JP7422291B2 - 機械学習装置、および機械学習装置と接続するモータ制御装置 - Google Patents

機械学習装置、および機械学習装置と接続するモータ制御装置 Download PDF

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Description

本開示は、永久磁石同期モータのベクトル制御を行うモータ制御装置の応答性判定および、定数と制御ゲインの補正を行う機械学習装置、および機械学習装置と接続するモータ制御装置に関する。
永久磁石同期モータの一般的な速度制御系は、トルク電流をフィードバック制御する電流マイナーループと、モータ回転数をフィードバック制御する速度メジャーループとの、2つのフィードバックループのカスケード構成で実現される。この構成は、速度とトルク電流の応答性の干渉を避けるため、速度ループの応答に対して電流ループの応答を十分に高速にすることで、互いに独立な制御系として扱うことができる。
速度および電流のフィードバック制御の制御器は、PI制御系(Proportional Integral Differential Controller)が広く用いられる。このとき電流ループ応答は、抵抗とq軸インダクタンス、電流比例ゲイン、電流積分ゲインとを定数とした2次遅れ系で表現される。速度ループ応答は、永久磁石同期モータに接続された機械系の摩擦が少ない場合は、モータ軸イナーシャ、極対数、誘起電圧定数、速度比例ゲイン、速度積分ゲインを定数とした2次遅れ系で表現される。
2次遅れ系では、オーバーシュート特性と応答周波数の双方を、減衰係数と固有振動数の2つのパラメータを用いて調整が必要となる。したがって、2次遅れ系では、1次遅れ系のように時定数を直接指定して応答性を決定することができない。そのため、2次遅れ系では、閉ループの応答時間を時定数とした1次遅れ系に近似して表現することが一般的である。このとき、電流制御系の比例ゲインは、閉ループの時定数とq軸インダクタンスとの積で表され、積分ゲインは閉ループの時定数と抵抗との積で表される。
しかしながら、電流ループで設定したq軸インダクタンスが真値に対して誤差が大きくなるほど、過渡応答時において、設定した時定数に対しても誤差が生じる。特に、減磁などでq軸インダクタンス設定値に対して真値が低下した場合、オーバーシュートによる過電流が発生する。
また、抵抗が真値に対して誤差が大きくなるほど、時定数以降から定常状態に至るまでの時間に誤差が生じる。特に、表皮効果や温度上昇などの原因で、抵抗値が直流抵抗値に対して上昇する場合、過渡変動後の定常値に至るまでの時間が長期化し、過渡応答直後の出力トルクの低下を引き起こす。
また、速度ループで設定したモータ軸イナーシャの設定値が、機械系のイナーシャ変動により、イナーシャ真値に対して誤差が大きくなるほど、設定した時定数に対しても誤差が生じる。特に、機械系の重量増加などによりイナーシャが急増した場合、出力トルクを決定するq軸電流指令値の生成が遅くなり、場合によっては脱調に至る。
そこで、抵抗の真値を同定して抵抗設定値に反映する抵抗同定方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法は、永久磁石同期モータの回転子の位置決め時に、電流指令値を切り替えたときの、抵抗値補正前の電圧指令、指令電流および検出電流を使用し、電流指令値と検出電流の抵抗値の誤差分のずれをゼロにするように、抵抗値を同定する。
また、q軸インダクタンスの同定方法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法は
、永久磁石同期モータの停止時に、dq軸に交番する電圧を印加して各軸電流の瞬時値を取得し、その電圧を時間積分した鎖交磁束を縦軸、測定した各軸電流を横軸としたヒステリシス曲線描き、そのヒステリシス曲線の中心線の縦軸との交点での傾きからq軸インダクタンスを同定する。
特開2007―228767号公報 特開2003―111499号公報
上記の抵抗同定方法は、経年劣化や温度上昇による抵抗値の変化に対して、抵抗値の同定を行い、定めた電流制御の応答角周波数通りの応答を得る方法が示されている。しかしながら、抵抗真値が異常値であった場合に、この同定動作によって制御ゲインを補正すると、電流ループの応答も異常になる課題がある。
また、上記のq軸インダクタンスの同定方法は、d軸またはq軸に交番するパルス電圧を印加して、電圧の時間積分値とそのときの電流値を計測器で取得、保存し、縦軸に電圧の時間積分値、横軸に電流値をプロットした時のヒステリシス曲線からd軸またはq軸インダクタンスを計測する方法である。しかしながら、計測器の代わりに、この方法を組み込み用のマイコンで実行する場合、パルス電圧印可中の電圧と電流の時系列データすべてを保存できるメモリ容量、または、取得したすべての時系列データを、外部の記憶装置に通信するためのバッファメモリ容量を確保しなければならず、限られたメモリ容量で実現するには難しい課題がある。
本開示における機械学習装置は、永久磁石同期モータであるモータをベクトル制御によって制御するモータ制御装置と接続して、モータ制御装置の機械学習を行う機械学習装置である。
機械学習装置は、モータの回転速度の応答時系列データを記憶する速度応答時系列データ記憶部と、回転速度の応答時系列データから速度制御の時定数を検出する速度時定数検出部とを備える。
加えて、機械学習装置は、速度時定数検出部が出力した時定数に基づきモータのモータ軸のイナーシャ定数を補正するイナーシャ定数補正部と、あらかじめ設定したイナーシャ定数とイナーシャ定数補正部が出力したイナーシャ補正値とに基づき速度応答教師データと速度応答テストデータとを生成する速度応答データ生成部と、速度応答教師データと速度応答テストデータとに基づきモータの速度応答性のクラス分類を行う速度応答分類部とを備える。
また、本開示における機械学習装置は、永久磁石同期モータであるモータをベクトル制御によって制御するモータ制御装置と接続して、モータ制御装置の機械学習を行う機械学習装置である。
機械学習装置は、モータのdq座標電流の応答時系列データを記憶する電流応答時系列データ記憶部と、dq座標電流の時系列データから電流制御の時定数を検出する電流時定数検出部とを備える。
加えて、機械学習装置は、電流時定数検出部が出力した時定数に基づきモータの抵抗値とq軸インダクタンスとを補正するモータ定数補正部と、あらかじめ設定したモータ定数の設定値とモータ定数補正部が出力したモータ定数補正値に基づき電流応答教師データと電流応答テストデータとを生成する電流応答データ生成部と、電流応答教師データと電流応答テストデータとに基づき、モータの電流応答性のクラス分類を行う電流応答分類部とを備える。
また、本開示におけるモータ制御装置は、上記の機械学習装置からの出力に応じ、永久磁石同期モータであるモータをベクトル制御によって制御するモータ制御装置である。
モータ制御装置は、モータの静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部と、モータの実回転位置を検出する回転位置検出部と、三相電流を同期回転座標系のd軸電流とq軸電流とに変換する三相/dq座標変換部と、モータの速度指令値と実回転位置とから算出した回転速度に基づきd軸電流またはq軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する速度制御部とを備える。
加えて、モータ制御装置は、指令電流とd軸電流またはq軸電流とに基づきd軸またはq軸の少なくとも一つの電圧指令を算出する電流制御部と、電圧指令を同期回転座標系の三相電圧指令に変換するdq座標/三相変換部と、三相電圧指令に基づきインバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御し、モータを駆動するPWM制御部とを備える。
加えて、モータ制御装置は、モータのモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部と、速度制御部のパラメータを変更する速度制御パラメータ変更部と、モータの抵抗定数とd軸インダクタンス定数とq軸インダクタンス定数とを変更するモータ定数変更部と、電流制御部のパラメータを変更する電流制御パラメータ変更部と、速度制御パラメータ変更部、モータ定数変更部、および電流制御パラメータ変更部の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部とを備える。
また、本開示におけるモータ制御装置は、上記の機械学習装置からの出力に応じ、永久磁石同期モータであるモータをセンサレスベクトル制御によって制御するモータ制御装置である。
モータ制御装置は、モータの静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部と、三相電流を推定回転座標系のγ軸電流とδ軸電流とに変換する三相/γδ座標変換部と、γ軸電流とδ軸電流とに基づきγ軸速度誘起電圧またはδ軸速度誘起電圧の少なくとも一つの速度誘起電圧を算出する誘起電圧オブザーバ部と、速度誘起電圧に基づきモータの推定回転位置を算出する回転位置推定部と、速度誘起電圧に基づきモータの推定回転速度を算出する回転速度推定部とを備える。
加えて、モータ制御装置は、モータの速度指令値と回転速度推定部が算出した推定回転速度とに基づきγ軸電流またはδ軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する推定速度制御部と、指令電流とγδ軸電流とに基づきγ軸またはδ軸の少なくとも一つの推定電圧指令値を算出するγδ軸電流制御部と、推定電圧指令値を推定回転座標系の三相電圧指令値に変換するγδ座標/三相変換部と、三相電圧指令値に基づきインバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御しモータを駆動するPWM制御部とを備える。
加えて、モータ制御装置は、推定速度制御部のパラメータを変更する推定速度制御パラメータ変更部と、γδ軸電流制御部のパラメータを変更するγδ軸電流制御パラメータ変更部と、モータのモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部と、モータの抵抗定数、d軸インダクタンス定数、およびq軸インダクタンス定数を変更するモータ定
数変更部と、推定速度制御パラメータ変更部、モータ定数変更部、およびγδ軸電流制御パラメータ変更部の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部とを備える。
本開示における機械学習装置、および機械学習装置と接続するモータ制御装置は、永久磁石同期モータのベクトル制御系において、設定値補正と制御ゲイン修正とを実行し、精度の高い速度制御と電流制御とを実現する。
実施の形態1におけるモータ制御装置と機械学習装置の構成図 実施の形態1における速度制御部と電流制御部で構成されたベクトル制御系の閉ループブロック線図 実施の形態1における電流制御部の閉ループブロック線図 実施の形態1における抵抗の真値(Ra)に対して抵抗の設定値で誤差がある場合の電流制御系のステップ応答の一例を示した図 実施の形態1におけるq軸インダクタンスの真値(Lq)に対してq軸インダクタンスの設定値で誤差がある場合の電流制御系のステップ応答の一例を示した図 実施の形態1における電流応答時系列データのクラス分類を示す図 実施の形態1における速度制御部の閉ループブロック線図 実施の形態1におけるモータ軸イナーシャの真値(J)に対してモータ軸イナーシャの設定値で誤差がある場合の速度制御系のステップ応答の一例を示した図 実施の形態1における速度応答時系列データのクラス分類を示す図 実施の形態2におけるモータ制御装置と機械学習装置の構成図 実施の形態2における推定位相系の位相外乱応答の一例を示す図
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図9を用いて、実施の形態1を説明する。モータ制御装置100、およびモータ制御装置100と接続する機械学習装置101の構成を図1に示す。
モータ制御装置100は、機械学習装置101からの出力に応じ、ベクトル制御によって永久磁石同期モータ1(以下、モータ1とする)を制御する。
位置センサ付き構成であるモータ制御装置100は、モータ1の静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部3と、モータ1の実回転位置を検出する回転位置検出部2とを備える。
また、モータ制御装置100は、三相電流を同期回転座標系のd軸電流とq軸電流とに変換する三相/dq座標変換部4と、モータ1の速度指令値と実回転位置から算出した回転速度に基づき、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する速度制御部8と、指令電流とd軸電流またはq軸電流とに基づき、d軸またはq軸の少なくとも一つの電圧指令を算出する電流制御部9と、電圧指令を同期回転座標系の三相電圧指令に
変換するdq座標/三相変換部10とを備える。
また、モータ制御装置100は、三相電圧指令に基づき、図示しないが、インバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御し、モータ1を駆動するPWM制御部11と、モータ1のモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部15と、速度制御部8のパラメータを変更する速度制御パラメータ変更部14と、モータ1の抵抗定数、d軸インダクタンス定数、およびq軸インダクタンス定数を変更するモータ定数変更部13と、電流制御部9のパラメータを変更する電流制御パラメータ変更部12と、速度制御パラメータ変更部14、モータ定数変更部13、および電流制御パラメータ変更部12の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部16と、を備える。
ここで、モータ1の回転速度は、回転位置検出部2において検出した回転位置の変化量を、微分処理部5を用いて算出する。速度制御部8は、検出された回転速度ωとモータ1の速度指令値ω*との偏差をとり、速度偏差がゼロとなるようにq軸電流指令値を出力する。出力されたq軸電流指令値とモータ1に流れる静止座標系の相電流Iu、Iv、Iwの電流検出値は、三相/dq座標変換部4により、同期回転座標系のdq軸電流id、iqに変換される。
電流制御部9は、変換されたdq軸電流id、iqと電流指令値id*、iq*とで偏差をとり、電流偏差がゼロとなるようにvd**、vq**を出力する。vd**、vq**は、d軸とq軸とのあいだで速度起電力項が干渉しあうため、非干渉制御部6の出力と足し合わせたものをdq軸の電圧指令値とする。これにより、各軸のインピーダンスを抵抗と各軸のインダクタンスとで構成されるRL回路として扱うことができる。
dq座標/三相変換部10は、dq軸の電圧指令値を静止座標系の相電圧Vu、Vv、Vwに変換する。相電圧Vu、Vv、Vwは、PWM制御部11(Pulse Width Modulation)において、三角波またはのこぎり波のキャリア波と比較することで、所定のデューティ比のゲート信号を生成する。このゲート信号によって、インバータ回路のパワー素子を駆動し、モータ1の各相に電圧を印加する。
ここで、速度指令値ω*をゼロに、id*を所定値に、iq*をゼロにそれぞれ設定した時、特定の回転位置を与えてモータ1の磁極位置を特定の回転位置に引き込み、位置決めを行うモードを位置決めモードとする。この位置決めモード後において、電流指令id*またはiq*をゼロから所定の値の間でステップ状またはパルス状に変化させたとき、検出電流idまたはiqの過渡応答時の時系列データをマイコン通信処理部27から機械学習装置101へ送信する。
すなわち、機械学習装置101は、モータ1を制御するモータ制御装置100と接続して、モータ制御装置100の機械学習を行う。
機械学習装置101は、モータ1の回転速度の応答時系列データを記憶する速度応答時系列データ記憶部19と、回転速度の応答時系列データから速度制御の時定数を検出する速度時定数検出部18と、速度時定数検出部18が出力した時定数に基づきモータ1のモータ軸のイナーシャ定数を補正するイナーシャ定数補正部17とを備える。
また、機械学習装置101は、あらかじめ設定したイナーシャ定数とイナーシャ定数補正部17が出力したイナーシャ補正値とに基づき、速度応答教師データと速度応答テストデータとを生成する速度応答データ生成部20と、速度応答教師データと速度応答テストデータとに基づき、モータ1の速度応答性のクラス分類を行う速度応答分類部21と、を備える。ここで、クラス分類は、速度応答教師データのクラスラベルに基づいて、速度応
答テストデータから生成した特徴量ベクトルを分類することを指す。
また、機械学習装置101は、モータ1のdq座標電流および電圧の応答時系列データを記憶する電流応答時系列データ記憶部24と、dq座標電流の時系列データから電流制御の時定数を検出する電流時定数検出部23と、電流時定数検出部23が出力した時定数に基づき、モータ1の抵抗値とq軸インダクタンスとを補正するモータ定数補正部22とを備える。
また、機械学習装置101は、あらかじめ設定したモータ定数の設定値とモータ定数補正部22が出力したモータ定数補正値に基づき、電流応答教師データと電流応答テストデータとを生成する電流応答データ生成部25と、電流応答教師データと電流応答テストデータとに基づき、モータ1の電流応答性のクラス分類を行う電流応答分類部26と、を備える。このときクラス分類は、電流応答教師データのクラスラベルに基づいて、電流応答テストデータから生成した特徴量ベクトルを分類することを指す。
ここで、電流応答時系列データ記憶部24および速度応答時系列データ記憶部19は、外部端末通信処理部28で受信した当該データを記憶する。電流時定数検出部23は、過渡応答時の検出電流idまたはiqの時系列データの立上り波形から、電流制御系の閉ループ時定数を検出する。また、速度時定数検出部18は、過渡応答時に検出した回転速度の時系列データの立上り波形から、速度制御系の閉ループ時定数を検出する。
モータ定数補正部22は、検出された時定数から、モータ1の抵抗、d軸インダクタンス、およびq軸インダクタンスを同定し、同定結果を外部端末通信処理部28からモータ制御装置100へ送信する。また、イナーシャ定数補正部17は、検出された時定数からモータ1のモータ軸にイナーシャを同定し、同定結果を外部端末通信処理部28からモータ制御装置100へ送信する。
このとき、同定結果のデータは、通信用途に限定されず、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置(図示しない)に表示データとして出力することで、ユーザに同定結果を確認させることができる。
一方、電流応答データ生成部25は、所定のモータ定数設定値のときの、1次遅れ系のモータモデルの閉ループのステップ応答の特徴量ベクトルと、電流応答性クラスラベルCRlabelsとから、電流応答教師データDcu_trainを生成し、電流応答時系列データから電流応答テストデータDcu_testを生成する。なお、電流応答教師データDcu_train 、電流応答テストデータDcu_testは、特徴量ベクトルとクラスラベルとで構成される。特徴量ベクトルは、オーバーシュート量、定常偏差の値、および時定数の3つのうち、少なくとも一つを含む。また、特徴量ベクトルは表形式で表した場合、特徴量ベクトル一行に対して、クラスベクトルは一つ存在する関係である。
また、速度応答データ生成部20は、所定のモータ定数設定値のときの、積分系または1次遅れ系の機械系モデルの閉ループのステップ応答の特徴量ベクトルと、速度応答性クラスラベルCRlabelsとから、速度応答教師データDsp_trainを生成し、速度応答時系列データから速度応答テストデータDsp_testを生成する。なお、速度応答教師データDsp_train 、速度応答テストデータDsp_testは、特徴量ベクトルとクラスラベルとで構成される。特徴量ベクトルは、オーバーシュート量、定常偏差の値、および時定数の3つのうち、少なくとも一つを含む。また、特徴量ベクトルは表形式で表した場合、特徴量ベクトル一行に対して、クラスベクトルは一つ存在する関係である。
電流応答時系列データから、それぞれの特徴量ベクトルの検出する方法について説明する。電流応答データ生成部25は、まず、応答時のデータのみを時系列データからスライスする。電流応答データ生成部25がスライスする開始トリガは、電流指令値が変化するタイミングで行う。電流応答データ生成部25がスライスする時間幅は、電流応答周波数の100倍程度あれば定常状態も十分確認できる。
このように、スライスされたデータにおいて最大値を検出することで、オーバーシュート量を取得できる。また、定常偏差の値は、スライスされたデータの後尾から任意のサンプル数の平均値と電流指令値との差分をとることで取得できる。また、時定数は、電流指令値の変化時点から、検出電流が遷移後の電流指令値の0.632倍に達した時点までの時間を、サンプル数とサンプル周期の乗算による計算で取得できる。ただし、サンプル周期は、電流応答の時定数に対して十分短い周期である必要がある。
以上により、複数回の応答データが含まれた時系列データから、各応答の特徴量ベクトルを取得でき、電流応答テストデータDcu_testを生成することが可能である。
一方、速度応答時系列データから、それぞれの特徴量ベクトルを検出する方法について説明する。速度応答データ生成部20は、まず、応答時のデータのみを時系列データからスライスする。速度応答データ生成部20がスライスする開始トリガは、速度指令値が変化するタイミングで行う。速度応答データ生成部20がスライスする時間幅は、速度応答周波数の100倍程度あれば定常状態も十分確認できる。
このように、スライスされたデータにおいて最大値を検出することで、オーバーシュート量を取得できる。また、定常偏差の値は、スライスされたデータの後尾から任意のサンプル数の平均値と速度指令値との差分をとることで取得できる。また、時定数は、速度指令値の変化時点から、検出した回転速度が遷移後の速度指令値の0.632倍に達した時点までの時間を、サンプル数とサンプル周期の乗算による計算で取得できる。ただし、サンプル周期は、速度応答の時定数に対して十分短い周期である必要がある。
以上により、複数回の応答データが含まれた時系列データから、各応答の特徴量ベクトルを取得することができ、速度応答テストデータDsp_testを生成することが可能である。
電流応答分類部26は、電流応答テストデータDcu_testを電流応答教師データDcu_trainのクラスラベルに基づき分類し、分類結果を外部端末通信処理部28からモータ制御装置100へ送信する。同様に、速度応答分類部21は、速度応答テストデータDsp_testを速度応答教師データDsp_trainのクラスラベルに基づき分類し、分類結果を外部端末通信処理部28からモータ制御装置100へ送信する。なお、電流応答分類部26と速度応答分類部21における分類アルゴリズムの機械学習手法は、多層パーセプトロン、ランダムフォレスト、ナイーブベイズなど、特に限定されない。ここで、クラスラベルは、事前に、過去の判断結果データ群の統計的確率や、熟練者の判断結果などに基づいて定めた分類結果を示すラベルであり、クラス数は、クラスラベルの種類の数である。
モータ制御装置100のマイコン通信処理部27は、モータ定数の同定結果とその電流応答のクラスラベルまたは速度応答のクラスラベルを受け取り、変更可否決定部16において、速度制御パラメータ変更部14、モータ定数変更部13、および電流制御パラメータ変更部12の少なくとも一つの実行可否を決定する。すなわち、変更可否決定部16は、速度制御パラメータ変更部14によって速度制御部8を変更するか否かを決定する。また、変更可否決定部16は、モータ定数変更部13において非干渉制御部6を変更するか
否かを決定する。また、電流制御パラメータ変更部12は電流制御部9を変更するか否かを決定する。
変更を実行する場合は、速度制御パラメータ変更部14は、イナーシャ定数変更部15から得られたイナーシャ定数の同定結果をもとに制御ゲインを算出し、速度制御部8の制御ゲインに上書きを行う。また、モータ定数変更部13は、モータ定数の同定結果をもとに非干渉制御部6で使用するモータ定数を上書きを行う。また、電流制御パラメータ変更部12は、モータ定数変更部13から得られたモータ定数の同定結果をもとに制御ゲインを算出し、電流制御部9の制御ゲインに上書きを行う。
ここで、クラス数は、抵抗、d軸インダクタンスおよびq軸インダクタンスについて想定される最大値~最小値の範囲に、電流応答時系列データが収まるものを正常領域とし、それ以外を異常領域として2クラスに分ける。正常領域では上記の変更を実行し、異常領域では上記の変更を実行しないようにすることで、変更の可否を決定することができる。ただし、クラス数は2クラスに限定されず、2クラス以上に設定してもよい。例えば、さらに、別の電流閾値や別の時間閾値を追加し、領域を分け、追加された領域に新たにクラスラベルを付与することで、クラス数は、3クラス以上も容易に可能である。
ここで、「モータ定数(抵抗、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス)同定、および電流制御部の制御ゲイン変更の原理)と、「イナーシャ定数同定、および速度制御部の制御ゲイン変更の原理」についてそれぞれ説明する。
まず、「モータ定数(抵抗、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス)同定、および電流制御部の制御ゲイン変更の原理」を以下に説明する。
速度制御部と電流制御部で構成されたベクトル制御系の閉ループブロック線図を図2に示す。ベクトル制御系は、電流PI制御部43とモータモデル44とで構成された電流マイナーループと、速度PI制御部42と機械系モデル45とで構成された速度アウターループのカスケード接続で構成される。電流制御系の応答周波数が、速度制御系の応答周波数よりも十分大きい場合、それぞれ独立の制御系として解析が可能である。(式1)に、コントローラにPI制御を用いたときのモータの電流制御系閉ループ伝達関数を示す。
(式1)中のRaは抵抗値、Lqはq軸インダクタンス、Kpqは電流制御系の比例ゲイン、Kiqは電流制御系の積分ゲインである。(式1)のブロック線図は、電流PI制御部43とモータモデル44で構成され、図3に示す、電流制御部の閉ループブロック線図のように表現される。電流制御部の閉ループブロック線図は、電流指令をステップ状に変化させるステップ指令部41と、電流偏差がゼロとなるように制御する電流PI制御部43と、モータモデル44を備える。
(式1)は、零点が-Kiq/Kpqの2次遅れ系であり、このままでは、応答周波数を1次遅れ系のように一変数で指定できない。そのため、伝達関数の零点と極の相殺するように、極を-Kiq/Kpq=-Ra/Lqのように配置すると(式2)の1次伝達関
数が得られ、このとき、比例ゲインは、(式3)、積分ゲインは(式4)のように決定される。
(式2)~(式4)中のωcは電流制御系閉ループの応答周波数であり、Kpq/Lqと等しい。また、(式2)が成立するとき、2次遅れ系で見られるようなオーバーシュートや振動は発生しない。
このとき、速度指令値ω*をゼロとし、磁極位置を特定の回転位置に引き込み、モータ回転子の位置決めを行うモード後、q軸電流指令値をステップ状またはパルス状に変化させたときの立上り時の応答は、伝達関数による表現では、(式5)のようになり、時系列データは(式6)のような関数で電流指令値に追従する。
(式5)、(式6)中のIqoは、目標q軸電流指令値である。Iqoは負荷の始動トルクより小さいトルクになるように決定することで回転子を停止させたまま応答を確認できる。なお、d軸電流の立上り時の応答についても、q軸と同様の特性が得られる。
ただし、モータ定数の設定値が真値と誤差がある場合は、(式1)の零点と極の相殺条件が厳密に成り立たず、(式2)は成立しない。
例えば、抵抗値の設定値と真値に誤差がある場合の電流制御系のステップ応答波形を図4に示す。図4は、実施の形態1における抵抗の真値(Ra)に対して抵抗の設定値で誤差がある場合の電流制御系のステップ応答の一例である。図4において、横軸は時間を示し、縦軸はステップ応答時の同期回転座標系のq軸電流を示す。抵抗の設定値は0.1Ra~10Raの範囲としている。
図4のステップ応答波形において、立上り前半の応答性は、抵抗値の設定値(真値と誤差)によらずほぼ同様の波形であり、q軸インダクタンスの設定値の誤差精度が支配的であることがわかる。一方、時定数以降の波形は顕著な差異が出ている。抵抗値がノミナルモデルの抵抗値より大きい場合、電流指令値に達するまでの時間が長期化するため、出力トルクの低下を引き起こす。
また、q軸インダクタンスの設定値と真値に誤差がある場合の電流制御系のステップ応答波形を図5に示す。図5は、実施の形態1におけるq軸インダクタンスの真値(Lq)に対してq軸インダクタンスの設定値で誤差がある場合の電流制御系のステップ応答の一例である。q軸インダクタンスをノミナルモデルの抵抗値に対して0.1~10倍のあいだでスウィープさせたときの電流制御系の閉ループ応答波形であり、特に、q軸インダクタンスがノミナルモデルの抵抗値より大きい場合、オーバーシュートが発生する。
以上のときに、まず、q軸インダクタンスの真値を同定する原理を以下に示す。q軸インダクタンスの設定値に対する実際の応答周波数は(式7)となる。
(式7)中のωsensは、電流指令値を切り替えた時刻から電流指令値の63.2%に達するまでのあいだに観測した実際の応答周波数である。Kpqsetは、応答周波数ωcおよびq軸インダクタンスの設定値により、(式3)で定めた、電流制御系の比例ゲインであり、Lqは、q軸インダクタンスの真値である。このとき、目標とする応答周波数ωcに対し、実際の応答周波数ωsensが得られたことから、このとき、(式3)から、応答周波数の比がq軸インダクタンスの比となる。(式8)にその関係を示す。
(式8)中の(Lq)^はq軸インダクタンスの同定値であり、Lqsetは、q軸インダクタンスの設定値である。
よって、(式8)にもとづいて、q軸インダクタンスの真値を同定することができ、さらに同定結果に基づいて、(式3)から、電流制御系の比例ゲインKpqを変更することができる。(式9)にその関係を示す。
なお、上記と同様の方法で、d軸インダクタンスおよびその電流制御系の比例ゲインの補正ができる。
次に、抵抗値の真値を同定する原理を以下に示す。抵抗値の真値と設定値とで誤差があるとき、電流指令値が0から最終値の63.2%となる時間をT1とすると、時間T1以降において、その応答性に大きな差異が出る。このとき、時定数のn倍(nは1以上の整数)の時間をnTとすると、(式2)の零極相殺が成立時、(式10)が真値の電流とな
る。
ただし、抵抗値が真値より大きい場合は(式10)のq軸電流値iq(nT)に達する時間が延び、抵抗値が真値より小さい場合は(式10)のq軸電流値iq(nT)に達する時間が縮まる。以上から、過渡応答時において、(式10)のq軸電流値に達する時間nTと、実際に観測値が(式10)のq軸電流値に達するまでの時間との偏差がゼロとなるように、抵抗設定値を探索すれば、抵抗真値の同定値(Ra)^を求めることができる。
さらに、(式4)から、電流制御系の積分ゲインKicを変更することができる。(式11)にその関係を示す。
以上のように、上記で説明したモータ定数の同定は、機械学習装置101にて実行される。
実施の形態1における電流応答時系列データのクラス分類を図6に示す。図6において、横軸は時間を示し、縦軸は同期回転座標系のq軸電流を示す。背景の白色領域は正常領域を示し、色付き領域は異常領域を示す。
電流応答のクラス分類は、モータ制御装置100から送られてきた、dq座標系電流における応答時系列データの立上り時間の時定数、オーバーシュート量、および定常偏差の値の少なくとも一つに基づいて、機械学習装置101にて実行される。
その後、同定結果をモータ制御装置100に送り返し、同定結果後の応答波形が、図6に示す正常領域のクラスに収まっていた場合、電流制御部9および非干渉制御部6のモータ定数を変更し、dq軸電圧の値を補正することができる。q軸電圧指令に関する関係を(式12)に示す。(式12)中のTiは、積分時間である。
次に、「イナーシャ定数同定、および速度制御部の制御ゲイン変更の原理」を以下に説明する。
(式13)にコントローラにPI制御を用いたときのモータ1の速度制御系閉ループ伝達関数を示す。
(式13)中のJはモータ軸イナーシャ、Dは回転中の摩擦に対する粘性係数、Pnはモータ1の極対数、Keはモータ1の誘起電圧定数、Kpsは速度制御部8の比例ゲイン、Kisは速度制御部8の積分ゲインである。(式13)の成立する前提条件として、電流制御部9の応答周波数ωcが、速度制御部8の応答周波数ωcsより十分に大きいものとする(ωc>>ωcs)。
(式13)のブロック線図は速度PI制御部42と機械系モデル45で構成され、図7に示す、速度制御部の閉ループブロック線図のように表現される。速度制御部の閉ループブロック線図は、速度指令をステップ状に変化させるステップ指令部41と、速度偏差がゼロとなるように制御する速度PI制御部42と、機械系モデル45とを備える。
(式13)は、零点が-Kis/Kpsの2次遅れ系であり、このままでは、応答周波数を1次遅れ系のように一変数で指定できない。そのため、伝達関数の零点と極の相殺するように、極を-Kis/Kps=-D/J、Kis=Kpωfのように配置すると(式14)の1次伝達関数が得られる。このとき、速度制御部8の比例ゲインは、(式15)、積分ゲインは(式16)のように決定される。
(式14)~(式16)中のωcsは速度制御系閉ループの応答周波数であり、Kps/Jと等しい。ωfはωcsに対して、十分小さい任意の応答周波数である。このとき、速度指令値ω*を一定値とし、モータ1が同期回転速度に達した後、速度指令値をステップ状またはパルス状に変化させたときの立上り時の応答は、伝達関数による表現では、(式17)のようになり、時系列データは(式18)のような関数で速度指令値に追従する。
(式17)、(式18)中のΔωstepは、過渡応答前の速度指令値と過渡応答後の速度指令値との差分である。ただし、イナーシャ定数Jの設定値が真値と誤差がある場合は、(式13)の零点と極の相殺条件が厳密に成り立たず、(式14)は成立しない。
実施の形態1におけるモータ軸イナーシャの真値(J)に対してモータ軸イナーシャの設定値で誤差がある場合の速度制御系のステップ応答の一例を図8に示す。図8において、横軸は時間を示し、縦軸はモータ1の回転速度を示す。モータ軸イナーシャの設定値は0.1J~10Jの範囲としている。
図8は、イナーシャ値をノミナルモデルのイナーシャ値に対して0.1~10倍のあいだでスウィープさせたときの速度制御系の閉ループ応答波形であり、特に、イナーシャ値がノミナルモデルのイナーシャ値より大きい場合、オーバーシュートが発生することで、所望の速度になるまで時間を要するため、q軸電流指令の生成が遅れ、トルク応答性が低下する。
以上のとき、モータ軸イナーシャの真値を同定する原理を以下に示す。q軸インダクタンスの設定値に対する実際の応答周波数は(式19)となる。
(式19)中のωsp_sensは、速度指令値を切り替えた時刻から速度指令値の63.2%に達するまでの観測した実際の応答周波数である。Kps_setは、応答周波数ωcsおよびモータ軸イナーシャJの設定値により(式15)で定めた、速度制御系の比例ゲインであり、Jは、モータ軸イナーシャの真値である。このとき、目標とする応答周波数ωcsに対し、実際の応答周波数ωsp_sensが得られたことから、(式15)から、応答周波数の比がモータ軸イナーシャの比となる。(式20)にその関係を示す。
(式20)中の(J)^はモータ軸イナーシャの同定値であり、Jsetはモータ軸イナーシャの設定値である。
よって、(式20)にもとづいて、モータ軸イナーシャの真値を同定することができ、さらに同定結果に基づいて、(式15)、(式16)から、速度制御系の比例ゲインKpsおよびKisを変更することができる。(式21)、(式22)にその関係を示す。
上記で実行されたモータ軸イナーシャの同定は、モータ制御装置100から送られてきた応答時系列データをもとに、機械学習装置101にて実行される。機械学習装置101は、同定結果をモータ制御装置100に送り返す。
実施の形態1における速度応答時系列データのクラス分類を図9に示す。図9において、横軸は時間を示し、縦軸はモータ1の回転速度を示す。背景の白色領域は正常領域を示し、色付き領域は異常領域を示す。
同定結果後の応答波形が、図9に示す正常領域のクラスに収まっていた場合、速度制御部8の制御ゲインを変更し、q軸電流指令値を補正することができる。q軸電圧指令と速度制御部8の制御ゲインの関係を(式23)に示す。
以上のように、本実施の形態において機械学習装置101は、永久磁石同期モータであるモータ1をベクトル制御によって制御するモータ制御装置100と接続して、モータ制御装置100の機械学習を行う機械学習装置である。
機械学習装置101は、モータ1の回転速度の応答時系列データを記憶する速度応答時系列データ記憶部19と、回転速度の応答時系列データから速度制御の時定数を検出する速度時定数検出部18とを備える。
加えて、機械学習装置101は、速度時定数検出部18が出力した時定数に基づきモータ1のモータ軸のイナーシャ定数を補正するイナーシャ定数補正部17と、あらかじめ設定したイナーシャ定数とイナーシャ定数補正部が出力したイナーシャ補正値とに基づき、速度応答教師データと速度応答テストデータとを生成する速度応答データ生成部20と、速度応答教師データと速度応答テストデータとに基づき、モータの速度応答性のクラス分類を行う速度応答分類部21とを備える。
この構成により、永久磁石同期モータ1のベクトル制御系において、設定値補正と制御ゲイン修正とを実行し、精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
また、本実施の形態のように、速度応答分類部21は、モータ1の同期回転中において、速度指令値を与えたときの、立上り時の時定数、オーバーシュート量、および定常偏差の値の少なくとも一つに基づいて分類したクラス分類を、モータ制御装置100へ出力してもよい。
また、本実施の形態のように、イナーシャ定数補正部17は、モータ1のモータ軸のイナーシャ真値を速度時定数検出部18の時定数から同定し、モータ制御装置100へ出力してモータ1を制御してもよい。
また、本実施の形態のように、速度応答教師データは、所定の速度応答周波数と一つ以上のイナーシャ設定値に基づき生成した積分系または1次遅れ系の過渡応答時系列データにおける、立上り時の時定数、オーバーシュート量、および定常偏差の値の少なくとも一つを含む特徴量ベクトルに基づいて分類したクラス分類を、モータ制御装置100へ出力してもよい。
また、本実施の形態のモータ制御装置100は、上記の機械学習装置101からの出力に応じ、永久磁石同期モータであるモータ1をベクトル制御によって制御するモータ制御装置である。
モータ制御装置100は、モータ1の静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部3と、モータ1の実回転位置を検出する回転位置検出部2と、三相電流を同期回転座標系のd軸電流とq軸電流とに変換する三相/dq座標変換部4と、モータ1の速度指令値と実回転位置とから算出した回転速度に基づき、d軸電流またはq軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する速度制御部8とを備える。
加えて、モータ制御装置100は、指令電流とd軸電流またはq軸電流とに基づき、d軸またはq軸の少なくとも一つの電圧指令を算出する電流制御部9と、電圧指令を同期回転座標系の三相電圧指令に変換するdq座標/三相変換部10と、三相電圧指令に基づき、図示しないが、インバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御し、モータを駆動するPWM制御部11とを備える。
加えて、モータ制御装置100は、モータ1のモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部15と、速度制御部8のパラメータを変更する速度制御パラメータ変更部14と、モータ1の抵抗定数、d軸インダクタンス定数、およびq軸インダクタンス定数を変更するモータ定数変更部13と、電流制御部9のパラメータを変更する電流制御パラメータ変更部12と、速度制御パラメータ変更部14、モータ定数変更部13、および電流制御パラメータ変更部12の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部16とを備える。
この構成により、永久磁石同期モータ1のベクトル制御系において、設定値補正と制御ゲイン修正とを実行し、精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
なお、図1の機械学習装置101は、速度制御系(イナーシャ定数補正部17~速度応答分類部21のブロック)の学習と、電流制御系(モータ定数補正部22~電流応答分類部26のブロック)の学習とを備えている。実施の形態1においては、速度制御系のみでも構わない。また、機械学習装置101は、速度制御系と電流制御系の両方の学習を行えば、より精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
(実施の形態2)
以下、図10、図11を用いて、実施の形態2を説明する。位置センサレス構成であるモータ制御装置200、およびモータ制御装置200と接続する機械学習装置101の構成を図10に示す。機械学習装置101は、モータ1を制御するモータ制御装置200と接続して、モータ制御装置200の機械学習を行う。機械学習装置101は実施の形態1の機械学習装置101と同じなので詳細な説明を省略する。実施の形態1と同じ構成および動作は、実施の形態1と同じ番号を付与し、詳細な説明を省く。
モータ制御装置200は、機械学習装置101からの出力に応じ、センサレスベクトル制御によってモータ1を制御する。モータ制御装置200は、モータ1の静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部3と、電流検出部3で得られた三相電流
を、推定回転座標系のγ軸電流とδ軸電流とに変換する三相/γδ座標変換部31とを備える。
また、モータ制御装置200は、γ軸電流とδ軸電流とに基づき、γ軸速度誘起電圧またはδ軸速度誘起電圧の少なくとも一つの速度誘起電圧を算出する誘起電圧オブザーバ部32と、速度誘起電圧に基づきモータ1の推定回転位置を算出する回転位置推定部33と、速度誘起電圧に基づきモータ1の推定回転速度を算出する回転速度推定部34とを備える。
また、モータ制御装置200は、モータ1の速度指令値と回転速度推定部34が算出した推定回転速度とに基づき、γ軸電流またはδ軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する推定速度制御部35と、指令電流とγδ軸電流とに基づき、γ軸またはδ軸の少なくとも一つの推定電圧指令値を算出するγδ軸電流制御部36と、推定電圧指令値を推定回転座標系の三相電圧指令値に変換するγδ座標/三相変換部37と、三相電圧指令値に基づきインバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御し、モータ1を駆動するPWM制御部11とを備える。
また、モータ制御装置200は、推定速度制御部35のパラメータを変更する推定速度制御パラメータ変更部38と、γδ軸電流制御部36のパラメータを変更するγδ軸電流制御パラメータ変更部39と、モータ1のモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部15と、モータ1の抵抗定数、d軸インダクタンス定数、およびq軸インダクタンス定数を変更するモータ定数変更部13と、推定速度制御パラメータ変更部38、モータ定数変更部13、およびγδ軸電流制御パラメータ変更部39の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部16とを備える。
モータ制御装置200において、モータ1の推定回転速度は、まず、電流検出部3において三相電流を検出し、三相/γδ座標変換部31において三相電流を推定回転座標系のγ軸電流とδ軸電流に変換する。誘起電圧オブザーバ部32は、γ軸電流とδ軸電流とモータ定数とγ軸電圧およびδ軸電圧から誘起電圧を算出し、回転速度推定部34によって、誘起電圧に基づき推定回転速度が算出される。
推定速度制御部35は、検出された推定回転速度(ω)^とモータ1の速度指令値ω*との偏差をとり、速度偏差がゼロとなるように、δ軸電流指令値を出力する。出力されたδ軸電流指令値とモータ1に流れる静止座標系の相電流Iu、Iv、Iwの電流検出値は、三相/γδ座標変換部31により、推定回転座標系のγδ軸電流iγ、iδに変換される。
γδ軸電流制御部36は、変換されたγδ軸電流iγ、iδと電流指令値iγ*、iδ*との偏差をとり、電流偏差がゼロとなるようにvγ**、vδ**を出力する。vγ**、vδ**は、γ軸とδ軸とのあいだで速度起電力項が干渉しあうため、非干渉制御部6の出力と足し合わせたものをγδ軸の電圧指令値とすることで、各軸のインピーダンスを抵抗と各軸のインダクタンスとで構成されるRL回路として扱うことができる。
γδ座標/三相変換部37は、γδ軸の電圧指令値を、静止座標系の相電圧Vu、Vv、Vwに変換する。相電圧Vu、Vv、Vwは、PWM制御部11において、三角波またはのこぎり波のキャリア波と比較することで、所定のデューティ比のゲート信号を生成する。このゲート信号によって、インバータ回路のパワー素子を駆動し、モータ1の各相に電圧を印加する。ただし、モータ1が同期回転中において、推定回転座標のγ軸は同期回転座標系のd軸に一致し、推定回転座標のδ軸は同期回転座標系のq軸に一致する。
推定速度制御パラメータ変更部38は、同定したモータ軸イナーシャ定数に基づき、推定速度制御部35の制御ゲインを変更する。また、γδ軸電流制御パラメータ変更部39は、同定したモータ定数である抵抗値、d軸インダクタンス、およびq軸インダクタンスに基づき、γδ軸電流制御部36の制御ゲインを変更する。モータ定数変更部13は、非干渉制御部6のモータ定数、および誘起電圧オブザーバ部32のモータ定数を変更する。誘起電圧オブザーバ部32における、モータ定数と誘起電圧の関係を(式24)、(式25)に示す。
(式24)、(式25)中の(eγ)^は、誘起電圧オブザーバ部32により得られたγ軸誘起電圧、(eδ)^は、誘起電圧オブザーバ部32により得られたδ軸誘起電圧、Vγはγ軸電圧、Vδはδ軸電圧、(Ra)^は抵抗同定値、iγはγ軸電流、iδはδ軸電流、ωは推定回転速度、(Lq)^はq軸インダクタンス同定値、(Ld)^はd軸インダクタンス同定値である。このとき、d軸とγ軸間の推定位相誤差は、推定回転座標系におけるγδ軸の誘起電圧と推定位相誤差Δθの関係から、(式26)となる。
(式26)で得られた推定位置誤差から、回転速度推定部34は、(式27)を用いて推定回転速度を算出することができる。また、回転位置推定部33は、(式27)で得られた推定回転速度から、(式28)を用いて推定回転位置を算出することができる。(式27)中のKpesは、回転速度推定部34の比例ゲイン、Kiesは回転速度推定部34の積分ゲインである。
以上から、誘起電圧オブザーバにおける(式24)、(式25)で、より真値に近いモータ定数同定値に変更することで、正確なγδ軸誘起電圧を算出でき、その結果、推定回転速度(ω)^および推定回転位置(θ)^の推定精度を向上することができる。
実施の形態2における推定位相系の位相外乱応答の一例を図11に示す。図11において、横軸は時間を示し、縦軸は、実位相と推定位相の位相偏差を示す。
モータ回転中における推定位相系の応答性の定量評価は、位相が連続的に変化しているため、ステップ応答では難しい。例えば、一時的に回転位置センサを取り付けられる環境であれば、図11のように、推定位相に外乱を加え、センサ位相に推定位相を追従させるように、位相偏差の整定時間を調整することで、Kpes、Kiesを決定できる。
以上のように、本実施の形態において機械学習装置101は、永久磁石同期モータであるモータ1をベクトル制御によって制御するモータ制御装置200と接続して、モータ制御装置200の機械学習を行う機械学習装置である。
機械学習装置101は、モータ1のdq座標電流の応答時系列データを記憶する電流応答時系列データ記憶部24と、dq座標電流の時系列データから、電流制御の時定数を検出する電流時定数検出部23とを備える。
加えて、機械学習装置101は、電流時定数検出部23が出力した時定数に基づき、モータ1の抵抗値とq軸インダクタンスとを補正するモータ定数補正部22と、あらかじめ設定したモータ定数の設定値とモータ定数補正部22が出力したモータ定数補正値に基づき、電流応答教師データと電流応答テストデータとを生成する電流応答データ生成部25と、電流応答教師データと電流応答テストデータとに基づき、モータ1の電流応答性のクラス分類を行う電流応答分類部26とを備える。
この構成により、永久磁石同期モータ1のベクトル制御系において、設定値補正と制御ゲイン修正とを実行し、精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
また、本実施の形態のように、電流応答分類部26は、モータ1の回転子の位置決めにおいて、電流指令値を与えたときの、dq座標系電流の時系列データに対して、dq座標系電流の立上り時間の時定数、オーバーシュート量および定常偏差の値の少なくとも一つに基づいて分類したクラス分類を、モータ制御装置200へ出力してもよい。
また、本実施の形態のように、モータ定数補正部は、モータ1の抵抗真値、モータ1のd軸のインダクタンス真値、およびモータ1のq軸のインダクタンス真値の少なくとも一つを、電流時定数検出部23の時定数から同定し、モータ制御装置200へ出力してもよい。
また、本実施の形態のように、電流応答教師データは、抵抗設定値、d軸インダクタンス設定値、およびq軸インダクタンス設定値の少なくとも一つに基づき生成した積分系または1次遅れ系の過渡応答時系列データにおける、立上り時の時定数、オーバーシュート量、および定常偏差の値の少なくとも一つを含む特徴量ベクトルに基づいて分類したクラス分類と、所定の電流応答周波数とを、モータ制御装置200へ出力してもよい。
また、本実施の形態のように、モータ制御装置200は、センサレスベクトル制御によってモータ1を制御してもよい。
これにより、位置センサレス構成のモータ制御装置において、推定位相部のモータパラメータ同定結果による変更によって、脱調しにくくなる効果がある。
また、本実施の形態におけるモータ制御装置200は、上記の機械学習装置101からの出力に応じ、永久磁石同期モータであるモータ1をセンサレスベクトル制御によって制御するモータ制御装置である。
モータ制御装置200は、モータ1の静止座標系のU相とV相とW相の三相電流を検出する電流検出部3と、三相電流を、推定回転座標系のγ軸電流とδ軸電流とに変換する三相/γδ座標変換部31と、γ軸電流とδ軸電流とに基づき、γ軸速度誘起電圧またはδ軸速度誘起電圧の少なくとも一つの速度誘起電圧を算出する誘起電圧オブザーバ部32と、速度誘起電圧に基づきモータの推定回転位置を算出する回転位置推定部33と、速度誘起電圧に基づきモータの推定回転速度を算出する回転速度推定部34とを備える。
加えて、モータ制御装置200は、モータ1の速度指令値と回転速度推定部34が算出した推定回転速度とに基づき、γ軸電流またはδ軸電流の少なくとも一つの指令電流を算出する推定速度制御部35と、指令電流とγδ軸電流とに基づき、γ軸またはδ軸の少なくとも一つの推定電圧指令値を算出するγδ軸電流制御部36と、推定電圧指令値を推定回転座標系の三相電圧指令値に変換するγδ座標/三相変換部37と、三相電圧指令値に基づきインバータに備わるスイッチング素子をパルス幅制御し、モータ1を駆動するPWM制御部11とを備える。
加えて、モータ制御装置200は、推定速度制御部35のパラメータを変更する推定速度制御パラメータ変更部38と、γδ軸電流制御部のパラメータを変更するγδ軸電流制御パラメータ変更部39と、モータ1のモータ軸イナーシャ定数を変更するイナーシャ定数変更部15と、モータ1の抵抗定数、d軸インダクタンス定数、およびq軸インダクタンス定数を変更するモータ定数変更部13と、推定速度制御パラメータ変更部38、モータ定数変更部13、およびγδ軸電流制御パラメータ変更部39の少なくとも一つの実行可否を決定する変更可否決定部16とを備える。
この構成により、永久磁石同期モータ1のベクトル制御系において、設定値補正と制御ゲイン修正とを実行し、精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
なお、図10の機械学習装置101は、速度制御系(イナーシャ定数補正部17~速度応答分類部21のブロック)の学習と、電流制御系(モータ定数補正部22~電流応答分類部26のブロック)の学習とを備えている。実施の形態2においては、電流制御系のみでも構わない。また、機械学習装置101は、速度制御系と電流制御系の両方の学習を行えば、より精度の高い速度制御と電流制御とが実現可能になる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1、2を説明した。しかしながら、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。また、上記実施の形態1、2で説明した各構成要素を組合せて、新たな実施の形態とすることも可能である。
実施の形態1、2において、機械学習装置101は、モータ制御装置100および200の製造や修理などの調整時において接続容易な形態に構成される。機械学習装置101とモータ制御装置200および200とを別体として説明しているが、機械学習装置101をモータ制御装置100および200とともに製品(例えば、電気洗濯機)に搭載し一体化する形態でもよい。あるいはまた、機械学習装置101は、モータ制御装置100および200とネットワークなどの通信回線を介して接続容易な形態に構成し、遠隔において機械学習を行ってもよい。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
また、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示は、応答時系列データからベクトル制御アルゴリズムにおける、速度制御系または電流制御系の制御ゲイン補正、および非干渉制御部や誘起電圧オブザーバ部のモータ定数補正を行うことで、制御性能の劣化を防ぐことができる。
具体的には、各洗濯工程でモータ軸イナーシャや要求される負荷トルクが大きく変化する縦型洗濯機やドラム式洗濯機において、トルク応答の要求を満足するために適用できる。洗濯機には洗濯乾燥機を含めてもよい。
また、幅広い温度変化によって巻線抵抗値が変動するエアコン室外機の圧縮機モータにおいて、誘起電圧オブザーバの推定精度向上のために適用できる。
また、応答時系列データをIoT(Internet of Things)データとして定常的に、クラウドやオンプレミスのデータセンターに吸い上げることで、機器の異常状態や経年劣化を判断するデータとなるため、遠隔での機器の状態診断や円滑な修理対応などのサービスに活用できる。
1 永久磁石同期モータ(モータ)
2 回転位置検出部
3 電流検出部
4 三相/dq座標変換部
5 微分処理部
6 非干渉制御部
8 速度制御部
9 電流制御部
10 dq座標/三相変換部
11 PWM制御部
12 電流制御パラメータ変更部
13 モータ定数変更部
14 速度制御パラメータ変更部
15 イナーシャ定数変更部
16 変更可否決定部
17 イナーシャ定数補正部
18 速度時定数検出部
19 速度応答時系列データ記憶部
20 速度応答データ生成部
21 速度応答分類部
22 モータ定数補正部
23 電流時定数検出部
24 電流応答時系列データ記憶部
25 電流応答データ生成部
26 電流応答分類部
27 マイコン通信処理部
28 外部端末通信処理部
31 三相/γδ座標変換部
32 誘起電圧オブザーバ部
33 回転位置推定部
34 回転速度推定部
35 推定速度制御部
36 γδ軸電流制御部
37 γδ座標/三相変換部
38 推定速度制御パラメータ変更部
39 γδ軸電流制御パラメータ変更部
41 ステップ指令部
42 速度PI制御部
43 電流PI制御部
44 モータモデル
45 機械系モデル
100、200 モータ制御装置
101 機械学習装置

Claims (4)

  1. 永久磁石同期モータであるモータをベクトル制御によって制御するモータ制御装置と接続して、前記モータ制御装置の機械学習を行う機械学習装置であって、
    前記モータのdq座標電流の応答時系列データを記憶する電流応答時系列データ記憶部と、
    前記dq座標電流の時系列データから、電流制御の時定数を検出する電流時定数検出部と、
    前記電流時定数検出部が出力した時定数に基づき、前記モータの抵抗値とq軸インダクタンスとを補正するモータ定数補正部と、
    あらかじめ設定したモータ定数の設定値と前記モータ定数補正部が出力したモータ定数補正値に基づき、電流応答教師データと電流応答テストデータとを生成する電流応答データ生成部と、
    前記電流応答教師データと前記電流応答テストデータとに基づき、前記モータの電流応答性のクラス分類を行う電流応答分類部と、
    を備える機械学習装置。
  2. 前記電流応答分類部は、前記モータの回転子の位置決めにおいて、電流指令値を与えたときの、前記dq座標系電流の時系列データに対して、前記dq座標系電流の立上り時間の時定数、オーバーシュート量および定常偏差の値の少なくとも一つに基づいて分類したクラス分類を、前記モータ制御装置へ出力する、
    請求項記載の機械学習装置。
  3. 前記モータ定数補正部は、前記モータの抵抗真値、前記モータのd軸のインダクタンス真値、および前記モータのq軸のインダクタンス真値の少なくとも一つを、前記電流時定数検出部の時定数から同定し、前記モータ制御装置へ出力する、
    請求項記載の機械学習装置。
  4. 前記電流応答教師データは、
    抵抗設定値、d軸インダクタンス設定値、およびq軸インダクタンス設定値の少なくとも一つに基づき生成した積分系または1次遅れ系の過渡応答時系列データにおける、立上
    り時の時定数、オーバーシュート量、および定常偏差の値の少なくとも一つを含む特徴量ベクトルに基づいて分類した前記クラス分類と、所定の電流応答周波数とを、前記モータ制御装置へ出力する、
    請求項またはに記載の機械学習装置。
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