JP7353885B2 - 現像装置、カートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Description
近年、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、プロセスカートリッジの長寿命化が進んでおり、その一形態として、プロセスカートリッジと現像剤補給用の現像剤収容容器を有し、プロセスカートリッジに現像剤を補給する方式がある。このプロセスカートリッジに現像剤を補給する方式には、補給された新しい現像剤とプロセスカートリッジ内の古い現像剤との混合が不十分な場合に起こる地汚れと呼ばれる課題がある。その抑制のためにプロセスカートリッジの現像剤が収容されている現像剤収容室に攪拌用のスクリュを複数搭載し、補給された現像剤とプロセスカートリッジ内の既存の現像剤とを十分混合させる技術がある(特許文献1)。
現像剤を収容する収容室と、外部から前記収容室内に現像剤を補給する補給口とを備える枠体と、
前記枠体に回転可能に支持される回転軸部と、一端が前記回転軸部に固定され他端が自由端となり、前記回転軸部の回転動作に伴って回転可能なシート部材と、を備えると共に、前記収容室内の現像剤を攪拌する攪拌部材と、
を有する、現像装置であって、
前記シート部材の前記自由端は、前記補給口が形成された前記収容室の内壁面と接触可能であり、且つ、前記シート部材における、前記収容室の前記内壁面と接触可能な領域において、該シート部材の厚み方向に貫通する貫通孔が設けられており、
前記貫通孔は、
前記回転軸部の軸線方向から見たとき、
前記シート部材の前記回転軸部に固定されている位置を位置Aとし、
位置Aと、前記回転軸部の回転方向における前記補給口の中心位置との間の距離をLとし、
前記シート部材における、位置Aから、前記シート部材の前記自由端に近い方の前記貫通孔の一方の端部までの長さをS1とし、
前記シート部材における、位置Aから、前記シート部材の前記回転軸部に近い方の前記貫通孔の他方の端部までの長さをS2とした場合、
S1>L>S2
となるように、前記シート部材に設けられている、ことを特徴とする。
上記の現像装置と、
現像剤像が形成される像担持体と、を有し、
画像形成装置の装置本体に着脱可能であることを特徴とする。
上記の現像装置、または、上記のカートリッジの少なくとも1つと、
転写部材と、
を備えることを特徴とする。
[画像形成装置の全体構成]
先ず、本発明に係る電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)の全体構成について説明する。図2は、実施形態1の画像形成装置の概略断面図である。本実施形態の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材12(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置の装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、装置本体100Aに通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、装置本体100Aに入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。これら第1~第4の画像形成部は
、それぞれ後述するプロセスカートリッジ7等で構成される。本実施形態では、第1~第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
尚、本実施形態では、第1~第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
本実施形態において、画像形成装置100は、鉛直方向と交差する方向に4つのプロセスカートリッジ7が並設されている。これら4つのプロセスカートリッジには、複数の像担持体として、4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、図3に示すような感光ドラム1が配置される。感光ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に不図示の駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。又、感光ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
尚、本実施形態では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤のトナー80を用いる。又、本実施形態では、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ17を感光ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、本実施形態では、現像ユニット4は、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナー80を、感光ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
本実施形態は、図2に示すように4色のプロセスカートリッジ7の下方に4色のトナー収容器9が設けられており、現像ユニット4に設けられた不図示のトナー量検知手段及び、画像形成装置の印字情報に基づいて、適宜トナーが現像ユニット4に供給される。トナー供給の際には、トナー収容器9からトナー搬送装置に排出されたトナーを搬送路内に設けられたスクリュの回転駆動に伴って上方に搬送され、現像ユニット4に設けられた供給口から供給される。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベル
ト5を感光ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光ドラム1とが当接する一次転写部を形成する。そして、一次転写ローラ8に、不図示の一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
二次転写部に記録材12を搬送する搬送手段としてのピックアップローラ144と搬送ローラ148、レジストローラ160を備えている。記録材12は、露光開始から予め決められたタイミングで、ピックアップローラ144によって給紙される。そして搬送ローラ148によって搬送され、レジストローラ160によってさらに二次転写ローラ54の手前まで搬送される。その後、記録材12の先端が不図示の紙検知用センサで検知されると、搬送ローラ148およびレジストローラ160は一時停止して待機状態となる。そして予め決められたタイミングで、搬送ローラ148およびレジストローラ160の駆動を再開する。すると待機状態にある記録材12が動き出し、二次転写部へ搬送され、二次転写部へと向けて搬送される。給紙と再給紙が露光開始から予め決められたタイミングで実行されることにより、中間転写ベルト5上のトナー像が、二次転写部で記録材12とちょうど具合よく重なることにより、記録材12上にトナー像が位置ずれなく二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
尚、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全
てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
次に、本実施形態の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。本実施形態では、収容しているトナー80の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光ドラム1が不図示の軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、不図示の駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。本実施形態にて、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラム1を用いている。
又、感光体ユニット13には、感光ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14(以下、廃トナーボックス)内に落下、収容される。帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
また、トナー供給ローラ20は、現像ローラ17との間にトナーのニップ部N(現像ローラ17とトナー供給ローラ20とでトナーを挟む部分)を形成し、回転している。
トナー収容室18内には、攪拌部材22が設けられている。攪拌部材22は、トナー収
容室18内に収容されたトナー80を攪拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナー80を搬送するためのものでもある。
トナー80は、現像ブレード21と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、本実施例においては、現像ブレード21に不図示のブレードバイアス電源から所定電圧を印加し、トナーコートの安定化を図っている。本実施形態においては、ブレードバイアスとしてV=-500Vを印加した。
尚、本実施形態では、現像ローラ17は、感光ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
本実施形態においては、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナー80が、感光ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。本実施形態においては、現像ローラ17に対してV=-300Vを印加することにより、明部電位部との電位差ΔV=200Vを形成し、トナー像を形成した。
トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量を持って接触している。トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給を行っている。
図2に示すように、本実施形態では、各色のプロセスカートリッジ7其々の下方であって、現像ユニット4の外部に相当する位置に、各色のトナー収容器9が着脱可能に配置されている。トナー収容器9は内部に設けられた不図示のスクリュの回転駆動によって所望の量だけトナーを排出する事ができる構成となっている。排出されたトナーはトナー搬送装置19から、トナー搬送路を経由して上方の現像ユニット4に設けられたトナー受け口に受け渡される。トナー搬送装置19はトナー収容器9から排出されたトナーを受け取るスペースを有すると共に、搬送路内部に設けられた不図示のスクリュを駆動する為の駆動伝達機能を有する。現像ユニット4のトナー受け口に受け渡されたトナーは、現像ユニット4に設けられたトナー搬送路を経由して、長手方向中央の位置に設けられている補給口23からトナー収容室18へと供給される(図6)。なお、上述の長手方向は、現像ローラ17の回転軸の軸線方向と平行な方向であり、後述する攪拌部材22の攪拌軸24の軸線方向とも平行な方向である。本実施形態では、現像ユニット4内のトナー80を250gに保つようにトナー供給する制御をとっており、画像形成装置の印字情報を元にトナー供給量を決定し、決定された供給量分だけトナー収容器9からトナーを排出する方式をとっている。
ここで、トナー収容器9からの排出方法や、搬送方法、トナー供給制御は本実施形態の方式の限りではなく、本実施形態以外の方法であっても良い。
図4を用いて、本発明の特徴である攪拌部材について説明する。図4は図5のαで現像装置を切った時の断面である。本実施形態の攪拌部材22は、回転可能に軸支された回転軸部としての攪拌軸24と、一端が攪拌軸24に固定され、他端が自由端となるように構成された可撓性を有するシート部材25からなる。このシート部材25は、攪拌軸24の回転動作に伴って回転可能である。さらにシート部材25には、本実施形態の特徴である攪拌促進孔26が、現像ユニット4の枠体16の内壁面に設けられた補給口23の位置に合わせて、攪拌軸24の軸方向と平行な方向である長手方向中央の位置に設けられている。攪拌部材22は攪拌軸24の回転駆動に伴い、シート部材25がトナー収容室18のトナー80を攪拌する。さらに攪拌部材22は攪拌と共に、上方に設けられた現像室内にトナー80を供給する事で、供給ローラを経由して現像ローラ17にトナー80を供給し、感光ドラム1上に現像する事ができる。
トナー搬送装置19及び補給口23を介してトナー収容器9からトナー収容室内に補給されたトナー80a(以下、『新トナー』という)は、補給される以前にトナー収容室18内に収容されてあるトナー80b(以下、『旧トナー』という)とともに、シート部材25の回転によってトナー収容室18内で攪拌、搬送される。
ここで、現像ユニット4の使用が進み現像ユニット4内でトナー循環が繰り返されると、トナー収容室18の旧トナー80bの劣化が進んでいく。ここでの劣化とは、機械的摺擦によってトナー樹脂が摩耗、変形したり、表面に添加されている外添剤が遊離したり樹脂内に埋め込まれることで、トナー収容器9から補給された新品のトナー80aに対して帯電特性等の挙動が変わる、といった現象を指す。
つまり、現像ユニット4の使用が進み、旧トナー80bが劣化した状態においては、新トナー80aと帯電特性の違いが発生する。トナーの帯電特性が違ってくると、感光ドラム1上に形成された静電潜像を顕像化する際に、静電潜像を埋めるトナー量が変わったり、明部電位だけではなく、暗部電位にトナーが飛んでしまったりすることがある。その結果、濃度ムラや地汚れといった課題が発生することになる。
にトナーの混合が進んでいるため、トナー補給による地汚れを抑制することができる。
A: 攪拌部材22のシート部材25が攪拌軸24に固定されている位置
L: 位置Aと、攪拌軸24の回転方向における補給口23の中心位置との間の距離
S1: シート部材25における、位置Aから、シート部材25の自由端に近い方の攪拌促進孔26の一方の端部までの長さ
S2: シート部材25における、位置Aから、シート部材25の攪拌軸24に近い方の攪拌促進孔26の他方の端部までの長さ
以下、上記の記号の相対的な大小関係は、攪拌部材22のシート部材25に撓みがある実際の回転駆動時ではなく、シート部材25に撓みの無い図面上の大小関係である。しかし、S1、S2においては、位置Aからシート部材25自体のある地点までの長さを表すので、シート部材25が撓んでいてもよい。
本実施例の効果を検証するために、S1の大きさを変更し実験を行った。実施例1、実施例2、実施例3ではS1の大きさを変更した場合であるが、いずれの場合も攪拌軸24の回転に伴い、攪拌促進孔26が補給口23近傍を通過する点は共通している。比較例として、比較例1は攪拌促進孔26を設けない場合であり、比較例2はS1をLよりも小さくし、攪拌促進孔26が補給口23近傍を通過しない場合である。またこの実験においては、攪拌促進孔26の長手方向の長さは30mmで統一している。実験環境は高温高湿条件の環境下(温度30℃、湿度80%)にて2枚間欠印字耐久試験を行った。この印字耐久では画像比率1%の横線を印字した。また、本実験では、プロセスカートリッジ7の中にトナーを200g充填した状態でスタートし、トナーが10g減少する毎にトナー収容器9から10gトナーを補給する制御を行った。そして、印字耐久をプロセスカートリッジ7の使用量が100%になるまで行い、地汚れの発生を以下に示す基準で判断した。
地汚れとは、本来印字しない未露光部においてトナーがわずかに現像される画像不良のことである。ベタ白画像を印字中に、画像形成装置を停止する。現像後、かつ、転写前の感光ドラム上のトナーを一旦透明性のテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙などに貼り付ける。また同一の記録紙上に、トナー付着していないテープも同時に貼り付ける。その記録紙に貼り付けられたテープの上から、光学反射率測定機(東京電飾社製TC-6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、トナー付着していないテープの反射率から差し引いて地汚れ分の反射率量を求め地汚れ量として評価した。地汚れ量はテープ上を3点以上測定しその平均値を求めた。
〇:地汚れ量が3.0%未満である。
×:地汚れ量が3.0%以上である。
評価結果を表1に記す。
一方で、本実施形態の比較例1は攪拌促進孔が無く、前述した図8を用いて説明したメカニズムにより地汚れが発生したと考えられる。
比較例2はS1がLよりも小さい場合である。このような条件では、攪拌促進孔26のシート部材25の自由端に近い方の端部が、補給口23まで届かない。すると、攪拌軸24の回転に伴ってシート部材25がトナー収容室18の内壁面と接触しても、攪拌促進孔26の位置は、補給口23が設けられている位置とは重ならない。その結果、攪拌促進孔26が補給口近傍を通過することができないため新トナー80aと旧トナー80bを混合することができず地汚れに対する効果は小さくなる。以上をまとめると、攪拌促進孔の地汚れに対する効果はS1、S2、Lの大小関係に依存することがわかる。そのため、実施例1、2、3のように、S1>L>S2の条件が望ましく、比較例2のようにL>S1>S2の条件では攪拌促進孔の効果は不十分であることがわかる。以上の本発明の構成により攪拌スクリュ等の追加部材を用いないでトナー補給に起因する地汚れを抑制することができる。
本実施形態では、攪拌軸24の軸線方向において、シート部材25の長さを1としたときに、攪拌促進孔の長さ/シート部材の長さで定義される比率を0.2以下にする。このように定義することにより低温低湿環境下におけるトナー供給ムラに起因する画像濃度ムラを解決する例を示す。この点以外の実施形態1と重複する点については、詳細な説明は割愛する。
実施形態1で述べた通りの条件で、攪拌部材22のシート部材25に攪拌促進孔26を設けると、補給されたトナー80aとトナー収容室内の既存のトナー80bを充分に混合することができる。しかし一方で、攪拌促進孔が攪拌軸24の軸線方向と平行な方向である長手方向に大きい場合、シート部材25の撓み方が変わる事でトナーの搬送力が変わることがあった。特に例えば低温低湿環境においてトナーが静電凝集し流動性が低下した場
合や、高印字を連続通紙した場合に長手方向のトナー供給ムラに起因した画像濃度ムラが発生する事があった。
以下に攪拌促進孔の長手方向と直交する方向である短手方向のサイズを固定し、長手方向のサイズを変えた際の効果について説明する。
効果確認実験を低温低湿環境(温度15℃、湿度10%)で実施し地汚れと画像濃度ムラを確認した。結果を表2に示す。
〇画像濃度ムラ評価
ここでの画像濃度ムラとは、高印字を連続通視した際に現像ローラ上に必要なトナー量が供給されないために起こるわずかに白抜けした画像不良を指す。
印字率1%で1000枚印刷したのち、ベタ黒画像を印刷し、その際の画像濃度を「マクベス反射濃度計 RD918」(Macbeth社製)を用いて測定した。評価は、以下の基準で行った。
〇:黒部と白部の濃度差が0.1以下である。
△:黒部と白部の濃度差が0.1~0.2未満である。
×:黒部と白部の濃度差が0.2以上である。
本実施形態では実施形態1に対して攪拌部材の構成が異なる。本実施形態では攪拌部材のシート部材の枚数を2枚に増やすことにより、シート部材が1枚のときには実現しにくかったトナー供給能力の向上や攪拌能力の向上等を実現する例を示す。実施形態1で説明した攪拌部材22のシート部材25を第1シート部材25aとした場合に、それとは別の第2シート部材25bを、攪拌部材22と同一の回転軸部である攪拌軸24に固定し、トナー収容室18の内壁面に接触するようにトナー収容室内に配置する。なお、第2シート部材25bの攪拌軸24に固定されている位置は、攪拌軸24の周方向において第1シート部材25aとは異なる位置となっている。この点以外の実施形態1と重複する点については、詳細な説明は割愛する。
図9は本実施形態のプロセスカートリッジ7の概略断面図、図10は現像装置の概略断面図である。これらを用いて本実施形態の特徴について詳細に説明する。
本実施形態の攪拌部材が、実施形態1と異なる点は第1シート部材25aと第2シート部材25bが2枚設けられている点であり、2枚にする事で攪拌能力や供給ローラ20へのトナー供給能力を向上させる事ができる為、より好ましい。また例えば、攪拌シート厚を薄くする等により1枚あたりの攪拌能力や供給ローラ20へのトナー供給能力を下げても、攪拌部材としての攪拌能力や供給能力を保ったまま攪拌シートが壁面を摺擦する音等を低減する事もできる為、より好ましい。
であれば、トナー供給能力や攪拌能力の向上といった効果を得ることが可能である。
本実施形態では実施形態3の変形例に対して攪拌部材の構成が一部異なる。本実施形態では可撓性を有するシート部材を2重に重ねて配置しつつ、攪拌促進孔を一方のシート部材にのみ設けることにより、実施形態3より攪拌能力を改良した例を示す。
図13は本実施形態のプロセスカートリッジ7の概略断面図、図14は本実施形態の現像装置の概略断面図である。図15は本実施形態に係る攪拌部材の概念図である。これらを用いて本実施形態の特徴について詳細に説明する。
本実施形態の攪拌部材について、シート部材25cを第1シート部材とシート部材25dを第2シート部材とすると、各シート部材の其々について可撓性を有するシート部材を2重に重ねて配置している点は、実施形態3の変形例と同じである。すなわち、第1シート部材25cについては、第1シート部25c-1と第2シート部25c-2の2層構造、第2シート部材25dについては、第1シート部25d-1と第2シート部25d-2の2層構造となっている。そして、第1シート部25c-1、25d-1の攪拌軸22に固定される固定端から自由端までの長さ(自由長)は、それぞれ第2シート部25c-2、25d-2よりも長くなっている。そのため、収容室内で回転すると、第1シート部25c-1、25d-1の先端(自由端)はトナー収容室18の内壁面と接触可能だが、第2シート部25c-2、25d-2の先端(自由端)はトナー収容室18の内壁面と接触しない。なお、図13~15に示すように、第1シート部材25c、第2シート部材25dそれぞれの第1シート部25c-1、25d-1は、回転する際に、回転方向において下流側に配置されている。一方、第2シート部25c-2、25d-2は回転方向において上流側となるように配置されている。
このように、2枚のシート部材のそれぞれを2重に重ねた構成にして、一方のシート部材25dにだけ攪拌促進孔を設ける。このように攪拌部材を構成する事の利点について説明する。図13~15に示すように、シート部材を2重に重ねる事でシート部材のトナー収容室18の内壁面に接触する先端側と、攪拌軸に固定されている側とでシート部材の可撓性を異なる状態にする事ができる。つまりシート部材の攪拌軸側が変形しにくくなる為、より攪拌能力を向上させる事ができる。さらに、攪拌促進孔26dを第2シート部材25dにだけ設けることによって、実施形態3に比べて、トナーの搬送能力に重きを置きつつ、補給されたトナーとトナー収容室内のトナーを効率的に混合し、混合されたトナーを供給ローラ20に供給する事ができる。また、攪拌部材のシート部材と攪拌促進孔の位置関係は実施形態1と同じ条件であれば、実施形態1と同様の効果が得られる。このメカニズムは実施形態3で述べた通りである。
また例えば、攪拌部材のシート部材25cのシート厚を薄くする等により、攪拌部材としての攪拌能力や供給能力を保ったまま、シート部材が壁面を摺擦する音等を低減する事もできる。
実施形態1~4で説明したトナーを充分に混合する効果は、これまで説明したようなトナー収容室よりも上方に位置する現像ローラ17に対してトナーを供給する汲み上げ方式に限られない。すなわち、現像ローラ17がトナー収容室18と略同一の高さに設けられている、もしくはトナー収容室18よりも下方に配置される自重系のような構成でも可能である。例えば図17のような構成であっても良い。このような構成においても、トナー収容室18に補給される新トナーは補給口近傍に溜まりやすくなるため、本発明で規定する攪拌促進孔26を、攪拌部材を構成するシート部材25に形成することでトナーの混合を効率良く行うことができる。
Claims (11)
- 現像剤を収容する収容室と、外部から前記収容室内に現像剤を補給する補給口とを備える枠体と、
前記枠体に回転可能に支持される回転軸部と、一端が前記回転軸部に固定され他端が自由端となり、前記回転軸部の回転動作に伴って回転可能なシート部材と、を備えると共に、前記収容室内の現像剤を攪拌する攪拌部材と、
を有する、現像装置であって、
前記シート部材の前記自由端は、前記補給口が形成された前記収容室の内壁面と接触可能であり、且つ、前記シート部材における、前記収容室の前記内壁面と接触可能な領域において、該シート部材の厚み方向に貫通する貫通孔が設けられており、
前記貫通孔は、
前記回転軸部の軸線方向から見たとき、
前記シート部材の前記回転軸部に固定されている位置を位置Aとし、
位置Aと、前記回転軸部の回転方向における前記補給口の中心位置との間の距離をLとし、
前記シート部材における、位置Aから、前記シート部材の前記自由端に近い方の前記貫通孔の一方の端部までの長さをS1とし、
前記シート部材における、位置Aから、前記シート部材の前記回転軸部に近い方の前記貫通孔の他方の端部までの長さをS2とした場合、
S1>L>S2
となるように、前記シート部材に設けられている、ことを特徴とする現像装置。 - 前記貫通孔は、前記回転軸部の軸線方向において、前記補給口が設けられる位置と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記回転軸部の軸線方向における、前記シート部材の長さに対する前記貫通孔の長さの比が0.2以下である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
- 前記シート部材は、第1シート部材と、第2シート部材と、を備え、
前記第1シート部材および前記第2シート部材は、前記回転軸部の周方向における異な
る位置に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記第1シート部材および前記第2シート部材に前記貫通孔が設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
- 前記第1シート部材、および/または、前記第2シート部材は、厚み方向に重なった状態で前記回転軸部に取り付けられた第1シート部と、第2シート部とを有する、ことを特徴とする請求項4または5に記載の現像装置。
- 前記回転軸部の回転方向において、前記第1シート部は下流側に位置し、前記第2シート部は上流側に位置し、
前記回転軸部に固定される固定端から自由端までの、前記第1シート部の自由長は、前記第2シート部の自由長よりも長く、且つ、前記第2シート部の自由端は、前記内壁面に接触せず、前記第1シート部の自由端は前記内壁面に接触可能である、
ことを特徴とする請求項6に記載の現像装置。 - 前記枠体は、使用時の姿勢において前記収容室より重力方向の上方に設けられると共に、現像剤を担持する現像剤担持体が配置される現像室を備え、
前記攪拌部材によって、前記収容室に収容される現像剤が前記現像室へ搬送される、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像室には、前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材が更に備えられている、ことを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の現像装置と、
現像剤像を担持する像担持体と、を有し、
画像形成装置の装置本体に着脱可能であることを特徴とするカートリッジ。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の現像装置、または、請求項10に記載のカートリッジの少なくとも一つと、
転写部材と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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