JP7357005B2 - 色調最適化された歯科用ミルブランク - Google Patents

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Description

本発明は、三次元座標データに基づいて切削加工機によって歯冠を作製する際に使用される歯科用ミルブランクに関する。
近年、インレー、クラウン等の歯科用補綴物を、コンピューターによって設計し、ミリング装置により切削加工して作製するCAD/CAMシステムを適用させる例が増加している。このようなシステムでは、適当な大きさを有する直方体、円柱、ディスク等の形状のブロック体が供給され、これを切削加工機にセットして削り出すことで歯冠形状や歯列形状の修復物を得る。ブロックの素材としては、ガラスセラミックス、ジルコニア、チタン、アクリル樹脂、ポリマー樹脂と無機フィラーを含む複合材料等、種々の材料が提案されている。
歯冠歯列修復治療では、天然組織の色調に可能な限り近い外観が得られていることが要求される。このような審美的要求を満たすためには、単一成分からなるブロック体を切削して作製するだけでは十分でない場合も多く、これまでにも多層の色調から構成される切削用ブロック体が提案されている(例えば、特許文献1~3)。
特許文献1には、象牙質修復用レジン層とエナメル質修復用レジン層よりなるレジン系ブロックが記載されている。象牙質修復用レジン層のコントラスト比及び光拡散性を規定することで、単純2層構造のブロックにおいても天然歯に類似した色調再現性が達成されるとしている。
また、特許文献2では、3層以上の積層体から構成される歯科用ミルブランクにおいて、最上層と最下層の色度差ΔE*と透明性差ΔΔL*、さらには、隣接する層の色度差ΔE*と透明性差ΔΔL*を規定することにより、より天然歯と同様の色調及び透明性を有する歯科用補綴物が得られることを特徴とする、CAD/CAM用レジンブロックが記載されている。
また、特許文献3では、2層以上の積層体から構成される歯科用ミルブランクにおいて、構成する各層が特定のコントラストと色調の関係を保つことで審美性に優れた歯科切削加工用レジンブロックを得ることができるとしている。
特開2014-161440号公報 国際公開第2018/074605号 特開2017-105764号公報
前述した先行技術は、いずれも歯科用CAD/CAM技術に用いるミルブランク材料の色調に関するものである。しかしながら、これら先行技術では、色調設計に関する技術が未だ不十分であるため、調製した補綴物が口腔内の暗環境にて彩度低下を引き起こし、患者の口腔内に適用した際に隣接歯とマッチしないという課題が残存することに加え、天然歯の有するオパール性も再現できていないことがわかった。そのため、歯科用補綴物に天然歯特有のオパール性を付与するためには、技工士の手によって陶材等を補綴物の上から塗布する等、追加の作業を行わなくてはならないという課題があった。
本発明は、天然歯特有のオパール性と十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を切削加工によって得ることができる、歯科用ミルブランクを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の黒背景での色度の条件を満たし、かつ特定のオパール値を有することで、上記課題を解決する歯科用ミルブランクが得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]無機フィラーを40質量%以上含有し、以下の条件(1)及び(2)を満たす、歯科用ミルブランク。
(1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
(2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
[2]2層以上の積層体から構成され、少なくとも1層が以下の条件(1)及び(2)を満たす、[1]に記載の歯科用ミルブランク。
(1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
(2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
[3]2層以上の積層体から構成され、少なくとも1層が以下の条件(1)及び(2)を満たし、かつ別の少なくとも1層が以下の条件(3)を満たす、[1]又は[2]に記載の歯科用ミルブランク。
(1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
(2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
(3)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-2.0≦a*black≦0.0かつ3.0≦b*black≦16.0である。
[4]前記無機フィラーが、平均粒子径30~700nmの無機フィラーを含む、[1]~[3]のいずれかに記載の歯科用ミルブランク。
[5]さらに無機顔料を含有し、前記無機顔料の含有量が、前記無機フィラー100質量部に対して0.070~0.100質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の歯科用ミルブランク。
[6]無機顔料が3種以上の無機顔料を含む、[5]に記載の歯科用ミルブランク。
[7]前記無機フィラーが、平均粒子径30~180nmの無機フィラーを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の歯科用ミルブランク。
本発明における歯科用ミルブランクによれば、天然歯特有のオパール性と、十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を切削加工によって得ることができる。本発明では、ミルブランクが単層構成においても口腔内の暗環境にて高度な審美性をもつ歯科用補綴物の作製が可能となり、また積層構成とすることで、より天然歯の美観の再現性に優れた歯科用補綴物を作製することが可能となる。
本発明の歯科用ミルブランクは、無機フィラーを40質量%以上含有し、以下の条件(1)及び(2)を満たすことが重要である。
(1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
(2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
一般に、彩度を高めるためには無機フィラーに対する顔料の量を多くすればよいが、顔料を多く含む場合、得られる歯科用補綴物の透明性が低下し、それに伴ってオパール性が低下してしまう。それに対して本発明の歯科用ミルブランクは、彩度の向上とオパール性の発現を両立できる適切な構成を見出したものである。以下に、詳細を説明する。
本発明の歯科用ミルブランクは、厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0であることが重要である(条件(1))。前記条件(1)を満たすことで、歯科用ミルブランクを切削加工して得られる歯科用補綴物が、口腔内の暗環境でも十分に彩度が視認できるものとなる。前記色度は、0.5≦a*black≦2.0、かつ12.0≦b*black≦20.0であることが好ましい。なお、本発明における色度は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の歯科用ミルブランクは、厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上であることが重要である(条件(2))。該オパール値は、L*a*b*表色系による色度である、白背景上で測色したa*white値、b*white値、及び黒背景上で測色したa*black値、b*black値を用いて、以下の式により定義される。
(オパール値)={(a*white-a*black+(b*white-b*black1/2
天然歯のエナメル質はオパール値が22.9であることが知られており、前記条件(2)を満たすことで、歯科用ミルブランクを切削加工して得られる歯科用補綴物が、天然歯(特に切端部)特有のオパール性を有する高度に審美なものとなる。オパール性とは、オパール効果を有することを意味し、オパール効果とはオパールと同じ特異な可視光の光散乱効果を意味する。より具体的には、物質中に光の波長に近似の大きさを有する粒子が存在し、その粒子が可視光の短波長領域を散乱することにより、物体の透過光が黄色味を帯び、散乱光が青みを帯びることをいう。該オパール値は天然歯のエナメル質が示す22.9の値に近いことが好ましく、具体的には、17.9以上25.0以下であることが好ましい。上限値については、効果を予想する限り特に限定されるものではない。なお、本発明におけるオパール値は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
前述のように、本発明の歯科用ミルブランクは、無機フィラーを40質量%以上含むものであって、前記条件(1)及び(2)を満たすことが重要であるが、例えば次のような製造方法により得ることができる。無機顔料を含む無機フィラーを金型内でプレス成形(乾式成形)し、その成形体を、重合開始剤を含む重合性単量体と接触させた後、重合硬化させることで得ることができる。あるいは、別の製造方法として、無機フィラー、重合性単量体、重合開始剤、及び無機顔料を主成分として混合したペースト状物を調製し、所望の形状の金型中で該ペースト状物を重合硬化させることでも得ることができる。以下に、本発明の歯科用ミルブランクに用いることができるそれらの各成分について記述する。
本発明に用いられる無機フィラーは、得られる歯科用ミルブランクの強度の観点から、歯科用ミルブランクの総質量において40質量%以上であることが重要であり、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上であってもよい。また、本発明の歯科用ミルブランクにおいて、無機フィラーの含有量は、歯科用ミルブランクの総質量において、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%であってもよい。無機フィラーの含有量の測定方法は、公知の方法を用いることができるが、例えば、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
前記無機フィラーは、平均粒子径30~700nmのナノフィラーを含むことが好ましい。平均粒子径が小さいほど、光の散乱が大きくなり、歯科用補綴物とした際に高いオパール性が発現する。平均粒子径は30~180nmであることがより好ましく、30~100nmであることがさらに好ましい。該平均粒子径が前記範囲であることにより、得られる歯科用ミルブランクが前記条件(2)を満たすように調整することができ、天然歯特有のオパール性を有する歯科用補綴物を得ることができる。ある実施形態の歯科用ミルブランクとしては、無機フィラーが平均粒子径30~700nmのナノフィラーからなることが好ましく、無機フィラーが平均粒子径30~180nmのナノフィラーからなることがより好ましく、無機フィラーが平均粒子径30~100nmのナノフィラーからなることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、無機フィラーの平均粒子径とは、フィラーの一次粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)を意味し、レーザー回折散乱法や粒子の電子顕微鏡観察により求めることができる。具体的には、100nm以上の粒子の平均粒子径の測定にはレーザー回折散乱法が、100nm未満の超微粒子の平均粒子径の測定には電子顕微鏡観察が簡便である。100nmはレーザー回折散乱法により測定した値である。レーザー回折散乱法は、例えば、レーザー回折式粒子径分布測定装置(SALD-2300:株式会社島津製作所製)により、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒に用いて測定することができる。電子顕微鏡観察は、例えば、粒子の走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S-4000型)写真を撮り、その写真の単位視野内に観察される粒子(200個以上)の粒子径を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(Mac-View、株式会社マウンテック製)を用いて測定することにより求めることができる。このとき、粒子の粒子径は、粒子の最長の長さと最短の長さの算術平均値として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均一次粒子径が算出される。
前記無機フィラーは、本発明の効果を奏する限りその種類は限定されず、公知の無機粒子を用いることができる。具体的には、例えば、各種ガラス類(二酸化珪素(石英、石英ガラス、シリカゲル等)又は珪素を主成分とし、各種重金属とともにホウ素及び/又はアルミニウムを含有するもの)、アルミナ、各種セラミック類、珪藻土、カオリン、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、活性白土、合成ゼオライト、マイカ、シリカ、フッ化カルシウム、フッ化イッテルビウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン、ヒドロキシアパタイト等の従来公知のものが使用できる。また、無機フィラーは、前記無機粒子に重合性単量体を予め添加してペースト状にした後、重合硬化させ、粉砕して得られる有機無機複合粒子(有機無機複合フィラー)を含んでもよい。無機フィラーとしては、前記無機粒子又は前記有機無機複合粒子を1種単独で又は2種以上の組み合わせで用いることができる。
また、前記無機フィラーとして、予め表面処理が施された無機粒子を用いることができる。無機粒子に表面処理剤で表面処理を施すことで、プレス成形の際に成形密度を向上させ、ミルブランクの強度を向上させたり、重合性単量体との馴染みが向上して、無機フィラーと重合性単量体の組成物がペースト状になりやすくなる。前記表面処理剤としては、公知の表面処理剤を用いることができ、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物、及びリン酸基、ピロリン酸基、チオリン酸基、ホスホン酸基、スルホン酸基、カルボン酸基等の酸性基を少なくとも1個有する酸性基含有有機化合物を用いることができる。2種以上の表面処理剤を使用する場合は、2種以上の表面処理剤の混合物の表面処理層としてもよいし、表面処理層は複数の表面処理層を積層した複層構造としてもよい。また、表面処理方法としては、特に制限なく公知の方法を用いることができる。
有機ケイ素化合物としては、具体的には、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ω-(メタ)アクリロキシアルキルトリメトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3~12、例、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等〕、ω-(メタ)アクリロキシアルキルトリエトキシシラン〔(メタ)アクリロキシ基とケイ素原子との間の炭素数:3~12、例、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等〕等が挙げられる。なお、本発明において「(メタ)アクリロキシ」との表記は、メタクリロキシとアクリロキシの両者を包含する意味で用いられる。
本発明の無機フィラーは、無機顔料を含むことが好ましい。該無機顔料としては、本発明の効果を奏する限り、歯科用補綴物に用いられている公知の顔料がなんら制限なく用いられる。かかる無機顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、バリウム黄等のクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;銀朱、カドミウム黄、硫化亜鉛、アンチモン白、カドミウムレッド等の硫化物;硫酸バリウム、硫酸亜鉛、硫酸ストロンチウム等の硫酸塩;亜鉛華、酸化チタン、酸化鉄赤(ベンガラ)、酸化鉄黒、酸化鉄黄、酸化クロム等の酸化物;水酸化アルミニウム等の水酸化物;ケイ酸カルシウム、群青等のケイ酸塩;カーボンブラック、グラファイト等の炭素等が挙げられる。これらの顔料は1種単独で用いてもよく、2種以上の組み合わせで用いることができ、歯科用ミルブランクの目的とする色調に応じて適宜選択される。これらの顔料の中でも、耐熱性或いは耐光性等に優れる無機顔料である酸化チタン、ベンガラ、酸化鉄黒及び酸化鉄黄等が、本発明の歯科用ミルブランクには特に好ましい。ある好適な実施形態としては、無機フィラーを40質量%以上含有し、さらに3種以上の無機顔料を含有し、前記条件(1)及び(2)を満たす歯科用ミルブランクが挙げられる。他の好適な実施形態としては、無機フィラーを40質量%以上含有し、さらに4種の無機顔料を含有し、前記条件(1)及び(2)を満たす歯科用ミルブランクが挙げられる。
前記無機顔料の含有量は、歯科用ミルブランクの総質量において0.028~0.070質量%であることが好ましく、より好ましくは0.028~0.060質量%である。また、前記無機顔料の含有量は、無機フィラー100質量部(総量)に対して0.070~0.100質量部であることが好ましく、0.070~0.085質量部であることがより好ましい。該含有量を前記範囲であることにより、得られる歯科用ミルブランクが前記条件(1)を満たすように調整することができ、十分な彩度を有する歯科用補綴物を得ることができる。歯科用ミルブランクが、例えば、2層以上の積層体の場合、少なくとも1層において、無機顔料の含有量が前記範囲を満たしていればよい。
前記無機フィラーが前記無機顔料を含む場合、無機フィラーと粒子状の無機顔料を均一に混合分散して用いることができる。無機フィラーと無機顔料を均一に混合分散させる方法としては、公知の粉末の混合分散方法がなんら制限なく用いられ、乾式法でも湿式法でもいずれの方法でもよい。それぞれの粒子をより均一に混合分散させるためには溶媒の存在下で無機フィラーと無機顔料を分散させ、その後に溶剤を除去又は留去する方法が好ましい。分散は当該分野の公知の方法を採用して行うことができる。例えば、サンドミル、ビーズミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、超音波破砕機、ホモミキサー、ディゾルバー、ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。分散条件は、無機フィラー若しくは無機顔料の粒子径の大きさ及び仕込量、溶媒の種類及び添加量、又は分散機の種類等により異なるが、それら粒子の分散状況に応じて分散時間、撹拌具及び回転数等の分散条件を適宜選択することができる。湿式分散に用いる溶媒としては、水及び/又は水と相溶する溶剤が好ましい。前記溶剤としては、アルコール類(例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール)、エーテル類、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)等が挙げられる。溶媒の留去方法としては、ロータリーエバポレーターを用いた減圧留去、あるいはスプレードライヤーを用いた乾燥方法どちらも選択可能であるが、量産の観点からスプレードライヤーを用いた乾燥方法が好ましい。
重合性単量体について以下に説明する。本発明の重合性単量体としては、歯科用コンポジットレジン等に使用される公知の重合性単量体が何ら制限なく用いられるが、一般には、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。ラジカル重合性単量体の具体例としては、α-シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α-ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル類、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ-N-ビニル誘導体、スチレン誘導体等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリルアミド誘導体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。なお、本発明において「(メタ)アクリル」との表記は、メタクリルとアクリルの両者を包含する意味で用いられる。(メタ)アクリレート系重合性単量体及び(メタ)アクリルアミド誘導体系の重合性単量体の例を以下に示す。
(I)一官能性(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド誘導体
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3-ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド、10-メルカプトデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(II)二官能性(メタ)アクリレート
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-〔3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-〔3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン(通称「Bis-GMA」)、2,2-ビス〔4-(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、1,2-ビス〔3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ〕エタン、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、[2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(通称「UDMA」)、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1,5-ペンチルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(III)三官能性以上の(メタ)アクリレート
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2-(アミノカルボキシ)プロパン-1,3-ジオール〕テトラ(メタ)アクリレート、1,7-ジアクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラアクリロイルオキシメチル-4-オキサヘプタン等が挙げられる。
また、これらの(メタ)アクリル酸エステル系及び(メタ)アクリルアミド誘導体系の重合性単量体の他に、カチオン重合可能な、オキシラン化合物やオキセタン化合物も好適に用いられる。前記重合性単量体は、いずれも、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明で用いられる重合性単量体は液体状であることが好ましいが、必ずしも常温で液体状である必要はなく、さらに、固体状の重合性単量体であっても、液体状の、その他の重合性単量体と混合溶解させて使用することができる。重合性単量体の好ましい粘度範囲(25℃での測定値)は10Pa・s以下、より好ましくは5Pa・s以下、さらに好ましくは2Pa・s以下であるが、2種以上の重合性単量体を混合溶解したり、或いはさらに溶剤を希釈して用いる場合は、上記重合性単量体の粘度は、個々の重合性単量体が、該粘度範囲である必要は無く、混合溶解して使用する組成物の状態において、該粘度範囲であることが好ましい。
次に、重合性単量体を重合硬化して重合体を得るために使用される重合開始剤について説明する。重合開始剤は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。このような重合開始剤としては、加熱重合開始剤、光重合開始剤及び化学重合開始剤が挙げられる。重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
加熱重合開始剤としては、有機過酸化物とアゾ化合物等が挙げられる。前記有機過酸化物としては、ケトンペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシケタール、ペルオキシエステル、ペルオキシジカーボネート等が挙げられる。前記ケトンペルオキシドとしては、メチルエチルケトンペルオキシド、メチルイソブチルケトンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド及びシクロヘキサノンペルオキシド等が挙げられる。前記ヒドロペルオキシドとしては、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t-ブチルヒドロペルオキシド及び1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。
前記ジアシルペルオキシドとしては、アセチルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド及びラウロイルペルオキシド等が挙げられる。
前記ジアルキルペルオキシドとしては、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-3-ヘキシン等が挙げられる。前記ペルオキシケタールとしては、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)オクタン及び4,4-ビス(t-ブチルペルオキシ)バレリックアシッド-n-ブチルエステル等が挙げられる。
前記ペルオキシエステルとしては、α-クミルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシピバレート、2,2,4-トリメチルペンチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルペルオキシイソフタレート、ジ-t-ブチルペルオキシヘキサヒドロテレフタラート、t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシベンゾエート及びt-ブチルペルオキシマレイックアシッド等が挙げられる。
前記ペルオキシジカーボネートとしては、ジ-3-メトキシペルオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルペルオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)ペルオキシジカーボネート及びジアリルペルオキシジカーボネート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルペルオキシドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルペルオキシドがより好ましく用いられる。
前記アゾ化合物としては、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(イソブチレート)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド等が挙げられる。
光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキシド類、α-ジケトン類、クマリン類等が挙げられる。
前記(ビス)アシルホスフィンオキシド類のうち、アシルホスフィンオキシド類としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6-ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキシド、2,3,5,6-テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジ(2,6-ジメチルフェニル)ホスホネート、及びこれらの塩等が挙げられる。ビスアシルホスフィンオキシド類としては、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-4-プロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジクロロベンゾイル)-1-ナフチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,5-ジメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,5,6-トリメチルベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、及びこれらの塩等が挙げられる。これら(ビス)アシルホスフィンオキシド類の中でも、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド及び2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシドナトリウム塩が好ましい。
前記α-ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ベンジル、カンファーキノン、2,3-ペンタジオン、2,3-オクタジオン、9,10-フェナントレンキノン、4,4’-オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。この中でも、カンファーキノンが好適である。
前記クマリン類としては、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)、3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-チエノイルクマリン、3-ベンゾイル-5,7-ジメトキシクマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-6-メトキシクマリン、3-ベンゾイル-8-メトキシクマリン、3-ベンゾイルクマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3,5-カルボニルビス(7-メトキシクマリン)、3-ベンゾイル-6-ブロモクマリン、3,3’-カルボニルビスクマリン、3-ベンゾイル-7-ジメチルアミノクマリン、3-ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3-カルボキシクマリン、3-カルボキシ-7-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-6-メトキシクマリン、3-エトキシカルボニル-8-メトキシクマリン、3-アセチルベンゾ[f]クマリン、7-メトキシ-3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-(p-ニトロベンゾイル)クマリン、3-ベンゾイル-6-ニトロクマリン、3-ベンゾイル-7-ジエチルアミノクマリン、7-ジメチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノ)クマリン、7-メトキシ-3-(4-メトキシベンゾイル)クマリン、3-(4-ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3-(4-エトキシシンナモイル)-7-メトキシクマリン、3-(4-ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3-(4-ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3-[(3-ジメチルベンゾチアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3-[(1-メチルナフト[1,2-d]チアゾール-2-イリデン)アセチル]クマリン、3,3’-カルボニルビス(6-メトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-アセトキシクマリン)、3,3’-カルボニルビス(7-ジメチルアミノクマリン)、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジブチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾイミダゾリル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジオクチルアミノ)クマリン、3-アセチル-7-(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)、3,3’-カルボニル-7-ジエチルアミノクマリン-7’-ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10-[3-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1-オキソ-2-プロペニル]-2,3,6,7-テトラヒドロ-1,1,7,7-テトラメチル-1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン、10-(2-ベンゾチアゾリル)-2,3,6,7-テトラヒドロ-1,1,7,7-テトラメチル-1H,5H,11H-[1]ベンゾピラノ[6,7,8-ij]キノリジン-11-オン等の特開平9-3109号公報、特開平10-245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。
上述のクマリン類の中でも、3,3’-カルボニルビス(7-ジエチルアミノクマリン)及び3,3’-カルボニルビス(7-ジブチルアミノクマリン)が好適である。
これらの光重合開始剤の中でも、歯科用硬化性組成物に広く使われている(ビス)アシルホスフィンオキシド類、α-ジケトン類、及びクマリン類からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
また、かかる光重合開始剤は、必要に応じて、さらに重合促進剤と組み合わせることで、光重合をより短時間で効率的に行うことができる場合がある。
光重合開始剤に好適な重合促進剤としては、主として第3級アミン、アルデヒド類、チオール基を有する化合物、スルフィン酸及びその塩等が挙げられる。
第3級アミンとしては、例えば、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-4-エチルアニリン、N,N-ジメチル-4-イソプロピルアニリン、N,N-ジメチル-4-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチル-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-エチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジイソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸(2-メタクリロイルオキシ)エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸ブチル、N-メチルジエタノールアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N-メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N-エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート等が挙げられる。
アルデヒド類としては、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。チオール基を有する化合物としては、2-メルカプトベンゾオキサゾール、デカンチオール、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、チオ安息香酸等が挙げられる。
スルフィン酸及びその塩としては、例えば、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸カリウム、ベンゼンスルフィン酸カルシウム、ベンゼンスルフィン酸リチウム、p-トルエンスルフィン酸、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸カリウム、p-トルエンスルフィン酸カルシウム、p-トルエンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリメチルベンゼンスルフィン酸リチウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリエチルベンゼンスルフィン酸カルシウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸カルシウム等が挙げられる。
化学重合開始剤としては、有機過酸化物及びアミン類;有機過酸化物、アミン類及びスルフィン酸(又はその塩)系等のレドックス系重合開始剤が好ましく用いられる。レドックス系重合開始剤を使用する場合、酸化剤と還元剤が別々に包装された包装形態をとり、使用する直前に両者を混合する必要がある。レドックス系重合開始剤の酸化剤としては、有機過酸化物が挙げられる。レドックス系重合開始剤の酸化剤として有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。具体的には、前記加熱重合開始剤で例示した有機過酸化物が挙げられる。
これらの有機過酸化物の中でも、安全性、保存安定性及びラジカル生成能力の総合的なバランスから、ジアシルペルオキシドが好ましく用いられ、その中でもベンゾイルペルオキシドがより好ましく用いられる。
レドックス系重合開始剤の還元剤としては、通常、芳香環に電子吸引性基を有しない第3級芳香族アミンが用いられる。芳香環に電子吸引性基を有しない第3級芳香族アミンとしては、例えば、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-m-トルイジン、N,N-ジエチル-p-トルイジン、N,N-ジメチル-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ジメチル-4-エチルアニリン、N,N-ジメチル-4-イソプロピルアニリン、N,N-ジメチル-4-t-ブチルアニリン、N,N-ジメチル-3,5-ジ-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,4-ジメチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-エチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-イソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-4-t-ブチルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジイソプロピルアニリン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-3,5-ジ-t-ブチルアニリンが挙げられる。
化学重合開始剤は、必要に応じて、さらに重合促進剤を組み合わせて使用してもよい。化学重合開始剤の重合促進剤は、一般工業界で使用されている重合促進剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合促進剤が好ましく用いられる。また、重合促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。具体的には、アミン類、スルフィン酸及びその塩、銅化合物、スズ化合物等が挙げられる。
化学重合開始剤の重合促進剤として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香環に電子吸引性基を有する芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンとしては、例えば、n-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N-メチルエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-n-ブチルジエタノールアミン、N-ラウリルジエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N-メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N-エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミン等が挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN-メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
また、化学重合開始剤の重合促進剤として用いられる芳香環に電子吸引性基を有する第3級芳香族アミンとしては、例えば、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸メチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸n-ブトキシエチル、4-N,N-ジメチルアミノ安息香酸2-(メタクリロイルオキシ)エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-p-トルイジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸エチル、4-(N,N-ジメチルアミノ安息香酸)n-ブトキシエチル及び4-(N,N-ジメチルアミノ)ベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
重合促進剤として用いられるスルフィン酸及びその塩としては、上記した光重合開始剤の重合促進剤として例示したものが挙げられ、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルフィン酸ナトリウムが好ましい。
重合促進剤として用いられる銅化合物としては、例えば、アセチルアセトン銅、酢酸第2銅、オレイン酸銅、塩化第2銅、臭化第2銅等が好適に用いられる。
重合促進剤として用いられるスズ化合物としては、例えば、ジ-n-ブチル錫ジマレエート、ジ-n-オクチル錫ジマレエート、ジ-n-オクチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫ジラウレート等が挙げられる。特に好適なスズ化合物は、ジ-n-オクチル錫ジラウレート及びジ-n-ブチル錫ジラウレートである。
これらのなかでも、光重合開始剤と加熱重合開始剤を併用することが好ましく、(ビス)アシルホスフィンオキシド類とジアシルペルオキシドの組合せがより好ましい。
重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点から、重合性単量体100質量部(総量)に対して、0.001~30質量部が好ましい。重合開始剤の含有量が重合性単量体100質量部に対して、0.001質量部以上の場合、重合が十分に進行して機械的強度の低下を招くおそれがなく、より好適には0.05質量部以上であり、さらに好適には0.1質量部以上である。一方、重合開始剤の含有量が、重合性単量体100質量部に対して、30質量部以下であると、重合開始剤自体の重合性能が低い場合にでも十分な機械的強度が得られ、さらには組成物からの析出を招くおそれがなく、より好適には20質量部以下である。
本発明の歯科用ミルブランクのサイズは、市販の歯科用CAD/CAMシステムにセットできるような適当な大きさに加工されることが望ましい。望ましいサイズの例としては、例えば、一歯欠損ブリッジの作製に適当な40mm×20mm×15mmの角柱状;インレー、オンレーの作製に適当な17mm×10mm×10mmの角柱状;フルクラウンの作製に適当な、14mm×18mm×20mm、10mm×12mm×15mm若しくは14.5mm×14.5mm×18mmの角柱状;ロングスパンブリッジ、義歯床の作製に適当な、直径100mm、厚さが10~28mmの円盤状等が挙げられるが、これらのサイズに限定されるものではない。
本発明の歯科用ミルブランクは、単層であっても2層以上の積層体から構成されていてもよいが、口腔内の暗環境にてより高度な審美性が得られることから積層構造とすることが好ましい。本発明の歯科用ミルブランクが2層以上の積層体から構成される場合、少なくとも1層が前記条件(1)及び(2)を満たすことが好ましい。これにより、天然歯特有のオパール性と、十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を切削加工によって得ることができる。
また、本発明の歯科用ミルブランクが2層以上の積層体から構成される場合、少なくとも1層が前記条件(1)及び(2)を満たし、かつ別の少なくとも1層が以下の条件(3)を満たすことが好ましい。
(3)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-2.0≦a*black≦0.0かつ3.0≦b*black≦16.0である。
別の少なくとも1層が前記条件(3)を満たすことにより、条件(1)及び(2)を満たす層と組み合わせた場合に、歯科用ミルブランクを切削加工して得られる歯科用補綴物の、特に、切端部の美観を、より天然歯の美観に近づけることができ、これにより、天然歯特有のオパール性と、十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を切削加工によって得ることができる。該別の少なくとも1層の色度は、-1.7≦a*black≦-0.8かつ5.0≦b*black≦13.0であることが好ましい。このような2層以上の積層体から構成され、少なくとも1層が前記条件(1)及び(2)を満たし、かつ別の少なくとも1層が前記条件(3)を満たす歯科用ミルブランクは、切端部の美観を、より天然歯の美観に近づけることができる点から、前歯(中切歯、側切歯、犬歯)用補綴物とすることが好ましい。
少なくとも1層が前記条件(1)及び(2)を満たすための各成分の好ましい条件(無機顔料の種類及び含有量、並びに、無機フィラーの種類及び含有量、平均粒子径等)は前述と同様である。一方、別の少なくとも1層が前記条件(3)を満たすには、例えば、該別の少なくとも1層における無機顔料の含有量が、無機フィラー100質量部(総量)に対して0.050~0.070質量部であることが好ましく、0.057~0.064質量部であることがより好ましい。
ある好適な実施形態としては、色調再現性に優れる点から、前記条件(1)及び(2)を満たす層の前記条件(1)のa*black及びb*blackが、前記条件(3)を満たす別の層の前記条件(3)のa*black及びb*blackより大きい歯科用ミルブランクが挙げられる。
本発明の歯科用ミルブランクが2層以上の積層体から構成される場合の製造方法としては、異なる色度を有する無機フィラーを積層し、加圧圧縮した成形体を、重合性単量体と接触させたのち、硬化させる方法(プレス含浸法)や、無機フィラーと重合性単量体を混ぜ合わせた、異なる色度を有するペーストを積層し、硬化させる方法が挙げられる。
本発明の歯科用ミルブランクは、本発明の効果を損なわない限り他の成分を含んでいてもよく、例えば、有機蛍光剤として、2,5-ジヒドロキシテレフタル酸ジエチル等や、安定剤として、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等を含有していてもよい。該他の成分の含有量としては、歯科用ミルブランクの総質量において、0.006質量%以下であることが好ましく、0.003質量%以下であることがより好ましい。
本発明の歯科用ミルブランクを切削加工することによって、天然歯特有のオパール性と、十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を提供することができる。歯科用補綴物としては、例えば、インレー、オンレー、ベニア、クラウン、ブリッジ等の歯冠修復物の他、支台歯、歯科用ポスト、義歯、義歯床、インプラント部材(フィクスチャー、アバットメント)等が挙げられる。また、切削加工は、例えば市販の歯科用CAD/CAMシステムを用いて行うことが好ましく、かかるCAD/CAMシステムの例としては、シロナデンタルシステムズ株式会社製のCERECシステム、クラレノリタケデンタル株式会社製の「カタナ(登録商標)システム」が挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想の範囲内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
(無機フィラー含有量(質量%)の測定)
無機フィラー含有量は、得られたミルブランクを、電気炉等で高温加熱し、有機成分が除かれる前後における質量変化量(強熱残分)にて確認することができる。具体的に本実施例においては、白金るつぼを精秤し(m1)、サンプル約1gを白金るつぼに採取し、精秤した(m2)。その後、575±25℃の電気炉中で60±3分間強熱し、白金るつぼを電気炉から取り出し、デシケーター中で30分間放冷し、精秤した(m3)後、次式により強熱残分値を求めた。
強熱残分(%)=(m3-m1)/(m2-m1)×100
(色度、オパール値測定)
後述の実施例及び比較例で得られた14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状の歯科用ミルブランクから14.5mm×18.0mm、厚さ1.6mmの色度板を、ダイヤモンドカッター(ISOMET-1000)を用いて切り出し、耐水研磨紙(#1000、#2000、#3000)を用いて厚さ1.20±0.01mmに仕上げ、試験片とした(n=1)。研磨後の板状物である試験片を、分光測色計(CM-3610A:コニカミノルタ株式会社製、D65光源、幾何条件c(di:8°、de:8°)、拡散照明:8°受光、測定モードSCI、測定径/照明径=φ8mm/φ11mm)により、白背景でのL*a*b*値(JIS Z 8781-4:2013 測色-第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間)を測定した。また黒背景でも同様の測色を行い、以下のように白背景と黒背景の彩度差Δa*、及びオパール値等を算出した。白背景とは、標準白色板(L*=98.68、a*=-0.07、b*=-0.31)を下敷きとして試験片の背景を白色にして(試験片に対して測定装置と反対側を白色にして)測定することを意味し、黒背景とは、標準黒色板(L*=25.64、a*=-0.19、b*=-0.80)を下敷きとして試験片の背景を黒色にして(試験片に対して測定装置と反対側を黒色にして)測定することを意味する。なお、歯科用ミルブランクが2層以上の積層体の場合、各層について、前記色度板を得た。
ΔL*=L*black-L*white
Δa*=a*black-a*white
Δb*=b*black-b*white
(オパール値)={(a*white-a*black+(b*white-b*black1/2
但し、L*white、a*white、及びb*whiteは白背景での測色結果を意味し、L*black、a*black、及びb*blackは黒背景での測色結果を意味する。
(歯科用補綴物の色調再現性、オパール性評価、審美性評価)
後述の実施例及び比較例で得られた歯科用ミルブランクを歯科用CAD/CAM切削加工機「DWX-51D」(ローランド ディー.ジー.株式会社製)により切削加工し、上顎右側第一前歯クラウンを作製した(n=1)。作製したクラウンを口腔内に試適し、5人が目視観察して歯科用補綴物としての色調再現性とオパール性とを評価し、それらの総合的な評価として審美性の評価を次の基準により行った。
色調再現性の評価は、試適した歯科用補綴物についてVITAシェードガイドを用いて行った。色調再現性が良好と評価した目視観察者の人数が、5人中5人の場合を「◎:色調再現性が非常に良好」、4人の場合を「○:色調再現性が良好」、3人の場合を「△:色調再現性が許容される程度」、2人以下の場合を「×:色調再現性不良」とした。
オパール性の評価は、試適した歯科用補綴物に青白っぽさを感じると評価した目視観察者の人数が、5人中4人以上の場合を「○:オパール性良好」、3人以下の場合を「×:オパール性なし」とした。
審美性の評価は、色調再現性が非常に良好であり、オパール性も良好であった場合を「◎:審美的に非常に優れている」とし、色調再現性、オパール性ともに良好であった場合、あるいは、色調再現性が許容される程度で、かつオパール性が良好であった場合を「○:審美的に優れている」とし、それ以外を「×:審美的に改善の余地あり」とした。
〔無機フィラーの製造例〕
市販の超微粒子シリカ(日本アエロジル株式会社製、アエロジル(登録商標)OX 50、平均一次粒子径:40nm、屈折率:1.46、BET比表面積:50m/g)30gを水120mLに分散し、分散液とした。この分散液に、あらかじめ、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5gと水15mL及び酢酸0.108gを撹拌させた溶液を加え、1時間室温で撹拌した。次いで、無機顔料(日局酸化チタン、酸化鉄黒、酸化鉄赤(ベンガラ)、酸化鉄黄)を表1に記載の投入量で加え、室温で10分撹拌した。前記溶液から溶媒を減圧留去し、さらに90℃3時間乾燥した。このような表面処理によって、表面処理された無機フィラーA~G、J、K、N、O、Pを得た。なお、無機顔料の投入量は、所望のシェードに合わせて調整した。また、積層構造とする際の中間層に用いる無機フィラーとして、無機フィラーH、Iは、無機フィラーGとJをそれぞれ2:1、1:2の質量比で乾式混合して作製した。同様に、無機フィラーL,Mは、無機フィラーKとNをそれぞれ2:1、1:2の質量比で乾式混合して作製した。
また、市販のバリウムボロアルミノシリケートガラス粉末(ショット社製、GM27884、(登録商標)UF2.0、平均粒子径:2.0μm、破砕状)30gを水120mLに分散し、上記と同様の方法で表面処理することにより、無機フィラーQ、R、Tを得た。また、無機フィラーSは、無機フィラーRとTを1:1の質量比で乾式混合して作製した。
〔重合性単量体含有組成物の製造例〕
[2,2,4-トリメチルヘキサメチレンビス(2-カルバモイルオキシエチル)]ジメタクリレート(UDMA)70質量部及びトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)30質量部に、加熱重合開始剤でもあるベンゾイルペルオキシド1.5質量部を溶解させて、重合性単量体含有組成物(m)を調製した。
[実施例1]
無機フィラーAを、4.5g、14.5×18.0mmの長方形のプレス用金型の下パンチ棒の上に敷いた。タッピングにより無機フィラーAをならした後に、上パンチ棒を所定の位置に設置し、プレス機を用いて一軸プレス(プレス圧60MPa(16kN)、時間は1分間)を行った。上パンチ及び下パンチを金型から外し、単層の成形体を取り出した。その後、該成形体をポリエチレン製の袋体の内部に設置し、重合性単量体含有組成物(m)を袋体の内部に導入し、袋体内部を減圧することによって、該成形体に重合性単量体含有組成物(m)を含浸させた。減圧下、室温で1日間静置した後、次に、熱風乾燥機を用いて55℃18時間加熱後、さらに110℃で3時間加熱処理を行って、重合性単量体を重合させて、目的とする単層の歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、60質量%であった。
[実施例2、3]
無機フィラーAの代わりに無機フィラーB、Cをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様の方法にて、単層の歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、いずれも14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、60質量%であった。
[実施例4]
重合性単量体含有組成物(m)3.8gに、無機フィラーDを6.2g練りこみながら少しずつ加えていき、ペースト状物を作製し、それを14.5mm×14.5mm×18mmのテフロン(登録商標)製の収納容器を用い、14.5mm×18mmの面に対して、ペースト状物を厚さ15mmまで充填した。その後、容器内で50℃24時間加熱重合させ、続いて110℃12時間加熱重合させた。重合工程終了後、容器から取り出して、目的とする単層の歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、61質量%であった。
[実施例5]
重合性単量体含有組成物(m)3.8gに、無機フィラーE及びFを、それぞれ6.2gを練りこみながら少しずつ加えていき、ペースト状物1及び2をそれぞれ作製した。14.5mm×14.5mm×18mmのテフロン(登録商標)製の収納容器を用い、14.5mm×18mm面に対して、ペースト状物1を厚さ7.5mmまで充填した。さらにその上に、ペースト状物2を厚さ7.5mmで充填し、容器に収容された重合前の積層体を得た。その後、容器内で50℃24時間加熱重合させ、続いて110℃12時間加熱重合させた。重合工程終了後、容器から取り出して、目的とする2層の積層体から構成された歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、61質量%であった。
[実施例6]
無機フィラーG、H、I、及びJを、各1.1g、14.5×18.0mmの長方形のプレス用金型の下パンチ棒の上に4層の積層構造となるように順次敷いた。タッピングにより無機フィラーG、H、I、及びJをならした後に、上パンチ棒を所定の位置に設置し、プレス機を用いて一軸プレス(プレス圧60MPa(16kN)、時間は1分間)を行った。上パンチ及び下パンチを金型から外し、4層の成形体を取り出した。その後、該成形体をポリエチレン製の袋体の内部に設置し、重合性単量体含有組成物(m)を袋体の内部に導入し、袋体内部を減圧することによって、該成形体に重合性単量体含有組成物(m)を含浸させた。減圧下、室温で1日間静置した後、次に、熱風乾燥機を用いて55℃18時間加熱後、さらに110℃で3時間加熱処理を行って、重合性単量体を重合させて、目的とする4層の積層体から構成された歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、59質量%であった。
[実施例7]
無機フィラーG、H、I、及びJの代わりに無機フィラーK、L、M、及びNを用いた以外は実施例6と同様の方法で、目的とする4層の積層体から構成された歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、59質量%であった。
[比較例1、2]
無機フィラーAの代わりに無機フィラーO、Pをそれぞれ用いた以外は実施例1と同様の方法にて、単層の歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、60質量%であった。
[比較例3]
無機フィラーDの代わりに無機フィラーQを用い、重合性単量体含有組成物(m)2.8gに、無機フィラーQを7.2g練りこみながら少しずつ加えていき、ペースト状物を作製した以外は、実施例4と同様の方法にて、単層の歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、71質量%であった。
[比較例4]
無機フィラーG、H、I、及びJの代わりに無機フィラーR、S、Tを用いて、層の数を3層とし、各無機フィラーを2.0gずつ積層したこと以外は実施例6と同様の方法で、目的とする3層の積層体から構成された歯科用ミルブランクを得た。得られた歯科用ミルブランクは、14.5mm×18.0mm×14.5mmの角柱状であり、強熱残分値は、70質量%であった。
Figure 0007357005000001
Figure 0007357005000002
実施例1~7と比較例1~4を対比することにより、黒背景での彩度(a*black,b*black)が高い(a*≧-0.5、b*≧12)ものは口腔内での色調再現性がよく、オパール値が大きいもの(17.5以上)がオパール性の観点でも優れることが分かり、各条件を同時に満たす本発明の歯科用ミルブランクは、審美性に優れるという結果となった。
本発明によれば、天然歯特有のオパール性と、十分な彩度を兼ね備えた、高度に審美な歯科用補綴物を切削加工によって得ることができる。本発明では、ミルブランクが単層構成においても、口腔内の暗環境にて高度な審美性をもつ歯科用補綴物の作製が可能となり、積層構成とすることで、より天然歯の美観の再現性に優れた歯冠修復物を作製することが可能となる。

Claims (7)

  1. 無機フィラーを40質量%以上含有し、以下の条件(1)及び(2)を満たし、
    前記無機フィラーが、平均粒子径30~700nmの無機フィラーを含む、歯科用ミルブランク。
    (1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
    (2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
  2. 2層以上の積層体から構成され、少なくとも1層が以下の条件(1)及び(2)を満たす、請求項1に記載の歯科用ミルブランク。
    (1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
    (2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
  3. 2層以上の積層体から構成され、少なくとも1層が以下の条件(1)及び(2)を満たし、かつ別の少なくとも1層が以下の条件(3)を満たす、請求項1又は2に記載の歯科用ミルブランク。
    (1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a*black≦2.5かつ12.0≦b*black≦25.0である。
    (2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
    (3)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-2.0≦a*black≦0.0かつ3.0≦b*black≦16.0である。
  4. さらに無機顔料を含有し、前記無機顔料の含有量が、前記無機フィラー100質量部に対して0.070~0.100質量部である、請求項1~のいずれか1項に記載の歯科用ミルブランク。
  5. 無機顔料が3種以上の無機顔料を含む、請求項に記載の歯科用ミルブランク。
  6. 前記無機フィラーが、平均粒子径30~180nmの無機フィラーを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の歯科用ミルブランク。
  7. 歯科用ミルブランクの製造方法であって、
    無機顔料を含む無機フィラーを金型内でプレス成形し、得られた成形体を、重合開始剤を含む重合性単量体と接触させた後、重合硬化させる工程、又は
    無機フィラー、重合性単量体、重合開始剤、及び無機顔料を含むペースト状物を調製し、所望の形状の金型中で該ペースト状物を重合硬化させる工程を含み、
    前記無機フィラーが、平均粒子径30~700nmの無機フィラーを含み、
    前記歯科用ミルブランクが無機フィラーを40質量%以上含有し、
    以下の条件(1)及び(2)を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載の歯科用ミルブランクの製造方法。
    (1)厚さ1.20±0.01mmの試験片のL*a*b*表色系による黒背景での色度が、-0.5≦a* black ≦2.5かつ12.0≦b* black ≦25.0である。
    (2)厚さ1.20±0.01mmの試験片のオパール値が17.5以上である。
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JP7125260B2 (ja) 歯科用ミルブランク製造用の無機充填材複合体

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