JP7357711B2 - 熱媒導管用保温被覆材、熱媒導管用保温被覆複合材、及び絶縁被覆方法 - Google Patents

熱媒導管用保温被覆材、熱媒導管用保温被覆複合材、及び絶縁被覆方法 Download PDF

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Description

この出願の発明は、エアコンの室内機と室外機をつなぐ冷媒配管のような熱媒を導く導管を被覆により熱絶縁して熱媒を保温する技術に関するものである。
ヒートポンプ式エアコンに代表されるように、各種空調設備や冷暖房設備においては、冷房や暖房のため、熱媒を輸送する導管系の施工が行われる。各種工場、処理施設等でも、対象物を加熱したり又は冷却したりするために、熱媒を輸送する導管系が形成されている。さらに、冷蔵施設や保温施設等においても、熱媒を輸送するために導管系が形成されている。
このような導管系では、強度を考慮し、銅又はアルミ等の金属製の導管が使用される。そして、内部で流通する熱媒の温度変化を防止するため、導管の周囲は保温被覆材(熱絶縁性の被覆材)で覆われている。
図9は、導管系形成の際の従来の絶縁被覆方法について示した概略図である。
導管系の形成には、図9(1)に示すように、予め保温被覆材42が設けられた導管41からから成るユニット(以下、導管ユニットという。)4が使用される。導管ユニット4としては、導管41の長さが4メートルの直管状のものや20メートルのコイル状のものが一般的に使用されている。保温被覆材42も同程度の長さであり、導管41をほぼ全長に亘って覆っている。但し、導管41の長さは保温被覆材42よりも少し(数cm程度)長くて両端が少し露出している場合もある。
導管系を形成する場合、図9(2)に示すように、導管ユニット4のうち導管41同士をまず溶接等によって接合する。その後、図9(3)に示すように、接合部分を含む導管41の露出部分を、短い長さの保温被覆材(以下、補助保温被覆材という。)44で覆う。補助保温被覆材44は、長さ方向に切り込みがあり、そこを開いて導管41に被せ導管41の露出部分を覆うようにする。
その後、図9(4)に示すように、保温被覆材42,44を固定する。保温被覆材42,44の固定には、特許文献1に開示されたような専用の粘着テープ43が使用される場合が多い。専用の粘着テープ43を補助保温被覆材44の両端部と各絶縁被被覆42の端部とにまたがるようにして巻き付けて接合して両者が離れないように固定する。
特許第5425332号公報 特許第6785328号公報 国際公開2015/133619 特開2012-97285号公報 国際公開2019/073873
上記のような導管系における保温被覆材としては、ポリエチレン樹脂発泡体のようなポリオレフィン系樹脂発泡体が広く使用されている。ポリオレフィン系樹脂発泡体より成る保温被覆材は、安価で且つ高い熱絶縁性を示すものの、熱による寸法変化の問題が初期的に発生し、接合部分の分離や破断等が生じる問題がある。
具体的に説明すると、ポリオレフィン系樹脂発泡体より成る保温被覆材は、樹脂自体としては高温時に膨張し、低温時に収縮する物性を有する。しかしながら、製品として使用を開始した後に高温に晒されると、初期的な熱収縮が生じることがある。この初期的な熱収縮は、製造時の要因によって生じる。即ち、保温被覆材は、圧延によりシート状に成形した樹脂を丸めて円筒状に加工することで製作される場合が多い。この際、圧延時の熱歪み(引張応力)が残留している場合があり、使用時に同程度に加熱されると、歪みを解消しようとする力(応力緩和)が作用する。この力は、部材を収縮させるように作用し、引張応力が保温被覆材の軸方向に残留していると、圧延時の温度程度まで加熱された際に軸方向に収縮しようとする。この力は、材料自体の物性として熱膨張の力よりも遙かに大きく、保温被覆材には軸方向に収縮しようとする強い力が働く。この結果、保温被覆材同士の接合部分の分離や破断といった事故が生じ易い。
尚、保温被覆材として従来用いられているポリオレフィン系樹脂発泡体は、弾性は非常に小さい。即ち、成人男性の平均的な力(例えば30kPa)で引っ張ったり押し込んだりしても、伸縮は長さ比で5%以下であり、殆ど伸び縮みはしない。したがって、熱による収縮を補償するように弾性によって膨張するような特性は期待できない。
低弾性の保温被覆材を使用した従来の導管系において、熱収縮によって接合部分の分離や破断等の事故が生じると、その部分では導管を覆っていないことになるので、熱絶縁効果が低下する。このため、冷暖房や空調の効率が低下する。また、冷凍や冷蔵の設備においては、冷凍や冷蔵の効率が低下することになる。特に問題なのは、導管の露出部分に結露が生じ、下方に位置する機器に結露が滴下して機器を損傷させたり、シミ等の汚損を生じさせたりすることである。
特許文献2には、肉厚が厚く形成された高弾性保温被覆材を間に介在させる構造が提案されている。この構造によると、低弾性保温被覆材の熱変形に起因する力を高弾性保温被覆材の伸びによって緩和する。このため、保温被覆材同士の接合部分が離間してしまったり破断してしまったりする問題が生じない。
しかしながら、発明者らの検討によると、特許文献2の構造の場合でも、熱収縮がより大きい導管系の場合、問題が生じ得ることが判ってきた。即ち、特許文献2の構造において、低弾性保温被覆材に熱収縮が生じると、高弾性保温被覆材はそれに引っ張られるように伸長する。この場合、製造時の要因により大きな引張応力が残留している場合や、導管系の経路が長いために全体としての熱収縮の量(長さ)が大きい場合、高弾性保温被覆材の伸長量も大きくなる。伸長量が大きくなるということは、復元力も大きくなることを意味し(フックの法則)、低弾性保温被覆材と高弾性保温被覆材との接合部分にはそこを離間させようとする大きな力が作用する。この結果、接合部分が耐えきれずに部分的に離間してしまったり、破断してしまったりし易い。破断に至らならい場合でも、離間によってその部分の熱絶縁性が低下するので、低温の冷媒の影響でその部分に結露が生じ易い。
この出願の発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、より大きな熱収縮が保温被覆材に生じる場合でも結露等の問題が生じないようにすることを目的としている。
上記課題を解決するため、この明細書において、熱媒導管用保温被覆材、熱媒導管用保温被覆複合材、及び絶縁被覆方法の各発明が開示される。
開示された発明に係る熱媒導管用保温被覆材は、熱媒を導く導管を外側で被覆する筒状の熱媒導管用保温被覆材であって、発泡倍率が35倍以上60倍以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体より成る基材を備えている。基材(但し、スライス加工により外側の表面に気泡を露出させているものを除く)は、全体の肉厚に対して半分より大きい肉厚を有している。そして、この熱媒導管用保温被覆材は、30kPaの力を外部から与えて押し込んだ際に弾性により筒の長さ方向に長さ比で30%以上圧縮可能である圧縮性を有しており、基材の厚さは3mm以上である。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材は、熱媒を導く銅製又は金属製の導管を被覆して保温する熱媒導管用保温被覆材であり得る。
また、上記課題を解決するため、基材は、独立気泡と連続気泡とが混在した構造を有し得る。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材において、基材の外表面は、前記基材の弾性による伸縮に応じて前記長さ方向に伸縮可能な難燃性又は不燃性のシートで覆われ得る。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材において、基材は、100平方センチメートルあたり2グラム以下の吸水量を有し得る。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材において、基材には、筒の肉厚方向が深さ方向である複数の細孔が散在して設けられ得る。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材は、基材の内周面が、基材よりも耐熱性が高い耐熱シートで覆われており、耐熱シートは、基材の弾性による伸縮に応じて長さ方向に伸縮可能であるという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、この熱媒導管用保温被覆材において、基材は、発泡倍率が35倍以上60倍以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体より成るシートを丸めて筒状にした複数の層から成る積層構造を有し得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る熱媒導管用保温被覆複合材は、開示された発明に係る熱媒導管用保温被覆材と、この熱媒導管用保温被覆材における基材よりも圧縮性が低い筒状の保温被覆材である低圧縮性保温被覆材とを備えた熱媒導管用保温被覆複合材であり、低圧縮性保温被覆材は、基材の両側の端面に固定されている。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る絶縁被覆方法は、熱媒を導く導管をつなげて導管系を形成する際に各導管の周囲を熱絶縁する筒状の保温被覆材で覆った状態とする方法であり、保温被覆材として低圧縮性の第一の保温被覆材と、高圧縮性の第二の保温被覆材とを使用する方法である。
この絶縁被覆方法において、第二の保温被覆材は、長さ方向に30kPaの力で長さ比で30%以上圧縮可能である圧縮性を有する被覆材である。
この絶縁被覆方法は、第二の保温被覆材を長さ方向に長さ比で30%以上圧縮した状態で二つの第一の保温被覆材の間に挟み込み、第二の保温被覆材が弾性により両側の第一の保温被覆材を押圧した状態で施工完了とする方法である。
以下に説明する通り、開示された発明に係る熱媒導管用保温被覆材によれば、30kPaの力を外部から与えて押し込んだ際に弾性により筒の長さ方向に長さ比で30%以上圧縮可能であるので、圧縮した状態で施工完了とすることで、保温被覆材の熱収縮の問題を効果的に解決することができる。即ち、低弾性の保温被覆材に熱収縮が生じた場合、熱媒導管用保温被覆材はそれに応じて弾性により膨張(伸張)し、低弾性の保温被覆材と界面における引っ張り圧力を解消する。このため、低弾性の保温被覆材との接続箇所に分離や破断が生じることがない。このため、この箇所において熱絶縁性が低下して結露が生じることが防止される。
また、基材の外表面が難燃性又は不燃性のシートで覆われた構成によれば、基材自体が難燃性又は不燃性を有する必要がないという点で、材料選択の自由度が高まる。
また、基材に筒の肉厚方向が深さ方向である複数の細孔が散在して設けられた構成によれば、所望の圧縮性を有する基材を容易に得ることができ、この点で好適となる。
また、基材の内周面が耐熱性のシートで覆われた構成によれば、基材自体の耐熱性を高くする必要がないという点で、材料選択の自由度が高まる。
また、基材がポリオレフィン系樹脂発泡体より成るシートを丸めて筒状にした複数の層から成る積層構造を有する場合、全体に肉厚の厚い基材を容易に得ることができる。
また、開示された発明に係る熱媒導管用保温被覆複合材によれば、熱媒導管用保温被覆材における基材よりも圧縮性が低い筒状の保温被覆材が基材の両側の端面に固定されているので、熱媒導管用保温被覆材を圧縮した状態で低圧縮性の保温被覆材と粘着テープで固定してしまう施工ミスが防止でき、固定のタイミングについて注意を払う必要がないという効果が得られる。また、低圧縮性の保温被覆材同士の固定の際に使用される粘着テープが、熱媒導管用保温被覆材と低圧縮性の保温被覆材との固定には好ましくなく、別の粘着テープが使用される場合でも、その別の粘着テープを施工時に用意する必要がなく、この点で煩雑さが解消されるという効果もある。
また、開示された発明に係る絶縁被覆方法によれば、第二の保温被覆材を長さ方向に長さ比で30%以上圧縮した状態で二つの第一の保温被覆材の間に挟み込み、第二の保温被覆材の弾性により両側の第一の保温被覆材と押圧した状態で施工完了とするので、第一にの保温被覆材に熱収縮が生じた場合、第二の保温被覆材がそれに応じて弾性により膨張(伸張)する。このため、第一の保温被覆材と第二の保温被覆材との接続箇所に隙間が生じることがない。このため、この箇所において熱絶縁性が低下して結露が生じることが防止される。
実施形態の熱媒導管用保温被覆材の斜視概略図である。 実施形態の熱媒導管用保温被覆材の断面概略図である。 実施形態の熱媒導管用保温被覆材の圧縮性について示した概略図である。 実施形態における基材の斜視概略図である。 各細孔の形成位置について示した図であり、シート状半製品の斜視概略図である。 実施形態の熱媒導管用保温被覆材を使用した絶縁被覆方法の概略図である。 粘着テープによる固定について示した概略図である。 実施形態の熱媒導管用保温被覆複合材の概略図である。 導管系形成の際の従来の絶縁被覆方法について示した概略図である。
次に、この出願の発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、実施形態の熱媒導管用保温被覆材の斜視概略図、図2は実施形態の熱媒導管用保温被覆材の断面概略図である。実施形態の熱媒導管用保温被覆材は、熱媒を導く導管の周囲を覆って熱絶縁する部材であり、外力によって大きく縮むことができる高圧縮性を備えている。以下、この熱媒導管用保温被覆材を、高圧縮材という。図1及び図2に示すように、実施形態の高圧縮材は円筒状となっている。
実施形態の高圧縮材は、図1及び図2に示すように、円筒状の基材1と、基材1の外表面を覆った状態で設けられた外装シート2と、基材1の内周面を覆った内装シート3とから成っており、三層構造となっている。
この実施形態の高圧縮材の大きな特徴点は、従来の低圧縮性保温被覆材に比べて格段に高い圧縮性を有している点である。具体的には、30kPaの力により筒の長さ方向に力を加えた際、寸法比(長さの比)で30%以上圧縮可能となっている。この特徴点は、基材1によってもたらされており、30kPaの力により筒の長さ方向に力を加えた際に基材1は30%以上圧縮可能となっている。基材1は、高圧縮材を構成する主たる部材であり、したがって全体の肉厚に対して半分より厚い肉厚を有している。
尚、30kPaとは、成人男性が手で持って押し込む際の平均的な力を想定したものである。つまり、30kPaにより30%以上圧縮可能とは、作業員が現場で高圧縮材を押し込んだ際に30%以上圧縮できるということである。
図3は、実施形態の高圧縮材の圧縮性について示した概略図である。
図3に示すように、実施形態の高圧縮材は、長さ方向に力Fで押圧した場合、断面積(長さ方向に垂直な断面での面積)が実質的に変化せずに圧縮される。したがって、30kPaで30%以上の圧縮性は、寸法比(長さの比)であるとしても良く、体積比であるとしても良い。図3の例は寸法比であり、L2/L1が30%以上ということである。尚、実質的に断面積が変わらないとは、断面積が大きくなったとしても外径(蛇腹状となる場合には平均値)が10%程度までの増加であることを意味する。
また、図3に示すように、高圧縮材を長さ方向に圧縮した場合、外装シート2や内装シート3は、薄いものであるため、シワが寄った状態で縮む。但し、外装シート2や内装シート3も多少の弾性を有しており、体積が小さくなりつつシワがよって縮む場合もある。
上記のように高い圧縮性を有する基材1は、この実施形態では、ポリオレフィン系樹脂発泡体より成っている。ポリオレフィン系樹脂発泡体とは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物を発泡させたもののことであり、ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィン系炭化水素の単独重合体または共重合体であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレンとブテン、ペンテン等のα-オレフィンとの共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-スチレン共重合体、エチレンープロピレンースチレン-ブタジエン共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。これらのオレフィン系樹脂には、グラフトのような化学的修飾が施されていてもよい。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体には、樹脂組成物の50質量%を超えない範囲で、必要に応じて熱可塑性エラストマー等の他の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、滑剤、着色剤、消臭剤、帯電防止剤、難燃剤、その他の各種添加剤を添加することができる。
実施形態の高圧縮材の大きな特徴点である高圧縮性は、発泡倍率を適宜選定することで達成される。具体的には、実施形態の高圧縮材において、基材1を形成するポリオレフィン系樹脂発泡体の発泡倍率は35倍以上60倍以下の範囲で適宜選定される。発泡倍率が35倍未満であると、必要な圧縮性が得られない。また、60倍を超えると、圧縮性の点では良好であるが、見かけ密度が低下し、必要な強度が得られなくなる。見かけ密度として表現すると、基材1の見かけ密度は16~28kg/mであることが好ましい。ここでの見かけ密度は、JIS K 6767に準じた方法で測定した値である。尚、35~60倍の発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡体より成る基材1を得る方法としては、国際公開2015/133619(特許文献3)に開示されたような予備発泡粒子を使用する方法や、特開2012-97285号公報(特許文献4)に開示されたような炭酸水素ナトリウムの分解によって発生する炭酸ガスの作用を利用して発泡させる方法、国際公開2019/073873(特許文献5)に開示されたようなアゾジカルボンアミドの分解によって発生するガスを利用して発泡させる方法等を採用することができる。
発泡倍率が35~60倍であるポリオレフィン系樹脂発泡体を主成分とする基材1は、独立気泡と連続気泡とが混在した構造であることが好ましい。独立気泡100%であると熱媒導管用絶縁被覆材を圧縮した時の反発力が強く施工がしにくい。また、連続気泡100%であると、圧縮性の点では良好であるが、水分を吸収し易く断熱性能の低下が起こり得る。
また、熱媒導管用保温被覆材を構成する部材の特性として、基材1は、2g/100cm以下の吸水量を有することが好ましい。基材1の吸水量については、JIS A 9511において規定された方法に準じた方法により測定することができる。吸水量が2g/100cmを超える場合、結露時に吸蔵した水分により断熱性能が低下する問題に加え、多くの水分を溜め込むことで水滴が落下し易くなる問題が生じ得る。
独立気泡と連続気泡を混在させつつ適宜の圧縮性と機械的強度を有するように発泡倍率を調整しながら基材1を得る方法としては、物理的又は化学的な発泡法の中から適宜の発泡法を用い、任意の発泡倍率とした独立気泡の発泡体を作り、その後気泡膜の一部を破壊して連続気泡とする方法を用いることができる。独立気泡の発泡体を得る物理的な発泡法としては、例えば、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ高圧下で押し出しながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内で樹脂にガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法等を使用することができる。また、化学的な発泡法としては、樹脂と熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し高圧下で押し出しながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し減圧しながら発泡するプレス発泡法といった発泡剤分解法を使用することができる。これらのうち、気泡の大きさを小さく維持することが容易な発泡剤分解法がより好適である。また、気泡膜の一部を破壊して連続気泡とする方法としては、例えば、発泡体を二本のロール間に通し圧縮変形を加える方法を用いることができる。
また、実施形態の高圧縮材において、図1に示すように二層構造となっている。内側の第一層11と外側の第二層12とで形成されている。各層11,12は、同じポリオレフィン系樹脂発泡体である。基材1が二層構造である点は、全体として厚い肉厚の基材1を得るのに好適となっている。
多くの場合、基材1は、幅広の長尺シート状発泡体(以下、シート状半製品という。)を保温する配管径に合わせた幅にカットした部材を丸めることで円筒状とされる。シート状半製品は成形しやすい温度まで加熱後、治具によって丸められ、端面同士を熱融着することで円筒状とされる。この際、最終的に必要な肉厚のシート状半製品を用いれば、一層構造の基材1を得ることもできるが、円筒状に丸める際に肉厚が厚いと内周と外周の差が大きくなり、端面の外周側で融着できずに隙間ができ、断熱性能が低下する。全厚みに亘り端面が十分に融着した基材1を得るには、シート状半製品の厚みは3~15mmとすることが好ましい。一方、高圧縮材として十分に熱絶縁機能を発揮するには、この程度の厚みでは不十分である場合が多く、また、最終製品毎に指定の厚さに調整する必要があり、したがって、二層以上の多層構造とすることが好ましい。
また、多層構造とすることは、基材1の全体の厚さを調整する目的でも行われ得る。シート状半製品として何種類かの厚さのものしか得られない場合、それらを適宜組み合わせて適宜の厚さの基材1を得る場合があり得る。尚、厚さの調整の場合も含め、基材1は三層以上の場合もあり得る。また、多層構造の場合、各層の界面は、通常、積層時の熱によって融着する。
図4は、実施形態における基材の斜視概略図である。図4に示すように、基材1には、複数の細孔13が散在して設けられている。細孔13は、基材1の連続気泡に含まれる空気の通気を促し、また基材1の圧縮性を調整する目的で設けられている。各細孔13は、基材1の肉厚方向が深さ方向となるように設けられている。
各細孔13は、基材1全体の肉厚に達しない深さとなっており、基材1を貫通していない。この実施形態では、各細孔13は、各層11,12の厚さ分の深さとなっている。即ち、第一層11における細孔13は第一層11を貫通しているが、第二層12との界面(融着部分)において終端している。第二層12における各細孔13も同様で、第二層12の肉厚分の深さであるが、第一層11との界面において終端している。
各細孔13が基材1全体の肉厚を貫通していると、熱絶縁性が低下する問題の他、結露時に水滴が流動して落下する経路となってしまう問題がある。したがって、各細孔13は、基材1全体の肉厚を貫通していない構造とすることが好ましい。貫通していなければ良いので、層11,12において例えば半分の深さであっても良い。
このような細孔13は、所定の均等間隔をおいて針を設けた剣山のような治具を使用して形成することができる。例えば、シート状半製品を常温状態で治具を使用して細孔13を形成する。その後、丸めて端面を加熱融着して第一層11とし、さらに同様の工程を繰り返して細孔13を設けた第二層12を第一層11の上に被せて丸め、端面を加熱融着する。
細孔13は、第一層11のみに形成されていても良く、第二層12のみに形成されていても良い。第二層12のみに形成する場合、第二層12を第一層11の上に被せて丸めた後、表面(外面)に治具を当てて各細孔13を形成しても良い。
図5は、各細孔13の形成位置について示した図であり、シート状半製品の斜視概略図である。図3に示すように、シート状半製品14において、細孔13はいわゆる千鳥状に設けられており、隣り合う三つの細孔13を結んだ仮想線が正三角形になるように設けられている。この例では、正三角形の一辺が細孔13の形成間隔dである。図3は、細孔13の均等な配置間隔の一例であるが、間隔dは、10~50mmとすることが好ましい。10mmより短いと、細孔13の数が多くなり、機械的強度が低下し、破れる問題が生じ得る。50mmより長いと、圧縮性を調整する効果が十分に得られない問題が生じ得る。図5の例以外にも、種々の配置パターンがあり得る。上記間隔dの上限下限は、各配置パターンにおいて、最も短い距離で隣り合う細孔13の離間距離であるとし得る。
また、各細孔13の断面積(深さ方向に垂直な面での面積)については、0.1~5mm程度とすることが好ましい。各細孔13の断面形状を円形と見なした場合、円相当直径0.4~2.5mm程度である。細孔13の断面積が0.1mmより小さいと、圧縮性を調整する効果が十分に得られない問題が生じ得る。5mmより大きいと、熱絶縁性能が低下する問題が生じ得る。
尚、基材1の材料であるポリオレフィン系樹脂発泡体は、架橋されていることが望ましい。無架橋のポリオレフィン系樹脂を発泡させても実施形態における基材1は得られるが、気泡径が大きく耐熱性が低い点で問題が生じる場合があり得る。電子線による架橋、過酸化物による架橋などの従来公知の方法で架橋したポリオレフィン系樹脂発泡体が、基材1の材料として好適に使用し得る。例えば、ポリオレフィン系樹脂に発泡剤を混練りし、シート状に成形した後に電子線照射により架橋し、さらに加熱発泡させてシート状半製品を得る方法を採用し得る。
一方、外装シート2は、難燃性又は不燃性(以下、難不燃性という用語で総称する。)のシートであり、高圧縮材に対して難不燃性を付与する目的で設けられている。難不燃性のシートとしては、必要な難不燃性を備え、基材1の圧縮に伴ってシワがよることができる柔軟性を有するシート状のものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、酸化アクリル繊維を用いた耐炎不織布が各社から販売されているので、適宜選択して使用することができる。
外装シート2は、厚いものの方が難不燃性に優れるが、基材1の圧縮性を阻害してしまう場合があり得るため、1.5mm以下の厚さのものが好適に使用される。基材1の外表面に対する固定は粘着による場合(外装シート2が粘着シートであるか又は別の粘着シートによる粘着)が多いが、熱融着や超音波溶着による場合もあり得る。
内装シート3は、基材1の耐熱性を考慮して設けられている。基材1は、上述したように高圧縮性であることを特徴とするが、高圧縮性を達成するために発泡倍率を高くしており、一般的に使用されている低弾性のポリオレフィン系高圧縮材に比して耐熱性が低い場合が多い。このため、高温の熱媒が流通する暖房設備やボイラー等における導管系の場合、導管からの熱が基材1に直接与えられると、基材1が耐熱温度を超えて昇温してしまい、軟化して変形してしまうことがあり得る。これを考慮して、内装シート3が設けられている。したがって、内装シート3は、導管の温度よりも高い融点を持った樹脂を含有する耐熱性が高い材料である。例えば、国際公開2019/073873(特許文献5)に開示されているような熱可塑性エラストマーを含有したポリオレフィン系樹脂発泡体よりなるシートを内装シート3として使用することができる。内装シート3の厚さは0.5mm以上3mm以下とすることが好ましい。0.5mm未満であると断熱性能が不足して基材1に熱が伝わることがあり、また3mmより厚いと基材1の圧縮性を阻害してしまい易い。
次に、このような実施形態の高圧縮材を使用した導管系の絶縁被覆方法について説明する。以下の説明は、絶縁被覆方法の発明の実施形態の説明でもある。
図6は、実施形態の高圧縮材を使用した絶縁被覆方法の概略図である。この絶縁被覆方法は、導管をつなげて導管系を形成する際に行われる。
前述した従来の導管ユニット4を使用して導管系を形成する場合を例にすると、導管ユニット4は、規格で定められた長さの導管41と、導管41の周面を覆って設けられた保温被覆材42とより成っている。したがって、この例では、導管ユニット4における保温被覆材42が低圧縮性の第一の保温被覆材に相当しており、実施形態の高圧縮材10が高圧縮性の第二の保温被覆材に相当している。以下、区別のため、導管ユニット4における保温被覆材4を普及品被覆材と呼ぶ。尚、この例では、導管ユニット4において、導管41と普及品被覆材42とは同じ長さとなっている。
この絶縁被覆方法において、形成される導管系は、押圧により圧縮した高圧縮材10が弾性により元の状態に戻ろうとする力(復元力)を受け止め、高圧縮材10の圧縮状態を保持する箇所が少なくとも二カ所設けられる。この箇所は、高圧縮材10の復元力に対して反作用を生じさせる箇所であり、以下、反作用箇所と呼ぶ。反作用箇所は、典型的には導管系における屈曲部分である。
導管系を形成する場合、必要数の導管ユニット4を用意し、導管41同士を溶接等により接続し、所望の経路に沿って導管41が延ばされる。この際、普及品被覆材42同士も、熱絶縁性を有する粘着テープ(図6中不図示)を接続部分に巻き付けることで固定される。尚、反作用箇所として屈曲部分は、屈曲に応じた形状のコーナージョイント(通常は90度屈曲)を介して導管同士を接続することで形成される。以下、二つの反作用箇所として、第一屈曲部と第二屈曲部とが形成されることを前提とする。
図6(1)に示すように第一屈曲部51を形成した後の導管ユニット4の接続作業において、実施形態の高圧縮材10を介在させる作業を行う。即ち、図6(1)に示すように、片側が未接続である導管ユニット4について、普及品被覆材42を少し切断し、導管41を露出させる。導管41の露出長さは、自由状態の高圧縮材10の全長L1よりも短く、例えばL1の半分の長さである。
次に、露出した導管41の端部に対して高圧縮材10を装着する。即ち、導管41の端部を高圧縮材10内に入り込ませ、高圧縮材10を装着する。高圧縮材10の内径(内装シート3の内径)は、導管41の外径より少し小さくなっており、弾性より導管41に密着した状態で高圧縮材10は導管41を覆う。
次に、作業者は、装着した高圧縮材10を長さ方向に手で押し込んで圧縮し、導管41の端部を再度露出させる。この際、高圧縮材10は、普及品被覆材42を押圧する状態となる。尚、接続済みの各導管ユニット4における各普及品被覆材42も順次押圧されるが、図6(1)に示すように第一屈曲部51が存在するから、第一屈曲部51が押圧を受ける形となる(反作用する)。
そして、図6(2)に示すように、高圧縮材10を手で押し込んで圧縮した状態を保持しながら、露出している導管41の端部に別の導管ユニット4の導管41を熔接等により接続する。その後、手を離すと、高圧縮材10が弾性により元の長さに戻る。次に、図6(3)に示すように、別の導管ユニット4の普及品被覆材42を高圧縮材10に当接させる。高圧縮材10を自由状態のままにして高圧縮材10に対して両側の普及品被覆材42をそれぞれ固定する。例えば、普及品被覆材42同士の固定の場合と同様、熱絶縁性の粘着テープ(図6中不図示)を接続部分に周回して固定する。粘着テープは、シワがよることで導管41の長さ方向に圧縮可能なものである。
次に、高圧縮材10を再度圧縮した後、所定の圧縮状態を保持するための仮止めを行う。即ち、別の導管ユニット4の普及品被覆材42を掴んで高圧縮材10に向けて押し込み、高圧縮材10を所定の長さ圧縮する。そして、この状態を保持しつつ、図6(4)に示すように両側の普及品被覆材42同士を仮止めテープ8で仮止めする。仮止めテープ8は、高圧縮材10の弾性に抗して高圧縮材10の圧縮状態を保持できる強度の粘着力を有しつつ施工完了時に作業者が手で剥がすことができる粘着テープである。いわゆる養生テープとして市販されているものを仮止めテープ8として使用することができる。図6(4)に示すように、仮止めテープ8は、両側の普及品被覆材42の間に橋渡しするようにして貼り付けられる。尚、高圧縮材10と両側の普及品被覆材42とをそれぞれ固定した不図示の粘着テープは、高圧縮材10の圧縮に伴ってシワがよって縮む。尚、仮止めテープ8による仮止めは周方向において複数箇所行われ、複数箇所で普及品被覆材42同士が固定される。
その後、さらに別の導管ユニット4の接続作業を行う。即ち、図6(4)に示すように、仮止めテープ8で高圧縮材10の圧縮状態を保持すると、別の導管ユニット4の端部では導管41が露出した状態となる。これに対して、図6(4)に示すようにさらに別の導管ユニット4の導管41を熔接等により接続する。そして、普及品被覆材42同士を接合し同様に粘着テープ(不図示)で固定する。これにより、図6(5)に示すように、導管41同士の接続箇所は別の導管ユニット4の普及品被覆材42で覆われた状態となる。この際も、高圧縮材10は、仮止めテープ8により圧縮状態が保持される。
このように高圧縮材10を適宜介在させて圧縮して圧縮状態を仮止めテープ8で保持しながら、導管ユニット4を順次接続して導管系を延長した後、図6(6)に示すように、第二屈曲部52を形成する。第二屈曲部52も、同様にコーナージョイント50を使用して形成され、90度に屈曲した状態とされる。この際、図6(6)に示すように、普及品被覆材42を適宜切断して導管41の端部を露出させ、露出した端部に対してコーナージョイント50を溶接等の方法により接続する。
コーナージョイント50についても専用の被覆材で覆われ、これにより第二屈曲部52が形成される。これにより、各仮止めテープ8は不要になるので、各仮止めテープ8は剥がされる。各高圧縮材10は弾性により元の長さに戻ろうとするが、第一屈曲部51と第二屈曲部52とが反作用部として作用し、この復元力を受け止めるので、各高圧縮材10が所定の長さに圧縮されている状態は引き続き保持される。
このようにして高圧縮材10を適宜介在させながら各導管ユニット4を接続し、反作用部としての屈曲部51,52で高圧縮材10の復元力を受け止めるようにして高圧縮材10の圧縮状態を維持し、図6(7)に示すように所望の経路で導管系を形成する。所望の経路の終端まで導管ユニット4が接続されると、導管系の施工は終了である。
上記説明から解るように、施工終了の状態において、各高圧縮材10は圧縮状態にあり、両側の普及品被覆材42を長さ方向に弾性により押圧している。この点は、普及品被覆材42の熱収縮の問題を効果的に解決する意義がある。即ち、高圧縮材10は普及品被覆材42を常時押圧した状態であるので、普及品被覆材42に熱収縮が生じた場合、高圧縮材10はそれに応じて弾性により膨張(伸張)し、普及品被覆材42と高圧縮材10との界面における引っ張り圧力を解消する。このため、普及品被覆材42と高圧縮材10との間に隙間が形成されたり、普及品被覆材42と高圧縮材10とが破断したりすることがない。このため、この箇所の熱絶縁性が低下して結露が生じることもない。
尚、上記の例では第一の保温被覆材は従来使用されている普及品被覆材42であったが、第一の保温被覆材は高圧縮材10よりも圧縮性が低い部材であれば足り、普及品被覆材42以外のものが使用される場合もある。
高圧縮材10の長さや圧縮比、使用数等は、導管系における普及品被覆材42の熱収縮量に応じて適宜決定される。普及品被覆材42の熱収縮量は、導管41内に流れる冷媒の温度や普及品被覆材42の熱特性等に応じた値となる。例えば、導管41内を流れる熱媒により加熱されて普及品被覆材42において長さ比で2%の熱収縮が生じ得る場合、4mの普及品被覆材42では80mmの熱収縮が生じることになる。そうすると、例えば2本の普及品被覆材42ごとに1個の高圧縮材10を介在させるとすると、1個の高圧縮材10は160mmの熱収縮を補償する必要があり、施工完了時にこの長さだけ圧縮する必要がある。この場合、実際の圧縮量は、必要な熱収縮補償量よりも余裕を見て少し大きくされ、例えば180mmとされる。例えば高圧縮材10として最大50%圧縮可能なものを使用しつつ実際の圧縮量は30%とする場合、30%の長さが180mmであるので、1個の高圧縮材10の自由状態の長さは600mmということになる。即ち、長さ600mmの高圧縮材10を2本の普及品被覆材42ごと(8mごと)に1個設けておき、それぞれ30%(180mm)圧縮しておけば良いことになる。
上記実施形態の絶縁被覆方法において重要なことは、高圧縮材10の普及品被覆材42に対する固定を粘着テープで行う場合、高圧縮材10の装着後、圧縮した前に粘着テープによる固定を行っておくことである。この点について、図7を参照して説明する。図7は、粘着テープによる固定について示した概略図である。図7において、粘着テープについては一部を断面と仮想線で示している。
実施形態の絶縁被覆方法については、図7(A)に示すように、高圧縮材10を押し込んで圧縮した状態とし、この状態で普及品被覆材42との界面に粘着テープ43を巻き付けて固定することが考えられる。このような方法でも実施可能であるが、施工後、普及品被覆材42が熱収縮した際、それに伴う引っ張り力に応じて高圧縮材10が伸張しようとするのを粘着テープ43が阻害することになってしまう。高圧縮材10の伸張力(復元力)が大きいと、粘着テープ43が破断してしまうこともあり得る。
一方、図7(B)に示すように、高圧縮材10が自由状態である状態において普及品被覆材42と粘着テープ43で固定するようにすれば、高圧縮材10を押し込んで圧縮した場合に粘着テープ43はその柔軟性によりシワがよって縮む(高圧縮材10の外表面の凹凸をなぞるようにしてシワがよる)。このため、施工後に普及品被覆材42が熱収縮した際、粘着テープ43は、高圧縮材10の伸張に応じてシワを伸ばすように伸張するから、高圧縮材10の伸張を阻害することはなく、粘着テープ43の破断が生じることもない。
尚、図7(A)の場合も、弾性による伸縮性のある粘着テープを使用すれば、高圧縮材10の伸張を阻害しないようにすることができる。但し、高圧縮材10の伸張量が大きくて粘着テープの伸びが追いつかない場合、同様の問題が生じ得る。また、弾性伸縮性のある粘着テープは固定強度や引っ張り強度等が弱い場合が多く、高圧縮材10と普及品被覆材42との固定の信頼性の点で劣る面はある。
次に、熱媒導管用保温被覆複合材の発明の実施形態について説明する。
図8は、実施形態の熱媒導管用保温被覆複合材の概略図である。実施形態の熱媒導管用保温被覆複合材(以下、複合材と略称する。)は、上述した実施形態の高圧縮材を使用して複合した保温被覆材である。具体的には、上記実施形態の高圧縮材10と、高圧縮材10における基材1よりも圧縮性が低い円筒状の保温被覆材6とを複合させた被覆材である。「圧縮性が低い」とは、同じ外力を与えた場合の圧縮量が小さいということである。以下、圧縮性が低い保温被覆材6を低圧縮材と呼ぶ。
低圧縮材6として、この実施形態では、従来使用されている普及品被覆材をカットして使用している。規格品の普及品保温被覆材は4メートルの長さなので、例えば30cm程度の長さにカットしたものを低圧縮材6として使用している。
図8に示すように、複合材は、高圧縮材10とほぼ同じ外径寸法の低圧縮材6を2個使用し、低圧縮材6を高圧縮材10の両端に延設した構成となっている。内径についても低圧縮材6は高圧縮材10と同程度であり、被覆対象の導管の外径より少し小さい程度である。普及品と同様なので、低圧縮材6は、低発泡のポリエチレン樹脂発泡体のようなポリオレフィン系樹脂発泡体よりなっている。
図8に示すように、実施形態の複合材は、高圧縮材10と低圧縮材6とを固定した固定部7を有している。固定部7は、図8の例では粘着テープ43であるが、他の態様もあり得る。即ち、接着材による固定や融着による固定の場合もあり得る。即ち、固定部7は、高圧縮材10と低圧縮材6の界面に設けられた接着層であり得るし、高圧縮材10と低圧縮材6とが熱等による融着した融着層であり得る。
実施形態の複合材を使用した導管系の絶縁被覆方法も、前述した実施形態の方法と同様に行える。同様に導管ユニットを使用する場合を例にすると、導管ユニットの一方の端部において普及品被覆材を所定の長さで切断し、導管の端部を露出させる。所定の長さとは、高圧縮材10を圧縮した状態の複合材の長さであり、高圧縮材10を圧縮した状態の複合材の長さは、導管ユニットにおける普及品被覆材の長さに対する複合材の設置インターバル、普及品被覆材の熱収縮の大きさ等により予め決められる。
そして、露出させた導管の端部に複合材を装着し、複合材を押圧して高圧縮材10を圧縮し、導管の端部を再度露出させる。そして、そこに別の導管ユニットの導管を溶接等により接続する。次に、複合材における高圧縮材10を所定の長さだけ再度圧縮し、この状態を保持するために、低圧縮材6同士(又は両側の導管ユニットにおける普及品被覆材同士)を仮止めテープで固定する。その上で、別の導管ユニットに対してさらに別の導管ユニットの接続をし、適宜のインターバルで複合材を介在させながら導管ユニットを順次接続していく。そして、第二反作用部としての第二屈曲部の施工位置に達したら、コーナージョイントを導管に接続し、専用の被覆材を被せる。これにより第二屈曲部が形成され、各仮止めテープは不要になるので剥がされる。
このような実施形態の複合材において、高圧縮材10が低圧縮材6と予め固定されている複合材として提供される点は、以下のような意義がある。
まず、前述したように高圧縮材10が単体として施工現場に搬入される場合、普及品被覆材42に対して固定する際、高圧縮材10を押し込んで圧縮した状態で粘着テープで固定してしまうと、前述した問題が生じる。したがって、施工手順に注意を要する。実施形態のように、普及品被覆材42と同様の材料より成る低圧縮材6が高圧縮材10の両端に予め固定された複合材が提供される場合、施工現場での固定は、普及品被覆材42と低圧縮材6の固定だけであり、特にそのタイミングが問題になることはない。したがって、施工手順に注意を要するという意味での煩雑さはない。
また、高圧縮材10の材質によっては、高圧縮材10と普及品被覆材42とを固定するために、普及品被覆材42同士の固定の際に用いられる粘着テープとは別の粘着テープが必要になる場合がある。この場合、施工現場には、普及品被覆材42同士の固定用の粘着テープと、高圧縮材10と普及品被覆材42との固定用の粘着テープとを用意しなければならず、煩雑である。使用を取り違えると固定が不十分になり、接合部分の剥離のような事故も生じ易い。この点でも煩雑である。実施形態の複合材によれば、このような煩雑さはなく、高圧縮材10を使用した導管系の熱絶縁被覆を高い信頼性で容易に行うことができる。
尚、低圧縮材6は、適宜二重構造としたものが採用されることもある。例えば、外側の層について外表面がエンボス加工されたものを採用し、粘着テープによる固定を容易にしたものや、難不燃性の材料で外側の層を形成したもの等が採用されることがある。
上記各実施形態において、基材1の材料は、前述したようにエラストマーが添加されたポリオレフィン系樹脂発泡体であり得るが、基材1はいわゆる低反発性を示す部材であり得る。低反発性とは、例えば、反発弾性率が15%程度以下(JIS K 6400-3)である場合を指す。基材1が低反発性を示す部材である場合、高圧縮材10全体としても低反発性の部材ということになる。このような高圧縮材10は、施工時に作業者が押し込んで圧縮した状態で作業を行おうとした場合、直ぐには元の状態に戻らないため、作業がし易いという優位性がある。
基材1については、押し込まれて圧縮された際に実質的に断面積が変わらないとしたが、断面積が大きくなっても良い。例えば、10~30%程度の範囲で断面積が大きくなる場合もある。
尚、上記各実施形態において、高圧縮材10は円筒状であったが、角筒状でも良い。配管の形状に合わせて内周面を各筒状にしたり、外周面を角筒状にしたりする場合もある。
また、基材1が難不燃性を有している場合には、外装シート2が設けられない場合もあるし、基材1の耐熱性が高ければ、内装シート3が設けられない場合もある。基材1の伸縮に伴って生じる外装シート2や内装シート3の伸縮について、シワよりやシワの伸びによる伸縮が望ましいが、弾性による伸縮でも良い。
尚、反作用部としては、上述した屈曲部51,52の他、導管系が壁を貫通して施工される場合の当該壁や、導管系の終端としての各種機器(空調機器、冷凍機等)のケーシング等の場合もあり得る。
ポリオレフィン系樹脂発泡体よりなる長尺シートとして東レ株式会社製トーレペフ 50100AY0B(独立気泡、発泡倍率50倍、厚さ10mm)を用い、千鳥状に20mm間隔で針を設けたロール上に通して長尺シートに細孔をあけ、その後、間隙を0.1mmとした2本のロール間に通して発泡体に圧縮変形を加えて気泡膜の一部を破壊、独立気泡と連続気泡が混在した構造となるポリオレフィン系樹脂発泡体の長尺シートを得た。
得られた長尺シートの幅を126mm(シートA)、及び210mm(シートB)にカットした。シートAを出口内径40mmとした円錐状のガイドの中を通し円筒状に丸め、シートAの端面同士を熱融着することで円筒状とした。さらにその周囲にシートBを被せるようにして出口内径62mmとした円錐状のガイドの中へ通し、ガイドに熱風を吹き込むことで円筒状としたシートAとシートBを熱融着し、かつ、シートBの端面同士を熱融着することで二層構造の基材1を得た。得られた基材1は、円筒の長さ方向に30kPaの力を外部から加えた時、長さ比での圧縮は63%であった。また、吸水量は1.1g/100cmであった。
1 基材
10 高圧縮材
2 外装シート
3 内装シート
4 導管ユニット
41 導管
42 低圧縮性絶縁被覆
51 第一屈曲部
52 第二屈曲部
6 低圧縮材
7 固定部
8 仮止めテープ

Claims (10)

  1. 熱媒を導く導管を外側で被覆して保温する筒状の熱媒導管用保温被覆材であって、発泡倍率が35倍以上60倍以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体より成る基材を備えており、
    基材(但し、スライス加工により外側の表面に気泡を露出させているものを除く)は、全体の肉厚に対して半分より大きい肉厚を有しており、
    30kPaの力を外部から与えて押し込んだ際に弾性により筒の長さ方向に長さ比で30%以上圧縮可能である圧縮性を有しており、
    基材の厚さは3mm以上であることを特徴とする熱媒導管用保温被覆材。
  2. 熱媒を導く銅製又は金属製の導管を被覆して保温する熱媒導管用保温被覆材であることを特徴とする請求項1記載の熱媒導管用保温被覆材。
  3. 前記基材は、独立気泡と連続気泡とが混在した構造を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の熱媒導管用保温被覆材。
  4. 前記基材の外表面は、前記基材の弾性による伸縮に応じて前記長さ方向に伸縮可能な難燃性又は不燃性のシートで覆われていることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材。
  5. 前記基材は、100平方センチメートルあたりの吸水量が2グラム以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材。
  6. 前記基材には、筒の肉厚方向が深さ方向である複数の細孔が散在して設けられていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材。
  7. 前記基材の内周面は、前記基材よりも耐熱性が高い耐熱シートで覆われており、耐熱シートは、前記基材の弾性による伸縮に応じて前記長さ方向に伸縮可能であることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材。
  8. 前記基材は、前記発泡倍率が35倍以上60倍以下であるポリオレフィン系樹脂発泡体より成るシートを丸めて筒状にした複数の層から成る積層構造を有していることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の熱媒導管用保温被覆材と、この熱媒導管用保温被覆材における前記基材よりも圧縮性が低い筒状の保温被覆材である低圧縮性保温被覆材とを備えた熱媒導管用保温被覆複合材であって、低圧縮性保温被覆材は、前記基材の両側の端面に固定されていることを特徴とする熱媒導管用保温被覆複合材。
  10. 熱媒を導く導管をつなげて導管系を形成する際に各導管の周囲を熱絶縁する筒状の保温被覆材で覆った状態とする絶縁被覆方法であって、
    保温被覆材として低圧縮性の第一の保温被覆材と、高圧縮性の第二の保温被覆材とを使用する方法であり、
    第二の保温被覆材は、長さ方向に30kPaの力で長さ比で30%以上圧縮可能である圧縮性を有する被覆材であり、
    第二の保温被覆材を長さ方向に長さ比で30%以上圧縮した状態で二つの第一の保温被覆材の間に挟み込み、第二の保温被覆材が弾性により両側の第一の保温被覆材を押圧した状態で施工完了とすることを特徴とする絶縁被覆方法。
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