JP7397427B2 - 光学測定装置、光学測定方法、及び光学測定プログラム - Google Patents

光学測定装置、光学測定方法、及び光学測定プログラム Download PDF

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Description

本発明は、光学測定技術に関し、特に物質の厚さと複素屈折率を同時に計測する光学測定技術に関する。
複素屈折率は、物質に入射した光の屈折、反射、及び吸収の度合いを示す物性パラメータである。複素屈折率の実部は、科学で一般的に使用されている、いわゆる「屈折率」に対応する。実部に着目すると、高精度の複素屈折率の測定は、レンズを代表とする光学機器の設計に不可欠である。一方、複素屈折率の虚部は、物質の吸収に対応している。高精度に複素屈折率を計測することができれば、光の吸収と強い相関がある半導体中の不純物濃度の予測などにも利用できる。虚部に着目すると、複素屈折率の計測技術は、市場規模の大きい半導体産業に有用である。
光学ガラスなどの屈折率の測定方法は、日本産業規格(JIS:Japan Industrial Standards)に、最小偏角法(JIS B 70701-1)とVブロック法(JIS B 7071-2)が定められている。これらはいずれも、光の屈折現象を利用して複素屈折率の実部だけを測定する手法である。複素屈折率の虚部までを求めるためには、何かしらの仮定のもとに、クライマース・クローニッヒ変換などの追加の計算処理を行う必要がある。
物質の複素屈折率を計測する手法として分光エリプソメトリーが存在するが、この手法では物質のモデル化が必要である。また、測定対象が薄膜試料に限られ、直接、かつ汎用的に物質の複素屈折率を決定することは難しい。
デュアルコム分光法は、光周波数コム技術をベースとした高精度なレーザ分光計測技術である。デュアルコム分光法を用いて試料の群屈折率に近い値を計測する手法が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。ここで計測されているのは、試料の群屈折率に近い値であり、本来計測したい位相屈折率(すなわち、複素屈折率の実部)ではない。非特許文献1の手法に基づいて試料の位相屈折率を求めるために、試料を加工して測定する方法が提案されている(たとえば、非特許文献2参照)。
テラヘルツ時間領域分光法を用いた複素屈折率、及び厚さの決定が知られている(たとえば、非特許文献3、4参照)。
A. Asahara, A. Nishiyama, S. Yoshida, K. Kondo, Y. Nakajima, and K. Minoshima, Opt. Lett. 41 (21), 4971-4974 (2016) 王 月、浅原 彰文、庄司 一郎、野竹 孝志、南出 泰亜、美濃島 薫、2018年応用物理学会秋季学術講演会、19P-438-13 T.D. Dorney, R.G. Baraniuk, and D.M. Mittleman, J. Opt. Soc. Am. A 18, 1562 (2001) S.R. Tripathi, M. Aoki, M. Takeda, T. Asahi, I. Hosako, and N. Hiromoto, Jpn. J. Appl. Phys. 52. 042401 (2013)
位相屈折率を求めるためには、測定で得られた位相の絶対値を決定する必要がある。しかし、デュアルコム分光法で得られる位相には2πの整数倍の不定性が含まれるという、測定手法上不可避な問題(位相の不定性問題)がある。上記の非特許文献1では、この位相の不定性問題が完全には解決されていないため、位相屈折率ではなく、群屈折率に近い値のみが決定されている。
非特許文献2では、位相の不定性問題を克服するために試料を加工しているが、試料の加工を必要とする測定手法は実用的ではない。非特許文献3、4で用いられているテラヘルツ周波数(電磁波)領域での分光法には、位相の不定性問題が存在しないため、位相差の絶対値の決定については言及されていない。光周波数の領域で、高精度の複素屈折率の測定は、いまだ確定されていない。
本発明は、試料の加工なしに位相の不定性問題を解決し、測定対象物の複素屈折率の実部と虚部、及び厚さを、精度よく計測する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の側面で、光学測定装置は、
複数の周波数を含む光を出力する光源と、
試料を透過した光の信号を検出する検出器と、
検出された前記信号を解析するプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサは、前記信号の位相と振幅から、前記試料のパワー透過率と測定位相差を求め、
前記試料の複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする前記試料の厚さと、前記測定位相差の位相シフト量(2πM)を示す整数(M)を順次、または同時に特定し、
前記整数(M)を含む位相差、前記厚さ、及び前記パワー透過率に基づいて、前記試料の複素屈折率の実部と虚部を算出する。
上記の構成により、試料を加工することなく、測定対象物の実部と虚部、及び厚さを、精度よく計測することができる。
実施形態の光学測定装置の模式図である。 光学測定装置の変形例である。 信号位相のアンラップ処理を説明する図である。 整数Mの初期値の決定を説明する図である。 複素屈折率の実部の周波数依存性の振動を示す図である。 複素屈折率の虚部の周波数依存性の振動を示す図である。 複素屈折率の実部の振動から傾き成分を除去して振動成分のみを抽出する処理を説明する図である。 試料の厚さと不定性パラメータMを同時に決定する手法を説明する図である。 実施形態の光学測定方法のフローチャートである。 図7のステップS13の手法Aのフローチャートである。 図7のステップS13の手法Bのフローチャートである。 図1Aの光学測定装置で実際に得られたパワー透過率と試料透過光の測定位相差をプロットした図である。 評価関数を最小にする厚さdをプロットした図である。 評価関数の最小値の整数(M)値依存性をプロットした図である。 特定の(d,M)値のときのn(f)とk(f)をプロットした図である。
以下で、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。実施形態では、複素屈折率の周波数依存性スペクトルは滑らかである、という自然科学の要請に従って、解析で得られた複素屈折率スペクトルの平滑度または振動を評価することで、試料の複素屈折率の実部、虚部、及び試料の厚さを同時に決定する。
<装置構成>
図1Aは、光学測定装置10Aの模式図である。光学測定装置10Aは、試料15を透過した信号光を検出する検出器16と、検出器16の出力に接続される情報処理装置20を有する。
図1Aの構成例では、光源11から出力されるパルス光は、試料15を透過し、信号光L1として検出器16に向かう。試料15を透過した信号光L1は、複数の角周波数ωをもつ正弦波光電場の重ね合わせとして表現される。
光源12から出力される光は、参照光L2として、ビームコンバイナ等により、信号光L1に重ね合わされる。検出器16は、信号光L1と参照光L2の干渉信号を検出する。検出器16で検出された干渉信号は、情報処理装置20に供給される。
情報処理装置20は、プロセッサ21と、メモリ22を有する。情報処理装置20が通常有する入力装置、出力装置、表示装置、通信インタフェース等は、図示の便宜上、省略されている。
プロセッサ21は、透過率・測定位相差算出部201と、試料厚さ・位相シフト量特定部202と、複素屈折率算出部203を有する。メモリ22は、複素屈折率の周波数依存性の振動(または多重反射の影響による変動)の度合いを表す評価関数221を有する。
透過率・測定位相差算出部201は、検出器16から出力される干渉信号から、試料15を透過した信号光L1の位相と振幅を電気的手法で決定し、位相と振幅に基づいて、試料15のパワー透過率と、測定位相差を計算する。
試料厚さ・位相シフト量特定部202は、メモリ22内の評価関数221を用いて、試料の厚さdと、位相シフト量2πMの整数値Mを特定する。位相シフト量2πMは、絶対的な位相に含まれる位相差であり、整数Mは位相の不定性のパラメータである。試料の厚さdと整数Mは、評価関数221の評価値、すなわち複素屈折率の周波数依存性の振動が最小になるように決定される。複素屈折率の周波数依存性は、本来的に振動のない滑らかなスペクトルをもつからである。
複素屈折率算出部203は、試料の厚さd、整数Mを含む位相差、及びパワー透過率に基づいて、試料の複素屈折率の実部n(ω)と虚部k(ω)を計算する。求められたn(ω)、k(ω)、及び厚さdは、プロセッサ21から出力される。プロセッサ21による解析手法の詳細は、後述する。
光源11と光源12は、複数の周波数成分を含む光を出力する。一例として、光周波数コム光源を用いることができる。光周波数コムでなくても、複数の周波数成分を含む、あるいは異なる周波数成分を交互に放出する任意の光源を用いてもよい。
光源として、必ずしも2つの光源11と光源12を用いる必要はない。図1Bに示すように、単一の光源を用いてもよい。
図1Bは、光学測定装置10Bの模式図である。光学測定装置10Bは、光学系の構成が光学測定装置10Aと異なる。光源13から出力された光は、ビームスプリッタBS1で分岐される。一方の光は、試料15を透過し、信号光L1として、ビームスプリッタBS2を透過して検出器16に入射する。
他方の光は、ミラーM1、M2、及びビームスプリッタBS2で反射され、参照光L2として検出器16に入射する。
検出器16は、信号光L1と参照光L2の干渉信号を検出する。検出器2の出力に接続された情報処理装置20の構成と動作は、図1Aと同じである。
図1Bのマッハツェンダ干渉計型の光学系に替えて、マイケルソン干渉計型の光学系を用いてもよい。また、検出器16で直接光の位相を検出してもよい。
<解析手順>
次に、プロセッサ21による解析手順を説明する。表1は、以下の説明で用いられる記号の定義を示す。
Figure 0007397427000001
検出器16から取得した干渉信号の振幅と位相は、試料15を透過した信号光L1の振幅t(ω)と位相φ(ω)を反映している。
ここで、試料15があるときと、ないときの試料透過光(信号光L1)の振幅と位相を計測すれば、試料15のパワー透過率T(ω)と、測定位相差Δφ(ω)が導かれる。試料15があるときの試料透過光の振幅と位相をt(ω)、φ(ω)、試料がないときの試料透過光の振幅と位相をt(ω)、φ(ω)と書いたときに、以下の関係がある。
Figure 0007397427000002
プロセッサ21は、実験的に(すなわち実測値に基づいて)求めたパワー透過率T(ω)と測定位相差Δφ(ω)から、試料15の複素屈折率n(ω)、k(ω)、及び厚さdを求める。ただし、以下で述べるように、(2)式で示した実験的に求まる測定位相差Δφ(ω)と、試料15の実際の位相差ΔΦ(ω)は同一ではない。
測定系では、試料があるときの信号光の位相φ(ω)と、試料がないときの信号光の位相φ(ω)は、2πの範囲内(0≦φ(ω)<2π、-2π≦φ(ω)<0など)でしか得られない。一方、試料15があるときと無いときの実際の位相差ΔΦ(ω)は、測定値として得られる測定位相差Δφ(ω)に加えて、2πM(Mは整数)の位相シフト量が含まれている。この2πMが位相の不定性であり、整数Mを「位相の不定パラメータ」と呼ぶ。
次に、透過率・測定位相差算出部201によって算出されたパワー透過率T(ω)と、測定位相差Δφ(ω)から、n(ω)、k(ω)、及びdを導出する方法を説明する。n(ω)とk(ω)の算出に先立って、まず行うことは、位相差の絶対値の決定、すなわち、整数Mの値の決定である。
一般に、試料15の厚さをdとしたとき、「空気中を距離dだけ通過するとき」と、「試料を距離dだけ通過したとき」の光の位相差ΔΦ(ω)は、(3)式で決定される。ここでは、簡単化のために、試料15の表面と裏面で付与される位相差を無視している。cは光速である。nairは空気の屈折率である。
Figure 0007397427000003
通常は、ΔΦ(ω)>>2πである。他方、上述したように、実験または測定で求まる測定位相差Δφ(ω)の帯域は、測定原理上φ(ω)とφ2(ω)が2πの範囲(たとえば0≦φ(ω)<2π)に制限されるため、4πの範囲に制限される。実際の位相差ΔΦ(ω)と測定位相差Δφ(ω)の間には、以下の関係がある。
Figure 0007397427000004
ここで、M(ω)は整数である。プロセッサ21の試料厚さ・位相シフト量特定部202は、このM(ω)の値を決定する。M(ω)の値の決定、すなわち絶対的な位相シフト量2πM(ω)の特定は、位相の不定性問題を解決する重要なポイントであり、本発明の新規な点である。
プロセッサ21で求めるパラメータは以下の4種類である。
・試料15の複素屈折率の実部n(ω)
・試料15の複素屈折率の虚部k(ω)
・試料15の厚さd
・位相の不定パラメータM(ω)。
これらの4つのパラメータのうち、厚さdは角周波数ωに依存しない定数である。M(ω)は周波数に依存するが、分散性が少ない場合、すなわち、複素屈折率の実部n(ω)の周波数依存性が小さい場合は、特定のひとつの角周波数ωについてMが決定できれば、以下のアンラップ(unwrap)処理を行うことで、すべての角周波数についての位相差を実験的に決定できる。
図2は、信号位相のアンラップ処理を示す。アンラップ処理とは、測定データの2πの整数倍の位相飛びを補正することで、測定データを連続的につなげる処理である。測定原理上、測定で得られる位相データ(φ(ω)およびφ(ω))は2πの範囲に制限されるが、位相飛びが生じるごとに2πn(nは正の整数)の補正量を追加することで、位相データの連続性が得られる。そのため、アンラップ処理したφ(ω)、φ(ω)から求まる測定位相差Δφ(ω)もデータの連続性が得られる。このようにして得られたアンラップ処理後の測定位相差をΔφ(ω)と再定義する。
以下では、アンラップ処理後のデータを考える。位相差ΔΦ(ω)は、(5)式で表される。
Figure 0007397427000005
(5)式では、(4)式のM(ω)に替えて、特定の周波数における位相の不定パラメータをM(定数)と定義し、アンラップ処理した測定位相差Δφ(ω)に2πMを加算した位相差の値をΔΦ(ω)と再定義している。
上記の4種類のパラメータのうち、M(ω)については、アンラップ処理を施すことである一つの周波数におけるMを決定すれば十分となった。
試料の厚さdと整数Mの決定については、dとMを順次決定する手法Aと、dとMを同時に決定する手法Bがある。それぞれについて説明する。
<手法A>
アンラップ処理の後に、Mの整数値を仮決めし、仮決めしたMの値を用いて試料の厚さdを決定する。その後、決定されたdの値を用いて、整数Mの正しい値を求める。Mの値の仮決めは、たとえば、図3のようにして決定することができる。
図3は、Mの初期値(仮の値)の決定を説明する図である。測定データにアンラップ処理を施して得られた測定位相差Δφを外挿補間して、y切片を求める。このy切片を2πで割り算し、整数に丸め込んだ値の絶対値をMiniとおく。決定されたMiniの値を初期値として用いる。
(5)式から、
ΔΦ(ω)=Δφ(ω)+2πMini (5)'
となる。
整数Mの仮値として初期値Miniを選択したならば、n(ω)とk(ω)の周波数依存性のなめらかさ、すなわち、試料15の界面での多重反射に起因する振動構造を基準として、試料の厚さdを決定する。厚さdを求める処理では、(5)'式で求めたΔΦ(ω)を使う。
試料15の確からしい厚さの範囲から選択された値dを、下記の(6)式と(7)式に代入して、n(ω)とk(ω)を計算する。
Figure 0007397427000006
ここで、cは真空中の光速、Nは、N=n(ω)+ik(ω)である。tasは空気から試料への界面の透過係数、tsaは試料から空気への界面の透過係数、rsaは試料から空気への界面での反射係数である。
Figure 0007397427000007
試料の「確からしい厚さ」とは、測定対象の試料の性質から当然に推定される厚さである。たとえば、測定対象が皮膚の表皮であれば数百ミクロンオーダー、皮下組織であれば数ミリオーダー、シリコン薄膜は数百ナノメートルオーダー、といったそれらしい厚さのおおよその見当がつく。
説明をわかりやすくするために、ある値のM、d=dのときの(n(ω),k(ω))を、
Figure 0007397427000008
と表す。dがdの真値と異なる場合、図4A、及び、図4Bのように、nd1,M(ω)とkd1,M(ω)には、周波数に対して振動する成分が現れる。
図4Bで、kd1,M(ω)がある一定値の周辺を振動しているのに対して、図4Aで、nd1,M(ω)は、周波数に対してほぼ線形に値が減少しながら周期的に振動している。
図4Aのnd1,M(ω)の振動の度合いを評価しやすくするために、図5に示す処理を施す。まず、図5の(a)の破線に示すように、nd1,M(ω)を線形近似し、その直線をnd1,M(ω)から引き算する。図5の(b)は、nd1,M(ω)から(a)の直線成分を引き算した結果である。これを、
Figure 0007397427000009
とする。
図5の(b)を見ると、周波数に比例して値が減少する傾向は排除されており、nd1,M(ω)から振動成分のみが抽出されていることがわかる。この
Figure 0007397427000010
を利用し、実部nd1,M(ω)の振動の度合いを表すパラメータとして、(10)式の評価関数En(d,M)を定義する。
Figure 0007397427000011
同様に、虚部kd1,M(ω)についても、(11)式の評価関数Ek(d,M)を定義する。
Figure 0007397427000012
ここで、
Figure 0007397427000013
は、図5で実部nd1,M(ω)に対して行った処理と同様に、kd1,M(ω)を直線近似し、その直線をkd1,M(ω)から引き算することで、kd1,M(ω)の振動成分のみを抽出したものである。nd1,M(ω)、及びkd1,M(ω)から振動成分を抽出する際の近似に用いる関数は、任意の関数でよい。線形近似に限定されず、二次、三次と次数を上げてよい。
次に、厚さdの別の値(dからdまで)についても、En(d,M)とEk(d,M)を計算する。すなわち、
Figure 0007397427000014
を計算する。
これらの候補の中で、EとEの少なくとも一方が最小となるときのdを、真のdの値として採用する。一例として、EnとEkの和が最小となるときのdを真値として用いる。
次に、決定されたdを用いて、不定パラメータである整数Mを決定する。厚さdを決定するときは、仮に設定した初期値Miniを用いていたが、Miniが必ずしも正しいMの値とは限らない。正しい整数Mを、屈折率の周波数依存性の滑らかさ(試料界面における多重反射に起因する振動構造)を基準として決定する。
厚さdの値を上記で決定した真値dに固定し、MをM~Mまで振って、(10)式と(11)式を計算する。すなわち、
Figure 0007397427000015
を計算する。これらの候補の中で、EとEの少なくとも一方が最小となるときのMを(5)'式のMとして採用する。一例として、EnとEkの和が最小となるときのMの値を採用する。
次に、プロセッサ21の複素屈折率算出部203は、決定されたdとM、及びパワー透過率Tを用いて、(6)式と(7)式から、複素屈折率の実部n(ω)と虚部k(ω)を計算する。Mの値は、(6)式の右辺のカッコ内の位相差ΔΦに反映されている。
以上をまとめると、方法(A)では、まずMを適切な値に固定して、試料確からしい厚さの範囲内でdの値を振り、(10)式と(11)式の少なくとも一方を最小にするdを真値とする。
次に、決定されたdを用いて、今度はMを所定の範囲で振って、(10)式と(11)式の少なくとも一方を最小にするMを選択する。決定されたdとMを用いて、(6)式と(7)式を計算して、複素屈折率の解を求める。
<手法B>
手法Aでは、dとMの値を順次決定して、複素屈折率の実部と虚部を求めた。手法Bでは、dとMの両方を同時に振って、(10)式と(11)式を計算し、少なくとも一方の評価関数Eが最小となる(d,M)の組を解とする。ここでは、一例として(10)式と(11)式の和を最小にする(d,M)の組を選択する。
上述のように、Mの範囲としては、アンラップ処理後に仮決めされたMiniを含む一定範囲を用いることができる。dの範囲として、試料厚さの確からしい範囲を用いることができる。
図6は、手法Bの評価方法を示す。図6の(a)は、M,d平面上で評価値Eを白黒でプロットしたものである。グラデーションが濃くなるほど値が小さいことを示している。図6の(b)は、dが520.47μmのときの評価値EのM依存性である。これを見ると、M=820のときに、Eが最小値をとることがわかる。図6の(c)は、M=820のときの評価値Eのd依存性である。dが520.5μmの近傍で、評価値Eは最小値をとっている。
図6の(d)は、(a)の白黒マップを三次元表示したものである。この例で、d=520.47μm、M=820のときに、評価値Eは極小値をとる。この(d,M)の値を用いて、(6)式と(7)式からn(ω)とk(ω)を計算する。
<光学測定方法>
図7は、実施形態の光学測定方法のフローチャートである。この処理フローは、プロセッサ21によって実行される。
まず、試料15を透過した信号光の検出結果を取得する(S11)。信号光の位相と振幅から、試料15のパワー透過率T(ω)と測定位相差Δφ(ω)を求める(S12)。測定位相差とは、パルス光が試料15を透過することで生じた位相差であるが、絶対値ではなく、測定系で4πの範囲で観察される位相差である。測定系で得られる位相差には、2πMの不定性が存在する。
位相の不定性を解消するために、複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする試料厚さ(d)と、2πMの位相シフト量を表す整数(M)を特定する(S13)。複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にするとは、複素屈折率の周波数依存性のスペクトルが最も滑らかになることを意味する。
最後に、整数(M)を含む位相差ΔΦ(ω)、試料厚さ(d)、及びパワー透過率(T(ω))に基づいて、試料の複素屈折率の実部n(ω)と虚部k(ω)を計算し、出力する(S14)。
この方法により、非破壊で、試料の厚さdと複素屈折率の実部、及び虚部を一度に求めることができる。
図8は、図7のステップS13を実現する手法Aのフローチャートである。上述のように、手法Aでは、試料の厚さdと整数Mを順次に求める。まず、試料15の複素屈折率の周波数依存性の振動の度合いを表す評価関数に、整数(M)の固定値(または仮値)と、確からしい範囲の試料の厚さ(d)を代入し、評価値を最小にする厚さ(d)の値を決定する(S131A)。次に、決定した厚さ(d)の値を用いて、所定の範囲でMの値を変化させ、評価値を最小にするMの値を選択する。
手法Aは、dとMを順次に決定するが、計算量が少なく効率的である。
図9は、図7のステップS13を実現する手法Bのフローチャートである。手法Bは、dとMの組を同時に決定する。まず、試料の複素屈折率の周波数依存性の振動の度合いを表す評価関数に、厚さdと整数値Mを代入し、所定の範囲でdとMを同時に振る(S131B)。評価値を最小にする(d,M)の組を選択する(S132B)。
手法Bは、dとMの両方を同時に振るため、計算量は多いが、dとMを同時に決定することができる。
プロセッサ21の能力に応じて、手法Aと手法Bのいずれを用いてもよい。
<効果確認>
図10は、図1Aの光学測定装置10Aで得られたパワー透過率T(f)と、測定位相差Δφ(f)を示す。fは光の周波数であり、光の角周波数ωとは、ω=2πfの関係にある。今回試料15として用いたのは、シリコンウェハである。図10の(a)で、パワー透過率Tは周波数fの関数として所定の周期で変化する。図10の(b)の測定位相差の絶対値を求めるには、(4)式に表されるように2πの整数倍の不定性が加算される。
解析では、手法Bを用いて、Mを773~873の範囲で1ずつ変化させ、同時に、dを515μm~530μmの範囲で0.1μmずつ変化させながら、E(d,M)とE(d,M)を計算する。773≦M≦873というMの範囲は、図3の方法でMの初期値Miniを決めたところ、Mini=873となったことから、(Mini-100)からMiniまでの範囲を設定したものである。
図11の(a)は、E(d,M)+E(d,M)が最小になるときの厚さdをプロットした図、図11の(b)と(c)は、E(d,M)とE(d,M)がそれぞれ最小値をとるときの厚さdをプロットした図である。(a)~(c)のいずれの場合も、d=523.0μmのときに、評価関数が最小値をとることがわかる。このことは、複素屈折率の周波数依存性のなめらかさを評価することで、不定パラメータMにはほとんど依存せずに厚さdを決定できることを裏付けている。
図12は、評価関数の最小値のM依存性をプロットした図である。E(d,M)+E(d,M)、E(d,M)、及びE(d,M)の3パターンの評価関数のすべてで、最小値をとるときのMが、M=828で一致することがわかる。
図13は、d=523.0μm、M=828のときの複素屈折率の実部n(f)と、虚部k(f)をプロットした図である。"H. H. Li, Refractive index of silicon and germanium and its wavelength and temperature derivatives, J. Phys. Chem. Ref. Data 9, 561-658 (1993)"によると、193.414THzにおいて、シリコンの複素屈折率の実部nは3.4757であると示されている。この値は、実施形態の手法による図13の(a)の解析結果とよく一致している。
図13の(a)及び(b)に示す解析結果は、
Figure 0007397427000016
が正しい位相屈折率を反映したものであり、実施形態の手法で決定したMの値、及びΔΦ(f)の絶対値が真の値であることを意味している。
実施形態の解析方法によって、「実験から得られる位相スペクトルΔφ(f)における2πの整数(M)倍の不定性」という問題が解決されている。
最後に、実施形態の方法による複素屈折率測定の精度について言及する。実施形態で、M=828という、不確かさのない整数値が首尾よく決定されている。デュアルコム計測で計測した位相の不確かさが、積算により0.0001radになると仮定するならば、(5)式に立ち戻って考えて、試料15を挿入したことによる位相差ΔΦ(f)は、
ΔΦ(f)=5200.0000±0.0001
の精度で求まったことになる。
このとき、試料の厚さdが一意に決まっていたとすると、(3)式から、n(ω)の決定不確かさは、10-8のオーダーとなり、最小偏角法よりも精度が高い。最小偏角法では、材料をプリズム形状に加工する必要があるが、実施形態の方法では、試料をプリズム形状に合わせて加工する必要はなく、既存の方法よりも簡便かつ高精度に複素屈折率の実部と虚部を求めることができる。
実施形態の方法は、光学測定プログラムによって実現されてもよい。この場合、光学測定プログラムは、プロセッサ21に、
試料を透過した信号光の検出結果を取得する手順と、
検出された 信号光の位相と振幅から試料のパワー透過率T(ω)と測定位相差Δφ(ω)を求める手順と、
複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする試料の厚さ(d)と、位相の不定性を示す整数(M)を特定する手順と、
整数(M)を含む位相差ΔΦ(ω)、試料厚さ(d)、及びパワー透過率(T(ω))に基づいて、試料の複素屈折率の実部n(ω)と虚部k(ω)を決定する手順と、
を実行させることで、複素屈折率の実部、虚部、及び試料の厚さを一度に求めることができる。
10A、10B 光学測定装置
11、12、13 光源
15 試料
16 検出器
20 情報処理装置
21 プロセッサ
22 メモリ
201 透過率・測定位相差算出部
202 試料厚さ・位相シフト量特定部
203 複素屈折率算出部
221 評価関数

Claims (10)

  1. 複数の周波数を含む光を出力する光源と、
    試料を透過した前記光の信号を検出する検出器と、
    検出された前記信号を解析するプロセッサと、
    を有し、
    前記プロセッサは、前記信号の位相と振幅から、前記試料のパワー透過率と、測定位相差を求め、
    前記試料の複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする前記試料の厚さと、前記測定位相差の位相シフト量を示す整数を順次、または同時に特定し、
    前記整数を含む位相差、前記厚さ、及び前記パワー透過率に基づいて、前記試料の複素屈折率の実部と虚部を算出する
    光学測定装置。
  2. 前記複素屈折率の周波数依存性の振動の度合いを表す評価関数を記憶するメモリ、
    をさらに有し、
    前記評価関数は前記厚さと前記整数の関数であり、
    前記プロセッサは、前記評価関数を用いて評価値を計算し、前記評価値を最小にする前記厚さと前記整数を最適値として選択する、
    請求項1に記載の光学測定装置。
  3. 前記メモリは、前記複素屈折率の前記実部の周波数依存性の振動の度合い表す第1評価関数と、前記虚部の周波数依存性の振動の度合いを表す第2評価関数の少なくとも一方を有し、
    前記プロセッサは、前記第1評価関数で計算された第1評価値と、前記第2評価関数で計算された第2評価値の少なくとも一方を最小にする前記厚さと前記整数を前記最適値として選択する、
    請求項2に記載の光学測定装置。
  4. 前記プロセッサは、前記評価関数と前記整数の固定値を用いて、前記試料の厚さの確からしい範囲の中から、前記評価値を最小とする値を、前記厚さの最適値として選択し、その後、選択された前記厚さの値を用いて、所定範囲の整数値から、前記評価値を最小とする前記整数の値を決定する、
    請求項2または3に記載の光学測定装置。
  5. 前記プロセッサは、前記評価関数を用いて、前記試料の厚さの確からしい範囲と、所定範囲の整数値から、前記評価値を最小とする前記厚さと前記整数の組を、最適な組として同時に決定する、
    請求項2または3に記載の光学測定装置。
  6. 前記プロセッサは、前記測定位相差の位相飛びを補正し、補正後の前記測定位相差を直線近似して前記整数の推定値を決定し、
    前記推定値を含む一定範囲の整数値から、前記評価値を最小にする整数値を前記整数の前記最適値として選択する、
    請求項2または3に記載の光学測定装置。
  7. 前記プロセッサは、前記測定位相差の位相飛びを補正し、補正後の前記測定位相差を直線近似して前記整数の推定値を決定し、
    前記推定値を含む一定の範囲の整数を前記所定範囲として用いる、
    請求項4または5に記載の光学測定装置。
  8. 前記光源は、周波数コム光源である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学測定装置。
  9. 試料を透過した信号光を検出し、
    検出された前記信号光の位相と振幅から試料のパワー透過率と測定位相差を求め、
    複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする試料厚さと、位相の不定性を示す整数を決定し、
    前記整数を含む位相差、前記試料厚さ、及び前記パワー透過率に基づいて、試料の複素屈折率の実部と虚部を決定する、
    光学測定方法。
  10. プロセッサに以下の手順を実行させる光学測定プログラム:
    試料を透過した信号光の検出結果を取得させる手順;、
    前記信号光の位相と振幅から前記試料のパワー透過率と測定位相差を求める手順;、
    複素屈折率の周波数依存性の振動を最小にする試料厚さと、位相の不定性を示す整数を特定する手順、及び、
    前記整数を含む位相差、前記試料厚さ、及び前記パワー透過率に基づいて、前記試料の複素屈折率の実部と虚部を決定する手順。
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