JP7384317B2 - 複合硬質クロムめっき - Google Patents

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Description

本発明は、複合硬質クロムめっき皮膜において、3価クロムを使用する複合硬質クロムめっき皮膜、および、前記皮膜を被覆したピストンリング等の摺動部材に関する。
一般的にクロムめっきは、その優れた耐食性、耐変色性から、金属光沢を長く維持することができるため、装飾めっきとして広く用いられている。また、クロムめっきは、硬度が800~950Hv程度と高く、耐摩耗性に優れ、低い摩耗係数を有するので、硬質クロムめっきとして機械部品等に広く用いられている。しかし、これらめっきに用いられるめっき液には、有害な6価クロムが主成分として用いられている。6価クロムは、健康保全上、環境保全上の観点より、高懸念物質として指定されており、6価クロムを用いないクロムめっきの開発が求められている。
6価クロムの代替として有害性の低い3価クロムを使用したクロムめっきが提案されている。3価クロムめっきは、膜厚5μm以下の比較的薄めっきにおいて、色調や耐食性に優れるため、装飾めっきとして実用化されている。しかし、硬質クロムめっきとしては、耐摩耗性(摩耗係数)が十分に高いとは言えず、実用化には至らないものであった。
そこで、耐摩耗性を向上させる方法として、クロムめっき中に耐摩耗性に優れた複数のセラミックス粒子を10~30容量%含有させる方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。また、めっき硬度と耐摩耗性に相関関係があることに着目し、板状および/または繊維状のアルミナ粒子を含有させ、熱処理時のクラックの拡大と進展を抑制し、硬度を向上させる方法が提案されている(特許文献4)。
ところで、セラミックス粒子を複合めっきに用いる場合、一般的にセラミックス粒子の比重が大きいことから、粒子の沈降が発生しやすいことが知られている。それゆえ、複合めっき皮膜を形成する際、粒子の沈降を抑制する目的で、めっき液を強く攪拌したり、揺動させる操作が必要とされている。
しかしながら、これらの方法により形成される複合めっき皮膜は、用いるセラミックス粒子と析出するめっき膜の親和性が低いことにより、処理中にめっき膜からの粒子剥落が起こり、セラミックス粒子の取り込み量が不足する他、粒子の剥落部が原因となり、複合めっき皮膜の形成が不完全となることがあった。また、形成された複合めっき皮膜は、めっき膜とセラミックス粒子の間に非密着部位が観察され、十分な硬度と耐摩耗性を兼備する複合めっき皮膜を与えるものではなかった。
特開2013-241656号公報 特開2016-216833号公報 特開2018-159099号公報 特開2014-196533号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、実用的なクロムめっき条件において、めっき膜とセラミックス粒子の間に非密着部位が抑制され皮膜としての欠陥が少なく、硬度と耐摩耗性に優れた複合硬質クロムめっき皮膜、および、前記皮膜を被覆した摺動部材を提供することにある。
本発明者らは、複合硬質クロムめっき皮膜形成時におけるセラミックス粒子の状態について詳細に検討をした。鋭意研究した結果、表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m)の比A/Bが0.5以上1.5以下である板状アルミナ粒子を、クロム源として3価クロムを用いるクロムめっきに添加することで、アルミナ粒子とめっき膜の親和性が確保され、粒子とめっき金属の間に非密着部位が抑制されためっき皮膜を得ることができ、結果としてクラックが抑制され、硬度と耐摩耗性に優れるめっき皮膜が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、板状アルミナを含む複合硬質クロムめっき皮膜であって、前記複合硬質クロムめっき皮膜のクロム源が3価クロムであり、前記板状アルミナが、表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m)の比A/Bが0.5以上1.5以下であることを特徴とする複合硬質クロムめっき皮膜に関する。
本発明の複合硬質クロムめっき皮膜は、めっき膜とアルミナ粒子の親和性に優れ非密着部位の発生が抑制され、結果としてクラックの抑制につながり、形成された皮膜の硬度と耐摩耗性に優れるため、ピストンリング等の摺動部材に好適に使用することができる。
実施例1で得られたアルミナ分散Crめっき皮膜の断面SEM画像である。 比較例2で得られたアルミナ分散Crめっき皮膜の断面SEM画像である。 実施例1で得られたアルミナ分散Crめっき皮膜の研磨痕をレーザー顕微鏡による3D観察した画像である。 比較例1で得られたアルミナ分散Crめっき皮膜の研磨痕をレーザー顕微鏡による3D観察した画像である。
以下、本発明の一実施形態について詳細を説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
<複合硬質クロムめっき皮膜>
複合硬質クロムめっき皮膜とは、クロムめっき液において、硬質粒子であるセラミックス粒子を添加し、クロムと共析させることで形成されるめっき皮膜である。前記セラミックス粒子は、めっき皮膜の耐摩耗性を向上されることが目的であり、アルミナ、炭化ケイ素、ダイヤモンド等が挙げられる。本実施形態に係るめっき皮膜は、板状のアルミナ粒子を含有する。アルミナ粒子の形状が板状であることにより、基材にめっき皮膜を形成した際に、アルミナ粒子が基材に沿って配向することで、摩擦相手となる相手材へのダメージを小さくすることができる。
<クロムめっき液>
クロムめっき液は、3価クロムをクロム源とする。3価クロムとすることで、有害性の高い6価クロムを使用する必要がなくなる。3価クロムめっき液は、公知の組成に従い適宜調製して用いてもよいし、市販されている3価クロムめっき液を用いても良い。市販されているものとしては、トップファインクロムSP、トップファインクロムLG(奥野製薬工業株式会社製)、JCUTRICHROM JTCシリーズ(株式会社JCU製)、EnvirochromeおよびCPシリーズ(マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン株式会社製)などが挙げられる。
<複合硬質クロムめっき皮膜の形成方法>
本発明の複合硬質クロムめっき皮膜の形成方法は、前記クロムめっき液と、後述する板状アルミナ粒子とを含有するクロムめっき浴を作製し、公知慣用の電気めっき法により対象物へめっき皮膜を形成する。
<板状アルミナ粒子>
本発明でいう「アルミナ」は酸化アルミニウムであり、表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m)の比A/Bを満たせば特に制限されず、例えば、γ、δ、θ、κ等の各種の結晶形の遷移アルミナであっても、または遷移アルミナ中のアルミナ水和物を含んであっても良いが、より安定性に優れる点で、基本的にα結晶形であることが好ましい。
本発明でいう「板状」は、平均粒子径を厚みで除したアスペクト比が2以上であることを示す。なお、本明細書において、「板状アルミナ粒子の厚み」は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定された値を採用するものとする。また、「板状アルミナ粒子の平均粒子径」は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定装置により測定された体積基準の累積粒度分布から、体積基準のメディアン径D50として算出された値とする。
板状アルミナ粒子の平均粒子径は、めっき物の用途や、めっき皮膜の厚み等に応じて適宜選択することができるが、中でも好ましくは0.5μm以上20μm以下であり、特に好ましくは1μm以上10μm以下である。板状アルミナ粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると粒子の凝集が抑制され、20μm以下であると絶縁体として機能するアルミナ粒子の面積が小さくなり、めっき膜の成長が向上し好ましい。
板状アルミナ粒子のアスペクト比は、めっき物の用途や、めっき皮膜の厚み等に応じて適宜選択することができるが、中でも好ましくは5以上100以下であり、特に好ましくは10以上50以下である。板状アルミナ粒子のアスペクト比が前記範囲内にあることで、形成されためっき皮膜の表面が滑らかになり、耐摩耗性に優れかつ相手材への攻撃性が抑制され、好ましい態様となる。
板状アルミナ粒子の表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m)の比A/Bは、0.5以上1.5以下であり、0.7以上1.3以下であると特に好ましい。前記範囲内にあることで、めっき膜と板状アルミナ粒子の親和性が高まり、形成されためっき皮膜において、めっき膜と板状アルミナ粒子の間の非密着部位が抑制される。特に、表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)が、0.5μmol/m以上3.5μmol/m以下であると、皮膜形成後のめっき膜との密着性の観点からより好ましい。
板状アルミナ粒子の表面積あたりの酸および塩基吸着量が、アルミナ粒子とめっき膜の密着性にどのように影響しているか詳細には解明できていないが、下記の様な仮説が考えられる。
一般的に、粒子の表面積あたりの酸吸着量は、粒子の表面電位を反映していると考えている。すなわち、酸吸着量の値が高い粒子はよりマイナス帯電している粒子である。電気めっきのように溶液中に正負の電極を浸漬して電圧を印加する場合、マイナス帯電の粒子は基本的には正極側に泳動するものではあるが、めっき液の攪拌・揺動によってマイナス帯電の粒子も負極側に生成するめっき膜には容易に取り込まれる。
一方、3価クロムめっき液のような強酸性溶液中では、マイナス帯電の粒子は陽イオンを引き付けて正電荷を帯びたコロイド粒子の状態となる。例えば、一般的なセラミック粒子のゼータ電位は正電位となる。マイナス帯電といわれる市販のアルミナ粒子も、ゼータ電位を測定するとpH2の溶液中において+20mV程度であった。この場合、めっき膜が析出する負極面上では電極電位により金属陽イオンが層状に集積された状態となり、正電荷を帯びたコロイド粒子は接近できたとしても、陽イオンの層と親和性に乏しい状態が生じる。この様な状態を経ながら、セラミック粒子を取り込みつつ、金属陽イオンが還元されてめっき膜が生成していく。
上記の背景から、低いpH領域において低いゼータ電位のコロイド粒子を形成しうる、すなわち、表面積あたりの酸吸着量が低い粒子が、セラミック粒子複合クロムめっきには好適と考えた。
またさらに、複合めっきの共析機構は、前述のように金属イオンとセラミックス粒子が個々に負極電極上に析出する機構の他、めっき中に分散しているセラミックス粒子に金属イオンが吸着し複合体のようになり負極電極上に析出する機構が推定される。この場合、酸吸着量が多いアルミナ粒子は、強酸性溶液中では、プラスに帯電したコロイド粒子を形成するため、金属イオンとの親和性が低く、めっき液中や負極電極上のいずれにおいても金属イオンと反発し、互いに十分に密着しない状態のまま析出するものと考えられる。一方で、塩基吸着量が多いアルミナ粒子は、プラスに帯電したコロイド粒子を形成しない、すなわち金属イオンとの親和性がそもそも低く、めっき液中や負極電極上のいずれにおいても金属イオンと十分に密着しな状態のまま析出するものと考えられる。したがって、酸または塩基吸着量に偏りのないアルミナ粒子であるほど、金属イオンとの親和性の低下が抑制され、相対的に密着性が高まり、めっき膜とアルミナ粒子の間に非密着部位が発生しにくくなると推定される。
これらのことから、非密着部位の発生抑制には、用いるアルミナ粒子の酸吸着量だけでなく塩基吸着量も重要であると考えた。
<板状アルミナ粒子の製造方法>
板状アルミナ粒子の製造方法は、特に制限されず、水熱法やフラックス法等の公知慣用の技術が適宜適用されうるが、表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m)と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m)の比A/Bが0.5以上1.5以下であるアルミナ粒子を好適に制御することができる観点から、好ましくはモリブデン化合物および形状制御剤を用いたフラックス法での製造方法が適用されうる。
より詳細には、板状アルミナ粒子の好ましい製造方法は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程を含む。
[焼成工程]
焼成工程は、モリブデン化合物および形状制御剤の存在下で、アルミニウム化合物を焼成する工程である。
(アルミニウム化合物)
アルミニウム化合物は、本発明に使用する板状アルミナ粒子の原料であり、熱処理によりアルミナになるものであれば特に限定されず、例えば、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、遷移アルミナ(γ-アルミナ、δ-アルミナ、θ-アルミナなど)、α-アルミナ、二種類の結晶相を有する混合アルミナなどが使用でき、これら前駆体としてのアルミニウム化合物の形状、粒子径、比表面積等の物理形態については、特に限定されるものではない。
後述するフラックス法によれば、板状アルミナ粒子の形状には、原料のアルミニウム化合物の形状は、殆ど反映されることはないため、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどのいずれであっても好適に用いることができる。
同様に、アルミニウム化合物の粒子径は、後述するフラックス法によれば、板状アルミナ粒子に、殆ど反映されないため、数nmから数百μmまでのアルミニウム化合物の固体を好適に用いることができる。
アルミニウム化合物の比表面積も特に限定されるものではない。モリブデンが効果的に作用するため、比表面積が大きい方が好ましいが、焼成条件やモリブデンの使用量を調整する事で、いずれの比表面積のものでも原料として使用することができる。
(形状制御剤)
本発明に好適な板状アルミナ粒子を形成するために、形状制御剤を用いることがより好ましい。形状制御剤は製造されたアルミナ粒子の表面性状に影響するほか、モリブデンの存在下でアルミナ化合物の焼成によるアルミナの板状結晶成長を促す。
形状制御剤の存在状態は、アルミニウム化合物との接触ができれば、特に制限されない。例えば、形状制御剤とアルミニウム化合物の物理的混合物、形状制御剤がアルミニウム化合物の表面または内部に均一または局在に存在した複合体などが好適に用いることができる。
また、形状制御剤をアルミニウム化合物に添加しても良いが、アルミニウム化合物中に不純物として含んでも良い。
形状制御剤の種類については、モリブデン化合物の存在下、高温焼成中、酸化モリブデンがα-アルミナの[113]面に選択的な吸着を抑制し、板状形態を形成することが出来れば、特に制限されない。よりアスペクト比が高く、より分散性に優れ、より生産性に優れる点で、モリブデン化合物とアルミニウム化合物を除く金属化合物を用いることが好ましい。具体的な形状制御剤としては、珪素原子、ナトリウム原子、ゲルマニウム原子、およびカリウム原子あるいはこれらの化合物などが例として挙げられるが、本発明に含有される形状制御剤は前記の元素や化合物に限られるものではない。
上記珪素原子あるいは珪素化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。具体的には、金属シリコン、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子、シリカゲル、メソポーラスシリカ、SiC、ムライト等の人工合成シリコン化合物;バイオシリカ等の天然シリコン化合物等が挙げられる。これらのうち、アルミニウム化合物との複合、混合がより均一的に形成できる観点から、有機シラン、シリコン樹脂、シリカ微粒子を用いることが好ましい。なお、上記珪素原子あるいは珪素化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
珪素原子あるいは珪素化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
珪素原子あるいは珪素化合物の使用量は特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.0001~1モルであることが好ましく、0.001~0.5モルであることがより好ましい。珪素原子あるいは珪素化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
特に珪素原子あるいは珪素化合物を用いる場合、最終生成物のアルミナ表面に一部ムライトを形成することが、フィラーとめっきの密着性の観点から好ましい。
上記ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の具体例としては、炭酸ナトリウム、モリブデンナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、金属ナトリウム等が挙げられる。これらのうち、工業的に容易入手と取扱いのし易さの観点から炭酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムを用いることが好ましい。なお、ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
ナトリウム原子あるいはナトリウム化合物の使用量は特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.0001~2モルであることが好ましく、0.001~1モルであることがより好ましい。ナトリウムあるいはナトリウム原子を含む化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
上記ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物としては、特に制限されず、公知のものが使用されうる。ゲルマニウム原子あるはゲルマニウム化合物の具体例としては、ゲルマニウム金属、二酸化ゲルマニウム、一酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、Ge-C結合を有する有機ゲルマニウム化合物等が挙げられる。なお、ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ゲルマニウム原子あるいはゲルマニウム化合物の形状は、特に制限されず、例えば、球状、無定形、アスペクトのある構造体(ワイヤ、ファイバー、リボン、チューブなど)、シートなどを好適に用いることができる。
上記カリウム原子あるいはカリウム化合物としては、特に制限されないが、塩化カリウム、亜塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酢酸カリウム、酸化カリウム、臭化カリウム、臭素酸カリウム、水酸化カリウム、珪酸カリウム、燐酸カリウム、燐酸水素カリウム、硫化カリウム、硫化水素カリウム、モリブデン酸カリウム、タングステン酸カリウム等が挙げられる。この際、前記カリウム化合物は、異性体を含む。これらのうち、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、モリブデン酸カリウムを用いることが好ましく、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、モリブデン酸カリウムを用いることがより好まし
い。なお、上述のカリウム化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(モリブデン化合物)
モリブデン化合物は、後述するように、相対的に低温においてアルミナのα結晶成長にフラックス機能をする。モリブデン化合物としては、特に制限されないが、酸化モリブデン、モリブデン金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物が挙げられる。
前記酸根アニオン(MoOx n-)を含有する化合物としては、特に制限されないが、モリブデン酸、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸リチウム、HPMo1240、HSiMo1240、NHMo12、二硫化モリブデン等が挙げられる。
モリブデン化合物に珪素原子および/または珪素化合物やカリウム化合物を含むことも可能であり、その場合、該珪素原子および/または珪素化合物やカリウム化合物を含むモリブデン化合物が、フラックス剤と形状制御剤と両方の役割を果たす。
上述のモリブデン化合物のうち、コストの観点から、酸化モリブデンを用いることが好ましい。また、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
モリブデン化合物の使用量は、特に制限されないが、アルミニウム化合物中のアルミニウム金属1モルに対して、0.01~3.0モルであることが好ましく、0.03~0.7モルであることがより好ましい。モリブデン化合物の使用量が上記範囲にあると、高アスペクト比と優れた分散性を有する板状アルミナ粒子が得られやすいことから好ましい。
(焼成)
焼成の方法は、特に限定はなく、公知慣用の方法で行う事ができる。焼成温度が700℃を超えると、アルミニウム化合物と、モリブデン化合物が反応して、モリブデン酸アルミニウムを形成する。さらに、焼成温度が900℃以上になると、モリブデン酸アルミニウムが分解し、形状制御剤の作用で板状アルミナ粒子を形成する。また、板状アルミナ粒子は、モリブデン酸アルミニウムが分解することで、アルミナと酸化モリブデンになる際に、モリブデン化合物を酸化アルミニウム粒子内に取り込む事で得られる。
また、焼成する時に、アルミニウム化合物と、形状制御剤と、モリブデン化合物の状態は特に限定されず、モリブデン化合物および形状制御剤がアルミニウム化合物に作用できる同一の空間に存在すれば良い。具体的には、モリブデン化合物と形状制御剤とアルミニウム化合物との粉体を混ぜ合わせる簡便な混合、粉砕機等を用いた機械的な混合、乳鉢等を用いた混合であっても良く、乾式状態、湿式状態での混合であっても良い。
焼成温度の条件に特に限定は無く、目的とする板状アルミナ粒子の平均粒子径、アスペクト比等により、適宜、決定される。通常、焼成の温度については、最高温度がモリブデン酸アルミニウム(Al(MoO)の分解温度である900℃以上であればよい。
焼成温度は、2000℃を超えるような高温であっても実施可能であるが、1600℃以下というα-アルミナの融点よりかなり低い温度であっても、前駆体の形状にかかわりなくα結晶化率が高くアスペクト比の高い板状形状となるα-アルミナを形成することができる。
最高焼成温度が900℃~1600℃の条件であると、アスペクト比が高く、α結晶化率が90%以上である板状アルミナ粒子の形成を低コストで効率的に行うことができ、最高温度が950~1500℃での焼成がより好ましく、最高温度が980~1400℃の範囲の焼成が最も好ましい。
焼成の時間については、所定最高温度への昇温時間を15分~10時間の範囲で行い、且つ焼成最高温度における保持時間を5分~30時間の範囲で行うことが好ましい。板状アルミナ粒子の形成を効率的に行うには、10分~15時間程度の時間の焼成保持時間であることがより好ましい。
最高温度1000~1400℃かつ10分~15時間の焼成保持時間の条件を選択することで、緻密なα結晶形の板状アルミナ粒子が凝集し難く、容易に得られる。
焼成の雰囲気としては、本発明の効果が得られるのであれば特に限定されないが、例えば、空気や酸素のといった含酸素雰囲気や、窒素やアルゴンといった不活性雰囲気が好ましく、コストの面を考慮した場合は空気雰囲気がより好ましい。
焼成するための装置としても必ずしも限定されず、いわゆる焼成炉を用いることができる。焼成炉は昇華した酸化モリブデンと反応しない材質で構成されていることが好ましく、さらに酸化モリブデンを効率的に利用するように、密閉性の高い焼成炉を用いる事が好ましい。
[モリブデン除去工程]
板状アルミナ粒子の製造方法は、焼成工程後、必要に応じてモリブデンの少なくとも一 部を除去するモリブデン除去工程をさらに含んでいてもよい。
上述のように、焼成時においてモリブデンは昇華を伴うことから、焼成時間、焼成温度等を制御することで、板状アルミナ粒子に含まれるモリブデン含有量を制御することができる。
モリブデンは、板状アルミナ粒子の表面に付着しうる。当該モリブデンは水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液で洗浄することにより除去することができる。
この際、使用する水、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、酸性水溶液の濃度、使用量、および洗浄部位、洗浄時間等を適宜変更することで、モリブデン含有量を制御することができる。
さらに、本工程に用いる洗浄液の濃度、使用量、および洗浄時間を適宜調整することで、アルミナ粒子の表面積あたりの酸吸着量および塩基吸着量をさらに制御することができる。
[粉砕工程]
焼成物は板状アルミナ粒子が凝集して、本発明に好適な粒子径の範囲を満たさない場合がある。そのため、板状アルミナ粒子は、必要に応じて、本発明に好適な粒子径の範囲を満たすように粉砕してもよい。焼成物の粉砕の方法は特に限定されず、ボールミル、ジョークラッシャー、ジェットミル、ディスクミル、スペクトロミル、グラインダー、ミキサーミル等の従来公知の粉砕方法を適用できる。
[分級工程]
さらに、板状アルミナ粒子は、本発明に好適な平均粒子径に調整するために、好ましくは分級処理してもよい。「分級処理」とは、粒子の大きさによって粒子をグループ分けする操作をいう。分級は湿式、乾式のいずれでも良いが、生産性の観点からは、乾式の分級が好ましい。乾式の分級には、篩による分級のほか、遠心力と流体抗力の差によって分級する風力分級などがあるが、分級精度の観点からは、風力分級が好ましく、コアンダ効果を利用した気流分級機、旋回気流式分級機、強制渦遠心式分級機、半自由渦遠心式分級機などの分級機を用いて行うことができる。上記した粉砕工程や分級工程は、後述する有機化合物層形成工程の前後を含めて、必要な段階において行うことができる。これら粉砕や分級の有無やそれらの条件選定により、例えば、得られる板状アルミナ粒子の平均粒子径を調整することができる。
板状アルミナ粒子は、凝集が少ないもの或いは凝集していないものが、本来の性質を発揮しやすく、それ自体の取扱性により優れており、また被分散媒体に分散させて用いる場合において、より分散性に優れる観点から、好ましい。板状アルミナ粒子の製造方法においては、上記した粉砕工程や分級工程は行わずに、凝集が少ないもの或いは凝集していないものが得られれば、前記工程を行う必要もなく、目的の優れた性質を有する板状アルミナを、生産性高く製造することが出来るので好ましい。
次に本発明を、実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において、「部」および「%」は特に断りのない限り質量基準である。なお、以下に示す条件にて複合硬質クロムめっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、以下の条件にて測定し評価を行った。
<めっき皮膜の膜厚の評価>
作製したサンプルの断面をマイクロスコープにて観察を行い、膜厚を測定した。
<めっき皮膜の硬度測定>
得られためっき皮膜について、島津ダイナミック超微小硬度計DUH211Y(島津製作所社製)を用いて、荷重100gf×14secで測定した。
<めっき皮膜の体摩耗性試験>
得られためっき皮膜について、Tribometer(CSM Instruments社製)を用い、摩耗係数および研磨痕を評価した。摩擦の相手材として、SUJ2(ボール形状、寸法9.00mm)を用いた。測定条件は、接触荷重2.00N、摩擦速度5.00cm/s、摩擦時間600秒とした。研磨痕の評価は、測定後の研磨痕をレーザー顕微鏡により3D観察し、表面が陥没していない場合「〇」、陥没している場合「×」として評価した。
<めっきとフィラーの密着性>
作製したサンプルの断面をSEMにて観察を行った。観察の結果、めっきとフィラーの間委に隙間があるかどうかを目視で確認し、隙間が観測されなかった場合「〇」、隙間が観測された場合「×」として評価した。
(合成例1)板状アルミナ粒子の合成
水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、平均粒子径12μm)50gと、二酸化珪素(関東化学株式会社製、特級)0.65gと、三酸化モリブデン(太陽鉱工株式会社
製)1.72gと、を乳鉢で混合し、混合物を得た。得られた混合物を坩堝に入れ、セラミック電気炉にて5℃/分の条件で1200℃まで昇温し、1200℃で10時間保持し焼成を行った。その後5℃/分の条件で室温まで降温後、坩堝を取り出し、34.2gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末を乳鉢で、106μm篩を通るまで解砕した。
続いて、得られた前記薄青色粉末を0.5%アンモニア水の150mLに分散し、分散溶液を室温(25~30℃)で0.5時間攪拌後、ろ過によりアンモニア水を除き、水洗浄と乾燥を行う事で、粒子表面に残存するモリブデンを除去し、33.5gの薄青色の粉末を得た。得られた粉末はSEM観察により形状が板状であり、凝集体が極めて少なく、優れた取り扱い性を有する板状形状の粒子であることが確認された。さらに、XRD測定を行ったところ、α-アルミナに由来する鋭いピーク散乱が現れ、α結晶構造以外のアルミナ結晶系ピークは観察されなく、緻密な結晶構造を有する板状アルミナ粒子であることを確認した。また、α化率は99%以上(ほぼ100%)であった。さらに、蛍光X線定量分析の結果から、得られた粒子は、モリブデンを三酸化モリブデン換算で0.8%含むものであり、ケイ素を二酸化ケイ素換算で、1.9%含むものであることを確認した。
<アルミナ粒子の酸吸着量測定>
アルミナ粒子について、電位差滴定COM-1700(平沼産業社製)を用い、酸吸着量を測定した。アルミナ粒子1gに0.001mol/L p-トルエンスルホン酸(PTSA)/酢酸n-プロピル(NPAC)溶液を15mL加え、自転公転攪拌機で混合した(2000rpm、3分)。次に、遠心分離(8000rpm、20分)によりアルミナ粒子を沈降させた。その上澄み10mLを取って電位差滴定を行い、上澄み溶液中に存在する未吸着の酸を測定した。求めた未吸着量を加えた酸量から差し引くことで、アルミナ粒子への酸吸着量を算出した。表面積あたりの酸吸着量Aは、2.5μmol/mであった。
<アルミナ粒子の塩基吸着量測定>
アルミナ粒子について、電位差滴定COM-1700(平沼産業社製)を用い、塩基吸着量を測定した。アルミナ粒子1gに0.001mol/L 水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)/NPAC溶液15mL加え、自転公転攪拌機で混合した(2000rpm、3分)。次に、遠心分離(8000rpm、20分)によりアルミナ粒子を沈降させた。その上澄み10mLを取って電位差滴定を行い、上澄み溶液中に存在する未吸着の塩基を測定した。求めた未吸着量を加えた塩基から差し引くことで、アルミナ粒子への塩基吸着量を算出した。表面積あたりの塩基吸着量Bは、2.3μmol/mであった。
(比表面積の測定:BET法)
比表面積は、BET法による窒素ガス吸着/脱着法から測定された板状アルミナ粒子1g当たりの表面積として求めることができ、JIS Z 8830:BET1点法(吸着ガス:窒素)等が挙げられる。より具体的には、アルミナ粒子の試料について、300℃3時間の条件で前処理を行った後、マイクロメリティックス社製、TriStar3000を用いて前処理後の試料の比表面積を測定した。比表面積は1.7m/gであった。
(平均粒子径Lの計測)
合成例1で得られた板状アルミナ粒子について、レーザー回折式粒度分布計HELOS(H3355)&RODOS(株式会社日本レーザー製)を用い、分散圧3bar、引圧90mbarの条件でメディアン径D50(μm)を求め、平均粒子径L(μm)とした。平均粒子径Lは、9.5μmであった。
(平均厚さDの計測)
上記試料について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、50個の厚さを測定した平均値を採用し、平均厚さD(μm)とした。平均厚さDは、0.63μmであった。
板状アルミナ粒子のアスペクト比L/Dは下記の式を用いて求めた。アスペクト比L/Dは、15であった。
(アスペクト比L/D)
アスペクト比=板状アルミナ粒子の平均粒子径L/板状アルミナ粒子の平均厚さD
比較例1で用いたフィラーについても、同様にして、表面積当たりの酸および塩基吸着量、平均粒子径L、平均厚さD及びアスペクト比L/Dの評価を行った。
合成例1で得られた板状アルミナ粒子のα化率及びMo量の分析は、以下の方法により求めた。
(板状アルミナ粒子内に含まれるMo量の分析)
蛍光X線分析装置PrimusIV(株式会社リガク製)を用い、作製した試料約70mgをろ紙にとり、PPフィルムをかぶせて組成分析を行った。XRF分析結果により求められるモリブデン量を、板状アルミナ粒子100質量%に対する三酸化モリブデン換算(質量%)により求めた。
(板状アルミナ粒子のα化率の分析)
作製した試料を0.5mm深さの測定試料用ホルダーにのせ、一定荷重で平らになる様充填し、それを広角X線回折装置(株式会社リガク製 Rint-Ultma)にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード2度/分、走査範囲10~70度の条件で測定を行った。α-アルミナと遷移アルミナの最強ピーク高さの比よりα化率を求めた。
(実施例1)
市販されている3価クロムめっき液トップファインクロムLG(奥野製薬工業社製)に、合成例1の板状アルミナを20g/Lの濃度で添加した。洗浄処理した鉄板を上記のめっき浴に浸漬し、鉄板を負極、対極を正極として、めっき浴を攪拌しながら、電流密度20A/dm、めっき浴温35℃~40℃、印加時間40分の複合硬質クロムめっき処理を行い、鉄板に膜厚約10μmの複合硬質クロムめっき皮膜を形成した。得られた複合硬質クロムめっき皮膜から、めっき皮膜とフィラーの密着性および研磨痕を評価した(図1、図3)。
(比較例1)
板状アルミナ粒子として市販の板状アルミナ粒子 YFA10030(キンセイマテック社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚約10μmの複合硬質クロムめっき皮膜を(鉄板)に形成した。得られた複合硬質クロムめっき皮膜から、めっき皮膜とフィラーの密着性および研磨痕を評価した(図4)。
(比較例2)
板状アルミナ粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、膜厚約10μmのクロムめっき皮膜を(鉄板)に形成した。得られた複合硬質クロムめっき皮膜から、めっき皮膜とフィラーの密着性および研磨痕を評価した(図2)。
[表1]
Figure 0007384317000001

Claims (1)

  1. 3価クロムをクロム源とするクロムめっき液と、板状アルミナ粒子とを含有するクロムめっき浴を作製し、電気めっきにより複合硬質クロムめっき皮膜を形成するものであって、
    前記板状アルミナ粒子の表面積あたりの酸吸着量A(μmol/m )と表面積あたりの塩基吸着量B(μmol/m )の比A/Bが0.5以上1.5以下である
    ことを特徴とする複合硬質クロムめっき皮膜の製造方法。
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