JP7361944B2 - 3相モーターの回転子の位置を求める方法及びデバイス - Google Patents

3相モーターの回転子の位置を求める方法及びデバイス Download PDF

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Description

本発明は、包括的には、3相モーターの回転子の位置を求めるデバイス及び方法に関する。
精密な回転子位置が必要とされるモーターアプリケーションでは、ロータリーエンコーダーが、例えば低コストの及び/又は塵埃の多い環境において実現可能な解決策でないときに、センサーレス制御が必要とされる。この制御は、基本的には、機械コネクターにおいて取得できる電気波形(電圧、電流)の解析によって回転子位置を推定することにその本質がある。
この問題に対処するいくつかのアルゴリズムが、文献において提案されてきた。第1の部類のアルゴリズムは、q軸及びd軸において生成される逆起電力(BEMF:Back Electromotive Force)の差を十分な速さで観測することに基づいている。BEMFは、永久磁石の存在に起因して及び/又はd軸及びq軸(突極機内のもの)の異なるインダクタンスに起因して異なる場合がある。
低速又は停止状態において、BEMFは、測定雑音フロアの陰に隠れる傾向があり、dI/dtベースの方法等の他の方法を使用しなければならない。突極機の場合に、差動インダクタンスの差によって、印加電圧ステップ及び電流微分値の比較から機械の位置を推定することが可能になる。これらの方法の場合にも、測定雑音フロアが、検出能力を、十分な電流リップルがある場合に制限する。停止状態では、電圧パルスは非常に狭くなり、例えばスイッチング過渡現象に起因して高精度のアサートが困難になり、電流リップルも測定雑音の下に隠れる傾向がある。高周波数高分解能アナログ/デジタル変換器が測定に必要とされる。
高周波数電圧注入を使用すると、推定のために、任意の電流リップル形状を生成し、信号対雑音比を高めることができる。非特許文献1は、任意の注入電圧形状の高周波数電圧を注入することによって機械位置を求めることを可能にする方法を開示している。実際には、高周波数注入は、可聴雑音を生成することになり、生成された音響雑音を可聴周波数帯域から排除するか又は注入の結果生成された高調波のレベルを低減/拡散するために特別な注意を要する。
ほとんどの方法は、推定の前にインダクタンス又は差動インダクタンス値が利用可能であることに依拠している。これは、インダクタンスがコアの電流(飽和及び/又は交差飽和)及び温度プロファイルとともに大きく変動するので、実際のところ非常に正確に実施するのはそれほど容易ではない。さらに、トルク生成領域におけるインダクタンスの推定には、通常、機械の制御されていない(及び潜在的に危険な)動作を回避するために、或る特定の計器計測(拘束試験、又は試験負荷及びロータリーエンコーダーを用いた回転試験)が必要とされる。
SLED 2017に掲載されたM. Laumann、C. Weiner、及びR. Kennelの「Arbitrary injection based sensorless control with a defined high frequency current ripple and reduced current and sound level harmonics」という題名の論文
本発明は、インダクタンス値を知る必要なく、精密な回転子位置を求める方法及びデバイスを提供することを目的とする。
そのために、本発明は、フィールド指向制御システムを使用して3相モーターの回転子の位置を求める方法であって、
比例積分コントローラーによって、第1の時点における第1の制御電圧ベクトルを求めるステップと、
逆パーク変換を使用して第1の制御電圧ベクトルを変換するステップと、
変換された第1の制御電圧ベクトルを正多角形電圧パターンと合計するステップであって、正多角形電圧パターンは所与の継続時間中に印加される、合計するステップと、
変換された第1の制御電圧ベクトルと正多角形電圧パターンとの合計からパルス幅変調を行うステップと、
パルス幅変調を用いてモーターを制御するステップと、
モーターの各相において電流を測定するステップと、
測定された電流及び正多角形電圧パターンから回転子の位置を推定するステップと、
第2の時点において、測定された電流及び推定された位置から第2の制御電圧ベクトルを求めるステップであって、第1の時点と第2の時点との間の時間は、所与の継続時間以上である、第2の制御電圧ベクトルを求めるステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
本発明はまた、フィールド指向制御システムを使用して3相モーターの回転子の位置を求めるデバイスであって、
比例積分コントローラーによって、第1の時点における第1の制御電圧ベクトルを求める手段と、
逆パーク変換を使用して第1の制御電圧ベクトルを変換する手段と、
変換された第1の制御電圧ベクトルを正多角形電圧パターンと合計する手段であって、正多角形電圧パターンは所与の継続時間中に印加される、合計する手段と、
変換された第1の制御電圧ベクトルと正多角形電圧パターンとの合計からパルス幅変調を行う手段と、
パルス幅変調を用いてモーターを制御する手段と、
モーターの各相において電流を測定する手段と、
測定された電流及び正多角形電圧パターンから回転子の位置を推定する手段と、
第2の時点において、測定された電流及び推定された位置から第2の制御電圧ベクトルを求める手段であって、第1の時点と第2の時点との間の時間は、所与の継続時間以上である、第2の制御電圧ベクトルを求める手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスに関する。
したがって、モーターのインダクタンス及び突極性が分からない場合であっても、正多角形電圧パターンを使用して、測定された電流からモーターの回転子位置を推定することができる。本方法は、モーターの通常動作下で動作することができ、第1の電圧ベクトルの変動は、推定の妨げとならない。本方法は、モーターのどの状態(停止状態、低速及び高速を含み、高トルク/電流領域を含む)においても回転子位置を推定することができる。
特定の特徴によれば、パルス幅変調は、キャリア信号から更に実行され、モーターは、インバーターを通じてパルス幅変調によって制御され、電流は、キャリア信号の極値において測定され、正多角形パターンは、複数の連続したサブ期間からなり、各サブ期間は、キャリア信号の期間の2分の1の整数倍に等しく、キャリア信号の1つの極値から開始する。
したがって、モーター端子に印加される、連続する電流測定値の間で平均化された電圧は、変換された第1の制御電圧ベクトルと正多角形電圧パターンとの合計と正確に一致する。モーターの電流の測定された応答は、正多角形電圧パターンを構成する電圧ベクトルの間のクロストークによる影響を受けない。
その上、サブ期間継続時間は、キャリア信号の期間の2分の1に最小化されるので、小規模ループは小さく、その結果、鉄損は小さく、可聴雑音はより低くなる。パターン継続時間も小さく、そのため、第1の時点と第2の時点との間の時間も短い。すなわち、高速の過渡現象に対するコントローラーの反応性が改善される。
特定の特徴によれば、回転子の位置は、サブ期間の数に1を加えたものに等しい数の電流測定値から構築される多角形電流応答から推定され、最初の電流測定値と最後の電流測定値との間の差は、多角形電流応答を得るために、他の電流測定値を変更するのに使用される。
したがって、多角形電流応答は閉じられ、オーミック損失及び/又は回転によって引き起こされる逆起電力の存在に起因した平均電流のあらゆるドリフトは正確に補償される。変更された多角形電流応答は、HF電圧注入に起因したHF電流変動のみを反映する。その結果、機械の通常動作と三角形の変更された電流応答からの位置推定との間のクロストークはない。位置の推定の信頼性はより高い。
特定の特徴によれば、正多角形パターンは、少なくとも3つのサブ期間からなり、測定された電流及び正多角形電圧パターンからの回転子の位置の推定は、サブ期間の数に等しい数の係数を使用して行われ、係数は多角形電流応答から求められる。
したがって、係数は、三角形電流応答から容易に求めることができる。電圧注入は、高周波数等辺フラックスの注入を引き起こすので、観測された係数から回転子の位置を容易に求めることができる。
特定の特徴によれば、測定された電流及び正多角形電圧パターンからの回転子の位置の推定は、角度をなしてコンスタレーション点の重心を通過するとともにコンスタレーションにおける点の集合と最小距離を有する直線を見つけるために、最小平均二乗誤差法を使用して点のコンスタレーションを形成する多角形電流応答から行われ、角度は回転子の位置である。
したがって、任意のサイズの正多角形電圧パターンについて位置の推定を行うことができる。直線は、最大電流の方向、すなわち最小インダクタンスを有する方向を反映する。このインダクタンスは、最小インダクタンスを提供する回転子軸(通常はd軸)として識別することができる。
特定の特徴によれば、方法は、
回転子の第1の推定された位置から回転子の第1の回転速度を推定するステップと、
第1の推定された回転速度から制御電圧ベクトルの周期性を求めるステップと、
制御電圧ベクトルの周期性から正多角形電圧パターンの周期性を求めるステップと、
を更に含む。
したがって、注入される正多角形電圧パターンの周期性は緩和され、低速における雑音のレベルが低減される。対照的に、高速になるほど、注入の頻度は高くなり、回転子位置の変動のより良好な監視が可能になる。高速において、注入によって引き起こされる可聴雑音は、他の回転雑音源によって遮蔽される。
特定の特徴によれば、方法は、
測定された電流及び正多角形電圧パターンからモーターのインダクタンス値を推定するステップと、
推定されたインダクタンス値から正多角形電圧パターンを生成するのに使用される電圧の値を求めるステップと、
を更に含む。
したがって、電圧パターンのサイズは、モーター電流の高周波数応答を最小レベルに制限するように制御される。モーターが、例えば大きな牽引電流の存在する状況で飽和すると、測定可能な電流応答を得るために、より小さな電圧注入が必要とされる。その結果、モーターにおける小規模磁化ループのサイズは制限され、HF損失及び可聴雑音のレベルも制限される。
特定の特徴によれば、方法は、
逆パーク変換を使用して第2の制御電圧ベクトルを変換するステップと、
変換された他の制御電圧ベクトルからパルス幅変調を行うステップと、
パルス幅変調を用いてモーターを制御するステップと、
モーターの各相において電流を測定するステップと、
第1の推定された回転子位置と、第1の推定された回転子速度と、制御電圧ベクトルの周期性とに従って、回転子の第2の回転子位置を推定するステップと、
測定された電流及び推定された第2の回転子位置から第3の制御電圧パターンを求めるステップと、
を更に含む。
したがって、制御は、一定速度の存在下で注入がない場合に、第2の電圧ベクトルを微細に調整することができる。位置及び速度は、パターン注入の発生時にのみ推定される。注入がない場合には、位置を外挿することができる。低速では、PIコントローラーは、注入パターンが間欠的であっても、突然のトルク上昇に迅速に反応することができる。
特定の特徴によれば、正多角形電圧パターンは、dq基準系においてヌル平均値を有する。
したがって、モーター端子に印加される相間電圧は、第1の電圧ベクトルの電圧と平均して等しい。モーター制御のダイナミクスは、規則的な電圧パターンの重畳による影響を受けない。PIコントローラーと、回転子位置を求めるために使用される注入ループとの間の干渉はない。その結果、このセンサーレス制御方法は非常に安定しており、ロバストである。
特定の特徴によれば、相ごとに1つの正多角形電圧パターンが合計され、正多角形電圧パターンは、制御電圧ベクトルの各決定の際に反転又は置換される。
したがって、連続する注入に起因する可聴雑音をランダム化することができる。モーター駆動における望まれていないあらゆる非線形の効果は、各モーター端子にわたって等しく拡散される。
特定の特徴によれば、方法は、推定されたインダクタンス値を記憶するステップを更に含む。
本発明の特徴は、例示の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになる。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
本発明が実施されるフィールド指向制御システムの一例を表す図である。 本発明による三角形電圧注入を用いたPWM信号の一例を表す図である。 注入される電圧パターンを表す図である。 差動フラックス応答を表す図である。 差動電流応答を表す図である。 モーターの回転中の電流の極値点のコンスタレーションを表す図である。 補償が適用された後のモーターの回転中の電流の極値点のコンスタレーションを表す図である。 モーターの回転子の位置を推定する推定モジュールのアーキテクチャを表す図である。 モーターの回転子の位置を推定するアルゴリズムの第1の例を表す図である。 三角形電流応答における測定可能な幾何的関係を表す図である。 モーターの回転子の位置を推定するアルゴリズムの第2の例を表す図である。 線形回帰方法によるq軸の識別を表す図である。 コンスタレーション点とq軸との間の距離を表す図である。 図9又は図11に開示されたアルゴリズムの実行後に位置評価モジュールによって実行することができるアルゴリズムの一例を表す図である。 モーターの回転速度が非常に低速であり、2つの連続した電圧パターンの間の制御間隔TCTRLが大きいことを表す図である。 モーターの回転速度が高速であり、推定モジュールが時間間隔TCTRLを削減することを表す図である。 モーターの回転速度が非常に低速であり、制御間隔TCTRLが大きいことを表す図である。 モーターの回転速度が非常に低速であり、制御間隔TCTRLが大きいことを表す図である。
図1は、本発明が実施されるフィールド指向制御システムの一例を表す。
フィールド指向制御(FOC:Field-Oriented Control)は、3相AC電気モーターの固定子電流が、ベクトルを用いて視覚化することができる2つの直交成分として識別される可変周波数駆動制御方法である。固定子を表すαβ基準系では、このベクトルは、回転子と同期して原点の回りを回転する。回転子を表すdq基準系では、このベクトルは、(PI)コントローラーを使用して基準電流レベル付近で安定化される。用途に応じて、電流基準は、例として、それ自体速度コントローラーから求めることができるトルク基準から求めることができる。
通常、測定される電流成分をそれらの基準値に保つのに、比例積分(PI:proportional-integral)コントローラーが使用される。
可変周波数駆動のパルス幅変調(PWM:Pulse-Width modulation)は、PI電流コントローラーの出力である固定子電圧基準に従ってインバータースイッチングのタイミングを規定する。
FOCは、AC同期誘導モーターを制御するのに使用される。
FOCは、当初、全速度範囲にわたって滑らかに動作し、ゼロ速度においてフルトルクを生成し、速い加速及び減速を含む高いダイナミック性能を有することが必要とされる高性能モーターアプリケーション用に開発された。
フィールド指向制御システムは、基準電流I 及びI に達するために機械によって必要とされる所望の速度におけるトルク及びフラックスの電圧V 及びV を計算する比例積分コントローラーPI100を備える。必要とされる電圧V 及びV は、その後、逆パーク変換部101を使用して電圧V 、V 及びV に変換される。パターン生成モジュール102は、付加モジュール103によって電圧V 、V 及びV にそれぞれ加えられる3つの注入パターンを提供する。付加モジュール103の出力における電圧V **、V **及びV **は、パルス幅変調モジュールPWM104によってパルス幅変調される。パルス幅変調された信号は、その後、モーター106の各相端子に提供される図1に図示されていないDC電圧源からの電圧の量を調整する3相インバーター105のインバーターレッグに提供される。
電流I、I及びIは、モーターの各相端子において測定され、推定モジュール107及びパーク変換モジュール108に提供される。I、I及びIの測定は、PWM信号に対して同期した方法で行われる。I、I及びIの測定は、図2における点P、P及びPにおいて行われる。パーク変換モジュール108の出力
及び
は、比例積分コントローラーPI100に提供される。比例積分コントローラーPI100は、測定された電流と基準電流とを比較し、観測された差の比例項及び積分項の加重和を使用して差をフィルタリングする。
PIコントローラー100、変換モジュール101及び108、推定モジュール107は、所与のベクトル制御周波数fCTRLにおいて起動されることに留意されたい。
推定モジュール107は、回転子の角度の推定値
を逆パーク変換部101及びパーク変換モジュール108に提供する。
図1において、Idq はI 及びI を表し、Vdq はV 及びV を表し、Vabc はV 、V 及びV を表し、Vabc **はV **、V **及びV **を表し、IabcはI、I、I及びIを表し、

Figure 0007361944000005
及び
Figure 0007361944000006
を表す。
図2は、本発明による三角形電圧注入を用いたPWM関連信号の一例を表す。
図2に見られるように、正多角形電圧パターンとも呼ばれる注入パターンは、通常、パルス幅変調モジュールPWM104によって提供されるパルス幅変調された信号PWMの等しい継続時間T=1/2fswの3つのPWMサブ期間T、T、Tからなる。PIコントローラー100によって与えられる電圧V 、V 及びV は、注入パターンの継続時間(T+T+T)の間、一定であると仮定される。電圧パターンは、例えば次のようにサブ期間にわたって変化する。Tの間、電圧-VがV に加えられ、電圧+VがV に加えられ、電圧+VがV に加えられる。Tの間、電圧+VがV に加えられ、電圧-VがV に加えられ、電圧+VがV に加えられる。Tの間、電圧+VがV に加えられ、電圧+VがV に加えられ、電圧-VがV に加えられる。オフセット電圧Vは、雑音及び/又は干渉を回避するために、十分な電流リップルを提供するように選ばれる。注入されるHF電圧パターンは、図3に示すようにαβ系において正三角形を形成する。
ここで、正多角形電圧パターンは、制御電圧ベクトルの各決定の際に反転又は置換されることに留意しなければならない。
本発明によれば、注入パターンは、任意のサイズのものとすることができるが、常に、等しい継続時間、例えばT=K/2fswのN個のサブ期間T,T,...,Tからなる。ここで、Kは整数である。サブ期間の全体にわたる電圧パターンの合計は、各相間で同一であり、そのため、注入パターンの継続時間にわたって平均された相間電圧は、注入パターンによって変更されない。
PWMコントローラー104は、基準電圧レベルV **、V **、V **をキャリア信号PWMと比較し、インバーター105への制御信号を生成する。
キャリア信号PWMは周期的であり、インバーターレッグのスイッチング周波数fswと同一の周波数を有する。上記比較は、インバーター電圧の良好な制御性を維持するためにはるかに高い周波数レート(fPWM、数MHz)において行われる。
本発明によれば、スイッチング周波数はベクトル制御周波数に等しくないことに留意されたい。特に、基準電圧レベルV 、V 及びV は、注入されるパターンの全継続時間にわたって一定である。したがって、制御周波数はスイッチング周波数よりも小さい(N・fCTRL<2・fsw)。
例として、キャリア信号PWMは三角形であり、インバーター105は、電圧DC源と相ごとに1つのインバーターレッグとを並列に接続する。1つの相の基準電圧がキャリア信号よりも高くなると、PWMコントローラー104は、機械の相端子をDC電圧源の上側に接続して、対応するインバーターレッグをその高い状態にスイッチングする。逆に、1つの相の基準電圧がキャリア信号よりも低くなると、PWMコントローラーは、機械の相端子をDC電圧源の下側に接続して、対応するインバーターレッグをその低い状態にスイッチングする。
電圧ベクトルを基準電圧V 、V 、V に加えることによって、キャリア信号PWMの期間の間に平均化された所望の電圧レベルを効果的に課すように、位置及びインバーター状態の継続時間の変更が引き起こされる。
図3、図4、図5は、系における三角形フラックス注入を表している。
図3は注入される電圧パターンを表し、図4は差動フラックス応答を表し、図5は差動電流応答を表している。
システムの基本方程式は、以下のように与えられる。
Figure 0007361944000007
dq系では、この式は以下の式となる。
Figure 0007361944000008
突極機の場合に、フラックスは以下のように表される。
Figure 0007361944000009
永久磁石がない場合、又は永久磁石のフラックスが一定である、すなわちdφPM/dt=0であると仮定すると、以下の式が得られる。
Figure 0007361944000010
この式から、HFフラックスと電流項との間の以下の基本的関係が得られる。
Figure 0007361944000011
ここで、L’及びL’は差動インダクタンスであり、Mqd、Mdqは(6)及び(7)によって与えられる結合インダクタンスである。
Figure 0007361944000012
Figure 0007361944000013
θをαβ系における回転子のd軸の方向であるとして、表記C=cos(θ)、S=sin(θ)を使用すると、上記関係(5)は以下の式となる。
Figure 0007361944000014
最終的に、(8)は、αβ系において電流の変動をフラックスの変動とリンクさせる基本的関係である(9)として書き換えられる。
Figure 0007361944000015
ここで、A、B、D、X、Xは以下の式を有する。
Figure 0007361944000016
Figure 0007361944000017
(10)から、パラメーターA、B、Dの観測によって、以下のように未知数θ、L’、L’の直接解を得ることができる。
Figure 0007361944000018
Figure 0007361944000019
Figure 0007361944000020
位置及び差動インダクタンスの直接推定の問題は、したがって、観測された三角形電流応答からパラメーターA、B、Dを特定することにその本質がある。
機械がゼロ速度、ゼロ加速度を有するときの停止状態において、PIコントローラー100からの基準電圧V 、V 、V は、抵抗損を正確に補償する。フラックスは、図4に示すように、αβ系において、3つのフラックス点
Figure 0007361944000021

Figure 0007361944000022

Figure 0007361944000023
の間で展開する。これらの3つのフラックス点は、注入される電圧パターンの時間積分によって求めることができる。
Figure 0007361944000024
ここで、
Figure 0007361944000025
は、フラックス点のコンスタレーションの重心である。印加される電圧パターン(120度の回転及び等しいサブ期間継続時間)の構造のために、極値フラックス点はともに、αβ基準系において正三角形を形成する。
(9)から、電流は、図5に示すように、αβ系において3つの電流点
Figure 0007361944000026

Figure 0007361944000027

Figure 0007361944000028
の間で必然的に展開することが導出される。
Figure 0007361944000029
ここで、
Figure 0007361944000030
は、極値電流点のコンスタレーションの重心である。
PWM信号キャリアのエッジ又は極値、すなわち図2の点P、P及びP、における電流サンプリングを仮定すると、電流測定は、スイッチングイベントから離れて動作され、関連した鳴響による影響を受けない。これらのサンプリング時点において、全てのモーターレッグは、DCバスの同じ側に常に接続され、測定された電流は、極値点
Figure 0007361944000031

Figure 0007361944000032

Figure 0007361944000033
に位置決めされているとみなすことができる。
本発明は、サブ期間の継続時間が、整数K個の2分の1スイッチングサイクルに等しく、サンプリング周波数が2fsw/Kに更に削減され、サンプリングタイミングがPWM信号キャリアのエッジに引き続き位置しているときにも適用される。
インダクタンスレベルを問わず、極値点
Figure 0007361944000034

Figure 0007361944000035

Figure 0007361944000036
によって形成される三角形は、或る突極比L/L>1を示す機械の場合にq軸の方向に自然に延長される。
回転状態では、PIコントローラー100は、注入パターンの継続時間にわたって一定であると仮定することができる所与の速度を有する回転子と同期して平均フラックスをαβ系において回転させるモーター106の抵抗損及び逆起電力(BEMF)を補償する電圧基準を出力する。加えられる電圧パターンは、平均回転フラックスに重畳されるフラックスのHF変動を生み出し、フラックスのHF変動は、時間とともにスライドする重心を伴って引き続き式(15)に従い続ける。
式(9)から、電流応答は同じ挙動、すなわち式(16)によるHF変動に従い、重心も時間とともにスライドすることが分かる。これによって、電流の点のコンスタレーションは、図6、図7に開示するように、もはや正規構造に従わない。
図6は、モーターの回転中の電流の極値点のコンスタレーションを表す。
図7は、補償が適用された後のモーターの回転中の電流の極値点のコンスタレーションを表す。
三角形のフル回転が完了すると、注入の終わりに測定された電流
Figure 0007361944000037
は、回転状態に起因して、三角形パターンの注入直前に測定された電流
Figure 0007361944000038
ともはや一致しない。
一定の(滑走していない)重心を有する式(16)は、変更された電流レベル
Figure 0007361944000039

Figure 0007361944000040

Figure 0007361944000041
に適用されるときに維持することができる。これらの変更された電流レベルは、1つの注入パターンサイクルにわたって測定された電流
Figure 0007361944000042
及び
Figure 0007361944000043
との間の不一致を補償するために、以下の(17)に従って後処理される。
Figure 0007361944000044
重心の滑走を抑制する電流レベルの変更は、非三角形パターン、すなわち任意の正多角形パターンに等しく適用することができることに留意されたい。
図8は、モーターの回転子の位置を推定する推定モジュールのアーキテクチャを表す。
推定モジュール107は、例えば、バス501によって互いに接続された構成要素とプログラムによって制御されるプロセッサ500とに基づくアーキテクチャを有する。
バス501は、プロセッサ500を、リードオンリーメモリROM502、ランダムアクセスメモリRAM503、及び入出力I/OインターフェースI/F505にリンクする。
入出力インターフェースI/F505は、電流測定値I、I及びIを受信し、回転子の角度
Figure 0007361944000045
を逆パーク変換部101及びパーク変換モジュール108に提供する。
メモリ503は、変数と、図6又は図8又は図10に開示されているアルゴリズムに関係したプログラムの命令とを収容することを目的としたレジスタを含む。
リードオンリーメモリ、又は場合に応じてフラッシュメモリ502は、図6又は図8又は図10に開示されているアルゴリズムに関係したプログラムの命令を含む。
推定モジュール107の電源が投入されると、メモリ503に記憶された命令がランダムアクセスメモリ503に転送される。
推定モジュール107は、プログラマブルコンピューティングマシン、例えばPC(パーソナルコンピューター)、DSP(デジタル信号プロセッサ)又はマイクロコントローラー等による一組の命令又はプログラムの実行によってソフトウェアで実施することもできるし、それ以外にマシン又は専用構成要素、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)等によってハードウェアで実施することもできる。
換言すれば、推定モジュール107は、推定モジュール107がプログラムを実行することを可能にする回路類を含む。
図9は、モーターの回転子の位置を推定するアルゴリズムの第1の例を表す。
結合インダクタンスの影響を無視すると、すなわち、Mqd≒0、Mdq≒0とすると、基本方程式(9)は以下の式となる。
Figure 0007361944000046
図7に見られるように、Aパラメーター、Bパラメーター、Dパラメーターは、次に、(19)によって、測定された電流ベクトルに関係付けられる。
Figure 0007361944000047
図10は、三角形電流応答における測定可能な幾何的関係を表す。
より正確に言えば、幾何的関係は、
Figure 0007361944000048
のスケール係数を省略することによって示される。
雑音がない場合に、Aは2つの独立した計算パス、すなわち、
Figure 0007361944000049
によって得ることができることが分かる。
ステップS61において、推定モジュール107は、20に示した式を使用してAを求める。
ステップS62において、推定モジュール107は、以下の連立方程式を使用してB及びDを求める。
Figure 0007361944000050
このように、三角形電流応答を観測し、結合インダクタンスの影響を無視することによって、推定モジュール107は、(19)から係数(A、B、D)を導出することができ、ステップS63において、以下の式を使用して位置θ及び差動インダクタンスを最終的に求めることができる。
Figure 0007361944000051
推定されたインダクタンス値は、例えばルックアップテーブルに記憶することができる。
図11は、モーターの回転子の位置を推定するアルゴリズムの第2の例を表す。
突極性の効果によって、通常、電流は、楕円形状を有する円形フラックス励磁に応答する。結合インダクタンスがない場合に、楕円形状の長軸はq軸と一致しているとみなすことができる。
注入される等辺フラックスに対して測定される電流応答からのq軸の直接検出には、線形回帰を適用することができる。
ステップS81において、推定モジュール107は、最小平均二乗誤差法を適用する。
特定の例では、注入パターンは三角形である。電流応答の3つの頂点(x,y)からなるコンスタレーションを考えることにする。これらの頂点は、そのコンスタレーションの重心を基準として表される。
Figure 0007361944000052
図12及び図13に見られるように、最小平均二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)法は、ox軸と角度θをなして重心を通過する直線を見つけることにその本質がある。この直線は、コンスタレーションにおける点の集合と最小距離Dを有する。
図12は、線形回帰方法によるq軸の識別を表し、図13は、コンスタレーション点とq軸との間の距離を表す。
コンスタレーション点が直線上に、その線に対して垂直に投影される場合に、投影された点(xpk,ypk)は、以下の連立方程式が成立することを立証するものでなければならない。
Figure 0007361944000053
ここで、a=tan(θ)である。この連立方程式は、以下のように解かれる。
Figure 0007361944000054
コンスタレーション点から直線までの二乗距離は、その場合に、以下のように与えられる。
Figure 0007361944000055
直線からコンスタレーション点までの最小全二乗距離は、項aの二次多項式となる以下の式が成立することを立証するものでなければならない。
Figure 0007361944000056
Figure 0007361944000057
この解は、その場合に、以下のように与えられる。
Figure 0007361944000058
ここで、
Figure 0007361944000059
である。
双方の解は、コンスタレーション点までの最小距離(q軸)及び最大距離を有する直線に対応する。Σの正の符号について、距離の微分値は、最初は正であり、次に負であり、次に正であり、そのため、最も大きな最適値のみが極小値である。解の選択は、Σの負の符号について交互になされる。
Figure 0007361944000060
したがって、式(38)及び(39)を使用すると、q軸の角度θを求めることができる。
ステップS82において、推定モジュール107は、以下のように回転子角度を求める。
Figure 0007361944000061
差動インダクタンスは、電流コンスタレーション点から最適な直線までの距離DI、DIからも推定することができる。
Figure 0007361944000062
式(15)によって定式化される等辺フラックス三角形について、フラックスコンスタレーション点から任意の直線までの距離は、その直線のディレクター係数(director coefficient)bがどのようなものであっても、以下のように、或る定数に削減することができる。
Figure 0007361944000063
ステップS83において、推定モジュール107は、以下のようにインダクタンス推定値を求める。
Figure 0007361944000064
式(32)~(41)は、非三角形コンスタレーション、すなわち多角形/円形電圧注入パターンに等しく適用可能であることに留意されたい。
推定されたインダクタンス値は、例えばルックアップテーブルに記憶することができる。
図14は、図9又は図11に開示されたアルゴリズムの実行後に位置評価モジュールによって実行することができるアルゴリズムの一例を表す。
ステップS10において、推定モジュール107は、推定された位置から回転子の回転速度を推定する。推定モジュール107は、ω=dθ/dtとして回転速度を推定する。
ステップS11において、推定モジュール107は、推定された速度からベクトル制御周波数fCTRLを求める。ベクトル制御周波数は、比例積分コントローラーPI100、逆パーク変換部101、推定モジュール107及びパーク変換モジュール108を動作させる周波数である。例えば、推定モジュール107は、ベクトル制御周波数を
Figure 0007361944000065
として求め、Δθは、速度が存在する状態においてシステムレイテンシーに起因する位置誤差である。そのステップにおいて、推定モジュール107は、制御間隔TCTRLをベクトル制御周波数fCTRLの逆数として求める。
ステップS12において、推定モジュール107は、推定された速度から注入パターン周波数を求める。例えば、推定モジュール107は、注入パターン周波数をfinject=fCTRL/Pとして求め、ここで、Pは、ベクトル制御周波数fCTRLと非可聴低周波数、例えば100Hzとの間の比である。
低速では、これによって、注入周波数を低減することが可能になり、したがって、注入されるパターンによって生成される可聴雑音が低減される。加えて、HF鉄損が低減される。速度が存在する場合の位置の精度は一定である。
ステップS13において、推定モジュール107は、推定されたインダクタンス及び注入周波数finjectから注入電圧レベルVを求める。
これによって、飽和状態、及び注入周波数の変化を問わず、HF注入に起因する電流変動を或る安定化されたレベルに維持することが可能になる。電流変動は、測定雑音フロアに対処するとともにHF鉄損を最小にするように最適化することができる。
例として、V=L・ΔIfinjectであり、ここで、ΔIは、注入に起因した電流変動の目標レベルであり、Lは、ステップS63又はステップS83において推定されたインダクタンスである。例として、Lは、L’及びL’のうちの最小のインダクタンスである。
次のステップS14において、推定モジュール107は、注入パターンのサブ期間の継続時間を求める。サブ期間の継続時間は、スイッチング期間の2分の1(1/2fsw)のK倍である。例えば、推定モジュール107は、K=2fsw/Nfinjectを求め、ここで、Nは多角形電圧パターンのサイズであり、例えば、図2の例では3である。
図15~図18は、本発明の様々な実施形態による1つの相の基準電圧V **の時間変動を平坦線で表している。
明瞭にするために1つの相しか表されていないが、実施形態は他の相にも等しく適用される。
図11a、図11b、図11c、図11dのそれぞれにおいて、電圧パターンは、サブ期間の合計である継続時間Tpatternと、オフセット電圧Vに等しいサイズとを有する。電圧パターンの継続時間は、本発明による制御電圧ベクトルの連続した更新の間の時間間隔である制御間隔TCTRLよりも常に小さく、電圧パターンは、破線で表された制御電圧ベクトルV に重畳される。
図15では、モーターの回転速度は非常に低速であり、2つの連続した電圧パターンの間の制御間隔TCTRLは大きい。本発明に起因する小規模フラックスループの数は少なく、その結果、機械の磁心における鉄損は制限される。
図16では、モーターの回転速度は速く、推定モジュール107は、ステップS11において時間間隔TCTRLを削減する。モーターの制御性は、図15と比較して高められ、回転子位置を高速で求めることができる。
図17では、モーターの回転速度は非常に低速であり、制御間隔TCTRLは、図15のものと同一であり、大きい。推定モジュール107は、ステップS12に従って電圧パターンの継続時間を増加させ、オフセット電圧Vも削減する。小規模フラックスループの数及びサイズは、図15のものと同一である。
図15と比較すると、注入周波数はより小さい。その結果、電圧パターンによって生成される可聴雑音は低周波数にシフトされ、生み出される人間の耳への負担はより小さくなる。さらに、電流応答は、高周波数の影響(例えば渦電流、過剰損失)をもたらす傾向を低減し、電圧注入に起因するHF鉄損のレベルは低減される。
図18では、モーターの回転速度は非常に低速であり、制御間隔TCTRLは、図15のものと同一であり、大きい。この例では、電圧パターンは、K=3つの制御間隔ごとに1回だけ注入される。注入を含む制御間隔では、推定モジュール107は、ステップS63と同様に回転子位置を推定し、推定された回転子位置からモーターの速度も推定する。注入を伴わない制御間隔では、推定モジュール107は、最後に推定された回転子位置と、最後に推定された回転子速度と、ステップS11において求められたTCTRLとに従って回転子位置を外挿する。推定モジュール107は、電流コントローラーが、注入パターンがないにもかかわらず高速動作を維持するように、モジュール101及び108に向かう推定及び外挿された位置をシリアル化する。
例として、時刻tにおける回転子位置θは、時刻tlastにおいて最後に判明した回転子位置及び回転子速度からθ(t)=θ(tlast)+Speed*(t-tlast)によって外挿される。Speedは、注入を含む制御間隔において、Speed=(θ(tinj,n)-θ(tinj,n-1))/(tinj,n-tinj,n-1)として推定される。ここで、θ(tinj,n)は、ステップS63又はS82において本発明に従って推定される回転子位置である。

Claims (10)

  1. フィールド指向制御システムを使用して3相モーターの回転子の位置を求める方法であって、
    パーク変換されたモーター電流と参照電流とを使用し、比例積分コントローラーによって、第1の時点における第1の制御電圧ベクトルを求めるステップと、
    逆パーク変換を使用して前記第1の制御電圧ベクトルを変換するステップと、
    換された前記第1の制御電圧ベクトルを正多角形電圧パターンと合計するステップであって、前記正多角形電圧パターンは所与の継続時間中に印加され、前記正多角形電圧パターンは少なくとも3つのサブ期間からな、合計するステップと、
    換された前記第1の制御電圧ベクトルと前記正多角形電圧パターンとの合計からパルス幅変調を行うステップと、
    前記パルス幅変調を用いて前記モーターを制御するステップと、
    前記モーターの各相において前記モーター電流を測定するステップと、
    定された前記モーター電流及び前記正多角形電圧パターンから前記回転子の第1の位置を推定するステップと、
    第2の時点において、測定された前記モーター電流及び推定された前記回転子の前記第1の位置から第2の制御電圧ベクトルを求めるステップであって、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間は、前記所与の継続時間以上である、第2の制御電圧ベクトルを求めるステップと、
    を含み、
    前記パルス幅変調は、キャリア信号から更に実行され、前記モーターは、インバーターを通じて前記パルス幅変調によって制御され、前記モーター電流は、前記キャリア信号の極値において測定され、前記正多角形電圧パターンは、複数の連続した前記サブ期間からなり、各前記サブ期間は、前記キャリア信号の期間の2分の1の整数倍に等しく、前記キャリア信号の1つの極値から開始し、
    前記回転子の前記第1の位置は、前記サブ期間の数に1を加えたものに等しい数の電流測定値から構築される多角形電流応答から推定され、最初の電流測定値と最後の電流測定値との間の差は、多角形電流応答を得るために、他の電流測定値を変更するのに使用されることを特徴とする、方法。
  2. 前記正多角形電圧パターンは、測定された前記モーター電流及び前記正多角形電圧パターンから前記回転子の前記第1の置を推定するステップは、前記サブ期間の数に等しい数のパラメーターを使用して行われ、前記パラメーターは前記多角形電流応答から求められることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. 定された前記モーター電流及び前記正多角形電圧パターンから前記回転子の前記第1の置を推定するステップは、q軸との角度をなして点のコンステレーションの重心を通過するとともに前記コンステレーションにおける点の集合と最小距離を有する直線を見つけるために、最小平均二乗誤差法を使用して前記点のコンステレーションを形成する前記多角形電流応答から行われ、前記角度は前記回転子の前記第1の位置であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. 前記方法は、
    推定された前記回転子の前記第1の位置から前記回転子の第1の回転速度を推定するステップと、
    推定された前記第1の回転速度から前記第1の制御電圧ベクトルの周波数を求めるステップと、
    前記第1の制御電圧ベクトルの周波数から前記正多角形電圧パターンの周波数を求めるステップと、
    を更に含むことを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記方法は、
    定された前記モーター電流及び前記正多角形電圧パターンから前記モーターのインダクタンス値を推定するステップと、
    定された前記インダクタンス値から前記正多角形電圧パターンを生成するのに使用される電圧の値を求めるステップと、
    を更に含むことを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記方法は、
    逆パーク変換を使用して前記第2の制御電圧ベクトルを変換するステップと、
    換された前記第2の制御電圧ベクトルからパルス幅変調を行うステップと、
    前記パルス幅変調を用いて前記モーターを制御するステップと、
    前記モーターの各相において前記モーター電流を測定するステップと、
    定された前記回転子の前記第1の位置と、推定された前記回転子の第1の回転速度と、前記第1の制御電圧ベクトルの周波数とに従って、前記回転子の第2の位置を推定するステップと、
    定された前記モーター電流及び推定された前記回転子の前記第2の位置から第3の制御電圧パターンを求めるステップと、
    を更に含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 前記正多角形電圧パターンは、dq基準系においてヌル平均値を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 相ごとに1つの正多角形電圧パターンが合計され、前記正多角形電圧パターンは、制御電圧ベクトルの各決定の際に反転又は置換されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  9. 前記方法は、推定された前記インダクタンス値を記憶するステップを更に含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
  10. フィールド指向制御システムを使用して3相モーターの回転子の位置を求めるデバイスであって、
    パーク変換されたモーター電流と参照電流とを使用し、比例積分コントローラーによって、第1の時点における第1の制御電圧ベクトルを求める手段と、
    逆パーク変換を使用して前記第1の制御電圧ベクトルを変換する手段と、
    換された前記第1の制御電圧ベクトルを正多角形電圧パターンと合計する手段であって、前記正多角形電圧パターンは所与の継続時間中に印加され、前記正多角形電圧パターンは少なくとも3つのサブ期間からな、合計する手段と、
    換された前記第1の制御電圧ベクトルと前記正多角形電圧パターンとの合計からパルス幅変調を行う手段と、
    前記パルス幅変調を用いて前記モーターを制御する手段と、
    前記モーターの各相において前記モーター電流を測定する手段と、
    定された前記モーター電流及び前記正多角形電圧パターンから前記回転子の前記位置を推定する手段と、
    第2の時点において、測定された前記モーター電流及び推定された前記位置から第2の制御電圧ベクトルを求める手段であって、前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間は、前記所与の継続時間以上である、第2の制御電圧ベクトルを求める手段と、
    を備え、
    前記パルス幅変調は、キャリア信号から更に実行され、前記モーターは、インバーターを通じて前記パルス幅変調によって制御され、前記モーター電流は、前記キャリア信号の極値において測定され、前記正多角形電圧パターンは、複数の連続した前記サブ期間からなり、各前記サブ期間は、前記キャリア信号の期間の2分の1の整数倍に等しく、前記キャリア信号の1つの極値から開始し、
    前記回転子の前記位置は、前記サブ期間の数に1を加えたものに等しい数の電流測定値から構築される多角形電流応答から推定され、最初の電流測定値と最後の電流測定値との間の差は、多角形電流応答を得るために、他の電流測定値を変更するのに使用されることを特徴とする、デバイス。
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