JP7416995B1 - α型サイアロン蛍光体および発光装置 - Google Patents

α型サイアロン蛍光体および発光装置 Download PDF

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貴子 戎▲崎▼
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Abstract

【課題】改善された発光特性を有するα型サイアロン蛍光体を得ること。【解決手段】一般式:(Cax,Euy)(Si12-(m+n)Alm+n)(OnN16-n)で表され、25~900℃での平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であるα型サイアロン蛍光体。一般式において、0<x<2.0、0<y≦0.5、0.3≦x+y≦2.0、0<m≦4.0、0<n≦3.0である。【選択図】図1

Description

本発明は、α型サイアロン蛍光体および発光装置に関する。
Euなどの希土類元素が賦活されたα型サイアロン蛍光体は、青色光を長波長光に効率よく変換できる。よって、例えば白色LEDの波長変換部材に適用されている。
α型サイアロン蛍光体は、通常、α型窒化ケイ素結晶のSi-N結合が部分的にAl-N結合とAl-O結合で置換され、電気的中性を保つために、結晶格子間に特定の元素(Ca、並びにLi、Mg、Y、又はLaとCeを除くランタニド金属)が格子内に侵入固溶した構造を有している。侵入固溶する元素の一部を発光中心となる希土類元素とすることにより蛍光特性が発現する。中でも、Caを固溶させ、その一部をEuで置換したα型サイアロン蛍光体は、紫外から青色領域の幅広い波長域で比較的効率よく励起され、黄色または橙色発光を示す。
α型サイアロン蛍光体の蛍光特性をさらに向上させるため。様々な試みが提案されている(例えば特許文献1~3等)。
特開2009-96882号公報 特許第6667025号公報 特許第6785333号公報
白色LEDの普及に伴い、α型サイアロン蛍光体に要求される性能はますます高まっている。
本発明者は、今回、改善された発光特性を有するα型サイアロン蛍光体を得るため、様々な検討を行った。
本発明者らは、様々な検討を通じ、以下に提供される発明を完成させた。
1.
以下一般式で表され、25~900℃での平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であるα型サイアロン蛍光体。
一般式:(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n
前記一般式において、x、y、mおよびnは以下を満たす。
0<x<2.0
0<y≦0.5
0.3≦x+y≦2.0
0<m≦4.0
0<n≦3.0
2.
1.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
2.5≦m≦4.0であり、0<n≦0.5であるα型サイアロン蛍光体。
3.
1.または2.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25~300℃での平均線膨張率をα´とし、700~900℃での平均線膨張率をα´としたとき、α´/α´が1.3~1.8であるα型サイアロン蛍光体。
4.
1.~3.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25℃下で、単位格子の格子定数a25が7.900Å以上7.960Å以下であり、格子定数c25が5.720Å以上5.780Å以下であるα型サイアロン蛍光体。
5.
1.~4.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25℃下で、単位格子の格子体積V25が308Å以上320Å以下であるα型サイアロン蛍光体。
6.
発光素子と、
1.~5.のいずれか1つに記載のα型サイアロン蛍光体を含み、前記発光素子から発せられた光を長波長化する波長変換部と、
を備える発光装置。
本発明によれば、発光特性が改善されたα型サイアロン蛍光体が提供される。
発光装置の構造を例示する概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書中、数値範囲の説明における「X~Y」との表記は、特に断らない限り、X以上Y以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
<α型サイアロン蛍光体>
本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、
一般式:(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n
で表される。
上記一般式において、x、y、mおよびnは、以下を満たす。
0<x<2.0
0<y≦0.5
0.3≦x+y≦2.0
0<m≦4.0
0<n≦3.0
また、本実施形態のα型サイアロン蛍光体の、25~900℃での平均線膨張率α´は、4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下である。
本実施形態のα型サイアロン蛍光体の発光特性は良好である。この理由は必ずしも明らかではないが、上記一般式においてmとnが特定の数値範囲内にあることや、熱膨張係数は結晶構造と相関しうる指標と考えられることなどを踏まえると、本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、蛍光を効率的に発しやすい結晶構造を有していると推測される。
本実施形態において、平均線膨張率α´は、例えば以下[平均線膨張率α´を求める手順の一例]のように、温度-格子定数の関係を測定し解析することで求めることができる。詳細な求め方は後掲の実施例を参照されたい。
[平均線膨張率α´を求める手順の一例]
(1)25~900℃の温度範囲内の数点で、α型サイアロン蛍光体のX線回折測定を行う。
(2)X線回折測定の結果から、各温度Tでの、蛍光体中の結晶の格子定数を求める。α型サイアロン蛍光体の場合は、各温度Tでの格子定数aおよびcを求める。ちなみにα型サイアロンの結晶構造上、単位格子の格子定数bは、aと同じ値になる。
(3)温度T-格子定数a、温度T-格子定数cをプロットしたグラフをそれぞれ作成する。そして、それぞれのグラフにおける近似直線式を求める。近似直線は、最小二乗法を利用して決定することができる。
(4)近似直線から、25℃における格子定数a25およびc25、および、900℃における格子定数a900およびc900を読み取る。これら値を以下のformula 1のV25の式およびV900の式に代入し、25℃における格子体積V25および900℃における格子体積V900を算出する。そして、以下のformula 2の式に基づき体積膨張率βを算出する。
Figure 0007416995000002
Figure 0007416995000003
(5)α´=β/3の式を用い、平均線膨張率α´を算出する。ちなみに、このα´=β/3の式は、試料が等方的な物質であると仮定し、多結晶体としての平均線膨張率を求めるための式である。
本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、適切な原料を適切な量用いることに加え、適切な製造条件を採用することで製造することができる。
「適切な素材を適切な量用いる」ことについては、前掲の一般式のx、y、mおよびnを満たすように原料の量を調整することが挙げられる。
「適切な製造条件」については、追って詳述する、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下での「アニール工程」と、水素ガス雰囲気下での「水素アニール工程」とを挙げることができる。適切な製造方法・製造条件を採用することにより、本実施形態のα型サイアロン蛍光体を製造することができる。逆に言うと、適切な製造方法・製造条件を採用しない場合には、適切な素材を適切な量用いたとしても、本実施形態のα型サイアロン蛍光体を得られない場合がある。
本実施形態のα型サイアロン蛍光体に関する説明を続ける。
(一般式:(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n)について)
xは、0<x<2.0を満たせばよく、好ましくは1.0≦x<2.0であり、より好ましくは1.3≦x<2.0であり、
yは、0<y<0.5を満たせばよく、好ましくは0.01≦y≦0.1であり、
x+yは、0.3≦x+y≦2.0を満たせばよく、好ましくは1.0≦x+y≦2.0、より好ましくは1.3≦2.0であり、
mは、0<m≦4.0を満たせばよく、好ましくは2.5≦m≦4.0、より好ましくは2.8≦m≦4.0であり、
nは、0<n≦3.0を満たせばよく、好ましくは0<n≦0.5、より好ましくは0.1≦n≦0.4である。
x、y、x+y、mおよびnの最適化により、α型サイアロン蛍光体の発光特性を一層高められる場合がある。また、x、y、x+y、mおよびnの最適化により、平均線膨張率α´を一層適切に制御しやすくなる場合がある。
(格子定数および格子体積について)
本実施形態のα型サイアロン蛍光体の、25℃下での単位格子の格子定数a25は、好ましくは7.900Å以上7.960Å以下、格子定数c25は好ましくは5.720Å以上5.780Å以下である。ちなみに、α型サイアロンの結晶構造上、25℃下での単位格子の格子定数b25は、a25と同じ値になる。
また、本実施形態のα型サイアロン蛍光体の、25℃下での単位格子の格子体積V25は、好ましくは308Å以上320Å以下である。
前述のように、本実施形態のα型サイアロンは、蛍光を効率的に発しやすい結晶構造を有していると推測される。これら格子定数の数値範囲は、「蛍光を効率的に発しやすい結晶構造」を反映していると考えられる。
上記の各値は、Pawley法により求めることができる。
(低温での平均線膨張率、および、高温での平均線膨張率について)
本実施形態のα型サイアロン蛍光体においては、低温での平均線膨張率や高温での平均線膨張率が適当な数値範囲内にあることにより、発光特性が一層向上する場合がある。
具体的には、本実施形態のα型サイアロン蛍光体の、25~300℃での平均線膨張率をα´とし、700~900℃での平均線膨張率をα´としたとき、α´/α´は好ましくは1.3~1.8、より好ましくは1.3~1.7、さらに好ましくは1.3~1.6である。
以下、α´およびα´の求め方を具体的に説明する。
・25~300℃での平均線膨張率α´の求め方
(1)Pawley法により求めた格子定数a25,c25の値(これら記号の定義は上記同様)を以下の式に代入し、25℃における格子体積V25を算出する。ちなみに、α型サイアロンの結晶構造は六方晶であるため、格子体積はこの式で表される。
Figure 0007416995000004
(2)同様に、300℃における格子定数a300,c300の値を用い、300℃における格子体積V300を算出する。
(3)以下の式に従い、体積膨張率βを算出する。ΔTは、300℃-25℃=275℃である。
Figure 0007416995000005
(4)試料が等方的な物質であると仮定し、多結晶体としての平均線膨張率α´を、α´=β/3の式により算出する。
・700~900℃での平均線膨張率α´の求め方
(1)Pawley法により、700℃における格子定数a700、c700の値を求める。求めた値を
以下の式に代入し、700℃における格子体積V700を算出する。ちなみに、α型サイアロンの結晶構造は六方晶であるため、格子体積はこの式で表される。
Figure 0007416995000006
(2)同様に、900℃における格子定数a900、c900の値を求める。そして、900℃における格子体積V900を算出する。
(3)以下の式を用い、体積膨張率βを算出する。ΔTは、900℃-700℃=200℃である。
Figure 0007416995000007
(4)試料が等方的な物質であると仮定し、多結晶体としての平均線膨張率α´を、α´=β/3の式により算出する。
(性状について)
本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、典型的には粉末状である。
粉末状のα型サイアロン蛍光体粒子のメジアン径D50の下限は、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、メジアン径D50の上限は、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。メジアン径D50を5μm以上とすることにより、後述する複合体の透明性をより高めることができる。一方、メジアン径D50を30μm以下とすることにより、ダイサー等で複合体を切断加工する際に、チッピングが生じることを抑制することができる。
メジアン径D50は、JIS R1629:1997に準拠したレーザー回折散乱法により求めることができる。より具体的な測定法については後掲の実施例を参照されたい。
<α型サイアロン蛍光体の製造方法>
前述したが、本実施形態のα型サイアロン蛍光体は、適切な原料を適切な量用いることに加え、適切な製造条件を採用することで製造することができる。以下、製造方法の一例を説明する。
・原料の混合
まず、Euを含有するα型サイアロン蛍光体粒子を構成する元素を含む原料を混合する。カルシウム原料として、窒化カルシウムを使用して合成した酸素含有率の低いα型サイアロン蛍光体粒子では、カルシウムが高濃度に固溶される。特にCa固溶濃度が高い場合、酸化物原料を使用した従来組成よりも高波長側(590nm以上、より具体的には590nm以上610nm以下、さらに具体的には592nm以上608nm以下)に発光ピーク波長を有する蛍光体が得られる。
上記以外の原料粉末としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム及びEu化合物が挙げられる。Eu化合物としては、酸化ユーロピウム、加熱後に酸化ユーロピウムになる化合物、窒化ユーロピウムがある。系内の酸素量を減らすことができる窒化ユーロピウムが好ましい。
予め合成したα型サイアロン蛍光体粒子を適量原料粉末に添加してもよい。この蛍光体粒子は粒成長の基点となり、比較的短軸径の大きなα型サイアロン蛍光体粒子を得ることができる場合がある。また、添加するα型サイアロン粒子の形態を変えることで粒形状を制御することができる場合がある。
各原料を混合する方法としては、乾式混合する方法、原料各成分と実質的に反応しない不活性溶媒中で湿式混合した後に溶媒を除去する方法などがある。混合装置としては、V型混合機、ロッキングミキサー、ボールミル、振動ミルがある。大気中で不安定な窒化カルシウムの混合については、その加水分解や酸化が合成品特性に影響するため、不活性雰囲気のグローブボックス内で行うことが好ましい。
・加熱処理(焼成)
混合して得た粉末(以下、単に原料粉末という)を、原料及び合成される蛍光体と反応性の低い材質の容器、たとえば窒化ホウ素製容器内に充填する。そして、窒素雰囲気中で、所定時間加熱する。こうすることによりα型サイアロン蛍光体を得ることができる。加熱処理の温度は、1650℃以上1950℃以下とすることが好ましい。
加熱処理の温度を1650℃以上とすることにより、未反応生成物の残存する量を抑制し、十分に一次粒子を成長させることができる。また、加熱処理の温度を1950℃以下とすることにより、顕著な粒子間の焼結を抑制できる。
原料粉末の容器内への充填は、加熱中に粒子間焼結を抑制する観点から、嵩高くすることが好ましい。具体的には、原料粉末の容器に充填する際に嵩密度を0.6g/cm以下とすることが好ましい。
加熱処理における加熱時間は、未反応物が多く存在したり、一次粒子が成長不足であったり、粒子間の焼結が生じてしまったりという不都合が生じない時間範囲として、2時間以上24時間以下が好ましい。
上述の工程によって外形がインゴット状のα型サイアロン蛍光体が生成される。このインゴット状のα型サイアロン蛍光体を、クラッシャー、乳鉢粉砕、ボールミル、振動ミル、ジェットミル等の粉砕機による粉砕工程と、これらの粉砕処理後の篩分級工程とによって、二次粒子の粒径が調整された粉末状のα型サイアロン蛍光体を得ることができる。また、水溶液中に分散させて粒子径が小さく沈降しにくい二次粒子を除去する工程で行うことで、二次粒子の粒径を調整することができる。
・アニール工程
本実施形態においては、加熱処理を経て得られた粉末状のα型サイアロン蛍光体を、窒素雰囲気下において加熱(アニール)処理することが好ましい。本明細書では、この窒素雰囲気下での加熱処理を「アニール工程」という。アニール工程における加熱温度は、好ましくは1300~1600℃、より好ましくは1400~1500℃である。加熱温度が1600℃以上となると、α型サイアロンの分解及び発光中心であるEuの揮発が起こる場合があるため好ましくない。また、加熱温度が1300℃以下であると十分に結晶性を改善できないことがあるため好ましくない。
アニール工程の加熱温度は、前述の加熱工程(焼成)の加熱温度より低いことが好ましい。
アニール工程の圧力は、大気圧又は大気圧近傍、具体的には0.02~0.9MPa(ゲージ圧)とするのが好ましい。
アニール工程の時間は、5~20時間が好ましく、より好ましくは10~18時間である。
・水素ガスアニール工程
アニール工程の後に、アニール工程で得られた処理物を水素ガス雰囲気下において加熱処理する。本明細書では、この工程を「水素ガスアニール工程」という。
水素ガスアニール工程においては、上記アニール工程後のα型サイアロン蛍光体を室温程度まで冷却した後に、水素ガス雰囲気下において加熱処理するのが好ましい。アニール工程と水素ガスアニール工程を連続して実施することにより、蛍光特性が格段に向上する。
本発明者の知見によれば、水素ガスアニール工程は、蛍光体中の欠陥部分を低減するための処理である。水素ガス雰囲気中での熱処理により、結晶内に水素ガスが入り込み結晶の欠陥を安定化させると考えられる。そしてその結果、平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であり、発光特性が良好なα型サイアロン蛍光体が得られると考えられる。
水素ガスアニール工程における加熱温度は、1300~1600℃が好ましく、より好ましくは1400~1500℃である。加熱温度が1300℃以下であると水素ガスが結晶格子中に入り込まずに効果が得られ難く、1600℃以上であるとα型サイアロン蛍光体の結晶構造が分解してしまう可能性がある。また、水素ガスアニール工程の加熱温度は、前記焼成工程の加熱温度より低い温度に設定するのが好ましい。
水素ガスアニール工程における圧力は、大気圧又は大気圧近傍、具体的には0.02~0.9MPa(ゲージ圧)とするのが好ましい。
水素ガスアニール工程の時間は、3~16時間が好ましく、より好ましくは5~12時間である。
水素ガスアニール工程で使用する水素ガスの純度は99%以上であることが好ましい。とりわけ純度99.9%以上の水素ガスが好ましい。
ただし、本実施形態のα型サイアロン蛍光体が得られる限りにおいて、水素ガスアニール工程においては、水素ガスと他のガスとの混合ガスを用いてもよい。他のガスとしては、窒素ガスや、アルゴンガスなどの希ガスを挙げることができる。混合ガス中には水素ガスが30vol%以上存在することが好ましく、40vol%以上存在することが好ましい。
・酸処理工程
本実施形態においては、上述した工程を実施した後、酸処理を行うことが好ましい。これにより、発光に寄与しないまたは発光特性低下の原因となる異相が低減されて、発光特性を一層高められる場合がある。
酸処理工程では、例えば、酸性水溶液中にα型サイアロン蛍光体が浸漬される。酸性水溶液としては、フッ酸、硝酸、塩酸などの酸から選ばれる1種の酸を含む酸性水溶液、または上記の酸から2種以上を混合して得られる混酸水溶液が挙げられる。この中でも、フッ酸を単独で含むフッ酸水溶液およびフッ酸と硝酸を混合して得られる混酸水溶液がより好ましい。酸性水溶液の原液濃度は、用いる酸の強さによって適宜設定されるが、たとえば、0.7%以上100%以下が好ましく、0.7%以上40%以下がより好ましい。また、酸処理を実施する際の温度は60℃以上90℃以下が好ましく、反応時間(浸漬時間)としては15分以上80分以下が好ましい。
攪拌は高速で行うことで、蛍光体表面の酸処理が十二分になされやすい。ここでの「高速」とは、用いる攪拌装置にも依るが、実験室レベルのマグネチックスターラを用いる場合には、攪拌速度は例えば400rpm以上、現実的には400rpm以上500rpm以下である。粒子表面に常に新たな酸を供給するという通常の攪拌の目的からすれば、攪拌速度は200rpm程度で十分であるが、400rpm以上の高速攪拌を行うことで、化学的な作用に加えて物理的な作用により、粒子表面の処理が十二分になされやすくなる。
<発光装置>
図1は、発光装置の構造を例示する概略断面図である。
図1に示すように、発光装置100は、発光素子120、ヒートシンク130、ケース140、第1リードフレーム150、第2リードフレーム160、ボンディングワイヤ170、ボンディングワイヤ172および複合体40を備える。
発光素子120はヒートシンク130上面の所定領域に実装されている。ヒートシンク130上に発光素子120を実装することにより、発光素子120の放熱性を高めることができる。なお、ヒートシンク130に代えて、パッケージ用基板を用いてもよい。
発光素子120は、励起光を発する半導体素子である。発光素子120としては、たとえば、近紫外から青色光に相当する300nm以上500nm以下の波長の光を発生するLEDチップを使用することができる。発光素子120の上面側に配設された一方の電極(図示せず)が金線などのボンディングワイヤ170を介して第1リードフレーム150の表面と接続されている。また、発光素子120の上面に形成されている他方の電極(図示せず)は、金線などのボンディングワイヤ172を介して第2リードフレーム160の表面と接続されている。
ケース140には、底面から上方に向かって孔径が徐々に拡大する略漏斗形状の凹部が形成されている。発光素子120は、上記凹部の底面に設けられている。発光素子120を取り囲む凹部の壁面は反射板の役目を担う。
複合体40は、ケース140によって壁面が形成される上記凹部に充填されている。複合体40は、発光素子120から発せられる励起光の波長を長波長化する波長変換部材である。複合体40として、本実施形態の複合体が用いられ、樹脂などの封止材30中に本実施形態の蛍光体1が分散されている。発光装置100は、発光素子120の光と、この発光素子120の光を吸収し励起される蛍光体1から発生する光との混合色を発する。発光装置100は、発光素子120の光と蛍光体1から発生する光との混色により白色を発光することが好ましい。
ちなみに、複合体40における封止材30に使用可能な樹脂としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などの透明樹脂が挙げられる。複合体40は、例えば、液体状の樹脂または粉末状のガラスまたはセラミックスに本実施形態のα型サイアロン蛍光体を加え、均一に混合し、その後、加熱処理により硬化または焼結させて作製することができる。
本実施形態の発光装置100は、蛍光体1として上述のα型サイアロン蛍光体を用いていることにより、良好な発光特性を有する。
ちなみに、図1では、表面実装型の発光装置が例示されているが、発光装置は表面実装型に限定されず、砲弾型、COB(チップオンボード)型、CSP(チップスケールパッケージ)型であってもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の参考形態を以下に付記する。
1.
以下一般式で表され、25~900℃での平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であるα型サイアロン蛍光体。
一般式:(Ca ,Eu )(Si 12-(m+n) Al m+n )(O 16-n
前記一般式において、x、y、mおよびnは以下を満たす。
0<x<2.0
0<y≦0.5
0.3≦x+y≦2.0
0<m≦4.0
0<n≦3.0
2.
1.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
2.5≦m≦4.0であり、0<n≦0.5であるα型サイアロン蛍光体。
3.
1.または2.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25~300℃での平均線膨張率をα ´とし、700~900℃での平均線膨張率をα ´としたとき、α ´/α ´が1.3~1.8であるα型サイアロン蛍光体。
4.
1.または2.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25℃下で、単位格子の格子定数a 25 が7.900Å以上7.960Å以下であり、格子定数c 25 が5.720Å以上5.780Å以下であるα型サイアロン蛍光体。
5.
1.または2.に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
25℃下で、単位格子の格子体積V 25 が308Å 以上320Å 以下であるα型サイアロン蛍光体。
6.
発光素子と、
1.または2.に記載のα型サイアロン蛍光体を含み、前記発光素子から発せられた光を長波長化する波長変換部と、
を備える発光装置。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。念のため述べておくと、本発明は実施例のみに限定されない。
<実施例1:α型サイアロン蛍光体の製造>
グローブボックス内で、m値が3.75、n値が0、x値が1.795、y値が0.08になるように、原料粉末の配合組成として、Si粉末(宇部興産株式会社製、E10グレード)60.14質量%、AlN粉末(トクヤマ株式会社製、Eグレード)23.96質量%、EuN粉末(高純度化学研究所社製)2.07質量%およびCa粉末(高純度化学研究所社製)13.83質量%を、ドライブレンドし、その後、目開き250μmのナイロン製篩を通した。このようにして原料混合粉末を得た。
この原料混合粉末120gを、内部の容積が0.4リットルの蓋付きの円筒型窒化ホウ素製容器(デンカ株式会社製、N-1グレード)に充填した。
原料混合粉末が充填された容器を、カーボンヒーターを備えた電気炉を用いて、大気圧窒素雰囲気中、1800℃で16時間、加熱処理した。原料混合粉末に含まれる窒化カルシウムは、空気中で容易に加水分解しやすいので、原料混合粉末を充填した窒化ホウ素製容器はグローブボックスから取り出した後、速やかに電気炉にセットし、直ちに真空排気し、窒化カルシウムの反応を防いだ。
合成物は乳鉢で軽く解砕し、目開き150μmの篩を全通させ、蛍光体粉末を得た。この蛍光体粉末に対して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定(X-ray Diffraction、以下、XRD測定という。)により、結晶相を調べたところ、存在する結晶相はα型サイアロンであった。
得られた蛍光体粉末を充填した窒化ホウ素製容器を、カーボンヒーターを備えた電気炉を用いて、大気圧窒素雰囲気中、1400℃で16時間、加熱処理した(アニール工程)。合成物は乳鉢で軽く解砕し、目開き150μmの篩を全通させ、蛍光体粉末を得た。
その後、上記蛍光体粉末を充填した窒化ホウ素製容器を、金属ヒーターを備えた電気炉を用いて、大気圧水素雰囲気中、1400℃で16時間、加熱処理した(水素アニール工程)。合成物は乳鉢で軽く解砕し、目開き150μmの篩を全通させ、蛍光体粉末を得た。
次に、50%フッ酸50mlと、70%硝酸50mlとを混合して混合原液とした。混合原液に蒸留水300mlを加え、混合原液の濃度を25%に希釈し、混酸水溶液400mlを調製した。この混酸水溶液に、上述のα型サイアロン蛍光体粒子からなる粉末30gを添加し、混酸水溶液の温度を80℃に保ち、マグネチックスターラを用いて回転速度450rpmで攪拌しながら、60分浸漬する酸処理を実施した。酸処理後の粉末は、蒸留水にて十分に酸を洗い流して濾過し、乾燥させた後、目開き45μmの篩を通した。
以上により粉末状のα型サイアロン蛍光体を得た。
得られたα型サイアロン蛍光体について、組成分析を行い、一般式におけるx、y、x+y、mおよびnを求めた。組成分析の具体的方法は以下の通りである。
蛍光体中のEu、Ca、Si、Al含有率は、加圧酸分解法によりα型サイアロン蛍光体を溶解させた後、ICP発光分光分析装置(SPECTRO株式会社、CIROS-120)を用いて定量分析した。
また、蛍光体中のO、N含有率は、酸素窒素分析計装置(株式会社堀場製作所製、EMGA-920)を用いて定量分析した。
組成分析結果を(Si+Al)/12=1を基本単位とするα型サイアロンの一般式(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n)に換算したところ、m値:3.5、n値:0.27、x値:1.63、y値:0.05、x+y値:1.68となった。
<格子定数の算出および平均線膨張率の算出>
(X線回折測定)
α型サイアロン蛍光体を試料板に載せ、試料面と試料板の面が揃うようにガラス板で試料を押し広げた状態とした。そして、以下条件でX線回折測定を行った。角度標準試料(外部標準)としてSi(NIST SRM 640c、以下「Si_640c」とも表記)の測定も行った。
装置 リガク社製X線回折装置 Ultima IV
光学系 平行ビーム法
X線源 Cu封入管
印加電圧/電流 40kV/40mA
検出器 シンチレーションカウンタ
測定ステージ 試料高温装置
測定雰囲気 Nフロー(30mL/min)
設定温度 25℃、300℃、500℃、700℃、900℃(Si_640c以外)
25℃(Si_640c)
昇温速度 20℃/min
インターバル 10min
測定角度範囲 2θ=24~140°
サンプリング幅 0.04°
スキャン速度 2°/min
繰り返し測定 4回(Si_640c以外)
3回(Si_640c)
スリット構成 入射側ソーラースリット:5.0°、受光側ソーラースリット:5.0°
薄膜PSA
DS:1mm、DS縦:10mm、SS:開放、RS:開放
試料板 Pt製
(格子定数の算出)
上記X線回折測定において、各温度(25℃、300℃、500℃、700℃、900℃)での測定結果を用い、Materials Data社製 粉末X線回折パターン総合解析ソフトウェアJade 9を用いた解析を行った。これにより精密な格子定数を算出した。解析に関する条件を以下に記載しておく。
手法 Pawley法
解析温度 25℃、300℃、500℃、700℃、900℃
角度範囲 2θ=24~140°(注1)
バックグラウンド 4th-Order Polynomial 精密化
ピークシフト ゼロ点補正2θ 0.005948 (注2)
試料変位cosθ 0(固定)
垂直発散cot(2θ) -0.012557 (注2)
ピーク形状 pseudo-Voigt関数
ピーク強度比 精密化
(注1:角度範囲2θ=24~140°のPawley法による解析において、α型サイアロン以外の回折線が表れている場合には、これらの回折線を適宜除外して解析を行った。)
(注2:標準試料(Si_640c)の測定結果を解析し、得られた値を用いた。)
(体積膨張率の算出)
(1)測定温度Tに対し、格子定数aおよびcをプロットしたグラフを作成した。そして25~900℃における近似直線式を求めた。近似直線式は最小二乗法により求めることができる。ちなみにα型サイアロンの結晶構造上、aとbは同じ値になる。
(2)近似直線式を用い、25℃における格子定数a25およびc25を算出した。
(3)近似直線式を用い、900℃における格子定数a900およびc900を算出した。
(4)格子定数a25およびc25の値を用い、25℃における格子体積V25を算出した(注3)。

(5)格子定数a900およびc900の値を用い、900℃における格子体積V900を算出した(注3)。
(6)以下の式を用い、体積膨張率βを算出した。ここで、ΔTは、900℃-25℃=875℃である。
(注3:α型サイアロンの結晶構造は六方晶である。)
Figure 0007416995000008
(平均線膨張率の算出)
α´=β/3の式を用い、平均線膨張率α´を算出した。ちなみに、このα´=β/3の式は、。試料が等方的な物質であると仮定し、多結晶体としての平均線膨張率を求めるための式である。
(25~300℃での平均線膨張率α´および700~900℃での平均線膨張率α´の算出)
前掲の一連の手順により、25~300℃での平均線膨張率α´および700~900℃での平均線膨張率α´を算出した。
(粒径分布の測定とメジアン径の算出)
Microtrac MT3300EX II(マイクロトラック・ベル株式会社)を用い、JIS R1629:1997に準拠したレーザー回折散乱法により測定した。
具体的には、まず、イオン交換水100ccに粉末状のα型サイアロン蛍光体0.5gを投入し、Ultrasonic Homogenizer US-150E(株式会社日本精機製作所、チップサイズφ20mm、Amplitude100%、発振周波数19.5KHz、振幅約31μm)を用いて、3分間分散処理を行い、分散液を得た。この分散液を、MT3300EX IIにセットして、粒径分布を測定した。得られた粒径分布からメジアン径D50を求めた。
<発光特性の評価>
得られた粉末状のα型サイアロン蛍光体に関して、吸収率、内部量子効率、外部量子効率を、分光光度計(大塚電子株式会社製MCPD-7000)により測定し、以下の手順で算出した。
粉末状のα型サイアロン蛍光体を、凹型セルの表面が平滑になるように充填した。このセルを、積分球の所定の位置に取り付けた。この積分球に、発光光源(Xeランプ)から455nmの波長に分光した単色光を、光ファイバーを用いて導入した。この単色光を蛍光体の試料に照射し、試料の蛍光スペクトル測定を行った。
試料部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製スペクトラロン)を取り付けて、波長455nmの励起光のスペクトルを測定した。その際、450nm以上465nm以下の波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。
試料部に粉末状のα型サイアロン蛍光体を充填したセルを取り付けて、得られたスペクトルデータから励起反射光フォトン数(Qref)及び蛍光フォトン数(Qem)を算出した。励起反射光フォトン数は、励起光フォトン数と同じ波長範囲で、蛍光フォトン数は、465nm以上800nm以下の範囲で算出した。
吸収率(%)=(Qex-Qref)/Qex×100
内部量子効率(%)=(Qem/(Qex-Qref))×100
外部量子効率(%)=(Qem/Qex)×100
上記の測定方法を用い、株式会社サイアロンより販売している標準試料NSG1301を測定した場合、外部量子効率は55.6%、内部量子効率74.8%となった。この試料を標準として装置を校正した。
<実施例2:α型サイアロン蛍光体の製造および評価>
仕込み組成を変更した以外は、実施例1と同様の手法でα型サイアロン蛍光体を製造した。そして、発光特性の評価などを行った。
製造したα型サイアロン蛍光体において、m値:3.0、n値:0.25、x値:1.45、y値:0.05、x+y値:1.50であった。
<実施例3:α型サイアロン蛍光体の製造および評価>
仕込み組成を変更した以外は、実施例1と同様の手法でα型サイアロン蛍光体を製造した。そして、発光特性の評価などを行った。
製造したα型サイアロン蛍光体において、m値:4.0、n値:0.21、x値:1.94、y値:0.06、x+y値:2.01であった。
<比較例1:α型サイアロン蛍光体の製造および評価>
仕込み組成を変更したこと、また、水素アニール工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の手法でα型サイアロン蛍光体を製造した。そして、発光特性の評価などを行った。
製造したα型サイアロン蛍光体において、m値:2.0、n値:0.32、x値:0.94、y値:0.06、x+y値:1.00であった。
<比較例2:α型サイアロン蛍光体の製造および評価>
仕込み組成を変更したこと、また、水素アニール工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の手法でα型サイアロン蛍光体を製造した。そして、発光特性の評価などを行った。
製造したα型サイアロン蛍光体において、m値:3.5、n値:1.47、x値:1.70、y値:0.05、x+y値:1.75であった。
各実施例および比較例に関する情報をまとめて下表に示す。
表中、各数値の単位は以下のとおりである。
α´、α´およびα´:ppm/℃
25およびc25:Å
25:Å
吸収率、内部量子効率および外部量子効率:%
Figure 0007416995000009
Figure 0007416995000010
表1および2に示されるように、一般式:(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n)において、0<x<2.0、0<y≦0.5、0.3≦x+y≦2.2、0<m≦4.0および0<n≦3.0を満たす組成を有し、かつ、25~900℃での平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であるα型サイアロン蛍光体は、そうではないα型サイアロン蛍光体に対して、良好な内部量子効率および外部量子効率を示した。
1 蛍光体
30 封止材
40 複合体
100 発光装置
120 発光素子
130 ヒートシンク
140 ケース
150 第1リードフレーム
160 第2リードフレーム
170 ボンディングワイヤ
172 ボンディングワイヤ

Claims (5)

  1. 以下一般式で表され、25~900℃での平均線膨張率α´が4.2ppm/℃以上4.6ppm/℃以下であるα型サイアロン蛍光体。
    一般式:(Ca,Eu)(Si12-(m+n)Alm+n)(O16-n
    前記一般式において、x、y、mおよびnは以下を満たす。
    1.3≦x<2.0
    0.01≦y≦0.1
    1.3≦x+y≦2.0
    2.8≦m4.0
    0.1≦n≦0.27
  2. 請求項1に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
    25~300℃での平均線膨張率をα´とし、700~900℃での平均線膨張率をα´としたとき、α´/α´が1.3~1.8であるα型サイアロン蛍光体。
  3. 請求項1または2に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
    25℃下で、単位格子の格子定数a25が7.900Å以上7.960Å以下であり、格子定数c25が5.720Å以上5.780Å以下であるα型サイアロン蛍光体。
  4. 請求項1または2に記載のα型サイアロン蛍光体であって、
    25℃下で、単位格子の格子体積V25が308Å以上320Å以下であるα型サイアロン蛍光体。
  5. 発光素子と、
    請求項1または2に記載のα型サイアロン蛍光体を含み、前記発光素子から発せられた光を長波長化する波長変換部と、
    を備える発光装置。
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