JP7406922B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車外装部材などに用いられる成形体であって、外観不良が抑制され、かつ線膨張係数が低く、高い寸法安定性を有する成形体を製造し得るポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
ポリプロピレン樹脂組成物を射出成形することにより得られる成形体は、その優れた機械物性や成形性、さらには他材料に比べて相対的に有利なコストパーフォーマンスの点から、自動車部品や家電部品など様々な分野での利用が進んでいる。
自動車部品分野では、ポリプロピレンを単体で用いるほか、ポリプロピレンにエチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-ブテン共重合体(EBR)、エチレン-オクテン共重合体(EOR)、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)、ポリスチレン-エチレン/ブテン-ポリスチレントリブロック共重合体(SEBS)等のゴム成分を添加して衝撃性を改善した材料、タルク、マイカ、ガラス繊維等の無機充填剤を添加し剛性を改善した材料、またゴム成分と無機充填剤を共に添加しバランス良い機械物性が付与されたブレンドポリマー類が使用されている。
近年、主に金属材料の代替品として使用することを目的として、高い機械物性(主に剛性)を維持しつつ、寸法安定性に優れた(低線膨張率を有する)材料の開発ニーズが高まりつつあり、それを達成するための材料開発研究が行われるようになってきた。しかし、ポリプロピレン成形品は一般に温度に対する寸法変化(線膨張係数)が大きいので、寒暖の差が大きな環境下で例えば自動車外板用途に適用する場合は、部品の合わせ目に隙間ができる、あるいは部品組み立て時の建てつけ性が悪化するなどの問題点、いわゆる隙間品質不良問題を抱えていた。そのため、当該分野ではポリプロピレン成形品の高い意匠性や優れたコスト効果を未だ充分に享受できていない。
ポリプロピレン成形品の寸法安定性を改良する為の方策として、従来からポリプロピレンにタルクに代表される無機充填剤、エラストマー成分等の成分をブレンドした様々なプロピレン樹脂組成物が提案されている。例えば、メルトフローレートが500g/10分以上の結晶性ポリプロピレンを含んでなるプロピレンブロック共重合体と、低分子量ポリオレフィンの併用を特徴とした低線膨張材料の製造方法(特許文献1)、プロピレンブロック共重合体に特定のエチレン・ブテン-1共重合体がブレンドされた樹脂組成物(特許文献2)、プロピレンブロック共重合体の非晶部と結晶部の配合比と粘度を規定することを特徴とする樹脂組成物(特許文献3)、平均粒径が3μm以下であるタルクを用い、射出成形後の塗装外観に優れることを特徴とする樹脂組成物(特許文献4)、チーグラー触媒で製造したプロピレン系樹脂と特定形状のタルクを含んでなる樹脂組成物(特許文献5)、メルトフローレートの異なる二種類のプロピレンブロック共重合体と特定形状のタルクを用いることを特徴とした樹脂組成物(特許文献6)がある。
さらに、特定のプロピレン系重合体、特定のエチレン・α-オレフィン共重合体及び平均粒子径が3.0μmを超え5.0μm未満である無機充填剤を含む樹脂組成物(特許文献7)も知られている。この樹脂組成物は線膨張係数が低く高い寸法安定性を有し、低温下における面衝撃性にも優れている。
特開2010-77396号公報 特開平5-051498号公報 特開2000-95919号公報 特開2007-91789号公報 特開2013-159709号公報 特開2014-58614号公報 特開2017-88742号公報
以上のような樹脂組成物を射出成形する際には、金型内での樹脂組成物の不安定な流動に起因して、成形品の表面に外観不良(フローマーク等)が生じる場合がある。このような外観不良は、自動車部材や家電部材などの製品においては致命的な欠陥となる。そして、特にタルク等の無機充填剤を含む樹脂組成物は、射出成形の際に外観不良が生じ易い。本発明者らは、寸法安定性のさらなる向上の要求を満たすと共に、そのような外観不良が生じにくい樹脂組成物を提供することの必要性に着目した。
すなわち本発明の目的は、外観不良が抑制され、かつ線膨張係数が低く、高い寸法安定性を有する成形体を製造し得るポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、比較的大きな特定の平均粒子径と比較的大きな特定のアスペクト比を有する無機充填剤を含む特定の組成からなるプロピレン系樹脂組成物が非常に有効であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の事項により特定される。
[1]メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が50~150g/10分、デカン可溶部量が6質量%以上であるプロピレン系重合体(A)5~47質量部、
メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10~500g/10分であるプロピレン単独重合体(B)0~30質量部、
エチレンと炭素原子数が4~8のα-オレフィンとのランダム共重合体であり、密度が0.850~0.890g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.5~30g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(C)23~30質量部、および、
平均粒子径が8μmを超え、アスペクト比が9.0を超える無機充填剤(D)30~40質量部
[但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]
を含有し、
組成物全体のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が25~60g/10分であるポリプロピレン系樹脂組成物。
[2]無機充填剤(D)の平均粒子径が10μmを超える[1]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[3]プロピレン系重合体(A)がプロピレンとエチレンから得られるブロック共重合体である[1]又は[2]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[4]自動車外装部材に用いられる[1]~[3]のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
[5][4]に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形もしくはプレス成型して得られる自動車外装部材。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物によれば、外観不良が抑制され、かつ線膨張係数が低く、高い寸法安定性を有する成形体を製造できる。このような成形体は、例えば自動車外装用部品等の各種用途に好適である。
実施例3及び比較例3の射出成形体の外観写真である。
<プロピレン系重合体(A)>
本発明に用いるプロピレン系重合体(A)は、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が50~150g/10分、デカン可溶部量が6質量%以上であるプロピレン系重合体である。
プロピレン系重合体(A)は、実質的には、6質量%以上のデカン可溶部(a1)と94質量%以下のデカン不溶部(a2)を含む。デカン不溶部(a2)とは、一般にn-デカン溶剤に室温(23℃)で不溶な成分であり、通常はプロピレン系重合体(A)中に占めるプロピレン単独重合体部(プロピレン単独重合体成分)と等価である。デカン可溶部(a1)は、プロピレン単独重合体部以外の部分と等価であり、好ましくはプロピレンとエチレンとの共重合体部(エチレン・プロピレン共重合体成分)である。
プロピレン系重合体(A)は、通常は6質量%以上のデカン可溶部(a1)と94質量%以下のデカン不溶部(a2)を含み、好ましくは6~20質量%のデカン可溶部(a1)と80~94質量%のデカン不溶部(a2)を含み、より好ましくは6~15質量%のデカン可溶部(a1)と85~94質量%のデカン不溶部(a2)を含み、特に好ましくは7~12質量%のデカン可溶部(a1)と88~93質量%のデカン不溶部(a2)を含む[ここで(a1)の含有量と(a2)の含有量の合計は100質量%である]。
プロピレン系重合体(A)は、プロピレンとエチレンから得られるプロピレン系ブロック共重合体であることが好ましい。このプロピレン系ブロック共重合体のデカン可溶部(A)の極限粘度[η]は、好ましくは2~9dl/g、より好ましくは3~8dl/gである。
プロピレン系重合体(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は50~150g/10分であり、好ましくは50~130g/10分、より好ましくは60~120g/10分、特に好ましくは70~110g/10分である。
プロピレン系重合体(A)は、公知の方法により製造できる。例えば、以下に説明する固体状チタン触媒成分(I)と有機金属化合物触媒成分(II)とを含むオレフィン重合用触媒を用いてプロピレンを重合し、さらにプロピレンとエチレンを共重合させることにより、プロピレン系ブロック共重合体が得られる。
[固体状チタン触媒成分(I)]
オレフィン重合用触媒を構成する固体状チタン触媒成分(I)は、例えば、チタン、マグネシウム、ハロゲン及び必要に応じて電子供与体を含む。この固体状チタン触媒成分(I)には公知の成分を制限無く用いることができる。
固体状チタン触媒成分(I)の調製には、マグネシウム化合物及びチタン化合物が用いられる例が多い。
マグネシウム化合物の具体例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウム等のアルコキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム等のアリーロキシマグネシウム;ステアリン酸マグネシウム等のマグネシウムのカルボン酸塩が挙げられる。マグネシウム化合物は一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。またマグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
中でも、ハロゲンを含有するマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムがより好ましい。他に、エトキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウムも好ましい。またマグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたもの、例えばグリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物とハロゲン化チタン、ハロゲン化珪素、ハロゲン化アルコール等の化合物とを接触させて得られる化合物であってもよい。
チタン化合物としては、例えば下記式で示される4価のチタン化合物が挙げられる。
Ti(OR)4-g
(式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
チタン化合物の具体例としては、TiCl、TiBr等のテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O-n-C)Cl、Ti(OC)Br、Ti(O-i-C)Br等のトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl等のジハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(O-n-CCl、Ti(OCBr等のモノハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC、Ti(O-2-エチルヘキシル)等のテトラアルコキシチタン;等が挙げられる。チタン化合物は一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも、テトラハロゲン化チタンが好ましく、四塩化チタンがより好ましい。
マグネシウム化合物及びチタン化合物としては、例えば、特開昭57-63310号公報、特開平5-170843号公報に詳細に記載されている化合物も使用できる。
本発明で用いられる固体状チタン触媒成分(I)の好ましい調製方法の具体例としては、以下の(P-1)~(P-4)の方法が挙げられる。
(P-1)マグネシウム化合物及びアルコール等の電子供与体成分(1)からなる固体状付加物と、後述する電子供与体成分(2)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法。
(P-2)マグネシウム化合物及び電子供与体成分(1)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(2)と、液状状態のチタン化合物とを、複数回に分けて接触させる方法。
(P-3)マグネシウム化合物及び電子供与体成分(1)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(2)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させ、且つ複数回に分けて接触させる方法。
(P-4)マグネシウム化合物及び電子供与体成分(1)からなる液状状態のマグネシウム化合物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体成分(2)とを接触させる方法。
固体状チタン触媒成分(I)を調製する際の反応温度は、好ましくは-30~150℃、より好ましくは-25~130℃、特に好ましくは-25~120℃である。
固体状チタン触媒成分(I)を調製は、必要に応じて公知の媒体の存在下に行うこともできる。媒体の具体例としては、やや極性を有するトルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の公知の脂肪族炭化水素または脂環族炭化水素化合物が挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素が好ましい。
固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物の形成に用いられる電子供与体成分(1)としては、室温~300℃程度の温度範囲でマグネシウム化合物を可溶化できる公知の化合物が好ましく、例えばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸及びこれらの混合物が好ましい。これらの化合物としては、例えば特開昭57-63310号公報、特開平5-170843号公報に記載されている化合物が挙げられる。
マグネシウム化合物を可溶化できるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール等の脂肪族アルコール;シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等の脂環族アルコール;ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール等の芳香族アルコール;n-ブチルセルソルブ等のアルコキシ基を有する脂肪族アルコールが挙げられる。
カルボン酸の具体例としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸等の炭素原子数7以上の有機カルボン酸類が挙げられる。アルデヒドの具体例としては、カプリックアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒド等の炭素原子数7以上のアルデヒド類が挙げられる。アミンの具体例としては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、2-エチルヘキシルアミン等の炭素原子数6以上のアミン類が挙げられる。
電子供与体成分(1)としては、上記のアルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、デカノールが好ましい。
得られる固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物のマグネシウムと電子供与体成分(1)との組成比は、用いる化合物の種類によって異なるので一概には規定できないが、マグネシウム化合物中のマグネシウム1モルに対して、電子供与体成分(1)は、好ましくは2モル以上、より好ましくは2.3モル以上、特に好ましくは2.7モル以上、5モル以下である。
固体状チタン触媒成分(I)に必要に応じて用いられる電子供与体の特に好ましい例としては、芳香族カルボン酸エステル及び/又は複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「電子供与体成分(2)」という。)が挙げられる。
この電子供与体成分(2)としては、従来オレフィン重合用触媒に好ましく用いられている公知の芳香族カルボン酸エステルやポリエーテル化合物、例えば特開平5-170843号公報や特開2001-354714号公報に記載された化合物を制限無く用いることができる。
芳香族カルボン酸エステルとしては、具体的には安息香酸エステルやトルイル酸エステル等の芳香族カルボン酸モノエステルの他、フタル酸エステル類等の芳香族多価カルボン酸エステルが挙げられる。中でも、芳香族多価カルボン酸エステルが好ましく、フタル酸エステル類がより好ましい。このフタル酸エステル類としては、フタル酸エチル、フタル酸n-ブチル、フタル酸イソブチル、フタル酸ヘキシル、フタル酸へプチル等のフタル酸アルキルエステルが好ましく、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。
ポリエーテル化合物としては、具体的には下記化学構造式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 0007406922000001
上記式(1)中、mは1≦m≦10の整数、より好ましくは3≦m≦10の整数であり、R11~R36は、それぞれ独立に、水素原子、あるいは炭素、水素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、硫黄、リン、ホウ素及びケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基である。mが2以上である場合、複数個存在するR11及びR12は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。任意のR11~R36、好ましくはR11及びR12は共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよい。
この様な化合物の具体例としては、2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン等の1置換ジアルコキシプロパン類;2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン等の2置換ジアルコキシプロパン類;2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン、2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン等のジアルコキシアルカン類;2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン等のトリアルコキシアルカン類;等が挙げられる。ポリエーテル化合物は一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)(すなわち、ハロゲン原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2~100、好ましくは4~90であり、電子供与体成分(1)/チタン原子(モル比)は0~100、好ましくは0~10であり、電子供与体成分(2)/チタン原子(モル比)は0~100、好ましくは0~10である。マグネシウム/チタン(原子比)(すなわち、マグネシウム原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2~100、好ましくは4~50である。
固体状チタン触媒成分(I)のより詳細な調製条件として、電子供与体成分(2)を使用する以外は、例えば、EP585869A1や特開平5-170843号公報に記載の条件を好適に用いることができる。
[有機金属化合物触媒成分(II)]
有機金属化合物触媒成分(II)は、周期表の第1族、第2族及び第13族から選ばれる金属元素を含む成分である。例えば、第13族金属を含む化合物(有機アルミニウム化合物等)、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物を用いることができる。中でも、有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分(II)としては具体的には、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された有機金属化合物触媒成分を好適に用いることができる。
本発明の目的を損なわない限り、以上説明した電子供与体成分(1)や電子供与体成分(2)の他、公知の電子供与体成分(3)を組み合わせて用いてもよい。
電子供与体成分(3)としては、有機ケイ素化合物が好ましい。この有機ケイ素化合物は、例えば下記式で表される化合物である。
Si(OR’)4-n
(式中、R及びR’は炭化水素基であり、nは0<n<4の整数である。)
上記式で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランが挙げられる。中でも、ビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが好ましい。
また、国際公開第2004/016662号パンフレットに記載されている下記式で表されるシラン化合物も有機ケイ素化合物の好ましい例である。
Si(OR(NR
上記式中、Rは、炭素原子数1~6の炭化水素基である。例えば炭素原子数1~6の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基であり、特に炭素原子数2~6の炭化水素基が好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。中でも、エチル基が特に好ましい。
は、炭素原子数1~12の炭化水素基又は水素である。例えば炭素原子数1~12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基又は水素である。具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基が挙げられる。中でも、エチル基が特に好ましい。
は、炭素原子数1~12の炭化水素基である。例えば炭素原子数1~12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基である。具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基が挙げられる。中でも、エチル基が特に好ましい。
上記式で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、ジメチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシラン、ジエチルアミノトリn-プロポキシシラン、ジn-プロピルアミノトリエトキシシラン、メチルn-プロピルアミノトリエトキシシラン、t-ブチルアミノトリエトキシシラン、エチルn-プロピルアミノトリエトキシシラン、エチルiso-プロピルアミノトリエトキシシラン、メチルエチルアミノトリエトキシシランが挙げられる。
さらに、有機ケイ素化合物の他の例として、下記式で表される化合物も挙げられる。
RNSi(OR
上記式中、RNは、環状アミノ基である。具体例としては、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基が挙げられる。Rは前記と同じである。
上記式で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、(パーヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、(パーヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、(1,2,3,4-テトラヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、オクタメチレンイミノトリエトキシシランが挙げられる。
以上説明した各有機ケイ素化合物は、2種以上を組み合わせて用いても良い。
[重合]
プロピレン系重合体(A)の好ましい態様であるプロピレン・エチレンブロック共重合体は、例えば、上述したオレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンを重合し、次いでプロピレンとエチレンを共重合させるか、又は予備重合させて得られる予備重合触媒の存在下にプロピレンを重合し、次いでプロピレンとエチレンの共重合を行う方法で製造できる。
予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り通常0.1~1000g、好ましくは0.3~500g、特に好ましくは1~200gの量でオレフィンを予備重合させることにより行われる。予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも高い濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常0.001~200ミリモル、好ましくは0.01~50ミリモル、より好ましくは0.1~20ミリモルである。
予備重合における有機金属化合物触媒成分(II)の量は、固体状チタン触媒成分(I)1g当り通常0.1~1000g、好ましくは0.3~500gの重合体が生成されるような量であればよく、固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、通常0.1~300モル、好ましくは0.5~100モル、より好ましくは1~50モルである。
予備重合では、必要に応じて前記電子供与体成分を用いることもでき、この際これらの成分は、固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、通常0.1~50モル、好ましくは0.5~30モル、より好ましくは1~10モルである。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィン及び上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことができる。不活性炭化水素媒体を用いる場合は、予備重合はバッチ式で行うことが好ましい。
不活性炭化水素媒体の具体例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、シクロオクタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物が挙られる。中でも、脂肪族炭化水素が好ましい。
オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできる。また、実質的に溶媒の無い状態で予備重合することもできる。この場合は、予備重合を連続的に行うことが好ましい。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても異なっていてもよい。オレフィンとしては、特にプロピレンが好ましい。
予備重合の際の温度は、通常-20~100℃であり、好ましくは-20~80℃、より好ましくは0~40℃である。
次に、予備重合を経由した後に、あるいは予備重合を経由することなく実施される本重合について説明する。
本重合は、プロピレン単独重合体成分を製造する工程及びプロピレン-エチレン共重合体成分を製造する工程に分けられる。
本重合(及び予備重合)は、バルク重合法、溶解重合、懸濁重合等の液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。プロピレン単独重合体成分を製造する工程としては、バルク重合や懸濁重合等の液相重合あるいは気相重合法が好ましい。プロピレン-エチレン共重合体成分を製造する工程としては、バルク重合や懸濁重合等の液相重合あるいは気相重合法好ましいく、気相重合法がより好ましい。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、上述の予備重合時に用いられる不活性炭化水素を用いることもできるし、反応温度・圧力において液体であるオレフィンを用いることもできる。
本重合において、固体状チタン触媒成分(I)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は0.0001~0.5ミリモル、好ましくは0.005~0.1ミリモルの量で用いられる。また、有機金属化合物触媒成分(II)は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、通常1~2000モル、好ましくは5~500モルの量で用いられる。電子供与体成分が使用される場合は、有機金属化合物触媒成分(II)1モルに対して、通常0.001~50モル、好ましくは0.01~30モル、より好ましくは0.05~20モルの量で用いられる。
本重合を水素の存在下に行えば、得られる重合体の分子量を調節する(下げる)ことができ、メルトフローレート(MFR)の大きい重合体が得られる。分子量を調整するために必要な水素量は、使用する製造プロセスの種類、重合温度、圧力によって異なるため、適宜調整すればよい。
プロピレン単独重合体成分を製造する工程では、重合温度、水素量を調整してMFRを調整できる。また、プロピレン-エチレン共重合体成分を製造する工程においても、重合温度、圧力、水素量を調整して、極限粘度を調整することができる。
本重合において、オレフィンの重合温度は、通常0~200℃、好ましくは30~100℃、より好ましくは50~90℃である。圧力(ゲージ圧)は、通常常圧~100kgf/cm(9.8MPa)、好ましくは2~50kgf/cm(0.20~4.9MPa)である。
プロピレン系重合体(A)の好ましい態様であるプロピレン・エチレンブロック共重合体の製造においては、重合を、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに反応器の形状は、管状型、槽型のいずれも使用できる。さらに重合を、反応条件を変えて二段以上に分けて行うこともできる。この場合、管状と槽型を組合せることができる。
プロピレン系重合体(A)の好ましい態様であるプロピレン・エチレンブロック共重合体中のプロピレン・エチレン共重合体部を得るためには、後述する重合工程2においてエチレン/(エチレン+プロピレン)ガス比を制御する。エチレン/(エチレン+プロピレン)ガス比は、通常5~80モル%、好ましくは10~70モル%、より好ましくは15~60モル%である。
例えば、以下の二つの重合工程1及び2を連続的に実施することによって、プロピレン系重合体(A)の好ましい態様であるプロピレン・エチレンブロック共重合体が得られる。
(重合工程1)
固体状チタン触媒成分の存在下でプロピレンを重合し、プロピレン単独重合体成分を製造する工程(プロピレン単独重合体製造工程)。
(重合工程2)
固体状チタン触媒成分の存在下でプロピレン及びエチレンを共重合してエチレン・プロピレン共重合体成分を製造する工程(共重合体ゴム製造工程)。
特に、重合工程1を前段で行い、重合工程2を後段で行うことがより好ましい。各重合工程1および2は二槽以上の重合槽を用いて行うこともできる。デカン可溶部(a1)の含有量は、重合工程1と重合工程2の重合時間(滞留時間)により調整できる。また、前段の重合工程1は、二段以上の直列した重合器で行ってもよい。その場合、各段のプロピレンと水素との比が重合器ごとに異なっていてもよい。
<プロピレン単独重合体(B)>
本発明に用いるプロピレン単独重合体(B)は、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10~500g/10分であるプロピレン単独重合体である。
プロピレン単独重合体(B)は、実質的にプロピレンのみを重合したポリマーであればよい。例えば、プロピレンのみを重合したホモポリマー、あるいはプロピレンと6モル%以下、好ましくは3モル%以下の他のα-オレフィンとを共重合した結晶性のポリマーを使用できる。中でも、プロピレンのみを重合したホモポリマーが好ましい。
プロピレン単独重合体(B)は、公知の方法によりプロピレンを主とするモノマーを重合することにより製造できる。例えば、先に説明した固体状チタン触媒成分(I)と有機金属化合物触媒成分(II)とを含むオレフィン重合用触媒、あるいは通常チーグラーナッタ型触媒と呼称される三塩化チタンおよびアルキルアルミニウム化合物との組合せ触媒の存在下に、プロピレンを主とするモノマーを重合することにより得られる。重合反応は連続式で行ってもよく、バッチ式で行ってもよい。また例えば、先に説明した重合工程1のみを行うことにより好適に製造できる。
重合反応において、重合温度は、通常0~200℃、好ましくは30~100℃、より好ましくは50~90℃である。圧力(ゲージ圧)は、通常常圧~100kgf/cm(9.8MPa)、好ましくは2~50kgf/cm(0.20~4.9MPa)である。
プロピレン単独重合体(B)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は10~500g/10分であり、好ましくは10~300g/10分、より好ましくは20~250g/10分である。
プロピレン単独重合体(B)は、1種の重合体であってもよく、全体として上記のメルトフローレートを満たす範囲内において2種以上のプロピレン単独重合体を任意に組み合わせてもよい。
<エチレン・α-オレフィン共重合体(C)>
本発明に用いるエチレン・α-オレフィン共重合体(C)は、エチレンと炭素原子数が4~8のα-オレフィンとのランダム共重合体であり、密度が0.850~0.890g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.5~30g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体である。このエチレン・α-オレフィン共重合体(C)は、他成分との相乗効果によって、成形体の寸法安定性の向上(線膨張係数の低減)に寄与することが予想されると共に、その他の物性の向上にも寄与し成形品に高度な物性バランスが発現する。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)を構成する炭素原子数4~8のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-へキセン、1-オクテンが好ましい。α-オレフィンは一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。エチレン・α-オレフィン共重合体(C)としては、特にエチレン-オクテン共重合体、エチレン-ブテン共重合体が好ましい。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は、0.5~30g/10分であり、好ましくは1~25g/10分、より好ましくは2~20g/10分である。このメルトフローレートが0.5g/10分以上であれば、ポリプロピレン系樹脂組成物の流動性の低下や混練時の分散不良が起こり難く、耐衝撃性等の物性の低下や成形品表面外観の悪化が生じ難くなる傾向にある。また、メルトフローレートが30g/10分以下であれば、成形体が十分な耐衝撃性を有する傾向にある。
エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の密度は、0.850~0.890g/cmであり、好ましくは0.850~0.880g/cm、より好ましくは0.855~0.875g/cmである。
<無機充填剤(D)>
本発明に用いる無機充填剤(D)は、平均粒子径が8μmを超え、アスペクト比が9.0を超える無機充填剤である。
無機充填剤(D)の具体例としては、タルク、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、ワラストナイト、モンモリオナイトが挙げられる。無機充填剤(D)は一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも、タルクが好ましい。
無機充填剤(D)の平均粒子径は8μmを超え、好ましくは10μmを超える。平均粒子径の範囲の上限値については、好ましくは15.0μm以下であり、より好ましくは13.0μm以下である。このような平均粒子径の無機充填剤(D)を用いることは、例えば外観不良の抑制及び寸法安定性の向上の点で好ましい。この平均粒径はレーザー回折法で測定した値である。具体的には、レーザー回折散乱方式粒度分布計等の粒度分布計によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径であり、測定装置としては、例えばMicrotrac社製MT3300EXII、堀場製作所製LA-920型が挙げられる。
無機充填剤(D)のアスペクト比は9.0を超える。好ましくは9.0を超え、20.0以下であり、より好ましくは12.0~18.0である。このような平均粒子径の無機充填剤(D)を用いることは、例えば外観不良の抑制及び寸法安定性の向上の点で好ましい。アスペクト比とは、充填剤の長径と厚みの比率、または長辺と短辺の比率を表す値である。このアスペクト比は、電子顕微鏡を用いて写真撮影を行い、粉体の長径と厚みを測定し、平均値を求め、平均粒径/平均厚みの比から求めた値である。
無機充填剤(D)は、成形体の寸法安定性の向上(線膨張係数の低減)に寄与すると共に、剛性および耐衝撃強度などの機械的物性の向上にも寄与する。無機充填剤(D)が上述した特定の平均粒径(及びアスペクト比)を有することにより、他成分との相乗効果によって、特に優れた寸法安定性を有し、かつ剛性および耐衝撃強度に優れた高度な物性バランスが発現し、しかも射出成形の際の外観不良が抑制される。
無機充填剤(D)としては、上述の平均粒子径及びアスペクト比を満たすものであれば、例えば板状、棒状、繊維状、ウィスカー状など、いずれの形状の無機充填剤も使用できる。また、ポリマー用フィラーとして市販されている無機充填剤も使用できる。さらに、一般的なロービング状の他に、取り扱いの利便性を高めたチョップドストランド状等の形態のものも使用できる。
無機充填剤(D)は、全体として上述の平均粒径及びアスペクト比を満たすものであれば、二種以上の無機充填剤の混合物であってもよい。
無機充填剤(D)の製造方法は特に限定されず、公知の各種方法により製造できる。無機充填剤(D)として例えばタルクを用いる場合、特定の平均粒径及びアスペクト比を有するタルクは、粉砕または造粒により製造できる。具体的には、例えばタルクの原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕したり、その後さらにジェットミルで粉砕し、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する方法がある。タルクのアスペクト比及び平均粒径は、粉砕装置および粉砕時間により適宜調整でき、必要に応じて分級することにより形状が制御されたタルクが得られる。
無機充填剤(D)としては、原石を粉砕して得たものを直接用いてもよく、また、少なくとも一部を表面処理したものを用いてもよい。表面処理には、例えば、有機チタネート系カップリング剤、有機シランカップリング剤、不飽和カルボン酸、又はその無水物をグラフトした変性ポリオレフィン、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等の各種表面処理剤を使用できる。表面処理剤は一種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
<核剤(E)>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてさらに核剤(E)を含有してもよい。
核剤(E)は、例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物およびその成形体のさらなる寸法安定性の向上(線膨張係数の低減)や衝撃強度の向上などの目的で用いられる。核剤(E)の具体例としては、下記化学構造式(2)で表される化合物や、無機系、ソルビトール系、カルボン酸金属塩系や有機リン酸塩系などの各種の核剤が挙げられる。
Figure 0007406922000002
(式(2)中、nは0~2の整数であり、R~Rは互いに同一または異なっていても良く、水素原子もしくは炭素原子数が1~20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基またはフェニル基であり、Rは炭素原子数が1~20のアルキル基である。)
また無機系核剤としては、例えばシリカが挙げられる。ソルビトール系核剤としては、例えば1,3,2,4-ジベンジリデン-ソルビトール、1,3,2,4-ジ-(p-メチル-ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ-(p-エチル-ベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ-(2',4'-ジ-メチル-ベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロロベンジリデン-2,4-p-メチル-ベンジリデン-ソルビトール、1,3,2,4-ジ-(p-プロピルベンジリデン)ソルビトールが挙げられる。カルボン酸金属塩系核剤としては、例えばアルミニウム-モノ-ヒドロキシ-ジ-p-t-ブチルベンゾエート、安息香酸ナトリウム、モンタン酸カルシウムが挙げられる。有機リン酸塩系核剤としては、例えばソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ソジウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェートが挙げられる。核剤(E)は1種を単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
中でも、寸法安定性の向上(線膨張係数の低減)や衝撃強度の向上などの点から、化学構造式(2)で示される化合物が好ましい。また、nは0~2の整数であり、R、R、RおよびRは水素原子であり、RおよびRは互いに同一または異なっていても良く、炭素原子数が1~20のアルキル基である化合物がより好ましい。さらに、nは0~2の整数であり、R、R、RおよびRは水素原子であり、Rは、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CHCHCHCH、-CHCH=CH、-CH(CH)CH=CH、-CHCH(X)-CH(X)、-CHCH(X)-CHCH、-CHCH(X)-CHOH、もしくは-CH(OH)-CH(OH)-CHOH(但し、X~Xはそれぞれ独立してハロゲン基である。)であり、Rは、炭素原子数が1~20のアルキル基である化合物が特に好ましい。
核剤(E)の含有量は特に限定されないが、成分(A)~(D)の合計100質量部に対して、通常0.05~0.5質量部、好ましくは0.1~0.4質量部である。核剤(E)の含有量が0.05質量部以上であれば、低線膨張係数の低減の効果がより発現する傾向にある。また0.5質量部以下であれば、成形体の衝撃強度や経済性が低下し難い傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、充填剤、着色剤、滑剤、顔料などの他の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。添加剤の混合順序は任意であり、同時に混合してもよいし、一部成分を混合した後に他の成分を混合するというような多段階の混合方法を用いることもできる。
<ポリプロピレン系樹脂組成物>
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)5~47質量部、プロピレン単独重合体(B)0~30質量部、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)23~30質量部、および、無機充填剤(D)30~40質量部[但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]を含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、好ましくは、プロピレン系重合体(A)7~35質量部、プロピレン単独重合体(B)10~30質量部、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)23~28質量部、および、無機充填剤(D)30~38質量部[但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]を含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、より好ましくは、プロピレン系重合体(A)8~28質量部、プロピレン単独重合体(B)15~30質量部、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)24~28質量部、および、無機充填剤(D)32~38質量部[但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]を含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、特に好ましくは、プロピレン系重合体(A)10~22質量部、プロピレン単独重合体(B)20~30質量部、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)24~27質量部、および、無機充填剤(D)32~36質量部[但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]を含有する。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、上述した各成分(A)~(D)、および必要に応じて成分(E)や他の任意成分を配合することにより製造できる。各成分は、任意の順番で逐次配合しても良いし、同時に混合しても良い。また、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような多段階の混合方法を採用してもよい。具体的には、例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物中の樹脂成分(有機化合物成分)である成分(A)~(C)を最初に配合した後、次いで成分(D)および必要に応じて成分(E)を添加して配合することによっても製造できる。
各成分の配合方法としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機などの混合装置を用いて、各成分を同時にあるいは逐次に混合または溶融混練する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物全体のメルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg荷重)は、25~60g/10分であり、好ましくは30~60である。MFRをこのような範囲に設定すること、特にMFRを比較的高く設定することは、例えば成形性などの点で好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物の成形法は特に限定されず、樹脂組成物の成形法として公知の様々な方法を用いることができる。特に、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物から得られる成形体は、温度変化による寸法変化が小さく寸法安定性に優れている。その成形法としては、特に射出成形、プレス成型が好ましい。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば自動車内外装部材(特に自動車外装部材)、家電部品など様々な分野に好適に用いることができる。
<自動車外装部材>
本発明の自動車外装部材は、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形もしくはプレス成型して得られる成形体である。
本発明の自動車外装部材(及びその他の用途の成形体)は、流動方向(MD)及びその直交方向(TD)の線膨張係数が共に、好ましくは2.5×10-5/℃以上、3.0×10-5/℃以下である。この線膨張係数は、測定範囲-30℃~90℃で、TMA法により測定して求めた値である。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物から得られる成形体は、自動車内外装用部材、特に自動車外装部材などの用途に好適である。自動車外装部材の具体例としては、バンパー、サイドモール、バックドア、フェンダー、バックパネルが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されない。実施例、参考例および比較例において、各物性の測定および評価は以下の方法により行った。
<メルトフローレート(MFR)(g/10分)>
ISO 1133に準拠し、試験荷重2.16kg、試験温度230℃の条件で測定した。
<デカン可溶部量(Dsol)および不溶部量(Dinsol)>
ガラス製の測定容器に試料[成分(A)]約3g(10-4gの単位まで測定した。また、この質量を下式においてx2(g)と表した。)、n-デカン500ml、およびn-デカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで攪拌しながら2時間で150℃に昇温して試料を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間かけて23℃まで徐冷した。得られた析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G-4規格のグラスフィルターで減圧ろ過した。ろ液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得、この質量を10-4gの単位まで測定した(この質量を下式においてx(g)と表した)。この測定値を用いて、室温(すなわち23℃)におけるデカン可溶部量(Dsol)および不溶部量(Dinsol)を下記式によって決定した。
sol(質量%)=100×(500×x)/(100×x
insol(質量%)=100-Dsol
[極限粘度[η]]
サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈し、その後同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η]として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
<無機充填剤の平均粒径>
JIS R1620およびJIS R1622に準拠し、レーザー回折法によって測定した粒度累積曲線から読み取った累積量50質量%の粒径値を平均粒径とした。
<無機充填剤のアスペクト比>
電子顕微鏡を用いて写真撮影を行い、粉体の長径と厚みを測定し、平均値を求め、平均粒径/平均厚みの比からアスペクト比を求めた。
<曲げ弾性率(MPa)>
ISO 178に準拠し、以下の条件で曲げ弾性率(MPa)を測定した。
温度:23℃
試験片:80mm(長さ)×10mm(幅)×4mm(厚み)
曲げ速度:2.0mm/min
スパン間:64cm
<線膨張係数(10-5/℃)>
JIS K 7197に準拠し、TMA法(測定範囲-30~20℃及び20~90℃)にて評価した。具体的には、長さ240mm、幅80mm、厚み3mmの金型キャビティーを用いて樹脂温度210℃、金型温度40℃で射出成形して平板を得て、これを10×5×3mm厚の形状に切り出し試験片とし、この試験片に対し、試験前に90℃、20minで熱処理後に-30~20℃の線膨張係数及び20~90℃の線膨張係数を測定した。
<外観評価(フローマーク)>
成形体の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
「○」:フローマークがほとんど無かった。
「×」:フローマークが明確に確認された。
実施例、参考例及び比較例においては、以下の各成分を使用した。
<成分(A)>
「A-1」:プロピレン-エチレン系ブロック共重合体(MFR=85g/10分、n-デカン可溶部量=9.0質量%、n-デカン可溶部エチレン含量=40モル%、n-デカン可溶部極限粘度[η]=7.5dl/g)
<成分(B)>
「B-1」:プロピレン単独重合体(株式会社プライムポリマー製、プライムポリプロ(登録商標)J13B、MFR=200g/10分、密度=0.89g/cm
「B-2」:プロピレン単独重合体(株式会社プライムポリマー製、プライムポリプロ(登録商標)J137G、MFR=30g/10分、密度=0.89g/cm
<成分(C)>
「C-1」:エチレン-ブテン系ランダム共重合体(三井化学株式会社製、タフマー(登録商標)A-4050S、エチレン含量=80モル%、1-ブテン含量=20モル%、MFR=7g/10分、密度=0.862g/cm
「C-2」:エチレン-オクテン系ランダム共重合体(Dow Chemical社製、ENGAGE(登録商標)EG8137、エチレン含量=85モル%、1-オクテン含量=15モル%、MFR=26g/10分、密度=0.864g/cm
<成分(D)>
「T-1」:タルク(Imerys社製、商品名HAR 3G77L、平均粒径(レーザー回折法)=11.8μm、アスペクト比(SEM採寸)=15.3)
「T-2」:タルク(Imerys社製、商品名Jetfine 3CA、平均粒径(レーザー回折法)=4.5μm、アスペクト比(SEM採寸)=9.0)
[実施例1~3、参考例4、比較例1~3]
プロピレン系重合体(A)、プロピレン単独重合体(B)、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)、無機充填剤(D)および核剤(E)を、表1に示す配合量(質量部)で混合し、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製、TEX(登録商標)30α)により、シリンダ温度180℃、スクリュー回転750rpm、押出し量60kg/hの条件で押出し、ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
得られた各ポリプロピレン系樹脂組成物から製造した射出成形体の物性を表1に示す。また、実施例3及び比較例3の射出成形体の外観写真を図1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、無機充填剤(D)として大粒径で高アスペクト比のタルク(D-1)を用いた実施例1~3及び参考例4においては、成形体にフローマークがほとんど無く、また線膨張係数が低かった。
一方、無機充填剤(D)として小粒径で低アスペクト比のタルク(D-2)を用いた比較例1~3においては、成形体にフローマークが明確に確認され、また線膨張係数も比較的高かった。
例えば、実施例1と比較例1は、無機充填剤(D)の種類が異なる点以外は同じ組成を有する組成物である。したがって、実施例1と比較例1を比較することにより、大粒径で高アスペクト比のタルク(D-1)を用いた実施例1が外観及び線膨張係数の点で優れていることが分かる。
また、実施例2は、実施例1の2種のプロピレン単独重合体(B-1)及び(B-2)の互いの配合比を変更することによって流動性を調整した例である。実施例3は、エチレン-ブテン系ランダム共重合体(C-1)の配合量を多くすることによってゴム特性を増した例である。参考例4は、エチレン・α-オレフィン共重合体(C)の種類及び配合量並びにプロピレン単独重合体(B-1)の配合量を変更することによって流動性を増した例である。
そして、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3は、各々、無機充填剤(D)の種類が異なる点以外は同じ組成を有する組成物である。したがって、実施例2と比較例2、実施例3と比較例3の各々の評価結果を比較することにより、大粒径で高アスペクト比のタルク(D-1)を用いた実施例2及び3が外観及び線膨張係数の点で優れていることが分かる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば、バンパー、サイドモール、バックドア、フェンダー、バックパネル等の自動車内外装用部材、家庭用品、家電部品などの種々の分野の成形体材料として有用であり、特に自動車外装部材用途に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が50~150g/10分、デカン可溶部量が6質量%以上であるプロピレン系重合体(A)10~22質量部、
    メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10~500g/10分であるプロピレン単独重合体(B)20~30質量部、
    エチレンと炭素原子数が4~8のα-オレフィンとのランダム共重合体であり、密度が0.850~0.890g/cm3、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.5~30g/10分であるエチレン・α-オレフィン共重合体(C)24~27質量部、および、
    平均粒子径が8μmを超え、アスペクト比が9.0を超える無機充填剤(D)32~36質量部
    [但し、成分(A)~(D)の合計量を100質量部とする。]
    を含有し、
    前記エチレン・α-オレフィン共重合体(C)のα-オレフィンが1-ブテンであり、
    組成物全体のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が25~60g/10分であるポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 無機充填剤(D)の平均粒子径が10μmを超える請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. プロピレン系重合体(A)がプロピレンとエチレンから得られるブロック共重合体である請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 自動車外装部材に用いられる請求項1~のいずれかに記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 請求項に記載のポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形もしくはプレス成型して得られる自動車外装部材。
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