JP7427075B2 - 光学ガラス、光学素子、導光板および画像表示装置 - Google Patents

光学ガラス、光学素子、導光板および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学ガラス、光学素子、導光板および画像表示装置に関する。
屈折率が高い光学ガラスからなるレンズが、例えば特許文献1に開示されている。
特開2017-105702号公報
屈折率が高い光学ガラスは、例えば、このガラスからなるレンズを分散性が異なるガラスからなる他のレンズと組み合わせて接合レンズとすることにより、色収差を補正しつつ光学系のコンパクト化を可能にすることができる。そのため、かかる光学ガラスは、撮像光学系やプロジェクタ等の投射光学系を構成する光学素子用材料として有用である。
光学ガラスに望まれる物性としては、低比重であることが挙げられる。低比重の光学ガラスによれば、軽量な光学素子を提供できるためである。例えば、オートフォーカス方式の光学系において、光学素子が軽量であるほど、オートフォーカス時の消費電力を抑えることが可能となる。
以上に鑑み、本発明の一態様は、屈折率が高く、かつ比重が低い光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、質量基準で、SiO含有量が10.00%以上、CaO含有量が5.00%以上、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が0%超、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下、かつTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下である光学ガラス(以下、「ガラス1」と記載する)に関する。
本発明の他の一態様は、質量基準で、SiO含有量が10.00%以上、CaO含有量が5.00%以上、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が2.96%以上、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下、かつTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09未満である光学ガラス(以下、「ガラス2」と記載する)に関する。
本発明の他の一態様は、質量基準で、ZrO含有量が7.63%以下、La、GdおよびYの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))が3.30以下、SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)が1.00未満、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09以下、かつMgOとCaOとの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))が1.98以下である光学ガラス(以下、「ガラス3」と記載する)に関する。
ガラス1~3は、それぞれ上記ガラス組成を有する。これにより、ガラス1~3は、高屈折率を有することができ、かつ比重が低いガラスであることができる。また、一形態では、ガラス1~3は、高屈折率および低分散性を有し、かつ比重が低いガラスであることができる。
本発明の一態様によれば、低比重で屈折率が高い光学ガラスを提供できる。また、本発明の一態様によれば、かかる光学ガラスからなる光学素子も提供できる。
示差走査熱量曲線(DSC曲線)を模式的に示した図である。 画像表示素子と導光板とを含む画像装置の一例(ヘッドマウントディスプレイ)の概略構成図である。 図2に示すヘッドマウントディスプレイ1の構成を模式的に示す側面図である。
[光学ガラス]
本発明および本明細書では、ガラス組成を、酸化物基準のガラス組成で表示する。ここで「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されてガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいうものとする。また、特記しない限り、ガラス組成は質量基準(質量%、質量比)で表示するものとする。
本発明および本明細書におけるガラス組成は、例えばICP-AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry)等の方法により求めることができる。定量分析は、ICP-AESを用い、各元素別に行われる。その後、分析値は酸化物表記に換算される。ICP-AESによる分析値は、例えば、分析値の±5%程度の測定誤差を含んでいることがある。したがって、分析値から換算された酸化物表記の値についても、同様に±5%程度の誤差を含んでいることがある。
また、本発明および本明細書において、構成成分の含有量が0%または含まないもしくは導入しないとは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、この構成成分の含有量が不純物レベル程度以下であることを指す。不純物レベル程度以下とは、例えば、0.01%未満であることを意味する。
本明細書におけるガラス1に関する記載は、特記しない限り、ガラス2およびガラス3についても適用できる。本明細書におけるガラス2に関する記載は、特記しない限り、ガラス1およびガラス3についても適用できる。本明細書におけるガラス3に関する記載は、特記しない限り、ガラス1およびガラス2についても適用できる。
<ガラス1のガラス組成>
以下、ガラス1のガラス組成について、更に詳細に説明する。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分として、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性および耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。以上の観点から、ガラス1のSiO含有量は、10.00%以上であり、11.00%以上であることが好ましく、12.00%以上、13.00%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.50%以上、16.00%以上、16.50%以上、16.60%以上の順により好ましい。ガラスの耐失透性向上、熔融性の向上および部分分散特性改善の観点からは、SiO含有量は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下、22.75%以下、22.50%以下、22.00%以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量(SiO+B)は、ガラスの熱的安定性の向上、より一層の低比重化およびより望ましい光学恒数を得る観点から、10.00%以上であることが好ましく、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、17.75%以上、18.00%以上、18.25%以上、18.50%以上、18.60%以上の順により好ましく、35.00%以下であることが好ましく、32.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.50%以下、26.00%以下、25.50%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.40%以下、24.30%以下の順により好ましい。
SiOとBはガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、SiOの含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、SiOとBとの合計含有量に対するSiOの質量比(SiO/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、0.75以上、0.77以上、0.80以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下の順により好ましい。
SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)は、化学的耐久性向上の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下、0.31以下、0.30以下、0.29以下、0.28以下、0.27以下、0.26以下、0.25以下の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(B/SiO)は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超であることがより好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.35%以上、0.37%以上、0.39%以上、0.40%以上、0.41%以上、0.42%以上、0.43%以上、0.44%以上、0.45%以上、0.46%以上、0.47%以上、0.48%以上、0.49%以上の順により好ましい。また、B含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.20%以下、5.10%以下、5.00%以下、4.90%以下、4.80%以下の順により好ましい。B含有量を上記範囲とすることにより、ガラスの比重をより低減でき、また、ガラスの熱的安定性を改善できる。
CaO含有量は、ガラスの熔融性および熱的安定性向上の観点から、5.00%以上であり、5.10%以上であることが好ましく、5.20%以上、5.30%以上、5.40%以上、5.50%以上、5.60%以上、5.70%以上、5.80%以上、5.90%以上の順により好ましい。また、同様の観点から、CaO含有量は、40.00%以下であることが好ましく、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、21.50%以下、21.00%以下、20.50%以下、20.25%以下、20.00%以下、19.50%以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとZnOとの合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、10.00%以上、11.00%以上、12.00%以上、13.00%以上、13.50%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.30%以上、15.50%以上、16.00%以上の順により好ましい。また、合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.50%以下、36.00%以下、35.50%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が上記範囲であることは、より一層の低比重化、および高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの中で、MgO、CaOは、SrO、BaO、ZnOと比べてガラスの比重を抑えるうえで有効な成分である。したがって、比重の増大をより一層抑制する観点から、MgOおよびCaOの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、2.78以下であることが好ましく、2.77以下、2.76以下、2.75以下、2.74以下、2.73以下の順により好ましい。
一方、SrO、BaO、ZnOは、MgO、CaOよりも部分分散特性を改善する働きが大きい。そのため、部分分散特性を改善する観点から、質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、0.17以上であることが好ましく、0.18以上、0.19以上、0.20以上の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaO含有量の質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の高屈折率化および更なる低比重化の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.19以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaOとMgOとの合計含有量の質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の低比重化の観点からは、0.00以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.19以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOならびにZnOは、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きを有する。他方、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性および/または耐候性が低下する傾向がある。一方、SiOおよびBは、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比(SiO+B)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、0.40以上であることが好ましく、0.45以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.57以上、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上の順により好ましく、2.00以下であることが好ましく、1.80以下、1.60以下、1.55以下、1.50以下、1.45以下、1.40以下、1.35以下の順により好ましい。
MgO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、MgO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、9.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.50%以下、3.00%以下、2.50%以下、2.10%以下の順により好ましい。
SrO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.26%以上、0.27%以上、0.28%以上、0.29%以上、0.30%%以上、0.31%以上の順により好ましい。また、SrO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.50%以下、8.00%以下、7.50%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下の順により好ましい。
BaO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.70%以上、0.80%以上、0.90%以上、1.00%以上、1.10%以上、1.20%以上、1.30%以上の順により好ましい。また、BaO含有量は、25.00%以下であることが好ましく、22.00%以下、20.00%以下、19.00%以下、18.00%以下、17.00%以下、16.50%以下、16.00%以下、15.50%以下、15.25%以下、15.00%以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。高分散性およびより一層の低比重化の観点とガラスの熱的安定性および耐失透性の向上の観点から、これらガラス成分の各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
ZnO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、ZnO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。ZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。より一層の低比重化、ガラスの熱的安定性向上ならびにより望ましい光学恒数を得る観点から、ZnOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
ガラス1において、希土類酸化物であるLa、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、高屈折率化および低分散性の観点から、0%超であり、0.50%以上であることが好ましく、1.00%以上、1.33%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、3.00%以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、30.00%以下であることが好ましく、29.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.50%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
BaOと、希土類酸化物であるLa、GdおよびYとは、いずれも低分散性に寄与する(即ち、アッベ数νdを大きくする)成分であるが、これらの含有量が多くなるとガラスの比重が高くなる傾向がある。以上の観点から、ガラス1において、BaOと希土類酸化物La、GdおよびYとの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、30.00%以下であり、29.00%以下であることが好ましく、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下の順により好ましい。また、アッベ数νdをより大きくする観点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、0%超であることが好ましく、1.00%以上、2.00%以上、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、7.50%以上、8.00%以上、8.50%以上の順により好ましい。
BaOおよびLaはいずれも低分散化成分であるが、BaOはLaと比べて屈折率を高める働きが小さい。したがって、屈折率を高める観点からは、Laの含有量に対するBaOの含有量の質量比(BaO/La)は、8.30以下であることが好ましく、8.00以下、7.50以下、7.00以下、6.50以下、6.00以下、5.50以下、5.40以下、5.30以下、5.20以下、5.10以下、5.00以下、4.90以下、4.80以下、4.70以下の順により好ましい。
質量比(BaO/La)は、0であってもよく、0.00以上であってもよい。ガラスの熱的安定性の維持の観点からは、質量比(BaO/La)は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上の順により好ましい。
希土類酸化物であるLa、GdおよびYは、屈折率を高め、低分散性に寄与することができるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔解性が低下する傾向や屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.25以上、0.50以上、0.75以上、1.00以上、1.25以上、1.50以上、1.75以上、1.80以上、1.85以上の順により好ましく、7.47以下であることが好ましく、7.40以下、7.35以下、7.30以下、7.25以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、いずれもガラスの屈折率を高めることができる成分であるが、GdおよびYは、Laと比べて比重を高くする成分である。したがって、より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa含有量の質量比(La/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.75以上の順により好ましい。質量比(La/(La+Gd+Y))は、1.00以下であることができる。
同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するGd含有量の質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下の順により好ましい。質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
また、同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するY含有量の質量比(Y/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。質量比(Y/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
上記の観点から、希土類酸化物である上記成分の含有量は、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
La含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.33%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、2.75%以上、3.00%以上の順により好ましい。また、La含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
Gd含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Gd含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Y含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
Laはガラスの屈折率を高める働きを有し、Bはガラスの屈折率を低下させる傾向がある。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、B含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は、1.30以上であることが好ましく、1.35以上、1.40以上、1.45以上、1.50以上、1.55以上、1.60以上、1.65以上、1.70以上、1.72以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La/B)は、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、13.00以下、12.00以下、11.50以下、11.00以下、10.50以下、10.00以下の順により好ましい。
La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は、0.79以下であることが好ましく、0.78以下、0.77以下、0.76以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.64以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下、0.57以下、0.50以下の順により好ましい。質量比(La/B)は、0.00以上であることが好ましく、0.00超であることがより好ましい。
希土類酸化物は、ガラスの屈折率を高めることができるが、希土類酸化物の含有量が多くなると熱的安定性が低下し、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ、屈折率をより一層高める観点から、BaOとLa、GdおよびYとの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y))は1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下の順により好ましい。質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.20以上の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。一方、アルカリ土類金属酸化物はガラスの熔融性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上の順により好ましく、0.85以下であることが好ましく、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、0.41以下、0.40以下の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bはガラスの熱的安定性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量に対するB含有量の質量比(B/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、ガラスの屈折率を高く働きを有するが、これらの合計含有量が多いと熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、屈折率を低下させる傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しながら屈折率を高める観点から、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることが好ましく、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上、0.62以上、0.63以上、0.64以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La+Gd+Y/(B+La+Gd+Y))は、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは屈折率を高め、部分分散特性を改善する働きを有するが、Zr.Oの含有量が多くなると、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、Gd、YおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y+ZrO))は、0.01以上であることが好ましく、0.02以上、0.03以上、0.04以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.00以下、3.00以下、2.00以下の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは、いずれも屈折率を高める成分であるが、ZrOはLa、Gd、Yと比べて、屈折率を高める働きが大きく、分散を高くする働き(アッベ数を減少させる働き)も大きい。分散を低く維持する観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するZrOの含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、2.00以下であることが好ましく、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.25以下、1.20以下の順により好ましい。質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができ、屈折率をより高める観点からは、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上の順により好ましい。
ZrO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.65%以上の順により好ましい。また、ZrO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.40%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.50%以下、8.00%以下、7.50%以下、7.20%以下、7.10%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.90%以下の順により好ましい。ZrO含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数を実現し、また部分分散特性を改善する観点から好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。一方、La、GdおよびYは屈折率を高める働きをするが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、1.00以上、1.10以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上の順により好ましく、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、11.09以下、11.08以下、11.07以下、11.06以下、11.05以下、11.04以下、11.03以下、11.02以下、11.01以下、11.00以下の順により好ましい。
SrO、BaO、La、GdおよびYは、いずれも低分散性を維持するうえで有効な成分である。そのため、より低分散性を維持する観点から、SrO、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は9.00%以上であることが好ましく、9.50%以上、10.00%以上、10.50%以上、11.00%以上、11.50%以上、12.00%以上、12.50%以上、13.00%以上、13.50%以上、の順により好ましい。
また、より一層の低比重化の観点からは、合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は、45.00%以下であることが好ましく、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、29.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、の順により好ましい。
La、GdおよびYは、屈折率を高める働きをする成分であり、SiOはガラスの熱的安定性を維持する成分である。La、Gd、YおよびSiOの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、屈折率をより高める観点から、0.12以上であることが好ましく、0.13以上であることが更に好ましい。ガラスの熱的安定性を維持する観点からは、質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、0.70以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.49以下、0.48以下、0.47以下、0.46以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、041以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))について、分母は屈折率を高める働きが大きい成分の合計含有量であり、分子は低分散化、低比重化に有効な成分の合計含有量である。低分散性の維持、より一層の低比重化および熱的安定性の維持の観点から、質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.25以上であることが好ましく、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.42以上、0.44以上、0.46以上、0.48以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.55以上の順により好ましい。質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.20以下であることが好ましく、1.19以下、1.18以下、1.17以下、1.16以下、1.15以下、1.14以下、1.13以下、1.12以下、1.11以下、1.10以下、1.09以下、1.08以下、1.07以下、1.06以下、1.05以下、1.04以下、1.03以下、1.02以下、1.01以下の順により好ましい。
屈折率を高める成分であるZrO、TiO、Nb、Ta、WO、Biの中で、ZrOは、分散を高める作用が比較的小さい。そのため、より低分散性を維持する観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましい。ガラスの熱的安定性の維持、ガラスを加熱、軟化してプレス成形する際の耐失透性(再加熱プレス成形時の安定性:リヒートプレス成形性とも言う)の維持の観点からは、質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.21以下であることが好ましく、0.20以下、0.19以下、0.18以下、0.17以下、0.16以下、0.15以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOは、部分分散特性を改善する働きを有し、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きも有する。これらの観点から、LiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.28%以上の順により好ましい。化学的耐久性および耐候性の向上の観点からは、合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、20.00%以下であることが好ましく、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下、4.50%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、ガラスの熔融性および熱的安定性を維持することに寄与できるが、これらの含有量が多くなるとガラスの熔融性および熱的安定性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性や熱的安定性を維持する観点からは、アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOとアルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、18.00%以上、18.50%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、48.00%以下、46.00%以下、44.00%以下、43.00%以下、42.00%以下、41.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.00%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きがあるが、ガラスのネットワーク形成成分に対するこれらの含有量が多くなると、化学的耐久性および耐候性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。これらの観点から、SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.58以上、0.60以上、0.62以上、0.64以上、0.66以上、0.68以上、0.70以上、0.72以上、0.74以上、0.75以上、0.76以上、0.77以上、0.78以上、0.79以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.50以下、4.00以下、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.65以下、1.60以下の順により好ましい。
LiO、NaOおよびKOの中で、LiOは最も屈折率を低下させにくい成分である。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するLiO含有量の質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.45以上の順により好ましい。質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、例えば、1.00以下であることができる。
LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熔融温度や液相温度を高めずにガラスの比抵抗を高めて通電加熱を容易にすることができる成分である。また、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善できる成分であるため、より低温でガラスを溶融状態に保つことができる。つまりガラスの熔融性を改善する働きを有する。他方でLiO、NaOおよびKOは、少量を導入することによりガラスの溶解温度を低下させ、他の高融点成分の融解を促進するものの、これらの合計含有量が多くなるとガラスの熔融状態における比抵抗が低下して通電加熱の効率が低下する傾向がある。また、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスの粘性が低下し、熱的安定性も悪化するため、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。更には、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスは高分散化の傾向を示す。したがって、より望ましい熔解性および光学特性を得る観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するLiO、NaO、KOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましく、4.00以下であることが好ましく、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.50以下、1.00以下、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、熱的安定性の維持および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。熔融性の維持および/または部分分散比を減少させて高次の色収差補正に好適なガラスを提供する観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましい。
LiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上の順により好ましい。また、LiO含有量は、14.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下の順により好ましい。LiOの含有量を上記囲とすることは、より望ましい光学恒数を実現する観点から好ましく、また化学的耐久性、耐候性、再加熱時の安定性を保持する観点から好ましい。
NaO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、NaO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、の順により好ましい。NaOの含有量を上記範囲とすることは、部分分散特性改善の観点から好ましい。
O含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、KO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。KOの含有量を上記範囲とすることは、ガラスの熱的安定性向上の観点から好ましい。
CsO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましく、0%でもよい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、より一層の高屈折率化の観点から、30.00%以上であることが好ましく、31.00%以上、32.00%以上、33.00%以上、34.00%以上、35.00%以上、36.00%以上、36.50%以上、37.00%以上、37.55%以上の順により好ましい。より一層の低比重化および熱的安定性向上の観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、51.00%以下、50.00%以下、49.50%以下、49.00%以下、48.50%以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、比重の増加を抑えつつ屈折率の高いガラスを得る観点から、0.75以下である。上記に加えて望ましいアッベ数νdを実現する観点、部分分散特性改善の観点および耐失透性向上の観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.16以上であることが好ましく、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上、0.39以上、0.40以上、0.41以上、0.42以上の順により好ましく、0.75以下であることが好ましく、0.74以下、0.73以下、0.72以下、0.71以下、0.70以下、0.69以下、0.68以下、0.67以下、0.66以下、0.65以下、0.64以下の順により好ましい。
SiOおよびBは屈折率を低下させ、分散を低下させる(アッベ数を増加させる)働きがある。一方、TiO、Nb、Ta、WO、Bi、ZrOは高屈折率高分散化成分である。より屈折率を高める観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.64以下であることが好ましく、0.63以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下の順により好ましい。
一方、高分散化を抑制する観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.13以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上、0.33以上、0.34以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性および透過率改善の観点からは、0.00以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましい。ガラスの熱的安定性および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.67以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向があり、ガラスがより低分散性になる傾向がある。一方、TiO、Nb、WOおよびBiは、屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.09以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.66以下であることが好ましく、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.88以下の順により好ましい。
分散性への寄与に関して、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiとLa、GdおよびYとを対比すると、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiはガラスをより低分散性にする傾向があり、La、GdおよびYはガラスをより高分散性にする傾向がある。望ましい分散性を得る観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTiO含有量の質量比(TiO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.73以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するNb含有量の質量比(Nb/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTa含有量の質量比(Ta/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、ガラスの原料コスト低減およびより一層の低比重化の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
高屈折率高分散化成分であるTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの中で、WOおよびBiは比重を高める働きが大きい。したがって、より一層の低比重化の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するWO含有量の質量比(WO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
同様の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するBi含有量の質量比(Bi/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
LiO、La、Gd、Y、ZrO、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiは屈折率を高める働きを有する。一方、SiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは屈折率を低下させる傾向がある。より一層の高屈折率化の観点からは、LiO、La、Gd、Y、ZrO、TiO、NbO5、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの質量比((SiO+B+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+La+Gd+Y+ZrO+TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.12以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上、0.50以上、0.55以上の順により好ましく、2.83以下であることが好ましく、2.80以下、2.60以下、2.40以下、2.20以下、2.00以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.26以下、1.25以下、1.24以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOは、ガラスの屈折率を高める働きを有するが、ZrO含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましく、0.17以下であることが好ましく、0.16以下、0.15以下、0.14以下、0.13以下の順により好ましい。
TiO、Nb、WOおよびZnOは屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらを多く含む場合、ガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、ガラスをより低分散性にする傾向があり、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらを多く含む場合、屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、WOおよびZnOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO)/(TiO+Nb+WO+ZnO))は、0.10以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.50以下であることが好ましく、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.87以下の順により好ましい。
TiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、3.00%以上、3.50%以上、4.00%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、45.0%以下、40.00%以下、38.00%以下、36.00%以下、36.00%以下、34.00%以下、32.00%以下、31.00%以下、30.00%以下、29.50%以下、29.00%以下の順により好ましい。TiOの含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現し、またガラスの原料コストを低減する観点から好ましい。
Nb含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、1.00%以上、2.00%以上、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、8.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、10.50%以上の順により好ましい。また、Nb含有量は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、50.00%以下、49.00%以下、48.00%以下、47.00%以下、46.00%以下、45.00%以下、44.00%以下の順により好ましい。Nb含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現、より一層の低比重化および部分分散特性の改善の観点から好ましい。
Ta含有量は、0.00%以上であることができる。また、Ta含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Ta含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、熔融性向上およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
WO含有量は、0.00%以上であることができる。また、WO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。WO含有量が上記範囲であることは、ガラスの透過率向上、部分分散特性改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
Bi含有量は、0.00%以上であることができる。また、Bi含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Bi含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、部分分散特性の改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
GeOは、屈折率を高める働きをするが、非常に高価な成分である。ガラスの製造コストを抑える観点から、GeO含有量は、0.00%以上であることができ、2.00%以下であることが好ましく、1.50%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。
ガラス1ならびに詳細を後述するガラス2および3は、更に、上記成分に加えて、P、Al等の一種以上を含むこともできる。
含有量は、0.00%以上であることができ、好ましくは10.00%以下であり、8.00%以下、6.00%以下、4.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。P含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上および部分分散特性改善の観点から好ましい。
Al含有量は、0.00%以上であることができ、好ましくは10.00%以下であり、8.00%以下、6.00%以下、4.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Al含有量が上記範囲であることは、ガラスの耐失透性および熱的安定性向上の観点から好ましい。
Pb、As、Cd、Tl、Be、Seは、それぞれ毒性を有する。そのため、これらの元素を含有させないこと、すなわち、これら元素をガラス成分としてガラス中に導入しないことが好ましい。
U、Th、Raはいずれも放射性元素である。そのため、これらの元素を含有させないこと、すなわち、これら元素をガラス成分としてガラス中に導入しないことかが好ましい。
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ceは、ガラスの着色を増大させたり、蛍光の発生源となり、光学素子用のガラスに含有させる元素としては好ましくない。そのため、これらの元素を含有させないこと、すなわち、これら元素をガラス成分としてガラス中に導入しないことが好ましい。
Sb、Snは清澄剤として機能する任意に添加可能な元素である。
Sbの添加量は、Sbに換算し、Sb以外のガラス成分の含有量の合計を100質量%としたとき、0~0.11質量%の範囲にすることが好ましく、0.01~0.08質量%の範囲にすることがより好ましく、0.02~0.05質量%の範囲にすることが更に好ましい。
Snの添加量は、SnOに換算し、SnO以外のガラス成分の含有量の合計を100質量%としたとき、0~0.50質量%の範囲にすることが好ましく、0~0.20質量%の範囲にすることがより好ましく、0質量%の範囲にすることが更に好ましい。
<ガラス2のガラス組成>
以下、ガラス2のガラス組成について、更に詳細に説明する。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分として、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性および耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。以上の観点から、ガラス2のSiO含有量は、10.00%以上であり、11.00%以上であることが好ましく、12.00%以上、13.00%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.50%以上、16.00%以上、16.50%以上、16.60%以上の順により好ましい。ガラスの耐失透性向上、熔融性の向上および部分分散特性改善の観点からは、SiO含有量は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下、22.75%以下、22.50%以下、22.00%以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量(SiO+B)は、ガラスの熱的安定性の向上、より一層の低比重化およびより望ましい光学恒数を得る観点から、10.00%以上であることが好ましく、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、17.75%以上、18.00%以上、18.25%以上、18.50%以上、18.60%以上の順により好ましく、35.00%以下であることが好ましく、32.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.50%以下、26.00%以下、25.50%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.40%以下、24.30%以下の順により好ましい。
SiOとBはガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、SiOの含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、SiOとBとの合計含有量に対するSiOの質量比(SiO/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、0.75以上、0.77以上、0.80以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下の順により好ましい。
SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)は、化学的耐久性向上の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下、0.31以下、0.30以下、0.29以下、0.28以下、0.27以下、0.26以下、0.25以下の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(B/SiO)は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超であることがより好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.35%以上、0.37%以上、0.39%以上、0.40%以上、0.41%以上、0.42%以上、0.43%以上、0.44%以上、0.45%以上、0.46%以上、0.47%以上、0.48%以上、0.49%以上の順により好ましい。また、B含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.20%以下、5.10%以下、5.00%以下、4.90%以下、4.80%以下の順により好ましい。B含有量を上記範囲とすることにより、ガラスの比重をより低減でき、また、ガラスの熱的安定性を改善できる。
CaO含有量は、ガラスの熔融性および熱的安定性向上の観点から、5.00%以上であり、5.10%以上であることが好ましく、5.20%以上、5.30%以上、5.40%以上、5.50%以上、5.60%以上、5.70%以上、5.80%以上、5.90%以上の順により好ましい。また、同様の観点から、CaO含有量は、40.00%以下であることが好ましく、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、21.50%以下、21.00%以下、20.50%以下、20.25%以下、20.00%以下、19.50%以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとZnOとの合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、10.00%以上、11.00%以上、12.00%以上、13.00%以上、13.50%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.30%以上、15.50%以上、16.00%以上の順により好ましい。また、合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.50%以下、36.00%以下、35.50%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が上記範囲であることは、より一層の低比重化、および高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの中で、MgO、CaOは、SrO、BaO、ZnOと比べてガラスの比重を抑えるうえで有効な成分である。したがって、比重の増大をより一層抑制する観点から、MgOおよびCaOの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、2.78以下であることが好ましく、2.77以下、2.76以下、2.75以下、2.74以下、2.73以下の順により好ましい。
一方、SrO、BaO、ZnOは、MgO、CaOよりも部分分散特性を改善する働きが大きい。そのため、部分分散特性を改善する観点から、質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、0.17以上であることが好ましく、0.18以上、0.19以上、0.20以上の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaO含有量の質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の高屈折率化および更なる低比重化の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.19以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaOとMgOとの合計含有量の質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の低比重化の観点からは、0.00以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.19以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOならびにZnOは、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きを有する。他方、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性および/または耐候性が低下する傾向がある。一方、SiOおよびBは、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比(SiO+B)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、0.40以上であることが好ましく、0.45以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.57以上、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上の順により好ましく、2.00以下であることが好ましく、1.80以下、1.60以下、1.55以下、1.50以下、1.45以下、1.40以下、1.35以下の順により好ましい。
MgO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、MgO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、9.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.50%以下、3.00%以下、2.50%以下、2.10%以下の順により好ましい。
SrO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.26%以上、0.27%以上、0.28%以上、0.29%以上、0.30%%以上、0.31%以上の順により好ましい。また、SrO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.50%以下、8.00%以下、7.50%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下の順により好ましい。
BaO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.70%以上、0.80%以上、0.90%以上、1.00%以上、1.10%以上、1.20%以上、1.30%以上の順により好ましい。また、BaO含有量は、25.00%以下であることが好ましく、22.00%以下、20.00%以下、19.00%以下、18.00%以下、17.00%以下、16.50%以下、16.00%以下、15.50%以下、15.25%以下、15.00%以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。高分散性およびより一層の低比重化の観点とガラスの熱的安定性および耐失透性の向上の観点から、これらガラス成分の各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
ZnO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、ZnO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。ZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。より一層の低比重化、ガラスの熱的安定性向上ならびにより望ましい光学恒数を得る観点から、ZnOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
ガラス2において、希土類酸化物であるLa、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、高屈折率化および低分散性の観点から、2.96%以上であり、2.97%以上であることが好ましく、2.98%以上、2.99%以上、3.00%以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、30.00%以下であることが好ましく、29.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.50%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
BaOと、希土類酸化物であるLa、GdおよびYとは、いずれも低分散性に寄与する(即ち、アッベ数νdを大きくする)成分であるが、これらの含有量が多くなるとガラスの比重が高くなる傾向がある。以上の観点から、ガラス2において、BaOと希土類酸化物La、GdおよびYとの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、30.00%以下であり、29.00%以下であることが好ましく、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下の順により好ましい。また、アッベ数νdをより大きくする観点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、2.96%以上であることが好ましく、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、7.50%以上、8.00%以上、8.50%以上の順により好ましい。
BaOおよびLaはいずれも低分散化成分であるが、BaOはLaと比べて屈折率を高める働きが小さい。したがって、屈折率を高める観点からは、Laの含有量に対するBaOの含有量の質量比(BaO/La)は、8.30以下であることが好ましく、8.00以下、7.50以下、7.00以下、6.50以下、6.00以下、5.50以下、5.40以下、5.30以下、5.20以下、5.10以下、5.00以下、4.90以下、4.80以下、4.70以下の順により好ましい。
質量比(BaO/La)は、0であってもよく、0.00以上であってもよい。ガラスの熱的安定性の維持の観点からは、質量比(BaO/La)は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上の順により好ましい。
希土類酸化物であるLa、GdおよびYは、屈折率を高め、低分散性に寄与することができるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔解性が低下する傾向や屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.25以上、0.50以上、0.75以上、1.00以上、1.25以上、1.50以上、1.75以上、1.80以上、1.85以上の順により好ましく、7.47以下であることが好ましく、7.40以下、7.35以下、7.30以下、7.25以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、いずれもガラスの屈折率を高めることができる成分であるが、GdおよびYは、Laと比べて比重を高くする成分である。したがって、より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa含有量の質量比(La/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.75以上の順により好ましい。質量比(La/(La+Gd+Y))は、1.00以下であることができる。
同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するGd含有量の質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下の順により好ましい。質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
また、同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するY含有量の質量比(Y/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。質量比(Y/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
上記の観点から、希土類酸化物である上記成分の含有量は、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
La含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.33%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、2.75%以上、3.00%以上の順により好ましい。また、La含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
Gd含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Gd含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Y含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
Laはガラスの屈折率を高める働きを有し、Bはガラスの屈折率を低下させる傾向がある。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、B含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は、1.30以上であることが好ましく、1.35以上、1.40以上、1.45以上、1.50以上、1.55以上、1.60以上、1.65以上、1.70以上、1.72以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La/B)は、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、13.00以下、12.00以下、11.50以下、11.00以下、10.50以下、10.00以下の順により好ましい。
La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は、0.79以下であることが好ましく、0.78以下、0.77以下、0.76以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.64以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下、0.57以下、0.50以下の順により好ましい。質量比(La/B)は、0.00以上であることが好ましく、0.00超であることがより好ましい。
希土類酸化物は、ガラスの屈折率を高めることができるが、希土類酸化物の含有量が多くなると熱的安定性が低下し、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ、屈折率をより一層高める観点から、BaOとLa、GdおよびYとの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y)]は1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下の順により好ましい。質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.20以上の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。一方、アルカリ土類金属酸化物はガラスの熔融性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上の順により好ましく、0.85以下であることが好ましく、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、0.41以下、0.40以下の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bはガラスの熱的安定性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量に対するB含有量の質量比(B/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、ガラスの屈折率を高く働きを有するが、これらの合計含有量が多いと熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、屈折率を低下させる傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しながら屈折率を高める観点から、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることが好ましく、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上、0.62以上、0.63以上、0.64以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La+Gd+Y/(B+La+Gd+Y))は、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは屈折率を高め、部分分散特性を改善する働きを有するが、ZrOの含有量が多くなると、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、Gd、YおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y+ZrO))は、0.01以上であることが好ましく、0.02以上、0.03以上、0.04以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.00以下、3.00以下、2.00以下の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは、いずれも屈折率を高める成分であるが、ZrOはLa、Gd、Yと比べて、屈折率を高める働きが大きく、分散を高くする働き(アッベ数を減少させる働き)も大きい。分散を低く維持する観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するZrOの含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、2.00以下であることが好ましく、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.25以下、1.20以下の順により好ましい。質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができ、屈折率をより高める観点からは、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上の順により好ましい。
ZrO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.65%以上の順により好ましい。また、ZrO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.40%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.50%以下、8.00%以下、7.50%以下、7.20%以下、7.10%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.90%以下の順により好ましい。ZrO含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数を実現し、また部分分散特性を改善する観点から好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。一方、La、GdおよびYは屈折率を高める働きをするが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、1.00以上、1.10以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上の順により好ましく、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、11.09以下、11.08以下、11.07以下、11.06以下、11.05以下、11.04以下、11.03以下、11.02以下、11.01以下、11.00以下の順により好ましい。
SrO、BaO、La、GdおよびYは、いずれも低分散性を維持するうえで有効な成分である。そのため、より低分散性を維持する観点から、SrO、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は9.00%以上であることが好ましく、9.50%以上、10.00%以上、10.50%以上、11.00%以上、11.50%以上、12.00%以上、12.50%以上、13.00%以上、13.50%以上、の順により好ましい。
また、より一層の低比重化の観点からは、合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は、45.00%以下であることが好ましく、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、29.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、の順により好ましい。
La、GdおよびYは、屈折率を高める働きをする成分であり、SiOはガラスの熱的安定性を維持する成分である。La、Gd、YおよびSiOの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、屈折率をより高める観点から、0.12以上であることが好ましく、0.13以上であることが更に好ましい。ガラスの熱的安定性を維持する観点からは、質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、0.70以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.49以下、0.48以下、0.47以下、0.46以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、041以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))について、分母は屈折率を高める働きが大きい成分の合計含有量であり、分子は低分散化、低比重化に有効な成分の合計含有量である。低分散性の維持、低比重化および熱的安定性の維持の観点から、質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.09未満であり、1.08以下であることが好ましく、1.07以下、1.06以下、1.05以下、1.04以下、1.03以下、1.02以下、1.01以下の順により好ましい。また、上記観点から、質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.25以上であることが好ましく、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.42以上、0.44以上、0.46以上、0.48以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.55以上の順により好ましい。
屈折率を高める成分であるZrO、TiO、Nb、Ta、WO、Biの中で、ZrOは、分散を高める作用が比較的小さい。そのため、より低分散性を維持する観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましい。ガラスの熱的安定性の維持、ガラスを加熱、軟化してプレス成形する際の耐失透性(再加熱プレス成形時の安定性:リヒートプレス成形性とも言う)の維持の観点からは、質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.21以下であることが好ましく、0.20以下、0.19以下、0.18以下、0.17以下、0.16以下、0.15以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOは、部分分散特性を改善する働きを有し、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きも有する。これらの観点から、LiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.28%以上の順により好ましい。化学的耐久性および耐候性の向上の観点からは、合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、20.00%以下であることが好ましく、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下、4.50%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、ガラスの熔融性および熱的安定性を維持することに寄与できるが、これらの含有量が多くなるとガラスの熔融性および熱的安定性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性や熱的安定性を維持する観点からは、アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOとアルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、18.00%以上、18.50%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、48.00%以下、46.00%以下、44.00%以下、43.00%以下、42.00%以下、41.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.00%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きがあるが、ガラスのネットワーク形成成分に対するこれらの含有量が多くなると、化学的耐久性および耐候性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。これらの観点から、SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.58以上、0.60以上、0.62以上、0.64以上、0.66以上、0.68以上、0.70以上、0.72以上、0.74以上、0.75以上、0.76以上、0.77以上、0.78以上、0.79以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.50以下、4.00以下、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.65以下、1.60以下の順により好ましい。
LiO、NaOおよびKOの中で、LiOは最も屈折率を低下させにくい成分である。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するLiO含有量の質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.45以上の順により好ましい。質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、例えば、1.00以下であることができる。
LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熔融温度や液相温度を高めずにガラスの比抵抗を高めて通電加熱を容易にすることができる成分である。また、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善できる成分であるため、より低温でガラスを溶融状態に保つことができる。つまりガラスの熔融性を改善する働きを有する。他方でLiO、NaOおよびKOは、少量を導入することによりガラスの溶解温度を低下させ、他の高融点成分の融解を促進するものの、これらの合計含有量が多くなるとガラスの熔融状態における比抵抗が低下して通電加熱の効率が低下する傾向がある。また、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスの粘性が低下し、熱的安定性も悪化するため、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。更には、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスは高分散化の傾向を示す。したがって、より望ましい熔解性および光学特性を得る観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するLiO、NaO、KOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましく、4.00以下であることが好ましく、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.50以下、1.00以下、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、熱的安定性の維持および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。熔融性の維持および/または部分分散比を減少させて高次の色収差補正に好適なガラスを提供する観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましい。
LiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上の順により好ましい。また、LiO含有量は、14.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下の順により好ましい。LiOの含有量を上記囲とすることは、より望ましい光学恒数を実現する観点から好ましく、また化学的耐久性、耐候性、再加熱時の安定性を保持する観点から好ましい。
NaO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、NaO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、の順により好ましい。NaOの含有量を上記範囲とすることは、部分分散特性改善の観点から好ましい。
O含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、KO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。KOの含有量を上記範囲とすることは、ガラスの熱的安定性向上の観点から好ましい。
CsO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましく、0%でもよい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、より一層の高屈折率化の観点から、30.00%以上であることが好ましく、31.00%以上、32.00%以上、33.00%以上、34.00%以上、35.00%以上、36.00%以上、36.50%以上、37.00%以上、37.55%以上の順により好ましい。より一層の低比重化および熱的安定性向上の観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、51.00%以下、50.00%以下、49.50%以下、49.00%以下、48.50%以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、比重の増加を抑えつつ屈折率の高いガラスを得る観点から、0.75以下である。上記に加えて望ましいアッベ数νdを実現する観点、部分分散特性改善の観点および耐失透性向上の観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.16以上であることが好ましく、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上、0.39以上、0.40以上、0.41以上、0.42以上の順により好ましく、0.75以下であることが好ましく、0.74以下、0.73以下、0.72以下、0.71以下、0.70以下、0.69以下、0.68以下、0.67以下、0.66以下、0.65以下、0.64以下の順により好ましい。
SiOおよびBは屈折率を低下させ、分散を低下させる(アッベ数を増加させる)働きがある。一方、TiO、Nb、Ta、WO、Bi、ZrOは高屈折率高分散化成分である。より屈折率を高める観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.64以下であることが好ましく、0.63以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下の順により好ましい。
一方、高分散化を抑制する観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.13以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上、0.33以上、0.34以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性および透過率改善の観点からは、0.00以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましい。ガラスの熱的安定性および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.67以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向があり、ガラスがより低分散性になる傾向がある。一方、TiO、Nb、WOおよびBiは、屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.09以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.66以下であることが好ましく、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.88以下の順により好ましい。
分散性への寄与に関して、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiとLa、GdおよびYとを対比すると、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiはガラスをより低分散性にする傾向があり、La、GdおよびYはガラスをより高分散性にする傾向がある。望ましい分散性を得る観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTiO含有量の質量比(TiO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.73以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するNb含有量の質量比(Nb/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTa含有量の質量比(Ta/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、ガラスの原料コスト低減およびより一層の低比重化の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
高屈折率高分散化成分であるTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの中で、WOおよびBiは比重を高める働きが大きい。したがって、より一層の低比重化の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するWO含有量の質量比(WO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
同様の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するBi含有量の質量比(Bi/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
LiO、La、Gd、Y、ZrO、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiは屈折率を高める働きを有する。一方、SiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは屈折率を低下させる傾向がある。より一層の高屈折率化の観点からは、LiO、La、Gd、Y、ZrO、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの質量比((SiO+B+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+La+Gd+Y+ZrO+TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.12以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上、0.50以上、0.55以上の順により好ましく、2.83以下であることが好ましく、2.80以下、2.60以下、2.40以下、2.20以下、2.00以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.26以下、1.25以下、1.24以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOは、ガラスの屈折率を高める働きを有するが、ZrO含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましく、0.17以下であることが好ましく、0.16以下、0.15以下、0.14以下、0.13以下の順により好ましい。
TiO、Nb、WOおよびZnOは屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらを多く含む場合、ガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、ガラスをより低分散性にする傾向があり、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらを多く含む場合、屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、WOおよびZnOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO)/(TiO+Nb+WO+ZnO))は、0.10以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.50以下であることが好ましく、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.87以下の順により好ましい。
TiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、3.00%以上、3.50%以上、4.00%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、45.0%以下、40.00%以下、38.00%以下、36.00%以下、36.00%以下、34.00%以下、32.00%以下、31.00%以下、30.00%以下、29.50%以下、29.00%以下の順により好ましい。TiOの含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現し、またガラスの原料コストを低減する観点から好ましい。
Nb含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、1.00%以上、2.00%以上、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、8.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、10.50%以上の順により好ましい。また、Nb含有量は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、50.00%以下、49.00%以下、48.00%以下、47.00%以下、46.00%以下、45.00%以下、44.00%以下の順により好ましい。Nb含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現、より一層の低比重化および部分分散特性の改善の観点から好ましい。
Ta含有量は、0.00%以上であることができる。また、Ta含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Ta含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、熔融性向上およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
WO含有量は、0.00%以上であることができる。また、WO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。WO含有量が上記範囲であることは、ガラスの透過率向上、部分分散特性改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
Bi含有量は、0.00%以上であることができる。また、Bi含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Bi含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、部分分散特性の改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
GeOは、屈折率を高める働きをするが、非常に高価な成分である。ガラスの製造コストを抑える観点から、GeO含有量は、0.00%以上であることができ、2.00%以下であることが好ましく、1.50%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。
<ガラス3のガラス組成>
以下、ガラス3のガラス組成について、更に詳細に説明する。
ZrO含有量は、望ましい光学恒数の実現および部分分散特性改善の観点から、7.63%以下であり、7.63%未満であることが好ましく、7.60以下、7.50以下、7.40以下、7.30以下、7.20以下、7.10以下、7.00以下、6.90以下、6.80以下、6.70以下、6.60以下、6.50以下、6.40以下、6.30以下、6.20以下、6.10以下、6.00以下、5.95以下、5.90以下の順により好ましい。また、ZrO含有量は、より望ましい光学恒数の実現および部分分散特性の更なる改善の観点から、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.65%以上の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは、いずれも屈折率を高める成分であるが、ZrOはLa、Gd、Yと比べて、屈折率を高める働きが大きく、分散を高くする働き(アッベ数を減少させる働き)も大きい。分散を低く維持する観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するZrOの含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、3.30以下であり、3.00以下であることが好ましく、2.90以下、2.80以下、2.70以下、2.60以下、2.50以下、2.40以下、2.30以下、2.20以下、2.10以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.25以下の順により好ましい。質量比(ZrO/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができ、屈折率をより高める観点からは、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上の順により好ましい。
SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)は、化学的耐久性向上の観点から、1.00未満であり、0.90以下であることが好ましく、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下、0.31以下、0.30以下、0.29以下、0.28以下、0.27以下、0.26以下、0.25以下の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(B/SiO)は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))について、分母は屈折率を高める働きが大きい成分の合計含有量であり、分子は低分散化、低比重化に有効な成分の合計含有量である。高屈折率化、低分散性の維持、低比重化および熱的安定性の維持の観点から、質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.09以下であり、1.08以下であることが好ましく、1.07以下、1.06以下、1.05以下、1.04以下、1.03以下、1.02以下、1.01以下の順により好ましい。また、更なる高屈折率化、より一層の低分散性の維持および更なる低比重化の観点から、質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.25以上であることが好ましく、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.42以上、0.44以上、0.46以上、0.48以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.55以上の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの中で、MgO、CaOは、SrO、BaO、ZnOと比べてガラスの比重を抑えるうえで有効な成分である。したがって、比重の増大を抑制する観点から、MgOおよびCaOの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、1.98以下であり、1.96以下であることが好ましく、1.94以下、1.92以下、1.90以下、1.88以下、1.86以下、1.85以下、1.84以下、1.83以下、1.82以下、1.81以下、1.80以下、1.79以下、1.78以下の順により好ましい。
一方、SrO、BaO、ZnOは、MgO、CaOよりも低分散化する働きが大きい。そのため、低分散性を維持する観点から、質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、0.17以上であることが好ましく、0.18以上、0.19以上、0.20以上の順により好ましい。
ガラス3のガラス組成について、以下に更に詳細に説明する。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分として、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性および耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する必須成分である。以上の観点から、SiO含有量は、質量%表示でBとPの合計含有量よりも多いことが好ましい。ガラス3は、ケイ酸塩ガラスであることが好ましい。ガラス3のSiO含有量は、8.0%以上であることが好ましく、10.00%以上、11.00%以上、12.00%以上、13.00%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.50%以上、16.00%以上、16.50%以上、16.60%以上の順により好ましい。
ガラスの耐失透性向上、熔融性の向上および部分分散特性改善の観点からは、SiO含有量は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下、22.75%以下、22.50%以下、22.00%以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量(SiO+B)は、ガラスの熱的安定性の向上、より一層の低比重化およびより望ましい光学恒数を得る観点から、10.00%以上であることが好ましく、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、17.75%以上、18.00%以上、18.25%以上、18.50%以上、18.60%以上の順により好ましく、35.00%以下であることが好ましく、32.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.50%以下、26.00%以下、25.50%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.40%以下、24.30%以下の順により好ましい。
SiOとBはガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、SiOの含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、SiOとBとの合計含有量に対するSiOの質量比(SiO/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.55以上、0.60以上、0.65以上、0.70以上、0.75以上、0.77以上、0.80以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超であることがより好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.35%以上、0.37%以上、0.39%以上、0.40%以上、0.41%以上、0.42%以上、0.43%以上、0.44%以上、0.45%以上、0.46%以上、0.47%以上、0.48%以上、0.49%以上の順により好ましい。また、B含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.20%以下、5.10%以下、5.00%以下、4.90%以下、4.80%以下の順により好ましい。B含有量を上記範囲とすることにより、ガラスの比重をより低減でき、また、ガラスの熱的安定性を改善できる。
CaO含有量は、ガラスの熔融性および熱的安定性向上の観点から、3.00%以上であることが好ましく、4.00%以上であることがより好ましく、5.00%以上、5.10%、5.20%以上、5.30%以上、5.40%以上、5.50%以上、5.60%以上、5.70%以上、5.80%以上、5.90%以上の順により好ましい。また、同様の観点から、CaO含有量は、40.00%以下であることが好ましく、35.00%以下、30.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、21.50%以下、21.00%以下、20.50%以下、20.25%以下、20.00%以下、19.50%以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとZnOとの合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、10.00%以上、11.00%以上、12.00%以上、13.00%以上、13.50%以上、14.00%以上、14.50%以上、15.00%以上、15.30%以上、15.50%以上、16.00%以上の順により好ましい。また、合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、50.00%以下であることが好ましく、45.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.50%以下、36.00%以下、35.50%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。合計含有量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)が上記範囲であることは、より一層の低比重化、および高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの中で、MgO、CaOは、SrO、BaO、ZnOと比べてガラスの比重を抑えるうえで有効な成分である。したがって、比重の増大をより一層抑制する観点から、MgOおよびCaOの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、2.78以下であることが好ましく、2.77以下、2.76以下、2.75以下、2.74以下、2.73以下の順により好ましい。
一方、SrO、BaO、ZnOは、MgO、CaOよりも部分分散特性を改善する働きが大きい。そのため、部分分散特性を改善する観点から、質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))は、0.17以上であることが好ましく、0.18以上、0.19以上、0.20以上の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaO含有量の質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の高屈折率化および更なる低比重化の観点から、0.35以上であることが好ましく、0.36以上、0.37以上、0.38以上、0.39以上、0.40以上、0.41以上、0.42以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaOとMgOとの合計含有量の質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、より一層の低比重化の観点からは、0.35以上であることが好ましく、0.36以上、0.37以上、0.38以上、0.39以上、0.40以上、0.41以上、0.42以上の順により好ましい。熱的安定性向上の観点からは、質量比((CaO+MgO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、1.00以下であることが好ましく、0.95以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下、0.84以下、0.83以下の順により好ましい。
アルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOならびにZnOは、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きを有する。他方、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性および/または耐候性が低下する傾向がある。一方、SiOおよびBは、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比(SiO+B)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)は、0.40以上であることが好ましく、0.45以上、0.50以上、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.57以上、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上の順により好ましく、2.00以下であることが好ましく、1.80以下、1.60以下、1.55以下、1.50以下、1.45以下、1.40以下、1.35以下の順により好ましい。
MgO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、MgO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、9.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.50%以下、3.00%以下、2.50%以下、2.10%以下の順により好ましい。
SrO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.26%以上、0.27%以上、0.28%以上、0.29%以上、0.30%以上、0.31%以上の順により好ましい。また、SrO含有量は、15.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.50%以下、8.00%以下、7.50%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下の順により好ましい。
BaO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.10%以上、0.20%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上、0.70%以上、0.80%以上、0.90%以上、1.00%以上、1.10%以上、1.20%以上、1.30%以上の順により好ましい。また、BaO含有量は、25.00%以下であることが好ましく、22.00%以下、20.00%以下、19.00%以下、18.00%以下、17.00%以下、16.50%以下、16.00%以下、15.50%以下、15.25%以下、15.00%以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。高分散性およびより一層の低比重化の観点とガラスの熱的安定性および耐失透性の向上の観点から、これらガラス成分の各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
ZnO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、ZnO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。ZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。より一層の低比重化、ガラスの熱的安定性向上ならびにより望ましい光学恒数を得る観点から、ZnOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
ガラス3において、希土類酸化物であるLa、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、高屈折率化および低分散性の観点から、0%超であることが好ましく、0.50%以上であることが好ましく、1.00%以上、1.33%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、3.00%以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)は、30.00%以下であることが好ましく、29.00%以下、28.00%以下、26.00%以下、24.00%以下、22.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.50%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
BaOと、希土類酸化物であるLa、GdおよびYとは、いずれも低分散性に寄与する(即ち、アッベ数νdを大きくする)成分であるが、これらの含有量が多くなるとガラスの比重が高くなる傾向がある。以上の観点から、ガラス3において、BaOと希土類酸化物La、GdおよびYとの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、30.00%以下であることが好ましく、29.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、24.50%以下、24.00%以下、23.50%以下、23.00%以下の順により好ましい。また、アッベ数νdをより大きくする観点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)は、0%超であることが好ましく、1.00%以上、2.00%以上、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、7.50%以上、8.00%以上、8.50%以上の順により好ましい。
BaOおよびLaはいずれも低分散化成分であるが、BaOはLaと比べて屈折率を高める働きが小さい。したがって、屈折率を高める観点からは、Laの含有量に対するBaOの含有量の質量比(BaO/La)は、8.30以下であることが好ましく、8.00以下、7.50以下、7.00以下、6.50以下、6.00以下、5.50以下、5.40以下、5.30以下、5.20以下、5.10以下、5.00以下、4.90以下、4.80以下、4.70以下の順により好ましい。
質量比(BaO/La)は、0であってもよく、0.00以上であってもよい。ガラスの熱的安定性の維持の観点からは、質量比(BaO/La)は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上の順により好ましい。
希土類酸化物であるLa、GdおよびYは、屈折率を高め、低分散性に寄与することができるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔解性が低下する傾向や屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.25以上、0.50以上、0.75以上、1.00以上、1.25以上、1.50以上、1.75以上、1.80以上、1.85以上の順により好ましく、7.47以下であることが好ましく、7.40以下、7.35以下、7.30以下、7.25以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、いずれもガラスの屈折率を高めることができる成分であるが、GdおよびYは、Laと比べて比重を高くする成分である。したがって、より一層の低比重化の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa含有量の質量比(La/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.75以上の順により好ましい。質量比(La/(La+Gd+Y))は、1.00以下であることができる。
同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するGd含有量の質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下の順により好ましい。質量比(Gd/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
また、同様の観点からは、La、GdおよびYの合計含有量に対するY含有量の質量比(Y/(La+Gd+Y))は、1.00未満であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。質量比(Y/(La+Gd+Y))は、0.00以上であることができる。
上記の観点から、希土類酸化物である上記成分の含有量は、それぞれ以下の範囲であることが好ましい。
La含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.33%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、2.75%以上、3.00%以上の順により好ましい。また、La含有量は、30.00%以下であることが好ましく、25.00%以下、20.00%以下、18.00%以下、16.00%以下、15.00%以下、14.00%以下、13.50%以下、13.00%以下、12.50%以下、12.00%以下の順により好ましい。
Gd含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Gd含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、Y含有量は、10.00%以下であることが好ましく、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。
Laはガラスの屈折率を高める働きを有し、Bはガラスの屈折率を低下させる傾向がある。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、B含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は、1.30以上であることが好ましく、1.35以上、1.40以上、1.45以上、1.50以上、1.55以上、1.60以上、1.65以上、1.70以上、1.72以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La/B)は、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、13.00以下、12.00以下、11.50以下、11.00以下、10.50以下、10.00以下の順により好ましい。
La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は、0.79以下であることが好ましく、0.78以下、0.77以下、0.76以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.64以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下、0.57以下、0.50以下の順により好ましい。質量比(La/B)は、0.00以上であることが好ましく、0.00超であることがより好ましい。
希土類酸化物は、ガラスの屈折率を高めることができるが、希土類酸化物の含有量が多くなると熱的安定性が低下し、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ、屈折率をより一層高める観点から、BaOとLa、GdおよびYとの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y))は1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下の順により好ましい。質量比((La+Gd+Y)/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上、0.10以上、0.11以上、0.12以上、0.13以上、0.14以上、0.15以上、0.16以上、0.17以上、0.18以上、0.20以上の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。一方、アルカリ土類金属酸化物はガラスの熔融性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO+La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上の順により好ましく、0.85以下であることが好ましく、0.80以下、0.75以下、0.70以下、0.65以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、0.41以下、0.40以下の順により好ましい。
希土類酸化物はガラスの屈折率を高めることができるが、その含有量が多くなるとガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bはガラスの熱的安定性を高めることができるが、その含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しつつ屈折率をより一層高める点から、BaO、La、GdおよびYの合計含有量に対するB含有量の質量比(B/(BaO+La+Gd+Y))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
La、GdおよびYは、ガラスの屈折率を高く働きを有するが、これらの合計含有量が多いと熱的安定性が低下する傾向がある。一方、Bは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、屈折率を低下させる傾向がある。したがって、ガラスの熱的安定性を維持しながら屈折率を高める観点から、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることが好ましく、0.58以上、0.59以上、0.60以上、0.61以上、0.62以上、0.63以上、0.64以上の順により好ましい。より一層の低比重化の観点からは、質量比(La+Gd+Y/(B+La+Gd+Y))は、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下、0.90以下、0.89以下、0.88以下、0.87以下、0.86以下、0.85以下の順により好ましい。
La、Gd、YおよびZrOは屈折率を高め、部分分散特性を改善する働きを有するが、ZrOの含有量が多くなると、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、Gd、YおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y+ZrO))は、0.01以上であることが好ましく、0.02以上、0.03以上、0.04以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.00以下、3.00以下、2.00以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向がある。一方、La、GdおよびYは屈折率を高める働きをするが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、La、GdおよびYの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(La+Gd+Y))は、0.00超であることが好ましく、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、1.00以上、1.10以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上の順により好ましく、20.00以下であることが好ましく、18.00以下、16.00以下、14.00以下、11.09以下、11.08以下、11.07以下、11.06以下、11.05以下、11.04以下、11.03以下、11.02以下、11.01以下、11.00以下の順により好ましい。
SrO、BaO、La、GdおよびYは、いずれも低分散性を維持するうえで有効な成分である。そのため、より低分散性を維持する観点から、SrO、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は9.00%以上であることが好ましく、9.50%以上、10.00%以上、10.50%以上、11.00%以上、11.50%以上、12.00%以上、12.50%以上、13.00%以上、13.50%以上、の順により好ましい。
また、より一層の低比重化の観点からは、合計含有量(SrO+BaO+La+Gd+Y)は、45.00%以下であることが好ましく、40.00%以下、35.00%以下、30.00%以下、29.00%以下、28.00%以下、27.00%以下、26.00%以下、25.00%以下、の順により好ましい。
La、GdおよびYは、屈折率を高める働きをする成分であり、SiOはガラスの熱的安定性を維持する成分である。La、Gd、YおよびSiOの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、屈折率をより高める観点から、0.12以上であることが好ましく、0.13以上であることが更に好ましい。ガラスの熱的安定性を維持する観点からは、質量比((La+Gd+Y)/(La+Gd+Y+SiO))は、0.70以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.49以下、0.48以下、0.47以下、0.46以下、0.45以下、0.44以下、0.43以下、0.42以下、041以下の順により好ましい。
屈折率を高める成分であるZrO、TiO、Nb、Ta、WO、Biの中で、ZrOは、分散を高める作用が比較的小さい。そのため、より低分散性を維持する観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましい。ガラスの熱的安定性の維持、ガラスを加熱、軟化してプレス成形する際の耐失透性(再加熱プレス成形時の安定性:リヒートプレス成形性とも言う)の維持の観点からは、質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.21以下であることが好ましく、0.20以下、0.19以下、0.18以下、0.17以下、0.16以下、0.15以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOは、部分分散特性を改善する働きを有し、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きも有する。これらの観点から、LiO、NaO、KOおよびCsOの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.28%以上の順により好ましい。化学的耐久性および耐候性の向上の観点からは、合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO)は、20.00%以下であることが好ましく、18.00%以下、16.00%以下、14.00%以下、12.00%以下、10.00%以下、9.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下、4.50%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、ガラスの熔融性および熱的安定性を維持することに寄与できるが、これらの含有量が多くなるとガラスの熔融性および熱的安定性が低下する傾向がある。したがって、ガラスの熔融性や熱的安定性を維持する観点からは、アルカリ金属酸化物であるLiO、NaO、KOおよびCsOとアルカリ土類金属酸化物であるMgO、CaO、SrOおよびBaOとの合計含有量(LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)は、5.00%以上であることが好ましく、7.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、12.00%以上、14.00%以上、15.00%以上、16.00%以上、17.00%以上、18.00%以上、18.50%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、48.00%以下、46.00%以下、44.00%以下、43.00%以下、42.00%以下、41.00%以下、40.00%以下、39.00%以下、38.00%以下、37.00%以下、36.00%以下、35.00%以下、34.50%以下、34.00%以下の順により好ましい。
アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物は、液相温度を下げ、熱的安定性を改善する働きがあるが、ガラスのネットワーク形成成分に対するこれらの含有量が多くなると、化学的耐久性および耐候性が低下する傾向がある。また、SiOおよびBは熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると熔融性が低下する傾向がある。これらの観点から、SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO+CsO+MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+B))は、0.50以上であることが好ましく、0.52以上、0.54以上、0.56以上、0.58以上、0.60以上、0.62以上、0.64以上、0.66以上、0.68以上、0.70以上、0.72以上、0.74以上、0.75以上、0.76以上、0.77以上、0.78以上、0.79以上の順により好ましく、5.00以下であることが好ましく、4.50以下、4.00以下、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.65以下、1.60以下の順により好ましい。
LiO、NaOおよびKOの中で、LiOは最も屈折率を低下させにくい成分である。したがって、より一層の高屈折率化の観点からは、LiO、NaOおよびKOの合計含有量に対するLiO含有量の質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.45以上の順により好ましい。質量比(LiO/(LiO+NaO+KO))は、例えば、1.00以下であることができる。
LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熔融温度や液相温度を高めずにガラスの比抵抗を高めて通電加熱を容易にすることができる成分である。また、LiO、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善できる成分であるため、より低温でガラスを溶融状態に保つことができる。つまりガラスの熔融性を改善する働きを有する。他方でLiO、NaOおよびKOは、少量を導入することによりガラスの溶解温度を低下させ、他の高融点成分の融解を促進するものの、これらの合計含有量が多くなるとガラスの熔融状態における比抵抗が低下して通電加熱の効率が低下する傾向がある。また、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスの粘性が低下し、熱的安定性も悪化するため、ガラスの熔融性が低下する傾向がある。更には、LiO、NaOおよびKOの合計含有量が多くなると、ガラスは高分散化の傾向を示す。したがって、より望ましい熔解性および光学特性を得る観点から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するLiO、NaO、KOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましく、4.00以下であることが好ましく、3.50以下、3.00以下、2.50以下、2.00以下、1.50以下、1.00以下、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下の順により好ましい。
SiOとBとの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、熱的安定性の維持および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下の順により好ましい。熔融性の維持および/または部分分散比を減少させて高次の色収差補正に好適なガラスを提供する観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(SiO+B))は、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましい。
LiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.05%以上、0.10%以上、0.15%以上、0.20%以上、0.25%以上、0.30%以上、0.40%以上、0.50%以上、0.60%以上の順により好ましい。また、LiO含有量は、14.00%以下であることが好ましく、12.00%以下、10.00%以下、8.00%以下、7.00%以下、6.50%以下、6.00%以下、5.50%以下、5.00%以下の順により好ましい。LiOの含有量を上記囲とすることは、より望ましい光学恒数を実現する観点から好ましく、また化学的耐久性、耐候性、再加熱時の安定性を保持する観点から好ましい。
NaO含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、NaO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、の順により好ましい。NaOの含有量を上記範囲とすることは、部分分散特性改善の観点から好ましい。
O含有量は、0.00%以上であることが好ましい。また、KO含有量は、10.00%以下であることが好ましく、8.00%以下、7.00%以下、6.00%以下、5.00%以下、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下の順により好ましい。KOの含有量を上記範囲とすることは、ガラスの熱的安定性向上の観点から好ましい。

CsO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましく、0%でもよい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、より一層の高屈折率化の観点から、30.00%以上であることが好ましく、31.00%以上、32.00%以上、33.00%以上、34.00%以上、35.00%以上、36.00%以上、36.50%以上、37.00%以上、37.55%以上の順により好ましい。より一層の低比重化および熱的安定性向上の観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量(TiO+Nb+Ta+WO+Bi)は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、51.00%以下、50.00%以下、49.50%以下、49.00%以下、48.50%以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、比重の増加を抑えつつ屈折率の高いガラスを得る観点から、0.75以下である。上記に加えて望ましいアッベ数νdを実現する観点、部分分散特性改善の観点および耐失透性向上の観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.16以上であることが好ましく、0.20以上、0.25以上、0.30以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上、0.39以上、0.40以上、0.41以上、0.42以上の順により好ましく、0.75以下であることが好ましく、0.74以下、0.73以下、0.72以下、0.71以下、0.70以下、0.69以下、0.68以下、0.67以下、0.66以下、0.65以下、0.64以下の順により好ましい。
SiOおよびBは屈折率を低下させ、分散を低下させる(アッベ数を増加させる)働きがある。一方、TiO、Nb、Ta、WO、Bi、ZrOは高屈折率高分散化成分である。より屈折率を高める観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するSiOとBとの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.64以下であることが好ましく、0.63以下、0.62以下、0.61以下、0.60以下、0.59以下、0.58以下の順により好ましい。
一方、高分散化を抑制する観点からは、質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.13以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上、0.33以上、0.34以上、0.35以上、0.36以上、0.37以上、0.38以上の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLiO、NaOおよびKOの合計含有量の質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性および透過率改善の観点からは、0.00以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましい。ガラスの熱的安定性および/またはリヒートプレス成形性の維持の観点からは、質量比((LiO+NaO+KO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.67以下であることが好ましく、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下の順により好ましい。
MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きがあるが、これらの含有量が多くなると屈折率が低下する傾向があり、ガラスがより低分散性になる傾向がある。一方、TiO、Nb、WOおよびBiは、屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらの含有量が多くなると熱的安定性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.09以上であることが好ましく、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.66以下であることが好ましく、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.88以下の順により好ましい。
分散性への寄与に関して、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiとLa、GdおよびYとを対比すると、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiはガラスをより低分散性にする傾向があり、La、GdおよびYはガラスをより高分散性にする傾向がある。望ましい分散性を得る観点からは、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.00超であることが好ましく、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、0.35以下、0.32以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTiO含有量の質量比(TiO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、0.09以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.95以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下、0.75以下、0.73以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するNb含有量の質量比(Nb/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、部分分散特性改善の観点から、0.00以上であることが好ましく、0.00超、0.01以上、0.05以上、0.10以上、0.15以上、0.20以上、0.21以上、0.22以上、0.23以上、0.24以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上の順により好ましく、1.00以下であることが好ましく、1.00未満、0.99以下、0.98以下、0.97以下、0.96以下、0.95以下、0.94以下、0.93以下、0.92以下、0.91以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するTa含有量の質量比(Ta/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、ガラスの原料コスト低減およびより一層の低比重化の観点から、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
高屈折率高分散化成分であるTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの中で、WOおよびBiは比重を高める働きが大きい。したがって、より一層の低比重化の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するWO含有量の質量比(WO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
同様の観点から、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するBi含有量の質量比(Bi/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、1.00以下であることが好ましく、0.80以下、0.60以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下の順により好ましく、0であることが特に好ましい。
Li、La、Gd、Y、ZrO、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiは屈折率を高める働きを有する。一方、SiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOは屈折率を低下させる傾向がある。より一層の高屈折率化の観点からは、Li、La、Gd、Y、ZrO、TiO、NbO5、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiO、B、NaO、KO、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの質量比((SiO+B+NaO+KO+MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(LiO+La+Gd+Y+ZrO+TiO+Nb+Ta+WO+Bi))は、0.12以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.30以上、0.35以上、0.40以上、0.45以上、0.50以上、0.55以上の順により好ましく、2.83以下であることが好ましく、2.80以下、2.60以下、2.40以下、2.20以下、2.00以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.26以下、1.25以下、1.24以下の順により好ましい。
TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOは、ガラスの屈折率を高める働きを有するが、ZrO含有量が多くなるとガラスの熔融性が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、Ta、WO、BiおよびZrOの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi+ZrO))は、0.00以上であることが好ましく、0.01以上、0.02以上の順により好ましく、0.17以下であることが好ましく、0.16以下、0.15以下、0.14以下、0.13以下の順により好ましい。
TiO、Nb、WOおよびZnOは屈折率を高くし、ガラスをより高分散性にする傾向があるが、これらを多く含む場合、ガラスの熱的安定性が低下する傾向がある。一方、MgO、CaO、SrOおよびBaOは、ガラスをより低分散性にする傾向があり、熱的安定性を改善する働きを有するが、これらを多く含む場合、屈折率が低下する傾向がある。以上の観点から、TiO、Nb、WOおよびZnOの合計含有量に対するMgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO)/(TiO+Nb+WO+ZnO))は、0.10以上であることが好ましく、0.15以上、0.20以上、0.25以上、0.26以上、0.27以上、0.28以上、0.29以上、0.30以上、0.31以上、0.32以上の順により好ましく、1.50以下であることが好ましく、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.95以下、0.90以下、0.87以下の順により好ましい。
TiO含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、0.50%以上、1.00%以上、1.50%以上、2.00%以上、2.50%以上、3.00%以上、3.50%以上、4.00%以上の順により好ましく、50.00%以下であることが好ましく、45.0%以下、40.00%以下、38.00%以下、36.00%以下、36.00%以下、34.00%以下、32.00%以下、31.00%以下、30.00%以下、29.50%以下、29.00%以下の順により好ましい。TiOの含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現し、またガラスの原料コストを低減する観点から好ましい。
Nb含有量は、0.00%以上であることが好ましく、0.00%超、1.00%以上、2.00%以上、3.00%以上、4.00%以上、5.00%以上、6.00%以上、7.00%以上、8.00%以上、9.00%以上、10.00%以上、10.50%以上の順により好ましい。また、Nb含有量は、60.00%以下であることが好ましく、58.00%以下、56.00%以下、54.00%以下、52.00%以下、50.00%以下、49.00%以下、48.00%以下、47.00%以下、46.00%以下、45.00%以下、44.00%以下の順により好ましい。Nb含有量が上記範囲であることは、より望ましい光学恒数の実現、より一層の低比重化および部分分散特性の改善の観点から好ましい。
Ta含有量は、0.00%以上であることができる。また、Ta含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Ta含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、熔融性向上およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
WO含有量は、0.00%以上であることができる。また、WO含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。WO含有量が上記範囲であることは、ガラスの透過率向上、部分分散特性改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
Bi含有量は、0.00%以上であることができる。また、Bi含有量は、5.00%以下であることが好ましく、4.00%以下、3.00%以下、2.00%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。Bi含有量が上記範囲であることは、ガラスの熱的安定性向上、部分分散特性の改善およびより一層の低比重化の観点から好ましい。
GeOは、屈折率を高める働きをするが、非常に高価な成分である。ガラスの製造コストを抑える観点から、GeO含有量は、0.00%以上であることができ、2.00%以下であることが好ましく、1.50%以下、1.00%以下、0.50%以下の順により好ましい。
<ガラス1~3のガラス物性>
(屈折率nd)
ガラス1~3は、屈折率の高いガラスであることができる。上記光学ガラスの屈折率ndは、1.860以上であることが好ましく、1.865以上、1.870以上、1.875以上、1.880以上、1.885以上、1.890以上、1.895以上、1.900以上、の順により好ましい。ガラス1~3の屈折率ndは、例えば、1.950以下、1.945以下、1.940以下、1.935以下、1.930以下または1.925以下であることができる。本発明および本明細書において、「屈折率」は、「屈折率nd」を意味する。
(アッベ数νd)
アッベ数νdは分散性に関する性質を表す値であり、d線、F線、C線における各屈折率nd、nF、nCを用いてνd=(nd-1)/(nF-nC)と表される。光学素子用材料としての有用性の観点から、ガラス1~3のアッベ数νdは、22.00以上であることが好ましく、22.50以上、23.00以上、23.50以上、24.00以上、24.20以上、24.40以上、24.60以上、24.70以上、24.80以上、25.00以上、25.50以上、25.60以上、25.80以上、26.00以上の順により好ましい。同様の観点から、アッベ数νdは、30.00以下であることが好ましく、29.50以下、29.00以下、28.50以下、28.40以下、28.30以下、28.20以下、28.10以下、28.00以下、27.90以下、27.80以下、27.70以下の順により好ましい。
また、ガラス1~3は、光学素子用材料としての有用性の観点から、屈折率ndとアッベ数νdとが、下記関係式の1つ以上を満たすことも好ましい。
nd≧-0.0025νd+1.925
nd≧-0.0025νd+1.935
nd≦-0.0025νd+1.995
nd≦-0.0025νd+2.005
(比重d)
光学系を構成する光学素子では、光学素子を構成するガラスの屈折率と光学素子の光学機能面(制御しようとする光線が入射、出射する面)の曲率によって、屈折力が決まる。光学機能面の曲率を大きくしようとすると、光学素子の厚みも増加する。その結果、光学素子が重くなる。これに対し、屈折率の高いガラスを使用すれば、光学機能面の曲率を大きくしなくても大きな屈折力を得ることができる。
以上より、ガラスの比重の増加を抑えつつ、屈折率を高めることができれば、一定の屈折力を有する光学素子の軽量化が可能となる。
以上の観点から、ガラス1~3の比重dは、4.100以下であることが好ましく、4.095以下、4.090以下、4.085以下、4.080以下、4.050以下、4.000以下、3.995以下、3.990以下、3.985以下の順により好ましい。比重が低いほど光学素子の軽量化の観点から好ましいため、ガラス1~3の比重について、下限は特に限定されない。一形態では、比重は、3.400以上、3.450以上、3.500以上、3.550以上、3.600以上、3.650以上、3.700以上または3.750以上であることができる。
(d/nd)
比重dに関して先に記載した点と同様の観点から、ガラス1~3の比重dを屈折率ndで除した値(d/nd)は、4.35以下であることが好ましく、4.00以下、3.50以下、3.00以下、2.90以下、2.80以下、2.70以下、2.60以下、2.50以下、2.40以下、2.30以下、2.20以下、2.15以下の順により好ましい。「d/nd」の値が小さいほど光学素子の軽量化の観点から好ましいため、上記光学ガラスの「d/nd」について、下限は特に限定されない。一形態では、「d/nd」は、例えば、1.74以上、1.76以上、1.78以上、1.80以上、1.82以上、1.84以上、1.85以上、1.86以上、1.87以上、1.88以上、1.89以上、1.90以上、1.91以上、1.92以上、1.93以上、1.94以上または1.95以上であることができる。
一般にガラスの屈折率はガラスの密度(比重)が高いほど高くなるため、従来、屈折率を高めながら低比重を両立させることは容易ではなかった。特に屈折率が1.90以上にもなると、従来、光学的に均質であり、かつ可視光透過率が高く熱的にも安定なガラスを得ることが困難になるうえ、高屈折率化とトレードオフの関係にある比重の値を低下させることは困難であった。これに対し、ガラス1~3は、高屈折率と低比重とを兼ね備えた光学ガラスであることができる。更に、一形態では、ガラス1~3は、光学的に均質であり、かつ可視光透過率が高く熱的にも安定なガラスであることができる。
(着色度λ5)
ガラスの光線透過性、詳しくは、短波長側の光吸収端の長波長化が抑制されていることは、着色度λ5により評価することができる。着色度λ5とは、紫外域から可視域にかけて、厚さ10mmのガラスの分光透過率(表面反射損失を含む)が5%となる波長を表す。後述の実施例に示すλ5は、250~700nmの波長域において測定された値である。分光透過率とは、例えばより詳しくは、10.0±0.1mmの厚さに研磨された互いに平行な平面を有するガラス試料を用い、上記研磨された面に対して垂直方向から光を入射して得られる分光透過率、すなわち、上記ガラス試料に入射する光の強度をIin、上記ガラス試料を透過した光の強度をIoutとしたときのIout/Iinのことである。
着色度λ5によれば、分光透過率の短波長側の吸収端を定量的に評価することができる。接合レンズ作製のためにレンズ同士を紫外線硬化型接着剤により接合する際等には、光学素子を通して接着剤に紫外線を照射し接着剤を硬化させることが行われる。効率よく紫外線硬化型接着剤の硬化を行う観点からは、分光透過率の短波長側の吸収端が短い波長域にあることが好ましい。この短波長側の吸収端を定量的に評価する指標として、着色度λ5を用いることができる。ガラス1~3は、好ましくは400nm以下のλ5を示すことができる。λ5は、395nm以下、390nm以下、385nm以下、380nm以下の順により好ましい。λ5は、低いほど好ましく、下限は特に限定されるものではない。
(ガラス転移温度Tg)
ガラス1~3のガラス転移温度Tgは、機械加工性の観点からは、好ましくは560℃以上である。ガラス転移温度が高いガラスは、切断、切削、研削、研磨等のガラスの機械加工を行う際に破損しにくい傾向があり好ましい。機械加工性の観点からは、ガラス転移温度Tgは、570℃以上であることがより好ましく、580℃以上、590℃以上、600℃以上の順に更に好ましい。一方、アニール炉や成形型への負担軽減の観点からは、ガラス転移温度Tgは、800℃以下であることが好ましく、790℃以下、780℃以下、770℃以下、760℃以下、750℃以下、740℃以下の順により好ましい。
ガラス転移温度Tgは、次のようにして求められる。示差走査熱量分析において、ガラス試料を昇温すると比熱の変化に伴う吸熱挙動、即ち、吸熱ピークが現れ、更に昇温すると発熱ピークが現れる。示差走査熱量分析では横軸を温度、縦軸を試料の発熱吸熱に対応する量とする示差走査熱量曲線(DSC曲線)が得られる。この曲線でベースラインから吸熱ピークが現れる際に傾きが最大になる点における接線と上記ベースラインの交点をガラス転移温度Tgとする。 ガラス転移温度Tgの測定は、ガラスを乳鉢等で十分粉砕したものを試料とし、示差走査熱量計を使用して、昇温速度を10℃/分として行うことができる。
(液相温度)
ガラスの熱的安定性には、ガラス融液を成形する際の耐失透性と、一度固化したガラスを再加熱したときの耐失透性とがある。
ガラス融液を成形する際の耐失透性については、液相温度LTを目安にすることができる。液相温度が低いほど優れた耐失透性を有しているということができる。液相温度が高いガラスでは、失透を防止するために、ガラス融液、即ち、熔融ガラスの温度を高温に保持しなければならず、易揮発成分の揮発が生じる、坩堝の侵蝕が助長される、特に貴金属製坩堝の場合は貴金属イオンがガラス融液に溶け込んでガラスが着色する、成形時の粘性が低くなって均質性の高いガラスを成形することが難しくなる等の現象が発生し得る。そのため、液相温度は、1400℃以下であることが好ましく、1370℃以下、1340℃以下、1310℃以下、1280℃以下、1270℃以下、1260℃以下、1250℃以下の順により好ましい。また、液相温度は、例えば、1000℃以上、1050℃以上または1100℃以上であることができるが、ここに例示した値を上回ることもできる。
本発明および本明細書における「液相温度」は、以下の方法によって求められる。
示差走査熱量計を用いて、流量300ml/minの窒素を流しながら窒素雰囲気中で、ガラス試料を昇温速度10℃/minで1350℃まで昇温したときに、昇温過程で生じたガラス中の結晶が、ガラス転移温度や結晶化温度よりも高い温度域において融解するときに生じる吸熱ピークの終点を液相温度とする。図1は、示差走査熱量曲線(DSC曲線)を模式的に示した図である。横軸が温度で、横軸上で右にいくほど高温、左にいくほど低温である。縦軸は試料の発熱・吸熱に対応し、ベースライン(点線)よりも上側が発熱、下側が吸熱である。昇温過程における結晶析出が発熱ピーク、析出した結晶の融解が吸熱ピークに対応する。結晶が融解して融液化する温度が、液相温度である。液相温度は、吸熱ピークの高温側の接線とベースラインの交点の温度として求められる。
(比抵抗)
ガラス物性としては、比抵抗を挙げることもできる。比抵抗の単位は「Ωcm」であり、温度によってその数値が変化し得る。
ガラスの熔融性を高めるために、一形態では、例えば1250℃における好ましい比抵抗の値(単位:Ωcm)の下限は、1.1以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上または3.2以上であることができる。他方でガラスを高屈折率化しつつ低比重化する観点からは、好ましい比抵抗の値(単位:Ωcm)の上限は、8.0以下、7.0以下、6.0以下、5.0以下、4.5以下または4.2以下であることができる。
また、一形態では、1200℃における比抵抗を測定することもできる。
ガラスの熔融性を高めるために、一形態では、1200℃における好ましい比抵抗の値(単位:Ωcm)の下限は、1.3以上、1.7以上、2.2以上、2.7以上、3.2以上、3.7以上、4.2以上、4.7以上または5.0以上であることができる。他方でガラスを高屈折率化しつつ低比重化する観点からは、好ましい比抵抗の値(単位:Ωcm)の上限は、9.0以下、8.0以下、7.0以下、6.5以下、6.0以下、5.5以下であることができる。
ガラスの比抵抗は、公知の2電極法を用いて測定することができる。かかる測定方法については、例えば参考文献1(T. P. Seward III and T. Vascott(Ed), High Temperature Glass Melt Property Database for Process Modeling, published by Wiley(2005))を参照できる。具体的には、ガラス融液の温度を変えながら各温度T、T、…T(単位:K)における比抵抗ρ(T)、ρ(T)、…ρ(T)を測定し、その各測定温度での比抵抗の逆数を絶対温度の逆数に対してプロットし、このプロットに最小二乗法を適用することによって得られる回帰直線の関係式:
1/ρ(T)=exp(A+B×(1/T))…式1
から、ある温度T(例えば1250(℃)=1523(K)、1200(℃)=1473(K))における比抵抗ρ(T)を算出することができる。ここでA、Bは定数である。
測定の誤差の影響を小さくしながら絶対温度の逆数と比抵抗との関係式をより正確に得るために、測定を行う温度(測定温度)は7点以上あることが好ましく、8点以上、10点以上または12点以上あることがより好ましい。更に、測定値の再現性を確認するために、最初の測定温度における測定から最終の測定温度における測定までを実施することを、1つのサンプルについて2回以上繰り返してもよい。ある測定温度と次の測定温度との温度幅に特に定めはないが、温度の計測精度を考慮して、例えば温度幅10℃~50℃(10K~30K)程度または温度幅20℃~40℃(20K~30K)程度の間で、適宜決定することができる。測定時にガラスを入れる容器としては、ガラスに侵食されない白金等の材料製の容器を用いることができる。電極にも、同じく白金線等のガラスに侵食されない金属等を用いることができる。電極間距離は15mm、ガラス容量は約70~100mlとすることができる。溶解温度は900℃以上1450℃以下、または1000℃以上1550℃以下とすることができ、ガラスに結晶が析出しない温度において測定することが望ましい。
複数の測定温度における比抵抗を測定する際、最も高温の測定温度から順に、ガラスが結晶固化しない範囲で徐々に炉内を降温させながら測定を実施することができる。ガラスの冷却速度に特に定めはないが、例えば1℃/分~5℃/分とすることができ、1℃/分~3℃/分とすることが好ましく、2℃/分程度が適当である。
ガラスの温度の安定化のため、ある測定温度に到達した後、その測定温度において、少なくとも4分以上、好ましくは5分以上、8分以上または10分以上の均熱時間を設ける。一方、ガラスの熔融時間の長期化に伴う揮発を抑制することと上記の温度安定化とを両立させるため、上記均熱時間は20分以内とし、15分以内とすることが好ましく、ガラスの量が少ない場合は12分以内とすることがより好ましい。ある測定温度における測定に要する時間(即ち均熱時間後の測定開始から測定終了までに要する時間)は、例えば30秒以上、好ましくは1分以上とすることができる。一方、ガラスの熔融時間の長期化に伴う揮発を抑制することと上記の温度安定化とを両立させるため、ある測定温度における測定に要する時間は、例えば5分以下、3分以下または2分以下とすることが望ましい。更に、ガラスの変質を抑制するため、一度溶解を行ったガラスを溶融状態にしてから最終の測定温度における測定を終了するまでの時間は、12時間以内程度にすることが好ましく、10時間以内、8時間以内または6時間以内とすることがより好ましい。
以上説明したガラス1~3は、光学素子用のガラス材料として有用である。更に、先に記載した組成調整により、ガラスの低比重化も可能である。したがってガラス1~3は、より軽量な光学素子を与える光学ガラスとして好適である。
<ガラスの製造方法>
ガラス1~3は、目的のガラス組成が得られるように、原料である酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物などを秤量、調合し、十分に混合して混合バッチとし、熔融容器内で加熱、熔融し、脱泡、攪拌を行い均質かつ泡を含まない熔融ガラスを作り、これを成形することによって得ることができる。具体的には公知の熔融法を用いて作ることができる。ガラス1~3は、上記した光学特性を有する高屈折率低分散ガラスでありながら、熱的安定性が優れているため、公知の熔融法、成形法を用いて、安定的に製造することができる。
[プレス成形用ガラス素材、光学素子ブランク、およびそれらの製造方法]
本発明の他の一態様は、
ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材;
ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる光学素子ブランク、
に関する。
本発明の他の一態様によれば、
上記光学ガラスをプレス成形用ガラス素材に成形する工程を備えるプレス成形用ガラス素材の製造方法;
上記光学ガラスプレス成形用ガラス素材を、プレス成形型を用いてプレス成形することにより光学素子ブランクを作製する工程を備える光学素子ブランクの製造方法;
上記光学ガラスガラスを光学素子ブランクに成形する工程を備える光学素子ブランクの製造方法、
も提供される。
光学素子ブランクとは、目的とする光学素子の形状に近似し、光学素子の形状に研磨しろ(研磨により除去することになる表面層)、必要に応じて研削しろ(研削により除去することになる表面層)を加えた光学素子母材である。光学素子ブランクの表面を研削、研磨することにより、光学素子が仕上げられる。一態様では、上記ガラスを適量熔融して得た熔融ガラスをプレス成形する方法(ダイレクトプレス法と呼ばれる。)により、光学素子ブランクを作製することができる。他の一態様では、上記ガラスを適量熔融して得た熔融ガラスを固化することにより光学素子ブランクを作製することもできる。
また、他の一態様では、プレス成形用ガラス素材を作製し、作製したプレス成形用ガラス素材をプレス成形することにより、光学素子ブランクを作製することができる。
プレス成形用ガラス素材のプレス成形は、加熱して軟化した状態にあるプレス成形用ガラス素材をプレス成形型でプレスする公知の方法により行うことができる。加熱、プレス成形は、ともに大気中で行うことができる。プレス成形後にアニールしてガラス内部の歪を低減することにより、均質な光学素子ブランクを得ることができる。
プレス成形用ガラス素材は、そのままの状態で光学素子ブランク作製のためのプレス成形に供されるプレス成形用ガラスゴブと呼ばれるものに加え、切断、研削、研磨などの機械加工を施してプレス成形用ガラスゴブを経てプレス成形に供されるものも含む。切断方法としては、ガラス板の表面の切断したい部分にスクライビングと呼ばれる方法で溝を形成し、溝が形成された面の裏面から溝の部分に局所的な圧力を加えて、溝の部分でガラス板を割る方法や、切断刃によってガラス板をカットする方法などがある。また、研削、研磨方法としてはバレル研磨などが挙げられる。
プレス成形用ガラス素材は、例えば、熔融ガラスを鋳型に鋳込みガラス板に成形し、このガラス板を複数のガラス片に切断することにより作製することができる。または、適量の熔融ガラスを成形してプレス成形用ガラスゴブを作製することもできる。プレス成形用ガラスゴブを、再加熱、軟化してプレス成形して作製することにより、光学素子ブランクを作製することもできる。ガラスを再加熱、軟化してプレス成形して光学素子ブランクを作製する方法は、ダイレクトプレス法に対してリヒートプレス法と呼ばれる。
[光学素子およびその製造方法]
本発明の他の一態様は、
ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる光学素子
に関する。
上記光学素子は、上記光学ガラスを用いて作製される。上記光学素子において、ガラス表面には、例えば、反射防止膜等の多層膜等、一層以上のコーティングが形成されていてもよい。
また、本発明の一態様によれば、
上述の光学素子ブランクを研削および/または研磨することにより光学素子を作製する工程を備える光学素子の製造方法、
も提供される。
上記光学素子の製造方法において、研削、研磨は公知の方法を適用すればよく、加工後に光学素子表面を十分洗浄、乾燥させるなどすることにより、内部品質および表面品質の高い光学素子を得ることができる。このようにして、上記ガラスからなる光学素子を得ることができる。光学素子としては、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、プリズムなどを例示することができる。
また、上記光学ガラスからなる光学素子は、接合光学素子を構成するレンズとしても好適である。接合光学素子としては、レンズ同士を接合したもの(接合レンズ)、レンズとプリズムを接合したものなどを例示することができる。例えば、接合光学素子は、接合する2つの光学素子の接合面を形状が反転形状となるように精密に加工(例えば、球面研磨加工)し、接合レンズの接着に使用される紫外線硬化型接着剤を塗布し、貼り合わせてからレンズを通して紫外線を照射し接着剤を硬化させることで作製することができる。このように接合光学素子を作製するために、上記ガラスは好ましい。接合する複数個の光学素子を、アッベ数νdが相違する複数種のガラスを用いてそれぞれ作製し、接合することにより、色収差の補正に好適な素子とすることができる。
[導光板、画像表示装置]
本発明の他の一態様は、
ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる導光板;
画像表示素子と、上記画像表示素子から出射した光を導光する導光板と、を含み、上記導光板がガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる導光板である画像表示装置、
に関する。画像表示装置の具体的形態については後述する。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に示す実施形態に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の表に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料としてそれぞれ相当する硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物、酸化物、ホウ酸等を用い、原料を秤量し、十分に混合して調合原料とした。
この調合原料を白金製坩堝に入れ、加熱、熔融した。熔融後、熔融ガラスを鋳型に流し込み、ガラス転移温度付近まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷することにより、以下の表に示す各光学ガラスを得た。
このようにして得られた光学ガラスの諸物性を以下の表に示す。No.3~39、41~113、115~118および120~192のガラスは、ガラス1に該当する光学ガラスである。No.1~192のガラスは、ガラス2およびガラス3に該当する光学ガラスである。
光学ガラスの諸物性は、以下に示す方法により測定した。
<光学ガラスの物性評価>
(1)屈折率ndアッベ数νd
降温速度-30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率ndおよびアッベ数νdを測定した。
(2)ガラス転移温度Tg
ガラスを乳鉢で十分粉砕したものを試料とし、NETZSCH社製の示差走査熱量分析装置(DSC3300SA)を使用し、昇温速度を10℃/分にしてガラス転移温度Tgを測定した。
(3)液相温度
NETZSCH社製の示差走査熱量分析装置(DSC3300SA)を使用し、先に記載した方法によって液相温度を求めた。表中、液相温度を「LT」と表記する。
(4)比重d、d/nd
アルキメデス法により比重を測定した。
測定された比重dを上記(1)で求められた屈折率ndで除した値(d/nd)を算出した。
(5)着色度λ5
互いに対向する2つの光学研磨された平面を有する厚さ10±0.1mmのガラス試料を用い、分光光度計により、研磨された面に対して垂直方向から強度Iinの光を入射し、ガラス試料を透過した光の強度Ioutを測定し、分光透過率Iout/Iinを算出し、分光透過率が5%になる波長をλ5とした。
以下の表中、「Re」は、「La+Gd+Y」を示す。
No.169のガラスの比抵抗を以下の方法によって測定したところ、1250℃における比抵抗は3.5Ωcm、1200℃における比抵抗は5.2Ωcmであった。
100mlのガラスを白金製るつぼに入れ、ガラスの液相温度以上1550℃以下に設定された炉内にガラスをるつぼごと移動してガラスを溶融状態にした。その後、予め校正された直径5mmの白金製の電極2本をガラス融液に浸漬させ、先に記載したように複数の測定温度のそれぞれにおいて比抵抗の値を測定した。各測定温度において、均熱時間後、50mV・20KHzの交流電圧を印加してガラスに通電して比抵抗を測定した。こうして得られた測定結果から、先に記載した方法によって、上記各温度(1250℃または1200℃)におけるガラスの比抵抗の値を求めた。
(実施例2)
実施例1で得られた各種ガラスを使用し、プレス成形用ガラス塊(ガラスゴブ)を作製した。このガラス塊を大気中で加熱、軟化し、プレス成形型でプレス成形し、レンズブランク(光学素子ブランク)を作製した。作製したレンズブランクをプレス成形型から取り出し、アニールし、研磨を含む機械加工を行い、実施例1で作製した各種ガラスからなる球面レンズを作製した。
(実施例3)
実施例1において作製した熔融ガラスを所望量、プレス成形型でプレス成形し、レンズブランク(光学素子ブランク)を作製した。作製したレンズブランクをプレス成形型から取り出し、アニールし、研磨を含む機械加工を行い、実施例1で作製した各種ガラスからなる球面レンズを作製した。
(実施例4)
実施例1において作製した熔融ガラスを固化して作製したガラス塊(光学素子ブランク)アニールし、研磨を含む機械加工を行い、実施例1で作製した各種ガラスからなる球面レンズを作製した。
(実施例5)
実施例2~4において作製した球面レンズを、他種のガラスからなる球面レンズと貼り合せ、接合レンズを作製した。
(実施例6)
図2は、画像表示素子と導光板とを含む画像装置の一例であるヘッドマウントディスプレイの概略構成図である。図2に示す構成を有するヘッドマウントディスプレイ1を、以下の方法によって作製した。
表1に記載の各光学ガラスを長さ50mm×幅20mm×厚さ1.0mmの矩形薄板状に加工して、導光板10を得た。
この導光板を、図2に示すヘッドマウントディスプレイ1(以下、「HMD1」と略記する。)に取り付けた。図2(a)は、HMD1の正面側斜視図であり、図2(b)は、HMD1の背面側斜視図である。図2(a)および図(b)に示すように、使用者の頭部に装着される眼鏡型フレーム2の正面部には、眼鏡レンズ3が取り付けられる。眼鏡型フレーム2の取付部2aには、画像を照明するためのバックライト4が取り付けられる。眼鏡型フレーム2のツル部分には、画像を映し出すための信号処理機器5および音声を再生するスピーカー6が設けられている。信号処理機器5の回路から引き出された配線を構成するFPC(Flexible Printed Circuits)7が、眼鏡型フレーム2に沿って配線されている。表示素子ユニット(例えば液晶表示素子)20は、FPC7によって使用者の両眼中央位置まで配線され、かつバックライト4の光軸線上に表示素子ユニット20の略中心部が配置するように保持される。表示素子ユニット20は、導光板10の略中央部に位置するように、導光板10に対して相対的に固定される。また、使用者の眼前に位置する箇所にはHOE(Holographic Optical Element)32R、32L(第1光学素子)が、それぞれ接着等により導光板10の第1面10a上に密着固定されている。導光板10を挟んで表示素子ユニット20と対向する位置には、HOE52R、52Lが導光板10の第2面10b上に積層されている。
図3は、図2に示すHMD1の構成を模式的に示す側面図である。なお、図3においては、図面を明瞭化するため、主要部のみを示しており、眼鏡型フレーム2等は図示を省略している。図3に示すように、HMD1は、画像表示素子24と導光板10の中心を結ぶ中心線Xを挟み左右対称の構造を有している。また、画像表示素子24から導光板10に入射された各波長の光は、後述するように二分割されて使用者の右眼、左眼のそれぞれに導光される。各眼に導光される各波長の光の光路も中心線Xを挟み略左右対称である。
図3に示すように、バックライト4は、レーザ光源21、拡散光学系22、およびマイクロレンズアレイ23を有する。表示素子ユニット20は、画像表示素子24を有する画像生成ユニットであり、例えばフィールドシーケンシャル(FieldSequential)方式で駆動する。レーザ光源21は、R(波長436nm)、G(波長546nm)、B(波長633nm)の各波長に対応したレーザ光源を有し、各波長の光を高速で順次照射する。各波長の光は、拡散光学系22、マイクロレンズアレイ23に入射され、光量ムラのない均一な高指向性の平行光束に変換されて、画像表示素子24の表示パネル面に垂直に入射される。
画像表示素子24は、例えばフィールドシーケンシャル方式で駆動する透過型液晶(LCDT-LCOS)パネルである。画像表示素子24は、各波長の光に、信号処理機器5の画像エンジン(図示せず)が生成する画像信号に応じた変調をかける。画像表示素子24の有効領域の画素で変調された各波長の光は、所定の光束断面(上記有効領域と略同じ形状)をもって導光板10に入射される。なお、画像表示素子24は、例えばDMD(DigitalMirrorDevice)や反射型液晶(LCOS)パネル、MEMS(MicroElectroMechanicalSystems)、有機EL(Electro-Luminescence)、無機EL等の他の形態の表示素子に置換することも可能である。
表示素子ユニット20は、フィールドシーケンシャル方式の表示素子に限らず、同時式の表示素子(射出面前面に所定の配列のRGBカラーフィルタを有する表示素子)の画像生成ユニットとしてもよい。この場合、光源には、例えば白色光源が使用される。
図3に示すように、画像表示素子24により変調された各波長の光は、第1面10aから導光板10内部に順次入射される。導光板10の第2面10b上には、HOE52Rと52L(第2光学素子)が積層されている。HOE52Rおよび52Lは、例えば矩形状を有する反射型の体積位相型HOEであって、R、G、Bの各波長の光に対応する干渉縞が各々に記録されたフォトポリマーを三枚積層した構成を有する。すなわち、HOE52Rおよび52Lは、R、G、Bの各波長の光を回折しそれ以外の波長の光を透過する波長選択機能を有するように構成されている。
HOE32Rおよび32Lも反射型の体積位相型HOEであり、HOE52Rおよび52Lと同一の層構造を有する。HOE32Rおよび32Lと52Rおよび52Lは、例えば干渉縞パターンのピッチが略同一であってもよい。
HOE52Rと52Lは、互いの中心が一致し、かつ干渉縞パターンが180(deg)反転された状態で積層されている。そして、積層された状態でその中心が中心線Xと一致するように導光板10の第2面10b上に接着等により密着固定されている。HOE52R、52Lには、画像表示素子24により変調された各波長の光が導光板10を介して順次入射される。
HOE52R、52Lはそれぞれ、順次入射される各波長の光を右眼、左眼に導くため所定の角度を付与して回折する。HOE52R、52Lにより回折された各波長の光はそれぞれ、導光板10と空気との界面で全反射を繰り返して導光板10内部を伝搬しHOE32R、32Lに入射される。ここで、HOE52R、52Lは、各波長の光に同一の回折角を付与する。そのため、導光板10に対する入射位置が略同一の(または別の表現によれば、画像表示素子24の有効領域内の略同一座標から射出された)すべての波長の光は、導光板10内部の略同一の光路を伝搬して、HOE32R、32L上の略同位置に入射する。別の観点によれば、HOE52R、52Lは、画像表示素子24の有効領域に表示された画像の該有効領域内における画素位置関係がHOE32R、32L上で忠実に再現されるようにRGBの各波長の光を回折する。
このように本実施例においては、HOE52R、52Lは、それぞれ、画像表示素子24の有効領域内の略同一座標から射出されたすべての波長の光をHOE32R、32L上の略同位置に入射させるように回折する。または、HOE52R、52Lは、画像表示素子24の有効領域内で相対的にずらされた本来同一画素をなすすべての波長の光をHOE32R、32L上の略同位置に入射させるように回折するように構成されてもよい。
HOE32R、32L上に入射された各波長の光は、HOE32R、32Lにより回折されて導光板10の第2面10bから外部に略垂直に順次射出される。このように略平行光として射出された各波長の光はそれぞれ、画像表示素子24により生成された画像の虚像Iとして使用者の右眼網膜、左眼網膜に結像する。また、使用者が拡大画像の虚像Iを観察できるように、HOE32R、32Lにコンデンサ作用を付与してもよい。すなわち、HOE32R、32Lの周辺領域に入射された光ほど瞳の中心に寄るように角度をもって射出され使用者の網膜に結像するようにしてもよい。または、使用者に拡大画像の虚像Iを観察させるために、HOE52R、52Lは、HOE32R、32L上での画素位置関係が画像表示素子24の有効領域に表示された画像の該有効領域内における画素位置関係に対して拡大された相似形状をなすようにRGBの各波長の光を回折するようにしてもよい。
導光板10内を進む光の空気換算光路長が、屈折率が高いほど短くなるため、屈折率が高い上記各光学ガラスを使用することにより、画像表示素子24の幅に対する見かけの視野角を大きくすることができる。更に、屈折率が高いものの比重が低く抑えられているため、軽量でありながら上記効果が得られる導光板を提供することができる。
このようにして得られた導光板10を、HMD1に組み込み、アイポイントの位置で画像を評価したところ、広い視野角で、高輝度かつ高コントラストな画像を観察することができた。
なお、上記各光学ガラスからなる導光板は、シースルーである透過型のヘッドマウントディスプレイや非透過型のヘッドマウントディスプレイなどに使用することができる。
これらヘッドマウントディスプレイは、導光板が高屈折率低比重のガラスからなることによって、広視野角による没入感が優れており、情報端末と組み合わせて使用したり、AR(Augmented Reality:拡張現実)等の提供用として使用したり、映画鑑賞やゲームやVR (Virtual Reality:仮想現実)等の提供用として使用する画像表示装置として好適である。
本実施例では、ヘッドマウントディスプレイを例にとり説明したが、その他の画像表示装置に上記導光板を取り付けてもよい。
最後に、前述の各態様を総括する。
一態様によれば、質量基準で、SiO含有量が10.00%以上、CaO含有量が5.00%以上、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が0%超、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下、かつTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下である光学ガラス(ガラス1)が提供される。
一形態では、ガラス1において、B含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は、1.30以上であることができる。
一形態では、ガラス1において、La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は、0.79以下であることができる。
一形態では、ガラス1において、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることができる。
一形態では、ガラス1において、BaO、La、GdおよびYの合計含有量は、30.00質量%以下であることができる。
一態様によれば、SiO含有量が10.00%以上、CaO含有量が5.00%以上、La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が2.96%以上、BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下、かつTiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09未満である光学ガラス(ガラス2)が提供される。
一形態では、ガラス2において、B含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は、1.30以上であることができる。
一形態では、ガラス2において、La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は、0.79以下であることができる。
一形態では、ガラス2において、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることができる。
一形態では、ガラス2において、BaO、La、GdおよびYの合計含有量は、30.00質量%以下であることができる。
一態様によれば、質量基準で、ZrO含有量が7.63%以下、La、GdおよびYの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))が3.30以下、SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)が1.00未満、TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09以下、かつMgOとCaOとの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))が1.98以下である光学ガラス(ガラス3)が提供される。
一形態では、ガラス3において、CaO含有量は、3.00%以上であることができる。
一形態では、ガラス3において、LiO含有量は、5.00%以下であることができる。
一形態では、ガラス3において、B、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は、0.57以上であることができる。
一形態では、ガラス3において、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaO含有量の質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、0.35以上であることができる。
一形態では、ガラス3において、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaOとMgOとの合計含有量の質量比(CaO+MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は、0.35以上であることができる。
ガラス1~3は、屈折率が高く、かつ比重が低い光学ガラスであることができる。
ガラス1~3は、光学素子用材料として有用な分散性を有し、かつ比重が低い光学ガラスであることができる。
一形態では、ガラス1~3の屈折率ndは、1.860以上であることができる。
一形態では、ガラス1~3のアッベ数νdは、22.00~30.00の範囲であることができる。
一形態では、ガラス1~3の比重dは、4.100以下であることができる。
一形態では、ガラス1~3の屈折率ndに対する比重dの比(d/nd)は、4.35以下であることができる。
一態様によれば、ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる光学素子が提供される。
一態様によれば、ガラス1~3のいずれかの光学ガラスからなる導光板が提供される。
一態様によれば、画像表示素子と上記導光板とを含む画像表示装置が提供される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記に例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成調整を行うことにより、本発明の一態様にかかる光学ガラスを得ることができる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。

Claims (28)

  1. 質量基準で、
    SiO含有量が10.00%以上、
    CaO含有量が5.00%以上、
    La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が0%超、
    BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下
    iO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下、
    含有量に対するLa 含有量の質量比(La /B )が1.30以上、かつ
    屈折率ndが1.875以上
    である光学ガラス。
  2. La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は0.79以下である、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 質量基準で、
    SiO 含有量が10.00%以上、
    CaO含有量が5.00%以上、
    La 、Gd およびY の合計含有量(La +Gd +Y )が0%超、
    BaO、La 、Gd およびY の合計含有量(BaO+La +Gd +Y )が30.00%以下、
    TiO 、Nb 、Ta 、WO およびBi の合計含有量に対するSiO およびB の合計含有量の質量比((SiO +B )/(TiO +Nb +Ta +WO +Bi ))が0.75以下、
    La 含有量に対するB 含有量の質量比(B /La )が0.79以下、かつ
    屈折率ndが1.875以上
    である光学ガラス。
  4. 、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は0.57以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  5. 、La 、Gd およびY の合計含有量に対するLa 、Gd およびY の合計含有量の質量比((La +Gd +Y )/(B +La +Gd +Y ))は0.59以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  6. BaO、La、GdおよびYの合計含有量は30.00質量%以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  7. MgOとCaOとの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))が0.17以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  8. La 、Gd 、Y およびZrO の合計含有量に対するZrO 含有量の質量比(ZrO /(La +Gd +Y +ZrO ))は0.55以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  9. TiO 、Nb 、Ta 、WO およびBi の合計含有量に対するTiO 含有量の質量比(TiO /(TiO +Nb +Ta +WO +Bi ))は0.09以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  10. 質量基準で、
    SiO含有量が10.00%以上、
    CaO含有量が5.00%以上、
    La、GdおよびYの合計含有量(La+Gd+Y)が2.96%以上、
    BaO、La、GdおよびYの合計含有量(BaO+La+Gd+Y)が30.00%以下、
    TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOおよびBの合計含有量の質量比((SiO+B)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が0.75以下、かつ
    TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09未満、
    である光学ガラス。
  11. 含有量に対するLa含有量の質量比(La/B)は1.30以上である、請求項10に記載の光学ガラス。
  12. La含有量に対するB含有量の質量比(B/La)は0.79以下である、請求項10または11に記載の光学ガラス。
  13. 、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は0.57以上である、請求項1012のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  14. BaO、La、GdおよびYの合計含有量は30.00質量%以下である、請求項1013のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  15. 屈折率ndが1.860以上である、請求項10~14のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  16. 質量基準で、
    ZrO含有量が7.63%以下、
    La、GdおよびYの合計含有量に対するZrO含有量の質量比(ZrO/(La+Gd+Y))が3.30以下、
    SiO含有量に対するB含有量の質量比(B/SiO)が1.00未満、
    TiO、Nb、Ta、WOおよびBiの合計含有量に対するSiOとCaOとの合計含有量の質量比((SiO+CaO)/(TiO+Nb+Ta+WO+Bi))が1.09以下
    gOとCaOとの合計含有量に対するZnO、SrOおよびBaOの合計含有量の質量比((ZnO+SrO+BaO)/(MgO+CaO))が1.98以下、かつ
    屈折率ndが1.875以上
    である光学ガラス。
  17. CaO含有量は3.00%以上である、請求項16に記載の光学ガラス。
  18. LiO含有量は5.00%以下である、請求項16または17に記載の光学ガラス。
  19. 、La、GdおよびYの合計含有量に対するLa、GdおよびYの合計含有量の質量比((La+Gd+Y)/(B+La+Gd+Y))は0.57以上である、請求項1618のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  20. MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaO含有量の質量比(CaO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は0.35以上である、請求項1619のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  21. MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量に対するCaOとMgOとの合計含有量の質量比(CaO+MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO))は0.35以上である、請求項1620のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  22. La 、Gd およびY の合計含有量に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計含有量の質量比((MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(La +Gd +Y ))は0.80以上である、請求項16~21のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  23. アッベ数νdが22.00~30.00の範囲である、請求項1~22のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  24. 比重dが4.100以下である、請求項1~23のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  25. 屈折率ndに対する比重dの比であるd/ndが4.35以下である、請求項1~24のいずれか1項に記載の光学ガラス。
  26. 請求項1~25のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
  27. 請求項1~25のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる導光板。
  28. 画像表示素子と、
    前記画像表示素子から出射した光を導光する導光板と、
    を含み、
    前記導光板が請求項27に記載の導光板である、画像表示装置。
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