JP7395009B2 - インクジェット用イエローインク、画像記録方法、及び画像記録物 - Google Patents

インクジェット用イエローインク、画像記録方法、及び画像記録物 Download PDF

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Description

本開示は、インクジェット用イエローインク、画像記録方法、及び画像記録物に関する。
近年、インクジェット用イエローインクに関する検討がなされている。
例えば、特許文献1には、高い堅牢性を有し、品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクジェット記録用イエローインクとして、高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤及び水から構成されるインクジェット記録用イエローインクにおいて、該水不溶性色材が、少なくとも、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー42、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82、C.I.ソルベントイエロー83:1、C.I.ソルベントイエロー88、C.I.ソルベントイエロー151からなる群から選ばれる1種以上であり、上記高分子分散剤が、疎水性ブロックと親水性ブロックから構成されるブロック共重合体であって、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるものであり、上記親水性ブロックがアニオン性のビニルエーテル類で構成され、さらに上記水不溶性色材が上記高分子分散剤を用いてカプセル化されており、上記高分子分散剤によって分散された上記水不溶性色材の分散体の平均粒径が80nm以下であることを特徴とする、インクジェット記録用イエローインクが開示されている。
また、特許文献2には、ブリーディングが抑制され、更には発色性にも優れた画像を与える新規なインクジェット用インクとして、水、色材、及び水溶性有機溶剤を含有してなるインクジェット用インクであって、上記色材が、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.ダイレクトイエロー132、及びC.I.ダイレクトイエロー59からなる群から選択される1種以上の染料、並びに、C.I.ピグメントイエロー74であり、上記インクの表面張力が、34.0mN/m以上であり、上記水溶性有機溶剤が、上記C.I.ピグメントイエロー74に対する貧溶媒を含み、上記インク中の、上記C.I.ピグメントイエロー74の含有量A(質量%)に対する、上記貧溶媒の含有量B(質量%)の割合(B/A)が、0.75以上4以下であることを特徴とするインクジェット用インクが開示されている。
特許第4522646号公報 特許第5142487号公報
インクジェット用イエローインクを用いて記録されるイエロー画像について、耐候性(詳細には、耐光性、発色性、及び耐溶剤性を総合した性質)を向上させることが求められる場合がある。
しかしながら、レーキイエロー顔料を含有するインクを用いて記録されたイエロー画像は、耐溶剤性に優れるが、耐光性及び発色性に優れない場合があり、その結果、耐候性が不足する場合がある。
一方、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料を含有するインクを用いて記録されたイエロー画像は、耐光性及び発色性に優れるが、耐溶剤性に優れない場合があり、その結果、耐候性が不足する場合がある。
本開示の一態様の課題は、耐候性に優れたイエロー画像を記録できるインクジェット用イエローインク及び画像記録方法、並びに、耐候性に優れたイエロー画像を備える画像記録方法を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> レーキイエロー顔料と、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料と、を含むイエロー顔料と、樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含有する、インクジェット用イエローインク。
<2> 上記イエロー顔料の含有量の合計に対するレーキイエロー顔料の含有量の割合が、10質量%~90質量%である、<1>に記載のインクジェット用イエローインク。
<3> 上記レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料が、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー5、ピグメントイエロー6、ピグメントイエロー10、ピグメントイエロー49、ピグメントイエロー60、ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー116、ピグメントイエロー130、ピグメントイエロー165、ピグメントイエロー167、及びピグメントイエロー203からなる群から選択される少なくとも1種である、<1>又は<2>に記載のインクジェット用イエローインク。
<4> 上記レーキイエロー顔料が、ピグメントイエロー61、ピグメントイエロー62、ピグメントイエロー133、ピグメントイエロー168、ピグメントイエロー169、ピグメントイエロー205、ピグメントイエロー206、ピグメントイエロー209、及びピグメントイエロー212からなる群から選択される少なくとも1種である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のインクジェット用イエローインク。
<5> 上記樹脂が、顔料分散樹脂Aと、顔料分散樹脂A以外の樹脂である樹脂Bと、を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載のインクジェット用イエローインク。
<6> 上記樹脂Bは、ClogPが2.80~5.00であるモノマーに由来する構造単位である単位Xを含み、
上記樹脂BにおいてClogPが2.30以上であるモノマーに由来する構造単位を単位Yとしたときの、上記単位Yの全量中に占める単位Xの割合が、60質量%~100質量%である、<5>に記載のインクジェット用イエローインク。
<7> 上記樹脂BのClogPが0.90~1.50である、<5>又は<6>に記載のインクジェット用イエローインク。
<8> 記録媒体上に、<1>~<7>のいずれか1つに記載のインクジェット用イエローインクを、インクジェット法によって付与する工程を含む、画像記録方法。
<9> 記録媒体と、
記録媒体上に配置され、<1>~<7>のいずれか1つに記載のインクジェット用イエローインクにより形成されたイエロー画像と、
を備える画像記録物。
本開示の一態様によれば、耐候性に優れたイエロー画像を記録できるインクジェット用イエローインク及び画像記録方法、並びに、耐候性に優れたイエロー画像を備える画像記録方法が提供される。
以下において、本開示の内容について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されるものではない。
本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の成分の合計量を意味する。
本開示における「固形分」の語は、溶媒を除く成分を意味し、溶剤以外の低分子量成分などの液状の成分も本明細書における「固形分」に含まれる。
本開示において「溶媒」とは、水、有機溶剤、及び水と有機溶剤との混合溶媒を包含する意味で用いられる。
本開示では、アクリル及びメタクリルの双方或いはいずれかを「(メタ)アクリル」と表記する場合がある。例えば「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸の双方を含むものである。
本開示では、アクリレート及びメタクリレートの双方或いはいずれかを「(メタ)アクリレート」と表記する場合がある。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、置換又は無置換を明記していない化合物については、本開示における効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有していてもよい。
なお、本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示における重量平均分子量(Mw)は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)で測定されるものとする。
GPCは、HLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、カラムとして、TSKgeL Super HZ2000、TSKgeL Super HZ4000、TSKgeL Super HZ-H(いずれも東ソー社製、4.6mm×15cm)の3本を直列に接続し、溶離液としてNMP(N-メチルピロリドン)を用いた。試料濃度を0.3質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、検出器としてはRI(Refractive Index)検出器(示差屈折率検出器)を用いた。また、検量線は、東ソー社製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-80」、「F-20」、「F-4」、「F-2」、「A-5000」、「A-1000」の6サンプルから作製した。
本開示において、「ピグメントイエロー」とは、C.I.(カラーインデックス)ピグメントイエローを意味する。
本開示において、「ピグメントイエロー」を、「PY」と表記することがある。
〔インクジェット用イエローインク〕
<レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料(他のイエロー顔料)>
本開示のインクジェット用イエローインク(以下、単に「インク」ともいう)は、レーキイエロー顔料と、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料と、を含むイエロー顔料と、樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含有する。
本開示のインクによれば、耐候性に優れたイエロー画像を記録できる。
本開示における耐候性は、耐光性、発色性、及び耐溶剤性を総合した性質である。従って、耐光性、発色性、及び耐溶剤性のうちのいずれか1つでも劣化した場合には、耐候性が劣化する。かかる耐候性の評価方法については、実施例における耐候性評価を参照できる。
本開示のインクによって上記効果が奏される理由は、インク中のレーキイエロー顔料により、イエロー画像の耐溶剤性が確保され、かつ、インク中のレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料により、イエロー画像の耐光性及び発色性が確保されるためと考えられる。
本開示のインクにおける水溶性有機溶剤は、インクジェットヘッドからの吐出性(以下、単に、「インクの吐出性」ともいう)の確保に寄与していると考えられる。
本開示のインクにおける樹脂は、基材上に付与されたインクの液滴が乾燥してイエロー画像が得られる際の画質向上に寄与していると考えられる。
上記の効果が維持される限り、本開示のインクは、イエロー顔料として、レーキイエロー顔料とレーキイエロー顔料以外の顔料を含んでいてもよい。例えば、透明性、色相を調整させるためにイエロー以外の顔料、無機顔料、蛍光顔料等を加えてもよい。効果的にイエロー画像の品質を高める観点からは、イエロー顔料としてレーキイエロー顔料およびレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料のみを用いることが好ましい。
<レーキイエロー顔料>
本開示のインクは、レーキイエロー顔料(即ち、レーキ顔料であるイエロー顔料)を少なくとも1種含有する。
レーキイエロー顔料は、イエロー画像(以下、単に「画像」ともいう)の耐候性をより向上させる観点から、
アゾレーキイエロー顔料であることが好ましく、
ピグメントイエロー61、ピグメントイエロー62、ピグメントイエロー133、ピグメントイエロー168、ピグメントイエロー169、ピグメントイエロー205、ピグメントイエロー206、ピグメントイエロー209、及びピグメントイエロー212からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
<レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料>
本開示のインクは、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料を少なくとも1種含有する。
これにより、画像の耐光性及び発色性が向上する。
レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料は、画像の耐候性をより向上させる観点から、
アゾイエロー顔料であることが好ましく、
ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー5、ピグメントイエロー6、ピグメントイエロー10、ピグメントイエロー49、ピグメントイエロー60、ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー116、ピグメントイエロー130、ピグメントイエロー165、ピグメントイエロー167、及びピグメントイエロー203からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
イエロー画像の耐候性の観点から、本開示のインクに含有される全てのイエロー顔料(レーキイエロー顔料とレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料との含有量の合計)中に占めるレーキイエロー顔料の割合は、10質量%~90質量%であることが好ましく、20質量%~80質量%であることがより好ましく、30質量%~70質量%であることが更に好ましい。
本開示のインクに含有されるイエロー顔料の総含有量(レーキイエロー顔料とレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料との合計量)は、インクの全量に対し、1質量%~20質量%であることが好ましく、2質量%~15質量%であることがより好ましく、3質量%~10質量%であることが更に好ましい。
<レーキイエロー顔料とレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料との好ましい組み合わせ>
記録されるイエロー画像の耐候性の観点から、本開示のインクにおいて、レーキイエロー顔料とレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料との組み合わせとしては、
レーキイエロー顔料が、ピグメントイエロー168、ピグメントイエロー169、ピグメントイエロー209、およびピグメントイエロー61からなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料が、ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー10、およびピグメントイエロー203からなる群から選択される少なくとも1種である組み合わせが好ましく、
レーキイエロー顔料が、ピグメントイエロー168、または、ピグメントイエロー169であり、かつ、
レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料が、ピグメントイエロー74、または、ピグメントイエロー65である組み合わせがより好ましい。
<樹脂>
本開示のインクは、樹脂を少なくとも1種含有する。
(顔料分散樹脂A)
本開示のインクにおける樹脂は、顔料分散樹脂Aを少なくとも1種含むことが好ましい。これにより、インク中におけるイエロー顔料(以下、単に「顔料」ともいう)の分散安定性がより向上する。
顔料分散樹脂Aとしては、例えば、顔料の表面の一部又は全部に付着し、顔料を分散させる分散剤として機能する樹脂を用いる。
顔料分散樹脂Aは、好ましくは、リン酸基、スルホン酸基(スルホ基)、及びカルボン酸基(カルボキシ基)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸基を含む。
顔料分散樹脂Aが酸基を含む場合には、水中での疎水的な顔料の分散性をより高めることができる。
顔料分散樹脂Aは、酸基としてカルボン酸基を含むことがより好ましい。
酸基は、酸基を含むモノマーを重合させることによりポリマーに導入してもよい。顔料分散樹脂Aは、酸基を含むモノマー由来の構造単位を含むことが好ましい。
顔料分散樹脂Aに適用され得る、酸基、及び、酸基を含むモノマー由来の構造単位の好ましい態様は、後述する樹脂Bに適用され得る、酸基、及び、酸基を含むモノマー由来の構造単位の好ましい態様と同様である。
顔料分散樹脂Aが酸基を含むモノマー由来の構造単位を含む共重合体である場合、酸基を含むモノマー由来の構造単位の顔料分散樹脂A中における含有比は、顔料分散性の観点から、顔料分散樹脂Aの全量に対して、5質量%~40質量%が好ましく、8質量%~20質量%がより好ましい。
顔料分散樹脂Aは、好ましくは、芳香環を含む。芳香環は、芳香環を含むモノマーを重合させることにより、芳香環を含むモノマー由来の構造単位としてポリマーに導入してもよい。顔料分散樹脂Aが芳香環を含む場合、樹脂中に存在する芳香環の作用により顔料分酸樹脂Aが疎水的になるので、顔料分散樹脂Aは顔料に付着しやすくなる。このため、顔料分散樹脂Aにより水中における顔料の安定性を高めることができる。
芳香環は、芳香族性をもつ環状不飽和環のことである。
芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環等の芳香族炭化水素環;ピリジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾリル環、アクリドン環等の複素芳香族環;などが挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環が好ましい。
芳香環を含むモノマーとしては、芳香環及びエチレン性不飽和二重結合を含むモノマーが好ましく、芳香環を含むビニルモノマーがより好ましい。芳香環を含むモノマーの例としては、スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルピリジン、ジアリルフタレート等、及び、芳香環を含む(メタ)アクリレート(例:ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等)などを挙げることができる。
芳香環を含むモノマーは、無置換でもよいし、置換基で置換された置換モノマーでもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、カルボン酸基、水酸基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1~12(好ましくは炭素数1~8)のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル等が挙げられる。アルキル基は、無置換でもよいし、上記と同様の置換基を有していてもよい。
芳香環を含むモノマー由来の構造単位の具体例を以下に示す。
芳香環を含むモノマー由来の構造単位は、以下の具体例に限られるものではない。
なお、各構造中の「*」は、結合手を示す。また、「iBu」はイソブチルを表し、「nBu」はノルマルブチルを表し、「tBu」はターシャルブチルを表す。
芳香環を含むモノマー由来の構造単位の、顔料分散樹脂A中における含有量としては、顔料分散樹脂Aの1分子中の全量に対して、50質量%~85質量%が好ましく、50質量%~80質量%がより好ましく、60質量%~80質量%がさらに好ましい。
顔料分散樹脂Aは、芳香環を含むモノマー由来の構造単位以外に、芳香環を含まないモノマー由来の構造単位を含むことができる。
芳香環を含まないモノマー由来の構造単位としては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート等を好適に挙げることができる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、アルキル部位の炭素数が1~20であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
顔料分散樹脂Aの具体例としては、以下の共重合体を挙げることができる。共重合体中のモノマーの質量比率は、重量平均分子量の範囲を満たす範囲で適宜選択することができる。なお、本開示は、以下の具体例に限られるものではない。
・ベンジルメタクリレート/アクリル酸共重合体
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
・スチレン/アクリル酸/アルキルアクリレート共重合体
・スチレン/アクリル酸/アルキルメタクリレート共重合体
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/アルキルメタクリレート共重合体
・フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/アルキルメタクリレート共重合体
・フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/アルキルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体
顔料分散樹脂Aの酸価は、顔料の分散性、分散安定性の観点から、50mgKOH/g~180mgKOH/gであることが好ましく、50mgKOH/g~150mgKOH/gであることがより好ましく、50mgKOH/g~120mgKOH/gが更に好ましい。
酸価は、指示薬の滴定により測定することができ、日本工業規格(JIS)K0070:1992に記載の方法により測定される値である。
顔料分散樹脂Aの重量平均分子量(Mw)としては、1,000~100,000が好ましく、10,000~50,000がより好ましい。
インク中における顔料分散樹脂Aの含有量は、顔料の分散性を良好にする観点から、顔料の含有量に対し、10質量%~80質量%が好ましく、25質量%~70質量%がより好ましい。
(樹脂B)
本開示のインクにおける樹脂は、顔料分散樹脂A以外の樹脂である樹脂Bを少なくとも1種含むことが好ましい。
本開示のインク中における樹脂が樹脂Bを含む場合には、記録媒体上に付与されたインクにおいて、樹脂Bによる増粘作用によってインク滴の移動が抑制され、これにより、画像の画質がより向上する。例えば、画像の精細さがより向上し、かつ、画像の滲みがより抑制される。
樹脂Bは、上記効果をより効果的に発揮する観点から、水溶性樹脂であることが好ましい。
本開示において、水溶性樹脂における「水溶性」とは、25℃の水100gに対する溶解量が1g以上である性質を意味する。「水溶性」として、好ましくは、25℃の水100gに対する溶解量が3g以上(より好ましくは10g以上)である性質である。
-単位X-
樹脂Bは、画像の耐ブロッキング性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、ClogPが2.80~5.00であるモノマーに由来する構造単位である単位Xを含むことが好ましい。
上記モノマーのClogPが2.80以上であることは、画像中における水分の残存抑制に寄与し、その結果、画像の耐ブロッキング性向上に寄与する。
上記モノマーのClogPが5.00以下であることは、インクジェットヘッドのインク吐出面に設けられる撥液膜におけるインクの残存抑制に寄与し、その結果、インクの吐出性向上に寄与する。
本開示において、モノマーに由来する構造単位とは、該当するモノマーの重合によって形成される構造単位を意味する。
ClogPは、化合物の疎水性を表すパラメータである。ClogPの値が高いほど、化合物の疎水性が高いことを示す。
本開示において、ClogPとしては、PerkinElmer Informatics社製のChemDraw(登録商標)Professional(ver.16.0.1.4)を使用して計算されたClogPを用いる。
単位Xを形成するためのモノマーである、ClogPが2.80~5.00であるモノマーを以下に例示する。
以下の例示中、カッコ内の数値は、該当するモノマーのClogPを意味する。
ClogPが2.80~5.00であるモノマーとしては、
デシルメタクリレート(5.87)、
イソボルニルメタクリレート(4.97)、
2-エチルヘキシルアクリレート(4.37)、
α-メチルスチレン(3.27)、
スチレン(2.87)、
等が挙げられる。
樹脂Bにおいて、ClogPが2.30以上であるモノマーに由来する構造単位である単位Yの全量中に占める単位Xの割合は、好ましくは60質量%~100質量%であり、より好ましくは80質量%~100質量%である。
単位Xの割合が60質量%~100質量%である場合には、インクの吐出性がより向上する。
-単位Y-
単位Yは、ClogPが2.30以上であるモノマーに由来する構造単位である。
単位Yは、単位Xの概念を包含し、かつ、単位Xよりも広い概念である。
単位Yのうち、単位X以外の構造単位を形成するためのモノマー(即ち、ClogPが2.30以上2.80未満であるモノマー)を以下に例示する。
以下の例示中、カッコ内の数値は、該当するモノマーのClogPを意味する。
ClogPが2.30以上2.80未満であるモノマーとしては、
n-ブチルメタクリレート(2.69)、
n-ブチルアクリレート(2.38)、
等が挙げられる。
樹脂Bにおいて、単位Yの含有量は、樹脂Bの全量に対し、3質量%~80質量%であることが好ましく、3質量%~50質量%であることがより好ましく、5質量%~50質量%であることが更に好ましい。
樹脂Bが単位Yを含む場合、樹脂Bは、単位Y以外の構造単位(即ち、ClogPが2.30未満であるモノマーに由来する構造単位)を含んでいてもよい。
ClogPが2.30未満であるモノマーとしては、後述する、酸基を含むモノマー、アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
-酸基-
樹脂Bは、リン酸基、スルホン酸基(即ち、スルホ基)、及びカルボン酸基(即ち、カルボキシ基)からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸基を含むことが好ましい。
これにより、画像の画質がより向上する。
酸基の中でも、インクの増粘作用を発現しやすく、画像の画質をより向上させ得る点で、カルボン酸基が好ましい。
樹脂Bに含まれ得る上記酸基は、塩基によって中和された酸基(例えば、-COONa)であってもよいし、中和されていない酸基(例えば、-COOH)であってもよい。
また、インク中の樹脂Bが、塩基によって中和された酸基と、中和されていない酸基と、の両方を含んでいてもよい。
インク中の樹脂Bが、塩基によって中和された酸基を含む場合には、樹脂Bの水溶性がより高められるので、好ましい。
塩基としては、酸基を中和し得るものであれば制限はない。塩基の例としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物等の無機塩基、及び有機アミン等の有機塩基が挙げられる。
アルカリ金属としては、例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)が挙げられる。
アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)等が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、アンモニア、1級アミン(例えば、エチルアミン、モノエタノールアミン等)、2級アミン(例えば、ジエチルアミン、エチレンジアミン等)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、イソプロピルエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン等)、4級アンモニウム塩が挙げられる。中でも、有機アミンとしては、保存安定性の観点から、沸点が80℃以上である有機アミンが好ましい。
保存安定性の観点から、塩基としては、アルカリ金属の水酸化物又は有機アミンが好ましく、アルカリ金属の水酸化物又は沸点が80℃以上である有機アミンがより好ましい。
沸点が80℃以上である有機アミンとしては、例えば、エチレンジアミン(117℃)、トリエチルアミン(90℃)、モノエタノールアミン(170℃)、トリエタノールアミン(208℃)、イソプロピルエチルアミン(127℃)、ピロリジン(87℃)、ピペリジン(106℃)等が挙げられる。
酸基の樹脂B中における含有量としては、記録時にインクの増粘作用を良好に発現させる観点から、5質量%~40質量%が好ましく、7質量%~25質量%がより好ましい。
樹脂Bは、記録時にインクの増粘作用を良好に発現させる観点から、酸基としてカルボン酸基を含むことが好ましい。
樹脂Bは、酸基としてカルボン酸基を含み、かつ、カルボン酸基の40モル%以上が塩基によって中和されたものであることがより好ましい。
この場合、カルボン酸基の全体に対する中和されたカルボン酸基の比率(以下、「カルボン酸の中和度」ともいう)は、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上が更に好ましい。また、カルボン酸基の中和度(即ち、中和されたカルボン酸基の比率)の上限は、100モル%とすることができる。
酸基は、酸基を含むモノマーを重合させることにより樹脂Bに導入してもよい。樹脂Bは、酸基を含むモノマー由来の構造単位を含むことが好ましい。
酸基を含むモノマー由来の構造単位の具体例を以下に示す。
酸基を含むモノマー由来の構造単位としては、以下の各具体例の構造単位中の酸基(例えば-COOH)が中和され、酸基の塩(例えば-COONa)となっている構造単位も挙げられる。
酸基を含むモノマー由来の構造単位は、これらの具体例に限られるものではない。
樹脂Bが酸基を含むモノマー由来の構造単位を含む場合、酸基を含むモノマー由来の構造単位の含有量は、樹脂Bの全量に対して、5質量%~40質量%が好ましく、8質量%~20質量%がより好ましい。
-アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位-
樹脂Bは、アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位を含んでいてもよい。
アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、及びプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位の含有量は、樹脂Bの全量に対して、3質量%~80質量%であることが好ましく、5質量%~75質量%であることがより好ましく、15質量%~75質量%であることが更に好ましい。
樹脂Bの重量平均分子量は、5,000~100,000であることが好ましい。樹脂Bの重量平均分子量が上記範囲であると、画像のにじみ及びブロッキングがより抑制される。また、インクの吐出性により優れる。
樹脂Bの重量平均分子量としては、インクの吐出性の点で、10,000~80,000がより好ましく、10,000~30,000が更に好ましい。
樹脂Bの酸価は、28mgKOH/g~230mgKOH/gであることが好ましい。酸価が230mgKOH/g以下であると、少量の水溶性ポリマーであってもインクの増粘効果が得られやすく、画像中のにじみが改善される。また、酸価は、インクの増粘効果の観点から、50mgKOH/g以上がより好ましく、更には、100mgKOH/g以上としてもよく、150mgKOH/g以上としてもよい。
酸価は、顔料分散ポリマーAと同様に指示薬の滴定により測定することができ、日本工業規格(JIS)K0070:1992に記載の方法により測定される値である。
樹脂Bのガラス転移温度(Tg)としては、80℃以上であることが好ましい。Tgが80℃以上であると、画像のブロッキングがより抑制される。
樹脂BのTgとしては、95℃以上がより好ましく、110℃以上が更に好ましい。また、樹脂BのTgの上限は、合成適性の点で、250℃以下が望ましい。
Tgは、水溶性ポリマーの溶液を150℃で6時間減圧乾燥した試料を用意し、示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定されるものである。DSCとしては、例えば、日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計(DSC)DSC7000Xを用いることができる。
インク中の樹脂Bの含有量としては、インクの全量に対して、1質量%~10質量%であることが好ましい。
樹脂Bの含有量が1質量%以上であると、インクの増粘効果が得られやすい。
樹脂Bの含有量が10質量%以下であると、インクの吐出性がより向上する。
(顔料分散樹脂A及び樹脂Bの好ましいClogP)
顔料分散樹脂Aは、顔料へ付着して分散性を高めやすいという観点から、樹脂Bに比べて疎水的な性質を有すること、即ち、ClogPが樹脂BのClogPよりも大きい樹脂であることが好ましい。顔料分散樹脂AのClogPは、1.75以上であることが好ましく、1.80以上であることがより好ましく、1.85以上であることが更に好ましい。
一方、樹脂Bは、インク中に溶解され、記録媒体に付与されたインクを増粘させる作用(即ち、画質向上効果)を効果的に発揮させる観点から、顔料分散樹脂Aに比べて親水的な性質を有すること、即ち、ClogPが顔料分散樹脂AのClogPよりも小さい樹脂であることが好ましい。
樹脂BのClogPは、1.80以下であることが好ましく、1.74以下であることがより好ましく、1.72以下であることが更に好ましく、1.70以下であることが更に好ましい。
画像の耐ブロッキング性及びインクの吐出性をより向上させる観点からみると、樹脂BのClogPは、更に好ましくは0.90~1.50であり、更に好ましくは0.95~1.45であり、更に好ましくは0.97~1.43である。
樹脂BのClogPが0.90以上である場合には、画像の耐ブロッキング性がより向上する。
樹脂BのClogPが1.50以下である場合には、インクの吐出性がより向上する。
顔料の分散安定性及び記録媒体に付与されたインクの増粘作用(即ち、画質向上効果)をより効果的に発揮させる観点から、本開示のインクにおいて、顔料分散樹脂AのClogPが1.75以上であり、かつ、樹脂BのClogPが1.74以下であることが好ましい。
各樹脂のClogPは、その樹脂を形成するための各モノマーのClogPを加重平均することによって算出する。例えば、ポリアクリル酸のClogPは、アクリル酸のClogPとして計算し、ポリアクリル酸-ポリメタクリル酸共重合体(共重合比=50:50[質量比])のClogPは、アクリル酸のClogP及びメタクリル酸のClogPの各々に質量比率(この場合はそれぞれ0.5)を乗算し、得られた値の合計値を、ポリアクリル酸-ポリメタクリル酸共重合体(共重合比=50:50[質量比])のClogP値とする。
なお、各モノマーのClogPとしては、前述した通り、PerkinElmer Informatics社製のChemDraw(登録商標)Professional(ver.16.0.1.4)を使用して計算されたClogPを用いる。
<水>
本開示のインクは、水を含有する。
インクの全量に対する水の含有量は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上である。
インクの全量に対する水の含有量の上限は、他の成分の含有量にもよるが、例えば、99質量%、90質量%、80質量%等である。
<水溶性有機溶剤>
本開示のインクは、水溶性有機溶剤を少なくとも1種含有する。これにより、インクの吐出性が確保される。
本開示において、水溶性有機溶剤における「水溶性」とは、20℃の100gの水に5g以上溶解する性質をいう。
水溶性有機溶剤の例としては、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルカンジオール(多価アルコール);糖アルコール;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール等の炭素数1~4のアルキルアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン等のアミド化合物;などが挙げられる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、110℃~240℃の沸点を有する第1の有機溶剤を含むことが好ましい。第1の有機溶剤を含むことにより、高沸点溶剤(例えば245℃~300℃の沸点を有する第2の有機溶剤)の含有量を相対的に減らすことができる。これにより、インクの乾燥性が向上し、画像のブロッキングを改善できる。
110℃~240℃の沸点を有する第1の有機溶剤は、例えば、エチレングリコール(198℃)、プロピレングリコール(188℃)、ジプロピレングリコール(230℃)、エチレングリコールモノメチルエーテル(124℃)、エチレングリコールジエチルエーテル(162℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(120℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(194℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(188℃)、N-メチルピロリドン(202℃)等が挙げられる。
245℃~300℃の沸点を有する第2の有機溶剤は、例えば、ジエチレングリコール(245℃)、グリセリン(290℃)、2-ピロリドン(245℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(248℃)等が挙げられる。
第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤は、ヘッドメンテナンス性の観点から、アルコール系有機溶剤及びエーテル系有機溶剤が好ましい。アルコール系有機溶剤及びエーテル系有機溶剤は、ポリマー成分と相互作用しやすいアミド化合物(2-ピロリドン等)等の有機溶剤に比べ、吐出ヘッドの内部に付着し難いので、吐出ヘッドのメンテナンス性が良好になる。
アルコール系有機溶剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
エーテル系有機溶剤としては、例えば、上記のエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール又はグリセリンのアルキルエーテル等が挙げられる。
エーテル系有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のアルキルエーテルを挙げることができる。
本開示では、第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤は、各々、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びグリセリン並びにこれらのアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1つのアルコール系有機溶剤であることが好ましい。
水溶性有機溶剤が第1の有機溶剤を含む場合、第1の有機溶剤の含有量(S)に対する第2の有機溶剤の含有量(S)の質量比(S/S)は、0~0.3の範囲が好ましい。S/Sが上記範囲内であると、沸点の高い有機溶剤の量が低く抑えられるので、乾燥後の画像のベタツキが抑制される。
/Sとしては、上記と同様の理由から、0~0.2の範囲がより好ましい。
本開示のインクは、本開示における効果を著しく損なわない範囲で、上記の水溶性有機溶剤以外の他の有機溶剤を含有してもよい。
第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤のインク中における総量は、インクの全量に対して、5質量%~30質量%であることが好ましい。
第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤の総量が上記範囲内であると、有機溶剤量が低く抑えられるので、乾燥後の画像のベタツキが抑制される。また、第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤の総量が5質量%以上であることで、吐出ヘッド内の空気界面で生じるインクの固化物に起因した吐出孔の詰まりの発生が抑制され、インクの吐出性が良好になる。
第1の有機溶剤及び第2の有機溶剤の総量としては、上記と同様の理由から、7.5質量%~40質量%の範囲がより好ましく、10質量%~30質量%の範囲が更に好ましい。
-その他成分-
本開示のインクは、上記した成分に加え、本開示における効果を著しく損なわない範囲で、必要に応じて、更にその他成分を含有することができる。
その他成分としては、乾燥防止剤(膨潤剤)、着色防止剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤等が挙げられる。
-インクの物性-
1.表面張力
インクの表面張力としては、特に制限はなく、例えば、20mN/m以上とすることができる。記録媒体に対する塗布性の観点から、25mN/m~40mN/mが好ましく、27mN/m~37mN/mがより好ましい。
インクの表面張力は、Automatic Surface Tensiometer
CBVP-Z(協和界面科学株式会社製)を用い、プレート法により25℃の条件下で測定される値である。インクの表面張力は、例えば界面活性剤を添加することで調整することができる。
2.pH
インクのpH(25℃±1℃)は、6~10が好ましく、7~10がより好ましい。
pHは、25℃環境下において、インクを25℃に調温した状態でpHメーター(例えば、東亜DDK社製のWM-50EG)を用いて測定される値である。
3.粘度
インクの粘度は、インクの吐出性の観点等から、1mPa・s~30mPa・sの範囲が好ましく、1mPa・s~20mPa・sの範囲がより好ましく、2mPa・s~15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2mPa・s~10mPa・sの範囲が特に好ましい。
粘度は、25℃の条件下で測定された値を意味する。粘度は、例えばVISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて測定できる。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、記録媒体上に、上述した本開示のインクを付与して画像(本開示のインクの乾燥物)を記録する工程(以下、インク付与工程ともいう)を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いて画像を記録するので、本開示の画像記録方法によれば、本開示のインクによって得られる効果と同様の効果が得られる。
-記録媒体-
本開示の画像記録方法における記録媒体としては、セルロースを主体とした印刷用紙(例:上質紙、コート紙、アート紙)を用いることができる。
記録媒体としては、一般に市販されているものを適宜選択することができ、例えば、王子製紙社製の「OKプリンス上質」、日本製紙社製の「しらおい」、及び日本製紙社製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A);日本製紙社製の「シルバーダイヤ」等の上質コート紙;王子製紙社製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙社製の「オーロラS」等の微塗工紙;王子製紙社製の「OKコートL」及び日本製紙社製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3);王子製紙社製の「OKトップコート+」及び日本製紙社製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2);王子製紙社製の「OK金藤+」及び三菱製紙社製の「特菱アート」等のアート紙(A1);などが挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷等に用いられるいわゆる塗工紙(コート紙)が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙、中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。中でも、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを含む塗工紙が好ましく、アート紙、コート紙、軽量コート紙又は微塗工紙がより好ましい。
記録媒体の水の吸収係数Kaは、色材の移動抑制効果が期待でき、従来以上に色濃度及び色相の良好な高品位な画像を得る観点から、0.05mL/m・ms1/2~0.5mL/m・ms1/2が好ましく、0.1mL/m・ms1/2~0.4mL/m・ms1/2がより好ましく、0.2mL/m・ms1/2~0.3mL/m・ms1/2が更に好ましい。
水の吸収係数Kaは、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No51:2000(発行:紙パルプ技術協会)に記載されているものと同義である。吸収係数Kaは、自動走査吸液計KM500Win(熊谷理機社製)を用いて接触時間100msと接触時間900msとにおける水の転移量の差から算出される値である。
-インク付与工程-
インク付与工程では、記録媒体上に、本開示のインクを付与して画像を記録する。
インク付与工程では、記録媒体上に本開示のインクを直接付与する工程であってもよいし、記録媒体の処理液が付与された面に、本開示のインクを付与する工程であってもよい。後者の場合の画像記録方法は、インク付与工程の前に、記録媒体に処理液を付与する処理液付与工程を更に含む。処理液付与工程については後述する。
インクの付与方法としては、記録媒体上にインクを付与可能な方法であれば、特に制限はなく、塗布法、浸漬法、インクジェット法などの公知の方法を利用した態様のいずれを採用してもよい。中でも、種々の記録媒体に対して膜(例えば画像)の形成が行える点で、インクジェット法が好適である。
画像の記録は、インクジェット法によりインクを吐出して行う態様が好ましい。
インクジェット法におけるインクの吐出方式には、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。
インクジェット法としては、特に、特開昭54-59936号公報に記載の方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力により、インクをノズルから吐出させるインクジェット法を有効に利用することができる。
インクジェット法として、特開2003-306623号公報の段落番号0093~0105に記載の方法も適用できる。
インクジェットヘッドの方式としては、短尺のシリアルヘッドを、被記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、被記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式と、がある。
ライン方式では、記録素子の配列方向と交差する方向に被記録媒体を走査させることで被記録媒体の全面に画像記録を行なうことができる。ライン方式では、シャトル方式における、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、ライン方式では、シャトル方式と比較して、キャリッジの移動と被記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、被記録媒体だけが移動する。このため、ライン方式によれば、シャトル方式と比較して、画像記録の高速化が実現される。
インクの付与は、300dpi以上(より好ましくは600dpi以上、更に好ましくは800dpi以上)の解像度を有するインクジェットヘッドを用いて行うことが好ましい。ここで、dpiは、dot per inchの略であり、1inch(1インチ)は2.54cmである。
インクジェットヘッドのノズルから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点から、1pL(ピコリットル)~10pLが好ましく、1.5pL~6pLがより好ましい。
また、画像のムラ、連続階調のつながりを改良する観点から、異なる液滴量を組み合わせて吐出することも有効である。
-他の工程-
本開示の画像記録方法は、必要に応じて、インク乾燥工程、熱定着工程、処理液付与工程、インク除去工程等を含むことができる。
(a)インク乾燥工程
インクの付与後には、付与されたインクを加熱乾燥させてもよい。
加熱乾燥を行うための手段としては、ヒータ等の公知の加熱手段、ドライヤ等の公知の送風手段、及び、これらを組み合わせた手段が挙げられる。
加熱乾燥を行うための方法としては、例えば、記録媒体のインクが付与された面とは反対側からヒータ等で熱を与える方法、記録媒体のインクが付与された面に温風又は熱風をあてる方法、記録媒体のインクが付与された面又はインクが付与された面とは反対側から、赤外線ヒータで熱を与える方法、及びこれらの複数を組み合わせた方法、等が挙げられる。
加熱乾燥時の加熱温度は、55℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、65℃以上が特に好ましい。加熱温度の上限には特に制限はないが、上限としては、例えば150℃が挙げられ、130℃が好ましい。
インクの加熱乾燥の時間には特に制限はないが、3秒~60秒が好ましく、5秒~60秒がより好ましく、10秒~30秒が更に好ましい。
また、インクの付与前に、あらかじめ記録媒体を加熱してもよい。
加熱温度としては、適宜設定すればよいが、記録媒体の温度を20℃~50℃とすることが好ましく、25℃~40℃とすることがより好ましい。
(b)熱定着工程
インク乾燥工程の後に、必要に応じて、熱定着工程を施してもよい。
熱定着処理を施すことにより、記録媒体上の画像が定着され、画像の擦過に対する耐性をより向上させることができる。熱定着工程としては、例えば、特開2010-221415号公報の段落0112~0120に記載の熱定着工程を適用することができる。
(c)処理液付与工程
本開示の画像記録方法は、インク付与工程の前に、記録媒体に処理液を付与する処理液付与工程を更に含んでもよい。
処理液としては、水と、多価金属塩、酸性化合物、及びカチオン性ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である凝集剤と、を含む処理液が挙げられる。
酸性化合物としては、酸が好ましく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、プロパントリカルボン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、シュウ酸、安息香酸が挙げられる。
多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)の塩、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)の塩、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)の塩、ランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸塩、酢酸塩、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。
カチオン性ポリマーの好ましい例としては、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、又はポリアリルアミン及びその誘導体等を挙げることができる。
処理液及び処理液付与工程については、例えば、国際公開第2019/004485号、国際公開第2019/163581号等の公知文献を適宜参照できる。
(d)インク除去工程
インク除去工程は、必要に応じて、インクジェット記録の際に用いた吐出ヘッドに付着したインク(例えば、乾燥により付着したインク固形物)をメンテナンス液により除去する。メンテナンス液及びインク除去工程の詳細は、国際公開第2013/180074号に記載のメンテナンス液及びインク除去工程を適用することができる。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下において、特に断りがない限り、「部」および「%」は質量基準である。
また、以下において、「水」は、特に断りがない限り、イオン交換水を意味する。
〔実施例1〕
<レーキY顔料分散物の調製>
下記素材を混合し、得られた混合物を、混練装置(φ0.5mmジルコニアビーズを充填したダイノーミル KDLA型(WAB製))に投入し、上記混練装置にて、2000rpmで90分間混練を行った。得られた混練物を取り出し、1μmのフィルターでろ過することにより、レーキY顔料分散物を得た。
-レーキY顔料分散物の素材-
・PY168(レーキY顔料)… 15部
・Solsperse43000(Lubrizol製;ClogPは1.85)(顔料分散樹脂A)… 5部
・水… 80部
<レーキY顔料以外のY顔料の分散物の調製>
(水不溶性樹脂P1(顔料分散樹脂A)の合成)
攪拌機及び冷却管を備えた1000mLの三口フラスコに、メチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここに、メチルエチルケトン50gにジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート0.85g、フェノキシエチルメタクリレート50g、メタクリル酸13g、及びメチルメタクリレート37gを溶解した溶液を、3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応させた後、メチルエチルケトン2gにジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液を、過剰量のヘキサンを用いて2回再沈殿させて樹脂を析出させた。析出した樹脂を乾燥させることにより、フェノキシエチルメタクリレート/メチルメタクリレート/メタクリル酸(共重合比[質量比]=50/37/13)共重合体(水不溶性樹脂P1;顔料分散樹脂A)96.5gを得た。
得られた水不溶性樹脂P1の組成は、プロトン核磁気共鳴(H-NMR)法により確認した。GPCにより求めた水不溶性樹脂P1の重量平均分子量(Mw)は、49400であった。さらに、JIS規格(JIS K 0070:1992)に規定される方法によりこの水不溶性樹脂P1の酸価を求めたところ、84.8mgKOH/gであった。
水不溶性樹脂P1のClogPは1.93であった。
(レーキY顔料以外のY顔料の分散物の調製)
下記素材をロールミルで2~8時間混練し、混練物を得た。
-レーキY顔料以外のY顔料の分散物の素材-
・PY74(レーキY顔料以外のY顔料)… 10部
・水不溶性樹脂P1(顔料分散樹脂A)… 4.6部
・メチルエチルケトン… 18部
・1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液… 8.0部
得られた混練物を、水60部に分散させ、分散物を得た。
得られた分散物から、減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した。得られた液体を室温まで冷却し、次いでこの液体に対し、高速遠心冷却機7550(久保田製作所(株)製)及び50mL遠心菅を用い、10000rpmで30分間の遠心処理を施し、その後、沈殿物以外の上澄み液を回収した。
上澄み液について、ナノトラック粒度分布測定装置UPA-EX150(日機装(株)製)を用い、動的光散乱法により体積平均粒子径を測定したところ、91nmであった。
その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、上記上澄み液にイオン交換水を加え、PY74の濃度が14質量%であるY顔料分散物(レーキY顔料以外のY顔料の分散物)を得た。
<樹脂Bの溶液の調製>
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた500ミリリットル三口フラスコに、プロピレングリコール(35g)を仕込んで、窒素気流下で90℃まで昇温した。ここに、V-601(2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、ラジカル重合開始剤;富士フイルム和光純薬株式会社製)5.55g、メタクリル酸(MAA、ClogP=-3.44)10.7g、メタクリル酸メチル(MMA、ClogP=1.11)69.3g、メタクリル酸イソボルニル(IBOMA、ClogP=4.97)20.0g、ドデシルメルカプタン1.63g、及びプロピレングリコール65.00gを混合した混合溶液を、2時間で滴下が完了する滴下条件で等速で滴下した。混合溶液の滴下完了後、1時間攪拌した。続いて、得られた反応混合物に、V-601を1.85gと、プロピレングリコール24.62gとを混合した混合溶液を加え、さらに1.5時間攪拌した。得られた反応混合物にプロピレングリコール120.21gを添加した後、50質量%水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ金属水酸化物)8.56gを滴下ロートで滴下し、樹脂Bの溶液を得た。
ここで、IBOMAは、単位X(即ち、ClogPが2.80~5.00であるモノマーに由来する構造単位)を形成するためのモノマー及び単位Y(即ち、ClogPが2.30以上であるモノマーに由来する構造単位)を形成するためのモノマーの両方に該当する。メタクリル酸は、酸基を含むモノマーであり、メタクリル酸メチルは、アルキル部位の炭素数が1~3であるアルキル(メタ)アクリレートである。
得られた樹脂Bの溶液の組成は、H-NMRで確認し、樹脂Bの溶液の固形分濃度は、30.1質量%であった。
樹脂Bは、分子中に酸基としてカルボキシ基を含み、酸価は、60mgKOH/gであった。樹脂Bは、ClogPが1.40であり、重量平均分子量(Mw)が15,000であり、ガラス転移温度(Tg)が127℃であった。
酸価の測定及びMwの測定は、上記水不溶性樹脂P1(顔料分散樹脂A)と同様の方法により行った。
樹脂BのTgは、以下の方法で測定した。
樹脂Bの溶液を150℃で6時間減圧乾燥したサンプルを用意し、日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計(DSC)DSC7000Xを用いて、昇温速度10℃/分で測定した。
後述の表1~表3中、「樹脂B中のClogP2.30以上のモノマー由来の単位Y(単位Y全体に対する質量%)」欄に、樹脂Bにおける単位Y(即ち、ClogPが2.30以上であるモノマー由来の構造単位)の内訳を示した。ここで、単位Yの合計を100%としている。
樹脂Bには、単位Y以外にも、メタクリル酸(MAA、ClogP=-3.44)に由来する構造単位と、メタクリル酸メチル(MMA、ClogP=1.11)に由来する構造単位と、が含まれている。
単位Yの欄は、更に、「単位X」欄と「単位X以外」欄とに区分され、「単位X」欄及び「単位X以外」欄は、更に、具体的な構造単位に区分されている。但し、具体的な構造単位としては、その構造単位を形成するためのモノマー名(例えば「IBOMA」)を表記している。
「単位X」とは、ClogPが2.80~5.00であるモノマー由来の構造単位を意味し、「単位X以外」とは、単位Yのうち単位X以外の構造単位(即ち、ClogPが2.30以上2.80未満である構造単位、及び、ClogPが5.00超である構造単位)を意味する。
表中の上記モノマー名の略称は以下を意味する。
・IBOMA:イソボニルメタクリレート
・2-HEA:2-エチルヘキシルアクリレート
・α―Me-St:α-メチルスチレン
・DMA:スチレン
・n-DMA:ブチルメタクリレート
・n-BA:n-ブチルアクリレート
<イエローインクの調製>
レーキY顔料分散物、レーキY顔料以外のY顔料の分散物、及び、樹脂Bの溶液を用い、下記の組成になるように諸成分を混合して混合液を調製した。調液後、混合液から5μmフィルターで粗大粒子を除去し、イエローインクを得た。
イエローインクは、粘度4.1mPa・s(25℃)、表面張力38.4mN/m(25℃)、pH8.9(25℃)であった。
-イエローインクの組成-
・PY168(レーキY顔料)… 2.5質量%
・PY74(レーキY顔料以外のY顔料)… 2.5質量%
・Solsperse43000(Lubrizol製;ClogPは1.85)(顔料分散樹脂A)… 1.0質量%
・水不溶性樹脂P1(顔料分散樹脂A)… 1.0質量%
・樹脂B… 3.0質量%
・プロピレングリコール(PG;富士フイルム和光純薬社製)… 20質量%
・グリセリン… 2.5質量%
・オルフィンE1010(日信化学工業株式会社製、ノニオン性界面活性剤)… 1.0質量%
・水… 合計で100質量%となる量
<画像記録>
インクとして上記イエローインクを用い、
記録媒体としてOKトップコート(王子製紙社製)を用い、
インクジェットヘッドとして、記録媒体の移動方向に対して傾斜させて配置されたラインヘッド(リコー社製のプリンターヘッドGELJET GX5000)を用いて、
以下のようにして画像(イエロー画像)を記録した。
上記記録媒体上に、上記インクジェットヘッドから上記イエローインクを、解像度1200×1200dpi(dots per inch)、打滴量2.4pL(ピコリットル)、及びステージ速度635mm/秒の条件にて、20mm×100mmサイズのベタ状に付与した。
イエローインクが付与された記録媒体における、イエローインクが付与された面とは反対側の面を60℃のホットプレートに接触させ、この状態で、記録媒体上のイエローインクに対し、120℃の温風を10秒間吹き付けることにより、記録媒体上のイエローインクを乾燥させた。
以上のようにして、記録媒体上に20mm×100mmサイズのイエローベタ画像を記録し、画像記録物(即ち、記録媒体及びイエローベタ画像を含む画像記録物)を得た。
<評価>
上記画像記録物及び上記イエローインクについて、以下の評価を実施した。
結果を表1に示す。
(画像の耐候性)
上記画像記録物について、アトラス社製ウエザオメータCi4000を用い、ISO 4892-2に準拠し、2,000時間の促進耐候性試験を行った。2,000時間経過後の画像記録物におけるイエローベタ画像を、イソプロピルアルコールを含浸した綿棒にて擦る擦り操作を実施した。
促進耐候性試験及び擦り操作後のイエローベタ画像と、初期(即ち、促進耐候性試験前)のイエローベタ画像と、について、それぞれ、コニカミノルタオプティクス(株)製分光測色計CM-2600dを用い、光源D65、視野角2°、SCE(正反射光除去)の条件にてCIELAB値(L*、a*、b*)を測定した。
測定結果に基づき、色差ΔEを求めた。
得られたΔEに基づき、下記評価基準にて、画像の耐候性を評価した。
下記評価基準において、画像の耐候性に最も優れるランクは5である。
-画像の耐候性の評価基準-
5:ΔEが1.0未満である。
4:ΔEが1.0以上1.5未満である。
3:ΔEが1.5以上2.0未満である。
2:ΔEが2.0以上3.0未満である。
1:ΔEが3.0以上である。
(画像の耐ブロッキング性)
上記画像記録物を2枚準備した。
2枚の画像記録物を、互いのイエローベタ画像同士が接する向きで重ね合わせた。この状態で、2枚の画像記録物を、画像記録物と同サイズの鉄板を用い、0.5kg/cm、30℃、1時間の条件で加圧し、イエローベタ画像同士を密着させた。
次に、2枚の画像記録物を剥がし、下記評価基準により、画像の耐ブロッキング性を評価した。
下記評価基準において、画像の耐ブロッキング性に最も優れるランクは5である。
-画像の耐ブロッキング性の評価基準-
5:イエローベタ画像の剥がれ及び転写が無く、かつ、剥がす際に音が生じない。
4:イエローベタ画像の剥がれ及び転写が無いが、剥がす際に音が生じる。
3:イエローベタ画像の剥がれが無いが、若干の転写(画像全体に対し20面積%以下)が見られる。
2:イエローベタ画像の剥がれが無いが、転写(画像全体に対し20面積%超)が見られる。
1:イエローベタ画像が剥がれる。
(インクの吐出性)
画像記録の操作に従い、イエローベタ画像を毎時2700枚の記録速度で30分連続記録した後、75dpi×2400dpiの線画像が、記録媒体の移動方向に対して平行に配列されている平行線パターン(長さ1cm)を記録した。汎用画像処理装置DA-6000を用い、平行線パターンを構成する線画像の線幅中央の位置を計測し、理論上の中央の位置からずれた距離(ズレ量)の標準偏差σを算出した。得られた結果に基づき、下記評価基準により、インクの吐出性(吐出曲がり)を評価した。
下記評価基準において、インクの吐出性に最も優れるランクは5である。
-吐出性の評価基準-
5:標準偏差σが<2μmである。
4:標準偏差σが2μm≦σ<3.5μmである。
3:標準偏差σが3.5μm≦σ<5μmである。
2:標準偏差σが5μm≦σ<10μmである。
1:標準偏差σが10μm≦σである。
〔実施例2~14〕
インク中におけるY顔料の総含有量(レーキY顔料とレーキY顔料以外のY顔料との総含有量)を一定とした条件で、Y顔料の種類及びY顔料全体に対する質量%を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
結果を表1に示す。
〔実施例15~30〕
樹脂Bの溶液の調製に使用したモノマーの種類及び量を変更することにより、樹脂B中の単位Y(即ち、ClogP2.30以上のモノマー由来の構造単位)の種類、及び、単位Y全体に対する質量%を、表2及び表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。これらの例において、樹脂Bの全量に対する単位Yの含有量は、実施例1における値(即ち、樹脂全量に対して20質量%)と同じになるようにした。
結果を表2及び表3に示す。
〔比較例1~4〕
インク中におけるY顔料の総含有量(レーキY顔料とレーキY顔料以外のY顔料との総含有量)を一定とした条件で、Y顔料の種類及びY顔料全体に対する質量%を表3に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。但し、耐ブロッキング性及び吐出性の評価は省略した。
結果を表3に示す。
表1~表3に示すように、レーキイエロー顔料、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料、樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含有する各実施例のインクによれば、耐候性に優れたイエロー画像を記録できた。
これに対し、インクがレーキイエロー顔料以外のイエロー顔料を含まない比較例1及び3、並びに、インクがレーキイエロー顔料を含まない比較例2及び4では、記録されるイエロー画像の耐候性に劣っていた。
実施例1~14のうち、インクに含有される全てのイエロー顔料中に占めるレーキイエロー顔料の割合が10質量%~90質量%である、実施例1~12は、イエロー画像の耐候性により優れていた。
実施例20~27のうち、インクが樹脂として顔料分散樹脂A及び樹脂Bを含有し、樹脂Bにおいて、単位Yの全量中に占める単位Xの割合が80質量%~100質量%である、実施例20~23は、インクの吐出性により優れていた。
実施例1~30のうち、インクが樹脂として顔料分散樹脂A及び樹脂Bを含有し、樹脂BのClogPが1.43以下である実施例1~29は、インクの吐出性により優れていた。
実施例1~30のうち、インクが樹脂として顔料分散樹脂A及び樹脂Bを含有し、樹脂BのClogPが0.97以上である実施例1~17、20~22、24~26、及び、28~30は、イエロー画像の耐ブロッキング性により優れていた。
〔実施例101〕
下記組成の各成分を混合し、処理液を得た。
-処理液の組成-
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル … 4質量%
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル … 4質量%
・マロン酸(有機酸)… 17.3質量%
・プロパントリカルボン酸(有機酸)… 4.3質量%
・リン酸(無機酸)… 4.3質量%
・ベンゾトリアゾール … 1質量%
・イオン交換水… 合計で100質量%となる量
記録媒体としてOKトップコート(王子製紙社製)上に上記処理液を、ワイヤーバーコーターで約1.7g/mとなるように塗布し、直後に50℃で2秒間乾燥させた。
次に、上記記録媒体の処理液が付与された領域上に、実施例1におけるイエローインクを用い実施例1における画像記録と同様にして、イエローベタ画像を記録し、画像記録物を得た。
上記インク及び上記イエローベタ画像について、実施例1における評価と同様の評価(即ち、画像の耐候性、画像の耐ブロッキング性、及びインクの吐出性の3項目の評価)を行った。その結果、3項目とも、実施例1と同等の結果が得られた。

Claims (8)

  1. レーキイエロー顔料と、レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料と、を含むイエロー顔料と、樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含有
    前記イエロー顔料の含有量の合計に対する前記レーキイエロー顔料の含有量の割合が、30質量%~70質量%である、インクジェット用イエローインク。
  2. 前記レーキイエロー顔料以外のイエロー顔料が、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー5、ピグメントイエロー6、ピグメントイエロー10、ピグメントイエロー49、ピグメントイエロー60、ピグメントイエロー65、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー111、ピグメントイエロー116、ピグメントイエロー130、ピグメントイエロー165、ピグメントイエロー167、及びピグメントイエロー203からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のインクジェット用イエローインク。
  3. 前記レーキイエロー顔料が、ピグメントイエロー61、ピグメントイエロー62、ピグメントイエロー133、ピグメントイエロー168、ピグメントイエロー169、ピグメントイエロー205、ピグメントイエロー206、ピグメントイエロー209、及びピグメントイエロー212からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用イエローインク。
  4. 前記樹脂が、顔料分散樹脂Aと、顔料分散樹脂A以外の樹脂である樹脂Bと、を含む、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェット用イエローインク。
  5. 前記樹脂Bは、ClogPが2.80~5.00であるモノマーに由来する構造単位である単位Xを含み、
    前記樹脂BにおいてClogPが2.30以上であるモノマーに由来する構造単位を単位Yとしたときの、前記単位Yの全量中に占める前記単位Xの割合が、60質量%~100質量%である、請求項に記載のインクジェット用イエローインク。
  6. 前記樹脂BのClogPが0.90~1.50である、請求項又は請求項に記載のインクジェット用イエローインク。
  7. 記録媒体上に、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェット用イエローインクを、インクジェット法によって付与する工程を含む、画像記録方法。
  8. 記録媒体と、
    記録媒体上に配置され、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のインクジェット用イエローインクにより形成されたイエロー画像と、
    を備える画像記録物。
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