JP7353138B2 - 風力発電装置用ケーソン及びその浮上方法 - Google Patents

風力発電装置用ケーソン及びその浮上方法 Download PDF

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Description

本発明は、風力発電装置の基礎として水底に沈設される風力発電装置用ケーソン及びその浮上方法に関する。
一般に、洋上風力発電装置の基礎には、例えば杭基礎等が用いられている。この杭基礎は、撤去時に引抜き、あるいは水中にて切断するように計画して設置されている。
また、洋上風力発電装置の基礎には、特許文献1に記載されたようにケーソンを用いたものもある。このケーソンを用いた基礎では、ケーソンの底面に摩擦増大マットを設けて摩擦抵抗を大きくし、中詰材に金属スラグ、鉱石等の高比重材料を用いてケーソンの滑動抵抗力を大きくしている。
特開2006-322400号公報
上述したように、洋上風力発電装置の基礎に杭基礎を用いた場合には、作業上、杭基礎を全て確実に引抜くことが困難な場合があり、また引き抜くために大型の海洋施設が必要となり、作業コストが多くかかるという問題がある。また、水中で杭基礎を切断する場合には、切断作業の安全性の面で問題があった。
さらに、特許文献1に記載されたケーソンを用いたものは、ケーソンの移動、撤収時にケーソンを浮上させる場合、ケーソン内から高比重材料の中詰材を排出する必要があることから、作業効率が極めて悪いという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、ケーソン躯体の移動、撤収時にケーソン躯体を確実かつ容易に浮上させることができる風力発電装置用ケーソン及びその浮上方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、風力発電装置の基礎として水底に沈設されるケーソン躯体と、前記ケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入する排出手段と、前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射する噴射手段と、を備え、前記噴射手段は、前記ケーソン躯体の上部から側壁内を上下方向に沿って延びる側壁配管と、該側壁配管の下端部から前記ケーソン躯体の底面開口を閉塞する底壁内を通って内側に延びる底壁配管と、を備え、少なくとも前記底壁配管が前記水底に向けて水又は空気を噴射して前記ケーソン躯体を前記水底から浮上させる複数の噴射孔を有することを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項に記載の構成に加え、前記排出手段は、前記ケーソン躯体内に砂及び水が充填されていた場合、前記砂を排出することを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、風力発電装置の基礎として水底に沈設されるケーソン躯体と、前記ケーソン躯体内の水を排出する排出手段と、前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射する噴射手段と、を備え、前記ケーソン躯体の下側に作業室が設けられ、この作業室内に中詰めコンクリートを打設する場合、前記作業室内の天井及び側壁に付着低減シートが貼り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、風力発電装置の基礎として水底に沈設されたケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入する排出工程と、前記ケーソン躯体の上部から側壁内を上下方向に沿って延びる側壁配管と、該側壁配管の下端部から前記ケーソン躯体の底面開口を閉塞する底壁内を通って内側に延びる底壁配管と、を備え、少なくとも前記底壁配管の複数の噴射孔から前記水底に対して水又は空気を噴射する噴射工程と、を有し、前記排出工程により前記ケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入して前記ケーソン躯体に作用する浮力を前記ケーソン躯体の自重よりも大きくするとともに、前記噴射工程により前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射して前記ケーソン躯体を前記水底から浮上させることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ケーソン躯体の移動、撤収時に排出手段によりケーソン躯体内の水を排出するとともに、噴射手段によりケーソン躯体から水底に向けて水又は空気を噴射することにより、水底に対するケーソン躯体の付着状態を分離することで、ケーソン躯体を確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
また、本発明の請求項1に記載の発明によれば、噴射手段は、ケーソン躯体の上部から側壁を介して底壁まで延びる配管を備え、少なくとも底壁に設けられた配管が水底に向けて水又は空気を噴射する噴射孔を有することにより、水底に対するケーソン躯体の付着状態を確実かつ容易に分離することができる。
また、本発明の請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の効果に加え、排出手段は、ケーソン躯体内に砂及び水が充填されていた場合、砂を排出することにより、排出手段に浚渫用ポンプ又はサンドポンプを用いて容易に排出することができる。
また、本発明の請求項に記載の発明によれば、ケーソン躯体の下側に作業室が設けられ、この作業室内に中詰めコンクリートを打設する場合、作業室内の天井及び側壁に付着低減シートが貼り付けられていることにより、ケーソン躯体の移動、撤収時にケーソン躯体と中詰めコンクリートとを分離し易くすることができる。
また、本発明の請求項に記載の発明によれば、排出工程によりケーソン躯体に作用する浮力をケーソン躯体の自重よりも大きくするとともに、噴射工程によりケーソン躯体から水底に向けて水又は空気を噴射してケーソン躯体を水底から浮上させることで、ケーソン躯体を水底から確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
本発明の第1実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの構成を示す系統図である。 図1のケーソン躯体の沈設状態を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの構成を示す系統図である。 図3のケーソン躯体の沈設状態を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施の形態]
図1は、本発明の第1実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの構成を示す系統図である。図2は、図1のケーソン躯体の沈設状態を示す拡大断面図である。
なお、図1に示す風力発電装置は、海底に沈設されるケーソン躯体上に設置した洋上風力発電装置に適用した例を示している。また、本実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンは、設置ケーソン工法により築造されたものである。
図1に示すように、洋上風力発電装置1はブレード2を有し、このブレード2は、塔体3の上端に回転可能に設置されている。この塔体3の下端がケーソン躯体4の上面に固定されることで、洋上風力発電装置1は、ケーソン躯体4の上面に設置されている。このケーソン躯体4は、内部に荷重水が収容されて洋上風力発電装置1の基礎として海底(水底)に沈設される。上記荷重水とは、ケーソン躯体4の自重を増加させるためにケーソン躯体4内に収容する水である。
ケーソン躯体4は、例えばRC(Reinforced Concrete)構造、PC(Prestressed Concrete)構造、鋼コンクリート複合構造等からなり、本実施の形態では全体形状が四角形容器状に形成されている。ケーソン躯体4は、四角形の底壁5と、この四角形の底壁5の外周端から一体に鉛直方向に立ち上がる側壁6と、この側壁6の上部開口を閉止する上壁7とを備えている。これら側壁6の上部及び上壁7は、本実施の形態では海面より上方に位置して海面から露出している。上壁7には、ハッチ8が開閉可能に設けられ、このハッチ8を開けることで、ケーソン躯体4内と外部とが連通状態となる。
ケーソン躯体4の上壁7には、送気管9及び排水管12が貫通して設置されている。送気管9は、その一端がケーソン躯体4内の上下方向においてやや下方まで延びており、その他端がコンプレッサ(又は空気圧縮機、以下同様)10に接続されている。このコンプレッサ10を駆動させることで、送気管9を通してケーソン躯体4内に圧縮空気が供給される。ケーソン躯体4の上流側の送気管9には、開閉弁11が設けられている。
排水管12は、その一端がケーソン躯体4内の底壁5の近傍まで延びており、その他端がケーソン躯体4の外部まで延びている。この排水管12からケーソン躯体4内に収容した荷重水を排水することができる。ケーソン躯体4の外部の排水管12には、開閉弁14が設けられている。
コンプレッサ10は、例えば作業船上に設置されたものが用いられる。送気管9及びコンプレッサ10と、排水管12は、本実施の形態の排出手段としての排出部15を構成する。なお、排水管12の他端に排水ポンプを接続し、この排水ポンプを駆動させてケーソン躯体4内の荷重水を排水するようにしてもよい。
本実施の形態は、配管16の一端がケーソン躯体4の上部から側壁6を介して底壁5まで延びており、配管16の他端が水又は空気を供給する供給ポンプ17に接続されている。側壁6の下部及び底壁5に位置する配管16には、逆止弁付きの複数の噴射孔18が海底に向けて一定間隔をおいて設置されている。供給ポンプ17を駆動することで、複数の噴射孔18からは、配管16を通して水又は空気が海底に向けて噴射される。配管16、供給ポンプ17、及び複数の噴射孔18は、本実施の形態の噴射手段としての噴射部19を構成する。供給ポンプ17は、コンプレッサ10と同様に例えば作業船上に設置されたものが用いられる。
一方、ケーソン躯体4が設置される海底面には、地盤が軟弱な場合、地盤を改良した地盤改良部20が設けられている。この地盤改良部20上には、多数の捨石によって基礎マウンド21が台形のステージのように築造される。この基礎マウンド21上には、図2に示すように摩擦増大用シート25を介してケーソン躯体4が設置される。基礎マウンド21は、その下部からケーソン躯体4の側面下部まで被覆石22により覆われている。基礎マウンド21上の被覆石22には、さらに根固めブロック23が複数段積み重ねられている。
次に、本実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの移動、撤収方法について説明する。
まず、洋上風力発電装置1のブレード2及び塔体3、その他の洋上風力発電装置1の上部構造を解体して撤去する。
次いで、排出工程では、ケーソン躯体4内の荷重水を排出する。具体的には、コンプレッサ10を駆動させて送気管9からケーソン躯体4内に送気して、ケーソン躯体4内に収容された荷重水を排水管12から排出する。あるいは、送気管9の開閉弁11を開放し、排水管12からケーソン躯体4内の荷重水を汲み出すことで、ケーソン躯体4内を空にするようにしている。
そして、ケーソン躯体4内が空になったことで、ケーソン躯体4の自重よりもケーソン躯体4に作用する浮力が大きくなり、ケーソン躯体4を浮上させることができる。浮上したケーソン躯体4は、船舶等で曳航して移動させることが可能となる。
ここで、ケーソン躯体4内を空にしても浮上しない場合には、図2に示すようにケーソン躯体4と根固めブロック23との付着力や、ケーソン躯体4と基礎マウンド21との間に敷設された摩擦増大用シート25との付着力を低減するため、噴射工程を行う。
この噴射工程では、供給ポンプ17を駆動して配管16を通して空気又は水を送り込み、複数の噴射孔18から海底である根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に空気又は水を噴射させることで、これらの付着状態を分離し、ケーソン躯体4を浮上させるようにしている。
さらに、ケーソン躯体4を曳航して移動させた後、根固めブロック23、被覆石22、及び基礎マウンド21を掘削して撤去し、洋上風力発電装置1の設置前の状態に復元させる。
なお、ケーソン躯体4の自重不足に対応するため、ケーソン躯体4内に砂及び水の双方が事前に充填されている場合には、ケーソン躯体4内の気圧に対抗可能なハッチ8を開けて、このハッチ8からケーソン躯体4内に図示しないサンドポンプを投入する。
このケーソン躯体4内に投入したサンドポンプを駆動することにより、ケーソン躯体4内の砂をケーソン躯体4の外部に排出した後、上記と同様にケーソン躯体4内の水を、排水管12を通して排出する。
このように本実施の形態では、ケーソン躯体4の移動、撤収時に排出部15からケーソン躯体4内の荷重水を排出するとともに、噴射部19によりケーソン躯体4から海底である根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に向けて水又は空気を噴射することにより、根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に対するケーソン躯体4の付着状態を分離することで、ケーソン躯体4を確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
また、本実施の形態では、噴射部19は、ケーソン躯体4の上部から側壁6を介して底壁5まで延びる配管16を備え、底壁5及び側壁6の下部に設けられた配管16に根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に向けて水又は空気を噴射する噴射孔18を有することにより、根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に対するケーソン躯体4の付着状態を確実かつ容易に分離することができる。
また、本実施の形態では、排出部15は、ケーソン躯体4内に砂及び水が充填されていた場合、砂を排出することにより、排出部15に浚渫用ポンプを用いて容易に排出することができる。
また、本実施の形態では、上記排出工程によりケーソン躯体4に作用する浮力をケーソン躯体4の自重よりも大きくするとともに、上記噴射工程によりケーソン躯体4から海底である根固めブロック23及び摩擦増大用シート25に向けて水又は空気を噴射してケーソン躯体4を根固めブロック23及び摩擦増大用シート25から浮上させることで、ケーソン躯体4を根固めブロック23及び摩擦増大用シート25から確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
なお、本実施の形態では、底壁5及び側壁6に配置された配管16に噴射孔18を設けた例について説明したが、これに限らず、少なくとも底壁5に設けられた配管16に噴射孔18を設けるようにすればよい。
[第2実施の形態]
図3は、本発明の第2実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの構成を示す系統図である。図4は図3のケーソン躯体の沈設状態を示す拡大断面図である。
なお、前記第1実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、本実施の形態の風力発電装置用ケーソンは、ニューマチックケーソン工法により築造されたものである。さらに、図3は作業室内に中詰めコンクリートを打設する前の状態を示し、図4は作業室内に中詰めコンクリートを打設した後の状態を示している。
図3に示すように、ケーソン躯体4Aは、下部が地盤30内に埋め込まれた状態で沈設されている。ケーソン躯体4Aの側壁6の上部及び上壁7は、前記第1実施の形態と同様に海面より上方に位置して海面から露出している。ケーソン躯体4Aは、下部に作業室31が設けられ、この作業室31の側壁が刃口部32に形成されている。作業室31内には、送気管33の一端が延びており、この送気管33の他端にコンプレッサ(又は空気圧縮機、以下同様)34が接続されている。このコンプレッサ34を駆動させることで、送気管33を通して作業室31内に圧縮空気が供給される。ケーソン躯体4Aの上流側の送気管33には、開閉弁35が設けられている。
ケーソン躯体4Aは、図4に示すように沈設完了時に作業室31内に中詰めコンクリート36を打設する場合、打設前に作業室31内の突起物を除去し、作業室31の天井及び側壁である刃口部32内面に付着低減シート37を貼り付けてから中詰めコンクリートを打設するようにしている。
次に、本実施の形態に係る風力発電装置用ケーソンの移動、撤収方法について説明する。
前記第1実施の形態と同様に、まず、洋上風力発電装置1のブレード2及び塔体3、その他の洋上風力発電装置1の上部構造を解体して撤去する。
次いで、排出工程では、ケーソン躯体4A内の荷重水を排出する。具体的には、コンプレッサ10を駆動させて送気管9からケーソン躯体4A内に送気して、ケーソン躯体4A内に収容された荷重水を排水管12から排出する。あるいは、送気管9の開閉弁11を開放し、排水管12からケーソン躯体4A内の荷重水を汲み出すことで、ケーソン躯体4A内を空にするようにしている。
そして、ケーソン躯体4A内が空になったことで、ケーソン躯体4Aの自重とケーソン躯体4Aが接する周面摩擦力との合力よりもケーソン躯体4Aに作用する浮力が大きくなり、ケーソン躯体4Aを浮上させることができる。浮上したケーソン躯体4Aは、船舶等で曳航して移動させることが可能となる。
ここで、ケーソン躯体4A内を空にしても浮上しない場合、コンプレッサ34を駆動させて送気管33からケーソン躯体4Aの作業室31内に圧縮空気を送り、必要により作業室31内の気圧を水圧h以上まで上昇させることで、ケーソン躯体4Aを浮上させることができる。
さらに、ケーソン躯体4Aがそれでも浮上しない場合、ケーソン躯体4Aと海底の地盤30との周面摩擦力を低減させるため、配管16から空気又は水を送り込み、複数の噴射孔18から海底に向けて空気又は水を噴射させることで、これらの付着状態を分離し、ケーソン躯体4Aを浮上させることができる。
なお、地盤支持力を確実にするため、ケーソン躯体4Aの沈設完了時に作業室31内に中詰めコンクリート36を打設する場合には、その打設前に作業室31内の突起物を除去し、作業室31内の天井及び刃口部32に付着低減シート37を貼り付けてから中詰めコンクリート36を打設する。
ケーソン躯体4Aの移動、撤収時には、上記ケーソン躯体4A内を空にする手順に引き続き、あるいは上記ケーソン躯体4A内を空にする手順と同時に、配管16から空気又は水を送り、複数の噴射孔18から空気又は水を付着低減シート37に向けて噴射させることで、作業室31の中詰めコンクリート36とケーソン躯体4Aとの付着力を低減させてケーソン躯体4Aを容易に浮上させることができる。
この場合、作業室31内に中詰めコンクリート36を打設するか、あるいは打設しない場合であっても、配管16から空気又は水を送り、複数の噴射孔18から空気又は水を噴射させる。これにより、ケーソン躯体4Aを効果的に浮上させることができる。
なお、ケーソン躯体4Aの自重不足に対応するため、ケーソン躯体4A内に砂及び水が事前に充填されている場合、ケーソン躯体4A内の気圧に対抗できるハッチ8から図示しないサンドポンプを投入し、このサンドポンプを駆動することによりケーソン躯体4A内の砂をケーソン躯体4Aの外部に排出した後、ケーソン躯体4A内の水を、排出管12を経て排出する。
したがって、本実施の形態では、ケーソン躯体4Aの下側に作業室31が設けられ、この作業室31内に中詰めコンクリート36を打設する場合、作業室31内の天井及び側壁である刃口部32にあらかじめ付着低減シート37が貼り付けられていることにより、ケーソン躯体4Aの移動、撤収時にケーソン躯体4Aと中詰めコンクリート36とを分離し易くすることができる。
また、本実施の形態では、ケーソン躯体4Aの移動、撤収時に排出部15からケーソン躯体4A内の荷重水を排出するとともに、噴射部19によりケーソン躯体4Aから海底の地盤30に向けて水又は空気を噴射することにより、地盤30に対するケーソン躯体4Aの付着状態を分離することで、ケーソン躯体4Aを確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
また、本実施の形態では、噴射部19は、ケーソン躯体4Aの上部から側壁6を介して底壁5まで延びる配管16を備え、底壁5及び側壁6の下部に設けられた配管16に地盤30に向けて水又は空気を噴射する噴射孔18を有することにより、地盤30に対するケーソン躯体4Aの付着状態を確実かつ容易に分離することができる。
また、本実施の形態では、上記排出工程によりケーソン躯体4Aに作用する浮力をケーソン躯体4Aの自重よりも大きくするとともに、上記噴射工程によりケーソン躯体4Aから海底である地盤30に向けて水又は空気を噴射してケーソン躯体4Aを地盤30から浮上させることで、ケーソン躯体4Aを地盤30から確実かつ容易に浮上させることができ、作業効率を大幅に高めることが可能となる。
なお、その他の構成及び作用効果は、前記第1実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
上記各実施の形態において、配管16は一端が単に底壁5まで延びているだけではなく、配管16の一端を底壁5において多数分岐して配置し、これらの分岐管にそれぞれ複数の噴射孔18を設けるように構成してもよい。この場合、多数の分岐管を格子状に配置してもよい。
同様に、配管16は、側壁6の下部で多数分岐して配置し、これらの分岐管にそれぞれ複数の噴射孔18を設けるように構成してもよい。
このように構成することにより、噴射孔18の数が多くなるとともに、噴射孔18が点在するため、ケーソン躯体4,4Aの付着状態を分離する効果が一段と高まり、ケーソン躯体4,4Aを確実かつ容易に浮上させることができる。
また、各実施の形態の洋上風力発電装置1の基礎としてケーソン躯体4,4Aを海底に沈設した例について説明したが、これに限らずケーソン躯体4,4Aを湖底に沈設する場合にも適用可能である。
さらに、上記各実施の形態では、ケーソン躯体4,4Aの全体形状を角形容器状に形成した例について説明したが、これに限らず円形容器状、楕円容器状、又は多角形容器状に形成したものでもよい。
1 洋上風力発電装置
2 ブレード
3 塔体
4 ケーソン躯体
4A ケーソン躯体
5 底壁
6 側壁
7 上壁
8 ハッチ
9 送気管
10 コンプレッサ
11 開閉弁
12 排水管
14 開閉弁
15 排出部(排出手段)
16 配管
17 供給ポンプ
18 噴射孔
19 噴射部(噴射手段)
20 地盤改良部
21 基礎マウンド
22 被覆石
23 根固めブロック
25 摩擦増大用シート
30 地盤
31 作業室
32 刃口部
33 送気管
34 コンプレッサ
35 開閉弁
36 中詰めコンクリート
37 付着低減シート
h 水圧

Claims (4)

  1. 風力発電装置の基礎として水底に沈設されるケーソン躯体と、
    前記ケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入する排出手段と、
    前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射する噴射手段と、を備え
    前記噴射手段は、前記ケーソン躯体の上部から側壁内を上下方向に沿って延びる側壁配管と、該側壁配管の下端部から前記ケーソン躯体の底面開口を閉塞する底壁内を通って内側に延びる底壁配管と、を備え、少なくとも前記底壁配管が前記水底に向けて水又は空気を噴射して前記ケーソン躯体を前記水底から浮上させる複数の噴射孔を有することを特徴とする風力発電装置用ケーソン。
  2. 前記排出手段は、前記ケーソン躯体内に砂及び水が充填されていた場合、前記砂を排出することを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置用ケーソン。
  3. 風力発電装置の基礎として水底に沈設されるケーソン躯体と、
    前記ケーソン躯体内の水を排出する排出手段と、
    前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射する噴射手段と、を備え、
    前記ケーソン躯体の下側に作業室が設けられ、この作業室内に中詰めコンクリートを打設する場合、前記作業室内の天井及び側壁に付着低減シートが貼り付けられていることを特徴とする風力発電装置用ケーソン。
  4. 風力発電装置の基礎として水底に沈設されたケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入する排出工程と、
    前記ケーソン躯体の上部から側壁内を上下方向に沿って延びる側壁配管と、該側壁配管の下端部から前記ケーソン躯体の底面開口を閉塞する底壁内を通って内側に延びる底壁配管と、を備え、少なくとも前記底壁配管の複数の噴射孔から前記水底に対して水又は空気を噴射する噴射工程と、を有し、
    前記排出工程により前記ケーソン躯体内の水を排出するとともに、前記ケーソン躯体内に空気を導入して前記ケーソン躯体に作用する浮力を前記ケーソン躯体の自重よりも大きくするとともに、前記噴射工程により前記ケーソン躯体から前記水底に向けて水又は空気を噴射して前記ケーソン躯体を前記水底から浮上させることを特徴とする風力発電装置用ケーソンの浮上方法。
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