JP7370685B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源として内燃機関が搭載された車両を制御する制御装置に関する。
従来より、車両の制動時に必要となる操作力、即ちブレーキペダルの踏力を軽減する目的で、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流で発生する吸気負圧を利用して踏力を倍力する真空倍力式(バキューム式)のブレーキブースタが広く採用されている。この種のブレーキブースタは、吸気負圧を蓄える定圧室と、大気圧を導き入れる変圧室とを有している。運転者がブレーキペダルを踏んでいないときには、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室への大気圧の導入が遮断されている。運転者によりブレーキペダルが踏まれると、定圧室と変圧室とが遮断され、かつ変圧室に大気圧が導入されて、定圧室と変圧室との圧力差による倍力作用が営まれる(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2020-033959号公報
ブレーキブースタの定圧室に蓄えた負圧は、車両の運転者がブレーキペダルを踏みフットブレーキ装置を作動させると消費される。よって、ブレーキブースタの定圧室に適時に負圧を補充することが求められる。
基本的には、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流で発生する吸気負圧を、ブレーキブースタに供給している(要するに、ブレーキブースタの定圧室から吸気通路に空気を吸い出す)。だが、高負荷運転時等、スロットルバルブの開度が大きく開かれると、十分な吸気負圧をブレーキブースタに供給できない。
そこで、ブレーキブースタに電動のバキュームポンプを付設し、この電動ポンプを作動させてブレーキブースタに負圧を供給する(電動ポンプがブレーキブースタの定圧室から空気を吸い出す)ことが考えられる。ブレーキブースタに蓄えている負圧の大きさがある値を下回ると(定圧室の圧力が当該値よりも高くなると)、電動ポンプを起動してこれにより負圧を供給する。その後、ブレーキブースタに蓄えているある値以上に回復したならば(定圧室の圧力が当該値よりも低くなると)、電動ポンプを停止する。
電動ポンプの異常の有無、特に電動ポンプ自体やブレーキブースタの定圧室に連通する配管に漏れが生じていないかは、随時検査することが望ましい。内燃機関の運転の停止中に電動ポンプを作動させ、その際のブレーキブースタ内の負圧をセンシングすれば、内燃機関の吸気通路で発生する吸気負圧の影響を除いた、電動ポンプのみによる負圧供給性能を確認できる。
しかし、内燃機関の停止中は、内燃機関に付随する発電機(オルタネータまたはモータジェネレータ)により発電することができない。つまり、車載の蓄電装置(鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ等)から一方的に電動ポンプに給電することになるので、蓄電量の欠乏を招き、後の内燃機関の始動に支障を来す可能性がある。
内燃機関を始動し運転しながら電動ポンプを作動させて、ブレーキブースタ内の負圧をセンシングすることも勿論できる。とは言え、内燃機関の運転中は、吸気通路で発生する吸気負圧がブレーキブースタに供給される。であるから、電動ポンプの異常の有無を判定するためには、吸気通路で発生し得る最大の吸気負圧よりも高い判定閾値を設定し、その判定閾値とブレーキブースタ内の負圧とを比較する必要がある。これは、電動ポンプを長時間作動させることに繋がり、検査に要するタクトタイムが長くなる。
本発明は、ブレーキブースタに付設された電動ポンプの異常の有無の検査をできるだけ短時間で完結し、また車載の蓄電装置の蓄電量の欠乏を招かないようにすることを所期の目的とする。
本発明では、内燃機関、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流に発生する吸気負圧を蓄え負圧を利用してブレーキ踏力を倍力するブレーキブースタ、及びブレーキブースタに負圧を補給する電動ポンプが搭載された車両を制御するものであり、内燃機関が始動され、内燃機関の運転中に内燃機関と車両の駆動輪との間に介在するクラッチが切断状態から接続状態に切り替わった後、ブレーキブースタ内の負圧の大きさがある値を下回ったことを契機として、それまで停止していた電動ポンプを起動してブレーキブースタに負圧を供給し、その結果ブレーキブースタ内の負圧の大きさが判定閾値を上回るか否かに応じて、電動ポンプの異常の有無を判定する車両の制御装置を構成した。
本発明によれば、ブレーキブースタに付設された電動ポンプの異常の有無の検査を短時間で完結できる。また、検査に伴う車載の蓄電装置の蓄電量の欠乏も招かない。
本発明の一実施形態における車両用内燃機関及び制御装置の構成を示す図。 同実施形態における車両の駆動系の構成を例示する図。 同実施形態の制御装置が実行する検査処理の手順例を示すフロー図。 同実施形態の制御装置による制御の模様を説明するタイミング図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関100の概要を示す。内燃機関100は、車両の駆動系を介して車軸103及び駆動輪に走行のための駆動力を供給する。内燃機関100は、例えば火花点火式の4ストロークレシプロエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備する。各気筒1の吸気バルブよりも上流、各気筒1に連なる吸気ポートの近傍には、吸気ポートに向けて燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、排気通路4と吸気通路3とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉しEGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における触媒41の下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所(特に、サージタンク33若しくは吸気マニホルド34)に接続している。
本実施形態の車両には、フットブレーキによる制動時に必要となる操作力、即ちブレーキペダルの踏力を軽減するためのブレーキブースタ5が付帯している。ブレーキブースタ5は、内燃機関100の吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の部位、特にサージタンク33若しくは吸気マニホルド34から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。ブレーキブースタ5は、負圧を蓄える定圧室と、大気圧が加わる変圧室とを有し、定圧室が負圧管路51を介して吸気通路3に接続している。負圧管路51は、スロットルバルブ32の下流側の吸気負圧を定圧室へと導く。負圧管路51上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブ52を設けてある。
運転者によりブレーキペダルが操作されていないとき、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室が大気圧から隔絶される。ブレーキペダルが操作されると、定圧室と変圧室との間が遮断され、かつ変圧室に大気が導入される。結果、定圧室と変圧室との圧力差が、ブレーキペダルの踏力を倍力する制御圧力となる。ブレーキブースタにより増幅されたブレーキ踏力は、マスタシリンダにおいて液圧力に変換される。マスタシリンダが出力するマスタシリンダ圧、即ちマスタシリンダが吐出するブレーキ液の圧力は、液圧回路を介してブレーキキャリパやホイールシリンダ等といったフットブレーキ装置に伝達され、当該ブレーキ装置による車両の制動に用いられる。
ブレーキブースタ5には、電動式のバキュームポンプ6を付設している。この電動ポンプ6は、ブレーキブースタ5の定圧室に負圧管路61を介して接続しており、負圧管路61を通じて定圧室から空気を吸い出す形でブレーキブースタ5に負圧を供給する。負圧管路61上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブ62を設けてある。
図2に、車両が備える駆動系のトランスミッションの例を示す。このトランスミッションは、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を具備してなる。図示例のものは、内燃機関100が出力するエンジントルクを二つの経路を介して車両の駆動輪に伝達することが可能な、いわゆる動力分割式(トルクスプリット式)変速機8、9である。その一方の伝達経路には、ベルト式の無段変速機(Continuously Variable Transmission)9を配し、他方の伝達経路には、遊星歯車機構81を含むスプリット変速機構8を配している。
内燃機関100が出力するエンジントルクは、内燃機関100の出力軸であるクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回転不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。
タービンランナ72に連結したインプット軸75には、インプット軸ギア76を固定している。インプット軸ギア76は、これよりも大径で歯数の多いプライマリ軸ギア95と噛合する。プライマリ軸ギア95は、CVT9のプライマリ軸94に固定している。
CVT9は、プライマリ軸94に相対回転不能に支持させたプライマリプーリ91と、プライマリ軸94と平行に配されたセカンダリ軸96に相対回転不能に支持させたセカンダリプーリ92と、プライマリプーリ91及びセカンダリプーリ92に巻き掛けられたベルト93とを備え、両プーリ91、92とベルト93との摩擦により、プライマリ軸94とセカンダリ軸96との間でトルクを伝達する。
ベルト式CVT9では、各プーリ91、92におけるベルト93を挟む溝の幅が変更されることにより、セカンダリプーリ92とプライマリプーリ91とのプーリ比、換言すればCVT9が具現する変速比が連続的に無段階で変更される。
遊星歯車機構81は、サンギア811、複数個のプラネタリギア814を有するプラネタリキャリア812、及びリングギア813を備える。サンギア811は、セカンダリ軸96に相対回転不能に支持させてある。他方、プラネタリキャリア812は、アウトプット軸84に対して相対的に回転可能であるように外嵌している。各プラネタリギア814は、サンギア811の外周の歯に噛合し、かつリングギア813の内周の歯に噛合する。
リングギア813には、アウトプット軸84を連結している。アウトプット軸84に固定したギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合する。アウトプット軸84の回転は、デファレンシャル装置を介して車軸(ドライブシャフト)103に伝わり、車軸103に取り付けられた駆動輪を回転させる。
また、プラネタリキャリア812は、スプリットドリブンギア82を相対回転不能に支持している。スプリットドリブンギア82は、これよりも大径で歯数の多いスプリットドライブギア83と噛合する。スプリットドライブギア83は、インプット軸75に対して相対的に回転可能であるように外嵌している。
インプット軸75とスプリットドライブギア83との間には、断接切換可能な液圧クラッチC1を介設している。クラッチC1は、作動液圧によりインプット軸75とスプリットドライブギア83とを直結、即ちこれらが一体となって回転するように結合することができる。
サンギア811とリングギア813との間にも、断接切換可能な液圧クラッチC2を介設している。クラッチC2は、作動液圧によりサンギア811とリングギア813とを直結、即ちこれらが一体となって回転するように結合することができる。
加えて、プラネタリキャリア812と変速機8のケースとの間に、断接切換可能な液圧クラッチであるブレーキB1を介設している。ブレーキB1は、作動液圧によりプラネタリキャリア812をケースに対して固定、即ちプラネタリキャリア812の回転を制動することができる。
車両の運転者がシフトレバー(セレクタレバー)を操作して前進走行レンジ(Dポジション等)を選択しているとき、「ベルトモード」または「スプリットモード」の何れかの動力伝達モードをとることができる。ベルトモードは、車両の発進時、低車速域からの加速時や、低中車速域での巡航時等に、専らベルト式CVT9のみによりエンジントルクを車軸103及び駆動輪に伝えるモードである。ベルトモードでは、クラッチC2を接続(係合、締結)し、クラッチC1及びブレーキB1を切断(非係合、解放)する。
スプリットモードは、中高車速域での走行、特にオーバドライブ時に、ベルト式CVT9及びスプリット変速機構8の双方にエンジントルクを分配し、これら両者から車軸103及び駆動輪に伝えるモードである。スプリットモードでは、クラッチC1を接続し、クラッチC2及びブレーキB1を切断する。
運転者が後進走行レンジ(Rポジション)を選択しているときには、ブレーキB1を接続し、クラッチC1、C2を切断する。これにより、車軸103及び駆動輪が逆回転するようになる。
運転者が非走行レンジ(PポジションやNポジション)を選択しているときには、クラッチC1、C2及びブレーキB1の全てを切断する。クラッチC1、C2及びブレーキB1を接続していない状態では、内燃機関100の出力するエンジントルクがインプット軸75に入力されたとしても、そのトルクはセカンダリ軸96まで伝達され、遊星歯車機構81のサンギア811及びプラネタリギア814を空転させるに止まる。従って、エンジントルクはアウトプット軸84には伝達されず、車軸103及び駆動輪は回転駆動されない。
上述したトランスミッション7、8、9の構成は、あくまでも具体的な一例である。よって、車両のトランスミッションの構成はこのようなものには限定されない。トランスミッションに有段自動変速機(Automatic Transmission)を採用することも、当然に可能である。
本実施形態の車両の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。ECU0は、複数基のECUまたはコントローラが、CAN(Controller Area Network)等の電気通信回線を介して相互に通信可能に接続されてなるものであることがある。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関100のクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、運転者が操作するアクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求されるエンジントルクまたはエンジン負荷率)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、内燃機関100の気筒1に連なる吸気通路3(スロットルバルブ32の下流、特にサージタンク33若しくは吸気マニホルド34)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関100の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、運転者が操作するブレーキペダルの踏込量またはマスタシリンダ圧を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号f、ブレーキブースタ5の定圧室に蓄えている負圧を検出する負圧センサから出力される負圧信号g、運転者が操作するシフトレバーの位置を検出するシフトポジションスイッチから出力されるシフトポジション信号h等が入力される。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、電動バキュームポンプ6に対して制御信号n、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブに対して開度操作信号t、スプリット変速機構8のクラッチC1、C2、ブレーキB1の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度操作信号u、CVT9に対して変速比制御信号v等を出力する。
ECU0のプロセッサは、メモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関100の運転を制御する。ECU0は、制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に吸入される空気(新気)量を推算する。そして、吸入空気量に見合った(理論空燃比またはその近傍の目標空燃比を達成できるような)要求燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング(一度の燃焼に対する点火の回数を含む)、要求EGR率(または、EGRガス量、EGRガス分圧)、電動ポンプ6を作動させるか否か、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、CVT9が具現する変速比等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、n、t、u、vを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、内燃機関100の吸気通路3及び電動ポンプ6の各々からブレーキブースタ5の定圧室に適正に負圧を供給できるかどうかを検査する機能を有している。この検査は、工場からの出荷時、整備後、イグニッションスイッチ(イグニッションキーまたはパワースイッチ)がOFFからONに操作されたときのイニシャルチェック等として実施する。
図3に、検査においてECU0がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。ECU0は、イグニッションスイッチがOFFからONに操作され、停止していた内燃機関100を冷間始動するとき(ステップS1)、その始動から電動ポンプ6の作動を禁止し、即ち電動ポンプ6を停止したままで(ステップS2)、負圧センサの出力信号gを参照してブレーキブースタ5の定圧室に蓄えられる負圧を実測し、その負圧の大きさを判定閾値と比較する(ステップS3)。
ステップS3にて、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさが判定閾値を上回るならば(定圧室の圧力が当該判定閾値よりも低圧ならば)、内燃機関100の吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流で発生する吸気負圧を適正にブレーキブースタ5に供給できており、吸気通路3や負圧管路51、チェックバルブ52等に漏れその他の異常は生じていないと判定する。
翻って、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさが判定閾値を下回るならば(定圧室の圧力が当該判定閾値よりも高圧ならば)、吸気負圧を適正にブレーキブースタ5に供給できない何らかの異常が生じていると判定する(ステップS4)。
内燃機関100の吸気通路3に異常が生じていないと判定したECU0は、次に、始動完了後(完爆後、始動のためのクランキングの終了後)引き続き内燃機関100をファイアリング運転している時期において、内燃機関100と車両の駆動輪との間に介在するクラッチC1、C2、B1が切断状態から接続状態に切り替わり(ステップS5)、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさがある値を下回った(定圧室の圧力が当該値よりも高圧になった)ことを契機として(ステップS6)、それまで停止していた電動ポンプ6を起動して(ステップS7)ブレーキブースタ5に負圧を供給する。その上で、負圧センサの出力信号gを参照してブレーキブースタ5の定圧室に蓄えられる負圧を実測し、その負圧の大きさを判定閾値と比較する(ステップS8)。
ステップS5にて、クラッチC1、C2、B1が切断状態から接続状態に切り替わるのは、シフトポジションが非走行レンジ(PポジションやNポジション)から走行レンジ(Dポジション等)に遷移したときである。既述の通り、非走行レンジでは、クラッチC1、C2、B1がおしなべて切断され、内燃機関100のクランクシャフトと車軸103とが機械的に切り離されてエンジントルクが車軸103まで伝達されない。換言すれば、内燃機関100が駆動系に拘束されない。
走行レンジでは、クラッチC1、C2、B1の何れか(特に、クラッチC2)が接続され、内燃機関100のクランクシャフトと車軸103とが機械的に繋がってエンジントルクが車軸103まで伝達されるようになる。裏を返せば、内燃機関100が駆動系に拘束されるようになる。よって、ECU0は、エンジンストールを予防するべく、非走行レンジと比較して、スロットルバルブ32をより大きく開き、気筒1に吸入される空気量及び燃料噴射量を増量してエンジントルクを増大させる。その帰結として、吸気通路3のスロットルバルブ32下流で発生する吸気負圧が小さくなる(吸気圧としては大きくなる)。
ステップS6の条件は、ブレーキペダルが一回ないし複数回踏み込まれ、フットブレーキ装置が作動するとともにブレーキブースタ5に蓄えていた負圧が消費されることによって成就する。
ステップS8にて、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさが判定閾値を上回るならば(定圧室の圧力が当該判定閾値よりも低圧ならば)、電動ポンプ6が発生させる負圧を適正にブレーキブースタ5に供給できており、電動ポンプ6や負圧管路61、チェックバルブ62等に漏れその他の異常は生じていないと判定する。
翻って、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさが判定閾値を下回るならば(定圧室の圧力が当該判定閾値よりも高圧ならば)、電動ポンプ6により負圧を適正にブレーキブースタ5に供給できない何らかの異常が生じていると判定する(ステップS9)。
内燃機関100の吸気通路3または電動ポンプ6に異常が生じていると判定(ステップS4またはS9)したECU0は、その旨を示す情報(ダイアグノーシスコード等)をメモリに書き込んで記憶保持する。並びに、その旨を運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様で報知する。例えば、車両の運転席(コックピット)に設置された警告灯(エンジンチェックランプ)を点灯させたり、ディスプレイに異常の旨を表示したり、警告音を出力したりする。さらに、フェイルセーフ処理として、以後、特定の運転領域[エンジン回転数,エンジントルク等]の範囲内に限定して内燃機関を運転するようなことも考えられる。
図4に、電動ポンプ6の異常の有無の検査の過程における、吸気通路3におけるスロットルバルブ32下流の吸気負圧P、及びブレーキブースタ5内の負圧Qの推移を示す。図4中、時点t0にてイグニッションスイッチがONとなり内燃機関100の冷間始動が開始され、始動完了直後の時期の時点t1にてシフトポジションが非走行レンジから走行レンジに遷移し(ステップS5)、その後の時点t2にてブレーキペダルが踏まれる操作がなされ(ステップS6)、時点t3にて電動ポンプ6を起動している(ステップS7)。因みに、内燃機関100を搭載した既存の車両の大半は、シフトポジションが非走行レンジでないと停止した内燃機関100を始動することができない。
内燃機関100の始動時には、吸気通路3内で大きな吸気負圧Pが発生し、これがブレーキブースタ5に供給される。内燃機関100の始動が完了すると、吸気負圧Pは小さくなる。シフトポジションが非走行レンジから走行レンジに遷移してクラッチC1、C2、B1の何れかがが接続され、それに呼応してスロットルバルブ32が拡開すると、吸気通路3内の負圧Pはさらに低減する。
一方、ブレーキペダルが操作されると、ブレーキブースタ5に蓄えていた負圧Qが消費され、その負圧Qの大きさが吸気負圧Pを下回るようになる。その頃に、電動ポンプ6を起動し、これを稼働させてブレーキブースタ5への負圧の補充を行う。しかして、回復するブレーキブースタ5内の負圧Qの大きさを判定閾値Tと比較し(ステップS8)、負圧Qが判定閾値Tを上回るならば電動ポンプ6に異常はないと判定し、さもなくば電動ポンプ6に異常があると判定する。
負圧Qと比較するべき判定閾値Tは、判定時(ステップS8)における吸気通路3内の吸気負圧Pよりも高い(圧力としては、より低圧の)値に設定する必要がある。判定閾値Tは、恒常的に一定の値としてもよく、可変の値としてもよい。
判定閾値Tを可変とする場合、そのときの吸気負圧Pが高い(スロットルバルブ32下流の吸気圧が低圧である)ほど判定閾値Tを高く引き上げ、吸気負圧Pが低い(吸気圧が高圧である)ほど判定閾値Tを低く引き下げることができる。例えば、判定閾値Tを、吸気圧センサの出力信号dを参照して知得される吸気負圧Pの実測値や、車載の蓄電装置に蓄えている電荷量または端子電圧(蓄電装置に既に十分に電荷を蓄えているならば、内燃機関100に付随する発電機を回転駆動して積極的に発電し蓄電装置を充電する必要性に乏しく、スロットルバルブ32の開度が縮小される)、イグニッションスイッチがOFFからONに操作されて(または、内燃機関100が冷間始動して)からの経過時間(始動後のアイドリング運転時間が長くなるほどスロットルバルブ32下流の吸気負圧Pが高まる)、内燃機関100の冷却水温(冷却水温が低いときには暖機しようとするのでスロットルバルブ32の開度が拡大する)、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度操作の履歴等に応じて調整することが考えられる。
本実施形態では、内燃機関100、内燃機関100の吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流に発生する吸気負圧を蓄え負圧を利用してブレーキ踏力を倍力するブレーキブースタ5、及びブレーキブースタ5に負圧を補給する電動ポンプ6が搭載された車両を制御するものであり、内燃機関100が始動され、内燃機関100の運転中に内燃機関100と車両の駆動輪との間に介在するクラッチC1、C2、B1が切断状態から接続状態に切り替わった後、ブレーキブースタ5内の負圧の大きさがある値を下回ったことを契機として、それまで停止していた電動ポンプ6を起動してブレーキブースタ5に負圧を供給し、その結果ブレーキブースタ5内の負圧Qの大きさが判定閾値Tを上回るか否かに応じて、電動ポンプ6の異常の有無を判定する車両の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、ブレーキブースタ5に適正に負圧を供給できないような異常が発生したとき、それが内燃機関100の吸気系3の側で生じているのか、電動バキュームポンプ6の側で生じているのかを切り分けて特定することが可能である。
しかも、内燃機関100の始動後、吸気通路3内の吸気負圧Pが低下した(スロットルバルブ32の開度が拡大し、スロットルバルブ32下流の吸気圧が上昇した)ときを見計らって、電動ポンプ6を起動して電動ポンプ6の異常の有無の検査を実行することから、判定閾値Tをより低位の値(圧力としては、より高圧な値)に設定でき、電動ポンプ6の検査を短時間で完結できる。また、電動ポンプ6の長時間可動によるNV(Noise and Vibration)性能の低下や、電動ポンプ6の寿命の短命化も抑制できる。
加えて、内燃機関100を始動しファイアリング運転している最中に電動ポンプ6を作動させて検査を遂行するので、内燃機関100に付随する発電機による発電が可能であり、車載の蓄電装置の蓄電量の欠乏を招かずに済む。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。各部の具体的な構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
0…制御装置(ECU)
100…内燃機関
3…吸気通路
32…スロットルバルブ
5…ブレーキブースタ
6…電動ポンプ
d…吸気圧信号
g…ブレーキブースタ負圧信号
n…電動ポンプ制御信号

Claims (1)

  1. 内燃機関、内燃機関の吸気通路におけるスロットルバルブの下流に発生する吸気負圧を蓄え負圧を利用してブレーキ踏力を倍力するブレーキブースタ、及びブレーキブースタに負圧を補給する電動ポンプが搭載された車両を制御するものであり、
    内燃機関が始動され、内燃機関の運転中に内燃機関と車両の駆動輪との間に介在するクラッチが切断状態から接続状態に切り替わった後、ブレーキブースタ内の負圧の大きさがある値を下回ったことを契機として、それまで停止していた電動ポンプを起動してブレーキブースタに負圧を供給し、その結果ブレーキブースタ内の負圧の大きさが判定閾値を上回るか否かに応じて、電動ポンプの異常の有無を判定する車両の制御装置。
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