JP7382751B2 - 乳化油脂組成物と、これを用いた焼成品の製造方法および発酵臭の抑制方法 - Google Patents

乳化油脂組成物と、これを用いた焼成品の製造方法および発酵臭の抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、乳化油脂組成物と、これを用いた焼成品の製造方法および発酵臭の抑制方法に関する。
従来、パンや焼菓子などの焼成品は、粉体材料、イーストを混合して得た生地を発酵させ、焼成する工程を経ることで製造されている。このような製造工程の中でも、特に、イーストを含む生地を発酵させる工程は、最も時間を要する工程の一つであり、パンや焼菓子を効率的に大量生産するためには、生地の発酵時間を短縮することが求められている。
生地の発酵時間を短縮するための方法としては、例えば、生地に添加するイーストの量を増やすことが考えられる。しかしながら、この場合、イーストによる発酵臭(イースト臭)が生じ、風味が悪くなるため、パンや焼菓子としての製品価値が下がってしまうという問題がある。
このようなイーストによる発酵臭を抑制するための技術として、例えば、生地に乳清ミネラルを添加することが提案されている(特許文献1)。
特開2017-93366号公報
しかしながら、特許文献1の方法の場合、発酵臭の抑制効果は必ずしも十分でないため、パンや焼菓子へ使用し難いという問題がある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、パンや焼菓子などの焼成品における発酵臭を抑制し、風味を良好にすることができる乳化油脂組成物と、これを用いた焼成品の製造方法および発酵臭の抑制方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の乳化油脂組成物は、
油脂と、
カルシウムを0.005~1%含有する糖と、
穀物のロースト処理物および茶葉のロースト処理物のうちの少なくともいずれかと、
を含むことを特徴としている。
本発明の焼成品の製造方法は、イーストを含む生地に前記乳化油脂組成物を添加し、この生地を焼成する工程を含むことを特徴としている。
本発明の発酵臭の抑制方法は、生地中に含まれるイーストによる発酵臭の抑制方法であって、イーストを含む生地に前記乳化油脂組成物を添加する工程を含むことを特徴としている。
本発明の乳化油脂組成物、パンの製造方法および発酵臭の抑制方法によれば、パンや焼菓子などの焼成品における発酵臭を抑制し、風味を良好にすることができる。
実施例3、比較例4の食パンを味覚センサーで甘味、濃厚感、旨みコク、酸味の測定を行った結果を示す図である。
以下、本発明の乳化油脂組成物、パンの製造方法および発酵臭の抑制方法の一実施形態について説明する。
本発明の乳化油脂組成物は、油脂と、カルシウムを0.005~1%含有する糖と、穀物のロースト処理物および茶葉のロースト処理物のうちの少なくともいずれかと、を含んでいる。
本発明の乳化油脂組成物に含まれる油脂は、通常食品に添加することができる油脂であれば特に制限はなく、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、麦油(はと麦、大麦、オーツ麦、小麦などから抽出される油脂)、ヤシ油、カカオ脂、パーム油、パーム核油および藻類油等の植物油脂が例示される。また、乳脂、豚脂、牛脂、魚油等の動物油脂が例示される。また、これらの食用油脂の分別(例えば分別乳脂低融点部、パームスーパーオレイン等)、硬化、エステル交換から選択される1種又は2種以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。食用油脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用した調合油を用いてもよい。
これらの中でも、本発明の乳化油脂組成物は、ラウリン系油脂(a1)およびパーム系油脂(a2)を原料にしたヨウ素価20~40のエステル交換油脂(a)を含有することが好ましい。さらに、エステル交換油脂(a)のヨウ素価は、20~30であることがより好ましい。適切な硬さのエステル交換油脂が乳化油脂中に存在することで、固液分離が抑制され、可塑性に優れた乳化油脂組成物となる。エステル交換油脂(a)は、ラウリン系油脂(a1)およびパーム系油脂(a2)のエステル交換油脂のうちの1種または2種以上の混合物であってもよい。
ラウリン系油脂(a1)は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が30質量%以上、好ましくは40~55質量%、より好ましくは45~50質量%である。このようなラウリン系油脂(a1)としては、パーム核油、ヤシ油、これらの分別油、硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
ラウリン系油脂(a1)として、パーム核油もしくはそれに由来する油脂と、ヤシ油もしくはそれに由来する油脂のうちでは、前者が好ましい。パーム核油、パーム核極度硬化油がより好ましく、パーム核極度硬化油がさらに好ましい。ヨウ素価2以下の極度硬化油を用いることで、トランス脂肪酸の生成の虞が少なく、エステル交換油脂(a)をほかの油脂と混合する際に結晶核となり、固化し易くかつ口溶けのよい乳化油脂組成物となる。
パーム系油脂(a2)は、全構成脂肪酸中の炭素数16以上の脂肪酸含有量が35質量%以上である。このようなパーム系油脂(a2)としては、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部などを用いることができる。
パーム系油脂(a2)としてパーム油単独か、パーム油とパーム極度硬化油を併用することができ、パーム油とパーム極度硬化油を併用することが好ましい。パーム油とパーム極度硬化油を併用する場合には、これらの質量比(パーム油/パーム極度硬化油)は1/1以上が好ましく、1.5/1以上がより好ましい。
ラウリン系油脂(a1)とパーム系油脂(a2)の組み合わせは、ラウリン系油脂(a1)がパーム核油(ヨウ素価が22以下)またはパーム核極度硬化油であり、かつパーム系油脂(a2)が、パーム油もしくはパーム油およびパーム極度硬化油であることが好ましい。なかでもラウリン系油脂(a1)がパーム核極度硬化油であり、かつパーム系油脂(a2)がパーム油およびパーム極度硬化油であるエステル交換油脂(a)は、他油脂との相溶性が良く、固液分離を抑制する点において好ましい態様である。
エステル交換油脂(a)は、1種単独で使用してもよいが、2種以上の混合物であってもよく、その中でも、ヨウ素価30未満のエステル交換油脂Aと、ヨウ素価30以上のエステル交換油脂Bを組み合わせて使用することが好ましい。ここでのエステル交換油脂A、Bは単独でもエステル交換油脂(a)としての条件を満足する油脂である。エステル交換油脂A、Bを併用すると、エステル交換油脂A、Bのいずれかを1種単独で使用した場合に比べて、エステル交換油脂(a)による他油脂との相溶性が向上し、固液分離を抑制することができる。
エステル交換油脂Aは、ヨウ素価30未満であり、その中でも20~30がより好ましい。エステル交換油脂Aの乳化油脂組成物への配合量は、エステル交換油脂(a)としてエステル交換油脂Aを単独で使用した場合、あるいはエステル交換油脂Aとエステル交換油脂Bを併用した場合において、50質量%以下が好ましく、5~18質量%以下が好ましい。
エステル交換油脂Bは、ヨウ素価30以上であり、30~40以下が好ましい。エステル交換油脂Bの乳化油脂組成物への配合量は、エステル交換油脂(a)としてエステル交換油脂Bを単独で使用した場合、あるいはエステル交換油脂Aとエステル交換油脂Bを併用した場合において、油脂全体の質量に対して50質量%以下が好ましく、10~18質量%が好ましい。
エステル交換油脂Bのエステル交換油脂Aに対する質量比(B/A)は、乳化能がより向上する観点から、0.5以上が好ましい。
本発明の乳化油脂組成物に含まれるエステル交換油脂(a)が、2種以上のエステル交換油脂の混合物である場合、エステル交換油脂(a)全体としてのヨウ素価(合計)は、20~40が好ましく、25~35がより好ましい。ヨウ素価がこの範囲であると、他油脂との相溶性が向上し、固液分離をおこさない。その結果、乳化油脂組成物として生地に均一に練りこまれるため、発酵臭の抑制効果が向上し、良好な風味の焼成物が得られる。
さらに本発明の乳化油脂組成物は、ラウリン系油脂(a1)およびパーム系油脂(a2)のエステル交換油脂(a)以外のエステル交換油脂を含むことができる。具体的には、パーム分別軟質油、パーム核極度硬化油のエステル交換油脂を例示することができる。
本発明の乳化油脂組成物は、油相のヨウ素価が35~70であることが好ましく50~60であることがより好ましい。ヨウ素価がこの範囲であると、乳化油脂組成物として生地に均一に練りこまれるため、発酵臭の抑制効果が向上し、良好な風味の焼成物が得られる。
本発明の乳化油脂組成物に含まれる糖は、カルシウムの含有量が0.005~1質量%であり、0.01~0.3質量%であることが好ましく、0.01~0.15質量%であることが最も好ましい。糖のカルシウムの含有量がこの範囲であると、イーストによる発酵臭を抑制することができ、風味が良好になる。
糖の具体的な種類は特に限定されないが、赤糖、黒糖、三温糖、糖蜜(廃糖蜜)、およびそれらの加工品のうちの少なくともいずれかであることが好ましく、なかでも、赤糖であることが特に好ましい。これらの糖は、一般的な市販品として入手が可能である。
例えば、赤糖、黒糖、三温糖および糖蜜(廃糖蜜)は、カルシウムの含有量が0.005~1質量%であることが知られている。一方で、上白糖、グラニュー糖はカルシウムの含有量が0.005~1質量%の範囲外であることが知られている。
また、本発明の乳化油脂組成物に含まれる糖は、カリウムの含有量が0.005~1.5質量%であり、0.05~0.5質量%であることが知られている。
本発明の乳化油脂組成物における上記の糖(カルシウムの含有量が0.005~1質量%)の含有量は、その種類等に応じて適宜設定することができるが、例えば、乳化油脂組成物に対して0.5~15質量%であることが好ましく1~10質量%である事がより好ましく、1~7質量%である事がさらに好ましい。
本発明の乳化油脂組成物に含まれるロースト処理物は、穀物および/または茶葉のロースト処理物である。
穀物の種類は特に限定されないが、例えば、大麦、小麦、はと麦、米、コーヒーなどのうちの1種または2種以上を例示することができる。なかでも、大麦のロースト処理物(麦茶など)やコーヒーのロースト処理物は、焼成品における発酵臭を効果的に抑制することができ、良好な風味を得ることができるため好ましい。なお、カカオ豆をロースト処理したカカオマス、ココアパウダー、またはそれらを用いたチョコレートなどは風味が強すぎ、良好な風味が得られない場合がある。
茶葉のロースト処理物は、例えば、焙じ茶などを例示することができるが、紅茶やウーロン茶など発酵茶をロースト処理したものであってもよい。
また、穀物および/または茶葉のロースト処理物の形態は、特に限定されず、粉末状、液体状(エキス)、エキスを粉末化したものなどの形態であってよいが、作業性の面から粉末化したものを使用することが好ましい。エキスは、例えばロースト処理物を水または湯で抽出したものを濃縮したものや、スプレードライ製法などにより水分を飛ばし、粉末化したものが挙げられる。
本発明の乳化油脂組成物におけるロースト処理物の含有量は、その種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、乳化油脂組成物に対して0.1~8質量%であることが好ましく、0.1~5であることがより好ましく、0.2~3質量%であることが最も好ましい。
本発明の乳化油脂組成物は、組成物中のミネラル分として、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどを含むことができる。
具体的には、本発明の乳化油脂組成物におけるカルシウムの含有量は、0.0003~0.023質量%であることが好ましく、0.005~0.012質量%であることがより好ましい。カリウムの含有量は、0.0005~0.11質量%であることが好ましく、0.018~0.05質量%であることがより好ましい。ナトリウムの含有量は、0.0002~0.02質量%であることが好ましく、0.005~0.015質量%であることがより好ましい。
また、本発明の乳化油脂組成物におけるカリウム/カルシウムの値は、1.5~20であることが好ましく、2~12であることがさらに好ましく、3~5であることが最も好ましい。油脂組成物中のカリウム/カルシウムの値がこの範囲であると、イーストによる発酵臭をより抑制することができる。
さらに、乳化油脂組成物中の(カリウム+カルシウム)の含有量が0.001~0.12質量%であることが好ましく、0.02~0.07質量%であることがより好ましい。(カリウム+カルシウム)の含有量がこの範囲であると、イーストによる発酵臭をより抑制することができる。
ミネラル分を上記範囲にするために、ミネラル分を含む粉乳や濃縮乳、CWC(濃縮ホエイと濃縮クリームの混合物)などの乳製品を配合することが好ましい。
本発明の乳化油脂組成物は、油相および水相を含有する形態であり、油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型が挙げられ、油相の含有量は、好ましくは60~99.4質量%、より好ましくは65~98質量%であり、水相の含有量は、好ましくは0.6~40質量%、より好ましくは2~35質量%である。その中でも油中水型が好ましく、例えばマーガリンが挙げられる。
本発明の乳化油脂組成物は、カルシウムを0.005~1%含有する糖と、穀物または茶葉のロースト処理物とを含むため、イーストによる発酵臭を抑制することができ、良好な風味とすることができる。したがって、例えば、パンや焼菓子などの焼成品の製造工程において、生地にイーストを多く添加して、生地の発酵時間を短縮しつつも、焼成後のパンや焼菓子におけるイーストによる発酵臭が抑制され、風味が良好になるため、高い製品価値の焼成品とすることができる。
また、本発明の乳化油脂組成物は、各種の乳化剤、上記の赤糖、黒糖、三温糖、および糖蜜、糖蜜以外の糖類、増粘安定剤、タンパク質、乳製品、アルコール、植物性ミルク、着色料、香料等を含有していてもよい。
本発明の乳化油脂組成物においては、乳化剤は使用しないことが好ましいが、使用する場合は、通常食品に使用される乳化剤を添加することができる。具体的には、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、糖脂質、ポリソルベート、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム、カルシウム)等が例示され、1種単独または2種以上を併用することができる。
糖類としては、例えば、上記の赤糖、黒糖、三温糖および糖蜜(廃糖蜜)以外の砂糖、異性化糖、液糖、澱粉糖化物、糖アルコール、乳糖なども含むことができる。糖アルコールとしては、1糖アルコール(ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール等)、2糖アルコール(マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール)、3糖アルコール(マルトトリイトール、イソマルトトリイトール、パニトール等)、4糖アルコール(マルトテトライトール等)等が例示される。
増粘安定剤としては、例えば、寒天、アルギン酸ナトリウム、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、グルコマンナン、ジェランガム、大豆多糖類、イヌリン、タラガム、ローカストビーンガム、カードラン、アラビアガム、タマリンドシードガム、ウェランガム、ペクチン、結晶セルロース、セルロースエーテル等が例示される。前記セルロースエーテルとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを例示することができる。
タンパク質としては、ホエイパウダー、蛋白質濃縮ホエイパウダー、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、大豆蛋白質、エンドウ豆蛋白質、そら豆蛋白質、ヒヨコ豆蛋白質、小麦蛋白質等が例示され、その分解物等も好適に使用できる。乳製品としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、牛乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳、バター、CWC(濃縮ホエイと濃縮クリームの混合物)などが例示される。
アルコールとしては、例えば、エタノール、グリセリンなどが例示される。植物性ミルクとしては、豆乳、アーモンドミルク、ライスミルク、マカダミアナッツミルク、ヘーゼルナッツミルク、オーツミルクなどが挙げられる。
本発明の焼成品の製造方法は、イーストを含む生地に、上述した本発明の乳化油脂組成物を添加し、この生地を焼成する工程を含む。また、本発明の発酵臭の抑制方法は、イーストを含む生地に本発明の乳化油脂組成物を添加する工程を含む。
焼成品は、穀粉等を原料として加熱調理されたベーカリー製品全般、例えば、焼菓子類(洋菓子、和菓子)、パンなどを例示することができ、具体的には、例えば、食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パン、フランスパン、ライブレッド、デニッシュ、クロワッサン、ブリオッシュ、イーストドーナツなどを例示することができる。
生地は、穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられる。これらは単独または2種類以上を併用することが例示される。
生地には、穀粉、本発明の乳化油脂組成物、イースト以外にも、通常、パンや焼菓子などの生地に配合されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく配合することができる。
具体的には、例えば、水や乳製品、酵素、食用油脂、蛋白質、糖質の他、卵、卵加工品、塩類、乳化剤、可塑性油脂(マーガリン類、ショートニング)、ベーキングパウダー、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、香辛料、増粘剤、着色成分、香料などを例示することができる。
乳製品としては、例えば、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、牛乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズ等)、発酵乳等が例示され、また上記乳製品由来の乳タンパク質やその分解物等も好適に使用できる。
酵素としては、糖分解酵素、リパーゼ、ホスホリパーゼ、プロテアーゼ、グルコオキシダーゼなどを例示することができる。
糖質としては、例えば、砂糖、異性化糖、液糖、澱粉糖化物、糖アルコール、乳糖、寒天、アルギン酸ナトリウム、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、グルコマンナン、ジェランガム、大豆多糖類、イヌリン、タラガム、ローカストビーンガム、カードラン、アラビアガム、タマリンドシードガム、ペクチン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを例示することができる。 香辛料としては、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロンなどを例示することができる。
増粘剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を例示することができる。
着色成分としては、カロテン、アナトーなどを例示することができる。
例えば、焼成品としてパンを製造する場合、例えば、水、イースト、イーストフード、塩、砂糖、脱脂粉乳、本発明の乳化油脂組成物および強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用して、ミキシングし、生地を得ることができる。
生地の製造方法としては、パンや焼菓子などの焼成品の製造において一般に行われている各種の方法、例えば、直捏法、中種法、液種法などを例示することができる。 生地は、混捏後、第一発酵、分割・丸め、ベンチタイム、成型・型詰め、第二醗酵(ホイロ)の各工程を含んでもよい。第一発酵を終えた生地を目的の焼成品に仕上げるために、生地を分割する。分割された生地は、成形の形を考慮に入れながら、分割によって痛んだ部分を包み込むようにして丸め、粘着性を持つ生地切断面を内部に入れ生地表面に薄い皮膜を形成させる。ベンチタイムでは、分割し、丸めた生地を、乾燥しないように留意しながら、台の上に並べるなどして休ませる。成型は、第一発酵後の生地や、ベンチタイムで回復した生地を、手もしくはモルダーなどの機械で形を整える工程である。例えば、手粉を用いて、軽く手で押さえて平たくし、麺棒でガスを抜きながら延ばしたり、畳んだり、丸めたり、巻いたりするなどして成型し、食パンなどを製造する場合にはこれを型詰めする。ホイロは、成型・型詰めされた生地を再び最終発酵させる。型詰めされた生地や、成型され天板に並べられた生地を、成型工程でガス抜きされた生地を熟成させスポンジ状に再生するために、第一発酵よりも高い温度で発酵させる。例えば、生地をホイロなどに収納して、調湿下、イーストが活性化する温度上限付近、例えば37~38℃で、発酵させる。
以上のようにして生地を得た後、この生地を焼成する。焼成温度などについては、公知の製造条件を適宜採用することが可能である。具体的には、例えば、発酵させた生地をオーブンや釜などで、190~220℃の温度で焼成することで焼成品を得ることができる。
本発明の焼成品の製造方法および発酵臭の抑制方法によれば、生地に本発明の乳化油脂組成物を添加するため、イーストによる発酵臭を抑制することができ、風味も良好になる。 さらに、本発明の乳化油脂組成物は、各種素材を混合し、起泡させサンドクリームとして利用することもできる。素材としては製パン時に利用される上記食品素材が好適に利用できる。
本発明の乳化油脂組成物、パンの製造方法および発酵臭の抑制方法は、以上の実施形態に限定されるものではない。
以下に、実施例により本発明の乳化油脂組成物などについて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<1>糖およびロースト処理物
各種の糖およびロースト処理物および乳製品のカルシウム、カリウム、ナトリウムの含有量を表1に示す。これらの値は、文献(成分表)や公表値、実測値に基づいている。
焙じ茶エキス、麦茶エキスは実測値であり、それぞれ佐藤食品工業(株)の「ほうじ茶エキスH0102タイプ」、「麦茶エキスM3」を用いた。
Figure 0007382751000001
<2>ミネラルの測定法
各試料(粉末)約1gを直示天秤で精秤し、イオン交換水約10gを添加して溶解させ、100mLメスフラスコで10倍希釈したものを、ICP発光分光分析法で測定した。測定装置はICP-9800((株)島津製作所製)を用いた。
<3>乳化油脂組成物の作製
表2に示す配合の油脂を75℃に調温して油相とした。一方、水に対し表2に示す水相材料を添加加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、油相に水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、パーフェクターによって急冷捏和し下記の配合割合のマーガリンを乳化油脂組成物として得た。得られたマーガリンは、5℃で保管した。なお、下記マーガリンの配合は全体で100質量部である。
油脂組成物 82.6質量部
水相材料 表2記載
水 残部
また、表2、表3に記載の油脂1~5には、次のものを使用した。
油脂1:(エステル交換油脂(a)、A)
ラウリン系油脂(a1):パーム核極度硬化油(ヨウ素価2)、
パーム系油脂(a2):パーム油(ヨウ素価53)、パーム極度硬化油(ヨウ素価2)
パーム核極度硬化油25質量%、パーム油50質量%、パーム極度硬化油25質量%を混合して110℃に加熱し、十分に脱水させた後、化学触媒としてナトリウムメチラートを油脂量の0.08質量%添加し、減圧下、100℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗して触媒を除去し、活性白土を用いて脱色し、さらに脱臭を行って油脂1(エステル交換油脂)を得た。
この油脂1(エステル交換油脂)のヨウ素価は27.5であった。
油脂2:(エステル交換油脂(a)、B)
ラウリン系油脂(a1):パーム核油(ヨウ素価18)
パーム系油脂(a2):パーム油(ヨウ素価53)
パーム核油50質量%、パーム油50質量%を原料に使用し、油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、油脂2(エステル交換油脂)を得た。この油脂2のヨウ素価は35.5であった。
油脂3:(エステル交換油脂)
パーム系油脂(a2)としてパーム分別軟質油を原料に使用し、油脂1の製法に準じてエステル交換反応等を行い、油脂3(エステル交換油脂)を得た。この油脂3のヨウ素価は56であった。
エステル交換油脂以外の油脂として、
油脂4:パーム油(ヨウ素価は53)
油脂5:菜種油(ヨウ素価は110)
を使用した。
<4>食パンの作製
上記のとおり作製した乳化油脂組成物を用いて、下記の配合と工程により食パンを作製した。
発酵時間短縮のため、多めのイーストを分散させた水、イーストフード、および強力粉をミキサーボールに投入し、フックを使用し、低速4分、中低速1分でミキシングを行った。捏上げ温度は24℃であった。その後、27℃、湿度75%の条件で3時間発酵(通常は4時間)を行った。発酵の終点温度は29℃であり、発酵後、中種生地を得た。
その後、表2に示した乳化油脂組成物以外の材料および中種生地を、低速3分、中低速3分でミキシングした後、乳化油脂組成物を投入し、さらに低速3分、中低速4分でミキシングしパン生地を得た。捏上温度は28℃であった。その後、室温で20分フロアタイムをとった後、分割してベンチタイムを20分とった。3斤型に成型して、38℃、湿度80%のホイロで45分発酵させた後、200℃で40分間焼成して食パンを得た。
〈食パンの配合〉
・中種配合
強力粉 70質量部
イースト 3.0質量部(通常は2.5質量部)
イーストフード 0.1質量部
水 40質量部
・中種工程
ミキシング 低速3分 中低速1分(フック使用)
捏上温度 24℃
発 酵 発酵室温27℃ 湿度75% 3時間
・本捏配合
強力粉 30質量部
上白糖 6質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 2質量部
乳化油脂組成物 5質量部
水 25質量部
・本捏工程(本捏配合の乳化油脂組成物以外の全材料および中種生地全量を添加)
ミキシング 低速3分 中低速3分
(乳化油脂組成物を投入)、低速3分 中低速4分
捏上温度 28℃
フロアタイム 28℃ 20分
生地分割 230g
ベンチタイム 28℃ 20分
成 型 モルダーで延ばしロール型に成型
U型にしてプルマン型に6本詰め
ホイロ 室温38℃ 湿度80% 40分
焼 成 200℃ 40分

食パンを焼成後2時間室温で放冷し、放冷後20℃で1日保管したものについて、食パンの評価に用いた。
<5>評価方法
評価を行ったパネルに関して、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20~40代の男性8名と女性12名をパネルとして選抜した。評価を実施するにあたりパネル全体で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。また、官能評価におけるパネルの偏りを排除し、評価の精度を高めるために、サンプルの試験区番号や内容はパネルに知らせず、ランダムに提示した。
[食パンの発酵臭]
作製した食パンを用い、口の中に広がる発酵臭をパネル20名により以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎+:20名中17人以上が発酵臭がしないと答えた
◎:20名中13~16人が発酵臭がしないと答えた
○:20名中9~12人が発酵臭がしないと答えた
△:20名中5~8人が発酵臭がしないと答えた
×:発酵臭がしないと答えたのは4人以下であった
[食パンの風味]
作製した食パンを用い、口の中に広がる風味をパネル20名により以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎+:20名中17人以上が風味が良好であると答えた
◎:20名中13~16人が風味が良好であると答えた
○:20名中9~12人が風味が良好であると答えた
△:20名中5~8人が風味が良好であると答えた
×:風味が良好であると答えたのは4人以下であった
[総合評価]
上記2つの評価において、◎+:5点、◎:4点、○:3点、△:2点、×:1点とし、その合計点を以下の基準にて総合評価とした。
(評価基準)
◎+:10点
◎:8~9点
○:6~7点
△:4~5点
×:2~3点
結果を表2、表3に示す。なお、表2におけるミネラル分の数値は質量%で記載している。
Figure 0007382751000002
Figure 0007382751000003
表2に示したように、カルシウムを0.005~1%含有する糖として、赤糖、黒糖および三温糖のうちのいずれかを使用し、かつ、穀物または茶葉のロースト処理物として、麦茶エキス(粉末状)、インスタントコーヒー(粉末状)、焙じ茶エキス(粉末状)を使用した実施例1~27では、イーストによる発酵臭が良好に抑制され、風味も良好であることが確認された。
特に、赤糖と麦茶エキスを含有し、油脂組成物中のカリウム/カルシウムの値が3~5であり、油脂組成物中の(カリウム+カルシウム)の値が、0.02~0.07質量%であると、より発酵臭を抑制できることが確認された。なかでも、赤糖と麦茶エキスとを所定の割合で含有する実施例3、4が、特に発酵臭抑制効果と風味に優れていることが確認された。
実施例2~6では、赤糖の量を変更した。実施例3、4の評価を最上として、赤糖が少ないと発酵臭抑制、風味の評価が下がり、多いと風味の評価が下がる結果となった。
実施例1、4、7、8では麦茶エキスの量を変更した。実施例4の評価を最上として、麦茶エキスの量が少ないと発酵臭抑制、風味の評価が下がり、多いと風味の評価が下がる結果となった。実施例4と実施例23、実施例20と実施例21、実施例25と実施例26の比較より、乳製品であるCWCを配合した場合に、風味の評価が向上する結果となった。実施例9、11、13では焙じ茶エキスの量を変更した。添加量に応じて、発酵臭は抑制されるが、風味については、実施例11を最上として、少なくても多くても評価が下がる結果となった。実施例14、16、17は黒糖の量を変更した。黒糖の量が少ないと、発酵臭の抑制、風味の評価が下がり、実施例17の様に多過ぎると風味の評価が下がる結果となった。実施例27ではパーム系油脂とラウリン系油脂のエステル交換油脂を全く使用していない乳化油脂組成物であるが、油脂が生地に均一に練り込まれず、発酵臭の抑制、風味とも評価は下がる結果であった。実施例3、18ではエステル交換油脂(a)のヨウ素価を変更した。ヨウ素価が高くなると、乳化油脂組成物として、生地に均一に練り込まれず、風味の評価が下がる結果となった。
一方、表3に示したように、麦茶エキスを含み、赤糖、黒糖および三温糖の代わりに上白糖を使用した比較例1および赤糖、黒糖および三温糖のいずれも使用しなかった比較例2は、添加したイーストに起因して風味が悪いことが確認された。また、赤糖を含み、いずれのロースト処理物も使用しなかった比較例3は、発酵臭を抑制することができず、風味も劣ることが確認された。さらに、赤糖、黒糖、三温糖とロースト処理物とのいずれも使用しなかった比較例4は、発酵臭を抑制することができず、風味も悪いことが確認された。
<6>サンドクリームの作製
表4に示した原料を混合し、卓上スタンドミキサー(Kitchin Aid社製)にて比重0.55まで気泡させた。
<7>評価方法
評価を行ったパネルに関して、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20~40代の男性8名と女性12名をパネルとして選抜した。評価を実施するにあたりパネル全体で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。また、官能評価におけるパネルの偏りを排除し、評価の精度を高めるために、サンプルの試験区番号や内容はパネルに知らせず、ランダムに提示した。
[コッペパンの発酵臭]
市販のコッペパンにサンドクリームを挟み、喫食事に口の中に広がるパンの発酵臭をパネル20名により以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:20名中16人以上が発酵臭が抑えられていると答えた
○:20名中11~15人が発酵臭が抑えられていると答えた
△:20名中6~10人が発酵臭が抑えられていると答えた
×:発酵臭が抑えられていると答えたのは5人以下であった
[サンドクリームのコク]
作製したサンドクリームを喫食し、口の中に広がるコクをパネル20名により以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎:20名中16人以上がコクがあると答えた
○:20名中11~15人がコクがあると答えた
△:20名中6~10人がコクがあると答えた
×:コクがあると答えたのは5人以下であった
結果を表4に示す。
Figure 0007382751000004
表4に示したように、実施例3の乳化油脂組成物を用いたサンドクリーム(実施例29)は、発酵臭、コクが最上の評価であった。また、実施例7の乳化油脂組成物を用いたサンドクリーム(実施例30)は、発酵臭が最上の評価であり、コクは良好な評価であった。実施例1の乳化油脂組成物を用いたサンドクリーム(実施例28)は、発酵臭、コクは最上の評価までいかないものの、良好な評価であった。比較例1の乳化油脂組成物を用いたサンドクリーム(比較例5)は、発酵臭、コクともに低い評価となった。
<8>味覚センサー
フードプロセッサーに実施例3、比較例4にて焼成した食パンをそれぞれ40g計量し、40℃に保温した40gの基準液を加え、15分間40℃に置いて食パンを膨潤させた。ブラウン製のブレンダーにて攪拌後、冷蔵で1時間静置し、上層の油脂分を固め取り除くと共に、水相部分を不織紙で濾過し測定サンプルとした。TS-5000Z((株)インテリジェントセンサーテクノロジー製)を用い20℃にて得られたサンプルの甘味、濃厚感、旨みコク、酸味(発酵臭による酸味)の測定を行った。
結果を図1に示す。図1は、味覚センサーの結果により作製した図であり、数値(絶対値)が大きい程、測定した味を感じ易い。実施例3を使用したパンは、比較例4を使用したパンに比べ、甘味、濃厚感、旨みコクが強く、酸味(発酵臭による酸味)が抑えられている結果となった。

Claims (11)

  1. 油脂と、
    カルシウムを0.005~1%含有する糖と、
    穀物のロースト処理物(きな粉を除く)および茶葉のロースト処理物のうちの少なくともいずれかと、
    を含む、乳化油脂組成物。
  2. 前記穀物は、大麦、小麦、はと麦、米、コーヒーのうちの1種または2種以上である、請求項1記載の乳化油脂組成物。
  3. 前記糖のカルシウム含有量が0.01~0.3%である、請求項1または2の乳化油脂組成物。
  4. 前記糖は、赤糖、黒糖および三温糖のうちの少なくともいずれかである、請求項1または2の乳化油脂組成物。
  5. 前記穀物は、大麦またはコーヒーである、請求項1からのいずれかの乳化油脂組成物。
  6. 前記油脂は、ラウリン系油脂とパーム系油脂のエステル交換油脂(a)を含む、請求項1からのいずれかの乳化油脂組成物。
  7. 前記エステル交換油脂(a)のヨウ素価が20~40である、請求項の乳化油脂組成物。
  8. 前記エステル交換油脂(a)のヨウ素価が25~35である、請求項の乳化油脂組成物。
  9. 乳化油脂組成物中のカリウム/カルシウムの値が1.5~20である、請求項1からのいずれかの乳化油脂組成物。
  10. イーストを含む生地に請求項1からのいずれかの乳化油脂組成物を添加し、この生地を焼成する工程を含む、焼成品の製造方法。
  11. 生地中に含まれるイーストによる発酵臭の抑制方法であって、イーストを含む生地に請求項1からのいずれかの乳化油脂組成物を添加する工程を含む、発酵臭の抑制方法。
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