JP7376303B2 - ティシュペーパー - Google Patents

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Description

本発明は、ティシュペーパーに関し、特に、保湿剤が塗布されているティシュペーパーに関する。
ティシュペーパーは、2プライが主流であるが、近年、3プライや4プライといった多プライで厚み感のあるものの需要も高まりつつある。
このような多プライのティシュペーパーは、製品価格が高い高級タイプに属する製品とされることが多く、このような製品群のティシュペーパーは、特に「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」と「やわらかさ」とが高く要求される。
そして、多プライ構造の場合、各プライの米坪を高めると、各プライの相乗によって紙厚を容易に厚くすることができ、厚み感や嵩高さを発現させることができる。
しかし、このように各プライの米坪を高めると、やわらかさや滑らかな品質を得にくい。
ティシュペーパーには種々のものが市販されており、その一つの分野に水系の保湿剤を含有した保湿ティシューやローションティシューと呼ばれるものがある。
従来の保湿ティシュー、ローションティシューは、花粉症や風邪などで頻繁にティシュペーパーで洟をかむ人のために、繰り返し使用しても肌が赤くならない、痛くならないようにやわらかく滑らかな品質となるよう製造されている。
そして保湿ティシュー、ローションティシューは、保湿剤を含有しない非保湿ティシュペーパーよりも肌を傷めないことから化粧用途にも一部使用されており、口紅を唇に塗った後に取り除くいわゆる「ティッシュオフ」や、口紅がはみ出た部分の拭き取り、あるいは、乾燥時などにファンデーションが浮いたとき(粉吹き)の「ティッシュオフ」にも使用されている。
ティシュペーパーの使用形態には、国別にすくなからず相違する点がある。これは生活又は文化様式の相違に基づくものと思われる
日本における保湿ティシュー、ローションティシューは2プライのものが主流であるが、例えば中国では3プライのものが主流である。
これら、従来のローションティシューは肌触りを重視し紙の強度が弱い(やわらかい)ため破れやすく、やわらかな唇に塗った油脂系の口紅や頬に塗ったファンデーション(粉体もしくは粘状液体中の粉)の浮きなどの「ティッシュオフ」には適していなかった。
特開2018-171254号公報
したがって、本発明は、「ティッシュオフ」に適し、しかも、やわらかさ、滑らかさにも優れる3プライのティシュペーパー及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明に係るティシュペーパーは、
中層及び両外層からなる3プライでかつ水系の保湿剤を含有するティシュペーパーであって、
NBKP(針葉樹クラフトパルプ)及びLBKP(広葉樹クラフトパルプ)のみから構成されており、
1プライの米坪が15.0~18.5g/m
3プライの紙厚が176~230μm、
前記水系の保湿剤はポリオールを主成分とする水系の保湿剤であり、この保湿剤を含み、平滑剤を含まない薬液の塗布量が18.5~26.8%、
前記中層プライの保湿性薬液濃度は低く、前記両外層プライの保湿性薬液密度は高く、
算術平均粗さSaが0.007~0.020mm、
3プライで4組、合計12プライでの、圧縮仕事量が1.70~2.40gf・cm/cm 、かつ、圧縮回復性が46.0~54.5%、
であることを特徴とする。
また、本発明のティシュペーパーの製造方法は、
1プライ原紙を3枚重ねた状態で、両金属ロール間を通してカレンダー掛けした3プライ原紙に対して薬液を塗布し、請求項1記載のティシュペーパーを製造する、ことを特徴とする。
本発明の他のティシュペーパーの製造方法は、
薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の表面に薬液を塗布し、請求項1記載のティシュペーパーを製造する、
ことを特徴とする。
本発明の別のティシュペーパーの製造方法は、
薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の第1の外表面に薬液を塗布し、
その後の位置において、薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の他方の第2の外表面に薬液を塗布し、
請求項1記載のティシュペーパーを製造する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、「ティッシュオフ」に適し、しかも、やわらかさ、滑らかさにも優れる3プライのティシュペーパーを得ることができる。
積層形態の概要図である。 薬液塗布形態の概要図である。 ロータリー式インターフォルダの説明図である。 算術平均粗さSaについての説明図である。 表面粗さの測定範囲である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
実施の形態のティシュペーパーは、3プライでかつ水系の保湿剤を含有する。
2プライのものでは強度が十分ではない。
3プライの紙厚が176~230μmが望ましい。特に、180~220μmが望ましい。
ワンショット3Dで測定した表面の算術平均粗さSaが0.007~0.020mm、特に0.010~0.018が望ましい。
3プライで4組、合計12プライでの、圧縮仕事量が1.70~2.40gf・cm/cm 、特に1.75~2.20gf・cm/cm2が望ましい。
さらに、圧縮回復性が46.0~54.5%、特に48.0~54.0%が望ましい。
やわらかな唇に付与した油脂系の口紅や頬に付与したファンデーションの浮きなどのティッシュオフには適したローションティシューを得ることができる。
口紅は、その成分を、一般的に、ベニバナやコチニールなどの天然色素を原料とした顔料や、主にタール色素などの合成着色料である色素とし、これをワックスなどの油分に溶き、型に入れ固めて作られる。
製品としての口紅にはこれらの他にも界面活性剤、酸化防止剤、香料など多数の成分が含まれる。食器・衣服などに付着すると、口紅の主成分が油分と色素であること、加えて近年の口紅の色持ちを良くさせる成分のために非常に落ちにくい汚れとなる。そのため最近では食器などに付着しにくい性質を謳う製品も多い。
ファンデーションは、クリームや乳液と同様の油性の基剤に、いわゆる「肌色を補う」ための顔料を加えたものが一般的である。紫外線をカットしたり、肌の乾燥を抑えたりするための成分が含まれていることもある。
ファンデーションは、(a)下地クリームを塗った後にパウダーのファンデーションを重ねる、(b)下地クリームにパウダーファンデーションが含まれた1種類のものを使用する、2つの使用方法が主流となっている。
ファンデーションを細分化すると次のとおりである。
(1)ケーキタイプ:顔料の粒子の表面をシリコンなどの油性成分や、界面活性剤でコーティング処理して圧縮し固形にしたものでスポンジで肌に塗って使用する。パウダーファンデーションとも呼ばれる。
(2-1)水ありタイプ:水を含ませたスポンジに取ると乳化され、塗った後は水分が乾燥するとともに、乾燥して塗膜が残るタイプ。リキッドタイプ(後述)に近い使用感を得ることができる。
(2-2)水なしタイプ:スポンジを濡らさず使用するタイプ。ファンデーション自体に含まれる油性成分はやや少な目になっており、薄く付けることができる。
(3)2WAYタイプ:スポンジを濡らしても濡らさなくても使用できる。季節や使用者の好みで、両者の特長を生かすことができる。
(4)パウダータイプ:粉状のもの。ブラシやパフ肌に塗って使う。化粧下地などで肌に油分を与えてから塗る。肌自体の皮脂で肌に密着するようになっているものもある。
(5)ミネラルファンデーション:マイカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛などを主成分にしたパウダーファンデーション。天然の鉱物のみで作られて、油分や添加物を含まないことを売りにしている製品が多い。1970年代にアメリカで広まった。
(6)クリームタイプ:油性成分がクリーム状のものでクリームファンデーションと呼ばれる。スポンジで塗るほか、指で直接塗ったり、ヘラで塗布するものもある。
(7)リキッドタイプ:油性成分が液状のもの。リキッドファンデーションと呼ばれる。スポンジで塗るほか、指で直接塗ったりする。近年ではスプレーになっていて肌に吹き付けるものもある。顔料の粒子がより多くの油性成分で囲まれているため、ケーキタイプと比べて伸びが良く、肌色のカバー効果が高い。耐水性や耐油性にも優れているが、厚塗りになりやすく肌のトラブルを起こしやすい。近年は油性成分を減らし、水性の基剤を用いた製品もある。
上記実施の形態のティシュペーパーは、化粧材の拭き取りに関し、特にやわらかな唇や頬の皮膚に塗った油系の化粧材を、皮膚を傷めないように拭き取るため、紙表面の凹凸を小さく(表面粗さSaを小さく)し、かつ、保湿性のローション剤により滑らかな表面性を有する。
口紅やファンデーションは油性成分を主としており、上記3プライの保湿ティシューは紙質が厚さ方向にやわらかいとともに、圧縮回復性を小さくすることで拭き取る力の加減をコントロールし易く、保湿性のローション剤は油系の口紅やファンデーションと適度な相溶作用を有するから、拭き取り性が過度に拭き取るものでなく、かつ、拭き取りにくくならない適度な拭き取り性を有する。
本発明に係る、ワンショット3Dで測定した表面の「算術平均粗さSa」、「圧縮仕事量」及び「圧縮回復性」が、何故に「ティッシュオフ」に適しているのかの理由については、次のように考えられる。
「算術平均粗さSa」の値が小さいことは、滑らかな表面性を与える。
「圧縮仕事量」の値が大きいことは、圧縮が始まる段階が速く、長いために良好なやわらかさを与える。
「圧縮回復性」の値が小さいことは、一旦押し込んだら元に戻り難いことを意味し、もって圧力のコントロール性が良好となり、口紅やファンデーションを拭き取る力の加減をコントロールし易くなるのに寄与する。
本発明に係るティシュペーパーは、非加圧下における外面の算術平均粗さ(Sa)が 0.007~0.020mm、特に0.010~0.018(mm)である。非加圧下とは測定を生成(「きなり」)の状態で行うことである。
算術平均粗さ(Sa)は、ISO25178に定められており、定義領域中における表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表したものである。数値が小さいほど表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値が小さく、表面が平坦であることを示し、数値が大きいほど表面が粗いことを示す。
なお、ポップアップ式の束から得られた試料では、その測定面は折りの山側がある面とする(山頂点の算術平均曲率 Spcにおいても同様)。非加圧下における外面の算術平均粗さ(Sa)が0.007~0.020mm、特に0.010~0.018mmである、表面が滑らかで、且つ拭き取り性に優れる。
本発明に係るティシュペーパーは、非加圧下における外面の山頂点の算術平均曲率(Spc)は3.4~3.9(1/mm)が望ましい。山頂点の算術平均曲率は、定義領域中における山頂点の主曲率の算術平均を表したものである。数値が小さいほど他の物体と接触する点が丸みを帯びていることを示し、数値が大きいほど他の物体と接触する点が尖っていることと示す。
なお、ポップアップ式の束から得られた試料では、その測定面は折りの山側がある面とする。非加圧下における外面の山頂点の算術平均曲率(Spc)が3,4~3.9(1/mm)であると、表面が滑らかに感じつつ、口紅やファンデーション等の拭き取り性に優れる。
本発明に係る「算術平均粗さ(Sa)」及び「山頂点の算術平均曲率(Spc)」は、「ワンショット3D形状測定機 VR-3200(株式会社キーエンス社製)」(以下、「3Dマクロスコープ」ともいう)及びその相当機(非接触三次元測定器)を用いて測定した値をいう。
「3Dマイクロスコープ」は、投光部より照射された構造化照明光により、モノクロC-MOSカメラに写し出された対象物の縞投影画像から形状を測定することができ、特に、得られた縞投影画像を使って、任意の部分の高さ、長さ、角度、体積などを計測することができる。「3Dマイクロスコープ」により得られた画像の観察・測定・画像解析には、ソフトウェア「VR-H2A」及びその相当ソフトウェアを使用することができる。なお、測定条件は、視野面積24mm×18mm、倍率12倍の条件とする。
非加圧下の外面の算術平均粗さ(Sa)及び算術平均曲率(Spc)の具体的な測定手順は次のようにして行う。
測定台に、試料となるプライのままのティシュペーパー(MD方向50mm×CD方向50mm程度の大きさとする)を、測定機を正面にして奥行方向がMD方向となるようにして生成りの状態で載置する。なお、測定に用いる試験片は製品の平坦な部分とする。
ソフトウェア(「VR-H2A」)の画面を操作して、試料表面のメイン画像(テクスチャ)、メイン画像(高さ)、3D画像の3つの画像を得る。次に、前記ソフトウェアの「表面粗さ」を選択するなどして表示される「テクスチャ」画像を、図4に示されるような「高さ」画像(高さ方向に色分けされた色調の濃淡で表される画像)に変換する。なお、図4では、「高さ」画像はグレースケールで表されているが、実際に得られる「高さ」画像は高さ方向に色分けされた色調の濃淡で表される画像となる。
次いで、計測パラメータとして少なくとも最大高さ(Sz)、算術平均粗さ(Sa)、及び山頂点の算術平均曲率(Spc)を設定して測定を行う。測定範囲の大きさは、3.000mm×3.000mmとする。前記ソフトウェアであれば、「領域の追加」で「数値指定」を選択することで測定範囲を設定することができる。測定範囲には、エンボス部分を含まないようにし、さらに、目視にて画面上の各測定範囲内の色調の濃淡が一定に近くなるように測定範囲を設定する。
測定された、最大高さ(Sz)、算術平均粗さ(Sa)、及び山頂点の算術平均曲率(Spc)の値を確認し、最大高さ(Sz)が0.1000mmを超えている場合には、その値を破棄し、他の測定範囲を設定するようにする。なお、最大高さ(Sz)、算術平均粗さ(Sa)及び山頂点の算術平均曲率(Spc)は、ISO25178で規定されている面粗さのパラメータである。また、測定にあたっては、フィルター処理及び前処理は行わない。
測定範囲となる3.000mm角の範囲(例えば、図5中の四角囲みの領域)で、「最大高さ(Sz)」、「平均算術粗さ(Sa)」、「山頂点の算術平均曲率(Spc)」の平面粗さ測定を行う。この画像中の3.000mm角の範囲の平面粗さ測定を、位置を変えて計5箇所行い、その5個所の平均値を測定サンプルの「最大高さ(Sz)」、「平均算術粗さ(Sa)」、「山頂点の算術平均曲率(Spc)」の測定値とする。測定範囲となる3.000mm角の範囲は、視野面積24mm×18mmの中で歪みの小さい中央部に位置する。なお、上記の各々5つの測定範囲の選定および、「最大高さ(Sz)」、「平均算術粗さ(Sa)」、「山頂点の算術平均曲率(Spc)は同時に測定してもよいが、測定する範囲Zを変えて測定してもよい。
本実施形態に係るティシュペーパーは、ポリオールを主成分とする水系の保湿剤を有する。この保湿剤としては、代表的にはグリセリンを挙げることができ、必要により1,3-プロパンジオールを6.1質量%以上12.6質量%以下含有させることができる。
なお、ティシュペーパー中に、グリセリンなどの保湿剤のほか公知の助剤が含有されてもよい。助剤の例としては、ソルビトール等の保湿補助成分、ティシュペーパー中の水分の保持性を高めるための、親水性高分子ゲル化剤、界面活性剤や柔軟性向上剤、滑らかさの発現を補助する流動パラフィンなどの油性成分、その他、保湿剤の安定化、塗布性を向上させるための乳化剤、防腐剤、消泡剤等が挙げられる。なお、保湿補助成分、水分の保持性を高める親水性高分子ゲル化剤等の成分の配合量は、「ふんわりとした嵩高感」、「やわらかさ」及び「表面の滑らかさ」に過度の影響を及ぼさない程度とする。具体的には、1.0質量%以下、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とするのがよい。
その本実施形態のティシュペーパーの1プライの坪量は、15.0~18.5g/m、特に16.8~18.5g/mが望ましい。各層の坪量がこの範囲内であると「やわらかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。特に、坪量が高いと紙が固くなり、低いとやわらかくなる傾向があるため、坪量は「やわらかさ」への影響が大きいと考えられる。なお、坪量は、JIS P 8124(1998)に基づいて測定した値である。
外層の外側面には薬液が塗布され、外側面から内部へ薬液が浸透する。このため、薬液の保湿効果と薬液の滑らかな物性により「やわらかさ」と「表面の滑らかさ」の効果を奏する。また外層は薬液を含むため、カレンダー処理等の外層の外側面への外圧により紙は平滑化され、表面に塗布される薬液は均一化して表面が滑らかになり、より一層の「表面の滑らかさ」が発現する。
紙厚は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて測定した値とする。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試験片を測定台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしそのときのゲージを読み取る。測定時には、金属製のプランジャーの端子(直径10mmの円形の平面)が紙平面に対し垂直に当たるように留意する。なお、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。紙厚は、部位を変えてこの測定を10回行って得られた測定値の平均値とする。試験片は、3プライの製品シートを採取し、折り目やコンタクトエンボス部分等を避けて測定する。
他方、本実施形態のティシュペーパーは、3プライでの紙厚が176~230μmである。3プライのような多プライ構造では、紙厚は、特に「やわらかさ」と「ふんわり感」に影響を及ぼしやすい。本実施形態のティシュペーパーでは、紙厚がこの範囲内であると「やわらかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。
他方、本実施形態のティシュペーパーは、縦方向の3プライでの乾燥強度が300~420cN/25mmが望ましい。縦方向の乾燥強度がこの範囲内であると「やわらかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。また、使用に耐える十分な強度の範囲にある。
また、横方向の3プライでの乾燥強度は105~170cN/25mmが望ましい。横方向の乾燥強度がこの範囲内であると「やわらかさ」と「ふんわりとした嵩高感」と「表面の滑らかさ」が顕著となる。また、使用に耐える十分な強度の範囲にある。さらに、定かではないが、「横方向の乾燥引張強度」は、「やわらかさ」、「ふんわり感」といった個別の官能性ではなく、総括的な「肌ざわり」の官能性に影響がある。被験者に対して「やわらかさ」、「ふんわり感」といった具体的な評価基準ではなく、試料に対して自由に触れさせた後に「肌ざわり」という総合的な評価基準でティシュペーパーの良い悪いを評価させた際に、この「肌ざわり」の評価と「横方向の乾燥強度」とに一定の相関があることが知見されている。
また、本実施形態のティシュペーパーは、横方向の3プライでの湿潤紙力が50~90cN/25mmが望ましい。
横方向の湿潤引張強度/横方向の乾燥引張強度の比率は0.42~0.58であるのが望ましい。なお、この値は3プライのままの測定値である。このような強度差であることにより、洟をかむ際などに、乾燥時から湿潤時へと変化する使用態様において、使用者が「丈夫さ(強度・安心感)」を感じるようになる。さらに、そのような使用態様における紙の強さの変化が感じられがたくなり、使用の際に「滑らかさ」の感じ方に影響する。
なお、紙の縦方向とは、MD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向である。紙の横方向は、CD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向(MD方向)に直交する方向である。
また、本発明に係るティシュペーパーの乾燥引張強度は、JIS P 8113に基づいて測定した値であり、次のようにして測定した値である。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。ティシュペーパーは複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は100mm/minに設定する。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とする。
また、本発明に係るティシュペーパーの湿潤引張強度は、JIS P 8135(1998)に準じて測定した値であり、次のようにして測定した値である。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は50mm/minに設定する。試験片は、105℃の乾燥機で10分間のキュアリングを行ったものを用いる。試験片の両端を試験機のつかみに締め付けた後、水を含ませた平筆を用い、試験片の中央部に約10mm幅で水平に水を付与し、その後、直ちに紙片に対して上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で測定を行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の湿潤引張強度とする。
乾燥引張強度及び湿潤引張強度の調整は、乾燥紙力増強剤や湿潤紙力増強剤を紙料或いは湿紙に内添することにより行うことができる。乾燥紙力増強剤としては、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛等を用いることができる。湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性塗工PAM等を用いることができる。なお、乾燥紙力増強剤を内添する場合、パルプスラリーに対する添加量は、1.0kg/パルプt以下程度である。また、湿潤紙力増強剤は、カチオン性のものが望ましく、そのパルプスラリーに対する添加量は、5.0~20.0kg/パルプt程度である。
ティシュペーパーを構成する繊維素材は、パルプ繊維であり、ティシュペーパーに用いられるNBKP(針葉樹クラフトパルプ)及びLBKP(広葉樹クラフトパルプ)であるのが望ましい。古紙パルプが配合されていてもよいが、古紙パルプは「やわらかさ」を発現させがたいことから、バージンパルプのNBKPとLBKPのみから構成されているのが極めて望ましい。配合割合としては、質量比でNBKP:LBKP=25:75~40:60である。この範囲であると洟かみに必要な紙力と「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「やわらかさ」と「滑らかさ」を顕著に感じられるものとすることができる。
〔ティシュペーパーの製造方法〕
本実施形態に係るティシュペーパー及び、このティシュペーパーを束にして包装するなどした製品は、次の製造手順によって製造することができる。まず、抄紙設備で抄紙したクレープを有する単層のティシュペーパー原紙を巻き取って一次原反ロールを形成する。次いで、この一次原反ロールを三つ、プライマシンとも称される積層設備にセットし、各々の一次原反ロールから単層の連続シートを繰出して3層に積層した後、適宜にスリットするなどして巻き取り二次原反ロールを製造する。次いで、この二次原反ロールを用いて、インターフォルダとも称される折畳み設備などにおいて積層束を形成する。次いで、この積層束を適宜の大きさに裁断する等した後、箱詰めなど包装して、ティシュペーパーに係る製品とする。このティシュペーパーを製品化する一連の製造工程又は、工程間に別途に薬剤付与設備を設けて、ティシュペーパー原紙にグリセリンを含む保湿剤の薬液(保湿性薬液)を外添により付与する。なお、ティシュペーパー原紙に対する保湿剤の薬液の付与は、一方面から行なってもよいが、両面の滑らかさを均一にし易いことから、両面塗布とするのが望ましい。特に、薬液の付与は、ティシュペーパー原紙を積層した積層の連続シートの状態において行うのが特に望ましい。積層状態の連続シートに付与したほうがプライ全体としての強度低下が少なく操業性において望ましく、また、肌に触れる両外層に確実に保湿性薬液を付与することができる。
保湿性薬液の付与は、具体的には、プライマシンやインターフォルダいずれかの設備に、フレキソ印刷機、グラビア印刷機等のロール転写装置、スプレー塗布装置などの薬液塗布装置を組み込んで行ってもよいし、これらの装置をプライマシンやインターフォルダとは別途の設備として行ってもよい。
折り加工を行うインターフォルダは、マルチスタンド式、スタンド式、折板式とも称される折板によって折り加工を行う設備であってもよいし、ロータリー式とも称される一対のフォールディングロールで折り加工を行う設備であってもよい。但し、ロータリー式のインターフォルダであるのが望ましい。3プライ以上の多プライ構造のティシュペーパー製品の場合、積層数が多く各層のずれが発生しやすくなるが、ロータリー式のインターフォルダは、連続シートに加わる張力が他の設備に比して弱いことなどから、各層のずれが発生しがたく、折品質も良好としやすい。よって、特に加工時に「ふんわり感」を低下させがたい。
さらに、特に、本実施形態のティシュペーパー製品を製造するにあたっては、インターフォルダとして、ロータリー式のインターフォルダを用いるのがよい。また、積層シートに対してカレンダー加工を行うのが望ましい。積層シートに対してカレンダー加工を行うことで、外層及び中層の紙厚差を生じさせやすくなる。また、特に、ロータリー式のインターフォルダで折り加工を行う場合には、インターフォルダ内で、保湿性薬液を付与するようにするのが望ましい。さらに、保湿性薬液を付与する前に第一カレンダー加工工程を行い、保湿性薬液を付与した後に第二カレンダー加工工程を行うようにすると、「ふんわりとした嵩高感」を感じられつつ、「やわらかさ」と「滑らかさ」を顕著に感じられるティシュペーパーとしやすい。
本発明のティシュペーパーを製造するのに適した例を示す。図1は、抄紙した各プライを巻き取ったロール1、2、3から各プライを繰り出し、1プライ原紙を3枚積層した状態で、金属ロール4、5間を通してカレンダー掛けした3プライの原紙ロール6を得る。
この3プライの原紙に対して適宜の形態で保湿性薬液を塗布する。
両外面をそれぞれ金属ロール4、5でカレンダー掛けすることにより、表面の平滑性が高まり、本発明の係る算術平均粗さSaを容易に得ることができる。
保湿性薬液の塗布形態としては、例えば図2の形態とすることができる。
すなわち、3プライの原紙ロール6から3プライ原紙シートを繰り出し、バット8から保湿性薬液をグラビアロール9によりピックアップし、これを金属ロール7Aに転写し、対向する他の金属ロール7B間に通しながら、3プライ原紙シートの第1の外表面に保湿性薬液を塗布し、
その後の位置において、同様の形態で、3プライ原紙シートの他方の第2の外表面に保湿性薬液を塗布するものである。
保湿性薬液を塗布したシートは、原反ロール10として巻き取る。
フレキソ方式による保湿性薬液よりも、グラビア塗布方式のほうが表面を滑らかにする効果が高いことを確認している。
保湿性薬液を塗布したシートの一対の原反ロール10A、10Bは、例えばロータリーインターホルダ11により折り畳み製品化する。
表面が滑らかな凹凸の小さい原紙3プライに外側から保湿性薬液を塗布することにより、中層の保湿性薬液濃度は低く、両外層の保湿性薬液密度は高い。さらに外層の中でも外側部の保湿性薬液密度は高く内側部の保湿性薬液密度は低いため、内層及び外層内側の比容積は高く、3プライ製品でふんわり、やわらかいティシューとなり、かつ、表面に保湿性薬液が多く存在し滑らかになる。
プライ原紙に対し、質量比で保湿性薬液の塗布量は18.5~26.8%、特に22.0~26.5%が望ましい。
他方、原紙にはクレープを形成するのが望ましく、薬液の塗布量が22.0~26.5%であるのが望ましい。
クレープ本数は38~54本/cmが望ましい。
ワンショット3Dで計測されるクレープ本数(本/cm)は、MD方向で線形状を描き、MD方向に1.0~2.0cmの山谷形状の山の数を数え、測定したMD方向の長さで除した値をいう。
ワンショット3Dで形状測定し、画面上にX-Y平面上の高さプロファイルを示し、ティシュペーパー表面の高さが色調で表される。クレープの高さ方向の形状が測定断面曲線プロファイルから確認できる。ここで、クレープはMD方向と90垂直方向に谷山が形成されているので、MD方向に1.0~2.0cmの山谷形状の山の数を数え、測定したMD長さで除した値を言う。1サンプルにつき、5点の計測値の平均値を値とする。
凹凸山頂部の尖り具合「山頂点の算術平均曲率Spc」は、3.4~3.9(1/mm)(表面の細かな凸が尖っている)が望ましい。
学振試験機を用いて測定した口紅の拭き取り試験での口紅除去率が63.0~66.0%が望ましい。適度な拭き取り性がある。口紅又はファンデーションを拭き取る効果が十分であり、かつ、口紅又はファンデーションを拭き取り過ぎない。
次いで、以上説明の本実施形態に係るティシュペーパーについて、さらに、「実施例」において特にその効果について説明する。
本発明に係るティシュペーパー及び本発明とは異なるティシュペーパーに係る試料を作成し、官能試験の欄の各項目について評価項目として、下記官能試験を行なった。各試料の物性値・組成値等は、下記のとおり測定した。各試料の物性値・組成値及び試験結果は、下記表1及び表2示されるとおりである。
〔坪量〕
JIS P 8124(1998)に従って測定した。
〔紙厚〕
JIS P 8111(1998)の条件下で、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて上述の厚みの測定方法に従って測定した。
〔乾燥引張強度〕
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した。
試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定した。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いた。つかみ間隔が100mmに設定した。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は100mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とした。(試料の調整は、JIS P 8111(1998))
〔湿潤引張強度〕
JIS P 8135(1998)の引張試験に従って測定した。
試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いた。ティシュペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定した。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG-200Nを用いた。つかみ間隔が100mmに設定した。測定は、105℃の乾燥機で10分間のキュアリングを行った試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、次に、水を含ませた平筆を用い、試験片の中央部に約10mm幅で水平に水を付与し、その後、直ちに紙片に対して上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行った。引張速度は50mm/minとした。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の湿潤引張強度とした。
〔ソフトネス〕
JIS L 1096 E法に準じたハンドルオメータ法に従って測定した。但し、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmとして実施した。1プライで縦方向、横方向の各々5回ずつ測定し、その全10回の平均値を、cN/100mmを単位として表した。ソフトネスは、やわらかさの指標の一つである。
〔圧縮特性〕
カトーテック社製「KES-G5」により測定される圧縮特性(3プライ×4組=合計12枚)についての圧縮特性である。
巻き硬さは圧縮試験機(カトーテック株式会社製のハンディー圧縮試験機KES-G5)を用いて測定する。3プライのティシュペーパーを7cm×7cmにカットし、これを4枚重ねて、圧縮試験機の試験台の上にセットする。試験片の中心に軸心が垂直に当たるように置く。KES-G5の圧縮子(面積2.0cm)を、速度0.02mm/秒の条件で最大300gf(150gf/cm)の荷重がかかるように押し込む。圧縮子が試験片を押す圧力が0.5gf/cmのときの押し込み深さをT0、圧力が150gf/cmのときの押し込み深さをTmとして、圧縮仕事量(gf・cm/cm 、圧縮回復性(%)、TmとT0の差(TM-T0、mm)を求める。測定は、10個の試験片を測定し、測定結果を平均した。
紙厚(3P)の70gf/cm加圧時の紙厚は、押し込み深さ(mm)と圧力(gf/cm)の関係をグラフ化し、圧力70gf/cmの時の押し込み深さT70(mm)を求め、さらに試料がない状態で圧力70gf/cmの時の押し込み深さTを求め、その2地点の差異(|T70-T|)を紙厚(3P)を4組で除して70gf/cm加圧時の紙厚(mm)とした。この値は1組で求めたピーコックG型紙厚測定機(プランジャー端子φ10mm、荷重70gf)の値とほぼ一致する。
圧縮弾性率(4組、70gf/cm荷重、gf/cm)は、圧力が40gf/cmから100gf/cmの範囲で、押し込み深さと圧力のグラフをエクセル機能の「挿入」の「散布図」を選択し、「類似曲線の追加」の「2次関数」を選択してグラフとし、70gf/cm荷重時のグラフの傾き(gf/cm/cm)を求め、これに70gf/cm加圧時の4組の紙厚(cm)を乗じて圧縮弾性率(gf/cm)として求めた。
〔官能試験〕
比較例5のものを基準とし、その評価を「4.0」とし、12名の評価者による評点の平均値である。
比較例5~比較例9のものは、中国での市販品である。比較例4は出願人が販売している2プライの保湿ティシュペーパーである。比較例1~3は、出願人による開発過程品である。
口紅及びファンデーションの除去及び「ふきとり性」については、日本製の2社による市販品をそれぞれ使用した。
学振試験機を用いて測定した口紅の拭き取り試験は、以下の手順で行った。
(1)EVAスポンジシート(株式会社大創 EVAスポンジシート「HRM-18P-15」)厚さ1.5mmを、幅20mm、長さ75mmにカットし、EVAスポンジシートの縦方向中央部に、幅20mm×長さ70mmの試料(ティシュペーパー)の長さ方向両端部をテープで貼りつける。
(2)学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社「AB-301」)の摩擦子表面に、EVAスポンジシートとともに試料をセットし、ネジ留めする。
(3)厚さ0.254mm、幅28mm×長さ250mmのポリスチレンシート(株式会社大創 プラバンキュコット 「SAT-17-P20 D154」)を準備し、その中央に人工皮革「クラリーノ」(クラレ株式会社)、表面積10cm(幅2cm×長さ5cm)を貼りつける。
(4)人工皮革10cmに対し7~12mgの口紅もしくはファンデーションを均一に塗り、馬毛の筆で均一に延ばして塗る。
(5)人工皮革表面にある口紅付着重量をポリスチレンシートとともに1/10000g単位で計測(A)し、学振試験機にセットする。
(6)試験片台をもっとも奥側にセットする。人工皮革の上の口紅、ファンデーションを塗った部分に接触子が当たらないようセットする。
(7)学振試験器の手前側に接触子をセットし、学振試験機のスイッチを入れて、接触子が奥側に達したときにスイッチをオフにし試験台を止める。
(8)接触子を上げ、接触子のティシュー部分に口紅、ファンデーションが幅方向に均一に付着しているのを確認する。
(9)口紅を拭き取った人工皮革の重量をポリスチレンシートとともに1/10000g単位で計測(B)する。
(10)合成皮革に残った口紅を非塗布ティシュペーパーで丁寧に拭き取り、重量をポリスチレンシートとともに1/10000g単位で計測(C)する。重量測定時は温度湿度及び振動がないことを確認し、1/10000gの表示が30秒動かないことを確認し計測値とする。
(11)口紅除去率は{(「クラリーノ」への口紅塗布量(A))-(拭き取り後の口紅残存量(B))}/(「クラリーノ」への口紅塗布量((A)-(C))×100(%)により計算する。ファンデーション除去率も同様に求める。
Figure 0007376303000001
Figure 0007376303000002
上記結果によれば、「ティッシュオフ」に適し、しかも、やわらかさ、滑らかさにも優れる3プライのティシュペーパーが得られることが分かる。

Claims (4)

  1. 中層及び両外層からなる3プライでかつ水系の保湿剤を含有するティシュペーパーであって、
    NBKP(針葉樹クラフトパルプ)及びLBKP(広葉樹クラフトパルプ)のみから構成されており、
    1プライの米坪が15.0~18.5g/m
    3プライの紙厚が176~230μm、
    前記水系の保湿剤はポリオールを主成分とする水系の保湿剤であり、この保湿剤を含み、平滑剤を含まない薬液の塗布量が18.5~26.8%、
    前記中層プライの保湿性薬液濃度は低く、前記両外層プライの保湿性薬液密度は高く、
    算術平均粗さSaが0.007~0.020mm、
    3プライで4組、合計12プライでの、圧縮仕事量が1.70~2.40gf・cm/cm 、かつ、圧縮回復性が46.0~54.5%、
    であることを特徴とするティシュペーパー。
  2. 1プライ原紙を3枚重ねた状態で、両金属ロール間を通してカレンダー掛けした3プライ原紙に対して薬液を塗布し、請求項1記載のティシュペーパーを製造する、
    ことを特徴とするティシュペーパーの製造方法。
  3. 薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の表面に薬液を塗布し、請求項1記載のティシュペーパーを製造する、
    ことを特徴とするティシュペーパーの製造方法。
  4. 薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の第1の外表面に薬液を塗布し、
    その後の位置において、薬液をグラビアロールによりピックアップし、これを金属ロールに転写し、対向する他の金属ロール間に、1プライ原紙を3枚重ねた3プライ原紙を通しながら、3プライ原紙の他方の第2の外表面に薬液を塗布し、
    請求項1記載のティシュペーパーを製造する、
    ことを特徴とするティシュペーパーの製造方法。
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