JP7354640B2 - 容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器に関する。
細胞懸濁液、医薬関係の液体、食品関係の液体等の液体は、異物や菌等によるコンタミネーションを防ぐ必要がある。そのため、これらの液体を収容する容器は、高い密閉性を有することが求められる。例えば、螺合式の蓋で開閉する一般的な容器では容器本体と蓋との隙間を通って菌等が容器本体に侵入するおそれがあり、密閉性が不十分な場合がある。そこで、特許文献1では、雑菌等が侵入しにくい生体試料の凍結保存容器として、容器本体と、前記容器本体内部と連通し、溶着により封止可能な開口部と、開封することにより前記容器本体内部と連通する開封部とを備える容器が提案されている。特許文献1の凍結保存容器では、生体試料を開口部から容器本体に導入した後、開口部を溶着により封止する。生体試料の容器本体からの取り出しは、開封部を破断又は溶断により開封して行われる。
特許第5011810号公報
容器に収容されている内容物の一部のみを使用する場合、容器から必要量の内容物を取り出した後に、再度容器を密閉することが求められることがある。また、内容物を取り出したときの状況を後から確認できるように、開封された開封部の状態を保存しておきたいという要望もある。しかし、特許文献1に記載の容器は、一度開封した後に開封部の状態を保存しながら再度密閉することは困難である。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、一度開封された後に開封部の状態を保ちながら再度密閉することができる容器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る容器は、収容空間及び前記収容空間に連通する第1の開口を画成する収容部と、前記第1の開口を塞いでいる穿刺可能な隔壁と、前記隔壁を挟んで前記第1の開口に接続された第2の開口、第3の開口、及び前記第2の開口と前記第3の開口を連通する通路を画成するとともに、前記通路を閉塞可能なシール領域を有する通路部と、を含む。
本発明の容器は、隔壁を穿刺することにより開封した後に、隔壁の状態を保ちながら再度密閉することができる。
図1は、実施形態に係る容器の一例を示す概略断面図である。 図2は、実施形態に係る容器の他の例を示す概略断面図である。 図3は、実施形態に係る容器の他の例を示す概略断面図である。 図4は、実施形態に係る容器の通路部の一例を示す概略上面図である。 図5は、実施形態に係る容器の他の例を示す概略断面図である。 図6Aは、実施形態に係る容器の製造方法の一例を模式的に示す図である。 図6Bは、実施形態に係る容器の製造方法の一例を模式的に示す図である。 図7Aは、実施形態に係る容器の使用方法の一例を模式的に示す図である。 図7Bは、実施形態に係る容器の使用方法の一例を模式的に示す図である。 図7Cは、実施形態に係る容器の使用方法の一例を模式的に示す図であり、図7BのVII-VII線における概略断面図である。
(1)容器
まず、実施形態に係る容器について、図1~5を参照しながら説明する。図1に示すように、実施形態に係る容器100は、収容部20と、隔壁40と、通路部60と、を含む。以下、適宜、隔壁40の中心部に直交する方向をZ方向という。
収容部20は、生体試料等を収容するための収容空間22と、収容空間22に連通する第1の開口24を画成する。収容部20は、収容空間22を取り囲む内表面21と、外表面23を有する。第1の開口24は隔壁40により隙間無く塞がれている。それにより、収容空間22が、収容部20の内表面21及び隔壁40の収容空間22に面する表面41により取り囲まれ、閉鎖空間になっている。本願において、「閉鎖空間」とは、外部環境の異物や菌等によるコンタミネーションを防ぐことができるように外部環境に対して閉鎖された空間、例えば、外部環境に対して密閉された密閉空間を意味する。
収容部20は、収容空間22を閉鎖空間とすることができる任意の材質から形成され、好ましくは、収容空間22内の液体の有無が確認できる程度の透明性を有する材質から形成される。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C-FLEX(登録商標)、及びポリスチレン等のプラスチック材料、並びに、ガラス等から形成されてよい。
収容部20は、収容空間22及び第1の開口24を画成する任意の形状を有する。例えば、図1に示される実施形態に係る容器100では、収容部20の内表面21が、隔壁40に直接接触する、Z方向に平行な面(垂直面)21aを含んでいる。一方、図2に示される実施形態に係る容器102では、収容部20の内表面21が、隔壁40に直接接触する垂直面21aと、垂直面21aに直接接触する、Z方向に対して傾斜した傾斜面21bとを含んでいる。ここで、傾斜面21bは、収容空間22のZ方向に垂直な断面の面積が第1の開口24から離れるにつれて小さくなるように傾斜している面である。別の実施形態では、収容部の内表面が、隔壁の第1の表面に直接接触する、Z方向に対して傾斜した傾斜面を含んでもよい。なお、傾斜面は、図2に示される実施形態と同様に、収容空間のZ方向に垂直な断面の面積が、第1の開口から離れるにつれて小さくなるように傾斜している面である。
このように収容部20の内表面21が隔壁40に直接接触する垂直面及び/又は傾斜面を含むことには、以下のような利点がある。すなわち、収容空間22内の内容物を取り出すときには、一般に、コアリングの発生を防止するために、隔壁40に対して垂直な方向に瓶針等の針を貫通させることが望ましい。収容部20の内表面21が垂直面及び/又は傾斜面を含む場合、針と隔壁40のなす角度が所定の角度以下になると、針が収容部20の内表面21の垂直面又は傾斜面に接触し、収容空間22の奥まで到達しない。そのため、作業者が針の貫通方向が適切であったかどうかを判別することができる。なお、コアリングとは、針が隔壁40を貫通するときに針内の流路等に混入する隔壁40の微細な破片のことを指す。
隔壁40は、収容部20の第1の開口24を隙間なく塞いでいる。隔壁40は、収容空間22を閉鎖空間とすることができるとともに、針等により穿刺可能な任意の材料から形成される。例えば、隔壁40は、穿刺に適した材料から形成されることが望ましく、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C-FLEX(登録商標)、ポリスチレン等から形成されてよい。
隔壁40は、収容空間22を閉鎖空間とすることができるとともに、針等により穿刺可能な任意の構造を有する。例えば、隔壁40は、平坦な板状であってもよいし、撓んで曲面を有する板状であってもよい。隔壁40に容易に針を穿刺できるように、隔壁40の厚みは1000μm未満であってよい。コアリングの発生を抑制するために、隔壁40の厚みは320μm未満、好ましくは180μm以下であってよい。また、隔壁40を容易に製造できるとともに、隔壁40が十分な強度を有することができるように、隔壁40の厚みは50μm以上であってよい。
通路部(通路壁)60は、隔壁40を挟んで第1の開口24に接続された第2の開口64と、第3の開口66と、第2の開口64と第3の開口66を連通する通路62とを画成する。第2の開口64は隔壁40により隙間無く塞がれ、第1の開口24と第2の開口64は隔壁40により隔てられている。一方、第3の開口66は開放されている。それにより、通路62は、第3の開口66を介して外部環境と繋がっている。
通路部60は、通路62を取り囲む内表面61と、外表面63とを有する。通路部60は、容器100の外部から第3の開口66及び通路62を介して隔壁40に針を穿刺可能な任意の形状を有する。例えば、通路部60は、Z方向に平行な軸を有する略筒状の形状を有してよい。通路部60の内表面61及び外表面63のZ方向に垂直な断面の形状は、円形、楕円形、多角形等の任意の形状であってよい。通路部60の内表面61及び外表面63のZ方向に垂直な断面の形状及び寸法は、いずれのZ方向位置でも同じであってもよいし、Z方向位置によって異なっていてもよい。図1に示す実施形態では、通路部60の内表面61は、Z方向に対して傾斜した傾斜面61aを含んでいる。ここで、傾斜面61aは、通路62のZ方向に垂直な断面の面積が、第3の開口66から第2の開口64に近づくにつれて小さくなるように傾斜している面、すなわち、第3の開口66から第2の開口64に向かって通路62が狭まるように傾斜している面である。図1に示す実施形態では、通路部60の内表面61は、傾斜面61aと第2の開口64との間(すわなち、傾斜面61aと隔壁40との間)に、Z方向に平行な面61b及びZ方向に対して垂直な面61cを含んでいる。しかし、傾斜面61aと第2の開口64の間の面61b、61cは必須ではない。図2に示す実施形態では、通路部60の内表面61がZ方向に対して傾斜した傾斜面61aを含み、該傾斜面61aは隔壁40に直接接触している。
このように通路部60の内表面61がZ方向に対して傾斜した傾斜面61aを含むことには、以下のような利点がある。すなわち、収容空間22内の内容物を取り出すときには、一般に、コアリングの発生を防止するために、隔壁40に対して垂直な方向に瓶針等の針を貫通させることが望ましい。通路部60の内表面61の傾斜面61aは、針を隔壁40に垂直な方向に誘導する。そのため、作業者が針を隔壁40に垂直な方向に貫通させることが容易になる。
また、図1に示す実施形態のように、内表面61がZ方向に対して垂直な面61cを含む場合、第3の開口66側からの隔壁40の視認性が高く、通路62が広いため、針を隔壁40に誘導する作業が容易になる。一方、図2に示す実施形態のように、内表面61がZ方向に対して垂直な面61cを含まない場合、隔壁40の近傍に隔壁40と平行な面がないため、作業者が通路部60の内表面61の隔壁40近傍部分に針を刺してしまうことを抑制できる。
通路部60は、通路62を閉塞可能なシール領域68を有する。シール領域68は、略筒状の通路部60の周方向に一周するように設けられる帯状の領域である。シール領域68による通路62の閉塞方法は任意の方法であってよい。例えば、シール領域68において、通路部60の対向する内表面61同士が接触するように通路部60を重ね合わせ、該対向する内表面61同士を接着することにより、通路62を閉塞可能であってよい。対向する内表面61同士の接着は、ヒートシールにより行ってよい。ここで、ヒートシールとは、加熱により接着することを指す。加熱方法としては、例えば、高周波、超音波等を印加する方法や、熱板、熱風等を用いる方法が挙げられるが、これらに限定されない。
ヒートシーラーを用いて通路62を閉塞させる場合、通路部60の内表面61同士を十分な接着強度で接着するために、シール領域68は、第3の開口66から第2の開口64に向かう方向に2mm以上、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上の長さを有してよく、シール領域68における通路部60の厚みは、500μm以下、好ましくは300μm以下であってよい。また、通路部60が後述するウェルドラインを有し、その位置がシール領域68中の折れ曲がる部分(曲げ部)67の近傍ではない場合、後述する実施例で示すように、シール領域68における通路部60の厚みは、300μmより大きく500μm以下の範囲内であってよい。
図1に示すように、シール領域68において、通路部60は均一な厚みを有してよい。本願において、「均一な厚み」とは、略均一な厚みを含む概念であり、具体的には、厚みの最大値と最小値の差が厚みの平均値の10%以下であることを意味する。シール領域68における通路部60の厚みが均一である場合、ヒートシーラーの設置位置がZ方向に変動しても、確実に通路部60の内表面61同士を十分な接着強度で接着することができる。特に、厚みの最大値と最小値の差は、厚みの平均値の3%以下であってよい。この場合、シール領域68における通路部60の厚みが特に均一で通路部60の内表面61が平滑である。そのため、接着強度のばらつきを抑制することができ、より一層確実に通路部60の内表面61同士を十分な接着強度で接着することができる。
あるいは、図3に示す容器104のように、シール領域68において、通路部60は、第3の開口66から第2の開口64に向かって厚みが大きくなる領域を有してもよい。このような形状は、射出成形による形成が容易であるという利点がある。
通路部60の材質は、通路62がシール領域68により閉塞されたときに、通路62が閉鎖空間となる任意の材質である。例えば、通路部60は、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C-FLEX(登録商標)、及びポリスチレン、並びに、ガラス等から形成されてよい。シール領域68の材質は、通路62を閉塞可能な材質、例えばヒートシール可能な材質である。例えば、シール領域68は、シールに適した材料から形成されることが望ましく、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、C-FLEX(登録商標)、ポリスチレン等から形成されてよい。
通路部60がプラスチック材料から形成される場合、通路部60は、後述するように射出成形により形成することができる。射出成形により通路部60を形成する場合、一般的に、通路部60はウェルドラインを含む。ウェルドラインは、射出成形用の金型内で、溶融材料の流れが合流し、溶融材料が融着することによって形成された痕を意味し、メルドラインとも呼ばれる。ウェルドラインは、通常は線状であるが、点線状、点状等であることもある。ウェルドラインでは、応力集中、分子配向の乱れ等が生じており、それによりウェルドラインは低強度であることがある。そのため、強度低下を抑制する観点からは、ウェルドラインは存在しないことが好ましく、存在するとしても、ウェルドラインは通路部60の厚み方向に通貫していないことが好ましい。
しかし、通路部60におけるウェルドラインの発生が避けられない場合、ウェルドラインの位置を以下のようにすることで、ウェルドラインによる強度への影響を抑制することができる。すなわち、射出成形により形成された通路部60を用い、シール領域68において、通路部60の対向する内表面61同士が接触するように通路部60を重ね合わせ、対向する内表面61同士を接着することにより通路62を閉塞する場合、シール領域68において、折れ曲がる部分(曲げ部)67の近傍にウェルドライン69が位置することが好ましい(図4参照)。すなわち、シール領域68において、ウェルドライン69に沿って通路部60を折り曲げることが好ましい。それにより、通路62を閉塞させた後の割れやひびの発生を抑制でき、容器100の凍結耐性を向上させることができる。そのため、通路部60と収容部20の両方又はいずれか一方が、通路部60を重ね合わせる向きを規定する構造を有することが好ましい。それにより、通路62を閉塞させる作業を行う者が通路部60を重ね合わせる向きを容易に認識でき、ウェルドライン69に沿って通路部60を折り曲げることができる。なお、「曲げ部67の近傍にウェルドライン69が位置する」とは、通路部60のZ方向に垂直な断面において、曲げ部67からの距離が当該断面における通路部60の外周の長さの1/20以下である領域内にウェルドライン69が位置することを意味する。
通路部60を重ね合わせる向きを規定する構造の例としては、収容部20又は通路部60がZ方向に平行な軸に対して二回以下の回転対称性を有する構造が挙げられる。例えば、収容部20の外表面23及び/又は通路部60の外表面63が、少なくともいずれかのZ方向位置において、楕円形状等の二回以下の回転対称性を有するZ方向に垂直な断面を有してよい。この場合、この二回以下の回転対称性を有する断面と嵌合する固定部材(不図示)を用いて容器100の向きを固定することができる。通路62を閉塞させる作業を行うときに容器100の向きを固定することにより、作業を容易且つ安定的に行うことができる。このような固定部材としては、容器100の底部、すなわち収容部20の底部と嵌合する窪みを有する載置台が挙げられる。二回以下の回転対称性を有する容器100の底部と嵌合する載置台を用いることで、容器100を自立させることが可能になる。
図4に、通路部60をZ方向から見た(すなわち、第3の開口66側から見た)上面図の一例を示す。作業者は、通路部60の形状に基づいて、曲げ部67で通路部60を折り曲げ、対向する内表面61d、61e同士が接触するように重ね合わせ、内表面61d、61eを互いに接着することができる。曲げ部67の近傍にはウェルドライン69が位置している。
収容部20には、図5に示すように注射針80が設けられていてもよい。図5に示す容器106は、隔壁40を穿刺して開封し、収容空間22内の内容物を撹拌したり収容空間22内に追加成分を加えたりした後、患者に内容物を注射する用途等に用いることができる。
(2)容器の製造方法
実施形態に係る容器の製造方法を説明する。以下、図1に示す容器100の製造方法を例に挙げて、図6A、Bを参照しながら説明する。
まず、図6Aに示すように、容器本体120と蓋部材160を用意する。
容器本体120には開口124が形成されている。容器本体120としては、チューブ状、ボトル状、袋状等の任意の形状及び任意の柔軟性を有する容器を用いることができる。容器本体120がプラスチック材料から形成される場合、容器本体120は、例えば射出成形により形成できるが、形成方法はこれに限定されない。用意した容器本体120には、内容物140を収容する。
蓋部材160には、蓋部122と、隔壁40と、シール領域68を有する通路部60とが形成されている。隔壁40は、蓋部122と通路部60の間に形成されている。蓋部材160は、容器本体120と同じ材質又は容器本体と溶着可能な材質から形成されてよい。それにより、接着剤を用いずに容器本体120と蓋部材160を接続できるため、接着剤によるコンタミネーションを回避できる。蓋部材160は、射出成形等の任意の方法で形成してよい。
次に、図6Bに示すように、容器本体120の開口124を塞ぐように、容器本体120に蓋部材160を被せ、溶着等により容器本体120と蓋部材160を接合する。その結果、蓋部材160の蓋部122及び容器本体120により収容部20が画成されるとともに、収容部20内に閉鎖空間である収容空間22が画成される。以上のようにして、実施形態に係る容器100が得られる。
なお、容器本体120と蓋部材160を、補助部材(不図示)を介して接合してもよい。容器本体120がフィルム製の袋状容器の場合、補助部材を介することにより容器本体120と蓋部材160の接合が容易になる。
(3)容器の使用方法
実施形態に係る容器の使用方法を説明する。以下、図1に示す実施形態に係る容器100の使用方法を例に挙げて、図7A~Cを参照しながら説明する。
図7Aに示すように、第3の開口66、通路62、及び第2の開口64を通った針180により隔壁40を穿刺し、収容部20の第1の開口24と通路部60の第2の開口64を連通させて容器100を開封する。次いで、収容空間22内の内容物140を必要量取り出す。
次いで、通路部60のシール領域68をヒートシーラーで挟み、通路部60の内表面61同士を接触させながら加熱する。それにより、図7B、Cに示すように、内表面61が接着した接着面65が形成される。その結果、通路62が閉塞され、収容空間22が通路62とともに閉鎖空間となる。すなわち、容器100が再密閉される。なお、シール領域68にウェルドラインが存在する場合、再密閉された容器100の接着面65において、折れ曲がる部分(曲げ部)67の近傍、すなわち、接着面65の端部の近傍に、ウェルドラインが位置していてよい。なお、再密閉された容器100においても、「曲げ部67(接着面65の端部)の近傍にウェルドライン69が位置する」とは、Z方向に垂直な断面において、曲げ部67(接着面65の端部)からの距離が当該断面における通路部60の外周の長さの1/20以下である領域内にウェルドライン69が位置することを意味する。接着面65には、接着した内表面61同士を離間させる方向に力がかかるが、曲げ部67の近傍ではその力が小さい。そのため、曲げ部67の近傍にウェルドラインが位置する場合、再密閉後にウェルドラインにおいて割れやひびが生じることが抑制され、容器100の凍結耐性が向上する。なお、接着面65の両方の端部のそれぞれの近傍にウェルドラインが位置してもよいし、接着面65の端部の一方の近傍のみにウェルドラインが位置してもよい。通路部60はウェルドラインを有さなくてもよい。
このように、実施形態に係る容器100は、一度開封した後に、穿刺した隔壁40の状態を維持しながら、容易に再密閉することができる。
(4)容器の用途
実施形態に係る容器は、通常、無菌的な取り扱いを必要とする液体又はゲル状、ペースト状等の半固体状の物質を収容するために用いられる。例えば、細胞を培養するための培養容器、培地を供給する培地供給容器、培養後の細胞懸濁液を回収する細胞回収容器、培養中もしくは培養後の培地を回収する廃液容器、又は細胞の一時保管容器等の細胞に関する容器全般として、あるいは細胞培養用システムにおいて、実施形態に係る容器を用いることができる。特に、細胞培養用システムに好適に用いることができる。その他の無菌的な取り扱いを必要とする液体として、例えば、食品関係の液体、医薬関係の液体等が挙げられる。食品関係の液体としては、例えば、飲料、調味料等が挙げられる。医薬関係の液体としては、生理食塩水等の電解質輸液、ブドウ糖等の糖質注射液、血液製剤、抗生物質、抗体等の蛋白質性医薬品、低分子蛋白質、ホルモン等のペプチド性医薬品、核酸医薬品、細胞医薬品、各種感染症を予防するワクチン、ステロイド剤、インスリン、抗がん剤、蛋白質分解酵素阻害剤、鎮痛剤、解熱鎮痛消炎剤、麻酔剤、脂肪乳剤、血圧降下剤、血管拡張剤、ヘパリン塩化ナトリウムや乳酸カリウム等の電解質補正用注射液、ビタミン剤、造影剤等が挙げられる。ただし、容器の用途はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(1)凍結耐性試験
(1-1)試験体の作製
実施例1
射出成形により、図6Aに示すような、開口が形成された容器本体と、シール領域を有する通路部、隔壁、及び蓋部が形成された蓋部材とを作製した。シール領域の厚みは0.5mmとした。容器本体に凍結保存液を入れた。次に、図6Bに示すように容器本体と蓋部材を溶着により接合して、閉鎖空間である収容空間内に凍結保存液が収容された容器を得た。
隔壁を針で穿刺して、容器を開封した。その後、蓋部材のウェルドラインに沿ってシール領域を折り曲げ、シール領域をヒートシーラーで挟み、190℃で5秒間加熱した。それにより、通路部の内表面が接着して接着面が形成され、容器が再度密閉された。接着面の端にはウェルドラインが位置していた。以上のようにして試験体を作製した。同様にして5個の試験体を作製した。
実施例2
ウェルドラインが接着面の中央に位置するように容器を再密閉したこと以外は実施例1と同様にして、5個の試験体を作製した。
実施例3
シール領域の厚みを0.3mmとしたこと以外は実施例1と同様にして5個の試験体を作製した。
実施例4
シール領域の厚みを0.3mmとしたこと以外は実施例2と同様にして5個の試験体を作製した。
(1-2)評価
各実施例の試験体を、液体窒素を貯留したドライシッパーの気相領域に設置し、3日間凍結保存した。その後、試験体を室温で解凍し、試験体の外観を確認した。実施例1~3の試験体のいずれにも、割れ又はひびは発生していなかった。一方、実施例4の5個の試験体のうち2個には割れ又はひびが発生していた。
この結果は、実施例1、3のようにウェルドラインに沿ってシール領域を折り曲げた場合、シール領域の厚みが0.5mm以下で十分な凍結耐性が得られたこと、及び、実施例2、4のようにウェルドラインに沿わずにシール領域を折り曲げた場合、シール領域の厚みが0.3mmより大きく0.5mm以下の範囲内で十分な凍結耐性が得られたことを示している。したがって、ウェルドラインに沿ってシール領域を折り曲げる場合、シール領域の厚みを0.3mm以下という小さい値にしても十分な凍結耐性を実現できる。接着面の接着強度をより高めるという観点からは、シール領域の厚みはより小さいことが好ましい。そのため、ウェルドラインに沿ってシール領域を折り曲げることは凍結耐性と接着強度の両方の向上を実現するという利点があることが、実施例から示された。
(2)コアリング生成試験
320μmの厚さを有する隔壁と、180μmの厚さを有する隔壁を、それぞれ30個用意した。注射針(材質:SUS316L、内径0.14mm)で各隔壁を穿刺し、コアリングの発生の有無を調べた。隔壁の厚さが320μmの場合、30個の隔壁のうち4個でコアリングが発生した。一方、隔壁の厚さが180μmの場合、30個の隔壁のいずれからもコアリングは発生しなかった。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができる。
20 収容部
21 内表面
21a 垂直面
21b 傾斜面
22 収容空間
23 外表面
24 第1の開口
40 隔壁
60 通路部
61 内表面
61a 傾斜面
62 通路
63 外表面
64 第2の開口
65 接着面
66 第3の開口
67 曲げ部
68 シール領域
69 ウェルドライン
80 注射針
100、102、104、106 容器
120 容器本体
122 蓋部
140 内容物
160 蓋部材
180 針

Claims (9)

  1. 液体又は半固体状の物質が収容されている収容空間及び前記収容空間に連通する第1の開口を画成する収容部と、
    前記第1の開口を塞いでいる穿刺可能な隔壁と、
    前記隔壁を挟んで前記第1の開口に接続された第2の開口、第3の開口、及び前記第2の開口と前記第3の開口を連通するとともに前記第3の開口を介して外部環境と繋がっている通路を画成するとともに、前記通路を閉塞可能な未シールのシール領域を有する通路部と、
    を含む容器。
  2. 前記通路を取り囲む前記通路部の内表面が、前記第3の開口から前記第2の開口に向かって、前記通路が狭まるように傾斜した傾斜面を含む、請求項1に記載の容器。
  3. 前記傾斜面が前記隔壁と接触している、請求項2に記載の容器。
  4. 前記シール領域において、前記通路部の対向する内表面同士が接触するように前記通路部を重ね合わせ、前記対向する内表面同士を接着することによって、前記通路が閉塞可能であり、
    前記収容部又は前記通路部の少なくとも一方の外表面が、前記隔壁の中心部に直交する方向のいずれかの位置において、前記隔壁の中心部に直交する方向に平行な軸に対して二回以下の回転対称性を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
  5. 前記シール領域をヒートシールすることにより前記通路を閉塞可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
  6. 記通路部が、前記シール領域において300μm超500μm以下の厚みを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の容器。
  7. 前記シール領域において、前記通路部が均一な厚みを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
  8. 前記通路部が、前記シール領域において、前記第3の開口から前記第2の開口に向かって厚みが大きくなる領域を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の容器。
  9. 前記隔壁の厚みが50μm以上180μm以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の容器。
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