JP7420076B2 - 導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ - Google Patents

導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Description

本発明は、導電性ペースト、電子部品、及び積層セラミックコンデンサに関する。
携帯電話やデジタル機器などの電子機器の小型化および高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサなどを含む電子部品についても小型化および高容量化が望まれている。積層セラミックコンデンサは、複数の誘電体層と複数の内部電極層とが交互に積層した構造を有し、これらの誘電体層及び内部電極層を薄膜化することにより、小型化及び高容量化を図ることができる。
積層セラミックコンデンサは、例えば、次のように製造される。まず、チタン酸バリウム(BaTiO)などの誘電体粉末及びバインダー樹脂を含有する誘電体グリーンシートの表面上に、導電性粉末、バインダー樹脂、及び、有機溶剤などを含む内部電極用ペースト(導電性ペースト)を、所定の電極パターンで印刷したものを、多層に積み重ねることにより、内部電極と誘電体グリーンシートとを多層に積み重ねた積層体を得る。次に、この積層体を加熱圧着して一体化し、圧着体を形成する。この圧着体を切断し、酸化性雰囲気または不活性雰囲気中にて脱有機バインダー処理を行った後、焼成を行い、焼成チップを得る。次いで、焼成チップの両端部に外部電極用ペーストを塗布し、焼成後、外部電極表面にニッケルメッキなどを施して、積層セラミックコンデンサを得る。
導電性ペーストを誘電体グリーンシートに印刷する際に用いられる印刷法としては、従来、スクリーン印刷法が一般的に用いられてきたが、電子デバイスの小型化、薄膜化や生産性向上の要求から、より微細な電極パターンを生産性高く印刷することが求められている。
導電性ペーストの印刷法の一つとして、製版に設けられた凹部に導電性ペーストを充填し、これを被印刷面に押し当てることでその製版から導電性ペーストを転写する連続印刷法であるグラビア印刷法が提案されている。グラビア印刷法は印刷速度が速く、生産性に優れる。グラビア印刷法を用いる場合、導電性ペースト中のバインダー樹脂、分散剤、溶剤等を適宜選択して、粘度等の特性をグラビア印刷に適した範囲に調整する必要がある。
例えば、特許文献1では、複数のセラミック層および前記セラミック層間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜を備える積層セラミック電子部品における前記内部導体膜をグラビア印刷によって形成するために用いられる導電性ペーストであって、金属粉末を含む30~70重量%の固形成分と、1~10重量%のエトキシ基含有率が49.6%以上のエチルセルロース樹脂成分と、0.05~5重量%の分散剤と、残部としての溶剤成分とを含み、ずり速度0.1(s-1)での粘度η0.1が1Pa・s以上であり、かつずり速度0.02(s-1)での粘度η0.02が特定の式で表わされる条件を満たす、チキソトロピー流体である、導電性ペーストが記載されている。
また、特許文献2では、上記特許文献1と同様にグラビア印刷によって形成するために用いられる導電性ペーストであって、金属粉末を含む30~70重量%の固形成分と、1~10重量%の樹脂成分と、0.05~5重量%の分散剤と、残部としての溶剤成分とを含み、ずり速度0.1(s-1)での粘度が1Pa・s以上のチキソトロピー流体であって、ずり速度0.1(s-1)での粘度を基準としたときに、ずり速度10(s-1)での粘度変化率が50%以上である、導電性ペーストが記載されている。
上記特許文献1、2によれば、これらの導電性ペーストは、ずり速度0.1(s-1)での粘度が1Pa・s以上であるチキソトロピー流体であり、グラビア印刷において高速での安定した連続印刷性が得られ、良好な生産効率をもって、積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品を製造することができるとされている。
また、特許文献3には、導電性粉末(A)、有機樹脂(B)、及び有機溶剤(C)、添加剤(D)、及び誘電体粉末(E)を含む積層セラミックコンデンサ内部電極用導電性ペーストであって、有機樹脂(B)は、重合度が10000以上50000以下のポリビニルブチラールと、重量平均分子量が10000以上100000以下のエチルセルロースからなり、有機溶剤(C)は、プロピレングリコールモノブチルエーテル、もしくはプロピレングリコールモノブチルエーテルとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートの混合溶剤、又はプロピレングリコールモノブチルエーテルとミネラルスピリットの混合溶剤のいずれかからなり、添加剤(D)は、分離抑制剤と分散剤からなり、該分離抑制剤としてポリカルボン酸ポリマーもしくはポリカルボン酸の塩を含む組成物からなるグラビア印刷用導電性ペーストが記載されている。特許文献3によれば、この導電性ペーストは、グラビア印刷に適した粘度を有し、ペーストの均一性・安定性が向上し、かつ、乾燥性がよいとされている。
特開2003-187638号公報 特開2003-242835号公報 特開2012-174797号公報
近年の内部電極層の薄膜化に伴い、導電性粉末も小粒径化する傾向がある。導電性粉末の粒径が小さい場合、その粒子表面の比表面積が大きくなるため、導電性粉末(金属粉末)の表面活性が高くなり、導電性ペーストの分散性が低下する場合があり、より高い分散性を有する導電性ペーストが求められている。
また、導電性ペーストを、グラビア印刷法を用いて印刷する場合、スクリーン印刷法よりも低いペースト粘度が要求されるため、比較的比重の大きい導電性粉末が沈降し、ペーストの分散性が低下することが考えられる。なお、上記特許文献1、2に記載される導電性ペーストでは、フィルタを用いて、導電性ペースト中の塊状物を除去することにより、ペーストの分散性を改善させているが、塊状物を除去する工程が必要となるため、製造工程が煩雑となりやすい。
本発明は、このような状況に鑑み、グラビア印刷に適したペースト粘度を有し、かつ、ペーストの分散性及び生産性に優れた導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様では、導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、分散剤は、平均分子量が500を超え2000以下の酸系分散剤を含み、酸系分散剤は、主鎖に対して炭化水素基からなる分岐鎖を1つ以上有し、前記バインダー樹脂は、アセタール系樹脂を含み、前記有機溶剤は、グリコールエーテル系溶剤を含む、ことを特徴とする導電性ペーストが提供される。
また、酸系分散剤はカルボキシル基を有する酸系分散剤であることが好ましく、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体であることがより好ましい。また、酸系分散剤は、導電性粉末100質量部に対して、0.4質量部以上3質量部以下含有することが好ましい。また、導電性粉末は、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属粉末を含有することが好ましい。また、導電性粉末は、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。また、セラミック粉末は、ペロブスカイト型酸化物を含むことが好ましい。また、セラミック粉末は、平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であることが好ましい。また、バインダー樹脂は、ブチラール系樹脂を含むことが好ましい。また、上記導電性ペーストは、積層セラミック部品の内部電極用であることが好ましい。また、上記導電性ペーストは、ずり速度100sec-1での粘度が0.8Pa・S以下であり、ずり速度10000sec-1での粘度が0.18Pa・S以下であることが好ましい。
本発明の第2の態様では、上記導電性ペーストを用いて形成された電子部品が提供される。
本発明の第3の態様では、誘電体層と内部電極とを積層した積層体を少なくとも有し、前記内部電極は、上記導電性ペーストを用いて形成された、積層セラミックコンデンサが提供される。
本発明の導電性ペーストは、グラビア印刷に適した粘度を有し、かつ、ペーストの分散性及び生産性に優れる。また、本発明の導電性ペーストを用いて形成される積層セラミックコンデンサなどの電子部品の電極パターンは、薄膜化した電極を形成する際も導電性ペーストの印刷性に優れ、均一な厚みを有する。
図1A及び図1Bは、実施形態に係る積層セラミックコンデンサを示す斜視図及び断面図である。
[導電性ペースト]
本実施形態の導電性ペーストは、導電性粉末、分散剤、バインダー樹脂及び有機溶剤を含む。以下、各成分について詳細に説明する。
(導電性粉末)
導電性粉末は、特に限定されず、金属粉末を用いることができ、例えば、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu、およびこれらの合金から選ばれる1種以上の粉末を用いることができる。これらの中でも、導電性、耐食性及びコストの観点から、Ni、またはその合金の粉末(以下、「Ni粉末」と称する場合がある)を用いることが好ましい。Ni合金としては、例えば、Mn、Cr、Co、Al、Fe、Cu、Zn、Ag、Au、PtおよびPdからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素とNiとの合金が用いることができる。Ni合金におけるNiの含有量は、例えば、50質量%以上、好ましくは80質量%以上である。また、Ni粉末は、脱バインダー処理の際、バインダー樹脂の部分的な熱分解による急激なガス発生を抑制するために、数百ppm程度の元素Sを含んでもよい。
導電性粉末の平均粒径は、好ましくは0.05μm以上1.0μm以下であり、より好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。導電性粉末の平均粒径が上記範囲である場合、薄膜化した積層セラミックコンデンサ(積層セラミック部品)の内部電極用ペーストとして好適に用いることができ、例えば、乾燥膜の平滑性及び乾燥膜密度が向上する。平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察から求められる値であり、SEMで倍率10,000倍にて観察した画像から、複数の粒子一つ一つの粒径を測定して、得られる平均値(SEM平均粒径)である。
導電性粉末の含有量は、導電性ペースト全量に対して、好ましくは30質量%以上70質量%未満であり、より好ましくは40質量%以上60質量%以下である。導電性粉末の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(セラミック粉末)
導電性ペーストは、セラミック粉末を含んでもよい。セラミック粉末としては、特に限定されず、例えば、積層セラミックコンデンサの内部電極用ペーストである場合、適用する積層セラミックコンデンサの種類により適宜、公知のセラミック粉末が選択される。セラミック粉末としては、例えば、Ba及びTiを含むペロブスカイト型酸化物が挙げられ、好ましくはチタン酸バリウム(BaTiO)である。
セラミック粉末としては、チタン酸バリウムを主成分とし、酸化物を副成分として含むセラミック粉末を用いてもよい。酸化物としては、Mn、Cr、Si、Ca、Ba、Mg、V、W、Ta、Nbおよび1種類以上の希土類元素の酸化物が挙げられる。このようなセラミック粉末としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)のBa原子やTi原子を他の原子、例えば、Sn、Pb、Zrなどで置換したペロブスカイト型酸化物強誘電体のセラミック粉末が挙げられる。
内部電極用ペーストとして用いる場合、セラミック粉末は、積層セラミックコンデンサ(電子部品)のグリーンシートを構成する誘電体セラミック粉末と同一組成の粉末を用いてもよい。これにより、焼結工程における誘電体層と内部電極層との界面での収縮のミスマッチによるクラック発生が抑制される。このようなセラミック粉末としては、上記以外に、例えば、ZnO、フェライト、PZT、BaO、Al、Bi、R(希土類元素)、TiO、Ndなどの酸化物が挙げられる。なお、セラミック粉末は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
セラミック粉末の平均粒径は、例えば、0.01μm以上0.5μm以下であり、好ましくは0.01μm以上0.3μm以下の範囲である。セラミック粉末の平均粒径が上記範囲であることにより、内部電極用ペーストとして用いた場合、十分に細く薄い均一な内部電極を形成することができる。平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による観察から求められる値であり、SEMで倍率50,000倍にて観察した映像から、複数の粒子一つ一つの粒径を測定して、得られる平均値(SEM平均粒径)である。
セラミック粉末の含有量は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上30質量部以下である。
セラミック粉末の含有量は、導電性ペースト全量に対して、好ましくは1質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上20質量%以下である。導電性粉末の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、アセタール系樹脂を含む。アセタール系樹脂としては、ポリビニルブチラールなどのブチラール系樹脂が好ましい。バインダー樹脂がアセタール系樹脂を含む場合、グラビア印刷に適した粘度に調整することができ、かつ、グリーンシートとの接着強度をより向上させることができる。バインダー樹脂は、例えば、バインダー樹脂全体に対して、アセタール系樹脂を20質量%以上含んでもよく、30質量%以上含んでもよく、アセタール系樹脂のみからなってもよい。また、アセタール系樹脂の含有量が、バインダー樹脂全体に対して40質量%未満であっても、低いペースト粘度と、十分な接着強度を有することができる。
アセタール系樹脂の含有量は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上8質量部以下である。
また、バインダー樹脂は、アセタール系樹脂以下の他の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。他の樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられ、中でも、溶剤への溶解性、燃焼分解性の観点などから、セルロース系樹脂が好ましく、エチルセルロースがより好ましい。また、バインダー樹脂の分子量は、例えば、20000~200000程度である。
バインダー樹脂の含有量は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上8質量部以下である。
バインダー樹脂の含有量は、導電性ペースト全量に対して、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上6質量%以下である。バインダー樹脂の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(有機溶剤)
有機溶剤は、グリコールエーテル系溶剤を含み、さらにアセテート系溶剤を含んでもよい。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテルなどの(ジ)エチレングリコールエーテル類、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)などのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類などが挙げられる。中でも、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類が好ましく、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)がより好ましい。有機溶剤がグリコールエーテル系溶剤を含む場合、上述したバインダー樹脂との相溶性に優れ、かつ、乾燥性に優れる。
有機溶剤は、例えば、有機溶剤全体に対し、グリコールエーテル系溶剤を25質量%以上含んでもよく、50質量%以上含んでもよく、グリコールエーテル系溶剤のみからなってもよい。また、グリコールエーテル系溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アセテート系溶剤としては、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート、イソボルニルイソブチレートや、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3-メトキシー3-メチルブチルアセテート、1-メトキシプロピル-2-アセテートなどのグリコールエーテルアセテート類などが挙げられる。
有機溶剤がアセテート系溶剤を含む場合、例えば、ジヒドロターピニルアセテート、イソボルニルアセテート、イソボルニルプロピネート、イソボルニルブチレート及びイソボルニルイソブチレートから選ばれる少なくとも1種のアセテート系溶剤(A)を含んでもよい。これらの中でもイソボルニルアセテートがより好ましい。アセテート系溶剤は、有機溶剤全体に対して、0質量%以上80質量%以下含有され、好ましくは10質量%以上60質量%以下含有され、より好ましくは20質量%以上40質量%以下含有される。
また、有機溶剤がアセテート系溶剤を含む場合、例えば、上記のアセテート系溶剤(A)と、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも1種のアセテート系溶剤(B)とを含んでもよい。このような混合溶剤を用いる場合、容易に導電性ペーストの粘度調整を行うことができ、導電性ペーストの乾燥スピードを速くすることができる。
アセテート系溶剤(A)とアセテート系溶剤(B)とを含む混合液の場合、有機溶剤は、アセテート系溶剤全体に対して、アセテート系溶剤(A)を好ましくは50質量%以上90質量%以下含有し、より好ましくは60質量%以上80質量%以下含有する。上記混合液の場合、有機溶剤は、アセテート系溶剤全体100質量%に対して、アセテート系溶剤(B)を好ましくは10質量%以上50質量%以下含有し、より好ましくは20質量%以上40質量%以下含有する。
また、有機溶剤は、グリコールエーテル系溶剤およびアセテート系溶剤以外の他の有機溶剤を含んでもよい。他の有機溶剤としては、特に限定されず、上記バインダー樹脂を溶解することができる公知の有機溶剤を用いることができる。他の有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ターピネオール、ジヒドロターピネオールなどのテルペン系溶剤、トリデカン、ノナン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素溶剤などが挙げられる。中でも、脂肪族系炭化水素溶剤が好ましく、脂肪族系炭化水素溶剤のうちミネラルスピリットがより好ましい。なお、他の有機溶剤は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
有機溶剤は、例えば、主溶剤としてグリコールエーテル系溶剤を含み、副溶剤として脂肪族系炭化水素溶剤を含むことができる。この場合、グリコールエーテル系溶剤は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは30質量部以上50質量部以下、より好ましくは40質量部以上50質量部以下含まれ、脂肪族系炭化水素溶剤は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは20質量部以上80質量部以下、より好ましくは20質量部以上40質量部以下含まれる。
有機溶剤の含有量は、導電性粉末100質量部に対して、好ましくは50質量部以上130質量部以下であり、より好ましくは60質量部以上90質量部以下である。有機溶剤の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
有機溶剤の含有量は、導電性ペースト全量に対して、20質量%以上50質量%以下が好ましく、25質量%以上45質量%以下がより好ましい。有機溶剤の含有量が上記範囲である場合、導電性及び分散性に優れる。
(分散剤)
本発明者らは、導電性ペーストに用いる分散剤について、種々の分散剤を検討した結果、主鎖に対して炭化水素基からなる分岐鎖を1つ以上、好ましくは複数有し、かつ、平均分子量が500を超え2000以下の酸系分散剤を含有する分散剤を用いることにより、導電性ペーストに含有する粉末材料である導電性粉末やセラミック粉末の分散性に優れ、かつ、塗布後の乾燥電極表面の平滑性に優れることを見出した。この理由の詳細は不明であるが、分散剤が炭化水素基からなる分岐を有することにより、効果的に立体障害を形成して、粉末材料の凝集を防止するとともに、適度の大きさの分子量を有することで、導電性ペーストに適した粘度及び分散性を維持できるものと考えられる。以下、本発明の分散剤について、さらに詳細に説明する。
本実施形態で用いられる酸系分散剤は、カルボキシル基を有することが好ましく、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体であることがより好ましい。また、ポリカルボン酸はエステル構造を有することが好ましい。また、炭化水素基は、鎖状構造を有することが好ましい。
酸系分散剤の分子量は、500を超え、2000以下である。分子量が上記範囲である場合、導電性粉末やセラミック粉末の分散性に優れ、塗布後の乾燥電極表面の密度、及び、平滑性に優れる。
酸系分散剤は、例えば、市販の製品から、上記特性を満たすものを選択して用いることができる。また、酸系分散剤は、従来公知の製造方法を用いて、上記特性を満たすように製造してもよい。炭化水素基は、アルキル基であってもよい。また、アルキル基は、炭素及び水素のみで構成されてもよく、アルキル基を構成する水素の一部が置換基で置換されてもよい。また、主鎖及び炭化水素基は、環構造を有さないことが好ましい。
酸系分散剤は、前記導電性粉末100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下含有され、より好ましくは0.05質量部以上3質量部以下含有され、さらに好ましくは0.4質量部以上3質量部以下含有される。酸系分散剤の含有量が上記範囲である場合、導電性粉末やセラミック粉末の分散性や、塗布後の乾燥電極表面の平滑性により優れ、かつ、導電性ペーストの粘度を適切な範囲に調整することができ、また、シートアタックやグリーンシートの剥離不良を抑制することができる。また、本実施形態に係る導電性ペーストは、酸系分散剤全体の含有量が2質量部以下であっても、高い分散性を有することができる。
また、酸系分散剤は、導電性ペースト全量に対して、好ましくは3質量%以下含有される。酸系分散剤の含有量の上限は、好ましくは、2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。酸系分散剤の含有量の下限は、特に限定されないが、例えば、0.01質量%以上であり、好ましくは0.05質量%以上である。酸系分散剤の含有量が上記範囲である場合、導電性ペーストの粘度を適切な範囲に調整することができ、また、シートアタックやグリーンシートの剥離不良を抑制することができる。
なお、導電性ペーストは、上記の酸系分散剤以外の分散剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。上記以外の分散剤としては、例えば、高級脂肪酸、高分子界面活性剤などを含む酸系分散剤、塩基系分散剤、両性界面活性剤、及び高分子系分散剤などなどを含んでもよく、塩基系分散剤を含有させるのがより好ましい。また、これらの分散剤は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記の酸系分散剤以外の分散剤を含有させる場合は、主に添加する酸系分散剤と合わせた、分散剤全体の含有量(総含有量)が、前記導電性粉末100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下であってもよく、好ましくは0.01質量部以上3質量部以下である。また、本実施形態に係る導電性ペーストは、分散剤全体の含有量(総含有量)が2質量部以下であっても、高い分散性を有することができる。
(その他の成分)
本実施形態の導電性ペーストは、必要に応じて、上記の成分以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、消泡剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、増粘剤などの従来公知の添加物を用いることができる。
(導電性ペースト)
本実施形態の導電性ペーストの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。導電性ペーストは、例えば、上記の各成分を、3本ロールミル、ボールミル、ミキサーなどで攪拌・混練することにより製造することができる。その際、導電性粉末表面に予め分散剤を塗布すると、導電性粉末が凝集することなく十分にほぐれて、その表面に分散剤が行きわたるようになり、均一な導電性ペーストを得やすい。また、予め、バインダー樹脂を有機溶剤の一部に溶解させて、有機ビヒクルを作製した後、ペースト調整用の有機溶剤へ、導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、及び、有機ビヒクルを添加した後、攪拌・混練し、導電性ペーストを作製してもよい。
導電性ペーストは、ずり速度100sec-1の粘度が、好ましくは0.8Pa・S以下である。ずり速度100sec-1の粘度が上記範囲である場合、グラビア印刷用の導電性ペーストとして好適に用いることができる。上記範囲を超えると粘度が高すぎてグラビア印刷用として適さない場合がある。ずり速度100sec-1の粘度の下限は、特に限定されないが、例えば、0.2Pa・S以上である。
また、導電性ペーストは、ずり速度10000sec-1の粘度が、好ましくは0.18Pa・S以下である。ずり速度10000sec-1の粘度が上記範囲である場合、グラビア印刷用の導電性ペーストとして好適に用いることができる。上記範囲を超えた場合も、粘度が高すぎてグラビア印刷用として適さない場合がある。ずり速度10000sec-1の粘度の下限は、特に限定されないが、例えば、0.05Pa・S以上である。
また、導電性ペーストを印刷した後、乾燥して得られる乾燥膜の乾燥膜密度(DFD)は、5.0g/cmを超えるのが好ましく、5.2g/cmを超えてもよい。
また、導電性ペーストを印刷し、大気中120℃で1時間乾燥させることにより、20mm角、膜厚1~3μmの乾燥膜を作製した際の表面粗さRa(算術平均粗さ)は、0.2μm以下であることが好ましく、0.16μm以下であってもよい。なお、表面粗さRa(算術平均粗さ)の下限は、表面は平らであるのが好ましく特に限定されないが、0を超える値であって小さい値であるほど好ましい。
導電性ペーストは、積層セラミックコンデンサなどの電子部品に好適に用いることができる。積層セラミックコンデンサは、誘電体グリーンシートを用いて形成される誘電体層及び導電性ペーストを用いて形成される内部電極層を有する。
積層セラミックコンデンサは、誘電体グリーンシートに含まれる誘電体セラミック粉末と導電性ペーストに含まれるセラミック粉末とが同一組成の粉末であることが好ましい。本実施形態の導電性ペーストを用いて製造される積層セラミックデバイスは、誘電体グリーンシートの厚さが、例えば3μm以下である場合でも、シートアタックやグリーンシートの剥離不良が抑制される。
[電子部品]
以下、本発明の電子部品等の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面においては、適宜、模式的に表現することや、縮尺を変更して表現することがある。また、部材の位置や方向などを、適宜、図1A及び図1Bなどに示すXYZ直交座標系を参照して説明する。このXYZ直交座標系において、X方向およびY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向(上下方向)である。
図1A及び図1Bは、実施形態に係る電子部品の一例である、積層セラミックコンデンサ1を示す図である。積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層12及び内部電極層11を交互に積層した積層体10と外部電極20とを備える。
以下、上記導電性ペーストを使用した積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。まず、セラミックグリーンシートからなる誘電体層12上に、導電性ペーストからなる内部電極層11を印刷法により形成し、この内部電極層を上面に有する複数の誘電体層を、圧着により積層させて積層体10を得た後、積層体10を焼成して一体化することにより、セラミックコンデンサ本体となる積層セラミック焼成体(不図示)を作製する。その後、当該セラミックコンデンサ本体の両端部に一対の外部電極を形成することにより積層セラミックコンデンサ1が製造される。以下に、より詳細に説明する。
まず、未焼成のセラミックシートであるセラミックグリーンシートを用意する。このセラミックグリーンシートとしては、例えば、チタン酸バリウム等の所定のセラミックの原料粉末に、ポリビニルブチラール等の有機バインダーとターピネオール等の溶剤とを加えて得た誘電体層用ペーストを、PETフィルム等の支持フィルム上にシート状に塗布し、乾燥させて溶剤を除去したもの等が挙げられる。なお、セラミックグリーンシートからなる誘電体層の厚みは、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサの小型化の要請の観点から、0.05μm以上3μm以下が好ましい。
次いで、このセラミックグリーンシートの片面に、グラビア印刷法を用いて、上述の導電性ペーストを印刷して塗布し、導電性ペーストからなる内部電極層11を形成したものを複数枚、用意する。なお、導電性ペーストからなる内部電極層11の厚みは、当該内部電極層11の薄層化の要請の観点から、乾燥後1μm以下とすることが好ましい。
次いで、支持フィルムから、セラミックグリーンシートを剥離するとともに、セラミックグリーンシートからなる誘電体層12とその片面に形成された導電性ペーストからなる内部電極層11とが交互に配置されるように積層した後、加熱・加圧処理により積層体10を得る。なお、積層体10の両面に、導電性ペーストを塗布していない保護用のセラミックグリーンシートを更に配置する構成としても良い。
次いで、積層体を所定サイズに切断してグリーンチップを形成した後、当該グリーンチップに対して脱バインダー処理を施し、還元雰囲気下において焼成することにより、積層セラミック焼成体を製造する。なお、脱バインダー処理における雰囲気は、大気またはNガス雰囲気にすることが好ましい。脱バインダー処理を行う際の温度は、例えば200℃以上400℃以下である。また、脱バインダー処理を行う際の、上記温度の保持時間を0.5時間以上24時間以下とすることが好ましい。また、焼成は、内部電極層に用いる金属の酸化を抑制するために還元雰囲気で行われ、また、積層体の焼成を行う際の温度は、例えば、1000℃以上1350℃以下であり、焼成を行う際の、温度の保持時間は、例えば、0.5時間以上8時間以下である。
グリーンチップの焼成を行うことにより、グリーンシート中の有機バインダーが完全に除去されるとともに、セラミックの原料粉末が焼成されて、セラミック製の誘電体層12が形成される。また内部電極層11中の有機ビヒクルが除去されるとともに、ニッケル粉末またはニッケルを主成分とする合金粉末が焼結もしくは溶融、一体化されて、内部電極が形成され、誘電体層12と内部電極層11とが複数枚、交互に積層された積層セラミック焼成体が形成される。なお、酸素を誘電体層の内部に取り込んで信頼性を高めるとともに、内部電極の再酸化を抑制するとの観点から、焼成後の積層セラミック焼成体に対して、アニール処理を施してもよい。
そして、作製した積層セラミック焼成体に対して、一対の外部電極20を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1が製造される。例えば、外部電極20は、外部電極層21及びメッキ層22を備える。外部電極層21は、内部電極層11と電気的に接続する。なお、外部電極20の材料としては、例えば、銅やニッケル、またはこれらの合金が好適に使用できる。なお、電子部品は、積層セラミックコンデンサ以外の電子部品を用いることもできる。
以下、本発明を実施例と比較例に基づき詳細に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
[評価方法]
(導電性ペーストの粘度)
導電性ペーストの製造後の粘度を、レオメーター(株式会社アントンパール・ジャパン製:レオメーターMCR302)を用いて測定した。粘度は、コーン角度1°、直径25mmのコーンプレートを用いて、せん断速度(ずり速度)100sec-1、および、10000sec-1の条件で測定した時の値を用いた。
(乾燥膜密度)
作製した導電性ペーストをPETフィルム上に載せ、幅50mm、隙間125μmのアプリケータで長さ約100mmに延ばした。得られたPETフィルムを120℃、40分乾燥させて、乾燥体を形成した後、この乾燥体を2.54cm(1インチ)角に4枚切断し、PETフィルムをはがした上で各4枚の乾燥膜の厚み、重量を測定して、乾燥膜密度(平均値)を算出した。
(表面粗さ)
2.54cm(1インチ)角の耐熱強化ガラス上に、作製した導電ペーストを印刷し、大気中120℃で1時間乾燥させることにより、20mm角、膜厚1~3μmの乾燥膜を作製した。作製した乾燥膜の表面粗さRa(算術平均粗さ)を、JIS B0601-2001の規格に基づいて測定した。
[使用材料]
(導電性粉末)
導電性粉末としては、Ni粉末(SEM平均粒径0.3μm)を使用した。
(セラミック粉末)
セラミック粉末としては、チタン酸バリウム(BaTiO;SEM平均粒径0.10μm)を使用した。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)、エチルセルロース(EC)を使用した。
(分散剤)
酸系分散剤として、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体で平均分子量が1500である酸系分散剤Aを用いた。また比較用に、従来の導電ペーストに使用されているリン酸系分散剤を用いた。
(有機溶剤)
有機溶剤としては、プロピレングリコールモノブチルエーテル(PNB)、ミネラルスピリット(MA)、ターピネオール(TPO)を使用した。
(試験1)
[実施例1]
導電性粉末であるNi粉末100質量部に対して、セラミック粉末25質量部と、分散剤として酸系分散剤A3.00質量部と、バインダー樹脂として、PVB2質量部およびEC4質量部と、有機溶剤としてPNB(アセタール系溶剤)48質量部およびMA21質量部と、を混合して導電性ペーストを作製した。作製した導電性ペーストの粘度及びペーストの乾燥膜密度、表面粗さを上記方法で評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[実施例2]
分散剤として、酸系分散剤Aの含有量を1.74質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[実施例3]
分散剤として、酸系分散剤Aの含有量を1.24質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[実施例4]
分散剤として、酸系分散剤Aの含有量を0.74質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[実施例5]
分散剤として、酸系分散剤Aの含有量を0.42質量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[比較例1]
分散剤として、リン酸系分散剤0.8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[比較例2]
有機溶剤としてターピネオール(TPO)のみを用いた以外は、実施例4と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[比較例3]
バインダー樹脂としてECのみを用いた以外は、実施例4と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
[比較例4]
バインダー樹脂としてECのみ、及び、有機溶剤としてターピネオール(TPO)のみを用いた以外は、実施例4と同様に導電性ペーストを作製して、評価した。導電性ペーストの分散剤等の含有量を表1に、導電性ペーストの粘度、及び、乾燥膜密度、表面粗さの評価結果を表2に示す。
Figure 0007420076000001
Figure 0007420076000002
(評価結果)
実施例の導電性ペーストは、リン酸系分散剤を用いた比較例1や、バインダー樹脂や有機溶剤が異なる比較例2~4の導電性ペーストと比べた場合、粘度が低く、グラビア印刷に適した粘度を有し、かつ、高い乾燥膜密度と、平滑な乾燥膜表面を有し、分散性に優れることが確認された。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
本発明の導電性ペーストは、グラビア印刷に適した粘度を有し、かつ、塗布後の乾燥膜密度が高く、乾燥膜表面平滑性に非常に優れ、分散性に優れる。よって、本発明の導電性ペーストは、特に携帯電話やデジタル機器などの小型化が進む電子機器に用いられるチップ部品(電子部品)である積層セラミックコンデンサの内部電極用の原料として好適に用いることができ、特にグラビア印刷用の導電性ペーストとして好適に用いることができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2018-182502、及び本明細書で引用した全ての文献の内容を援用して本文の記載の一部とする。
1 積層セラミックコンデンサ
10 セラミック積層体
11 内部電極層
12 誘電体層
20 外部電極
21 外部電極層
22 メッキ層

Claims (13)

  1. 導電性粉末、セラミック粉末、分散剤、バインダー樹脂及び有機溶剤を含む導電性ペーストであって、
    前記分散剤は、平均分子量が500を超え2000以下の酸系分散剤を含み、
    前記酸系分散剤は、主鎖に対して炭化水素基からなる分岐鎖を1つ以上有し、
    前記バインダー樹脂は、アセタール系樹脂を含み、
    前記有機溶剤は、グリコールエーテル系溶剤を含
    ずり速度10000sec -1 での粘度が0.18Pa・S以下である、
    ことを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記酸系分散剤は、カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記酸系分散剤は、ポリカルボン酸を主鎖とする炭化水素系グラフト共重合体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電性ペースト。
  4. 前記酸系分散剤は、前記導電性粉末100質量部に対して、0.4質量部以上3質量部以下含有されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  5. 前記導電性粉末は、Ni、Pd、Pt、Au、Ag、Cu及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種の金属粉末を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  6. 前記導電性粉末は、平均粒径が0.05μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  7. 前記セラミック粉末は、ペロブスカイト型酸化物を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記セラミック粉末は、平均粒径が0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  9. 前記バインダー樹脂が、ブチラール系樹脂を含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  10. ずり速度100sec-1での粘度が0.8Pa・S以下であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  11. 積層セラミック部品の内部電極用であることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
  12. 請求項1~10のいずれか一項に記載の導電性ペーストを用いて形成されたことを特徴とする電子部品。
  13. 誘電体層と内部電極とを積層した積層体を少なくとも有し、
    前記内部電極は、請求項11に記載の導電性ペーストを用いて形成されたことを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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