JP7352428B2 - 吸収性樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性樹脂粒子及びその製造方法に関するものである。
近年、乳幼児のプール等での使用を前提とした、尿や便等の***物が水中に拡散するのを防止する機能を持つ使い捨て水着(スイミングパンツとも呼ばれている)が市販されている(例えば特許文献1、2参照)。
このような使い捨て水着は、尿を吸収する吸収体と、その表側及び裏側をそれぞれ覆う液透過性の表側層及び裏側層とを基本要素としている。
吸収体としては、パルプ繊維の積繊体が一般的に使用されている。使い捨て水着は水中で使用するため、内部に浸入した水も吸収体に吸収される。そのため、使い捨て水着の吸収体として、水中での使用を前提としていない紙おむつを水中で使用した場合、水に入った後又は水中では、吸水後の自重増により股間部が垂れ下がったり、ずれ落ちたりすることにより、見栄えや装着感が悪くなる。
従って、このような使い捨て水着の吸収体としては、水中での使用を前提としていない紙おむつとは異なり、吸収体が膨らまないように吸収体中に吸収性樹脂を含有させないか、含有させるとしても少量しか含有させないか、又は水の吸収倍率の小さい吸収性樹脂を使用するのが好ましいと考えられている。
しかし、吸収性樹脂を含有させないか、又は少量しか含有させない場合は、尿の吸収性能に劣り、水に入る前や、水辺で遊ぶだけで水に入るか決まっていないときに排尿があると、吸収量がほとんど無いか又は少ないために漏れを生じるおそれがあった。従来、内部架橋剤を多く使用して、水(イオン交換水)の吸収倍率の小さい吸収性樹脂を製造する方法が知られているが(特許文献3参照)、これを吸収体に用いると、水吸収後の吸収体の膨らみは抑制できるが、吸収性樹脂のゲル通液速度が低く排尿時に吸収体内へ尿が拡散しづらく、漏れを生じるおそれがあった。また、内部架橋剤を多く使用した吸収性樹脂は、長期保管時に吸収性樹脂が着色し、使用者に不快感を与える場合があった。一方、ゲル通液速度を向上させる技術として、(1)シリカ及びタルク等の無機化合物を添加することにより物理的なスペースを形成させる方法、(2)変性シリコーン等の表面自由エネルギーの小さい疎水性高分子で表面処理することにより、膨潤ゲル同士の合着を抑制してゲル間隙を形成させる方法及び(3)硫酸アルミニウムや乳酸アルミニウム等を添加する方法が既に知られている(例えば、特許文献4、特許文献5及び特許文献6参照)。しかしこれらの方法では、吸収性樹脂の輸送、散布、供給やミキシング等の際、又は吸収性物品の輸送等の際に、粒子同士の衝突・摩擦や装置壁面等と粒子との衝突・摩擦等によって吸収性樹脂粒子の表面が壊れるのに伴いゲル通液速度が悪化するおそれがあった。
特開2009-178382号公報 特開2018-50912号公報 特許第5190116号 特開2012-161788号公報 特開2013-133399号公報 特開2014-512440号公報
本発明の課題は、吸収性樹脂粒子を使い捨て水着等の吸収性物品に使用した際、水を吸収した後の吸収体の膨張を抑制しつつ、水を吸収する前の尿漏れを防止でき、かつ高温多湿下での着色防止を長期に渡り発揮できる吸収性樹脂粒子、その製造方法、及び該吸収性樹脂粒子を含有する吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、ビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を後架橋剤(c)で架橋した吸収性樹脂粒子であって、前記ビニルモノマー(a)は水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を含み、イオン交換水中に浸漬した吸収性樹脂粒子が単位重量あたりに吸水するイオン交換水の重量[イオン交換水中での吸水倍率]が10~120(g/g)であり、生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]が350(ml/分)以上であり、下記(式4)で得られるゲル通液維持率が70%以上である吸収性樹脂粒子
(ゲル通液維持率)=100×(壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度])
/(壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]) ・・・(式4)
(式4)中の壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、後述する壊れ性試験を行わないで生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度である。壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、3L丸形セパラブルフラスコに吸収性樹脂粒子30gを投入し、前記セパラブルフラスコの上部に、中心部に6mmの穴を開けた目開き63μmのナイロン網を敷き、さらにその上に4つ口セパラブルカバーをセットする。次に3L丸形セパラブルフラスコ用の4つ口セパラブルカバーの主管からステンレス製(外径6mm、内径4mm)管を入れステンレス製管がナイロン網を貫通し、かつ先端が前記セパラブルフラスコの底面から45mmの位置となるようセットする。ステンレス製管のもう一方にはウレタンチューブ(長さ1500mm、内径8.5mm)を装着し0.3MPa以上の圧力が達成できるエアーラインに接続し、圧力0.2MPaにてエアーラインを開け、3分間エアーブローすることで壊れ性試験を行い、その後に取り出した吸収性樹脂粒子を生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮し、圧縮後の吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度である。;前記吸収性樹脂粒子を含有する吸収体;前記吸収体を含有する吸収性物品である。
本発明はまた、上記吸収性樹脂粒子の製造方法であって、ビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有し、含水率が22~90重量%である樹脂粒子と後架橋剤(c)とを反応させる工程を有することを特徴とする吸収性樹脂粒子の製造方法である。
表す)は、乳化安定性及び集束性に優れるという効果を有する。
本発明の吸収性樹脂粒子は、水に対する吸収倍率を抑制しつつ、適度な保水量と高いゲル通液速度を示す。従って、本発明の吸収性樹脂粒子を使い捨て水着等の吸収性物品に使用した際、吸収性物品の内部に水が浸入しても吸収性物品の吸収体が膨らみにくく、そのため吸収性物品が体からずり落ちづらい。一方、水に入る前や、水辺で遊ぶだけで水に入るか決まっていないときに排尿がある場合も、本発明の吸収性物品は尿を十分吸収でき、漏れを抑制する。
ゲル通液速度を測定するための濾過円筒管を模式的に表した断面図である。 ゲル通液速度を測定するための加圧軸及びおもりを模式的に表した斜視図である。
本発明の吸収性樹脂粒子は、ビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を後架橋剤(c)で架橋した吸収性樹脂粒子であり、前記ビニルモノマー(a)は水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を含む。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a1)としては特に限定はなく、公知のモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0007~0023段落に開示されている少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するビニルモノマー(例えばアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー)、特開2003-165883号公報の0009~0024段落に開示されているアニオン性ビニルモノマー、非イオン性ビニルモノマー及びカチオン性ビニルモノマー並びに特開2005-75982号公報の0041~0051段落に開示されているカルボキシ基、スルホ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基、アミノ基及びアンモニオ基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するビニルモノマー等が使用できる。
なお、水溶性ビニルモノマーにおける水溶性とは、数量を用いて表すなら、例えば、溶質が25℃の水100gに少なくとも100g溶解することを意味する。
加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)[以下、加水分解性ビニルモノマー(a2)ともいう。]は特に限定はなく、公知のビニルモノマー、例えば、特許第3648553号公報の0024~0025段落に開示されている加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するビニルモノマー、特開2005-75982号公報の0052~0055段落に開示されている少なくとも1個の加水分解性置換基[1,3-オキソ-2-オキサプロピレン(-CO-O-CO-)基、アシル基及びシアノ基等]を有するビニルモノマー等が使用できる。
なお、加水分解とは、水の存在下で、必要により触媒(酸又は塩基等)を用いて、加水分解性ビニルモノマー(a2)を水溶性ビニルモノマー(a1)に分解することを意味する。加水分解性ビニルモノマー(a2)の加水分解は、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、得られる吸収性樹脂粒子の吸収性能の観点から、重合後が好ましい。
水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)の内、吸収性能等の観点から、水溶性ビニルモノマー(a1)が好ましい。水溶性ビニルモノマー(a1)としては、好ましいのは上述のアニオン性ビニルモノマー;カルボキシ(塩)基、スルホ(塩)基、アミノ基、カルバモイル基、アンモニオ基又はモノ-、ジ-若しくはトリ-アルキルアンモニオ基を有するビニルモノマー;更に好ましいのはカルボキシ(塩)基又はカルバモイル基を有するビニルモノマー;特に好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩)及び(メタ)アクリルアミド;とりわけ好ましいのは(メタ)アクリル酸(塩);最も好ましいのはアクリル酸(塩)である。
なお、「カルボキシ(塩)基」は「カルボキシ基」又は「カルボキシレート基」を意味し、「スルホ(塩)基」は「スルホ基」又は「スルホネート基」を意味する。また、(メタ)アクリル酸(塩)はアクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸又はメタクリル酸塩を意味し、(メタ)アクリルアミドはアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
また、塩としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム及びカリウム等)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム及びカルシウム等)塩及びアンモニウム(NH)塩等が挙げられる。これらの塩の内、吸収性能の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
水溶性ビニルモノマー(a1)としてアクリル酸やメタクリル酸等の酸基含有モノマーを用いる場合、吸水性能や残存モノマーの観点から、酸基含有モノマーの一部が塩基で中和されていることが好ましい。中和する塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩を使用できる。中和は、吸収性樹脂粒子の製造において、重合前、重合中、重合後及びこれらの両方のいずれで行っても良いが、例えば、重合前に酸基含有モノマーを中和する方法や重合後に酸基含有ポリマーを含水ゲルの状態で中和する等の方法が好ましい例として例示される。
また、前記酸基含有モノマーを用いる場合の酸基の中和度は、50~80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる吸収性樹脂粒子の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
水溶性ビニルモノマー(a1)又は加水分解性ビニルモノマー(a2)のいずれかを構成単位とする場合、それぞれ1種を単独で構成単位としてもよく、また、必要により2種以上を構成単位としても良い。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合も同様である。また、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)を構成単位とする場合、これらの含有モル比[(a1)/(a2)]は、75/25~99/1が好ましく、更に好ましくは85/15~95/5、特に好ましくは90/10~93/7、最も好ましくは91/9~92/8である。この範囲内であると、吸収性能が更に良好となる。
ビニルモノマー(a)としては、前記の水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の他に、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)と共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)を構成単位とすることができる。その他のビニルモノマー(a3)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
共重合可能なその他のビニルモノマー(a3)としては特に限定はなく、例えば、特許第3648553号公報の0028~0029段落に開示されている疎水性ビニルモノマー、特開2003-165883号公報の0025段落及び特開2005-75982号公報の0058段落に開示されているビニルモノマー等の公知の疎水性ビニルモノマー等が使用でき、具体的には例えば下記の(i)~(iii)のビニルモノマー等が使用できる。
(i)炭素数8~30の芳香族エチレン性モノマー
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン及びヒドロキシスチレン等のスチレン、並びにビニルナフタレン及びジクロルスチレン等のスチレンのハロゲン置換体等。
(ii)炭素数2~20の脂肪族エチレン性モノマー
アルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);並びにアルカジエン(ブタジエン及びイソプレン等)等。
(iii)炭素数5~15の脂環式エチレン性モノマー
モノエチレン性不飽和モノマー(ピネン、リモネン及びインデン等);並びにポリエチレン性ビニルモノマー[シクロペンタジエン、ビシクロペンタジエン及びエチリデンノルボルネン等]等。
その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量は、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位の合計モル数に基づいて、0~5モル%が好ましく、更に好ましくは0~3モル%、特に好ましくは0~2モル%、とりわけ好ましくは0~1.5モル%であり、吸収性能等の観点から、その他のビニルモノマー(a3)単位の含有量が0モル%であることが最も好ましい。
架橋剤(b)としては特に限定はなく公知の架橋剤、例えば、特許第3648553号公報の0031~0034段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有してかつ少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する架橋剤及び水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個有する架橋剤、特開2003-165883号公報の0028~0031段落に開示されているエチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤、エチレン性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤及び反応性置換基を2個以上有する架橋剤、特開2005-75982号公報の0059段落に開示されている架橋性ビニルモノマー、特開2005-95759号公報の0015~0016段落に開示されている架橋性ビニルモノマー並びに特開2018-39929の0066段落に開示されている多価グリシジル化合物等が使用できる。
これらの内、吸収性能等の観点から、エチレン性不飽和基を2個以上有する架橋剤が好ましく、更に好ましいのは、N,N’-メチレンビスアクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、テトラアリロキシエタン並びにトリアリルイソシアヌレート等の多価(メタ)アリル化合物であり、最も好ましいのは多価(メタ)アリル化合物である。架橋剤(b)は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
架橋重合体(A)における架橋剤(b)の含有量は、架橋重合体(A)を構成するビニルモノマー(a)の合計重量(すなわち、水溶性ビニルモノマー(a1)、加水分解性ビニルモノマー(a2)及びその他のビニルモノマー(a3)の合計重量)に基づいて、0.2~5重量%が好ましく、更に好ましくは0.3~3重量%、最も好ましくは0.4~1重量%である。前記含有量が0.2重量%未満であると、吸収性樹脂粒子の可溶分が多くなり、ゲル通液速度が低下する場合がある。一方、前記含有量が5重量%より多いと、吸収性樹脂粒子内部の架橋密度が高くなりすぎ、十分な保水量が発揮できなくなる上、長期保管時の変色がしやすくなる。なお、架橋重合体(A)に含まれるビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)の重量としては、架橋重合体(A)を製造する際の重合反応に用いるビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)の重量を用いる。
架橋重合体(A)の製造方法としては、公知の溶液重合(断熱重合、薄膜重合及び噴霧重合法等;特開昭55-133413号公報等)や、公知の懸濁重合法や逆相懸濁重合(特公昭54-30710号公報、特開昭56-26909号公報及び特開平1-5808号公報等)によって得られる含水ゲル重合体(少なくとも架橋重合体と水を含有する。)を必要により乾燥することで得ることができる。架橋重合体(A)は、1種単独でも良いし、2種以上の混合物であっても良い。
架橋重合体(A)は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を含むビニルモノマー(a)並びに架橋剤(b)を必須構成単位とする単量体組成物を重合することにより得ることができるが、重合方法の内、好ましいのは溶液重合法であり、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、特に好ましいのは水溶液重合法であり、保水量が大きく、且つ水可溶性成分量の少ない架橋重合体が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が最も好ましい。
水溶液重合を行う場合、水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用することができ、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びこれらの2種以上の混合物を挙げられる。水溶液重合に水と有機溶媒とを含む混合溶媒を使用する場合、有機溶媒の使用量は、水の重量を基準として40重量%以下が好ましく、更に好ましくは30重量%以下である。
重合に触媒を用いる場合、従来のラジカル重合用触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド等]、無機過酸化物(過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等)、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒(アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤とアルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの)等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用しても良い。ラジカル重合触媒の使用量は、水溶性ビニルモノマー(a1)及び加水分解性ビニルモノマー(a2)の、その他のビニルモノマー(a3)を用いる場合は(a1)~(a3)の、合計重量に基づいて、0.0005~5重量%が好ましく、更に好ましくは0.001~2重量%である。
重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法をとる場合は、必要に応じて、従来の分散剤又は界面活性剤の存在下に重合を行っても良い。また、逆相懸濁重合法の場合、従来のキシレン、ノルマルヘキサン及びノルマルヘプタン等の炭化水素系溶媒を使用して重合を行うことができる。
重合開始温度は、使用する触媒の種類によって適宜調整することができるが、0~100℃が好ましく、更に好ましくは5~80℃である。
重合によって得られる含水ゲル重合体は、乾燥前に必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は50μm~10cmが好ましく、更に好ましくは100μm~2cm、特に好ましくは1mm~1cmである。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性が更に良好となる。
細断は、公知の方法で行うことができ、細断装置(例えば、ベックスミル、ラバーチョッパ、ファーマミル、ミンチ機、衝撃式粉砕機及びロール式粉砕機)等を使用して細断できる。
また、前述のとおり、重合後に得られた酸基含有ポリマーの含水ゲル重合体に、必要に応じて塩基を混合して中和することもできる。
含水ゲル重合体の溶媒(水を含む。)を留去し、乾燥する方法としては、80~230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100~230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法、赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。
含水ゲル重合体の溶媒(有機溶媒及び水等)に有機溶媒を含む場合、乾燥後の有機溶媒の含有量は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0~10重量%が好ましく、更に好ましくは0~5重量%、特に好ましくは0~3重量%、最も好ましくは0~1重量%である。この範囲であると、吸収性樹脂粒子の吸収性能が更に良好となる。
また、含水ゲル重合体の溶媒に水を含む場合、乾燥後の含水率は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0~20重量%が好ましく、更に好ましくは1~10重量%、特に好ましくは2~9重量%、最も好ましくは3~8重量%である。この範囲であると、後の粉砕工程において粉砕性が良好となり、かつ吸収性能が更に良好となる。
なお、有機溶媒の含有量及び含水率は、赤外水分測定器[(株)KETT社製JE400等:120±5℃、30分、加熱前の雰囲気湿度50±10%RH、ランプ仕様100V、40W]により加熱したときの測定試料の重量減量から求められる。
含水ゲル重合体を乾燥して架橋重合体(A)を得た後、更に粉砕することで、架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子が得られる。粉砕方法については、特に限定はなく、粉砕装置(例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機)等が使用できる。樹脂粒子は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
必要によりふるい分けした場合の、樹脂粒子の重量平均粒子径は、100~800μmが好ましく、更に好ましくは200~700μm、次に好ましくは250~600μm、特に好ましくは300~500μm、最も好ましくは350~450μmである。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μm及び45μm、並びに受け皿、の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるい及び受け皿上の測定粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるい上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
また、樹脂粒子に含まれる微粉の含有量は少ないほど吸収性能が良好となるため、樹脂粒子の合計重量に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の粒子の含有率は3重量%以下が好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。微粉の含有率は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
なお、樹脂粒子はその性能を損なわない範囲で、残留溶媒や残存架橋成分等の他の成分を多少含んでも良い。
本発明の吸収性樹脂粒子は、前記架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を後架橋剤(c)で架橋した吸水性樹脂粒子であり、本発明の製造方法は、前記架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子と後架橋剤(c)とを含む混合物を反応して樹脂粒子を後架橋する工程を有し、混合物の含水率が22~90重量%である製造方法である。
ここで後架橋とは、前述した架橋剤(b)存在下に溶液状態で水溶性ビニルモノマー等を重合して架橋重合体を得る技術とは異なり、樹脂粒子の状態で更に前記架橋重合体の架橋密度を上げる技術である。後架橋することにより実使用において吸水性樹脂粒子に必要な保水量を維持しつつ、[イオン交換水中での吸水倍率]を低下させ、かつ、[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]を向上させることができる。
後架橋剤(c)としては、特開昭59-189103号公報に記載の多価グリシジル化合物、多価アミン、多価アジリジン化合物及び多価イソシアネート化合物等、特開昭58-180233号公報及び特開昭61-16903号公報の多価アルコール、特開昭61-211305号公報及び特開昭61-252212号公報に記載のシランカップリング剤、特表平5-508425号公報に記載のアルキレンカーボネート、特開平11-240959号公報に記載の多価オキサゾリン化合物並びに特開昭51-136588号公報及び特開昭61-257235号公報に記載の多価金属等の表面架橋剤等が使用できる。これらの表面架橋剤のうち、経済性及び吸収特性の観点から、多価グリシジル化合物、多価アルコール及び多価アミンが好ましく、更に好ましいのは多価グリシジル化合物及び多価アルコール、特に好ましいのは多価グリシジル化合物、最も好ましいのはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。表面架橋剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
吸収性樹脂粒子における後架橋剤(c)の合計使用量は、後架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、架橋重合体(A)の重量に基づいて、1~4重量%が好ましく、更に好ましくは1~3重量%、最も好ましくは1~2.5重量%である。この範囲であると、ゲル通液速度が更に良好となる。前記含有量が1重量%未満であると、[イオン交換水中での吸水倍率]が十分に低くならず、ゲル通液速度が十分に高くならない場合がある。一方、前記含有量が4重量%より多いと、長期保管時の変色がしやすくなる。後架橋剤(c)の合計使用量は、後述する後架橋工程で使用する後架橋剤(c)の重量に基づいて計算される。
樹脂粒子を後架橋する方法としては、例えば、樹脂粒子と後架橋剤(c)、水及び溶媒からなる混合溶液を混合して混合物を作製し、混合物を反応して後架橋する方法等が挙げられ、反応する方法としては、加熱反応する方法が挙げられる。樹脂粒子と混合溶液を混合して混合物を得る方法としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の混合装置を用いて、均一混合する方法が挙げられる。また、表面架橋の均一性の観点から、後架橋剤(c)は、水及び溶媒で希釈した混合溶液を使用することが好ましく、公知の流動式加湿混合造粒装置[フレキソミックス(ホソカワミクロン社製)及びシュギフレキソミックス((株)パウレック製)等]に公知の噴霧装置を取り付けた混合装置等で噴霧する方法や、上記混合溶液に樹脂粒子をディッピングする方法等が挙げられる。
また、前記混合溶液に使用される溶媒としては、後架橋剤(c)の樹脂粒子内部への浸透度合い、後架橋剤(c)の反応性等を考慮し、適宜選択して使用することができるが、好ましくは、メタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の水に溶解しうる親水性有機溶媒である。溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。溶媒の使用量は、溶媒の種類により適宜調整できるが、後架橋前の樹脂粒子の重量に基づいて、好ましくは1~10重量%である。
後架橋は、樹脂粒子と後架橋剤(c)とを含む混合物を反応する工程(以後、後架橋工程ともいう)により行う。後架橋工程においては、樹脂粒子と後架橋剤(c)とを混合した後、加熱して反応させることが好ましい。加熱反応時の加熱温度は、好ましくは80~230℃、更に好ましくは100~180℃である。また、反応時間は、反応温度により適宜調整することができるが、好ましくは3~90分、更に好ましくは30~60分である。反応温度が80℃未満だと、後架橋反応が十分に進行せず、得られる吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率]が小さくならない場合がある。一方、反応温度が230℃以上だと後架橋反応後の吸収性樹脂粒子の黄色度が悪化する場合がある。
本発明において、後架橋工程における樹脂粒子と後架橋剤(c)との混合及び反応は1回でもよいが、混合と反応をそれぞれ2回以上実施することが好ましい。具体的には、後架橋工程における混合と反応を2回以上実施することで樹脂粒子の後架橋を2回以上に分けて実施することになり、吸収性樹脂粒子の表面近傍の深さ方向へ厚みのある架橋構造を形成することが可能となり、吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率]と保水量のバランスを向上させ、かつ高いゲル通液速度と両立させることができる。さらに好ましくは、樹脂粒子と後架橋剤(c)との混合を2回以上に分けて行う場合、それぞれ樹脂粒子の含水率が異なる条件で実施することが好ましい。なお、2回以上実施する場合に使用する後架橋剤は、毎回同じ後架橋剤であっても、異なった後架橋剤であっていてもよい。
後架橋工程を2回以上実施する場合、1回目の後架橋工程で得られる混合物の含水率は、好ましくは10重量%以下である。この範囲であると、表面付近の架橋密度を上げることができる。
後架橋工程における樹脂粒子と後架橋剤(c)との反応を2回以上行う場合には、少なくとも1回は含水率が22~90重量%の混合物を反応することが好ましい。樹脂粒子と後架橋剤(c)とを含む混合物の更に好ましい含水率は25~60重量%、最も好ましくは30~50重量%である。反応する混合物の含水率が22重量%より低いと、得られる吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率]が小さくならなかったり、ゲル通液維持率が高くならなかったりする場合がある。また、含水率が22重量%以上の混合物で後架橋反応を行うことで、[イオン交換水中での吸水倍率]を低下させ、後述するイオン交換水吸収指数を効果的に低下させることができるので好ましい。一方、含水率が90%重量より大きい場合、反応後水を除去する際の処理時間が長くなるため、経済的でないだけでなく、得られる吸収性樹脂粒子の初期の黄色度が悪化する場合がある。なお、後架橋時における樹脂粒子の含水率は、後架橋前の樹脂粒子の含水率から必要な水の量を算出し、前記混合溶液中の水の量で調整することができる。
後架橋工程における樹脂粒子と後架橋剤(c)とを含む混合物の反応は、密閉下で反応させることが好ましい。密閉下で加熱することで反応中の水の蒸発を防ぎ、反応中の含水率を安定にすることができ、吸水性樹脂粒子に必要な保水量を維持しつつ、[イオン交換水中での吸水倍率]を低下させ、かつ、高いゲル通液速度を安定的に得ることができる。また、混合物の含水率が高い場合は、密閉で加熱することで圧力が上昇するため、耐圧性の容器で反応を行うことが好ましい。
本発明の吸収性樹脂粒子において、架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量の合計割合は架橋重合体(A)の重量に基づいて、好ましくは1.0~10.0%、更に好ましくは1.8~7.0%、最も好ましくは2.0~5.0%である。架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量の合計が1.0%未満だと、イオン交換水中の吸水倍率が小さくならない場合がある。架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量の合計が10.0%より多いと、70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置後における黄色度が悪化する場合がある。なお、架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量の合計割合を計算する際には、架橋重合体(A)の重量としては、架橋重合体(A)を製造する際に用いたビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)の合計重量を用い、架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量としては架橋重合体(A)の重合に用いた架橋剤(b)の重量及び後架橋工程で用いた後架橋剤(c)の合計重量をそれぞれ用いる。
後架橋の後、樹脂粒子中の水等の溶媒を留去又は乾燥し、必要により篩別して粒度調整することで、本発明の吸収性樹脂粒子を得ることができる。粒度調整後に得られた粒子の重量平均粒経は、好ましくは100~600μm、更に好ましくは200~500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量は3重量%以下であることが好ましく、150μm以下の粒子の含有量が3重量%以下であることが更に好ましい。
本発明の吸収性樹脂粒子は、長期保管時の変色の観点から、更にキレート剤(B)を含有することが好ましい。
キレート剤(B)としては特に限定はなく、カルボキシ(塩)基を分子内に含有するキレート剤(B1)、ホスホン酸(塩)基又はリン酸(塩)基を分子内に含有するキレート剤(B2)及びその他のキレート剤(B3)等が挙げられる。
カルボキシ(塩)基を分子内に含有するキレート剤(B1)としては、水酸基を有するヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(B11)と水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(B12)がある。水酸基を有するヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(B11)としては、クエン酸(塩)、乳酸(塩)、没食子酸(塩)及び酒石酸(塩)等が挙げられる。水酸基を有しないカルボン酸及び/又はその塩(B12)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(塩)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(塩)、ヒドロキシエチル-イミノ二酢酸(塩)、1,2-ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸(塩)、ニトリロ三酢酸(塩)、β-アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)、セリンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸(塩)及びグルタミン酸(塩)、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)、シクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、マレイン酸誘導体、シュウ酸(塩)、マロン酸(塩)、コハク酸(塩)、グルタル酸(塩)及びアジピン酸(塩)等が挙げられる。
ホスホン酸(塩)基又はリン酸(塩)基を分子内に含有するキレート剤(B2)としては、メチルジホスホン酸(塩)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(塩)、1-ヒドロキシエチリデン-1、1-ジホスホン酸(塩)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(塩)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、プロピレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トリアミノトリエチルアミンヘキサ(メチレンホスホン酸)(塩)、トランス-1、2-シクロヘキサンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)、グリコールエーテルジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(塩)及びテトラエチレンペンタミンヘプタ(メチレンホスホン酸)(塩)、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、トリポリリン酸(塩)及びヘキサメタリン酸(塩)等が挙げられる。
また、これらの塩の内、長期保管時の変色の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、更に好ましいのはアルカリ金属塩、特に好ましいのはナトリウム塩である。
その他のキレート剤(B3)としては、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,2-エタンジアミン、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,2-プロパンジアミン、N,N’-ビス(サリチリデン)-1,3-プロパンジアミン及びN,N’-ビス(サリチリデン)-1,4-ブタンジアミン等が挙げられる。
キレート剤(B)の内、長期保管時の変色の観点から、好ましくはカルボキシ(塩)基を分子内に含有するキレート剤(B1)、更に好ましくは水酸基を有するヒドロキシカルボン酸及び/又はその塩(B11)、最も好ましくはクエン酸(塩)である。キレート剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
キレート剤(B)を添加する方法としては、例えば、キレート剤(B)の水溶液を樹脂粒子と混合する方法が挙げられる。樹脂粒子と水溶液を混合する方法としては、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等の混合装置を用いて、均一混合する方法が挙げられる。また、キレート剤(B)添加の均一性の観点から、キレート剤(B)は、水で希釈した水溶液を使用することが好ましく、流動式加湿混合造粒装置[フレキソミックス(ホソカワミクロン社製)及びシュギフレキソミックス((株)パウレック製)等]に噴霧装置を取り付けた混合装置等で噴霧する方法や、上記混合溶液に樹脂粒子をディッピングする方法等が挙げられる。
キレート剤(B)単位の含有量は架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.1~10重量%が好ましく、更に好ましくは1~7重量%、特に好ましくは1.5~5重量%である。この範囲であると、吸収性能を悪化させずに長期保管における変色が抑制される。
本発明の吸収性樹脂粒子は、必要に応じて、添加剤(例えば、特開2003-225565号及び特開2006-131767号等に記載の防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、通液性向上剤及び有機質繊維状物等)を含むこともできる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有量は、架橋重合体(A)の重量に基づいて、0.001~10重量%が好ましく、更に好ましくは0.01~5重量%、特に好ましくは0.05~1重量%、最も好ましくは0.1~0.5重量%である。
本発明の吸収性樹脂粒子は、イオン交換水中に浸漬した吸収性樹脂粒子が単位重量あたりに吸水するイオン交換水の重量[イオン交換水中での吸水倍率]が10~120(g/g)であり、生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]が350(ml/分)以上である吸収性樹脂粒子である。
前記の[イオン交換水中での吸水倍率]は、10~120(g/g)であり、40~110(g/g)が好ましく、45~70(g/g)が更に好ましい。[イオン交換水中での吸水倍率]が10未満となると使い捨て水着に使用した際に漏れが発生するおそれがある。イオン交換水中での吸収倍率が120より大きくなると使い捨て水着に使用し水中に入った際に吸収性樹脂粒子が大きく膨潤し、股間部が垂れ下がったり、ずれ落ちたりすることにより見栄えや装着感が悪くなる場合がある。
吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率]を上記範囲にするためには、前記の製造方法において、後架橋工程の少なくとも1回における樹脂粒子の含水率を22~90重量%にし、架橋剤(b)及び後架橋剤(c)の含有量の合計を架橋重合体(A)の重量に基づいて1.0~10.0%にすることが好ましい。
なお、[イオン交換水中での吸水倍率]は、以下の条件で測定する。
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料0.50gを入れ、イオン交換水(電気伝導度5μS/cm以下)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りし、ティーバックを含めた重量(w1(g))を測定し次式から保水量を求める。(w2(g))は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。使用するイオン交換水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃である。なお、上記袋の重量w1が100(g)を超える場合には上記ティーバッグに投入する測定試料の投入量を0.50g以下になるよう適宜調整する。
[イオン交換水中での吸水倍率](g/g)=((w1)-(w2))/測定試料の重量
生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、350(ml/分)以上であり、350~2000(ml/分)が好ましく、350~1500(ml/分)が更に好ましく、350~1000(ml/分)が特に好ましい。ゲル通液速度が350未満の場合、使い捨て水着に使用した場合に漏れが発生するおそれがある。
吸収性樹脂粒子のゲル通液速度を上記範囲にするためには、架橋剤(b)単位の含有量を、水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位、その他のビニルモノマー(a3)単位も用いる場合は(a1)~(a3)単位の合計モル数に基づいて0.001~5モル%にし、前記架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を適量の後架橋剤(c)で架橋することが好ましい。
[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、図1及び図2で示される器具を用いて以下の操作により測定する。
測定試料0.32gを150ml生理食塩水1(食塩濃度0.9%)に30分間浸漬して膨潤ゲル粒子2を調製する。そして、垂直に立てた円筒3{直径(内径)25.4mm、長さ40cm、底部から60mlの位置及び40mlの位置にそれぞれ目盛り線4及び目盛り線5が設けてある。}の底部に、金網6(目開き106μm、JIS Z8801-1:2006)と、開閉自在のコック7(通液部の内径5mm)とを有する濾過円筒管内に、コック7を閉鎖した状態で、調製した膨潤ゲル粒子2を生理食塩水と共に移した後、この膨潤ゲル粒子2の上に、金網面に対して垂直に結合する加圧軸9を有する円形金網8(目開き150μm、直径25mm)を金網と膨潤ゲル粒子とが接触するように載せ、更に加圧軸9(重さ22g、長さ47cm)におもり10(88.5g)を載せ、1分間静置した。引き続き、コック7を開き、濾過円筒管内の液面が60ml目盛り線4から40ml目盛り線5になるのに要する時間(T1;秒)を計測し、次式よりゲル通液速度(ml/分)を求める。
ゲル通液速度(ml/分)=20ml×60/(T1-T2)
なお、使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃で行い、T2は測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測した時間である。
生理食塩水中に浸漬した1.00gの本発明の吸収性樹脂粒子が吸水する生理食塩水の重量[吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量]は、好ましくは10~20(g/g)であり、12~18(g/g)が更に好ましく、14~16(g/g)が最も好ましい。保水量が10未満となると使い捨て水着に使用した際に尿を十分に吸収できなくなる場合がある。保水量が20より大きいと尿の吸収量は十分ではあるが水の吸収量も増加するため、使い捨て水着に使用し水中に入った際に吸収性樹脂粒子が大きく膨潤し、股間部が垂れ下がったり、ずれ落ちたりすることにより見栄えや装着感が悪くなる場合がある。
吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量を上記範囲にするためには、適切な水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を選択する、架橋剤(b)単位の含有量を水溶性ビニルモノマー(a1)単位及び加水分解性ビニルモノマー(a2)単位、その他のビニルモノマー(a3)単位も用いる場合は(a1)~(a3)単位の合計モル数に基づいて0.001~5モル%にする及び単量体組成物の重合することが好ましい。
なお、吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量は、以下の条件で測定する。
目開き63μm(JIS Z8801-1:2006)のナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に測定試料1.00gを入れ、生理食塩水(食塩濃度0.9%)1,000ml中に無撹拌下、1時間浸漬した後引き上げて、15分間吊るして水切りする。その後、ティーバッグごと、遠心分離器にいれ、150Gで90秒間遠心脱水して余剰の生理食塩水を取り除き、ティーバックを含めた重量(h1)を測定し次式から保水量を求める。(h2)は、測定試料の無い場合について上記と同様の操作により計測したティーバックの重量である。使用する生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃である。
保水量(g/g)=(h1)-(h2)
本発明の吸収性樹脂粒子におけるイオン交換水吸収指数は、前記の[イオン交換水中での吸水倍率]と前記の吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量とを用いて下記(式3)で定義される指数であり、吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率]と吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量の比で表される。従って、イオン交換水吸収指数が小さいほど、吸収性樹脂粒子の生理食塩水の保水量に対する[イオン交換水中での吸水倍率]が小さいことを意味する。
(イオン交換水吸収指数)=(吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率])/(吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量) ・・・(式3)
前記のイオン交換水吸収指数は、1.0~6.0が好ましく、1.5~5.5が更に好ましく、2.0~5.0が最も好ましい。イオン交換水吸収指数が1.0未満となると使い捨て水着に使用した際に、尿を吸いきれず漏れが発生する恐れがある。イオン交換水吸収指数が6.0より大きくなると使い捨て水着に使用し水中に入った際に吸収性樹脂粒子が大きく膨潤し、股間部が垂れ下がったり、ずれ落ちたりすることにより見栄えや装着感が悪くなる場合がある。
本発明の吸収性樹脂粒子としては、70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置した後に測定される黄色度(YI値)が20以下である吸収性樹脂粒子が好ましく、前記条件で測定される黄色度が18以下の吸収性樹脂粒子が更に好ましく、15以下の吸収性樹脂粒子が最も好ましい。前記条件で測定される黄色度が20より大きい吸収性樹脂粒子であると、長期保管後に使い捨て水着を使用する際に、使い捨て水着内部で変色した吸収性樹脂粒子が外側から目立って見えてしまう場合がある。
なお、黄色度は、吸収性樹脂粒子を用いてJIS K7373 プラスチック-黄色度及び黄変度の求め方に記載の方法に従って測定する。
黄色度は、吸収性樹脂の初期着色(製造直後の着色)及び長期保存又は応用製品中での着色の進行しやすさを評価でき、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置した後に測定される黄色度は、簡易型分光色差計(日本電色工業株式会社製本体NF333、センサー部ND120内径φ8mm)を用いて着色促進試験(70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置)を行った後の黄色度を測定することにより評価する。黄色度は、その値が小さいほど、着色が抑制されていることを示す。
なお、着色促進試験(70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置)の手順は以下の通りである。
内径90mmのガラスシャーレに10gの吸収性樹脂を入れ、表面が平坦になるように均一に均する。これを70±5℃、80±3%R.H.の恒温恒湿機内に28日間保存する。その後、恒温恒湿機内からシャーレを取り出して室温に戻した後、着色促進試験後の黄色度を測定する。
本発明の吸収性樹脂粒子の通液維持率(%)は下記(式4)で定義され、吸収性樹脂粒子のゲル通液速度は壊れ性試験前の吸収性樹脂粒子のゲル通液速度と同義であるから、通液維持率は、後述する壊れ性試験前後の吸収性樹脂粒子のゲル通液速度の比を意味する。従って、通液維持率が高いほどゲル通液速度に関して壊れに強い吸収性樹脂粒子であることを意味する。
(通液維持率)=100×(壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度])/(壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]) ・・・(式4)
本発明の吸収性樹脂粒子の通液維持率は70%以上が好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上が最も好ましい。通液維持率が70%未満となると使い捨て水着に使用した際に漏れが発生する場合がある。通液維持率を向上させるには、物理的衝撃に対する吸水性樹脂粒子の耐久性を上げる必要があり、前述した後架橋工程を実施することが好ましい。すなわち、本発明の後架橋工程を実施することで、従来のシリカ等の無機化合物や硫酸アルミニウム等の多価金属塩などの表面処理剤によるゲル通液速度向上技術と比較して、高いゲル通液速度を発揮できるだけでなく、吸水性樹脂粒子に耐久性を付与し、通液維持率も向上させることができる。
吸収性樹脂粒子の通液維持率を上記範囲にするためには後架橋工程での樹脂粒子の含水率が22~90重量%である必要がある。樹脂粒子内部まで架橋剤が浸透することで、樹脂粒子全体に均一に架橋構造を有するため、粒子表面が壊れても内部の新しい架橋表面が現れることで、ゲル通液維持率を保つことができる。
なお、壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は前記の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]と同様の条件で測定した値を用いる。壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、壊れ性試験を行った後の吸収性樹脂粒子を用いる以外は前記の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]と同様の条件で測定する。
なお、壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、以下の条件で測定する。
3L丸形セパラブルフラスコ(ASONE製)に吸収性樹脂粒子30gを投入し、前記セパラブルフラスコの上部に、中心部に6mmの穴を開けた目開き63μmのナイロン網(JIS Z8801-1:2000)を敷き、さらにその上に4つ口セパラブルカバー(ASONE製 主管TS29/42、側管TS24/40、24/40、15/35)をセットする。次に3L丸形セパラブルフラスコ用の4つ口セパラブルカバーの主管TS29/42からステンレス製(外径6mm、内径4mm)管を入れ、ステンレス製管がナイロン網を貫通し、かつ先端が前記セパラブルフラスコの底面から45mmの位置となるようセットする。ステンレス製管のもう一方にはウレタンチューブ(長さ1500mm、内径8.5mm)を装着し0.3MPa以上の圧力が達成できるエアーラインに接続し、圧力0.2MPaにてエアーラインを開け、3分間エアーブローして壊れ性試験を行い、その後に吸収性樹脂粒子を取り出して、前記の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]と同様の条件で圧縮後の吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度を測定する。
本発明の吸収性樹脂粒子の見掛け密度は、0.54~0.70g/mlが好ましく、更に好ましくは0.56~0.65g/ml、特に好ましくは0.58~0.60g/mlである。この範囲であると、吸収性物品の耐カブレ性が更に良好となる。なお、吸収性樹脂粒子の見掛け密度は、JIS K7365:1999に準拠して、25℃で測定される。
本発明の吸収性樹脂粒子の形状は、特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び米粒状等が挙げられる。これらの内、使い捨て水着用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
本発明の吸収性樹脂粒子の重量平均粒子径は、100~800μmが好ましく、更に好ましくは200~700μm、次に好ましくは250~600μm、特に好ましくは300~500μm、最も好ましくは350~450μmである。この範囲であると、吸収性能が更に良好となる。
また、樹脂粒子に含まれる微粉の含有量は少ないほど吸収性能が良好となるため、樹脂粒子の合計重量に占める106μm以下(好ましくは150μm以下)の粒子の含有率は3重量%以下が好ましく、更に好ましくは1重量%以下である。微粉の含有率は、上記の重量平均粒子径を求める際に作成するグラフを用いて求めることができる。
本発明の吸収体は、本発明の吸収性樹脂粒子を含有する。吸収体としては、吸収性樹脂粒子を単独で用いても良く、他の材料と共に用いて吸収体としても良い。他の材料としては繊維状物等が挙げられる。繊維状物と共に用いた場合の吸収体の構造及び製造方法等は、特開2003-225565号公報、特開2006-131767号公報及び特開2005-097569号公報等と同様である。
上記繊維状物として好ましいのは、セルロース系繊維、有機系合成繊維及びセルロース系繊維と有機系合成繊維との混合物である。
セルロース系繊維としては、例えばフラッフパルプ等の天然繊維、ビスコースレーヨン、アセテート及びキュプラ等のセルロース系化学繊維が挙げられる。このセルロース系天然繊維の原料(針葉樹及び広葉樹等)、製造方法(ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ、メカニカルパルプ及びCTMP等)及び漂白方法等は特に限定されない。
有機系合成繊維としては、例えばポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン系繊維及び熱融着性複合繊維(融点の異なる上記繊維の少なくとも2種を鞘芯型、偏芯型、並列型等に複合化された繊維、上記繊維の少なくとも2種をブレンドした繊維及び上記繊維の表層を改質した繊維等)が挙げられる。
これらの繊維状基材の内で好ましいのは、セルロース系天然繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリエステル系繊維、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維であり、更に好ましいのは、得られた吸水剤の吸水後の形状保持性に優れるという点で、フラッフパルプ、熱融着性複合繊維及びこれらの混合繊維である。
上記繊維状物の長さ、太さについては特に限定されず、長さは1~200mm、太さは0.1~100デニールの範囲であれば好適に使用することができる。形状についても繊維状であれば特に限定されず、細い円筒状、スプリットヤーン状、ステープル状、フィラメント状及びウェブ状等が例示される。
吸収性樹脂粒子を、繊維状物と共に吸収体とする場合、吸収性樹脂粒子と繊維の重量比率(吸収性樹脂粒子の重量/繊維の重量)は40/60~90/10が好ましく、更に好ましくは70/30~80/20である。
本発明の吸収性物品は上記吸収体を用いる。吸収性物品としては、使い捨て水着や紙おむつや生理用ナプキン等の衛生用品、各種水性液体の吸収や保持剤用途、ゲル化剤用途等の各種用途に使用されるものとして適用可能であり、好ましくは使い捨て水着である。吸収性物品の製造方法等は、特開2003-225565号公報、特開2006-131767号公報及び特開2005-097569号公報等に記載のものと同様である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。
<実施例1>
アクリル酸(三菱化学株式会社製、純度100%)100部、架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ-株式会社製)0.4部及びイオン交換水220部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.4部、2%アスコルビン酸水溶液0.8部及び2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液82部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体を含む樹脂粒子(A-1)を得た。樹脂粒子(A-1)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた樹脂粒子(A-1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール1.4部、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.18部及びイオン交換水3.6部を混合した混合液を添加し、均一混合した。樹脂粒子(A-1)と後架橋剤との均一混合後の混合物の含水率は、6%であった。その後、通気型乾燥機(大気開放系)にて130℃で30分間加熱して、一回目の後架橋剤との反応を行い、吸収性樹脂粒子(B-1)を得た。吸収性樹脂粒子(B-1)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(B-1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール2.0部、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部及びイオン交換水40部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。均一混合後の吸水性樹脂粒子(B-1)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は28%であった。その後、PTFEるつぼ(フロン工業社製)に投入し封をしたのち、130℃で60分加熱して二回目の後架橋剤との反応を行った。さらに加熱後PTFEるつぼを開封し、130℃で20分加熱して水分を除去し吸収性樹脂粒子(C-1)を得た。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(C-1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにキレート剤としてクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、本発明の吸収性樹脂粒子(P-1)を得た。
<実施例2>
実施例1と同様にして、実施例1における吸収性樹脂粒子(C-1)を本発明の吸収性樹脂粒子(P-2)とした。
<実施例3>
実施例1の一回目の後架橋剤との反応において吸収性樹脂粒子(B-1)100部に対して添加したエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部をエチレングリコールジグリシジルエーテル1.2部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸収性樹脂粒子(P-3)を得た。一回目の後架橋剤との加熱反応を行う前の樹脂粒子と後架橋剤とを含む混合物の含水率は28%であった。
<実施例4>
実施例1の一回目の後架橋剤との反応において吸収性樹脂粒子(B-1)100部に対して添加したエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部をエチレングリコールジグリシジルエーテル0.9部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の吸収性樹脂粒子(P-4)を得た。一回目の後架橋剤との加熱反応を行う前の混合物の含水率は28%であった。
<実施例5>
アクリル酸(三菱化学株式会社製、純度100%)100部、架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ-株式会社製)0.4部及びイオン交換水220部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.4部、2%アスコルビン酸水溶液0.8部及び2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液82部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体を含む樹脂粒子(A-5)を得た。樹脂粒子(A-5)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた樹脂粒子(A-5)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール1.4部、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.18部及びイオン交換水3.6部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。樹脂粒子(A-5)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は、6%であった。その後、通気型乾燥機(大気開放系)にて130℃で30分間加熱して、樹脂粒子と後架橋剤との一回目の反応を行い、吸収性樹脂粒子(B-5)を得た。吸収性樹脂粒子(B-5)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(B-5)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール2.0部、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部及びイオン交換水100部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。吸水性樹脂粒子(B-5)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は49%であった。その後、PTFEるつぼ(フロン工業社製)に投入し封をしたのち、130℃で60分加熱し二回目の後架橋剤との反応を行った。加熱後PTFEるつぼを開封し、130℃で20分加熱して水分を除去し吸収性樹脂粒子(C-5)を得た。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(C-5)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにキレート剤であるクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、本発明の吸収性樹脂粒子(P-5)を得た。
参考例6>
アクリル酸(三菱化学株式会社製、純度100%)100部、架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ-株式会社製)5.0部及びイオン交換水220部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.4部、2%アスコルビン酸水溶液0.8部及び
2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液82部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、架橋重合体を含む樹脂粒子(A-6)を得た。樹脂粒子(A-6)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた樹脂粒子(A-6)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール4.0部、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部及びイオン交換水18.8部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。樹脂粒子(A-6)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は、17%であった。その後、通気型乾燥機(大気開放系)にて130℃で30分間加熱して一回目の後架橋剤との反応を行い、吸収性樹脂粒子(B-6)を得た。吸収性樹脂粒子(B-6)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(B-6)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにヒュームドシリカ(アエロジル社製Aerosil200)を0.5部、キレート剤であるクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、吸収性樹脂粒子(P-6)を得た。
<実施例7>
実施例5における二回目の後架橋剤との反応を行う際に用いたエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部をエチレングリコールジグリシジルエーテル3.6部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸収性樹脂粒子(P-7)を得た。二回目の後架橋反応を行う際の吸水性樹脂粒子(B-1)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は、49%であった。
<実施例8>
実施例5において吸収性樹脂粒子(C-5)に混合したクエン酸ナトリウム1.6部をクエン酸ナトリウム5.0部に変更し、イオン交換水2.4部をイオン交換水7.5部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸収性樹脂粒子(P-8)を得た。
<実施例9>
実施例5において用いた架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ-株式会社製)の重量を0.4部から0.2部に変更する以外は、実施例5と同様の操作を行い、吸収性樹脂粒子(P-9)を得た。
<比較例1>
実施例1で得られる吸収性樹脂粒子(B-2)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにキレート剤であるクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、比較用の吸収性樹脂粒子(R-1)を得た。
<比較例2>
アクリル酸(三菱化学株式会社製、純度100%)100部、架橋剤(ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ダイソ-株式会社製)7.0部及びイオン交換水220部を攪拌・混合しながら3℃に保った。この混合物中に窒素を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、1%過酸化水素水溶液0.4部、2%アスコルビン酸水溶液0.8部及び
2%の2,2’-アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.1部を添加・混合して重合を開始させた。混合物の温度が90℃に達した後、90±2℃で約5時間重合することにより含水ゲルを得た。
次にこの含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液82部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、吸収性樹脂粒子(RA-2)を得た。吸収性樹脂粒子(RA-2)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(HA-2)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにキレート剤であるクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、比較用の吸収性樹脂粒子(R-2)を得た。
<比較例3>
実施例1と同様にして得られた含水ゲルをミンチ機(ROYAL社製12VR-400K)で細断しながら、48.5%水酸化ナトリウム水溶液82部及び架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル1.26部を添加して混合・中和し、中和ゲル(中和度:72%)を得た。更に中和した含水ゲルを通気型乾燥機{200℃、風速2m/秒}で乾燥し、乾燥体を得た。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710~150μmの粒子径範囲に調整して、吸収性樹脂粒子(RA-3)を得た。吸収性樹脂粒子(RA-3)の含水率は、3%であった。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(RA-3)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール1.4部、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.18部及びイオン交換水3.6部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。混合物の含水率は、6%であった。その後、通気型乾燥機(大気開放系)にて130℃で30分間加熱して、吸収性樹脂粒子(RB-3)を得た。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(RB-3)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにキレート剤であるクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、比較用の吸収性樹脂粒子(R-3)を得た。
<比較例4>
実施例1で得られる吸収性樹脂粒子(B-1)をそのまま用いて比較用の吸収性樹脂粒子(R-4)とした。
<比較例5>
実施例1で得られる吸収性樹脂粒子(B-1)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにプロピレングリコール2.0部、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル2.0部及びイオン交換水40部を混合した混合液を添加し、均一混合して混合物を得た。均一混合後の混合物の含水率は、28%であった。その後、通気型乾燥機(大気開放系)にて130℃で30分間加熱して、吸収性樹脂粒子(RC-5)を得た。
ついで、得られた吸収性樹脂粒子(RC-5)100部を高速攪拌(細川ミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、これにクエン酸ナトリウム1.6部及びイオン交換水2.4部を混合した混合液を添加し、比較用の吸収性樹脂粒子(R-5)を得た。
<比較例6>
比較例5において吸収性樹脂粒子(B-1)と混合するエチレングリコールジグリシジルエーテルの重量を2.0部から4.0部に変更する以外は、比較例5と同様の操作を行い、比較用の吸収性樹脂粒子(R-6)を得た。吸水性樹脂粒子(B-1)と架橋剤とを含む混合物の含水率は、6%であった。
<比較例7>
比較例5において吸収性樹脂粒子(B-1)と混合するエチレングリコールジグリシジルエーテルの重量を2.0部から6.0部に変更する以外は、比較例5と同様の操作を行い、比較用の吸収性樹脂粒子(R-7)を得た。吸収性樹脂粒子(B-1)と架橋剤とを含む混合物の含水率は、6%であった。
<比較例8>
実施例1において吸収性樹脂粒子(B-1)を後架橋する際に用いるイオン交換水40部をイオン交換水25部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の吸収性樹脂粒子(R-8)を得た。吸収性樹脂粒子(B-1)と後架橋剤とを含む混合物の含水率は20%であった。
得られた吸収性樹脂粒子(P-1)~(P-9)及び比較用の吸収性樹脂粒子(R-1)~(R-8)のイオン交換水中での吸水倍率、イオン交換水吸収指数、保水量、70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置後の黄色度、ゲル通液速度、壊れ性試験後のゲル通液速度、通液維持率の評価結果を表1に示した。
Figure 0007352428000001
表1の結果から、本発明の吸収性樹脂粒子は、ゲル通液速度に優れ、かつイオン交換水の吸収倍率及びイオン交換水吸収指数が小さいことが分かる。一方、比較例はたとえゲル通液速度が良好でもイオン交換水吸収指数が大きいか、イオン交換水吸収指数が小さくてもゲル通液速度が劣っている。すなわち、実施例は、ゲル通液速度と小さいイオン交換水の吸収倍率の両立という観点で比較例と有意な差がある事が分かった。
本発明の吸収性樹脂粒子はイオン交換水中での吸収倍率が低く、大量の水が浸入する可能性のある吸水性物品に使用しても膨潤を抑制できる。そのため、ナプキン(生理用ナプキン等)、紙タオル、使い捨て水着等の衛生用品に好的に用いられ、特に使い捨て水着に最適である。なお、本発明の吸収性樹脂粒子は衛生用品のみならず、止水剤や人工雪等、種々の用途にも有用である。
1 生理食塩水
2 含水ゲル粒子
3 円筒
4 底部から60mlの位置の目盛り線
5 底部から40mlの位置の目盛り線
6 金網
7 コック
8 円形金網
9 加圧軸
10 おもり

Claims (12)

  1. ビニルモノマー(a)及び架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を後架橋剤(c)で架橋した吸収性樹脂粒子であって、前記ビニルモノマー(a)は水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により水溶性ビニルモノマー(a1)となるビニルモノマー(a2)を含み、イオン交換水中に浸漬した吸収性樹脂粒子が単位重量あたりに吸水するイオン交換水の重量[イオン交換水中での吸水倍率]が10~120(g/g)であり、生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]が350(ml/分)以上であり、下記(式4)で得られるゲル通液維持率が70%以上である吸収性樹脂粒子。
    (ゲル通液維持率)=100×(壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度])
    /(壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]) ・・・(式4)
    (式4)中の壊れ性試験前の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、後述する壊れ性試験を行わないで生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮した吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度である。壊れ性試験後の[吸収性樹脂粒子のゲル通液速度]は、3L丸形セパラブルフラスコに吸収性樹脂粒子30gを投入し、前記セパラブルフラスコの上部に、中心部に6mmの穴を開けた目開き63μmのナイロン網を敷き、さらにその上に4つ口セパラブルカバーをセットする。次に3L丸形セパラブルフラスコ用の4つ口セパラブルカバーの主管からステンレス製(外径6mm、内径4mm)管を入れステンレス製管がナイロン網を貫通し、かつ先端が前記セパラブルフラスコの底面から45mmの位置となるようセットする。ステンレス製管のもう一方にはウレタンチューブ(長さ1500mm、内径8.5mm)を装着し0.3MPa以上の圧力が達成できるエアーラインに接続し、圧力0.2MPaにてエアーラインを開け、3分間エアーブローすることで壊れ性試験を行い、その後に取り出した吸収性樹脂粒子を生理食塩水中に30分間浸漬して膨潤させた後に加重をかけて圧縮し、圧縮後の吸収性樹脂粒子を生理食塩水が通過するときの速度である。
  2. 吸収性樹脂粒子の形状が不定形破砕状である請求項1に記載の吸収性樹脂粒子。
  3. [イオン交換水中での吸水倍率]と、生理食塩水中に浸漬した1.00gの吸収性樹脂粒子が吸水する生理食塩水の重量[吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量]とを用いて下記(式3)で定義されるイオン交換水吸収指数が、1.0~6.0である請求項1又は2に記載の吸収性樹脂粒子。
    (イオン交換水吸収指数)=(吸収性樹脂粒子の[イオン交換水中での吸水倍率])/
    (吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量) ・・・(式3)
  4. 70±5℃、相対湿度80±3%の雰囲気下に28日間放置した後にJISK7373プラスチック-黄色度及び黄変度の求め方に記載の方法に従って簡易型分光色差計を用いて測定される黄色度が20以下である請求項1~3のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  5. 吸収性樹脂粒子の生理食塩水に対する保水量が10~20(g/g)である請求項1~4のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  6. 更にキレート剤(B)を含有する請求項1~5のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  7. 架橋剤(b)の含有量が架橋重合体(A)を構成するビニルモノマー(a)の合計重量
    に基づいて0.2~5重量%である請求項1~のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  8. 後架橋剤(c)の合計使用量が架橋重合体(A)の重量に基づいて1~4重量%である請求項1~のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子。
  9. 請求項1~に記載の吸収性樹脂粒子を含有する吸収体。
  10. 請求項に記載の吸収体を含有する吸収性物品。
  11. 前記ビニルモノマー(a)及びに前記架橋剤(b)を必須構成単位とする前記架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子と後架橋剤(c)とを含む混合物を反応して樹脂粒子を後架橋する工程を有し、混合物の含水率が22~90重量%である請求項1~のいずれかに記載の吸収性樹脂粒子の製造方法。
  12. 前記架橋重合体(A)を含有する樹脂粒子を、密閉下で後架橋剤(c)と反応させる請求項1に記載の吸収性樹脂粒子の製造方法。
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