JP7432131B1 - インピーダンス変換装置および信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 0007432131000001
【課題】電気楽器にギターアンプを接続して当該ギターアンプを介して放音するとともに、当該電気楽器から出力されるアナログ信号のインピーダンスを変換して、デジタルへの変換機器に供給するインピーダンス変換装置及び信号処理装置を提供する。
【解決手段】信号処理装置10において、インピーダンス変換装置12は、エレキギター30のような電気楽器から出力されたアナログ信号An1が入力される入力端In1と、当該アナログ信号An1を、アナログ信号An2及びAn3に分岐する分岐部122と、アナログ信号An2がギターアンプ40に出力される出力端Out1と、アナログ信号An3のインピーダンスを変換するインピーダンス変換回路124と、インピーダンスを変換されたアナログ信号An3が出力される出力端Out2と、を含む。インピーダンス変換回路の入力インピーダンスは、略1GΩ以上である。
【選択図】図7

Description

本開示は、インピーダンス変換装置および信号処理装置に関する。
ベースギターやエレキギターなどの電気楽器の演奏によって生じたアナログ信号は、ギターアンプを介して楽音として放音される。近年では、演奏後において楽音を造り込みたい、という事情がある。このような事情のために、第1に、電気楽器から出力されるアナログ信号を、デジタルで一旦記録する。第2に、記録した楽音信号を、パソコンにてDAW(Digital Audio Workstation)の機能を用いて造り込み、スタジオなどでギターアンプを介して放音し、確認する、という手法が採られることがある。
このような手法では、次の点に留意する必要がある。すなわち、電気楽器から出力されるアナログ信号は、一般にはハイインピーダンスであるのに対し、デジタルに変換するための機器の入力は、ローインピーダンスである、という点である。このため、電気楽器をデジタルへの変換機器に直接接続すると、インピーダンスの不整合によって、ノイズが重畳したり、信号波形が変形したりしてしまう。
そこで、電気楽器から出力されるアナログ信号を、プリアンプ回路等によってインピーダンスを変換し、当該インピーダンスを変換したアナログ信号を、デジタルへの変換機器に供給する手法が採られる。このようなプリアンプ回路としては、例えば特許文献1に記載された技術が知られている。
特開2018-180478号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、電気楽器にギターアンプを接続して当該ギターアンプを介して放音するとともに、当該電気楽器から出力されるアナログ信号のインピーダンスを変換して、デジタルへの変換機器に供給することができない。
本開示の一態様に係るインピーダンス変換装置は、電気楽器から出力された第1アナログ信号が入力される第1入力端と、前記第1アナログ信号を、第2アナログ信号および第3アナログ信号に分岐する分岐部と、前記第2アナログ信号が出力される第1出力端と、前記第3アナログ信号のインピーダンスを変換するインピーダンス変換回路と、前記インピーダンスを変換されたアナログ信号が出力される第2出力端と、を含み、前記インピーダンス変換回路の入力インピーダンスは、略1GΩ以上である。
実施形態に係るインピーダンス変換装置を含む信号処理装置を示す図である。 インピーダンス変換回路の一例を示す図である。 信号処理装置のAD変換特性における補正を説明するための図である。 信号処理装置のDA変換特性における補正を説明するための図である。 周波数に対する位相特性の補正を示す図である。 周波数に対する振幅特性の補正を示す図である。 信号処理装置の接続例を示す図である。 信号処理装置の接続例を示す図である。
以下、本開示の実施形態に係るインピーダンス変換装置について図面を参照して説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
図1は、実施形態に係るインピーダンス変換装置12を含む信号処理装置10の構成を示すブロック図である。
信号処理装置10は、インピーダンス変換装置12のほか、オーディオI/O(Input/Output)14、16およびリアンプ18を含む。なお、図において、インピーダンスは紙面の都合上、「Z」と略称されている。
インピーダンス変換装置12は、入力端In1、出力端Out1、Out2、分岐部122およびインピーダンス変換回路124を有する。
分岐部122は、入力端In1に供給されるハイインピーダンスのアナログ信号An1を、アナログ信号An2およびAn3に分岐させる。
アナログ信号An1は、発音体の振動を電気信号に変換する電気楽器から出力される信号である。当該アナログ信号An1のインピーダンスは、例えば、200kΩ~500kΩ程度である。
分岐されたアナログ信号An2およびAn3のうち、アナログ信号An2は出力端Out1から出力され、アナログ信号An3はインピーダンス変換回路124に供給される。
インピーダンス変換回路124は、ハイインピーダンスのアナログ信号An3を、アナログ信号An1のインピーダンスよりも低いローインピーダンスに変換する回路であり、構成の一例については後述する。ローインピーダンスに変換されたアナログ信号An3は、出力端Out2から出力される。
オーディオI/O14は、ローインピーダンスに変換されたアナログ信号An3をデジタル信号に変換する機器である。具体的には、オーディオI/O14は、LPF(Low Pass Filter)142、ADC(Analog to Digital Converter)144およびFIR(Finite Impulse Response)フィルタ146を含む。
LPF142は、ローインピーダンスに変換されたアナログ信号An3の低域周波数成分をカットするアナログフィルタである。詳細には、LPF142は、アナログ信号An3の直流成分の混入を防ぐために、デジタル変換の前に当該アナログ信号An3の低域周波数成分をカットする。
ADC144は、LPF142によって低域周波数成分がカットされたアナログ信号An3をデジタル信号に変換する。
FIRフィルタ146は、ADC144から出力されるデジタル信号に、後述する特性を付与するデジタルフィルタである。FIRフィルタ146によって付与される特性を規定する係数等の情報は、後述する取得部によって、FIRフィルタ146に内蔵される記憶装置M1に格納される。換言すれば、FIRフィルタ146において付与される特性は、記憶装置M1に格納された情報によって規定される。
なお、FIRフィルタ146から出力されるテジタル信号は、便宜的にDg1と表記されている。また、FIRフィルタ146によって付与される特性は「第1特性」の一例である。
オーディオI/O16は、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器である。具体的には、オーディオI/O16は、FIRフィルタ162、DAC(Digital to Analog Converter)164およびLPF166を含む。
FIRフィルタ162は、入力端In2に入力されたデジタル信号Dg1に、後述する特性を付与するデジタルフィルタである。FIRフィルタ162によって付与される特性を規定する係数等の情報は、後述する取得部によって、FIRフィルタ162に内蔵される記憶装置M2に格納される。換言すれば、FIRフィルタ162において付与される特性は、記憶装置M2に格納された情報によって規定される。
なお、FIRフィルタ162によって付与される特性は「第2特性」の一例である。
DAC164は、FIRフィルタ162から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。
LPF166は、DAC164から出力されるアナログ信号またはデジタル信号を平滑化するアナログフィルタである。
なお、LPF166から出力されるアナログ信号は、便宜的にAn4と表記されている。
リアンプ18は、LPF166によって出力されるローインピーダンスのアナログ信号An4を、ハイインピーダンスに変換して出力する。インピーダンスに変換されたアナログ信号は、出力端Out3から出力される。リアンプ18は、後述するようにローインピーダンスのアナログ信号An4を、ギターアンプに入力するための装置である。
なお、出力端Out3から出力されるアナログ信号は、便宜的にAn5と表記されている。
アナログ信号An1は「第1アナログ信号」の一例であり、アナログ信号An2は「第2アナログ信号」の一例であり、アナログ信号An3は「第3アナログ信号」の一例であり、アナログ信号An4は「第4アナログ信号」の一例である。
入力端In1は「第1入力端」の一例であり、入力端In2は「第2入力端」の一例であり、出力端Out1は「第1出力端」の一例であり、出力端Out2は「第2出力端」の一例であり、出力端Out3は「第3出力端」の一例である。
オーディオI/O14が「第1入出力装置」の一例であり、オーディオI/O16が「第2入出力装置」の一例である。ADC144は「A/D変換部」の一例であり、DAC164は「D/A変換部」の一例である。リアンプ18は「リアンプ部」の一例である。FIRフィルタ146は「第1特性付与部」の一例であり、FIRフィルタ162は「第2特性付与部」の一例である。
図2は、インピーダンス変換装置12におけるインピーダンス変換回路124の一例を示す回路図である。
インピーダンス変換回路124では、分岐部122によって分岐されたアナログ信号An3が入力端In3に供給される。
当該アナログ信号An3のうち、交流成分のみが入力部N1に供給される。入力部N1は、アナログ信号An3の交流成分をゲートに入力するトランジスターTr1と、アナログ信号An3の交流成分を電源の中点電位に導く抵抗素子R1と、を有する。
トランジスターTr1は、例えばNチャネル型のJFET(Junction Field Effect Transistor)である。トランジスターTr1のドレインには電源(高位)が印加され、トランジスターTr1のソースに表れる信号が、増幅されて出力端Out2から出力される。本実施形態において、抵抗素子R1の抵抗値は1GΩである。
このため、インピーダンス変換回路124において、入力端In3における直流インピーダンスは1GΩになる。
前段の分岐部122においてアナログ信号An1がAn2およびAn3に分岐する際に、一方に分岐される入力端In3の直流インピーダンスが非常に高い1GΩである。このため、他方に分岐されるアナログ信号An2のインピーダンスは、アナログ信号An1のインピーダンスから変化することなく、ほぼそのままのインピーダンスを保って出力端Out1から出力される。
アナログ信号An1から分岐して、入力端In3に供給されたアナログ信号An3は、インピーダンス変換回路124によってローインピーダンスに変換されて、出力端Out2から出力される。
図3は、FIRフィルタ146によって付与する特性を決定するための構成を示す図である。
アナログフィルタであるLPF142の周波数特性は、理想的にはフラットであるが、現実的にはフラットにはならない。また、ADC144では、変換前のアナログ信号を処理する際に、当該アナログ信号が周波数に依存して変化することが考えられる。一方で、オーディオI/O14から出力されるデジタル信号Dg1は、アナログ信号An1を忠実にデジタル化した信号であることが好ましい。
このため、本実施形態では、出力端Out2からのアナログ信号がLPF142およびADC144で処理されることによって変化する周波数特性を、FIRフィルタ146によって事後に打ち消して、デジタル信号Dg1として出力する構成となっている。
なお、本実施形態では、周波数特性の例として、周波数に対して位相がどのように変化するのかを示す周波数位相特性、および、周波数に対して振幅がどのように変化するのかを示す周波数振幅特性を挙げる。
また、FIRフィルタ146の特性を決定する際には、LPF142の入力端は、インピーダンス変換装置12の出力端Out2から切り離される。また、ADC144の出力端は、FIRフィルタ146の入力端から切り離される。
取得部148は、LPF142からADC146までの経路における周波数特性を求めて、求めた周波数特性の逆特性を規定する情報を、FIRフィルタ146の記憶装置M1に格納する。
詳細には、取得部148は、LPF142の入力端にアナログのテスト信号At1を供給し、ADC144の出力端からのデジタル信号Dm1を入力する。
テスト信号At1は、例えば、周波数が可聴帯域(20Hz~20kHz)にわたってスイープされ、かつ、振幅が一様なデジタルの源信号を、アナログ信号に変換した信号である。
テスト信号At1が、LPF142でフィルタリングされ、ADC146によってデジタル信号Dm1に変換されたときに、当該デジタル信号Dm1は、テスト信号At1に、LPF142およびADC144における周波数特性が付与された信号になる。
このため、取得部148は、デジタル信号Dm1とテスト信号At1の源信号と比較して、当該源信号に対するデジタル信号Dm1の周波数位相特性および周波数振幅特性を求める。取得部148は、求めた周波数位相特性および周波数振幅特性の逆特性を規定する情報を、FIRフィルタ146の記憶装置M1に格納する。
これにより、FIRフィルタ146は、格納された情報で規定された周波数特性になる。
図5は、FIRフィルタ146における周波数位相特性の補正を例示する図である。
図において補正前とは、テスト信号At1が、LPF142を通過し、ADC144によってデジタル信号Dm1に変換されたときの、テスト信号At1の源信号に対するデジタル信号Dm1の位相特性であり、当該位相特性を、0度の特性を基準に反転させた特性が逆特性である。補正後とは、補正前の周波数位相特性に、逆特性を付与したときの周波数位相特性である。
図に示されるように、補正後では、周波数位相特性が可聴帯域においてほぼフラットになる。
図6は、FIRフィルタ146における周波数振幅特性の補正を例示する図である。
図において補正前とは、テスト信号At1が、LPF142を通過し、ADC144によってデジタル信号Dm1に変換されたときの、テスト信号At1の源信号に対するデジタル信号Dm1の振幅特性であり、当該振幅特性を、0dbの特性を基準に反転させた特性が逆特性である。補正後とは、補正前の周波数振幅特性に、逆特性を付与したときの周波数振幅特性である
図に示されるように、補正後では、振幅特性が可聴帯域においてほぼフラットになる。
図4は、FIRフィルタ162によって付与する特性を決定するための構成を示す図である。
DAC164では、変換後のアナログ信号を処理する際に、当該アナログ信号が周波数に依存して変化することが考えられる。アナログフィルタであるLPF166の周波数特性は、理想的にはフラットであるが、LPF142と同様に、現実的にはフラットにはならない。一方で、オーディオI/O16から出力されるアナログ信号An4は、デジタル信号Dg1を忠実にデジタル化した信号であることが好ましい場合がある。
このため、本実施形態では、デジタル信号Dg1が、DAC164およびLPF166で処理されることによって変化する特性を、FIRフィルタ162によって事前に打ち消して、アナログ信号An4に変換して出力する構成となっている。
なお、FIRフィルタ162の特性を決定する際には、DAC164の入力端は、FIRフィルタ162の出力端から切り離される。また、DAC166の出力端は、リアンプ18の入力端から切り離される。
取得部168は、DAC164の入力端にデジタルのテスト信号Dt1を供給し、LPF166の出力端からのアナログ信号Am1を入力して、デジタルに変換する。
テスト信号Dt1は、例えば、周波数が可聴帯域にわたってスイープされ、かつ、振幅が一様なデジタルの源信号である。
テスト信号Dt1が、DAC164によってアナログ信号に変換され、LPF166でフィルタリングされたときに、当該フィルタリングされた信号は、テスト信号Dt1に、DAC164およびLPF166における周波数特性が付与された信号になる。
このため、取得部168は、アナログ信号Am1をデジタルに変換して、当該変換したデジタル信号とデジタルのテスト信号Dt1とを比較する。
そして、取得部168は、デジタル信号Dm1に対する、アナログ信号Am1を変換したデジタル信号の周波数位相特性および周波数振幅特性を求める。取得部168は、求めた周波数位相特性および周波数振幅特性の逆特性を規定する情報を、FIRフィルタ162の記憶装置M2に格納する。
これにより、FIRフィルタ162は、格納された情報で規定された周波数特性になる。
特に図示しないが、逆特性を指定するフィルタ係数がFIRフィルタ162に設定されると、入力端In2に供給されたデジタル信号Dg1は、ほぼフラットな周波数位相特性および周波数振幅特性でアナログ信号An4に変換される。
次に、実施形態に係る信号処理装置10の使用例について説明する。
図7は、信号処理装置10への接続例を示す図である。この接続例は、エレキギター30から送出される信号がアナログ信号An1としてインピーダンス変換装置12の入力端In1に供給される一方で、出力端Out1にギターアンプ40が接続され、デジタル信号Dg1がパソコン50に記録される例である。ギターアンプ40は、一般には、アナログ信号を増幅して、内蔵されたスピーカによって放音する機能を有する。
詳細には、ユーザーがエレキギター30を演奏したときに出力される信号は、ギターアンプ40によって増幅されて、放音される。すなわち、ユーザーは、ギターアンプ40から発せられる楽音を聴きながらエレキギター30を演奏する。
エレキギター30等の電気楽器は、ギターアンプ40に接続しなくても、楽音を出すことは可能ではある。しかしながら、電気楽器では、ギターアンプ40に接続しないと表現できない様々な奏法がある。このような奏法を確認するため、特にCD(Compact Disk)等の楽曲のレコーディングでは、電気楽器をギターアンプ40に接続することが、ほぼ必須である。
なお、エレキギター30は「電気楽器」の一例である。
一般に、ヒトは、可聴帯域における2つの音について、同じ周波数域に着目したときに、0.1dB以上の音量差があれば、2つの音に差がある、と認識できるといわれている。
インピーダンス変換回路124の入力端In3における直流インピーダンスが1GΩであれば、分岐部122においてアナログ信号An1がAn2およびAn3に分岐する際に、アナログ信号An1とAn2との音量差が0.1dB未満に抑えられる。このため、本実施形態では、エレキギター30とギターアンプ40との間に信号処理装置10を介するが、その影響は、直接接続した場合と比較しても、ほとんど無視することができる。
このようにインピーダンス変換回路124における直流インピーダンスが略1GΩ以上であれば、アナログ信号An1とAn2との音量差が0.1dB未満に抑えられる。すなわち、当該直流インピーダンスが略1GΩ以上であるとは、アナログ信号An1およびAn2との差をヒトが認識できない程度であることをいう。
また、エレキギター30の演奏によって出力される信号をギターアンプ40により増幅・放音された場合に、後日、プレイバックや細かい音造りのために録音することがある。本実施形態では、分岐部122において分岐されたアナログ信号An3は、インピーダンス変換回路124によってローインピーダンスに変換され、さらにオーディオI/O14によってデジタル信号Dg1に変換されて、パソコン50に記録される。
図8は、信号処理装置10への他の接続例を示す図である。この接続例は、パソコン50で記録されたデジタル信号Dg1を、オーディオI/O16の入力端In2に供給して、当該オーディオI/O16でアナログ信号に変換し、出力端Out3に接続されたギターアンプ40で増幅・放音させる例、すなわちプレイバックの例である。
図7に示されるように、エレキギター30の演奏によって出力されたアナログ信号An1は、An2およびAn3に分岐する。このうち、アナログ信号An2は、アナログ信号An1からほとんど変化することなく、ギターアンプ40から放音される一方で、アナログ信号An3は、オーディオI/O14によってデジタル信号Dg1に変換されて、パソコン50に記録される。オーディオI/O14では、LPF142およびADC144による周波数特性の変化が、FIRフィルタ146によって事後に打ち消されるので、アナログ信号An1を、劣化の少ない(エフェクトがかかっていない)ドライ音のデジタル信号Dg1に変換することができる。
パソコン50に記録されたデジタル信号Dg1は、後日、図8に示されるように、オーディオI/O16によってアナログ信号に変換された後、さらにリアンプ18によってハイインピーダンスに変換されて、ギターアンプ40から放音される。オーディオI/O16では、DAC164およびLPF166による周波数特性の変化が、FIRフィルタ164によって事前に打ち消されるので、デジタル信号Dg1を忠実にアナログ信号に変換することができる。
したがって、本実施形態では、図8に示されるようなプレイバックによってギターアンプ40から出力される音を、図7に示されるような演奏によってギターアンプ40から出力される音と、ほぼ同じように再現することができる。
以上に例示した実施形態は多様に変形され得る。実施形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
パソコン50に記録されたデジタル信号Dg1は、劣化の少ないドライ音であるので、パソコン50において、例えばDAW(Digital Audio Workstation)のアンプシミュレーターを実行することによって、任意のアンプ特性をデジタル信号Dg1に付与することが容易になる。また、オーディオI/O16においてデジタル信号Dg1を加工することで、任意のアンプ特性を付与することができる。
一般のインピーダンス変換回路は、ハイインピーダンスのアナログ信号をローインピーダンスに変換する機能のほか、この回路自体に特性があり、当該特性が音造りに用いられることがある。
実施形態におけるインピーダンス変換回路124は、このような特性を有しないが、記録されるデジタル信号Dg1は、劣化のないドライ音である。このため、デジタル信号Dg1に、ユーザーが望む特性を上記DAW等によって付与することで、音造りの幅を拡げることができる。
実施形態では、電気楽器の例としてエレキギター30を挙げて説明したが、電気楽器としてはエレキギター30に限られない。エレキギター30のように発音体の振動を電気信号に変換する電気楽器として、例えば、ハモンドオルガンやベースギターなどであってもよい。また、他の電気楽器としては、発振回路による電気的な振動を音色や音響に変換するエレクトーンなどであってもよい。
実施形態において、オーディオI/O14のFIRフィルタ146は、LPF142およびADC144における周波数特性の逆特性に設定された構成であった。ADC144の変換精度が高く、ADC144における周波数特性を無視できるのであれば、FIRフィルタ146は、LPF142のみにおける周波数特性の逆特性に設定される構成であってもよい。
同様に、実施形態において、オーディオI/O16のFIRフィルタ162は、DAC164およびLPF166における周波数特性の逆特性に設定された構成であった。
DAC164の変換精度が高く、DAC164における周波数特性を無視できるのであれば、FIRフィルタ162は、LPF166のみにおける周波数特性の逆特性に設定される構成であってもよい。
FIRフィルタ146、162の一方または双方は、例えばパソコン50におけるソフトウェアの処理によっても実現可能である。
すなわち、FIRフィルタ146をオーディオI/O14の内部に設ける必要はなく、パソコン50が、FIRフィルタ146に相当する処理を実行してもよい。詳細には、パソコン50が、ADC144から出力されるデジタル信号に、FIRフィルタ146に相当する処理を施し、当該処理を施した信号を、デジタル信号Dg1として当該パソコン50における内部の記憶装置に格納する構成としてもよい。なお、パソコン50によるソフトウェアによってFIRフィルタ146を実現する構成では、記憶装置M1として、パソコン50の内部における記憶装置が用いられてもよい。
同様に、FIRフィルタ162をオーディオI/O16の内部に設ける必要はなく、パソコン50が、FIRフィルタ162に相当する処理を実行してもよい。詳細には、パソコン50が、内部の記憶装置からデジタル信号Dg1を読み出し、当該読み出したデジタル信号Dg1に、FIRフィルタ162に相当する処理を施して、DAC164に供給する構成としてもよい。なお、パソコン50によるソフトウェアによってFIRフィルタ162を実現する構成では、記憶装置M2として、パソコン50の内部における記憶装置が用いられてもよい。
また、デジタル信号Dg1を格納または読み出しするパソコンと、FIRフィルタ146、162に相当する処理を実行するパソコンとは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。
本開示のひとつの態様1に係るインピーダンス変換装置は、電気楽器から出力された第1アナログ信号が入力される第1入力端と、前記第1アナログ信号を、第2アナログ信号および第3アナログ信号に分岐する分岐部と、前記第2アナログ信号が出力される第1出力端と、前記第3アナログ信号のインピーダンスを変換するインピーダンス変換回路と、前記インピーダンスを変換されたアナログ信号が出力される第2出力端と、を含み、前記インピーダンス変換回路の入力インピーダンスは、略1GΩ以上である。
態様1に係るインピーダンス変換装置によれば、第1出力端にギターアンプを接続すれば、電気楽器の演奏によって生じた楽音を、ギターアンプを介して放音させることができるとともに、電気楽器から出力されるアナログ信号のインピーダンスを変換して出力することができる。このとき、電気楽器から出力された第1アナログ信号のインピーダンスを変化させずに、ほぼそのままに第2アナログ信号として出力することができる。
態様2に係る信号処理装置は、態様1に係るインピーダンス変換装置と、前記第2出力端から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1入出力装置と、を含む。態様2に係る信号処理装置は、電気楽器から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。
なお、オーディオI/O14が第1入出力装置の一例であり、オーディオI/O16が第2入出力装置の一例である。
態様2の具体的な態様3に係る信号処理装置において、前記第1入出力装置は、前記第2出力端から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、前記A/D変換部よって変換されたデジタル信号に第1特性を付与する第1特性付与部と、を有し、前記第1特性は、前記第2出力端から前記A/D変換部の出力端に至るまでの経路における周波数特性の逆特性である。態様3に係る信号処理装置によれば、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に、インピーダンス変換回路やA/D変換部における周波数特性を打ち消すことができる。
態様3の具体的な態様4に係る信号処理装置において、前記第1特性は、周波数に対する振幅変化特性および周波数に対する位相変化特性を含む。
態様4の具体的な態様5に係る信号処理装置は、前記第1特性を取得する特性取得部をさらに有する。
態様4の具体的な別の態様6に係る信号処理装置では、前記第1特性付与部は、FIRフィルタを含む。
態様3の具体的な別の態様7に係る信号処理装置は、デジタル信号が入力される第2入力端と、前記第2入力端に入力されたデジタル信号を第4アナログ信号に変換する第2入出力装置と、前記第4アナログ信号のインピーダンスを変換するリアンプ部と、前記リアンプ部によってインピーダンスを変換された信号が出力される第3出力端とを、さらに有する。
態様7の具体的な別の態様8に係る信号処理装置は、前記第2入出力装置は、前記第2入力端に入力されたデジタル信号に第2特性を付与する第2特性付与部と、前記第2特性が付与されたデジタル信号を前記第4アナログ信号に変換するD/A変換部と、を有する。
態様8の具体的な別の態様9に係る信号処理装置において、前記第2特性は、前記第D/A変換部の入力端から前記第3出力端に至るまでの経路における周波数特性の逆特性である。
10…信号処理装置、12…インピーダンス変換装置、14、16…オーディオI/O、18…リアンプ、142、166…LPF、144…ADC、146、162…FIRフィルタ、148、168…取得部。

Claims (9)

  1. 電気楽器から出力された第1アナログ信号が入力される第1入力端と、
    前記第1アナログ信号を、第2アナログ信号および第3アナログ信号に分岐する分岐部と、
    前記第2アナログ信号が出力される第1出力端と、
    前記第3アナログ信号のインピーダンスを変換するインピーダンス変換回路と、
    前記インピーダンスを変換されたアナログ信号が出力される第2出力端と、
    を含み、
    前記インピーダンス変換回路の入力インピーダンスは、略1GΩ以上である
    インピーダンス変換装置。
  2. 請求項1に記載のインピーダンス変換装置と、
    前記第2出力端から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する第1入出力装置と、
    を含む
    信号処理装置。
  3. 前記第1入出力装置は、
    前記第2出力端から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
    前記A/D変換部よって変換されたデジタル信号に第1特性を付与する第1特性付与部と、
    を有し、
    前記第1特性は、
    前記第2出力端から前記A/D変換部の出力端に至るまでの経路における周波数特性の逆特性である
    請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記第1特性は、周波数に対する振幅変化特性および周波数に対する位相変化特性を含む
    請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記第1特性を取得する特性取得部を
    さらに有する請求項4に記載の信号処理装置。
  6. 前記第1特性付与部は、FIRフィルタを含む
    請求項4に記載の信号処理装置。
  7. デジタル信号が入力される第2入力端と、
    前記第2入力端に入力されたデジタル信号を第4アナログ信号に変換する第2入出力装置と、
    前記第4アナログ信号のインピーダンスを変換するリアンプ部と、
    前記リアンプ部によってインピーダンスを変換された信号が出力される第3出力端と、
    を、さらに有する請求項3に記載の信号処理装置。
  8. 前記第2入出力装置は、
    前記第2入力端に入力されたデジタル信号に第2特性を付与する第2特性付与部と、
    前記第2特性が付与されたデジタル信号を前記第4アナログ信号に変換するD/A変換部と、
    を有する請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 前記第2特性は、
    前記第D/A変換部の入力端から前記第3出力端に至るまでの経路における周波数特性の逆特性である
    請求項8に記載の信号処理装置。
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