JP7363465B2 - 配索部材及びワイヤハーネス - Google Patents
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Description
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示の配索部材は、柱状の本体部と、前記本体部の外周面に形成されるとともに、電線が収容される溝部と、を有し、前記溝部は、蛇行しつつ前記本体部の軸線方向に延びるように形成された蛇行部を有する。
この構成によれば、蛇行部が本体部の周方向に蛇行するように形成される。このため、例えば蛇行部が本体部の径方向に蛇行する場合に比べて、本体部の径方向の寸法が大型化することを抑制できる。
この構成によれば、蛇行部のU字に沿って電線を配索することにより、その電線を、本体部の軸線方向において余長を持った状態で配索させることができる。
この構成によれば、蛇行部のS字に沿って電線を配索することにより、その電線を、本体部の軸線方向において余長を持った状態で配索させることができる。
この構成によれば、複数の溝部に個別に電線を配索することができる。このため、複数の電線を分岐させた状態で各溝部に配索することができる。
この構成によれば、複数の溝部が本体部の中心軸を中心として放射状に形成される。このため、複数の溝部に沿って複数の電線が配索されると、それら複数の電線を本体部の中心軸を中心として放射状に配置することができる。
この構成によれば、溝部とは別に貫通孔が本体部に形成される。このため、溝部と貫通孔とに個別に電線を配索することができる。これにより、複数の電線を分岐させた状態で溝部と貫通孔とに配索することができる。
この構成によれば、配索部材の本体部の外周面に形成された溝部に、蛇行しつつ本体部の軸線方向に延びる蛇行部が形成される。この蛇行部を形成することにより、溝部の全長が、本体部の軸線方向における端部間の最短距離よりも長く形成される。この蛇行部に沿って電線が配索されると、蛇行部の形状に合わせて電線を蛇行して配索することができる。これにより、溝部に沿って配索された電線を、本体部の軸線方向において余長を持った状態で配索させることができる。このため、蛇行部が本体部の軸線方向に伸縮した場合に、その伸縮に追従して電線も本体部の軸線方向に伸縮させることができる。このように電線を本体部の軸線方向に伸縮させることにより、例えば電線と電気機器との間の寸法公差等の公差を吸収することができる。
この構成によれば、固定部材によって、電線の外周面に対して配索部材が固定される。これにより、電線に対する配索部材の位置ずれを好適に抑制することができる。
本開示の配索部材及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1に示すワイヤハーネス10は、2個又は3個以上の電気機器(機器)を電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車両Vの前部に設置されたインバータ11と、そのインバータ11よりも車両Vの後方に設置された高圧バッテリ12とを電気的に接続する。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vの床下等を通るように配索される。インバータ11は、車両走行の動力源となる車輪駆動用のモータ(図示略)と接続される。インバータ11は、高圧バッテリ12の直流電力から交流電力を生成し、その交流電力をモータに供給する。高圧バッテリ12は、例えば、百数十ボルト~数百ボルトといった高電圧を供給可能なバッテリである。
電線20は、長尺状に形成されている。電線20の一端部はコネクタC1を介してインバータ11と接続され、電線20の他端部はコネクタC1を介して高圧バッテリ12と接続されている。電線20は、例えば、ワイヤハーネス10の配索経路に応じて、二次元状又は三次元状に曲げられるように形成されている。本実施形態の電線20は、インバータ11に接続されたコネクタC1から車両前後方向に沿って延びる直線部21と、直線部21の端部に設けられた屈曲部22と、屈曲部22から車両下方に向かって延びる直線部23と、直線部23の端部に設けられた屈曲部24とを有している。本実施形態の電線20は、屈曲部24から車両前後方向に沿って延びる直線部25と、直線部25の端部に設けられた屈曲部26と、屈曲部26から車両上方に向かって延びる直線部27と、直線部27の端部に設けられた屈曲部28と、屈曲部28から車両前後方向に沿って延びる直線部29とを有している。
図1に示すように、外装部材30は、全体として長尺の筒状をなしている。外装部材30の内部空間には、1本又は複数本(本実施形態では、6本)の電線20が収容されている。外装部材30は、例えば、複数の電線20の外周を周方向全周にわたって包囲するように形成されている。外装部材30は、内部に収容した電線20を飛翔物や水滴から保護する。外装部材30としては、例えば、金属製又は樹脂製のパイプや、樹脂製のプロテクタ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブやゴム製の防水カバー又はこれらを組み合わせて用いることができる。
各配索部材40は、例えば、外装部材30の内部空間に収容されている。各配索部材40は、例えば、ワイヤハーネス10の配索経路に沿って延びるように形成されている。各配索部材40は、例えば、電線20の長さ方向の一部に設けられている。複数の配索部材40は、例えば、電線20の長さ方向において互いに離れて設けられている。配索部材40は、例えば、インバータ11及び高圧バッテリ12等の電気機器と接続される電線20の端部の近傍に設けられている。配索部材40は、例えば、電線20の屈曲部22,24,26,28に対応して設けられている。
溝部42は、本体部41の外周面から本体部41の径方向内側に凹むように形成されている。本実施形態の配索部材40では、6個の溝部42A,42B,42C,42D,42E,42Fが本体部41の周方向に沿って間隔を空けて設けられている。複数の溝部42A~42Fは、例えば、本体部41の中心軸を中心として放射状に形成されている。例えば、複数の溝部42A~42Fは、本体部41の中心軸を中心として径方向に放射状に延びるように形成されている。複数の溝部42A~42Fは、例えば、本体部41の周方向に等間隔に配置されている。複数の溝部42A~42Fは、例えば、本体部41の外周面の周方向の全体に形成されている。以下の説明では、溝部42A,42B,42C,42D,42E,42Fを総称する場合には、「溝部42」と称する。なお、図2では、図1に示した外装部材30の図示を省略している。
蛇行部45は、例えば、本体部41の周方向に蛇行するように形成されている。蛇行部45は、例えば、本体部41の周方向の一方向とその反対方向とに交互に蛇行するように形成されている。本実施形態の蛇行部45は、本体部41の径方向には蛇行していない。すなわち、本実施形態の蛇行部45の深さは、蛇行部45の長さ方向の全長にわたって一定に形成されている。
曲げ部45Aは、例えば、直線部44と連続して形成されている。曲げ部45Aは、例えば、直線部44から本体部41の周方向の一方向(図中上方向)に広がるように形成されている。曲げ部45Aは、例えば、本体部41の径方向から見た平面形状がU字状に形成されている。本体部41の径方向から見た曲げ部45Aの平面形状は、例えば、直線部44よりも本体部41の周方向の一方向に突出した部分において湾曲した形状に形成されている。曲げ部45Aの溝幅は、例えば、直線部44の溝幅と同じ幅に設定されている。
曲げ部45Bは、例えば、一端部が曲げ部45Aと連続して形成されるとともに、他端部が直線部46と連続して形成されている。曲げ部45Bは、例えば、直線部46から本体部41の周方向の反対方向(図中下方向)に広がるように形成されている。曲げ部45Bは、例えば、本体部41の径方向から見た平面形状がU字状に形成されている。本体部41の径方向から見た曲げ部45Bの平面形状は、例えば、直線部46よりも本体部41の周方向の反対方向に突出した部分において湾曲した形状に形成されている。曲げ部45Bの溝幅は、例えば、直線部46の溝幅と同じ幅に設定されるとともに、曲げ部45Aの溝幅と同じ幅に設定されている。例えば、各溝部42では、直線部44と蛇行部45(曲げ部45A,45B)と直線部46とが同じ溝幅に設定されている。
図3に示すように、本体部41の軸線方向における端部41A,41Bは、例えば、錘状に形成されている。本体部41の端部41A,41Bは、例えば、蛇行部45から離れるに連れて細くなるように形成されている。本体部41の端部41A,41Bは、例えば、先細り形状に形成されている。本実施形態の本体部41の端部41A,41Bは、円錐状に形成されている。ここで、本体部41の端部41A,41Bは、直線部44,46が形成された部分の本体部41にそれぞれ設けられている。直線部44,46を構成する壁部43は、本体部41の端部41A,41Bのそれぞれにおいて、蛇行部45から離れるに連れて本体部41の径方向の長さが短くなるように形成されている。
図2に示すように、各溝部42A~42Fには、例えば、1本又は複数本(本実施形態では、1本)の電線20が収容されている。本実施形態では、6本の電線20A~20Fが6個の溝部42A~42Fにそれぞれ個別に収容されている。すなわち、本実施形態では、1つの溝部42A~42Fに電線20A~20Fが1本ずつ収容されている。具体的には、溝部42Aに電線20Aが収容され、溝部42Bに電線20Bが収容され、溝部42Cに電線20Cが収容されている。また、溝部42Dに電線20Dが収容され、溝部42Eに電線20Eが収容され、溝部42Fに電線20Fが収容されている。
配索部材40は、例えば、固定部材60によって電線20に固定されている。固定部材60は、例えば、本体部41の長さ方向の端部41A,41Bを、配索部材40から導出された電線20の外周面に固定するように形成されている。固定部材60としては、例えば、テープ部材、結束バンドやカシメバンドなどを用いることができる。本実施形態の固定部材60は、一面に粘着層を有するテープ部材である。
次に、配索部材40の作用について説明する。
配索部材40の本体部41の外周面に形成された溝部42には、蛇行しつつ本体部41の軸線方向に延びる蛇行部45が形成されている。この蛇行部45を形成することにより、溝部42の全長が、本体部41の軸線方向における端部41A,41B間の最短距離よりも長く形成される。この蛇行部45に沿って電線20が配索されると、蛇行部45の形状に合わせて電線20を蛇行して配索することができる。これにより、溝部42に沿って配索された電線20を、本体部41の軸線方向において余長を持った状態で配索させることができる。このため、蛇行部45が本体部41の軸線方向に伸縮した場合に、その伸縮に追従して電線20も本体部41の軸線方向に伸縮させることができる。このように電線20を本体部41の軸線方向に伸縮させることにより、例えば電線20と電気機器との間の寸法公差等の公差を吸収することができる。
図11に示すように、配索部材40が軸線方向の途中で屈曲されると、例えば配索部材40の軸線方向が車両前後方向から車両上下方向に変更されるように配索部材40が屈曲されると、本体部41のうち蛇行部45を有する部分が本体部41の軸線方向に伸長される。具体的には、蛇行部45を有する部分が本体部41の軸線方向に伸長されつつ、その軸線方向の延びる方向が変更されるように蛇行部45が屈曲される。すると、蛇行部45内で余長を持った状態で配索されていた電線20の余長分が、蛇行部45の伸長及び屈曲に追従して本体部41の軸線方向に伸長される。これにより、電線20の余長分を軸線方向に伸ばしながら電線20を曲げて屈曲部22を形成することができるため、その屈曲部22において電線20の長さが不足することを好適に抑制できる。このため、屈曲部22において電線20が断線する等の問題が発生することを好適に抑制できる。特に、屈曲部22の曲げ外側22Aにおいては、曲げ量が大きくなるものの、その曲げ量に対して電線20の余長分によって好適に対応することができる。このため、屈曲部22において電線20が損傷することを好適に抑制できる。このように、配索部材40を屈曲部22に配索することにより、その屈曲部22において電線20の長さが不足することに起因して電線20が損傷するといった問題の発生を好適に抑制できる。さらに、蛇行部45の形状を調整して電線20の余長を調整することにより、屈曲部22の曲率半径が極端に小さい場合であっても、屈曲部22の曲率半径が極端に大きい場合であっても、屈曲部22における電線20の損傷を好適に抑制できる。
(1)配索部材40の本体部41の外周面に形成された溝部42には、蛇行しつつ本体部41の軸線方向に延びる蛇行部45が形成されている。この蛇行部45に沿って電線20を配索することにより、その電線20を、本体部41の軸線方向において余長を持った状態で配索させることができる。このため、蛇行部45が本体部41の軸線方向に伸縮した場合に、その伸縮に追従して電線20も本体部41の軸線方向に伸縮させることができる。このように電線20を本体部41の軸線方向に伸縮させることにより、例えば電線20と電気機器との間の寸法公差等の公差を吸収することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、複数の溝部42A~42Fを、本体部41の外周面の周方向の全体に形成したが、これに限定されない。例えば、複数の溝部42を、本体部41の外周面の周方向の一部のみに形成してもよい。例えば、複数の溝部42を、本体部41の外周面の周方向の半分のみに形成してもよい。
・上記実施形態では、配索部材40を全体として円柱状に形成したが、その形状は特に限定されない。
・例えば図13に示すように、本体部41に、その本体部41を軸線方向に貫通する貫通孔41Xを形成してもよい。図示の例の貫通孔41Xは、本体部41の横断面における中心に形成されている。貫通孔41Xの外周面は、例えば、本体部41の周方向全周にわたって連続して形成されている。すなわち、貫通孔41Xは、本体部41の周方向全周にわたって連続して外周面に囲まれている。貫通孔41Xは、例えば、図2に示した蛇行部45を有していない。
・上記実施形態のワイヤハーネス10における配索部材40の個数は特に限定されない。配索部材40の個数は、1個~3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
・上記実施形態における外装部材30の内部に電磁シールド部材を設けるようにしてもよい。電磁シールド部材は、例えば、外装部材30の内周面と電線20の外周面との間に設けられる。電磁シールド部材としては、例えば、可撓性を有する編組線や金属箔を用いることができる。
・上記実施形態では、ワイヤハーネス10によって接続される電気機器としてインバータ11及び高圧バッテリ12を採用したが、これに限定されない。例えば、インバータ11と車輪駆動用のモータとを接続するワイヤハーネスに採用してもよい。すなわち、車両Vに搭載される電気機器間を電気的に接続するものであれば適用可能である。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C1 コネクタ
10 ワイヤハーネス
11 インバータ
12 高圧バッテリ
20,20A~20F 電線
21,23,25,27,29 直線部
22,24,26,28 屈曲部
22A 曲げ外側
30 外装部材
40 配索部材
41 本体部
41A,41B 端部
41X 貫通孔
42,42A~42F 溝部
43 壁部
44 直線部
45 蛇行部
45A,45B 曲げ部
46 直線部
50 本体部
51 本体部
52 溝部
60 固定部材
Claims (10)
- 柱状の本体部と、
前記本体部の外周面に形成されるとともに、電線が収容される溝部と、を有し、
前記溝部は、蛇行しつつ前記本体部の軸線方向に延びるように形成された蛇行部を有し、
前記本体部の軸線方向の端部は、錘状に形成されている配索部材。 - 1本又は複数本の電線を収容する外装部材の内部空間に収容される配索部材であって、
柱状の本体部と、
前記本体部の外周面に形成されるとともに、前記電線が収容される溝部と、を有し、
前記溝部は、蛇行しつつ前記本体部の軸線方向に延びるように形成された蛇行部を有し、
前記蛇行部は、前記本体部の軸線方向に沿って伸縮が可能な材料からなる配索部材。 - 前記蛇行部は、前記本体部の周方向に蛇行するように形成されている請求項1又は請求項2に記載の配索部材。
- 前記蛇行部は、前記本体部の径方向から見た平面形状がU字を有する形状に形成されている請求項3に記載の配索部材。
- 前記蛇行部は、前記本体部の径方向から見た平面形状がS字を有する形状に形成されている請求項3又は請求項4に記載の配索部材。
- 前記本体部の外周面には、複数の前記溝部が形成されており、
前記各溝部が前記蛇行部を有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配索部材。 - 前記複数の溝部は、前記本体部の中心軸を中心として放射状に形成されている請求項6に記載の配索部材。
- 前記本体部は、前記本体部を軸線方向に貫通する貫通孔を有し、
前記溝部は、前記貫通孔の外周面に形成されている請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の配索部材。 - 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の配索部材と、
前記溝部に収容され、前記溝部に沿って配索される前記電線と、を有するワイヤハーネス。 - 前記配索部材を前記電線の外周面に固定する固定部材を更に有する請求項9に記載のワイヤハーネス。
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