JP7401999B2 - 弾性波素子 - Google Patents

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Description

本発明は、弾性波素子に関する。
従来より、共振子や帯域フィルタとして弾性波素子が用いられており、近年はより高周波数の周波数帯に対応することが求められている。このような状況の中、圧電薄膜を用いた弾性波装置が提案されている。例えば、特許文献1では、凹部を設けた支持層と、この凹部上に至るように配置された圧電薄膜と、圧電薄膜上に形成されたIDT電極とを備える弾性波装置が提案されている。
国際公開2012/073871号
近年、通信機器の高周波化への要求はさらに高まり、別の手法により高周波化を実現できる弾性波素子の提供が求められている。
本開示の弾性波素子は、IDT電極と圧電層と基板とを備える。IDT電極は、繰り返し間隔pで繰り返し配列され、その厚みが0.08p以上0.12p以下である複数の電極指を含む。圧電層は、上面に前記IDT電極が位置しており、厚みが0.5p以上0.65p以下であり、オイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,60°~70°)であるニオブ酸リチウム単結晶からなる。基板は、前記圧電層の下面に直接または間接的に接合された第1面を備え、厚みが1.6p以上である、炭化珪素からなる。
本開示の他の実施形態に係る弾性波素子は、IDT電極と圧電層と基板とを備える。IDT電極は、繰り返し間隔pで繰り返し配列される複数の電極指を含む。圧電層は、上面に前記IDT電極が位置しており、オイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,50°~80°)であるニオブ酸リチウム単結晶からなる。基板は、前記圧電層の下面に直接または間接的に接合された第1面を備え、厚みが1.6p以上である、炭化珪素からなる。そして、前記圧電層の膜厚と前記IDT電極の膜厚との関係が図7において実線で囲われる領域内にある。
本開示の他の実施形態に係る弾性波素子は、IDT電極と圧電層と基板とを備える。IDT電極は、繰り返し間隔pで繰り返し配列される複数の電極指を含む。圧電層は、上面に前記IDT電極が位置しており、オイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,50°~80°)であるニオブ酸リチウム単結晶からなる。基板は、前記圧電層の下面に直接または間接的に接合された第1面を備え、厚みが1.6p以上である、サファイアからなる。そして、前記基板のオイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,130°~160°)である。また、前記圧電層の膜厚と前記IDT電極の膜厚との関係が図10または図11において実線で囲われる領域内にある。
上記構成によれば、高周波数化に対応した弾性波素子を提供することができる。
本開示にかかる弾性波素子の断面図である。 IDT電極の構造を示す上面図である。 図3(a),図3(b)はそれぞれ、本開示に係る弾性波素子の周波数特性を示す線図である。 圧電層のオイラー角を変化させたときの弾性波素子の周波数特性を示す線図である。 図5(a),図5(b)はそれぞれ、変形例に係る弾性波素子の周波数特性を示す線図である。 図6(a),図6(b)はそれぞれ、変形例に係る弾性波素子の周波数特性を示す線図である。 弾性波素子の圧電層の厚み、圧電層のオイラー角、IDT電極の厚みの関係を示す線図である。 図1に示す弾性波素子の変形例の断面図である。 図9(a),図9(b)はそれぞれ、変形例に係る弾性波素子の周波数特性を示す線図である。 弾性波素子の圧電層の厚み、基板のオイラー角、IDT電極の厚みの関係を示す線図である。 弾性波素子の圧電層の厚み、基板のオイラー角、IDT電極の厚みの関係を示す線図である。 図12(a),図12(b)はそれぞれ、変形例に係る弾性波素子の周波数特性を示す線図である。
以下、本開示の弾性波素子の一例を図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態の弾性波素子1(SAW素子1)は、図1に示すように、支持基板10と基板20と圧電層30とIDT電極4とを備える。支持基板10、基板20、圧電層30はこの順に積層されている。
支持基板10は、その上部に位置する基板20と圧電層30とを支持するものであり、その強度があれば材料は限定されない。例えば、セラミック基板や有機基板、水晶やサファイアなどの誘電体基板、圧電基板、半導体基板等を例示でき、後述の圧電層30と同じ材料系からなる基板としてもよいし、多層基板としてもよい。この例では、単結晶のシリコン基板を用いている。
支持基板10としてシリコン基板を用いる場合には、後述する圧電層30の材料よりも熱膨張係数が小さい。このため、温度変化が生じると圧電層30に熱応力が生じ、この際、弾性定数の温度依存性と応力依存性とが打ち消し合い、ひいては、SAW素子1の電気特性の温度変化が抑制(温特補償)される。
また、支持基板10から後述の基板20,圧電層30の順に線膨張係数が大きくなるようにすると、各層の剥離を抑制できるとともに、支持基板10による温度補償効果を効果的に発現するすることができる。
支持基板10の厚みは特に限定されないが、例えば100μm~250μm程度としてもよい。支持基板10から後述の基板20,圧電層30,IDT電極4の順に厚みが小さくなっている。
基板20は、第1面20Aと第1面20Aに対向する第2面20Bとを備える。そして
、第2面20Bを支持基板10の上面に接合し、第1面20Aを圧電層30の下面に接合している。この例では、第1面20Aと圧電層30とおよび第2面20Bと支持基板10とは共に直接接合されているがこの限りではない。特に、基板20が後述のIDT電極4の電極指41の繰り返し間隔Pt1(以下、単に「ピッチ」,「p」ということがある)の2倍で定義される波長λ以上の厚みを備える場合には、基板20と支持基板10との間には接合層等を介して接合されていてもよい。接合層の厚みは例えば0.2p以下としてもよい。より好ましくは10nm以下としてもよい。
基板20は、横波音速が5800m/s以上の材料で構成される。このような材料としては、窒化アルミ(AlN),窒化チタン(TiN),窒化珪素(Si),サファイア,炭化珪素(SiC),アルミナ,窒化ホウ素(BN),ダイアモンド,ダイアモンドライクカーボン(DLC)等を例示できる。
基板20の厚みは例えば0.8λ(すなわち1.6p)以上とする。より好ましくは1λ以上とする。基板20の厚みの上限は特にないが、基板20を薄膜プロセス等で形成する場合には、成膜性等を考慮して10λ以下としてもよい。
基板20の第1面20Aには圧電層30が位置している。圧電層30は0.35λ未満の厚みのニオブ酸リチウム単結晶(LiNbO:以下LNと略することがある)からなる。そして、そのオイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,50°~80°)となっている。
圧電層30の上面には、IDT電極4が位置している。IDT電極は弾性表面波を励振するものであり、図2に示すように、例えば、一対の櫛歯状電極40A,40Bからなる共振子を構成している。櫛歯状電極は、複数の電極指41を備えている。そして、一方の電位に接続された電極指41Aと他方の電位に接続された電極指41Bとを互い違いに交差するように配列されており、この電極指41の配列方向に沿ってSAWが伝播する。この電極指41A・41Bの幅の中心間の間隔をピッチPt1とする。なお電極指41の幅はw1とし、その厚みはsとする。IDT電極4のX方向の両側には反射器電極等を設けてもよい。
このようなIDT電極4を構成する材料としては、Al-Cu合金等を例示できる。厚みは、SAWの励振効率や、LN基板との電気機械結合係数等を考慮して決定される。
IDT電極4はその酸化を抑制するためにその上面に保護層6が位置している。保護層6の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン等の無機絶縁材料を例示できる。
上述の構成を備えるSAW素子1について、共振特性をシミュレーションした結果を図3に示す。図3(a)は周波数に対するインピーダンス特性であり、図3(b)は位相特性を示している。図3(a)において、横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸はインピーダンス(単位:Ω)を示している。図3(b)において、横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸はインピーダンス位相(単位:°)を示している。
シミュレーションのモデル1の基本構成は以下の通りとした。
<モデル1>
電極指41の材料:Al-Cu1%添加合金
電極指41の厚み:0.08p(0.04λ)
電極指41のピッチ:1μm(λ=2μm)
圧電層30の材料:LiNbO
圧電層30のオイラー角:(φ,θ,ψ)=(90°,90°,50°) (Xカット基
板/50°Y伝播に相当)
圧電層30の厚み:0.6p(0.3λ)
基板20の材料:SiC
基板20の厚み:2λ
支持基板10の材料:Si
支持基板10の厚み:250μm
なお、このシミュレーションは無限周期のIDTについて行っており、インピーダンスの絶対値は交差幅xIDT本数が2000λの場合に換算している。
従来の最も一般的なSAW素子は、圧電層30として、1λ以上の厚みを有する128°回転Y-X伝播のLN基板を、そのオイラー角が(0°,-48°,0°)の状態で用いている。この場合には、電極指41のピッチが1μmの場合には共振周波数は2GHz程度である。これに対して、SAW素子1によれば、従来のSAW素子と圧電層30の厚み、オイラー角を変更することで、図3に示す通り、モデル1では、電極指41のピッチが1μmであっても共振周波数を3.25GHzとすることができることが確認された。
なお、モデル1は、共振周波数にλを乗じた値(音速)は、6400m/sである。このことから、従来のSAW素子に用いられているモードの弾性波よりも速いモードの弾性波を用いて共振子として機能していることが確認できる。
さらに、図3の波形より、Δfが従来のSAW素子に比べ同等以上の広さを有しており、かつ、共振周波数と***振周波数との間にスプリアスも存在しておらず、周波数特性に優れた、損失の少ないSAW素子1を提供できることを確認した。
なお、モデル1は、全オイラー角を全角度範囲にふって確認したところ、上述のオイラー角からφは±2°,θは±2°の角度範囲で変更しても従来のSAW素子に比べ、高周波数で、かつ、ロスの少ないSAW素子1を提供できることを確認した。
図4に、モデル1において、圧電体のオイラー角ψを変化させた場合の共振子のインピーダンス波形の変化を示す。横軸は周波数(単位:MHz)、縦軸はインピーダンス(単位:Ω)である。
図4から分かるように、ψが上記範囲から外れた場合には、周波数特性が悪化する。具体的には、ψが小さくなるにつれて共振周波数よりも低周波数側に位置するスプリアスが大きくなっていき、40°以下となる場合には、スプリアスの影響が大きくなる。一方、ψを大きくしていくにつれて共振周波数と***振周波数との周波数差(Δf)が小さくなるとともに、やはり低周波数側のスプリアスが大きくなってしまう。具体的にはψが90°を超えると、LN基板を使っているにもかかわらず、タンタル酸リチウム基板を用いる場合と同等のΔf(ψ=50°のときの0.4倍程度)になってしまう。以上より、上述のオイラー角からψは50°以上80°以下の範囲とすることで高い周波数特性を備えることができる。より好ましくは、ψを60°~70°としてもよい。
また、上述のオイラー角のうちψは50°~80°の範囲で従来のSAW素子に比べ、高周波数で、かつ、ロスの少ないSAW素子1を提供できるが、より詳細には、電極の厚みと圧電層の厚みと関係して適切な範囲がある。この範囲に関しては後述する。
また、SAW素子1によれば、圧電層30の下面全体に基板20が位置していることにより、取扱いが容易であり、かつ、信頼性の高いものとすることができる。
なお、基板20をSAW素子1で実現する共振子の共振週数帯よりも高いカットオフ周
波数を有する材料とすることで、基板20側への漏洩を抑制し、ロスの少ないSAW素子1を提供することができる。具体的には、この例で基板20として用いるSiCのカットオフ周波数は3.9GHzである。このため、図3(b)に示すように、3.9GHz未満の領域においてはロスの少ない共振子とすることができる。なお、SiCの厚みが薄くなった場合には、一部の音響波が支持基板10へ到達し、漏洩する。このため、基板20の厚みは少なくとも0.8λ以上、好ましくは1λ以上が必要である。また、基板20と圧電層30の間には、密着層や、特性を調整するための調整層が挿入されていても良い。
また、モデル1の圧電層30のオイラー角(φ,θ、ψ)=(90°,90°,50°)は、XカットLN-50°Y伝播の基板を用いていることとなる。このため、基板20の材料等により縦方向の漏洩を抑制することはできるが、横方向の漏洩が生じる虞がある。このため、IDT電極4にダミー電極を設けたり、ダミー電極と電極指41との交差領域とにおいて音速を異ならせたりしてもよい。また、パワーフローの方向にIDTを傾けて配置しても良い。
なお、この例では、基板20を2λとし、その下面にSiからなる支持基板10を設けている。このような構成とすることで、熱膨張係数の小さいSiによる熱応力が圧電体30にかかるため、温度変化によっての特性変化を抑制したSAW素子1とすることができる。
<インピーダンス特性と圧電層30のオイラー角、厚みとの相関>
SAW素子1のインピーダンス特性は、圧電層30のオイラー角、厚み、電極4の厚みによって変化する。例えば、モデル1について、圧電層30のオイラー角を(90°,9
0°,50°)固定とし、圧電層30の厚みを0.4pまで薄くした場合のインピーダンス特性を図5(a)に示す。図5(a)は周波数に対するインピーダンス特性を示す線図であり、縦軸はインピーダンス(単位:Ω),横軸は周波数(単位:MHz)を示している。圧電層30の厚みが0.4pの場合には、0.6pの場合(図3)に比べて共振周波数が高くなっている。このため、圧電層30の厚みをこれよりも薄くすると、基板20のカットオフ周波数に近接してしまい、その結果、***振付近の周波数領域で大きなロスが発生してしまう。また、低周波数側のスプリアスも大きくなっている。
また、圧電層30の厚みを0.5pとしたときのインピーダンス特性を図5(b)に、0.6pとしたときのインピーダンス特性を図6(a)に、0.8pとしたときのインピーダンス特性を図6(b)にそれぞれ示す。図5(b),図6(a)および(b)は図5(a)に相当する図面である。
このように、圧電層30の厚みを厚くしていくことで、共振周波数が低くなっていき、かつ***振よりも高周波側に、大きなスプリアス振動が発生している。
このように、圧電層30の厚みには適切な範囲があり、かつ、その範囲は圧電層30のオイラー角と関係している。モデル1の圧電層30のオイラー角とした場合には、厚みを0.7p未満とすることで、スプリアスの影響を受けずに高周波数での共振を得ることができる。特に、また、厚みを0.4p以上とする場合には、***振周波数近傍のロスの悪化を抑制することができる。以上より、圧電層30の厚みは0.4p以上0.7p以下、より好ましくは、0.5p以上0.65p以下としてもよい。
図7に、モデル1において、圧電層30のオイラー角ψ、圧電層30の厚み、およびIDT電極4の厚みを変化させた場合に、良好なインピーダンス特性が得られる範囲をシミュレーションで求めた結果を示す。横軸は圧電層30の厚み(単位:x p)、縦軸は電
極厚み(単位:x p)である。なお、シミュレーションは圧電層30の厚みを0.3~
1.0p、電極厚み0.03~0.2pについてマトリクス状に行い、良好なインピーダンス特性となる点を図7にプロットした。図7中の実線で囲んだ範囲は、上記シミュレーションの結果から見出した良好な特性が得られる範囲である。
シミュレーションは電極指のDutyを0.5,ロスを0とし、有限要素法(FEM)で行なった。FEMでは、現実の形状、物性値により圧電方程式を解いている。すなわち、モデル化・近似等がないため、ほぼ実測に即した結果を、ソフト依存性なく算出することができる。なお、「良好なインピーダンス特性」とは、所望の共振周波数,一定幅以上のΔf,共振周波数・***振周波数近傍のスプリアスがない等の条件を満たすものであり、具体的には以下の通りである。
・Δf≧120MHz
・共振周波数fr≧2700MHz
・最大スプリアスのΔf≦18MHz
・frとカットオフ周波数との差分≧300MHz
また、ソフト依存性は少ないが、例えばANSYS Mecanical Ver19.0を用いてもよい。
なお、図7において、ψを指定の値から±2°変化させても、実線で囲む範囲に大きな変動はなかった。
図7から分かるように、ψが60°~70°の時に、良好な特性が得られる範囲が広くなるが、ψが小さく、または大きくなるとこの範囲が狭くなる。ψが40°以下や90°以上の場合はインピーダンス特性にスプリアスが出たり、Δfが小さかったりして、良好な特性が得られなかった。
以上より、ψ=50°~80°で、圧電層30の厚みが0.5p~0.7p、IDT電極4の厚みが0.07p~0.15pの時に良好な特性が得られる。図4に実線で示す領域内の範囲にしてもよい。さらには、圧電層30のψ=60~70°とし、その厚みを0.5p~0.65pとし、IDT電極4の厚みを0.08p~0.12pとしたときには、各パラメータに対するロバスト性に優れた、安定した特性の共振子が得られる。
<変形例1>
上述の例では、支持基板10を有するSAW素子1について説明したが、基板20の厚みには電気特性上の上限は無いため、基板20を厚くして支持基板10としての機能をもたせることで、支持基板10は省略されても良い。
例えば、図8に示すように基板20が50μm~250μm程度の厚みを有するSiC基板、ダイヤモンドライクカーボン基板、ダイヤモンド基板等を用いてもよい。また、基板20と圧電体30の間には、密着層や、特性を調整するための調整層が挿入されていても良い。
また、上述の例では無配向のSiC基板を使った場合についてのシミュレーション結果であったが、配向性のある単結晶SiCを使った場合でも同様の結果になることをシミュレーションで確認している。また、SiCと同等レベルの音速を持つ材料(上述したダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンドの他に、BNなど)は、やはり図7の結果と同様の範囲でよい特性を得ることができる。
<変形例2>
上述の例では、圧電層30のオイラー角は、(90°,90°,60°)を例示したが、φ,θ,ψともに、それぞれ0°~360°まで変化させて全ての組み合わせ毎にSA
W素子の周波数特性をシミュレーションした。その結果、図9に示すように、(30±2,90±2,120±10)についても共振~***振近傍にスプリアスが発生することなく高い共振周波数を得ることができることを確認した。
なお、上記以外のオイラー角では、スプリアスを抑制しつつ共振特性を得ることはできなかった。
<変形例3>
上述の例では基板20として、SiCを用いた場合について説明したが、サファイアを用いてもよい。基板2としてサファイアを用いた場合には、音速がSiCほど早くないため、***振周波数とサファイア自身のカットオフ周波数が近くなり、***振の少し高周波側に大きなリップルが現れてしまう。これに対し、サファイアは特定のオイラー角では音速が速くなるため、オイラー角を調整することで***振とサファイアのカットオフ周波数に十分な差を確保することができる。
そこで、サファイアのオイラー角を全角度に振って周波数特性をシミュレーションし、最適なオイラー角を見出した結果を図10、図11に示す。図10、図11はSiC基板に対する結果である図7に対応するものである。図10は、圧電層30のオイラー角を(90,90,ψ)でψ=50°とした場合の、図11はψ=60°の場合をそれぞれ示し
ている。
また、ψ=50°と60°のそれぞれで、サファイアのオイラー角を(90、90、Z
)でZ=130°~160°の場合について、スプリアスのない良好な共振特性が得られる圧電層30の厚み、IDT電極4の厚みの範囲を示している。図中の実線で囲まれる範囲内において良好な共振特性を得ることができる。
ここで、Zとψについて、それぞれ±2°変化させても、実線で囲む領域に大きな変動はないことを確認している。
なお、この図以外のオイラー角(ψが40°以下70°以上、Zが120°以下170°以上)では、良好な共振特性が得られなかった。
図12に、基板20としてサファイア基板を使った場合の共振特性のシミュレーション結果の一例を示す。パラメータは、Z=150°、ψ=50°、圧電層30の厚み0.8p、IDT電極4の厚み0.09pである。
前述のとおり、基板20としてSiCを用いる場合よりも***振周波数とカットオフ周波数の間の間隔が狭くなっているが、共振周波数~***振周波数、それより低周波数側にはスプリアスが無く、良好な共振特性が得られていることが分かる。
なお、上述の例では、いずれも基板20のオイラー角(φ,θ,ψ)のうちφ,θともに90°±2°としたが、φは90°±0.5°,θは90°±1°としてもよい。その場合には、さらにスプリアスを低減することができる。
1:弾性波素子
20:基板
30:圧電層
4:IDT電極
41:電極指

Claims (4)

  1. 繰り返し間隔pで繰り返し配列され、その厚みが0.08p以上0.12p以下である複数の電極指を含むIDT電極と、
    上面に前記IDT電極が位置しており、厚みが0.5p以上0.65p以下であり、オイラー角(φ,θ,ψ)が(90°±2°,90°±2°,60°~70°)であるニオブ酸リチウム単結晶からなる圧電層と、
    前記圧電層の下面に直接または間接的に接合された第1面を備え、厚みが1.6p以上である、炭化珪素からなる基板と、を備える弾性波素子。
  2. 前記基板は、前記第1面と対向する第2面を備え、
    前記第2面に接合された厚み1λを超える支持基板をさらに備える、請求項に記載の弾性波素子。
  3. 前記支持基板はシリコンであり、前記圧電層、前記基板、前記支持基板の順に厚みが厚くなる、請求項に記載の弾性波素子。
  4. 前記IDT電極により生じる弾性波の共振周波数と2pをかけた値が5800m/s以上である、請求項1乃至のいずれかに記載の弾性波素子。
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