JP7376692B2 - 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 Download PDF

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Description

本開示は、活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法に関する。
画像記録方法の一種として、被記録媒体上にインクを付与し、付与されたインクに対し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによりインクを硬化させて画像を得る画像記録方法が知られている。かかる態様の画像記録方法では、インクとして、活性エネルギー線の照射によって硬化するインクが用いられる。
例えば、特許文献1には、非水系の硬化性インクに特有の課題を解決し、硬化性が良好であり、また吐出安定性に優れ、しかも形成された画像に高い透明性及び耐擦性を付与しうる非水系インクとして、色材粒子と、分散剤と、ラジカル重合性化合物と、カチオン重合性化合物とを含有し、上記色材粒子の平均粒子径が1~50nmであって、式:(D90-D10)で表される値が100nm以下である非水系インク〔式中、D90は分布関数dG=F(D)dD(Gは顔料粒子数、Dは粒径)の積分値が全色材粒子数の0.9(90個数%)となる粒子径を表し、D10は上記の積分値が全色材粒子数の0.1(10個数%)となる粒子径を表す。〕が開示されている。
また、特許文献2には、密着性、低粘度、臭気及び皮膚刺激性に優れ、さらには硬化性にも優れた放射線硬化型インクジェット印刷用インク組成物として、光重合性化合物と光重合開始剤とを含む放射線硬化型インクジェット印刷用インク組成物であって、カチオン重合性官能基含有ポリマーをさらに含み、カチオン重合性官能基含有ポリマーはインク組成物の総量に対して0.3~10質量%含まれる、放射線硬化型インクジェット印刷用インク組成物が開示されている。
また、特許文献3には、様々な印字環境下においても、文字品質に優れ、色混じりの発生がない、高精細な画像を非常に安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェットインクとして、光重合性化合物として少なくともオキセタン化合物または脂環式エポキシ化合物を含有し、且つ(メタ)アクリレート化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにおいて、光重合開始剤として光酸発生剤を1~10質量%、光ラジカル発生剤を0~1質量%含有する活性光線硬化型インクジェットインクが開示されている。
また、特許文献4には、粘度が低く硬化時間が短いため、インクジェット用インクとして好適に使用できる上、重合後の樹脂が、被印字体に対する密着性に優れると共に、耐擦過性にも優れるため、従来の、重合性のインクに比べてさらに、耐水性、耐溶剤性、摩擦耐性等に優れた印字を形成することができるインクジェット用インクとして、ラジカル重合性を有する樹脂前駆体と、この樹脂前駆体を光照射によってラジカル重合反応させるためのラジカル光重合開始剤と、カチオン重合性を有する樹脂前駆体と、この樹脂前駆体を光照射によってカチオン重合反応させるためのカチオン光重合開始剤と、着色剤とを含むことを特徴とするインクジェット用インクが開示されている。
特許文献1:特開2011-122107号公報
特許文献2:特開2011-213934号公報
特許文献3:特開2006-213883号公報
特許文献4:特開2006-8998号公報
しかし、活性エネルギー線の照射によって硬化するインク(以下、「活性エネルギー線硬化型インク」ともいう)を用いる画像記録において、上記インクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出して画像を記録する場合には、インクの吐出性をより向上させることが求められる場合がある。
また、活性エネルギー線硬化型インクの性質として、活性エネルギー線が照射された際の硬化性も当然に求められる。
本開示の一態様の課題は、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドからの吐出性に優れ、かつ、活性エネルギー線が照射された際の硬化性にも優れる活性エネルギー線硬化型インク、及び、上記活性エネルギー線硬化型インクを用いた画像記録方法を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、顔料、顔料分散樹脂、有機オニウム塩、及びラジカル重合禁止剤を含有し、ラジカル重合禁止剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.05質量%~5.0質量%である活性エネルギー線硬化型インク。
<2> 含有される重合性化合物の全量中に占めるラジカル重合性モノマーの割合が、80質量%以上である<1>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<3> 有機オニウム塩の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.01質量%~8.0質量%である<1>又は<2>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<4> 有機オニウム塩の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.05質量%~8.0質量%である<1>~<3>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<5> ラジカル重合禁止剤の含有量に対する有機オニウム塩の含有量の質量比が、0.10~150である<1>~<4>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<6> ラジカル重合禁止剤が、ニトロソアルミニウム化合物、キノン化合物、及びニトロキシルラジカル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<7> 有機オニウム塩のClogPが、4.0以上である<1>~<6>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<8> 顔料分散樹脂の含有量に対する有機オニウム塩の含有量の質量比が、0.02以上である<1>~<7>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出することにより、被記録媒体上に活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る工程と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む画像記録方法。
<10> 照射工程は、インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む<9>に記載の画像記録方法。
本開示の一態様によれば、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドからの吐出性に優れ、かつ、活性エネルギー線が照射された際の硬化性にも優れる活性エネルギー線硬化型インク、及び、上記活性エネルギー線硬化型インクを用いた画像記録方法が提供される。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示においては、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
本開示において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念である。
本開示において、「画像」とは、インクを用いて形成される膜全般を意味し、「画像記録」とは、画像(即ち、膜)の形成を意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
〔活性エネルギー線硬化型インク〕
本開示の活性エネルギー線硬化型インクは、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、顔料、顔料分散樹脂、有機オニウム塩、及びラジカル重合禁止剤を含有し、ラジカル重合禁止剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.05質量%~5.0質量%である活性エネルギー線硬化型インクである。
以下、活性エネルギー線硬化型インクを、単に「インク」ともいう。
本開示のインクは、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドからの吐出性に優れ、かつ、活性エネルギー線が照射された際の硬化性にも優れる。
上記効果が奏される理由は、以下のように推測される。
インクジェット法による画像記録におけるインクジェットヘッドとして、ノズル面(即ち、インク吐出面)に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドが用いられる場合がある。
ノズル面に設けられる撥液膜の本来の目的は、撥液膜がインクを弾くことにより、ノズル面(詳細には撥液膜表面)からのインクの切れ性を向上させ、これにより、ノズル面(詳細には撥液膜表面)に残存したインクに起因する吐出不良(例えば吐出曲がり)の発生を抑制することである。
しかし、
インクジェットヘッドとして、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドを用い、
インクとして、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、顔料、及び顔料分散樹脂を含有するラジカル重合系のインクを用い、
被記録媒体上にインクを付与し、被記録媒体上に付与されたインク(以下、「インク膜」ともいう)に対し、活性エネルギー線を照射し、インクを硬化させて画像を得る態様の画像記録を実施した場合には、撥液膜の本来の目的が十分に達成されず、吐出不良(例えば吐出曲がり)が発生する(即ち、吐出性が低下する)場合がある。
吐出不良が発生する理由は、以下の理由1及び理由2が考えられる。
理由1.インク中の顔料分散樹脂における疎水部が、ノズル面に設けられた撥液膜と相互作用することにより、撥液膜表面からのインクの切れ性(即ち、撥液膜表面からのインクの除去されやすさ)が低下し、撥液膜表面に残存する。
理由2.撥液膜表面に残存したインクが、インク膜に対して照射した活性エネルギー線の漏れ光(例えば、インクジェットヘッド近傍に配置され得る、ピニング露光用の光源からの漏れ光)によって硬化され、撥液膜に固着する。
撥液膜にインクが固着することにより、吐出不良が発生すると考えられる。
上述した理由1(インクの切れ性)に関し、本開示のインクを用いた場合には、インク中の顔料分散樹脂と、インク中の有機オニウム塩と、が相互作用することにより、顔料分散樹脂と撥液膜との相互作用が弱められ、その結果、インクの切れ性が改善されると考えられる。
更に、上述した理由2(漏れ光による固着)に関し、仮に撥液膜表面にインクが残存したとしても、インク中にラジカル重合禁止剤が0.05質量%以上含有されていることにより、漏れ光によるインクの固着を抑制できる。
これらの結果、本開示のインクでは、インクジェットヘッドからの吐出される際の吐出不良が抑制され、インクの吐出性が良好に維持されると考えられる。
更に、ラジカル重合禁止剤の含有量が5.0質量%以下に制限されていることにより、インクの粘度が高くなりすぎることが抑制され、その結果、インクの吐出性が良好に維持されると考えられる。
以上の理由により、本開示のインクによれば、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出する際の吐出性に優れると考えられる。
更に、本開示のインクでは、ラジカル重合禁止剤の含有量が5.0質量%以下に制限されていることにより、このインクが被記録媒体上に付与された後、活性エネルギー線が照射された際の硬化性(以下、単に「インクの硬化性」ともいう)にも優れる。
以下、本開示のインクに含有され得る各成分について説明する。
<ラジカル重合性モノマー>
本開示のインクは、ラジカル重合性モノマーを少なくとも1種含有する。
本開示において、ラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を含む化合物を意味する。
本開示におけるラジカル重合性モノマーの概念には、ラジカル重合性及びカチオン重合性の両方を有するモノマー(例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物)も包含される。
本開示において、ラジカル重合性及びカチオン重合性の両方を有するモノマー(例えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル等のビニルエーテル化合物)は、ラジカル重合性モノマーの概念に含め、カチオン重合性モノマーの概念には含めない。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はスチリル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基又はビニル基がより好ましい。
ラジカル重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を1つのみ含んでもよいし2つ以上含んでもよい。
また、ラジカル重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を1種のみ含んでもよいし2種以上含んでもよい。
ラジカル重合性モノマーの分子量としては、280~1500が好ましく、280~1000がより好ましく、280~800が更に好ましい。
本開示のインクは、ラジカル重合性モノマー以外の重合性化合物(例えば、カチオン重合性モノマー、ラジカル重合性樹脂、カチオン重合性樹脂等)を含有していてもよい。
カチオン重合性モノマーとしては、オキセタン化合物及びエポキシ化合物が挙げられる。オキセタン化合物及びエポキシ化合物については、例えば、特開2006-152064号公報を参照できる。
本開示のインクに含有される重合性化合物の全量中に占めるラジカル重合性モノマーの割合は、ノズル面に撥液膜が設けられたインクジェットヘッドからのインクの吐出性向上の効果、及び、インクの硬化性向上の効果をより効果的に得る観点から、80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが更に好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
本開示のインクの全量中に占めるラジカル重合性モノマーの割合は、上記インクジェットヘッドからのインクの吐出性向上の効果、及び、インクの硬化性向上の効果をより効果的に得る観点から、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、73質量%以上であることが更に好ましく、75質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが更に好ましく、83質量%以上であることが更に好ましい。
本開示のインクに含有されるラジカル重合性モノマーとしては、単官能のラジカル重合性モノマーであっても、2官能のラジカル重合性モノマーであっても、3官能以上のラジカル重合性モノマーであってもよい。また、これらのうちの2種以上を含む組み合わせであってもよい。
ここで、
単官能のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を1つのみ含むラジカル重合性モノマーを意味し、
2官能のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を2つのみ含むラジカル重合性モノマーを意味し、
3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を3つ以上含むラジカル重合性モノマーを意味する。
以下では、単官能のラジカル重合性モノマー、2官能のラジカル重合性モノマー、及び3官能以上のラジカル重合性モノマーを、それぞれ、単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上のモノマーと称することがある。
本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーは、インクの粘度低減(例えば、インクジェットインクとして用いる場合のインクジェットヘッドからの吐出性(以下、単に「吐出性」ともいう))の観点から、単官能モノマー(即ち、単官能のラジカル重合性モノマー)及び2官能モノマー(即ち、2官能のラジカル重合性モノマー)の少なくとも一方を含むことが好ましい。
この場合、インクの全量に対する単官能モノマー及び2官能モノマーの総含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーは、インクの吐出性及び画像の耐擦性の観点から、
単官能モノマー及び2官能モノマーの少なくとも一方と、
3官能以上のモノマー(好ましくは、3官能のモノマー)と、
を含むことが好ましい。
この場合、インクの全量に対する、単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上のモノマーの総含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
-単官能モノマー-
単官能モノマーとしては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリルアミド、単官能芳香族ビニル化合物、単官能ビニルエーテル、単官能N-ビニル化合物、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、ボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、2-フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下、EO変性とする)フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性(以下、PO変性とする)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニルメチル)(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、等が挙げられる。
単官能芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、3-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、3-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、3-ヘキシルスチレン、4-ヘキシルスチレン、3-オクチルスチレン、4-オクチルスチレン、3-(2-エチルヘキシル)スチレン、4-(2-エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4-t-ブトキシカルボニルスチレン、4-t-ブトキシスチレン、等が挙げられる。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4-メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2-ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、等が挙げられる。
単官能N-ビニル化合物としては、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルオキサゾリジノン、N-ビニル-5-メチルオキサゾリジノン等が挙げられる。
単官能モノマーは、単官能(メタ)アクリレート及び単官能N-ビニル化合物の少なくとも一方を含むことが好ましく、脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレート及び単官能N-ビニル化合物の少なくとも一方を含むことがより好ましい。
脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレートとして、好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、又はアダマンチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートである。
単官能モノマー中に占める単官能(メタ)アクリレート(好ましくは脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレート)及び単官能N-ビニル化合物の合計の割合は、50質量%~100質量%であることが好ましく、60質量%~100質量%であることがより好ましく、80質量%~100質量%であることが更に好ましい。
単官能モノマー中に占める単官能N-ビニル化合物の割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
-2官能モノマー-
2官能モノマーとしては、例えば、2官能(メタ)アクリレート、2官能ビニルエーテル、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマー、等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
2官能ビニルエーテルとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、等が挙げられる。
ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
-3官能以上のモノマー-
3官能以上のモノマーとしては、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレート、3官能以上のビニルエーテル、等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、等が挙げられる。
3官能以上のビニルエーテルとしては、例えば、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、等が挙げられる。
-ウレタン(メタ)アクリレート-
上述した2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、2官能イソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、
メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
-エポキシ(メタ)アクリレート-
上述した2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレートも挙げられる。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸中のカルボキシ基と、2個又は3個のエポキシ基を含むエポキシ化合物中の2個又は3個のエポキシ基と、が反応した反応生成物を意味する。
従って、エポキシ(メタ)アクリレートの構造中には、エポキシ基は含まれない。この点で、エポキシ(メタ)アクリレートは、前述したカチオン重合性モノマーの例であるエポキシ化合物とは異なる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、等が挙げられる。
<ラジカル重合開始剤>
本開示のインクは、ラジカル重合開始剤を少なくとも1種含有する。
ラジカル重合開始剤としては;
ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、等のアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系ラジカル重合開始剤;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系ラジカル重合開始剤;
ベンジルグリオキシエステル;
メチルフェニルグリオキシエステル;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子ラジカル重合開始剤として有用である。
ここで、低分子ラジカル重合開始剤とは、分子量が500未満である光重合開始剤を意味する。
ラジカル重合開始剤は、高分子ラジカル重合開始剤を含んでもよい。
ここで、高分子ラジカル重合開始剤とは、分子量が500以上である光重合開始剤を意味する。
高分子ラジカル重合開始剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは700~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
高分子ラジカル重合開始剤については、特開2017-105902号公報(段落0038等)、特表2017-522364号公報(段落0017~0053)等の公知文献を参照できる。
ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO H」、
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 819」、
2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノンの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 369」、
2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オンの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 907」、
高分子ラジカル重合開始剤の市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnipole 910」、
等が挙げられる。
インクの全量に対するラジカル重合開始剤の含有量は、1.0質量%~20.0質量%であることが好ましく、2.0質量%~15.0質量%であることがより好ましく、3.0質量%~10.0質量%であることが更に好ましく、3.0質量%~8.0質量%であることが更に好ましい。
ラジカル重合開始剤の含有量は、1.0質量%~20.0質量%である場合には、画像の耐擦性がより向上する。
<顔料>
本開示のインクは、顔料を少なくとも1種含有する。
顔料としては、有機顔料及び無機顔料が挙げられる。
顔料としては、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料〔例えば、顔料を分散媒(例えば、ラジカル光重合性モノマー、有機溶剤等)に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等〕も挙げられる。
顔料としては、例えば、イエロー顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
顔料としては、赤外線吸収性を有する不可視顔料(例えば、スクアリリウム顔料等)が挙げられる。
本開示のインクにおける顔料の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは1.0質量%~20.0質量%であり、より好ましくは2.0質量%~10.0質量%である。
<顔料分散樹脂>
本開示のインクは、顔料分散樹脂を少なくとも1種含有する。
本開示のインクでは、顔料分散樹脂と顔料とが相互作用することにより、顔料の分散性が確保される。
顔料及び顔料分散樹脂については、国際公開第2015/133605号の段落0060~段落0074、特開2011-225848号公報の段落0152~0158、特開2009-209352号公報の段落0132~0149、等の公知文献を適宜参照することができる。
顔料分散樹脂としては、アミン系樹脂からなる顔料分散樹脂(以下、「アミン系樹脂分散剤」ともいう)が好ましい。
アミン系樹脂分散剤としては市販品を用いてもよい。
アミン系樹脂分散剤の市販品としては、ソルスパース(SOLSPERSE)13940、17000、20000、24000、26000、28000、32000、35000、36000、39000等のソルスパースシリーズ(Noveon社製)、
DISPERBYK-108、109、161、162、163、164、167、168、180、182、184、185、2000、2001、2008、2009、2013、2022、2025、2026、2050、2055、2150、2155、2163、2164、9076、9077、DISPERBYK-9076等のDISPERBYKシリーズ(BYKケミー社製);
BYKJET-9150、9151等のBYKJETシリーズ(BYKケミー社製);
Efka PX4701、Efka PX4703、Efka PX4733、Efka PU4063等のEfkaシリーズ(BASF社製);
Dispex Ultra PX 4575(BASF社製);
等が挙げられる。
本開示のインクにおいて、顔料の含有量に対する顔料分散樹脂の含有量の質量比は、0.05~0.90であることが好ましく、0.10~0.80であることがより好ましく、0.20~0.60であることが更に好ましい。
本開示のインクにおける顔料分散樹脂の含有量は、インクの全量に対し、0.2質量%~10.0質量%であることが好ましく、0.3質量%~8.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~4.0質量%であることが更に好ましい。
<有機オニウム塩>
本開示のインクは、有機オニウム塩を少なくとも1種含有する。
前述のとおり、本開示のインクでは、有機オニウム塩と顔料分散樹脂とが相互作用することにより、ノズル面に設けられた撥液膜と顔料分散樹脂との相互作用が抑制され、撥液膜からのインクの切れ性が向上し、ひいてはインクの吐出性が向上すると考えられる。
インクの切れ性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、有機オニウム塩のClogPは、3.5以上であることが好ましく、4.0以上であることがより好ましく、5.0以上であることが更に好ましい。
有機オニウム塩のClogPの上限には特に制限はないが、上限は、例えば20である。
ここで、ClogPは、1-オクタノールと水への分配係数Pの常用対数logPを計算によって求めた値であり、疎水性の程度を示す値である。ClogPが大きい程、疎水性が高い。
本開示におけるClogPは、ChemDraw(登録商標) Professional(ver.16.0.1.4)(パーキンエルマー社製)を用いて計算される。
有機オニウム塩としては、インクの切れ性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、有機スルホニウム塩、有機ホスホニウム塩、有機ヨードニウム塩、及び有機アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、有機スルホニウム塩、有機ホスホニウム塩、及び有機ヨードニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。
(有機スルホニウム塩)
有機スルホニウム塩としては、
1つのSに対して3つの芳香環が結合した構造を少なくとも1つ含む有機スルホニウム塩が好ましい。
有機スルホニウム塩は、下記式(1)~下記式(4)のいずれか1つで表される化合物であることがより好ましい。
式(1)~式(4)中、RS1~RS17は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
は、アニオンを表す。
で表されるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I等)、B(C 、R18COO、R19SO 、SbF 、AsF 、PF 、BF 等が挙げられる。
18及びR19は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
18及びR19における置換基としては、後述するRS1~RS17で表される置換基が挙げられる。
で表されるアニオンとしては、B(C 又はPF が好ましい。
S1~RS17で表される置換基としては、例えば;
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1~12のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、デシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、ベンゾイル基等の炭素数1~13のアシル基;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数1~13のアシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等の炭素数2~13のアルコキシカルボニル基;
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、フェニルチオ基、等の炭素数1~12の炭化水素チオ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
シアノ基;
ニトロ基;
ヒドロキシル基;
等が挙げられる。
S1~RS17で表される置換基としては、上記具体例における各基が、上記具体例における各基によって更に置換されている基も挙げられる。
有機スルホニウム塩としては、例えば、特開2006-152064号公報の段落0012~0017及び0039~0048に記載の化合物を用いてもよい。
有機スルホニウム塩は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
有機スルホニウム塩としては、市販品を用いてもよい。
有機スルホニウム塩の市販品としては、例えば;
CPI-100P、CPI-101A、CPI-110P(構造式及びClogPを以下に示す)、CPI-200K、CPI-210S、CPI-310B、CPI-410S、及びIK-I(以上、サンアプロ社製);
Omnicat 250、Omnicat 270(以上、IGM Resins B.V.社製);
Irgacure 290(構造式及びClogPを以下に示す)、Irgacure PAG103(以上、BASF社製);
TS-91、TS-01(以上、日本カーバイド工業社製);
等が挙げられる。
(有機ヨードニウム塩)
有機ヨードニウム塩としては、1つのIに対して2つの芳香環が結合した構造を少なくとも1つ含む有機ヨードニウム塩が好ましい。
有機ヨードニウム塩は、下記式(I-1)で表される化合物であることがより好ましい。
式(I-1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
は、アニオンを表す。
式(I-1)中、R及びR2で表される置換基の具体例は、式(1)~式(4)中のRS1~RS17で表される置換基の具体例と同様である。
式(I-1)中、Xで表されるアニオンの具体例は、式(1)~式(4)中のXで表されるアニオンの具体例と同様である。
有機ヨードニウム塩としては、市販品を用いてもよい。
有機ヨードニウム塩の市販品としては、例えば;
Omnicat 440(IGM Resins B.V.社製)(構造式及びClogPを以下に示す);
Irgacure 250(BASF社製)(構造式及びClogPを以下に示す)(BASF社製);
等が挙げられる。
(有機ホスホニウム塩)
有機ホスホニウム塩としては、例えば、特開2006-297907号公報の段落0046~0049、特開2007-50660号公報の段落0025~0045、等に記載の公知の有機ホスホニウム塩が挙げられる。
有機ホスホニウム塩としては、1つのPに対し芳香環及び/又は複素環が合計で3つ結合した構造を少なくとも1つ含む有機ホスホニウム塩が好ましい。
有機ホスホニウム塩は、下記式(P1)又は下記式(P2)で表される化合物であることがより好ましい。
式(P1)中、Ar~Arは、それぞれ独立に、アリール基又は複素環基を表し、Rは、アルキル基を表し、Xは、アニオンを表す。
式(P2)中、Ar~Arは、それぞれ独立に、アリール基又は複素環基を表し、Lは、2価の連結基を表し、2つのXは、それぞれ独立に、アニオンを表す。
式(P1)中、Ar~Arで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。
式(P1)中、Ar~Arで表される複素環基としては、ピリジル基、キノリル基、ピリミジニル基、チエニル基、フリル基等が挙げられる。
式(P1)中、Ar~Arは、それぞれ独立に、アリール基であることが好ましい。
式(P1)中、Rで表されるアルキル基の炭素数は、1~30が好ましく、4~30がより好ましく、6~25が更に好ましく、10~20が更に好ましい。
式(P1)中、Xで表されるアニオンの具体例は、式(1)~式(4)中のXで表されるアニオンの具体例と同様である。
式(P2)中、Ar~Arで表されるアリール基又は複素環基の具体例は、式(P1)中のAr~Arで表されるアリール基又は複素環基の具体例と同様である。
式(P2)中、Xで表されるアニオンの具体例は、式(1)~式(4)中のXで表されるアニオンの具体例と同様である。
式(P2)中、Lで表される連結基としては、2価の炭化水素基が好ましく、アルキレン基がより好ましい。
2価の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)の炭素数は、1~30が好ましく、2~20がより好ましく、6~15が更に好ましい。
以下、有機ホスホニウム基の具体例を示すが、有機ホスホニウム基は、以下の具体例には限定されない。
化合物P1-1は、例えば、東京化成工業社製の化合物を用いることができる。
化合物P2-1としては、例えば、Aldrich製の化合物を用いることができる。
(有機アンモニウム塩)
有機アンモニウム塩としては、例えば、特開2008-284858号公報の段落0022~0037等に記載の公知の有機アンモニウム塩が挙げられる。
有機アンモニウム塩としては、総炭素数6~100の有機アンモニウム塩が好ましく、総炭素数10~80の有機アンモニウム塩がより好ましく、総炭素数10~50の有機アンモニウム塩が更に好ましい。
有機アンモニウム塩としては、第4級有機アンモニウム塩が好ましい。
有機アンモニウム塩としては、下記式(A1)で表される化合物が挙げられる。
式(A1)において、
は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は複素環基を表し、
~Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、又は水素原子を表し、
は、アニオンを表す。
~Rのうちの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成してもよい。
式(A1)中、Xで表されるアニオンの具体例は、式(1)~式(4)中のXで表されるアニオンの具体例と同様である。
式(A1)中、R~Rの総炭素数は、6~100が好ましく、10~80がより好ましく、10~50が更に好ましい。
式(A1)中、R~Rは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又は複素環基であること(即ち、式(A1)で表される化合物が、第4級アンモニウム塩であること)が好ましい。
~Rで表されるアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び複素環基は、それぞれ、置換基を有していてもよい。
置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
式(A1)中、R~Rで表されるアルキル基としては、炭素数1~30の鎖状アルキル基又は炭素数3~7のシクロアルキル基が好ましく、炭素数1~30の鎖状アルキル基がより好ましく、炭素数1~24の鎖状アルキル基が更に好ましい。
式(A1)中、R~Rで表されるアリール基及び複素環基の具体例は、式(P1)中のAr~Arで表されるアリール基及び複素環基の具体例と同様である。
式(A1)中、アラルキル基としては、式(P1)中のAr~Arで表されるアリール基の具体例と、炭素数1~30(好ましくは1~24)のアルキレン基と、が結合した構造の基が挙げられる。
式(A1)中、R~Rのうちの少なくとも1つ(好ましくは1つ又は2つ)は、炭素数6~30(好ましくは10~30、より好ましくは10~25)の鎖状アルキル基(好ましくは直鎖アルキル基)であることが好ましい。
以下、有機アンモニウム基の具体例を示すが、有機アンモニウム基は、以下の具体例には限定されない。
化合物A1-1は、例えば、東京化成工業社製の化合物を用いることができる。
化合物A1-2としては、例えば、富士フイルム和光純薬社製の化合物を用いることができる。
上述した有機オニウム塩の含有量には特に制限はないが、インク全量に対し、0.01質量%~15.0質量%であることが好ましく、0.01質量%~10.0質量%であることがより好ましく、0.01質量%~8.0質量%であることが更に好ましく、0.05質量%~8.0質量%であることが更に好ましく、0.05質量%~6.0質量%であることが更に好ましい。
有機オニウム塩の含有量が0.01質量%以上である場合、インクの切れ性及びインクの吐出性がより向上する。
有機オニウム塩の含有量が15.0質量%以下である場合、インクの硬化性及びインクの吐出性がより向上する。
ラジカル重合禁止剤の含有量に対する有機オニウム塩の含有量の質量比(以下、「含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕」ともいう)は、0.10~300であることが好ましく、0.10~200であることがより好ましく、0.10~150であることが更に好ましく、0.30~100以下であることが更に好ましい。
含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕が0.10以上である場合、インクの切れ性及びインクの吐出性がより向上する。
含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕が300以下である場合、インクの硬化性及びインクの吐出性がより向上する。
インクの切れ性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕は、0.20以上であることが好ましく、0.30以上であることがより好ましく、0.40以上であることがより好ましく、0.50以上であることが更に好ましい。
含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕は、1未満の値である場合には小数点以下2桁までの値として算出し、1以上100未満の値である場合には小数点以下1桁までの値として算出し、100以上の値である場合には整数の値として算出する。
顔料分散樹脂の含有量に対する有機オニウム塩の含有量の質量比(以下、「含有質量比〔有機オニウム塩/顔料分散樹脂〕」ともいう)は、インクの切れ性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、0.01以上であることが好ましく、0.02以上であることがより好ましく、0.05以上であることが更に好ましく、0.10以上であることが更に好ましい。
含有質量比〔有機オニウム塩/顔料分散樹脂〕は、インクの硬化性及びインクの吐出性をより向上させる観点から、17.0以下であることが好ましく、12.0以下であることがより好ましく、8.0以下であることが更に好ましく、6.0以下であることが更に好ましい。
含有質量比〔有機オニウム塩/顔料分散樹脂〕は、1未満の値である場合には小数点以下2桁までの値として算出し、1以上の値である場合には小数点以下1桁までの値として算出する。
<ラジカル重合禁止剤>
本開示のインクは、ラジカル重合禁止剤を少なくとも1種含有する。
ラジカル重合禁止剤の含有量が、インクの全量に対し、0.05質量%~5.0質量%である。
ラジカル重合禁止剤の含有量が0.05質量%以上であることにより、撥液膜表面に残存したインクが活性エネルギー線の漏れ光によって固着する現象が抑制され、その結果、インクの吐出性が向上する。
ラジカル重合禁止剤の含有量が5.0質量%以下であることにより、インクの硬化性が良好に維持される。
また、ラジカル重合禁止剤の含有量が5.0質量%以下であることにより、インクの粘度が高くなりすぎることが抑制され、その結果、インクの吐出性が良好に維持される。
上述した効果がより効果的に奏される観点から、インクの全量に対するラジカル重合禁止剤の含有量は、0.1質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがより好ましい。
ラジカル重合禁止剤としては、
ニトロソアルミニウム化合物、
キノン化合物、
ニトロキシルラジカル化合物、
フェノール化合物、
アルキルビスフェノール化合物、
フェノチアジン化合物、
カテコール化合物、
ジメチルチオカルバミン酸塩
サリチル酸塩、
チオジプロピオン酸エステル、
メルカプトベンズイミダゾール化合物、
ホスファイト化合物、
等が挙げられる。
ニトロソアルミニウム化合物としては、トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩等が挙げられる。
キノン化合物としては、ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(フェニルメチレン)-2,5-シクロヘキサジン-1-オン、等が挙げられる。
ニトロキシルラジカル化合物としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(OH-TEMPO)、等が挙げられる。
フェノール化合物としては、4-メトキシフェノール(MEHQ)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤は、インクの吐出性をより向上させる観点から、ニトロソアルミニウム化合物、キノン化合物、及びニトロキシルラジカル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ニトロソアルミニウム化合物、キノン化合物、及びニトロキシルラジカル化合物からなる群から選択される少なくとも1種からなることがより好ましい。
<ラジカル増感剤>
本開示のインクは、画像の耐擦性をより向上させる観点から、ラジカル増感剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
ラジカル増感剤としては;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系ラジカル増感剤;
チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-メトキシカルボニルチオキサントン、2-エトキシカルボニルチオキサントン、3-(メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4-ブトキシカルボニルチオキサントン、3-ブトキシカルボニル-7-メチルチオキサントン、1-シクロ-3-クロロオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-クロロチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-エトキシチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-アミノチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-フェニルスルフリルチオキサントン、3,4-ジ[2-(メトキシエトキシ)エトキシカルボニル)]チオキサントン]、1-エトキシカルボニル-3-(1-メチル-1-モルホリノエチル)チオキサントン]、2-メチル-6-ジメトキシメチルチオキサントン、2-メチル-6-(1,1-ジメトキシベンジルチオキサントン、2-モルホリノメチルチオキサントン、2-メチル-6-モルホリノメチルチオキサントン、N-アリルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-オクチルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-チオキオサントン-3,4-ジカルボキシイミド、1-フェノキシチオキサントン、6-エトキシカルボニル-1-2-メトキシチオキオサントン、6-エトキシカルボニル-2-メチルチオキオサントン、チオキサントン-2-ポリエチレングリコールエステル、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパナミニウムクロライド、n-ドデシル-7-メチル-チオキサントン-3-カルボキシレート、N,N-ジイソブチル-7-メチル-チオキサントン-3-カルバミド等のチオキサントン系ラジカル増感剤;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子ラジカル増感剤として有用である。
ここで、低分子ラジカル増感剤とは、分子量が500未満である増感剤を意味する。
ラジカル増感剤は、高分子ラジカル増感剤を含んでいてもよい。
ここで、高分子ラジカル増感剤とは、分子量が500~5000である増感剤を意味する。
高分子ラジカル増感剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは800~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
高分子ラジカル増感剤については、例えば、特開2014-162828号公報の段落0035~0053の記載を参照することができる。
高分子ラジカル増感剤の市販品としては、例えば;
Lambson社製のSpeedcure(登録商標) 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxymethyl)propane、CAS No. 1003567-83-6);
IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL(登録商標) TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No. 813452-37-8);
IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No. 515136-48-8)
RanA.G.社製のGenopo TX-2;
等が例示される。
本開示のインクがラジカル増感剤を含有する場合、ラジカル増感剤の含有量は、インクの全量に対し、0.1質量%~15.0質量%であることが好ましく、0.5質量%~10.0質量%であることがより好ましく、1.0質量%~5.0質量%であることが更に好ましい。
<カチオン増感剤>
本開示のインクは、カチオン増感剤を少なくとも1種含有してもよい。
カチオン増感剤としては、アントラセン骨格を含む化合物が好ましい。
アントラセン骨格を含む化合物としては、
アントラセン骨格の9位及び10位の両方に炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)のアルコキシ基が結合した化合物、又は、アントラセン骨格の9位及び10位の両方に炭素数1~20(好ましくは炭素数1~10)のアシルオキシ基が結合した化合物が好ましく、
9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、又は9,10-ジ(カプリロイルオキシ)アントラセン
がより好ましい。
カチオン増感剤としては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、
9,10-ジブトキシアントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS1331(川崎化成社製)、
9,10-ジエトキシアントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS1101、
9,10-ジ(カプリロイルオキシ)アントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS581、
等が挙げられる。
本開示のインクがカチオン増感剤を含有する場合、カチオン増感剤の含有量は、インクの全量に対し、0.2質量%~10.0質量%であることが好ましく、0.5質量%~5.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~4.0質量%であることが更に好ましい。
<ゲル化剤>
本開示のインクは、ゲル化剤を少なくとも1種含有してもよい。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤としては、例えば、国際公開第2015/133605号の段落0018~段落0032等に記載されている、公知のゲル化剤を適用可能である。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤として、好ましくは、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物としては、下記式(G1)で表されるエステル化合物が好ましい。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物としては、下記式(G2)で表されるケトン化合物が好ましい。
-COO-R … 式(G1)
-CO-R … 式(G2)
式(G1)及び式(G2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を表す。
~Rで表されるアルキル基は、分岐部分を含んでいてもよい。
~Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは12~26である。
ゲル化剤の融点は、好ましくは40℃~90℃であり、より好ましくは50℃~80℃であり、更に好ましくは60℃~80℃である。
本開示のインクがゲル化剤を含有する場合、ゲル化剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.1質量%~5.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%であり、更に好ましくは0.5質量%~2.5質量%である。
<界面活性剤>
本開示のインクは、界面活性剤を含有してもよいが、界面活性剤を実質的に含有しなくてもよい。
具体的には、本開示のインクの全量に対する界面活性剤の含有量は、0.01質量%以下であってもよく、0.0001質量%以下であってもよく、0質量%であってもよい。
<有機溶剤>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の有機溶剤を含有してもよい。
しかし、被記録媒体への影響をより低減する観点から、本開示のインクは、有機溶剤を含まないか、含む場合でも、有機溶剤の含有量が低減されていることが好ましい。
被記録媒体への影響をより低減する観点から、インクの全量に対する有機溶剤の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<水>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の水を含有してもよい。
しかし、上述した効果をより効果的に得る観点から、本開示のインクは、水を含まないか、含む場合でも、水の含有量が低減されていることが好ましい。
インクの全量に対する水の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<その他の成分>
本開示のインクは、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、抗菌剤、マット剤等が挙げられる。
<インクジェットインク>
本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
以下、本開示のインクがインクジェットインクである場合の好ましい物性について説明する。
本開示のインクの表面張力(即ち、25℃での表面張力)は、好ましくは20mN/m~50mN/mであり、より好ましくは28mN/m~50mN/mである。
インクの表面張力が20mN/m以上である場合には、インクの吐出性がより向上する。
インクの表面張力が50mN/m以下である場合には、画像の画質がより向上する。
本開示のインクは、25℃における粘度が、10mPa・s~50mPa・sであることが好ましく、10mPa・s~30mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s~25mPa・sであることが更に好ましい。インクの粘度は、例えば、含有される各成分の組成比を調整することによって調整できる。
ここでいう粘度は、粘度計を用いて測定された値である。粘度計としては、例えば、VISCOMETER RE-85L(東機産業(株)製)を用いることができる。
インクの粘度が上記好ましい範囲であると、吐出安定性をより向上させることができる。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、
上述した本開示のインクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出することにより、被記録媒体上に上記インクを付与してインク膜を得る工程(以下、「第1付与工程」ともいう)と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「第1照射工程」ともいう)と、
を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
上述のとおり、本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いる。このため、本開示の画像記録方法によれば、本開示のインクと同様の効果が奏される。
<第1付与工程>
第1付与工程では、上述した本開示のインクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出することにより、被記録媒体上に上記インクを付与してインク膜を得る。
(被記録媒体)
本開示の画像記録方法における被記録媒体としては特に限定はない。
被記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
(ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッド)
ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドについては、例えば、特許第5775485号公報等の公知文献を参照できる。
インクジェットヘッドのノズル面に設けられる撥液膜は、フッ素化合物を含有することが好ましく、フッ化アルキル基を含む化合物を含有することがより好ましく、パーフルオロアルキルエーテルを含有することが更に好ましい。
撥液膜の厚みとしては特に制限はないが、0.2nm~30nmが好ましく、0.4nm~20nmがより好ましい。
ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドとしては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、
コニカミノルタ社製のインクジェットヘッド「KM1800i」、
京セラ社製のインクジェットヘッド「KJ4A-AA」、
富士フイルム社製のインクジェットヘッド「Samba G3L」、
等が挙げられる。
ノズル面に設けられた撥液膜からのインクの切れ性は、例えば、ノズル面に設けられた撥液膜の表面における、20pLの本開示のインクの滑落角(以下、単に、「インクの滑落角」ともいう)を測定することによって評価できる。
ここでいうインクの滑落角は、0°~90°の範囲の角度として表される、水平面に対する撥液膜表面の傾斜角度であって、撥液膜表面から20pLのインクが滑落するために必要な傾斜角度のうちの最小値を意味する。
インクの滑落角が小さいほど、ノズル面に設けられた撥液膜からのインクの切れ性に優れている。
インクの滑落角は、接触角計(例えば、協和界面科学社製の接触角計「DMs-401」)を用いて測定する。
インクの切れ性の観点から、インクの滑落角は、60°以下であることが好ましく、50°以下であることがより好ましく、40°以下であることが更に好ましく、30°以下であることが更に好ましい。
(インクジェット記録装置)
第1付与工程は、上述したノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置を用いて実施できる。
インクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、及び加熱手段を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクが収容される元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。
この例では、ピエゾ型のインクジェットヘッドとして、上述した、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドを用いる。
ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pL~100pL、より好ましくは1pL~60pLのマルチサイズドットを、好ましくは320dpi(dot per inch)×320dpi~4000dpi×4000dpi(dot per inch)、より好ましくは400dpi×400dpi~1600dpi×1600dpi、さらに好ましくは720dpi×720dpi~1600dpi×1600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。
なお、dpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5pL~10pLであることが好ましく、高精細の画像を形成するため
には、0.5pL~2.5pLであることがより好ましい。
インクジェット法によるインクの付与方式は、シングルパス方式及びスキャン方式のいずれでもよいが、画像記録速度の観点から、シングルパス方式が好ましい。
ここで、シングルパス方式とは、インクジェットヘッドとして、被記録媒体の1辺の全域に対応してノズルが配列されているラインヘッドを用い、ラインヘッドを固定配置し、被記録媒体を、ラインヘッドのノズルの配列方向に対して交差する方向に搬送しながら、搬送中の被記録媒体上にインクを付与する方式である。
これに対し、スキャン方式とは、インクジェットヘッドとして、短尺のシリアルヘッドを用い、被記録媒体に対し、短尺のシリアルヘッドを走査させてインクを付与する方式である。
被記録媒体の搬送速度は、好ましくは1m/s~120m/sであり、より好ましくは50m/s~120m/minである。
なお、第2工程以降における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲も、第1工程における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲と同様である。
本開示の画像記録方法では、全工程を通じ、被記録媒体の搬送速度を同一としてもよいし、少なくとも一部の工程において、被記録媒体の搬送速度を変化させてもよい。
<第1照射工程>
第1照射工程では、第1付与工程で得られたインク膜に、活性エネルギー線を照射する。
第1照射工程では、インク膜に活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中のラジカル重合性モノマーの少なくとも一部を重合させて画像を得る。
第1照射工程において、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させる場合には、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させる場合と比較して、活性エネルギー線の照射エネルギーを小さくする。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させることを「仮硬化」ともいい、仮硬化のための活性エネルギー線の照射を「ピニング露光」ともいう。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させることを「本硬化」ともいい、本硬化のための活性エネルギー線の照射を「本露光」ともいう。
第1照射工程は、
インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第1照射工程が、インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合、第1照射工程により、仮硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程が、インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程、又は、インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程である場合、第1照射工程により、本硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程がピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合の画像記録方法は、更に、後述する第2付与工程及び第2照射工程を含むことが好ましい。
ピニング露光(即ち、仮硬化)後におけるインク膜の反応率は、10%~80%が好ましい。
ここで、インク膜の反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められるインク膜中のラジカル重合性モノマーの重合率を意味する。
インク膜の反応率が10%以上であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)のドットの拡がり不足が抑制され、その結果、最終的に得られる画像(例えば、後述の多次色画像)の粒状性が向上する(即ち、画像のざらつきが低減される)。
また、インク膜の反応率が80%以下であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)の拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクのドット同士の打滴干渉が抑制され、その結果、最終的に得られる画像の画質が向上する。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の粒状性をより向上させる観点から、15%以上であることが好ましい。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の画質をより向上させる観点から、75%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。
本露光(即ち、本硬化)後のインク膜の反応率は、80%超100%以下が好ましく、85%~100%がより好ましく、90%~100%が更に好ましい。
反応率が80%超である場合には、画像の密着性がより向上する。
インク膜の反応率は、以下の方法によって求める。
被記録媒体上のインク膜に対する活性エネルギー線の照射終了までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインク膜が存在する領域から20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X1」とする)を求める。
別途、被記録媒体上のインク膜に対して活性エネルギー線を照射しないこと以外は上記と同じ操作を実施し、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X1」とする)を求める。
照射後モノマー量X1及び未照射時モノマー量X1に基づき、下記式により、インクの反応率(%)を求める。
インクの反応率(%) = ((未照射時モノマー量X1-照射後モノマー量X1)/未照射時モノマー量X1)×100
照射工程における活性エネルギー線(即ち、ピニング露光及び/又は本露光のための活性エネルギー線。以下同じ。)として、好ましくはUV光(即ち、紫外光)であり、より好ましくは、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光である。
UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
照射工程における活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、更に好ましくは5体積%以下)の環境下で行われてもよい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性、及び、内部硬化性により優れた画像が得られる。
酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照度は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは0.10W/cm~0.50W/cmであり、より好ましくは0.20W/cm~0.49W/cmであり、更に好ましくは0.20W/cm~0.45W/cmである。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(以下、「露光量」ともいう)は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは2mJ/cm~20mJ/cmであり、より好ましくは4mJ/cm~15mJ/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照度は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは1.0W/cm以上であり、より好ましくは2.0W/cm以上であり、更に好ましくは4.0W/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照度の上限には特に制限はないが、上限は、例えば10W/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(即ち、露光量)は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは20mJ/cm以上であり、より好ましくは80mJ/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギーの上限には特に制限はないが、上限は、例えば240mJ/cmである。
<第2付与工程>
本開示の画像記録方法は、第1照射工程における活性エネルギー線が照射されたインク膜(以下、「第1インク膜」ともいう)上に、第2インクを付与し、上記第1インク膜に接する第2インク膜を得る第2付与工程を含んでいてもよい。
第2付与工程では、第2インクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出することにより、第1インク膜上に第2インクを付与して第2インク膜を得ることが好ましい。
これにより、第1インクの吐出性だけでなく、第2インクの吐出性も向上する。
第2付与工程で用いられ得る、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドとしては、第1付与工程で用いられ得る、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドと同様のものを用いることができる。
第2付与工程で用いられ得るノズル面に設けられた撥液膜からの第2インクの切れ性により優れる観点から、第2付与工程で用いられ得るノズル面に設けられた撥液膜の表面における、20pLの第2インクの滑落角(以下、単に、「第2インクの滑落角」ともいう)は、60°未満であることが好ましく、50°未満であることがより好ましく、40°以下であることが更に好ましく、40°未満であることが更に好ましく、30°未満であることが更に好ましい。
第2インクの滑落角も、前述したインクの滑落角の測定方法と同様にして測定できる。
第2インクは、好ましくは、ラジカル重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクであり、より好ましくは、本開示のインクである。
第2付与工程で付与される第2インクは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
第1付与工程において付与される本開示のインク(以下、第1インクともいう)と第2インクとは、色相が異なることが好ましい。
第1インク及び第2インクの色相が異なる場合には、多次色(例えば2次色)の画像を記録できる。
第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜上及び第1インク膜非形成領域上に跨って付与されてもよい。
また、第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜の少なくとも一部の上に付与されればよく、必ずしも、第1インク膜の全体の上に付与される必要はない。
第2インクの付与方法としては、第1インクの付与方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法によれば、多次色画像を記録できる。
<第2照射工程>
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法は、更に、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、第2活性エネルギー線を照射する第2照射工程を含んでいてもよい。
第2照射工程は、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、ピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第2活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様は、第1照射工程における活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様と同様である。
例えば、第2照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件は、第1照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件と同様である。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下において、特に断りがない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<顔料分散物の調製>
インクの調製に用いる顔料分散物として、
シアン顔料分散物(以下、「C顔料分散物」ともいう)、
マゼンタ顔料分散物(以下、「M顔料分散物」ともいう)、
イエロー顔料分散物(以下、「Y顔料分散物」ともいう)、
ブラック顔料分散物(以下、「K顔料分散物」ともいう)、及び
ホワイト顔料分散物(以下、「W顔料分散物」ともいう)
をそれぞれ調製した。
詳細には、各顔料分散物の組成中の各成分を、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れ、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散させることにより、各顔料分散物を得た。
-C顔料分散物の組成-
・C顔料(シアン顔料):IRGALITE BLUE GLVO(BASFジャパン社製):30質量部
・SR9003(サートマー社製;PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):60質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;アミン系樹脂分散剤):10質量部
-M顔料分散物の組成-
・M顔料(マゼンタ顔料;CINQUASIA MAGENTA RT-355D(BASFジャパン社製)):30質量部
・SR9003(サートマー社製):60質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製):10質量部
-Y顔料分散物の組成-
・Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製):30質量部
・SR9003(サートマー社製):60質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製):10質量部
-K顔料分散物の組成-
・K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250(BASFジャパン(株)製):30質量部
・SR9003(サートマー社製):60質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製):10質量部
-W顔料分散物の組成-
・W顔料(ホワイト顔料):タイペーク CR60-2(石原産業(株)製):30質量部
・SR9003(サートマー社製):60質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製):10質量部
<インクの調製>
表1~表5に示す各成分を混合することにより、表1~表5に示す組成を有する各インク(即ち、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、又はホワイトインク)を調製した。
<画像記録装置の準備>
被記録媒体を搬送するための搬送系と、被記録媒体の搬送方向上流側から順次配列された、ブラックインク用ヘッド、UV(Ultraviolet)光源、シアンインク用ヘッド、UV光源、マゼンタインク用ヘッド、UV光源、イエローインク用ヘッド、UV光源、ホワイトインク用ヘッド、及び窒素パージUV露光機と、を備える画像記録装置(詳細には、インクジェット記録装置)を準備した。搬送系は、シングルパス方式の枚葉印刷機の搬送系とした。
ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、及びイエローインク用ヘッドは、それぞれ、ノズル面に撥液膜が設けられているピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である、コニカミノルタ社製のインクジェットヘッド「KM1800i」である。
各インクジェットヘッドにおけるノズルからは、1pL~60pLのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できる。ここで、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
各インクジェットヘッドにおける撥液膜は、厚さが1nm~10nmである、パーフルオロアルキルエーテル膜である。
上記インクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びインクジェットヘッドによって構成されている。本実施例における画像記録では、上記インク供給系における、インク供給タンクからインクジェットヘッドまでの部分に対し、断熱及び加温を行った。また、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ温度センサーを設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。但し、ゲル化剤を含有するインクを用いた実施例のみ、ノズル部分が常に90℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
各インクジェットヘッドに繋がる元タンクに、そのヘッドに対応する色の各インクを収容した。
各インクジェットヘッドの直後の各UV光源及び窒素パージUV露光機におけるUV光源としては、それぞれ、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光を照射できるLED(Light Emitting Diode)ランプ((株)京セラ製、4cm幅、G4B、最大照度10W)を使用した。
これらの各UV光源は、UV光の照度及び照射時間を変更できるUV光源である。
本実施例における画像記録では、各インクジェットヘッドから吐出されたインクが被記録媒体上に着弾してから0.1秒後に、着弾したインクに対するUV光の照射が開始されるように、被記録媒体の搬送速度を調整した。
〔実施例1~42、比較例1~3〕
各インク、画像記録装置、及び被記録媒体(OKトップコート紙(84.9g/m、王子製紙社製))を用い、上記画像記録方法をベースとして画像を記録し、評価を実施した。
<画像記録>
上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、インクを、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射し(ピニング露光)、次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)を得た。
ここで、ピニング露光は、対応するインクジェットヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
<評価>
上記各インクについて、以下の評価を実施した。
結果を表1~表5に示す。
(インクの吐出性)
上記した画像記録装置におけるインクジェットヘッドからインクを、1,200dpiのモードで5分間連続吐出し、この操作における吐出不良(例えば吐出曲がり)の箇所数を確認する評価を実施した。
以上の評価を6回実施し、得られた結果に基づき、下記評価基準により、インクの吐出性を評価した。
下記評価基準において、インクの吐出性に最も優れるランクは「5」である。
-インクの吐出性の評価基準-
5:6回の評価とも、吐出不良の発生が無かった。
4:1回の評価において吐出不良が1箇所のみ発生し、5回の評価では吐出不良の発生が無かった。
3:2回の評価の各々において吐出不良が1箇所のみ発生し、4回の評価では吐出不良の発生が無かった。
2:3回の評価の各々において吐出不良が1箇所のみ発生し、3回の評価では吐出不良の発生が無かった。
1:4回以上の評価の各々において吐出不良が1箇所のみ発生したこと、及び、1回以上の評価の各々において吐出不良が2箇所以上発生したことの少なくとも一方に該当した。
(インクの切れ性)
上述した画像記録装置におけるインクジェットヘッド、上述したインク、及び、協和界面科学社製の接触角計「DMs-401」を用い、インクジェットヘッドのノズル面に設けられた撥液膜からのインクの切れ性を評価した。
インクジェットヘッドのノズル面(即ち、撥液膜表面)が水平となるようにインクジェットヘッドを配置し、ノズル面に設けられた撥液膜表面に、上述したインクの20pLの液滴を乗せた。
撥液膜表面の傾斜角度を除々に大きくしていき、20pLの液滴が滑落した時の撥液膜表面の傾斜角度を、インクの転落角として求めた。
得られたインクの転落角に基づき、下記評価基準に従い、インクジェットヘッドのノズル面に設けられた撥液膜からのインクの切れ性を評価した。
下記評価基準において、インクの切れ性に最も優れるランクは「5」である。
-インクの切れ性の評価基準-
5:滑落角が30°以下であった。
4:滑落角が30°超40°以下であった。
3:滑落角が40°超50°以下であった。
2:滑落角が50°超60°以下であった。
1:滑落角が60°超であった。
(インクの硬化性>
上記画像記録に示した操作に従い、被記録媒体上に、平均膜厚10μmのベタ画像を記録した。
ベタ画像上にA6サイズの紙を載せ、紙の上から1kg/A6サイズの荷重を加えた状態で、25℃で24時間保持した。
24時間経過後、紙への転写の有無を目視で観察した。
画像が転写している場合には、紙の面積のうち、紙に転写した画像の面積の割合(%)を測定した。
以上の結果に基づき、下記評価基準に従い、インクの硬化性を評価した。
下記評価基準において、インクの硬化性に最も優れるランクは「5」である。
-インクの硬化性の評価基準-
5:転写なし。
4:紙に転写した画像の面積が、紙の面積の0%超25%以下である。
3:紙に転写した画像の面積が、紙の面積の25%超50%以下である。
2:紙に転写した画像の面積が、紙の面積の50%超75%以下である。
1:紙に転写した画像の面積が、紙の面積の75%超である。
-表1~表5の説明-
各成分の欄における数値は、インク全量に対する含有量(質量%)を示し、空欄は、該当する成分を含有しないことを意味する。
ラジカル重合性モノマーの略語の意味は以下のとおりである。
NVC … N-ビニルカプロラクタム。
SR506 … サートマー社製SR506。イソボルニルアクリレート。
SR351 … サートマー社製SR351。トリメチロールプロパントリアクリレート。
SR454 … サートマー社製SR454。EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートとしてのエトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート。
SR9003 … サートマー社製SR9003。PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート。
DVE-3 … トリエチレングリコールジビニルエーテル(BASF社製)。
カチオン重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、ラジカル増感剤、顔料分散樹脂、有機オニウム塩、及びラジカル重合禁止剤の略語の意味は以下のとおりである。
CEL2021P … ダイセル社製「セロキサイドCEL2021P」。3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート。
OXT-221 … 東亜合成社製「OXT-221」。3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン。
TPO … IGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO」。2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
ITX … 2-イソプロピルチオキサントン。
SOLSPERSE 32000 … Lubrizol社製「SOLSPERSE 32000」(アミン系樹脂分散剤)。
CPI-110P … サンアプロ社製「CPI-110P」(有機スルホニウム塩)。
Iegacure 290 … BASF社製「Iegacure 290」(有機スルホニウム塩)。
Omnicat 250 … IGM Resins B.V.社製「Omnicat 250」(有機ヨードニウム塩)。
Omnicat 440 … IGM Resins B.V.社製「Omnicat 440」(有機ヨードニウム塩)。
P1-1 … 有機ホスホニウム塩としての前述の化合物P1-1。
P2-1 … 有機ホスホニウム塩としての前述の化合物P2-1。
A1-1 … 有機アンモニウム塩としての前述の化合物A1-1。
A1-2 … 有機アンモニウム塩としての前述の化合物A1-2。
UV-12 … Kromachem社製「FLORSTAB UV12」。ニトロソアルミニウム化合物であるトリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩を固形分として含む組成物。
UV-22 … BASF社製「Irgastab UV-22」。キノン化合物である2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-(フェニルメチレン)-2,5-シクロヘキサジン-1-オンを固形分として含む組成物。
OH-TEMPO … 4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(東京化成工業社製)(ニトロキシルラジカル化合物)。
MEHQ … 4-メトキシフェノール(東京化成工業社製)(フェノール化合物)。
表1~表5に示すように、インクが、ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、顔料、顔料分散樹脂、有機オニウム塩、及びラジカル重合禁止剤を含有し、インクの全量に対するラジカル重合禁止剤の含有量が0.05質量%~5.0質量%である実施例1~42では、インクの切れ性及びインクの吐出性に優れていた。これら実施例1~42では、インクの硬化性にも優れていた。
これに対し、インクが有機オニウム塩を含有しない比較例1では、インクの切れ性及びインクの吐出性が低下した。
インクの全量に対するラジカル重合禁止剤の含有量が0.05質量%未満である比較例2では、インクの切れ性には優れるものの、インクの吐出性が低下した。
インクの全量に対するラジカル重合禁止剤の含有量が5.0質量%超である比較例3では、インクの硬化性が低下した。更に、この比較例3ではインクの切れ性及びインクの吐出性も低下した。
実施例31~38のうち、インクに含有される重合性化合物の全量中に占めるラジカル重合性モノマーの割合が80質量%以上である実施例31~37は、インクの吐出性により優れていた。
実施例8~10のうち、有機オニウム塩の含有量が、インクの全量に対し、8.0質量%以下である実施例8は、インクの切れ性により優れていた。
実施例1~8のうち、有機オニウム塩の含有量が、インクの全量に対し、0.05質量%~8.0質量%である実施例3~8は、インクの切れ性により優れていた。
実施例8~10のうち、含有質量比〔有機オニウム塩/ラジカル重合禁止剤〕が150以下である実施例8は、インクの切れ性により優れていた。
実施例5及び実施例11~13のうち、ラジカル重合禁止剤が、ニトロソアルミニウム化合物、キノン化合物、及びニトロキシルラジカル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む実施例5、11、及び12は、インクの吐出性により優れていた。
実施例5及び実施例24~30のうち、有機オニウム塩のClogPが、4.0以上である実施例5及び実施例24~29は、インクの切れ性及びインクの吐出性により優れていた。
実施例5及び実施例24~29のうち、有機オニウム塩のClogPが、5.0以上である実施例5、24、25、及び27~29は、インクの切れ性及びインクの吐出性に更に優れていた。
実施例1及び2のうち、含有質量比〔有機オニウム塩/顔料分散樹脂〕が0.02以上である実施例2では、インクの切れ性及びインクの吐出性により優れていた。
〔実施例1B~42B、比較例1B~3B〕
実施例1B~42B及び比較例1B~3Bとして、インクジェットヘッドとして用いたコニカミノルタ社製のインクジェットヘッド「KM1800i」を、京セラ社製のインクジェットヘッド「KJ4A-AA」に変更したこと以外は、実施例1~42及び比較例1~3と同様の評価を行った。
その結果、実施例1B~42B及び比較例1B~3Bにおいて、実施例1~42及び比較例1~3と同様の結果が得られた。
「KJ4A-AA」も、「KM1800i」と同様に、ノズル面に撥液膜が設けられているピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。
「KJ4A-AA」の撥液膜は、厚さが1nm~10nmである、パーフルオロアルキルエーテル膜である。
〔実施例1C~42C、比較例1C~3C〕
実施例1C~42C及び比較例1C~3Cとして、インクジェットヘッドとして用いたコニカミノルタ社製のインクジェットヘッド「KM1800i」を、富士フイルム社製のインクジェットヘッド「Samba G3L」に変更したこと以外は、実施例1~42及び比較例1~3と同様の評価を行った。
その結果、実施例1C~42C及び比較例1C~3Cにおいて、実施例1~42及び比較例1~3と同様の結果が得られた。
「Samba G3L」も、「KM1800i」と同様に、ノズル面に撥液膜が設けられているピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。
「Samba G3L」の撥液膜は、厚さが1nm~10nmである、パーフルオロアルキルエーテル膜である。
2020年3月26日に出願された日本国特許出願2020-056585号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合開始剤、顔料、顔料分散樹脂、有機オニウム塩、及びラジカル重合禁止剤を含有し、前記ラジカル重合禁止剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.05質量%~5.0質量%であり、
    前記ラジカル重合禁止剤の含有量に対する前記有機オニウム塩の含有量の質量比が、0.30~150である活性エネルギー線硬化型インク。
  2. 含有される重合性化合物の全量中に占める前記ラジカル重合性モノマーの割合が、80質量%以上である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  3. 前記有機オニウム塩の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.01質量%~8.0質量%である請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  4. 前記有機オニウム塩の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.05質量%~8.0質量%である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  5. 前記ラジカル重合禁止剤が、ニトロソアルミニウム化合物、キノン化合物、及びニトロキシルラジカル化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1~請求項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  6. 前記有機オニウム塩のClogPが、4.0以上である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  7. 前記顔料分散樹脂の含有量に対する前記有機オニウム塩の含有量の質量比が、0.02以上である請求項1~請求項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  8. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクを、ノズル面に撥液膜が設けられているインクジェットヘッドから吐出することにより、被記録媒体上に前記活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る工程と、
    前記インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    を含む画像記録方法。
  9. 前記照射工程は、前記インク膜に前記活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む請求項に記載の画像記録方法。
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