JP7415557B2 - ポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージ - Google Patents

ポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージ Download PDF

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Description

本発明は、ポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージに関する。さらに詳しくは、優れた紗織物の品位が得られ、整経、製織時の高次通過性に優れ、且つ製織速度の高速化にも対応可能なポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージに関する。
地球温暖化防止、化石資源の温存、廃棄物削減等の環境問題が大きく取り挙げられている中、バイオマス利用の生分解性ポリマーが注目され、その生分解性ポリマーとして、特にポリ乳酸ポリマーが注目されている。ポリ乳酸ポリマーは、植物から抽出したでんぷんを発酵することにより得られた乳酸を原料とするポリマーであり、バイオマス利用の生分解性ポリマーの中では透明性、力学特性、耐熱性、コストのバランスが最も優れている。一般的に、ポリ乳酸モノフィラメントの製造方法は、未延伸糸を一旦巻き取り、その後延伸する2工程法(特許文献1)やポリマーを溶融した後、直接延伸・巻き取りする1工程法(特許文献2、特許文献3)があるが、ポリ乳酸モノフィラメントの製造コストの点からは、1工程法が2工程法よりも優れている。特許文献2には、ポリ乳酸モノフィラメントパッケージ端面に糸落ちのないパッケージが提案されており、延伸張力を0.04cN/dtex~0.35cN/dtex、巻取張力を0.04cN/dtex~0.20cN/dtexに制御する製造方法が提案されている。また、特許文献3には、ポリ乳酸モノフィラメントパッケージ端面に糸落ちがなく、且つパッケージ最内層部の乾熱収縮応力を抑制し、最内層部分の解舒性向上を目的としたパッケージが提案されている。
特開2001-131826号公報 特開2013-32223号公報 国際公開第2016/194578号
しかしながら、近年、製織工程での生産効率性向上を目的に製織速度の高速化が進んでおり、高速解舒性が良好なポリ乳酸系モノフィラメントパッケージが強く要望されている。
特許文献3に記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージは、整経、製織時において、パッケージからモノフィラメントが解舒される際の解舒張力変動を抑制させ、且つ、パッケージ最内層部の乾熱収縮応力を抑制し、最内層部分の解舒性を向上させることが出来るものの、製織速度の高速化に伴い、パッケージから糸が解舒される際に、輪っか状になって解舒される現象、所謂、輪抜けが発生し、輪抜けが重度の場合は織機停台し高次通過性が悪化、輪抜けが軽度の場合は織機停台なく製織されるため紗織物品位が悪化する問題があった。特許文献2に記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージにおいても同様に、製織速度の高速化に伴い、輪抜けが発生しやすく、高次通過性、紗織物品位が悪化する問題がある。
本発明は、前記従来技術の課題を克服し、優れた紗織物の品位が得られ、製織時の高次通過性に優れ、且つ高速解舒が良好なポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、
95重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージにおいて、パッケージ巻厚25mmの部位で10°間隔に36ヶ所測定した端面硬度の個々値が35~70の範囲であり、CV値(変動係数、%)が15%以下であることを特徴とするポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケー
ある。
本発明により、優れた紗織物の品位が得られ、製織時の高次通過性に優れ、且つ高速解舒性良好なポリ乳酸系モノフィラメントドラム状パッケージを提供することができる。
本発明のポリ乳酸系モノフィラメントドラム状パッケージの正面概略図である。 本発明のポリ乳酸系モノフィラメントドラム状パッケージを製造する紡糸装置の一例の概略図である。 本発明で実施する硬度測定の方法を説明するための正面概略図である。 本発明で実施する硬度測定の方法を説明するための側面概略図である。
本発明で用いるポリ乳酸系ポリマーは、-(O-CHCH-CO)-を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やラクチド等の乳酸のオリゴマーを重合したものをいう。乳酸にはD-乳酸とL-乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D-乳酸)とL体のみからなるポリ(L-乳酸)および両者からなるポリ乳酸ポリマーがある。ポリ乳酸ポリマー中のD-乳酸、あるいはL-乳酸の光学純度は、低くなるとともに結晶性が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。ただし、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成形した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができるためより好ましい。
本発明において、ポリ乳酸系モノフィラメントは、化石資源の温存、バイオリサイクルの観点から、重合体を構成する乳酸モノマーの比率を50重量%以上とすることが必要である。重合体を構成する乳酸モノマーは75重量%以上が好ましく、より好ましくは95重量%以上である。また、この範囲内のポリ乳酸の性質を損なわない範囲であれば、乳酸以外の成分を共重合してもよい。
本発明のドラム状パッケージにおいて、パッケージ巻厚25mmの部位で10°間隔に36ヶ所測定した端面硬度(以下、パッケージ端面硬度と称す)の個々値が35~70の範囲であることが必要である。ここでいうパッケージ端面硬度とは、パッケージ巻厚25mmの部位にアスカーゴム硬度計C型の押針を押し当てた時の硬度(JIS K7312:1996準拠)である。次いで、測定位置をパッケージ周長方向に10°間隔にずらしながら36ヵ所測定し、該硬度を各々読み取る。該パッケージ端面硬度を35~70の範囲にすることにより、高速解舒においても輪抜け欠点を抑制出来、優れた紗織物の品位が得られ、高次通過性に優れたパッケージとなる。パッケージ硬度が35未満になると、高速解舒時に該部位の端面糸が解舒糸との摩擦により糸落ちし、輪っか状に解舒された輪抜け欠点が発生し紗織物の品位が悪くなる傾向にある。パッケージ端面硬度が70を超えると、パッケージ端面部の膨らみ(以下、バルジと称する)が大きくなるため、高速解舒性が悪くなる傾向にある。好ましくはパッケージ端面硬度が50~65である。
本発明のドラム状パッケージにおいて、パッケージ巻厚25mmの部位で10°間隔に36ヶ所測定したパッケージ端面硬度のCV値(%)が15%以下であることが好ましい。パッケージ端面硬度のCV値(%)を15%以下にすることで、巻き取られたパッケージ内に残存するポリ乳酸系モノフィラメントの残留応力の影響による糸層崩れを抑制することができる。また、スピンドルの減速時に生じる振動などによる糸層崩れも抑制することができるため、高速解舒時に輪抜けの発生がなく、高次通過性、紗織物品位が良好である。より好ましくはパッケージ端面硬度のCV値(%)が10%以下である。
パッケージ端面硬度およびパッケージ端面硬度のCV値(%)をかかる範囲に制御する方法としては、巻取張力、面圧、トラバース揺動幅、巻取スピンドルを減速する減速速度の巻取条件を一連一体として組み合わせることで可能となる。
第1に巻取張力を0.10cN/dtex以下にする必要がある。巻取張力を0.10cN/dtex以下にすることで残留応力を低減しバルジを抑制するができる。巻取張力が0.10cN/dtexを超えると残留応力の影響でバルジが大きくなり、バルジ部分のパッケージ端面硬度が低下してしまう。また、全体的にパッケージ端面硬度が高くなるためパッケージ端面硬度バラツキが生じやすくなる。巻取張力が0.04cN/dtexを下回るとゴデーロールに糸条が逆巻きし糸切れしてしまうため、好ましくは0.05~0.08cN/dtexである。
第2にローラーベイル(図2の12)がパッケージ(図2の3)に接触している線長に対する荷重(以下、面圧と称する)を125N/m以下にする必要がある。面圧を125N/m以下にすることで糸層崩れを抑制しながらパッケージを形成することができる。また、残留応力も低減できるためパッケージ端面硬度バラツキを抑制できる。面圧が125N/mを超えると糸層崩れが発生しやすくなり、糸層が崩れた部分のパッケージ端面硬度が低下してしまうため、パッケージ端面硬度バラツキが生じやすくなる。面圧が50N/mを下回るとパッケージ端面硬度が低くなりすぎるため糸層崩れが発生しやすくなり、糸層が崩れた部分のパッケージ端面硬度がさらに低下してしまうため、パッケージ端面硬度バラツキが生じやすくなる。好ましくは80~120N/mである。
第3にトラバース装置(図2の11)のトラバース揺動幅を3~5%の範囲にすることが好ましい。トラバース揺動幅を3~5%にすることで、パッケージを形成している糸条の重なりを抑制し、巻取装置(図2の15)の振動やポリ乳酸系モノフィラメントパッケージ(図2の3)が規定巻量に達した後にスピンドルが停止するまでの間の振動などによる糸層崩れを抑制することができる。トラバースの揺動周期については特に限定はしないが3秒~4秒周期が好ましい。なお、トラバース方式については1軸~3軸の羽根トラバース方式、マイクロカムトラバース方式、フリーレングスを短尺化できるスピンドル方式など特に限定はしないが、パッケージ形成の安定性からは糸把持性良好なマイクロカムトラバース方式が好ましい。トラバース揺動幅が3%未満の場合はパッケージを形成している糸条の重なりにより糸層が崩れやすくなり、糸層が崩れた部分のパッケージ端面硬度が低下してしまうため、パッケージ端面硬度バラツキが生じやすくなる。トラバース揺動幅が5%を超えるとパッケージ端面部への糸落ちが発生しやすくなるため、整経・製織時の解舒張力変動などにより織物品位が劣位になってしまう。
第4にポリ乳酸系モノフィラメントパッケージ(図2の3)が規定巻量に達した後にスピンドルを減速する減速速度を20~70m/secにすることが好ましい。スピンドルを減速する減速速度を20~70m/secにすることで、スピンドルの減速時に生じる振動などによる糸層崩れを抑制することができる。スピンドルを減速する減速速度が70m/secを超えるとスピンドルの減速時に生じる振動などにより糸層崩れが生じやすくなり、糸層が崩れた部分のパッケージ端面硬度が低下してしまうため、パッケージ端面硬度バラツキが生じやすくなる。スピンドルを減速する速度は遅い程、パッケージの糸層崩れを抑制することができるが、スピンドルが停止するまでの時間が長くなるため作業性が悪化してしまう。より好ましくは20~40m/sec、さらに好ましくは25~30m/secである。
このように上記第1~第4の巻取方法の要素を組み合わせることで、パッケージ端面硬度の抑制が可能となる。
パッケージフォームは、次工程における糸の解舒性に影響を与えるため、良好なパッケージフォームが要求される。図1のドラム状パッケージの概略図を引用して以下詳細に説明する。まず、パッケージフォームで糸落ち以外に問題となる欠点として、パッケージ巻厚方向の端部巻径Bとパッケージ巻厚方向の最小巻径Cの差(B-C)で表されるサドル(耳立ち)があり、このサドルは小さい方が高速での糸の解舒性に優れる。次工程で要求される解舒速度は、1000~1200m/minにも達するが、サドルが高いと、解舒糸条によりサドル部分が連続的に擦過されるため、耐摩耗性の低いポリ乳酸系繊維の表面が削れ、パッケージ端面周期(サドルからもう一方のサドルまでの糸長に相当)に一致した欠点が生じる。また、サドル部分は糸の解舒張力が変動しやすいため、次工程の不安定要因となる。したがって、次工程において端面周期欠点を抑制し、安定した高速解舒を行うためにはサドル(B-C)が6mm以下であることが好ましく、より好ましくは4mm以下、さらに好ましくは2mm以下である。また、下限は特に規定することがないが、0mmであることが理想である。
また、((パッケージ最大巻幅E-パッケージ巻幅D)/パッケージ巻幅D)×100で表されるバルジ(膨らみ)があり、小さいほうが高速での糸の解舒性に優れる。バルジが高いと、解舒時に糸がバルジ部分に接触し糸層崩れが発生しやすくなる。したがって、次工程において端面周期欠点を抑制し、安定した高速解舒を行うためにはバルジが10%以下であることが好ましく、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは5%以下である。また、下限は特に規定することがないが、0%であることが理想である。
本発明のドラム状パッケージを構成するポリ乳酸系モノフィラメントは、引張強度2.5cN/dtex以上であることが好ましい。2.5cN/dtex以上とすることで、製織時にパッケージからポリ乳酸系モノフィラメントが解舒される際の糸切れを抑制することができ、また、紗織物にした際に良好な織物強度が得られる。より好ましくは3.5cN/dtex以上である。強度は大きい程好ましいが、本発明における強度最大値は4.3cN/dtexである。また、強度は加熱した第1ゴデーロールと加熱した第2ゴデーロールの速度差により延伸し、所定強度を得る。
本発明のドラム状パッケージを構成するポリ乳酸系モノフィラメントの伸度は、35%~55%が好ましい。かかる範囲とすることで、製織時の高次通過性やティーバッグ用紗織物にした際の高次加工安定性が向上する。さらに好ましい伸度は35%~45%である。伸度は加熱した第1ゴデーロールと加熱した第2ゴデーロールの速度差により延伸し、所定伸度を得る。
本発明のドラム状パッケージを構成するポリ乳酸系モノフィラメントの繊度は、15dtex~40dtexであることが好ましい。かかる範囲とすることにより、ティーバッグ用紗織物とした場合、最適な単位面積当たりの開孔面積とすることができ、茶類に最適な抽出速度となり、味わいのある茶となる。
本発明のドラム状パッケージを構成するポリ乳酸系モノフィラメントの沸騰水収縮率は、20%以下であることが好ましい。20%以下とすることにより、ティーバッグ用紗織物に加工した場合、熱水を注いだ際の収縮が発生しても最適な単位面積当たりの開孔面積とすることができ、茶類に最適な抽出速度となり、味わいのある茶となる。より好ましくは17%以下である。
次に、本発明のポリ乳酸モノフィラメントパッケージの製造方法の一例について、図2の工程概略図にしたがって説明する。図2は、本発明のポリ乳酸モノフィラメントパッケージの製造方法の一例を示す工程概略図である。
溶融紡糸機における紡糸ブロック4は、図示していない加熱手段により加熱されている。紡糸口金5を前記紡糸ブロック4に装着し、ポリ乳酸系ポリマーを溶融し、ポリマーを紡糸口金5から吐出して糸条1を形成し、紡糸口金5の下流側に設けた図示していない冷却装置により糸条1を均一に冷却した後、給油装置6により糸条1に油剤を付与して、第1ゴデーロール7、8と第2ゴデーロール9、10間で延伸した後、マイクロカムトラバース方式のトラバース装置11で糸条をトラバースさせながら、巻取装置15により巻き取り、パッケージ3を形成する。パッケージ3が規定巻量に達した際には、巻取側スピンドル13と待機側スピンドル14がターレットし、待機側スピンドル14に自動で糸条を切り替える。待機側に位置したパッケージ3は、所定のスピンドル減速速度で減速し、停止する。
本発明においてポリ乳酸系モノフィラメントの巻取方法は、以下のとおり、巻取張力、面圧、トラバース揺動幅、巻取スピンドルを減速する減速速度の巻取条件を組み合わせることで、パッケージ端面硬度およびパッケージ端面硬度のCV値(%)を適正範囲とすることができる。
第1に巻取張力を0.04~0.10cN/dtexで巻取ることが好ましい。この巻取張力は、例えば、第1ゴデーロール7、8と第2ゴデーロール9、10の速度差、あるいは、第2ゴデーロール9、10と巻取装置15の速度差などで制御する。
第2にローラーベイル12がパッケージ3に与える面圧を50~125N/mにすることが好ましい。この面圧は、巻取装置15に装備されている面圧設定用の圧空圧を調整し、所定の圧力に設定する。例えば面圧を100N/mに設定にする場合、巻幅Fが70mm、巻取側スピンドル13に巻取られる紙管への巻取数が12ドラムでは、面圧設定用の圧空圧を調整し、ローラーベイル12がスピンドル13にかかる圧力を84Nに設定する。
第3にトラバース装置11のトラバース揺動幅を3~5%の範囲にすることが好ましい。このトラバース揺動幅はトラバース設定値に対する揺動幅を設定する。例えば、トラバース揺動幅が3%、トラバース設定値が2000cpm、トラバース揺動周期が4秒の場合は、4秒周期でトラバース速度が1940~2060cpmに揺動する。
第4にポリ乳酸系モノフィラメントパッケージ3が規定巻量に達した後にスピンドルを減速する減速速度を20~70m/secにすることが好ましい。このスピンドル減速速度は、ポリ乳酸系モノフィラメントパッケージ3が規定巻量に達した際に、巻取側スピンドル13と待機側スピンドル14がターレットし、待機側に位置したスピンドルの減速速度であり、設定した減速速度でスピンドルが減速し停止する。
本発明のポリ乳酸系モノフィラメントパッケージの製造方法における油剤付与は公知の紡糸油剤、給油装置を用いて行われる。紡糸油剤としては、鉱物油で希釈したストレート系油剤や水で希釈したエマルション系油剤等、通常用いられる紡糸油剤のいずれの形態でも用いることができる。紡糸油剤成分中の平滑剤成分や乳化剤成分としてはエステル系・鉱物油系・エーテルエステル系などの平滑剤や分子中にポリオキシアルキレン基を有するエーテル型非イオン系界面活性剤や多価アルコール部分エステル型非イオン界面活性剤やポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。給油装置は、オイリングローラー方式、給油ガイド方式等が挙げられる。繊維への好ましい油剤付着量としては、0.3~1.0重量%であり、より好ましくは0.5~0.8重量%である。
本発明のポリ乳酸系モノフィラメントパッケージの製造方法において、加熱延伸は通常ゴデーロールを用いて行われ、加熱延伸温度は80~120℃の範囲である。加熱延伸は、加熱ゴデーロールを用いて延伸することが好ましく、ゴデーロール温度は接触式温度計で実測した値である。
ゴデーロールは、例えば、第1ゴデーロールと第2ゴデーロールがあり、ゴデーロールは糸の追従性を上昇させるため、2個のゴデーロールを一対としたネルソンゴデーロールを用いることが好ましい。引取は第1ゴデーロールで行われ、延伸は速度の異なるゴデーロール間で行われる。例えば、1段延伸の場合、第1、第2ゴデーロール間で行われる。2段延伸の場合、第1、第2ゴデーロール間と第2、第3ゴデーロール間などで行われる。延伸倍率、延伸段数は幾らでもかまわないが、延伸倍率3.5~4.5倍、1段延伸であることが好ましい。引取ゴデーロール(第1ゴデーロール)の温度は80℃~120℃の範囲である。第1ゴデーロール温度を80℃以上とすることにより、結晶構造斑なく均一延伸が可能になり、失透現象や引張強度低下なく安定した品質を得ることができる。第1ゴデーロール温度を120℃以下とすることで、紡糸張力の低下による糸切れ抑制が図れ、安定した操業性を得ることができる。より好ましくは90℃~110℃以下である。
延伸ゴデーロール(第2ゴデーロール)の温度は100℃~130℃の範囲である。第2ゴデーロールの温度を100℃以上とすることで、配向結晶性を高くしてポリ乳酸モノフィラメントの沸騰水収縮率を低くすることが出来る。第2ゴデーロールの温度を130℃以下にすることで、巻取張力の低下による糸切れ抑制が図れ、安定した操業性を得ることができる。より好ましくは110℃~120℃である。
本発明のドラム状パッケージを構成するポリ乳酸系モノフィラメントの糸断面形状としては、丸断面、Y型断面、T型断面、扁平断面、もしくはそれらをさらに変形させたような形状でもかまわない。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)繊度(dtex)
JIS L1013(2010) 8.3.1 正量繊度(A法)に準拠して測定した。なお、公定水分率0%とした。
(2)パッケージ巻厚(mm)
パッケージ巻厚方向の厚みAである。
(3)パッケージ端面硬度
アスカーゴム硬度計C型の押針をパッケージ端面に押し当て、その指針が指示する値である(JIS K7312:1996準拠)。測定位置はパッケージ巻厚25mmの部位で、測定位置をパッケージ周長方向に10°間隔にずらしながら36ヵ所測定した。
(4)パッケージ端面硬度CV値(変動係数、%)
パッケージ巻厚25mmの部位(図3、4参照)で、測定位置をパッケージ周長方向に10°間隔にずらしながら36ヵ所測定した値のCV値(変動係数)を算出した。
(5)バルジ(%)
下記式により算出した。
パッケージ巻幅D/(パッケージ最大巻幅E-パッケージ巻幅D)×100 。
(6)サドル(mm)
下記式より算出した。
(パッケージ最大径B-パッケージ最小径C)/2 。
(7)糸落ち(DM/100DM)
各々のパッケージ100個のパッケージ両端面部の糸落ちドラム個数をカウントした。
(8)引張強度(cN/dtex)、引張伸度(%)
JIS L1013(2010)8.5 引張強さ及び伸び率に準拠して測定した。なお、つかみ間隔500mm、引張速度500mm/minとした。繰り返し3回測定の平均値を用いた。
(9)沸騰水収縮率(%)
JIS L1013(2010)8.18.1に準じて測定した。試料を枠周1.125mの検尺機にて、巻き回数20回巻きのカセを作製し、24時間放置後のカセ長を測定後、沸騰水(99±1.0℃)に30分間浸漬、自然乾燥後のカセ長を測定し、沸騰水浸漬前後のカセ長から沸騰水収縮率(%)を算出した。
(10)巻取張力(cN/dtex)
東レエンジニアリング社製のTENSION METERとFT-Rピックアップセンサーを用い、図2に示す第2ゴデーロール9、10から巻取装置15までの間で測定した値を繊度で割り返した値(cN/dtex)とした。
(11)輪抜けパッケージ数(DM/100DM)
巻き厚40mm、糸重量1kgのポリ乳酸系モノフィラメントドラム状パッケージを100個準備し、エアジェットルームの織機にて1000m/min、1200m/minの速度(パッケージの解舒速度)で各々ヨコ打ち込み評価を行い、輪抜け発生パッケージ数をカウントした。
(12)織物品位
巻き厚40mm、糸重量1kgのポリ乳酸系モノフィラメントドラム状パッケージを100個準備し、エアジェットルームの織機にて1200m/minの速度でヨコ打ち込み評価を実施し、照明の明るさ250ルクス以上1250ルクス以下の地点にて外観を検査し、生機におけるバンド状の光沢差や輪抜け欠点について観察を行った。バンド状の光沢差や輪抜け欠点がない状態をA、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる状態をB、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に見られる状態をC、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる状態をDと4段階で判定し、A、Bレベルを合格とした。
(13)重量平均分子量
Waters社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレンを標準として測定した。
(14)ポリ乳酸ポリマー(P)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2-エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)の存在下、チッソ雰囲気下180℃で180分間重合を行い、ポリ乳酸ポリマーPを得た。
[実施例1]
図2に示す紡糸装置を用い、重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーPを230℃で溶融し、溶融紡糸用パックに供して紡糸口金5吐出孔から吐出させた糸条を冷却し、オイリングローラー方式の給油装置6にて鉱物油で希釈したストレート紡糸油剤を付与(付着量は0.8重量%)した後、100℃に加熱した第1ゴデーロール7,8と115℃に加熱した第2ゴデーロール9,10で引き回し、4.0倍に延伸、熱処理した後、マイクロカムトラバース方式のトラバース装置11にて綾角5.6°、トラバース揺動幅3%、トラバース揺動周期4秒でトラバースさせながら、面圧85N/m、RB駆動OF率0.1%、設定巻取速度(V)3000m/min、スピンドル減速速度25m/secの製造条件にて巻幅70mm、巻厚40mm、巻量1.0kg、25dtexのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
パッケージの端面硬度は36~65、パッケージ端面硬度CV値は10%であり、糸崩れや糸落ちはなくパッケージフォームは良好であった。得られたパッケージを用い、ヨコ打ち込み評価を実施(タテ糸は25dtexのポリ乳酸モノフィラメント)した結果、解舒速度1000m/minでは輪抜けがなく、解舒速度1200m/minでも2ドラムしか輪抜けが発生しないレベルと高速解舒性良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる程度のBレベルと合格レベルと品位良好であった。
[実施例2]
トラバース揺動幅を4%に変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は50~65、パッケージ端面硬度CV値は7%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、いずれの解舒速度でも輪抜けはなく高速解舒性良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がなくAレベルと品位良好であった。すなわち、製織速度の高速化に対応したパッケージであり、パッケージの高速解舒性に優れ、製織時の高次通過性および優れた紗織物の品位が得られた。
[実施例3]
トラバース揺動幅を5%に変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は45~63、パッケージ端面硬度CV値は7%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは輪抜けがなく、解舒速度1200m/minでも1ドラムしか輪抜けが発生しないレベルであり、高速解舒性は良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる程度のBレベルと品位良好であった。
[実施例4]
トラバース揺動幅を4%、スピンドル減速速度を50m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は40~67、パッケージ端面硬度CV値は10%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは輪抜けがなく、解舒速度1200m/minでも2ドラムしか輪抜けが発生しないレベルであり、高速解舒性は良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる程度のBレベルと品位良好であった。
[実施例5]
トラバース揺動幅を4%、スピンドル減速速度を70m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は38~65、パッケージ端面硬度CV値は10%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは輪抜けがなく、解舒速度1200m/minでも3ドラムしか輪抜けが発生しないレベルと高速解舒性良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる程度のBレベルと品位良好であった。
[実施例6]
トラバース揺動幅を4%、紡糸口金5吐出孔から吐出するポリマー量を変更した以外は実施例1と同じ条件で30dtexのポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は50~60、パッケージ端面硬度CV値は7%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、いずれの解舒速度でも輪抜けはなく高速解舒性良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がなくAレベルと品位良好であった。すなわち、製織速度の高速化に伴い、パッケージの高速解舒性に優れ、製織時の高次通過性および優れた紗織物の品位が得られた。
[実施例7]
第2ゴデーロール9、10と巻取装置15の速度差を変更して巻取張力を0.10cN/dtexに調整、紡糸口金5吐出孔から吐出するポリマー量を変更した以外は実施例1と同じ条件で30dtexのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は45~70、パッケージ端面硬度CV値は10%であり、パッケージ端面の糸崩れや糸落ちはなく良好であった。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは輪抜けがなく、解舒速度1200m/minでも2ドラムしか輪抜けが発生しないレベルと高速解舒性良好であった。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点がやや見られる程度のBレベルと品位良好であった。
Figure 0007415557000001
[比較例1]
トラバース揺動幅を2%、スピンドル減速速度を50m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は32~66、パッケージ端面硬度CV値は16%であり、パッケージ端面の糸落ちはなかったもののパッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは7ドラム、解舒速度1200m/minにおいては15ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に見られる程度のCレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例2]
トラバース揺動幅を2%、スピンドル減速速度を90m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は30~64、パッケージ端面硬度CV値は16%であり、パッケージ端面の糸落ちはなかったもののパッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは10ドラム、解舒速度1200m/minにおいては20ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる程度のDレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例3]
トラバース揺動幅を2%、第2ゴデーロール9、10と巻取装置15の速度差を変更して巻取張力を0.12cN/dtexに調整、スピンドル減速速度を50m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は25~70、パッケージ端面硬度CV値は18%であり、パッケージ端面の糸落ちはなかったもののパッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは10ドラム、解舒速度1200m/minにおいては21ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる程度のDレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例4]
トラバース揺動幅を8%、紡糸口金5吐出孔から吐出するポリマー量を変更した以外は実施例1と同じ条件で30dtexのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は20~65、パッケージ端面硬度CV値は21%であり、パッケージ端面の糸落ちも55ドラム発生し、パッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れも発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは25ドラム、解舒速度1200m/minにおいては45ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる程度のDレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例5]
トラバース揺動幅を4%、スピンドル減速速度を100m/secに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は32~65、パッケージ端面硬度CV値は17%であり、パッケージ端面の糸落ちはなかったもののパッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは4ドラム、解舒速度1200m/minにおいては9ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に見られる程度のCレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例6]
トラバース揺動幅を4%、面圧を150N/mに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は22~66、パッケージ端面硬度CV値は20%であり、パッケージ端面の糸落ちも2ドラム発生し、パッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは14ドラム、解舒速度1200m/minにおいては21ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる程度のDレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
[比較例7]
トラバース揺動幅を4%、第2ゴデーロール9、10と巻取装置15の速度差を変更して巻取張力を0.15cN/dtexに変更した以外は実施例1と同じ条件でポリ乳酸系モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。パッケージ端面硬度は21~68、パッケージ端面硬度CV値は20%であり、パッケージ端面の糸落ちも3ドラム発生し、パッケージ端面硬度が低い部位で糸崩れが発生していた。得られたパッケージを実施例1と同様にヨコ打ち込み評価を実施した結果、解舒速度1000m/minでは13ドラム、解舒速度1200m/minにおいては21ドラムと輪抜けが多く発生し、高速解舒性に劣っていた。また、解舒速度1200m/minでヨコ打ち込みした織物品位については、バンド状の光沢差や輪抜け欠点が断続的に多く見られる程度のDレベルと品位不良であった。すなわち、製織速度の高速化には対応出来ないパッケージであることがわかる。
Figure 0007415557000002
1:糸条
2:紙管
3:ポリ乳酸系モノフィラメントパッケージ
4:紡糸ブロック
5:紡糸口金
6:給油装置
7:第1ゴデーロール(U)
8:第1ゴデーロール(L)
9:第2ゴデーロール(U)
10:第2ゴデーロール(L)
11:トラバース装置
12:ローラーベイル
13:巻取側スピンドル
14:待機側スピンドル
15:巻取装置

Claims (1)

  1. 95重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージにおいて、パッケージ巻厚25mmの部位で10°間隔に36ヶ所測定した端面硬度の個々値が35~70の範囲であり、CV値(変動係数、%)が15%以下であることを特徴とするポリ乳酸系モノフィラメントからなるドラム状パッケージ。
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