JP7363580B2 - リチウムイオンバッテリ搭載車両 - Google Patents

リチウムイオンバッテリ搭載車両 Download PDF

Info

Publication number
JP7363580B2
JP7363580B2 JP2020035574A JP2020035574A JP7363580B2 JP 7363580 B2 JP7363580 B2 JP 7363580B2 JP 2020035574 A JP2020035574 A JP 2020035574A JP 2020035574 A JP2020035574 A JP 2020035574A JP 7363580 B2 JP7363580 B2 JP 7363580B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
vehicle
lid
lithium ion
ion battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020035574A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021138198A (ja
Inventor
渉 増田
輝彦 花岡
敏貴 ▲高▼橋
力 河村
正徳 本田
祐介 丸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2020035574A priority Critical patent/JP7363580B2/ja
Publication of JP2021138198A publication Critical patent/JP2021138198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7363580B2 publication Critical patent/JP7363580B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)

Description

本発明は、車両の動力室にリチウムイオンバッテリ装置が搭載された車両に関する。
リチウムイオンバッテリは、正極と負極の間でリチウムイオンを移動させることで充放電を行う二次電池であり、エネルギー密度が高く、しかも充放電効率が良好である等の特徴がある。このようなリチウムイオンバッテリは、車両、特に電気自動車やハイブリッド自動車用の電源装置として広く使用されている。
ただし、リチウムイオンバッテリは、電解質として可燃性の有機溶剤が用いられるため、安全性を高めるための対策が必要となる。特に、車両に搭載されるリチウムイオンバッテリにおいては、衝突事故の際にも容易にはバッテリが破損しないように、十分な対策を採ることが求められる。この点、現在の車両では、強固な構造のハウジングを採用する等の対策が進められており、高い安全性が確保されている。
また、複数のバッテリーセルを備えるリチウムイオンバッテリでは、バッテリーセルどうしの電気的な接続を解除することで、バッテリから放出される電気エネルギーを小さくして火花の発生や感電等を抑制することができる。これに対応して、例えば、下記特許文献1には、複数のバッテリーセルを備えるバッテリにおいて、バッテリに荷重が付与されたときにバッテリーセルどうしの電気的な連結を解除するための構造が提案されている。具体的には、特許文献1のバッテリ装置は、一対の端子をそれぞれ備える複数バッテリーセル(同文献ではセル)と、隣接するバッテリーセルの端子どうしを接続するバスバーと、バッテリーセルどうしの間に介在するスペーサとを備えている。スペーサは、バッテリーセルの2つの端子の並び方向について一方側寄りに設けられている。このバッテリ装置では、バッテリーセルに荷重が付与されると、バッテリーセルがスペーサを支点として回動して、バスバーと端子との連結が解除され、これによりバスバーを介したバッテリーセルどうしの電気的な接続が解除されるようになっている。
特開2015-008097号公報
特許文献1の構成では、バッテリーセルに荷重が付与されてはじめてバッテリーセルどうしの電気的な接続が解除される。そのため、この構成では、バッテリーセルどうしの電気的な接続が解除されるよりも前に、バッテリーセルが荷重を受けて損傷するおそれがあり、可燃性の有機溶剤が漏洩した状態でバッテリから高い電気エネルギーが放出されるおそれがある。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、バッテリーセルどうしの電気的な接続をより早期に解除可能なリチウムイオンバッテリ搭載車両を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本願発明は、パワートレインユニットと、車体骨格部材に支持されたリチウムイオンバッテリ装置とが、ともに動力室に搭載された車両であって、前記リチウムイオンバッテリ装置は、開口部を有するセル収容部および前記開口部を封止する蓋部を有するハウジングと、前記セル収容部に収容された複数のバッテリーセルと、2つの前記バッテリーセルどうしを電気的に接続する複数のバスバーとを備え、前記ハウジングは、前記蓋部と前記セル収容部とが車両上下方向または車幅方向に並び、且つ、車両前後方向における当該ハウジングの前端位置の方が前記パワートレインユニットの前端位置よりも車両後方となる姿勢で、前記動力室内に配設されており、前記バスバーは、前記蓋部に固定されており、前記パワートレインユニットには、車両前方から当該パワートレインユニットに付与された荷重を前記蓋部に伝達するための荷重伝達部材が取り付けられている、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両、ことを特徴とするものである(請求項1)。
この構成では、ハウジングの前端位置の方がパワートレインユニットの前端位置よりも車両後方となる姿勢でハウジングが配設されているとともに、パワートレインユニットに車両前方から当該パワートレインユニットに付与された荷重を蓋部に伝達するための荷重伝達部材が取り付けられている。そのため、車両の前突時に、セル収容部よりも先に蓋部に、パワートレインユニットおよび荷重伝達部材を介して、後ろ向きの荷重を付与することができる。これより、車両前方からハウジングに直接荷重が付与されるよりも前の早いタイミングで、蓋部および蓋部に固定されたバスバーをセル収容部に対して相対的に後方に移動させることができ、バスバーを介したバッテリーセルどうしの電気的な接続を解除できる。特に、セル収容部に荷重が付与される前にバッテリーセルどうしの電気的な接続を解除でき、セル収容部およびこれに収容されたバッテリーセルが破損する前に、より確実に、バッテリーセルどうしの電気的な接続を解除でき、安全性を高めることができる。
前記構成において、好ましくは、前記車体骨格部材に取り付けられて前記ハウジングを保持する保持部材を備え、前記保持部材は、前記荷重伝達部材の車両後方への移動をガイドするガイド部を備える(請求項2)。
この構成によれば、荷重伝達部材を確実に車両後方に移動させて、荷重伝達部材を介して蓋部により確実に車両後ろ向きの荷重を付与することができる。従って、セル収容部に対する蓋部の相対的な後方への移動、および、バッテリーセルどうしの電気的な接続を、より確実に実現できる。
前記構成において、好ましくは、前記ハウジングは、前記蓋部と前記セル収容部とが車幅方向に並び、且つ、前記蓋部の方が前記セル収容部よりも前記パワートレインユニットに近い位置となるように配設されている(請求項3)。
この構成によれば、蓋部とパワートレインユニットとの離間距離を短くして荷重伝達部材の長さを短くできる。
前記構成において、好ましくは、前記バッテリーセルは、一対のセル側端子をそれぞれ有し、前記バスバーは、前記蓋部に固定される本体部と、当該本体部から前記セル収容部側に向かって突出する一対のバスバー側端子とをそれぞれ有し、前記リチウムイオンバッテリ装置は、前記セル側端子と前記バスバー側端子とが挿入される挿入部を有してこれら端子どうしを電気的に接続する複数の導電性の連結部材とを備える(請求項4)。
この構成によれば、連結部材を介してセル側端子とバスバー側端子どうし、および、バッテリーセルどうしを電気的に接続できる。しかも、蓋部がセル収容部に対して後方に移動した際に、バスバーの本体部のみに後方への荷重を付与してバスバー側端子を破断させることができ、本体部を介したバスバー側端子どうしの電気的な接続ひいてはバッテリーセルどうしの電気的な接続を容易に解除できる。
前記構成において、好ましくは、前記バスバー側端子には、その突出方向の一部の領域に、当該領域を除く領域よりも脆弱な脆弱部が形成されている(請求項5)。
この構成によれば、脆弱部においてバスバー側端子を容易に破断させることができ、バスバーの本体部とバスバー側端子との連結、ひいては、バッテリーセルどうしの電気的な接続をより確実に解除できる。
前記構成において、好ましくは、前記脆弱部は、前記連結部材のうち前記蓋部側の端部よりも前記セル収容部側の端部に近い位置と対向するように設けられている(請求項6)。
この構成によれば、脆弱部の破断時に破断部間で放電が生じたとしても、当該放電を連結部材およびセル収容部の内側で生じさせることができる。そのため、セル収容部の外側に電気エネルギーが放出されるのを防止でき、安全性をより一層高めることができる。
以上説明したように、本発明のリチウムイオンバッテリ搭載車両によれば、バッテリーセルどうしの電気的なつながりを早期に解除できる。
本発明の実施形態に係るリチウムイオンバッテリ搭載車両の概略構成を示す図である。 リチウムイオンバッテリ装置の周辺構造を示す概略正面図である。 リチウムイオンバッテリ装置の周辺構造を示す概略側面図である。 トレイおよび荷重伝達部材を示した概略上面図である。 図3の一部を分解して示した概略斜視図である。 図5のVI-VI線を通る面におけるリチウムイオンバッテリ装置の概略断面図である。 図6のVII-VII線を通る面におけるリチウムイオンバッテリ装置の概略断面図である。 セル収容部の内部を分解して示した概略斜視図である。 蓋部を下方から見た状態の概略斜視図である。 セル側端子を拡大して示した概略斜視図である。 バスバーの概略斜視図である。 バッテリーセルとバスバーとの配置を模式的に示した概略平面図である。 本発明の作用を説明するための図である。 本発明の作用を説明するための図6に対応する図である。 本発明の変形例を示す概略側面図である。 本発明の他の変形例を示す概略側面図である。
(車両の概略構成)
図1は、本発明の実施形態に係るリチウムイオンバッテリ搭載車両100の概略構成を示す図である。本図に示すように、本実施形態の車両100は、リチウムイオンバッテリ装置1(以下、単にバッテリ装置1ともいう)を搭載した四輪自動車であり、車体2と、車体2を支持する複数(4つ)の車輪3と、車輪3を回転駆動するためのパワートレインユニット200とを備えている。なお、本明細書において、パワートレインユニット200は、車輪3を回転駆動する(換言すれば車両を走行させる)動力源である4サイクルのエンジン4と、エンジン4の回転を変速しつつ車輪3に伝達する変速機5と、これらを連結する部材とからなるユニットを指す。図1の例では、エンジン4と変速機5とは車幅方向に並列されている。
車体2の前部には、エンジンルームRが形成されている。パワートレインユニット200(エンジン4および変速機5)およびバッテリ装置1はエンジンルームRに収容されている。エンジンルームRは、車両の動力源であるエンジン4が収容される空間であり、請求項の「動力室」に相当する。
なお、本明細書では、方向を表す用語として「前」「後」を用いるが、これは以下のことを前提とする。すなわち、本明細書では、車両が前進する場合の進行方向の前側(図1の例では車体2の中心からエンジンルームRに向かう側)つまり車両前側のことを「前」といい、車両が後退する場合の進行方向の前側(図1の例ではエンジンルームRから車体2の中心に向かう側)つまり車両後側のことを「後」という。
また、以下において「車幅方向」とは、車両前後方向に平面視で直交する方向のことである。また、以下において、「車幅方向」を基本的に「左右方向」という。なお、この場合において、「左右方向」は、車両前方を向いた状態での左右方向のことである。さらに、「上下方向」とは、車両上下方向であって車幅方向および前後方向の双方に直交する方向のことであり、車輪3の接地面から天に向かう側が「上」、その反対が「下」である。
バッテリ装置1は、充放電が可能な二次電池である。すなわち、バッテリ装置1は、車両に備わる種々の電装品に対してこれらを作動させるための電力を供給する電源としての機能と、エンジン4に付属されたオルタネータ等の発電機により発電された電力を充電する充電器としての機能とを兼ね備えている。
図2は、エンジンルームR内の構造であってバッテリ装置1の周辺構造を示す概略正面図である。図3は、バッテリ装置1の周辺構造を示す概略側面図である。図4は、後述するトレイ82および荷重伝達部材70を示した概略上面図である。図5は、図3の一部を分解して示した概略分解斜視図である。図6は、図5のVI-VI線を通る面におけるバッテリ装置1の概略断面図である。図7は、図6のVII-VII線を通る面におけるバッテリ装置1の概略断面図である。図8は、バッテリ装置1の後述するセル収容部11の内部を分解して示した概略斜視図である。図9は、バッテリ装置1の後述する蓋部12を下から見た状態の概略斜視図である。
(バッテリ装置1の支持構造)
エンジンルームRには、前後方向に延びて左右方向(車幅方向)に並ぶ一対のフロントサイドフレーム101が配設されている。フロントサイドフレーム101は、車体2の骨格を構成する部材つまり車体骨格部材である。2つのフロントサイドフレーム101は、左右方向について、エンジンルームRのうちパワートレインユニット200よりも外側となる位置にそれぞれ配設されている。なお、図では、一方のフロントサイドフレーム101のみを示している。
バッテリ装置1は、略直方体の外形を有し、エンジンルームRのうち変速機5の上方に位置するように一方のフロントサイドフレーム101に支持されている。具体的には、バッテリ装置1は、変速機5の上端から上方に離間した位置に配設されている。また、バッテリ装置1は、上面視でバッテリ装置1の左側の端部付近から左方に延びるように配設されている。また、バッテリ装置1の前端位置X1は、変速機5の前端位置X2よりも後方に位置しており、バッテリ装置1はその前端位置がパワートレインユニット200の前端位置よりも後方となるように配設されている。
車両100には、バッテリ装置1を支持するための部品として、ブラケット81と、トレイ82と、クランプ84とが設けられている。バッテリ装置1は、トレイ82上に載置されてこれに保持されており、バッテリ装置1を上方から覆うクランプ84とトレイ82とが締結されることでトレイ82上に固定されている。そして、トレイ82がブラケット81を介してフロントサイドフレーム101に支持されることで、バッテリ装置1は、フロントサイドフレーム101に支持されている。
ブラケット81は、略L字状を有し、上下方向に延びるブラケット縦壁部81aと、ブラケット縦壁部81aの上端から右側に延びるブラケット横壁部81bとを有する。ブラケット縦壁部81aがフロントサイドフレーム101の右側面にボルト等により固定されることで、ブラケット81はフロントサイドフレーム101に支持されている。
トレイ82は、略水平に延びる板状のトレイ底壁部82aと、トレイ底壁部82aの上面から上方に延びる3つの側壁部82b~82dとを有する。具体的には、トレイ82は、側壁部として、前後方向に延びるトレイ左壁部82bと、トレイ左壁部82bの後縁から右方に延びるトレイ後壁部82dと、トレイ左壁部82bの前縁から右方に延びるトレイ前壁部82eとを有する。トレイ後壁部82dおよびトレイ前壁部82eの上端にはそれぞれ前後方向の外側に突出するクランプ固定部82f、82fが設けられている。
トレイ後壁部82dおよびトレイ前壁部82eの左右方向の寸法は、トレイ底壁部82aの左右方向の寸法よりも短く、トレイ後壁部82dおよびトレイ前壁部82eは、トレイ底壁部82aの右縁から左方に離間した位置から左方に延びている。トレイ底壁部82aのうちトレイ後壁部82dおよびトレイ前壁部82eよりも右方の部分には、トレイ底壁部82aの表裏を上下方向に貫通する貫通孔82rが形成されている。以下では、この貫通孔82rをガイド孔82rという。ガイド孔82rは、前後方向に延びている。本実施形態では、ガイド孔82rは、トレイ前壁部82e付近からトレイ後壁部82d付近までの領域に形成されている。
トレイ底壁部82aのうち側壁部82b、82d、82eとで囲まれた領域の前部と後部とには、トレイ底壁部82aから上方に突出する左右一対の位置決め用ブロック82h、82hがそれぞれ設けられている。つまり、側壁部82b、82d、82eとで囲まれた、上面視で略長方形状の空間には、4隅にそれぞれ1つずつ位置決め用ブロック82hが設けられている。位置決め用ブロック82hは、上面視で略長方形の直方体状を有する。位置決め用ブロック82hの上下方向の寸法は、トレイ前壁部82eおよびトレイ後壁部82dの上下方向の寸法よりも小さい。これら位置決め用ブロック82hは互いに離間している。これより、前側の左右一対の位置決め用ブロック82h、82hの間および後側の左右一対の位置決め用ブロック82h、82hの間にはそれぞれ前後方向に延びる位置決め用溝82kが形成されている。前後2つの位置決め用溝82k、82kは左右方向について同じ位置に形成されている。
トレイ82は、トレイ底壁部82aがブラケット横壁部81bにボルト等で固定されることでブラケット81の上面に支持されており、ブラケット81を介してフロントサイドフレーム101に取り付けられている。
クランプ84は、前後方向に延びるクランプ横壁部84aと、クランプ横壁部84aの前後方向の両縁からそれぞれ下方に延びる一対の延設部84b、84bを備える。各延設部84bの下縁には前後方向の外側に延びるクランプ被固定部84cがそれぞれ設けられている。
クランプ横壁部84aは、バッテリ装置1(後述する蓋部12)の上面の左右方向の中央部分に沿って前後方向に延びており、この部分を上方から覆っている。クランプ84の各延設部84bは、バッテリ装置1の前後方向の両側面に沿ってそれぞれ上下方向に延びている。各クランプ被固定部84cはトレイ82の各クランプ固定部82fとボルト等で締結されており、これにより、クランプ84はトレイ82に固定されている。そして、クランプ84とトレイ82との固定により、カバー部材83およびバッテリ装置1は、トレイ82とクランプ84とで囲まれた空間に保持されている。
(バッテリ装置の詳細構造)
バッテリ装置1は、ハウジング10と、複数のバッテリーセル20と、保持プレート30と、複数の連結部材40と、一対の外部端子60と、複数のバスバー50とを備える。本実施形態では、バッテリ装置1は、4つのバッテリーセル20を有する。
ハウジング10は、セル収容部11と、蓋部12とを有する。ハウジング10(セル収容部11および蓋部12)は、比較的高い剛性を有するように、高強度の金属材料もしくは繊維強化樹脂等によって形成されている。
セル収容部11は、開口部11aを有する箱状の部材である。蓋部12は、セル収容部11の開口部11aを封止する部材である。
本実施形態では、バッテリ装置1は、セル収容部11が右方に開口して、蓋部12とセル収容部11とが左右方向に並び、且つ、蓋部12がセル収容部11の右方に位置する姿勢で、カバー部材83内に収容されて、トレイ82、クランプ84およびブラケット81を介してフロントサイドフレーム101に支持されている。以下のバッテリ装置1の説明では、各方向として、バッテリ装置1の姿勢がこの支持姿勢つまりセル収容部11が右方に開口して蓋部12がセル収容部11の右方に位置する姿勢にあるときの方向を用いる。
セル収容部11は、略直方体状を呈し、左右方向と略直交する面に沿って延び且つ側面視(左右方向に沿ってみたときに)前後方向に延びる略長方形状の底壁部11bと、底壁部11bから右方に延びる4つの側壁部11c~11fとを有する。具体的には、セル収容部11は、側壁部として、前後方向に延びる上壁部11dと、上壁部11dの下方に位置してこれと対向する下壁部11cと、上壁部11dと下壁部11cの各後縁どうしにわたって前後方向に延びる後壁部11fと、上壁部11dと下壁部11cの各前縁どうしにわたって前後方向に延びる前壁部11eとを有する。セル収容部11の上壁部11dと下壁部11cの右端部の前後方向の中央付近には、それぞれ上下方向の外側に突出する係止突起11gが設けられている。
セル収容部11の下壁部11cの下面の左右中央には下方に突出する位置決め用突起11kが設けられている。位置決め用突起11kは、前後に延びる略直方体形状を有する。セル収容部11およびバッテリ装置1は、この位置決め用突起11kが、前記のトレイ82の位置決め用溝82kに挿入されることでトレイ82内に位置決めされる。
蓋部12は、左右方向と略直交する面に沿って延び且つ側面視(左右方向に沿ってみたときに)前後方向に延びる略長方形の板状を有し、蓋部12の天面12a(右側面)および底面12b(左側面)は、それぞれ、側面視で長方形状を呈する。蓋部12には、一対の被係止部12gが設けられている。2つの被係止部12gは、それぞれ、蓋部12の上側面12dおよび下側面12cの前後方向の中央付近に設けられている。被係止部12gは、中央に貫通穴が形成された略方形の板状を有している。被係止部12gは、セル収容部11の係止突起11gと嵌合可能な部材であり、これらの嵌合により、蓋部12はセル収容部11に固定される。この状態において、蓋部12の底面12bはセル収容部11の各側壁部11c~11fの右端に当接し、セル収容部11は密閉される。
蓋部12の前後方向および上下方向の寸法は、セル収容部11の前後方向および上下方向の寸法とほぼ同じであり、蓋部12がセル収容部11を封止した状態で、蓋部12とセル収容部11の前、後、上、下の各外側面どうしはほぼ面一となる。
バッテリーセル20は、正極シート、負極シートおよびセパレータ(いずれも不図示)が積層されることで構成された電極体21zが収容されたセルケース21と、正極シートおよび負極シートとそれぞれ接続された一対のセル側端子22、22とを有する。バッテリーセル20はいわゆる角型のバッテリーセルであり、セルケース21は扁平な直方体を呈している。2つのセル側端子22はセルケース21の一側面から外側に突出するように設けられている。
バッテリーセル20は、セル側端子22がセルケース21の右側面21aから右方に突出する姿勢でセル収容部11内に収容されている。また、4つのバッテリーセル20は、バッテリーセル20が前後方向に並び、1のバッテリーセル20の2つのセル側端子22が上下方向に並ぶように、セル収容部11内に配設されている。
図10は、セル側端子22を拡大して示した概略斜視図である。なお、一方のセル側端子22と他方のセル側端子22の構造は互いに同じである。セル側端子22は、略円錐台状を呈するセル側基部22aと、セル側基部22aから右方(セルケース21に対してセル側端子22が突出する方向)に延びるセル側連結部22bとからなる。セル側連結部22bは、セル側基部22aよりも傾斜が緩やかな略円錐台状を呈している。セル側連結部22bには、その周方向の一部に、径方向の内側(セル側連結部22bを構成する円錐台の中心軸側)に凹む切り欠き22eが形成されている。切り欠き22eは、セル側連結部22bの左右方向(セル側連結部22bを構成する円錐台の中心軸に沿う方向)の全体にわたって形成されている。このように切り欠き22eが設けられていることで、セル側連結部22bは縮径可能となっている。
図11は、バスバー50を拡大して示した概略斜視図である。バスバー50は、異なる2つのバッテリーセルの一方のセル側端子22どうしを電気的に接続するための部材である。バスバー50は、略長方形の板状を呈するバスバープレート51と、バスバープレート51の表面からこれと直交する方向に突出する一対のバスバー側端子52とを有する。2つのバスバー側端子52は、バスバープレート51の長手方向に沿って並設されている。前記のバスバープレート51は、請求項の「バスバーの本体部」に相当する。
バスバー側端子52が蓋部12の底面12bから左方に突出する状態で、バスバープレート51は、蓋部12の内側に収容されて蓋部12に固定されている。本実施形態では、蓋部12の底面12bに切り込みが形成されており、この切り込みからバスバープレート51が蓋部12の内側に挿入されることで、バスバープレート51は蓋部12の内側に収容される。
図12は、バッテリーセル20とバスバー50との関係を模式的に示した図である。バスバー50は、バスバープレート51が2つのバッテリーセル20間にわたって前後方向に延びるように配設されている。バスバー50は、一対のバスバー側端子52と、異なる2つのバッテリーセル20の一方のセル側端子22とが互いに電気的に接続されることで、異なる2つのバッテリーセル20のセル側端子22どうしつまりバッテリーセル20どうしを電気的に接続している。具体的には、最前列のバッテリーセル20と前から2列目のバッテリーセル20の各上側のセル側端子22どうしにわたってバスバープレート51が延びるように1つのバスバー50が配設されている。そして、このバスバー50の1対のバスバー側端子52が各セル側端子22に電気的に接続されることで、最前列のセル側端子22と前から2列目のセル側端子22が電気的に接続されている。同様に、前から2列目のバッテリーセル20と前から3列目のバッテリーセル20の下側のセル側端子22どうしが1つのバスバー50で電気的に接続され、前から3列目のバッテリーセル20と前から4列目のバッテリーセル20の上側のセル側端子22どうしが1のバスバー50で電気的に接続されている。バスバー50によって他のセル側端子22と接続されないセル側端子22、具体的には、最前列のバッテリーセル20の下側のセル側端子22および前から4列目のバッテリーセル20の下側のセル側端子22は、連結部材40を介して外部端子60にそれぞれ連結されている。
バスバー側端子52は、その右側部分(バスバー側端子52の突出方向についてバスバープレート51側の部分)を構成するバスバー側基部52aと、その左側部分(バスバー側端子52の突出方向について反バスバープレート51側の部分)を構成するバスバー側連結部52bとからなる。
バスバー側基部52aは、左方に向けて外径が小さくなる略円錐台状の部材に、円錐台の中心軸と直交する方向に延びる貫通孔52cが形成された形状を呈する。貫通孔52cは、側面視で略台形の孔である。貫通孔52cは、左右方向について、バスバー側基部52aの右端よりも左方の位置とバスバー側連結部52bの右端位置とにわたって形成されている。バスバー側基部52aの左右方向の中央付近の外周面には、バスバー側基部52aの径方向の内側(バスバー側基部52aを構成する円錐台の中心軸側)に凹む切り欠き52dが形成されている。切り欠き52dは、バスバー側基部52aの全周にわたって形成されている。切り欠き52dは、左右方向について、貫通孔52cが形成された領域と重複するように設けられている。これより、バスバー側基部52aのうち左右方向の中央付近の部分は、バスバー側基部52aの残余の部分(前記の部分を除く部分)よりも肉厚が小さくされて剛性が低くなっている。すなわち、バスバー側基部52aのうちの左右方向(つまりバスバー側端子52の突出方向)の中央付近の領域には、バスバー側基部52aの前記の領域を除く他の領域よりも剛性の低い脆弱部52eが形成されている。
バスバー側連結部52bは、左方に向かって外径が小さくなる略円錐台状を呈する。ただし、バスバー側連結部52bの傾斜は、バスバー側基部52aの傾斜よりも緩やかである。セル側連結部22bと同様に、バスバー側連結部52bにも、その周方向の一部に、径方向の内側(バスバー側連結部52bを構成する円錐台の中心軸側)に凹む切り欠き52gが形成されている。切り欠き52gは、バスバー側連結部52bの左右方向の全体にわたって形成されている。このように切り欠き52gが設けられていることで、セル側連結部22bと同様に、バスバー側連結部52bも縮径可能となっている。
連結部材40は、セル側端子22とバスバー側端子52およびセル側端子22と外部端子60とを電気的に接続するための部材であり、導電性を有する。例えば、連結部材40は、金属で形成されている。本実施形態では、8つのセル側端子22に対応して、バッテリ装置1は8つの連結部材40を有する。
連結部材40は、左右方向に延びる略円筒状を呈し、内側にはその中心軸に沿って上下方向に延びる貫通孔41が形成されている。この貫通孔41の左右方向(貫通孔41の中心軸に沿う方向)の中央部分の径は左右方向について略一定であり、連結部材40の左右方向の中央には、内径が左右方向でほぼ一定の端子連結部42が設けられている。端子連結部42の孔径は、セル側連結部22bの外径の最大値およびバスバー側連結部52bの外径の最大値よりもわずかに小さい寸法に設定されている。一方、貫通孔41のうち端子連結部42よりも右側の部分と左側の部分の孔径は、端子連結部42から離れるほど大きくなっている。すなわち、連結部材40のうち端子連結部42よりも右側には、右方ほど内径が大きくなるバスバー側挿入部43が設けられており、連結部材40のうち端子連結部42よりも左側には、左方ほど内径が大きくなるセル側挿入部44が設けられている。前記の連結部材40に形成された貫通孔41は、請求項の「挿入部」に相当する。
端子連結部42には、セル側連結部22bとバスバー側連結部52bが挿入されており、端子連結部42とこれらセル側連結部22bおよびバスバー側連結部52bとは嵌合している。つまり、端子連結部42の内周面とセル側連結部22bの外周面およびバスバー側連結部52bの外周面とが接触した状態で、端子連結部42内に各連結部22b、55bが挿入されている。そして、これにより、セル側端子22とバスバー側端子52とが、端子連結部42および連結部材40を介して電気的に接続されている。
端子連結部42と、セル側連結部22bおよびバスバー側連結部52bとの嵌合手順は、次の通りである。セル側端子22を、セル側挿入部44側から連結部材40の貫通孔41内に挿入する。このとき、セル側連結部22bを縮径させながら端子連結部42まで挿入する。このようにして端子連結部42までセル側連結部22bを挿入すれば、端子連結部42内においてセル側連結部22bは拡径し、セル側連結部22bと端子連結部42とが嵌合する。また、バスバー側端子52を、連結部材40のバスバー側挿入部43側から連結部材40の貫通孔41内に挿入する。このとき、バスバー側連結部52bを縮径させながら連結部材40の端子連結部42まで挿入する。このようにして端子連結部42までバスバー側連結部52bを挿入すれば、端子連結部42内においてバスバー側連結部52bは拡径し、バスバー側連結部52bと端子連結部42とが嵌合する。ここで、図9に示すように、外部端子60の左側部分も、バスバー側端子52と同様の構造を有しており、外部端子60も連結部材40の端子連結部42まで挿入されてこれと嵌合し、端子連結部42および連結部材80を介してセル側端子22と電気的に接続される。
保持プレート30は、連結部材40を保持するための部材である。保持プレート30は、左右方向と略直交する板状を有している。保持プレート30には、これを左右方向に貫通して連結部材40がそれぞれ挿入される挿入孔31が形成されている。8つの連結部材40に対応して、保持プレート30には8つの挿入孔31が形成されている。各挿入孔31は、互いに離間しており、各挿入孔31に挿入された連結部材40は、連結部材40どうしの間に保持プレート30が介在する状態でこれに保持される。
保持プレート30は、非導電性の部材で形成されている。例えば、保持プレート30は、樹脂でよって形成されている。
連結部材40は、挿入孔31内に挿入された状態で保持プレート30に固定されている。例えば、連結部材40は、接着剤等によって挿入孔31内に固定されている。連結部材40の左右方向の寸法と、保持プレート30の左右方向の寸法とはほぼ同じであり、連結部材40の全体が、保持プレート30の内側に収容されている。
保持プレート30は、ボルト等によってセル収容部11に固定されている。具体的には、セル収容部11の内側面には、左右方向についてセルケース21の右側面21aとほぼ同じ位置に段部11hが形成されている。この段部11hには複数のボルト孔11kが形成されている。保持プレート30は、この段部11hおよびセルケース21の右側面21aに当接した状態で、右方から差し込まれたボルト91が前記のボルト孔に締結されることで、セル収容部11の内側に保持されている。保持プレート30および連結部材40の左右方向の寸法は、セルケース21の右側面21aと蓋部12の底面12bとの左右方向の離間距離よりもわずかに短く設定されている。これより、蓋部12がセル収容部11を封止した状態で、蓋部12の底面12bと保持プレート30の右側面および連結部材40の右側面との間にはわずかに隙間が形成される。
以上のように構成されたバッテリ装置1は、前記のように、トレイ82上に載置されている。ここで、前記のように、セル収容部11は、その下壁部11cに設けられた位置決め用突起11kが、トレイ82の位置決め用溝82kに挿入されることでトレイ82内に位置決めされるようになっている。これより、セル収容部11は、位置決め用ブロック82h上に載置されており、セル収容部11および蓋部12は、トレイ底壁部82aから上方に離間した位置に保持されている。また、図2および図4に示すように、蓋部12は、トレイ前壁部82eおよびトレイ後壁部82dの各右端よりも右方に位置しており、蓋部12の前方、後方、上方および下方には空間が確保されている。
(荷重伝達部材)
パワートレインユニット200には、車両の前突時等においてパワートレインユニット200に前方から付与された荷重を蓋部12に付与するための荷重伝達部材70が取り付けられている。本実施形態では、変速機5に荷重伝達部材70が固定されている。
荷重伝達部材70は、変速機5の上面に設けられた被固定部5aに固定されている。荷重伝達部材70は、被固定部5aに固定された第1伝達部材71と、第1伝達部材71に連結された第2伝達部材72とを有する。
第1伝達部材71は、被固定部5aから上方に延びる角柱状の部材である。第1伝達部材71は、トレイ82のガイド孔82r内を上下方向に貫通する状態で被固定部5aに固定されている。
第2伝達部材72は、略L字状を有しており、第1伝達部材71に連結されて上下方向に延びる縦壁部72aと、縦壁部72aの上端から後方に延びる横壁部72bとを有する。
荷重伝達部材70は、図3、図4に示すように、前後方向について、第1伝達部材71および第2伝達部材72の縦壁部72aが蓋部12の前方に位置し、且つ、縦壁部72aが蓋部12と正面視で(車両前方からみたときに)重複するように配置されている。本実施形態では、前後方向について、第1伝達部材71および第2伝達部材72の縦壁部72aは、蓋部12の前端よりもわずかに前方に位置している。また、荷重伝達部材70は、第2伝達部材72の横壁部72bが蓋部12の上方に位置して、上面視で横壁部72bと、蓋部12の前部とが重複するように配置されている。本実施形態では、横壁部72bは蓋部12の上端よりもわずかに上方に位置している。
(作用等)
図13は、本実施形態に係る作用効果を説明するための図であって、バッテリ装置1の周辺を模式的に示した上面図である。なお、図13では、クランプ84の図示は省略している。また、図13では、上から順に時間が経過している。また、図14も本実施形態に係る作用効果を説明するための図であって、図3に対応する図である。また、図15も本実施形態に係る作用効果を説明するための図であって、図7に対応する図である。
前記のように、変速機5の前端位置X2は、バッテリ装置1の前端位置X1よりも前方である。これより、図14に示すように、車両の前突時等において車両100に前方から荷重が付与された場合、バッテリ装置1よりも先に変速機5およびパワートレインユニット200に前方から荷重Fが付与されることになる。荷重Fが付与されると、変速機5は後方に移動する。変速機5が後方に移動すると、図14の鎖線および図13の上から2つ目の図に示すように、変速機5に固定された荷重伝達部材70も後方に移動する。本実施形態では、ガイド孔82rに沿って荷重伝達部材70が後方に移動する。そして、荷重伝達部材70の第2伝達部材72の縦壁部72aが前方から蓋部12に当接し、蓋部12に荷重が伝達される。前方から荷重が付与されると、図13の上から3つ目の図に示すように、蓋部12はセル収容部11に対して相対的に後方に移動する。ここで、前記のように、バスバー50は蓋部12に固定されている。これより、蓋部12がセル収容部11に対して後方に移動すると、バスバー50の位置が、セル収容部11に収容されたバッテリーセル20のセル側端子22に対応する位置からずれる。この結果、バスバー50を介したセル側端子22どうしの電気的な接続、つまり、バッテリーセル20どうしの電気的な接続が解除される。なお、蓋部12は、被係止部12gの破断を伴いつつセル収容部11に対して相対的に後方に移動する。
ここで、前方からの荷重を受けて変速機5は後ろ斜め下方に移動する場合がある。このように変速機5が後ろ斜め下方に移動した場合には、荷重伝達部材70および蓋部12に対して後ろ斜め下向きの力が付与されることになる。これに対して、本実施形態では、前記のように、蓋部12の下方にも空間が確保されており、蓋部12の後ろ斜め下方への移動が許容されるようになっている。これより、変速機5が後ろ斜め下方に移動した場合にも、蓋部12はセル収容部11から相対的に移動し、バスバー50の位置がセル側端子22に対応する位置からずれて、バッテリーセル20どうしの電気的な接続が解除される。
本実施形態では、バスバー50のうちのバスバープレート51が蓋部12に固定されて、バスバー側端子52は、セル収容部11内に収容された連結部材40に挿入されている。これより、蓋部12がセル収容部11に対して相対的に後方に移動すると、図15に示すように、バスバー側端子52が破断して、バスバー50のうちバスバープレート51側の部分のみが後方に移動することになる。詳細には、バスバー側端子52に形成された脆弱部52eにおいてバスバー側端子52が破断し、脆弱部52eから右側(バスバープレート51側)の部分が、脆弱部52eから左側(セル側端子22側)の部分に対して相対的に後方に移動する。そして、このバスバー側端子52の破断により、バスバープレート51とバスバー側端子52との接続は解除され、バスバー側端子52およびバスバープレート51を介したセル側端子22どうしの電気的な接続、つまり、バッテリーセル20どうしの電気的な接続が解除される。
以上のように、本実施形態では、変速機5つまりパワートレインユニット200の前端位置X2が、バッテリ装置1の前端位置X1よりも前方となるようにバッテリ装置1が配設され、パワートレインユニット200に付与された前方からの荷重を蓋部12に伝達する荷重伝達部材70がパワートレインユニット200に取り付けられている。そのため、車両の前突時等においてパワートレインユニット200に前方から荷重が付与されたタイミングと同時あるいはこれの直後であって、バッテリ装置1のセル収容部11に荷重が付与されるよりも早いタイミングで、蓋部12を後方に移動させることができる。そして、バスバー50が蓋部12に固定されていることで、蓋部12の後方移動に伴って、バスバー50の位置を、セル側端子22どうしを電気的に接続する位置からずらすことができ、早期にセル側端子22どうしつまりバッテリーセル20どうしの電気的な接続を解除できる。従って、前突時等において、バッテリ装置1から高電流あるいは高電圧の電気エネルギーが外部に放出される機会をより確実に少なく抑えることができる。特に、セル収容部11およびこれに収容されたバッテリーセル20自身に荷重が付与されるよりも先にバッテリーセル20どうしの電気的な接続が解除されるので、バッテリーセル20が損傷した状態で通電されるのを防止でき、火災等の発生をより確実に防止できる。
また、本実施形態では、ガイド孔82rに沿って荷重伝達部材70が後方に移動するようになっている。そのため、荷重伝達部材70および蓋部12をより確実に後方に移動させることができる。
このように、本実施形態では、ガイド孔82r、詳細には、ガイド孔82rの内周面であってこれを形成するトレイ82のうちの右側部分が、荷重伝達部材70の後方移動をガイドするガイド部として機能し、当該部分が請求項の「ガイド部」に相当する。また、トレイ82が請求項の「保持部材」に相当する。
また、本実施形態では、蓋部12とセル収容部11とが左右方向に並び、且つ、蓋部12がセル収容部11の右方に位置して、蓋部12の方がセル収容部11よりも変速機4つまりパワートレインユニット200に近くなるように、ハウジング10が配設されている。そのため、荷重伝達部材70の左右方向の寸法を短くできる。
また、本実施形態では、バスバー50のバスバープレート51が蓋部12に固定されて、バスバー側端子52がバスバープレート51からセル収容部11側に突出するように構成されている。そして、セル収容部11の内側に配設された導電性を有する連結部材40の端子連結部42にセル側端子22とバスバー側端子52とが挿入されることでこれらが電気的に接続されている。
これより、連結部材40を介してセル側端子22とバスバー側端子52との電気的な接続を実現しつつ、バスバー側端子52を容易に破断させて、バスバープレート51を介したバスバー側端子52どうしの電気的な接続およびバッテリーセル20どうしの電気的な接続を容易に解除することができる。
また、本実施形態では、バスバー側端子52の左右方向の中央付近に、全周にわたって脆弱部52eが設けられている。つまり、バスバー側端子52のうち、バスバー側端子52のバスバープレート51からの突出方向の一部の領域に、当該領域を除く残余の領域よりも脆弱な脆弱部52eが設けられている。これより、前記のように、バスバープレート51の後方への移動に伴って、バスバー側端子52をこの脆弱部52eにおいて容易に破断させることができる。
しかも、本実施形態では、脆弱部52eは連結部材40および保持プレート30の右側端よりも左方に位置している。つまり、脆弱部52eは、連結部材40および保持プレート30の蓋部12側の端部よりもセル収容部11側の端部に近い位置と対向するように設けられている。これより、バスバー側端子52は、連結部材40および保持プレート30の内側で破断する。そのため、脆弱部52eにおいてバスバー側端子52が破断したときに、破断部分のうちバスバープレート51側の部分と、セル側端子22側の部分との間で放電が生じるのを抑制することができる。特に、保持プレート30は非導電性を有しているので、前記の部分間での放電がより確実に防止される。
また、本実施形態では、トレイ後壁部82dがセル収容部11の後方に位置していることで、トレイ後壁部82dによってセル収容部11の後方への移動を規制でき、蓋部12をより確実にセル収容部11に対して相対的に後方に移動させることができる。
(変形例)
前記実施形態では、蓋部12がセル収容部11の右方に位置する場合を説明したが、これらの配置はこれに限らず、蓋部12とセル収容部11とは、蓋部12がセル収容部11の左方となるように配設されてもよい。また、図16に示すように、蓋部12とセル収容部11とが上下方向に並ぶようにこれらが配設されてもよい。なお、図16は、蓋部12がセル収容部11の上方となるようにバッテリ装置1が配設されたときの、蓋部12、セル収容部11と、荷重伝達部材170の配置例を示した概略側面図である。この図16の例では、荷重伝達部材170の第1伝達部材171が蓋部12と対向する位置まで上方に延びている。また、荷重伝達部材170の第2伝達部材172が第1伝達部材171の上端から左方に延びて、蓋部12の前方に配置されている。そして、第2伝達部材172が後方に移動するのに伴ってこの第2伝達部材172により蓋部12が後方に押圧されるようになっている。
1 リチウムイオンバッテリ装置
4 エンジン
5 変速機
10 ハウジング
11 セル収容部
12 蓋部
20 バッテリーセル
22 セル側端子
30 保持プレート
40 連結部材
50 バスバー
51 バスバープレート(本体部)
52 バスバー側端子
52e 脆弱部
80 トレイ(保持部材)
82r ガイド孔(ガイド部)
70 荷重伝達部材
101 フロントサイドフレーム
200 パワートレインユニット

Claims (6)

  1. パワートレインユニットと、車体骨格部材に支持されたリチウムイオンバッテリ装置とが、ともに動力室に搭載された車両であって、
    前記リチウムイオンバッテリ装置は、開口部を有するセル収容部および前記開口部を封止する蓋部を有するハウジングと、前記セル収容部に収容された複数のバッテリーセルと、2つの前記バッテリーセルどうしを電気的に接続する複数のバスバーとを備え、
    前記ハウジングは、前記蓋部と前記セル収容部とが車両上下方向または車幅方向に並び、且つ、車両前後方向における当該ハウジングの前端位置の方が前記パワートレインユニットの前端位置よりも車両後方となる姿勢で、前記動力室内に配設されており、
    前記バスバーは、前記蓋部に固定されており、
    前記パワートレインユニットには、車両前方から当該パワートレインユニットに付与された荷重を前記蓋部に伝達するための荷重伝達部材が取り付けられている、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオンバッテリ搭載車両において、
    前記車体骨格部材に取り付けられて前記ハウジングを保持する保持部材を備え、
    前記保持部材は、前記荷重伝達部材の車両後方への移動をガイドするガイド部を備える、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオンバッテリ搭載車両において、
    前記ハウジングは、前記蓋部と前記セル収容部とが車幅方向に並び、且つ、前記蓋部の方が前記セル収容部よりも前記パワートレインユニットに近い位置となるように配設されている、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウムイオンバッテリ搭載車両において、
    前記バッテリーセルは、一対のセル側端子をそれぞれ有し、
    前記バスバーは、前記蓋部に固定される本体部と、当該本体部から前記セル収容部側に向かって突出する一対のバスバー側端子とをそれぞれ有し、
    前記リチウムイオンバッテリ装置は、前記セル側端子と前記バスバー側端子とが挿入される挿入部を有してこれら端子どうしを電気的に接続する複数の導電性の連結部材とを備える、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
  5. 請求項4に記載のリチウムイオンバッテリ搭載車両において、
    前記バスバー側端子には、その突出方向の一部の領域に、当該領域を除く領域よりも脆弱な脆弱部が形成されている、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオンバッテリ搭載車両において、
    前記脆弱部は、前記連結部材のうち前記蓋部側の端部よりも前記セル収容部側の端部に近い位置と対向するように設けられている、ことを特徴とするリチウムイオンバッテリ搭載車両。
JP2020035574A 2020-03-03 2020-03-03 リチウムイオンバッテリ搭載車両 Active JP7363580B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020035574A JP7363580B2 (ja) 2020-03-03 2020-03-03 リチウムイオンバッテリ搭載車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020035574A JP7363580B2 (ja) 2020-03-03 2020-03-03 リチウムイオンバッテリ搭載車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021138198A JP2021138198A (ja) 2021-09-16
JP7363580B2 true JP7363580B2 (ja) 2023-10-18

Family

ID=77667520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020035574A Active JP7363580B2 (ja) 2020-03-03 2020-03-03 リチウムイオンバッテリ搭載車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7363580B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7463768B2 (ja) * 2020-03-03 2024-04-09 マツダ株式会社 リチウムイオンバッテリ装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114735A (ja) 2006-11-06 2008-05-22 Mazda Motor Corp 自動車のバッテリ支持構造
JP2012187949A (ja) 2011-03-09 2012-10-04 Mazda Motor Corp 車両の電力変換装置冷却構造
JP2016139616A (ja) 2011-03-29 2016-08-04 三洋電機株式会社 バッテリモジュール
JP5970272B2 (ja) 2012-07-12 2016-08-17 株式会社ケーヒン 電子制御スロットル装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5970272A (ja) * 1982-10-14 1984-04-20 本田技研工業株式会社 自動二輪車

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008114735A (ja) 2006-11-06 2008-05-22 Mazda Motor Corp 自動車のバッテリ支持構造
JP2012187949A (ja) 2011-03-09 2012-10-04 Mazda Motor Corp 車両の電力変換装置冷却構造
JP2016139616A (ja) 2011-03-29 2016-08-04 三洋電機株式会社 バッテリモジュール
JP5970272B2 (ja) 2012-07-12 2016-08-17 株式会社ケーヒン 電子制御スロットル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021138198A (ja) 2021-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102162968B1 (ko) 확장형 배터리 모듈 구조를 갖는 배터리 팩
KR101737489B1 (ko) 터미널 볼트의 토크 지지 구조가 개선된 배터리 팩
US9985258B2 (en) Onboard battery
JP6538274B2 (ja) バッテリーモジュール及びこれを含むバッテリーパック
JP7027639B2 (ja) バッテリーモジュール
KR20150062777A (ko) 배터리 모듈 및 이를 포함하는 배터리 팩
KR102034206B1 (ko) 배터리 모듈 및 이를 포함하는 배터리 팩
US20230006275A1 (en) Battery module
KR102325636B1 (ko) 배터리 모듈용 하우징
JP7363580B2 (ja) リチウムイオンバッテリ搭載車両
US20230307782A1 (en) Battery pack, energy storage system, and vehicle
US20220238937A1 (en) Battery module and battery pack including the same
EP3926734A1 (en) Battery module and battery pack including same
KR101847680B1 (ko) 배터리 팩
JP7363581B2 (ja) リチウムイオンバッテリ搭載車両
JP7463768B2 (ja) リチウムイオンバッテリ装置
US20230268610A1 (en) Battery module, battery pack, and vehicle
CN110311067B (zh) 车载用电池
JP7154382B2 (ja) バッテリーパック及びそれを含む自動車
CN110154955B (zh) 电池组
KR20220056028A (ko) 배터리 팩의 에너지 드레인 시스템 및 이를 포함하는 자동차
KR20180029689A (ko) 통합형 카트리지 및 이를 포함하는 배터리 팩
KR20220070959A (ko) 배터리 모듈, 그것을 포함하는 배터리 팩, 및 자동차
JP7054441B2 (ja) 組電池
KR20170090259A (ko) 배터리 팩 및 이러한 배터리 팩을 포함하는 자동차

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220921

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230829

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7363580

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150