JP7380423B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は、III 族窒化物半導体からなる半導体装置の製造方法に関するものであり、特に基板としてn型III 族窒化物半導体を用いるものに関する。
縦型のGaN系半導体装置では、基板としてn-GaNが用いられている。n-GaNからなる基板上に、基板よりもSi濃度が低いn-GaNからなるn層をMOCVD法によって形成すると、基板との界面にn層よりもさらにSi濃度の低い低Si濃度層が形成される。従来、低Si濃度層を抑制するため、基板上に高Si濃度のGaNからなるバッファ層を形成してからn層を積層している(特許文献1参照)。
特許第5135708号公報
しかし、特許文献1の方法では、バッファ層分の原料コストが掛かる問題があった。また、バッファ層形成中に、パーティクルに起因して結晶欠陥が発生し、デバイス歩留りを低下させる問題があった。
そこで本発明の目的は、n型III 族窒化物半導体からなる基板の界面に低n型不純物濃度の層が生じないようにすることである。
本発明は、n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、第1工程後に、半導体層の形成を開始する第2工程と、を有し、第1工程において、n型ドーパントガスの濃度は1~8ppmとする、ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
また、本発明は、n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、第1工程後に、半導体層の形成を開始する第2工程と、を有し、第1工程は、基板を半導体層の成長温度まで加熱する昇温前、または昇温中に窒素源ガスの供給を開始する工程であり、第2工程は、昇温後にIII族金属源ガスの供給を開始して半導体層の形成を開始する工程である、ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
また、本発明は、n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、第1工程後に、半導体層の形成を開始する第2工程と、を有し、第2工程において、III族金属源ガスの供給開始時に、n型ドーパントガスを供給する供給管を加熱してIII族金属源ガスを供給する供給管との温度差を5℃以下とする、ことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
第1工程において、n型ドーパントガスを供給する供給管の温度は0~80℃とする、ことが好ましい。
第1工程において、n型ドーパントガスの濃度は1~8ppmとすることが好ましい。
第1工程において、n型ドーパントガスの流量は、0.4sccm~10slmとすることが好ましい。
第1工程は、n型ドーパントガスと窒素源ガスの供給を開始し、次に基板を半導体層の成長温度まで昇温する工程であり、第2工程は、昇温後にIII 族金属源ガスの供給を開始して半導体層の形成を開始する工程であってもよい。
第2工程において、III 族金属源ガスの供給開始時に、n型ドーパントガスを供給する供給管を加熱してIII 族金属源ガスを供給する供給管との温度差を5℃以下とすることが好ましい。
本発明によれば、基板との界面に低n型不純物濃度の層が生じないようにすることができる。そのため、バッファ層の形成を省略することができ、材料コストの低減を図ることができ、デバイス歩留りを向上させることができる。
実施例1の半導体装置の構成について示した図。 実施例1の半導体装置の製造工程について示したフローチャート。 実施例1の半導体装置の製造工程について示した図。 実施例1の半導体装置の製造工程について示した図。 実施例1における深さとSi濃度との関係を示したグラフ。 比較例における深さとSi濃度との関係を示したグラフ。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の半導体装置の構成を示した図である。図1のように、実施例1の半導体装置は、トレンチゲート構造の縦型MISFETであり、基板110と、ドリフト層120と、ボディ層130と、ソースコンタクト層140と、トレンチT1と、リセスR1と、ゲート絶縁膜F1と、ゲート電極G1と、ソース電極S1と、ボディ電極B1と、ドレイン電極D1と、を有している。
基板110は、Siドープのn-GaNからなる平板状の基板である。基板110の厚さは100~1000μmであり、たとえば300μmである。基板110のSi濃度は1×1017~1×1020/cm3 であり、たとえば1×1018/cm3 である。基板110の直径は2~6インチであり、たとえば2インチである。実施例1ではn型不純物としてSiを用いているが、Si以外を用いてもよい。たとえばGeなどを用いることができる。基板110の主面はc面であり、0.15~1.2°のオフ角を有していて、たとえば0.7°である。オフ角の方向はm軸方向である。
ドリフト層120は、基板110上に積層されたSiドープのn-GaN層である。ドリフト層120の厚さは1~20μmであり、たとえば10μmである。ドリフト層120のSi濃度は、1×1015~2×1016/cm3 であり、たとえば1×1015/cm3 である。
実施例1の半導体装置では、後述の製造方法によってドリフト層120を形成しているため、基板110の界面にドリフト層120よりもSi濃度が低い低Si濃度層が形成されていない。
ボディ層130は、ドリフト層120上に積層されたMgドープのp-GaN層である。ボディ層130の厚さは0.5~5μmであり、たとえば1μmである。ボディ層130のMg濃度は1×1017~5×1019/cm3 であり、たとえば6×1018/cm3 である。
ソースコンタクト層140は、ボディ層130上に積層されたSiドープのn-GaN層である。ソースコンタクト層140の厚さは、0.1~1μmであり、たとえば0.3μmである。ソースコンタクト層140のSi濃度は、1×1018~1×1019/cm3 であり、たとえば3×1018/cm3 である。
トレンチT1は、ソースコンタクト層140表面の所定位置に形成された溝であり、ソースコンタクト層140およびボディ層130を貫通してドリフト層120に達する深さである。トレンチT1の底面にはドリフト層120が露出し、トレンチT1の側面にはドリフト層120、ボディ層130、ソースコンタクト層140が露出する。このトレンチT1の側面に露出するボディ層130の側面が、実施例1のFETのチャネルとして動作する領域である。
ゲート絶縁膜F1は、トレンチT1の底面、側面、ソースコンタクト層140表面(ソース電極S1の形成領域は除く)にわたって連続して膜状に設けられている。ゲート絶縁膜F1は、SiO2 からなる。ゲート絶縁膜F1の厚さは、たとえば80nmである。
ゲート電極G1は、ゲート絶縁膜F1を介して、トレンチT1の底面、側面、上面に連続して膜状に設けられている。ゲート電極G1は、TiNからなる。
リセスR1は、ソースコンタクト層140表面の所定位置に設けられた溝であり、ソースコンタクト層140を貫通してボディ層130に達する深さである。リセスR1の底面にはボディ層130が露出し、側面にはボディ層130、ソースコンタクト層140が露出する。
ボディ電極B1は、リセスR1の底面に設けられていて、リセスR1底面に露出するボディ層130に接している。ボディ電極B1は、Niからなる。
ソース電極S1は、ボディ電極B1上、ソースコンタクト層140上にわたって連続的に設けられている。ソース電極S1は、Ti/Alからなる。
ドレイン電極D1は、基板110の裏面に設けられている。ドレイン電極D1は、ソース電極S1と同一材料であり、Ti/Alからなる。
以上、実施例1の半導体装置では、基板110の界面に低Si濃度層が形成されていないためバッファ層を設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、デバイス歩留りを向上させることができる。
次に、実施例1の半導体装置の製造方法について、図2、3を参照に説明する。
まず、主面をc面とするn-GaNからなる基板110を用意し、MOCVD装置の成長室内サセプタにセットする(図2のステップ1)。
次に、MOCVD装置の成長室内を水素ガスに置換し、成長室内のクリーニングを行う(図2のステップ2)。
次に、n型ドーパントであるSi源ガスとしてシラン(SiH4 )、窒素源ガスとしてアンモニア、キャリアガスとして水素を基板110上に供給開始する(図2のステップ3)。なお、Si源ガス、窒素源ガスにはこれら以外の従来知られている任意のものを用いてよい。またn型不純物としてSiではなくGeを用いる場合には、たとえばゲルマン(GeH4 )を用いる。また、キャリアガスとして窒素や水素と窒素の混合ガスを用いてもよい。MOCVD装置の成長室内は常温、常圧である。
このように、ドリフト層120の形成前にシランを供給することにより、基板110の界面に低Si濃度層が形成されないようにしている。また、成長温度まで昇温する前にアンモニアを供給することで、昇温時に基板110から窒素が離脱してしまうのを抑制している。
このステップ3におけるシランの供給時間は、シランの供給管の内壁面へのシラン分解生成物の吸着量が飽和するまでの時間以上とする。飽和までの時間は、供給管の内径や材料、温度などに依存するが、10分程度である。
シランの流量は0.4sccm~10slmであり、たとえば2sccmである。また、シランの濃度(体積比)は、1~8ppmであり、たとえば1.5ppmである。また、シランを供給する供給管の温度は、0~80℃であり、たとえば10℃である。シランの流量、濃度、供給管の温度をこのような範囲とすることで供給管の内壁面へのシラン分解生成物の吸着を早め、吸着量が飽和するまでの時間を短縮することができる。その結果、製造工程の時間を短縮することができる。
また、アンモニアの流量は1~100slmであり、たとえば50lsmである。また、水素の流量は1~300slmであり、たとえば50lsmである。
次に、サセプタを加熱し、基板110をドリフト層120の成長温度まで加熱する(図2のステップ4)。成長温度は、1000~1150℃である。ここで、シランのモル比(シラン、アンモニア、水素のモル数の合計に対するシランのモル数の比)は変えないようにする。供給管の内壁面に吸着するシランの分解生成物の種類が変化し分子量が変わるため、吸着量が飽和するまでの条件に変化が生じてしまい、その結果基板110の界面に低Si濃度層が生じてしまうおそれがあるためである。
次に、Ga源ガスとしてトリメチルガリウム(Ga(CH3 3 :TMG)を基板110上に供給開始する(図2のステップ5)。これにより、基板110上にMOCVD法によってn-GaNを形成するために必要な原料ガス全てが到達することになり、基板110上へのドリフト層120の結晶成長が始まる(図3(a)参照)。ドリフト層120の結晶成長は所定の厚さとなるまで行う。なお、Ga源ガスにはTMG以外の従来知られている任意のものを用いてよい。
V/IIIは500~5000であり、たとえば3500である。成長温度は1000~1150℃であり、たとえば1050℃である。圧力は98~105kPaであり、たとえば101kPaである。
シランの流量、シランの濃度(体積比)、アンモニアの流量、水素の流量については、TMGの供給開始前後で変化させない。
一方、シランを供給する供給管の温度については、加熱してTMG供給前よりも高い温度とし、TMGの供給管の温度に近づけることが好ましく、温度差を5℃以下とすることが好ましい。たとえば20℃とする。ドリフト層120の結晶品質を向上させることができ、厚さ方向のSi濃度のばらつきをより抑制することができる。
以上のようにしてMOCVD法によりドリフト層120を形成すると、基板110の界面(ドリフト層120中であって基板110表面近傍の領域)にドリフト層120よりもSi濃度が低い低Si濃度層が形成されない。その理由は次のように考えられる。
従来、基板110にn-GaNを成長させる場合、まずアンモニアを供給開始した後成長温度まで昇温し、次にTMGとシランを供給開始して、n-GaNを結晶成長させている。この場合、結晶成長開始直後の段階ではシランを供給する供給管の内壁面にシランの分解生成物が吸着し、基板110の表面まで十分な量のシランが到達しない。そのため、結晶成長初期ではSi濃度が設定よりも低いn-GaNが成長する。シランの供給開始からしばらくすると、供給管の内壁面へのシランの分解生成物の吸着が飽和していき、基板110の表面に設定量のシランが到達するようになる。すると、n-GaNのSi濃度が設定値まで回復することになる。この結果、基板110の界面に低Si濃度層が形成されることになる。
一方、実施例1では、TMGの供給を開始する前にシランを供給して供給管の内壁面にシランの分解生成物を吸着させ、その吸着量が飽和してからTMGを供給してドリフト層120を成長させている。そのため、ドリフト層120の結晶成長開始直後においてシランは供給管の内壁面へ吸着されず、所望量のシランが基板110上まで到達する。したがって、基板110の界面に低Si濃度層が形成されず、厚さ方向にMg濃度が一定のドリフト層120を形成することができる。
なお、実施例1では、シランとアンモニアを同時に供給開始しているが、シランを先に供給開始してもよいし、アンモニアを先に供給開始してもよい。要は、TMGを供給してドリフト層120の結晶成長を開始する前にシランを供給し、供給管の内壁面へのシラン分解生成物の吸着量が飽和してからTMGを供給してドリフト層120の結晶成長を開始すればよい。
また、実施例1では、昇温前に(つまり常温の段階で)アンモニアを供給開始しているが、昇温中にアンモニアの供給を開始してもよい。ただし、基板110からの窒素抜けの観点から、昇温前にアンモニアの供給を開始することが好ましい。昇温中にアンモニアの供給を開始する場合には、基板110からの窒素抜けの観点から500℃以下のタイミングでアンモニアの供給を開始することが好ましい。
また、実施例1では、昇温前にシランを供給開始しているが、昇温前、昇温中、昇温後のいずれのタイミングで供給を開始してもよい。ただし、低Si濃度層の形成をより効率的に抑制する点から、昇温前にシランの供給を開始することが好ましい。
ドリフト層120が所定の厚さまで成長したら、シランに替えてp型ドーパントガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5 5 2 :CP2 Mg)の供給を開始し、ドリフト層120上にp-GaNからなるボディ層130を形成する(図3(b)参照)。V/IIIは500~5000であり、たとえば1500である。成長温度は1000~1150℃であり、たとえば1050℃である。圧力は98~105kPaであり、たとえば101kPaである。水素の流量は50~300slmであり、たとえば150slmである。CP2 Mgの流量は1~1000sccmであり、たとえば200sccmである。
次に、CPMgに替えて再びシランの供給を開始し、ボディ層130上にソースコンタクト層140を形成する(図3(c)参照)。V/IIIは500~5000であり、たとえば3500である。成長温度は1000~1150℃であり、たとえば1050℃である。圧力は98~105kPaであり、たとえば101kPaである。シランの流量は1sccm~10slmであり、たとえば3slmである。シランの濃度は1~8ppmであり、たとえば1.5ppmである。水素の流量は50~300slmであり、たとえば150slmである。
次に、ソースコンタクト層140表面の所定位置をドライエッチングすることで、トレンチT1およびリセスR1を形成する(図4(a)参照)。トレンチT1の形成後にリセスR1を形成してもよいし、リセスR1の形成後にトレンチT1を形成してもよい。ドライエッチングには、塩素系ガスを用いる。たとえば、Cl2 、SiCl4 、BCl3 である。また、ドライエッチングは、ICPエッチングなど任意の方式を用いることができる。
トレンチT1、リセスR1の形成後、側面をウェットエッチングしてドライエッチングによるダメージ層を除去してもよい。ウェットエッチング溶液には、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、NaOH(水酸化ナトリウム)、KOH(水酸化カリウム)、H3 PO4 (リン酸)などを用いることができる。
次に、窒素雰囲気で加熱することにより、ボディ層130のp型化を行う。リセスR1の底面やトレンチT1の側面から効率的に水素が抜け出すため、ボディ層130中のMgの活性化を効率的に行うことができる。
次に、トレンチT1の底面、側面、およびソースコンタクト層140表面に連続して、ALD法によってSiO2 からなるゲート絶縁膜F1を形成する(図4(b)参照)。ALD法を用いることで、トレンチT1による段差があっても均一な厚さに形成することができる。なお、実施例1では段差被覆性の高さからALD法を用いてゲート絶縁膜F1を形成しているが、スパッタやCVD法などによって形成してもよい。
次に、リフトオフ法を用いて、ボディ電極B1、ソース電極S1、ゲート電極G1を形成し、さらに基板110裏面にリフトオフ法を用いてドレイン電極D1を形成する。
以上、実施例1の半導体装置の製造方法によれば、基板110の界面に低濃度の層が生じないので、バッファ層の形成を省略することができる。そのため、材料コストを低減することができる。また、バッファ層の形成によるパーティクル起因の結晶欠陥も生じないため、デバイス歩留りを向上させることができる。
次に、実施例1の半導体装置に関する各種実験結果について説明する。
実施例1の半導体装置の製造工程において、ドリフト層120の形成後ボディ層130形成前の段階でMOCVD装置から取り出し、SIMS解析によってドリフト層120表面から基板110までの深さ方向のSi濃度を分析した。ドリフト層120の厚さは10μmとし、Si濃度が1×1016/cm3 となるようにシランの供給量を設定した。図5はその結果を示したグラフであり、横軸はドリフト層120表面からの深さ(μm)、縦軸はSi濃度(/cm3 )である。また、比較例として、シランの供給開始のタイミングをTMGと同時に変更した場合についても同様にSIMS解析した。図6はその結果を示したグラフである。
図6のように、比較例では基板110の界面(ドリフト層120表面から深さ9.7~10μmの領域)にドリフト層120よりもSi濃度が低い低Si濃度層(Si濃度が1×1016/cm3 よりも低い層)が生じていた。
これに対し、実施例1では基板110の界面に低Si濃度層は生じておらず、深さ方向におよそ一様なSi濃度が得られた。このように、実施例1の半導体装置の製造方法を用いれば、バッファ層を形成することなく低Si濃度層を消失させることができ、所望のSi濃度のドリフト層120が得られることがわかった。
(変形例)
実施例1では基板110の材料をGaNとしているが、本発明はIII 族窒化物半導体であれば任意であり、基板110上に形成する半導体層もGaNに限らず、任意のIII 族窒化物半導体でよい。もちろん、格子整合性の点から、基板110と、基板110上に形成する半導体層の組成比は一致させることが好ましい。特に、結晶性の点からは実施例1のようにGaNが好ましい。
また、実施例1は、本発明をMISFETの製造に適用したものであるが、本発明はn-GaNからなる基板上に基板よりもSi濃度の低いn-GaNを有した半導体装置であれば適用することができる。たとえば、pnダイオード、発光素子などにも適用することができる。特に基板垂直方向に導通を取る縦型の半導体装置に好適である。
本発明は、パワーデバイスなどの作製に利用することができる。
110:基板
120:ドリフト層
130:ボディ層
140:ソースコンタクト層
F1:ゲート絶縁膜
G1:ゲート電極
S1:ソース電極
B1:ボディ電極
D1:ドレイン電極
T1:トレンチ
R1:リセス

Claims (5)

  1. n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって前記基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、
    前記第1工程後に、前記半導体層の形成を開始する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程において、前記n型ドーパントガスの濃度は1~8ppmとする、ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって前記基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、
    前記第1工程後に、前記半導体層の形成を開始する第2工程と、
    を有し、
    前記第1工程は、前記基板を前記半導体層の成長温度まで加熱する昇温前、または昇温中に前記窒素源ガスの供給を開始する工程であり、
    前記第2工程は、昇温後に前記III族金属源ガスの供給を開始して前記半導体層の形成を開始する工程である、ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. n型III族窒化物半導体からなる基板上に、n型ドーパントガス、窒素源ガス、およびIII族金属源ガスを供給してMOCVD法によって前記基板よりもn型不純物濃度が低いn型III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層の形成を開始する前に、n型ドーパントガスの供給を開始する第1工程と、
    前記第1工程後に、前記半導体層の形成を開始する第2工程と、
    を有し、
    前記第2工程において、前記III族金属源ガスの供給開始時に、前記n型ドーパントガスを供給する供給管を加熱して前記III族金属源ガスを供給する供給管との温度差を5℃以下とする、ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1工程において、前記n型ドーパントガスを供給する供給管の温度は0~80℃とする、ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1工程において、前記n型ドーパントガスの流量は、0.4sccm~10slmとする、ことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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