JP7357556B2 - プレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス装置、特に、下型上に搭載された板材に対して上下動可能な上型を下動することで、下型に設けられた下刃と上型に設けられた上刃とで板材を剪断するプレス装置に関する。
車両に用いられる金属製パネルは、例えば、プレス装置を用いたプレス工程で成形される。このような金属製パネルの素材をブランク材といい、例えば、金属板コイルから連続供給される金属シート材(板材)を順次規定寸法のブランク材に切断し、このブランク材をベルトコンベヤのベルト上に載置して次工程に搬送するラインをブランキングラインという。
上記シート材の切断に、切断用のプレス装置が用いられることがある。この切断用のプレス装置は、上下動可能な上型に設けられた上刃と固定型である下型に設けられた下刃とでシート材を挟むようにして剪断する。剪断されたシート材やブランク材の剪断端部には、切粉やバリが付着しており、これらが回転するベルトコンベヤのベルトで擦られてベルトに付着し、後続の板材に付着するという問題がある。また、ベルトコンベヤのベルトは、一般に常時回転し続けているので、シート材やブランク材の剪断端部に付着している切粉やバリによってベルトが損耗したり、それらによって削り取られたベルト材の切片などが次の板材に付着したりするといった問題もある。剪断に伴う切粉やバリは、鋼製板材よりもアルミニウム製板材の方が発生しやすい傾向にある。
こうした剪断端部の切粉やバリは、プレス装置による剪断の際の下刃と上刃のクリアランス(剪断隙間)を適切にすることで低減されることが知られている。そこで、この種の板材剪断用プレス装置では、例えば下記特許文献1に記載されるようなクリアランス調整装置が設けられている。このクリアランス調整装置は、例えば、上刃の位置をモータ駆動で移動して下刃とのクリアランスを調整するものであり、板材の厚さ(上下方向寸法)に応じた下刃と上刃の適正なクリアランスを選択・入力することで、そのクリアランスが達成されるように構成されている。一般に、下刃と上刃の適正なクリアランスは、板材の厚さに対して一定の比率を示す。したがって、下刃と上刃の適正なクリアランスをC、板材の厚さをt、比率をkとすると、Cは、C=k・tで得られる。
実開平6-21816号公報
しかしながら、上記のようなクリアランス調整装置が設けられたプレス装置では、剪断する板材の厚さが変わるごとに、下刃と上刃のクリアランスを選択・入力しなければならないことから、厚さの異なる板材を混在して剪断する場合には、そのたびにクリアランスを選択・入力しなければならないという面倒がある。また、例えば、下刃に対する上刃の位置を調整する機構や、クリアランスの選択・入力装置、更には、クリアランスのサーボ機構など、複雑で大掛かりな構造が必要である。こうした問題は、上記ブランキングラインのみならず、下型の下刃と上型の上刃で板材を剪断する種々のプレス装置において、同様に発生し得る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的簡潔な構成にして、クリアランスを選択・入力することなく、装置側で下刃と上刃のクリアランスが板材の厚さに応じて適正に調整されるプレス装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のプレス装置は、
下型上に搭載された板材に対して上下動可能な上型を下動することで、前記下型に設けられた下刃と前記上型に設けられた上刃とで該板材を剪断するプレス装置において、
前記上刃が設けられ、前記上型と共に移動されると共に、該上刃による前記板材剪断方向と直交方向のみに移動可能に該上型に設けられた上刃部材と、前記上型に設けられ、該上型と共に移動されると共に、該上型の動きとは別個に上下動可能な支持部材と、前記支持部材に設けられ、前記上型の下動時に前記下型上に搭載された板材の上面に当接可能で、該支持部材の動きとは別個に上下動可能な板押え部材と、前記板押え部材と前記上刃部材との間に介在して前記支持部材に設けられ、前記板材剪断方向と直交方向のみに移動可能なカム部材と、を備え、
前記カム部材及び前記板押え部材の対向面には、前記上型の下動時で且つ該板押え部材が前記板材上面に当接した後の前記支持部材に対する該板押え部材の上動に伴い、該上動量に対して予め規定された移動比率で前記カム部材を前記板材剪断方向と直交方向で且つ前記下刃から遠ざける方向に移動させるカム面が形成され、前記支持部材及び下型の少なくとも一方には、前記上型の下動に伴って前記下型側及び支持部材側の何れか他方に当接して前記板押え部材の上動を規制する規制部が設けられたことを特徴とする。
この構成によれば、剪断される板材の厚さ(上下方向寸法)が大きいほど、上型の下動時、板押え部材は板材の上面に早く当接するので、支持部材に対する板押え部材の(相対的な)上動量が大きくなることから、上記カム部材と板押え部材のカム面により、板材剪断方向と直交方向に向けて上刃部材、すなわち上刃は下刃からより遠くに移動される。このとき、上記カム面は、支持部材に対する板押え部材の上動量に対して規定の移動比率で上刃部材、すなわち上刃を下刃から遠ざけるので、この規定の移動比率を、例えば板材の適正な剪断に必要な下刃と上刃のクリアランスの板材厚さに対する比率に設定することで、板材の厚さに応じた適正な剪断クリアランスを下刃と上刃の間に設けることができる。そして、この適正なクリアランスが確保された時点で、上記規制部によって上記支持部材に対する板押え部材の上動を規制することで、そのクリアランスを維持したまま、下刃と上刃で板材を剪断することができる。したがって、板材の厚さが変化しても、下刃と上刃の間に必要なクリアランスを設けて板材を適正に剪断することが可能となる。
また、本発明の他の構成は、前記上型には、前記上刃部材を前記カム部材側に付勢する付勢手段が設けられ、該カム部材及び上刃部材の対向面には、該上刃部材が前記付勢手段によりカム部材に当接された状態で該上刃部材が前記上型と共に上下動される案内面が設けられたことを特徴とする。
この構成によれば、上記上型の下動時、上記カム面及び規制部により下刃と上刃のクリアランスが確保された状態で、付勢手段により上刃部材がカム部材に付勢状態で当接され、両者の案内面に案内されて上刃部材が下動されるので、下刃と上刃のクリアランスを維持したまま、板材を適正に剪断することができる。
本発明の更なる構成は、上下方向に弾性力を発現する弾性部材が前記上型と支持部材との間に介装されたことを特徴とする。
この構成によれば、弾性部材の弾性力により上型に対して支持部材及び板押え部材を下方に離間させ、これにより上刃部材よりも先行して板押え部材を板材の上面に当接させることができると共に、上記支持部材に対する板押え部材の上動規制時及びそれ以後の上型及び上刃部材の下動を円滑にして板材の安定した剪断を可能とする。
本発明の更なる構成は、前記規制部の当接位置を上下方向に調整する調整手段を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、上記規制部は上記カム面による下刃と上刃のクリアランスの上限を規制することから、例えば、板材の材質によって板材の厚さに対する下刃と上刃のクリアランスの比率が異なる場合に、上記支持部材と下型が当接する規制部の当接位置を上下方向に調整すれば、下刃と上刃のクリアランスの上限を変更することができ、これにより材質の異なる板材に対しても下刃と上刃のクリアランスを適正に設定して適正な剪断を行うことが可能となる。
本発明の更なる構成は、前記調整手段が、前記支持部材側と下型側との間に介装するシムで構成されることを特徴とする。
この構成によれば、支持部材側と下型側の間に介装するシムの厚さ(上下方向寸法)を変更するだけで、下刃と上刃のクリアランスの上限を変更することができ、これにより材質の異なる板材に対しても下刃と上刃のクリアランスを適正に設定して適正な剪断を簡易に行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、板材の厚さが変化しても、下刃と上刃の間に必要なクリアランスを設けて板材を適正に剪断することができ、その際、板材の厚さごとにクリアランスを選択・入力する必要もなく、また上刃や下刃の移動機構や、クリアランス選択・入力装置、クリアランスサーボ機構などの複雑・大がかりな構造も必要としない。
本発明のプレス装置が適用されたブランキングラインの一実施の形態を示す概略構成図である。 図1のブランキングラインに設けられたプレス装置を正面から見た主要部の概略断面図である。 図2のプレス装置の作用の説明図である。 図2のプレス装置の作用の説明図である。 図2のプレス装置の作用の説明図である。 図2のプレス装置の作用の説明図である。 図2のプレス装置による板材剪断前のクリアランスの説明図である。 図2のプレス装置による板材剪断後のクリアランスの説明図である。
以下に、本発明のプレス装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態のプレス装置が適用されたブランキングラインの主要部の概略構成を示す正面図である。この実施の形態では、図示しない金属板コイルからシート材(板材)Sが、図の左方から右方に向けて連続供給される。この連続供給されるシート材Sを順次所定寸法に剪断してブランク材Bとするのが剪断機構100である。この剪断機構100は、固定型である下型(後述)に設けられた下刃1と、上下動可能な可動型である上型(後述)に設けられた上刃2とで構成される。上刃2はシート材Sよりも上方に位置し、下刃1はシート材Sよりも下方に位置し、両者は互いに対向する。移動しない下刃1に対して上刃2を上型と共に下動し、両者でシート材Sを挟むことによりシート材Sが剪断されてブランク材Bが切り出される。剪断後、上型は上動する。上型の上動端を上死点、下動端を下死点ともいう。なお、この実施の形態におけるシート材Sの剪断方向は図の上下方向なので、以下の説明における図示上下方向は板材剪断方向、図示左右方向は板材剪断方向と直交方向と読み換えることができる。
切り出されたブランク材Bを次工程に搬送するのが搬送機構101であり、ベルトコンベヤ102で構成される。ベルトコンベヤ102では、搬送方向に回転するベルト103の上面にブランク材Bを載置して次工程に移動する。ベルト103は図示しない駆動ローラ及び従動ローラで回転され、駆動ローラは図示しない駆動源で駆動される。ベルト103は、例えば、ブランク材Bよりも幅の広い無端帯状体からなり、原則的に回転され続けている。また、この実施の形態では、更なる搬送機構101として、ベルトコンベヤ102と剪断機構100の間にローラコンベヤ104が配設されている。ローラコンベヤ104は、周知のように、搬送方向に回転可能な複数のローラ105を搬送方向に並べて構成され、実際のローラコンベヤ104は、切り出されたブランク材Bが自重でベルトコンベヤ102側に移動するように、ローラコンベヤ104のベルトコンベヤ102側を低く設定している。
図2は、図1のブランキングラインに設けられたプレス装置を正面から見た主要部の概略断面図であり、図1と同様に、シート材Sは図の左から右に送給される。このプレス装置には、上記ベルトコンベヤ102のベルト103にシート材Sやブランク材Bの切粉やバリが付着したり、それらによってベルトコンベヤ102のベルト103が損耗したりしないように、シート材Sを適正に剪断するために、上記下刃1と上刃2のクリアランスを装置側で適正に調整する機構が設けられている。下刃1と上刃2のクリアランスとは、下刃1と上刃2の間に設けられる板材剪断方向と直交方向の隙間である。前述のように、下型3は固定型であり、装置の基台となるベースプレート5上に下刃部材6が搭載されて下型3が構成され、この下刃部材6の図示右側上端部に下刃1が形成されている。また、この実施の形態では、この下刃部材6の上面にシート材Sが搭載されるように搬送される。また、上記下刃部材6よりも図示左方には、後述する上側規制部材9に当接する下側規制部材7がベースプレート5から上向きに突設されている。なお、下側規制部材7の上面に記載される二点鎖線は、後述するシム8であり、以下では、このシム8を一旦、無視して説明する。
また、前述のように、上型4は上下動可能な可動型であり、この実施の形態では、図示しない駆動源により、上型4の主要部を構成する上型部材10だけが上下動される。換言すれば、上型4は下型3に対して離接方向に移動される。上型部材10は、図の中央部が凹陥されて下向きに開口するコ字状の断面形状を有し、この凹陥部に、後述する支持部材11や板押え部材12、カム部材13が収容されるようにして取付けられている。また、上型部材10の中央凹陥部よりも図示右方の下面には、上刃部材14が図の左右方向(のみ)に移動可能に取付けられている。この上刃部材14は、上型部材10への取付部である上方基部14aから図の左下方に向けて上刃部14bが延設され、この上刃部14bの図示左方下端部に上記上刃2が形成されている。また、上刃部材14の図示右方には、上刃部材14を図の左方に付勢する付勢手段としてガススプリング15が取付けられている。後述する板押え部材12とカム部材13によるカム機構が作用していない状態では、上記ガススプリング15の付勢力により上刃部14bの図示左側鉛直面14vが板押え部材12の図示右側鉛直面12vに押当され、これにより上刃部材14の図示左右動における左方(左動)端が規定されている。そして、この左動端における上刃2の先端部は、下刃1の先端部との間に図示左右方向の隙間ができない位置、すなわち下刃1と上刃2のクリアランスが0になるように設定されている。
上記上型部材10の中央凹陥部には、支持部材11が取付けられている。この支持部材11は、後述する板押え部材12やカム部材13を支持するためのものであり、上下方向に移動可能に上型部材10に取付けられている。この支持部材11は、上型部材10の中央凹陥部内から抜け落ちないように、例えば図示しないストッパ付きボルト部材などによって吊り下げるようにして上型部材10に支持されている。この支持部材11の図示右下方部が凹陥され、この凹陥部に板押え部材12やカム部材13が収容されるようにして取付けられている。また、この支持部材11の上面と上型部材10の中央凹陥部の下面の間には、上下方向に弾性力を発現する弾性部材16が介装されており、この実施の形態では、弾性部材16としてウレタンを用いた。また、この支持部材11からは、上記下側規制部材7と当接する上側規制部材9が下向きに突設されている。後述するように、また図から推察されるように、上型4の下動に伴って支持部材11も下動されるが、下型3の下側規制部材7に支持部材11の上側規制部材9が当接すると、未だ上型4が可動されていても支持部材11の下動は、その位置で停止される。なお、この上側規制部材9や上記下側規制部材7は、シート材Sを跨ぐようにして設けられている。
上記支持部材11の右下方凹陥部において、上記上刃部材14の図示左方には、上記下刃部材6の上面に搭載されている状態のシート材Sの上面に当接される板押え部材12が設けられている。この板押え部材12は、支持部材11の右下方凹陥部から抜け落ちないように、例えば図示しないストッパ付きボルト部材などによって吊り下げるようにして、上下動可能に支持部材11に取付けられている。したがって、上記上型部材10の下動時に、この板押え部材12の下面がシート材Sの上面に当接し、それ以後は、この板押え部材12は支持部材11に対して相対的に上動する。この板押え部材12の図示右側面下部には、前述のように、図の紙面垂直方向に連続する鉛直面(上下面)12vが形成されており、この鉛直面12vの上方には、後述のカム部材13と共にカム機構を構成するカム面12cが形成されているが、その詳細については次段に述べる。
上記支持部材11の右下方凹陥部の右方端部には、上記板押え部材12と上刃部材14の間に介在するようにしてカム部材13が配設されている。このカム部材13は、図の左右方向にのみ移動可能に支持部材11に取付けられている。上記板押え部材12と、このカム部材13の対向面は、図に示すように、共に右下から左上に向けて傾斜するカム面12c、13cに形成されている。このカム面12c、13cは、後述するように上記支持部材11に対して板押え部材12が(相対的に)上動すると、カム部材13及び上刃部材14が図の右方に押されて下刃1と上刃2のクリアランスが増加するように機能する。このカム面12c、13cのカムプロファイルは、図示上下方向の変化量に対する図示左右方向の変化量、すなわちカム機構としての左右動/上下動の比が前述の板材の厚さ(上下方向寸法)に対する下刃1と上刃2の適正クリアランスの比率となるように設定されている。したがって、上記支持部材11に対する板押え部材12の上動量に応じて、下刃1と上刃2のクリアランスが一定の比率で増加される。この支持部材11に対する板押え部材12の上動量は、後述するようにシート材Sの厚さに比例するので、シート材Sの厚さが増加すると、下刃1と上刃2のクリアランスが一定の比率で増加する。
また、上記カム部材13と上刃部材14の対向面は、共に鉛直面(上下面)13g、14gに形成されている。具体的には、カム部材13の図示右側の鉛直面13gに上記上刃部材14の上方基部14aの図示左側の鉛直面14gが上記ガススプリング15の付勢力で押当され、双方の鉛直面13g、14gが、上型4の下動に伴う上刃部材14、すなわち上刃2の下動を案内する案内面を構成している。上記からも推察されるように、上刃部材14は、上記板押え部材12とカム部材13のカム面12c、13cによるカム機構で下刃1から遠ざかるように図の右方に移動され、これにより下刃1と上刃2のクリアランスが設定されるが、そうしてクリアランスが設定された後は、上記上型部材10の下動と共に上刃部材14が下動され、その際、カム部材13と上刃部材14の互いに当接している鉛直面13g、14gが上刃部材14、すなわち上刃2の下動を案内する案内面として機能する。なお、図では、上記板押え部材12とカム部材13が離間しているが、両者は当接していてもよい。
以下、この実施の形態のプレス装置の作用について、図面を用いながら説明する。図2は、例えば、この実施の形態のプレス装置の上死点であり、この状態から上型部材10を下動すると、それに伴って支持部材11や板押え部材12、上刃部材14などを含む上型4が下動される。やがて、図3に示すように、板押え部材12の下面がシート材Sの上面に当接し、その下動が規制されるので、その後の上型部材10及び支持部材11の下動では、板押え部材12は支持部材11に対して相対的に上動する。なお、図3では、上側規制部材9の下面がシート材Sの上面に当接しているように示されているが、上記のように、上側規制部材9や下側規制部材7はシート材Sを跨ぐように配置されているので、上側規制部材9の下面がシート材Sの上面に当接することはない。
前述のように、板押え部材12がシート材Sに当接した後は、上型部材10の下動に伴って板押え部材12は支持部材11に対して上動するので、やがて図4に示すように、板押え部材12とカム部材13のカム面12c、13c同士が当接し、これ以後、支持部材11に対する板押え部材12の上動による上記カム面12c、13cのカム機能でカム部材13及び上刃部材14が図の右方に移動され、下刃1と上刃2のクリアランスが次第に増加される。このクリアランスの増加量は、シート材Sの厚さが大きいほど、板押え部材12がシート材Sに早く当接することから、シート材Sの厚さに比例する。その後、上型部材10の下動に伴って支持部材11も下動されるので、やがて図5に示すように、上側規制部材9の下面が下側規制部材7の上面に当接する。したがって、これ以後、上型部材10や上刃部材14が下動されても支持部材11は下動せず、したがって支持部材11に対する板押え部材12の上動も停止されるので、その時点で上刃部材14の位置、すなわち下刃1と上刃2のクリアランスも固定される。
その後も、上型部材10と共に上刃部材14は下動され続けるので、やがて図6に示すように、上刃2がシート材Sを超えて下動し、ブランク材Bが剪断により切り出される。その際、ガススプリング15によって付勢状態で当接されている上刃部材14の図示左側鉛直面14gがカム部材13の図示右側鉛直面13gに案内されて、上刃2は鉛直方向に下動され、設定されたクリアランスを維持したままシート材Sが剪断される。したがって、このクリアランスがシート材Sの厚さに応じた適正なものであれば、剪断されるシート材Sやブランク材Bにはバリや切粉が発生しにくい。また、支持部材11と上型部材10の間に介装された弾性部材(ウレタン)16の弾性力により、下側規制部材7と上側規制部材9の当接時の衝撃が緩和されると共に、その後の上型部材10及び上刃部材14の下動を円滑にしてシート材Sの剪断を安定化させることができる。
図7(A)は、シート材Sの厚さ(上下方向寸法)が小さい場合の下刃1に対する上刃部材14の移動量を示し、図7(B)は、シート材Sの厚さが大きい場合の下刃1に対する上刃部材14の移動量を示す。同様に、図8(A)は、シート材Sの厚さが小さい場合の下刃1と上刃2のクリアランスを示し、図8(B)は、シート材Sの厚さが大きい場合の下刃1と上刃2のクリアランスを示す。上記板押え部材12は、シート材Sの厚さ(上下方向寸法)が大きいほど、シート材Sの上面に早く当接する。したがって、支持部材11に対する板押え部材12の相対的な上動量は、シート材Sの厚さが大きいほど大きく、その結果、シート材Sの厚さが大きいほど、上刃部材14、すなわち上刃2の図示右方への移動量も大きい。下刃1は固定されているので、上刃2の図示右方への移動量は、下刃1と上刃2のクリアランスとなり、したがって下刃1と上刃2のクリアランスはシート材Sの厚さが大きいほど大きくなる。この下刃1と上刃2のクリアランスは、上記カム面12c、13cの傾斜に比例し、この実施の形態では、カム面12c、13cの傾斜は、シート材Sの厚さに応じた適正クリアランスの比率に一致しているので、カム面12c、13cによって得られる下刃1と上刃2のクリアランスは、シート材Sの厚さに応じた適正なものとなる。
次に、剪断されるシート材Sに、下刃1と上刃2の適正クリアランスの厚さに対する比率の異なる材質のものが混在する場合の対応について説明する。このような場合、板押え部材12とカム部材13のカム面12c、13cのカムプロファイルを下刃1と上刃2の適正クリアランスの比率に応じたものに変更するのが理想的であるが、そのようにすると、少なくとも板押え部材12とカム部材13を段取り替えする必要が生じ、例えば車両用パネルの量産においては現実的でない。そこで、この実施の形態では、上記下側規制部材7の上面にセットするシム8を下刃-上刃クリアランスの調整手段として用いる。前述のように、支持部材11に対する板押え部材12の上動は、下側規制部材7と上側規制部材9の当接によって規制される。換言すれば、支持部材11に対する板押え部材12の上動限を変更することで、下刃1と上刃2のクリアランスの上限値を変更することができる。
例えば、アルミニウム製のシート材Sと鋼製のシート材Sでは、一般的に、アルミニウム製のシート材Sの方が鋼製のシート材Sよりも、下刃1と上刃2の適正クリアランスの板材厚さに対する比率が大きい。そこで、例えば、上記板押え部材12とカム部材13のカム面12c、13cのカムプロファイルとしては、アルミニウム製のシート材Sにおける下刃1と上刃2の適正クリアランスの板材厚さに対する比率を適用する。このカムプロファイルを有するカム部材13と板押え部材12を用いて鋼製のシート材Sを剪断しようとすると、下側規制部材7と上側規制部材9の当接で規定される下刃1と上刃2のクリアランスは、鋼製のシート材Sに対する適正クリアランスよりも大きくなってしまう。そこで、下側規制部材7の上面にシム8をセットすれば、そのシム8の厚さ(上下方向寸法)分だけ、下側規制部材7と上側規制部材9の当接タイミングを早くすることができるので、その分だけ、下刃1と上刃2のクリアランスを小さくすることができる。
下側規制部材7と上側規制部材9の間に介装されるシム8の使い方は、種々に考えられるが、大きめに設定される下刃1と上刃2のクリアランスに対し、シム8の厚さを用いて達成されるクリアランスを小さめに補正するように用いるのが、簡易である。また、前述のように、剪断端面のバリや切粉発生の下刃-上刃クリアランスに対する依存性は、鋼製シート材Sよりもアルミニウム製シート材Sの方が大きいので、例えばアルミニウム製シート材Sに対しては、上記カム面12c、13cのカムプロファイルによって下刃-上刃クリアランスを厳密に管理し、鋼製シート材Sに対する下刃-上刃クリアランスは、一定の厚さごとに、シム8を取り換えるようにするだけで、例えば車両用パネルの量産では、十分に剪断端面のバリや切粉の発生を低減することが可能である。
このように、上記実施の形態のプレス装置では、剪断されるシート材(板材)Sの厚さ(上下方向寸法)が大きいほど、上型4の下動時、板押え部材12はシート材Sの上面に早く当接するので、支持部材11に対する板押え部材12の相対的な上動量が大きくなることから、上記板押え部材12とカム部材13のカム面12c、13cにより、板材剪断方向と直交方向に向けて上刃部材14、すなわち上刃2は下刃1からより遠くに移動される。このとき、上記カム面12c、13cは、支持部材11に対する板押え部材12の上動量に対して規定の移動比率で上刃部材14、すなわち上刃2を下刃1から遠ざけるので、この規定の移動比率を、シート材Sの適正な剪断に必要な下刃1と上刃2のクリアランスの板材厚さに対する比率に設定することで、シート材Sの厚さに応じた適正なクリアランスを下刃1と上刃2の間に設けることができる。そして、この適正なクリアランスが確保された時点で、上記下側規制部材7及び上側規制部材9によって上記支持部材11に対する板押え部材12の上動を規制することで、そのクリアランスを維持したまま、下刃1と上刃2でシート材Sを剪断することができる。したがって、シート材Sの厚さが変化しても、下刃1と上刃2の間に必要なクリアランスを設けてシート材Sを適正に剪断することが可能となる。
また、上記上型4の下動時、上記カム面12c、13c及び上側規制部材9及び下側規制部材7により下刃1と上刃2のクリアランスが確保された状態で、ガススプリング(付勢手段)15により上刃部材14がカム部材13に付勢状態で当接され、両者の案内面に案内されて上刃部材14が下動されるので、下刃1と上刃2のクリアランスを維持したまま、シート材Sを適正に剪断することができる。
また、弾性部材16の弾性力により上型4に対して支持部材11及び板押え部材12を下方に離間させ、これにより上刃部材14よりも先行して板押え部材12をシート材Sの上面に当接させることができると共に、上記支持部材11に対する板押え部材12の上動規制時及びそれ以後の上型4及び上刃部材14の下動を円滑にしてシート材Sの安定した剪断を可能とする。
また、上記上側規制部材9及び下側規制部材7は上記カム面12c、13cによる下刃1と上刃2のクリアランスの上限を規制することから、シート材Sの材質によって板材厚さに対する下刃1と上刃2の適正クリアランスの比率が異なる場合に、上記支持部材11と下型3が当接する上側規制部材9及び下側規制部材7の当接位置を上下方向に調整すれば、下刃1と上刃2のクリアランスの上限を変更することができ、これにより材質の異なるシート材Sに対しても下刃1と上刃2のクリアランスを適正に設定して適正な剪断を行うことが可能となる。
また、支持部材11側と下型3側の間に介装するシム8の厚さ(上下方向寸法)を変更するだけで、下刃1と上刃2のクリアランスの上限を変更することができ、これにより材質の異なるシート材Sに対しても下刃1と上刃2のクリアランスを適正に設定して適正な剪断を簡易に行うことができる。
以上、実施の形態に係るプレス装置について説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、下型3と支持部材11の双方に下側規制部材7及び上側規制部材9の夫々を設けたが、これらの規制部材は、下型3及び支持部材11の何れか一方だけに設けるようにしてもよい。また、個別の規制部材を用いる代わりに、下型3の一部を規制部としたり、支持部材11の一部を規制部としたりすることも可能である。すなわち、支持部材11に設けた規制部が下型3に直接当接するか、下型3に設けた規制部が支持部材11に直接当接するようにしても、下刃1と上刃2のクリアランスの上限を規制することができる。
また、上記実施の形態では、ブランキングラインに設けられたプレス装置についてのみ詳述したが、下型3に設けた下刃1と上型4に設けた上刃2とで金属製板材を剪断するプレス装置であれば、本発明は同様に適用可能である。
1 下刃
2 上刃
3 下型
4 上型
7 下側規制部材(規制部)
8 シム(調整手段)
9 上側規制部材(規制部)
11 支持部材
12 板押え部材
12c カム面
13 カム部材
13c カム面
13g 鉛直面(案内面)
14 上刃部材
14g 鉛直面(案内面)
15 ガススプリング(付勢手段)
16 弾性部材
B ブランク材
S シート材(板材)

Claims (5)

  1. 下型上に搭載された板材に対して上下動可能な上型を下動することで、前記下型に設けられた下刃と前記上型に設けられた上刃とで該板材を剪断するプレス装置において、
    前記上刃が設けられ、前記上型と共に移動されると共に、該上刃による前記板材剪断方向と直交方向のみに移動可能に該上型に設けられた上刃部材と、
    前記上型に設けられ、該上型と共に移動されると共に、該上型の動きとは別個に上下動可能な支持部材と、
    前記支持部材に設けられ、前記上型の下動時に前記下型上に搭載された板材の上面に当接可能で、該支持部材の動きとは別個に上下動可能な板押え部材と、
    前記板押え部材と前記上刃部材との間に介在して前記支持部材に設けられ、前記板材剪断方向と直交方向のみに移動可能なカム部材と、を備え、
    前記カム部材及び前記板押え部材の対向面には、前記上型の下動時で且つ該板押え部材が前記板材上面に当接した後の前記支持部材に対する該板押え部材の上動に伴い、該上動量に対して予め規定された移動比率で前記カム部材を前記板材剪断方向と直交方向で且つ前記下刃から遠ざける方向に移動させるカム面が形成され、
    前記支持部材及び下型の少なくとも一方には、前記上型の下動に伴って前記下型側及び支持部材側の何れか他方に当接して前記板押え部材の上動を規制する規制部が設けられたことを特徴とするプレス装置。
  2. 前記上型には、前記上刃部材を前記カム部材側に付勢する付勢手段が設けられ、
    該カム部材及び上刃部材の対向面には、該上刃部材が前記付勢手段によりカム部材に当接された状態で該上刃部材が前記上型と共に上下動される案内面が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のプレス装置。
  3. 上下方向に弾性力を発現する弾性部材が前記上型と支持部材との間に介装されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス装置。
  4. 前記規制部の当接位置を上下方向に調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプレス装置。
  5. 前記調整手段が、前記支持部材側と下型側との間に介装するシムで構成されることを特徴とする請求項4に記載のプレス装置。
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