JP7359474B1 - 水素製造装置並びに製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応にて発生した炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、を使用して化学反応により水素を生成する装置及び方法を提供する。
【解決手段】反応槽に各投入経路から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入することで、投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムが生成されると共に槽内が高温且つ高圧状態となり、かかる高温且つ高圧状態下で投入された触媒を介して生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとの化学反応により水素及び炭酸ナトリウムが生成されることで、最終的に生成された水素と炭酸ナトリウムが各排出経路から排出される構成を採る。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素を製造する装置及び方法に関し、詳しくは、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素及び炭酸ナトリウムを生成する製造装置及び製造方法に関するものである。
水素は、工業ガスとして使用される重要なエネルギーであるだけでなく、環境負荷物質すなわちCO2(二酸化炭素)を生成しないクリーンな次世代エネルギーとして期待されている。そのため、水素を製造するための技術について、種々の方法や装置が数多く開発されている。
例えば、特許文献1には、「分子電解質膜と、上記高分子電解質膜の一方の面に密着するように設けられた触媒電極及び給電体からなるアノード電極と、上記高分子電解質膜の他方の面に密着するように設けられた触媒電極及び給電体からなるカソード電極とからなる電解セルを備えた水電解装置において、上記アノード電極及びカソード電極のいずれか一方の電極は外気開放とし、他方の電極を気密に密閉して電極室を形成し、上記電極室にガス出口を設けたことを特徴とする水電解装置」が記載され、公知となっている。
また、特許文献2には、「水蒸気改質法によって炭化水素燃料を水素リッチな改質ガスへと改質する改質器と、該改質器で得られた前記の改質ガスからPSA法によって高純度の水素を製造する水素PSA装置とを備えた水素製造装置において、前記改質器の加熱用バーナーに供給する燃焼空気の供給系統に、該燃焼空気を予め加熱して供給するための加熱手段として電気ヒーターが備えられていることを特徴とする水素製造装置」が記載され、公知となっている。
一方、近年、CO2(二酸化炭素)を始めとする温室効果ガスの排出を抑える動きが各国にて活発になっている。我が国においても、各企業や工場より排出されるCO2の排出量削減目標を掲げるといった対策が広がりつつあり、職種を問わずCO2削減に向けた対応が求められている。
そこで、本出願人は、クリーンエネルギーである水素と排出削減が求められる二酸化炭素に着目し、二酸化炭素を有効利用して水素を生成することができないものか、それにより大気中への排出削減をも実現することができないものかとの着想のもと、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素を生成する方法及び装置を開発し、本発明における「水素製造装置並びに製造方法」の提案に至るものである。
特開2005-298938号公報 特開2003-335502号公報
本発明は、上記問題に鑑み、二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応にて発生した炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、を使用して化学反応により水素を生成する装置及び方法を提供することを課題とする。
上記問題を解決するため、本発明は、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素を生成するための装置であって、投入された原料を化学反応させる反応槽と、該反応槽へ各種原料を投入する投入経路と、化学反応により生成された各種生成物を反応槽から排出する排出経路と、で構成され、投入経路は、二酸化炭素投入経路と、水投入経路と、ナトリウム投入経路と、触媒投入経路と、から構成され、各投入経路はその一方が夫々反応槽に接続されて成り、排出経路は、水素排出経路と、炭酸ナトリウム排出経路と、から構成され、各排出経路はその一方が夫々反応槽に接続されて成り、反応槽に各投入経路から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入することで、投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムが生成されると共に槽内が高温且つ高圧状態となり、かかる高温且つ高圧状態下で投入された触媒を介して生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとの化学反応により水素及び炭酸ナトリウムが生成されることで、最終的に生成された水素及び炭酸ナトリウムが各排出経路から排出される手段を採る。
また、本発明は、前記二酸化炭素投入経路の他方に二酸化炭素回収装置が接続されて成り、該二酸化炭素回収装置にて回収された二酸化炭素が二酸化炭素投入経路を介して反応槽に投入される手段を採る。
さらに、本発明は、前記反応槽に、温度調整部が備えられて成る手段を採る。
またさらに、本発明は、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素及び炭酸ナトリウムを製造するための方法であって、反応槽に各投入経路から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入する投入工程と、投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムを生成すると共に、反応槽内を高温且つ高圧状態にする第一反応工程と、高温且つ高圧状態下の反応槽内において、前工程にて生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとを触媒を介して化学反応させることで水素及び炭酸ナトリウムを生成する第二反応工程と、生成された水素と炭酸ナトリウムを反応槽から各排出経路を介して排出する排出工程と、から成る手段を採る。
さらにまた、本発明は、二酸化炭素回収装置により二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収工程を備え、該工程で回収された二酸化炭素が前記投入工程における原料として反応槽に投入される手段を採る。
そしてまた、本発明は、前記第二反応工程において、反応槽に備えられた温度調整部による温度調整が行われる手段を採る。
本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、反応槽に二酸化炭素と水とナトリウムと触媒を投入することで、反応槽内では、二酸化炭素と水とナトリウムの一次的な化学反応で炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムが生成されると同時に、水素の生成に必要な温度及び圧力の上昇が発生し、その雰囲気下で、鉄を主成分とした触媒と一次的化学反応にて生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムによる二次的な化学反応が行われることで、水素を容易に生成することができる、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、水素の生成に二酸化炭素を原料として使用することから、単にクリーンエネルギーとしての水素生成に資するだけでなく、二酸化炭素を大気中に放出せずに有効利用することが可能となって、温室効果ガスの排出削減が期待できる、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、二酸化炭素回収装置にて生成された二酸化炭素を使用することにより、二酸化炭素の安定的な供給に資すると共に、大気中の二酸化炭素量の削減にも資する、といった優れた効果を奏する。
またさらに、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、反応槽に温度調整部が備わることにより、一次的化学反応で発生する熱が不十分であったり、反応槽内において温度の偏りが生じた場合など、槽内の温度調整を行うことで、二次的な化学反応を促進し、安定的な水素の生成に資することとなる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、水素生成の副産物として粉末状の炭酸ナトリウムも生成され、該炭酸ナトリウムは、光学ガラスの原料や医薬品の原料、冷却剤、乾燥剤、洗浄剤、食品添加物等、幅広い用途で使用可能である、といった優れた効果を奏する。
本発明にかかる水素製造装置の実施形態を示すブロック図である。 本発明にかかる水素製造方法の実施形態を示すフロー図である。
本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法は、反応槽に二酸化炭素と水とナトリウムと触媒を投入することで、反応槽内にいて、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応にて生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒との化学反応により、水素及び炭酸ナトリウムが生成されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法の全体構成及び各部の構成は、下記に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる構成態様の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は、本発明にかかる水素製造装置の実施形態を示すブロック図である。また、図2は、本発明にかかる水素製造方法の実施形態を示すフロー図である。
本発明にかかる水素製造装置1は、主に原料を化学反応させる反応槽10と、該反応槽10へ各種原料を投入する投入経路21~24と、化学反応により生成された各種生成物を反応槽10から排出する排出経路31~32と、で構成されている。
反応槽10は、中空部11を有し、投入経路21~24及び排出経路31~32が夫々接続された中空筐体である。該反応槽10の中空部11にて、二酸化炭素と水とナトリウムの一次的な化学反応(数1)、及び、炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムと鉄を主体とした触媒による二次的な化学反応(数2)が夫々行われることとなる。また、反応槽10の素材について特には限定しないが、一次的化学反応に伴う高温(400~600℃)及び高圧(約600MPa)の発生に耐え得るため、ニッケルやコバルト等の耐熱耐圧素材を使用した槽とするのが好適である。
上記反応槽10の外形状については、特に限定するものではなく、例えば直方体のほか、耐圧性を考慮して略円筒形状や略多角筒形状とすることが考え得る。このとき、副産物として最終的に生成される炭酸ナトリウムは粉末状であるため、反応槽内で下方へ沈降・堆積することとなり、その炭酸ナトリウムの排出の効率化を鑑みると、反応槽10の下方域の形状については、曲面状や漏斗状といった傾斜を有する形状が好ましい。
反応槽10には、中空部11の温度を測定可能な温度計13が備わる態様が好適である。温度計13を備えることで、中空部11で起こる一次的な化学反応において発生した反応熱の温度が測定可能であって、かかる温度の高低によって水及びナトリウムの投入量を増減させる指標とすることができ、それによって化学反応量の調節が容易となる。
また、反応槽10には、中空部11内を加熱及び冷却し得る温度調整部12が備わる態様も好適である。すなわち、温度調整部12は、一次的化学反応において発生した反応熱の高低や偏りに応じて、中空部11全体が水素及び炭酸ナトリウムの生成に必要な温度(400~600度)に達するよう、加熱や冷却、均一化を行うものである。かかる温度調整部12における加熱及び冷却手段については、特に限定するものではなく、常法の手段を採用すれば足りる。このように、温度調整部12を備えることで、中空部11内を常に最適な温域にすることが可能となり、水素及び炭酸ナトリウムの安定した生成に資することとなる。
尚、かかる温度調整部12の作動については、人的に操作される態様のほか、検知された中空部11内の温度に応じて自動的に作動する態様とすることもできる。
さらに、反応槽10には、圧力計14が備えられる態様も考え得る。この態様の場合、一次的化学反応により発生した中空部11内の圧力が数値化され、二次的化学反応に必要な圧力が発生しているかの確認が可能であると共に、反応槽10から水素排出経路31を通じ排出される水素の排出圧力が過剰とならないよう、圧力計14が示す圧力に応じて水及びナトリウムの投入量を増減させ、一次的化学反応における化学反応量を調節することも可能となる。
投入経路は、二酸化炭素投入経路21と、水投入経路22と、ナトリウム投入経路23と、触媒投入経路24で構成され、夫々が所定長さ及び所要径幅を有する中空管構造となっている。各投入経路は、その一方が夫々反応槽10に接続され、他方から送られてくる各種原料を流通させ、中空部11へ投入する。各投入経路の素材については、特に限定するものではないが、中空部11内で発生する反応熱により反応槽10と各投入経路との接続部分は高温となることが想定されるため、少なくとも接続部分に断熱素材を使用するか、若しくは、各投入経路全体を耐熱素材で成形する態様が考え得る。
二酸化炭素投入経路21は、一方が反応槽10と接続されると共に、他方が二酸化炭素回収装置21Aや炭酸ガスボンベと接続されており、かかる二酸化炭素回収装置21Aや炭酸ガスボンベから吐出された二酸化炭素を流通させ、反応槽10における中空部11内へ二酸化炭素を投入するものである。該二酸化炭素投入経路21には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する供給弁21aが備えられる態様が好適である。かかる供給弁21aにより、投入する二酸化炭素量の調整や停止を行うことで、中空部11における二次的化学反応量の増減や停止が可能となる。
二酸化炭素回収装置21Aは、大気や排気などから取入れた気体中の二酸化炭素を分離・回収する装置である。大気中の二酸化炭素を分離・回収する装置であれば、周辺大気における二酸化炭素濃度の減少に貢献し、排気を取り込んで二酸化炭素を分離・回収する装置であれば、二酸化炭素の大気への排出削減に資することとなる。かかる二酸化炭素回収装置21Aの具体的構造については、例えば高分子膜等を用いて圧力差を駆動力としてCO2を分離回収する膜分離法や、大気とアミン等のアルカリ性水溶液等との接触で発生する化学反応を利用しCO2を分離させる化学吸収法、活性炭やポリエチレングリコール等の吸収液を用いて高圧・低温下にて物理的にCO2を吸収させる物理吸収法、アミン化合物やリチウム等の吸着剤と接触させCO2を物理化学的に吸着させる固体吸収法等、常法手段を採用した既存の装置を用いれば足り、特に限定するものではない。
水投入経路22は、一方が反応槽10と接続されると共に、他方が水の充填された水タンク22Aと接続されており、かかる水タンク22Aから吐出された水を流通させ、反応槽10における中空部11内へ水を投入するものである。尚、水タンク22Aは、重力に従って水が反応槽10に投入できるよう、該反応槽10の上部近傍に配設される態様が好適である。また、該水投入経路22には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する供給弁22aが備えられる態様が好適である。かかる供給弁22aにより、投入する水の量の調整や停止を行うことで、中空部11における一次的化学反応量の増減や停止が可能となる。
ナトリウム投入経路23は、一方が反応槽10と接続されると共に、他方がナトリウムの充填されたナトリウムタンク23Aと接続されており、かかるナトリウムタンク23Aから吐出されたナトリウムを流通させ、反応槽10における中空部11内へナトリウムを投入するものである。反応槽10に投入するナトリウムは、固体粒子状の形態が好適であり、反応槽10へのナトリウム投入量の微調整が容易となる。尚、ナトリウムタンク23Aは、重力に従ってナトリウムが反応槽10に投入できるよう、該反応槽10の上部近傍に配設される態様が好適である。また、該ナトリウム投入経路23には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する供給弁23aが備えられる態様が好適である。かかる供給弁23aにより、投入するナトリウムの量の調整や停止を行うことで、中空部11における一次的化学反応量の増減や停止が可能となる。
触媒投入経路24は、一方が反応槽10と接続されると共に、他方が触媒の充填された触媒タンク24Aと接続されており、かかる触媒タンク24Aから吐出された触媒を流通させ、反応槽10における中空部11内へ触媒を投入するものである。本発明で使用する触媒については、特に限定するものではないが、例えば下記数3に示す鉄を主体とする触媒や、ルテニウム触媒、更に最近になって開発されたニッケル・窒化ランタン触媒(Ni/LaN)などが用いられる。該触媒投入経路24には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する供給弁24aが備えられる態様が好適である。かかる供給弁24aにより、投入する触媒量の調整や停止を行うことで、中空部11における二次的化学反応量の増減や停止が可能となる。
排出経路は、水素排出経路31と、炭酸ナトリウム排出経路32で構成され、夫々が所定長さ及び所要径幅を有する中空管構造となっている。各排出経路は、その一方が夫々反応槽10に接続され、中空部11内で生成された生成物を流通させ、他方へ送出する。各排出経路の素材については、特に限定するものではないが、中空部11内で発生する反応熱により反応槽10と各排出経路との接続部分は高温となることが想定されるため、少なくとも接続部分に断熱素材を使用するか、若しくは、各排出経路全体を耐熱素材で成形する態様が考え得る。
水素排出経路31は、一方が反応槽10と接続されると共に、他方が水素タンク31Aと接続されており、反応槽10における中空部11にて生成された水素を排出し、水素31Aに水素を送り出して充填・貯留するものである。尚、生成された水素はガス状であり、空気よりも軽い性質を持つため、水素排出経路31は、反応槽10における上部所定箇所に接続される態様が好適である。また、該水素排出経路31には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する排出弁31aが備えられる態様が好適である。かかる排出弁31aにより、排出する水素量の調整や停止を行うことで、水素タンク31Aへの水素排出量の増減や停止が可能となる。
ところで、反応槽10における中空部11にて生成された水素は、超高圧状態で水素排出経路31に排出されることとなり、超高圧状態のまま水素タンク31Aに充填されると、ガス漏れ等を引き起こし、爆発の危険も想定される。そこで、水素排出経路31の所定中間箇所に、減圧弁31bを配設する態様が好適であり、中空部11から排出された水素を減圧してから水素タンク31Aに送出することが可能となる。尚、かかる減圧弁31bは、水素排出経路31における水素排出弁31aと水素タンク31Aとの中間に配設される。
生成された水素の水素タンク31Aへの充填に際し、高圧のガス状の水素をそのまま水素タンク31Aに充填・貯留するのではなく、冷却することで液化水素として充填・貯留する態様も好適である。液化することで、貯留量の増量化や取扱容易性に資する。かかる液化水素の生成は、水素タンク31Aにて行う態様のほか、該水素タンク31Aの後段に液化水素用の貯蔵タンクを配設して、該貯蔵タンクにてガス状のアンモニアを冷却して液化する態様も考え得る。尚、水素は、大気圧下において-253℃で液化するが、水素タンク31Aに送出される水素は、そもそも高圧状態となっているため、液化のための冷却温度はそこまで低くなくてよい。水素の冷却手段については、特に限定するものではなく、水素液化機など常法手段を用いれば足りる。
炭酸ナトリウム排出経路32は、一方が反応槽10と接続されることで、反応槽10における中空部11にて生成された炭酸ナトリウムを槽外へ排出するものである。尚、生成された炭酸ナトリウムは、粉末状であって反応槽10の下部に堆積するため、炭酸ナトリウム排出経路32は、反応槽10における下部所定箇所に接続される態様が好適である。また、該炭酸ナトリウム排出経路32には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する排出弁32aが備えられる態様が好適である。かかる排出弁32aにより、排出する炭酸ナトリウム量の調整や停止を行うことが可能となる。
炭酸ナトリウム排出経路32は、中空部11で生成された炭酸ナトリウムだけでなく、反応槽10の下部に堆積する反応後の余剰触媒も一緒に排出することとなる。そこで、炭酸ナトリウム排出経路32の所定中間箇所に分別装置を配設し、該分別装置にて炭酸ナトリウムと触媒とを分別して排出する態様も好適である。そして、該分別装置により分別された触媒は、触媒タンク24Aへ戻され、触媒として再利用される態様が好適となる。
尚、図1に示す様に、反応槽10には、水素排出経路31及び炭酸ナトリウム排出経路32とは別に、余剰気体排出経路33を備える態様も好適である。かかる余剰気体排出経路33は、二次的化学反応によって消費されなかった余剰気体を排出するもので、特に余剰気体として想定される二酸化炭素並びにオゾンを排出するためのものである。これら余剰気体のうち二酸化炭素は、二酸化炭素タンク21Aへ戻して反応槽10へ投入する二酸化炭素として再利用し、またオゾンは、そのまま大気中へ放出させることが好適である。尚、該余剰気体排出経路33には、所定中間箇所に手動若しくは自動で開閉する排出弁33aが備えられる。
以上の各構成要素により、本発明にかかる水素製造装置1は構成されている。すなわち、原料を化学反応させる反応槽10と、該反応槽10に接続された二酸化炭素を投入する二酸化炭素投入経路21並びに水を投入する水投入経路22並びにナトリウムを投入するナトリウム投入経路23並びに触媒を投入する触媒投入経路24から成る各投入経路と、同じく反応槽10に接続された水素を排出する水素排出経路31並びに炭酸ナトリウムを排出する炭酸ナトリウム排出経路32から成る各排出経路と、により水素製造装置1は構成されている。
本発明にかかる水素製造方法は、上記水素製造装置1により実現されるものであって、主に反応槽10に各投入経路21~24から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入する投入工程C1と、投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムを生成すると共に、反応槽10内を高温且つ高圧状態にする第一反応工程C2と、高温且つ高圧状態下の反応槽10内において、前工程C2にて生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとを触媒を介して化学反応させることで水素を生成する第二反応工程C3と、生成された水素と炭酸ナトリウムを反応槽10から各排出経路31~32を介して排出する排出工程C4と、で構成されている。
以下、本発明にかかる水素製造方法の詳細を説明する。
(投入工程)
投入工程C1は、反応槽10に各投入経路21~24を通じて原料を投入する工程であって、反応槽10には、二酸化炭素タンク等から送出される二酸化炭素が二酸化炭素投入経路21を介して投入され、また、水タンク22Aに貯留された水が水投入経路22を介して投入され、されに、ナトリウムタンク23Aに貯留されたナトリウムがナトリウム投入経路23を介して投入され、さらにまた、触媒タンク24Aに貯留された触媒が触媒投入経路24を介して投入されることとなる。各原料の投入量は、反応槽10における化学反応に必要な量が夫々投入されるもので、分子量で表すと、前記数1及び数2に表す量が投入されることとなる。尚、かかる各原料の投入量の調整は、各供給弁21a~24aにより行われる。
(二酸化炭素製造工程)
前記投入工程C1の付帯構成として、二酸化炭素回収装置21Aで二酸化炭素を生成する二酸化炭素製造工程C0を備える態様を採用し得る。
すなわち、二酸化炭素製造工程C0は、反応槽10に投入される二酸化炭素を二酸化炭素回収装置21Aにより生成する工程であって、該二酸化炭素回収装置21Aにて生成した二酸化炭素が、二酸化炭素投入経路21を介して反応槽10に投入されることとなる。
(第一次反応工程)
第一次反応工程C2は、前記投入工程C1によって投入された二酸化炭素と水とナトリウムとを反応槽10にて一次的に化学反応させる工程であって、二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応により、前記数1に示す様に、炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムが生成される。かかる化学反応は、急激な高熱高圧の発生を伴うもので、その結果、反応槽10内は高温且つ高圧状態になることとなる。
(第二次反応工程)
第二次反応工程C3は、前記第一次反応工程C2で生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとを反応槽10にて二次的に化学反応させる工程であって、前記投入工程C1で投入された触媒を介して炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムを化学反応させることで、前記数2に示す様に、水素と炭酸ナトリウムが生成される。かかる炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとの化学反応には、触媒だけでなく熱(400~600℃程度)と圧力(20~100MPa)が必要となるが、前記第一次反応工程C2における一次的化学反応によって、反応槽10内は高温且つ高圧状態となっていることから、本工程における改めての加熱や加圧は不要である。但し、前記第一次反応工程C2における不完全反応の発生など、反応槽10内の必要温度が得られない場合も想定され、その場合は反応槽10に備えられた温度調整部12を用い、反応槽10内の温度が適正温度となるよう、適宜温度調整が行われる。
(排出工程)
排出工程C4は、生成物を反応槽10から各排出経路を介して排出する工程であって、第二次反応工程C3により生成された水素が水素排出経路31を通じて水素タンク31Aへ排出されると共に、同じく生成された炭酸ナトリウムが炭酸ナトリウム排出経路32を通じて槽外へ排出されることとなる。
このとき、反応槽10で生成された水素は超高圧状態であるため、水素排出経路31に備わる減圧弁31bによって適宜減圧処理を行い、適正な圧力状態で水素タンク31Aへ送られる。
また、炭酸ナトリウム排出経路32から炭酸ナトリウムを排出する際、反応槽10の下部に堆積した余剰触媒も一緒に排出されることとなるが、分別装置を介在させて炭酸ナトリウムと触媒とを分別し、分別された触媒は触媒タンク24Aに戻して再利用のために供される。
以上、本発明にかかる水素製造装置並びに製造方法によれば、反応槽10に二酸化炭素と水とナトリウムと触媒を投入することで、反応槽10内では、二酸化炭素と水とナトリウムの一次的な化学反応で炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムが生成されると同時に、水素生成に必要な温度及び圧力の上昇が発生し、その雰囲気下で、鉄を主成分とした触媒と一次的化学反応にて生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムによる二次的な化学反応が行われることで、水素を容易に生成することが可能であり、且つ、その副産物として炭酸ナトリウムを生成することも可能となる。
本発明に係る水素製造装置並びに製造方法は、水素の生成における新たな手法を提供するものであると同時に、温室効果ガスである二酸化炭素を有効利用して大気中への放出削減に資する技術であって、産業上の利用可能性は極めて大きいものと思料する。
1 水素製造装置
10 反応槽
11 中空部
12 温度調整部
13 温度計
14 圧力計
21 二酸化炭素投入経路
21A 二酸化炭素製造機
21B 二酸化炭素濃度計
21a 供給弁
22 水投入経路
22A 水タンク
22a 供給弁
23 ナトリウム投入経路
23A ナトリウムタンク
23a 供給弁
24 触媒投入経路
24A 触媒タンク
24a 供給弁
31 水素排出経路
31A 水素タンク
31a 排出弁
31b 減圧弁
32 炭酸ナトリウム排出経路
32a 排出弁
33 余剰気体排出経路
33a 排出弁
C0 二酸化炭素製造工程
C1 投入工程
C2 第一反応工程
C3 第二反応工程
C4 排出工程

Claims (6)

  1. 二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素を生成するための装置であって、
    投入された原料を化学反応させる反応槽と、該反応槽へ各種原料を投入する投入経路と、化学反応により生成された各種生成物を反応槽から排出する排出経路と、で構成され、
    投入経路は、二酸化炭素投入経路と、水投入経路と、ナトリウム投入経路と、触媒投入経路と、から構成され、各投入経路はその一方が夫々反応槽に接続されて成り、
    排出経路は、水素排出経路と、炭酸ナトリウム排出経路と、から構成され、各排出経路はその一方が夫々反応槽に接続されて成り、
    反応槽に各投入経路から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入することで、投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムが生成されると共に槽内が高温且つ高圧状態となり、かかる高温且つ高圧状態下で投入された触媒を介して生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとの化学反応により水素及び炭酸ナトリウムが生成されることで、最終的に生成された水素及び炭酸ナトリウムが各排出経路から排出されることを特徴とする水素製造装置。
  2. 前記二酸化炭素投入経路の他方に二酸化炭素回収装置が接続されて成り、
    該二酸化炭素回収装置にて回収された二酸化炭素が二酸化炭素投入経路を介して反応槽に投入されることを特徴とする請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 前記反応槽に、温度調整部が備えられて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素製造装置。
  4. 二酸化炭素と水とナトリウムの化学反応で生成された炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムと、鉄を主成分とした触媒と、から水素を生成するための方法であって、
    反応槽に各投入経路から原料となる二酸化炭素と水とナトリウムと触媒とを投入する投入工程と、
    投入された二酸化炭素と水とナトリウムとの化学反応により炭酸水素ナトリウム及び水素化ナトリウムを生成すると共に、反応槽内を高温且つ高圧状態にする第一反応工程と、
    高温且つ高圧状態下の反応槽内において、前工程にて生成された炭酸水素ナトリウムと水素化ナトリウムとを触媒を介して化学反応させることで水素及び炭酸ナトリウムを生成する第二反応工程と、
    生成された水素と炭酸ナトリウムを反応槽から各排出経路を介して排出する排出工程と、
    から成ることを特徴とする水素製造方法。
  5. 二酸化炭素回収装置により二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収工程を備え、
    該工程で回収された二酸化炭素が前記投入工程における原料として反応槽に投入されることを特徴とする請求項4に記載の水素製造方法。
  6. 前記第二反応工程において、反応槽に備えられた温度調整部による温度調整が行われることを特徴とする請求項4又は5に記載の水素製造方法。

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