JP7426791B2 - ハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブル - Google Patents

ハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブルに関するものである。
絶縁電線は、導体と、前記導体の周囲に設けられる被覆材としての絶縁層とを有している。また、ケーブルは、例えば前述の絶縁電線を撚り合わせた撚り線と、前記撚り線の周囲に設けられたシースとを備えている。前記絶縁電線の絶縁層および前記ケーブルのシースは、ゴムや樹脂を主原料とした電気絶縁性材料からなる。このような絶縁電線およびケーブルは、用途に応じて必要な特性が異なる。例えば、電子機器または鉄道車両用の絶縁電線には、高い難燃性が要求され、具体的には、難燃性規格UL1581に規定される垂直燃焼試験VW-1に合格することが要求される。
一方、環境問題に対する意識は世界的に高まりつつあり、燃焼時にハロゲンガスを発生させないハロゲンフリー材料が求められている。また、火災時に炎の伝播を抑制して高い難燃性を得るために金属水酸化物等のハロゲンフリー難燃剤を多量混和する必要がある。ハロゲンフリー難燃剤としては、赤リン、リン酸エステル等のリン系難燃剤も種々実用化されているが、赤リンは燃焼時に有毒のホスフィンガスを発生させる問題がある。また、このリン酸エステル系難燃剤は埋め立て処理後にリンが溶出し、地下水を汚染する懸念がある。

例えば、特許文献1には、ポリオレフィン樹脂及び/若しくはスチレン系エラストマーを主成分とする樹脂成分であって、該樹脂成分(a)100質量部に対し、メラミンシアヌレート10~80質量部、シラン処理された水酸化マグネシウム70~250質量部、および無処理の水酸化アルミニウム10~150質量部をそれぞれ含有し、かつ該水酸化マグネシウムと該水酸化アルミニウムの合計が該樹脂成分(a)100質量部に対して150~300質量部であることを特徴とする難燃性樹脂組成物が開示されている。そして、この難燃性樹脂組成物を絶縁電線に適用することで、優れた機械特性、耐熱性等をもち、厳しい難燃性規格に適合する優れた難燃性と高い耐候性を共に有する被覆形成が容易な絶縁電線を提供できることが開示されている。
特開2009-114230号公報
本発明者は、絶縁電線やケーブルの外被層のような被覆材の研究・開発に従事しており、被覆材であるポリマとして、ハロゲンフリー材料を用い、難燃性が良好な樹脂組成物を検討している。
このハロゲンフリー材料は一般的にハロゲン材料と比較して難燃性に劣るため、高い難燃性を付与するためには難燃剤を高充填する必要がある。このような難燃剤の添加により、難燃性は向上するものの、樹脂組成物の流動性が低下し、押出加工性が損なわれる場合がある。また、前述したように、ハロゲンフリー材料であっても、リン化合物を含む難燃剤は、環境負荷が大きく、ハロゲンフリーであり、かつ、リン化合物を含まない難燃剤を用いることが好ましい。
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、難燃性および押出加工性を備えたハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブルを提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
[1]ハロゲンフリー難燃性絶縁電線は、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とを有し、前記絶縁層は、エチレン系ポリマを含むベースポリマと、金属水酸化物と、o-ジヒドロキシベンゼンまたはo-ジヒドロキシベンゼン誘導体と、を含む難燃性樹脂組成物からなり、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、置換基としてリン化合物を含まない。
[2]前記o-ジヒドロキシベンゼンまたは前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、以下の構造物である。
Figure 0007426791000001
但し、置換基X1~X4は、それぞれ、Hであるか、またはP(リン)を含まない置換基である。
[3] 前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、4-ターシャリーブチルカテコール、4-アリルピロカテコール、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、3-メトキシカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、メチル3,4-ジヒドロフェニルアセテート、4-ニトロカテコール、4-(4-ニトロフェニルアゾ)カテコール、4,4’-(2,3-ジメチルテトラメチレン)ジピロカテコール、プロピルカテコール、4-オクチルカテコール、カフェ酸、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノールから選択される少なくとも1つの化合物である。
[4]前記o-ジヒドロキシベンゼンまたは前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を用い、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、前記4-アリルピロカテコールまたは前記4-ターシャリーブチルカテコールである。
[5]ハロゲンフリー難燃性ケーブルは、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とからなる絶縁電線を含むコアと、前記コアの周囲に設けられるシースとを有し、前記シースは、エチレン系ポリマを含むベースポリマと、金属水酸化物と、o-ジヒドロキシベンゼンまたはo-ジヒドロキシベンゼン誘導体と、を含む難燃性樹脂組成物からなり、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、置換基としてリン化合物を含まない。
[6]前記o-ジヒドロキシベンゼンまたは前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、以下の構造物である。
Figure 0007426791000002
但し、置換基X1~X4は、それぞれ、Hであるか、またはP(リン)を含まない置換基である。
[7]前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、4-ターシャリーブチルカテコール、4-アリルピロカテコール、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、3-メトキシカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、メチル3,4-ジヒドロフェニルアセテート、4-ニトロカテコール、4-(4-ニトロフェニルアゾ)カテコール、4,4’-(2,3-ジメチルテトラメチレン)ジピロカテコール、プロピルカテコール、4-オクチルカテコール、カフェ酸、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノールから選択される少なくとも1つの化合物である。
[8]前記o-ジヒドロキシベンゼンまたは前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を用い、前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、前記4-アリルピロカテコールまたは前記4-ターシャリーブチルカテコールである。
本発明によれば、難燃性および押出加工性を備えたハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブルを提供することができる。
実施の形態1の難燃性絶縁電線の構成を示す横断面図である。 実施の形態1の難燃性絶縁電線の製造に使用する製造装置の概略図である。 応用例1の難燃性絶縁電線の構成を示す横断面図である。 応用例2の難燃性ケーブルの構成を示す横断面図である。 実施例4と比較例1の樹脂組成物のUL94燃焼試験時の燃焼エネルギーをカロリメータを用いて測定した結果を示す図である。
(検討事項)
まず、実施の形態を説明する前に、本発明者が検討した事項について説明する。
従来、樹脂組成物の難燃性を向上させるため、難燃剤である水酸化マグネシウムを樹脂組成物に添加することが知られている。そのため、このような絶縁電線の例として、本発明者は、導体と、前記導体の周りに被覆された絶縁層とを備える難燃性絶縁電線において、前記絶縁層がエチレン系ポリマに対して、水酸化マグネシウムを添加した樹脂組成物からなる難燃性絶縁電線を検討した(以下、検討例の難燃性絶縁電線と称する)。
検討例の難燃性絶縁電線にあっては、前述したように、難燃性規格UL1581に規定される垂直燃焼試験VW-1に合格する難燃性を有することが要求される。本発明者は、後述の実施例の欄に示すように、前記絶縁層を構成する樹脂組成物は、エチレン系ポリマ100質量部に、水酸化マグネシウムを220質量部以上添加したものでないと、垂直燃焼試験VW-1に合格しないことを確認した(後述の比較例2も参照)。ここで、水酸化マグネシウムの難燃作用は、吸熱反応を利用した樹脂の熱分解抑制によるものである。樹脂の熱分解によって発生する可燃ガスを完全に抑え切れないと、可燃ガスと酸素との反応が継続してしまい、垂直燃焼試験VW-1に合格することができない。そのため、樹脂の熱分解を完全に抑制できるように、樹脂成分に対して比較的高い比率で水酸化マグネシウムを配合する必要があるものと考えられる。
一方、本発明者は、後述の実施例に示すように、検討例の難燃性絶縁電線において、前記絶縁層を構成する樹脂組成物が、エチレン系ポリマ100質量部に、水酸化マグネシウムを165質量部以上添加したものであると、樹脂組成物中の材料成分同士が密着・凝集して、樹脂組成物の流動性が低下し、押出加工性が損なわれることを確認した(後述の比較例1も参照)。すなわち、樹脂組成物の流動性が低下すると、絶縁電線の絶縁層を押出被覆する際に、押出機の押出速度を低下させる必要があるため、絶縁電線の製造効率が低下してしまうという問題が生じる。
すなわち、絶縁電線の絶縁層を構成する樹脂組成物において、エチレン系ポリマに対して、水酸化マグネシウムの比率が低すぎると、難燃性が維持できなくなり、一方で水酸化マグネシウムの比率が高すぎると、押出加工性が損なわれてしまうという課題が明らかになった。
なお、このような課題は、絶縁電線の絶縁層に限らず、同様に押出被覆により形成するケーブルのシースにおいても発生するものである。
以上より、難燃性絶縁電線および難燃性ケーブルにおいて、その構成を工夫することにより、難燃性および押出加工性を備えたハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブルを提供することが望まれる。
(実施の形態1)
<難燃性絶縁電線の構成>
図1は、本実施の形態の難燃性絶縁電線の構成を示す横断面図である。本実施の形態の難燃性絶縁電線は、ハロゲンフリー(ノンハロゲン)であり、かつ、置換基としてリン化合物を含まない難燃剤を用いている。
図1に示すように、本実施の形態の難燃性絶縁電線(以下、単に「絶縁電線」と言う場合がある)10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有している。
導体1としては、通常用いられる金属線、例えば銅線、銅合金線のほか、アルミニウム線、金線、銀線などを用いることができる。また、導体1として、金属線の周囲に錫やニッケルなどの金属めっきを施したものを用いてもよい。さらに、導体1として、金属線を撚り合わせた撚り導体を用いることもでき、光ファイバでもよい。
絶縁層2は、以下に詳述する本実施の形態の難燃性樹脂組成物からなる。絶縁層2の厚さは特に限定されるものではないが、0.15~2mmが好ましい。
また、導体1と絶縁層2との間に、必要に応じて例えばポリエステルテープなどからなるセパレータ6を設けることができる。セパレータ6を設けることにより、導体1として撚り導体を使用した場合、難燃性樹脂組成物の押出し時、すなわち、絶縁層2の形成時に導体1の内部への、難燃性樹脂組成物の落ち込みを防止することができる。
<難燃性樹脂組成物>
本実施の形態の難燃性樹脂組成物は、(A)エチレン系ポリマと、(B)水酸化マグネシウムと、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含んでいる。以下、本実施の形態において、難燃性樹脂組成物を構成する(A)エチレン系ポリマを、樹脂成分(ベースポリマ)として説明する場合がある。また、難燃性樹脂組成物を構成する(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを、まとめて難燃剤として説明する場合がある。ここで、実施の形態の説明において、“o-ジヒドロキシベンゼン誘導体”には、o-ジヒドロキシベンゼン(カテコール、1,2-ベンゼンジオールなどとも言う)を含むものとする。例えば、“(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体”は、“(C)o-ジヒドロキシベンゼンまたはo-ジヒドロキシベンゼン誘導体”を意味するものとする。
本実施の形態の(A)エチレン系ポリマとしては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体などが挙げられる。(A)エチレン系ポリマとしては、エチレン-酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
本実施の形態の難燃性樹脂組成物の樹脂成分としては、エチレン系ポリマを主体とすることが好ましい。ここに、「主体とする」とは、樹脂成分中のエチレン系ポリマの含有量が50質量%以上であることを意味し、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、最も好ましくは100質量%であるとする意味である。このように、本発明の効果を奏する限りにおいて、樹脂成分としてエチレン系ポリマ以外の他の種類のポリマを含んでいても良い。
本実施の形態の(B)金属水酸化物(難燃剤)としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、ベーマイト、ハイドロカルマイト、水酸化ニッケル、オキシ水酸化チタン等が挙げられ、結晶水を有する金属化合物であれば特に限定なく使用できる。難燃剤としては水酸化マグネシウムが好適であり、例えば、表面無処理のもの(ブルーサイト鉱石を粉砕した天然水酸化マグネシウムや合成水酸化マグネシウム)、または、シランカップリング剤、脂肪酸によって表面処理されているものが使用できる。水酸化マグネシウムとしては、特にシランカップリング剤によって表面処理されているものを用いることが好ましい。シランカップリング剤によって表面処理された水酸化マグネシウムは、ポリマとの親和性が高いため、これを用いた難燃性樹脂組成物の引張特性が良好なものとなるためである。
本実施の形態の(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体に関し、分子内にフェノール性水酸基を1つしか有しないモノヒドロキシベンゼン(フェノール)誘導体の場合、フェノール性水酸基が有するラジカルトラップ効果が十分に発揮されないことを本発明者が確認しており、以下の(化学式1)に示すフェノール性水酸基を2つ有する“o-ジヒドロキシベンゼン誘導体”を用いることが好ましい。そして、o-ジヒドロキシベンゼン誘導体としては、置換基としてリン化合物を含まない、以下の構造物を用いることが好ましい。
Figure 0007426791000003
ここで、置換基X1~X4は、それぞれ、Hであるか、またはP(リン)を含まない化学基(置換基)である。
置換基としては電子吸引性の置換基と水酸基が共役していないことがラジカルトラップ効果を高めるため効果的である。ここで、ラジカルトラップ効果とは、難燃剤が気相の燃焼物中のラジカルと反応して安定化し、酸素との反応を抑制する効果をいう。o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を用いることで、固相での吸熱反応だけでは抑制不可能な分解ガスの酸化反応をo-ジヒドロキシベンゼン誘導体が気相で効率的にラジカルを捕捉し酸化反応を抑制することができる。
ここで、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、一の水酸基(-OH)に対し、他の水酸基(-OH)は、オルト位に配置されており、他の位置、メタ位、パラ位に他の置換基Xが配置されていてもよい。このようなo-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、例えば、以下の(一般式1)、(一般式2)で示される。特に、パラ位に置換基Xを有する(一般式2)で示されるo-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、電子吸引性の置換基と水酸基が共役しておらず、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として用いて好ましい。
Figure 0007426791000004
Figure 0007426791000005
特に、(一般式2)で示されるo-ジヒドロキシベンゼン誘導体において、置換基Xは、炭素数1~10の炭素化合物を用いることが好ましく、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素化合物である。
本実施の形態の(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、例えば、o-ジヒドロキシベンゼン(カテコール、1,2-ベンゼンジオール)、4-ターシャリーブチルカテコール、4-アリルピロカテコール、3,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、3-メトキシカテコール、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、メチル3,4-ジヒドロフェニルアセテート、4-ニトロカテコール、4-(4-ニトロフェニルアゾ)カテコール、4,4’-(2,3-ジメチルテトラメチレン)ジピロカテコール、プロピルカテコール、4-オクチルカテコール、カフェ酸、カルノシン酸、カルノソール、ロスマノールなどが挙げられ、これらを単独または複数選択して併用して用いてもよい。以下の表1および表2にo-ジヒドロキシベンゼン誘導体の一部の構造および名称を示す。
Figure 0007426791000006
Figure 0007426791000007
上記(B)金属水酸化物は、ベースポリマ100質量部に対して、95質量部以上200質量部以下であることが好ましい。絶縁電線の絶縁層に必要な難燃性を得るためには、(B)金属水酸化物が、ベースポリマ100質量部に対して、少なくとも95質量部以上必要であり、200質量部以下であると材料成分同士が密着・凝集し流動性が低下することを防止し、絶縁電線の絶縁層形成時の押出加工性を維持できる。特に、後述の実施例から(B)金属水酸化物は、ベースポリマ100質量部に対して、100質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
また、上記(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、ベースポリマ100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体が、ベースポリマ100質量部に対して5質量部以上であると、絶縁電線の絶縁層に必要な難燃性を得るために(B)金属水酸化物を多量に添加する必要がなくなり、50質量部以下であると、絶縁電線の絶縁層の引張強度などの機械的特性を充分維持することができる。特に、後述の実施例から(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、ベースポリマ100質量部に対して、15質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態の難燃剤である上記(B)金属水酸化物および上記(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の総和は、ベースポリマ100質量部に対して、100質量部以上215質量部以下であることが好ましく、特に、後述の実施例および発明者の他の検討から、上記総和は、ベースポリマ100質量部に対して、100質量部以上165質量部以下であることが好ましい。垂直燃焼試験VW-1に合格する難燃性を得るためには、少なくとも、上記総和が、ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上である必要があり、165質量部以下であると押出加工性を低下させない。
また、本実施の形態の難燃性樹脂組成物は、上記材料以外にも、必要に応じてその他の添加剤である、難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、加工助剤、カップリング剤、表面処理剤、着色剤、滑剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属キレーター、軟化剤、可塑剤などを特性に影響が出ない範囲で含有していてもよい。このその他の添加剤においても、P(リン)を含まない化合物を用いることが好ましい。
また、本実施の形態の難燃性樹脂組成物自体において、“無リン系”、即ち、P(リン)を含まない化合物の組み合わせとすることが好ましい。このような難燃性樹脂組成物を用いることで、ハロゲンフリー無リン系であり、かつ、難燃性の絶縁電線やケーブルを得ることができる。例えば、図1に示す絶縁電線に上記難燃性樹脂組成物を用いた場合には、ハロゲンフリー無リン系難燃性絶縁電線となり、また、後述の図4に示すケーブルに上記難燃性樹脂組成物を用いた場合には、ハロゲンフリー無リン系難燃性ケーブルとなる。
<難燃性絶縁電線の製法>
本実施の形態の難燃性絶縁電線10は、例えば、以下のように製造される。まず、(A)エチレン系ポリマを含むベースポリマと、(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含む材料を溶融混練し、難燃性樹脂組成物を得る。
その後、導体1を準備し、押出成形機により、導体1(セパレータ6)の周囲を被覆するように、本実施の形態の難燃性樹脂組成物を押出して、所定厚さの絶縁層2を形成する。こうすることで、難燃性絶縁電線10を製造することができる。
本実施の形態の難燃性樹脂組成物を製造するための混練装置は、例えば、バンバリーミキサーや加圧ニーダなどのバッチ式混練機や、単軸押出機、二軸押出機などの連続式混練機などの混練装置を採用することができる。
図2は、本実施の形態の難燃性絶縁電線の製造に使用する製造装置の概略図である。図2に示す単軸押出機200は、シリンダ内に配置されたスクリュー220と、材料投入口221とを備える。材料投入口(ホッパー)221から、絶縁層2の材料として、前述の難燃性樹脂組成物を投入する。難燃性樹脂組成物は溶融し、押出機200から押し出され、押出ヘッド230を通過して、送出機から送り出された導体1に被覆される。次いで、導体1およびその外周の絶縁層2は、蒸気管(架橋管)240内を通過しながら架橋される。次いで、導体1およびその外周の絶縁層2は冷却され、巻取機により巻き取られる。
また、本実施の形態では、難燃性絶縁電線10を製造した後に、絶縁層2を構成する難燃性樹脂組成物を、例えば電子線架橋法または化学架橋法により架橋する。本実施の形態の難燃性絶縁電線10においては、このような架橋がされていることは必須ではないが、架橋により難燃性樹脂組成物の耐熱性が向上するため、このような架橋がされていることが好ましい。
電子線架橋法を用いる場合には、難燃性樹脂組成物を難燃性絶縁電線10の絶縁層2として成形した後に、例えば1~30Mradの電子線を照射して架橋する。化学架橋法を用いる場合には、難燃性樹脂組成物にあらかじめ架橋剤を添加しておき、この難燃性樹脂組成物を難燃性絶縁電線10の絶縁層2として押出した後に、上記蒸気管や恒温槽を用いて熱処理して架橋する。なお、後述の実施例では、電子線架橋法を用いている。
このような難燃性絶縁電線の製法において、樹脂組成物の流動性が低下すると、押出機の押出トルクtが大きくなり、押出機の押出速度を低下させる必要がある。このように、押出速度が低下すると、電線引取速度vが小さくなり、絶縁電線の製造効率が低下してしまう。
これに対し、本実施の形態の難燃性絶縁電線によれば、難燃性を維持しつつ、押出機の押出トルクを小さくすることができるため、絶縁電線の製造効率を向上させることができる。別の言い方をすれば、難燃性を維持しつつ、押出加工性を向上させることができる。
上記においては、図1に示す難燃性絶縁電線を例に説明したが、絶縁電線の構成は、図1に示すものに限られず、例えば、以下の応用例の難燃性絶縁電線または難燃性ケーブルに上記難燃性樹脂組成物を適用することができる。
(応用例1)
図3は、本応用例の難燃性絶縁電線の構成を示す横断面図である。図3に示すように、本応用例の難燃性絶縁電線20は、導体1と、導体1の周囲に設けられた絶縁内層2aと、絶縁内層2aの周囲に設けられた絶縁外層2bとを有している。本応用例の難燃性絶縁電線20では、絶縁層が絶縁内層2aおよび絶縁外層2bからなる点が、図1に示す難燃性絶縁電線10との相違点である。絶縁外層2bは、本実施の形態の難燃性樹脂組成物からなる。なお、絶縁内層2aは、ポリエチレンなどの絶縁性樹脂からなる。
(応用例2)
図4は、本応用例の難燃性ケーブルを示す横断面図である。図4に示すように、本応用例の難燃性ケーブル30は、前述の難燃性絶縁電線10を3本撚り合わせた三芯撚り線と、前記三芯撚り線の周囲に設けられた介在5とからなるコアと、前記コアの周囲に設けられたシース4とを備えている。シース4は、前述の難燃性樹脂組成物からなる。
本実施の形態の難燃性ケーブル30は、例えば、以下のように製造される。まず、前述した方法により、難燃性絶縁電線10を3本製造する。その後、難燃性絶縁電線10をスフ糸、クラフト紙、紙テープ、ジュートなどの介在5と共に撚り合わせ、その後、これを被覆するように、前述の難燃性樹脂組成物を押し出す。その後、例えば電子線を難燃性樹脂組成物に照射し、難燃性樹脂組成物中のポリマを架橋させ、所定厚さのシース4を形成する。こうすることで、本応用例の難燃性ケーブル30を製造することができる。
本応用例の難燃性ケーブル30は、芯線として難燃性絶縁電線10を3本撚り合わせた三芯撚り線を有する場合を例に説明したが、芯線は単芯(1本)でもよいし、三芯以外の多芯撚り線であってもよい。また、難燃性絶縁電線10とシース4との間に、介在5がないものであってもよいし、介在5とシース4との間に、他の絶縁層(シース内層)が形成された、多層シース構造を採用することもできる。また、難燃性絶縁電線10とシース4との間に、金属テープや銅線の編組構造からなるシールド層を設けてもよい。
また、本実施の形態の難燃性ケーブル30は、前述の難燃性絶縁電線10を使用した場合を例に説明したが、これに限定されず、汎用の材料を用いた電線を使用することもできる。
<本実施の形態の特徴と効果>
図1および図3に示す難燃性絶縁電線10,20の特徴の一つは、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2(絶縁外層2b)とを有し、絶縁層2(絶縁外層2b)は(A)エチレン系ポリマを含むベースポリマと、(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含む難燃性樹脂組成物により構成されていることである。
また、図4に示す難燃性ケーブル30の特徴の一つは、難燃性絶縁電線10の周囲に設けられたシース4を備え、シース4は、前記難燃性樹脂組成物により構成されていることである。
本実施の形態では、このような構成を採用したことにより、難燃性および押出加工性を備えた難燃性絶縁電線および難燃性ケーブルを提供することができる。以下、その理由について具体的に説明する。
前述したように、本発明者は、検討例の難燃性絶縁電線の絶縁層を構成する樹脂組成物において、(A)エチレン系ポリマを主体とする樹脂成分(ベースポリマ)に対して、(B)金属水酸化物の比率が低すぎると、難燃性が維持できなくなり、一方で(B)金属水酸化物の比率が高すぎると、押出加工性が損なわれてしまうということを確認している。
そこで、本発明者は、本実施の形態に係る難燃性絶縁電線の絶縁層を(A)エチレン系ポリマを主体とする樹脂成分と、(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含む難燃性樹脂組成物により構成している。このように、前記難燃性樹脂組成物に、難燃剤として(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を添加することにより、(A)エチレン系ポリマを主体とする樹脂成分に対する(B)金属水酸化物の比率を低くすることができ、絶縁電線の絶縁層形成時の難燃性樹脂組成物の押出加工性を向上させることができる。同様に、ケーブルのシース形成時の難燃性樹脂組成物の押出加工性を向上させることができる。
そして、前記難燃性樹脂組成物に、難燃剤として(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を添加することにより、(A)エチレン系ポリマを主体とする樹脂成分に対する(B)金属水酸化物の比率を低くした場合であっても、難燃性絶縁電線の難燃性を向上させることができる。同様に、難燃性ケーブルの難燃性を向上させることができる。
なお、前述したように、(B)金属水酸化物の難燃作用は、吸熱反応を利用した樹脂の熱分解抑制によるものである。そして、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の難燃作用は、ラジカルトラップ効果によるものである。このように、本実施の形態の難燃性絶縁電線および難燃性ケーブルにあっては、これらの難燃作用の異なる難燃剤を併用しているため、その相乗効果によって、これらの難燃剤を単独で使用する場合に比べて難燃性をさらに向上させることができると考えられる。
また、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、ハロゲン化物と同等のラジカルトラップ効果を有するため、難燃性を発揮させるために樹脂組成物にハロゲン化物を添加する必要がない。そのため、本実施の形態の難燃性樹脂組成物によれば、火災時の毒性ガスの発生や二次災害などを防止でき、かつ、廃却時に焼却処分や埋立て処分を行っても問題とならないハロゲンフリー難燃性絶縁電線およびハロゲンフリー難燃性ケーブルを提供することができる。
また、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、置換基としてリン化合物を含まないため、燃焼時の有毒なホスフィンガスの発生を抑制し、埋め立て時のリンの溶出による環境汚染を抑制することができる。
(実施例)
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例および比較例の概要>
以下、実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線および比較例1~比較例3の絶縁電線について説明する。実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線は、図1に示す難燃性絶縁電線10に対応する。すなわち、難燃性絶縁電線10の絶縁層2は、本実施の形態の難燃性樹脂組成物からなる。また、比較例1~比較例3の絶縁電線の形状は、図1に示す難燃性絶縁電線10と同様であるが、この絶縁層2は本実施の形態の難燃性樹脂組成物とは異なる組成の樹脂組成物からなる。実施例1~実施例6および比較例1~比較例3の難燃性樹脂組成物の組成を表3に示している。
なお、表3には、(A)エチレン系ポリマとして、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA、EV170、三井デュポンポリケミカル製)を用いた実施例および比較例を示しているが、評価結果としてその他の(A)エチレン系ポリマ、または複数の種類の(A)エチレン系ポリマを組み合わせたものを用いた場合も同様の結果が得られている。また、(B)金属水酸化物は、シラン処理水酸化マグネシウム(マグシーズ(登録商標)S4、神島化学工業株式会社製)を用いた。また、(C1)4-ターシャリーブチルカテコールは、DIC株式会社のTBC(商品名)を、(C2)4-アリルピロカテコールおよび(C3)カフェ酸は、東京化成工業株式会社製のものを、それぞれ用いた。
Figure 0007426791000008
実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線の製造方法は次の通りである。まず、表3に示す実施例1~実施例6の各材料を室温にてドライブレンドし、混合した材料を加圧ニーダにより取出温度150℃にて溶融混練し、難燃性樹脂組成物を生成した。その後、電線製造用の押出被覆装置である東洋精機製ラボプラストミル20mm単軸押出機を用いて、銅線からなる撚り導体(20AWG)の周囲に厚さ0.41mmで難燃性樹脂組成物からなる絶縁層を形成することにより、絶縁電線を作製した(シリンダ温度160℃、電線引取速度3.0m/min)。この絶縁電線に電子線架橋処理(6Mrad)を行うことで、絶縁層を構成する難燃性樹脂組成物の架橋を行い、実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線を作製した。比較例1~比較例3の絶縁電線の製造方法は、実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線と同様であるため省略する。
<実施例および比較例の評価方法>
(1)加工性評価
加工性評価については、絶縁電線の絶縁層形成時の押出機のトルクを測定し、このトルクが58N・m以下のものを合格、58N・mを超えるものを不合格とした。
(2)難燃性評価
難燃性評価については、作製した難燃性絶縁電線に対して、難燃性規格UL1581に規定される垂直燃焼試験VW-1を行い、合格または不合格を判定した。
(3)UL94燃焼試験時の燃焼エネルギーをカロリメータを用いて測定した。
<実施例1~実施例6の詳細および評価結果>
表3に示すように、実施例1~実施例6の難燃性絶縁電線の絶縁層を構成する難燃性樹脂組成物は、その材料として(A)エチレン系ポリマと、(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含んでいる。
実施例1,2および実施例4の難燃性樹脂組成物は、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、(C1)4-ターシャリーブチルカテコールを用いている。
実施例3および実施例5の難燃性樹脂組成物は、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、(C2)4-アリルピロカテコールを用いている。
実施例6の難燃性樹脂組成物は、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、(C3)カフェ酸を用いている。
実施例1の難燃性樹脂組成物は、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物が100質量部であり、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体が50質量部である。実施例2および実施例3の難燃性樹脂組成物は、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物が125質量部であり、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体が30質量部である。
一方、実施例4,5および実施例6の難燃性樹脂組成物は、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物が150質量部であり、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体が15質量部である。そのため、実施例4~6は、(B)金属水酸化物および(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の配合比率が実施例1~3と相違している。(B)金属水酸化物および(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の総和に対する(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の配合比率(含有量)について、実施例1では約33質量%程度であり、実施例2、3では約19質量%程度であり、実施例4~6では約9質量%程度である。
表3に示すように、実施例1~実施例6において、前述の材料の種類や各材料の配合比率の違いにかかわらず(1)加工性評価および(2)難燃性評価はいずれも合格であった。
<比較例1~比較例3の詳細および評価結果>
表3に示す比較例1~比較例3は、実施例1~実施例6で用いた材料の種類や各材料の配合比率を変更したものである。
表3に示すように、比較例1~比較例3の樹脂組成物は、その材料として(A)エチレン系ポリマと、(B)金属水酸化物とを含んでいるが、実施例1~実施例6と異なり、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を含んでいない。
表3に示すように、比較例1において、(1)加工性評価および(2)難燃性評価は不合格となった。
また、比較例2および比較例3において、(2)難燃性評価は合格である一方、(1)
加工性評価が不合格となった。
<カロリメータの測定結果>
図5に、実施例4と比較例1の樹脂組成物のUL94燃焼試験時の燃焼エネルギーをカロリメータを用いて測定した結果を示す。図5(A)は、総発熱量の時間変化を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は総発熱量(kJ)である。また、図5(B)は、発熱速度の時間変化を示し、横軸は時間(sec)、縦軸は発熱速度(W)である。
図5から、明らかに実施例4は燃焼エネルギーが小さく抑制されていることが分かる。これは固相での吸熱反応だけでは抑制不可能な分解ガスの酸化反応をカテコールが気相で効率的にラジカルを捕捉し酸化反応を抑制しているためと考えられる。
<実施例および比較例のまとめ>
実施例1~実施例6に示すように、本実施の形態の難燃性絶縁電線は、絶縁層を(A)エチレン系ポリマと、(B)金属水酸化物と、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体とを含む難燃性樹脂組成物により構成することで、難燃性および押出加工性を備えることができる。
具体的には、比較例1~比較例3に示すように、(A)エチレン系ポリマと、(B)金属水酸化物とを含む樹脂組成物では、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物220質量部以上添加してはじめて(2)難燃性評価が合格する。しかし、(A)エチレン系ポリマに対する(B)金属水酸化物の添加量が多いと、樹脂組成物の流動性が低下し、(1)加工性評価が不合格となる。実際には、比較例1に示すように、(A)エチレン系ポリマに対する(B)金属水酸化物の添加量を少なくしていくと、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して、(B)金属水酸化物165質量部となった時点で、(1)加工性評価が未だ不合格であるにもかかわらず、(2)難燃性評価も不合格となってしまう。これらの結果から、(A)エチレン系ポリマと、(B)金属水酸化物とを含む樹脂組成物を絶縁層とする絶縁電線において、難燃性と押出加工性との両方を満たすものは存在しないということがわかる。
それに対して、実施例2および実施例3では、難燃剤である(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して30質量部添加することで、(B)金属水酸化物の添加量を125質量部としても(2)難燃性評価が合格となる。そして、(B)金属水酸化物の添加量を(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して125質量部まで少なくすることができるため、(1)加工性評価も合格となる。
この点、実施例4,5および実施例6においても同様であり、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して15質量部添加することで、(B)金属水酸化物の添加量を150質量部とすることができ、(1)加工性評価および(2)難燃性評価が合格となる。
また、実施例1に示すように、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体を、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して50質量部添加することで、(B)金属水酸化物の添加量を100質量部としても(2)難燃性評価が合格となる。そして、実施例1では、(B)金属水酸化物の添加量を(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して100質量部まで少なくすることができるため、(1)加工性評価が合格となるのはいうまでもないが、押出機の押出トルクを実施例2および実施例3に比べてさらに小さくすることができるため、絶縁電線の製造効率をさらに向上させることができる。
実施例1~実施例5に示すように、(C1)4-ターシャリーブチルカテコールや(C2)4-アリルピロカテコールなどのカテコール化合物が難燃剤として有用であることがわかる。
また、実施例1~実施例6の結果から(B)金属水酸化物は、(A)エチレン系ポリマ100質量部に対して100質量部以上150質量部以下とすることが好ましいことがわかる。
また、(1)加工性評価に関して、実施例1~実施例6および比較例1~比較例3に示すように、押出トルクは、(B)金属水酸化物の添加量におおよそ比例している。ただし、実施例3、5の(C2)4-アリルピロカテコールを添加した場合は、(B)金属水酸化物の添加量が同じである実施例2、4と比較すると、押出トルクが小さくなっていることがわかる。また、金属水酸化物の添加量が同じである実施例4~6の中でも、実施例5の(C2)4-アリルピロカテコールを添加した場合は、押出トルクが一番小さくなっていることがわかる。理由の一つとしては、(C2)4-アリルピロカテコールは融点が低いため滑剤の一つとして働き、樹脂組成物の流動性を向上させたということが考えられる。したがって、押出加工性を向上させるという観点からは、(C)o-ジヒドロキシベンゼン誘導体として、(C2)4-アリルピロカテコールを用いることが好ましいと言える。
本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
特に、上記実施の形態において説明した難燃性樹脂組成物は、実施例等で作製した絶縁電線に限らず、あらゆる用途およびサイズに適用可能であり、盤内配線用、車両用、自動車用、機器内配線用、電力用の各絶縁電線の絶縁層やケーブルのシースに使用することができる。
1 導体
2 絶縁層
2a 絶縁内層
2b 絶縁外層
4 シース
5 介在
6 セパレータ
10 難燃性絶縁電線
20 難燃性絶縁電線
30 難燃性ケーブル
200 単軸押出機(押出機)
220 スクリュー
221 材料投入口(ホッパー)
230 押出ヘッド
240 蒸気管(架橋管)
t 押出トルク
v 電線引取速度

Claims (2)

  1. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とを有し、
    前記絶縁層は、エチレン系ポリマを含むベースポリマと、難燃剤と、を含む難燃性樹脂組成物からなり、
    前記難燃剤として、金属水酸化物及びo-ジヒドロキシベンゼン誘導体を含み、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、置換基としてリン化合物を含まず、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、4-アリルピロカテコールまたは4-ターシャリーブチルカテコールであり、
    前記金属水酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上150質量部以下であり、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対して15質量部以上50質量部以下であり、
    前記金属水酸化物および前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の総和は、前記ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上165質量部以下である、
    ハロゲンフリー難燃性絶縁電線。
  2. 導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とからなる絶縁電線を含むコアと、前記コアの周囲に設けられるシースとを有し、
    前記シースは、エチレン系ポリマを含むベースポリマと、難燃剤と、を含む難燃性樹脂組成物からなり、
    前記難燃剤として、金属水酸化物及びo-ジヒドロキシベンゼン誘導体を含み、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、置換基としてリン化合物を含まず、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体は、4-アリルピロカテコールまたは4-ターシャリーブチルカテコールであり、
    前記金属水酸化物の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上150質量部以下であり、
    前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の含有量は、前記ベースポリマ100質量部に対して15質量部以上50質量部以下であり、
    前記金属水酸化物および前記o-ジヒドロキシベンゼン誘導体の総和は、前記ベースポリマ100質量部に対して100質量部以上165質量部以下である、
    ハロゲンフリー難燃性ケーブル。
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