JP7367883B1 - 多孔質体 - Google Patents

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Abstract

強化繊維として、炭素繊維(A)50重量%超99重量%以下と、引張破断伸度2.5~100%の有機繊維(B)1重量%以上50重量%未満とを含み、該強化繊維が樹脂(C)により固定されてなる、空隙率が10~95体積%の多孔質体。優れた軽量性と衝撃強度および剛性を有する繊維強化樹脂の多孔質体を提供する。

Description

本発明は、スポーツ用品、電子機器筐体、建築部材等の産業製品に用いられる繊維強化樹脂の多孔質体に関する。
近年、各種電子機器筐体やスポーツ用品等の産業用製品において、剛性や軽量性はますます重要になっており、比強度や比剛性に優れる構造部材の需要が拡大している。特に、内部に空隙を有する構造部材は製品の軽量化に極めて有効であり、軽量性と力学特性に優れる構造部材として、強化繊維とマトリクス樹脂と空隙とを含む繊維強化樹脂の構造体が存在する(特許文献1)。また、軽量性に加えて柔軟性を有する構造部材として、ゴム弾性を示す樹脂を含む構造体が存在する(特許文献2)。
国際公開第2017/110528号 国際公開第2018/117188号
しかし、特許文献1のような空隙を含む構造体は衝撃強度が不十分である問題があった。また、特許文献2のようなゴム弾性を示す樹脂を含む構造体は、樹脂のゴム弾性によって優れた衝撃強度を発現するが、一方で強化繊維を固定する効果が減少し、その補強効果を十分なものとすることができず、剛性や強度が不十分である課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、優れた軽量性と衝撃強度および剛性を有する繊維強化樹脂の多孔質体を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、次の構成を有する。
[1]強化繊維として、炭素繊維(A)50重量%超99重量%以下と、引張破断伸度2.5~100%の有機繊維(B)1重量%以上50重量%未満とを含み、該強化繊維が樹脂(C)により固定されてなり、前記強化繊維の交点が前記樹脂(C)で結合されるとともに、前記強化繊維も前記樹脂(C)も存在しない部分として多孔質体の空隙が形成されており、空隙率が10~95%の多孔質体。
[2]前記有機繊維(B)が前記炭素繊維(A)と均一に分散している、[1]に記載の多孔質体。
[3]前記交点が、前記炭素繊維(A)の単繊維が別の炭素繊維(A)の単繊維もしくは別の炭素繊維(A)の繊維束または前記有機繊維(B)の単繊維もしくは前記有機繊維(B)の繊維束と交差することで形成されてなる、[1]に記載の多孔質体。
[4]前記交点が、前記有機繊維(B)の単繊維が別の有機繊維(B)の単繊維もしくは前記有機繊維(B)の繊維束または前記炭素繊維(A)の単繊維もしくは前記炭素繊維(A)の繊維束と交差することで形成されてなる、[1]に記載の多孔質体。
[5]前記交点を構成する強化繊維同士で形成される平均二次元配向角が10~80度である、[1]に記載の多孔質体。
[6]前記炭素繊維(A)と有機繊維(B)の合計5~90重量部に対し、前記樹脂(C)を10~95重量部含む、[1]~[5]のいずれかに記載の多孔質体。
[7]密度が0.02~0.9g/cmである、[1]~[6]のいずれかに記載の多孔質体。
[8]前記炭素繊維(A)の平均繊維長が1~15mmである、[1]~[7]のいずれかに記載の多孔質体。
[9]前記有機繊維(B)の平均繊維長が4~20mmである、[1]~[8]のいずれかに記載の多孔質体。
[10]前記有機繊維(B)が、ポリエステル系樹脂、ポリアリールエーテルケトン系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択される、[1]~[9]のいずれかに記載の多孔質体。
[11]前記有機繊維(B)の直径が15~50μmである、[1]~[10]のいずれかに記載に記載の多孔質体。
[12]前記有機繊維(B)の引張強度が1~6GPaである、[1]~[11]のいずれかに記載の多孔質体。
[13]前記有機繊維(B)の引張破断伸度が2.5~30%である、[1]~[12]のいずれかに記載の多孔質体。
[14]前記樹脂(C)が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択される熱可塑性樹脂、および/または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびアクリル樹脂より選択される熱硬化性樹脂である、[1]~[13]のいずれかに記載の多孔質体。
[15]前記多孔質体のシャルピー衝撃強度が10~100kJ/mである、[1]~[14]のいずれかに記載の多孔質体。
[16][1]~[15]のいずれかに記載の多孔質体の表面に、連続した強化繊維を含む繊維強化樹脂が配置されてなる複合構造体。
[17]スポーツ用品、電子機器筐体および建築部材より選択される用途に用いられる、[1]~[16]のいずれかに記載の多孔質体。
本発明によれば、優れた軽量性と衝撃強度および剛性を有する多孔質体を得ることができる。
本発明の多孔質体の断面構造を示す模式図である。
以下、理解を容易にするため、適宜図面を参照しつつ本発明を説明するが、本発明はこれらの図面によって限定されるものではない。
本発明の多孔質体は、強化繊維と樹脂を含むいわゆる繊維強化樹脂であり、強化繊維として、炭素繊維(A)50重量%超99重量%以下と、引張破断伸度2.5~100%の有機繊維(B)1重量%以上50重量%未満とを含み、該強化繊維が樹脂(C)により固定されてなる。炭素繊維(A)は剛性や強度に優れ、強化繊維として炭素繊維(A)を50重量%超99重量%以下含むことにより、炭素繊維(A)に由来する補強効果を十分なものとすることができ、優れた剛性や強度を付与することができる。有機繊維(B)は、炭素繊維(A)に比べて比較的延性や引張破断伸度に優れ、衝撃によって破断しにくい。したがって、有機繊維(B)を含む多孔質体が衝撃によって破壊するためには、有機繊維(B)による樹脂(C)の破壊もしくは樹脂(C)からの引き抜けを伴うことが必要になるため、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。強化繊維として有機繊維(B)を1重量%以上含むことにより、有機繊維(B)に由来する補強効果を十分なものとすることができ、優れた衝撃強度を付与することができる。有機繊維(B)を50重量%未満含むことにより、有機繊維(B)に対する炭素繊維(A)の含有率が相対的に大きくなり、炭素繊維(A)により付与される優れた剛性や強度と有機繊維(B)により付与される優れた衝撃強度を両立することができる。炭素繊維(A)の含有率は、より好ましくは60~80重量%であり、有機繊維(B)の含有率は、より好ましくは20~40重量%である。
また、有機繊維(B)の引張破断伸度が2.5%以上であることにより、衝撃時の繊維破断を十分抑制することができ、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。一方、引張破断伸度が100%以下であることにより、衝撃時の有機繊維(B)の伸びが抑制されて十分な荷重を負担することができ、優れた衝撃強度を付与することができる。有機繊維(B)の引張破断伸度は、好ましくは2.5~30%、より好ましくは2.5~15%である。
有機繊維(B)の引張破断伸度(%)は、次の方法により求めることができる。標準状態(20℃、65%RH)の室内で、つかみ間隔250mm、引張速度300mm/分の条件で繊維1本の引張試験を行い、繊維切断時の長さを測定し(ただし、チャック近傍で切断した場合はチャック切れとしてデータから除く)、次式により小数点2桁まで算出し、小数点2桁目を四捨五入する。データ数n=3の平均値を求め、本発明における引張破断伸度とする。
引張破断伸度(%)=[(切断時の長さ(mm)-250)/250]×100
本発明の多孔質体は空隙率が10~95体積%である。空隙率が10体積%以上であることにより、比重が小さくなり十分な軽量性が得られる。一方、空隙率が95体積%以下であることにより、強化繊維および樹脂による補強効果を十分なものとすることができ、多孔質体に優れた力学特性を付与することができる。空隙率は、より好ましくは20体積%以上、90体積%以下である。
図1は、本発明の多孔質体の断面構造を示す模式図である。図1に示すように、本発明の多孔質体1は、炭素繊維2と有機繊維3と樹脂4と空隙5とを含み、炭素繊維2と有機繊維3は樹脂4で固定されている。
本発明の多孔質体において、有機繊維(B)が炭素繊維(A)と均一に分散していることが好ましい。本発明において均一に分散しているとは、任意に選択した有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数の変動係数が50%以下であることを意味する。なお、本発明における交差とは、観察する二次元平面において、基準とする有機繊維(B)が炭素繊維(A)と交わって観察される状態のことを意味し、両者が接触している必要はない。炭素繊維(A)が相対的に少ない箇所は、強度や剛性における脆弱部となり、有機繊維(B)が相対的に少ない箇所は、繊維破断が生じやすく衝撃強度における脆弱部となる。そのため、有機繊維(B)が炭素繊維(A)と均一に分散していることにより、局所的な脆弱部がなく多孔質体が優れた剛性と衝撃強度を両立できる。有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数の変動係数は、有機繊維(B)を5本任意に選択し、該選択範囲にて有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数nから下記式で計算される。なお、有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)が多数の場合には、有機繊維(B)の連続した1mmの範囲を5箇所任意に選択し、該選択範囲にて有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数で代用してもよい。
Figure 0007367883000001
本発明の多孔質体は、強化繊維の交点が樹脂(C)で結合されるとともに、強化繊維も樹脂(C)も存在しない部分として多孔質体の空隙が形成されてい。典型的には、空隙は多孔質体中に多数散在している。このような空隙を含むことで比重を小さくすることができ、軽量でありながら優れた力学特性を発現することができる。これにより、多孔質体に加えられた荷重は樹脂および接点を通じて分散され、強化繊維が荷重を受け持つことで優れた力学特性を発揮する。また、強化繊維が衝撃によって破断しない場合に多孔質体が衝撃によって破壊するためには、強化繊維が接点で樹脂の破壊もしくは樹脂からの強化繊維の引き抜けを伴うことが必要になるため、優れた衝撃強度を発現することができる。そして、強化繊維が樹脂によって結合されていることにより、強化繊維による補強効果を十分なものとすることができる。
さらに、多数存在する強化繊維の交点のうちの少なくとも一部が、炭素繊維(A)の単繊維が別の繊維と交差することで形成されてなることが好ましい。ここで、別の繊維とは、該炭素繊維(A)とは別の炭素繊維(A)もしくは有機繊維(B)を意味し、別の繊維は単繊維の状態であっても繊維束の状態であってもよい。これにより、多孔質体に加えられた荷重が強度や剛性に優れる炭素繊維(A)に分散され、多孔質体に優れた強度や剛性を付与することができる。また、多数存在する強化繊維の交点のうちの少なくとも一部が、有機繊維(B)の単繊維が別の繊維と交差することで形成されてなることが好ましい。ここで、別の繊維とは、該有機繊維(B)とは別の有機繊維(B)もしくは炭素繊維(A)を意味し、別の繊維は単繊維の状態であっても繊維束の状態であってもよい。これにより、多孔質体に加えられた荷重が破断しにくい有機繊維(B)に分散され、衝撃時に樹脂(C)の破壊もしくは樹脂(C)からの有機繊維(B)の引き抜けを伴うことで、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。
また、交点を構成する強化繊維同士で形成される平均二次元配向角が10~80度であることが好ましい。本発明における二次元配向角とは、交差する単繊維同士が形成する角度のうち、0°以上、90°以下の範囲内にある鋭角側の角度と定義する。平均二次元配向角が10~80度であることにより、力学特性に等方性を付与することができる。また、強化繊維が等方的に存在することにより、衝撃時の亀裂進展方向によらず樹脂(C)の破壊もしくは樹脂(C)からの強化繊維の引き抜けを伴うため、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。平均二次元配向角は、より好ましくは30~60度、さらに好ましくは40~50度である。
二次元配向角を測定するための観察方法としては、特に制限はないが、例えば、構成要素の表面から強化繊維の配向を観察する方法を例示できる。この場合、多孔質体の表面を研磨して強化繊維を露出させることで、強化繊維をより観察しやすくなる。また、X線CT透過観察を行って強化繊維の配向画像を撮影する方法も例示できる。X線透過性の高い強化繊維の場合には、強化繊維にトレーサ用の繊維を混合しておく、又は、強化繊維にトレーサ用の薬剤を塗布しておくと、強化繊維を観察しやすくなるため好ましい。また、上記方法で観察が困難な場合には、加熱炉等により多孔質体を高温下において樹脂成分を焼失させた後、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて取り出した強化繊維から強化繊維の配向を観察する方法を例示できる。平均二次元配向角は、次の手順で測定する。すなわち、無作為に選択した単繊維に対して交差している全ての単繊維との二次元配向角の平均値を測定する。例えば、ある単繊維に交差する別の単繊維が多数の場合には、交差する別の単繊維を無作為に20本選び測定した算術平均値を代用してもよい。この測定を別の単繊維を基準として合計5回繰り返し、その算術平均値を平均二次元配向角として算出する。
本発明の多孔質体は、炭素繊維(A)と有機繊維(B)の合計5~90重量部に対し、樹脂(C)を10~95重量部含むことが好ましい。炭素繊維(A)と有機繊維(B)が合計5重量部以上、樹脂(C)が95重量部以下であることにより、炭素繊維(A)と有機繊維(B)に由来する補強効果を十分なものとすることができ、優れた力学特性を発現することができる。一方、炭素繊維(A)と有機繊維(B)が合計90重量部以下、樹脂(C)が10重量部以上であることにより、樹脂(C)によって強化繊維同士を十分に接着し、強化繊維の補強効果を十分なものとすることができる。
本発明の多孔質体の密度は、0.02~0.9g/cmであることが好ましい。密度が0.02g/cm以上であることにより、多孔質体に十分な力学特性を付与することができる。密度が0.9g/cm以下であることにより、十分な軽量性を有することができ、軽量でありながら優れた力学特性を発現することができる。
本発明において、炭素繊維(A)の平均繊維長は1~15mmであることが好ましい。炭素繊維(A)の平均繊維長が1mm以上であることにより、炭素繊維(A)による補強効果を十分なものとすることができ、優れた剛性を付与することができる。一方、炭素繊維(A)の平均繊維長が15mm以下であることにより、多孔質体中で炭素繊維(A)が屈曲しにくくなり、炭素繊維(A)の高い剛性を十分に活用して多孔質体に優れた剛性を付与することができる。炭素繊維(A)の平均繊維長は、より好ましくは2~13mmである。
また、有機繊維(B)の平均繊維長は4~20mmであることが好ましい。有機繊維(B)の平均繊維長が4mm以上であることにより、有機繊維(B)が他の繊維や樹脂と多数の接点を有し、衝撃時に樹脂の破壊もしくは樹脂からの有機繊維(B)の引き抜けを多数伴うことになり、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。一方、有機繊維(B)の平均繊維長が20mm以下であることにより、有機繊維(B)の単位体積あたりの繊維本数を十分多くすることができ、衝撃時に樹脂の破壊もしくは樹脂からの有機繊維(B)の引き抜けを多数伴うことになる。有機繊維(B)の平均繊維長は、より好ましくは6~15mmである。
強化繊維の平均繊維長は、マトリクス樹脂成分を焼失や溶出等の方法により取り除き、残った強化繊維から無作為に400本を選択し、その長さを100μm単位まで測定し、それらの平均長さとして算出できる。
炭素繊維(A)としては、PAN系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維を例示できる。
有機繊維(B)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエーテルケトン等のポリアリールエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリアリーレンスルフィド、フッ素樹脂等の樹脂を紡糸して得られる繊維を例示できる。これらの繊維を2種以上併用してもよい。中でも、衝撃時の繊維破断抑制の観点から、本発明の有機繊維(B)はポリエステル系樹脂、ポリアリールエーテルケトン系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択されることが好ましい。
また、これらの繊維に表面処理が施されているものであってもよい。表面処理としては、導電体として金属の被着処理の他に、カップリング剤による処理、サイジング剤による処理、結束剤による処理、添加剤の付着処理等がある。
本発明において、有機繊維(B)の直径は15~50μmであることが好ましい。有機繊維(B)の直径が15μm以上であることにより、断面積の増加に伴って有機繊維(B)の耐荷重が十分大きくなり、衝撃時の荷重による有機繊維(B)の破断を十分抑制することができ、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。有機繊維(B)の直径が50μm以下であることにより、有機繊維(B)の単位体積あたりの繊維本数を十分多くすることができ、衝撃時に樹脂の破壊もしくは樹脂からの有機繊維(B)の引き抜けを多数伴うことになり、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。
本発明において、有機繊維(B)の引張強度は1~6GPaであることが好ましい。この範囲とすることにより、衝撃時の有機繊維(B)の破断を十分抑制することができ、多孔質体に優れた衝撃強度を付与することができる。
本発明において樹脂(C)は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、両者をブレンドした樹脂を用いることもできる。
熱可塑性樹脂としては、「ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等のポリアリーレンスルフィド、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)」等の結晶性樹脂、「スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート(PAR)」等の非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、さらにポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系、及びアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体及び変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を例示できる。中でも、表面外観の観点からはポリカーボネートやスチレン系樹脂のような非晶性樹脂が好ましく、連続使用温度の観点からポリエーテルエーテルケトンが好ましく、さらに耐薬品性の観点からフッ素系樹脂が好ましく用いられる。本発明の多孔質体において、樹脂(C)はポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択される熱可塑性樹脂であることがより好ましい。具体的には、軽量性の観点からはポリオレフィン系樹脂が好ましく、強度の観点からはポリアミド系樹脂が好ましく、耐熱性の観点からポリアリーレンスルフィド系樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、これらの共重合体、変性体、及びこれらをブレンドした樹脂を例示できる。本発明の多孔質体において、樹脂(C)はエポキシ樹脂、フェノール樹脂およびアクリル樹脂より選択される熱硬化性樹脂であることがより好ましい。具体的には、強度の観点からはエポキシ樹脂が好ましく、耐熱性の観点からはフェノール樹脂が好ましく、衝撃強度の観点からはアクリル樹脂が好ましく用いられる。
また、本発明の目的を損なわない範囲で、マトリクス樹脂は、エラストマー又はゴム成分等の耐衝撃性向上剤、他の充填材や添加剤を含有してもよい。充填材や添加剤の例としては、無機充填材、難燃剤、導電性付与剤、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色防止剤、熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、着色剤、顔料、染料、発泡剤、制泡剤、又は、カップリング剤を例示できる。
本発明の多孔質体のシャルピー衝撃強度は10~100kJ/mであることが好ましい。シャルピー衝撃強度が10kJ/m以上であることにより、多孔質体を実用に供する範囲の制限が軽減される。シャルピー衝撃強度が100kJ/m以下であることにより、多孔質体の軽量性を損なうことなく十分な衝撃強度を発現することができる。多孔質体のシャルピー衝撃強度は、より好ましくは15~90kJ/m、さらに好ましくは20~80kJ/mである。なお、シャルピー衝撃強度はJIS K 7111(2006)に準拠し、長さ80±2mm、幅10.0±0.2mm、厚さ4.0±0.2mmのノッチなし試験片を用いたエッジワイズ衝撃試験により求めることができる。
本発明の他の態様は、本発明の多孔質体の表面に、連続した強化繊維を含む繊維強化樹脂が配置されてなる複合構造体である。本発明の複合構造体は、表面の繊維強化樹脂により、本発明の多孔質体のみでは発現することのできない剛性や衝撃強度などを発現することができる。また、少なくとも一部が本発明の多孔質体で構成されることにより、複合構造体に優れた軽量性を付与することができる。
本発明の多孔質体の用途の一例として、スポーツ用品、電子機器筐体、建築部材等が挙げられる。本発明の多孔質体は優れた軽量性、剛性と衝撃強度を有するため、スポーツ用品として軽量性と反発力のバランスに優れ、スポーツ用品の性能向上を期待できる。また、電子機器筐体や建築部材として軽量性と形状維持に必要な剛性のバランスに優れ、電子機器筐体の携行性の向上、建築物の高層化を期待できる。さらに、スポーツ用品、電子機器筐体、建築部材として軽量性と耐衝撃性のバランスに優れ、軽量でありながら落下や衝突などによる破損を抑制することが期待できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)多孔質体における樹脂(C)の重量含有率、空隙の体積含有率の測定
多孔質体は、樹脂シートと繊維マットを積層して作製した空隙を含まないシート状基材から成形した。樹脂シートの目付Wr(g/m)と積層枚数Nr、繊維マット中の炭素繊維の目付Wf(g/m)と有機繊維の目付Wo(g/m)および繊維マットの積層枚数Nmから、樹脂(C)の重量含有量を次式により算出した。また、シート状基材の体積Tbと多孔質体の体積Tsを測定し、空隙の体積含有率を次式により算出した。
樹脂(C)の重量含有量(重量部)=(Wr×Nr)/{(Wf×Nm)+(Wo×Nm)+(Wr×Nr)}×100
空隙の体積含有率(体積%)=(Ts-Tb)/Ts×100
(2)多孔質体中、交点を構成する強化繊維同士で形成される平均二次元配向角
交点を構成する強化繊維同士で形成される平均二次元配向角は、次の手順で測定する。すなわち、無作為に選択した単繊維に対して交差している全ての単繊維との二次元配向角の平均値を測定する。例えば、ある単繊維に交差する別の単繊維が多数の場合には、交差する別の単繊維を無作為に20本選び測定した算術平均値を代用してもよい。この測定を別の単繊維を基準として合計5回繰り返し、その算術平均値を平均二次元配向角として算出する。
(3)多孔質体の密度ρの測定
多孔質体から試験片を切り出し、JIS K 7222(2005)を参考にして多孔質体の見かけ密度を測定した。試験片の寸法は縦100mm、横100mmとした。試験片の縦、横、厚みをマイクロメーターで測定し、得られた値より試験片の体積V(mm)を算出した。また、切り出した試験片の質量M(g)を電子天秤で測定した。得られた質量Mおよび体積Vを次式に代入することにより多孔質体の密度ρを算出した。
ρ(g/cm)=10×M/V
(4)多孔質体のシャルピー衝撃試験
多孔質体から試験片を切り出し、JIS K 7111(2006)を参考にして多孔質体のシャルピー衝撃強度を測定した。試験片は、長さ80±2mm、幅10.0±0.2mm、厚さ4.0±0.2mmに切り出した。なお、ノッチなし試験片を用いたエッジワイズ衝撃試験とした。測定n=3とし、算術平均値を衝撃強度Ac(kJ/m)とした。
(5)多孔質体の曲げ試験
多孔質体から試験片を切り出し、ISO178法(1993)を参考にして曲げ弾性率を測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、-45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数n=3とし、算術平均値を曲げ弾性率Ec(GPa)とした。
(6)有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数の変動係数
有機繊維(B)の連続した1mmの範囲を5箇所任意に選択し、該選択範囲にて有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数niから下記式で計算した。
Figure 0007367883000002
(7)試験体の材料
[炭素繊維(CF)]
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、及び表面酸化処理を行い、総単糸数12,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
密度:1.8g/cm
引張強度:4,600MPa
引張弾性率:220GPa
引張破断伸度:2.1%
[PET繊維1]
ポリエステル繊維(東レ(株)製“テトロン”(登録商標)1670T-288F-702C、繊維径23μm、引張強度1.1GPa、引張破断伸度14.0%)を用いた。
[PET繊維2]
ポリエステル繊維(東レ(株)製“テトロン”(登録商標)、繊維径7μm、引張強度0.5GPa、引張破断伸度:46%)を用いた。
[PET繊維3]
ポリエステル繊維(東レ(株)製“テトロン”(登録商標)、融点260℃、繊維径10μm、引張強度0.5GPa、引張破断伸度:42%)を用いた。
[PET繊維4]
ポリエステル繊維(東レ(株)製“テトロン”(登録商標)、融点260℃、繊維径18μm、引張強度0.5GPa、引張破断伸度:36.5%)を用いた。
[LCP繊維]
液晶ポリエステル繊維(東レ(株)製“シベラス”(登録商標)1700T-288F、繊維径23μm、引張強度3.3GPa、引張破断伸度2.8%)を用いた。
[アラミド繊維]
パラ系アラミド繊維(東レ(株)製“ケブラー”(登録商標)、繊維径12μm、引張強度2.9GPa、引張破断伸度:3.6%)を用いた。
[樹脂シート1]
未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J105G)80質量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”(登録商標)QB510)20質量%とからなる目付150g/mの樹脂シート1を作製した。
[樹脂シート2]
未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”(登録商標)J105G)80質量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”(登録商標)QB510)20質量%とからなる目付200g/mの樹脂シート2を作製した。
[樹脂シート3]
ポリエーテルケトンケトン(アルケマ社製“ケプスタン”(登録商標)6003)からなる目付150g/mの樹脂シート3を作製した。
[樹脂シート4]
“jER”(登録商標)828(三菱化学(株)製)を30質量部、“jER”(登録商標)1001を35質量部、“jER”(登録商標)154を35質量部、ニーダー中に投入し、混練しながら150℃まで昇温し、150℃において1時間混練することで透明な粘調液を得た。粘調液を60℃まで混練しながら降温させた後、硬化剤としてDYCY7(三菱化学(株)製)を3.7質量部、硬化促進剤としてDCMU99(保土谷化学工業(株)製)を3質量部、粒子として“マツモトマイクロスフェアー”(登録商標)M(松本油脂製薬(株)製)を3質量部配合し、60℃において30分間混練することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。該エポキシ樹脂組成物からなる目付150g/mの樹脂シート4を作製した。
[繊維マット1]
炭素繊維とPET繊維1をそれぞれ長さ6mmと13mmにカットし、チョップド炭素繊維とチョップドPET繊維1を得た。水と 界面活性剤(ナカライテクス(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名))とからなる濃度0.1質量%の分散液を作製し、分散液とチョップド炭素繊維およびチョップドPET繊維1とを用いて繊維マットを製造した。繊維マットの製造装置は、分散槽としての容器下部に開口コックを有する直径1000mmの円筒形状の容器を備えている。分散槽の上面の開口部には撹拌機が付属し、開口部からチョップド炭素繊維とチョップドPET繊維1および分散液を投入可能である。抄紙基材を200℃の乾燥炉で30分間乾燥し、ウェブを得た。このウェブを重ねて繊維マット1を得た。また、繊維マット中の炭素繊維とPET繊維1の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、PET繊維1の目付は28g/mであった。
[繊維マット2]
繊維マット1におけるPET繊維1をLCP繊維とした以外は、繊維マット1と同様にして繊維マット2を得た。繊維マット中の強化繊維1と強化繊維3の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、強化繊維1の目付は72g/m、強化繊維3の目付は28g/mであった。
[繊維マット3]
繊維マット1におけるPET繊維1をPET繊維2とした以外は、繊維マット1と同様にして繊維マット3を得た。繊維マット中の炭素繊維とPET繊維2の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、PET繊維2の目付は28g/mであった。
[繊維マット4]
繊維マット1におけるPET繊維1をPET繊維3とした以外は、繊維マット1と同様にして繊維マット4を得た。繊維マット中の炭素繊維とPET繊維3の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、PET繊維3の目付は28g/mであった。
[繊維マット5]
繊維マット1におけるPET繊維1をPET繊維4とした以外は、繊維マット1と同様にして繊維マット5を得た。繊維マット中の炭素繊維とPET繊維4の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、PET繊維4の目付は28g/mであった。
[繊維マット6]
繊維マット2における炭素繊維を長さ0.5mmにカットした以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット6を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ0.5mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、LCP繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット7]
繊維マット2における炭素繊維を長さ20mmにカットした以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット7を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ20mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、LCP繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット8]
繊維マット2におけるLCP繊維を長さ2mmにカットした以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット8を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ6mmと2mm、炭素繊維の目付は72g/m、LCP繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット9]
繊維マット2におけるLCP繊維を長さ30mmにカットした以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット9を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ6mmと30mm、炭素繊維の目付は72g/m、LCP繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット10]
繊維マット1におけるPET繊維1をアラミド繊維とした以外は、繊維マット1と同様にして繊維マット10を得た。繊維マット中の炭素繊維とアラミド繊維の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、アラミド繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット11]
繊維マット2において、チョップドLCP繊維を当初の太さの繊維束が一部残る状態とした以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット11を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は72g/m、LCP繊維の目付は28g/mであった。
[繊維マット12]
繊維マット2において、分散槽に投入するチョップド炭素繊維とチョップドLCP繊維の割合を変更した以外は、繊維マット2と同様にして繊維マット12を得た。繊維マット中の炭素繊維とLCP繊維の平均繊維長はそれぞれ6mmと13mm、炭素繊維の目付は39g/m、LCP繊維の目付は61g/mであった。
[繊維マット13]
炭素繊維を長さ6mmにカットし、チョップド炭素繊維を得た。水と界面活性剤(ナカライテクス(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名))とからなる濃度0.1質量%の分散液を作製し、分散液とチョップド炭素繊維を用いて繊維マットを製造した。繊維マットの製造装置は、分散槽としての容器下部に開口コックを有する直径1000mmの円筒形状の容器を備えている。分散槽の上面の開口部には撹拌機が付属し、開口部からチョップド炭素繊維および分散液を投入可能である。抄紙基材を200℃の乾燥炉で30分間乾燥し、ウェブを得た。このウェブを重ねて繊維マット13を得た。また、繊維マット中の炭素繊維の平均繊維長は6mm、目付は90g/mであった。
[繊維マット14]
繊維マット13と同様にして目付110g/mの繊維マット14を得た。
(実施例1)
繊維マット1と樹脂シート1を、[樹脂シート1/繊維マット1/樹脂シート1/繊維マット1/樹脂シート1/繊維マット1/樹脂シート1/繊維マット1/樹脂シート1/繊維マット1/樹脂シート1]の順番に配置した積層物を作製した。次いで、以下の工程(A)~(C)を経ることによりシート状基材を得た。
(A)積層体を180℃に予熱したプレス成形用金型キャビティ内に配置して金型を閉じる。
(B)3MPaの圧力を付与して5分間保持した後、圧力を保持した状態でキャビティ温度を50℃まで冷却する。
(C)金型を開いてシート状基材を取り出す。
その後、以下の工程(D)~(F)を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。
(D)シート状基材を180℃に予熱した(A)と同じプレス成形用金型キャビティ内に配置し、金型を締結して5分保持した後、金型を開放し、その末端に金属スペーサーを挿入し、成形体の厚みが4.0mmとなるように調整する。
(E)再度、金型キャビティを締結し、圧力を保持した状態でキャビティ温度を50℃まで冷却する。
(F)金型を開いて成形体を取り出す。
(実施例2)
繊維マット1を繊維マット2とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。実施例1に比べて、引張強度がより大きい有機繊維(B)を用い、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例3)
繊維マット1を繊維マット2とし、樹脂シート1を樹脂シート3とし、工程(A)における予熱温度を350℃、工程(B)における圧力を10MPa、保持時間を10分間とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。実施例2に比べてより高融点の樹脂を用いた場合にも、実施例2と同様に特に衝撃強度の高いものとなった。
(実施例4)
実施例1における樹脂シート1を樹脂シート4とし、以下の工程(A)~(C)を経ることによりシート状基材を得た。
(A)積層体を60℃に予熱したプレス成形用金型キャビティ内に配置して金型を閉じる。
(B)5MPaの圧力を付与して90分間保持する。
(C)金型を開いてシート状基材を取り出す。
その後、以下の工程(D)~(F)を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。実施例2から樹脂を変更して熱硬化性の樹脂を用いた場合にも、実施例2と同様に特に衝撃強度の高いものとなった。
(D)シート状基材を60℃に予熱したプレス成形用金型キャビティ内に配置し、5MPaの圧力を付与して5分保持した後、金型を開放し、その末端に金属スペーサーを挿入し、多孔質体の厚みが4.0mmとなるように調整する。
(E)再度、金型キャビティを締結し、圧力を保持した状態で金型を150℃まで昇温して、90分間硬化する。
(F)金型を開いて多孔質体を取り出す。
(実施例5)
繊維マット1を繊維マット11とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例5を比較すると、実施例2は有機繊維(B)と交差する炭素繊維(A)の数の変動係数がより小さく、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例6)
繊維マット1を繊維マット2とし、繊維マット2と樹脂シート1を、[樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/繊維マット2/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1/樹脂シート1]の順番に配置した以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の構成を表1に示す。ただし、実施例6では樹脂(C)の含有率が大きく、多孔質体が4mm厚さまで品位よく膨張しなかったため、多孔質体の各特性を評価しなかった。
(実施例7)
繊維マット1を繊維マット2とし、繊維マット2と樹脂シート1を、[樹脂シート1/繊維マット2(65枚)/樹脂シート1]の順番に配置した以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。実施例2と実施例7を比較すると、実施例2はに比べて樹脂(C)の含有率がより大きく、衝撃強度および曲げ弾性率が特に高いものとなった。
(実施例8)
繊維マット1を繊維マット6とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例8を比較すると、実施例2は炭素繊維(A)の平均繊維長がより大きく、衝撃強度と曲げ弾性率が特に高いものとなった。
(実施例9)
繊維マット1を繊維マット7とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表1に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例9を比較すると、実施例2は炭素繊維(A)の平均繊維長がより小さく、衝撃強度と曲げ弾性率が特に高いものとなった。
(実施例10)
繊維マット1を繊維マット8とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例10を比較すると、実施例2は有機繊維(B)の平均繊維長がより大きく、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例11)
繊維マット1を繊維マット9とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例11を比較すると、実施例2は有機繊維(B)の平均繊維長がより小さく、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例12)
繊維マット1を繊維マット10とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。比較例1に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例2と実施例12を比較すると、実施例2は直径がより大きい有機繊維(B)を用いることで、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例13)
繊維マット1を繊維マット3とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。比較例2に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例1と実施例13を比較すると、実施例1は直径と引張強度がより大きい有機繊維(B)を用いることで、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例14)
繊維マット1を繊維マット4とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。比較例2に比べて衝撃強度が高いものとなった。実施例1と実施例14を比較すると、実施例1は直径と引張強度がより大きい有機繊維(B)を用いることで、衝撃強度が特に高いものとなった。
(実施例15)
繊維マット1を繊維マット5とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。実施例14と実施例15を比較すると、実施例15は直径がより大きい有機繊維(B)を用いることで、衝撃強度が特に高いものとなった。
(比較例1)
繊維マット13と樹脂シート2を、[樹脂シート2/繊維マット3/樹脂シート2/繊維マット3/樹脂シート2/繊維マット3/樹脂シート2/繊維マット3/樹脂シート2]の順番に配置した積層物を作製した。次いで、以下の工程(A)~(C)を経ることによりシート状基材を得た。
(A)積層体を180℃に予熱したプレス成形用金型キャビティ内に配置して金型を閉じる。
(B)3MPaの圧力を付与して5分間保持した後、圧力を保持した状態でキャビティ温度を50℃まで冷却する。
(C)金型を開いてシート状基材を取り出す。
その後、以下の工程(D)~(F)を経ることにより多孔質構造部材を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。
(D)シート状基材を180℃に予熱した(A)と同じプレス成形用金型キャビティ内に配置し、金型を締結して5分保持した後、金型を開放し、その末端に金属スペーサーを挿入し、成形体の厚みが4.0mmとなるように調整する。
(E)再度、金型キャビティを締結し、圧力を保持した状態でキャビティ温度を50℃まで冷却する。
(F)金型を開いて成形体を取り出す。
(比較例2)
繊維マット1を繊維マット14とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の特性を表2に示す。
(比較例3)
繊維マット1を繊維マット12とした以外は、実施例1と同様の工程を経ることにより多孔質体を得た。得られた多孔質体の構成を表2に示す。ただし、比較例3では多孔質体が4mm厚さまで品位よく膨張しなかったため、多孔質体の各特性を評価しなかった。
Figure 0007367883000003
Figure 0007367883000004
1 多孔質体
2 炭素繊維(A)
3 有機繊維(B)
4 樹脂(C)
5 空隙

Claims (17)

  1. 強化繊維として、炭素繊維(A)50重量%超99重量%以下と、引張破断伸度2.5~100%の有機繊維(B)1重量%以上50重量%未満とを含み、該強化繊維が樹脂(C)により固定されてなり、前記強化繊維の交点が前記樹脂(C)で結合されるとともに、前記強化繊維も前記樹脂(C)も存在しない部分として多孔質体の空隙が形成されており、空隙率が10~95体積%の多孔質体。
  2. 前記有機繊維(B)が前記炭素繊維(A)と均一に分散している、請求項1に記載の多孔質体。
  3. 前記交点が、前記炭素繊維(A)の単繊維が別の炭素繊維(A)の単繊維もしくは別の炭素繊維(A)の繊維束または前記有機繊維(B)の単繊維もしくは前記有機繊維(B)の繊維束と交差することで形成されてなる、請求項1に記載の多孔質体。
  4. 前記交点が、前記有機繊維(B)の単繊維が別の有機繊維(B)の単繊維もしくは前記有機繊維(B)の繊維束または前記炭素繊維(A)の単繊維もしくは前記炭素繊維(A)の繊維束と交差することで形成されてなる、請求項1に記載の多孔質体。
  5. 前記交点を構成する強化繊維同士で形成される平均二次元配向角が10~80度である、請求項1に記載の多孔質体。
  6. 前記炭素繊維(A)と有機繊維(B)の合計5~90重量部に対し、前記樹脂(C)を10~95重量部含む、請求項1に記載の多孔質体。
  7. 密度が0.02~0.9g/cmである、請求項1に記載の多孔質体。
  8. 前記炭素繊維(A)の平均繊維長が1~15mmである、請求項1に記載の多孔質体。
  9. 前記有機繊維(B)の平均繊維長が4~20mmである、請求項1に記載の多孔質体。
  10. 前記有機繊維(B)が、ポリエステル系樹脂、ポリアリールエーテルケトン系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択される、請求項1に記載の多孔質体。
  11. 前記有機繊維(B)の直径が15~50μmである、請求項1に記載の多孔質体。
  12. 前記有機繊維(B)の引張強度が1~6GPaである、請求項1に記載の多孔質体。
  13. 前記有機繊維(B)の引張破断伸度が2.5~30%である、請求項1に記載の多孔質体。
  14. 前記樹脂(C)が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂より選択される熱可塑性樹脂、および/または、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびアクリル樹脂より選択される熱硬化性樹脂である、請求項1に記載の多孔質体。
  15. 前記多孔質体のシャルピー衝撃強度が10~100kJ/mである、請求項1に記載の多孔質体。
  16. 請求項1に記載の多孔質体の表面に、連続した強化繊維を含む繊維強化樹脂が配置されてなる複合構造体。
  17. スポーツ用品、電子機器筐体および建築部材より選択される用途に用いられる、請求項1に記載の多孔質体。
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