JP7417009B2 - 複合体シート、積層体及び構造物の表面剥落を防止する方法 - Google Patents

複合体シート、積層体及び構造物の表面剥落を防止する方法 Download PDF

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Description

本発明は、剥落防止用複合体シート、それを含む積層体、及びそれを用いた構造物の表面剥落を防止する方法に関する。
従来から、トンネル、橋梁等の構造物からの材料の剥落防止のため、様々な対策がおこなわれている。例えば、特許文献1には、コンクリート表面に対して高強度塗膜を形成することを特徴とするコンクリート剥落防止方法が記載されている。また、特許文献2には、ガラス連続繊維シートを含むコーティング層の形成により、コンクリート構造物表面を補強する強化コーティング方法が記載されている。
特開2005-15329号公報 特開2010-1707号公報
構造物上に形成される剥落防止層には、剥落片の保持、剥落発生時の発見の容易さの観点から十分な強度及び伸び性が求められる。
一方、剥落防止層には、構造物の表面の変状、ひび割れ等を観察するためにある程度の透明性を有することも求められている。しかし、強度及び伸び性の向上のためにガラス繊維等の補強繊維の量を増やすと、剥落防止層の透明性が低下し、剥落防止層の下の構造物表面を視認することが困難となる。
そこで本発明は、強度、伸び性及び下地視認性に優れる剥落防止層を形成可能な、複合体シートを提供することを目的とする。また、本発明は、当該複合体シートを含む積層体、及び、当該複合体シートを用いた構造物の表面剥落を防止する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、構造物表面上に配置される剥落防止用複合体シートであって、接着剤の硬化体とガラス繊維シートとを含み、上記硬化体の引張弾性率が150~2700MPaであり、上記ガラス繊維シートの目付が150~350g/mである、複合体シートに関する。
一態様において、上記接着剤は、エポキシ系接着剤であってよい。
一態様に係る複合体シートは、上記ガラス繊維シートと、上記ガラス繊維シートに含浸させた上記接着剤の硬化体と、を含むものであってよい。
一態様において、上記接着剤は、エポキシ化合物を含有する第一剤と硬化剤を含有する第二剤とを含む二剤型接着剤であってよく、上記硬化体は、上記第一剤及び上記第二剤の混合物の硬化体であってよい。
一態様に係る複合体シートは、380~780nmにおける分光透過率が30%以上であってよい。
本発明の他の一側面は、構造物表面上に配置される剥落防止用積層体であって、プライマーにより形成された下塗り層と、上述の複合体シートと、を含む、積層体に関する。
一態様において、上記プライマーは、NEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度が2N/mm以上となるプライマーであってよい。
本発明の更に他の一側面は、構造物表面上に上述の複合体シートを配置する配置工程を備える、構造物の表面剥落を防止する方法に関する。
一態様において、上記配置工程は、上記接着剤と上記ガラス繊維シートとを含有する塗膜を前記構造物表面上に形成する塗膜形成工程と、上記塗膜を硬化させて、上記構造物表面上に上記複合体シートを形成させるシート形成工程と、を含むものであってよい。
一態様に係る方法は、構造物表面上にプライマーを塗布して、下塗り層を形成する前処理工程を更に備えていてよく、このとき上記配置工程は、上記下塗り層上に上述の複合体シートを配置する工程であってよい。
本発明は、例えば、以下の<1>~<10>に関する。
<1>
構造物表面上に配置される剥落防止用複合体シートであって、
接着剤の硬化体とガラス繊維シートとを含み、
前記硬化体の引張弾性率が、150~2700MPaであり、
前記ガラス繊維シートの目付が、150~350g/mである、複合体シート。
<2>
前記接着剤が、エポキシ系接着剤である、<1>に記載の複合体シート。
<3>
前記ガラス繊維シートと、前記ガラス繊維シートに含浸させた前記接着剤の硬化体と、を含む、<1>又は<2>に記載の複合体シート。
<4>
前記接着剤が、エポキシ化合物を含有する第一剤と硬化剤を含有する第二剤とを含む二剤型接着剤であり、
前記硬化体が、前記第一剤及び前記第二剤の混合物の硬化体である、<1>~<3>のいずれかに記載の複合体シート。
<5>
380~780nmにおける分光透過率が30%以上である、<1>~<4>のいずれかに記載の複合体シート。
<6>
構造物表面上に配置される剥落防止用積層体であって、
プライマーにより形成された下塗り層と、<1>~<5>のいずれかに記載の複合体シートと、を含む、積層体。
<7>
前記プライマーが、NEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度が2N/mm以上となるプライマーである、<6>に記載の積層体。
<8>
構造物表面上に<1>~<5>のいずれかに記載の複合体シートを配置する配置工程を備える、構造物の表面剥落を防止する方法。
<9>
前記配置工程が、
前記接着剤と前記ガラス繊維シートとを含有する塗膜を前記構造物表面上に形成する塗膜形成工程と、
前記塗膜を硬化させて、前記構造物表面上に前記複合体シートを形成させるシート形成工程と、
を含む、<8>に記載の方法。
<10>
構造物表面上にプライマーを塗布して、下塗り層を形成する前処理工程を更に備え、
前記配置工程が、前記下塗り層上に<1>~<5>のいずれかに記載の複合体シートを配置する工程である、<8>又は<9>に記載の方法。
本発明によれば、強度、伸び性及び下地視認性に優れる剥落防止層を形成可能な、複合体シートが提供される。また、本発明によれば、当該複合体シートを含む積層体、及び、当該複合体シートを用いた構造物の表面剥落を防止する方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(複合体シート)
本実施形態の複合体シートは、構造物表面上に配置される剥落防止用複合体シートであって、接着剤の硬化体とガラス繊維シートとを含む。本実施形態の複合体シートにおいて、上記硬化体の引張弾性率は150~2700MPaであり、上記ガラス繊維シートの目付は150~350g/mである。
本実施形態の複合体シートによれば、強度、伸び性及び下地視認性に優れる剥落防止層を形成することができる。
本実施形態の複合体シートにより上記効果が得られる理由は特に限定されないが、以下の理由が考えられる。本実施形態の複合体シートは、ガラス繊維シートの目付が150g/m以上であるため、優れた強度を有する。また、本実施形態の複合体シートは、接着剤として敢えて硬化体の引張弾性率の低い接着剤を用いることで、応力の伝播性が下がり、広い面積で荷重を負担できる(すなわち、単位周長当たりの荷重を低く抑えることができる)ため、ガラス繊維シートの目付を350g/m以下に抑えても、優れた伸び性が確保される。そして、本実施形態の複合体シートは、ガラス繊維シートの目付が350g/m以下であるため、十分な下地視認性が確保されている。
本実施形態の複合体シートにおいて、接着剤は、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられ、これらのうち、コンクリート表面、下塗り層、ガラス繊維シート等との接着性により優れる観点から、エポキシ系接着剤が好ましい。
接着剤の形態は特に限定されないが、例えば、二剤型接着剤であってよい。以下、二剤型接着剤の好適な一態様について以下に説明する。
<二剤型接着剤>
好適な一態様に係る二剤型接着剤は、エポキシ化合物を含有する第一剤と、硬化剤を含有する第二剤と、を含む。
二剤型接着剤は、第一剤と第二剤との混合によって硬化体を形成できる。すなわち、二剤型接着剤を用いた場合、接着剤の硬化体は、第一剤及び第二剤の混合物の硬化体ということができる。二剤型接着剤は、例えば、第一剤と、第一剤が収容された第一容器と、第二剤と、第二剤が収容された第二容器と、を備える二剤型接着剤キットとして提供されてよく、第一剤と、第二剤と、第一剤及び第二剤が個別に収容された容器と、を備える二剤型接着剤キットとして提供されてもよい。
二剤型接着剤は、常温硬化型であってよい。
二剤型接着剤を使用する際は、エポキシ化合物のエポキシ当量と硬化剤の活性水素当量の比が1:1となるように第一剤と第二剤とを混合することが好ましいが、混合比はこれに限定されない。例えば、第一剤及び第二剤は、エポキシ化合物のエポキシ当量に対する硬化剤の活性水素当量の比が、0.5~1.5(好ましくは0.8~1.2)となるように混合されてよい。すなわち、エポキシ化合物のエポキシ当量に対する硬化剤の活性水素当量の比は、例えば0.5~1.5、0.5~1.2、0.8~1.5、又は0.8~1.2であってよい。
エポキシ化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。エポキシ化合物としては、エポキシ基を1つ有する化合物、エポキシ基を2つ以上有する化合物が挙げられる。エポキシ化合物は、エポキシ基を2つ以上有する化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
エポキシ化合物としては、エポキシ基としてグリシジル基を有する化合物が好ましい。すなわち、エポキシ化合物は、グリシジル基を有する化合物を含むことが好ましく、グリシジル基を2つ以上有する化合物を含むことが好ましい。
エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAビス(ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、ビスフェノールAビス(ポリエチレングリコールグリシジルエーテル)エーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、アルキルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられる。
エポキシ化合物の好適な一例としては、下記式(1-1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007417009000001
式(1-1)中、pは0以上の整数を示し、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。R11が複数存在するとき、複数のR11は互いに同一でも異なっていてもよい。R12が複数存在するとき、複数のR12は互いに同一でも異なっていてもよい。
11及びR12における炭素数1~5のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5のアルコキシ基)等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
11及びR12におけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、アルキル基(例えば炭素数1~5のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1~5のアルコキシ基)等が挙げられる。
11は、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される基であり、より好ましくは水素原子及びメチル基からなる群より選択される基であり、更に好ましくはメチル基である。R11が複数存在するとき、複数のR11は互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
12は、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される基であり、より好ましくは水素原子及びメチル基からなる群より選択される基、更に好ましくはメチル基である。R12が複数存在するとき、複数のR12は互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
11及びR12は互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
pは、好ましくは0~30、より好ましくは0~20、更に好ましくは0~2である。
エポキシ化合物の好適な他の一例としては、下記式(2-1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007417009000002
式(2-1)中、n及びmはそれぞれ独立に0以上の整数(好ましくは1以上の整数)を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~5のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。
は、好ましくはメチル基である。Rが複数存在するとき、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
は、好ましくはメチル基である。Rが複数存在するとき、複数のRは互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
及びRにおける炭素数1~5のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5のアルコキシ基)等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
及びRにおけるフェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、アルキル基(例えば炭素数1~5のアルキル基)、アルコキシ基(例えば炭素数1~5のアルコキシ基)等が挙げられる。
は、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される基であり、より好ましくは水素原子及びメチル基からなる群より選択される基であり、更に好ましくはメチル基である。
は、好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基及びトリフルオロメチル基からなる群より選択される基であり、より好ましくは水素原子及びメチル基からなる群より選択される基、更に好ましくはメチル基である。
及びRは互いに同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましい。
n及びmは、好ましくはn+mが2~20、より好ましくはn+mが2~11である。
硬化剤は、エポキシ化合物と反応し、第一剤及び第二剤の混合物を硬化可能な成分であればよい。硬化剤は、例えば、エポキシ化合物中のエポキシ基と反応可能な反応点を2つ以上有する化合物であってよい。硬化剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、アミン系硬化剤が好ましい。
アミン系硬化剤としては、1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群より選択される基を有するアミン化合物が好ましい。アミン化合物が有する1級アミノ基は、-NHで表される基である。また、アミン化合物が有する2級アミノ基は、-NH-で表される基である。アミン系硬化剤は、例えば、1級アミノ基を1つ以上有する化合物、2級アミノ基を2つ以上有する化合物等であってよい。
アミン系硬化剤は、例えば、脂肪族アミン、脂環族アミン、変性脂肪族ポリアミン、変性脂環族アミン及びポリアミドアミンからなる群より選択される少なくとも一種であってよく、変性脂肪族ポリアミン、変性脂環族アミン及びポリアミドアミンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
アミン系硬化剤の活性水素当量は、例えば20以上であってよく、好ましくは50以上、より好ましくは70以上である。これにより、接着剤中の窒素元素量をより低減しやすくなり、窒素元素量の少ない硬化体が得られやすくなる。また、アミン系硬化剤の活性水素当量は、例えば200以下であってよく、好ましくは150以下、より好ましくは120以下であり、100以下であってもよい。これにより、より緻密な架橋構造が形成され、硬化体の耐熱性及び耐久性がより向上する傾向がある。すなわち、アミン系硬化剤の活性水素当量は、例えば20~200、20~150、20~120、20~100、50~200、50~150、50~120、50~100、70~200、70~150、70~120、又は70~100であってよい。
なお、アミン系硬化剤の活性水素当量は、活性水素1モル当たりのアミン系硬化剤の質量(g)を示す。アミン系硬化剤として2種以上を併用した場合、アミン系硬化剤のアミン当量は、アミン系硬化剤の合計量と活性水素の合計数とから算出される。
二剤型接着剤は、第一剤及び第二剤のうち少なくとも一方がフィラーを含んでいてよい。フィラーの配合により、第一剤及び第二剤の混合物の粘度を向上させ、塗膜形成時の液垂れを抑制することができる。
フィラーとしては、二剤型接着剤に配合される公知のフィラーを特に制限なく使用できる。フィラーとしては、例えば、有機フィラー及び無機フィラーが挙げられる。また、フィラーは、これらのフィラーに疎水化処理等の表面処理を施したものであってもよい。
フィラーの形状は特に限定されず、例えば、粒状、フレーク状、繊維状、エマルジョン状等であってよい。
有機フィラーとしては、例えば、樹脂粒子が挙げられる。樹脂粒子は、中実粒子であってもよく、多孔質粒子であってもよく、中空粒子であってもよい。樹脂粒子としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル系粒子、ポリスチレン系粒子等が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、フュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、金属酸化物、金属水酸化物、シリカ等が挙げられる。無機フィラーは、これらの中空粒子、繊維状粒子、中実粒子又は多孔質粒子等であってよい。
フィラーとしては、無機フィラーが好ましい。無機フィラーとしては、例えばフュームドシリカが挙げられる。フュームドシリカとしては、比表面積が70g/m以上(好ましくは80~400g/m)のフュームドシリカが好ましい。なお、当該比表面積は、BET比表面積を意味する。BET比表面積は、無機フィラーの表面に占有面積が既知の気体分子(窒素分子)を吸着させ、この気体分子の吸着量から比表面積を求める気相吸着法によって測定される値を示す。
また、無機フィラーとしては、親水性シリカを好適に用いることができる。親水性シリカとしては、親水性フュームドシリカが好ましい。
親水性シリカの平均粒子径は、例えば1nm以上であってよく、好ましくは5nm以上、より好ましくは7nm以上であり、9nm以上又は10nm以上であってもよい。また、親水性シリカの平均粒子径は、例えば15nm以下であってよく、14nm以下であってもよい。このような親水性シリカを用いることで、硬化体の高い透明性を維持しつつ、第一剤及び第二剤の混合物の粘度を向上させることができ、塗膜形成時の液垂れを効率的に抑制できる。すなわち、親水性シリカの平均粒子径は、例えば1~15nm、1~14nm、5~15nm、5~14nm、7~15nm、7~14nm、9~15nm、9~14nm、10~15nm、又は10~14nmであってよい。
親水性シリカは、メタノールウェッタビリティによる疎水化度が30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、10以下であることが更に好ましい。ここで疎水化度とは、シリカを水中に分散させ、メタノールを滴下することにより浮遊するシリカが全量沈んだ時点におけるメタノール-水混合溶液中のメタノールの体積分率をいう。測定は、例えば、イオン交換水50mlにシリカ0.2gを加え、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下することにより行うことができる。浮遊するシリカが徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノール-水混合溶液中のメタノールの体積分率が疎水化度である。
親水性シリカとしては、市販品を用いてよい。親水性シリカの市販品としては、例えば、AEROSIL 150、200、300、380(エボニック社製)、RHEOROSIL QS-10、QS-102、CP-102、QS-20、QS-20L、QS-30、QS-40(トクヤマ社製)、WACKER HDK V15、N20、N20P、T30、T40(旭化成ワッカーシリコーン社製)等が挙げられる。
二剤型接着剤中のフィラーの含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.1質量%以上であってよく、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上である。これにより、液だれを抑制する増粘効果がより顕著に奏される。また、二剤型接着剤中のフィラーの含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば5.5質量%以下であってよく、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下である。これにより、硬化体の透明性がより向上する傾向がある。すなわち、二剤型接着剤中のフィラーの含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.1~5.5質量%、0.1~5.0質量%、0.1~4.0質量%、0.5~5.5質量%、0.5~5.0質量%、0.5~4.0質量%、1.0~5.5質量%、1.0~5.0質量%、1.0~4.0質量%、1.5~5.5質量%、1.5~5.0質量%、又は1.5~4.0質量%であってよい。
二剤型接着剤は、第一剤及び第二剤のうち少なくとも一部が硬化促進剤を含むことが好ましい。硬化促進剤の配合により、第一剤及び第二剤の混合物の硬化性がより向上する場合がある。
硬化促進剤は、エポキシ化合物と硬化剤との反応を促進し得るものであればよく、公知の硬化促進剤を特に制限なく用いることができる。硬化促進剤としては、例えば、モノフェノール化合物が好適に用いられる。モノフェノール化合物としては、4-tert-ブチルフェノールが好ましい。
二剤型接着剤中の硬化促進剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.1質量%以上であってよく、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。これにより、第一剤及び第二剤の混合物の硬化性がより向上する傾向がある。また、二剤型接着剤中の硬化促進剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば5.5質量%以下であってよく、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下である。これにより、非反応物の残留が抑制され、耐久性が向上する傾向がある。すなわち、二剤型接着剤中の硬化促進剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.1~5.5質量%、0.1~5.0質量%、0.1~4.5質量%、0.5~5.5質量%、0.5~5.0質量%、0.5~4.5質量%、1.0~5.5質量%、1.0~5.0質量%、又は1.0~4.5質量%であってよい。
二剤型接着剤は、上記以外の他の成分を更に含んでいてよい。他の成分としては、例えば、硬化遅延剤、光安定剤、光吸収剤、酸化防止剤、劣化防止剤、顔料、染料、シランカップリング剤、消泡剤、レベリング剤、分散剤、レオロジーコントロール剤、ワックス、溶剤、水等が挙げられる。これらの中では、レオロジーコントロール剤が好ましい。
レオロジーコントロール剤は、液だれを抑制し、二剤型接着剤の作業性を向上させるものである。レオロジーコントロール剤としては、アマイドが好ましい。アマイドとしては、高級脂肪酸アマイド、ポリアマイド、アマイドのオリゴマー等が挙げられる。アマイドとしては、ポリアミノアマイドが好ましい。
二剤型接着剤中のレオロジーコントロール剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.01質量%以上であってよく、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、一層好ましくは1.0質量%以上である。これにより、液だれを抑制する増粘効果がより顕著に得られる。レオロジーコントロール剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば7.0質量%以下であってよく、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下である。これにより、引張特性がより向上する傾向がある。すなわち、二剤型接着剤中のレオロジーコントロール剤の含有量は、第一剤及び第二剤中の固形分の合計量を100質量%としたとき、例えば0.01~7.0質量%、0.01~5.0質量%、0.01~3.0質量%、0.05~7.0質量%、0.05~5.0質量%、0.05~3.0質量%、0.1~7.0質量%、0.1~5.0質量%、0.1~3.0質量%、0.5~7.0質量%、0.5~5.0質量%、0.5~3.0質量%、1.0~7.0質量%、1.0~5.0質量%、又は1.0~3.0質量%であってよい。
第一剤は、エポキシ化合物を含み、必要に応じてフィラーを含んでいてよく、必要に応じて他の成分を更に含んでいてもよい。
第一剤中のエポキシ化合物の含有量は、第一剤の固形分の全量基準で、例えば80質量%以上であってよく、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、100質量%であってもよい。
第二剤は、アミン系硬化剤を含み、必要に応じてフィラーを含んでいてよく、必要に応じて他の成分を更に含んでいてもよい。
第二剤中のアミン系硬化剤の含有量は、第二剤の固形分の全量基準で、例えば60質量%以上であってよく、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
二剤型接着剤は、第一剤及び第二剤の混合物が、2000mPa・s以上100000mPa・s以下(より好ましくは4000mPa・s以上50000mPa・s以下、すなわち、例えば2000~100000mPa・s、2000~50000mPa・s、4000~100000mPa・s、又は4000~50000mPa・s)の粘度、及び、2.0以上(より好ましくは3.0~8.0、すなわち、例えば2.0以上、2.0~8.0又は3.0~8.0)のチクソトロピックインデックスを示すことが好ましい。なお、第一剤及び第二剤の混合物は、エポキシ化合物と硬化剤との反応により、経時的に粘度及びチクソトロピックインデックスが変化する。すなわち、上記規定は、第一剤及び第二剤の混合物が、混合後の一定期間、上記粘度及びチクソトロピックインデックスを示すことを意味する。
本明細書中、第一剤及び第二剤の混合物の粘度は、コーンプレート型回転式粘度計により測定される23℃、20rpmにおける粘度を示す。また、チクソトロピックインデックスは、コーンプレート型回転式粘度計により測定される、23℃、20rpmにおける粘度Vに対する23℃、2rpmにおける粘度Vの比(V/V)を示す。
接着剤の硬化体は、厚み1mmあたりの、可視光領域(380~780nm)における分光透過率が30%以上であることが好ましい。なお、本明細書中、硬化体の分光透過率は、島津製作所社製UV-VIS-NIR分光光度計SolidSpec-3700iを用いて測定される。これにより、下地視認性により優れる剥落防止層が得られやすくなる。
接着剤の硬化体の引張弾性率は、150MPa以上であり、好ましくは300MPa以上、より好ましくは500MPa以上、更に好ましくは700MPa以上、一層好ましくは1000MPa以上である。これにより、硬化体の耐熱性がより向上する傾向がある。また、接着剤の硬化体の引張弾性率は、2700MPa以下であり、好ましくは2500MPa以下、より好ましくは2200MPa以下である。これにより、上述の効果がより顕著に奏され、特に低温下での伸び性がより向上する傾向がある。すなわち、接着剤の硬化体の引張弾性率は、例えば150~2700MPa、150~2500MPa、150~2200MPa、300~2700MPa、300~2500MPa、300~2200MPa、500~2700MPa、500~2500MPa、500~2200MPa、700~2700MPa、700~2500MPa、700~2200MPa、1000~2700MPa、1000~2500MPa、又は1000~2200MPaであってよい。
接着剤の硬化体の引張強度は特に限定されず、例えば5MPa以上であってよく、好ましくは10MPa以上、より好ましくは20MPa以上である。これにより、硬化体の耐熱性がより向上する傾向がある。また、接着剤の硬化体の引張強度は、例えば80MPa以下であってよく、60MPa以下又は40MPa以下であってもよい。すなわち、接着剤の硬化体の引張強度は、例えば5~80MPa、5~60MPa、5~40MPa、10~80MPa、10~60MPa、10~40MPa、20~80MPa、20~60MPa、又は20~40MPaであってよい。
<ガラス繊維シート>
本実施形態の複合体シートは、ガラス繊維シートを含む。
ガラス繊維シートを構成するガラスの組成は特に限定されず、例えば、Eガラス、ARガラス、Sガラス、Cガラス、Dガラス、ECRガラス等であってよい。
ガラス繊維シートの繊度は、例えば50tex以上であってよく、好ましくは70tex以上、より好ましくは130tex以上である。これにより、繊維の間に開口が生じやすくなり、接着剤がより含浸しやすくなり、複合体シート製造時の作業性が向上する。また、ガラス繊維シートの繊度は、例えば1500tex以下であってよく、好ましくは1000tex以下、より好ましくは500tex以下である。これにより、繊維の密度が大きくなり、取扱い性が向上する。すなわち、ガラス繊維シートの繊度は、例えば50~1500tex、50~1000tex、50~500tex、70~1500tex、70~1000tex、70~500tex、130~1500tex、130~1000tex、又は130~500texであってよい。
本実施形態の複合体シートは、例えば、ガラス繊維シートに接着剤(例えば、第一剤と第二剤との混合物)を塗布して塗膜を形成する塗布工程と、当該塗膜を硬化する硬化工程と、を備える製造方法により製造することができる。
また、本実施形態の複合体シートは、例えば、接着剤の塗膜上にガラス繊維シートを配置する配置工程と、当該塗膜を硬化する硬化工程と、を備える製造方法により製造することもできる。
塗布工程では、接着剤の一部又は全部がガラス繊維シートに含浸していてよい。また、塗布工程は、構造物表面上に配置されたガラス繊維シートに接着剤を塗布する工程であってよい。
塗布工程において、接着剤の塗布量は、例えば200g/m以上であってよく、好ましくは400g/m以上、より好ましくは500g/m以上である。また、接着剤の塗布量は、例えば1500g/m以下であってよく、好ましくは1000g/m以下、より好ましくは700g/m以下である。これにより、接着剤の硬化体の含有量が後述の好適な範囲にある複合体シートが得られやすくなる。すなわち、接着剤の塗布量は、例えば200~1500g/m、200~1000g/m、200~700g/m、400~1500g/m、400~1000g/m、400~700g/m、500~1500g/m、500~1000g/m、又は500~700g/mであってよい。
配置工程では、接着剤の一部又は全部がガラス繊維シートに含浸していてよい。また、配置工程は、構造物表面上に形成された接着剤の塗膜上にガラス繊維シートを配置する工程であってよい。
硬化工程は、例えば、加熱により接着剤の塗膜を硬化する工程であってよい。加熱温度は、接着剤及び硬化剤の種類等に応じて適宜設定してよい。
本実施形態の複合体シートにおいて、ガラス繊維シートの目付は、150g/m以上であり、好ましくは170g/m以上、より好ましくは200g/m以上である。これにより、強度及び伸び性により優れる剥落防止層が得られやすくなる。また、ガラス繊維シートの目付は、350g/m以下であり、好ましくは300g/m以下、より好ましくは250g/m以下である。これにより、下地視認性により優れる剥落防止層が得られやすくなる。すなわち、ガラス繊維シートの目付は、例えば150~350g/m、150~300g/m、150~250g/m、170~350g/m、170~300g/m、170~250g/m、200~350g/m、200~300g/m、又は200~250g/mであってよい。
本実施形態の複合体シートにおいて、接着剤の硬化体の含有量は、例えば200g/m以上であってよく、好ましくは400g/m以上、より好ましくは500g/m以上である。これにより、複合体シートの表面平滑性がより向上し、下地視認性がより優れる剥落防止層が得られやすくなる。接着剤の硬化体の含有量は、例えば1500g/m以下であってよく、好ましくは1000g/m以下、より好ましくは700g/m以下である。これにより、硬化体の燃焼時の有害成分の発生量が低減される傾向がある。すなわち、接着剤の硬化体の含有量は、例えば200~1500g/m、200~1000g/m、200~700g/m、400~1500g/m、400~1000g/m、400~700g/m、500~1500g/m、500~1000g/m、又は500~700g/mであってよい。
複合体シートの厚さは特に限定されないが、例えば0.25mm以上であってよく、好ましくは0.4mm以上、より好ましくは0.5mm以上である。また、複合体シートの厚さは、例えば1.6mm以下であってよく、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは0.8mm以下である。すなわち、複合体シートの厚さは、例えば0.25~1.6mm、0.25~1.2mm、0.25~0.8mm、0.4~1.6mm、0.4~1.2mm、0.4~0.8mm、0.5~1.6mm、0.5~1.2mm、又は0.5~0.8mmであってよい。
本実施形態の複合体シートの可視光領域(380~780nm)における分光透過率は、例えば30%以上であり、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上、一層好ましくは70%以上である。これにより、下地視認性により優れる剥落防止層が得られやすくなる。なお、本明細書中、複合体シートの分光透過率は、島津製作所社製UV-VIS-NIR分光光度計SolidSpec-3700iを用いて測定される。
本実施形態の複合体シートは、構造物表面からのコンクリート片等の剥落を防止するために、構造物表面に配置される。構造物表面には、複合体シート以外の層が更に形成されていてよい。すなわち、構造物表面には、複合体シートと他の層との積層体が形成されていてよい。
積層体としては、例えば、プライマーにより形成された下塗り層と、複合体シートと、を含む積層体が挙げられる。
プライマーは、例えば、NEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度が2N/mm以上となるプライマーであってよい。
プライマーの粘度は特に限定されないが、例えば100mPa・s以上であってよく、好ましくは200mPa・s以上、より好ましくは400mPa・s以上である。これにより、下地への吸い込みが防止され、塗膜形成が容易となる傾向がある。また、プライマーの粘度は、例えば4000mPa・s以下であってよく、好ましくは2000mPa・s以下、より好ましくは1000mPa・s以下である。これにより、構造物表面のヒビへの含浸性がより向上する傾向がある。すなわち、プライマーの粘度は、例えば100~4000mPa・s、100~2000mPa・s、100~1000mPa・s、200~4000mPa・s、200~2000mPa・s、200~1000mPa・s、400~4000mPa・s、400~2000mPa・s、又は400~1000mPa・sであってよい。
プライマーとしては、例えば、エポキシ系プライマー、ウレタン系プライマー、アクリル系プライマー等が挙げられる。これらのうち、構造物表面への接着性に優れる観点から、エポキシ系プライマーが好ましい。
また、構造物表面には、含浸補強材、断面修復剤、不陸調整材等から形成された層が更に形成されていてもよい。すなわち、積層体は、含浸補強材、断面修復剤、不陸調整材等から形成された層を更に含んでいてもよい。
本実施形態の複合体シートによれば、強度、伸び性及び下地視認性に優れる剥落防止層を形成できる。剥落防止層は、例えば、上記積層体からなる層であってよい。
(構造物の表面剥落を防止する方法)
構造物の表面剥落を防止する方法は、構造物表面上に上述の複合体シートを配置する配置工程を備えていてよい。
配置工程は、接着剤とガラス繊維シートとを含有する塗膜を前記構造物表面上に形成する塗膜形成工程と、当該塗膜を硬化させて、構造物表面上に複合体シートを形成させるシート形成工程と、を含むものであってよい。
塗膜形成工程は、例えば、構造物表面上にガラス繊維シートを配置し、ガラス繊維シート上に接着剤を塗布して、塗膜を形成する工程であってよい。
また、塗膜形成工程は、構造物表面上に接着剤を塗布し、塗布した接着剤上にガラス繊維シートを配置して、塗膜を形成する工程であってもよい。
上記方法は、構造物表面上にプライマーを塗布して、下塗り層を形成する前処理工程を更に備えていてよい。前処理工程を備える場合、塗膜形成工程は、下塗り層上に塗膜を形成する工程であってよい。
上記方法は、複合体シート上に上塗り層を形成する上塗り工程を更に備えていてよい。上塗り層としては、公知の剥落防止層に使用される上塗り層を特に制限無く用いることができる。上塗り層は、例えば、保護塗装、トップコート層等であってよい。
構造物表面は特に限定されないが、材料の剥落防止効果が顕著に得られる観点から、コンクリート表面又はモルタル表面が好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた各成分の略号、並びに、実施例及び比較例で実施した試験方法は、以下のとおりである。
<エポキシ化合物>
・アデカレジンEP-4100(表中、EP4100):式(1-1)の構造を有するエポキシ化合物(アデカ社製、エポキシ当量190、R11及びR12はメチル基)
・アデカレジンEP-4005(表中、EP4005):式(2-2)の構造を有するエポキシ化合物(アデカ社製、エポキシ当量510)
・アデカレジンEP-4000(表中、「EP4000」):式(2-2)の構造を有するエポキシ化合物(アデカ社製、エポキシ当量320)
・SY-OCG:オルソクレジルグリシジルエーテル(坂本薬品工業社製、エポキシ当量180)
Figure 0007417009000003
[式中、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。]
<フィラー>
・AEROSIL 200(表中、AS200):親水性フュームドシリカ(一次粒子径12nm、BET比表面積200g/m、疎水化度0%、エボニック社製)
<アミン系硬化剤>
・トーマイド235-A(表中、235A):ポリアミドアミン(T&K TOKA社製、活性水素当量95)
・フジキュアー8116(表中、8116):変性脂環式ポリアミン(T&K TOKA社製、活性水素当量72)
・トーマイド245-S(表中245-S):ポリアミドアミン(T&K TOKA社製、活性水素当量80)
<その他の成分>
・BYK R607:ポリアミノアマイド(レオロジーコントロール剤(表中、RC剤)、ビックケミー(株)社製)
<ガラス繊維シート>
・G1(目付:200g/m、繊度:135tex)
・G2(目付:184g/m、繊度:70tex)
・G3(目付:256g/m、繊度:135tex)
・G4(目付:300g/m、繊度:400tex)
・G5(目付:400g/m、繊度:600tex)
<プライマー>
・P1(エポキシ系プライマー、粘度:676mPa・s、NEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度:2.2N/mm
・P2(エポキシ系プライマー、粘度:700mPa・s、NEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度:3.3N/mm
・P3(エポキシ系プライマー、粘度:275mPa・sNEXCO試験方法のひび割れ含浸材料の試験方法に準拠して測定される曲げ強度:3.1N/mm
<接着剤の硬化体の引張試験>
第一剤(表中、(1))及び第二剤(表中、(2))を表1、表2又は表3に記載のとおり計量し、混合した。次に、型枠に混合物を注型し、23℃7日間養生後、脱型し、株式会社エー・アンド・デイ社製万能試験機を用いてJISK7161(プラスチック引張特性の求め方-)に従い、環境温度23℃、引張速度5mm/minで試験を行った。
<複合体シートの透過率>
第一剤及び第二剤を表1、表2又は表3に記載のとおり計量し、混合して、接着剤組成物を得た。第一剤及び第二剤は、エポキシ当量と活性水素当量の比が1:1になるように、混合した。
次に、PETシート上に規定の塗布量(0.6kg/m)で接着剤組成物を塗工し、塗工後すぐに繊維シートを重ねて、ローラーを用いて接着剤組成物を繊維シートに含浸させた。23℃で7日間の養生後、PETフィルムをはがして、厚さ0.6mmの複合体シートを得た。得られた複合体シートについて、島津製作所社製UV-VIS-NIR分光光度計SolidSpec-3700iを用いて、380~780nmの範囲の分光透過率を測定した。測定された透過率のうち、最も低い値を表に記載した。
<複合体シートの押し抜き試験>
JISA5372付属書Eに規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という)の中央部をφ100mmの形状でコンクリート用コアドリルによりコア抜きを行った。コア抜きは施工面の反対面より55±3.0mmの深さで行った。
23℃環境下、施工面をディスクサンダーでケレン、脱脂後、プライマーの第一剤及び第二剤を規定量計量し、混合して、ローラーを用いて既定の塗布量(0.15kg/m)で塗布し、1日間養生を行った。
養生後、接着剤の第一剤及び第二剤を規定量計量し、混合して、ゴムベラを用いて既定の塗布量(0.60kg/m)で塗布し、直ちに繊維シートを貼り付け、ローラーで含浸させ、ゴムベラで表面を均した後、7日間養生を行った。
養生後、JSCE-K533に準拠し、コア中央部に1mm/minで載荷し、コアが破壊後、5mm/minで載荷し、最大荷重とその時の変位を測定した。
<下地視認性>
JISR5201に従って作成されたモルタル(70×150×10mm)の上に幅0.5mmクラックを模擬したクラックスケールを貼り付けた。その後、プライマーの第一剤及び第二剤を規定量計量し、混合して、ローラーを用いて既定の塗布量(0.15kg/m)で塗布し、1日間養生を行った。
養生後、接着剤の第一剤及び第二剤を規定量計量し、混合して、ゴムベラを用いて既定の塗布量(0.60kg/m)で塗布し、直ちに繊維シートを貼り付け、ローラーで含浸させ、ゴムベラで表面を均した後、7日間養生を行った。
養生後、目視にてクラックスケールのヒビが視認可能かを評価した。視認可能であった場合をA、視認不可であった場合をBとした。
(実施例1)
表1に記載の組成の第一剤と第二剤とを混合して、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物について、上記方法で、硬化体の引張試験を行った。次いで、表1に示すガラス繊維シートを用い、上記方法で複合体シートの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2~12、比較例1~2)
第一剤及び第二剤の組成を表1、表2又は表3に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物を調製し、上記方法で、硬化体の引張試験を行った。次いで、得られた接着剤組成物を用い、ガラス繊維シート及びプライマーとして表1、表2又は表3に示すものを用いたこと以外は、実施例1と同様にして複合体シートの作製及び評価を行った。結果を表1、表2又は表3に示す。
Figure 0007417009000004
Figure 0007417009000005
Figure 0007417009000006

Claims (8)

  1. 構造物表面上に配置される剥落防止用複合体シートであって、
    接着剤の硬化体とガラス繊維シートとを含み、
    前記硬化体の引張弾性率が、150~2700MPaであり、
    前記ガラス繊維シートの目付が、150~350g/m2であり、
    前記複合体シートの380~780nmにおける分光透過率が、50%以上である、複合体シート。
  2. 前記接着剤が、エポキシ系接着剤である、請求項1に記載の複合体シート。
  3. 前記ガラス繊維シートと、前記ガラス繊維シートに含浸させた前記接着剤の硬化体と、を含む、請求項1に記載の複合体シート。
  4. 前記接着剤が、エポキシ化合物を含有する第一剤と硬化剤を含有する第二剤とを含む二剤型接着剤であり、
    前記硬化体が、前記第一剤及び前記第二剤の混合物の硬化体である、請求項1に記載の複合体シート。
  5. 構造物表面上に配置される剥落防止用積層体であって、
    プライマーにより形成された下塗り層と、請求項1~のいずれか一項に記載の複合体シートと、を含む、積層体。
  6. 構造物表面上に請求項1~のいずれか一項に記載の複合体シートを配置する配置工程を備える、構造物の表面剥落を防止する方法。
  7. 前記配置工程が、
    前記接着剤と前記ガラス繊維シートとを含有する塗膜を前記構造物表面上に形成する塗膜形成工程と、
    前記塗膜を硬化させて、前記構造物表面上に前記複合体シートを形成させるシート形成工程と、
    を含む、請求項に記載の方法。
  8. 構造物表面上にプライマーを塗布して、下塗り層を形成する前処理工程を更に備え、
    前記配置工程が、前記下塗り層上に前記複合体シートを配置する工程である、請求項に記載の方法。
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