JP7383557B2 - ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプに関する。
特許文献1に開示されたポンプは、回転軸を回転可能に支持する軸受に潤滑液を供給する潤滑液流路を備える。潤滑液流路は、回転軸を取り囲むようにポンプケーシング内に配置された保護管を備える。潤滑液流路には、潤滑液として清水(上水)を保護管内に供給する外部注水機構と、潤滑液として揚水の一部を濾過した浄水を保護管内に供給する自己注水機構とが接続されている。
特開2020-7983号公報
特許文献1では、外部注水機構による清水の供給状態と、自己注水機構による浄水の供給状態とを切り換えることで、潤滑液としての清水の無駄な消費を抑制している。しかし、特許文献1では、潤滑液流路からの潤滑液の漏れ低減について何も考慮されていない。
本発明は、軸受を保護するための潤滑液流路からの潤滑液の漏れを低減できるポンプを提供することを課題とする。
本発明の一態様は、筒状のポンプケーシングと、前記ポンプケーシング内に配置された第1端と、前記ポンプケーシング外に配置された第2端とを有する回転軸と、前記回転軸の前記第1端側に取り付けられたインペラと、前記インペラに対して前記回転軸の前記第2端側に隣接して配置され、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、前記軸受に対して前記回転軸の前記第2端側に接続されて前記回転軸を取り囲む保護管と、前記軸受に対して前記インペラ側に配置されたメカニカルシールとを有し、前記保護管内を通して前記軸受に潤滑液を供給するための潤滑液流路と、前記ポンプケーシング外の水源の清水を前記潤滑液として前記潤滑液流路に供給する外部注水機構と、前記ポンプケーシングと前記保護管の間の排水路から流出した揚水を濾過した浄水を、前記メカニカルシールの前記インペラ側に供給する自己注水機構と、前記水源からの給水量を検出する流量検出部と、前記流量検出部の計測結果に基づいて前記自己注水機構を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記流量検出部の計測結果が閾値未満の場合、前記自己注水機構によって前記メカニカルシールに対して前記浄水を間欠的に供給又は供給を停止させる一方、前記流量検出部の計測結果が前記閾値以上の場合、前記自己注水機構によって前記メカニカルシールに前記浄水を連続的に供給させる、ポンプを提供する。
本態様では、自己注水機構によってメカニカルシールのインペラ側に浄水を供給する。これにより、メカニカルシールのシール部に付着した異物を除去(フラッシング)できるため、異物によるシール部の摩耗を抑制できる。また、メカニカルシールのインペラ側の圧力が高められるため、潤滑液流路からの潤滑液の漏れを低減できる。よって、高価な清水の無駄な消費を抑制できる。潤滑液として浄水を潤滑液流路に供給しないため、腐食性を有する硫化物や塩化物が揚水に含まれている場合でも、潤滑液流路を構成する部品が損傷することを防止できる。しかも、流量検出部の計測結果が閾値未満の場合、つまり潤滑液の漏れが少なく、清水の給水量が少ない場合、自己注水機構によって浄水を間欠的に供給することで、メカニカルシールに異物が固着した状態になることを防止できる。よって、ポンプの駆動時、異物によるメカニカルシールの摩耗を防止できる。流量検出部の計測結果が閾値以上の場合、つまり潤滑液の漏れが多く、清水の給水量が多い場合、自己注水機構によって浄水を連続的に供給することで、メカニカルシールのインペラ側の圧力が常に高められるため、潤滑液流路からの潤滑液の漏れを低減できる。
前記自己注水機構は、前記排水路に接続された第1端と、前記ポンプケーシング外に配置された第2端とを有する第1配管と、前記第1配管の前記第2端に接続された流入部と、前記浄水を吐出する吐出部とを有する濾過器と、前記吐出部に接続された第1端と、前記メカニカルシールの前記インペラ側に接続された第2端とを有する第2配管とを備える。
本態様では、電動ポンプ等の駆動手段を用いることなく、排水路内を流動する揚水の圧力によって、揚水の一部が第1配管に流出し、第2配管を通して濾過器で濾過した浄水をメカニカルシールに吐出できる。
前記軸受は、前記ポンプケーシング内に固定された軸受ケーシングに取り付けられ、前記保護管は、前記軸受ケーシングにおける前記回転軸の前記第2端側の端に締結による接続部を介して接続されており、前記自己注水機構は、前記吐出部に接続された第1端と、前記接続部に配置された第2端とを有する第3配管を備える。
本態様では、保護管と軸受ケーシングの接続部に自己注水機構によって浄水を供給するため、浄水の供給圧によって接続部からの潤滑液の漏れを低減できる。よって、清水の無駄な消費を抑制できる。
前記メカニカルシールは、前記インペラ側をシールする第1シール部と、前記軸受側をシールする第2シール部と、これらを収容するハウジングとを有し、前記ハウジングには、前記第1シール部に対応して前記自己注水機構の前記第2配管が接続される第1注入孔と、前記第2シール部に対応して前記外部注水機構が接続される第2注入孔とが設けられている。
本態様では、メカニカルシールが第1シール部と第2シール部を備えるため、潤滑液流路からの潤滑液の漏れを効果的に抑制できる。また、第1シール部に供給した浄水が潤滑液流路に混入することを確実に防止できる。
前記外部注水機構は、前記水源に接続された第1端と、前記第2注入孔に接続された第2端とを有する第4配管を備える。
本態様では、清水の供給によって第2シール部側の圧力を高くできるため、潤滑液流路内の潤滑液の漏れを抑制できる。
前記自己注水機構は、前記吐出部に接続された第1端と、前記第4配管に接続された第2端とを有する第5配管を備え、前記第4配管と前記第5配管の接続部には、前記第4配管及び前記第5配管のうちのいずれかと前記第2シール部とが接続されるように接続状態を切り換える切換部を備える。
本態様では、清水及び浄水のうちのいずれを第2シール部に供給するかを切換可能である。よって、潤滑液流路からの潤滑液の漏れ量が少ない場合には清水を供給し、漏れ量が多い場合には浄水を供給することで、清水の無駄な消費を抑制できる。
前記ポンプケーシング外に配置され、前記潤滑液流路において前記回転軸の前記第1端側と前記第2端側とを連通させる循環配管と、前記潤滑液流路において、前記回転軸の前記第2端側から前記第1端側へ前記潤滑液を流動させる送出部とを備える。
本態様では、送出部によって軸受に向けて潤滑液が流動されるため、軸受の摩耗と過熱を効果的に抑制できる。また、潤滑液流路内の圧力が自己注水機構による浄水の供給圧力よりも大きくなるため、メカニカルシールに供給された浄水が潤滑液流路に混入することを防止できる。
本発明のポンプでは、軸受を保護するための潤滑液流路からの潤滑液の漏れを低減できる。
本発明の第1実施形態に係るポンプを示す断面図。 メカニカルシールの断面図。 軸受ケーシングと保護管の接続部を示す断面図。 濾過器の一例を示す断面図。 ポンプのブロック図。 潤滑液流路の状況に応じた制御部による制御を示す表。 図6Aの制御に応じた弁の状態を示す表。 潤滑液流路の状況に応じた制御部による制御の変形例を示す表。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るポンプ10を示す。このポンプ10は、吸水槽1内に水が溜まる前に予め運転が開始され、吸水槽1内の水位によって気中運転、気水混合運転、及び全水運転に切り換わる先行待機形である。
図1に示すように、ポンプ10は、一般的な立軸ポンプと同様の基本構造であるポンプケーシング12、回転軸20、及びインペラ22を備える。また、ポンプ10は、回転軸20の軸受24A,24Bの保護を目的とした潤滑液流路30と、潤滑液流路30への潤滑液(エクスターナル流体)の補充を目的とした外部注水機構50とを備える。本実施形態のポンプ10は、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れ低減を目的とした自己注水機構60を設けた点で、一般的な立軸ポンプ及び先行待機形ポンプと相違する。
(ポンプの基本構造)
図1に示すように、ポンプケーシング12は、筒状であり、吸水槽1の上部を覆う据付床2に固定されている。ポンプケーシング12は、上下方向に延びるように吸水槽1内に配置された揚水管13と、据付床2上に配置された吐出し管17とを備える。揚水管13は、直管14、ベーンケーシング15、及びベルマウス16を備え、この順で上から下へ接続されている。吐出し管17は、90度湾曲した吐出エルボ18を備え、直管14の上端に接続されている。吐出エルボ18の出口には、下流側へ排水するための送水管(図示せず)が接続されている。
回転軸20は、揚水管13の軸線に沿って上下方向に延びるように配置されている。回転軸20は、ポンプケーシング12内に配置された第1端20aと、ポンプケーシング12外に配置された第2端20bとを備える。回転軸20において、第1端20a側の大部分は揚水管13内に配置され、第2端20b側は吐出エルボ18を貫通して外側へ突出している。
インペラ22は、ベーンケーシング15内に設けられた軸受ケーシング15aの下側に配置され、軸受ケーシング15aから突出した回転軸20の下端(第1端20a)に取り付けられている。インペラ22の上端は、定められた排水開始水位(最低水位)に位置している。
ポンプケーシング12は、回転軸20を回転可能に支持する軸受24A,24Bを備える。そのうち、軸受24Aは、吐出エルボ18において、回転軸20が貫通する部分に設けられたスリーブ18a内に配置されている。軸受24Bは、軸受ケーシング15aにおいて、回転軸20が貫通する部分に設けられたスリーブ15b内に配置されている。個々の軸受24A,24Bは、セラミック又は熱伝導率が低い樹脂からなる摺動体を備える。
回転軸20の上端(第2端20b)には、駆動部26(図5参照)が機械的に接続されている。駆動部26には、電動モータ又は内燃機関の1つであるディーゼル機関を用いることができる。駆動部26を駆動することで、回転軸20と一体にインペラ22が回転される。
ポンプ10は気象情報に基づいてオペレータによって始動され、始動当初はポンプケーシング12内に水が無い気中運転になる。吸水槽1内の水位が定められた揚水遮断水位(吸気管の下端)よりも高くなると、吸込口16aから吸い込んだ水と空気を一緒に排出する気水混合運転に移行する。インペラ22が完全に浸かる最低水位よりも高くなると、水のみを排出する全水運転に移行する。
排水により水位が最低水位よりも下がると、ポンプケーシング12の吸込口16aから水と一緒に空気が吸い込まれることで、再び気水混合運転に移行する。その後、揚水遮断水位になると、吸気管から定量の空気が吸い込まれることで、揚水管13内に水柱を保持したエアロック運転に移行する。
駆動部26の駆動継続によってエアロック運転が維持され、吸水槽1内の水が増えると再び気水混合運転を経て全水運転に移行する。気象情報に基づいてオペレータがポンプ10を停止することで、揚水管13内の水柱が脱落する。
ポンプの運転時、揚水に含まれた異物によって軸受24A,24Bが損傷(アブレシブ摩耗)することがある。また、気中運転時、ポンプケーシング12内には揚水が無いため、回転軸20との摺接によって軸受24A,24Bが過熱し、これらが焼き付く虞がある。これらの問題を防止し、運転(回転軸20の回転)を継続するために、ポンプ10には、潤滑液流路30、外部注水機構50、及び自己注水機構60が設けられている。
潤滑液流路30は、潤滑液を循環させることで、軸受24A,24Bと回転軸20の潤滑を図り、これらの焼き付きを防止する。外部注水機構50は、潤滑液としての清水(上水)を潤滑液流路30に供給(補充)する。自己注水機構60は、揚水の一部を濾過した浄水を所定部位に供給することで、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れを低減させる。以下、これらについて、具体的に説明する。
(潤滑液流路の概要)
図1を参照すると、潤滑液流路30は、一対の軸受24A,24B間に配置された保護管31と、回転軸20の軸方向において軸受24A,24Bの外側に配置されたメカニカルシール32A,32Bとを備える。また、潤滑液流路30の両端には循環配管38が接続されている。
保護管31は、回転軸20を取り囲む筒状である。保護管31の上端は、吐出エルボ18のスリーブ18aの下端に液密に取り付けられることで、スリーブ18a内の軸受24Aに接続されている。保護管31の下端は、軸受ケーシング15aのスリーブ15bの上端に液密に取り付けられることで、スリーブ15b内の軸受24Bに接続されている。保護管31と回転軸20の間の空間が、潤滑液を循環させる流路を構成する。ポンプケーシング12と保護管31の間の空間は、吸水槽1内の水を排出する排水路28を構成する。
図1において上側に位置するメカニカルシール32Aは、軸受24Aの上側に配置されている。より具体的には、メカニカルシール32Aは、吐出エルボ18から外向きに突出した筒状の囲い部33の蓋体34に配置されている。囲い部33の下端は吐出エルボ18を構成する鋼管によって閉鎖され、囲い部33の上端が別体の蓋体34により閉鎖されている。蓋体34の中央には貫通孔が形成されており、この貫通孔を通して回転軸20が上向きに延在している。メカニカルシール32Aは、蓋体34を貫通した回転軸20を軸封し、保護管31内に連通した囲い部33の内部空間を密封している。
図1において下側に位置するメカニカルシール32Bは、軸受ケーシング15aのスリーブ15b(軸受24B)の下端(インペラ22側)に配置されている。メカニカルシール32Bは、回転軸20を軸封し、保護管31内に連通したスリーブ18aの下端を密閉している。
メカニカルシール32A,32Bは、回転軸20に取り付けられた回転環と、ハウジングに取り付けられた固定環とを備え、これらの摺接によって潤滑液流路30内の潤滑液の漏出を防止する。例えば、上側のメカニカルシール32Aには、1個の回転環と1個の固定環とを備えるシングル形式が用いられる。下側のメカニカルシール32Bには、2個の回転環と2個の固定環とを備えるダブル形式が用いられる。
図2にダブル形式のメカニカルシール32Bの一例を示す。図2のメカニカルシール32Bは、一対の回転環32a1,32a2が同じ向き(上向き)に付勢されたタンデム形である。但し、メカニカルシール32Bは、一対の回転環32a1,32a2が互いに離れる向きに付勢された背面合わせ形であってもよいし、一対の回転環32a1,32a2が互いに近づく向きに付勢された対向形であってもよい。
図2に示すように、ダブル形式のメカニカルシール32Bは、回転環32a1と固定環32b1とで構成された第1シール部32c1と、回転環32a2と固定環32b2とで構成された第2シール部32c2とを備える。これらは、回転軸20に対して軸方向に並べて配置され、円筒状のハウジング32d内に収容されている。第1シール部32c1は、インペラ22側(下側)に配置され、主に排水路28から軸受24B内への揚水の流入を防止する。第2シール部32c2は、軸受24B側(上側)に配置され、主に潤滑液流路30から排水路28に向けた潤滑液の漏れを防止する。
ハウジング32dには、一対の注入孔32e1,32e2が設けられている。第1注入孔32e1は、ハウジング32dの軸方向において第1シール部32c1と対応する位置に設けられ、ハウジング32dを径方向に貫通している。第2注入孔32e2は、ハウジング32dの軸方向において第2シール部32c2と対応する位置に設けられ、ハウジング32dを径方向に貫通している。後で詳述するように、第1シール部32c1に浄水を供給するために、第1注入孔32e1には自己注水機構60が接続される。第2シール部32c2に清水を供給するために、第2注入孔32e2には外部注水機構50が接続される。
図1に示すように、循環配管38は、ポンプケーシング12の外部に配置されている。循環配管38の一端(上端)は、潤滑液タンク35に接続されており、この潤滑液タンク35を介して潤滑液流路30の上端側(一端側)に接続されている。循環配管38の他端(下端)は、ベーンケーシング15の外側に取り付けられたフレキシブル管38aに接続されており、このフレキシブル管38a、接続管部15c及びスリーブ15bを介して潤滑液流路30の下端側(他端側)に接続されている。これにより、循環配管38を介して潤滑液流路30の一端側と他端側が連通している。
潤滑液タンク35は、台座を介して蓋体34上に取り付けられており、接続配管39によってメカニカルシール32Aの注入孔(図示せず)に接続されている。潤滑液タンク35には、潤滑液の液面レベルを検出する満水検知器37が配置されている。潤滑液タンク35は中央に開口を有する中空状の円環体であり、その開口に回転軸20のスラスト軸受であるボール軸受36が固定されている。
フレキシブル管38aは、可撓性を有する変形可能な配管であり、ベーンケーシング15の接続管部15cに接続されている。フレキシブル管38aは、先行待機運転において振動により配管に加わる振動配管荷重を抑制し、配管の破損を防止するために設けられている。接続管部15cは、ベーンケーシング15の外周面から軸受ケーシング15aを貫通してスリーブ15bにかけて延びている。これにより、スリーブ15b内からベーンケーシング15外(フレキシブル管38a)にかけて連通した流水路が形成されている。
囲い部33内には、回転軸20の上端(第2端20b)側から軸受24Bに向けて潤滑液を流動させる羽根部材(送出部)41が配置されている。羽根部材41は、回転軸20に取り付けられ、回転軸20と一体に回転することで、潤滑液流路30内及び循環配管38内の潤滑液を図1において時計回りに循環させる。また、循環配管38には、潤滑液の循環流量を調整する流量調整弁40が介設されている。
囲い部33内の潤滑液は、スリーブ18a(軸受24A)と回転軸20の間の隙間を通って図1において下向きに流れ、保護管31内に流入する。続いて、潤滑液は、保護管31内を図において下向きに流れ、軸受ケーシング15aのスリーブ15b(軸受24B)と回転軸20の隙間を通過し、さらに接続管部15cを介して循環配管38に流入する。続いて、潤滑液は、循環配管38を上昇して潤滑液タンク35に至り、接続配管39とメカニカルシール32Aのハウジングを通して囲い部33内に戻る。
このように循環される潤滑液によって、スリーブ18a,15b内の軸受24A,24Bが潤滑される。また、メカニカルシール32A,32Bによって、潤滑液流路30の内部から外部への潤滑液の漏れが防止される。
(外部注水機構の概要)
図1に示すように、外部注水機構50は、水源設備(図示せず)に接続された受水槽(水源)52を備える。また、外部注水機構50は、潤滑液流路30に潤滑液として清水を供給(補充)するための第1給水管55と、第2シール部32c2に清水を供給するための第2給水管(第4配管)56とを備え、これらが受水槽52に分岐接続されている。
受水槽52は、潤滑液タンク35よりも高い位置に配置され、接続配管53を介して水源設備に接続されている。接続配管53には、受水槽52内に定められた水位まで清水が溜められると、水源設備と受水槽52の連通を遮断する止水弁として、ボールタップバルブ(図示せず)が介設されている。また、接続配管53には、水源設備から受水槽52に供給される清水の流量、つまり循環流路30への給水量を計る流量計(流量検出部)54が介設されている。
第1給水管55は、受水槽52に接続された一端(第1端)と、循環配管38に接続された他端(第2端)とを有し、循環配管38を介して潤滑液タンク35(潤滑液流路30)に接続されている。つまり、第1給水管55は、循環配管38の一部を共通配管として潤滑液タンク35に接続されている。但し、循環配管38の一部を共有することなく、第1給水管55を直接潤滑液タンク35に接続してもよい。
第2給水管56は、第1給水管55に接続された第1端56aと、メカニカルシール32Bに接続された第2端56b(図2参照)とを備える。第2給水管56(第1端56a)は、第1給水管55の一部を共通配管として受水槽52に接続されている。但し、第1給水管55の一部を共有することなく、第2給水管56を受水槽52に直接接続してもよい。第2給水管56(第2端56b)は、メカニカルシール32Bの第2注入孔32e2(つまり第2シール部32c2側)に接続されている。
第1給水管55において、第2給水管56との接続部(第1端56a)の上流側(受水槽52側)には第1電磁弁57が介設されている。また、第2給水管56には第2電磁弁58と逆止弁59が介設されている。第1電磁弁57は、受水槽52内の清水を供給可能な開状態と、受水槽52内の清水を供給不可能な閉状態とに切換可能である。第2電磁弁58は、受水槽52からメカニカルシール32Bへの清水の供給を可能な状態と不可能な状態とに切換可能である。逆止弁59は、受水槽52からメカニカルシール32Bに向けた通水を許容し、逆向きに流動を阻止する。
ポンプ10の運転によって、消耗部品であるメカニカルシール32Bの回転環32a1,32a2と固定環32b1,32b2の摩耗(劣化)は不可避であるため、経時的に潤滑液流路30の潤滑液の漏れが生じる。この漏れによって潤滑液流路30の潤滑液が不足すると、水頭圧によって受水槽52内の清水が、給水管55を介して潤滑液タンク35に供給される。これにより、循環配管38を含む潤滑液流路30内の潤滑液は、常に定量に維持される。
(自己注水機構の概要)
引き続いて図1を参照すると、自己注水機構60は、揚水の一部を濾過し、浄水を潤滑液流路30の所定部位に吐出することで、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れを低減する。自己注水機構60は、排水路28に接続された注出管(第1配管)61、注出管61に接続された濾過器62、及び濾過器62に接続された第1給水管(第2配管)63、及び所定量の浄水を貯留する貯水槽64を備える。また、自己注水機構60は、濾過器62に接続された第2給水管(第3配管)65及び第3給水管(第5配管)66を更に備える。
注出管61は、ポンプケーシング12内である排水路28に接続された第1端61aと、ポンプケーシング12外に配置された第2端61bとを備え、ポンプケーシング12と濾過器62を連通させる。第1端61aは、吐出エルボ18に接続され、排水路28において最も圧力が高いインペラ22の下流側に連通している。第2端61bは、濾過器62の揚水流入口62cに接続されている。注出管61には、排水路28内の揚水の吐出圧によって揚水の一部が流出する。
濾過器62は、第2端61bに接続された揚水流入口(流入部)62cと浄水流出口(吐出部)62dとを備え、注出管61から流入した揚水を濾過して浄水を浄水流出口62dから吐出する。濾過器62は、揚水を浄水と汚水に分離するサイクロンセパレータによって構成されている。但し、揚水中の異物を除去して浄水を吐出できれ構成であれば、濾過器62の種類は必要に応じて変更が可能である。
図4にサイクロンセパレータ式の濾過器62を示す。この濾過器62は、一端に円錐筒状の部分を有する容器62aと、容器62aの他端を塞ぐ蓋部62bとを備える。揚水流入口62cは、容器62aにおいて蓋部62b側の外周部に形成されている。浄水流出口62dは、遠心分離によって異物を除去した浄水が流出する部分であり、蓋部62bに形成されている。蓋部62bとは反対側に位置するように、容器62aには、分離した異物を含む汚水を吐出する汚水流出口62eが形成されている。
汚水流出口62eにはドレン管62fが接続されている。図1を参照すると、ドレン管62fの先端は、排水路28において濾過器62内よりも低圧部分に連通するように、インペラ22の上流側であるベルマウス16に接続されている。
図1に示すように、第1給水管63は、メカニカルシール32Bにおいて排水路28に露出した第1シール部32c1(インペラ22側)に浄水を供給する配管である。第1給水管63は、浄水流出口62dに接続された第1端63aと、第1シール部32c1に接続された第2端63b(図2参照)とを備え、濾過器62とメカニカルシール32Bを連通させる。
第1給水管63には貯水槽64が介設されている。つまり、本実施形態の第1給水管63は、濾過器62と貯水槽64を連通させる第1部分63cと、貯水槽64とメカニカルシール32Bを連通させる第2部分63dとを備える。第1部分63cの一端が浄水流出口62dに接続された第1端63aであり、第1部分63cの他端が貯水槽64に接続されている。第2部分63dの一端が貯水槽64に接続され、第2部分63dの他端が第1シール部32c1に接続された第2端63bである。
貯水槽64は、潤滑液タンク35よりも高い位置に配置され、濾過器62から吐出された浄水を貯留する容器である。浄水不足による給水不良を回避するために、貯水槽64には貯水量(水位)を検出する水位センサ64a(図5参照)が配置されている。
第2給水管65は、潤滑液流路30において保護管31と軸受ケーシング15aの接続部30aに浄水を供給する配管である。第2給水管65は、第1給水管63の第2部分63dに接続された第1端65aと、接続部30aに接続された第2端65b(図3参照)とを備える。つまり、第2給水管65(第1端65a)は、第1給水管63の一部を共通配管として貯水槽64(濾過器62)に接続されている。但し、第1給水管63の一部を共有することなく、第2給水管65を貯水槽64に直接接続してもよい。
保護管31と軸受ケーシング15aの接続部30aを図3に示す。図3に示すように、保護管31の下端には、径方向外向きに突出した円環状のフランジ部31aが形成されている。軸受ケーシング15aの上端には、径方向外向きに突出し、フランジ部31aに対応する円環状のフランジ部15dが形成されている。これらのフランジ部31a,15dは、ボルト(図示せず)によって締結されている。
保護管31のフランジ部31aには、軸受ケーシング15aのフランジ部15dとの対向面に、フランジ部15dから離れる向きに窪む円環状の給水溝31bと、給水溝31bに連通する連通孔31cとが設けられている。フランジ部31aの径方向における給水溝31bの両側には、パッキンを配置する凹溝31dがそれぞれ設けられている。給水溝31bには第2給水管65の第2端65bが接続され、浄水の供給によって給水溝31bの内圧を高めることで、フランジ部31a,15d間から潤滑液流路30の外部への潤滑液の漏れ抑制している。
第3給水管66は、メカニカルシール32Bにおいて軸受24B側の第2シール部32c2に浄水を供給する配管である。第3給水管66は、第2給水管65に接続された第1端66aと、第2給水管56に接続された第2端66bとを備える。つまり、第3給水管66(第1端66a)は、第2給水管65の一部を共通配管として貯水槽64(濾過器62)に接続されている。但し、第2給水管65の一部を共有することなく、第3給水管66を貯水槽64に直接接続してもよい。
このように構成された自己注水機構60は、ポンプケーシング12内の圧力によって機能する。
具体的には、図1に示すように、吐出エルボ18内(注出管61内)の圧力をP1、第1給水管63の第1部分63c内の圧力をP2、第1給水管63の第2部分63d内の圧力をP3、ドレン管62f内の圧力をP4、ベルマウス16内の圧力をP5とすると、全水運転時、圧力P1,P2,P3,P4,P5は、この順で小さくなる(P1>P2≧P3>P4>P5)。但し、第1部分63c内の圧力P2と第2部分63d内の圧力P3とは、同一になる状況が存在する。
ポンプケーシング12内の揚水の一部は、前述した圧力差によって注出管61を通して濾過器62に供給される。図4を参照すると、濾過器62に流入した揚水PWは、容器62aの内壁に沿って旋回(旋回流RF参照)する。これにより、容器62aの内壁付近の圧力は高くなり、容器62aの中心軸付近の圧力は低くなる。また、容器62aの中心軸付近において、蓋部62b側では浄水流出口62dに向けた流れUFが生じ、逆側では汚水流出口62eに向けた旋回流のみとなる。
揚水PWに含まれている固形物は、旋回流RFによる遠心力によって分離され、回転しながら汚水流出口62e側へ向かい、汚水DWとして汚水流出口62eからドレン管62fへ排出される。この汚水DWは、ドレン管62fを通してポンプケーシング12内へ排出される(図1参照)。
固形物が分離された浄水CWは、浄水流出口62dから第1部分63cへ排出される。但し、軸受24A,24Bに摩耗を生じさせない程度の微小な固形物は、浄水CWに含まれた状態で浄水流出口62dから排出されることはある。図1に示すように、第1部分63cに流入した浄水CWは、貯水槽64に一時的に溜められる。この浄水CWは、後述する制御部80の指令に従ってメカニカルシール32B及び接続部30aに供給される。
図1を参照すると、自己注水機構60は、揚水注出用の電磁弁67、浄水供給用の電磁弁68,69、及び汚水排出用の電磁弁70を備える。清水用の第2給水管56と浄水用の第3給水管66との接続部には、メカニカルシール32Bとの接続状態を切り換える切換弁71が配置されている。
電磁弁67は、注出管61に介設され、ポンプケーシング12から濾過器62への揚水の注出が可能な開状態、及び注出が不可能な閉状態に切換可能である。
電磁弁68は、第1給水管63の第2部分63dにおいて、第2給水管65との接続部(第1端65a)よりも下流側(メカニカルシール32B側)に介設され、貯水槽64から第1シール部32c1への浄水の供給が可能な開状態、及び供給が不可能な閉状態とに切換可能である。
電磁弁69は、第2給水管65に介設され、貯水槽64から接続部30aへの浄水の供給が可能な開状態、及び供給が不可能な閉状態に切換可能である。
電磁弁70は、ドレン管62fに介設され、濾過器62からポンプケーシング12への汚水の排出が可能な開状態、及び排出が不可能な閉状態に切換可能である。
切換弁71は、清水用の第2給水管56及び浄水用の第3給水管66のうちのいずれかと、メカニカルシール32Bの第2シール部32c2とが接続されるように、第1接続状態と第2接続状態に切換可能な三方弁である。第1接続状態では、清水用の第2給水管56と第2シール部32c2が連通し、浄水用の第3給水管66と第2シール部32c2とが遮断される。第2接続状態では、浄水用の第3給水管66と第2シール部32c2とが連通し、清水用の第2給水管56と第2シール部32c2が遮断される。
(制御部の概要)
図5に示すように、ポンプ10は、パーソナルコンピュータ等によって構成された制御部80を備える。制御部80には、駆動部26、前述したセンサ37,54,64a、及び前述した弁40,57,58,67~71が電気的に接続されている。制御部80は、オペレータの指示に従って駆動部26を制御するとともに、各種センサ37,54,64aの計測結果に従って流量調整弁40、電磁弁57,58,67~70、及び切換弁71を制御する。
制御部80は、ポンプ10を制御するプログラム、及びプログラムに用いる閾値等が記憶された記憶部(メモリ)81を備える。制御部80のプログラムには、潤滑液流路30からの潤滑液漏れの低減を目的とした注水処理が含まれている。この注水処理は駆動部26の駆動と並行して行われる。注水処理の状態に拘わらず、駆動処理では、駆動部26によって回転軸20を定速で回転させる。
注水処理では、流量計54の計測結果に基づいて、メカニカルシール32Bの状態、つまりメカニカルシール32Bの異常の有無と異常レベルを判断し、その判断結果に基づいて外部注水機構50及び自己注水機構60を制御する。記憶部81には、メカニカルシール32Bの状態を判断するための閾値T1,T2が記憶されている。第1閾値T1は第2閾値T2よりも小さい(T1<T2)。
具体的には、所定期間内での流量計54の計測結果(流量)は、潤滑液流路30(つまりメカニカルシール32B)からの漏れが多くなるに従って多くなる。つまり、受水槽52からの給水量が少ない状況は、メカニカルシール32Bの摩耗は少なく、メカニカルシール32Bの損傷も無いことを意味する。一方、受水槽52からの給水量が多い状況は、メカニカルシール32Bの摩耗が多く、メカニカルシール32B自体も損傷している可能性があることを意味する。よって、流量計54の計測結果と閾値T1,T2を比較することで、制御部80は、メカニカルシール32Bの状態を判断できる。
(制御部によるメインフロー)
制御部80は、前述のようにオペレータの指示に従って、駆動部26の始動と停止を行う。駆動部26を始動すると制御部80は、停止指令が入力させるまで、流量計54の計測結果に基づいて、定常時運転、異常時運転、及び非常時運転のうちのいずれかを実行する。
より具体的には、流量計54の計測結果が第1閾値T1未満の場合、制御部80は、メカニカルシール32Bが正常状態であると判断し、定常時運転を行う。流量計54の計測結果が第1閾値T1以上第2閾値T2未満の場合、制御部80は、メカニカルシール32Bが摩耗した異常状態である判断し、異常時運転を行う。流量計54の計測結果が第2閾値T2以上の場合、制御部80は、メカニカルシール32Bが過度に摩耗又は損傷した非常状態である判断し、非常時運転を行う。
図6Aに示すように、潤滑液流路30には、運転状態(つまりメカニカルシール32Bの状態)に拘わらず、外部注水機構50から清水が補充される。また、運転状態に応じて、第1シール部32c1には自己注水機構60から浄水が供給され、第2シール部32c2には外部注水機構50からの清水又は自己注水機構60からの浄水が供給され、接続部30aには自己注水機構60から浄水が供給される。
(定常時運転)
図6Aを参照すると、メカニカルシール32Bに異常がない定常時運転で制御部80は、潤滑液流路30に清水を補充し、第1シール部32c1、第2シール部32c2、及び接続部30aには清水も浄水も供給しない。
図6Bを参照すると、定常時運転で制御部80は、潤滑液流路30に清水を供給するための電磁弁57を開状態とする。この状態では、潤滑液流路30内の揚水が不足している場合のみ、受水槽52内の清水が潤滑液流路30に補充される。
また、制御部80は、揚水注出用の電磁弁67、及び汚水排出用の電磁弁70を連動して間欠的に開閉させる。ここで、間欠的に開閉するとは、ポンプ10の起動時、停止時、及び水位センサ64aによって貯水槽64内の浄水量が少ないことを検出した場合に、1分から5分程度開状態とした後、閉状態とすることを意味する。これにより、貯水槽64内の浄水を満水状態に維持できる。
また、制御部80は、第2シール部32c2に清水を供給するための電磁弁58、及び第2シール部32c2に浄水を供給するための電磁弁69を閉状態とするとともに、切換弁71を外部注水機構50側に連通させる。この状態では、電磁弁58,69がいずれも閉状態であるため、第2シール部32c2には清水及び浄水のいずれも供給されない。
また、制御部80は、第1シール部32c1に浄水を供給するための電磁弁68を閉状態とする。この状態では、電磁弁68を閉状態であるため、第1シール部32c1には浄水は供給されない。
(異常時運転)
図6Aを参照すると、摩耗等の異常がメカニカルシール32Bに存在する異常時運転で制御部80は、潤滑液流路30に清水を補充し、第1シール部32c1に浄水を間欠的に供給し、第2シール部32c2に清水を供給し、接続部30aに浄水を供給する。
図6Bを参照すると、異常時運転で制御部80は、定常時運転と同様に、潤滑液流路30に清水を供給するための電磁弁57を開状態とする。
また、制御部80は、定常時運転と同様に、揚水注出用の電磁弁67、及び汚水排出用の電磁弁70を連動して間欠的に開閉させる。
また、制御部80は、第2シール部32c2に清水を供給するための電磁弁58を開状態とし、第2シール部32c2に浄水を供給するための電磁弁69を閉状態とし、切換弁71を外部注水機構50側に連通させる。この状態では、第2シール部32c2内の潤滑液が不足している場合のみ、受水槽52内の清水が第2シール部32c2に補充される。また、第2シール部32c2内は、受水槽52の水頭圧によって昇圧される。よって、第2シール部32c2通した潤滑液流路30内の潤滑液の漏出を抑制できる。
また、制御部80は、第1シール部32c1に浄水を供給するための電磁弁68を間欠的に開閉する。ここで、間欠的に開閉するとは、ポンプ10の起動時及び停止時に、1分から5分程度開状態とした後、閉状態とすることを意味する。これにより、起動時、ポンプケーシング12内に水が無い状態で、第1シール部32c1に付着して乾燥した塵埃(異物)を除去(フラッシング)できる。また、停止時、第1シール部32c1に付着した異物を除去できる。よって、回転環32a1と固定環32b1が異物によって摩耗及び損傷することを抑制できる。
(非常時運転)
図6Aを参照すると、過度の摩耗や損傷等の異常がメカニカルシール32Bに存在する非常時運転で制御部80は、潤滑液流路30に清水を補充し、第1シール部32c1、第2シール部32c2、及び接続部30aに浄水を連続的に供給する。
図6Bを参照すると、非常時運転で制御部80は、定常時と同様に、潤滑液流路30に清水を供給するための電磁弁57を開状態とする。
また、制御部80は、揚水注出用の電磁弁67、及び汚水排出用の電磁弁70を開状態とする。これにより、ポンプケーシング12内の揚水の一部が濾過器62へ常に流出し、濾過した浄水が継続的に生成される。
また、制御部80は、第2シール部32c2に清水を供給するための電磁弁58を閉状態とし、第2シール部32c2に浄水を供給するための電磁弁69を開状態とし、切換弁71を自己注水機構60側に連通させる。この状態では、貯水槽64内の浄水が第2シール部32c2に補充される。また、第2シール部32c2内は、貯水槽64の水頭圧によって昇圧される。よって、第2シール部32c2通した潤滑液流路30内の潤滑液の漏出を抑制できる。
また、制御部80は、第1シール部32c1に浄水を供給するための電磁弁68を開状態とする。これにより、第1シール部32c1には貯水槽64内の浄水が連続的供給され、第1シール部32c1の圧力が貯水槽64の水頭圧によって昇圧される。つまり、メカニカルシール32Bが備える両方のシール部32c1,32c2が昇圧されるため、メカニカルシール32Bを通した潤滑液流路30内の潤滑液の漏出を抑制できる。
本実施形態のポンプ10は、以下の特徴を有する。
自己注水機構60によって、メカニカルシール32Bのインペラ22側に浄水を供給する。これにより、メカニカルシール32Bのシール部32c1に付着した異物を除去(フラッシング)できるため、異物によるシール部32c1の摩耗を抑制できる。また、メカニカルシール32Bのインペラ22側の圧力が高められるため、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れを低減できる。よって、高価な清水の無駄な消費を抑制できる。潤滑液として浄水を潤滑液流路30に供給しないため、腐食性を有する硫化物や塩化物が揚水に含まれている場合でも、潤滑液流路30を構成する部品が損傷することを防止できる。
自己注水機構60は、排水路28に接続された注出管61と、注出管61に接続された濾過器62と、濾過器62及びメカニカルシール32Bに接続された第1給水管63とを備える。よって、電動ポンプ等の駆動手段を用いることなく、排水路28内を流動する揚水の圧力によって、揚水の一部が注出管61に流出し、第1給水管63を通して濾過器62で濾過した浄水をメカニカルシール32Bに吐出できる。
軸受24Bが取り付けられた軸受ケーシング15aと保護管31との接続部30aに、自己注水機構60の浄水を供給するための第2給水管65を備える。よって、浄水の供給圧によって接続部30aからの潤滑液の漏れを低減できるため、清水の無駄な消費を抑制できる。
メカニカルシール32Bが第1シール部32c1と第2シール部32c2を備えるため、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れを効果的に抑制できる。また、インペラ22側をシールする第1シール部32c1に浄水を供給するため、浄水が潤滑液流路30に混入することを確実に防止できる。
外部注水機構50は、第2シール部32c2側に清水を供給する第2給水管56を備える。よって、第2シール部32c2側の圧力を高くできるため、潤滑液流路30内の潤滑液の漏れを抑制できる。また、供給した清水が潤滑液流路30内に流入しても、潤滑液流路30を構成する部品に影響が及ぶことはない。
自己注水機構60は第2シール部32c2に浄水を供給するための第3給水管66を備え、第2給水管56と第3給水管66の接続部には切換弁71を備える。つまり、第2シール部32c2には、清水及び浄水のうちのいずれかを供給可能である。よって、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れ量が少ない場合(異常運転時)には清水を供給し、漏れ量が多い場合(非常運転時)には浄水を供給することで、清水の無駄な消費を抑制できる。
ポンプケーシング12外に配置された循環配管38と、潤滑液流路30内の潤滑液を流動させる羽根部材41とを備えるため、軸受24A,24Bの摩耗と過熱を効果的に抑制できる。また、潤滑液流路30内の圧力が自己注水機構60による浄水の供給圧力よりも大きくなるため、メカニカルシール32Bに供給された浄水が潤滑液流路30に混入することを防止できる。
受水槽52からの給水量を検出する流量計54と、流量計54の計測結果に基づいて自己注水機構60を制御する制御部80とを備える。つまり、受水槽52からの給水量に応じて浄水の供給状態が切り換えられるため、清水の無駄な消費を確実に低減できる。
具体的には、制御部80は、流量計54の計測結果が閾値T2未満の場合、つまり潤滑液の漏れが少なく、清水の給水量が少ない場合、自己注水機構60によって浄水を間欠的に供給する。よって、メカニカルシール32Bに異物が固着した状態を抑制できるため、ポンプの駆動時、異物によるメカニカルシール32Bの摩耗を防止できる。
一方、流量計54の計測結果が閾値T2以上の場合、つまり潤滑液の漏れが多く、清水の給水量が多い場合、自己注水機構60によって浄水を連続的に供給する。つまり、メカニカルシール32Bのインペラ22側の圧力が常に高められるため、潤滑液流路30からの潤滑液の漏れを低減できる。
なお、本発明のポンプ10は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、図7に示すように、定常時運転において制御部80は、第1シール部32c1に対して自己注水機構60の浄水を間欠的に供給してもよい。また、異常時運転において制御部80は、第2シール部32c2に対して自己注水機構60の浄水を供給してもよい。また、異常時運転において制御部80は、接続部30aに対して外部注水機構50の清水を供給してもよい。
潤滑液流路30は、循環配管38を設けることなく、潤滑液流路30のインペラ22側を閉鎖してもよい。軸受ケーシング15aと保護管31の接続部30aには、自己注水機構60の浄水を供給しなくてもよい。メカニカルシール32Bはシングル形式であってもよい。第2シール部32c2には、自己注水機構60の浄水だけを供給可能とし、外部注水機構50の清水は供給不可能としてもよい。制御部80による制御(注水処理)は、必要に応じて変更が可能である。
ポンプは、吸水槽1内に水が流入する前に予め運転を開始させる先行待機形に限られず、所定量の水が溜まった状態で運転を開始する立軸ポンプであってもよい。また、回転軸を鉛直方向に延びるように配置した立軸ポンプに限られず、回転軸を横向きに延びるように配置した横軸ポンプであってもよい。
1…吸水槽
2…据付床
10…ポンプ
12…ポンプケーシング
13…揚水管
14…直管
15…ベーンケーシング
15a…軸受ケーシング
15b…スリーブ
15c…接続管部
15d…フランジ部
16…ベルマウス
16a…吸込口
17…吐出し管
18…吐出エルボ
18a…スリーブ
20…回転軸
20a…第1端
20b…第2端
22…インペラ
24A,24B…軸受
26…駆動手段
28…排水路
30…潤滑液流路
30a…接続部
31…保護管
31a…フランジ部
31b…給水溝
31c…連通孔
31d…凹溝
32A,32B…メカニカルシール
32a1,32a2…回転環
32b1,32b2…固定環
32c1…第1シール部
32c2…第2シール部
32d…ハウジング
32e1,32e2…注入孔
33…囲い部
34…蓋体
35…潤滑液タンク
36…ボール軸受
37…満水検知器
38…循環配管
38a…フレキシブル管
39…接続配管
40…流量調整弁
41…羽根部材(送出部)
50…外部注水機構
52…受水槽(水源)
53…接続配管
54…流量計(流量検出部)
55…第1給水管
56…第2給水管(第4配管)
56a…第1端
56b…第2端
57…清水供給用の第1電磁弁
58…清水供給用の第2電磁弁
59…逆止弁
60…自己注水機構
61…注出管(第1配管)
61a…第1端
61b…第2端
62…濾過器
62a…容器
62b…蓋部
62c…揚水流入口(流入部)
62d…浄水流出口(吐出部)
62e…汚水流出口
62f…ドレン管
63…第1給水管(第2配管)
63a…第1端
63b…第2端
63c…第1部分
63d…第2部分
64…貯水槽
64a…水位センサ
65…第2給水管(第3配管)
65a…第1端
65b…第2端
66…第3給水管(第5配管)
66a…第1端
66b…第2端
67…揚水注出用の電磁弁
68,69…浄水供給用の電磁弁
70…汚水排出用の電磁弁
71…切換弁(切換部)
80…制御部
81…記憶部

Claims (7)

  1. 筒状のポンプケーシングと、
    前記ポンプケーシング内に配置された第1端と、前記ポンプケーシング外に配置された第2端とを有する回転軸と、
    前記回転軸の前記第1端側に取り付けられたインペラと、
    前記インペラに対して前記回転軸の前記第2端側に隣接して配置され、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、
    前記軸受に対して前記回転軸の前記第2端側に接続されて前記回転軸を取り囲む保護管と、前記軸受に対して前記インペラ側に配置されたメカニカルシールとを有し、前記保護管内を通して前記軸受に潤滑液を供給するための潤滑液流路と、
    前記ポンプケーシング外の水源の清水を前記潤滑液として前記潤滑液流路に供給する外部注水機構と、
    前記ポンプケーシングと前記保護管の間の排水路から流出した揚水を濾過した浄水を、前記メカニカルシールの前記インペラ側に供給する自己注水機構と
    前記水源からの給水量を検出する流量検出部と、
    前記流量検出部の計測結果に基づいて前記自己注水機構を制御する制御部と
    を備え
    前記制御部は、
    前記流量検出部の計測結果が閾値未満の場合、前記自己注水機構によって前記メカニカルシールに対して前記浄水を間欠的に供給又は供給を停止させる一方、
    前記流量検出部の計測結果が前記閾値以上の場合、前記自己注水機構によって前記メカニカルシールに前記浄水を連続的に供給させる、ポンプ。
  2. 前記自己注水機構は、
    前記排水路に接続された第1端と、前記ポンプケーシング外に配置された第2端とを有する第1配管と、
    前記第1配管の前記第2端に接続された流入部と、前記浄水を吐出する吐出部とを有する濾過器と、
    前記吐出部に接続された第1端と、前記メカニカルシールの前記インペラ側に接続された第2端とを有する第2配管と
    を備える、請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記軸受は、前記ポンプケーシング内に固定された軸受ケーシングに取り付けられ、
    前記保護管は、前記軸受ケーシングにおける前記回転軸の前記第2端側の端に締結による接続部を介して接続されており、
    前記自己注水機構は、前記吐出部に接続された第1端と、前記接続部に配置された第2端とを有する第3配管を備える、
    請求項2に記載のポンプ。
  4. 前記メカニカルシールは、前記インペラ側をシールする第1シール部と、前記軸受側をシールする第2シール部と、これらを収容するハウジングとを有し、
    前記ハウジングには、前記第1シール部に対応して前記自己注水機構の前記第2配管が接続される第1注入孔と、前記第2シール部に対応して前記外部注水機構が接続される第2注入孔とが設けられている、
    請求項2又は3に記載のポンプ。
  5. 前記外部注水機構は、前記水源に接続された第1端と、前記第2注入孔に接続された第2端とを有する第4配管を備える、請求項4に記載のポンプ。
  6. 前記自己注水機構は、前記吐出部に接続された第1端と、前記第4配管に接続された第2端とを有する第5配管を備え、
    前記第4配管と前記第5配管の接続部には、前記第4配管及び前記第5配管のうちのいずれかと前記第2シール部とが接続されるように接続状態を切り換える切換部を備える、
    請求項5に記載のポンプ。
  7. 前記ポンプケーシング外に配置され、前記潤滑液流路において前記回転軸の前記第1端側と前記第2端側とを連通させる循環配管と、
    前記潤滑液流路において、前記回転軸の前記第2端側から前記第1端側へ前記潤滑液を流動させる送出部と
    を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のポンプ。
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