JP7388147B2 - 後処理装置及び印刷システム - Google Patents

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Description

本発明は、印刷された媒体を処理する後処理装置及び印刷システムに関する。
特許文献1は、搬送された媒体を積載して出力加工処理を行う中間トレイの一例としての処理トレイと、該処理トレイの媒体積載面に対して垂直に移動して該媒体を駆動させる引き込み部材の一例としての端部整合手段とを備える。更に、該端部整合手段は該媒体の引き込みによって該媒体の端部が当接する面である後端整合部を有し、該端部整合手段は該媒体の後端高さ検知手段による検知手段に基づいて駆動手段を制御する制御手段を有する後処理装置が開示されている。
特開2011-093632号公報
印刷装置の印刷部においては、様々な素材や坪量の媒体に対して印刷が行われ、印刷方式によっては媒体の摩擦係数が変化するものがある。例えば、印刷装置の印刷部の一例としての液体吐出方式においては、印刷された媒体の一例としての用紙が液体を吐出されたことによって、用紙の含水率が増加し、用紙間の摩擦係数が変化する。
用紙を後端整合部に整合するときの引き込み部材は摩擦係数が高い弾性部材が使われることが一般的である。含水した用紙を中間トレイに整合する場合には、含水していない用紙を整合する場合に比べて、用紙間の摩擦係数が高くなる。含水した用紙を引き込む場合には、引き込まれる用紙と中間トレイに積載済の用紙との間の摩擦係数が高くなるため、媒体の後端高さが低いにもかかわらず、引き込み動作時に引き込み部材が必要とされる引込力が大きくなる。そのため、該媒体の端部が後端整合部に到達する時間が長くなる。
特許文献1に記載される後処理装置においては、媒体の後端高さ検知手段の検出結果に基づいて引き込み部材の駆動手段が制御され、引き込み部材が所定時間、媒体を搬送することによって、媒体の後端整合部への引き込みが行われる。しかし、印刷装置の印刷部によって印刷された媒体の含水状態によっては、所定時間では媒体の後端が後端整合部に到達しない虞がある。
上記課題を解決する後処理装置は、印刷装置が有する液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する。
上記課題を解決する印刷システムは、液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する。
一実施形態における印刷システムを示す模式側面図。 中間トレイに媒体を排出するときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 中間トレイに媒体の排出を完了する直前の後処理装置の状態を示す模式側面図。 第2引き込み部材が媒体を引き込む動作を開始するときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 第2引き込み部材が媒体を引き込むときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 第1引き込み部材と第2引き込み部材とが媒体を引き込むときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 第1引き込み部材が媒体を後端整合部に整合させるときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 媒体の整合が終了したときの後処理装置の状態を示す模式側面図。 第1引き込み部材が第2姿勢へと変化するときの後処理装置の動作を示すタイミングチャート。 第1引き込み部材が第3姿勢へと変化するときの後処理装置の動作を示すタイミングチャート。 印刷システムの媒体の整合に関する部分を示すブロック図。 媒体の媒体面状態とパラメーターとの関係を示す相関図。 第1引き込み部材と第2引き込み部材の動作決定の流れを示すフローチャート。 第1引き込み部材と第2引き込み部材の動作方法を決定するサブルーチンを示すフローチャート。 第1引き込み部材が媒体を引き込むときに発生する力を示す模式図。 第1引き込み部材が媒体を後端整合部に整合させるときに発生する力を示す模式図。 第2引き込み部材が媒体を引き込むときに発生する力を示す模式図。 第1引き込み部材が第2姿勢の状態において、媒体が中間トレイに排出されるときに発生する力を示す模式図。 第1引き込み部材が第3姿勢の状態において、媒体が中間トレイに排出されるときに発生する力を示す模式図。 媒体の搬送方向長さが210mm以下のときに、第1引き込み部材と第2引き込み部材に適用する必要回転数増加分の制御テーブルの一例。 媒体の搬送方向長さが210mmを超えるときに、第1引き込み部材と第2引き込み部材に適用する必要回転数増加分の制御テーブルの一例。
以下、一実施形態における搬送装置を備えた印刷システムについて、図面を参照して説
明する。印刷システムは、例えば、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出し、媒体に対して文字や画像を印刷する印刷処理と、その印刷された媒体に対して処理の一例としての所定の後処理とを行う。
<印刷システムの概要>
図1に示すように、印刷システム11は、媒体50に印刷する印刷装置13と、印刷された媒体50に後処理を施す後処理装置200とを備える。印刷装置13は、例えば、媒体50にインクを吐出し、文字や画像を印刷するインクジェット式のプリンターである。後処理装置200は、印刷された媒体50に施す後処理として、1枚毎の媒体50に孔を空けるパンチ処理や複数の媒体50を綴じるステープル処理等を行う。
印刷システム11には、印刷装置13から後処理装置200まで続く図1に二点鎖線で示す搬送路17が設けられている。印刷システム11は、搬送モーター18の駆動により搬送路17に沿って媒体50を搬送する1つまたは複数の搬送ローラー対19を備える。なお、印刷装置13および後処理装置200は、搬送ローラー対19を駆動する搬送モーター18をそれぞれ装置ごとに備えている。印刷装置13および後処理装置200は、装置ごとに複数の搬送モーター18を備えてもよい。
図面では、印刷システム11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、Z軸と交差する面に沿う方向をX軸及びY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、好ましくは互いに直交し、X軸とY軸は、水平面に沿う。以下の説明では、X軸方向を幅方向X、Z軸方向を鉛直方向Zともいう。幅方向Xと直交して搬送路17に沿う方向を搬送方向Y1ともいう。搬送方向Y1は、媒体が搬送路17に沿って搬送される方向であり、搬送路17上の位置に応じて変化する。なお、搬送方向Y1のうち媒体50に印刷が行われる部分の搬送方向は、Y軸に平行であり、これを搬送方向Yともいう。
<印刷システムの全体構成と媒体処理の流れ>
最初に、印刷装置13の構成と媒体処理の流れについて説明する。
図1に示すように、印刷装置13には、媒体50を積層した状態で収容可能なカセット21が着脱可能に設けられている。印刷装置13は、カセット21に収容された媒体50のうち、最上位の媒体50を送り出すピックアップローラー22と、ピックアップローラー22により送り出された媒体50を1枚ずつ分離する分離ローラー23とを備える。
本実施形態においては、印刷装置13は1つのカセット21を備えているが、複数のカセット21を備えることもある。すなわち、カセット21が複数積み重なって構成される。
印刷装置13は、印刷部26を備える。印刷部26は、搬送路17沿いの位置に設けられて媒体50を支持する支持部25と、支持部25により支持された媒体50に液体を吐出して印刷する液体吐出部27とを有する。液体吐出部27は、搬送路17を挟んで支持部25と対向する位置に設けられている。液体吐出部27は、幅方向Xに亘って液体を同時に吐出可能なラインヘッドとしてもよいし、幅方向Xに移動しながら液体を吐出するシリアルヘッドとしてもよい。
印刷装置13は、搬送路17の一部分として、媒体50が排出される排出経路101と、媒体50がスイッチバック搬送されるスイッチバック経路102と、媒体50の姿勢が反転される反転経路103とを備える。液体吐出部27により印刷された媒体50は、排出経路101を通って排出部104に排出される。
図1に示すように、両面印刷を実行する際、片面に印刷された媒体50は、スイッチバ
ック経路102へ搬送された後、逆方向に搬送され、スイッチバック経路102から反転経路103へ搬送される。反転経路103で反転した媒体50は、再び液体吐出部27へ給送され、液体吐出部27により、既に印刷された面とは反対側の面に印刷される。こうして印刷装置13は、媒体50に両面印刷を行う。
印刷装置13は、印刷した媒体50を排出部104または後処理装置200に向けて搬送する。すなわち、印刷装置13は、後処理が指示されていなければ、印刷した媒体50を排出部104へ排出し、後処理が指示されていれば、印刷した媒体50を後処理装置200に向けて搬送する。なお、本実施形態における後処理には、ステープル処理等の媒体50に加工を施す処理の他、媒体50を1部ずつ左右にずらすオフセット処理等の媒体50に加工を施さない処理も含まれる。
<後処理装置の構成と媒体処理の流れ>
次に、後処理装置200の構成と媒体処理の流れについて説明する。
図1に示すように、後処理装置200は、印刷装置13から搬出される媒体50を搬入する搬入部207と、搬入された媒体50に後処理を行う中間トレイ210と、後処理が行われた媒体50を積載する排出スタッカー231とを備える。
搬入部207は、媒体50を受け入れる受入ローラー対201と、受入ローラー対201から中間排出ローラー対202まで印刷装置13が有する液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50を搬送する搬送路17と、媒体50の後端を検出する受入センサー203とを有する。
図1に示すように、搬送路17によって搬送された媒体50が積載される中間トレイ210は、中間トレイ210上において、媒体50の後端を搬送方向Y1と逆方向に引き込む第1引き込み部材211と、第2引き込み部材212と、を有する。第2引き込み部材212は、第1引き込み部材211よりも搬送方向Y1下流側に設けられる。更に、中間トレイ210は、媒体50の後端を整合する後端整合部210a(図2参照)と、媒体50の後端と直交する辺である一対の側端を整合する一対の側端整合部材215とを有する。更に、中間トレイ210は、整合された媒体50に後処理を施す後処理機構240と、後処理後の媒体50を中間トレイ210から排出する排出ローラー対230を有する。
図2に示すように、後処理装置200は制御部250を有する。制御部250は、第1引き込み部材211の動作と、第2引き込み部材212の動作と、側端整合部材215の動作と、後処理機構240の動作と、排出スタッカー231への積載動作とを制御する。
図3に示すように、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を行う媒体50を第1の媒体51とし、その第1の媒体51が引き込まれ、第1引き込み動作を行うときに、中間トレイ210の一番上側に積載されている媒体50を第2の媒体52とする。第1引き込み部材211の引き込み動作を第1引き込み動作という。
受入センサー203は、中間排出ローラー対202よりも搬送方向Y1の少し上流の位置に配置されている。第1の媒体51は中間排出ローラー対202によって搬送される。媒体50が中間トレイ210に積載されるときの中間トレイ210側の面を裏面とし、裏面と反対側の面を表面とする。媒体50の表面と、媒体50の裏面とを合わせて媒体面とする。第1の媒体51の後端51cが中間排出ローラー対202を通過すると、第1の媒体51は第2の媒体52の上に落下する。
第1の媒体51が落下するときに、電動モーター235(図11参照)によって媒体落下部材216が時計回りに短い時間で回動し、すぐに反時計回りに短い時間で回動して元
の位置に戻ることによって、媒体落下部材216は第1の媒体51の落下を加速させる。
第1の媒体51が中間トレイ210に落下した直後は、第1引き込み部材211及び第2引き込み部材212は、第1の媒体51と接触しない角度で停止している。以降は、この角度を「待機角度」という。
図4に示すように、第1の媒体51の後端51cが受入センサー203を通過してから第2処理時間Δ2(図9参照)の経過後に、制御部250は、中間トレイ210の上方に配置された第2引き込み部材212の動作の制御を開始する。すなわち、第2引き込み部材212がW2方向に回転を開始して、搬送方向Y1上流側の後端整合部210aの方向に、第1の媒体51を搬送する。
図5に示すように、中間トレイ210は、搬送方向Y1下流端よりも上流端の方が鉛直方向Zの下方に位置する向きに傾いた傾斜姿勢に配置されているため、中間トレイ210上に落下した第1の媒体51は、重力によって中間トレイ210の上面を搬送方向Y1上流に向かって滑り落ちる方向の力が働く。第2引き込み部材212はW2方向に回転して、第1の媒体51を搬送方向Y1上流側に引き込む。第2引き込み部材212の引き込み動作を第2引き込み動作という。
図6に示すように、制御部250は、第1の媒体51の後端51cが第1引き込み部材211に到達するとき、搬送方向Y1上流側かつ中間トレイ210の上方に配置された第1引き込み部材211の第1引き込み動作の制御を開始する。到達するときとは、媒体50の後端が第1引き込み部材211に当たる直前であり、第1引き込み部材211が第1姿勢の高さに変更されて回転を開始したときに、媒体50の後端が第1引き込み部材211の第1羽根C211cに当たらず、第1羽根A211aが第1の媒体51の表面51aを引き込むタイミングである(図5参照)。この第1引き込み動作によって第1の媒体51が搬送方向Y1上流側へと引き込まれる。すなわち、第1の媒体51の後端51cが搬送路17を通過した後に、第1引き込み部材211が、第1回転モーター213(図11参照)によって、第1姿勢で搬送方向Y1上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する。
第1姿勢とは、第1引き込み部材211が所定の高さでW1方向に回転して第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aへ引き込む姿勢である。第1引き込み部材211の高さとは、中間トレイ210の積載底面210bと、第1引き込み部材211の第1回転中心211e(図15参照)と、の距離である。所定の高さとは、ユーザーが印刷装置13で使用を推奨する種類の媒体50を引き込むのに適した高さである。制御部250は、第1上下動モーター253(図11参照)によって、第1引き込み部材211の姿勢が第1姿勢のときの、第1引き込み部材211の第1回転中心211e(図15参照)の高さを変更できる。
図7に示すように、第1引き込み部材211はW1方向に回転し、第1の媒体51が引き込まれる力を発生させることによって、第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに到達させる。第1引き込み部材211は、第1の媒体51の後端51cを座屈させない程度に、第1の媒体51の後端51cの辺全体を後端整合部210aである基準面に突き当てる。後端整合部210aは、第1引き込み部材211によって引き込まれた第1の媒体51の後端51cと接触し、第1の媒体51の後端51cを整合する。
第2引き込み部材212が第2引き込み動作を開始してからの第2積算回転数は、第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに整合するために必要な回転数である第2必要回転数に達する。そのときに、制御部250は、第2引き込み動作を規制するように
構成されている。
第1の媒体51の側端の整合と、第1の媒体51の後端の整合が終了したとき、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに整合するために必要な第1必要回転数に達する。そのときに、制御部250は、第1引き込み動作を規制するように構成されている。
第1引き込み部材211及び第2引き込み部材212は、それぞれ第1必要回転数、第2必要回転数だけ回転することで、第1の媒体51の後端51cを確実に後端整合部210aに突き当てて整合することができる。そのため、第1引き込み部材211及び第2引き込み部材212の積算の回転数である第1積算回転数、第2積算回転数が第1必要回転数及び第2必要回転数に達したときに、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達したと判断することができる。この第1必要回転数及び第2必要回転数は媒体の状態に応じて変更することができる。以上が、媒体50の整合・積載動作である。
次に後処理についての説明を行う。図8に示すように、中間排出ローラー対202を通過した媒体50は、次々と中間トレイ210に積載される。ユーザーが指定した枚数の媒体50が中間トレイ210に積載されると、後処理機構240は、積載された媒体50の束に対して後処理を行う。例えば、積載された媒体50の束には、ユーザーが指定した綴じ位置にステープル処理が施される。後処理が行われた媒体50の束は、排出ローラー対230によって後処理装置200の外面に沿って昇降可能に配置された排出スタッカー231上に排出される。
後処理された媒体50の束が、中間トレイ210に次々とスタックされる。なお、後処理装置200は、排出スタッカー231上に媒体50の束を1部ずつ幅方向Xにずらして排出するオフセット処理等を行うこともできる。
<後処理装置の各部の動き>
次に、図9に示すタイミングチャートを参照し、第1引き込み部材211の姿勢が第1姿勢から第2姿勢に変化する場合について、複数の媒体50が中間トレイ210に整合されて積みあがっていくときの、後処理装置200の各部の動きを説明する。図9に示すt2~t8の時刻は、それぞれ図2~図8に対応する状態を示している。
搬送モーター208は、後処理動作が開始されると回転を始め、媒体50の受け入れ準備が完了する。印刷ジョブの最終媒体を搬送すると、回転を止める。また、受入センサー203の出力がOFFになる度に、搬送モーター208は回転速度を一時的に遅くする。すなわち、媒体50の後端が中間排出ローラー対202を通過する度に、搬送モーター208が媒体50の搬送速度を落とすことによって、媒体50が中間排出ローラー対202から遠くに飛ばないようにする。
受入センサー203は、媒体50の有無を検知し、その検知対象位置を、媒体50が通過するときは出力がONになり、媒体が通過しないときは出力がOFFになる。なお、受入センサー203の出力がOFFしても、搬送モーター208の回転速度を維持する構成でもよい。
第2回転モーター214は、第2引き込み部材212を回転させる。受入センサー203の出力がONからOFFになるタイミングから第2処理時間Δ2が経過すると、第2回転モーター214はONになる。すなわち、第2引き込み部材212が回転を開始する。第2回転モーター214はONになった後、第2回転時間N2だけ回転すると、第2回転モーター214はOFFになり、第2引き込み部材212が回転を停止する。すなわち、
制御部250は、第2引き込み動作を開始してからの第2積算回転数が、第1の媒体51の後端を後端整合部210aに整合するために必要な第2必要回転数に達したときに、第2引き込み動作を規制するように構成される。
第1上下動モーター253は、第1引き込み部材211の高さを変更する。媒体50を引き込む姿勢である第1姿勢の高さと、媒体50を押さえる姿勢である第2姿勢の高さと、媒体50から離れる姿勢である第3姿勢の高さとを切り換えることができる。また、第1上下動モーター253は、第1姿勢の高さを変更することができる。図9は、第1引き込み部材211の姿勢が、第1姿勢と第2姿勢とで変化している状態を示している。
第1回転モーター213は、第1引き込み部材211を回転させる。受入センサー203の出力がONからOFFになるタイミングから、第1処理時間Δ1が経過すると、第1回転モーター213はONになる。すなわち、第1引き込み部材211が回転を開始する。
側端整合モーター256は、媒体50の後端が後端整合部210aに到達したところで短い時間だけONになり、媒体50の側端整合動作を行う。その後、媒体50の動きが安定したとき、媒体50の後端及び側端の整合動作が完了し、第1回転モーター213はOFFになる。すなわち、第1回転モーター213は回転開始から第1回転時間N1だけ回転して回転を停止することによって、第1引き込み部材211が回転を停止する。そして同時に、第1上下動モーター253は、第1引き込み部材211の高さを第1姿勢の高さから第2姿勢の高さに変更する。すなわち、制御部250は、第1積算回転数が第1必要回転数に達したときに、第1引き込み部材211が第1の媒体51に当たっている状態で、第1引き込み部材211の第1引き込み動作を停止する。そして、制御部250は、第1引き込み部材211の高さを低くし、第1引き込み部材211によって第1の媒体51を押さえ付ける第2姿勢へと変化させる。
第1上下動モーター253によって、第1引き込み部材211の高さが第2姿勢の高さにあるときに、後続の媒体50が中間トレイ210上に排出されると、第2回転モーター214はONになり、第2引き込み部材212は回転を開始する。すなわち、制御部250は、第1引き込み部材211が第2姿勢にあるときに、第2引き込み部材212に第1の媒体51を搬送方向Y1上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始させる。
後続の媒体50の後端が第1引き込み部材211に到達するときに、第1上下動モーター253は、第1引き込み部材211の高さを第2姿勢の高さから第1姿勢の高さに変更し、第1回転モーター213は、第1引き込み部材211を再度回転させる。すなわち、制御部250は、第1の媒体51の後端51cが第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211を第2姿勢から第1姿勢に戻し、第1引き込み動作を再開させるように構成されている。なお、制御部250は、第1の媒体51の後端51cが第1引き込み部材211に到達するまでに、第1引き込み部材211を第2姿勢から第1姿勢に戻し、第1引き込み動作を再開させるように構成されてもよい。
ニップモーター229は、媒体束が後処理機構240によってステープル処理が行なわれるときから、媒体束が排出スタッカー231へ排出されるまでの間、ONになり、排出ローラー対230が媒体束を上下方向からニップする。
排出モーター232は、ステープル処理の終了と同時にONになり、媒体束が排出スタッカー231に排出される。
次に、図10に示すタイミングチャートを参照し、第1引き込み部材211の姿勢が第1姿勢から第3姿勢に変化する場合について、後処理装置200の各部の動きを説明する
。図10に示すt2~t8の時刻は、それぞれ図2~図8に対応する状態を示している。なお、説明が図9と重複する個所は説明を省略する。図10は、第1引き込み部材211の姿勢が、第1姿勢と第3姿勢とで変化する構成を示している。
媒体50の側端整合動作の後に媒体50の動きが安定したとき、第1上下動モーター253は、第1引き込み部材211の高さを第1姿勢の高さから第3姿勢の高さに変更する。すなわち、制御部250は、第1積算回転数が第1必要回転数に達したときに、第1引き込み部材211高さを高くし、第1引き込み部材211を第1姿勢から、第1の媒体51から離間する第3姿勢へと変化させる。このように、第1引き込み部材211は第1の媒体51の引き込みを完了した時点で第3姿勢をとることによって媒体50の過剰な引き込みを防止する。
第1上下動モーター253によって、第1引き込み部材211の高さが第3姿勢の高さにあるとき後続の媒体50が検知されると、検知が終了してからΔ2経過後に、第2回転モーター214がONになり、第2引き込み部材212が回転を開始する。すなわち、制御部250は、第1引き込み部材211が第3姿勢にあるときに、第2引き込み部材212は第1の媒体51を搬送方向Y1上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始する。
第1上下動モーター253は、第1引き込み部材211の高さを第3姿勢の高さから第1姿勢の高さに変更し、第1回転モーター213は、第1引き込み部材211を再度回転させる。すなわち、制御部250は、第1の媒体51の後端51cを第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211は第3姿勢から第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開するように構成されている。なお、制御部250は、第1の媒体51の後端51cを第1引き込み部材211に到達するまでに、第1引き込み部材211は第3姿勢から第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開するように構成されてもよい。
<印刷システムの媒体の整合に関するブロック図>
図11に示すように、印刷システム11は、印刷装置13と後処理装置200とで構成される。
印刷装置13は、印刷装置制御部60によって制御される。印刷装置13は、印刷装置制御部60と、送信部65と、印刷部26と、搬送部64と、操作部62と、環境センサー61とを有する。印刷装置13は、印刷装置13の機能によって、他の要素を有する場合があるが、図11においては、後処理装置200における媒体50の整合に関係しない要素については省略されている。
図11に示すように、送信部65は、外部のネットワークNWに接続されており、ネットワークNWに接続されたサーバーやコンピューター等より印刷命令を受ける。印刷命令には、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、印刷ページ数と各ページにおける印刷データと、片面印刷または両面印刷の指定と、印刷部数と、後処理の種類と、印刷に必要なその他の印刷情報とが含まれる。
印刷情報において、サーバーやコンピューター等が指定するサイズかつ指定する坪量の媒体50が、印刷装置13のカセット21(図1参照)に収容されているときに、送信部65は、その印刷命令を受け付ける。送信部65は、印刷情報を印刷装置制御部60に通知する。印刷装置制御部60は、印刷装置制御部60が送信部65より受け取った印刷命令に応じて、印刷部26と搬送部64の動作を制御して印刷を行う。
図11に示すように、環境センサー61は、環境センサー61が設置された位置の温度と湿度を測定し、印刷装置制御部60に通知する。環境センサー61の目的は、印刷され
る媒体50の環境の温度と湿度を測定することである。そのため、環境センサー61は印刷部26の近くに設置される。
操作部62は、例えば液晶ディスプレイを兼ねたタッチパネルである。印刷システム11がネットワークNWを通じて印刷命令を受けなくても、操作部62からの印刷命令によって、印刷システム11は印刷を行うことができる。
本実施形態においては、印刷システム11は、後処理された媒体50の後端の揃え精度を計測するテストパターンを印刷するテストモードを有している。印刷装置制御部60は、その内部のメモリーに、後処理された媒体50の後端の揃え精度を計測するためのテストパターンのデータを記憶している。印刷システム11はテストパターンを印刷するテスト処理を行うことが可能に構成されている。
図11に示すように、後処理装置200は、制御部250によって制御される。後処理装置200は、後処理機構240を有する。後処理機構240の動作は制御部250によって制御される。制御部250は、テスト処理の結果に応じて、第1引き込み部材211の第1必要回転数と、第1引き込み部材211の高さと、第1必要回転数に達したときの第1引き込み部材211の姿勢と、第2引き込み部材212の第2必要回転数とを変更できる構成になっている。
例えば、印刷システム11のサービスマンが、これらの項目をテスト処理の結果に応じて、操作部62より入力して変更できる。例えば、液体吐出部27により媒体50に吐出された液体の印刷デューティー、印刷後の待機時間、坪量やサイズ、第1引き込み部材211が媒体50を中間トレイ210上で第1引き込み動作を行うときに積載されている媒体の枚数等、およびその組合せによって、異なる数値が入力できる構成になっている。液体吐出部27により媒体50に吐出された液体の印刷デューティーを単に印刷デューティーともいう。
ここで、印刷デューティーは、媒体50の面積当たりの液体吐出量をいう。印刷デューティーは0~100%で示される。本実施形態では、液体吐出部27は、例えば、大中小の3種類のドットサイズで印刷を行う。最大ドットサイズである大ドットの液滴を全てのノズルを用いて吐出して印刷するベタ印刷時における媒体50の面積当たりの液体吐出量を、印刷デューティー100%とする。つまり、印刷デューティーは、ベタ印刷時における面積当たりの液体吐出量を100%とするパラメーターである。また、印刷デューティーは、液体吐出部27の全てのノズルを用いて吐出される液体のドットサイズが同じであれば、印刷解像度が高いほど大きくなる。なお、液体吐出部27は、1種類のドットサイズの液体を吐出する構成でもよい。
図11に示すように、印刷装置13が有する印刷装置制御部60と、後処理装置200が有する制御部250とは互いに情報の受け渡しを行う。媒体50が印刷装置13から後処理装置200に対して搬送されるとき、印刷装置制御部60は、制御部250に対して、これから搬送される媒体50のサイズと、媒体50の坪量とを通知する。その媒体50が部数単位の最終媒体であるときは、部数単位の最終媒体であることを示す信号と、部数単位への後処理の種類とを通知する。
例えば、媒体50が10枚綴じのステープル処理をして排出スタッカー231に排出されるときは、1枚目から9枚目までは、印刷装置制御部60は制御部250に対して、これから搬送される媒体50のサイズと、媒体50の坪量とを通知する。10枚目のときは、これから搬送される媒体50のサイズと、媒体50の坪量とに加えて、部数単位の最終媒体であることを示す信号と、後処理がステープル処理であることとを通知する。したが
って、媒体50が10枚綴じのステープル処理をされて排出スタッカー231に排出される。そして、制御部250は、印刷装置制御部60に対して、全ての処理が正常に終了したことを通知する。送信部65は、ネットワークNWを通じて、印刷命令を受けたサーバーやコンピューター等に、印刷と後処理とが正常に終了したことを通知する。
図11に示すように、本実施形態においては、後処理装置200の制御部250は、媒体50の印刷デューティーの情報と、媒体50の印刷時間に関する情報とを媒体50の媒体面状態に影響する含水情報として、印刷装置13の印刷装置制御部60から取得する。更に、制御部250は、環境センサー61によって得られた印刷装置13が設置されている環境の温度と、印刷装置13が設置されている環境の湿度とを媒体50の媒体面状態に影響する含水情報として、印刷装置13の印刷装置制御部60から取得する。媒体面状態とは、含水率だけでなく、含水や部分的な含水によって発生した媒体50の波うち、部分的な変形、カールを含む。
媒体50の印刷時間に関する情報は、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷時間と、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷後の待機時間と、を含む。媒体50の印刷時間に関する情報は、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷装置内の搬送時間を含んでもよい。媒体50の印刷時間に関する情報は、媒体50の表面に関する情報と、裏面に関する情報と、の両方がある。
以下の説明では、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷時間は「印刷時間」、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷後の待機時間は「待機時間」という。
待機時間とは印刷デューティーが大きい際に、媒体50を印刷装置13内で待機させる時間のことである。これは、媒体50の坪量が小さく印刷デューティーが大きいときに、媒体50の含水率が非常に高くなり、媒体50が搬送路17を正常に搬送できなくなることを防止するために設定される。この待機時間を設定することで、媒体50の含水率が低下し、媒体50の搬送が可能になる。
待機時間は印刷デューティーに応じて、印刷後に媒体50が待機する時間を調整し、媒体50の搬送が可能になるまで媒体50の含水率を低下させる時間であるから、待機時間によって媒体50の含水率はほとんど変わらない。しかし、印刷デューティーが高いほど待機時間は長い。そのため、待機時間における媒体50の乾燥過程での媒体面の収縮によって、待機時間が長いほど媒体面状態は悪くなる。すなわち、媒体面状態の良化に対して、待機時間は影響しない。
印刷デューティーには、搬送路17によって搬送された媒体50の表面に吐出された液体のデューティーである表面デューティーと、搬送路17によって搬送された媒体50の裏面に吐出された液体のデューティーである裏面デューティーがある。
また、媒体50の表面であり、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域における印刷デューティーを接触部表面デューティーという。媒体50の裏面であり、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域と重なる領域における印刷デューティーを接触部裏面デューティーという。接触部表面デューティーと接触部裏面デューティーとを合わせて、接触部デューティーという。
図11に示すように、本実施形態においては、媒体50が印刷装置13から後処理装置200に対して搬送されるとき、印刷装置制御部60は、制御部250に対して、表面デ
ューティーと、裏面デューティーと、接触部表面デューティーと、接触部裏面デューティーとを通知する。
接触部表面デューティーと接触部裏面デューティーは、いずれも、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域と、全く同じ領域でなくてもよい。第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域が含まれている領域でもよい。例えば、媒体50を搬送方向Y1に対して三分割し、媒体50の後端側にある媒体50の1/3の領域でもよい。また、例えば、媒体50の幅方向Xを三つ以上の複数の領域に分割し、これら複数の領域のうち第1引き込み部材211が接触する二つの領域でもよい。第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域が含まれていなくても近い領域であればよい。
液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷後の搬送時間は、制御部250が印刷装置制御部60より通知されたジョブ内容に基づき、制御部250によって算出される。媒体50が印刷装置13の搬送路17を搬送される時間は、媒体50の印刷装置13の搬送路17における搬送速度と、印刷装置13の搬送路17の搬送距離とを使用して、制御部250によって算出される。媒体50が後処理装置200の搬送路17を搬送される時間は、媒体50の後処理装置200の搬送路17における搬送速度と、後処理装置200の搬送路17の搬送距離とを使用して、制御部250によって算出される。印刷装置制御部60が、媒体50が印刷装置13の搬送路17を搬送される時間を算出して制御部250に通知し、制御部250が、媒体50が後処理装置200の搬送路17を搬送される時間を算出してもよい。
制御部250は、媒体50が印刷装置13の搬送路17を搬送される時間と、媒体50が後処理装置200の搬送路17を搬送される時間とを加えることで、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷後の搬送時間を算出する。以降は、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷後の搬送時間は、「印刷後の搬送時間」という。
制御部250は、第1引き込み動作を開始してから次の第1引き込み動作を開始するまでの媒体50の搬送ピッチ時間を算出に使用する。以降は、第1引き込み動作を開始してから次の第1引き込み動作を開始するまでの時間を「搬送ピッチ時間」という。制御部250は、第1の媒体51が液体吐出部27が吐出した液体によって印刷されてから、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を開始するまでの経過時間を算出する。以降は、第1の媒体51が液体吐出部27が吐出した液体によって印刷されてから、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を開始するまでの時間を「経過時間」という。印刷時間、印刷後の搬送時間、搬送ピッチ時間、のうちの少なくともいずれか一つを使用して経過時間としてもよい。
制御部250は、経過時間を構成する時間の中で、媒体面状態の良化に対して影響が大きい時間のみを用いて経過時間としてもよい。例えば、搬送時間が非常に長く、経過時間に対して印刷後の搬送時間が支配的な場合には、制御部250は、印刷後の搬送時間のみを用いて経過時間としてもよい。すなわち、媒体面状態の良化に対して印刷後の搬送時間が支配的な場合には、制御部250は、印刷後の搬送時間のみを用いて経過時間としてもよい。
本実施形態においては、制御部250は、第1の媒体51の裏面の経過時間と、第2の媒体52の表面の経過時間とを算出する。両面印刷の場合には、媒体50の表面と裏面とで経過時間が異なる。本実施形態の場合は、両面印刷の場合は、先に印刷される媒体50の面が裏面となり、後に印刷される媒体50の面が表面となる。すなわち、裏面の経過時
間の方が、表面の経過時間よりも長くなる。以降は、表面の経過時間は「表面経過時間」、裏面の経過時間は「裏面経過時間」と区別する。
第1の媒体51の裏面経過時間は、裏面の印刷時間と、裏面の待機時間と、表面の印刷時間と、表面の待機時間と、印刷後の搬送時間とによって算出される。第2の媒体52の表面経過時間は、表面の印刷時間と、表面の待機時間と、印刷後の搬送時間と、搬送ピッチ時間とによって、算出される。
経過時間は、印刷デューティーにも影響を受ける。例えば印刷デューティーが大きいときと、印刷デューティーが小さいときとを比較すると、印刷デューティーが小さいときの方が、印刷時間と待機時間が短い。すなわち、印刷デューティーが小さいときは、経過時間が短くなる。
<媒体の媒体面状態とパラメーターとの関係>
図12に示すように、第1引き込み動作開始時の第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態と、第2の媒体52の表面52aの媒体面状態と、中間トレイ210に積載された第2の媒体52を含む媒体50の含水状態とは複数のパラメーターに影響を受ける。
印刷直後の媒体50の表面の含水状態は、主に媒体50の表面の印刷デューティーと、媒体50の坪量によって決まる。媒体50の坪量が小さく、媒体50の印刷デューティーが大きいときに、含水量は大きくなり、波うちやカールも大きくなる。
印刷直後の媒体50の裏面の含水状態は、主に媒体50の裏面の印刷デューティーと、媒体50の坪量によって決まる。媒体50の坪量が小さく、媒体50の裏面の印刷デューティーが大きいときに、含水量は高くなり、波うちやカールも大きくなる。
図12に示すように、第1引き込み動作開始時の第1の媒体51の裏面の媒体面状態は、印刷直後の媒体50の裏面の媒体面状態と、媒体50が印刷されてからの経過時間と、媒体50のサイズと、印刷装置13が設置されている環境の温度と、印刷装置13が設置されている環境の湿度との影響を受ける。以降は、印刷装置が設置されている環境の温度は「環境温度」、印刷装置が設置されている環境の湿度は「環境湿度」という。
印刷直後の媒体50の裏面の媒体面状態が悪いときに、第1引き込み動作開始時の第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態が悪くなる。媒体面状態が悪いとは、含水率が高く、波うちやカールが大きいことを意味する。
印刷からの経過時間が長いときは、乾燥時間が長くなるため含水率は低下する。ただし、経過時間が長い場合のほとんどは、印刷デューティーの高い印刷が行なわれ、待機時間が長くなった場合である。そのため、経過時間が長く、含水率が低下した媒体であっても、経過時間が一定以上の媒体の含水率は、搬送路17が搬送できる上限の含水率である。
媒体面の変化の仕方は媒体の種類によって異なる。媒体50の種類とは、媒体50の材質や成分、媒体50のサイズ、媒体50が用紙の場合には紙目方向、媒体50の坪量等である。
環境湿度が高い方が、環境湿度が低い場合に比べて媒体50が乾燥しにくく、媒体面状態が悪くなる。また、環境温度が低い方が、環境温度が高い場合に比べて媒体50が乾燥しにくく、媒体面状態が悪くなる。しかし、環境温度による影響は環境湿度による影響に比べて少ない。
図12に示すように、第1引き込み動作開始時の第2の媒体52の表面52aの媒体面状態は、印刷直後の媒体50の表面の含水状態と、媒体50が印刷されてからの経過時間と、媒体50のサイズと、環境温度と、環境湿度と、の影響を受ける。すなわち、第2の媒体52の表面は、第1の媒体51の裏面と同じパラメーターから影響を受ける。
図12に示すように、第1引き込み動作開始時の今まで積載された媒体50の含水状態は、印刷直後の媒体50の表面の含水状態と、印刷直後の媒体50の裏面の含水状態と、印刷からの各々の媒体50の経過時間と、媒体50のサイズと、媒体50の積載枚数と、環境温度と、環境湿度と、の影響を受ける。
第1引き込み動作開始時のそれまでに積載された媒体50の媒体面状態は、印刷からの各々の媒体50の経過時間が長い方が、乾燥時間が長くなり、含水状態が良くなるが、第1の媒体51や第2の媒体52ほどの影響はない。
媒体50のサイズが大きいときは、中間トレイ210に積載されている媒体50の含水率は下がりにくい。積載された媒体50は、空気に触れている場所から乾燥が進む。空気に触れている場所とは、一番上に積載されている第2の媒体52の表面52aと、積載されている全ての媒体50の四辺である。すなわち、先端の辺、後端の辺、および二か所の側端の辺である。
媒体50のサイズが大きいときは、媒体50の中央から四辺までの距離が遠くなるため、媒体50が乾燥する時間が長くかかり、積載されている媒体50の含水率は下がりにくい。すなわち、媒体50のサイズが大きいときは、中間トレイ210に積載されている媒体50の含水率の中央部と端部の差が大きくなるため、波うちが発生しやすくなる傾向にある。媒体50の積載枚数が多いときほど、その影響は大きい。波うちが発生しやすさは媒体50の種類によって異なる。
第1引き込み動作開始時のそれまでに積載された媒体50の含水状態は、環境湿度が高い方が、環境湿度が低い場合に比べて媒体50が乾燥しにくく、含水状態が悪くなる。また、環境温度が低い方が、環境温度が高い場合に比べて媒体50が乾燥しにくく、含水状態が悪くなる。しかし、環境温度による影響は環境湿度による影響に比べて少ない。
すなわち、表面デューティーと、裏面デューティーと、表面経過時間と、裏面経過時間と、環境温度と、環境湿度と、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、のいずれもが、第1引き込み動作開始時の媒体50の含水状態のパラメーターである。以降は、第1の媒体51においての印刷デューティーは、「第1表面デューティー」、「第1裏面デューティー」という。同様に、第2の媒体52においての印刷デューティーは、「第2表面デューティー」、「第2裏面デューティー」という。
図12において、「媒体の表面」を「媒体の表面であり、第1引き込み部材211が媒体と接触する領域、または接触する領域と重なる領域」と言いかえても、同じ関係が示される。また、「媒体の裏面」を「媒体の裏面であり、第1引き込み部材211が媒体と接触する領域と重なる領域」と言いかえても、同じ関係が示される。すなわち、各媒体50における接触部表面デューティーと、接触部裏面デューティーと、のいずれもが、第1引き込み動作開始時の媒体50の含水状態のパラメーターである。
以降は、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域においては、「第1接触部表面デューティー」、「第1接触部裏面デューティー」という。同様に、第2引き込み部材212が媒体50と接触する領域と重なる領域においては、「第2接触部表面デューティー」、「第2接触部裏面デューティー」という。第
2の媒体52の下側に積載される媒体50においての印刷デューティーも、同様にいう。
なお、媒体50の坪量と積載枚数に応じて、中間トレイ210に積載された媒体50の高さを規定し、引き込み部材211,212の中心から第1の媒体51の表面までの各々の距離を変化させる。これらの距離は、引き込み部材211,212が引き込み動作の過程で第1の媒体51の表面を垂直方向に押す力の強さを変化させる。第1の媒体51を第2の媒体52の表面を滑らせるときに第1の媒体51が受ける摩擦力は、第1の媒体51が第2の媒体52の表面から受ける抗力と、第2の媒体52に対する第1の媒体51の摩擦係数との積で与えられる。この抗力は、引き込み部材211,212が第1の媒体51の表面を押す力が強いほど大きくなる。この点から、抗力に影響する媒体50の坪量および積載枚数は、摩擦係数に影響する媒体50の含水状態を決めるパラメーターとは独立に、引き込み部材211,212の動作を決めるパラメーターとなりうる。
<第1引き込み部材と第2引き込み部材の動作の決定方法>
後処理装置200においては、制御部250が、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作を制御することによって、媒体50が中間トレイ210上で整合される。図13に示すフローチャートを参照し、制御部250が、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作を決定する流れを説明する。図13は印刷部数が1部の場合を示している。
図13に示すように、ステップS501において、印刷装置制御部60は、印刷命令により印刷ジョブの構成を取得する。印刷ジョブの構成には、使用する媒体50のサイズと、使用する媒体50の坪量と、印刷ページ数と各ページにおける印刷データと、片面印刷または両面印刷の指定と、印刷部数と、後処理の種類とが含まれる。
ステップS502において、印刷装置制御部60は、各ページにおける印刷データより各媒体50の表面デューティーと、各媒体50の裏面デューティーと、各媒体50の接触部表面デューティーと、各媒体50の接触部裏面デューティーとを算出する。例えば、印刷ジョブが100ページの両面印刷である場合には、出力物を構成する50枚分の媒体50において、4種類のデューティーを算出する。
ステップS503において、印刷装置制御部60は、環境温度と環境湿度を環境センサー61より取得する。印刷装置制御部60は、後処理装置200の制御部250に対して、後処理の準備命令と共に、環境温度と環境湿度を通知する。
ステップS504において、後処理装置200は初期動作を行い、媒体50を受け入れて後処理を行う準備を完了する。
ステップS505において、印刷装置制御部60は、後処理装置200の制御部250から、後処理装置200の初期動作完了の通知を受ける。印刷装置13は印刷ジョブを開始する。
ステップS506において、印刷装置制御部60は、印刷を終えて後処理装置200に送り出す媒体50が、部数単位の最終媒体であるか、部数単位の最終媒体でないかを判断する。部数単位の最終媒体であるときと、部数単位の最終媒体でないときとでは、印刷装置制御部60が制御部250に通知する内容が異なるためである。
後処理装置200に送り出す媒体50が部数単位の最終媒体であるときは、ステップS506がYESになり、印刷装置制御部60は、処理をステップS507に移行する。後処理装置200に送り出す媒体50が部数単位の最終媒体でないときは、ステップS506がNOになり、印刷装置制御部60は、処理をステップS508に移行する。後処理装
置200に送り出す媒体50が印刷ジョブの最初の媒体50であっても、1枚のみをプリントするときは、部数単位の最終媒体である。一般的には、1枚のみをプリントするときは、印刷装置13の排出部104を排出先に選択し、排出先に後処理装置200を選択するときは、部数単位は複数枚数で構成される。そのため、1枚目の媒体50を後処理装置200に送り出すときは、ステップS506がNOになり、印刷装置制御部60は、処理をステップS508に移行する。
ステップS508において、印刷装置制御部60が後処理装置に媒体50を送り出すときに、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、表面デューティーと、裏面デューティーと、接触部表面デューティーと、接触部裏面デューティーと、印刷時間に関する情報とを制御部250に通知する。一般的には、部数単位では媒体50のサイズと坪量は全て同じであることが殆どである。稀にA4サイズの媒体の部数単位の中に、数枚のA3サイズの媒体が入ることもある。また、稀にステープルが部数単位で行われるときに、表紙と裏表紙の2枚だけを坪量の大きな媒体としてユーザーが指定する場合がある。
そして、ステップS509において、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法を決定する図14に示すサブルーチンを実行する。
ステップS511において、ステップS509で決定した動作方法によって、後処理装置200が媒体50の整合動作を開始する。整合動作が開始すると、ステップS506に戻り、2枚目の媒体50の処理に移行する。後処理装置200に送り出す媒体50が部数単位の最終媒体であるときは、ステップS506がYESになり、印刷装置制御部60は、処理をステップS507に移行する。
ステップS507において、印刷装置制御部60が後処理装置に媒体50を送り出すときに、ステップS508において、印刷装置制御部60は、制御部250に通知する情報に加えて、最終媒体情報と、後処理の種類とを制御部250に通知する。
そして、ステップS509において、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法を決定する図14に示すサブルーチンを実行する。
ステップS510において、ステップS509で決定した動作方法によって、後処理装置200が媒体50の整合動作と、後処理動作と、排出動作とを実行する。制御部250は、後処理の種類を取得すると、中間トレイ210に積載された媒体50の束が排出スタッカーに排出される前に、指定された後処理を行う。例えば、中間トレイ210に積載された媒体50の束に対して、指定された位置にステープル処理を行う。制御部250は、最終媒体情報を取得すると、その媒体50が部数単位の最終媒体であると判断して、中間トレイ210に積載された媒体50の束を排出スタッカー231に排出する。印刷装置制御部60と後処理装置200の制御部250は処理を終了する。
次に、図14に示すフローチャートを参照し、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法を決定するサブルーチンを説明する。なお、以下は、両面印刷の場合を例にする。
図14に示すように、ステップS601において、制御部250は、印刷装置制御部60より取得した印刷時間に関する情報から、印刷から引き込み動作までの経過時間を算出する。本実施形態においては、制御部250は、第1の媒体51の裏面経過時間と、第2の媒体52の表面経過時間とを算出する。
ステップS602において、制御部250は複数の条件より第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態を推定する。複数の条件とは、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、裏面デューティーと、接触部裏面デューティーと、裏面経過時間と、である。図12に示
すように、これらの複数の条件によって、第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態は変化する。
ステップS603において、同様に、制御部250は複数の条件より第2の媒体52の表面52aの媒体面状態を推定する。複数の条件とは、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、表面デューティーと、接触部表面デューティーと、表面経過時間と、である。図12に示すように、これらの複数の条件によって、第2の媒体52の表面52aの媒体面状態は変化する。
ステップS604において、制御部250は、印刷装置13より搬送された媒体50をカウントすることにより、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を開始するときに、中間トレイ210上に積載されている枚数を算出する。
ステップS605において、制御部250は、複数の条件より中間トレイ210上に積載された媒体50の高さを推定する。複数の条件とは、中間トレイ210上に積載された各媒体50のサイズと、各媒体50の坪量と、各媒体50の表面デューティーと、各媒体50の裏面デューティーと、各媒体50の表面経過時間と、各媒体50の裏面経過時間と、中間トレイ210の積載枚数とである。
図12に示すように、これらの複数の条件によって、中間トレイ210に積載された媒体50の含水状態は変化する。これらの複数の条件は全て使用されなくてもよいし、複数の条件を加工して使用されてもよい。また、制御部250は、媒体50の坪量と、積載された媒体50のデューティーの平均値と、積載された媒体50の印刷後の待機時間の平均値とを使用し、中間トレイ210に積載された媒体50の高さを推定してもよい。さらに、媒体50の坪量と媒体50の積載枚数のみを用いて媒体50の高さを推定してもよい。
ステップS606において、制御部250は、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態と、第2の媒体52の表面52aの媒体面状態と、中間トレイ210に積載された媒体50の高さと、によって、第1引き込み部材211の動作方法と第2引き込み部材212の動作方法を決定する。
図13、14に示すように、表面デューティーと、裏面デューティーと、接触部表面デューティーと、接触部裏面デューティーと、表面経過時間と、裏面経過時間と、環境温度と、環境湿度とは、制御部250が、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法を決めるパラメーターである。更に、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、中間トレイ210の積載枚数とは、制御部250が、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法を決めるパラメーターである。環境温度と、環境湿度と、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、中間トレイ210に積載されている媒体50の枚数と、のうちの少なくともいずれか一つをパラメーターとして用いてもよい。
それらのパラメーターを用いて、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212の動作方法として、第1引き込み部材211の第1必要回転数と、第1引き込み部材211の高さと、第1必要回転数に達したときの第1引き込み部材211の姿勢と、第2引き込み部材212の第2必要回転数とが設定可能になっている。
すなわち、制御部250は、第1引き込み部材211の第1必要回転数と、第1引き込み部材211の高さと、第1必要回転数に達したときの第1引き込み部材211の姿勢と、第2引き込み部材212の第2必要回転数とをパラメーターの条件に応じて決定する。
印刷装置制御部60と後処理装置200の制御部250は、第1引き込み部材と第2引
き込み部材の動作を決定する処理を終了する。なお、片面印刷の場合は、裏面デューティー、接触部裏面デューティーおよび裏面経過時間の各パラメーターの算出および通知がなされない。このため、制御部250は、これらの裏面印刷に係るパラメーターを使用せず、引き込み部材211,212の動作方法を決定する。
<第1引き込み部材の構成>
図15に示すように、第1引き込み部材211が備える第1羽根211a,211b,211cは、摩擦係数が大きい材料で形成され、少しの力でもよく撓む形状にすることで、媒体50の積載高さが変わっても、第1の媒体51を引き込む力の変化が少なくなるように構成されている。例えば、細長いゴム材料の羽根が、第1コア211dの複数個所に固定される。本実施形態では、第1コア211dの3個所に第1羽根211a,211b,211cが固定される。
制御部250は、第1回転モーター213(図11参照)によって、第1引き込み部材211を一定速度で回転させる。第1羽根A211aが第1の媒体51の表面51aに当たることによって、第1羽根A211aによる媒体50を引き込む力である引込力F11が発生する。
第1引き込み部材211は回転するため、第1羽根211a,211b,211cのいずれもが第1の媒体51の表面51aに当たらない角度があり、第1引き込み部材211による引込力F11が発生しない期間もある。
中間トレイ210は第1回転位置センサー254(図11参照)を有しており、制御部250は、第1羽根211a,211b,211cの位置がわかるように構成されている。例えば、第1回転位置センサー254(図11参照)はフォトインタラプタ型の光学センサーとし、第1引き込み部材211の回転軸に、第1回転位置センサーの発光部と受光部の間を遮蔽する不図示の遮蔽板が設けられる。
第1引き込み部材211が1回転するときに、第1引き込み部材211の不図示の遮蔽板が、第1回転位置センサー254の発光部と受光部の間を、第1引き込み部材211が所定の角度のときに、遮蔽するように構成する。例えば、所定の角度とは、第1羽根C211cの根本が中間トレイ210の積載底面210bと直角になったときの角度である。
不図示の遮蔽板が第1回転位置センサー254(図11参照)の発光部と受光部の間を遮蔽したときを基準として、第1引き込み部材211が回転した時間、または第1引き込み部材211が回転した回転数によって、制御部250は、第1羽根211a,211b,211cの位置を把握することができる。すなわち、制御部250は、第1羽根211a,211b,211cのいずれもが第1の媒体51の表面51aに当たらない状態で、第1引き込み部材211の回転を停止することによって、引込力F11を発生させない状態にすることができる。
図15に示す状態から、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を続けると、図16に示すように、第1の媒体51の後端51cは後端整合部210aに到達する。このとき、第1引き込み部材211が、第1必要回転数だけ回転することによって、第1の媒体51の後端51cの辺が後端整合部210aに確実に当接する。また、より確実に、第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに当接させるために、第1引き込み部材211の第1積算回転数が第1必要回転数に達した後に所定量引き込む構成としてもよい。
<第1引き込み部材が第1の媒体を引き込むときに発生する力>
図15には、図6に示す中間トレイ210の状態において、第1引き込み部材211が
第1の媒体51を引き込むときに発生する力が示されている。第1引き込み部材211が駆動するときに、搬送方向Y1において、発生する力は主に五つある。
図15に示すように、一つ目の力は、第1引き込み部材211に働く引込力F11である。引込力F11は、第1の媒体51を搬送方向Y1上流側へ引き込む力である。
引込力F11は、第1引き込み部材211と第1の媒体51の表面51aとの摩擦係数μ1aと、第1引き込み部材211が第1の媒体51の表面51aを押し付ける力である押付力T1と、によって決まる。摩擦係数μ1aと押付力T1とのいずれかが大きくなると、引込力F11は大きくなる。以降は、「摩擦係数μ1a」「押付力T1」、という。押付力T1は、第1引き込み部材211の高さと、中間トレイ210に積載されている媒体50の積み上げ高さと、によって決まる。押付力T1が大きくなると、引込力F11は大きくなる。
引込力F11が大きいときは、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達する時間が短くなる。逆に、引込力F11が小さいときは、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達する時間が長くなる。
図15に示すように、二つ目の力は、第1の媒体51と第2の媒体52の間に働く摩擦力F12である。摩擦力F12は、第1の媒体51と第2の媒体52が密着することによって生じる摩擦力で、引込力F11を妨げる力である。
摩擦力F12は、第1の媒体51の裏面51bと第2の媒体52の表面52aとの摩擦係数μ1bと、第1引き込み部材211が第1の媒体51の表面51aを押し付ける力である押付力T1と、によって決まる。摩擦係数μ1bと押付力T1とのいずれかが大きくなると、摩擦力F12は大きくなる。
図15に示すように、摩擦力F12は、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域と重なる領域において発生する力である。摩擦力F12は第1の媒体51の裏面51bと、第2の媒体52の表面52aとの間で働く。すなわち、摩擦力F12は、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を行っているときの第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態と、第2の媒体52の表面52aの媒体面状態に影響を受ける。特に、第1引き込み部材211が第1の媒体51と接触する領域と重なる領域における、第1の媒体51の裏面51bの媒体面状態と、第2の媒体52の表面52aの媒体面状態とに影響を受ける。
摩擦力F12は、引込力F11と比べて媒体50の媒体面状態の影響が大きい。媒体50が含水したときに、第1羽根211a,211b,211cの材料の摩擦係数が上がる割合よりも、媒体50の摩擦係数が上がる割合が大きいためである。そのため、媒体50が含水すると、第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込み難くなる。
摩擦力F12が大きいときは、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達する時間が長くなる。摩擦力F12が非常に大きいと、引込力F11の大きさによっては、第1の媒体51が全く動かない場合がある。逆に、摩擦力F12が小さいときは、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達する時間が短くなる。
図15に示すように、三つ目と四つ目の力は、第1の媒体51と第2の媒体52との間で働く抵抗力F13と落下力F14である。抵抗力F13は第1の媒体51が引き込まれるときに抵抗となる力であり、落下力F14は第1の媒体51が重力により斜面を滑り落ちる力である。
第1引き込み部材211が引込力F11によって第1の媒体51を引き込むときに、第1の媒体51は第2の媒体52の上に載っている。第1引き込み部材211が第1の媒体51と接触する領域以外においても、第2の媒体52の表面52aには、第1の媒体51の自重が掛かっている。すなわち、媒体50のサイズが大きいときや媒体50の坪量が大きいときは、抵抗力F13と落下力F14は大きくなる。落下力F14は引込力F11を助ける力であり、抵抗力F13は摩擦力F12と共に、引込力F11を妨げる力である。すなわち、搬送方向Yの長さが長く、坪量の大きい用紙ほど抵抗力F13が大きくなるため、第1引き込み部材211の引込力F11を大きく設定する必要がある。
図16に示すように、五つ目の力は、第1の媒体51の後端51cと後端整合部210aとの間で働く制止力F15である。制止力F15は、第1引き込み部材211が、第1引き込み動作によって第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに到達させたときに、第1の媒体51が、後端51cを後端整合部210aに当てたままの状態で制止する力である。制止力F15によって、第1の媒体51の後端51cが中間トレイ210の後端整合部210aに突き当たるときに、第1の媒体51の剛性によって、第2の媒体を動かないようにする。
第1の媒体51が後端整合部210aに接触したとき、第1の媒体51の自重が大きく、落下力F14が大きい場合には、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を行っていないときにおいても、坪量の小さい媒体50が座屈しやすくなる。
第1引き込み部材211が第1引き込み動作を行っているときの第1の媒体51の含水率が高くなると第1の媒体51の剛性が低くなって撓み易くなり、制止力F15が小さくなる。第1の媒体51の後端51cの辺が後端整合部210aに当接した後も、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を続けたときは、第1の媒体51の後端51cが座屈し易くなる。
<第2引き込み部材が第1の媒体を引き込むときに発生する力>
図17は図4に示す中間トレイ210の状態において、第2引き込み部材212が第1の媒体51を引き込むときに発生する力を示している。第2引き込み部材212が駆動するときに、搬送方向Y1において、発生する力は主に四つある。
図17に示すように、引込力F21と、摩擦力F22と、落下力F24については、第1引き込み部材の場合と同じ説明になるため、説明を省略する。第1引き込み部材211の場合と同様に、以降は、押付力は「押付力T2」という。第1引き込み部材211の場合と異なるのは、抵抗力F23であり、第1引き込み部材211の場合と異なる個所のみを説明する。
第2引き込み部材212が第2引き込み動作を開始するときは、第1の媒体51の後端51cと、第2の媒体52の後端52cとの距離が離れている。しかし、第2の媒体52の先端52dからはみ出している部分の第1の媒体51の重さが、第2の媒体52の先端52dの部分に集中してかかるため、重なっている面積が少なくても第1引き込み部材211のときとほぼ同じだけの抵抗力F23が発生する。すなわち、搬送方向Yの長さが長く、坪量の大きい用紙ほど抵抗力F23が大きくなるため、第2引き込み部材212の引込力F21を大きく設定する必要がある。
<中間排出ローラー対が媒体を排出するときに発生する力>
図18、図19に示すように、中間排出ローラー対が第1の媒体を排出するときに、搬送方向Y1において、発生する力は主に三つある。図18及び図19は、図3に示す中間トレイ210の状態において、中間排出ローラー対202が第1の媒体51を中間トレイ
210に排出するときに発生する力を示している。
一つ目の力は、第1の媒体51と、第2の媒体52との間で働く力の突押力F31である。中間排出ローラー対202が第1の媒体51を中間トレイ210に排出するとき、突押力F31が発生する。突押力F31は、第1の媒体が第2の媒体を突き押す力である。
突押力F31は、第1の媒体51の裏面51bと、第2の媒体52の表面51aとの間の摩擦係数μ1bと、第1の媒体51の裏面51bが第1の媒体51の表面51aを押し付ける力である押付力T3と、によって決まる。押付力T3と摩擦係数μ1bとのいずれかが大きくなると、突押力F31は大きくなる。
第1の媒体51の剛性が大きい場合に押付力T3が大きい。中間排出ローラー202対が第1の媒体51を排出するときの、第1の媒体51のサイズや坪量が大きいときに、第1の媒体51の剛性が大きいため、押付力T3が大きい。第1の媒体51の後端51cが中間トレイ210に排出されるときの中間排出ローラー対202から搬送された搬送方向Y1の長さが長い場合には、第1の媒体51が第2の媒体52を押している部分の面積が大きくなるため、押付力T3が大きい。中間トレイ210に積載されている媒体50の積み上げ高さが高い場合には、媒体50の撓み量が大きくなるため、押付力T3が大きい。
摩擦係数μ1bについては、第1引き込み部材の摩擦力F12場合と同じ説明になるため、説明を省略する。
図18、図19に示すように、二つ目の力は、第1の媒体51と第2の媒体52との間で働く抵抗力F32である。抵抗力F32は、第1の媒体51の裏面51bが第2の媒体52の表面51aをこすりながら突き押すときに抵抗となる摩擦力と、第2の媒体52の後端52cが重力によって後端整合部210aに突き当たったままの状態を維持しようとする落下力の合力である。
第1引き込み部材211及び第2引き込み部材212が第1の媒体51を引き込む方向が重力に倣う方向であるのに対して、第1の媒体51が第2の媒体52を突き押す方向は、重力に逆らう方向である。したがって、抵抗力と落下力が同じ方向の力となるため、二つの合力が抵抗力F32となる。抵抗力F32は第2の媒体52を動かそうとする突押力F31とは逆向きの力であり、第2の媒体52を整合位置のままで把持する力である。
図18に示すように、三つ目の力は、第1引き込み部材211と第2の媒体52の表面との間で働く把持力F33である。
図18に示すように、本実施形態においては、制御部250は、第1上下動モーター(図11参照)253によって第1引き込み部材211の高さを低くし、かつ、第1羽根B211bと第1羽根C211cの両方を第1の媒体51の表面51aに当たったままの状態で、第1引き込み部材211の回転を停止させる。すなわち、第1引き込み部材211が第1の媒体51に当たっている状態で、第1引き込み部材211の第1引き込み動作を停止し、第1引き込み部材211の高さを低くし、第1引き込み部材211によって第1の媒体51を押さえ付ける第2姿勢へと変化させることができる構成になっている。この構成によって、第1引き込み部材211は突押力F31による整合ずれを防止することができる。
また、第1引き込み部材211の姿勢を第2姿勢に変更する際に、第1引き込み部材211が回転を停止せず、回転する速度を落とす構成としてもよい。この場合でも突押力F31による整合ずれを防止することができる。
第1引き込み部材211は、速度を落とさず回転を続け、第1姿勢のまま媒体50を押
さえ続けることもできる。しかし、引込力F11を与え続けることによって、次第に第2の媒体52の後端52cがカールし、第2の媒体52の後端52cが折れ曲がって積載される虞や、中間トレイ210の中で座屈が発生する虞や、擦れ跡や押し跡等が付く虞がある。回転している時間が長ければ長いほど、その虞は大きくなる。
そのため、図19に示すように、制御部250は、パラメーター条件に応じて、第1積算回転数が第1必要回転数に達したときに、第1引き込み部材211を第1姿勢から第1の媒体から離間する第3姿勢へと移動させることができる構成になっている。制御部250は、第1引き込み部材211が第1の媒体51の表面51aに当たらない状態にすることによって、擦れ跡や押し跡等が付きにくい構成となっている。
突押力F31は、第1の媒体51と第2の媒体52の条件によっては、第2の媒体52を整合位置のままで把持する力である抵抗力F32だけで抑えることができる。しかし、第1の媒体51と第2の媒体52の含水率が高いときには、媒体間の摩擦係数μ1bが高くなるため、突押力F31が中間トレイ210の上で整合が済んでいる第2の媒体52を動かす場合がある。突押力F31によって、第1引き込み部材211が当たる範囲から第2の媒体52の後端52cが離れてしまったときは、第2の媒体52の後端52cを後端整合部210aに戻す手段は何もなく、第2の媒体52の後端52cが後端整合部210aから離れたままの状態で第1の媒体の第1引き込み動作が開始されてしまう。そのため、第1の媒体51の裏面51bと第2の媒体52の表面52aの媒体面状態に影響するパラメーター条件に応じて、第1引き込み部材211の姿勢を変更することでこのような整合ずれを防止することができる。
<パラメーターによる必要回転数の増加分の制御テーブル>
印刷システム11の標準動作環境における環境温度、環境湿度で、印刷システム11を動作させた場合に、印刷が全くされていない標準媒体に対して、後処理装置を動作させるときの、第1引き込み部材211の第1必要回転数を第1標準回転数と、第2引き込み部材の第2必要回転数を第2標準回転数とする。例えば、標準媒体はA4LEFサイズかつ70gsmの媒体で、ユーザーに印刷装置13で使用を推奨する種類の媒体である。LEFとは横方向給紙の略であり、媒体50は長い方の辺を先端にして搬送され、SEFとは縦方向給紙の略であり、媒体50は短い方の辺を先端にして搬送される。
第1必要回転数と第2必要回転数とは、媒体50の含水率の上昇と、その後の乾燥過程で生じる波うちの影響によって、印刷が全くされていない媒体50に対して後処理装置200が後処理を行うときの、第1標準回転数と第2標準回転数よりも大きくなる。
図20は、媒体50の搬送方向長さが210mm以下のときに、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212に適用する必要回転数の増加分の制御テーブルである。制御部250は設置環境が常温常湿条件のときに、パラメーターの条件に応じて、必要回転数の増加分を決定する。制御テーブルには各パラメーター条件のときの必要回転数の増加分が記載されている。「+1」は標準回転数に対して1段階分の回転数を増やすことを示している。
1段階を何回転にするかは、装置の構成によって異なる。装置の構成とは、例えば、液体吐出部27で使用する液体の種類や第1引き込み部材211の材質や形状等の引込力F11と摩擦力F12等を決める因子である。なお、F%、H枚、Jsecの値は装置の構成によって決められる。1段階を何回転にするかは、第1必要回転数と第2必要回転数とで変えてもよい。
図20の制御テーブルにおいては、本実施形態においては、印刷デューティーは2分割
または3分割、経過時間に相当する待機時間は2分割で記載されているが、これは何分割でも構わない。媒体50の坪量と積載枚数も何分割されても構わない。しかし、印刷デューティーの範囲が広い等によって媒体面状態の変化が大きい場合には、摩擦係数μ1bの範囲が広くなるため、パラメーター条件の分割数が多いほど、正確な制御が可能となる。
第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込むときの、第1の媒体51の裏面51bと第2の媒体52の表面52aとの摩擦係数μ1bによって、第1の媒体51の引き込み易さが決まる。そのため、第1の媒体51の裏面51bのパラメーター条件と第2の媒体52の表面52aのパラメーター条件とによって、第1引き込み部材211の必要回転数の増加分を決定できる。
図20に示すように、例えば、A4LEFサイズかつ坪量が90gsmの媒体を両面印刷した場合に、第2の媒体の表面デューティーがF%以上、積載枚数がH枚数を超えているとする。そのとき、第1の媒体51の裏面デューティーがF%以上で、待機時間がJsecを超えるときは、第1必要回転数と第2必要回転数は、第1標準回転数と第2標準回転数とに対して、6段階多くする。
坪量が小さい媒体50は、裏面は表面の、表面は裏面の含水の影響を受けるため、この表に対して、裏面は表面の、表面は裏面の含水状態が加味され、パラメーターの条件として数値が調整されてもよい。特に、中間トレイ210上に積載された媒体50が多い場合には、第2の媒体の媒体面状態は、これまでに積載された媒体50の含水状態の影響を受け、波うちが大きくなり、高さが変動する。そのため、これまでに積載された媒体50の含水状態の影響が加味され、パラメーターの条件として数値が調整されてもよい。
図21は、媒体50の搬送方向長さが210mm以上のときに、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212に適用する必要回転数の増加分の制御テーブルである。制御部250は設置環境が常温常湿条件のときに、パラメーターの条件に応じて、必要回転数の増加分を決定する。図21の制御テーブルにおいても、印刷デューティーと待機時間は何分割されても構わない。媒体50の坪量と積載枚数も何分割されても構わない。
媒体の搬送方向Y1長さが長くなると、媒体50の全体の印刷デューティーは、第1引き込み部材211と第2引き込み部材212が当たる場所の印刷デューティーと差がある場合がある。そのため、本実施形態においては、制御部250は、媒体の搬送方向Y1長さが長いときは、媒体50の全体の印刷デューティーの代わりに、接触部デューティーを使う。
図20、図21においては、制御部250は、常温常湿条件のときの制御テーブルを使用したが、環境条件に応じて、高温高湿、低温低湿、高温低湿、低温高湿の制御テーブルを使用する。一般的には、待機時間が経過時間に対して最も支配的な場合が多いため、図20、図21の制御テーブルでは待機時間を経過時間として使用したが、搬送速度が遅い場合や、印刷時間が遅い場合には、搬送速度や印刷時間がパラメーターとして制御テーブルに加えられてもよい。また、搬送ピッチ時間が長い場合には搬送ピッチ時間がパラメーターとして制御テーブルに加えられてもよい。
また、制御テーブルに使用するパラメーターはもっと少なくてもいい。制御部250は、待機時間と、印刷デューティーと、媒体50のサイズとのうちの少なくともいずれか一つをパラメーターとして用いてもよい。図20、図21が示すように、待機時間と、印刷デューティーと、媒体50のサイズとのいずれかをパラメーターとして用いられるときは、パラメーターの値が大きくなるほど、第1引き込み部材211の第1必要回転数は大きくなる。
液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50を処理する後処理装置200においては、第1引き込み部材211が引込力F11を与え続けることによって、次第に第2の媒体52の後端52cが座屈する虞がある。回転している時間が長ければ長いほど、その虞は大きくなる。そのため、制御部250は、適切な第1標準回転数で第1引き込み部材211を止める必要がある。
また、含水による媒体面状態の悪化によって媒体間の摩擦係数μ1bが大きいときは、第1引き込み部材211が引込力F11を与え続ける時間が少ないと、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに至らない。そのため、制御部250は、適切な第1標準回転数まで第1引き込み部材211を回転させる必要がある。
本実施形態の作用について説明する。
<印刷ジョブにおける作用>
最初に、印刷ジョブにおいて、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50を後処理装置200で処理するときの作用を説明する。
A3SEFサイズかつ坪量が90gsmの媒体50が両面印刷され、中間トレイ210上に50枚積載されて排出スタッカー231に排出される場合を説明する。図21の制御テーブルが使用される。本実施形態においては、制御部250は、媒体の搬送方向Y1長さが長いため、媒体50の全体の印刷デューティーの代わりに、接触部デューティーを使う。
1枚目の第1の媒体51においては、接触部表面デューティーがF%以上かつ待機時間Jsec超え、接触部裏面デューティーがF%未満とする。
1枚目の第1の媒体51が中間トレイ210上に排出されるときは、中間トレイ210上には媒体50がない。第1引き込み部材211は、第3姿勢の状態で待機している。図19が示す状態において、中間トレイ210上に第2の媒体52がない状態である。このとき、第1の媒体51の先端部の裏面51bは中間トレイ210の表面には当たらず、中間トレイ210上に落下する。すなわち、突押力F31と抵抗力F32が発生しない状態で中間トレイ210上に落下する。
第1の媒体51が中間トレイ210上に落下すると、第2引き込み部材212の第2引き込み動作が開始される。図17が示す状態において、中間トレイ210上にA3SEFサイズの媒体50が1枚落下した状態である。このとき摩擦力F12と抵抗力F13は、第1の媒体51の裏面51bと中間トレイ210の表面との間で働くため、含水状態の影響はほとんどない。すなわち、第2必要回転数は第2標準回転数と同じにする。
第1の媒体51が第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211は回転を開始する。第2引き込み部材212のときと同じ理由で、第1引き込み部材211の第1必要回転数は第1標準回転数と同じにする。次の2枚目の媒体50が中間トレイ210上に排出されるときは、第1引き込み部材211は第1必要回転数だけ回転した後に回転を止め、その姿勢を第2姿勢(図19参照)に変化させる。
第2引き込み動作を停止するタイミングは、第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに整合する直前でもよいし、整合するタイミングでもよい。ただし、第1引き込み部材211が第1引き込み動作を停止するタイミングよりは先である。制御部250は、第2回転モーター214(図11参照)によって、第2引き込み部材212の回転位置が待機角度の位置となるタイミングで、第2引き込み部材212の回転を停止する。
2枚目の第1の媒体51においても、接触部表面デューティーがF%以上かつ待機時間Jsec超え、接触部裏面デューティーがF%未満とする。
2枚目の第1の媒体51が中間排出ローラー対202によって中間トレイ210上に排出されるときに、第1の媒体51の裏面51bが第2の媒体52の表面52aに当たるため、突押力F31が発生する。図18が示す状態において、中間トレイ210上にA3SEFサイズの媒体50が1枚ある状態である。しかし、第1引き込み部材211は、第2姿勢(図18参照)の状態で待機し、把持力F33を発生させるため、第2の媒体52は動かない。
第1の媒体51が中間トレイ210上に落下すると、第2引き込み部材212の第2引き込み動作が開始される。図17において、中間トレイ210上にA3SEFサイズの媒体50が2枚ある状態である。両方の媒体面の含水状態が少し悪化しており、媒体間の摩擦係数μ1bは大きくなる。A3SEFサイズの第1の媒体51の裏面51bのほぼ全体が、A3SEFサイズの第2の媒体52の表面51aほぼ全体に当たるため、抵抗力F23が発生する。すなわち、摩擦力F22と抵抗力F23との両方によって、必要な引込力F21は大きくなる。制御部250は図20の制御テーブルを参照し、第2必要回転数を第2標準回転数と比べて2段階大きくする。
第1の媒体51が第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211はその姿勢を第1姿勢へと変位し、回転を開始する。制御部250は図21の制御テーブルを参照し、第2引き込み部材212のときと同じ理由で、第1引き込み部材211の第1必要回転数を第1標準回転数と比べて2段階大きくする。第1引き込み部材211が第1必要回転数だけ回転した後、第1引き込み部材211は回転を止め、その姿勢を第2姿勢(図18参照)に変化させる。
2枚目の第1の媒体51が適切に整合された後、第2引き込み部材212は回転を停止する。そのため、第1の媒体51が引き込まれない、または第1の媒体51が引き込まれ過ぎることによって、媒体50の不揃いや中間トレイ210の中で座屈が発生することを抑制できる。
この動作を3枚目以降でも繰り返すことで媒体50を適切に整合することができる。この後、媒体50は次々と中間トレイ210上に積載されて整合される。中間トレイ210上に積載されている媒体50は増えていく。中間トレイ210の積載枚数と、各媒体50のサイズと、各媒体50の表面デューティーと、各媒体50の裏面デューティーと、各媒体50の表面経過時間と、各媒体50の裏面経過時間より媒体50の高さを推定する。
推定された媒体50の積載高さが、標準積載高さよりも高い場合は、第1引き込み部材211の引込力F11と第2引き込み部材212の引込力F21が大きくなるため、制御部250は、第1必要回転数と第2必要回転数との値を適切に調整してもよい。そのため、第1の媒体51が引き込まれ過ぎることによって、中間トレイ210の中で座屈が発生することを抑制できる。
制御部250は、環境に応じて、高温高湿、低温低湿、高温低湿、低温高湿の制御テーブルを使用する。制御部250は、温度、湿度共に区分を多くして、さらに多くの制御テーブルを使用してもよい。
制御部250は、第1引き込み部材211の第1必要回転数を第1標準回転数と比べて何段階か大きくする代わりに、第1引き込み部材211の第1姿勢のときの高さを何段階か低くして、引込力F11を大きくしてもよい。制御部250は、図20、図21に示すテーブルを使用して、第1引き込み部材211の高さを制御する。
制御部250が、1段階で第1引き込み部材211の高さを動かす距離は、装置の構成によって異なる。装置の構成とは、例えば、液体の種類や第1引き込み部材211の材質や形状等の引込力F11と摩擦力F12を決める因子である。また、第1引き込み部材211の第1羽根211a,211b,211cの長さが短いほど、引込力F11が高さで変化する割合が大きいため、細かい調整が必要になる。制御部250は、第1引き込み部材211の第1必要回転数と第1姿勢の高さとの両方を制御してもよい。
A4LEFのような搬送方向Y1の長さが短い媒体の際に、中間トレイ210上の積載枚数が少ないときには、第1の媒体51が中間トレイ210上に排出されるときに、第1の媒体51の裏面51bが第2の媒体52の表面52aに当たらないため、突押力F31が発生しない。第1の媒体51を排出するときの第1引き込み部材211の姿勢は第3姿勢でよい。しかし、中間トレイ210上の積載枚数が多くなると、第1の媒体51が中間トレイ210上に排出されるときに、第1の媒体51の裏面51bが第2の媒体52の表面52aに当たるようになり、突押力F31が発生するため、媒体50の不揃いが発生する場合がある。そのため、中間トレイ210上の積載枚数のある値を境に、制御部250は、第1の媒体51を排出するときの第1引き込み部材211の姿勢を第3姿勢から第2姿勢に変更してもよい。
<後処理された媒体のテスト処理における作用>
次に、サービスマンが、後処理された媒体50の後端の揃え精度を計測するテストパターンを印刷するテスト処理を行う場合の作用について説明する。
排出スタッカー231に排出された媒体束の整合がよくない場合には、サービスマンは操作部62を操作して印刷システム11をテストモードに移行し、任意のテスト処理を実行する。複数のテストパターンの中から、媒体50の不整合が発生している印刷イメージに近いテストパターンとジョブ内容を選択する。ジョブ内容は、媒体50の坪量、媒体50のサイズ、媒体50のサイズ、部数単位の枚数を含む。そして、不整合が発生した媒体と同じ媒体を使用して印刷ジョブが実行される。
排出スタッカー231に排出された媒体束の状態に応じて、サービスマンは、第1引き込み部材211の第1必要回転数と、第1引き込み部材211の高さと、第2引き込み部材212の第2必要回転数とを変更する。変更方法としては、図20、図21に示すような制御部250が使用している制御テーブルを、操作部62のタッチパネルに映し出し、そのテーブルの各値を変更する。印刷装置制御部60は、後処理装置200の制御部250と通信を行い、変更した値を制御部250に通知する。
サービスマンは、設定が終了すると、再度テスト処理を実行する。サービスマンが、排出スタッカー231に排出された媒体束の状態を確認し、排出スタッカー231に排出された媒体束の中に引き込みが足らない、または引き込みが多すぎる媒体50がある場合には、制御テーブルの値を調整することで引き込み量を変更する。
第1必要回転数に達したときの第1引き込み部材211の姿勢については、サービスマンは操作部62の画面を切り換えて制御テーブルとは別画面に移行させる。その画面において、サービスマンはジョブ内容に応じて、第1引き込み部材211の姿勢を変更する。
サービスマンが、排出スタッカー231に排出された媒体束の状態を確認し、排出スタッカー231に排出された媒体束が搬送方向Y1に大きくはみ出している場合には、サービスマンは中間排出ローラー対202が第1の媒体51を排出するときの第1引き込み部材211の姿勢を第3姿勢から第2姿勢に変更する。または、サービスマンは中間排出ロ
ーラー対202が第1の媒体51を排出するときの第1引き込み部材211の姿勢が第3姿勢から第2姿勢に変更される中間トレイ210上の積載枚数を少なくする。
第1引き込み部材211が当たる場所に、擦れ跡や押し跡等が付いている場合には、サービスマンは中間排出ローラー対202が第1の媒体51を排出するときの第1引き込み部材211の姿勢を第3姿勢に変更する。
サービスマンは、設定が終了すると、再度テスト処理を実行する。排出スタッカー231に排出された媒体束の整合が改善された場合には、テスト処理を終了する。媒体束の整合が改善されない場合には、サービスマンは、操作部62を操作して再度調整を行い、テスト処理を実行する。媒体束の整合が改善された場合には、テスト処理を終了する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)制御部250は、パラメーターの条件に応じて、第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、媒体50の後端を後端整合部210aに整合するために必要な第1必要回転数に達したときに第1引き込み動作を規制する。液体吐出部27によって吐出された液体により印刷された媒体50が整合される場合、中間トレイ210において、第1引き込み部材211によって引き込まれる第1の媒体51と、中間トレイ210に先に積載された第2の媒体52との間の摩擦係数μ1bが、パラメーターの条件に応じて変化する。このため、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達するまでに要する時間が変化する。このため、制御部250はパラメーターの条件に応じて適切な第1必要回転数を設定する。よって、中間トレイ210で媒体50を整合する場合、媒体50の後端が後端整合部210aに到達しないことに起因する媒体50の不揃いや、媒体50の後端が後端整合部210aに到達した後も引き込んでしまうことに起因する媒体50の座屈を抑制できる。
第1引き込み動作の規制する方法として、制御部250は第1引き込み部材211を第2姿勢へと変化させる方法がある。第1引き込み部材211が適切な回転数で回転を停止し、第1の媒体51を押さえ付けることによって、媒体50の不揃いや中間トレイ210の中で座屈が発生することを抑制できる。
第1引き込み動作を規制する方法として、制御部250は第1引き込み部材211を第3姿勢へと変化させる方法がある。第1引き込み部材211が第1の媒体51に当たらない位置に移動することによって、媒体50に擦れ跡や押し跡等が付くことを抑制できる。
(2)制御部250は、印刷装置13が設置されている環境の温度と、印刷装置13が設置されている環境の湿度と、媒体50のサイズと、媒体50の坪量と、中間トレイ210に積載されている媒体50の枚数とをパラメーターの条件として用いる。環境の温度が低いときに媒体50に付着した液体が乾燥しにくく、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。また、環境の湿度が高いときに媒体50に付着した液体が乾燥しにくく、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。さらに、媒体50のサイズが大きいほど媒体間の接触面積が大きくなるため、媒体50の搬送方向Y1の長い媒体50を第1引き込み部材が引き込むときに、抵抗力F13が大きくなる。また、坪量の大きい媒体50ほど媒体50の重量が大きいため、第1引き込み部材211が引き込むときに、抵抗力F13が大きくなる。坪量の小さい媒体50ほど媒体50の剛性が弱いため、制止力F15が小さくなるため、第1の媒体51が座屈しやすくなる。また、中間トレイ210に積載されている媒体50の枚数が多いほど、媒体束の積載高さが高くなって、第1の媒体51が第1引き込み部材211に近づくことになり、第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込むときの押付力T1が大きくなるため、摩擦力F12が大きくなる。制御部250は、環境
の温度、環境の湿度、媒体50のサイズ、媒体50の坪量、中間トレイ210に積載されている媒体50の枚数、のうちの少なくともいずれか一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に設定することによって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(3)制御部250は、経過時間、待機時間、印刷デューティー、のうちの少なくともいずれか一つをパラメーターとして用いる。経過時間が短いほど、待機時間が長いほど、印刷デューティーが大きいほど、媒体50に付着又は浸透した液体の乾燥度合が低く、媒体面の含水状態が悪化する傾向にある。媒体面の含水状態が悪化すると、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。制御部250は、経過時間、待機時間、印刷デューティーのうちの少なくともいずれか一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に変化させる。よって、中間トレイ210で媒体50を整合する場合、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(4)経過時間は、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における印刷時間、液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における搬送時間、搬送ピッチ時間、のうちの少なくともいずれか一つである。印刷時間、搬送時間、搬送ピッチ時間のうち少なくとも一つが短いほど、媒体面の含水状態が悪化する傾向にある。媒体面の含水状態が悪化すると、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。このため、制御部は、印刷時間、搬送時間、搬送ピッチ時間のうち少なくとも一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に変化させることによって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(5)制御部250は、待機時間、液体の印刷デューティー、媒体50のサイズ、のうちの少なくとも一つをパラメーターとして用い、パラメーターの数値が大きくなるほど第1必要回転数は多くなる。待機時間が長いときは、媒体50の乾燥時間を長く確保する必要がある。そのため、媒体面の含水状態がまだ悪化したままの状態で、更に媒体面の波うちが大きくなり、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。また、印刷デューティーが大きいときは、媒体面の含水状態がまだ悪化したままの状態にあり、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。媒体50のサイズが大きいときは、接触面積が大きいことから、抵抗力F13がさらに大きくなる。制御部250は、待機時間、印刷デューティー、媒体50のサイズのうちの少なくとも一つのパラメーターの数値が大きくなるほど、第1必要回転数を多くし、引き込む量を多くすることによって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(6)印刷デューティーは、第1引き込み部材211が媒体50と接触する領域、または接触する領域と重なる領域における接触部デューティーであってもよい。第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込むときに、第1の媒体51と接触する領域、または接触する領域と重なる領域の媒体間の摩擦係数μ1bによって摩擦力F12が変化し、第1の媒体51の引き込み易さが変化する。印刷デューティーを使用するよりも、接触部デューティーを使用する方が、第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込むときに第1の媒体51と接触する領域、または接触する領域と重なる領域の媒体間の摩擦係数μ1bがより正確に反映される。よって、制御部250が、接触部デューティーに応じて第1必要回転数を適切に変化させることによって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(7)制御部250は、第1の媒体51の裏面の印刷デューティーと、第1の媒体51のサイズとをパラメーターとして用いる。印刷デューティーが大きいときは、媒体面の含水状態の悪化によって、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗
力F13が大きくなる。印刷デューティーは第1の媒体51の裏面の媒体面状態に最も影響の大きいパラメーターである。第1の媒体51のサイズが大きいときは、抵抗力F13が大きくなる。すなわち、制御部250は、第1必要回転数を適切に変化させることによって、第1の媒体51のサイズが変化しても媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(8)制御部250は、第1の媒体51の裏面の印刷デューティーと、環境湿度とをパラメーターとして用いる。印刷デューティーが大きいときは、媒体面の含水状態の悪化によって、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。印刷デューティーは第1の媒体51の裏面の媒体面状態に最も影響の大きいパラメーターである。環境湿度が高いときには、媒体間の摩擦係数μ1bが大きくなるため、摩擦力F12と抵抗力F13が大きくなる。すなわち、制御部250は、第1必要回転数を適切に変化させることによって、環境の湿度が変化しても媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(9)制御部250は、第1の媒体51の裏面の印刷デューティーと、第2の媒体の表面の印刷デューティーと、第1の媒体51の裏面経過時間と、第2の媒体52の表面経過時間とをパラメーターとして用いる。第1引き込み部材211が第1引き込み動作を行うときの、第1の媒体51の裏面の含水状態と、第2の媒体52の表面の含水状態と、によって変化する媒体間の摩擦係数μ1bによって発生する摩擦力F12と抵抗力F13の変化に応じた適切な制御によって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(10)制御部250は、第1引き込み部材211の第1姿勢における高さをパラメーターの条件に応じて決定することで、引込力F11が適切に調整できる。引込力F11を適切に決定することによって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈が発生することを抑制できる。
(11)制御部250は、第1引き込み部材211が第1の媒体51に当たっている状態で、第1引き込み部材211の第1引き込み動作を停止して高さを低くし、第1引き込み部材211によって第2の媒体52を押さえ付ける第2姿勢へと変化させる。中間排出ローラー対202が第1の媒体51を排出するときに発生する突押力F31と反対方向の把持力F33が発生するため、整合済みの第2の媒体52が動くことを抑制できる。
(12)制御部250は、第1引き込み部材211が第2姿勢にあるときに、第2引き込み部材212に第2引き込み動作を開始させ、第1の媒体51の後端51cが第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211を第2姿勢から第1姿勢に戻し、第1引き込み動作を再開させる。第1引き込み部材211は、第1引き込み部材211が第2姿勢にあることによって整合済みの第2の媒体52が動くことの抑制と、第1引き込み部材211の第1姿勢による第1の媒体51の整合とを両立することができる。
(13)制御部250は、第1引き込み部材211を第1姿勢から、第1の媒体51から離間する第3姿勢へと変化させる。第1引き込み部材211が第1の媒体51の表面51aに触れている時間を短くすることで、第1引き込み部材211の第1羽根211a,211b,211cの擦れ跡や押し跡等が付きにくくすることができる。
(14)第1引き込み部材211が第3姿勢にあるときに、第2引き込み部材212は第2引き込み動作を開始し、第1の媒体51の後端が第1引き込み部材211に到達するときに、第1引き込み部材211は第3姿勢から第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開する。第1引き込み部材211は、第2の媒体52への擦れ跡や押し跡の抑制と、第1姿勢による第1の媒体51の整合とを両立することができる。
(15)制御部250は、第2積算回転数が第2必要回転数に達したときに、第2引き込み動作を規制する。印刷装置13から取得されたパラメーターによって媒体間の摩擦係数μ1bが変化し、媒体50の後端が後端整合部210aに到達する時間が長くなるため、制御部250はパラメーターの条件に応じて適切な第2必要回転数を設定する。そのため、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(16)印刷システムは、第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する。印刷装置13から取得されたパラメーターによって媒体間の摩擦係数μ1bが変化し、媒体50の後端が後端整合部210aに到達する時間が長くなるため、制御部250はパラメーターの条件に応じて適切な第1必要回転数を設定する。そのため、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
(17)サービスマンがテストパターンを印刷するテスト処理を行い、テスト処理の結果に応じて、第1引き込み部材211の第1必要回転数と、第1引き込み部材211が第1姿勢にあるときの高さと、のうち少なくとも一つを変更可能とする。サービスマンが、テスト結果に応じて第1引き込み部材211の動作を調整することによって、媒体50の不揃いや媒体50の座屈を抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・後処理装置200は搬送路17を備えず、印刷装置13側の搬送路17に対して、中間トレイ210を接続してもよい。その場合、後処理装置200へ媒体50を排出する印刷装置13の搬送ローラー対を中間排出ローラー対202として用いてもよい。また、印刷装置13の用紙検知センサーを受入センサー203として用いてもよい。
・第1引き込み部材211は、第1コア211d表面の第1回転中心211eの半周の範囲に、第1羽根211a,211b,211cを備えているが、全周の範囲に、第1羽根を備えるようにしてもよい。
・第1引き込み部材211は、3本の第1羽根211a,211b,211cを備えているが、その数は限定されない。通常は第1羽根の数は3本から6本の範囲である。
・第1引き込み部材211の姿勢が第2姿勢のとき、その角度は本実施形態の角度に限定されない。
・第1引き込み部材211の姿勢が第3姿勢のとき、その角度は本実施形態の角度に限定されない。
・第1引き込み部材211の姿勢が第3姿勢のとき、第1引き込み部材211は回転したままでもよい。
・第2引き込み部材212は、3本の第2羽根212a,212b,212cを備えているが、その数は限定されない。通常は第1羽根の数は3本から6本の範囲である。
・第1引き込み部材211と第2引き込み部材212は、ローラーでもよい。摩擦係数を樹脂とゴムの中間に設定可能なスポンジ状の低摩擦シリコーン等の材料とすることで、第1の媒体51は弱い力で搬送されることができる。第1の媒体51を第1の媒体51の媒体面とローラー表面との間でスリップさせることで、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに当たったときに、第1の媒体51は座屈しない。
・第2引き込み部材212は、第2コア212d表面の第2回転中心212eの半周の範囲に、第2羽根212a,212b,212cを備えているが、全周の範囲に、第2羽
根を備えるようにしてもよい。全周の範囲に、第2羽根を備える場合には、第2引き込み部材212の角度にかかわらず、いずれかの第2羽根が第1の媒体51の表面51aに当たるため、第2引き込み部材212の高さを上下動させるモーターが構成に追加される。そのときは、第2引き込み部材212の高さを高くすることによって、第2引き込み部材212の第2羽根が第1の媒体51の表面51aに当たらない構成とする。
・媒体50の表面を複数のエリアに分割し、その複数のエリアに対して含水率を算出し、その複数のエリアの含水率のバラツキの大きさをパラメーターとしてもよい。複数のエリアの含水率のバラツキが大きいと搬送方向Y1だけでなく、幅方向Xに対しても媒体の反りや歪みが発生しやすい。そのため、媒体50が中間トレイ210上に落下するときにスキューが大きくなり、後端の整合に時間がかかる虞がある。媒体50が歪むことによって凸部が発生したときは、その凸部に力が集中することで突押力F31が大きくなるため、第1の媒体51を押さえ付ける第2姿勢の効果は大きくなる。
・第1引き込み動作の規制は、第1の媒体51に対して複数回行ってもよい。例えば、第1の媒体51の後端51cが後端整合部210aに到達したときに、制御部250が、第1引き込み部材211の第1回転中心211eの高さを少し高くすることで、第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込む力を少し弱くする。これが1回目の第1引き込み動作の規制である。したがって、第1引き込み部材211が第1の媒体51を引き込み過ぎることを抑制できる。その後、側端整合部材215が第1の媒体51の側端を整合する。第1の媒体51の側端の整合が終了し、第1引き込み部材211が第1の媒体51の後端51cを後端整合部210aに対して整合が終了したときに、第1引き込み部材211は、第1引き込み部材211の姿勢を第2姿勢または第3姿勢に変化させる。これが2回目の第1引き込み動作の規制である。
・第1引き込み部材211の姿勢を第2姿勢に変化させる代わりに、第2の媒体52の後端部分を押さえる部材を設け、第2の媒体52の後端部分を押さえる部材が第2の媒体52の後端部分を押さえている間は、第1引き込み部材211が媒体50から離間させる構成としてもよい。
・後処理装置200は制御部250を備えず、全て印刷装置制御部60が制御する構成としてもよい。
・制御部250は、後処理装置200が設置されている環境の温度と湿度を使用してもよい。すなわち環境センサー61は、後処理装置200が備えてもよい。
・印刷装置13と後処理装置200は、別個の筐体を有するのではなく、筐体を一体とした構成であってもよい。
・媒体50の印刷時間に関する情報として、印刷装置制御部60が後処理装置200の制御部250対して、媒体50の表面の印刷終了時刻と、媒体50の裏面の印刷終了時刻とを通知してもよい。制御部250は、後処理装置200内で媒体50が第1引き込み動作までに経過する時間を推測し、それらを加算することによって、印刷からの経過時間を算出できる。制御部250が、印刷からの経過時間を算出できる情報であれば、これに限定されない。
・媒体50の印刷時間に関する情報として、印刷装置制御部60が後処理装置200の制御部250対して、媒体50の印刷開始時刻を通知してもよい。
・液体吐出部27が吐出した液体によって印刷された媒体50における搬送時間は、印刷装置制御部60が制御部250に対して、通知されなくてもよい。印刷装置制御部60が制御部250に対して、ジョブ内容を通知することによって、後処理装置200の制御部250が搬送時間を算出してもよい。
・印刷デューティーについては媒体50の表面と裏面を複数区画に分割して通知する構成としてもよい。その場合、それぞれの区画が印刷された印刷終了時刻または印刷開始時刻を通知してもよい。
・媒体50の印刷時間に関する情報として、媒体50の表面の印刷終了からの経過時間と、媒体50の裏面の印刷終了からの経過時間とを通知してもよい。制御部250は、後処理装置200内で媒体50が第1引き込み動作までに経過する時間を推測し、それらを加算することによって、印刷からの経過時間を算出できる。
・本実施形態においては、制御部250は、媒体の搬送方向Y1の長さが短いときは表面デューティーと裏面デューティーとを、媒体の搬送方向Y1の長さが長いときは接触部表面デューティーと接触部裏面デューティーとを、使用したが、媒体50の媒体面全体と接触部との両方の印刷デューティーを使用してもよい。接触部表面デューティーと接触部裏面デューティーとは、摩擦力F12を正確に反映する。表面デューティーと裏面デューティーとは、抵抗力F13と落下力F14とを正確に反映する。両方の印刷デューティーを使用することによって、特に媒体50のサイズが大きいときに正確な制御テーブルを作成できる。
・接触部デューティーは、第1引き込み部材211が接触する部分の印刷デューティーでもよいし、第2引き込み部材212が接触する部分の印刷デューティーでもよい。
・印刷デューティーが高いときは、第1の媒体51と第2の媒体52との摩擦係数μ1bが高くなって、媒体50が引き込まれ難くなる。しかし、印刷デューティーが高い媒体50は高い印刷品質が求められる。媒体50の媒体面に第1引き込み部材211の擦れ跡が付けられない。第1引き込み部材211の高さは標準よりも高く設定され、その代わりに第1引き込み部材211の回転数が更に大きく設定されてもよい。媒体50の引き込み時間が多くかかるため、生産性は低くなるが、高品質の印刷物の出力が可能となる。
・本実施形態では制御テーブルを用いたが、パラメーターを変数とした計算式や条件式によって、第1必要回転数、第2必要回転数、第1引き込み部材211が第1姿勢にあるときの高さを求めるようにしてもよい。
・媒体50の種類によって、第1必要回転数、第2必要回転数は変わるため、代表的な媒体の種類に対応する制御テーブルを複数用意しておき、サービスマンが操作部62を操作して、制御テーブルを切り換えるようにしてもよい。
・サービスマンが印刷システム11にPCを接続し、特殊な操作によって印刷システム11をリペアモードに移行させ、リペアモードにおいて変更が行なわれてもよい。
・本実施形態では、テスト処理の結果に応じて、第1引き込み部材211の第1必要回転数や第1引き込み部材211が第1姿勢にあるときの高さ等が入力されて変更が行われる。媒体50の印刷デューティー、媒体50の坪量やサイズ、第1引き込み部材211が媒体50を中間トレイ210上で第1引き込み動作を行うときに積載されている媒体50の枚数等において、第1引き込み部材211の第1必要回転数が変化する閾値が入力されるようにしてもよい。同様に、第1引き込み部材211が第1姿勢にあるときの高さが変化する閾値を入力されるようにしてもよい。
・後処理装置200は、サービスマンが第1引き込み部材211の高さを変更できる機構を有してもよい。
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)後処理装置は、印刷装置が有する液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する。
この構成によれば、液体吐出部によって吐出された液体により印刷された媒体が整合される場合、中間トレイにおいて、第1引き込み部材によって引き込まれる媒体と、中間トレイに先に積載された媒体との間の摩擦抵抗が、パラメーターの条件に応じて変化する。このため、媒体間の摩擦抵抗の変化により、媒体の後端が後端整合部に到達するまでに要する時間が変化する。このため、制御部はパラメーターの条件に応じて適切な第1必要回転数を設定する。よって、中間トレイで媒体を整合する場合、媒体の後端が後端整合部に到達しないことに起因する媒体の不揃いや、媒体の後端が後端整合部に到達した後も引き込んでしまうことに起因する媒体の座屈を抑制できる。
(B)上記後処理装置において、前記制御部は、前記印刷装置が設置されている環境の温度、前記印刷装置が設置されている環境の湿度、前記媒体のサイズ、前記媒体の坪量、前記中間トレイに積載されている前記媒体の枚数、のうちの少なくともいずれか一つを、前記パラメーターとして用いてもよい。
この構成によれば、環境の温度が低いときに媒体に付着した液体が乾燥しにくく、媒体間の摩擦抵抗が大きくなる。また、環境の湿度が高いときに媒体に付着した液体が乾燥しにくく、媒体間の摩擦抵抗が大きくなる。さらに、媒体のサイズが大きいほど媒体間の接触面積が大きくなるため、媒体が動くときの摩擦抵抗が大きくなる。また、坪量の大きい媒体ほど媒体の重量が大きいため、第1引き込み部材が引き込むときに、媒体間の摩擦抵抗が大きくなる。坪量の小さい媒体ほど剛性が弱いため、媒体が座屈しやすくなる。また、中間トレイに積載されている媒体の枚数が多いほど、媒体束の積載高さが高くなって、引き込み対象の媒体が第1引き込み部材に近づくことになり、第1引き込み部材が媒体を引き込むときに押し付ける押付力が大きくなるため、媒体間の摩擦抵抗が大きくなる。制御部は、環境の温度、環境の湿度、媒体のサイズ、媒体の坪量、中間トレイに積載されている媒体の枚数、のうちの少なくともいずれか一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に変化させる。よって、中間トレイで媒体を整合する場合、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(C)上記後処理装置において、前記制御部は、前記液体吐出部が吐出した液体によって前記媒体の印刷が開始されてから、前記第1引き込み部材が当該媒体を引き込む前記第1引き込み動作を開始するまでの経過時間、前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における印刷後の待機時間、前記液体吐出部により前記媒体に吐出された液体の面積当たりの液体吐出量、のうちの少なくともいずれか一つを前記パラメーターとして用いてもよい。
この構成によれば、媒体に印刷されてから第1引き込み動作が開始されるまでの経過時間が短いほど、印刷された媒体の待機時間が長いほど、面積当たりの液体吐出量が大きいほど、媒体に付着又は浸透した液体の乾燥度合が低くなる傾向にある。液体の乾燥度合が
低いと、媒体間の摩擦抵抗が大きくなる。制御部は、経過時間、待機時間、面積当たりの液体吐出量のうちの少なくともいずれか一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に変化させる。よって、中間トレイで媒体を整合する場合、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(D)上記後処理装置において、前記経過時間は、前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における印刷時間、前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における搬送時間、前記第1引き込み動作を開始してから、次の前記第1引き込み動作を開始するまでの前記媒体の搬送ピッチ時間、のうちの少なくともいずれか一つであってもよい。
この構成によれば、印刷時間、搬送時間、搬送ピッチ時間のうち少なくとも一つが短いほど、媒体の乾燥度合が低く媒体面の含水状態がまだ悪化したままの状態にあり、媒体間の摩擦抵抗が大きい。このため、制御部は、印刷時間、搬送時間、搬送ピッチ時間のうち少なくとも一つのパラメーターに応じて、第1必要回転数を適切に変化させることによって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(E)上記後処理装置において、前記制御部は、前記待機時間、前記液体の面積当たりの液体吐出量、前記媒体のサイズ、のうちの少なくとも一つ、を前記パラメーターとして用い、前記パラメーターの数値が大きくなるほど前記第1必要回転数は多くなってもよい。
この構成によれば、待機時間が長いときは、媒体の乾燥時間を長く確保する必要があるため、媒体面の含水状態がまだ悪化したままの状態にあり、媒体間の摩擦抵抗が大きい。また、面積当たりの液体吐出量が大きいときは、媒体面の含水状態がまだ悪化したままの状態にあり、媒体間の摩擦抵抗が大きい。さらに、媒体のサイズが大きいときは、接触面積が大きいため摩擦抵抗が大きい。制御部は、待機時間、面積当たりの液体吐出量、媒体のサイズのうちの少なくとも一つのパラメーターの数値が大きくなるほど、第1必要回転数を多くすることによって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(F)上記後処理装置において、前記面積当たりの液体吐出量は、前記第1引き込み部材が前記媒体と接触する領域、または接触する領域と重なる領域における接触部デューティー、であってもよい。
この構成によれば、第1引き込み部材が媒体を引き込むときに、媒体と接触する領域、または接触する領域と重なる領域の媒体間の摩擦抵抗によって、媒体の引き込み易さが変化する。面積当たりの液体吐出量を使用するよりも、接触部デューティーを使用する方が、第1引き込み部材が媒体を引き込むときに媒体と接触する領域、または接触する領域と重なる領域の媒体間の摩擦抵抗がより正確に反映される。よって、制御部が、接触部デューティーに応じて第1必要回転数を適切に変化させることによって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(G)上記後処理装置において、前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの中間トレイ側の面を裏面とし、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体としたとき、前記制御部は、前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、前記第1の媒体のサイズと、を前記パラメーターとして用いてもよい。
この構成によれば、面積当たりの液体吐出量が大きいときは、媒体面の含水状態の悪化によって、媒体間の摩擦抵抗が大きくなるため、媒体間が密着する力が大きくなる。面積当たりの液体吐出量は媒体面の状態に最も影響の大きいパラメーターである。媒体のサイ
ズが大きいときは、媒体を動かすときの抵抗が大きくなる。すなわち、制御部は、媒体のサイズが変化しても、少ないパラメーターで、媒体の不揃いや媒体の座屈が発生することを抑制できる。
(H)上記後処理装置において、前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの中間トレイ側の面を裏面とし、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体としたとき、前記制御部は、前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、前記印刷装置が設置されている環境の湿度と、を前記パラメーターとして用いてもよい。
この構成によれば、面積当たりの液体吐出量が大きいときは、媒体面の含水状態の悪化によって、媒体間の摩擦抵抗が大きくなるため、媒体間が密着する力が大きくなる。面積当たりの液体吐出量は媒体面の含水状態に最も影響の大きいパラメーターである。環境湿度が高いときには、媒体間が密着する力が大きくなる。すなわち、制御部は、環境湿度が変化しても、少ないパラメーターで、媒体の不揃いや媒体の座屈が発生することを抑制できる。
(I)上記後処理装置において、前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの中間トレイ側の面と反対側の面を表面とし、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行うときに前記中間トレイの一番上側に積載されている前記媒体を第2の媒体としたとき、前記制御部は、前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、前記第2の媒体の表面の面積当たりの液体吐出量と、前記第1の媒体の裏面の経過時間と、前記第2の媒体の表面の経過時間と、を前記パラメーターとして用いてもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材が第1引き込み動作を行うときの、第1の媒体の裏面の含水状態と、第2の媒体の表面の含水状態との間で発生する媒体間の摩擦抵抗に応じた適切な制御によって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(J)上記後処理装置において、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み部材を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、前記制御部は、前記中間トレイの前記媒体を積載する底面と、前記第1引き込み部材の回転中心と、の距離である前記第1引き込み部材の高さを前記パラメーターの条件に応じて決定してもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材の第1姿勢における高さをパラメーターの条件に応じて決定することで、第1の媒体を引き込む力が適切に調整できる。第1の媒体を引き込む力を適切に決定することによって、媒体の不揃いや媒体の座屈が発生することを抑制できる。
(K)上記後処理装置において、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行うときに前記中間トレイの一番上側に積載されている前記媒体を第2の媒体としたとき、前記制御部は、前記第1積算回転数が前記第1必要回転数に達したときに、前記制御部は、前記第1引き込み部材が前記第1の媒体に当たっている状態で、前記第1引き込み部材の前記第1引き込み動作を停止し、前記第1引き込み部材の高さを低くし、前記第1引き込み部材によって前記第2の媒体を押さえ付ける第2姿勢へと変化させてもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材の姿勢を第2姿勢へと変化させることによって、第2の媒体を把持する力を発生させるため、第1の媒体が搬送路を通過するときに、第1の媒体が、整合済みの第2の媒体52を動かすことを抑制できる。
(L)上記後処理装置において、前記中間トレイは、前記第1引き込み部材よりも搬送方向下流側に設けられた第2引き込み部材を有し、前記第1引き込み部材が前記第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、前記制御部は、前記第1引き込み部材が前記第2姿勢にあるときに、前記第2引き込み部材は前記第1の媒体を搬送方向上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始し、前記第1の媒体の後端が前記第1引き込み部材に到達するまでに、前記第1引き込み部材は前記第2姿勢から前記第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開するように構成されてもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材が第2姿勢にあることによって整合済みの第2の媒体が動くことの抑制と、第1引き込み部材の第1姿勢による第1の媒体の整合とを両立することができる。
(M)上記後処理装置において、前記第1引き込み部材が第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、前記第1積算回転数が前記第1必要回転数に達したときに、前記制御部は、前記第1引き込み部材を前記第1姿勢から、前記第1の媒体から離間する第3姿勢へと変化させてもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材の姿勢を第3姿勢へと変化させることによって、第1引き込み部材が第1の媒体の表面に触れている時間を短くすることで、第1引き込み部材の擦れ跡や押し跡等が付きにくくすることができる。
(N)上記後処理装置において、前記中間トレイは、前記第1引き込み部材よりも搬送方向下流側に設けられた第2引き込み部材を有し、前記制御部は、前記第1引き込み部材が前記第3姿勢にあるときに、前記第2引き込み部材は前記第1の媒体を搬送方向上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始し、前記第1の媒体の後端が前記第1引き込み部材に到達するまでに、前記第1引き込み部材は前記第3姿勢から前記第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開するように構成されてもよい。
この構成によれば、制御部は、第1引き込み部材が第3姿勢にあることによって、第2の媒体への擦れ跡や押し跡の抑制と、第1引き込み部材の第1姿勢による第1の媒体の整合とを両立することができる。
(O)上記後処理装置において、前記制御部は、前記第2引き込み部材が前記第2引き込み動作を開始してからの第2積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な回転数である第2必要回転数に達したときに、前記第2引き込み動作を規制するように構成されてもよい。
この構成によれば、印刷装置から取得されたパラメーターによって媒体間の摩擦抵抗が変化し、媒体の後端が後端整合部に到達する時間が長くなるため、制御部はパラメーターの条件に応じて適切な第2必要回転数を設定する。そのため、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(P)印刷システムは、媒体に液体を吐出する液体吐出部と、液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始して
からの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する。
この構成によれば、印刷装置から取得されたパラメーターによって媒体間の摩擦抵抗が変化し、媒体の後端が後端整合部に到達する時間が長くなるため、制御部はパラメーターの条件に応じて適切な第1必要回転数を設定する。そのため、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
(Q)上記印刷システムにおいて、後処理された前記媒体の後端の揃え精度を計測するテストパターンを印刷するテストモードを有し、前記テストモードが選択された場合に、前記テストパターンを印刷するテスト処理を行うことが可能に構成され、第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、前記第1引き込み部材が前記第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、前記制御部は、前記テスト処理の結果に応じて、前記第1引き込み部材の前記第1必要回転数と、前記第1引き込み部材が前記第1姿勢にあるときの高さと、のうち少なくとも一つを変更可能としてもよい。
この構成によれば、サービスマンが、テスト結果に応じて第1引き込み部材の第1必要回転数、第1引き込み部材が前記第1姿勢にあるときの高さ、のうち少なくとも一つを変更することによって、媒体の不揃いや媒体の座屈を抑制できる。
11…印刷システム、13…印刷装置、17…搬送路、18…搬送モーター、19…搬送ローラー対、21…カセット、22…ピックアップローラー、23…分離ローラー、25…支持部、26…印刷部、27…液体吐出部、50…媒体、51…第1の媒体、51a…第1の媒体の表面、51b…第1の媒体の裏面、51c…第1の媒体の後端、51d…第1の媒体の先端、52…第2の媒体、52a…第2の媒体の表面、52b…第2の媒体の裏面、52c…第2の媒体の後端、52d…第2の媒体の先端、53…第3の媒体、53a…第3の媒体の表面、53b…第3の媒体の裏面、53c…第3の媒体の後端、53d…第3の媒体の先端、54…第4の媒体、60…印刷装置制御部、61…環境センサー、62…操作部、64…搬送部、65…送信部、101…排出経路、102…スイッチバック経路、103…反転経路、104…排出部、200…後処理装置、201…受入ローラー対、201a…受入駆動ローラー、201b…受入従動ローラー、202…中間排出ローラー対、202a…中間トレイ排出駆動ローラー、202b…中間トレイ排出従動ローラー、203…受入センサー、204…上側搬送面、205…下側搬送面、206…受入口、207…搬入部、208…搬送モーター、210…中間トレイ、210a…後端整合部、210b…積載底面、211…第1引き込み部材、211a…第1羽根A、211b…第1羽根B、211c…第1羽根C、211d…第1コア、211e…第1回転中心、212…第2引き込み部材、212a…第2羽根A、212b…第2羽根B、212c…第2羽根C、212d…第2コア、212e…第2回転中心、213…第1回転モーター、214…第2回転モーター、215…側端整合部材、216…媒体落下部材、229…ニップモーター、230…排出ローラー対、230a…排出駆動ローラー、230b…排出従動ローラー、231…排出スタッカー、232…排出モーター、233…スタッカーモーター、234…スタッカー高さセンサー、235…電動モーター、240…後処理機構、250…制御部、251…第1電流検出部、252…第2電流検出部、253…第1上下動モーター、254…第1回転位置センサー、255…第2回転位置センサー、256…側端整合モーター、258…側端整合位置センサー、F11…引込力、F12…摩擦力、F13…抵抗力、F14…落下力、F15…制止力、F21…引込力、F22…摩擦力、F23…抵抗力、F24…落下力、F31…突押力、F32…抵抗力、F33…把持力、N1…第1回転時間、N2…第2回転時間、μ1a…第1羽根と第1の媒体との摩
擦係数、μ1b…第1の媒体と第2の媒体との摩擦係数、μ2a…第2羽根と第1の媒体との摩擦係数、T1…第1羽根の第1の媒体への押付力、T2…第2羽根の第1の媒体への押付力、T3…第1の媒体の第2の媒体への押付力、θ…中間トレイの水平からの角度、Δ1…第1処理時間、Δ2…第2処理時間、NW…ネットワーク、W1…第1引き込み部材の回転方向、W2…第2引き込み部材の回転方向、X…幅方向、Y…搬送方向、Y1…搬送方向、Z…鉛直方向。

Claims (14)

  1. 印刷装置が有する液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、
    前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、
    前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、
    前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、
    前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、
    前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定し、
    前記制御部は、
    前記液体吐出部が吐出した液体によって前記媒体の印刷が開始されてから、前記第1引き込み部材が当該媒体を引き込む前記第1引き込み動作を開始するまでの経過時間、
    前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における印刷後の待機時間、
    前記液体吐出部により前記媒体に吐出された液体の面積当たりの液体吐出量、
    のうちの少なくともいずれか一つを前記パラメーターとして用いることを特徴とする後処理装置。
  2. 前記経過時間は、
    前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における印刷時間、
    前記液体吐出部が吐出した液体によって印刷された前記媒体における搬送時間、
    前記第1引き込み動作を開始してから、次の前記第1引き込み動作を開始するまでの前記媒体の搬送ピッチ時間、
    のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項に記載の後処理装置。
  3. 前記制御部は、
    前記待機時間、
    前記液体の面積当たりの液体吐出量、
    前記媒体のサイズ、
    のうちの少なくとも一つ、を前記パラメーターとして用い、
    前記パラメーターの数値が大きくなるほど前記第1必要回転数は多くなることを特徴とする請求項に記載の後処理装置。
  4. 前記面積当たりの液体吐出量は、
    前記第1引き込み部材が前記媒体と接触する領域、または接触する領域と重なる領域における面積当たりの液体吐出量であることを特徴とする請求項または請求項に記載の後処理装置。
  5. 前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの当該中間トレイ側の面を裏面とし、
    前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、前記第1の媒体のサイズとを、前記パラメーターとして用いることを特徴とする請求項から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  6. 前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの当該中間トレイ側の面を裏面とし、
    前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、前記印刷装置が設置されている環境の湿度とを、前記パラメーターとして用いることを特徴とする請求項から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  7. 前記媒体が前記中間トレイに積載されるときの当該中間トレイ側の面と反対側の面を表面とし、
    前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、
    前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行うときに前記中間トレイの一番上側に積載されている前記媒体を第2の媒体としたとき、
    前記制御部は、
    前記第1の媒体の裏面の面積当たりの液体吐出量と、
    前記第2の媒体の表面の面積当たりの液体吐出量と、
    前記第1の媒体の裏面の経過時間と、
    前記第2の媒体の表面の経過時間と、
    を前記パラメーターとして用いることを特徴とする請求項から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  8. 前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、
    前記第1引き込み部材が第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、
    前記制御部は、前記中間トレイの前記媒体を積載する底面と、前記第1引き込み部材の回転中心と、の距離である前記第1引き込み部材の高さを前記パラメーターの条件に応じて決定することを特徴とする請求項1から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  9. 前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、
    前記第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行うときに前記中間トレイの一番上側に積載されている前記媒体を第2の媒体としたとき、
    前記制御部は、前記第1積算回転数が前記第1必要回転数に達したときに、前記第1引き込み部材が前記第1の媒体に当たっている状態で、前記第1引き込み部材の前記第1引き込み動作を停止し、前記第1引き込み部材の高さを低くし、前記第1引き込み部材によって前記第2の媒体を押さえ付ける第2姿勢へと変化させることを特徴とする請求項1から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  10. 前記中間トレイは、前記第1引き込み部材よりも搬送方向下流側に設けられた第2引き込み部材を有し、
    前記第1引き込み部材が前記第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、
    前記制御部は、前記第1引き込み部材が前記第2姿勢にあるときに、前記第2引き込み部材には前記第1の媒体を搬送方向上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始させ、
    前記第1の媒体の後端が前記第1引き込み部材に到達するまでに、前記第1引き込み部材を前記第2姿勢から前記第1姿勢に戻し、第1引き込み動作を再開させるように構成されることを特徴とする請求項に記載の後処理装置。
  11. 前記第1引き込み部材が第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、
    前記第1積算回転数が前記第1必要回転数に達したときに、
    前記制御部は、前記第1引き込み部材を前記第1姿勢から、前記第1の媒体から離間する第3姿勢へと変化させることを特徴とする請求項1から請求項のうち何れか一項に記載の後処理装置。
  12. 前記中間トレイは、前記第1引き込み部材よりも搬送方向下流側に設けられた第2引き込み部材を有し、
    前記制御部は、前記第1引き込み部材が前記第3姿勢にあるときに、前記第2引き込み部材は前記第1の媒体を搬送方向上流側へと引き込む第2引き込み動作を開始し、
    前記第1の媒体の後端が前記第1引き込み部材に到達するまでに、前記第1引き込み部材は前記第3姿勢から前記第1姿勢に戻り、第1引き込み動作を再開するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の後処理装置。
  13. 前記制御部は、前記第2引き込み部材が前記第2引き込み動作を開始してからの第2積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な回転数である第2必要回転数に達したときに、前記第2引き込み動作を規制するように構成されることを特徴とする請求項10または請求項12に記載の後処理装置。
  14. 媒体に液体を吐出する液体吐出部と、
    液体吐出部が吐出した液体によって印刷された媒体を搬送する搬送路と、
    前記搬送路によって搬送された前記媒体が積載される中間トレイと、
    前記中間トレイに設けられ、前記媒体の後端が前記搬送路を通過した後に、前記媒体を搬送方向上流側へ引き込む第1引き込み動作を開始する第1引き込み部材と、
    前記中間トレイに設けられ、前記第1引き込み部材によって引き込まれた前記媒体の後端と接触し、前記媒体の後端を整合する後端整合部と、
    前記第1引き込み部材の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1引き込み動作を開始してからの第1積算回転数が、前記媒体の後端を前記後端整合部に整合するために必要な第1必要回転数に達したときに前記第1引き込み動作を規制するように構成され、
    前記制御部は、前記第1必要回転数をパラメーターの条件に応じて決定する印刷システムであって
    前記印刷システムは、後処理された前記媒体の後端の揃え精度を計測するテストパターンを印刷するテストモードを有し、
    前記テストモードが選択された場合に、前記テストパターンを印刷するテスト処理を行うことが可能に構成され、
    第1引き込み部材が前記第1引き込み動作を行う前記媒体を第1の媒体とし、前記第1引き込み部材が前記第1の媒体を引き込む姿勢を第1姿勢としたとき、
    前記制御部は、前記テスト処理の結果に応じて、
    前記第1引き込み部材の前記第1必要回転数、
    前記第1引き込み部材が前記第1姿勢にあるときの高さ、
    のうち少なくとも一つを変更可能とすることを特徴とする印刷システム。
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