JP7371627B2 - 画像表示装置及び画像表示方法 - Google Patents

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Description

本技術は、スクリーン等に画像を表示する画像表示装置、及び画像表示方法に関する。
従来、スクリーン等に光を照射して画像を表示する技術が開発されている。例えば特許文献1には、バックライト光をスクリーンに照射する画像表示装置が記載されている。この画像表示装置では、画像表示に寄与するパネル(スクリーン)として、バックライト光を拡散するPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)パネルと、バックライト光に対する透過率を制御する液晶パネルとが用いられる。バックライト光の拡散及び透過を制御することで、背景の透過や黒表示等が可能な画像表示が実現される(特許文献1の明細書段落[0027][0051][0054][0055]図1、及び図10等)。
国際公開第2014/017344号
このように、スクリーン等での画像表示を制御する技術が開発されており、スクリーン等に対して視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能な技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、スクリーン等に対して視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能な画像表示装置及び画像表示方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像表示装置は、スクリーンと、照射部と、撮影部と、制御部とを具備する。
前記スクリーンは、所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有する。
前記照射部は、前記所定の光及び画像光の少なくとも一方を前記スクリーンに照射可能である。
前記撮影部は、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態を撮影する。
前記制御部は、前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度を制御する。
この画像表示装置では、所定の光によりスクリーンの表示部材の光学特性が変化する。スクリーンには所定の光及び画像光が照射され、スクリーンの状態が撮影される。このスクリーンの状態に応じて、所定の光及び画像光の照射強度を制御することで、例えばスクリーンの光学特性等を適正に制御することが可能となる。この結果、スクリーン等に対して視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能となる。
前記表示部材は、前記所定の光の照射に応じて透過率または反射率が変化してもよい。
これにより、光の透過や反射を制御してスクリーンの黒輝度を変化させることが可能となり、例えばコントラストの高い視認性に優れた画像表示を実現することが可能となる。
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影してもよい。
これにより、例えば各位置での表示部材の温度等を同時に容易に検出することが可能となり、表示部材の状態に合わせた画像表示等を容易に行うことが可能となる。
前記制御部は、前記撮影された温度分布に応じて前記所定の光の照射強度を制御してもよい。
これにより、前記スクリーンに投影される映像信号の各座標位置において、温度に合わせて表示部材の光学特性を高精度に制御するといったことが可能となり、黒輝度を用いた高精度な画像表示を実現することが可能となる。
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの輝度分布を撮影してもよい。
これにより、観察環境によるスクリーンの実際の明るさ等を容易に検出することが可能となり、この明るさに合わせた画像表示等を同時に容易に行うことが可能となる。
前記制御部は、前記撮影された輝度分布に応じて前記画像光の照射強度を制御してもよい。
これにより、スクリーンの輝度に合わせて画像光の輝度を調節するといったことが可能となり、観察環境の背景や外光等により画像の視認性が低下することを十分に抑制することが可能となる。
前記所定の光は、前記画像光とは異なる波長域の光であってもよい。
これにより、スクリーンに表示される画像の色表現を損なうことなく、所望の黒輝度を表示することが可能となり、視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能となる。
前記照射部は、前記所定の光となる第1の出射光及び前記画像光となる第2の出射光の少なくとも一方を出射する光源部と、入力される画像情報に基づいて、前記第1の出射光を変調して前記所定の光を生成し、前記第2の出射光を変調して前記画像光を生成する生成部とを有してもよい。
これにより、所定の光及び画像光を精度よく生成することが可能となる。また光源部や生成部を制御することで、所定の光及び画像光の照射強度等を精度よく制御可能となる。
前記制御部は、第1の画像情報に基づいて生成された前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態に応じて、前記第1の画像情報の次の画像情報である第2の画像情報により指定される前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の照射強度を補正してもよい。
これにより、スクリーンの状態に合わせて、次に表示される画像が適正に表示されるように所定の光及び画像光の照射強度を制御することが可能となり、十分に高品質な画像表示を実現する事が可能となる。
前記表示部材は、前記所定の光が照射される領域に黒領域を表示してもよい。この場合、前記制御部は、前記第2の画像情報により前記黒領域に指定される前記スクリーン上の予定領域の温度に応じて、前記予定領域に照射される前記所定の光の照射強度を補正してもよい。
これにより、例えば、次に表示される画像の黒領域を適正なタイミングで表示可能となり、コントラストが高く視認性に優れた動画像等を精度よく表示することが可能となる。
前記制御部は、前記スクリーン上の前記予定領域とは異なる他の領域に対する前記所定の光の照射を規制してもよい。
これにより、例えば、前に表示された画像の黒領域を速やかに消色することが可能となる。この結果、次に表示される画像を高精度に表示することが可能となる。
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影してもよい。この場合、前記画像表示装置は、さらに、前記スクリーンの温度分布に基づいて、ユーザが接触した前記スクリーン上の接触位置を検出する接触検出部を具備してもよい。
これにより、ユーザがスクリーンを触れることで行う操作入力等を容易に検出することが可能となり、直観的なインタフェースを容易に実装することが可能となる。
前記照射部は、前記所定の光及び前記画像光を共通の光路に沿って導光し、前記導光された前記所定の光及び前記画像光を所定の軸に沿って出射する出射光学系を有してもよい。
これにより、所定の光及び画像光の光路や出射光学系等が共通化され、各光の照***度を向上することが可能となる。また装置サイズや製造コスト等を抑制することが可能となる。
前記画像表示装置は、さらに、前記共通の光路に配置され、前記出射光学系を通過した前記スクリーンからの光を分岐する分岐部を具備してもよい。この場合、前記撮影部は、前記分岐された光に基づいて前記スクリーンの状態を撮影してもよい。
これにより、所定の光及び画像光が導光する共通の光学系を用いて、スクリーンを撮影することが可能となり、装置サイズ等を抑制することが可能となる。
前記スクリーンは、前記所定の軸の周囲の少なくとも一部に配置されてもよい。この場合、前記照射部は、前記出射光学系により出射された前記所定の光及び前記画像光を前記スクリーンに入射させる光学部を有してもよい。
これにより、例えば全周スクリーン等に対して視認性の高い全周画像等を表示することが可能となる。
前記スクリーンは、前記所定の軸を略中心軸とする円筒形状で構成されてもよい。
これにより、例えば円筒形の全周スクリーン等に対して視認性の高い全周画像等を表示することが可能となる。
前記表示部材は、正対視において可視域の波長に対して光透過性を有してもよい。
これにより、透過スクリーンを構成することが可能となり、透過スクリーンに対してコントラストが高く視認性に優れた高品質な画像表示を実現することが可能となる。
前記表示部材は、前記画像光により構成される画像を表示する表示層と、前記所定の光の照射に応じて光学特性が変化する調光層とを有してもよい。
これにより、例えば高コントラストな画像表示を実現するスクリーンを容易に構成することが可能となる。
前記調光層は、ロイコ色素またはフォトクロミック材料を含んで構成されてもよい。
これらの材料を用いることで、例えば光学特性を変化させることが可能なスクリーン等を低コストで実現することが可能となる。
本技術の一形態に係る画像表示方法は、コンピュータシステムにより実行される画像表示方法であって、所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有するスクリーンに、前記所定の光及び画像光の少なくとも一方を照射することを含む。
前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態が撮影される。
前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度が制御される。
以上のように、本技術によれば、スクリーン等に対して視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の第1の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。 スクリーンの構成例を示す模式的な断面図である。 スクリーンに対する画像投射の一例を示す模式図である。 画像表示装置による表示制御の一例を示すフローチャートである。 画像表示装置による表示制御の処理フロー示すブロック図である。 画像データの一例を示す模式図である。 スクリーンの温度分布の一例を示す模式図である。 画像データの他の一例を示す模式図である。 スクリーンの温度分布を表す3次元データの構成例を示す模式図である。 補正強度分布の算出処理を説明するための模式図である。 第2の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。 スクリーンの輝度分布の一例を示す模式図である。 画像表示装置による表示制御の処理フロー示すブロック図である。 第3の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。 第4の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。 リア型のスクリーンに対する画像投射の一例を示す模式図である。 第5の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。 円筒形状のスクリーンに対する画像投射の一例を示す模式図である。 円筒形状のスクリーン用の画像データの一例を示す模式図である。 円筒形状のスクリーンの温度分布の一例を示す模式図である。 円筒形状のスクリーン用の画像データの他の一例を示す模式図である。 比較例として挙げる円筒スクリーンの構成例を示す模式図である。 スクリーンに対する接触位置を検出する処理の一例を示す模式図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
[画像表示装置の構成]
図1は、本技術の第1の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。画像表示装置100は、スクリーン10と、画像投射部20とを有する。画像表示装置100は、画像投射部20からスクリーン10に向けて光が投射されることにより、スクリーン10上に画像が表示される投射型の表示装置である。なお、本開示において、「画像」とは、静止画像及び動画像を含む。
画像表示装置100では、後述するように画像投射部20により、可視光の波長域の光である画像光1と、画像光1とは異なる波長域の光である制御光2とが出射される。ここで画像光1とは、画像を構成する光であり、典型的には赤色光R、緑色光G、及び青色光Bを含む光である。制御光2の波長域は、これらのRGBの波長域の光とは異なる波長となるように設定される。本実施形態では、制御光2は、所定の光に相当する。
図2は、スクリーン10の構成例を示す模式的な断面図である。図3は、スクリーン10に対する画像投射の一例を示す模式図である。スクリーン10は、画像を表示する表示部材11を有し、光が投射されることで画像を表示する投射スクリーンとして機能する。表示部材11、例えば画像投射部20から出射された光(画像光1及び制御光2)が適正に照射されるように、図示しない基体やフレーム等により所定の位置に支持される。
表示部材11は、表示層12と、調光層13と、保護層14とを有する。図2に示すように、表示部材11(スクリーン10)は、画像投射部20からの光が投射される側から、調光層13、保護層14、及び表示層12がこの順番で積層された構造となっている。
表示層12は、画像光1により構成される画像を表示する。本実施形態では、表示層12は、入射した画像光1を、反射あるいは回折することにより、当該画像光1が入射した側に出射することで画像を表示するフロントスクリーンとして機能する(図3参照)。表示層12は、一般的に用いられるスクリーンであり、例えばマットスクリーン、パールスクリーン、シルバースクリーン、ビーズスクリーンおよび透過スクリーン等が挙げられる。
マットスクリーンは、例えば、表面に散乱剤を含む塗料が塗布された布地や樹脂シートによって構成された、いわゆる拡散型のスクリーンである。パールスクリーンおよびシルバースクリーンは、表面にパール系樹脂や金属粉末系の塗料が塗布された、いわゆる反射型のスクリーンである。ビーズスクリーンは、表面に光学レンズガラス球が塗布されたものである。透過スクリーンは、例えば正対視において可視域の波長の光に対して光透過性を有するものであり、ビニールやアクリル、ガラス等によって構成される半透明のスクリーンである。
表示層12は、この他、回折光学素子(ホログラム等)、ハーフミラー、表面プラズモン粒子、コレステリック液晶およびフレネルレンズ等を用いて構成されていてもよい。表示層12の具体的な構成は限定されない。例えば表示層12は、画像投射部20から投射されたRGBの光(画像光)を反射するものであればよく、例えば壁面等を用いて表示層12が構成されてもよい。
調光層13は、制御光2の照射に応じて光学特性が変化する。具体的には、調光層13は、制御光2の照射に応じて反射率または透過率が変化するように構成される。例えば、調光層13は、画像光1として用いられる波長(RGB)とは異なる波長の光(制御光2)を吸収して透過率または反射率が変化(低下)するものである。
このように制御光2は、調光層13の光学特性を制御するための光であるとも言える。制御光2は、例えば、350nm以上420nm以下または700nm以上2.5μm以下の波長の光を用いることが好ましい。具体的には、例えば、紫外線(UV)や赤外線(IR)が挙げられる。これにより、画像の色表現を損なうことなく、調光層13の透過率または反射率を変化させることが可能となる。ここで「調光」とは、画像のコントラストを向上させるために、スクリーンの透過率または反射率を変化させることとする。
調光層13は、フォトクロミック材料を含んで構成される。フォトクロミック材料は、光(制御光2)の作用により色(吸収スペクトル)の異なる2つの状態が可逆的に変化する材料である。例えば制御光2が照射された領域では、透過率または反射率を低下させることが可能となる。この結果、制御光2が照射された部分を、例えば黒色等に変化させることが可能となる。なお、黒色の他に青色、紫色、茶色、赤色等の他の色に変化可能であってもよい。
フォトクロミック材料としては、例えば有機材料によって構成されるフォトクロミック色素が挙げられる。フォトクロミック色素は、例えば2つに分類される。1つは、制御光2の照射を停止すると透明状態に戻るT型フォトクロミック色素であり、もう1つは着色する光とは別の波長によって透明状態に戻るP型フォトクロミック色素である。T型フォトクロミック色素としては、スピロピラン、ヘキサアリルビイミダゾール、オキサジン、ナフトピランおよびアゾベンゼン等が挙げられる。P型フォトクロミック色素としては、フルギドおよびジアリールエテン等が挙げられる。
またフォトクロミック材料としては、有機材料であるフォトクロミック色素の他に、バリウムマグネシウムケイ酸塩やハロゲン化銀等の無機材料を用いてもよい。この他、フォトクロミック材料の種類や型等は限定されず、例えば制御光2により反射率等を制御可能な任意のフォトクロミック材料が用いられてよい。
調光層13は、上記したフォトクロミック材料をポリマー等の母材に分散し、これを膜として、例えば表示層12(保護層14)上に成膜することで形成される。母材は、表示を損なわないために可視域に吸収を持たないことが好ましい。これにより、画像光1を変質させることなく通過させることが可能となる。また母材は、制御光2に対して吸収を持たないことが好ましい。これによりフォトクロミック材料に対して制御光2を効率的に照射することが可能となる。
母材に用いられる材料は限定されず、例えば、ナイロン、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルクロライド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリサルフォン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンフロリド、ポリヘキサフルオロプロピレン、セルロースアセテート、コラーゲン、ゼラチン、キトサンおよびポリシロキサン等のポリマーまたはそれらのコポリマー等が挙げられる。この他、上記有機材料と、シリカ、アルミナ、チタニアまたはジルコニア等の無機材料とを組み合わせた有機無機ハイブリッド材料等が挙げられる。
また調光層13は、ロイコ色素を含んで構成されてもよい。ロイコ色素は、例えば光や熱により変色する物質である。調光層13は、例えば光(制御光2)を照射することで所望の反射率または透過率の変化を生じるロイコ色素を用いて構成される。ロイコ色素としては、例えば、一般的な感熱紙に用いられているフルオラン化合物が挙げられる。ロイコ色素は、顕色剤と呼ばれる酸性化合物と共に用いることによって可逆的に発色または消色する。このように、ロイコ色素を用いる場合であっても、制御光2の照射に応じて黒色の領域等を発生させることが可能である。
この他、調光層13の具体的な構成は限定されず、例えば制御光2を照射することで、光学特性が変化する任意の材料が適宜用いられてよい。また例えば、制御光2の照射に応じて、所望の画像表示が可能となるように、光の吸収率(消衰係数等)や屈折率等の光学特性が変化する材料が調光層13として用いられてもよい。
保護層14は、表示層12に対する制御光2の照射をカットして、制御光2の照射による表示層12の劣化(黄変)を抑制する。保護層14は、例えば制御光2として用いられる紫外線(UV)や赤外線(IR)を選択的に吸収または反射する材料を用いて形成される。このような材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等の散乱剤や、メトキシケイヒ酸オクチル(あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン-3、シアニン色素、フタロシアニン色素、スクアリリウム色素等の吸収剤が挙げられる。
保護層14の厚みは、例えば1μm以上200μm以下に設定される。これに限定されず、表示層12の劣化等が十分に抑制可能となるように、使用される制御光2の強度等に応じて、保護層14の厚みが適宜設定されてよい。なお、保護層14が設けられない構成、すなわち表示層12と調光層13とが直接積層される構成であっても、本技術は適用可能である。
図3には、画像投射部20からスクリーン10に向けて照射された制御光2及び画像光1の光路の一例が模式的に図示されている。以下では、スクリーン10において画像投射部20に向けられた面を、スクリーン10の前面S1と記載し、前面S1の反対側の面をスクリーン10の後面S2と記載する。
スクリーン10の前面S1に入射した制御光2は、例えば調光層13のフォトクロミック材料等に吸収される。この結果、制御光2が照射された領域の反射率または透過率が低下し、その領域が黒色等に変化する。別の観点では、制御光2を照射することで、スクリーン10上の任意の位置に黒色の領域等を生成することが可能となる。
このように、表示部材11(スクリーン10)は、制御光2が照射された領域に黒領域3を表示する。なお黒領域3は、実際に黒色となる場合に限定されず、例えばフォトクロミック材料やロイコ色素等の特性に応じた他の色が発色する領域であってもよい。また諧調の異なる黒色(グレースケール)が発色する領域も、黒領域3に含まれる。なおグレースケールは、例えば制御光2の照射強度を制御することで表示可能である。
またスクリーン10の前面S1に入射した画像光1は、調光層13及び保護層14を通過して表示層12に到達する。表示層12では、例えば可視光である画像光1が拡散反射されて、前面S1側に出射される。これにより、スクリーン10の前面S1側にカラー画像等を表示することが可能となる。
例えば図1に示すように、顔の画像がスクリーン10に表示されるとする。この場合、例えば黒色等の表示が指定される領域(黒目や眉毛等)には、制御光2が照射される。これにより、黒領域3には黒輝度の抑制された黒目や眉毛等を表示することが可能となる。また例えば、カラー表示が指定される領域(唇や皮膚等)には画像光1が照射され、カラー画像が表示される。従ってスクリーン10には、制御光2により表示された黒領域3と画像光1により表示されたカラー画像とを含む画像が表示される。この結果、輝度幅が広くコントラストの高いカラー表示等を実現することが可能となる。
図1に示すように、画像投射部20は、光源装置21、強度調整部22、画像生成光学系23、投射光学系24、光線分岐部25、撮像装置26、及びコントローラ27を有する。本実施形態では、画像投射部20は、変調された光線(ビーム)をスキャンすることで画像表示を行う走査型のプロジェクタとして構成される。
光源装置21は、制御光2及び画像光1となる光を出射する光源であり、第1の光源30及び第2の光源31を有する。本実施形態では、光源装置21は、光源部に相当する。
第1の光源30は、制御光2となる第1の出射光を出射する。上記したように、制御光2は、画像光1(RGBの光)とは波長域の異なる光であり、例えば紫外線(UV)あるいは赤外線(IR)等の光である。従って、第1の光源30は、第1の出射光として、RGB以外の光を出射するように構成される。
第1の光源30としては、例えば半導体レーザ(LD)または発光ダイオード(LED)等の固体光源が用いられる。また例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプクリプトンランプ、メタルハライドランプ、ナトリウムランプおよびHIDランプ等が第1の光源30として用いられてもよい。
第2の光源31は、画像光1となる第2の出射光を出射する。図1に示す例では、赤色光Rを出射する赤色光源31Rと、緑色光Gを出射する緑色光源31Gと、青色光Bを出射する青色光源31Bとが第2の光源31として用いられる。これらの光源31R~31Bから出射されたRGBの光が第2の出射光となる。
赤色光源31R、緑色光源31G、及び青色光源31B(第2の光源31)は、例えば半導体レーザ(LD)または発光ダイオード(LED)等の固体光源を用いてそれぞれ構成される。第2の光源31の具体的な構成は限定されず、RGBの光を出射可能な任意の光源が用いられてよい。
強度調整部22は、光源装置21に含まれる各光源の出力をそれぞれ調整する。例えば強度調整部22は、第1の光源30、赤色光源31R、緑色光源31G、及び青色光源31Bの各々に接続される電力ユニット(光源ドライバ)等により構成される。従って強度調整部22は、第1の出射光、赤色光R、緑色光G、及び青色光Bの強度を調整するとも言える。
画像生成光学系23は、第1の出射光及び第2の出射光から、制御光2及び画像光1をそれぞれ生成する光学系である。本実施形態では、画像生成光学系23は、光源装置21から出射された第1の出射光及び第2の出射光を走査する走査機構として機能する。画像生成光学系23としては、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical System)、DMD(Digital Mirror Device)、ガルバノミラー等の走査機構が用いられる。
本実施形態では、スクリーン10に表示される画像の情報(以下画像データと記載する)に基づいて、制御光2及び画像光1がそれぞれ生成される。画像データは、例えば画像に含まれる各画素のRGB値等を指定するデータである。画像データの形式等は限定されず、静止画像や動画像用の任意の画像データが用いられてよい。本実施形態では、画像データは、画像情報に相当する。
例えば強度調整部22により、各画素の黒色の明るさを表す黒レベル(輝度値等)に応じて第1の光源30の出力が調整され、第1の出射光の強度が時分割で変調される。また各画素のRGB値等に応じてRGBの各光源31R~31B(第2の光源31)の出力が調整され、RGBの各光(第2の出射光)の強度が時分割で変調される。時分割で強度が変調された第1の出射光及びRGBの各光は、例えば同一の光路に沿って一本の光線として出射される。
第1の出射光及びRGBの各光を含む光線は、画像生成光学系23の走査機構により、各画素に対応する光が適正な位置に出射されるように走査される。この結果、画像生成光学系23からは、画像データで表される画像を表示するための制御光2及び画像光1が出射される。図1に示すように、画像生成光学系23から出射された制御光2及び画像光1は、共通の光路32に沿って導光されて、後段の投射光学系24に入射する。
このように、強度調整部22及び画像生成光学系23は、入力される画像データに基づいて、第1の出射光を変調して制御光2を生成し、第2の出射光を変調して画像光1を生成する。制御光2及び画像光1を用いることで、例えば所定のフレームレートでの画像表示等を実現することが可能である。本実施形態では、強度調整部22及び画像生成光学系23が共動することで、生成部が実現される。
投射光学系24は、共通の光路32に沿って導光された制御光2及び画像光1を光軸Oに沿って出射する。図1に示すように、本実施形態では、投射光学系24の光軸Oがスクリーン10と交差するように、スクリーン10及び画像投射部20が配置される。本実施形態では、光軸Oは、所定の軸に相当し、投射光学系24は、出射光学系に相当する。
投射光学系24は、例えば制御光2及び画像光1を投射するための所定のレンズ系を用いて構成され、制御光2及び画像光1をスクリーン10に合わせて拡大投射する光学系である。投射光学系24の具体的な構成は限定されず、スクリーン10のサイズや画像投射部20の配置位置等に合わせて適宜構成されてよい。また、焦点位置の調整機構やズーム機能等を備えた光学系が用いられてもよい。
このように、光源装置21、強度調整部22、及び画像生成光学系23により生成された制御光2及び画像光1が、投射光学系24によりスクリーン10に照射される。本実施形態では、光源装置21、強度調整部22、画像生成光学系23、及び投射光学系24により、所定の光及び画像光をスクリーンに照射可能な照射部が構成される。
光線分岐部25は、画像生成光学系23と投射光学系24との間の共通の光路32に配置され、投射光学系24を通過したスクリーン10からの光を分岐する。光線分岐部25としては、例えばハーフミラー、ビームスプリッタ、及びダイクロイックミラー等の光学素子が用いられる。なお、スクリーン10からの光には、例えばスクリーン10により反射された制御光2及び画像光1や、スクリーン10を介して入射する外光や、スクリーン10から放射される赤外線(放射光)等が含まれる。本実施形態では、光線分岐部は25、分岐部に相当する。
本実施形態では、後述するように、スクリーン10からの光のうち赤外領域の放射光が参照される。光線分岐部25は、例えば所望とする赤外領域の放射光を選択的に分岐するように構成される。また光線分岐部25は、例えば制御光2及び画像光1を通過するように構成される。これにより、制御光2や画像光1への影響を抑制しつつ、スクリーン10から放射される赤外領域の放射光等を精度よく抽出することが可能となる。
撮像装置26は、制御光2及び画像光1が照射されたスクリーン10の状態を撮影する。すなわち、撮像装置26は、画像が表示されているスクリーン10を撮影して、スクリーン10の状態を検出するとも言える。図1に示すように、スクリーン10からの光は、光線分岐部25で分岐されて撮像装置26に入射する。撮像装置26は、光線分岐部25により分岐された光に基づいてスクリーン10の状態を撮影する。本実施形態では、撮像装置26は、撮影部に相当する。
本実施形態では、撮像装置26は、スクリーン10の状態としてスクリーン10の温度分布を撮影する。スクリーン10の温度分布は、例えばスクリーン10から放射される赤外線(放射光)を検出することで撮影される。従ってスクリーン10の温度分布は、スクリーン10に投影される映像信号の各座標位置に相当するスクリーン10上の各座標位置の温度を表す3次元測定値として取得されることになる。ここで3次元測定値とは、例えば(X,Y)の2次元座標と、各座標位置での赤外線の強度(Z成分)とを含む3つの成分で表されるデータである。
温度分布に含まれる各データ点は、スクリーン10に表示される画像の各画素と対応付けることが可能である。これにより、例えばある画素の表示位置におけるスクリーン10の温度を参照するといったことが可能となる。
また本実施形態では、スクリーン10に照射される光と、スクリーン10からの光とが、同じ光学系(投射光学系24)を通過する。これにより、例えばスクリーン10に照射される光の光軸と、スクリーン10からの光の光軸とを、同軸とすることが可能である。この結果、制御光2及び画像光1の照射範囲と、撮像装置26の撮影範囲との位置ズレ等を十分に回避することが可能となる。この結果、温度分布の各データ点とスクリーン10上の各画素とを精度よく対応付けることが可能となり、スクリーン10上の各画素の表示位置の温度を精度よく検出することが可能となる。
スクリーン10の放射光は、例えば可視光線を吸収し赤外線を透過するフィルタ(IRフィルタ)等を用いて検出可能である。撮像装置26としては、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサに、IRフィルタ等を組み合わせた赤外線カメラ等が用いられる。
コントローラ27は、画像投射部20が有する各ブロックの動作を制御する。コントローラ27は、例えばCPUやメモリ(RAM、ROM)等のコンピュータに必要なハードウェア構成を有する。CPUがROM等に予め記憶されているプログラムをRAMにロードして実行することにより、本技術に係る画像表示方法が実行される。
コントローラ27として、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスが用いられてもよい。
本実施形態では、CPUが所定のプログラムを実行することで、機能ブロックとしての比較部28が構成される。この他、コントローラ27には、画像投射部20を動作させるための各種の処理を実行する機能ブロック等が適宜構成される。プログラムは、例えば種々の記録媒体を介してコントローラ27にインストールされる。あるいは、インターネット等を介してプログラムのインストールが実行されてもよい。
比較部28は、スクリーン10の温度分布と、次に表示される画像の画像データとを比較して、制御光2の照射強度を制御する。ここで次に表示される画像とは、例えば所定のフレームレートで行われる画像表示等において、現在のフレームの次のフレームで表示される画像である。
本実施形態では、比較部28により、次に表示される画像の画像データにより指定される制御光2の照射強度を補正した補正強度分布が算出される。従って補正強度分布は、次の画像(次のフレーム)を表示するための制御光2の照射強度を指定したデータとなる。別の観点では、補正強度分布は、制御光2の照射強度を制御するための制御値であるとも言える。
算出された補正強度分布は、上記した強度調整部22に入力される。そして強度調整部22より補正強度分布に基づいて第1の光源30の出力(第1の出射光の強度)が変調される。これにより、スクリーン10の温度分布に応じた照射強度で、制御光2をスクリーン10に向けて照射することが可能となる。
このように比較部28は、撮影されたスクリーン10の状態に応じて、制御光2のスクリーン10に対する照射強度を制御する。本実施形態では、比較部28は、制御部に相当する。比較部28の動作については、図10等を用いて後に詳しく説明する。
[画像表示装置による表示制御]
図4は、画像表示装置100による表示制御の一例を示すフローチャートである。図5は、画像表示装置100による表示制御の処理フロー示すブロック図である。図5では、図1に示す画像生成光学系23及び投射光学系24の図示が省略されている。
図4及び図5に示す表示制御は、例えば画像投射部20の動作中に繰り返し実行されるループ処理である。このループ処理は、例えば画像表示の開始・終了に合わせて実行される。あるいは、表示制御を実行するモード等が選択されて、ループ処理の実行の有無等が切り替えられてもよい。
本実施形態では、図5に示すように、撮像装置26の出力が比較部28にフィードバックされて、制御光2の照射強度が制御される。従って、図4及び図5に示す表示制御は、制御光2に対するフィードバック制御であるとも言える。また、このフィードバック制御は、例えば所定のフレームレートで表示される各フレームごとにそれぞれ実行される。従ってループ処理の繰り返し頻度は、画像表示のフレームレートと同様の頻度となる。
なお最初のループ処理は、例えば制御光2に対するフィードバックが実行されていない状態で開始される。また2回目以降のループ処理は、直前に実行されたループ処理による制御光2のフィードバックが実行された状態で開始される。いずれの場合であっても、適正にフィードバック制御を実現することが可能である。
まず撮像装置26により、スクリーン10の温度分布が撮影される(ステップ101)。例えば、スクリーン10から投射光学系24を介して画像投射部20に入射した光は、光線分岐部25により分岐されて撮像装置26(赤外線カメラ)に入射する。撮像装置26では、イメージセンサ等によりスクリーン10からの光に含まれる赤外光が検出され、スクリーン10の温度分布が撮影される。図5には、光線分岐部25で分岐され、撮像装置26に入射するスクリーン10からの光が点線で模式的に図示されている。
スクリーン10の撮影は、スクリーン10に画像が表示された状態で行われる。すなわち、スクリーン10に対して制御光2及び画像光1が照射された状態で、スクリーン10の温度分布が撮影される。以下では、スクリーン10の温度分布が撮影されたタイミングで表示されていた画像の画像データを、第1の画像データと記載する。
図6は、画像データの一例を示す模式図である。図6には、矩形の表示範囲の中央に顔の画像を表示する画像データ40が模式的に図示されている。この画像データ40は、図1に示すスクリーン10に表示された顔の画像のデータである。
以下では、図6に示す画像データ40を、スクリーン10が撮影される際に用いられていた第1の画像データ40aとして説明を行う。なお、他のタイミングでスクリーン10が撮影される際には、図6に示す画像データ40とは異なる他の画像データ40が、第1の画像データ40aとなる。
例えば、第1の画像データ40aには、黒色に指定されている画素(黒画素41)が含まれる。例えば、黒目や眉毛等を表す画素が黒画素41の一例である。この黒画素41の情報(黒レベルや画素位置)に基づいて、黒画素41を表示する制御光2が生成される。この結果、制御光2が照射されたスクリーン10上の領域、すなわち黒画素41が投影される領域には、黒領域3が表示される(図1参照)。
また例えば、第1の画像データ40aには、黒色以外の色が指定されている画素(カラー画素42)が含まれる。例えば唇や肌等を表す画素がカラー画素42の一例である。このカラー画素42の情報(RGB値や画素位置)に基づいて、カラー画素42を表示する画像光1が生成され、スクリーン10に向けて照射される。この結果、例えば顔の画像をフルカラーで表示することが可能となる。
なお、第1の画像データ40aにおいて、斜線で示された領域は、特定の色が指定されない領域(以下透明領域43と記載する)である。透明領域43は、白黒やカラー等の表示色が指定されない領域であり、例えば制御光2及び画像光1がほとんど照射されない領域である。
図7は、スクリーン10の温度分布の一例を示す模式図である。図7には、図6に示す第1の画像データ40を用いた画像が表示されているスクリーン10の温度分布44が、グレースケールを用いて模式的に図示されている。なおグレースケールの濃度が濃いほど、高い温度を表している。
上記したように、スクリーン10上の黒目や眉毛等が表示された黒領域3には、紫外線UVや赤外線IR等の制御光2が照射される。例えば黒領域3に供給される光エネルギーの一部が熱エネルギーとしてスクリーン10に吸収されると、黒領域3の温度が増加する。この結果、温度分布44に示すように、黒領域3に対応する画素では相対的に高い温度が検出される場合が考えられる。
また可視光である画像光1が照射されたスクリーン10上の領域(顔の輪郭に対応する領域)においても、画像光1のエネルギーが熱エネルギーとして吸収され、温度が高くなる場合があり得る。また例えば、それまでの画像表示に伴う熱が蓄積されることで、スクリーン10全体にわたって温度分布が生じることもあり得る。
この他にも、例えばスクリーン10が配置された場所の外気温度(例えばエアコンからの送風等)により温度むらが生じる可能性がある。またユーザ等がスクリーン10に触れることでスクリーン10の温度が変化することも考えられる。このように、スクリーン10の温度分布44には、現在表示している表示画像(制御光2や画像光1)による温度や、外気環境の温度、手や指等の接触による温度等の情報が含まれる。
図4に戻り、スクリーン10の温度分布が撮影されると、比較部28により、制御光2の補正強度分布が算出される(ステップ102)。図5に示すように、比較部28には、スクリーン10の温度分布44である3次元測定値と、第1の画像データ40aの次の画像データ40である第2の画像データが入力される。
図8は、画像データ40の他の一例を示す模式図である。以下では、図8に示す画像データ40を、図6に示す第1の画像データ40aの次に用いられる第2の画像データ40bとして説明を行う。第2の画像データ40bでは、第1の画像データ40aと比べ、黒目の位置や眉毛の形状が異なっている。従って、次に表示する画像では、制御光2の照射位置や照射強度等が変更されることになる。
本実施形態では、第1の画像データ40aに基づいて生成された制御光2及び画像光1が照射されたスクリーン10の状態に応じて、第1の画像データ40aの次の画像データ40である第2の画像データ40bにより指定される制御光2の照射強度が補正される。具体的には、ステップ101で撮影されたスクリーン10の温度分布44に応じて、第2の画像データ40bにより指定される制御光2の照射強度を補正した補正強度分布が算出される。
図9は、スクリーン10の温度分布44を表す3次元データの構成例を示す模式図である。図10は、補正強度分布の算出処理を説明するための模式図である。以下では、図9及び図10を参照して、補正強度分布47の算出処理について説明する。
図9には、温度分布44を表す3次元データが図示されている。3次元データは、縦方向及び横方向に沿って配列された複数のデータ点45を含み、各データ点45(画素)に対応するスクリーン10の各点の温度の測定値(温度の大小が測定値に相当)等が格納される。すなわち温度分布44は、スクリーン10の各点の温度が記録された3次元画像データと見做すことが可能である。
例えば、高い値が記録されたデータ点45(データが深い画素)に対応するスクリーン10上の点は、温度が高い点となる。逆に、低い値が記録されたデータ点45(データが浅い画素)に対応するスクリーン10上の点は、温度が低い点となる。
温度分布44に含まれる各データ点45は、スクリーン10に表示される画像の各画素と対応付けられる。以下では、画像データ40の画素I(x,y)と、温度分布44のデータ点T(x,y)とが対応するものとする。すなわち、データ点T(x,y)に記録された温度は、画素I(x,y)が表示される位置の温度を表すものとする。なおxは図中の横方向のデータ点の位置を表す指標であり、yは図中の縦方向のデータ点の位置を表す指標である。
このような対応付けは、例えば画像データ40と同様の解像度を有する撮像装置26を用いて、撮像装置26を適宜位置合わせすることで実現可能である。なお各画素と各データ点を1対1で対応させる場合に限定されず、任意の方法を用いた対応付けが可能である。例えば互いに隣接する複数の画素を1つのデータ点に対応付けてもよい。また例えばコンボリューションやフィルタ処理等を用いて、画素及びデータ点の対応付け、すなわち画像データ40と温度分布44との対応付けが実行されてもよい。
図10の左上の図は、図9に示す部分領域46におけるスクリーン10の温度分布44を示す模式図であり、グレースケールが濃いほど高い温度を表わす。部分領域46は、5×5のデータ点45のブロックで構成される。以下では、温度分布44の左下のデータ点45をT(1,1)と記載する。従って、例えば温度分布44の左上のデータ点45はT(1,5)となる。
図10の右上の図は、温度分布44が撮影されたタイミングで部分領域46に表示されていた現在の表示画像のデータ(第1の画像データ40a)を示す模式図である。第1の画像データ40aでは、グレースケールが濃いほど黒輝度が低い状態、すなわち暗い色であることを表わす。また、第1の画像データ40aの画素Ia(x,y)は、温度分布44のデータ点T(x,y)と対応付けられる。すなわち、第1の画像データ40aの左下の画素Ia(1,1)は、温度分布44のデータ点T(1,1)に対応する。
図10の右下の図は、部分領域46に表示される次の表示画像のデータ(第2の画像データ40b)を示す模式図であり、グレースケールが濃いほど黒輝度が低い状態を表わす。第2の画像データ40bの画素Ib(x,y)は、温度分布44のデータ点T(x,y)と対応付けられる。
図10の左下の図は、部分領域46における補正強度分布47の一例を示す模式図である。補正強度分布47の画素C(x,y)は、第2の画像データ40bの画素Ib(x,y)、すなわち温度分布44のデータ点T(x,y)に対応付けられる。補正強度分布47の各画素Cの色は、制御光2の照射強度(第1の出射光の出射強度)を表しており、グレースケールが濃いほど照射強度が高い状態を表わす。
以下では、第1の画像データ40aの画素Ia(x,y)が表示されるスクリーン10上の照射位置をS(x,y)と記載する。例えばT(x,y)は、スクリーン10上の照射位置S(x,y)の温度を表している。また第2の画像データ40bの画素Ib(x,y)は、次のタイミングで照射位置S(x,y)に表示する予定の色を表している。また補正強度分布47の画素C(x,y)は、照射位置S(x,y)に照射される制御光2の照射強度の補正値を表している。
例えば第1の画像データ40aでは、部分領域46の中央の画素Ia(3,3)の表示色として黒色が指定されている。従って、Ia(3,3)が表示される照射位置S(3,3)には、制御光2が照射される。この結果、照射位置S(3,3)には黒領域3が表示される。照射位置S(3,3)の温度は、温度分布44のデータ点T(3,3)の測定値として検出される。図10に示すように、データ点T(3,3)は、制御光2の照射に伴い、他の部分と比べて高温になっている。
また、第1の画像データ40では中央の画素Ia(3,3)に隣接する8つの画素についても表示色が指定されている。この表示色は、Ia(3,3)よりも輝度が高く明るい色(例えばグレーや他の色等)となっている。このため、照射位置S(3,3)に隣接する8つの照射位置に対して、強度の弱い制御光2や画像光1等が照射される。これに伴い、温度分布44に示すようにデータ点T(3,3)に隣接する8つのデータ点では、T(3,3)よりも低く、他の領域よりも高い温度が検出される。
一般に、フォトクロミック材料やロイコ色素を用いたスクリーン10(調光層13)では、温度が高いほうが着色・消色の応答速度が早くなる。すなわち、制御光2を照射する部位の温度が高いほど、制御光2を照射したときに短い時間で黒色に変化する。ここで黒色に変化するまでの時間とは、例えば所望の黒色が発色するまでの時間である。
このように、調光層13を含むスクリーン10に画像を表示する場合、現在の表示画像の光のエネルギーや環境温度等により、投射スクリーンは温度分布を持ってしまい、反応速度が面内で異なってしまう場合があり得る。
例えば、スクリーン10の各照射位置に対して同じ強度で制御光2を照射したとする。この場合、同じ黒色(黒輝度)が着色するまでの時間は、照射位置の温度が低いほど遅く、照射位置の温度が高いほど早くなる。従って、温度分布44のあるスクリーン10に対して単一の強度で制御光2を照射した場合、温度分布44に応じた黒輝度のむら等が発生する可能性が生じる。
本実施形態では、比較部28により、現在のスクリーン10の温度分布44をもとに、次の表示画像の黒色等を適正に着色することが可能となるように、制御光2の照射強度の補正値(補正強度分布47)が算出される。具体的には、第2の画像データ40bにより黒領域3に指定されるスクリーン10上の予定領域48の温度に応じて、予定領域48に照射される制御光2の照射強度が補正される。
予定領域48とは、例えば第2の画像データ40bにおいて黒色が指定されている黒画素41が表示されるスクリーン10上の照射位置である。例えば第2の画像データ40bでは、顔の画像の黒目の位置が、直前の画像での位置から移動する。このスクリーン10における移動先の黒目の位置が予定領域となる(図1参照)。なお図10では、第2の画像データ40bの黒画素41に対して、予定領域48と同じ符号が付されている。
例えば図10に示す第2の画像データ40bでは、中央の画素Ib(3,3)と、その上下左右に隣接する画素Ib(3,4)、Ib(3,2)、Ib(2,3)、及びIb(4,3)との5つの画素が黒画素41に指定されている。この、5つの黒画素41が表示される照射位置(S(3,3)、S(3,4)、S(3,2)、S(2,3)、及びS(4,3))が、予定領域48となる。なお図10に示す例では、5つの黒画素41には、それぞれ同様の黒輝度(黒レベル)が設定されている。
比較部28は、例えば第2の画像データ40bから黒画素41(予定領域48)を抽出し、各黒画素41に対応するデータ点45の温度を参照する。そして各黒画素41の黒輝度を着色させるための強度を満足するように、制御光2の照射強度を補正する。
例えば、予定領域48である照射位置S(3,3)の温度T(3,3)は、他に比べ高い温度となっている。すなわち、次の表示画像の中央の画素Ib(3,3)が表示される照射位置S(3,3)では、短い時間で黒色が着色される。このような場合、例えば制御光2の照射強度を低く設定したとしても、照射位置S(3,3)に対して適正なタイミングで黒色を着色させることが可能である。このため、補正強度分布47の画素C(3,3)については、例えば本来の照射強度よりも低い照射強度(図中の薄いグレー)が算出される。
また例えば、予定領域48である照射位置S(3,4)の温度T(3,4)は、照射位置S(3,3)の温度T(3,3)に比べ低い温度となっている。従って、照射位置S(3,4)では、照射位置S(3,3)と比べ黒色が着色するまでの応答速度が遅くなっている。この場合、補正強度分布47の画素C(3,4)については、例えばC(3,3)に設定される照射強度よりも高い照射強度(図中の濃いグレー)が算出される。
同様に、予定領域48である照射位置S(3,2)、S(2,3)、及びS(4,3)に対応する補正強度分布47の画素C(3,2)、C(2,3)、及びC(4,3)についても、C(3,3)の照射強度よりも高い照射強度が算出される。このように制御光2の照射強度を高く設定することで、温度が低い領域であっても所望とする黒色を短時間で着色することが可能となる。すなわち、黒輝度表示の応答時間を短縮することが可能となる。
これにより、予定領域48となる5つの照射位置(S(3,3)、S(3,4)、S(3,2)、S(2,3)、及びS(4,3))に対して、適正なタイミングで同じ黒輝度の黒領域3を表示することが可能となる。このように、本実施形態では、撮影されたスクリーン10の温度分布44に応じて制御光2の照射強度が制御される。
なお、補正強度分布47における各画素の照射強度(補正値)は、調光層13の特性等に合わせて適宜算出可能である。例えば、各温度における調光層13の応答速度等を用いて、所望のタイミングで着色が完了するように、予定領域48に含まれる各画素の照射強度がそれぞれ算出される。この他、補正強度分布47の照射強度を算出する方法は限定されない。
また、比較部28は、スクリーン10上の予定領域48とは異なる他の領域に対する制御光2の照射を規制する。具体的には、黒領域3に指定される予定領域48以外の領域に対しては、制御光2の照射強度がゼロとなるように、補正強度分布47が算出される。図10に示す補正強度分布47では、制御光2の照射強度がゼロに設定された画素が、白色で図示されている。
例えば調光層13に対する制御光2の照射がカットされると、表示されていた黒色が消色される。すなわち、それまで黒色が表示されていた領域であっても、次に黒色が表示されない領域であれば、制御光2を照射しないことで黒色を消すことが可能である。このように、補正強度分布47では、現在の表示画像の黒輝度を消色させるための強度となるように、制御光2の照射強度が補正されるとも言える。
なお、本実施形態では、第2の画像データ40bで指定されるRGB値を使って、画像光1の強度(赤色光R、緑色光G、及び青色光B)を指定する強度分布が算出される。この画像光1用の強度分布と、制御光2用の補正強度分布とが強度調整部22に出力される。
図4に戻り、強度調整部22により、補正強度分布47に基づいて、第1の光源30の出力が制御される(ステップ103)。例えば補正強度分布47に基づいて、各照射位置S(x,y)に照射される制御光2(第1の出射光)の強度を指定する制御値が、第1の光源30に対して時分割で出力される。またステップ103では、強度調整部22により、画像光1用の強度分布に基づいて第2の光源31(赤色光源31R、緑色光源31G、及び青色光源31B)が適宜制御される。
光源装置21及び画像生成光学系23により、補正強度分布47に応じた制御光2と、次の画像光1とが出射される(ステップ104)。出射された制御光2及び画像光1は、光線分岐部25を通過し、投射光学系24からスクリーン10に向けて照射される。これにより、スクリーン10には、第2の画像データ40で表される画像が表示される。なお、次のループ処理では、この画像が表示されたスクリーン10が撮影されて、ステップ101~104までの処理が再度実行される。
このように、スクリーン10の温度分布44に合わせて、制御光2の照射強度の強弱等を制御することで、例えば黒輝度表示の応答時間を短縮することが可能となる。この結果、適正なタイミングで黒輝度表示等を行うことが可能となり、残像がなく、コントラストの高い表示画像を実現することが可能となる。これにより、視認性に優れた高品位な画像を表示することが可能となる。
以上、本実施形態に係る画像表示装置100では、制御光2によりスクリーン10の表示部材11の光学特性が変化する。スクリーン10には制御光2及び画像光1が照射され、スクリーン10の状態が撮影される。このスクリーンの状態に応じて、制御光2の照射強度を制御することで、例えばスクリーンの光学特性等を適正に制御することが可能となる。この結果、スクリーン等に対して視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能となる。
一般的なプロジェクタを用いた映像表示では、非点灯状態におけるスクリーンの明るさが黒輝度となる。このため、スクリーンの反射光量が大きくなる明るい環境では、表示される映像のコントラストが低下し、視認性が悪化する。特に、散乱剤を含む透明なガラス基板等から構成される透明スクリーンでは視認性の悪化が顕著となる。
例えばTFT液晶とPDL素子とを備えたスクリーンを用いて、スクリーンの透過率等を制御する方法が考えられる。この方法では、TFT液晶やPDL素子で規定される画素サイズで画像が表示されることになり、画像を拡大・縮小して投影するといったプロジェクタの特性を活用することが難しくなる場合がある。また各素子を設けることで、スクリーンの製造コストが増加する可能性がある。
また、スクリーンの温度を検出する方法として、熱電線などの接触式の温度計を用いる方法が考えられる。このような、配線を用いた温度のセンシングでは、スクリーンの温度分布を取得するために多点測定が必要となる。この結果、多点測定用の配線によって、スクリーンの意匠性を損ねてしまう可能性があり得る。
本実施形態では、制御光2を照射することで反射率または透過率が変化するスクリーン10が用いられる。これにより、画像光1等が照射されない非点灯状態となる領域の輝度を任意に変化させることが可能となる。この結果、黒輝度のレベルを抑えることが可能となり、画像のコントラストを向上することが可能となる。
制御光2の照射強度は、スクリーン10の温度分布に基づいて制御される。これにより、例えば、それまでの画像表示、外気温の変化、ユーザによる接触等により、スクリーン10の温度分布44にむらが生じた場合であっても、黒輝度の表示速度等を適正に制御することが可能である。この結果、黒輝度のむらや残像等を排した画像表示が可能となり、コントラストが高く視認性に優れた映像コンテンツ等を表示することが可能となる。
また透明なスクリーン10が用いられる場合には、黒領域3を表示することで、背景が透けて見えるといった事態を回避することが可能となる。これにより、透明なスクリーン10に対しても、高コントラストで視認性に優れた画像表示を実現することが可能となる。
制御光2の照射に応じて光学特性(透過率や反射率)が変化する調光層13は、フォトクロミック材料やロイコ色素等を用いて構成される。これにより、画像光1や制御光2の照射範囲に係らず、適正な画像表示を行うことが可能であり、画像の拡大・縮小等を容易に実現可能である。またスクリーン10に配線等を設ける必要がないため、スクリーン10の製造コストを抑制しつつ、様々な形状やサイズのスクリーン10を容易に構成することが可能となる。
本実施形態では、撮像装置26を用いて、スクリーン10の状態として温度分布44が撮影される。このように、光学的な手段を用いることで、スクリーン10の意匠性を損ねることなく、スクリーン10の温度分布44を詳細に検出することが可能である。
また撮像装置26は、制御光2及び画像光1と共通の投射光学系を介してスクリーン10を撮影する。これにより、温度分布44と画像データ40等との位置ずれを抑制することが可能となり、温度分布44のデータ点及び画像データ40の画素の対応付けを高精度に実現することが可能となる。この結果、制御光2の制御精度を十分に向上することが可能となる。また、このような配置を用いることで、画像投射部20を小型に構成することが可能となる。
<第2の実施形態>
本技術に係る第2の実施形態の画像表示装置について説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した画像表示装置100における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
図11は、第2の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。画像表示装置200は、スクリーン210と画像投射部220とを有する。スクリーン210は、例えば図1に示すスクリーン10と同様に構成される。すなわち、スクリーン210は、制御光2の照射に応じて透過率または反射率が変化する特性を有する。
画像投射部220は、光源装置221、強度調整部222、画像生成光学系223、投射光学系224、光線分岐部225、撮像装置226、及びコントローラ227を有する。強度調整部222、画像生成光学系223、及び投射光学系224は、例えば図1に示す強度調整部22、画像生成光学系23、及び投射光学系24と同様に構成される。
本実施形態では、光源装置221は、赤色光源31Rと、緑色光源31Gと、青色光源31Bとを含む第2の光源31を有する。従って光源装置221は、例えば図1に示す光源装置21から第1の光源30を取り除いた構成となっているとも言える。本実施形態では、光源31R~31Bから出射されたRGBの光が第2の出射光(画像光)となる。なお光源装置221には、制御光を出射する光源(第1の光源)が備えられてもよい。また例えば、光源装置221とは別に、制御光を出射する光源等が用いられてもよい。
光線分岐部225は、画像生成光学系223と投射光学系224との間の共通の光路32に配置され、投射光学系224を通過したスクリーン210からの光を分岐する。光線分岐部225としては、例えばハーフミラー、ビームスプリッタ、及びダイクロイックミラー等の光学素子が用いられる。
本実施形態では、光線分岐部225によりスクリーン210からの光のうち、可視光(RGBの光)が分岐される。光線分岐部225の透過率は、例えば画像光1による表示画像の輝度が著しく低下しないように設定される。また分岐された可視光の強度が、後段の可視光カメラ(撮像装置226)による輝度分布の撮影ができる強度となるように、任意の透過率に設定される。光線分岐部225の具体的な構成は限定されず、例えば多層反射膜や反射防止膜等を用いて適宜構成される。
撮像装置226は、光線分岐部225により分岐されたスクリーン210からの光に基づいて、スクリーン210の状態を撮影する。本実施形態では、スクリーン210の状態としてスクリーン210の輝度分布が撮影される。輝度分布50は、例えばスクリーン210から出射された可視光の明るさの分布であり、可視光を用いてスクリーン210を撮影した場合のスクリーン210の画像である。
撮像装置226としては、例えばCMOSやCCD等のイメージセンサを備えた可視光カメラが用いられる。可視光カメラは、例えばカラー画像を撮影可能である。従って、輝度分布50は、スクリーン210から発せられる赤色光R、緑色光G、及び青色光Bの強度分布となる。なお、モノクロ画像を撮影する可視光カメラ等が用いられる場合であっても、本技術は適用可能である。
図12は、スクリーン210の輝度分布の一例を示す模式図である。図12には、図6に示す第1の画像データ40aを用いた画像が表示されているスクリーン210の輝度分布50が、グレースケールを用いて模式的に図示されている。実際には、輝度分布50はRGBの各色光の輝度値を含むカラー画像となる。
図12に示すように、輝度分布50には、現在表示されている画像が含まれる。これは、例えばスクリーン210の表示層で拡散反射された光が、投射光学系224に入射することで発生する戻り光による像である。
また輝度分布50には、戻り光による画像とは異なる他の像(映り込み等)が含まれる。例えば透過性のスクリーン210等が用いられる場合には、スクリーン210を透過した背景の光が輝度分布50として検出される。またスクリーン210の設置環境の周辺の照明光や、その他の外光等が、スクリーン210により反射されて検出される場合がある。このように、スクリーン210の輝度分布50を撮影することで、スクリーン210に映し出されている実際の像に関する情報を取得することが可能となる。
図11に戻り、コントローラ227は、画像投射部220の動作を制御するコンピュータであり、機能ブロックとして比較部228を有する。本実施形態では、比較部228は、撮影されたスクリーン210の状態に応じて画像光1の照射強度を制御する。具体的には、スクリーン210の輝度分布50と、次に表示される画像の画像データ(第2の画像データ40a)とを比較して、画像光1の照射強度が制御される。
比較部228は、輝度分布50に基づいて、第2の画像データ40aにより指定される画像光1の照射強度を補正して、画像光1の補正強度分布を算出する。なお、画像光1の補正強度分布には、赤色光R用の補正強度分布と、緑色光G用の補正強度分布と、青色光B用の補正強度分布とが含まれる。以下では、RGBの各色光の補正強度分布をまとめて、補正カラー分布と記載する。
補正カラー分布は、次の画像(次のフレーム)を表示するための画像光1の照射強度を指定したデータとなる。別の観点では、補正カラー分布は、画像光1に含まれるRGBの各色光の照射強度を制御するための制御値であるとも言える。
算出された補正カラー分布は、強度調整部222に入力される。そして強度調整部222により、補正カラー分布に基づいて第2の光源31(赤色光源31R、緑色光源31G、青色光源31B)の出力が変調される。これにより、スクリーン210の輝度分布に応じた照射強度で、画像光1をスクリーン210に向けて照射することが可能となる。このように比較部228は、撮影された輝度分布に応じて画像光1の照射強度を制御する。
図13は、画像表示装置200による表示制御の処理フロー示すブロック図である。画像表示装置200による表示制御は、図13に示すように、撮像装置226の出力を比較部228にフィードバックすることで実行されるループ処理である。
まず、撮像装置226により、第1の画像データ40aで表される現在の表示画像が表示されたスクリーン210の輝度分布50が撮影される。撮影されたスクリーン210の輝度分布50は、3次元測定値として、比較部228に入力される。この時、比較部228には、次の表示画像の画像データ40である第2の画像データ40が入力される。
本実施形態では、比較部228により、第1の画像データ40aに基づいて生成された画像光1が照射されたスクリーン210の状態に応じて、第1の画像データ40aの次の画像データ40である第2の画像データ40bにより指定される画像光1の照射強度が補正される。すなわち、比較部228により、画像光1の照射強度が補正された補正カラー分布が算出される。補正カラー分布の算出では、例えば第2の画像データ40bに含まれる各画素のRGB値がそれぞれ補正される。
例えばスクリーン210に対して白色光(天井照明等)が映り込む場合があり得る。白色光が映り込んだ領域では、表示画像の輝度に加えて、白色光の輝度が加わることになり、表示画像の色や明るさ等を適正に表すことが難しくなる可能性がある。
この場合、比較部228は、例えば白色光が映り込んだ領域(映り込み領域)に表示される画素の輝度を増加する。すなわち、第2の画像データ40bに含まれる画素のうち、映り込み領域に含まれる画素について、RGBの各色光の強度が同じ割合で増加される。例えばこのような補正カラー分布が算出される。これにより、白色光が映り込んだ明るい領域においても、次の表示画像の色を精細に表現することが可能となる。
また例えば、照射された画像光1の色と、映り込んだ像の色とが混ざることが考えられる。この場合、映り込み領域に表示される画素の色が適正に表示されるように、各画素のRGB値がそれぞれ補正された補正カラー分布が算出される。これにより、他の色が重畳されている領域においても、次の表示画像の色を適正に表示することが可能となる。
この他、輝度分布50に基づいて補正カラー分布を算出する方法は限定されない。例えば、第1の画像データ40aと輝度分布50を比較することで、映り込んでいる像を抽出可能である。この抽出された像に基づいて、補正カラー分布が算出されてもよい。また例えば、機械学習等を用いて、輝度分布50内の映り込みを判定し、その判定結果に基づいて補正カラー分布が算出される。例えばこのような処理が実行されてもよい。
算出された画像光1の補正カラー分布は、強度調整部222に出力される。強度調整部222により、補正カラー分布に基づいて、第2の光源31である赤色光源31R、緑色光源31G、青色光源31Bの各々の出力が制御される。光源装置221及び画像生成光学系223からは、補正カラー分布に応じた画像光1が出射される。
このように、スクリーン210の輝度分布50に合わせて、画像光1の照射強度の強弱や、RGBの各色光の割合等が制御される。これにより、投射スクリーンを透過した背景や、設置環境の周辺の照明によって表示画像の輝度がスクリーン210面内で不均一になっている状態であっても、表示画像の色彩を適正に表示することが可能となる。これにより、スクリーン210に対して、視認性に優れた高品質な画像を表示することが可能となる。
なお、光源装置221に第1の光源が設けられる場合等には、図4等を参照して説明したフローチャートに従って、制御光の強度が調整される。例えば、比較部228では、第2の画像データ40bに基づいて、制御光の強度を指定する強度分布が算出される。この制御光用の強度分布に基づいて第1の光源の出力が制御される。これにより、表示画像の色彩を適正に表示しつつ、コントラストの高い画像表示を実現することが可能である。
<第3の実施形態>
図14は、第3の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。本実施形態では、スクリーン310の温度分布及び輝度分布に応じて、制御光2及び画像光1のスクリーン310に対する照射強度が制御される。
画像表示装置300は、制御光2により光学特性が変化するスクリーン310と、画像投射部320とを有する。画像投射部320は、光源装置321、強度調整部322、画像生成光学系323、及び投射光学系324を有する。光源装置321、強度調整部322、画像生成光学系323、及び投射光学系324は、例えば図1に示す光源装置21、強度調整部22、画像生成光学系23、及び投射光学系24と同様に構成される。
また画像投射部320は、赤外線分岐部325a、第1の撮像装置326a、可視光線分岐部325b、第2の撮像装置326b、及びコントローラ327(比較部328)を有する。図14に示すように赤外線分岐部325a及び可視光線分岐部325bは、画像生成光学系323と投射光学系324との間の光路(制御光2及び画像光1の共通の光路32)にそれぞれ配置される。なお赤外線分岐部325a及び可視光線分岐部325bを配置する順番等は限定されない。
赤外線分岐部325aは、投射光学系324を通過したスクリーン310からの光のうち、赤外線を分岐する。第1の撮像装置326aは、例えば赤外線カメラであり、赤外線分岐部325aにより分岐された赤外線を撮影してスクリーン310の温度分布を撮影する。赤外線分岐部325a及び第1の撮像装置326aは、例えば図1に示す光線分岐部25及び撮像装置26と同様に構成される。
可視光線分岐部325bは、投射光学系324を通過したスクリーン310からの光のうち、可視光を分岐する。第2の撮像装置326bは、例えば可視光カメラであり、可視光線分岐部325bにより分岐された赤外線を撮影してスクリーン310の輝度分布を撮影する。可視光線分岐部325b及び第2の撮像装置326bは、例えば図11に示す光線分岐部225及び撮像装置226と同様に構成される。
比較部328は、撮影されたスクリーン310の温度分布に応じて制御光2の照射強度を制御する。例えば、次の表示画像の画像データ40(第2の画像データ40b)で指定される制御光2の照射強度を補正した補正強度分布が算出される(図4及び図5等参照)。また比較部328は、撮影されたスクリーン310の輝度分布に応じて画像光1の照射強度を制御する。例えば、第2の画像データ40bで指定される画像光1の照射強度を補正した補正カラー分布が算出される(図13等参照)。
このように、本実施形態では、制御光2の補正強度分布及び画像光1の補正カラー分布を用いて、制御光2及び画像光1の照射強度が制御される。これにより、スクリーン310の面内において温度むらや輝度むら等がある場合であっても、スクリーン310上に均一な画像表示を行うことが可能となり、表示品位を向上させることができる。またコントラストが高い画像を適正な色彩で表示することが可能となり、画像の視認性等を十分に向上させることが可能となる。
<第4の実施形態>
図15は、第4の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。上記の実施形態では、フロント型のスクリーン10、210、及び310が用いられた。本実施形態では、リア型のスクリーン410が用いられる。画像表示装置400は、リア型のスクリーン410と画像投射部420とを備える。
リア型のスクリーン410では、図15に示すように制御光2及び画像光1が照射される面(前面S1)とは反対側の面(後面S2)に画像が表示される。従って、ユーザは、スクリーン410を挟んで画像投射部420とは反対の側から画像を視聴することになる。
画像投射部420は、例えば図1、図11、及び図14に示す画像投射部20、220、及び320のいずれかと同様に構成される。すなわち、画像投射部420は、スクリーン410の温度分布や輝度分布に応じて、制御光2及び画像光1の少なくとも一方の照射強度を制御可能なように構成される。
図16は、リア型のスクリーン410に対する画像投射の一例を示す模式図である。リア型のスクリーン410は、画像投射部420に向けられる前面S1側から順番に、調光層413、保護層414、及び表示層412を有する。調光層413及び保護層414は、例えば図2等を参照して説明した調光層13及び保護層14と同様に構成される。
表示層412は、入射した画像光1を、回折あるいは屈折することにより、当該画像光1が入射した側とは反対側に出射することで画像を表示するリアスクリーンとして機能する。表示層412としては、例えば画像光を透過可能な薄型のスクリーンや、透明スクリーン、透過型ホログラム等が用いられる。表示層412の具体的な構成は限定されず、リアスクリーンとして機能する任意のスクリーンが表示層412として用いられてよい。
図16に示すように、スクリーン410の前面S1に入射した画像光1は、調光層413及び保護層414を通過して表示層412に到達する。表示層412では、例えば可視光である画像光1が拡散透過されて、後面S2側に出射される。これにより、スクリーン410の後面S2側にカラー画像等を表示することが可能となる。
なお、スクリーン410では、前面S1側の調光層413に入射した制御光2により、黒領域3が表示される。この黒領域3は、後面S2側から見たスクリーン410の黒輝度を低下させる。なお、調光層413がスクリーン410の後面S2側に配置される構成が採用されてもよい。この場合、表示層412を通過した制御光2が調光層413に入射して黒領域3が表示される。
このようにリア型のスクリーン410を用いた場合であっても、スクリーン410の温度分布や輝度分布に応じて、制御光2及び画像光1の照射強度を適宜制御することで、コントラストが高く視認性に優れた高品質な画像表示を実現することが可能である。
<第5の実施形態>
図17は、第5の実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す模式図である。本実施形態では、平面スクリーンに代えて、円筒型のスクリーン510が用いられる。画像表示装置500は、台座501、画像投射部520、スクリーン510、及び天板ミラー502を有する。
台座501は、円筒形状であり画像表示装置500の下方の部分に設けられる。図17に示すように、台座501の内部には、画像投射部520が設けられる。また台座501は、図示しない任意の保持機構により、スクリーン510及び天板ミラー502を保持する。なお、台座501の形状等は限定されず、例えば直方体等の任意の形状が用いられてよい。
画像投射部520は、台座501の内部に収まるように構成される。画像投射部520の投射光学系524は、上方に向けて台座501の中央に配置される。投射光学系524からは、制御光2及び画像光1が光軸Oに沿って、画像表示装置500の上方に向けて出射される。画像投射部520は、例えば図1に示す画像投射部20と同様の構成を有する。なお、画像投射部520の具体的な構成は限定されず、例えば図11及び図14に示す画像投射部220及び320が用いられてもよい。
スクリーン510は、円筒形状であり、光軸Oの周囲の全周にわたって配置される。本実施形態では、スクリーン510(円筒形状)の中心軸と、投射光学系524の光軸Oとが一致するようにスクリーン510が配置される。すなわち、スクリーン510は光軸Oを略中心軸とする円筒形状で構成されるとも言える。
なお、スクリーン510の形状は限定されない。例えば、直方体形状のスクリーン510や、多角柱形状のスクリーン510等が用いられてもよい。また例えば、光軸Oの全周にわたってスクリーン510が配置される場合に限定されず、例えば半円筒形状のスクリーン510等が用いられてもよい。すなわち、光軸Oの周囲の少なくとも一部に配置されるスクリーン510に対して、本技術は適用可能である。
スクリーン510は、調光層、保護層、及び表示層が積層された積層構造を有する。例えば、円筒形状の透明な基体等に積層構造が貼合されることで、円筒形状のスクリーン510が構成される。スクリーン510の調光層及び保護層は、例えば図2を参照して説明した調光層13及び保護層14と同様に構成される。
スクリーン510の表示層は、例えば回折光学素子を用いて構成される。回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)とは、光を回折する光学素子である。回折光学素子を用いることで、例えば透過性の高い透明スクリーン等を構成可能である。これにより、浮遊感のある全周画像等を表示することが可能となり、エンタテイメント性の高い視聴体験を提供することが可能となる。
回折光学素子としては、例えばホログラムに記録された干渉縞を用いて光を回折するホログラフィック光学素子等(HOE:Holographic Optical Element)が用いられる。例えば入射した光を回折して透過させる透過型HOEや、入射した光を回折して反射する反射型HOEを用いることが可能である(図18参照)。
またHOEは、入射する光の入射角に応じて回折効率が変化する。従って、HOEを適宜設計することで、所定の入射角の光を選択的に回折し、その他の入射角の光を効率的に透過させるといったことが可能となる。これにより、例えば視線方向(正対視等)から入射する光等を高効率で透過することが可能となり、優れた透過性を発揮することが可能となる。
回折光学素子の具体的な構成は限定されない。例えば素子内部に干渉縞が記録された体積型HOEや、素子表面の凹凸等により干渉縞が記録されたレリーフ型(エンボス型)HOE等が用いられてよい。また干渉縞による回折の他に、所定のパターンの回折格子等を用いて光を回折するタイプの回折光学素子等が用いられてもよい。
この他、表示層の構成は限定されない。例えば透過性を有する任意のスクリーンが表示層として用いられてよい。また例えば、半透明なスクリーンや透過性のないスクリーン等が用いられる場合であっても、本技術は適用可能である。
天板ミラー502は、制御光2及び画像光1を反射する反射面503を有する。天板ミラー502は、反射面503が投射光学系524を向くように、光軸Oを基準として投射光学系524に対向して配置される。従って天板ミラー502は、投射光学系524の上方に光軸O上に配置される。
反射面503により反射された制御光2及び画像光1は、円筒形状のスクリーン510に照射される。すなわち、天板ミラー502は、投射光学系524により出射された制御光2及び画像光1をスクリーン510に入射させる光学素子であるとも言える。本実施形態では、天板ミラー502は光学部に相当する。
本実施形態では、反射面503は、光軸Oを基準とした回転対称な形状を有する。具体的には、反射面503は、放物線の一部を切り出した曲線を光軸Oを基準として回転した回転面(放物面)を含むように構成される。この放物面は、放物線の凹状である側(放物線の焦点側)が光を反射する側となるように、また放物線の軸と光軸Oとが異なるように構成される。
例えば反射面503を構成する放物線の位置や傾き等を適宜設定することで、スクリーン510に対する反射光(制御光2及び画像光1)入射角を略一定にすることが可能である。例えば、スクリーン510がHOE等を用いて構成される場合、スクリーン510に対する反射光の入射角が、HOEによる回折効率の高い角度となるように反射面503が構成される。これにより、透明なスクリーンに対して高輝度な画像表示が実現される。また、入射角を揃えることで、画像の輝度むら等を十分に抑制することが可能となる。
なお、反射面503の具体的な構成は限定されず、例えばスクリーン510に対する反射光の入射角を制御する反射面503が適宜用いられてよい。例えば光路シミュレーション等を用いて設計された自由曲面等を用いて反射面503が構成されてもよい。また例えばスクリーン510の形状に合わせて、反射面503の形状が適宜設計されてよい。この他、スクリーン510に向けて制御光2及び画像光1を反射可能な任意の反射面503が用いられてよい。
図18は、円筒形状のスクリーン510に対する画像投射の一例を示す模式図である。図18の左側には、透過型のスクリーン510(例えば透過型HOE等)を用いた場合の光路の一例が模式的に図示されている。また図18の右側には、反射型のスクリーン510(例えば反射型HOE等)を用いた場合の光路の一例が模式的に図示されている。
図18に示すように、例えば投射光学系524から出射された制御光2及び画像光1は、光軸Oに沿って天板ミラー502の反射面503に入射する。反射面503により反射された制御光2及び画像光1は、円筒形状のスクリーン510の内側に照射される。
スクリーン510に照射された制御光2は、スクリーン510の調光層に吸収され、その照射位置には、黒輝度の低い黒領域3が表示される。またスクリーン510に照射された画像光1は、表示層12により拡散透過(左側の図)または、拡散反射(右側の図)されて、スクリーン510の外側に向けて出射される。これにより、外側からスクリーン510を見ているユーザは、全周画像等を視認することが可能となる。
図19は、円筒形状のスクリーン510用の画像データ60の一例を示す模式図である。図20は、円筒形状のスクリーン510の温度分布61の一例を示す模式図である。図21は、円筒形状のスクリーン510用の画像データ60の他の一例を示す模式図である。
円筒形状のスクリーン510に画像表示を行う場合、図19及び図21に示すように、スクリーン510の形状等に合わせて変形された画像の画像データ60が用いられる。以下では、図19に示す画像データ60を現在表示されている画像の画像データ60(第1の画像データ60a)とし、図21に示す画像データ60を次に表示される画像の画像データ60(第2の画像データ60b)として説明を行う。
例えば、図19に示す画像データ60に基づいて制御光2及び画像光1が生成される。生成された制御光2及び画像光1は、天板ミラー502を介してスクリーン510に向けて照射される。この結果、円筒形状のスクリーン510の一方の側には、スクリーン510の曲面に沿って、図17に示す顔の画像が表示される。
第1の画像データ60aで表される画像(現在の表示画像)がスクリーン510に表示された状態で、撮像装置526による撮影が実行される。撮像装置526に入射するスクリーン510からの光は、例えばスクリーン510に照射される光と同様の光路を、照射される光とは逆方向に進行した光である。すなわち、スクリーン510の各位置から内側に向けて天板ミラー502に進行し、天板ミラー502により反射されて投射光学系524に入射した光が、光線分岐部525を介して撮像装置526に入射する。
図20には、図19に示す現在の表示画像(第1の画像データ60a)が表示されたスクリーン510の温度分布61が模式的に図示されている。上記したように、温度分布61は、スクリーン510に照射される制御光2及び画像光1の光路を逆向きに進行した光をもとに撮影される。このため、例えば制御光2及び画像光1の照射に伴うスクリーン510上の温度分布は、第1の画像データ60aの変形された画像を反映した分布として検出される。
このように、スクリーン510への光の照射と、スクリーン510からの光の撮影とを共通の光学系を用いて行うことで、画像データ60と温度分布61との対応付けを容易にかつ高精度に実現することが可能となる。これにより、例えば画像データ60の各画素と温度分布61の各データ点とを、1対1で対応させるといったことが可能となり、処理速度や制御精度を十分に向上することが可能となる。
比較部528により、撮影されたスクリーン510の温度分布61に基づいて、図21に示す第2の画像データ60bで指定される強度が補正され、制御光2の補正強度分布が算出される。この補正強度分布に基づいて、次の表示画像の表示が実行される。
なお、温度分布61に代えて輝度分布が撮影される場合(図11参照)や、温度分布61及び輝度分布の両方が撮影される場合(図14参照)にも、撮影された各データと画像データ60との精度の高い対応付けが可能である。
このように、円筒形状のスクリーン510等が用いられる場合であっても、スクリーン510の状態(温度分布61や輝度分布)に応じて、制御光2や画像光1の照射強度を制御することが可能である。これにより、コントラストが高く視認性に優れた高品質な全周画像等を表示することが可能となり、高いエンタテイメント性を発揮することが可能となる。
図22は、比較例として挙げる円筒スクリーン530の構成例を示す模式図である。図22では、円筒スクリーン530を外部から撮影する赤外線カメラ531が設けられる。円筒スクリーン530の外周に赤外線カメラ531を設置した構成では円筒スクリーン530の全周を囲むように複数の赤外線カメラ531を設置しなければならず、装置が大型化してしまう可能性がある。また、本体の外側に部材が配置されるため、意匠性を損ねる恐れがある。また、投射光学系を共有して撮影を行うこともできないため映像信号とスクリーンの位置関係にずれが生じてしまう可能性がある。
本実施形態では、図17に示すように、投射光学系524を通過したスクリーン510からの光を分岐して撮影する構成が用いられる。これにより、画像投射部520の内部に撮像装置526を設置し、円筒形状のスクリーン510の温度または輝度の分布を高精度に取得することが可能である。この結果、画像表示装置500をコンパクトに構成することが可能となる。また、装置の外側に部材等を配置する必要がないため、高い意匠性を発揮することが可能となる。
また、投射される光(制御光2及び画像光1)と共通の投射光学系524を介してスクリーン510を撮影することで、画像データ60と撮影されるデータ(温度分布61や輝度分布)との位置合わせを高精度に実現することが可能となる。これにより、制御光2及び画像光1が照射される位置の温度や輝度等の状態を、高い精度で検出することが可能となり、検出結果を適正にフィードバックすることが可能となる。この結果、全周画像等の画質を大幅に向上することが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、スクリーンの温度分布をリアルタイムにセンシングすることで、スクリーンに触れたユーザの接触位置を検出する処理が実行される。検出された接触位置の情報(接触データ)は、例えばユーザによる操作入力の情報として用いられる。
本実施形態では、スクリーンの温度分布を撮影する撮像装置(赤外線カメラ等)を備えた画像表示装置(図1、図14、図17等参照)が用いられる。また画像表示装置のコントローラには、機能ブロックとして接触検出部が設けられる。
接触検出部は、撮像装置により撮影されたスクリーンの温度分布に基づいて、ユーザが接触したスクリーン上の接触位置を検出する。例えば撮像装置により、所定のフレームレートで温度分布が撮影される。接触検出部は、撮影された温度分布を適宜取得し、温度分布の変化等に基づいてスクリーン上のユーザが触れている位置(接触位置)を検出する。
図23は、スクリーンに対する接触位置を検出する処理の一例を示す模式図である。図23Aは、ユーザが触れる前のスクリーン610の温度分布44aを示す模式図である。図23Bは、ユーザの手5が接触したスクリーン610を示す模式図である。図23Cは、ユーザが触れた後のスクリーン610の温度分布44bを示す模式図である。
図23Aに示すように、ユーザが触れる前のスクリーン610を撮影すると、制御光2や画像光1の照射による温度分布や、設置環境の外気等による温度分布が重なった状態が検出される。この状態のスクリーン610に対して、図23Bに示すようにユーザの手5が接触したとする。この場合、ユーザの手5の温度が伝わることで、スクリーン610の温度分布が局所的に変化することが考えられる。
ユーザが接触した後のスクリーン610では、例えば図23Cに示すようにスクリーン610の温度が急激に上昇した領域が検出される。図23Cに示す例では、周辺に比べ温度が高い5か所の領域が検出される。この5か所の領域は、例えばユーザが5本の指先でスクリーン610に触れたことで発生した接触領域70である。
接触検出部は、例えばスクリーン610の温度分布をモニタリングすることで、図23Cに示すような、温度が局所的に変化する領域(接触領域70)の発生等を検出する。例えば直前の温度分布との変化が所定の閾値よりも大きい領域が、接触領域70として検出される。また例えば、機械学習等を用いた画像処理に基づいて接触領域70が検出されてもよい。接触領域70を検出する方法は限定されず、温度変化があった領域等を検出する任意の処理が用いられてよい。
この接触領域70の位置が、ユーザが接触したスクリーン上の接触位置となる。例えば、接触領域70内の最も温度が高い位置や、接触領域70の中心となる位置等が、接触位置として検出される。これにより、ユーザがスクリーン610上のどの位置に触れたか、すなわち表示画像のどこに触れたかを検出することが可能となる。
このように、温度分布をモニタリングすることで、スクリーン610上の接触位置(接触データ)を容易に検出することが可能となる。接触データを用いることで、ユーザの接触動作に応じた画像表示(例えば接触位置に視線を向ける等)が可能となり、インタラクションを付与した表示装置を構成することが可能となる。これにより、エンタテイメント性の高い視聴体験を提供することが可能である。
また、接触データに基づいて、ユーザによる操作を受け付けるといったことが可能である。例えばアイコンの選択、キーボード入力、フィンガージェスチャー等の種々の操作入力を容易に検出可能である。これにより、スクリーン上での各種の操作が可能となり、操作性を大幅に向上することが可能となる。
<その他の実施形態>
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
上記の実施形態では、スクリーンの温度分布に応じて制御光の照射強度が制御された。これに限定されず、例えばスクリーンの輝度分布に応じて制御光の照射強度が制御されてもよい。例えば、白色光の映り込みが強い領域では、黒輝度が低くなるように(黒領域が暗くなるように)制御光の照射強度が制御されてもよい。これにより、明るい領域であっても、低輝度レベルを保つことが可能となり、コントラストの高い画像を表示可能である。
また上記ではスクリーンの輝度分布に応じて画像光の照射強度が制御された、これに限定されず、例えばスクリーンの温度分布に応じて画像光の照射強度が制御されてもよい。スクリーンの温度分布を用いることで、例えば黒領域が消色している度合に合わせて画像光を調整するといったことが可能である。例えばこのような処理が実行されてもよい。
図11に示す例では、RGB光源(第2の光源)のみを搭載した光源装置について説明した。例えば、紫外線や赤外線等を出射する第1の光源のみを搭載した光源装置が用いられてもよい。すなわち画像投射部から制御光だけが出射される構成が採用されてもよい。この場合、例えばスクリーン上にグレースケールの画像等を表示することが可能である。また例えば、画像光を出射する別のプロジェクタ等を設けることで、カラー画像等を表示することが可能である。このような構成であっても、例えばスクリーンの温度分布等に基づいて制御光の強度を制御することで、コントラストが高く視認性に優れた画像表示を実現することが可能である。例えばこのような構成が用いられてもよい。
制御光を照射する領域を設定する方法は限定されない。例えばグレースケールのうち、所定の閾値よりも輝度が低い画素を黒画素として、当該黒画素が表示される領域に制御光が照射される。これにより、例えば低輝度側のグレースケールを調光層を用いて表示するといったことが可能である。また、RGB値が低く暗い色に指定されている画素等を表示するために、制御光が用いられてもよい。すなわち、画像光と制御光とを重ねて照射することで、暗い色が表現されてもよい。
上記では、制御光及び画像光を含むビームをスキャンして画像表示を行う走査型のプロジェクタ(画像投射部)について説明した。これに限定されず、例えば透過型や反射型の液晶パネル(LCD:liquid crystal display)を用いて光変調を行う方式のプロジェクタが用いられてもよい。
例えばRGBの各色光をそれぞれ変調する3つの液晶パネルを備え、変調された各色光を合成して画像光を生成する3LCD方式(3板方式)のプロジェクタが用いられてもよい。このようなプロジェクタでは、第1の光源の出力を変調する他の液晶パネルを設けることで、制御光を生成することが可能である。この場合、画像光及び制御光を生成する4つの液晶パネルが、本技術に係る生成部として機能する。
3LCD方式のプロジェクタでは、制御光及び画像光のスクリーンに対する照射強度は、各液晶パネルにより調整可能である。従って、例えば制御光の補正強度分布や画像光の補正カラー分布を用いて各液晶パネルを制御することで、スクリーンの状態に応じた照射強度で制御光及び画像光を照射可能である。
上記の実施形態では、スクリーンに照射される光と共通の光学系(投射光学系等)を用いて、撮像装置によりスクリーンが撮影された。スクリーンを撮影するための構成は限定されない。例えば画像投射部の外部に配置された撮像装置を用いて、スクリーンが撮影されてもよい。このような場合であっても、スクリーンの温度分布や輝度分布と、画像データ40との対応付けを適宜行うことで、スクリーンの状態に応じた表示制御が可能である。例えばこのような構成が採用されてもよい。
図17では、円筒形状のスクリーンに向けて制御光及び画像光を反射する天板ミラーが用いられた。円筒形状のスクリーンに画像を投射する方法は限定されない。例えば、天板ミラーに代えて、投射光学系から出射する光を屈折させて円筒形状のスクリーンに入射させる光学レンズ等が用いられてもよい。光学レンズとしては、例えばフレネルレンズ等が用いられる。このような構成であっても本技術は適用可能である。
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有するスクリーンと、
前記所定の光及び画像光の少なくとも一方を前記スクリーンに照射可能な照射部と、
前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態を撮影する撮影部と、
前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度を制御する制御部と
を具備する画像表示装置。
(2)(1)に記載の画像表示装置であって、
前記表示部材は、前記所定の光の照射に応じて透過率または反射率が変化する
画像表示装置。
(3)(1)又は(2)に記載の画像表示装置であって、
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影する
画像表示装置。
(4)(3)に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記撮影された温度分布に応じて前記所定の光の照射強度を制御する
画像表示装置。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの輝度分布を撮影する
画像表示装置。
(6)(5)に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記撮影された輝度分布に応じて前記画像光の照射強度を制御する
画像表示装置。
(7)(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記所定の光は、前記画像光とは異なる波長域の光である
画像表示装置。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記照射部は、前記所定の光となる第1の出射光及び前記画像光となる第2の出射光の少なくとも一方を出射する光源部と、入力される画像情報に基づいて、前記第1の出射光を変調して前記所定の光を生成し、前記第2の出射光を変調して前記画像光を生成する生成部とを有する
画像表示装置。
(9)(8)に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、第1の画像情報に基づいて生成された前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態に応じて、前記第1の画像情報の次の画像情報である第2の画像情報により指定される前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の照射強度を補正する
画像表示装置。
(10)(9)に記載の画像表示装置であって、
前記表示部材は、前記所定の光が照射される領域に黒領域を表示し、
前記制御部は、前記第2の画像情報により前記黒領域に指定される前記スクリーン上の予定領域の温度に応じて、前記予定領域に照射される前記所定の光の照射強度を補正する
画像表示装置。
(11)(10)に記載の画像表示装置であって、
前記制御部は、前記スクリーン上の前記予定領域とは異なる他の領域に対する前記所定の光の照射を規制する
画像表示装置。
(12)(1)から(11)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影し、
さらに、前記スクリーンの温度分布に基づいて、ユーザが接触した前記スクリーン上の接触位置を検出する接触検出部を具備する
画像表示装置。
(13)(1)から(12)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記照射部は、前記所定の光及び前記画像光を共通の光路に沿って導光し、前記導光された前記所定の光及び前記画像光を所定の軸に沿って出射する出射光学系を有する
画像表示装置。
(14)(13)に記載の画像表示装置であって、さらに、
前記共通の光路に配置され、前記出射光学系を通過した前記スクリーンからの光を分岐する分岐部を具備し、
前記撮影部は、前記分岐された光に基づいて前記スクリーンの状態を撮影する
画像表示装置。
(15)(13)又は(14)に記載の画像表示装置であって、
前記スクリーンは、前記所定の軸の周囲の少なくとも一部に配置され、
前記照射部は、前記出射光学系により出射された前記所定の光及び前記画像光を前記スクリーンに入射させる光学部を有する
画像表示装置。
(16)(13)から(15)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記スクリーンは、前記所定の軸を略中心軸とする円筒形状で構成される
画像表示装置。
(17)(1)から(16)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記表示部材は、正対視において可視域の波長に対して光透過性を有する
画像表示装置。
(18)(1)から(17)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記表示部材は、前記画像光により構成される画像を表示する表示層と、前記所定の光の照射に応じて光学特性が変化する調光層とを有する
画像表示装置。
(19)(18)に記載の画像表示装置であって、
前記調光層は、ロイコ色素またはフォトクロミック材料を含んで構成される
画像表示装置。
(20)所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有するスクリーンに、前記所定の光及び画像光の少なくとも一方を照射し、
前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方が照射された前記スクリーンの状態を撮影し、
前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度を制御する
ことをコンピュータシステムが実行する画像表示方法。
1…画像光
2…制御光
3…黒領域
10、210、310、410、510、610…スクリーン
12、412…表示層
13、413…調光層
21…光源装置
22、222、322…強度調整部
23、223、323、…画像生成光学系
24、224、324、524…投射光学系
25、225、525…光線分岐部
325a…赤外線分岐部
325b…可視光分岐部
26、226、526…撮像装置
326a…第1の撮像装置
326b…第2の撮像装置
27、227、327…コントローラ
28、228、328、528…比較部
32…共通の光路
40、60…画像データ
40a、60a…第1の画像データ
40b、60b…第2の画像データ
44、44a、44b、61…温度分布
47…補正強度分布
48…予定領域
50…輝度分布
70…接触領域
502…天板ミラー
100、200、300、400、500…画像表示装置

Claims (17)

  1. 所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有するスクリーンと、
    入力される画像情報に基づいて、前記所定の光及び画像光を生成して前記スクリーンに照射する照射部と、
    前記所定の光及び前記画像光が照射された前記スクリーンの状態を撮影する撮影部と、
    前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度を制御する制御部とを具備し、
    前記制御部は、第1の画像情報に基づいて生成された前記所定の光及び前記画像光が照射された前記スクリーンの状態に応じて、前記第1の画像情報の次の画像情報である第2の画像情報により指定される前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の照射強度を補正し、
    前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影し、
    前記表示部材は、前記所定の光が照射される領域に黒領域を表示し、
    前記制御部は、前記第2の画像情報により前記黒領域に指定される前記スクリーン上の予定領域の温度に応じて、前記予定領域に照射される前記所定の光の照射強度を補正する
    画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記表示部材は、前記所定の光の照射に応じて透過率または反射率が変化する
    画像表示装置。
  3. 請求項に記載の画像表示装置であって、
    前記制御部は、前記撮影された温度分布に応じて前記所定の光の照射強度を制御する
    画像表示装置。
  4. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記撮影部は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの輝度分布を撮影する
    画像表示装置。
  5. 請求項に記載の画像表示装置であって、
    前記制御部は、前記撮影された輝度分布に応じて前記画像光の照射強度を制御する
    画像表示装置。
  6. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記所定の光は、前記画像光とは異なる波長域の光である
    画像表示装置。
  7. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記照射部は、前記所定の光となる第1の出射光及び前記画像光となる第2の出射光の少なくとも一方を出射する光源部と、前記画像情報に基づいて、前記第1の出射光を変調して前記所定の光を生成し、前記第2の出射光を変調して前記画像光を生成する生成部とを有する
    画像表示装置。
  8. 請求項に記載の画像表示装置であって、
    前記制御部は、前記スクリーン上の前記予定領域とは異なる他の領域に対する前記所定の光の照射を規制する
    画像表示装置。
  9. 請求項1に記載の画像表示装置であって、さらに、
    前記スクリーンの温度分布に基づいて、ユーザが接触した前記スクリーン上の接触位置を検出する接触検出部を具備する
    画像表示装置。
  10. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記照射部は、前記所定の光及び前記画像光を共通の光路に沿って導光し、前記導光された前記所定の光及び前記画像光を所定の軸に沿って出射する出射光学系を有する
    画像表示装置。
  11. 請求項10に記載の画像表示装置であって、さらに、
    前記共通の光路に配置され、前記出射光学系を通過した前記スクリーンからの光を分岐する分岐部を具備し、
    前記撮影部は、前記分岐された光に基づいて前記スクリーンの状態を撮影する
    画像表示装置。
  12. 請求項10に記載の画像表示装置であって、
    前記スクリーンは、前記所定の軸の周囲の少なくとも一部に配置され、
    前記照射部は、前記出射光学系により出射された前記所定の光及び前記画像光を前記スクリーンに入射させる光学部を有する
    画像表示装置。
  13. 請求項10に記載の画像表示装置であって、
    前記スクリーンは、前記所定の軸を略中心軸とする円筒形状で構成される
    画像表示装置。
  14. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記表示部材は、正対視において可視域の波長に対して光透過性を有する
    画像表示装置。
  15. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記表示部材は、前記画像光により構成される画像を表示する表示層と、前記所定の光の照射に応じて光学特性が変化する調光層とを有する
    画像表示装置。
  16. 請求項15に記載の画像表示装置であって、
    前記調光層は、ロイコ色素またはフォトクロミック材料を含んで構成される
    画像表示装置。
  17. 所定の光の照射に応じて光学特性が変化する表示部材を有するスクリーンに、入力される画像情報に基づいて、前記所定の光及び画像光を生成して照射する工程と、
    前記所定の光及び前記画像光が照射された前記スクリーンの状態を撮影する工程と、
    前記撮影された前記スクリーンの状態に応じて、前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の前記スクリーンに対する照射強度を制御する工程と
    コンピュータシステムが実行する画像表示方法であって、
    前記照射強度を制御する工程は、第1の画像情報に基づいて生成された前記所定の光及び前記画像光が照射された前記スクリーンの状態に応じて、前記第1の画像情報の次の画像情報である第2の画像情報により指定される前記所定の光及び前記画像光の少なくとも一方の照射強度を補正し、
    前記スクリーンの状態を撮影する工程は、前記スクリーンの状態として前記スクリーンの温度分布を撮影し、
    前記表示部材は、前記所定の光が照射される領域に黒領域を表示し、
    前記照射強度を制御する工程は、前記第2の画像情報により前記黒領域に指定される前記スクリーン上の予定領域の温度に応じて、前記予定領域に照射される前記所定の光の照射強度を補正する
    画像表示方法
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