JP7364829B2 - 分割型複合繊維及びこれを用いた繊維構造物 - Google Patents
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Description
第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、
前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
紡糸後に測定される、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下であり、
紡糸後にJIS K 7121(1987年) プラスチックの転移温度測定方法に基づいて測定される、示差走査熱量測定(DSC)のDSC曲線における前記ポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状がダブルピーク形状である、分割型複合繊維を提供する。
なお、本明細書において、「~」の記号は、両端点を含む意味で用いるものとする。
第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントである。第1セグメントは、分割型複合繊維の割繊により極細繊維1を形成する。言い換えるならば、第1セグメントは、第1成分から構成されており、断面が単一構造の単一型セグメントである。前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分である。前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を75質量%以上含むことが好ましく、80質量%以上含むことがより好ましい。
本発明の分割型複合繊維は、第2セグメントを含む。第2セグメントは、分割型複合繊維の割繊により第2セグメントに由来する極細繊維2を形成することが好ましい。第2セグメントは、断面構造が第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである。
本発明の形態の分割型複合繊維は、第1セグメントと第2セグメントを含むが、更に、他の樹脂セグメント、例えば第3のセグメントを含んでもよい。本発明が目的とする分割型複合繊維を得ることができる限り、他の樹脂セグメントは特に制限されることはない。他のセグメントを構成する樹脂成分として、例えば、ポリブテン-1、ポリメチルペンテン、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンプロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、又はナイロン66等を単独又は、二種以上を組み合せて用いてよい。他のセグメントは、1種又は2種以上であってよい。
a:分割型複合繊維に含まれるポリプロピレン樹脂の融解ピーク
a1:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピーク(第1融解ピーク)
a2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピーク(第2融解ピーク)
a3:ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間(融解ピークの谷間)
T1:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピーク温度(℃)
(以下、単に第1融解ピーク温度とも称す)
T2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピーク温度(℃)
(以下、単に第2融解ピーク温度とも称す)
W2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピークにおける熱流束(mW)
W3:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピークと第2融解ピークの間に存在する谷間(前記a3)における熱流束(mW)
S1:ポリプロピレン樹脂の第1吸熱ピークの面積(第1融解ピーク面積)
S2:ポリプロピレン樹脂の第2吸熱ピークの面積(第2融解ピーク面積)
BLLT:DSC曲線における低温側のベースライン
BLHT:DSC曲線における高温側のベースライン
BLE:DSC曲線において、低温側のベースラインを、その高温側の終端部(BLLTの右端部分)から、高温側ベースラインの低温側終端部(BLHTの左端部)に向けて延長した直線
なお、図4~11において縦軸は熱流束(heat flux)(通常、単位はmW:ミリワット)で吸熱エネルギーに相当し、横軸は時間(通常単位は秒又は分)を示している。
(2)ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおいて、低温側に第1融解ピークが現れるが、第1融解ピークと第2融解ピークが明確に分離できる2つの頂点として現れず、(言い換えるならば、ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間(a3)が明確に現れず)、図8~11で示されるごとく肩のような形状(肩状ピーク)が現れる。
前記(1)の条件を満たす融解ピーク形状の概略図を図4~7に示す。前記(1)の条件を満たす融解ピークでは、DSCにおいて試料温度が145℃付近より、ポリプロピレン樹脂の融解が開始され、試料温度が約157~165℃の範囲で第1融解ピーク(a1)が計測される。時間がさらに経過して、試料温度がさらに上昇すると、ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間(a3)が明確に現れた後、試料温度が約165~175℃の範囲で第2融解ピーク(a2)が現れ、試料温度が180℃に達する頃にはポリプロピレン樹脂の融解が完了する。
前記(2)の条件を満たす融解ピーク形状の概略図を図8~11に示す。前記(2)の条件を満たす融解ピークでは、DSCにおいて試料温度が145℃付近より、ポリプロピレン樹脂の融解が開始するが、極小値となる第1融解ピークが測定されず、肩状のピークが測定された後、時間が経過して、試料の温度上昇に伴い、第2融解ピーク(a2)が現れ、試料温度が180℃に達する頃にはポリプロピレン樹脂の融解が完了する。このような融解ピークの形状は第1融解ピークと第2融解ピークの温度が近い場合に測定される。
より低温で融解する領域は、非晶質の相、より低温で融解する結晶相、結晶化した相だが分子量が小さい相、結晶化しているが、延伸工程により分子鎖に歪み・切断が生じている相等が含まれていると推測される。
一方、より高温で融解する結晶領域は、溶融紡糸時に結晶化していないポリプロピレン分子は、延伸工程においてポリプロピレンのガラス転移温度以上にて高い延伸倍率で延伸された結果、ポリプロピレンが十分に結晶化することで生じた領域だと考えられる。
尚、本発明は、このような理由で優れた効果を奏すると考えられるが、このような理由によって、本発明は、何ら制限されることはない。
(A)前記条件で行った示差走査熱量測定(DSC)において、前記ポリプロピレン樹脂の融解ピークを低温側領域、高温側領域に分け、それぞれの領域の面積を第1融解ピーク面積、第2融解ピーク面積としたとき、第2融解ピーク面積と第1融解ピーク面積の比率(第2融解ピーク面積/第1融解ピーク面積)が0.85以上3.5以下である、好ましくは0.9以上3.2以下である、より好ましくは0.95以上3.0以下である、更により好ましくは1.0以上2.5以下である。
(B)前記条件で行った示差走査熱量測定(DSC)において、前記ポリプロピレン樹脂のDSC曲線における融解ピークについて、後述する方法で求められるW2、W3の値から求められる第2ピークの伸びが0.6以上である、第2ピークの伸びは好ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.8以上であり、更により好ましくは0.85以上である。
分割型複合繊維のDSCにおいて、測定されたポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状が前記(1)の条件を満たす融解ピークである場合、ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間(a3)を通過し、グラフの横軸に対して垂直に交わる直線を引き、その直線を境界線として、ポリプロピレンの融解ピークを低温側の領域、高温側領域に分ける。この直線と、DSC曲線、及び、ポリプロピレンの融解ピークにおいて、低温側のベースライン(BLLT)を、その高温側終端部から高温側ベースライン(BLHT)に向けて延長した直線(BLE)で囲まれるそれぞれの領域の面積を第1融解ピーク面積、第2融解ピーク面積と称す。より具体的には、図6において、斜線で塗りつぶされている領域S1が第1融解ピーク面積であり、図7において斜線で塗りつぶされている領域S2が第2融解ピーク面積である。
分割型複合繊維のDSCにおいて、測定されたポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状が、前記(2)の条件を満たす融解ピークである場合、ポリプロピレンの融解ピーク(a)において測定された肩状ピークについて、T1とT2の間でDSC曲線の1次微分の絶対値が最も小さくなる点を通り、グラフの横軸に対して垂直に交わる直線を引き、その直線を境界線として、ポリプロピレンの融解ピークを低温側の領域、高温側の領域に分ける。
この直線と、DSC曲線、およびポリプロピレンの融解ピークにおいて、低温側のベースライン(BLLT)を、その高温側終端部から高温側ベースライン(BLHT)に向けて延長した直線(BLE)で囲まれるそれぞれの領域の面積を、第1融解ピーク面積、第2融解ピーク面積と称す。より具体的には、図10において、斜線で塗りつぶされている領域S1が第1融解ピーク面積であり、図11において斜線で塗りつぶされている領域S2が第2融解ピーク面積である。
(B):前記示差走査熱量測定(DSC)において、前記ダブルピーク形状のポリプロピレン樹脂の融解ピークを第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
第2融解ピーク温度となったときのDSC曲線の値をW2(mW)とし、
第1融解ピークと第2融解ピークの間で、DSC曲線の一次微分の絶対値が最小になるDSC曲線の値をW3(mW)として、
・第2融解ピークの伸び=(W2の絶対値)-(W3の絶対値)
で定義する第二ピークの伸びが0.6以上である。
より具体的には、図5に示すようにポリプロピレンの融解ピーク(a)において、第2融解ピーク(a2)、第1融解ピーク(a1)およびa1、a2の間で測定されるポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間(a3)が存在する場合、a2におけるDSCの値(W2)、融解ピークの谷間(a3)となった時のDSCの値(W3)を測定し、W2、W3それぞれの絶対値の差が第2融解ピークの伸びである。
分割型複合繊維のDSCにおいて、測定されたポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状が、前記(2)の条件を満たす場合、第2融解ピークの伸びは以下のように定義される。
即ち、(B):前記示差走査熱量測定(DSC)において、前記ダブルピーク形状のポリプロピレン樹脂の融解ピークを第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
第2融解ピーク温度となったときのDSC曲線の値をW2(mW)とし、
第1融解ピークと第2融解ピークの間で、DSC曲線の一次微分の絶対値が最小になるDSC曲線の値をW3(mW)として、
・第2融解ピークの伸び=(W2の絶対値)-(W3の絶対値)
で定義する第二ピークの伸びが0.6以上である。
より具体的には、図9に示すようにポリプロピレンの融解ピーク(a)において、第2融解ピーク(a2)とその低温側で測定された肩状ピークが存在し、a2におけるDSCの値(W2)、T1とT2の間でDSC曲線の1次微分の絶対値が最も小さくなる点で測定されるDSCの値(W3)を測定し、W2、W3それぞれの絶対値の差が第2融解ピークの伸びである。
分割型複合繊維は、割繊して、第1セグメントに由来する極細繊維1を形成し、第2セグメントに由来する極細繊維2を形成する。他のセグメントを含む場合、他のセグメントに由来する他の極細繊維を形成する。
本発明は他の要旨において、新たな分割型複合繊維の製造方法を提供し、それは、
繊維断面において、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であって、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである分割型複合繊維となる分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機を準備すること;
Mw/Mnが6以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用して、溶融紡糸機で溶融紡糸して、紡糸フィラメントを製造すること;
60℃以上125℃以下の延伸温度、1.1倍以上の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸して、分割型複合繊維を得ること
を含む、分割型複合繊維の製造方法である。
以下、分割型複合繊維の製造方法をより詳細に説明する。
最大延伸倍率は、実施例に記載の方法で求める。
本発明の繊維構造物について説明する。繊維構造物の形態としては、特に限定されないが、例えば織物、編物及び不織布などが挙げられる。また、上記不織布の繊維ウェブ形態も特に限定されず、例えば、カード法により形成されたカードウェブ、エアレイ法により形成されたエアレイウェブ、湿式抄紙法により形成された湿式抄紙ウェブなどが挙げられる。
乾式不織布、湿式不織布などの繊維構造物中に含まれる上記分割型複合繊維の割合が90質量%以下である場合、得られた繊維構造物に占める分割型複合繊維から発生した極細繊維の割合が適度となり、繊維構造物の用途によってはその構造が適度に緻密な不織布となり好ましい。
通気度は、実施例で記載の方法で測定する。
突刺強度は、実施例で記載の方法で測定する。
単位目付(g/m2)あたりの突刺強度(N)は、実施例で記載の方法で測定した突刺強度(N)を、測定に用いた試料の目付(g/m2)で除すことで求められる。
<第1成分:ポリプロピレン(PP)>
PP1:紡糸後Mn=9.6×104、紡糸後Mw=2.5×105、紡糸後Mz=5.3×105、紡糸後Q値=2.63、MFR (g/10分)=30の日本ポリプロ株式会社 製のSA03(商品名)
PP2:紡糸後Mn=5.3×104、紡糸後Mw=2.8×105、紡糸後Mz=8.3×105、紡糸後Q値=5.21、MFR (g/10分)=30のプライムポリマー株式会社 製のS105HG(商品名)
PP3:紡糸後Mn=9.5×104、紡糸後Mw=3.1×105、紡糸後Mz=7.8×105、紡糸後Q値=3.28、MFR (g/10分)=9の日本ポリプロ株式会社 製のSA01A(商品名)
PP4:紡糸後Mn=4.3×104、紡糸後Mw=2.9×105、紡糸後Mz=10.6×105、紡糸後Q値=6.68、MFR (g/10分)=10のプライムポリマー株式会社 製のCJ700(商品名)
PE1:MFR (g/10分)=20の日本ポリエチレン株式会社 製のHE490(商品名)
PE2:MFR (g/10分)=10の日本ポリエチレン株式会社 製のHE481(商品名)
ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、及びMwとMnの比であるQ値(Mw/Mn)ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により測定した。測定には、検出器として示差屈折率検出器RIを備えるゲル浸透クロマトグラフ装置(高温GPC装置 Polymer Laboratories 製 PL-220)を使用した。
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートは、JIS K 7210に準じ、230℃、荷加重21.18Nでメルトフローレートを測定した。ポリエチレン樹脂のメルトフローレートは、JIS K 7210に準じ、190℃、荷加重21.18Nでメルトフローレートを測定した。
図1に示す繊維断面形状を有し、第1セグメントおよび芯鞘型第2セグメントの芯成分として、ホモポリプロピレン樹脂のPP1を用い、芯鞘型第2セグメントの鞘成分として、高密度ポリエチレンのPE1を用いて、分割数が16である、実施例1の分割型複合繊維を製造した。
実施例1の分割型複合繊維の製造、構成及び繊度等を、表1に示す。
表1~3に記載した成分、紡糸条件及び延伸条件を用いた以外は、実施例1の分割型複合繊維の製造方法と同様の方法に従って、実施例2~8及び比較例1~4の分割型複合繊維を、繊維長3mmの短繊維の形態で得た。
実施例2~8及び比較例1~4の分割型複合繊維の製造、構成及び繊度等を、表1~3に示す。
比較例5の分割型複合繊維の製造は、下記の紡糸条件及び延伸条件で行った。ノズル孔が300個設けられた、繊維断面が図3に示す中空16分割型(第1セグメントと第2セグメントの両方共単一型である)となる分割型複合ノズルを用い、ホモポリプロピレン樹脂(PP2)、高密度ポリエチレン(PE1)を別々の押出機に投入し、十分に溶融させた。溶融させた前記ホモポリプロピレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂を、吐出量が、PP2/PE1の容積比=5/5(第1セグメント/第2セグメントの容積比=5/5)の割合になるようにそれぞれの押出機より押し出し、紡糸温度(紡糸ヘッドの温度)290℃、一つのノズル孔あたりの吐出量を0.51g/分とし、引取速度840m/分 の条件で溶融樹脂を引き取り、冷却することで、PP2及びPE1を溶融押出し、繊度7.1dtexの紡糸フィラメントを得た。次に、紡糸フィラメントを90℃の温水で満たした温水槽を使用し、90℃にて5.0倍の延伸倍率で湿式延伸した後、90℃の温水槽にて延伸倍率1.0倍にて熱セットを行い、繊度1.70dtexの延伸フィラメントを得た。延伸したフィラメントに実施例1の分割型複合繊維と同じ繊維処理剤を付与した後、3mmの繊維長に切断して、比較例5の分割型複合繊維を、短繊維の形態で得た。なお、比較例5の紡糸フィラメントは、最大延伸倍率が5.9倍である。
比較例5と同じ方法で得られた紡糸フィラメントに対し、加熱した金属ロールを用いた乾式延伸処理を行い、分割型複合繊維を製造した。すなわち、比較例5と同じ方法で紡糸フィラメントを製造し、得られた紡糸フィラメントを105℃に加熱した金属ロール間で、延伸倍率が4.95倍になるように乾式延伸処理を行い、繊度1.51dtexの延伸フィラメントを得た。延伸したフィラメントに実施例1の分割型複合繊維と同じ繊維処理剤を付与した後、3mmの繊維長に切断して、比較例6の分割型複合繊維を、短繊維の形態で得た。なお、比較例6の紡糸フィラメントは、最大延伸倍率が5.2倍である。
JIS L 1015(2010年)に準じ、引張試験機を用いて、試料のつかみ間隔を20mmとし、繊維が切断したときの荷重値を単繊維強度とし、切断したときの伸びを伸度とした。
得られた実施例、比較例の分割型複合繊維について、DSCを行い、前記の定義に従ってポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状に関する判定、第2融解ピーク面積、第1融解ピーク面積の特定、第2融解ピークの伸びの測定を行った。第2融解ピーク面積と第1融解ピーク面積の比率は、求めるDSC曲線を紙に拡大して印刷し、ポリプロピレン樹脂の融解ピーク部分にベースラインなどの境界線を作図した後、境界線に沿って第1ピーク面積に相当する部分、第2ピーク面積に相当する部分を切り抜き、切り抜いた部分の質量を測定し、その比率を求めた。なお、分割型複合繊維の示差走査熱量測定(DSC)はJIS K 7121(1987年) プラスチックの転移温度測定方法に基づき、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社 製、商品名「EXSTAR6000/DSC6200」)を用いて測定した。
実施例1の分割型複合繊維を用いて、湿式抄紙法で繊維ウェブを作製した。具体的には、繊維の濃度が0.01質量%となるようにスラリーを調製し、パルパーにて回転数2000rpmで5分間攪拌して、繊維を解離させるとともに、分割型複合繊維を割繊させて、第1セグメントの極細繊維1および第2セグメントの極細繊維2を形成させた。円網式湿式抄紙機を用いて、湿式抄紙して、目付80g/m2のウェブを得た。ウェブを、搬送用支持体で搬送し、140℃に加熱したシリンダードライヤーを用いて、45秒間、ウェブに加熱処理を施して、ウェブを乾燥させると同時に、極細繊維2の鞘成分で繊維同士を接着させて、実施例1の不織布を得た。
実施例2~8及び比較例1~6の分割型複合繊維を用いた以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法を用いて、実施例2~8及び比較例1~6の不織布を得た。
加熱処理を施す前の段階で、湿式抄紙ウェブの厚さ方向の切断面が露出するように、ウェブを、筒に、できるだけ密に詰めた。筒に詰めた不織布を、電子顕微鏡で300倍に拡大して、0.4mm×0.3mmの領域を撮影した。撮影した写真において現れている繊維断面を1つずつ確認し、極細繊維1の数、および極細繊維2の数をカウントした。また、未分割の繊維について、それぞれの第1セグメント及び第2セグメントの合計の数を測定して求め(例えば、図1~3の繊維断面を有する場合、全く分割していない繊維の第1セグメント及び第2セグメントの合計の数は16であり、半分に分割している繊維の第1セグメント及び第2セグメントの合計の数は8である)、第1セグメント及び第2セグメントの合計の数を各未分割の繊維の数としてカウントした。よって、例えば未分割の繊維が1本存在し、その第1セグメント及び第2セグメントの合計の数が16であると、その繊維は16本とカウントされる。カウント結果より、下記の式に基づいて分割率を算出した。
分割率(%)=[極細繊維1の数+極細繊維2の数]÷[極細繊維1の数+極細繊維2の数+未分割の繊維の数の合計]×100
分割率は、表1~3に示した。
不織布の通気性を、通気度を測定して評価した。通気度の測定はJIS L 1096(2010年)8.26A(フラジール形法)に準じて測定した。
[実施例9]
本発明の分割型複合繊維の各種繊維構造体、特に機械的強度、緻密性が要求される各種電池セパレータ用途、ろ過材、各種膜支持体(例えばRO膜支持体が挙げられる)といった液体処理材用途への適応性を調べるため、本発明の分割型複合繊維を用いた熱接着不織布を作製した。
得られた熱接着不織布の厚さを、マイクロメータ(株式会社 ミツトヨ 製 マイクロメータ MDC-25MJ)を用い、JIS B 7502に準じ、3枚の試料のそれぞれ異なる10箇所で、荷重が175kPaになるようにして厚さを測定し、計30箇所の平均値を求め、試料の厚さとした。
得られた実施例9の熱接着不織布の孔径分布をASTM F 316-86(バブルポイント法)に準じて測定を行い、熱接着不織布の平均孔径、最大孔径、最多孔径および最小孔径を測定した。
JIS L 1085 5.5.A-1法(シングルタング法)に準じ、引張試験機((株式会社 エー・アンド・ディー製、テンシロン(登録商標)UCT-1(商品名))を用いて測定した。本実施例では、試験片として、幅5cm×長さ15cmにカットした長方形片の短辺の中央に辺と直角に8cmの切れ目を入れて2枚の舌をつくったものを用い、つかみ間隔10cmとして、引張速度30cm/分で引き裂いたときの最大荷重を測定した。
JIS L 1096 8.12.1 A法(ストリップ法)に準じて、定速緊張形引張試験機を用いて、幅5cm、長さ30cmの試料片を、つかみ間隔10cm、引張速度30±2cm/分の条件で引張試験に付し、荷重が最大となったときの荷重値を測定し、引張強度とした。引張試験は、不織布のタテ方向(機械方向)について実施した。
突刺強度は、ニードル貫通力測定による貫通点での応力(最大貫通力F)をいい、下記の方法で測定した。まず、縦30mm、幅100mmの大きさに裁断した不織布を試料として準備した。この試料を、ハンディー圧縮試験機(カトーテック株式会社 製 KES-G5)の円筒状貫通孔(直径11mm)を有する支持体の上に置いた。次いで、支持体の上に配置された試料の上に、縦46mm、横86mm、厚み7mmであり、中央部に直径11mmの孔を有するアルミ板からなる押さえ板を、押さえ板の孔と支持体の円筒状貫通孔と一致するように載置した。次いで、高さ18.7mm、底面直径2.2mm、先端部形状が1mmの球形である円錐形状の針を、2mm/秒の速度で押さえ板の中央に垂直に突き刺した時の荷重と、上記円錐状の針によって試料が押され、変形した長さを測定し、測定した荷重のうち、上記円錐状の針が試料を貫通する貫通点での応力を最大貫通力F(N)すなわち突刺強度とした。突刺強度は、1枚の不織布(電池セパレータ)から4枚の試料を採取し、それぞれの試料について異なる5箇所で測定し、計20箇所で測定した値の平均値とした。また、単位目付(g/m2)あたりの突刺強度(N)は、この値を試料の目付で除すことにより求めた。
1.
第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、
前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6以下であり、
紡糸後に、JIS K 7121(1987年) プラスチックの転移温度測定方法に基づいて示差走査熱量測定(DSC)されたDSC曲線が示す前記ポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状がダブルピーク形状である、分割型複合繊維。
2.
下記(A)及び(B)の少なくとも一方を満たす、上記1に記載の分割型複合繊維。
(A):前記DSC曲線が示す前記ポリプロピレン樹脂のダブルピーク形状の融解ピークを、第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
それぞれの領域の面積を第1融解ピーク面積及び第2融解ピーク面積とすると、
第2融解ピーク面積と第1融解ピーク面積の比率(第2融解ピーク面積/第1融解ピーク面積)が0.85以上3.5以下である;及び
(B):前記示差走査熱量測定(DSC)において、前記ダブルピーク形状のポリプロピレン樹脂の融解ピークを第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
第2融解ピーク温度となったときのDSC曲線の値をW2(mW)とし、
第1融解ピークと第2融解ピークの間で、DSC曲線の一次微分の絶対値が最小になるDSC曲線の値をW3(mW)として、
第2融解ピークの伸び=(W2の絶対値)-(W3の絶対値)
で定義する第二ピークの伸びが0.6以上である。
3.
前記分割型複合繊維の単繊維強度が3.0cN/dtex以上8.0cN/dtex以下であり、伸度が20%以上120%以下である上記1または2に記載の分割型複合繊維。
4.
前記分割型複合繊維に含まれる第1成分と第2成分の比率(第1成分/第2成分)が8/2~3/7(体積比)である上記1~3のいずれか1つに記載の分割型複合繊維。
5.
上記1~4のいずれか1つに記載の分割型複合繊維を10質量%以上含む繊維構造物。
6.
フラジール型試験機を用い、JIS L 1096に準じて測定される通気度が8cm3/cm2・秒以上22cm3/cm2・秒以下である上記5に記載の繊維構造物。
7.
上記5または6に記載の繊維構造物を含むセパレータ材料。
8.
上記5または6に記載の繊維構造物を含むろ過材料。
9.
繊維断面において、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であって、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである分割型複合繊維となる分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機を準備すること;
Mw/Mnが6以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用して、溶融紡糸機で溶融紡糸して、紡糸フィラメントを製造すること;
60℃以上125℃以下の延伸温度、1.1倍以上の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸して、分割型複合繊維を得ること
を含む、上記1~4のいずれか1つに記載の分割型複合繊維の製造方法。
10.
3倍以上8倍以下の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸することを含む、上記9に記載の製造方法。
11.
60℃以上95℃以下の延伸温度で、紡糸フィラメントを湿式延伸することを含む、上記9又は10に記載の製造方法。
12.
80℃以上125℃以下の延伸温度で、紡糸フィラメントを乾式延伸することを含む、上記9又は10に記載の製造方法。
13.
最大延伸倍率の0.7倍以上0.98倍以下の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸することを含む、上記9~12のいずれか1つに記載の製造方法。
14.
上記9~13のいずれか1つに記載の製造方法で製造された、分割型複合繊維。
15.
上記14に記載の分割型複合繊維を10質量%以上含む繊維構造物。
本出願は、2017年3月31日に日本国で出願された出願番号2017-72525を基礎出願とするパリ条約第4条に基づく優先権を主張する。この基礎出願の内容は、参照することによって、本明細書に組み込まれる。
10:分割型複合繊維、14:芯成分、16:鞘成分、20:分割型複合繊維、
a:ポリプロピレン樹脂の融解ピーク、a1:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピーク
a2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピーク、a3:ポリプロピレン樹脂の融解ピークにおける谷間
T1:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピーク温度、T2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピーク温度
W2:ポリプロピレン樹脂の第2融解ピークにおける熱流束、W3:ポリプロピレン樹脂の第1融解ピークと第2融解ピークの間に存在する谷間における熱流束
S1:ポリプロピレン樹脂の第1吸熱ピークの面積、S2:ポリプロピレン樹脂の第2吸熱ピークの面積
BLLT:DSC曲線における低温側のベースライン、BLHT:DSC曲線における高温側のベースライン、BLE:DSC曲線において、低温側のベースラインを、その高温側の終端部から、高温側ベースラインの低温側終端部に向けて延長した直線
Claims (12)
- 第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であり、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントであり、
前記第1成分は、ポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
前記第2成分は、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分であり、
紡糸後に測定された、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、5.21以下であり、
紡糸後に、JIS K 7121(1987年) プラスチックの転移温度測定方法に基づいて示差走査熱量測定(DSC)されたDSC曲線が示す前記ポリプロピレン樹脂の融解ピークの形状がダブルピーク形状であり、
下記(A)及び(B)の少なくとも一方を満たす、分割型複合繊維。
(A):前記DSC曲線が示す前記ポリプロピレン樹脂のダブルピーク形状の融解ピークを、第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
それぞれの領域の面積を第1融解ピーク面積及び第2融解ピーク面積とすると、
第2融解ピーク面積と第1融解ピーク面積の比率(第2融解ピーク面積/第1融解ピーク面積)が0.85以上3.5以下である;及び
(B):前記示差走査熱量測定(DSC)において、前記ダブルピーク形状のポリプロピレン樹脂の融解ピークを第1融解ピーク及び第2融解ピークに分け、
第2融解ピーク温度となったときのDSC曲線の値をW 2 (mW)とし、
第1融解ピークと第2融解ピークの間で、DSC曲線の一次微分の絶対値が最小になるDSC曲線の値をW 3 (mW)として、
第2融解ピークの伸び=(W 2 の絶対値)-(W 3 の絶対値)
で定義する第二ピークの伸びが0.6以上である。 - 前記分割型複合繊維の単繊維強度が3.0cN/dtex以上8.0cN/dtex以下であり、伸度が20%以上120%以下である請求項1に記載の分割型複合繊維。
- 前記分割型複合繊維に含まれる第1成分と第2成分の比率(第1成分/第2成分)が8/2~3/7(体積比)である請求項1又は2に記載の分割型複合繊維。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の分割型複合繊維を10質量%以上含む繊維構造物。
- フラジール型試験機を用い、JIS L 1096に準じて測定される通気度が8cm3/cm2・秒以上22cm3/cm2・秒以下である請求項4に記載の繊維構造物。
- 請求項4又は5に記載の繊維構造物を含むセパレータ材料。
- 請求項4又は5に記載の繊維構造物を含むろ過材料。
- 繊維断面において、第1セグメントと第2セグメントを含む分割型複合繊維であって、
前記第1セグメントは、第1成分からなる樹脂セグメントであり、
前記第2セグメントは、断面構造が前記第1成分を芯成分とし、第2成分を鞘成分とする芯鞘型樹脂セグメントである分割型複合繊維となる分割型複合ノズルを装着した溶融紡糸機を準備すること;
Mw/Mnが5.21以下のポリプロピレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第1成分とし、ポリエチレン樹脂を50質量%以上含む樹脂成分を第2成分として使用して、溶融紡糸機で溶融紡糸して、紡糸フィラメントを製造すること;
60℃以上125℃以下の延伸温度、1.1倍以上の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸して、分割型複合繊維を得ること
を含む、
請求項1に記載の分割型複合繊維の製造方法。 - 3倍以上8倍以下の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸することを含む、請求項8に記載の製造方法。
- 60℃以上95℃以下の延伸温度で、紡糸フィラメントを湿式延伸することを含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 80℃以上125℃以下の延伸温度で、紡糸フィラメントを乾式延伸することを含む、請求項8又は9に記載の製造方法。
- 最大延伸倍率の0.7倍以上0.98倍以下の延伸倍率で、紡糸フィラメントを延伸することを含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の製造方法。
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