JP2006213883A - 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 様々な印字環境下においても、文字品質に優れ、色混じりの発生がない、高精細な画像を非常に安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェットインク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 光重合性化合物として少なくともオキセタン化合物または脂環式エポキシ化合物を含有し、且つ(メタ)アクリレート化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにおいて、光重合開始剤として光酸発生剤を1〜10質量%、光ラジカル発生剤を0〜1質量%含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
中でも、UVインクジェット方式はソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録材料の種類や作業環境によって着弾後のドット径が大きく変化してしまい、様々な記録材料に対して、高精細な画像を形成することは不可能である。
特に紫外線硬化型インクジェット用インクにおいて、例えば、カチオン重合性化合物を用いたインク(例えば、特許文献3〜6参照。)は、酸素阻害作用をうけることはないが、分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった問題がある。また、硬化環境によっては硬化収縮による皺の発生が問題となる。
特開平6−200204号公報 特表2000−504778号公報 特開2001−220526号公報 特開2002−188025号公報 特開2002−317139号公報 特開2003−55449号公報
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は様々な印字環境下においても、文字品質に優れ、色混じりの発生がない、高精細な画像を非常に安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェットインク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
光重合性化合物として少なくともオキセタン化合物または脂環式エポキシ化合物を含有し、且つ(メタ)アクリレート化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにおいて、光重合開始剤として光酸発生剤を1〜10質量%、光ラジカル発生剤を0〜1質量%含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項2)
前記オキセタン化合物が単官能オキセタン化合物であり、前記(メタ)アクリレート化合物が3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項3)
前記単官能オキセタン化合物の含有量が10〜40質量%、前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項4)
前記脂環式エポキシ化合物が単官能脂環式エポキシ化合物であり、前記(メタ)アクリレート化合物が3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項5)
前記単官能脂環式エポキシ化合物の含有量が10〜40質量%、前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項6)
前記単官能脂環式エポキシ化合物が下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されることを特徴とする請求項4または5に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
Figure 2006213883
(一般式(1)〜(4)中、Ra、Rb、Rd、Re、Rg、Rh、Rj、Rkはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表すが、RaとRb、RdとRe、RgとRh、RiとRkがそれぞれ同時に水素原子を表すことはない。R1〜R32はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表す。Rc、Rf、Ri、Rlはそれぞれ炭素数2〜10のアルキル基または置換アルキル基を表す。)
(請求項7)
前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される単官能脂環式エポキシ化合物の分子量が190〜300であることを特徴とする請求項6に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項8)
更に少なくとも1種の塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項9)
25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
(請求項10)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
(請求項11)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
(請求項12)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
(請求項13)
インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドより、該活性光線硬化型インクジェットインク吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(請求項14)
請求項10〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該活性光線硬化型インクジェットインクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明により、様々な印字環境下においても、文字品質に優れ、色混じりの発生がない、高精細な画像を非常に安定に記録することができる活性光線硬化型インクジェットインク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置を提供することができた。
以下、本発明について詳述する。
特開2001−220526号、同2002−188025号、同2002−317139号、同2003−55449号の各公報に記載のように、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物及び/または脂環式エポキシ化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクはよく知られているが、硬化環境(温度、湿度)により硬化収縮による皺の発生、硬化性の不良などの問題があった。
本発明者は光重合性化合物としてオキセタン化合物または脂環式エポキシ化合物と(メタ)アクリレート化合物を併用し、あるいはオキセタン化合物、脂環式エポキシ化合物と(メタ)アクリレート化合物を併用し、更に光重合開始剤としては光酸発生剤を用い、実質光ラジカル発生剤は含有しない(1質量%以下)ことにより、上記の問題を解決できることを見出した。光ラジカル発生剤の添加量が1%を超えると、オキセタン化合物及び/または脂環式エポキシ化合物の硬化性が著しく劣化し、皺の発生が顕著となり、安定に高精細な画像を形成することができない。
更に本発明者は3官能以上の(メタ)アクリレート化合物と単官能オキセタン化合物、あるいは3官能以上の(メタ)アクリレート化合物と単官能脂環式エポキシを用いることにより、上記の問題の解決だけでなく、インクの保存環境(温度・湿度)の違いによるインク粘度のバラツキを小さくすることができ、またインクジェット記録をする上で一番の問題とされる吐出安定性が良好になり、且つ硬化環境(温度・湿度)に左右されずにインクが記録材料上に着弾した後のDot径の制御が容易にでき、再現性よく高画質な画像を形成することができることを見出した。
また、塩基性化合物を用いることで吐出安定性がより良好となり、特に光重合性化合物が本発明の構成である場合において、非常に効果的で、再現性よく高画質な画像を形成することができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、光重合性化合物として、例えば、特開平7−159983号、同8−224982号、同10−863号の各公報等に記載の(メタ)アクリレート化合物が用いられるが、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
本発明においては、既に公知のあらゆる3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いることができるが、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の3官能以上の多官能モノマーが挙げられる。
また、やはり光重合性化合物として本発明で用いられるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526号、同2001−310937号の各公報に記載されているようなオキセタン化合物を使用することができる。オキセタン化合物としては公知のあらゆるものを用いることができ、一例としては下記単官能オキセタン化合物に加えて、東亞合成株式会社製OXT221、OXT121、RSOX、HQOX、BPOXなどが挙げられる。
本発明においては、更にオキセタン化合物の中でも単官能オキセタン化合物が好ましく、例えば、東亞合成株式会社製、OXT101、OXT211、OXT212、OXT213などが挙げられる。
出射安定性と硬化性の双方を向上する点で本発明の好ましい構成としては、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を5〜40質量%含有し、単官能オキセタン化合物を10〜40質量%含有する。更に好ましくは3官能以上の(メタ)アクリレート化合物と単官能オキセタン化合物に加え、脂環式エポキシ化合物を含有することである。本発明においては、既に公知のあらゆる脂環式エポキシ化合物を用いることができる。
脂環式エポキシ化合物としては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。更に脂環式エポキシ化合物としては単官能のものが好ましい。
出射安定性と硬化性の双方を向上する点で本発明の別の好ましい構成としては、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を5〜40質量%含有し、単官能脂環式エポキシ化合物を10〜40質量%含有する。更に好ましくは3官能以上の(メタ)アクリレート化合物と単官能脂環式エポキシ化合物に加え、オキセタン化合物を含有することである。
本発明の特に好ましい構成は、3官能以上の(メタ)アクリレートを5〜30質量%含有し、単官能オキセタン化合物を10〜40質量%含有し、更に脂環式エポキシ化合物を5〜30質量%含有する構成である。
本発明においては、既に公知のあらゆる単官能脂環式エポキシ化合物を用いることができるが、例えば、ダイセル化学工業社製セロキサイド2000、PNOなどが挙げられる。単官能脂環式エポキシ化合物の好ましい例としては、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される単官能脂環式エポキシ化合物を含有することが、出射安定性の面で特に好ましい。
前記一般式(1)〜(4)中、Ra、Rb、Rd、Re、Rg、Rh、Rj、Rkは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表すが、RaとRb、RdとRe、RgとRh、RiとRkがそれぞれ同時に水素原子を表すことはない。R1〜R32は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表す。Rc、Rf、Ri、Rlは炭素数2〜10のアルキル基または置換アルキル基を表す。炭素数1〜5のアルキル基としては直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、としては、ハロゲン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、フェニル基が挙げられる。また炭素数2〜10のアルキル基としては直鎖または分岐のアルキル基が挙げられ、具体的にはエチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、tert−オクチル基、デシル基が挙げられ、置換アルキル基における置換基としては上記と同様のものが挙げられる。
一般式(1)〜(4)で示される単官能脂環式エポキシ化合物の分子量は190〜300である。190より小さい化合物は変異原性(AMES)試験などで陽性の度合いが高くなるなど安全衛生上好ましくなく、300を超える化合物は粘度が大きすぎて取り扱いが困難となる。
一般式(1)〜(4)の例示化合物を以下に示すが、この限りではない。
Figure 2006213883
また、これらの単官能脂環式エポキシ化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John&Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、同4−36263号、同4−69360号の各公報を参考にして合成できる。
塩基性化合物としては公知のあらゆるものを用いることができるが、代表的なものとして、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが挙げられる。
塩基性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属のアルコラート(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド等)が挙げられる。
塩基性アルカリ土類金属化合物としては、同様にアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、アルカリ金属のアルコラート(マグネシウムメトキシド等)が挙げられる。
塩基性有機化合物としては、アミンならびにキノリン及びキノリジンなど含窒素複素環化合物などが挙げられるが、これらの中でも、光重合成モノマーとの相溶性の面からアミンが好ましく、例えば、オクチルアミン、ナフチルアミン、キシレンジアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジメチルアニリン、キヌクリジン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン及びトリエタノールアミンなどが挙げられる。
塩基性化合物を存在させる際のその濃度は、光重合性化合物の総量に対して10〜1000質量ppm、特に20〜500質量ppmの範囲であることが好ましい。なお、塩基性化合物は単独で使用しても複数を併用して使用してもよい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、公知のあらゆる光酸発生剤を用いることができる。本発明に用いられる光酸発生剤としては、ラジカル重合も可能なものが好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
Figure 2006213883
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を以下に例示する。
Figure 2006213883
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2006213883
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2006213883
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクにおいて、0〜1質量%で用いられる光ラジカル発生剤としては、公知のあらゆる光ラジカル発生剤が用いられる。
具体的には、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、同126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特開平5−213861号、同5−255347号の各公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordinantion Chemistry Review)」、第84巻、第85〜277頁(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、上述の活性光線硬化型組成物と共に各種公知の染料及び/または顔料を含有しているが、好ましくは顔料を含有する。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow−1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、109、114、120、128、129、138、150、151、154、180、185
C.I.Pigment Red−5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、101、112、122、123、144、146、168、184、185、202
C.I.Pigment Violet−19、23
C.I.Pigment Blue−1、2、3、15:1、15:2、15:3、15:4、18、22、27、29、60
C.I.Pigment Green−7、36
C.I.Pigment White−6、18、21
C.I.Pigment Black−7
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げるために、白インクを用いることが好ましい。特に軟包装印刷、ラベル印刷においては、白インクを用いることが好ましい。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤ではなく光重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によってヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクにおいては、色材濃度としてはインク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクにおいては、25℃における粘度が7〜50mPa・sであることが良好な硬化性を得るために好ましい。本発明における粘度とは、Physica社製粘弾性測定装置MCR300にて測定したシェアレート1000(1/s)の値である。
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線などの活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題があるため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
なお、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でもそれ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また本発明では、各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成できる。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号公報に開示されている。これによるとヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射はインク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
次いで、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について説明する。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1はヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録材料Pはガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行う。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行っているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3はインク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、光重合性化合物、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行い、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行った後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行いながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行う。上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極ランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明の活性光線硬化型インジェットインクは非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に特に有効である。
図2で示したインクジェット記録装置はラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
このラインヘッド方式ではヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
《分散液Aの調製》
以下の組成で顔料を分散した。以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌し、溶解する。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 9部
OXT−221(東亞合成社製) 71部
室温まで冷却した後、これに下記顔料20部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料1:Pigment Black−7(三菱化学社製、#52):10時間
顔料2:Pigment Blue−15:4(山陽色素株式会社製、シアニンブルー4044):6時間
顔料3:Pigment Yellow−150(LANXESS社製、E4GN−GT CH20003):10時間
顔料4:Pigment Red−122(大日精化社製、特注):10時間
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μ):10時間。
《分散液Bの調製》
以下の組成で顔料を分散した。以下2種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃ホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌し、溶解する。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 9部
テトラエチレングリコールジアクリレート(2官能) 71部
室温まで冷却した後、これに下記顔料20部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて下記時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去した。
顔料1:Pigment Black−7(三菱化学社製、#52):10時間
顔料2:Pigment Blue−15:4(大日精化社製、ブルーNo.32):6時間
顔料3:Pigment Yellow−180(大日精化社製、特注):10時間
顔料4:Pigment Red−19(大日精化社製、特注):10時間
顔料5:酸化チタン(アナターゼ型:粒径0.2μ):10時間。
《インクセットの調製》
表1〜4に記載のインク組成でインクセット1〜10を作製し、ロキテクノ社製PP3μmディスクフィルターでろ過を行った。各インクセット粘度は表に示す通りである。
Figure 2006213883
Figure 2006213883
Figure 2006213883
Figure 2006213883
表中の表示は以下の通りである。
K:濃ブラックインク
C:濃シアンインク
M:濃マゼンタインク
Y:濃イエローインク
W:ホワイトインク
Lk:淡ブラックインク
Lc:淡シアンインク
Lm:淡マゼンタインク
Ly:淡イエローインク。
〔光酸発生剤〕
CI−5102:日本曹達社製 γ−ブチロラクトン50%溶液
UVI6992:トリフェニルスルホニウム塩(サイラキュアUVI6992 ユニオンカーバイド社製)プロピレンカーボネート50%溶液
SP152:トリフェニルスルホニウム塩(アデカオプトマーSP−152 旭電化社製)プロピレンカーボネート50%溶液。
Figure 2006213883
《インクジェット画像形成方法》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製したインクセット1〜3、7、8を装填し、表5に記載の幅600mm、長さ500mの長尺の各記録材料へ、下記の画像記録を連続して行った。画像データとしては「高精細カラーデジタル標準画像データ『N5・自転車』(財団法人 日本規格協会 1995年12月発行)」を用いた。インク供給系はインクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、キャリッジ両脇のランプユニットにより瞬時(着弾後1秒未満)に硬化される。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。
なお、インクジェット画像の形成は、上記方法に従って10℃、20%RHの環境下、25℃、50%RHの環境下及び27℃、80%RHの環境下でそれぞれ行った。
なお、表5に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
PET:polyethylene terephthalate
PVC:polyvinyl chloride
また、全く同様に図2に記載のラインヘッド記録方式のインクジェット記録装置を用い、インクセット4〜6、9、10を用いて、画像を形成した。
Figure 2006213883
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、1m、100m出力時に下記の各評価を行った。
(文字品質)
Y、M、C、K各色インクを用いて、目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大評価し、下記の基準に則り文字品質の評価を行った。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル。
(色混じり(滲み、皺))
720dpiで、Y、M、C、K各色1dotが隣り合うように印字し、隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じりの評価を行った。
◎:隣り合うdot形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、また重なり部に皺の発生があり、使えないレベル
以上により得られた各評価結果を表6に示す。
Figure 2006213883
表6より、本発明の構成は印字環境に依らず、様々な記録材料に非常に安定に高精細な画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
8 照射光源
P 記録材料

Claims (14)

  1. 光重合性化合物として少なくともオキセタン化合物または脂環式エポキシ化合物を含有し、且つ(メタ)アクリレート化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにおいて、光重合開始剤として光酸発生剤を1〜10質量%、光ラジカル発生剤を0〜1質量%含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェットインク。
  2. 前記オキセタン化合物が単官能オキセタン化合物であり、前記(メタ)アクリレート化合物が3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  3. 前記単官能オキセタン化合物の含有量が10〜40質量%、前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  4. 前記脂環式エポキシ化合物が単官能脂環式エポキシ化合物であり、前記(メタ)アクリレート化合物が3官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  5. 前記単官能脂環式エポキシ化合物の含有量が10〜40質量%、前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量が5〜40質量%であることを特徴とする請求項4に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  6. 前記単官能脂環式エポキシ化合物が下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表されることを特徴とする請求項4または5に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
    Figure 2006213883
    (一般式(1)〜(4)中、Ra、Rb、Rd、Re、Rg、Rh、Rj、Rkはそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表すが、RaとRb、RdとRe、RgとRh、RiとRkがそれぞれ同時に水素原子を表すことはない。R1〜R32はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または置換アルキル基を表す。Rc、Rf、Ri、Rlはそれぞれ炭素数2〜10のアルキル基または置換アルキル基を表す。)
  7. 前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される単官能脂環式エポキシ化合物の分子量が190〜300であることを特徴とする請求項6に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  8. 更に少なくとも1種の塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  9. 25℃における粘度が7〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
  10. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
  11. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェットインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることを特徴とする画像形成方法。
  12. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
  13. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクを記録材料上に吐出し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、ラインヘッド方式のインクジェット記録ヘッドより、該活性光線硬化型インクジェットインク吐出して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  14. 請求項10〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置であって、活性光線硬化型インクジェットインク及びインクジェット記録ヘッドを35〜100℃に加熱した後、該活性光線硬化型インクジェットインクを吐出することを特徴とするインクジェット記録装置。
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