、空調機2と連携する場合について説明する。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、換気装置1B、空調機2B及び上位制御装置100を含む例とする。本実施形態は、図2に示されるような、第2の実施形態と同様の構成を備えている。
制御部113A及び制御部113Bは、それぞれの排気ユニット内の構成を制御する。さらに、制御部113A及び制御部113Bは、それぞれの排気ユニット内の温度検出部14等による検知結果を、圧縮機ユニット150の制御部152に送信する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、検知結果に基づいて、排気ユニット110A、110Bの第2熱交換器12が着霜している状態を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。
圧縮機ユニット150の制御部152は、判定結果を、当該認識結果を上位制御装置100に送信する。これにより、上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの状況を認識できる。
上位制御装置100は、換気装置1Bの運転と、空調機2Bの運転と、を連携させるために様々な制御を行う。
例えば、上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bのうち少なくとも一つの第2熱交換器12が着霜している状態と認識した場合に、居室空間R11に設けられた空調機2Bに対して、空調機2Bに現在設定されている温度を上げる旨の制御信号を出力する。
空調機2Bは、当該制御信号に従って暖房能力を向上させる。これにより、居室空間R11の空気の温度が上昇する。したがって、第2熱交換器12に流入する空気の温度を上昇させることができる。したがって、第2熱交換器12の除霜効率を上昇させることができる。
また、空調室内機が複数存在する場合、上位制御装置100は、空調室内機の配置に応じて、暖房能力を向上させる空調室内機を選択してもよい。図2に示される例の場合、上位制御装置100は、排気ユニット110Aの第2熱交換器12が着霜した場合、排気ユニット110Aの換気口91A近傍に設けられた空調室内機81の暖房能力を向上させ、排気ユニット110Bの第2熱交換器12が着霜した場合、排気ユニット110Bの換気口91B近傍に設けられた空調室内機82の暖房能力を向上させてもよい。なお、第2熱交換器12に流入する冷媒の温度を上げるように冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対する指令の出力は、上述した実施形態で説明した手法のうち、任意の手法を用いてよいものとして説明を省略する。
つまり、上述した実施形態で示した冷媒回路の冷媒の温度を上昇させる制御を行った場合、換気装置1Bの温度の調整能力が低下した場合であっても、空調機2Bの暖房能力を向上させることで、居室空間R11の快適性を維持できる。
(第10の実施形態)
上述した実施形態以外の手法を用いて、排気ユニットに対する空気の流れを調整してもよい。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、換気装置1B、空調機2B及び上位制御装置100を含む例とする。本実施形態は、図2に示されるような、第2の実施形態と同様の構成を備えている。
上述した実施形態と同様に、上位制御装置100は、圧縮機ユニット150の制御部152からの判定結果から、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの状況を認識できる。
そして、上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの少なくとも一方の第2熱交換器12が着霜していることを認識した場合、着霜している第2熱交換器12を含む排気ユニット(例えば、第1排気ユニット110A又は第2排気ユニット110B)に対して、ファン11の風量を上昇させる制御信号を出力する。
このように本実施形態では、上位制御装置100は、複数の第2熱交換器12の各々の状況に基づいて、第2熱交換器12に対応するファン11を制御して、第2熱交換器12に流れる空気の風量を調整する。
これにより、着霜している第2熱交換器12に流れてくる空気の量が上昇するので、第2熱交換器12の除霜を実現できる。換言すれば、本実施形態では、排熱回収機側の風量を増加させることで熱交換の効率を上げ、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度の低下を抑制することで、除霜を実現する。
本実施形態では、第2熱交換器12が複数存在する場合でも、第2熱交換器12の各々の状況に応じて、第2熱交換器12に流れてくる空気の風量を調整することで、屋内空間の快適性を維持しながら、第2熱交換器12の着霜度合いに応じた除霜を実現できる。
(第10の実施形態の変形例1)
本変形例では、複数の第2熱交換器12が着霜した場合に、複数の第2熱交換器12の着霜度合いに応じて制御を異ならせる例について説明する。なお、第10の実施形態の変形例1は、第10の実施形態と同様の構成を備えているものとする。
本変形例に係る上位制御装置100は、複数の第2熱交換器12で着霜していることを認識した場合、複数の第2熱交換器12の各々の着霜レベルを取得する。着霜レベルは、例えば、圧縮機ユニット150の制御部152による判定結果に基づいて、第2熱交換器12の着霜の度合いが設定された値であって、着霜してからの時間や現在の冷媒の温度に応じて設定された値とする。
そして、上位制御装置100は、複数の第2熱交換器12のうち、一方の第2熱交換器12が他方の第2熱交換器12と比べて着霜レベル(着霜の度合い)が大きいと判定された場合、一方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量(第1風量の一例)を、他方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量(第2風量の一例)と比べて増加させる制御を行う。
さらに、上位制御装置100は、一方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量を増加させる制御をする場合に、他方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量を、増加させる制御を行う前と比べて、減少させる制御を行ってもよい。これにより、空気の排出量の合計値が維持されるので、居室空間R11が陰圧になることを抑制できる
そして、上位制御装置100は、一方の第2熱交換器12の除霜が完了した後、他方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量を増加させる制御を行うと共に、一方の第2熱交換器12に対応するファン11の風量を減少させる制御を行う。
本実施形態では、複数の第2熱交換器12のうち着霜度合いが大きいものを優先的に除霜できるので、除霜効率の向上を実現できる。
(第10の実施形態の変形例2)
そこで、変形例2では、排気ユニット群から排気される空気量を上昇させる際に、給気ユニット群が屋外から取り込む空気量を上昇させる場合について説明する。なお、第10の実施形態の変形例2は、第10の実施形態と同様の構成を備えているものとする。
本変形例に係る圧縮機ユニット150の制御部152は、第10の実施形態と同様に、受け取った外気の温度に基づいて、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12が着霜していることを示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。
そして、圧縮機ユニット150の制御部152が、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bのうちいずれか一つ以上について所定の基準を満たしていると判定した場合、上位制御装置100が、当該排気ユニットについて風量を増加させるように指示を行う。当該指示の手法は、第10の実施形態と同様として説明を省略する。
本変形例に係る上位制御装置100は、第10の実施形態の変形例1で示したような、風量の減少指示を行う代わりに、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bのいずれか一つ以上に対して給気される空気量(風量)の増加を指示する。当該増加の指示は、上位制御装置100から、圧縮機ユニット150の制御部152を介して、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bの制御部423に対して行われる。
給気される空気量(風量)の増加を指示する対象は、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bのうちいずれか一つでもよいし、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bの各々でもよい。ただし、上位制御装置100は、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bにおいて排出される空気量と、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bが取り込む空気量と、が同じになるように調整する。
このように、本変形例に係る上位制御装置100は、排気ユニット群に含まれる複数の第2熱交換器12のうちいずれか一つに対応付けられたファン11に対して、第2熱交換器12に流す空気量を増加させる制御を行った場合、増加させた空気量に基づいて、給気ユニット群に含まれるファン21に対して、所定の基準を満たす前と比べて、第1熱交換器22に流れる空気量を増加させる制御を行う。これにより本変形例は、取り込まれる空気量と、排気される空気量とが略一致するので、居室空間R11が陰圧になることを抑制できる。
(第11の実施形態)
空調機と換気装置の連携は、上述した制御に制限するものではない。そこで、第11の実施形態では、空調機が除霜運転を開始した場合について説明する。なお、第11の実施形態の構成は、第2の実施形態と同様の構成を備えているものとする。
上位制御装置100は、室外機170の制御部171から空調機2Bの状況を受信し、圧縮機ユニット150の制御部152から換気装置1Bの状況を受信する。そして、上位制御装置100は、空調機2Bの状況及び換気装置1Bの状況に応じて様々な制御を行う。
例えば、上位制御装置100は、室外機170の制御部171から受信した情報に基づいて、空調機2Bが除霜運転を行っていると認識した場合、換気装置1Bの暖房能力を向上させるための制御を行う。
つまり空調機2Bが除霜運転を行う時、空調機2Bが暖房として機能しないため、居室空間R11内の温度が低下する可能性がある。一方、空調機2Bが除霜運転を行う場合に空調機2Bの機能低下を補うために、第1給気ユニット120A及び第2給気ユニット120Bの給気温度を上昇させた場合、冷媒回路F101、F102、F103、F104で接続されている第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12に流れる冷媒の温度が低下する。この場合、第1排気ユニット110A及び第2排気ユニット110Bの第2熱交換器12の着霜する可能性が大きくなる。
そこで、上位制御装置100は、空調機2Bから除霜運転を行っている旨の信号を受信した場合、給気ユニット120A、120Bに対して、第1給気流路P101及び第2給気流路P102から居室空間R11への給気による風量を、空調機2Bから除霜運転を行う旨の信号を受信する前と比べて増加させる制御を行うと共に、排気ユニット110A、110Bに対して、第1排気流路P103及び第2排気流路P104からから屋外への排気による風量を、空調機2Bから除霜運転を行う旨の信号を受信する前と比べて増加させる制御を行う。
本実施形態では、上位制御装置100が、空調機2Bが除霜運転している場合に、換気装置1Bに対して、給気温度の上昇は行わずに、換気装置1Bの給排気の風量を増加させることで、暖房能力を向上させて、居室空間R11内の温度の低下を抑制する。
(第11の実施形態)
上述した実施形態では、上位制御装置100が、1台の圧縮機ユニット150を制御する例について説明した。しかしながら、上位制御装置100が、制御する圧縮機ユニットの数を1台に制限するものではない。そこで、第7の実施形態では、上位制御装置100が、複数の換気装置、及び複数の空調機を制御する例について説明する。
図10は、第10の実施形態に係る上位制御装置500を含んだ装置群の配置を例示した図である。図10に示される例では、居室空間R501、R502、R503と、化粧室R511、R512と、パイプシャフトR521と、を少なくとも含む。
化粧室R511、R512にはそれぞれ換気口595A、595Bが設けられている。
また、空調機2Fとして、3台の室外機571、572、573を含む。室外機571は、4台の空調室内機581、582、583、584と(図示しない)連絡配管で接続されている。室外機572は、2台の空調室内機585、586と(図示しない)連絡配管で接続されている。室外機573は、2台の空調室内機587、588と(図示しない)連絡配管によって接続されている。
また、3台の室外機571~573は、信号線で上位制御装置500と接続されている。これにより、3台の室外機571~573は、上位制御装置500の制御に従って、空調制御を行うことができる。
第1換気装置1F_1は、居室空間R501に設けられた換気装置であって、第1圧縮機ユニット550Aと、第1給気ユニット520Aと、第1排気ユニット510Aと、を含む。
第1給気ユニット520Aは、換気口592Aから給気(SA)する。第1排気ユニット510Aは、換気口591Aから還気(RA)する。第1圧縮機ユニット550A、第1給気ユニット520A、及び第1排気ユニット510Aは、連絡配管F501で接続されている。連絡配管F501は、複数の冷媒連絡配管を含んでいる。これにより、第1圧縮機ユニット550A、第1給気ユニット520A、及び第1排気ユニット510Aの間で冷媒を循環させることができる。
また、第1圧縮機ユニット550A、第1給気ユニット520A、及び第1排気ユニット510Aの間は(図示しない)信号線で接続されている。これによりユニット間で情報の送受信を行うことができる。また、第1圧縮機ユニット550A、第1給気ユニット520A、及び第1排気ユニット510A内の構成は、図2で示した圧縮機ユニット150、第1給気ユニット120A、及び第1排気ユニット110Aと同様の構成として説明を省略する。
第2換気装置1F_2は、居室空間R502に設けられた換気装置であって、第2圧縮機ユニット550Bと、第2給気ユニット520Bと、第2排気ユニット510Bと、を含む。
第2給気ユニット520Bは、換気口592Bから給気(SA)する。第2排気ユニット510Bは、換気口591Bから還気(RA)する。第2圧縮機ユニット550B、第2給気ユニット520B、及び第2排気ユニット510Bは、連絡配管F502で接続されている。連絡配管F502は、複数の冷媒連絡配管を含んでいる。これにより、第2圧縮機ユニット550B、第2給気ユニット520B、及び第2排気ユニット510Bの間で冷媒を循環させることができる。
また、第2圧縮機ユニット550B、第2給気ユニット520B、及び第2排気ユニット510Bの間は(図示しない)信号線で接続されている。これによりユニット間で情報の送受信を行うことができる。また、第2圧縮機ユニット550B、第2給気ユニット520B、及び第2排気ユニット510B内の構成は、図2で示した圧縮機ユニット150、第1給気ユニット120A、及び第1排気ユニット110Aと同様の構成として説明を省略する。
第3換気装置1F_3は、居室空間R503に設けられた換気装置であって、第3圧縮機ユニット550Cと、第3給気ユニット520Cと、第3排気ユニット510Cと、を含む。
第3給気ユニット520Cは、換気口592Cから給気(SA)する。第3排気ユニット510Cは、換気口591Cから還気(RA)する。第3圧縮機ユニット550C、第3給気ユニット520C、及び第3排気ユニット510Cは、連絡配管F503で接続されている。連絡配管F503は、複数の冷媒連絡配管を含んでいる。これにより、第3圧縮機ユニット550C、第3給気ユニット520C、及び第3排気ユニット510Cの間で冷媒を循環させることができる。
また、第3圧縮機ユニット550C、第3給気ユニット520C、及び第3排気ユニット510Cの間は(図示しない)信号線で接続されている。これによりユニット間で情報の送受信を行うことができる。また、第3圧縮機ユニット550C、第3給気ユニット520C、及び第3排気ユニット510C内の構成は、図2で示した圧縮機ユニット150、第1給気ユニット120A、及び第1排気ユニット110Aと同様の構成として説明を省略する。
上述したように、本実施形態では、圧縮機ユニット、給気ユニット、排気ユニット、及び連絡配管の組み合わせを複数備えている。なお、第1圧縮機ユニット550A、第2圧縮機ユニット550B、及び第3圧縮機ユニット550Cは、パイプシャフトR521に配置されている。
上位制御装置500は、第1圧縮機ユニット550A、第2圧縮機ユニット550B、及び第3圧縮機ユニット550Cと信号線で接続されている。これにより、上位制御装置500は、第1換気装置1F_1~第3換気装置1F_3の各装置の状態を認識すると共に、各装置に対する制御を行うことができる。
上述した構成によって、第1排気ユニット510A~第3排気ユニット510Cの各々の第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、第1圧縮機ユニット550A~第3圧縮機ユニット550Cの(図示しない)制御部は、第1排気ユニット510A~第3排気ユニット510Cの各々から、第2熱交換器12を流れる冷媒の温度を受信する。
そして、本実施形態に係る第1圧縮機ユニット550A~第3圧縮機ユニット550Cの制御部は、第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、第2熱交換器12の冷媒の温度に基づいて、第2熱交換器12の着霜を示した所定の基準を満たしているか否かを判定する。なお、所定の基準は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
上位制御装置500は、所定の基準を満たしていると判定した場合、着霜した第2熱交換器12を含む排気ユニットが設けられた領域(同一ゾーン)に対応する空調機2Fの室温を上昇させる。
例えば、排気ユニット510Cの第2熱交換器12が着霜したと判定した場合、同一の居室空間R503に設けられた空調機2Fの設定温度を上昇させる。特に、排気ユニット510Cの換気口591Cの近傍に設けられた空調室内機582の設定温度を上昇させることで、排気ユニット510Cの第2熱交換器12の除霜効率の上昇を実現できる。
さらに、空調機2Fの能力を上昇させた分だけ、換気装置の能力を低下させることができる。換言すれば、換気装置の排気ユニットを通過する冷媒温度を上げることができるので、熱交換器の急速除霜を実現できる。換気装置の排気ユニットを通過する冷媒温度を上げる手法は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。
また、上位制御装置500は、排気ユニット510Cの第2熱交換器12に流入する冷媒の温度を上げるように冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対する指令の出力は、上述した実施形態で説明した手法のうち、任意の手法を用いてよい。例えば、第5の実施形態で示したように、排気ユニット510Cの第2熱交換器12を含む冷媒回路の流れを逆サイクルにする制御を行うことで、第2熱交換器12に流れる冷媒の温度を上昇させてもよい。さらに、排気ユニット510Cの第2熱交換器12を含む冷媒回路の流れについて、順サイクルを維持した状態で、第2熱交換器12に流れる冷媒の温度を上昇させる制御を行ってもよい。
例えば、本実施形態に係る上位制御装置100では、換気装置1F_3の排気ユニット510Cの第2熱交換器12の除霜として、空調機2Fの除霜運転を開始する前と比べて、排気ユニット510Cから排気する空気の量を増加させる制御を行ってもよい。その際に、上位制御装置500は、換気装置1F_3と系統が異なる、換気装置1F_1の排気ユニット510Aから排気する空気量と、換気装置1F_2の排気ユニット510Bから排気する空気量と、を減少させる制御を行ってもよい。当該空気量の増加させる制御、及び空気量を減少させる制御は、上述した実施形態と同様として説明を省略する。当該制御によって、排気ユニット510Cの第2熱交換器12の除霜を実現すると共に、排出される空気量を維持することで、居室空間R501、R502、R503が陰圧になることを抑制できる。
本実施形態では、居室空間の温度を上昇させることで、第2熱交換器12に流れる空気の温度を上昇させて、除霜効率を上昇させる。
本実施形態では、換気装置1F_1~1F_3の除霜運転を行う場合に、当該換気装置1F_1~1F_3と同じ領域に設けられた空調機の暖房能力を向上させることで、換気装置の暖房能力の低下を補うことで、快適性を維持できる。
(第11の実施形態の変形例1)
第11の実施形態の変形例1では、空調機2Fが除霜運転を開始した場合について説明する。上述した実施形態では、第2熱交換器12が着霜している状態と判定された場合、冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対して、所定の指令を出力する例について説明した。これに対して本実施形態の変形例では、着霜している状態と判定された場合でも、所定の条件を満たした場合には、所定の指令の出力を抑制する。
上位制御装置500は、空調機2Fから除霜運転を行う旨の信号を受信した後に、第1圧縮機ユニット550A~第3圧縮機ユニット550Cの制御部から、第2熱交換器12が着霜している状態と判定された判定結果を受信する。
この場合、上位制御装置500は、空調機2Fが除霜運転を行っている間、着霜した第2熱交換器12を流れる冷媒の温度を上昇させるために、冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対して、所定の指令を出力することを抑制する。
また、上位制御装置500は、空調機2Fが除霜運転を行っている間、着霜した第2熱交換器12に対応するファン11の風量を増加させる制御を行ってもよい。
(第11の実施形態の変形例2)
さらなる変形例として、上位制御装置500は、空調機2Fが除霜運転を行っている間、着霜する可能性があると判定された第2熱交換器12に対する冷媒の流量を低下させるよう、圧縮機ユニット(例えば、圧縮機ユニット550C)に指令を送信してもよい。これにより着霜が進むことを抑制できる。つまり、第2熱交換器12の着霜が進むことを抑制することで、現在除霜運転が行われている空調機2Fとの同時の除霜運転を抑制できる。
これにより、給気ユニット(例えば、給気ユニット520C)の第1熱交換器22による暖房能力が停止することを抑制できるので、最低限の快適性を維持できる。
着霜する可能性の判定基準としては、例えば、第2熱交換器12の表面温度と居室空間(例えば居室空間R505)の室内の空気の温度を測定し、第2熱交換器12の表面温度が、空気の露点温度よりも低く、且つ第2熱交換器12の表面温度が0℃以下である場合等が考えられる。なお、室内の空気の温度は、例えば、換気口近傍に設けられたセンサで測定した温度を用いるなどが考えられる。
さらには、上位制御装置500は、複数の排気ユニットの第2熱交換器12の着霜状態と、複数の空調機2Fの着霜状態を監視して、着霜が発生しそうと判定された機器から順次除霜運転を行うことで、同時に複数の機器が除霜運転となる時間を短くする、又は同時に複数の機器が除霜運転となることを抑制してもよい。
(第10の実施形態の変形例3)
第10の実施形態の変形例3に係る上位制御装置500は、第11の実施形態の変形例1と同様に、空調機2Fから除霜運転を行う旨の信号を受信した後に、第1圧縮機ユニット550A~第3圧縮機ユニット550Cの制御部から、第2熱交換器12が着霜している状態と判定された判定結果を受信する。
この場合、上位制御装置500は、空調機2Fが除霜運転を行っている間、着霜した第2熱交換器12を流れる冷媒の温度を上昇させるために、冷媒回路の冷媒の状態を制御するアクチュエータに対して、所定の指令を出力することを抑制する。
さらに、上位制御装置500は、空調機2Fから除霜運転を行う旨の信号を受信した場合、給気ユニット(例えば、給気ユニット520C)に対して、給気経路から居室空間(例えば居室空間R503)への給気による風量を、空調機2Fが除霜運転を行う前と比べて増加させる制御を行うと共に、排気ユニット(例えば、排気ユニット510C)に対して、第2空気流路から屋外への排気による風量を、空調機2Fが除霜運転を行う前と比べて増加させる制御を行う。
本変形例では、給気の空気量と排気の空気量と合計が維持されるので居室空間が陰圧になることを抑制できる。また、換気装置の風量を増加させることで、暖房能力の低下を抑制できる。
(第10の実施形態の変形例4)
さらに、空調機2Fと換気装置との同時除霜を抑制する制御を行ってもよい。
本変形例の上位制御装置500は、排気ユニットの第2熱交換器12が着霜している状態と判定された場合に、第2熱交換器12の除霜制御を開始する。除霜手法は、上述した実施形態で示した任意の手法を用いてよい。
さらに、上位制御装置500は、第2熱交換器12の除霜制御を開始した場合に、空調機2Fに対して除霜運転を行わない旨を指示する制御信号を送信する。
本変形例では、空調機2Fと換気装置が同時に除霜運転を行うことを抑制できる。同時除霜を抑制することで、空調能力が低下することを抑制できる。
(第11の実施形態)
さらに、換気装置が複数設けられている場合、当該複数の換気装置の第2熱交換器12が着霜した場合に、複数の換気装置の第2熱交換器12の着霜度合いに応じて、除霜制御を異ならせてもよい。
本実施形態では、上位制御装置500が、4個の換気装置を制御する例について説明する。なお、上位制御装置500が、空調機2Fを制御する数については任意とする。
図11は、本実施形態に係る上位制御装置500が行う処理手順を示したフローチャートである。なお、本実施形態では、上位制御装置500が処理を行う例について説明するが、当該上位制御装置500に制限するものではなく、遠隔地に設けられた集中管理サーバやクラウド上で処理を行ってもよい。
上位制御装置500は、複数の換気装置の各々から温度検出部14による検出結果を取得する(S2201)。
上位制御装置500は、検出結果に基づいて、着霜している第2熱交換器12を有する排気ユニット(の第2熱交換器12)の数を特定する(S2202)。例えば、4個の排気ユニットが着霜していると判断するなどが考えられる。
そして、上位制御装置500は、着霜している排気ユニットの検出結果が、第1の判定ロジック以下か否かを判定する(S2203)。第1の判定ロジックとしては、例えば、排気ユニットの第2熱交換器12を流れる冷媒の蒸発温度tが所定値x1より小さいか否か、又は、排気ユニットの第2熱交換器12を流れる冷媒の圧力pが所定値y1より小さいか否かとする。また、判定ロジックとしてはさらなる判定手法を用いてもよい。例えば、第2熱交換器12の表面温度t2が所定値z1より小さいか否かで判定してもよい他の例としては、撮像手段が第2熱交換器12の表面を撮影し、撮像した画像データと正常時の画像データとの一致度を算出し、差異がw%より大きいか否かで判定してもよい。
上位制御装置500は、検出結果が第1の判定ロジック以下と判定した場合(S2203:Yes)、当該排気ユニットについて着霜レベル1と判定する(S2204)。
一方、上位制御装置500は、検出結果が第1の判定ロジックより大きいと判定した場合(S2203:No)、着霜している排気ユニットの検出結果が、第2の判定ロジック以下か否かを判定する(S2205)。第2の判定ロジックとしては、例えば、排気ユニットの第2熱交換器12を流れる冷媒の蒸発温度tが所定値x2より小さいか否か、又は、排気ユニットの第2熱交換器12を流れる冷媒の圧力pが所定値y2より小さいか否かとする。なお、所定値x1<所定値x2、及び所定値y1<所定値y2とする。
上位制御装置500は、検出結果が第2の判定ロジック以下と判定した場合(S2205:Yes)、当該排気ユニットについて着霜レベル2と判定する(S2206)。
一方、上位制御装置500は、検出結果が第1の判定ロジックより大きいと判定した場合(S2205:No)、当該排気ユニットについて着霜レベル3と判定する(S2207)。
その後、上位制御装置500は、着霜している全ての排気ユニットについて着霜レベルを設定したか否かを判定する(S2208)。全て設定していないと判定した場合(S2208::No)、S2203から処理を行う。
一方、上位制御装置500は、着霜している全ての排気ユニットについて着霜レベルを設定したと判定した場合(S2208:Yes)、排気ユニット毎に着霜運転に要する時間を算出する(S2209)。なお、着霜運転に要する時間の算出手法は、周知の手法を問わず、どのような手法を用いてもよい。なお、着霜運転に要する時間は、着霜レベルごとに予め設定されていてもよい。
さらに、上位制御装置500は、居室空間の現在の状況に基づいて、居室空間における要求快適性の指標を算出する(S2210)。居室空間の現在の状況とは、例えば、当該居室空間の換気口近傍に設けられたセンサの検出結果とする。要求快適性の指標とは、現在の居室空間において要求される快適性の指標とする。快適性の指標は、例えば、換気口からの吹き出す温度の要求値や、換気に要求される風量や、現在の居室空間に存在する人の数に応じて定められる。快適性の指標が高いほど、居室空間の快適性を維持する必要がある。
上位制御装置500は、算出した要求快適性の指標が、基準値kより大きいか否かを判定する(S2211)。
上位制御装置500は、算出した要求快適性の指標が、基準値kより大きいと判定した場合(S2211:Yes)、複数の排気ユニットについて順次除霜運転を行うよう設定する(S2212)。つまり、上位制御装置500は、順次除霜運転を行う設定によって、同時除霜運転を抑制して、居室空間の快適性を維持する。なお、着霜レベルに応じて除霜を行う順序を設定する。例えば、着霜レベル1の排気ユニットが1台、着霜レベル2の排気ユニットが2台、着霜レベル3の排気ユニットが1台存在する場合、着霜レベル1の排気ユニット、着霜レベル2の排気ユニットのうち一方、着霜レベル2の排気ユニットのうち他方、着霜レベル3の排気ユニットの順に除霜を行うよう設定する。
一方、上位制御装置500は、算出した要求快適性の指標が、基準値k以下と判定した場合(S2211:No)、複数の排気ユニットについて同時除霜運転を行うよう設定する(S2213)。つまり、上位制御装置500は、同時除霜運転を行う設定によって、除霜運転を早く終了させる。なお、全ての排気ユニットの除霜運転を同時に行うのではない。また、除霜レベルに応じて除霜運転を行う順序を設定してもよい。例えば、着霜レベル1の排気ユニットが1台、着霜レベル2の排気ユニットが2台、着霜レベル3の排気ユニットが1台存在する場合、着霜レベル1の排気ユニット、及び着霜レベル3の排気ユニットの除霜運転を同時に行った後、着霜レベル2の2台の排気ユニットの除霜運転を同時に行うよう設定する。当該設定によって居室空間に係る負荷と、除霜運転の終了と、を両立させることができる。
そして、上位制御装置500は、設定に応じて排気ユニット毎に除霜運転の指示を出力する(S2214)。
このように、本実施形態に係る上位制御装置500は、第2熱交換器12の着霜状態を取得し、複数の第2熱交換器12が蒸発器として機能している間に、複数の第2熱交換器12が着霜している状態と判定された場合に、複数の第2熱交換器12の除霜運転を行うパターンを複数生成し、複数の前記第2熱交換器の着霜状態と、居室空間の現在の状況とに基づいて、複数生成されたパターンのうちいずれか一つを用いて除霜制御を行う。
本実施形態においては、着霜レベルの排気ユニットから順番に除霜運転を行う。その際に、快適性が必要な場合には、複数の排気ユニットの除霜運転が同時に行われないよう制御することで、快適性を維持できる。
さらに、快適性が重要でない場合、同時に複数の換気装置の温調を停止して、当該複数の換気装置の排気ユニットで同時に除霜運転を行う。これにより、温調が停止するので、快適性は低下するが、除霜運転を短期間で行うことができる。
上述した実施形態及び変形例では、給気ユニットが、第1熱交換器22、及び空気の流路(第1空気流路の一例)の少なくとも一部を収容するケーシング(第1ケーシングの一例)であり、排気ユニットが、第2熱交換器12、及び空気の流路(第2空気流路の一例)の少なくとも一部を収容するケーシング(第2ケーシングの一例)であって、それぞれケーシング分離している例について説明した。
これにより、排気ユニットと給気ユニットとをそれぞれ離れた位置に配置することが可能となる。これにより、熱回収することが可能な換気装置について、従来に比べて配置の自由度を高くすることができる。
しかしながら、上述した実施形態及び変形例は、給気ユニット及び排気ユニットのケーシングが分離している例に制限するものではなく、給気ユニット及び排気ユニットが一体型であってもよい。つまり、第1熱交換器22と第2熱交換器12とが冷媒回路で接続されており、第1熱交換器22に対応するファン21と第2熱交換器12に対応するファンとが設けられている場合には、上述した実施形態及び変形例で示したような風量調整や、冷媒の温度調整を適用することができる。このように、上述した実施形態及び変形例で示した手法は、給気ユニット及び排気ユニットが一体型の構成の場合に適用してもよい。
上述した実施形態及び変形例は、除霜手法を例示したものである。上述した実施形態及び変形例で示した手法は、当該除霜手法のみ用いることに制限するものではなく、他の実施形態及び変形例で示した1つ以上の除霜手法と組み合わせて用いてもよい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が可能である。