以下に、図面を参照して本発明に係る充電システムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<実施形態1>
(充電システムの構成)
まず、本発明の実施形態1に係る充電システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る充電システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態1に係る充電システム1は、電源として充電式のバッテリを各々備える複数のセンサ装置2-1~2-aと、これらのバッテリの充電を必要に応じて行う複数の充電器3-1~3-bと、これらのバッテリの充電や交換といったメンテナンスの状況等を管理する管理装置6とを備える。以下、「バッテリのメンテナンス」または単に「メンテナンス」といえば、バッテリの充電や交換を意味する。
複数のセンサ装置2-1~2-aは、各々、所望の対象物(図示せず)に敷設されるIoTデバイス等の機能端末の一例である。本実施形態1において、上記「a」は2以上の整数(図1では4以上の整数)であり、センサ装置2-1~2-aの配置数は、合計a個(≧2個)である。例えば、複数のセンサ装置2-1~2-aは、広域な領域に亘って分散するように単一または複数の対象物に敷設されている。また、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々が敷設される対象物を特定するために用いるID情報は、これら複数のセンサ装置2-1~2-aの各メモリや管理装置6が備える記憶装置(後述するでデータサーバ)に格納されている。
これらのセンサ装置2-1~2-aの各々は、電源として充電式のバッテリを備え、所定の情報を検出する検出機能と、図1に示すネットワーク5を介して管理装置6と情報を送受信する通信機能とを有する。具体的には、これらのセンサ装置2-1~2-aの各々は、バッテリの電力を利用して、上記対象物に関する情報を検出し、検出した情報を、ネットワーク5を介して管理装置6に送信する。なお、センサ装置2-1~2-aの個数は、動的に増減することが可能である。
これらのセンサ装置2-1~2-aの各々が敷設される対象物としては、例えば、電線、電柱、鉄塔、地中またはトラフ内に設置される通信ケーブル等の通信機器、ビル、インフラ施設等、広域な領域に亘って設置されている構造物が挙げられる。また、センサ装置2-1~2-aの各々によって検出される対象物の情報は、例えば、温度、湿度、振動量、加速度、敷設される対象物での漏水、浸水、凍結(路面凍結、地面凍結)、降雪、降雨の有無のうち少なくとも一つの物理量である。以下、単に「対象物」といえば、センサ装置2-1~2-aの各々が敷設される対象物を意味する。
複数の充電器3-1~3-bは、各々、上述したセンサ装置2-1~2-aの各バッテリを必要に応じて充電するためのものである。本実施形態1において、上記「b」は2以上の整数(図1では5以上の整数)であり、充電器3-1~3-bの総数は、b個(≧2個)である。例えば、複数の充電器3-1~3-bの各々は、作業者によって持ち運び可能な可搬型の充電器であり、作業者に携帯された状態で移動する。これらの充電器3-1~3-bの各々は、メンテナンス対象のセンサ装置(本実施形態1ではセンサ装置2-1~2-aのうち何れか)と非接触でバッテリを充電するワイヤレス充電機能と、ネットワーク5を介して管理装置6と情報を送受信する通信機能とを有する。
具体的には、これらの充電器3-1~3-bの各々は、メンテナンス対象のセンサ装置に対するバッテリの充電や交換といったメンテナンスに関する情報を、ネットワーク5を介して管理装置6と送受信する。特に、これらの充電器3-1~3-bのうち、ネットワーク5を介して管理装置6からバッテリのメンテナンス指示情報を受信した特定の充電器が、メンテナンス対象のセンサ装置に対してバッテリの充電を行う。
なお、充電器3-1~3-bの各々は、可搬型のものであればよく、通信機能の部分と充電機能の部分とが分離可能に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
管理装置6は、複数のセンサ装置2-1~2-aおよび複数の充電器3-1~3-bについて、バッテリのメンテナンス状況等を管理する装置である。例えば、図1に示すように、管理装置6は、ネットワーク5を介して複数のセンサ装置2-1~2-aの各々からバッテリの蓄電量(充電量)等の情報を取得し、取得した情報を各センサ装置2-1~2-a別に管理する。また、管理装置6は、ネットワーク5を介して複数の充電器3-1~3-bの各々からバッテリのメンテナンスに関する情報を送受信し、これにより、バッテリに対するメンテナンスの実行等の状況を各充電器3-1~3-b別に管理する。
本実施形態1において、ネットワーク5は、インターネットまたはLAN(ローカルエリアネットワーク)等の通信ネットワークであり、例えば図1に示すように、複数の基地局4-1~4-cを有する。複数の基地局4-1~4-cは、ネットワーク5における無線通信の基地局であり、広域に亘って、互いの通信エリアが部分的に重なるように分散して設置されている。上述したセンサ装置2-1~2-aの各々は、これらの基地局4-1~4-cのうち少なくとも一つの基地局の通信エリア内に位置するように、対象物に敷設されている。例えば、基地局4-1、4-2、4-3、4-4の各通信エリア内には、センサ装置2-1、2-2、2-3の何れかが位置している。また、これらの基地局4-1~4-cの各々は、自身の通信エリア内に運ばれた充電器(例えば図1に示す充電器3-1、3-2、3-3、3-4)と無線通信を行うことができる。
以下では、説明の便宜上、上述したセンサ装置2-1~2-aを総称して「センサ装置2」という場合がある。すなわち、センサ装置2は、複数のセンサ装置2-1~2-aのいずれか一つまたは全てを意味する。これと同様に、上述した充電器3-1~3-bを総称して「充電器3」という場合があり、充電器3は、複数の充電器3-1~3-bのいずれか一つまたは全てを意味する。上述した基地局4-1~4-cを総称して「基地局4」という場合があり、基地局4は、複数の基地局4-1~4-cのいずれか一つまたは全てを意味する。
(センサ装置の構成)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1に含まれるセンサ装置2の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態1におけるセンサ装置の一構成例を示すブロック図である。本実施形態1において、センサ装置2は、上述した対象物に敷設される機能端末の一例であり、図2に示すように、バッテリ21と、センサ部22と、メモリ23と、受電部24と、蓄電量測定部25と、端末通信部26と、局所域通信部27と、制御部28とを備える。
バッテリ21は、センサ装置2の電源として機能する充電式のバッテリであり、センサ装置2に交換可能に組み込まれる。バッテリ21は、充電器3によって充電され、これによって電力を蓄積する。バッテリ21は、このような充電と、センサ装置2の各構成部へ電力を供給する放電とを繰り返し行うことが可能である。例えば、バッテリ21は、センサ部22、メモリ23、蓄電量測定部25および制御部28等に電力を供給する。また、バッテリ21は、制御部28を介して、端末通信部26の広域送信部26aおよび広域受信部26bと、局所域通信部27とに電力を供給する。なお、本実施形態1において、広域送信部26a、広域受信部26bおよび局所域通信部27には、制御部28を介してバッテリ21の電力が供給されているが、これに限らず、バッテリ21から直接的に電力が供給されてもよい。また、バッテリ21として、例えば、キャパシタ、鉛蓄電池またはリチウム電池等の充電可能な電池(二次電池)が挙げられる。
センサ部22は、センサ装置2が敷設された対象物に関する所定の機能を実行する機能部の一例である。本実施形態1において、センサ部22は、上記所定の機能として、対象物に関する情報を検出する検出機能を有する。具体的には、センサ部22は、バッテリ21の電力を利用して、対象物に関して目的とする情報を検出する。センサ部22によって検出される上記情報(対象物に関する情報)としては、例えば、温度、湿度、振動量(振動振幅)、振動加速度、敷設される対象物での漏水、浸水、凍結(路面凍結、地面凍結)、降雪、降雨の有無等のうち少なくとも一つの物理量が挙げられる。
メモリ23は、センサ装置2に固有の端末IDを記憶する端末メモリの一例である。具体的には、上述した複数のセンサ装置2-1~2-a(図1参照)のうち、このセンサ装置2に割り振られた端末IDが、このセンサ装置2のメモリ23に格納される。このメモリ23が当該端末IDを記憶することにより、このセンサ装置2は、当該端末IDと対応付けられ、当該端末IDに基づいて他のセンサ装置と識別可能になる。
受電部24は、バッテリ21を充電するための電力を充電器3から受けるものである。受電部24は、ワイヤレス給電方式のものであることが望ましいが、コンセントプラグ方式のものでもよい。具体的に、受電部24がワイヤレス給電方式のものである場合、受電部24は、コイルや電極等の素子によって構成される。受電部24は、充電器3によるバッテリ21の充電の際、充電器3から発生した交番電界または交番磁界(以下、電磁界と略記する)を電力に変換して受電し、得られた電力をバッテリ21に供給する。これにより、受電部24は、充電器3からの電力をバッテリ21に蓄積させる。
蓄電量測定部25は、バッテリ21の蓄電量を測定するものである。詳細には、蓄電量測定部25は、電流計および電圧計等によって構成される。蓄電量測定部25は、バッテリ21に蓄積(充電)されている電力の蓄電量(バッテリ残量ともいう)を測定する。
端末通信部26は、図1に示したネットワーク5を介してセンサ装置2と管理装置6とが通信を行うための広域の通信部(第1の通信部の一例)である。詳細には、図2に示すように、端末通信部26は、広域送信部26aと広域受信部26bとによって構成される。広域送信部26aおよび広域受信部26bは、ネットワーク5の基地局4と無線通信を行い、これにより、基地局4からネットワーク5を介して管理装置6と通信可能に接続される。例えば、広域送信部26aは、バッテリ21の蓄電量測定データを、無線信号に含めて基地局4に送信することにより、この基地局4からネットワーク5を介して管理装置6に送信する。
本実施形態1において、無線信号は、送信対象のデータをのせた搬送波に対して所定の変調処理等を行うことによって生成される信号である。バッテリ21の蓄電量測定データは、蓄電量測定部25によって測定されたバッテリ21の蓄電量とメモリ23から読み出された端末IDとを対応付けたデータである。また、広域受信部26bは、管理装置6によって送信された情報(例えばバッテリ21の蓄電量の測定を指示する指示情報等)を、ネットワーク5を介して基地局4から受信する。この際、広域受信部26bは、基地局4から受信した無線信号に対して所定の復調処理などを行うことにより、この無線信号に含まれる情報(管理装置6からの送信情報)を取得する。
局所域通信部27は、上述した端末通信部26に比べて狭い領域(すなわち局所域)内における通信を行うものである。局所域通信部27は、無線通信を行うものであることが望ましいが、有線通信を行うものでもよい。具体的には、局所域通信部27が無線通信を行うものである場合、局所域通信部27は、受電部24に対して電磁界を発生させる充電器3、すなわち、バッテリ21を充電する充電器3と無線通信を行う。例えば、局所域通信部27は、この充電器3に対して、バッテリ21の充電に関する情報を送受信する。
制御部28は、センサ装置2の動作を制御するものである。詳細には、制御部28は、処理プログラム等を記憶するメモリおよび当該処理プログラムを実行するCPU等によって構成される。制御部28は、センサ装置2の各構成部の動作および処理と、各構成部間での信号の送受信とを制御する。例えば、制御部28は、センサ部22および蓄電量測定部25の各動作タイミング、メモリ23による情報の記憶および読み出し処理、広域送信部26a、広域受信部26bおよび局所域通信部27の各通信処理を制御する。
(充電器の構成)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1に含まれる充電器3の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態1における充電器の一構成例を示すブロック図である。本実施形態1において、充電器3は、上述した対象物に敷設される機能端末のバッテリを充電する可搬型の充電器の一例である。図3に示すように、充電器3は、送電部31と、送電量測定部32と、充電器通信部33と、局所域通信部34と、メモリ35と、入力部36と、表示部37と、大容量バッテリ38と、制御部39と、撮像部40とを備える。
なお、充電器3は、送電部31および送電量測定部32等の充電機能に関連する構成部を有する本体と、広域送信部33aおよび広域受信部33b等の通信機能に関連する構成部を有する別体とに分離可能に構成されていてもよいし、上記の各構成部を一体の筐体内部に備えていてもよい。
送電部31は、センサ装置2のバッテリ21(図2参照)を充電するためのものである。送電部31は、無線で送電するものが望ましいが、有線で送電するものでもよい。具体的には、送電部31が無線で送電するものである場合、送電部31は、コイルや電極等の素子によって構成され、センサ装置2のバッテリ21(図2参照)のメンテナンス指示情報に基づいて、このバッテリ21を充電する。例えば、送電部31は、大容量バッテリ38から電力を受けて、充電器3の外部空間に電磁界を発生させる。送電部31は、この電磁界をセンサ装置2の受電部24(図2参照)に受けさせ、これにより、この受電部24に大容量バッテリ38からの電力を送電し、この受電部24を介してセンサ装置2のバッテリ21(図2参照)に当該電力を供給(充電)する。
送電量測定部32は、センサ装置2のバッテリ21を充電している際の送電部31の送電量を測定するものである。詳細には、送電量測定部32は、電流計および電圧計等によって構成される。送電量測定部32は、センサ装置2のバッテリ21を充電すべく送電部31が電磁界を介してセンサ装置2の受電部24に電力を送電している期間、連続的または所定の時間間隔で断続的に、送電部31からの電力の送電量を測定する。
充電器通信部33は、図1に示したネットワーク5を介して充電器3と管理装置6とが通信を行うための広域の通信部(第2の通信部の一例)である。詳細には、図3に示すように、充電器通信部33は、広域送信部33aと広域受信部33bとによって構成される。広域送信部33aおよび広域受信部33bは、ネットワーク5の基地局4と無線通信を行い、これにより、基地局4からネットワーク5を介して管理装置6と通信可能に接続される。
例えば、広域送信部33aは、送電部31の送電量測定データを、無線信号に含めて基地局4に送信することにより、この基地局4からネットワーク5を介して管理装置6に送信する。送電量31の送電量測定データは、送電量測定部32によって測定された送電部31の蓄電量を示すデータである。本実施形態1において、送電量測定データは、充電器3に固有の充電器IDと対応付けて送信される。
また、広域受信部33bは、管理装置6によって送信された情報(例えば、センサ装置2のバッテリ21のメンテナンスを指示するためのメンテナンス指示情報等)を、ネットワーク5を介して基地局4から受信する。この際、広域受信部33bは、基地局4から受信した無線信号に対して所定の復調処理などを行うことにより、この無線信号に含まれる情報(管理装置6からの送信情報)を取得する。
局所域通信部34は、局所域内における無線通信を行うものである。詳細には、局所域通信部34は、送電部31から送電される電力を受電するセンサ装置2、すなわち、メンテナンス対象のセンサ装置2と無線通信を行う。例えば、局所域通信部34は、メンテナンス対象のセンサ装置2におけるバッテリ21の充電に関する情報を、このセンサ装置2から受信する。
メモリ35は、充電器3に固有の充電器IDを記憶する充電器メモリの一例である。具体的には、上述した複数の充電器3-1~3-b(図1参照)のうち、この充電器3に割り振られた充電器IDが、この充電器3のメモリ35に格納される。このメモリ35が当該充電器IDを記憶することにより、この充電器3は、当該充電器IDと対応付けられ、当該充電器IDに基づいて他の充電器と識別可能になる。
入力部36は、充電器3に各種情報を入力するためのものである。詳細には、入力部36は、入力ボタンまたはタッチパネル等によって構成され、作業者の入力操作に応じて各種情報を制御部39に入力する。入力部36によって入力される情報として、例えば、センサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスに関する情報、センサ装置2が敷設されている対象物を示す情報等が挙げられる。
表示部37は、充電器3に各種情報を表示するためのものである。詳細には、表示部37は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成され、制御部39によって表示指示された情報を表示する。表示部37によって表示される情報として、例えば、ネットワーク5の基地局4を介して管理装置6から広域受信部33bが受信した情報、入力部36によって入力された情報等が挙げられる。また、表示部37によって表示される情報として、例えば、撮像部40によって撮像された画像、センサ装置2の位置等を示す情報が挙げられる。撮像部40によって撮像された画像としては、例えば、以前のセンサ装置2の画像、センサ装置2が敷設されている対象物の画像等が挙げられる。
大容量バッテリ38は、充電器3の電源およびセンサ装置2の充電用電源として機能する大容量のバッテリである。詳細には、大容量バッテリ38は、一次電池または二次電池によって構成され、例えば、充電器3に交換可能に組み込まれる。大容量バッテリ38は、充電器3の各構成部、例えば、送電量測定部32、メモリ35、入力部36、表示部37および制御部39等に電力を供給する。また、大容量バッテリ38は、制御部39を介して、充電器通信部33の広域送信部33aおよび広域受信部33bと、局所域通信部34とに電力を供給する。一方、大容量バッテリ38は、充電器3がセンサ装置2を充電する際、送電部31に充電用の電力を供給する。なお、本実施形態1において、広域送信部33a、広域受信部33bおよび局所域通信部34には、制御部39を介して大容量バッテリ38の電力が供給されているが、これに限らず、大容量バッテリ38から直接的に電力が供給されてもよい。
制御部39は、充電器3の動作を制御するものである。詳細には、制御部39は、処理プログラム等を記憶するメモリおよび当該処理プログラムを実行するCPU等によって構成される。制御部39は、充電器3の各構成部の動作および処理と、各構成部間での信号の送受信とを制御する。例えば、制御部39は、送電部31および送電量測定部32の各動作タイミング、広域送信部33a、広域受信部33bおよび局所域通信部34の各通信処理、メモリ35による情報の記憶および読み出し処理、入力部36の入力処理、表示部37の表示動作、撮像部40の撮像動作を制御する。
撮像部40は、静止画または動画等の画像を撮像するものである。例えば、撮像部40は、作業者による入力部36の操作に応じて撮像の指示情報が入力された場合、この指示情報を受けた制御部39の制御に基づいて画像を撮像する。撮像部40によって撮像される画像として、例えば、センサ装置2の充電時や充電前後におけるセンサ装置2の画像、センサ装置2の周辺状況を示す画像、センサ装置2が敷設されている対象物の画像等が挙げられる。撮像部40による画像は、充電器3のメモリ35に格納されてもよいし、広域送信部33aからネットワーク5の基地局4を介して管理装置6に送信されてもよい。
(管理装置の構成)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1に含まれる管理装置6の構成について説明する。図4は、本発明の実施形態1における管理装置の一構成例を示すブロック図である。本実施形態1において、管理装置6は、充電システム1における複数のセンサ装置2および充電器3の各々に関する各種情報、これらのセンサ装置2の各々におけるバッテリ21のメンテナンスの状況および実績等を管理する装置である。このような管理装置6は、例えば図4に示すように、データサーバ61と、制御装置62と、学習装置63と、入力部64とを備える。
データサーバ61は、ネットワーク5を介して各種情報やデータを送受信する広域の通信機能と、取得した情報やデータを格納して管理する管理機能とを有する。本実施形態1において、データサーバ61は、図4に示すように、ネットワーク5と通信可能に接続され、このネットワーク5における複数の基地局4-1~4-cを介して、上述したセンサ装置2および充電器3と通信を行う。データサーバ61は、センサ装置2からの受信データ等に基づく各種情報、すなわち、センサ装置2に関する各種情報を格納して管理する。また、データサーバ61は、充電器3からの受信データ等に基づく各種情報、すなわち、充電器3に関する各種情報を格納して管理する。
詳細には、図4に示すように、データサーバ61は、センサ装置2に関する情報として、ID情報61aと、敷設対象情報61bと、位置情報61cと、バッテリ情報61dと、履歴情報61eとを格納し、管理する。また、データサーバ61は、充電器3に関する情報として、充電器情報61fを格納し、管理する。
上述の各種情報の中でも、IoTデバイスとして機能するセンサ装置2の状況を管理するという観点から特に重要なものが、敷設対象情報61bである。何故ならば、IoTデバイスとしてのセンサ装置2は、敷設される対象物が多種多様であったり、敷設される対象物が動的に変化したりするためである。
ID情報61aは、センサ装置2に固有の端末IDを示す情報である。詳細には、ID情報61aは、複数のセンサ装置2(具体的には図1に示したセンサ装置2-1~2-aの全て)に各々割り振られた複数の端末IDを含む。例えば、これら複数の端末IDは、入力部64によって制御装置62に入力され、制御装置62を介してデータサーバ61に入力される。データサーバ61は、これら複数の端末IDを、ID情報61aとして格納し、複数のセンサ装置2の各別に管理する。
敷設対象情報61bは、複数のセンサ装置2の各々が敷設されている対象物を示す情報である。例えば、センサ装置2の対象物の情報は、入力部64によってセンサ装置2の端末ID別に制御装置62に入力され、制御装置62を介してデータサーバ61に入力される。あるいは、センサ装置2の対象物の情報は、このセンサ装置2の端末IDとともに充電器3に入力され、この充電器3の広域送信部33aからネットワーク5を介して当該端末IDとともにデータサーバ61に受信される。また、センサ装置2の対象物の情報は、充電器3から送信された画像(撮像部40による静止画または動画)、対象物の周辺またはセンサ装置2の周辺を示す周辺情報を含んでいてもよい。
データサーバ61は、上記のようにして取得した対象物の情報を含む敷設対象情報61bを、複数のセンサ装置2の各々に割り振られた端末IDと対応付けて更新可能に格納する。データサーバ61は、格納した敷設対象情報61bを、センサ装置2が敷設されている現在の対象物を示す情報としてセンサ装置2の端末ID別に管理する。
位置情報61cは、複数のセンサ装置2の各位置を示す情報である。例えば、センサ装置2の位置は、後述する制御装置62の位置処理部62eによって算出され、制御装置62からデータサーバ61に入力される。あるいは、センサ装置2の位置は、このセンサ装置2の端末IDとともに充電器3に入力され、この充電器3の広域送信部33aからネットワーク5を介して当該端末IDとともにデータサーバ61に受信される。データサーバ61は、上記のようにして取得したセンサ装置2の位置を示す位置情報61cを、複数のセンサ装置2の各々に割り振られた端末IDと対応付けて更新可能に格納する。データサーバ61は、格納した位置情報61cを、センサ装置2の現在位置を示す情報として端末ID別に管理する。
バッテリ情報61dおよび履歴情報61eは、複数のセンサ装置2の各々におけるバッテリ21のメンテナンス実績を示す情報である。詳細には、バッテリ情報61dは、複数のセンサ装置2の各々におけるバッテリ21の充電実績を示す情報である。バッテリ情報61dには、センサ装置2のバッテリ21の蓄電量(測定値)、蓄電量プロファイル、充電回数、充電器3の送電部31の送電量(測定値)等が含まれる。蓄電量プロファイルは、バッテリ21の充電時または放電時における蓄電量の経時変化を示すプロファイルである。
例えば、データサーバ61は、ネットワーク5を介してセンサ装置2の端末通信部26からバッテリ21の測定された蓄電量を含む蓄電量測定データを受信する。データサーバ61は、この蓄電量等を含むバッテリ情報61dを、複数のセンサ装置2の各々に割り振られた端末IDと対応付けて更新可能に格納する。一方、履歴情報61eは、複数のセンサ装置2の各々におけるバッテリ21の交換実績を示す情報である。履歴情報61eには、センサ装置2のバッテリ交換の日付(年月日)や時間を示す交換日時、バッテリ21の種類、型番、ロット情報等が含まれる。また、履歴情報61eには、センサ装置2の対象物への敷設履歴(例えば敷設の日付(年月日)や時間を示す敷設日時)が含まれる。データサーバ61は、このような履歴情報61eを、複数のセンサ装置2の各々に割り振られた端末IDと対応付けて更新可能に格納する。データサーバ61は、これらのバッテリ情報61dおよび履歴情報61eをもとに、複数のセンサ装置2の各々におけるバッテリ21のメンテナンス実績を上記端末IDと対応付けて管理する。
充電器情報61fは、センサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス状況について複数の充電器3を各々管理するための情報である。詳細には、充電器情報61fには、複数の充電器3の各々に割り振られた充電器ID、複数の充電器3の各位置、複数の充電器3の各々についてバッテリ21のメンテナンスを実行しているか否かを示す情報(例えばフラグ)等が含まれる。データサーバ61は、このような充電器情報61fを、複数の充電器3の各々に割り振られた充電器IDと対応付けて更新可能に格納する。データサーバ61は、充電器情報61fをもとに、センサ装置2のバッテリ21に対するメンテナンス状況を、複数の充電器3の各別に管理する。
制御装置62は、複数のセンサ装置2の各々に対するセンサ装置2のバッテリ21のメンテナンスを制御する装置である。詳細には、図4に示すように、制御装置62は、選択処理部62aと、指示処理部62bと、判断処理部62cと、検索処理部62dと、位置処理部62eと、タイマ62fと、制御部62gとを備える。
選択処理部62aは、複数のセンサ装置2の中から目的のセンサ装置を選択する選択処理を実行する。詳細には、選択処理部62aは、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から、バッテリ21の検査対象とするセンサ装置2(以下、検査対象のセンサ装置2という)を選択する。本実施形態1において、バッテリ21の検査は、バッテリ21がメンテナンスを要する状態であるか否かを判断するための検査である。上述したデータサーバ61は、選択処理部62aによって選択された検査対象のセンサ装置2の端末通信部26からネットワーク5を介して、バッテリ21の蓄電量測定データを受信する。また、選択処理部62aは、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から、バッテリ21がメンテナンスを要する状態と判断されたセンサ装置2(以下、メンテナンス対象のセンサ装置2という)を選択する。
指示処理部62bは、充電器3に対してセンサ装置2のバッテリ21のメンテナンスを指示するための処理を実行する。詳細には、指示処理部62bは、複数のセンサ装置2-1~2-aのうち、バッテリ21のメンテナンスを要する状態と判断されたメンテナンス対象のセンサ装置2毎に、複数の充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3にバッテリ21のメンテナンスを指示するためのメンテナンス指示情報を生成する。本実施形態1において、特定の充電器3は、例えば、複数の充電器3-1~3-bのうち特定の条件を満たす唯一の充電器である。上述したデータサーバ61は、指示処理部62bによって生成されたメンテナンス情報を、ネットワーク5を介して上記特定の充電器3の充電器通信部33に送信する。
判断処理部62cは、センサ装置2のバッテリ21の状態(以下、バッテリ状態と適宜いう)を判断するものである。詳細には、判断処理部62cは、センサ装置2の端末通信部26からネットワーク5を介してデータサーバ61に受信された蓄電量測定データをもとに、このセンサ装置2のバッテリ21がメンテナンスを要する状態であるか否かを判断する。また、判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の蓄電量測定データと上記特定の充電器3の送電量測定データとをもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が充電完了の状態であるか否かを判断する。
検索処理部62dは、上述した特定の充電器3の検索処理を実行する。詳細には、検索処理部62dは、複数の充電器3-1~3-bの中から、特定の条件を満たす特定の充電器3を検索する。上記特定の条件としては、例えば、データサーバ61がメンテナンス指示情報を送信していない空き状態であり且つメンテナンス対象のセンサ装置2の位置までの到達時間が最も短い状態である、という条件が挙げられる。また、上記到達時間は、位置情報61cの一部として管理されるメンテナンス対象のセンサ装置2の位置と、充電器情報61fの一部として管理される充電器3の位置と、これらの位置および移動経路等が含まれるマップ情報とをもとに、算出することが可能である。上述したデータサーバ61は、検索処理部62dによって検索された特定の充電器3の充電器通信部33に対し、ネットワーク5を介してメンテナンス情報を送信する。
位置処理部62eは、複数のセンサ装置2-1~2-aおよび充電器3-1~3-bの各々の位置を算出する。本実施形態1において、位置処理部62eは、ネットワーク5の基地局4-1~4-cのうち、センサ装置2の端末通信部26からの無線信号を受信した複数(例えば3つ)の基地局4の位置および受信強度をもとに、3点測位等の手法に基づいて、このセンサ装置2の位置を算出する。これと同様に、位置処理部62eは、充電器3の充電器通信部33からの無線信号を受信した複数の基地局4の位置および受信強度をもとに、3点測位等の手法に基づいて、この充電器3の位置を算出する。
タイマ62fは、現在の日時を出力する時計機能と経過時間を計測する計時機能とを有する。タイマ62fは、要求された現在の日時を出力する。また、タイマ62fは、指定された基準時点からの経過時間を計測し、計測した経過時間を出力する。
制御部62gは、上述した選択処理部62a、指示処理部62b、判断処理部62c、検索処理部62dおよび位置処理部62eの各処理を制御する。例えば、制御部62gは、タイマ62fによって出力された日時または経過時間に基づいて、これらの各処理の実行タイミング(開始および終了のタイミング)を制御する。また、制御部62gは、データサーバ61による各種情報の格納(記憶)および更新を制御する。
学習装置63は、制御装置62の判断処理部62cがセンサ装置2のバッテリ状態を判断するための判断則63aを構築すべく機械学習を行う装置である。詳細には、学習装置63は、データサーバ61に格納されたバッテリ21のメンテナンス実績(本実施形態1では上述したバッテリ情報61dおよび履歴情報61e)をもとに、交換が必要な場合と不要な場合との双方におけるバッテリ21の蓄電状態を学習する。
例えば、学習装置63は、センサ装置2が対象物に敷設されてからの期間の長さ、センサ装置2の充電回数、センサ装置2の前回の充電の際にかかった時間と充電量との関係等の情報をもとに、上記バッテリ21の蓄電状態を学習する。また、学習装置63は、バッテリ21の交換直後の充電プロファイルと最新の充電プロファイルとの変化等の情報を学習してもよい。そして、これらの情報は、例えば、データサーバ61との間でデータの送受信が可能なクラウドコンピュータ(図示せず)によって格納され、管理される。この結果、学習装置63は、従来に比較して多量の情報を学習することができるようになる。
これにより、学習装置63は、バッテリ21が交換を要する状態であるか否かを判断し得る判断則63aを構築する。学習装置63は、このように構築した判断則63aを制御装置62に提供する。制御装置62の判断処理部62cは、検査対象のセンサ装置2からの蓄電量測定データをもとに、この判断則63aに従ってバッテリ21が交換を要する状態であるか否かを判断する。また、学習装置63は、データサーバ61がバッテリ情報61dおよび履歴情報61eの少なくとも一つを更新した場合、その都度、更新後のバッテリ情報61dおよび履歴情報61eをもとに、交換が必要な場合と不要な場合との双方におけるバッテリ21の蓄電状態を再学習して、判断則63aを更新する。学習装置63は、更新後の判断則63aを制御装置62に提供する。
入力部64は、管理装置6に各種情報を入力するためのものである。詳細には、入力部64は、タッチパネル等の入力デバイスによって構成され、作業者の入力操作に応じて各種情報を制御装置62に入力する。また、入力部64は、作業者の入力操作に応じた各種情報を、制御装置62を介してデータサーバ61に入力する。入力部64によって入力される情報として、例えば、センサ装置2の端末ID、センサ装置2が敷設されている対象物を示す情報、充電器3の充電器ID等、データサーバ61に格納される情報が挙げられる。
(バッテリ検査)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1のバッテリ検査について説明する。図5は、本発明の実施形態1に係る充電システムのバッテリ検査の処理フローを例示するフロー図である。本実施形態1に係る充電システム1(図1参照)において、管理装置6は、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々に対して定期的に、対象物に関する物理量等の情報(以下、敷設対象データという)を検出させるとともに現時点でのバッテリ残量を測定させ、このバッテリ残量の測定値をもとにバッテリ検査を行う。
詳細には、図5に示すように、管理装置6は、前回のバッテリ検査が終了してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS101)。ステップS101において、管理装置6(図4参照)では、制御装置62の制御部62gが、タイマ62fから出力される時間情報をもとに、前回のバッテリ検査終了からの経過時間を把握する。制御部62gは、予め設定された所定時間に当該経過時間が達していなければ、所定時間が経過していないと判断し(ステップS101,No)、所定時間が経過するまでステップS101を繰り返す。
一方、ステップS101において、制御部62gは、当該経過時間が設定の所定時間に達していれば、所定時間が経過したと判断する(ステップS101,Yes)。この場合、管理装置6は、センサ選択処理を実行する(ステップS102)。ステップS102において、管理装置6では、制御装置62の選択処理部62aが、センサ選択処理を実行して、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から検査対象のセンサ装置2を選択する。
ステップS102の実行後、管理装置6は、選択された検査対象のセンサ装置2に対して、バッテリ残量の測定開始を指示する(ステップS103)。ステップS103において、管理装置6では、制御装置62の指示処理部62bが、この検査対象のセンサ装置2にバッテリ残量の測定開始と敷設対象データの検出開始とを指示するための測定開始指示情報を生成する。データサーバ61は、この指示処理部62bによって生成された測定開始指示情報を含む指示信号を、ネットワーク5を介して検査対象のセンサ装置2に送信する。
ステップS103の実行後、管理装置6は、指示した測定および検出の各データを検査対象のセンサ装置2から受信したか否かを判断する(ステップS104)。管理装置6は、検査対象のセンサ装置2からの上記各データを受信していない場合(ステップS104,No)、このステップS104の処理を繰り返す。
一方、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々は、管理装置6から測定や検出等の動作の開始指示を受けていない限り、バッテリ21の電力消費を抑えるスリープ状態となっており、管理装置6からの指示の有無を判断する(ステップS201)。これらのセンサ装置2-1~2-aの各々は、管理装置6から動作開始等の指示情報を受信していない場合、指示なしと判断し(ステップS201,No)、このステップS201の処理を繰り返す。
このようなセンサ装置2-1~2-aのうち、検査対象のセンサ装置2は、上述したステップS103により、管理装置6からの測定開始指示情報を受信する。詳細には、検査対象のセンサ装置2(図2参照)において、端末通信部26の広域受信部26bは、ネットワーク5の基地局4を介して、データサーバ61から測定開始指示情報を含む指示信号を受信し、受信した指示信号から復調処理等によって当該測定開始指示情報を取得する。制御部28は、広域受信部26bから当該測定開始指示情報を取得する。制御部28は、この測定開始指示情報に基づいて、管理装置6からの指示ありと判断する。
検査対象のセンサ装置2において、管理装置6からの指示ありの場合(ステップS201,Yes)、制御部28は、取得した測定開始指示情報に基づいて、蓄電量測定部25を制御する。蓄電量測定部25は、制御部28の制御に基づいて、バッテリ残量の測定を実行する(ステップS202)。ステップS202において、蓄電量測定部25は、例えば、検査対象のセンサ装置2がスリープ状態から起動する期間を含む所定期間、連続的または断続的にバッテリ21の蓄電量を測定する。蓄電量測定部25は、測定した蓄電量のデータを制御部28に送信する。
ステップS202の実行後、制御部28は、上記測定開始指示情報に基づいて、センサ部22を制御する。センサ部22は、制御部28の制御に基づいて、検査対象のセンサ装置2が敷設されている対象物の物理量等の敷設対象データを検出する(ステップS203)。センサ部22は、検出した敷設対象データを制御部28に送信する。
ステップS203の実行後、検査対象のセンサ装置2は、得られたデータを管理装置6に送信する(ステップS204)。ステップS204において、制御部28は、ステップS202で測定された蓄電量と、メモリ23から読み出した端末ID(検査対象のセンサ装置2に固有の端末ID)とを対応付けて、バッテリ21の蓄電量測定データを生成する。また、制御部28は、ステップS203で検出された敷設対象データと当該端末IDとを対応付ける。制御部28は、これらの蓄電量測定データおよび敷設対象データを広域送信部26aに与えて、この広域送信部26aを制御する。広域送信部26aは、制御部28の制御に基づいて、これらの蓄電量測定データおよび敷設対象データを含むデータ信号を生成し、生成したデータ信号を、ネットワーク5を介して管理装置6へ送信する。その後、検査対象のセンサ装置2は、スリープ状態になって上述したステップS201に戻り、このステップS201以降の処理を繰り返す。
一方、検査対象のセンサ装置2がデータ信号を送信した場合、管理装置6では、データサーバ61が、ネットワーク5を介して検査対象のセンサ装置2から上記データ信号を受信する。この場合、データサーバ61は、検査対象のセンサ装置2からの蓄電量測定データおよび敷設対象データを受信し(ステップS104,Yes)、これらの受信データを格納する。制御装置62は、この蓄電量測定データをデータサーバ61から取得し、上述したステップS102で選択された検査対象のセンサ装置2について、バッテリ状態の解析処理を実行して(ステップS105)、このバッテリ状態がメンテナンスを要する状態か否かを判断する(ステップS106)。
ステップS105~S106において、制御装置62の判断処理部62cは、例えば、この取得した蓄電量測定データをもとに、検査対象のセンサ装置2について、バッテリ21の放電時における蓄電量の経時変化(経時的な減少変化)を示す蓄電量プロファイル(バッテリ残量プロファイルともいう)を導出する。判断処理部62cは、この検査対象のセンサ装置2と同じ端末IDと対応付けられた前回の蓄電量プロファイルをデータサーバ61のバッテリ情報61dの中から読み込み、この前回の蓄電量プロファイルと上記導出した今回の蓄電量プロファイルとを比較する。判断処理部62cは、この比較結果をもとに検査対象のセンサ装置2のバッテリ状態を解析して、このセンサ装置2のバッテリ21がメンテナンスを要する状態とメンテナンスを要しない正常な状態との何れであるかを判断する。
本実施形態1では、メンテナンスを要するバッテリ状態としては、バッテリ21の残量が充電を要する程度に低下した状態と、バッテリ21が交換を要する程度に故障(劣化を含む)した状態とが挙げられる。判断処理部62cは、上記取得した蓄電量測定データをもとに、判断則63aに従って検査対象のセンサ装置2のバッテリ21が交換を要する状態であるかを判断する。上記のようにして、判断処理部62cは、検査対象のセンサ装置2のバッテリ21がメンテナンスとして充電を要する状態と、メンテナンスとして交換を要する状態と、正常な状態との何れであるかを判断する。
検査対象のセンサ装置2のバッテリ状態が充電を要する状態である場合(ステップS106,要充電)、管理装置6では、制御装置62が、バッテリ状態が充電を要する状態であることを示す要充電フラグをオン設定する(ステップS107)。ステップS107において、制御部62gは、検査対象のセンサ装置2に固有の端末IDと要充電フラグとを対応付けて、例えば、データサーバ61の格納情報(ID情報61a等)に要充電フラグを立てる。その後、管理装置6は、ステップS109の処理に進む。
また、検査対象のセンサ装置2のバッテリ状態が交換を要する状態である場合(ステップS106,要交換)、管理装置6では、制御装置62が、バッテリ状態が交換を要する状態であることを示す要交換フラグをオン設定する(ステップS108)。ステップS108において、制御部62gは、検査対象のセンサ装置2に固有の端末IDと要交換フラグとを対応付けて、例えば、データサーバ61の格納情報(ID情報61a等)に要交換フラグを立てる。その後、管理装置6は、ステップS109の処理に進む。
一方、検査対象のセンサ装置2のバッテリ状態が正常な状態である場合(ステップS106,正常)、管理装置6は、上述したステップS107、S108を行わずに、ステップS109の処理に進む。
上述したステップS106、S107またはS108の実行後、管理装置6は、検査対象のセンサ装置2についてセンサ位置の演算処理を実行する(ステップS109)。ステップS109において、管理装置6では、制御装置62の位置処理部62eが、3点測位等の手法に基づいて、検査対象のセンサ装置2が存在する現在の位置(すなわちセンサ位置)を算出する。
ステップS109の実行後、管理装置6は、検査対象のセンサ装置2の位置変動の有無を判断する(ステップS110)。ステップS110において、位置処理部62eは、データサーバ61に格納されている位置情報61cの中から、検査対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられているセンサ位置を読み込む。位置処理部62eは、この読み込んだセンサ位置と上述のステップ109で算出したセンサ位置との位置ずれ量と、予め設定された所定の閾値(例えば500m)とを比較する。
位置処理部62eは、この位置ずれ量が上記閾値を超える場合、検査対象のセンサ装置2の位置変動ありと判断し(ステップS110,Yes)、今回のステップS109で算出したセンサ位置を、検査対象のセンサ装置2の位置としてデータサーバ61に与える。データサーバ61は、この与えられたセンサ位置を検査対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられた位置として位置情報61cに上書きし、これにより、当該センサ位置を更新する(ステップS111)。
その後、管理装置6は、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理を繰り返す。一方、位置処理部62eは、上述した位置ずれ量が閾値以下である場合、検査対象のセンサ装置2の位置変動なしと判断する(ステップS110,No)。この場合、管理装置6は、ステップS111を行わずに、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理を繰り返す。
(センサ選択処理)
つぎに、上述したステップS102のセンサ選択処理について詳細に説明する。図6は、本発明の実施形態1におけるセンサ選択処理の一例を示すフロー図である。上述したステップS102のセンサ選択処理(図5参照)では、管理装置6における制御装置62の選択処理部62a(図4参照)が、図6に示すステップS301~S304の各処理を適宜実行する。
詳細には、上述したステップS101において所定時間が経過した場合、選択処理部62aは、まず、センサ番号を決定する(ステップS301)。本実施形態1に係る充電システム1では、複数のセンサ装置2-1~2-aに対して、予めセンサ番号#1~#aが各々割り当てられている。データサーバ61は、これらのセンサ番号#1~#aを、複数のセンサ装置2-1~2-aの各端末IDと各々対応付けて管理している。例えば、センサ番号#1は、センサ装置2-1に割り当てられた番号であり、このセンサ装置2-1の端末IDと対応付けられている。すなわち、センサ番号#1は、センサ装置2-1の端末ID(ID情報61a)、対象物(敷設対象情報61b)、センサ位置(位置情報61c)、バッテリ情報61dおよび履歴情報61e等と対応付けられている。このような対応付けは、センサ番号#2~#aとセンサ装置2-1~2-aとの間においても同様である。
ステップS301において、選択処理部62aは、前回のステップS303またはステップS304におけるセンサ番号に対してインクリメント処理を行うことにより、今回のセンサ番号を決定する。詳細には、前回のセンサ選択処理においてステップS303の処理が実行されていた場合、選択処理部62aは、この前回のステップS303において選択したセンサ装置2のセンサ番号(=#x(x:正の整数))に対してインクリメント処理を行う。これにより、選択処理部62aは、今回のセンサ番号(=#x+1)を決定する。一方、前回のセンサ選択処理においてステップS304の処理が実行されていた場合、選択処理部62aは、この前回のステップS304の処理による初期のセンサ番号(例えば#0)に対してインクリメント処理を行う。これにより、選択処理部62aは、今回のセンサ番号(例えば#1)を決定する。
ステップS301の実行後、選択処理部62aは、上記ステップS301で決定したセンサ番号が複数のセンサ装置2-1~2-aの配置数を超えるか否かを判断する(ステップS302)。ステップS302において、選択処理部62aは、上記決定したセンサ番号#n(n:正の整数)と複数のセンサ装置2-1~2-aの配置数(=a)とを比較する。選択処理部62aは、このセンサ番号#nが複数のセンサ装置2-1~2-aの配置数以下(#n≦a)である場合(ステップS302,No)、複数のセンサ装置2-1~2-aのうち、このセンサ番号#nに対応するセンサ装置を検査対象のセンサ装置2として選択する(ステップS303)。その後、管理装置6は、図5に示したステップS102にリターンし、このステップS102以降の処理を行う。
一方、選択処理部62aは、上述のステップS301で決定したセンサ番号#nが複数のセンサ装置2-1~2-aの配置数を超える(#n>a)場合(ステップS302,Yes)、このセンサ番号#nに対してリセット処理を行う(ステップS304)。ステップS304において、選択処理部62aは、センサ番号#nを初期値(例えば#n=0)にする。その後、選択処理部62aは、上述したステップS301に戻り、このステップS301以降の処理を繰り返す。
(敷設対象情報の更新処理)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1の管理装置6による敷設対象情報61bの更新処理について説明する。図7は、本発明の実施形態1における敷設対象情報の更新処理の一例を示すフロー図である。本実施形態1の管理装置6(図4参照)において、データサーバ61は、上述したように、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々の対象物を示す敷設対象情報61bを、複数のセンサ装置2-1~2-aの各端末IDと対応付けて格納し、管理している。このデータサーバ61に対し、センサ装置2の対象物を示す情報が、ネットワーク5を介して充電器3から送信された場合、あるいは、入力部64によって制御装置62に入力された場合、管理装置6では、制御装置62の制御部62gが、データサーバ61に対する当該対象物の情報を受け付けるとともに、データサーバ61に割り込みフラグを立てる。この割り込みフラグにより、制御部62gは、この受け付け済みの情報以外の対象物を示す情報の受け付け(例えば別の充電器3からネットワーク5を介しての受信または入力部64による入力)を禁止する。この状態において、管理装置6は、この受け付け済みの情報をもとに、敷設対象情報61bの更新処理を行う。
詳細には、図7に示すように、管理装置6は、まず、割り込みフラグの有無を判断する(ステップS401)。ステップS401において、上述した割り込みフラグがデータサーバ61に立てられている場合、データサーバ61は、割り込みフラグありと判断する(ステップS401,Yes)。この場合、データサーバ61は、割り込みフラグが立てられる前に受け付け済みの対象物を示す情報をもとに、敷設対象情報61bを更新する(ステップS402)。ステップS402において、データサーバ61は、受け付け済みの対象物を示す情報を、敷設対象情報61bに含まれる対象物の情報のうち、当該情報とともに受け付けた端末IDと同じ端末IDが対応付けられている対象物を示す情報に上書きする。これにより、データサーバ61は、敷設対象情報61bの更新を完了する。
ステップS402の実行後、管理装置6は、割り込みフラグのオフ設定を行う(ステップS403)。ステップS403において、制御装置62の制御部62gは、データサーバ61に設定していた割り込みフラグを解除する。これにより、制御部62gは、データサーバ61に対して、対象物を示す情報の新たな受け付けを許可する。その後、管理装置6は、上述したステップS401に戻り、このステップS401以降の処理を繰り返す。
一方、上述したステップS401において、割り込みフラグがデータサーバ61に立てられていない場合、データサーバ61は、割り込みフラグなしと判断する(ステップS401,No)。この場合、管理装置6は、データサーバ61に対する対象物を示す情報の新たな受け付けが許可された状態であり、このステップS401の処理を繰り返す。
上記のように適宜更新される敷設対象情報61bとしては、例えば、センサ装置2が敷設される対象物を示す文字情報や画像情報(静止画情報、動画情報)等が挙げられる。これらの情報は、充電器3の撮像部40によって取得されてもよいし、作業者が管理装置6の入力部64を操作することによってオフラインで取得(入力)されてもよい。
(バッテリのメンテナンス処理)
つぎに、本発明の実施形態1に係る充電システム1のバッテリのメンテナンス処理について説明する。図8は、本発明の実施形態1に係る充電システムによるバッテリのメンテナンス処理の処理フローを例示するフロー図である。本実施形態1に係る充電システム1(図1参照)では、管理装置6が、複数のセンサ装置2-1~2-aにおけるバッテリ21のメンテナンス実績と、複数の充電器3-1~3-bのバッテリ21に対するメンテナンス状況とを管理しながら、複数のセンサ装置2-1~2-aうちメンテナンス対象のセンサ装置2に対して、複数の充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3がバッテリ21のメンテナンスを実行する。
詳細には、図8に示すように、管理装置6は、前回のバッテリ21のメンテナンス処理が完了してから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501において、管理装置6(図4参照)では、制御装置62の制御部62gが、タイマ62fから出力される時間情報をもとに、前回のバッテリ21のメンテナンス処理完了からの経過時間を把握する。制御部62gは、予め設定された所定時間に当該経過時間が達していなければ、所定時間が経過していないと判断し(ステップS501,No)、所定時間が経過するまでステップS501を繰り返す。
一方、ステップS501において、制御部62gは、当該経過時間が設定の所定時間に達していれば、所定時間が経過したと判断する(ステップS501,Yes)。この場合、管理装置6は、センサ選択処理を実行する(ステップS502)。ステップS502において、管理装置6では、制御装置62の選択処理部62aが、図6に示したステップS301~S304と略同様の処理を適宜実行する。すなわち、選択処理部62aは、ステップS303において検査対象のセンサ装置2の代わりにメンテナンス対象のセンサ装置2を選択し、これ以外の処理を上述したステップS301、S302、S304と同様に実行する。
ステップS502の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が交換を要する状態であるか否かを判断する(ステップS503)。ステップS503において、管理装置6では、制御装置62の判断処理部62cが、メンテナンス対象のセンサ装置2に対応する要交換フラグの有無に基づいて、このセンサ装置2のバッテリ21が要交換の状態であるか否かを判断する。詳細には、判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられた要交換フラグがデータサーバ61の格納情報に立てられている場合、このセンサ装置2のバッテリ21は要交換の状態であると判断する。また、判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられた要交換フラグがデータサーバ61の格納情報に立てられていない場合、このセンサ装置2のバッテリ21は要交換の状態ではないと判断する。
ステップS503においてメンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が要交換の状態ではないと判断された場合(ステップS503,No)、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が充電を要する状態であるか否かを判断する(ステップS504)。ステップS504において、管理装置6では、制御装置62の判断処理部62cが、メンテナンス対象のセンサ装置2に対応する要充電フラグの有無に基づいて、このセンサ装置2のバッテリ21が要充電の状態であるか否かを判断する。詳細には、判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられた要充電フラグがデータサーバ61の格納情報に立てられている場合、このセンサ装置2のバッテリ21は要充電の状態であると判断する。また、判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDと対応付けられた要充電フラグがデータサーバ61の格納情報に立てられていない場合、このセンサ装置2のバッテリ21は要充電の状態ではないと判断する。
ステップS504においてメンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が要充電の状態ではないと判断された場合(ステップS504,No)、このセンサ装置2のバッテリ21は、交換を要する状態でもなければ充電を要する状態でもない。すなわち、このセンサ装置2は、ステップS502でメンテナンス対象として選択されたが、メンテナンス対象ではない。このため、管理装置6は、上述したステップS502に戻り、このステップS502以降の処理を繰り返す。これにより、管理装置6は、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から、メンテナンス対象のセンサ装置2を選択し直す。
一方、上述したステップS503においてメンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が要交換の状態であると判断された場合(ステップS503,Yes)、管理装置6は、ステップS504を行わずにステップS505に進む。また、上述したステップS504においてメンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21が要充電の状態であると判断された場合(ステップS504,Yes)、管理装置6は、ステップS505に進む。
上述したステップS503またはステップS504の実行後、管理装置6は、特定の充電器3を検索する(ステップS505)。ステップS505において、管理装置6では、制御装置62の検索処理部62dが、複数の充電器3-1~3-bの中から、特定の条件を満たす特定の充電器3を検索する。この特定条件としては、上述したように、データサーバ61がメンテナンス指示情報を送信していない空き状態であり且つメンテナンス対象のセンサ装置2の位置までの到達時間が最も短い状態である、という条件が挙げられる。検索処理部62dは、複数の充電器3-1~3-bの中から、バッテリ21のメンテナンス指示情報が送信されていない(すなわち後述のリンク設定が行われていない)1つ以上の充電器を、空き状態の充電器として検索する。ついで、検索処理部62dは、検索した空き状態の充電器のうち、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置までの到達時間が最も短い状態の充電器を特定の充電器3として絞り込むように検索する。
ステップS505の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2と上記特定の充電器3とのリンク設定を行う(ステップS506)。ステップS506において、管理装置6では、制御装置62の制御部62gが、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDと、ステップS505で検索された特定の充電器3の充電器IDとを対応付ける。これにより、制御部62gは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対し、バッテリ21のメンテナンスを実行する充電器として特定の充電器3を割り当てる、すなわち、これらのセンサ装置2と充電器3とをリンク設定する。このリンク設定をした状態において、制御部62gは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対して特定の充電器3以外の充電器がバッテリ21のメンテナンスを実行することを禁止する。例えば、制御部62gは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス指示情報を特定の充電器3以外の充電器へ送信すること、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス実行を特定の充電器3以外の充電器が要求すること等を禁止する。
なお、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末IDは、データサーバ61に格納されたID情報61aの中から読み込むことができる。特定の充電器3の充電器IDは、データサーバ61に格納された充電器情報61fの中から読み込むことができる。
ステップS506の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス実行を、特定の充電器3に指示する(ステップS507)。ステップS507において、管理装置6では、制御装置62の指示処理部62bが、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスを特定の充電器3に指示するためのメンテナンス指示情報を生成する。例えば、指示処理部62bは、メンテナンス対象のセンサ装置2に関する情報と、特定の充電器3の充電器IDとを対応付けて、上記メンテナンス指示情報を生成する。上記メンテナンス対象のセンサ装置2に関する情報としては、バッテリ21のメンテナンス指示および内容、メンテナンス対象のセンサ装置2の端末ID、センサ位置、対象物等の情報が挙げられる。データサーバ61は、このように生成されたメンテナンス指示情報を含む指示信号を、ネットワーク5を介して特定の充電器3に対応する広域通信部に送信する。本実施形態1において、この広域通信部は、当該特定の充電器3が有する充電器通信部33(第2の通信部)である。
ステップS507の実行後、管理装置6は、バッテリ21のメンテナンス実行を指示した特定の充電器3がメンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したか否かを判断する(ステップS508)。ステップS508において、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したことを示す到着情報を特定の充電器3から受信していない場合、特定の充電器3は未だ到着していないと判断し(ステップS508,No)、このステップS508の処理を繰り返す。
一方、複数の充電器3-1~3-bの各々は、例えば、作業者に携帯された状態にあり、管理装置6からのメンテナンス指示の有無を判断する(ステップS601)。これらの充電器3-1~3-bの各々は、管理装置6からメンテナンス指示情報を受信していない場合、指示なしと判断し(ステップS601,No)、このステップS601の処理を繰り返す。
このような充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3は、上述したステップS507により、管理装置6からのメンテナンス指示情報を受信する。詳細には、特定の充電器3(図3参照)において、充電器通信部33の広域受信部33bは、ネットワーク5の基地局4を介して、データサーバ61からメンテナンス指示情報を含む指示信号を受信し、受信した指示信号から復調処理等によって当該メンテナンス指示情報を取得する。制御部39は、広域受信部33bから当該メンテナンス指示情報を取得する。制御部39は、このメンテナンス指示情報に基づいて、管理装置6からのメンテナンス指示ありと判断する。
ステップS601において管理装置6からのメンテナンス指示ありの場合(ステップS601,Yes)、特定の充電器3は、指示されたバッテリ21のメンテナンスの内容を示すメンテナンス内容情報を出力する(ステップS602)。ステップS602において、特定の充電器3では、制御部39が、上記メンテナンス指示情報によって示されるバッテリ21のメンテナンス内容情報を表示部37に与えて、表示部37の表示動作を制御する。表示部37は、制御部39の制御に基づいて、このメンテナンス内容情報を視認可能に出力(すなわち表示)する。
ステップS602の実行後、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したか否かを判断する(ステップS603)。ステップS603において、特定の充電器3では、制御部39が、入力部36による入力情報をもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置(センサ位置)に到着したか否かを判断する。例えば、制御部39は、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したことを示す到着情報が入力部36から入力されていない場合、センサ位置に未だ到着していないと判断する(ステップS603,No)。この場合、制御部39は、このステップS603の処理を繰り返す。
作業者は、この表示部37に表示されたメンテナンス内容情報を視認することにより、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21のメンテナンスを実行する上で有用な情報を把握することができる。例えば、このメンテナンス内容情報として、複数のセンサ装置2-1~2-aのうち何れがメンテナンス対象のセンサ装置2であるか、実行すべきバッテリ21のメンテナンスの指示内容、メンテナンス対象のセンサ装置2が敷設されている対象物およびセンサ位置等の情報が挙げられる。
また、作業者は、このメンテナンス内容情報から、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の交換が必要であることを把握した場合、所定の場所へ交換用のバッテリを受け取りに行き、その後、特定の充電器3と交換用のバッテリとを携帯してメンテナンス対象のセンサ装置2の位置へ向かう。一方、作業者は、このメンテナンス内容情報から、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の充電が必要(交換は不要)であることを把握した場合、特定の充電器3を携帯して直接、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置へ向かう。特定の充電器3は、このような作業者とともにメンテナンス対象のセンサ装置2の位置へ移動する。
特定の充電器3を携帯した作業者がメンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着した場合、この特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したことになる。この場合、作業者は、特定の充電器3の入力部36を操作して、このセンサ装置2の位置に到着したことを示す到着情報を入力する。
上述したステップS603において、特定の充電器3では、このように到着情報が入力部36によって入力された場合、制御部39は、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したと判断する(ステップS603,Yes)。その後、特定の充電器3は、この入力された到着情報をもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したことを管理装置6へ通知する(ステップS604)。ステップS604において、特定の充電器3では、制御部39が、入力部36から到着情報を取得し、取得した到着情報を広域送信部33aに与えて広域送信部33aの送信動作を制御する。広域送信部33aは、制御部39の制御に基づいて、この到着情報を含む通知信号を生成し、生成した通知信号を、ネットワーク5の基地局4を介して管理装置6のデータサーバ61へ送信する。
ステップS604の実行後、特定の充電器3は、上記到着の通知に対する管理装置6からの応答の有無を判断する(ステップS605)。ステップS605において、特定の充電器3は、上記通知信号に対する管理装置6からの応答信号を受信していない場合、管理装置6からの応答なしと判断し(ステップS605,No)、このステップS605の処理を繰り返す。
一方、管理装置6において、データサーバ61は、上述したステップS604で特定の充電器3から送信された通知信号を、ネットワーク5を介して受信する。この場合、上述したステップS508において、制御装置62の制御部62gは、この通知信号に含まれる到着情報をデータサーバ61から取得し、取得した到着情報をもとに、特定の充電器3がメンテナンス対象のセンサ装置2の位置に到着したと判断する(ステップS508,Yes)。その後、制御部62gは、この到着情報に対する応答情報を生成してデータサーバ61に与える。データサーバ61は、この応答情報を含む応答信号を生成し、生成した応答信号を、ネットワーク5を介して特定の充電器3へ送信する。このようにして、管理装置6は、特定の充電器3からの到着通知に対して応答する(ステップS509)。
ステップS509の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対して特定の充電器3がバッテリ21のメンテナンスを実行したか否かを判断する(ステップS510)。ステップS510において、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス実行の結果等を示すメンテナンス実行情報を特定の充電器3から受信していない場合、バッテリ21のメンテナンスが未だ実行し終えていないと判断し(ステップS510,No)、このステップS510の処理を繰り返す。
一方、特定の充電器3において、広域受信部33bは、上述したステップS509で管理装置6のデータサーバ61から送信された応答信号を、ネットワーク5を介して受信する。この場合、上述したステップS605において、制御部39は、この応答信号を広域受信部33bから取得し、取得した応答信号をもとに、管理装置6からの応答ありと判断する(ステップS605,Yes)。その後、制御部39は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の交換が必要であるか否かを判断する(ステップS606)。
ステップS606において、制御部39は、上述したステップS601で管理装置6から取得したメンテナンス指示情報によってバッテリ21の交換が指示されている場合、バッテリ21の交換が必要であると判断する(ステップS606,Yes)。この場合、制御部39は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ交換が完了したか否かを判断する(ステップS607)。
ステップS607において、制御部62gは、バッテリ21の交換が完了したことを示す情報が入力部36によって入力されていない場合、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の交換が完了していないと判断し(ステップS607,No)、このステップS607の処理を繰り返す。
一方、作業者は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21を交換した場合、特定の充電器3の入力部36を操作して、このバッテリ21の交換が完了したことを示す交換完了情報を特定の充電器3に入力する。この場合、ステップS607において、制御部39は、入力部36によって入力された交換完了情報に基づいて、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の交換が完了したと判断する(ステップS607,Yes)。その後、特定の充電器3は、ステップS608に進む。
他方、上述したステップS606において、制御部39は、管理装置6からのメンテナンス指示情報によってバッテリ21の交換が指示されていない場合、バッテリ21の交換が不要であると判断する(ステップS606,No)。この場合、特定の充電器3は、上述したステップS607を行わずに、ステップS608に進む。
ステップS606またはステップS607の実行後、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の充電を開始するか否かを判断する(ステップS608)。ステップS608において、制御部62gは、バッテリ21の充電を開始するための充電開始情報が入力部36によって入力されていない場合、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電を開始しないと判断し(ステップS608,No)、このステップS608の処理を繰り返す。
一方、作業者は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の充電を開始する場合、特定の充電器3の入力部36を操作して充電開始情報を入力し、メンテナンス対象のセンサ装置2に特定の充電器3を近付ける。この段階において、ステップS608では、制御部62gは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電を開始すると判断する(ステップS608,Yes)。この場合、特定の充電器3は、上述した管理装置6からのメンテナンス指示情報に基づいて、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電処理を実行する(ステップS609)。
ステップS609において、特定の充電器3では、制御部39が、上述した管理装置6からのメンテナンス指示情報によって指示されたバッテリ21の充電をメンテナンス対象のセンサ装置2に対して行うように送電部31を制御する。送電部31は、制御部39の制御に基づいて(すなわち上記メンテナンス指示情報に基づいて)、大容量バッテリ38から電力を受け、この電力を、例えば電磁界を介してメンテナンス対象のセンサ装置2に送電する。
これに並行して、送電量測定部32は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21を充電している際の送電部31の送電量を連続的または断続的に測定する。送電量測定部32は、当該バッテリ21を充電している期間中、この送電量の測定を継続して行い、測定した送電量のデータを制御部39に送信する。一方、メンテナンス対象のセンサ装置2では、受電部24が、電磁界を介して送電部31からの電力を順次受電し、受電した電力をバッテリ21に順次供給する。バッテリ21は、受電部24から供給された電力を順次蓄積する。これにより、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21には、特定の充電器3からの電力が充電される。
また、ステップS609において、特定の充電器3では、局所域通信部34が、制御部39の制御に基づいて、バッテリ21の充電を開始したことを示す信号をメンテナンス対象のセンサ装置2に送信する。メンテナンス対象のセンサ装置2では、局所域通信部27が特定の充電器3からの信号を受信する。制御部28は、この信号が局所域通信部27に受信された時点から所定のタイミングに、バッテリ21の充電を停止するための充電停止情報を送信するように局所域通信部27を制御する。
なお、上記所定のタイミングとしては、例えば、特定の充電器3からの信号を受信してから所定の時間が経過したタイミング、特定の充電器3からの信号を受信してから所定の電力がバッテリ21に供給されたタイミング等が挙げられる。局所域通信部27は、制御部28の制御に基づいて、上記所定のタイミングに充電停止情報を示す信号を特定の充電器3へ送信する。この場合、特定の充電器3では、局所域通信部34が当該センサ装置2からの信号を受信する。制御部39は、この受信した信号によって示される充電停止情報に基づいて、送電部31の送電動作を停止させる。これにより、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電処理を停止する。
その後、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンス実行実績を示すメンテナンス実行情報を管理装置6へ送信する(ステップS610)。ステップS610において、特定の充電器3では、制御部39が、送電量測定部32によって測定された送電部31の送電量を示す送電量測定データと、メモリ35から読み込んだ充電器ID(すなわち当該充電器3の固有ID)とを対応付けて、メンテナンス実行情報を生成する。或いは、制御部39は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ交換が行われている場合、上記の送電量測定データおよび充電器IDに加え、バッテリ21の交換履歴(交換日時や交換後のバッテリ21の種類等)を示す情報が含まれるメンテナンス実行情報を生成する。制御部39、生成したメンテナンス実行情報を広域送信部33aに与えて、広域送信部33aの送信動作を制御する。広域送信部33aは、制御部39の制御に基づいて、このメンテナンス実行情報を含むデータ信号を、ネットワーク5の基地局4を介して管理装置6に送信する。
ステップS610の実行後、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の再充電が指示されたか否かを判断する(ステップS611)。ステップS611において、特定の充電器3は、管理装置6から再充電指示情報を受信していない場合、再充電の指示なしと判断し(ステップS611,No)、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電完了が指示されたか否かを判断する(ステップS612)。ステップS612において、特定の充電器3は、管理装置6から完了指示情報を受信していない場合、充電完了の指示なしと判断し(ステップS612,No)、上述したステップS611に戻り、このステップS611以降の処理を繰り返す。
一方、管理装置6において、データサーバ61は、上述した送電量測定データを、特定の充電器3の充電器通信部33からネットワーク5を介して受信する。詳細には、上述したステップS510において、データサーバ61は、ステップS610で特定の充電器3の広域送信部33aから送信されたデータ信号を、ネットワーク5を介して受信する。これにより、データサーバ61は、この受信したデータ信号に含まれるメンテナンス実行情報を取得する。このメンテナンス実行情報には、特定の充電器3の送電量測定データ、充電器ID、およびバッテリ21の交換履歴等の情報やデータが適宜含まれる。制御装置62の制御部62gは、このメンテナンス実行情報(例えば送電量測定データ)をデータサーバ61から取得し、取得したメンテナンス実行情報をもとに、特定の充電器3がメンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21のメンテナンスを実行したと判断する(ステップS510,Yes)。その後、管理装置6は、特定の充電器3がメンテナンス対象のセンサ装置2に対して充電を実行したバッテリ21について、充電結果の解析処理を実行する(ステップS511)。
ステップS511において、制御装置62の判断処理部62cは、例えば、取得した送電量測定データをもとに、特定の充電器3の送電量プロファイルを解析する。送電量プロファイルは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対する今回のバッテリ21の充電期間における、特定の充電器3から当該センサ装置2への送電量と時間(送電時間)との相関を示すプロファイルである。判断処理部62cは、この送電量プロファイルの解析により、今回のバッテリ21の充電期間中に特定の充電器3からメンテナンス対象のセンサ装置2へ送電された電力の送電量の合計値(以下、合計送電量という)を導出する。
ステップS511の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対して、バッテリ21のメンテナンス実行後の動作確認を指示する(ステップS512)。ステップS512において、管理装置6では、制御装置62の指示処理部62bが、このメンテナンス対象のセンサ装置2に動作確認の開始を指示するための動作確認指示情報を生成する。データサーバ61は、この指示処理部62bによって生成された動作確認指示情報を含む指示信号を、ネットワーク5を介してメンテナンス対象のセンサ装置2に送信する。
ステップS512の実行後、管理装置6は、指示した動作確認の結果を示すデータをメンテナンス対象のセンサ装置2から受信したか否かを判断する(ステップS513)。管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2からの上記データを受信していない場合(ステップS513,No)、このステップS513の処理を繰り返す。
一方、メンテナンス対象のセンサ装置2は、上述したように特定の充電器3によってバッテリ21のメンテナンスが実行された後、管理装置6からの動作確認の指示の有無を判断する(ステップS701)。ステップS701において、メンテナンス対象のセンサ装置2は、管理装置6から動作確認指示情報を受信していない場合、指示なしと判断し(ステップS701,No)、このステップS701の処理を繰り返す。
その後、メンテナンス対象のセンサ装置2は、管理装置6から上述した動作確認指示情報を受信する。詳細には、ステップS701において、メンテナンス対象のセンサ装置2では、端末通信部26の広域受信部26bが、ネットワーク5の基地局4を介して、データサーバ61から動作確認指示情報を含む指示信号を受信し、受信した指示信号から復調処理等によって当該動作確認指示情報を取得する。制御部28は、広域受信部26bから当該動作確認指示情報を取得する。制御部28は、この動作確認指示情報に基づいて、管理装置6からの指示ありと判断する(ステップS701,Yes)。この場合、メンテナンス対象のセンサ装置2は、動作確認処理を行う(ステップS702)。
ステップS702において、メンテナンス対象のセンサ装置2では、まず、制御部28が、取得した動作確認指示情報に基づいて、蓄電量測定部25を制御する。蓄電量測定部25は、制御部28の制御に基づいて、メンテナンス実行後のバッテリ21の蓄電量を測定する。この際、蓄電量測定部25は、例えば、バッテリ21の充電後からの所定期間、連続的または断続的にバッテリ21の蓄電量を測定する。蓄電量測定部25は、測定した蓄電量のデータを制御部28に送信する。続いて、制御部28は、上記動作確認指示情報に基づいて、センサ部22を制御する。センサ部22は、制御部28の制御に基づいて、メンテナンス対象のセンサ装置2の敷設対象データを検出し、検出した敷設対象データを制御部28に送信する。
ステップS702の実行後、メンテナンス対象のセンサ装置2は、得られたデータを管理装置6に送信する(ステップS703)。ステップS703において、制御部28は、ステップS702で測定された蓄電量とメモリ23から読み出した端末IDとを対応付けて、メンテナンス実行後のバッテリ21の蓄電量測定データを生成する。また、制御部28は、ステップS702で検出された敷設対象データと当該端末IDとを対応付ける。制御部28は、これらの蓄電量測定データおよび敷設対象データを広域送信部26aに与えて、この広域送信部26aを制御する。広域送信部26aは、制御部28の制御に基づいて、これらの蓄電量測定データおよび敷設対象データを含むデータ信号を生成し、生成したデータ信号を、ネットワーク5の基地局4を介して管理装置6へ送信する。その後、メンテナンス対象のセンサ装置2は、上述したステップS701に戻り、このステップS701以降の処理を繰り返す。
一方、管理装置6では、メンテナンス対象のセンサ装置2がデータ信号を送信した場合、上述したステップS513において、データサーバ61が、ネットワーク5を介してメンテナンス対象のセンサ装置2から上記データ信号を受信する。この場合、データサーバ61は、メンテナンス対象のセンサ装置2からの蓄電量測定データおよび敷設対象データを受信し(ステップS513,Yes)、これらの受信データを格納する。制御装置62は、この蓄電量測定データをデータサーバ61から取得し、取得したデータをもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2についてメンテナンス実行後のバッテリ状態の解析処理を行う(ステップS514)。
ステップS514において、制御装置62の判断処理部62cは、例えば、取得した蓄電量測定データをもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2について、バッテリ21の充電時における蓄電量プロファイルを導出して解析する。この充電時の蓄電量プロファイルは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対する今回のバッテリ21の充電期間における、当該バッテリ21の蓄電量と時間との相関を示すプロファイルである。判断処理部62cは、この蓄電量プロファイルの解析により、特定の充電器3がメンテナンス対象のセンサ装置2に対して今回行ったバッテリ21の充電による蓄電量の増加量(以下、蓄電増加量という)および合計値(以下、合計蓄電量)を導出する。
ステップS514の実行後、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ充電が完了したか否かを判断する(ステップS515)。ステップS515において、制御装置62の判断処理部62cは、メンテナンス対象のセンサ装置2の蓄電量測定データと特定の充電器3の送電量測定データとをもとに、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電が完了したか否かを判断する。
詳細には、判断処理部62cは、ステップS514で蓄電量測定データをもとに導出したバッテリ21の充電時の蓄電増加量および合計蓄電量と、上述したステップS511で送電量測定データをもとに導出した特定の充電器3の合計送電量とを比較する。上記比較処理の結果に基づき、例えば、判断処理部62cは、合計送電量と蓄電増加量との差および合計送電量と合計蓄電量との差が所定の閾値未満である場合、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電は未だ完了していないと判断する。また、判断処理部62cは、合計送電量と蓄電増加量との差および合計送電量と合計蓄電量との差が所定の閾値以上である場合、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電は完了したと判断する。
ステップS515においてバッテリ21の充電が未完了であると判断された場合、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の再充電の実行を、特定の充電器3に指示する(ステップS516)。ステップS516において、管理装置6では、制御装置62の指示処理部62bが、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の再充電を特定の充電器3に指示するための再充電指示情報を生成する。データサーバ61は、この生成された再充電指示情報を含む指示信号を、ネットワーク5を介して特定の充電器3の充電器通信部33に送信する。ステップS516の実行後、管理装置6は、上述したステップS510に戻り、このステップS510以降の処理を繰り返す。
上記のように再充電指示情報を含む指示信号が送信された場合、特定の充電器3では、充電器通信部33の広域受信部33bが、ネットワーク5の基地局4を介してデータサーバ61からの指示信号を受信する。この場合、上述したステップS611において、広域受信部33bは、この指示信号を受信して再充電指示情報を取得し、この再充電指示情報を制御部39に与える。制御部39は、この再充電指示情報をもとに、管理装置6からの再充電の指示ありと判断する(ステップS611,Yes)。この場合、特定の充電器3は、この再充電指示情報によって指示されたバッテリ21の再充電を実行すべく、上述したステップS609に戻り、このステップS609以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS515においてバッテリ21の充電が完了したと判断された場合、管理装置6は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電完了を、特定の充電器3に指示する(ステップS517)。ステップS517において、管理装置6では、制御装置62の指示処理部62bが、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電完了を特定の充電器3に指示するための完了指示情報を生成する。データサーバ61は、この生成された完了指示情報を含む指示信号を、ネットワーク5を介して特定の充電器3の充電器通信部33に送信する。
ステップS517の実行後、管理装置6は、上記充電完了の指示に対する特定の充電器3からの応答の有無を判断する(ステップS518)。ステップS518において、管理装置6は、上記指示信号(完了指示情報)に対する特定の充電器3からの応答信号を受信していない場合、特定の充電器3からの応答なしと判断し(ステップS518,No)、このステップS518の処理を繰り返す。
一方、上述したステップS611において、特定の充電器3では、再充電指示情報を含む指示信号が広域受信部33bによって受信されていない場合、制御部39は、再充電指示情報を取得していないことから、上述したように再充電の指示なしと判断し、ステップS612に進む。特定の充電器3では、上述した完了指示情報を含む指示信号がデータサーバ61から送信された場合、広域受信部33bが、ネットワーク5の基地局4を介して、この指示信号を受信する。この場合、上述したステップS612において、広域受信部33bは、この指示信号に含まれる完了指示情報を取得し、この完了指示情報を制御部39に与える。制御部39は、この完了指示情報をもとに、管理装置6からの充電完了の指示ありと判断する(ステップS612,Yes)。
ステップS612において充電完了の指示があった場合、特定の充電器3は、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電が完了した旨を作業者に知らせて、管理装置6からの充電完了の指示に対して応答し(ステップS613)、本処理を終了する。ステップS613において、特定の充電器3の制御部39は、上記完了指示情報に対する応答情報を生成し、この応答信号を広域送信部33aに与えて広域送信部33aの送信動作を制御する。広域送信部33aは、この応答信号を、ネットワーク5の基地局4を介してデータサーバ61へ送信する。また、制御部39は、上記完了指示情報に基づいて、表示部37を制御する。表示部37は、制御部39の制御に基づいて、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電が完了した旨の情報を表示する。作業者は、この表示された情報を視認することにより、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスが完了したことを認識する。
一方、管理装置6において、データサーバ61は、上述したステップS613で特定の充電器3から送信された応答信号を、ネットワーク5を介して受信する。この場合、上述したステップS518において、制御装置62の制御部62gは、この応答信号に含まれる応答情報をデータサーバ61から取得し、取得した応答情報をもとに、特定の充電器3からの応答ありと判断する(ステップS518,Yes)。この場合、管理装置6は、バッテリ21のメンテナンス完了後のセンサ装置2をメンテナンス対象から解除するための解除処理を実行し(ステップS519)、ついで、このメンテナンス完了後のセンサ装置2に関する各種情報の更新処理を実行する(ステップS520)。その後、管理装置6は、上述したステップS501に戻り、このステップ501以降の処理を繰り返す。
ステップS519において、制御装置62の制御部62gは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対応するフラグ、具体的には要交換フラグまたは要充電フラグを、データサーバ61の格納情報(例えばID情報61a)から削除(オフ設定)する。これにより、制御部62gは、メンテナンス完了後のセンサ装置2を、バッテリ21のメンテナンス対象から解除する。
また、ステップS520において、データサーバ61は、上述したメンテナンス対象のセンサ装置2および特定の充電器3から各々受信した各種受信データをもとに、このセンサ装置2の端末IDと対応付けられたバッテリ情報61d、履歴情報61eおよび充電器情報61fを更新する。これにより、更新後のバッテリ情報61dおよび履歴情報61eには、今回のバッテリ21のメンテナンス実績が当該端末IDと対応付けられた態様で含まれる。また、更新後の充電器情報61fには、バッテリ21のメンテナンスを今回実行した特定の充電器3のメンテナンス状況等の情報が充電器IDと対応付けられた態様で含まれる。例えば、更新される情報としては、バッテリ21の蓄電量、充電回数、交換日時、バッテリ種類、バッテリ21に対する送電量、充電器の位置等の情報が挙げられる。
以上、説明したように、本発明の実施形態1に係る充電システム1は、対象物に敷設されるセンサ装置2と、センサ装置2に電源として備わっている充電式のバッテリ21を適宜充電するための可搬型の充電器3と、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々におけるバッテリ21のメンテナンスを管理し且つ制御するためのデータサーバ61および制御装置62を有する管理装置6と、を備えている。この充電システム1において、制御装置62は、バッテリ21の蓄電量測定データをもとにバッテリ21がメンテナンスを要する状態であるか否かを判断する判断処理部62cと、複数のセンサ装置2-1~2-aのうちバッテリ21のメンテナンスを要するメンテナンス対象のセンサ装置2毎に、複数の充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3にバッテリ21のメンテナンスを指示するためのメンテナンス指示情報を生成する指示処理部62bと、を備えている。データサーバ61は、複数のセンサ装置2-1~2-aおよび複数の充電器3-1~3-bの各々とネットワーク5を介して通信可能であり、上述の判断処理部62cに用いられる蓄電量測定データを複数のセンサ装置2-1~2-aの各々から受信し、上述の指示処理部62bによるメンテナンス指示情報を複数の充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3に送信するようにしている。
上記の構成により、管理装置6から遠隔に位置する複数のセンサ装置2-1~2-aの各々のバッテリ状態を把握して一元管理しながら、複数の充電器3-1~3-bのうち特定の充電器3に対して、メンテナンス対象のセンサ装置2に必要なバッテリ21の交換や充電といったメンテナンスを実行するように管理装置6によって遠隔制御することができる。
このため、バッテリ21のメンテナンスの要否が不明なセンサ装置2の位置に作業者が出向いてバッテリ21の蓄電や劣化の状態を確認する手間を省くとともに、管理装置6から特定の充電器3に指示されたバッテリ21のメンテナンス実行の準備を整えた上で、作業者が特定の充電器3を携帯してメンテナンス対象のセンサ装置2の位置に移動し、特定の充電器3を用いてメンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスを実行することができる。これにより、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々について、バッテリ21の充電を無駄に実行または繰り返す事態を回避できるとともに、センサ装置2の現地から交換用のバッテリを取りに行って再び当該現地に戻る等の無駄な移動を省くことができる。この結果、バッテリ21のメンテナンスにおける重複充電および過充電を防止するとともに、バッテリ21のメンテナンスに掛かる手間を低減することができる。
また、本発明の実施形態1に係る充電システム1では、管理装置6の制御装置62が、検索処理部62dにより、複数の充電器3-1~3-bの中から、上記メンテナンス指示情報を送信していない空き状態であり且つメンテナンス対象のセンサ装置2の位置までの到着時間が最も短い状態にある充電器を上記特定の充電器3として検索し、この検索された特定の充電器3に対して、データサーバ61が、ネットワーク5を介して上記メンテナンス指示情報を送信している。このため、複数の充電器3-1~3-bのうち、バッテリ21のメンテナンスを実行中ではなく且つメンテナンス対象のセンサ装置2の位置へ最も短時間に到着し得る状態にある特定の充電器3に対し、当該センサ装置2のバッテリ21のメンテナンス実行を指示することができる。これにより、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスを、特定の充電器3を用いて効率よく実行することができる。
また、本発明の実施形態1に係る充電システム1では、管理装置6の制御装置62が、選択処理部62aにより、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から、バッテリ21の検査対象とするセンサ装置2を選択し、データサーバ61が、この選択された検査対象のセンサ装置2からネットワーク5を介してバッテリ21の上記蓄電量測定データを受信している。このため、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々におけるバッテリ21の蓄電量測定データを、検査対象として選択されたセンサ装置2から順次取得することができ、これにより、これら複数のセンサ装置2-1~2-aの各別にバッテリ21の蓄電量測定データを効率よく取得して管理することができる。
また、本発明の実施形態1に係る充電システム1では、検査対象として選択されたセンサ装置2のバッテリ21がメンテナンスを要する状態であるか否かを判断処理部62cによって判断している。このため、複数のセンサ装置2-1~2-aのうち検査対象として選択されたセンサ装置2から順に、バッテリ21の状態を判断することができる。これにより、複数のセンサ装置2-1~2-aの各々についてバッテリ21の状態を効率よく判断することができる。
また、本発明の実施形態1に係る充電システム1では、判断処理部62cが、複数のセンサ装置2-1~2-aのうちメンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電が完了したか否かを判断し、バッテリ21の充電が完了したと判断された場合、指示処理部62bが、上記特定の充電器3に充電完了を指示するための完了指示情報を生成し、バッテリ21の充電が未完了であると判断された場合、指示処理部62bが、上記特定の充電器3にバッテリ21の再充電を指示するための再充電指示情報を生成し、データサーバ61が、上記完了指示情報または再充電指示情報を、ネットワーク5を介して上記特定の充電器3に送信している。このため、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスを、当該バッテリ21の充電が完了するまで繰り返し実行することができ、これにより、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21を確実にメンテナンスすることができる。
<実施形態2>
(充電システムの構成)
つぎに、本発明の実施形態2に係る充電システムの構成について説明する。図9は、本発明の実施形態2に係る充電システムの一構成例を示す図である。図9に示すように、本実施形態2に係る充電システム1Aは、上述した実施形態1に係る充電システム1の複数の充電器3-1~3-bに代えて複数の充電器セット8-1~8-bを備える。その他の構成は実施形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
複数の充電器セット8-1~8-bは、各々、複数のセンサ装置2-1~2-aのうちメンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の充電等のメンテナンスを実行するためのものである。図9に示すように、これらの充電器セット8-1~8-bは、複数の充電器3A-1~3A-bと複数の通信装置7-1~7-bとを各々セットにしたものである。例えば、充電器セット8-1は充電器3A-1と通信装置7-1とのセットであり、充電器セット8-2は充電器3A-2と通信装置7-2とのセットであり、充電器セット8-3は充電器3A-3と通信装置7-3とのセットである。同様に、充電器セット8-4は充電器3A-4と通信装置7-4とのセットであり、充電器セット8-bは充電器3A-bと通信装置7-bとのセットである。
以下では、説明の便宜上、複数の充電器セット8-1~8-bを総称して「充電器セット8」という場合がある。すなわち、充電器セット8は、複数の充電器セット8-1~8-bのいずれか一つまたは全てを意味する。
複数の充電器3A-1~3A-bは、各々、充電器セット8において、メンテナンス対象のセンサ装置2のバッテリ21を充電するための充電機能を担う可搬型の機器である。複数の通信装置7-1~7-bは、各々、充電器セット8において、ネットワーク5の基地局4を介して管理装置6のデータサーバ61(図4参照)と信号の送受信を行うための広域通信機能を担う可搬型の機器である。例えば、複数の充電器3A-1~3A-bおよび通信装置7-1~7-bは、各々、充電器セット8として、作業者に携帯された状態で作業者とともに移動する。なお、充電器セット8-1~8-bの総数は、上述した実施形態1の充電器3と同様に、b個(≧2個)である。
本実施形態2において、複数の通信装置7-1~7-bは、各々、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスに関する情報を、ネットワーク5を介して管理装置6と送受信する。複数の充電器3A-1~3A-bは、これらの通信装置7-1~7-bと局所的な通信(機器間での通信)を行って、上記バッテリ21のメンテナンスに関する情報を送受信する。特に、これらの充電器3A-1~3A-bのうち、上記局所的な通信によって管理装置6からのメンテナンス指示情報を受信した特定の充電器が、メンテナンス対象のセンサ装置2に対してバッテリ21の充電を行う。これらの充電器3A-1~3A-bに関する各情報は、通信装置7-1~7-bからネットワーク5を介して管理装置6に各々送信され、上述した実施形態1の充電器3-1~3-bと同様に、管理装置6によって各充電器3A-1~3A-b別に管理される。
以下では、説明の便宜上、上述した充電器3A-1~3A-bを総称して「充電器3A」という場合がある。すなわち、充電器3Aは、複数の充電器3A-1~3A-bのいずれか一つまたは全てを意味する。これと同様に、上述した通信装置7-1~7-bを総称して「通信装置7」という場合があり、通信装置7は、複数の通信装置7-1~7-bのいずれか一つまたは全てを意味する。
(充電器セットの構成)
つぎに、本発明の実施形態2に係る充電システム1Aに含まれる充電器セット8の構成について説明する。図10は、本発明の実施形態2における充電器セットの一構成例を示すブロック図である。図10に示すように、充電器セット8は、可搬型の充電器3Aと可搬型の通信装置7とによって構成される機器セットである。
充電器3Aは、上述した実施形態1と同様に対象物に敷設される機能端末のバッテリを充電する可搬型の充電器の一例である。図10に示すように、充電器3Aは、充電機能を担う構成部、具体的には、送電部31と、送電量測定部32と、局所域通信部34と、メモリ35と、操作部36Aと、大容量バッテリ38と、制御部39と、撮像部40とを備える。これらの構成部のうち、送電部31と、送電量測定部32、局所域通信部34、メモリ35、大容量バッテリ38、制御部39および撮像部40は、上述した実施形態1の充電器3と同じものである。
操作部36Aは、操作ボタンまたはタッチパネル等によって構成され、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21の充電の開始および終了を手動操作するためのものである。例えば、操作部36Aは、作業者によって操作され、この操作に応じて充電の開始または終了の指示情報を制御部39に入力する。制御部39は、この指示情報に基づいて、充電器3Aによるセンサ装置2のバッテリ21の充電を開始または終了させることができる。
また、充電器3Aにおいて、局所域通信部34は、上述した実施形態1と同様にセンサ装置2と局所的な通信を行う機能と、通信装置7と局所的な通信を行う第3の通信部としての機能とを兼ね備える。詳細には、局所域通信部34は、ネットワーク5の基地局4を介さずに通信装置7と直接的に通信を行う。これにより、局所域通信部34は、上述したメンテナンス指示情報等の管理装置6からの情報を、通信装置7から受信する。また、局所域通信部34は、上述した送電量測定データ等のバッテリ21のメンテナンスに関する情報を、通信装置7へ送信する。
通信装置7は、ネットワーク5を介して管理装置6と信号を送受信する第2の通信部としての機能と、ネットワーク5を介さずに充電器3Aと直接的に信号を送受信する機能とを兼ね備える。図10に示すように、通信装置7は、広域送信部33aと、広域受信部33bと、入力部36と、表示部37と、局所域通信部74と、制御部79とを備える。
広域送信部33aおよび広域受信部33bは、上述した実施形態1と同様に、ネットワーク5を介して管理装置6のデータサーバ61と信号の送受信を行う広域の通信機能を有する。本実施形態2において、通信装置7は、実施形態1における充電器3の広域通信機能を担う構成部として、広域送信部33aおよび広域受信部33bを備えている。すなわち、広域送信部33aおよび広域受信部33bは、充電器セット8の広域通信部である充電器通信部33を構成する。
また、通信装置7において、入力部36および表示部37は、制御部79の制御に基づいて、上述した実施形態1と同様に機能する。具体的には、入力部36は、タッチパネル等によって構成され、作業者の入力操作に応じて、実施形態1と同様の情報を制御部79に入力する。表示部37は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスによって構成され、制御部79の制御に基づき、実施形態1と同様の情報を表示する。
局所域通信部74は、充電器3Aとの間で局所域の無線通信を行うものである。詳細には、局所域通信部74は、充電器セット8の充電機能を担う充電器3Aの局所域通信部34に対して、ネットワーク5を介さずに直接的な通信(局所域の通信)を行う。これにより、局所域通信部74は、充電器3Aの局所域通信部34と信号を送受信する。これらの局所域通信部34、74同士で送受信される情報としては、例えば、メンテナンス指示情報等の管理装置6からの情報、送電量測定データ等のバッテリ21のメンテナンスに関する情報、充電器ID等の充電器3Aに固有の情報、入力部36による入力情報、撮像部40によって撮像された画像情報が挙げられる。
制御部79は、通信装置7の動作を制御するものである。詳細には、制御部79は、処理プログラム等を記憶するメモリおよび当該処理プログラムを実行するCPU等によって構成される。制御部79は、通信装置7の各構成部の動作および処理と、各構成部間での信号の送受信とを制御する。例えば、制御部79は、広域送信部33a、広域受信部33bおよび局所域通信部74の各通信処理、入力部36の入力処理、表示部37の表示動作を制御する。
上記のような構成を有する通信装置7は、例えば、携帯電話やスマートフォン、タブレット型またはラックトップ型のパーソナルコンピュータ等、通信可能な可搬型の情報端末によって構成することができる。例えば、通信装置7がスマートフォンである場合、通信装置7搭載されているアプリケーションを操作等により、充電器3Aの充電等の動作を簡易に操作することが可能となる。
なお、本実施形態2に係る充電システム1Aでは、上述した実施形態1と同様の処理フロー(図5~8参照)に沿って各種処理を行うことにより、センサ装置2のバッテリ検査、センサ選択処理、敷設対象情報61bの更新処理、バッテリ21のメンテナンス処理が各々実行される。この際、充電器セット8において、ネットワーク5を介したデータサーバ61との信号の送受信(情報の授受)は、通信装置7が担う。すなわち、データサーバ61からメンテナンス指示情報等の情報が送信される特定の充電器3Aに対応する広域の通信部(第2の通信部)は、通信装置7の広域送信部33aおよび広域受信部33bによって構成される。メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスは、充電器3Aが担う。また、充電器3Aおよび通信装置7は、上記の各種処理を実行するために必要な情報の授受を局所的な通信によって行う。
以上、説明したように、本発明の実施形態2に係る充電システム1Aでは、メンテナンス対象のセンサ装置2に対するバッテリ21のメンテナンスを行うための充電器3Aと、ネットワーク5を介して管理装置6のデータサーバ61と信号の送受信を行うための通信装置7とを別体に構成し、これらの充電器3Aおよび通信装置7同士で局所域の通信を行って情報を授受するようにし、その他を実施形態1と同様に構成している。このため、上述した実施形態1と同様の作用効果を享受するとともに、既存の通信端末を用いて充電器3Aの広域の通信を簡易に実現することができる。この結果、充電システム1Aを簡易に構成できるとともに、充電システム1Aに要するコストを低減することができる。
なお、上述した実施形態1、2では、対象物に敷設される機能端末の一例としてセンサ装置2を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記機能端末は、対象物に関する物理量(敷設対象データ)の検出機能を有するものに限らず、測定機能、検知機能、駆動機能等、検出以外の機能を有するものであってもよい。すなわち、機能端末の機能部は、図2に示したセンサ部22に限らず、バッテリ21の電力を利用して検出以外の上記機能を実行するものであってもよい。
また、上述した実施形態1、2では、複数の充電器のうち特定の充電器に対して、メンテナンス対象である1つのセンサ装置についてバッテリのメンテナンス実行を指示していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上記特定の充電器には、メンテナンス対象である複数のセンサ装置についてバッテリのメンテナンス実行を掛け持ちするように指示してもよい。
また、上述した実施形態1、2では、管理装置6の制御装置62がタイマ62fを有し、このタイマ62fによって経過時間等の時間管理を行っていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、機能端末(センサ装置2等)や充電器がタイマを有し、これらの機能端末および充電器の各々が充電時間等の時間情報を計時してもよい。
また、上述した実施形態1、2では、学習装置63によって構築された判断則63aに従ってセンサ装置のバッテリが要交換の状態(すなわち交換すべき程に劣化した状態)であるか否かを判断していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、バッテリの状態は、充電器の送電量に関するデータ(送電量測定データまたは送電量プロファイル等)とセンサ装置の蓄電量に関するデータ(蓄電量測定データまたは蓄電量プロファイル等)との差を、予め設定された閾値と比較し、この比較結果をもとに判断されてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、バッテリ21のメンテナンス処理におけるステップS502のセンサ選択処理(図8参照)は、予め設定されたセンサ番号順にセンサ装置2を選択するように実行されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ステップS502のセンサ選択処理は、センサ番号順によらず、複数のセンサ装置2-1~2-aの中から、メンテナンス対象であることを示すフラグ(要交換フラグまたは要充電フラグ)が端末ID等に設定されたセンサ装置2をメンテナンス対象として選択するように実行されてもよい。
また、上述した実施形態1、2では、充電器に撮像部を設けていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、上述した撮像部は、充電器に設けられていなくてもよいし、通信装置に設けてもよいし、通信装置に既存の撮像部で代用してもよい。
また、上述した実施形態1、2では、充電器または充電器セットを携帯および操作してバッテリのメンテナンス作業を行う作業者を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、実施形態1、2における作業者は、バッテリのメンテナンス作業を実行可能なロボットであってもよいし、充電器等を搭載して地上または空中を移動する移動体(ドローン等)であってもよい。
また、上述した実施形態1、2により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態1、2に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。